JP2004018292A - 活性炭の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器の上部に賦活反応時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設ける、および/またはアルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを特定濃度で含有させる活性炭の製造方法並びに該製造方法にて製造された活性炭を電極とする電気二重層キャパシタ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性炭の製造方法に関し、さらに詳しくは、炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器の上部に賦活反応中に揮発するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設ける、および/またはアルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを特定濃度で含有させる活性炭の製造方法に関する。本発明の活性炭は、電気二重層キャパシタ用の電極として好適である。さらに、吸着や浄水など、活性炭としての利用分野で使用することも可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの新しい電子機器が次々に出現し、これら商品の小型軽量化、携帯化などの開発競争から、それに内蔵されるICメモリやマイコンなども小型高性能化が進んでいる。ところが、このようなICメモリなどの素子やマイコンは、電力瞬断時に電子機器のメモリ消却や機能停止などの誤作動を起こす恐れがある。実際、コンピューター機器は、適切な対策を講じなければ10〜20%のわずかな電圧低下であっても、電圧低下が0.003〜0.02秒間続くだけで、機能停止やメモリ喪失などが起こり、電子機器の機能が麻痺してしまう。
【0003】
この対策として、Ni−Cd電池やアルミ電解コンデンサがバックアップ電源として用いられてきた。しかし、これらの電源は使用温度範囲、充放電のサイクル回数、容量、急速充放電性およびコストなどの点で充分なものではなかった。この市場ニーズに応え開発されたものが電気二重層キャパシタである。当初、電気二重層キャパシタには活性炭が電極材として用いられてきたが、最近、より高比表面積を有する活性炭素繊維を用いた電気二重層キャパシタが注目されるようになってきている。
【0004】
さらに従来の小電力分野から電気自動車用バッテリーの補助電源などの大容量分野への応用が考えられ、一部、減速時の回生運動エネルギーをキャパシタに充電し、加速時に逆に放電してエンジンの出力の補助をさせるという目的でキャパシタを搭載した乗用車が参考出品の段階に来ている。
電気二重層の研究の歴史は古く1879年のHelmholtzに遡ることができる。一般に、異なる二層が接触すると、界面に正、負の電荷が短距離を隔てて配列する。この界面にできた電荷分布を電気二重層と呼ぶ。
【0005】
電気二重層キャパシタは、この電気二重層に電圧を加えて電荷を蓄積するものである。しかし、実用化には長時間を要し、ようやく1980年代の初めになって、この原理を用いたファラッド単位の大容量コンデンサの出現をみた。
電気二重層キャパシタは、電極表面と電解液との界面に形成される電気二重層を利用した大容量のコンデンサであり、充放電に通常の二次電池のような化学反応を伴わない。このために、二次電池と比較して内部抵抗が格段に低く大電流放電が可能である。さらに、充放電回数の制限が無いという特徴も有している。
【0006】
しかし、電気二重層キャパシタの最大の問題点は、二次電池に比べてエネルギー密度が低いという点であって、この点を改良すべく現在各種の検討がなされている。
電気二重層キャパシタには、プロピレンカーボネートなどの有機系極性溶媒に過塩素酸リチウムあるいは4級アンモニウム塩などの電解質を溶解させた有機溶媒系電解液を使用するものと、硫酸水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液のような水溶液系電解液を使用するものとの、大きく分けて2種類が存在する。
【0007】
水溶液系電解液を使用した場合には、キャパシタの容量を、有機溶媒系電解液を使用した場合の約1.3倍から2倍に上げることができ、さらに内部抵抗を1/5から1/10に下げることができる。
水溶液系電解液を使用した場合に内部抵抗を下げることができる理由は、水溶液系電解液の電気抵抗が低いことに起因しているが、水溶液系電解液を使用する場合には、電圧を1V余りまでにしか上げることができないため体積当たりの蓄電エネルギー量は少ないという短所も併せ持っている。
【0008】
一方、有機溶媒系電解液を使用した場合には、電気二重層キャパシタの電圧を最高3V以上まで上げることができることから、キャパシタの体積当たりの蓄電エネルギー量(蓄電エネルギー量=1/2CV2で与えられる。C:キャパシタ容量、V:電圧)を上げることが可能であるため、容積当たりのエネルギーの高密度化という観点からは、有機溶媒系電解液の方が有利である。
【0009】
これらの電気二重層キャパシタの電極材料としては、比表面積の大きな活性炭や活性炭素繊維が最適と考えられ、各方面で炭素材料の最適化の研究が盛んである。
活性炭の製造方法としては、ヤシ殻、石炭やフェノール樹脂などの難黒鉛系炭素材(いわゆる、ハードカーボン)を原料とし、水蒸気や二酸化炭素などによるガス賦活が一般的であるが、電気二重層キャパシタ用電極材としてより高い性能を発現する活性炭の製造方法として、炭素材をアルカリ金属化合物の共存下にて賦活する方法(以下、アルカリ賦活という)が提案されている(特開平1−139865号公報参照)。
【0010】
この技術をピッチなどの易黒鉛系炭素材、特に、メソフェーズピッチを炭化して得た炭素材に使用する試みがなされている。例えば、特開平5−247731号公報では、メソフェーズを50%以上含むピッチ(以下、メソフェーズピッチということがある)を紡糸して得たピッチ繊維を不融化・炭化し、得られた炭素繊維(以下、メソフェーズピッチ系炭素繊維ということがある)をアルカリ賦活する、高比表面積(特に、2000m2/g以上)の活性炭素繊維の製造法が開示されている。
【0011】
さらに、近年では、易黒鉛系炭素材をアルカリ賦活して得た活性炭素繊維を、電気二重層キャパシタ用の電極材として用いることが試みられている。例えば、特開平5−258996号公報には、メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルカリ賦活して得た、比表面積3000m2/g以上の活性炭素繊維を、水または酸類で脱灰した後、繊維の形状が残らない程度に粉砕、成形してなる電気二重層コンデンサー用電極が提案されている。
【0012】
アルカリ賦活法で製造したこのような活性炭素繊維は、電極材として用いた場合に、従来のガス賦活で製造した活性炭や活性炭素繊維と比較して、比表面積が小さくても高い充放電特性が得られるため、単位体積当たりの充放電容量を向上させ得るという利点がある。しかしながら、アルカリ金属化合物を使用するため、賦活処理時にアルカリ金属化合物および/または賦活反応時に生成するアルカリ金属が反応容器から飛散する。
【0013】
炭素前駆体のアルカリ賦活処理時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属は、反応炉内部の腐食を促進するとともにアルカリ金属の発火または爆発などの危険性を伴うことから、これらの問題を解消する活性炭の製造方法の出現が切望されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルカリ賦活法による活性炭の製造方法において、アルカリ賦活処理時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属による反応炉内部の腐食およびアルカリ金属の発火または爆発などの危険性を解消する活性炭の製造方法およびその製造方法にて製造された活性炭を電極として用いる電気二重層キャパシタを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の研究を重ねた結果、活性炭の製造方法において、炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器の上部に賦活反応時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設ける、および/またはアルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを特定濃度で含有させることにより、反応炉内部の腐食およびアルカリ金属の発火または爆発などの危険性を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器の上部に賦活反応時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設ける活性炭の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材として、粒状活性炭、炭素繊維マット、粒状炭、セラミックウールからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いる活性炭の製造方法が提供される。
【0017】
また、本発明の第3の発明によれば、炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを5容量%以下の濃度で含有させる活性炭の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1または第2の発明において、炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを5容量%以下の濃度で含有させる活性炭の製造方法が提供される。
【0018】
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1ないし第4のいずれかの発明において製造された活性炭を電極として用いる電気二重層キャパシタが提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(I)活性炭の製造方法
本発明に係る活性炭の製造方法では、
必要に応じて炭素前駆体を炭化処理する炭化工程、および
炭素前駆体または上記で得られた炭化物をアルカリ賦活処理して活性炭を製造するアルカリ賦活工程を含む。
【0020】
すなわち、本発明で用いる炭素前駆体が、例えばコークスのような固体であれば、粉砕して、直接、アルカリ賦活工程にて活性炭を製造することが可能であるが、炭素前駆体が、例えばピッチのようなものであれば、通常、炭化工程およびアルカリ賦活工程を経由して活性炭を製造する。
本発明の原料として用いる炭素前駆体は、難黒鉛系炭素材および易黒鉛系炭素材のどちらでも使用可能であるが、賦活収量(歩留まり)が高く、より高い電極性能が得られるので易黒鉛系炭素材の原料としての使用が好ましい。
【0021】
該易黒鉛系炭素材としては、石油系もしくは石炭系のピッチ類、石油系もしくは石炭系のコークスおよびそれらの炭化物などが好ましく用いられる。
また、本発明の炭素前駆体の形状としては、粒状、粉状、塊状またはメルトブロー紡糸法などにより紡糸した炭素繊維あるいはその粉砕物であってもよい。
本発明におけるアルカリ賦活工程で用いられるアルカリ金属化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、硫酸カリウムおよび塩化カリウムなどを例示でき、中でも水酸化カリウムが特に好ましい。
【0022】
このようなアルカリ金属化合物は、炭素前駆体または炭化物(以下、炭素前駆体という)に対する重量比にて1〜4(倍)、好ましくは1.5〜2.5(倍)の量で用いる。
アルカリ金属化合物の重量比が1(倍)未満では得られる活性炭の細孔形成の効率が低下する傾向があり、一方、重量比が4(倍)を超えて添加してもその効果が得られず、中和・洗浄などの後処理工程のコスト増となるので、好ましくない。
【0023】
アルカリ賦活処理は、具体的に、このような重量比の炭素前駆体とアルカリ金属化合物とを均一に混合した後、窒素などの不活性ガス雰囲気中、650〜800℃まで昇温することにより行う。
上記アルカリ賦活処理には、上部に捕捉層が設置可能なトレーなどの賦活反応容器を使用する。賦活反応容器は、加熱・昇温を行う反応炉に投入し、賦活処理を行うが、該反応炉はバッチ式、連続式の制限はない。例えば、ボックス炉、ベルト炉、トレープレッシャー炉などを使用することが可能である。
【0024】
すなわち、アルカリ賦活処理は、通常、ニッケル製のアルカリ賦活反応容器に反応体である炭素前駆体とアルカリ金属化合物との混合物を導入し、該反応容器全体を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気の反応炉内にて、加熱・昇温することにより行う。
その際、未反応のアルカリ金属化合物および/または賦活反応の過程でアルカリ金属化合物が分解して生成したアルカリ金属(例えば、カリウム)が反応炉内に飛散して反応炉内部を腐食する他、飛散したアルカリ金属による発火もしくは爆発の危険性を生ずる。
【0025】
本発明においては、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属の飛散を抑制することにより賦活反応炉の腐食を防止し長期使用の可能化、および飛散したアルカリ金属による危険性を低減するために下記の(A)法および/または(B)法を用いる。
(A)法 賦活反応容器の上部にアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設ける。該捕捉層は、賦活反応容器の上部を覆うように直付けとしてもよく、また孔を有するニッケル板などを介して取り付けてもよい。捕捉層は、賦活反応容器に固定され、かつ着脱可能であることが好ましい。
【0026】
該捕捉層に充填する吸着材としては、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材であれば何ら限定されないが、粒状活性炭、粒状炭、炭素繊維マットおよびセラミックウールなどが例示できる。
(B)法 反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを5容量%以下、好ましくは2容量%以下、より好ましくは1〜0.01容量%の濃度で含有させる。炭酸ガス濃度が雰囲気ガス中、5容量%を超えると、アルカリ賦活処理中のアルカリ金属化合物と炭酸ガスとが反応し、賦活反応を阻害する。一方、炭酸ガス濃度が雰囲気ガス中、0.01容量%未満であると、反応容器から飛散するアルカリ金属化合物などを十分に捕捉できない可能性がある。
【0027】
上記の(A)法および(B)法は、各々単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよいが、組み合わせて用いる方がアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属の捕捉効率が高くなるため好ましい。
このようにして得られた活性炭は、常温に冷却した後、例えば、温水および/または温塩酸水などによる洗浄にて未反応のアルカリ金属化合物を除去し、電気二重層キャパシタの電極材として用いられる。
【0028】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0029】
【実施例1】
炭素前駆体として、平均粒径100μm程度に粉砕した後、600℃にて焼成を行った石油系コークスを用いた。該石油系コークス2.5kgに水酸化カリウム5kgを添加し、均一に混合した。得られた混合物を100cm×50cm×6cm(高さ)の純ニッケル製の上部開放角形賦活反応容器に導入し、該反応容器の上部に、100cm×50cm×4cm(高さ)の反応容器と同一サイズである捕捉層(上部開放形)を固定設置した。該捕捉層としては、底部に適度の大きさの穴を多数個設け、その上にニッケル製の金網を設置し、吸着材として平均粒径5mm程度の粒状ヤシ殻活性炭を5kg充填したものを用いた。
【0030】
上記のようにして調製した賦活反応容器をバッチ式の熱風循環炉内に設置し、窒素雰囲気下にて、400℃にて3時間保持した後、730℃まで昇温し、同温度にて3時間保持することによりアルカリ賦活処理を行った。
アルカリ賦活処理後のカリウム捕捉量を測定し、添加量に対して重量%に換算したところ、それぞれ、反応容器中に残留したカリウム量:85重量%、上部捕捉層にてトラップされたカリウム量:12重量%および反応炉内に飛散したカリウム量:3重量%であった。結果を表1に示す。
【0031】
【実施例2】
吸着剤として上記粒状ヤシ殻活性炭に代えて、1,000℃にて焼成を行ったマット状炭素繊維5kg充填したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルカリ賦活処理を行った。
アルカリ賦活処理後のカリウム捕捉量を測定し、添加量に対して重量%に換算したところ、それぞれ、反応容器中に残留したカリウム量:85重量%、上部捕捉層にてトラップされたカリウム量:12重量%および反応炉内に飛散したカリウム量:3重量%であった。結果を表1に示す。
【0032】
【実施例3】
賦活反応容器の上部に捕捉層を設置せず反応容器上部を開放状態とし、かつ、反応炉内の窒素ガス雰囲気中にアルカリ賦活処理の開始から終了まで、炭酸ガス濃度が2容量%となるよう炭酸ガスを導入したこと以外は、実施例1と同様にしてアルカリ賦活処理を行った。
【0033】
アルカリ賦活処理後のカリウム捕捉量を測定し、添加量に対して重量%に換算したところ、それぞれ、反応容器中に残留したカリウム量:90重量%および反応炉内に飛散したカリウム量:10重量%であった。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例4】
実施例1と同様の捕捉層を設置し、さらに反応炉内の窒素ガス雰囲気中にアルカリ賦活処理の開始から終了まで、炭酸ガス濃度が0.4容量%となるよう炭酸ガスを導入したこと以外は、実施例1と同様にしてアルカリ賦活処理を行った。アルカリ賦活処理後のカリウム捕捉量を測定し、添加量に対して重量%に換算したところ、それぞれ、反応容器中に残留したカリウム量:86重量%、上部捕捉層にてトラップされたカリウム量:13重量%および反応炉内に飛散したカリウム量:1重量%であった。結果を表1に示す。
【0035】
【比較例1】
賦活反応容器の上部に捕捉層を設置せず反応容器上部を開放状態としたこと以外は、実施例1と同様にしてアルカリ賦活処理を行った。
アルカリ賦活処理後のカリウム捕捉量を測定し、添加量に対して重量%に換算したところ、それぞれ、反応容器中に残留したカリウム量:85重量%および反応炉内に飛散したカリウム量:15重量%であった。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、アルカリ賦活処理時に、反応炉内部の腐食を抑制し反応炉の長期使用を可能とする他、飛散するアルカリ金属に基づく危険性を解消した活性炭の製造方法、並びにその製造方法により製造された電気二重層キャパシタの電極として用いることが可能な活性炭を提供することができる。
Claims (5)
- 炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器の上部に賦活反応時に飛散するアルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材を充填した捕捉層を設けることを特徴とする活性炭の製造方法。
- 上記アルカリ金属化合物および/またはアルカリ金属を捕捉する吸着材として、粒状活性炭、炭素繊維マット、粒状炭、セラミックウールからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1に記載の活性炭の製造方法。
- 炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを5容量%以下の濃度で含有させることを特徴とする活性炭の製造方法。
- 炭素前駆体にアルカリ金属化合物を添加してアルカリ賦活処理を行うに際して、アルカリ賦活反応容器を設置した反応炉内の雰囲気ガス中に炭酸ガスを5容量%以下の濃度で含有させることを特徴とする請求項1または2に記載の活性炭の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の活性炭の製造方法により製造された活性炭を電極として用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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