JP2004018014A - 容器取付用カバー体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カバー体10は外側筒状部11およびこれと一体の内側筒状部12からなる。製品状態では、内側筒状部12の突状部12bがマウンテンキャップ52の環状凹部52aと嵌合し、カバー体10と容器本体51は一体化している。内側筒状部12の欠落部分12aと対向する外側筒状部範囲は薄肉部分11aで形成され、カバー体10と容器本体51とを分別する場合はこの薄肉部分を内側・上方に押す。このとき、薄肉部分11aが内側に変位してその下端側が容器本体51の肩斜面51aに当接し、外側筒状部11は上方向の力を受ける。カバー体10は、薄肉部分11aとは反対側の端部11gと肩斜面との当接部を支点とするテコ作用により図示時計方向に移動し、容器本体51から外れる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器側と結合する内側筒状部、および当該内側筒状部と一体の外側筒状部を少なくとも備えた容器取付用カバー体に関し、特別の工具などを用いることなしに容器との分別処理を行なえるようにしたものである。
【0002】
種々のカバー体が対象であり、例えば合成樹脂製のカバー体,ファイバー製のカバー体,ガラス製のカバー体や、アルミニウム・ブリキ・ステンレスなどの各種金属製のカバー体などを対象とする。
【0003】
また、このカバー体を用いる容器は、例えば金属製,合成樹脂製で、エアゾール式製品やポンプ式製品などの各種容器である。
【0004】
なお、本明細書において用いる「ポンプ式」とは、利用者が、操作部や、容器の一部(周面部分など)などを例えば押圧することにより内容物収納空間の容積が小さくなって、その中の内容物が外部空間に放出される方式を示しており、いわゆる押出式,チューブ式なども含む概念である。
【0005】
カバー体はもともと容器に強く結合した状態に設定されており、容器自体の転倒や、利用者が無意識にカバー体を軽く押した程度では、カバー体が容器から外れないようになっている。
【0006】
その一方で、環境の保全や資源の再利用がより重要視されている今日、内容物を使いきってカバー体および容器を分別して個々に廃棄したり再利用するときなどには、所定の取外し操作で両者の結合状態を比較的容易に解除できることが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
【0007】
【従来の技術】
運送時,陳列時,使用時などにおけるカバー体と容器との十分な結合状態を確保しつつ、全内容物の消尽後などの、この両者の分別作業の簡単化を図れるようにしたカバー体構造を、本件出願人はすでに特願2001−250355号で提案している。
【0008】
この出願に係るカバー体は、概略、
・容器のマウンテンキャップ下側の環状凹部と嵌合し、かつ、周方向の一部分を欠落させた内側筒状部
・この内側筒状部と一体の外側筒状部
・この外側筒状部に、それぞれの先端部分が内側筒状部の周方向端部側の外周面と対向する態様で、形成した一対の内向きリブ
・この外側筒状部の所定部分(内側筒状部の前記欠落範囲と対向する部分)の外周面に形成した突状操作部
などを備えている。なお、内向きリブの先端部分は内側筒状部には接続されていない。
【0009】
このカバー体を容器から取り外すには、当該カバー体の外側筒状部の突状操作部を内側・上方に意識して強く押圧する。
【0010】
この押圧操作により、
(1) 先ず、当該押圧部分が内側筒状部の方に変位して、外側筒状部の内向きリブの先端部分が当該内側筒状部の周方向端部側の外周面に当接し、
(2) この当接後も、強い当該押圧力が突状操作部・内向きリブを介して外側筒状部および内側筒状部に積極的に作用する。
【0011】
この作用により、
・外側筒状部は、上記押圧方向の径が少しだけ小さくなる態様で略楕円状に変形し、
・この外側筒状部の変形に応じて、当該外側筒状部と一体の内側筒状部も同じように変形する。
【0012】
その結果、内側筒状部の当該変形部分と容器側の環状凹部との嵌合の程度が小さくなる。
【0013】
また、
・外側筒状部(突状操作部)の下端側が容器本体の肩斜面に案内されながら内方に移動することにより、当該下端側はこの肩斜面から上方向成分の力を受け、
・さらには、突状操作部は利用者の押圧操作自体によっても上方向成分の力を受ける。
【0014】
このように内側筒状部が略楕円状に変形したり、外側筒状部の突状操作部側が上方向に変位することにより、当該内側筒状部と容器(マウンテンキャップ)との嵌合状態は、当該変形により最初に嵌合の程度が小さくなる部分をいわば取っかかりにして、解除されていく。これにより、カバー体をの容器本体から分離することができる。
【0015】
なお、突状操作部の意識的な押圧操作ではなく、容器使用者が無意識に突状操作部を押圧した場合は、その時間も短く、その押圧力も本来の取外し操作時のそれより小さいことが一般的である。
【0016】
したがって、実用的には、この無意識な突状操作部の押圧によりエアゾール式容器やポンプ式容器などの使用中にそのカバー体が外れることはない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
この容器取付用カバー体は、利用者などが外側筒状部の突状操作部を内側に積極的に押圧することにより、容器から外れるため、容器内容物の消尽後の分別処理や再利用に適している。
【0018】
本発明では、以上の容器取付用カバー体とは異なる技術コンセプトにより、容器との確実な結合状態を確保する機能と、所定の取外し操作部を積極的に押圧した場合には当該結合状態を解除する機能とをあわせもつカバー体を提供することを目的とする。
【0019】
すなわち、容器使用中における無意識な取外し操作などでカバー体が外れてしまうのを防止するとともに、使用済み容器のカバー体に対する本来の取り外し操作の簡単化を図ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を次のようにして解決する。
(1)容器側と結合する内側筒状部(例えば後述の内側筒状部12)、および当該内側筒状部と一体の外側筒状部(例えば後述の外側筒状部11)を、少なくとも有するカバー体(例えば後述のカバー体10)において、前記外側筒状部の周方向の一部範囲(例えば後述の薄肉部分11a)を、これに続く連続部分に比べて、内側に変位しやすい態様で形成し、前記一部範囲の外周面側を、前記カバー体と前記容器側との結合状態を解除するための取外し操作部(例えば後述の押圧部11b)とし、前記容器側と結合した前記カバー体の取外し操作の際、前記内側への変位に基づいて前記容器側の肩斜面(例えば後述の肩斜面51a)から上方向の力を受けるように構成する。
(2)上記(1)において、前記内側筒状部の、前記外側筒状部の前記一部範囲と対向する部分を欠落(例えば後述の欠落部分12a)させる。
(3)上記(1),(2)において、前記外側筒状部の前記一部範囲の内周面側に、前記肩斜面と当接する膨出部(例えば後述の膨出部11d)を形成する。
(4)上記(1),(2),(3)において、前記外側筒状部の前記一部範囲を薄肉部(例えば後述の薄肉部分11a)で形成する。
(5)上記(1),(2),(3),(4)において、前記外側筒状部の内周面側に、前記内側筒状部と対向するリブ(例えば後述の内向きリブ11e)を形成する。
【0021】
本発明は、先に提案した容器取付用カバー体と同じように、容器使用中における利用者の無意識な取り外し操作と、使用済み容器に対するカバー体の意識的な取り外し操作とでは、利用者のカバー体に対する押圧力や押圧時間に大きな違いが生じやすい(前者の押圧力, 押圧時間≪後者の押圧力,押圧時間)ことを前提としている。
【0022】
本発明の容器取付用カバー体と提案済みのそれとの基本的な違いは、外側筒状部の取外し操作部(突状操作部)を内側・上方に積極的に押圧したとき、
・提案済みのカバー体は、その外側筒状部および内側筒状部が全体的に略楕円状に変形してこの膨らんだ部分と容器(マウンテンキャップ下側)との嵌合の程度を弱くした上で、主に取外し操作部の側が容器側の肩斜面から受ける上向きの力や作業者の押上力に基づく、取外し操作部とは180度反対側の部分をいわば支点としたテコ作用により、容器から外れるのに対し、
・本発明のカバー体は、外側筒状部の取外し操作部(=外側筒状部の一部)がもっぱら内側筒状部の方に変位(変形)して容器側の肩斜面からの上向きの力を受け、この力や作業者の押上力に基づく上記テコ作用により、容器から外れるようにした点である。
【0023】
本発明のカバー体の場合、取外し操作部を押圧したときに(容器と結合している)内側筒状部が略楕円状に積極的に変形することはない。変形するのは、主に外側筒状部の取外し操作部およびその近傍である。
【0024】
本発明は、上記(1),(4)のように、カバー体の外側筒状部の、取外し操作部に対応する範囲をその他の部分よりも変位しやすいように形成し、カバー体の所定の取外し操作の際にはこの対応範囲の部分が内側に変位して容器の肩斜面から上向きの力を受け、この力や作業者の押上力に基づく上記テコ作用でカバー体と容器との結合状態を解除する形にし、これによりカバー体と容器との本来の結合状態を確保するとともに、所定の取外し操作時の結合解除動作の確実化や作業負担の低減化を図っている。
【0025】
前記対応範囲の態様としては、外側筒状部のその他の周方向部分に比べて、
・薄肉部にする
・剛性を小さくする
・変位しやすい材質を用いる
などがある。
【0026】
なお、エアゾール式容器やポンプ式容器などの使用者が無意識にこの取外し操作部を押圧した場合、本来の意識的な取外し操作に比べて、その押圧力は小さく、その押圧時間も短いことが一般的である。そのため、上記テコ作用の程度も小さく、カバー体が容器から外れてしまうには至らない。
【0027】
また、上記(2)のように、内側筒状部の所定部分(外側筒状部の取外し操作部の範囲と対向する部分)を欠落させて内側筒状部自体のいわば変形能力を高め、これにより上記テコ作用を受けたときのカバー体と容器との結合状態が解除されやすいようにしている。
【0028】
また、上記(3)のように、取外し操作時に容器側の肩斜面と当接してこれに案内される膨出部を外側筒状部の所定部分(取外し操作部の範囲)の内周面側に形成し、これにより上記テコ作用の強さを大きくしている。
【0029】
また、上記(5)のように、内側筒状部と対向するリブを外側筒状部の内周面側に形成して、例えば外側筒状部の取外し操作部以外の部分を間違って強く内側に押圧した場合に内側筒状部が外側に変形するのを阻止し、これによりカバー体が容器から不用意に外れてしまうのを防いでいる。
【0030】
なお、内側筒状部と容器側との結合部分には変更を加えていない。両者間の結合の程度は従前のままである。
【0031】
本発明は、以上の特徴を持つ容器取付用カバー体を対象とするとともに、このカバー体を備えたエアゾール式製品やポンプ式製品なども対象にしている。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図3〜図5の各断面の破断線は図1(a)のA−A’線と同一である。
【0033】
以下の実施の形態では、説明の便宜上、カバー体の外側筒状部の、取外し操作部に対応する範囲を薄肉状に形成する場合を前提とする。
【0034】
図1は、押釦別体型のカバー体(その1)の説明図であり、(a)はカバー体のみの底面図,(b)はカバー体および押釦を容器に結合させた状態の一部断面図を示している。この一部断面図は、図1(a)の破断線A−A′に対応している。
【0035】
図2は、図1のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【0036】
図3は、押釦別体型のカバー体(その2)を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【0037】
図4は、押釦一体型のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【0038】
図5は、スパウトを容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【0039】
図1乃至図5において、
10は押釦別体型のカバー体,
20は押釦別体型で後述の保護部23を設けたカバー体,
30は押釦一体型で後述の保護部23を設けたカバー体,
40はスパウト形式のカバー体,
11〜41は外側筒状部,
11a〜41aはカバー体取外し操作用の薄肉部分,
11b〜41bは当該薄肉部分の外周面側の押圧部,
lld〜41dは当該薄肉部分の内周面下端部に形成した膨出部,
11e〜41eは当該外側筒状部の内周面に(後述の内側筒状部から分離される態様で)形成した内向きリブ,
11fは外側筒状部11の下端部分と容器の肩斜面との、0mm〜2.0mm ほどの隙間,
11g〜41gは当該外側筒状部の当該薄肉部分とは反対側の下端部分,
12〜42は内側筒状部,
12a〜42aは内側筒状部12〜42の欠落部分,
12b〜42bは後述の容器のマウンテンキャップ52と嵌合する間欠環状の突状部,
12c〜42cは当該突状部の周方向端部,
13は内容物放出用の押釦,13aは放出口,13bは内容物通路,13cは後述のステム53との結合部,
23,33は当該押釦の保護部,23a,33aは保護部上側の開口部,
34はカバー体30と押釦13とを接続するヒンジ作動片,
43はスパウト40の上面部,
44は内容物放出用の操作部
45は内容物放出用のノズル,45aは放出口,
46は後述のステム53との結合部,
47は操作部44やノズル45を上面部43に接続するヒンジ作動片,
51は容器本体,51aは肩斜面,
52はマウンテンキャップ,52aはマウンテンキャップ下側の環状凹部,
53はステム,
をそれぞれ示している。
【0040】
プラスチック製のカバー体を用いる場合の材質はポリプロピレン,ポリエチレンなどであり、プラスチック製の容器本体を用いる場合の材質はPETなどである。カバー体および容器本体がともにプラスチック製であっても、例えばポリプロピレンとPETとの組み合わせの場合には分別廃棄が望ましい。
【0041】
各カバー体の内向きリブ11e〜41eの下端部は各内側筒状部12〜42のそれと略同位置である。
【0042】
また、内向きリブ11e〜41eの端部のそれぞれと(これに対向する)内側筒状部12〜42の各内周面とは 0.5mm〜1.0mm ほど離れている。
【0043】
また、内側筒状部12〜42の各欠落部分12a〜42aの中心角度(内側筒状部の中心と周方向端部のそれぞれとを結ぶ線分間の角度)は30°〜100°である。
【0044】
図1乃至図5のカバー体10,20,30,40は、いずれもマウンテンキャップ52の下側環状凹部52aと嵌合する突状部12b〜42bを設けた内側筒状部12〜42、および、これと一体の外側筒状部11〜41を備えている。
【0045】
そして、
・外側筒状部11〜41の一部に、カバー体取外し操作用の薄肉部分11a〜41aを形成し、
・薄肉部分11a〜41aの内周面下端部に、太鼓腹状の膨出部11d〜41dを形成し、
・内側筒状部12〜42の、外側筒状部11〜41の薄肉部分11a〜41aと対向する部分に、欠落部分12a〜42aを形成し、
・外側筒状部11〜41の内周面側に、内向きリブ11e〜41eを、その先端部が内側筒状部12〜42から離れる態様で形成している。
【0046】
そのため、カバー体10〜40を容器50から分別する際に当該カバー体の押圧部11b〜41b(薄肉部分11a〜41a)を積極的に内側に押すことにより、
・外側筒状部11〜41の薄肉部分11a〜41aが内側方向に撓み、
・その下端側の膨出部11d〜41dが容器本体51の肩斜面51aをスムーズに摺動して、当該押圧部は上動し、
・カバー体10〜40の全体が、押圧部11b〜41bとは反対側の外側筒状部下端部分11g〜41gと、容器本体51の肩斜面51aとの当接部をいわば支点としたテコ作用で、図示時計方向に回動し、
・突状部12b〜42bと環状凹部52aとの嵌合が周方向端部12c〜42cの方から外れていき、
・カバー体10〜40の全体が容器50から分離される。
【0047】
また、陳列時や通常の使用時の容器の転倒や利用者などの操作により、外側筒状部11〜41の薄肉部分以外の周面部が押圧された場合には、欠落部分12a〜42aに近い、内側筒状部12〜42の周方向端部12c〜42cが外側方向(マウンテンキャップ52の下側の環状凹部52aから外れる方向)に変形し易い。しかしながら、内向きリブ11e〜41eが内側筒状部12〜42の変形を阻止するストッパーとして作用するので、カバー体10〜40が容器50から外れることはない。
【0048】
図1(b)に示すように、押釦13の結合部13cがステム53に嵌合し、内側筒状部12の突状部12bがマウンテンキャップ52の下側環状凹部52aに嵌合している。
【0049】
このとき、カバー体10の外側筒状部11の下端と容器本体51の肩斜面51aとの間には一周にわたって隙間11fが形成されている。この状態で押釦13を押圧すると、ステム53が押圧され、内容物放出機構 (図示省略)により容器本体51の内容物は放出用通路13bを通って放出口13aから放出される。なお、隙間11fを形成するかどうかは任意である。
【0050】
この嵌合状態で、例えば転倒などにより外側筒状部11を押圧するような力が加わっても上述のように内向きリブ11eがストッパーのように作用して内側筒状部12の変形は防止されるので、突状部12bとマウンテンキャップの環状凹部52aとの嵌合が解除され、カバー体10が容器50から外れるといったことはない。
【0051】
また、例えば利用者が誤って(無意識に)外側筒状部11の押圧部11bを軽く押したとしても外側筒状部11の下端面と容器本体51の肩斜面51aとの間に隙間11fが形成されていることもあって、外側筒状部11が容器本体51の肩斜面51aから受ける上方向の力は小さい。したがって、容器の使用中に内側筒状部12の突状部12bとマウンテンキャップの環状凹部52aとの嵌合が解除されることはない。
【0052】
図2に示すように、カバー体10を容器50から分別する際には、先ず操作釦13を上方向に引き上げるなどして容器50から取り外す。
【0053】
次に、カバー体10の押圧部11b (薄肉部分11a)を意識的に矢印方向に押圧する。
【0054】
この押圧操作により、上述のように、
・押圧部11b(薄肉部分11a)のカバー体内側への変位(変形)作用
・膨出部11dの肩斜面上方向への摺動作用
が生じる。
【0055】
そのため、押圧部11bの側が上動し、カバー体10は、外側筒状部11の薄肉部分11aとは反対側の下端部分11gを支点に図示時計方向に回動する。
【0056】
そして、内側筒状部12には欠落部分12aが形成されていることも相まって、突状部12bとマウンテンキャップの下側環状凹部52aとの嵌合状態が周方向端部12cの方から外れていき、カバー体10を容器50から取り外すことができる。
【0057】
図3のカバー体20を容器50から分別するには、
・カバー体20の開口部23aから指を入れるなどして押釦13を上方向に引き上げ、
・押釦13の結合部13cとステム53との嵌合を解除し、
・押釦13を開口部23aからカバー体20の外側に取り出し、
・カバー体20の押圧部21bを意識的に矢印の方向に押圧する。
【0058】
上述のように、保護部23を設けたカバー体20全体が外側筒状部21の薄肉部分21aとは反対側の下端部分21g(と肩斜面51aとの当接部)を支点に回動する形となり、突状部22bと環状凹部52aとの嵌合状態が周方向端部22cの方から外れていき、保護部23を設けたカバー体20を容器50から取り外すことができる。
【0059】
図4のカバー体30を容器50から分別するときには、押圧部31bを矢印の方向に意識的に押圧すればよい。
【0060】
このとき、上述のように、カバー体30の全体が外側筒状部31の薄肉部分31aとは反対側の下端部分31g(と肩斜面51aとの当接部)を支点に図示時計方向に回動し、また、当該カバー体とヒンジ作動片34で接続している押釦13も同じように回動する。
【0061】
その結果、
・突状部32bの周方向端部32cとマウンテンキャップの下側環状凹部52aとの嵌合状態が解除され、
・押釦13のステム結合部13cとステム53との結合状態も解除される。
【0062】
このように、カバー体30の押圧部31bを矢印の方向に押すといった一回の操作で押釦一体型の当該カバー体を容器50から取り外すことができる。
【0063】
なお、開口部33aから指を入れるなどして押釦13をヒンジ作動片34を支点に図示時計方向に回動させ、押釦13のステム結合部13cがステム52の上端部に乗っかる程度に押釦13とステム52との結合をあらかじめ弱めた状態で、カバー体30の押圧部31bを矢印の方向に意識的に押圧してもよい。
【0064】
図5のスパウト形式のカバー体40を容器50から分別するには、当該カバー体の押圧部41bを矢印の方向に意識的に押圧すればよい。
【0065】
上述の作用により、カバー体40がその外側筒状部41の薄肉部分41aとは反対側の下端部分41g(と肩斜面51aとの当接部)を支点に図示時計方向に回動し、また、スパウト40の上面部43とヒンジ作動片47で接続しているノズル45や操作部44なども同じように回動する。
【0066】
その結果、
・突状部42bの周方向端部42cとマウンテンキャップの環状凹部52aとの嵌合が解除され、
・ステム結合部46とステム53との嵌合も解除される。
【0067】
このように、カバー体40の押圧部41bを矢印の方向に押すといった一回の操作で当該カバー体を容器50から取り外すことができる。
【0068】
以上の各種カバー体を用いたエアゾール式製品,ポンプ式製品などとしては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,忌避剤,医薬品,医薬部外品,化粧品,洗濯のりなどがある。
【0069】
エアゾール式製品やポンプ式製品などの内容物は、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばタルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0070】
エアゾール式製品の放出用ガスには、LPG,ジメチルエーテル,フルオロカーボン,炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素,希ガス,これらの混合ガスなどを用いる。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、このように、カバー体の外側筒状部の、取外し操作部に対応する範囲をその他の部分よりも変位しやすいように形成し、カバー体の所定の取外し操作の際にはこの対応範囲の部分が内側に変位して容器の肩斜面から上向きの力を受け、この力や作業者の押上力に基づくテコ作用でカバー体と容器との結合状態を解除する形にしているので、カバー体と容器との本来の結合状態を確保するとともに、所定の取外し操作時の結合解除動作の確実化や作業負担の低減化を図ることができる。
【0072】
また、内側筒状部の所定部分(外側筒状部の取外し操作部の範囲と対向する部分)を欠落させて内側筒状部自体のいわば変形能力を高めているので、上記テコ作用を受けたときのカバー体と容器との結合解除動作をより確実なものにすることができる。
【0073】
また、取外し操作時に容器側の肩斜面と当接してこれに案内される膨出部を外側筒状部の所定部分(取外し操作部の範囲)の内周面側に形成しているので、上記テコ作用の強さを大きくすることができる。
【0074】
また、内側筒状部と対向するリブを外側筒状部の内周面側に形成して、例えば外側筒状部の取外し操作部以外の部分を間違って強く内側に押圧した場合に内側筒状部が外側に変形するのを阻止しているので、カバー体が容器から不用意に外れてしまうのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、押釦別体型のカバー体(その1)の説明図である。(a)はカバー体のみの底面図,(b)はカバー体および押釦を容器に嵌合させた状態の一部断面図をそれぞれ示している。
【図2】本発明の、図1のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【図3】本発明の、押釦別体型のカバー体(その2)を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【図4】本発明の、押釦一体型のカバー体を容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【図5】本発明の、スパウトを容器から取り外すときの両者の過渡的な嵌合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10:押釦別体型のカバー体
20:押釦別体型で保護部付きのカバー体
30:押釦一体型で保護部付きのカバー体
40:スパウト形式のカバー体
11〜41:外側筒状部
11a〜41a:薄肉部分
11b〜41b:押圧部
lld〜41d:膨出部
11e〜41e:内向きリブ
11f:隙間
11g〜41g:薄肉部分とは反対側の下端部分
12〜42:内側筒状部
12a:欠落部分
12b〜42b:突状部
12c〜42c:周方向端部
13:押釦
13a:放出口
13b:内容物通路
13c:ステムとの結合部
23,33:保護部
23a,33a:開口部
34:ヒンジ作動片
43:上面部
44:操作部
45:内容物放出用のノズル
45a:放出口
46:ステムとの結合部
47:ヒンジ作動片
51:容器本体
51a:肩斜面
52:マウンテンキャップ
52a:環状凹部
53:ステム
Claims (7)
- 容器側と結合する内側筒状部、および当該内側筒状部と一体の外側筒状部を少なくとも有するカバー体において、
前記外側筒状部の周方向の一部範囲を、これに続く連続部分に比べて内側に変位しやすい態様で形成し、
前記一部範囲の外周面側を、前記カバー体と前記容器側との結合状態を解除するための取外し操作部とし、
前記容器側と結合した前記カバー体の取外し操作の際、前記内側への変位に基づいて前記容器側の肩斜面から上方向の力を受ける、
ことを特徴とする容器取付用カバー体。 - 前記内側筒状部の、前記外側筒状部の前記一部範囲と対向する部分を欠落させた、
ことを特徴とする請求項1記載の容器取付用カバー体。 - 前記外側筒状部の前記一部範囲の内周面側に、前記肩斜面と当接する膨出部を形成した、
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器取付用カバー体。 - 前記外側筒状部の前記一部範囲を薄肉部で形成した、
ことを特徴とする請求項1乃至3記載の容器取付用カバー体。 - 前記外側筒状部の内周面側に、前記内側筒状部と対向するリブを形成した、
ことを特徴とする請求項1乃至4記載の容器取付用カバー体。 - 請求項1乃至5記載の容器取付用カバー体を備え、かつ、放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品。
- 請求項1乃至5記載の容器取付用カバー体を備え、かつ、内容物を収容したポンプ式製品。
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