JP2879153B2 - 液体食品の滅菌装置 - Google Patents

液体食品の滅菌装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液体食品の味や品質を損なうことなく原液
を滅菌する滅菌装置に関するものである。
〔従来の技術〕
液体食品は、通常、常温で腐蝕することなく長期間の
保管を可能にするために滅菌処理が施されている。
この殺菌処理には、液体食品を60〜140℃に加熱する
加熱殺菌法と、UF膜やRO膜等の除菌フィルタを用いて濾
過する滅菌濾過法とがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
加熱殺菌法は、加熱によって味が変化乃至劣化し、さ
らに、ビタミン類や蛋白質等が破壊され、品質が低下す
るといった不具合がある。
他方、滅菌濾過法は、ビタミン類や蛋白質等が除菌フ
ィルタを透過して、これらの成分による味の変化乃至劣
下及び品質の低下をもたらさず、また、加熱しないため
エネルギーの省力化にも有効である。しかし、味や品質
の成分中には、ビタミン類や蛋白質以外に、除菌フィル
タによって除去されてしまうものがあり、従って濾過後
の商品となる浄過液中の味や品質に有効な成分が減少
し、浄過液である商品の味が変化乃至劣下し、また、品
質が低下するといった不具合がある。
但し、除菌フィルタによって除去される味や品質の成
分は、加熱による影響は少ないものとする。
そこで、本発明は、加熱殺菌法と、滅菌濾過法とを組
合わせ、味の変化、劣下及び品質の低下をもたらさない
滅菌装置を提供することを目的とする。
尚、加熱殺菌法と、滅菌濾過法とを組合わせた無菌液
汁飲料の製造法が、特開昭58−212772号公報に公開され
ている。この製造法は、熱に弱く、微量のアロマ物質
(風味の素)を圧搾果汁から分離し、アロマ物質を所謂
滅菌濾過器を通して濾過する一方、アロマ物質のない液
汁を加熱滅菌し、最後に、濾過されたアロマ物質と加熱
滅菌された液汁とを混合し、風味をもった製品を得るも
のである。従って、この製造法においては、加熱殺菌す
るのは、多量の液汁の方であって加熱に多量のエネルギ
ーを要しまた、滅菌濾過法で濾過された少量のアロマ物
質の残滓液は廃棄されることになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、味や品質を損なうことなく、液体食品の原
液を滅菌するため、液体食品の原液を、除菌フィルタで
濾過して除菌した浄過液と、除菌フィルタによって濾過
されない残滓液とに分離する滅菌濾過装置と、上記残滓
液を加熱して処理液を得る加熱殺菌装置と、上記浄過液
と処理液とを混合する混合装置とを具備したものであ
る。
〔作用〕
滅菌濾過法によって得られた浄過液は、加熱されてい
ないため、味の変化、劣化及び品質の低下をもたらすこ
とはない。また滅菌濾過法によって得られた残滓液中に
は味や品質上有効な成分が含まれているが、この成分は
耐熱性があり、加熱殺菌法により、味や品質を損なわな
い処理液を得ることができる。従って上記浄過液と処理
液とを混合装置によって混合すると、滅菌され、しか
も、味や品質上有効な成分を全て含んだ製品を得ること
ができる。
〔実施例〕
本発明に係る一実施例を図面を参照しながら説明す
る。
本発明に係る液体食品の殺菌装置は、液体食品の原液
(1)を貯溜する第1のタンク(10)と、除菌フィルタ
(11)を内装し、除菌フィルタ(11)によって、上記原
液(1)を浄過液(2)と残滓液(3)とに分離する滅
菌濾過装置(12)と、上記残滓液(3)を加熱して処理
液(4)を得るための加熱殺菌装置(13)と、上記浄過
液(2)と処理液(4)とを混合するための混合装置
(14)とを具備する。上記浄過液(2)及び残滓液
(3)は、例えば、それぞれ第2のタンク(15)及び第
3タンク(16)に貯溜する。そして、第1のタンク(1
0)と滅菌濾過装置(12)の入口側室(12a)とを第1の
管路(18)によって接続し、滅菌濾過装置(12)の出口
側室(12b)と第2のタンク(15)とを第2の管路(1
9)によって接続し、滅菌濾過装置(12)の入口側室(1
2a)と第3のタンク(16)とを第3の管路(20)によっ
て接続する。但し、第1の管路(18)と第3の管路(2
0)には、それぞれ、第1のバルブ(21)と第2のバル
ブ(22)を介在させ、原液(1)及び残滓液(3)の流
れを制御する。
本発明に係る殺菌装置は以上のように構成し、次に、
殺菌方法について説明する。
先ず、第2のバルブ(22)を閉じた状態で、第1のバ
ルブ(21)を開き、液体食品の原液(1)を第1のタン
ク(10)から第1の管路(18)内を経由して、滅菌濾過
装置(12)内に供給する。原液(1)の大部分は除菌フ
ィルタ(11)を透過して、濾過された浄過液(2)が第
2の管路(19)から第2のタンク(15)に貯溜される。
原液(1)中のビタミン類や蛋白質等の熱に破壊されや
すい物質は、除菌フィルタ(11)を透過して、浄過液
(2)中に含まれる。しかし、ビタミン類や蛋白質等以
外の味や品質上有効で、かつ、熱に強い成分〔以下、う
まみ成分という〕は、除菌フィルタ(11)を透過せず、
滅菌濾過装置(12)の入口側室(12a)に残滓液(3)
として残る。しかし、大部分の原液(1)は除菌フィル
タ(11)を透過するため、残滓液(3)は、徐々に滅菌
濾過装置(12)の入口側室(12a)に貯溜されていく。
残滓液(3)が滅菌濾過装置(12)の入口側室(12a)
に所定量貯溜されると、第1のバルブ(21)を閉じ、原
液(1)の供給を停止する。そして、第2のバルブ(2
2)を開き、うまみ成分を含んだ残滓液(3)を第3の
管路(20)から第3のタンク(16)へ供給する。この残
滓液(3)を、例えば、加熱殺菌装置(13)へ搬入し、
残滓液(3)を加熱殺菌する。残滓液(3)中に含まれ
るうまみ成分は耐熱性があるため、残滓液(3)は、加
熱によって、味や品質を損なうことなく、殺菌済みの処
理液(4)となる。最後に、処理液(4)を収容した状
態の第4のタンク(17)から、この処理液(4)を混合
装置(14)へ供給し、また、上記浄過液(2)を第2の
タンク(15)から混合装置(14)へ供給する。すると、
味や品質を全く損なうことなく滅菌された液体食品
(5)を得ることができる。
以上は、本発明に係る一実施例を説明したもので、本
発明はこの実施例に限定することなく、本発明の要旨で
設計変更することができる。例えば、処理液(4)や浄
過液(2)の混合装置(14)への供給は、管路内を移送
して、無菌状態を確実に維持することが望ましい。
尚、本発明に係る液体食品の殺菌装置は、原液の大部
分が滅菌濾過装置によって濾過され、その残滓液は廃棄
することなく、加熱殺菌するものであるから、特開昭58
−212772号公報に公開された発明とは全く異質のもので
ある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、加熱殺菌法と、滅菌濾過法とを組合
わせ、熱に強い味及び品質の成分は加熱殺菌し、熱に弱
いビタミン類や蛋白質等は滅菌濾過することにより、全
く味の変化、劣下及び品質の低下をもたらすことなく、
常温で長期間の保管が可能な滅菌された液体食品を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明に係る液体食品の滅菌装置の説明図であ
る。 (1)……原液、(2)……浄過液、(3)……残滓
液、(4)……処理液、(11)……除菌フィルタ、(1
2)……滅菌濾過装置、(13)……加熱殺菌装置、(1
4)……混合装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体食品の原液を、除菌フィルタで濾過し
    て除菌された浄過液と、除菌フィルタによって濾過され
    ない残滓液とに分離する滅菌濾過装置と、 上記残滓液を加熱して処理液を得る加熱殺菌装置と、 上記浄過液と処理液とを混合する混合装置とを具備した
    ことを特徴とする液体食品の滅菌装置。
JP25159389A 1989-09-26 1989-09-26 液体食品の滅菌装置 Expired - Lifetime JP2879153B2 (ja)

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WO2013069547A1 (ja) 2011-11-07 2013-05-16 テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ スキムミルク原料乳の製造装置及び製造法
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