JP2004017844A - Lng船防熱工事用足場 - Google Patents
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Abstract
【課題】足場の組立分解が簡単迅速にでき、足場上の作業員の交通や資材の運搬に障害を少なくし、柱脚基礎ベースの面圧の不均衡や変動を少なくする。
【解決手段】大梁の先端部にはテレスコ梁30を有し、柱脚60は高さの伸縮及び微調整が可能であるLNG船防熱工事用足場において、下部左右連結構造10の上下材に連なる各大梁を強化大梁2Hとし、この上下の強化大梁2Hの間の左右最外側の柱脚(L列)の柱より外側の空間に強化筋交い7Hを設け、上方の各階層の荷重をまとめて負担させることによって、これより上方の各階層の筋交いを不要として廃止又は減数した。また、連結構造肘支材15及び大梁肘支材25を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】大梁の先端部にはテレスコ梁30を有し、柱脚60は高さの伸縮及び微調整が可能であるLNG船防熱工事用足場において、下部左右連結構造10の上下材に連なる各大梁を強化大梁2Hとし、この上下の強化大梁2Hの間の左右最外側の柱脚(L列)の柱より外側の空間に強化筋交い7Hを設け、上方の各階層の荷重をまとめて負担させることによって、これより上方の各階層の筋交いを不要として廃止又は減数した。また、連結構造肘支材15及び大梁肘支材25を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、インバーメンブレン方式のLNG船の建造にあたって、LNGタンク内の全内周面に防熱体を取り付ける工事を行う作業用の仮設(工事完了後は当然分解撤去される)足場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のLNG船のLNGタンク内面に防熱体を取り付ける工事用の足場には、荷重の負担と足場構造の形状保持のため、各階層の柱,梁,桁等の部材のほかに、各階層に各方向に多数の筋交いが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のLNG船の防熱工事用足場は上記のようであるが、各階層に多数の筋交いを設ける必要があるので、足場の組立て,分解に手間がかかるとか、筋交いの数が多くて作業員の交通や資材運搬の邪魔になり作業効率が悪いというような問題があった。また、従来、多数の筋交いで足場の変形を防止していても、大きな荷重がかかる足場の下部では変形が生じやすく、柱脚基礎ベースが負担する面圧に不均衡や変動が生じやすいというような問題があった。
【0004】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、この工事用足場の組立て分解の手間が少なくなり、足場上で作業員の交通や資材の運搬などの邪魔になる筋交いを不要として廃止又は減数し、もって、作業効率を上げることができ、また、柱脚基礎ベースが負担する面圧の不均衡や変動を少なくすることができるLNG船防熱工事用足場を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によるLNG船防熱工事用足場は、大梁の先端部には水平方向に伸縮可能なテレスコ梁があり、柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能なものであって、下部左右連結構造の上下材に連なる上下の各大梁を強化大梁とし、左右最外側の柱脚に連なる各階層の柱より外側に張り出している各階層の合計全荷重を前記強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたものである。
【0006】
この発明によるLNG船防熱工事用足場のテレスコ梁を任意に伸縮させて防熱体を貼り付ける工事を行えば容易に安全に施工することができ、この足場の柱脚の高さを伸縮して柱脚基礎ベースが接地している各面圧の不均衡が少なくなるように微調整して工事を行えば、安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができ、前記のような強化大梁と強化筋交いとを設けることによって、左右最外側の柱脚の柱より外側にある張り出し部分の全荷重を柱脚のある柱にまとめて移すことができ、この強化大梁より上方の各階層に従来設けていた筋交いが不要となり廃止又は減数することができ、作業員の交通等の障害が少なくなり作業効率が上がる。また、この足場の下部が強化大梁と強化筋交いとにより剛性の大きい構造になるので、柱脚基礎ベースの面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0007】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、前記テレスコ梁を有し、柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能であり、柱脚にロードセルのような軸力計測手段が設けられたものであり、下部左右連結構造の上下材に連なる各大梁を強化大梁とし、前記全荷重をこの強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたものである。
【0008】
この発明によるLNG船防熱工事用足場のテレスコ梁及び高さの伸縮微調整が可能な柱脚により、前記のように、容易に安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができ、柱脚に設けられたロードセルのような軸力計測手段により、各柱脚基礎ベースの面圧の不均衡が少なくなるように前記微調整を確実に容易に行うことができ、上記のような強化大梁と強化筋交いとを設けることによって、左右最外側の柱脚に連なる柱より外側にある張り出し部分の荷重を、この強化大梁と強化筋交いで柱脚のある柱にまとめて移すことができ、この強化大梁より上方の各階層に従来設けていた筋交いが不要となり廃止又は減数することができ、作業員の交通等の障害が少なくなり作業効率が上がる。また、この足場の下部の構造が剛になるので、柱脚基礎ベースの面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0009】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、下部左右連結構造の左右端部の下部にその下層の大梁と柱との交点に連結する連結構造肘支材を設けたものである。この連結構造肘支材によって下層の柱の変位変形が防止され、柱脚から柱脚基礎ベースにかかる荷重の変動を防止することができる。
【0010】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、最下層の大梁とその下方の柱脚との間に大梁柱脚肘支材を設けたものである。この大梁柱脚肘支材により大梁と柱脚との結合が強化され、柱脚の変位変形が防止され、柱脚基礎ベースにかかる荷重の変動を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1乃至図4はこの発明によるLNG船防熱工事用足場の一実施形態を示し、図5乃至図8は従来例を示す。図1はこの発明によるLNG船防熱工事用足場のある箇所における全体の半横断面図である。図2はこの発明による足場の要部を示す拡大横断面図である。図3はこの発明による足場の他の実施例の要部を示す拡大横断面図である。図4はこの発明による足場の強化大梁と強化筋交いとの接続部を示す図である。図5は足場のある箇所における全体の横断面図である。図6は従来例による足場の要部を示す拡大横断面図である。図7はこの足場の柱脚部を示す図である。図8は柱脚基礎ベース部を示す図である。
【0012】
図において、02はLNGタンク、062は外層防熱体、064は内層防熱体、10は下部左右連結構造、15は連結構造肘支材、20は大梁、2Hは強化大梁、25は大梁柱脚肘支材、30はテレスコ梁、50は柱、60は柱脚、63は微調整ねじ、64はロードセル、66は柱脚基礎ベース、72は左右方向筋交い、7Hは強化筋交いである。
【0013】
LNG船防熱工事用足場の横断面形状は、図1及び図5に示すようであり、LNG船のLNGタンク02の前後左右上下の全内周面に防熱体062,064を隙間なく貼り付ける工事を行うために組み立てられ、工事完了後は分解撤去される足場である。LNG(液化天然ガス)を輸送する船のLNGタンク02に貼り付ける防熱体062,064は、外力に対して脆弱であり、極低温に冷却されて液化しているLNGの温度と熱帯を航海する船の環境温度との200度以上の温度差に耐えて断熱する機能を保持し、気密液密となるように施工しなければならないので、その工事用足場もそれなりの注意が必要である。
【0014】
この足場の構成部材としては、柱50,大梁20,図示しない桁又は小梁などの他に、左右方向筋交い72、図示しない水平方向及び前後方向の筋交いなどの部材があり、これらの部材を節合(結合)して組み立てられている。各階の床面には所要の工事用足場板が敷かれ、手摺や工事用の各種金物などがこの足場に取り付けて設けられる。
【0015】
この発明によるLNG船防熱工事用足場は、図1,図5及び図6に示すように、各大梁20の先端には水平方向に伸縮可能で所定の位置に固定可能なテレスコ梁30が設けられている。また、図7及び図8に示すように、柱脚60は4カ所の穴にピンを差し込むことによって4段階に高さを設定することができ、ねじを回すことによって微調整が可能となっている。
【0016】
図2及び図6に示すように、LNGタンク02に貼り付ける防熱体は外層防熱体062と内層防熱体064の2層である。外層防熱体062の作業を行うときはテレスコ梁30を伸出させ、内層防熱体064の作業を行うときはテレスコ梁30を縮退させて行う。LNGタンク02の底面に防熱体062,064を施工するときには、図7及び図8に示すように、当該施工箇所の柱脚60は当然その柱脚60を足上げして行うが、他の柱脚60は、この足場全体の重量を支えるために、LNGタンク02の底面又は外層防熱体062の上面又は内層防熱体064の上面に接地させて支持させなければならない。そのため、柱脚60は高さの伸縮及び微調整をすることができるようになっている。また、柱脚基礎ベース66の下端面は防熱体062,064を傷めないように広い面積で荷重を均一に分散分布させるようになっている。
【0017】
図6に示すように、大梁20は上下に対向する軽量溝型鋼材の側面の間を斜材でトラス状に連結して形成した軽量で丈夫なボックス梁となっている。大梁20及び強化大梁2Hの先端部には軽量角パイプ製のテレスコ梁30が設けられている。テレスコ梁30は、大梁20の上部の軽量溝型鋼材又は強化大梁2Hの上フランジの先端部及びその右側の所定距離をおいた箇所の2カ所に設けられたテレスコ支持材の滑り材又はローラーで支持され、伸縮させた各所定の位置で固定するようにロックが設けられている。
【0018】
図7に示すように、柱脚60は、柱脚外管61と柱脚内管62とからなり、柱脚内管62の軸方向所定の4カ所の位置にあけられている穴62hのいずれかを、柱脚外管61の穴61hにピンで止めることにより、4段階に柱脚60の長さ(高さ)を変え、柱脚基礎ベース66の高さ位置を変えることができる。
【0019】
図8に示すように、柱脚内管62の下端部には微調整用雌ねじが切られた部品が設けられており、この微調整用雌ねじに柱脚基礎ベース66の上端部に回転可能に設けられている微調整用雄ねじ63が螺合している。この微調整用雄ねじ63を回すことにより、柱脚基礎ベース66のの高さ位置を微調整することができる。微調整用雄ねじ63は、下方の柱脚基礎ベース66との間に球面受け座があって回転可能となっている。また、この球面受け座によって、柱脚60の軸心線に傾きがあっても、柱脚基礎ベース66にその傾きを伝達しない。柱脚基礎ベース66の内部の微調整用雄ねじ63を受ける球面受け座の下には、軸力計測手段としてロードセル64が設けられており、当該柱脚60の軸力すなわち負荷重量が計測され表示される。ロードセル64としては、ひずみゲージ式,電気容量式,磁わい式などがある。ロードセル64を設けて軸力を表示,記録させ、手動又は自動で微調整用雄ねじ63で微調整をするようにすれば、工事の遂行について客観的な信頼性が得られる。
【0020】
図8に示すように、柱脚基礎ベース66の最下面は、広い接地面積が得られるように軽量角パイプを並べて形成されている。軽量角パイプは軽量で丈夫であるので、この足場全体の重量を広い接地面積の全面に小さい圧力で均等に分散伝達するので、その下に接触する防熱体を損傷させるおそれがない。
【0021】
図1及び図5に示すように、このLNG船防熱工事用足場の全体の形状を保持する主要な構成部材は、各階層に設けられる左右方向の大梁20と、各階層の各列に設けられる上下方向の柱50と、各階層と各列との節点を前後方向に連結する図示しない前後方向の梁(桁)とであり、これらの構成部材で形成する立体格子構造の角度的形状を保持するためには、各方向に筋交い(筋違い,ブレース)が必要である。しかし、水平方向の筋交い及び前後方向の筋交いは、構造全体の水平方向及び前後方向の形状及び荷重の不均衡が少ないので、全面に設ける必要はなく要所にのみ設ければよい。
【0022】
しかし、この足場の左右方向の構造形状は、LNGタンクの横断面形状が八角形であるので、図1,図2,図3及び図5に示すように、L列から図の左側へM列さらにその左側に張り出している大きな張り出し部分があり、このL列から図の左側へ張り出している張り出し部分の大きな荷重(自己荷重及び変動荷重)を、結局は、L,K,J列の各柱脚60,柱脚基礎ベース66で負担しなければならないという荷重の不均衡が大きいので、左右方向の筋交い72は、従来、この張り出し部分のML列間に各階層で全部に設ける必要があった。
【0023】
しかし、各階層に筋交い72を多数設けるのは、この足場の組み立て撤去の手間が多くかかるばかりでなく、防熱工事を行う作業員の交通や資材の運搬などにこの多数の筋交い72が非常に邪魔になるというような問題があった。
【0024】
そこで、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図4に示すように、下部左右連結構造10の上下材に連なる各上下の大梁を強化大梁2Hとするとともに、この上下の強化大梁2Hの間の左右最外側(L列)の柱脚60Lの柱より外側の空間に強化筋交い7Hを上下の強化大梁2Hに連結して設けたものである。この強化大梁2H及び強化筋交い7Hの強度は、これより上層にある全荷重を、特に、L列より図の左側に張り出している部分の荷重を、十分に負担することができるように決定される。これによって、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとが、連携して、これより上層にある全荷重、特に、L列より図の左側に張り出している部分の荷重をまとめて負担することになり、これより上方の各階層のML列間に従来設けていた筋交い72が不要となり廃止することができ、L列より図の右側に従来設けていた筋交い72も数を減らすことができる。
【0025】
強化大梁2H及び強化筋交い7Hは、前記のように上層の全荷重を負担できるように決定されるが、一実施例として図4に示すように、強化大梁2Hは、例えば、400x200のH形鋼というような曲げ強度や剛性の大きいものを用い、強化筋交い7Hは、例えば、125の角鋼管というような丈夫なものを用い、両端に強固な取付部を形成し、例えば、M30程度のボルトナットによりダブルシヤーで、強化大梁2Hに設けられた強固な取付部に連結するというような構造とするのがよい。
【0026】
強化筋交い7Hは、前記のようにL列より左方に張り出している部分の荷重を負担させるために、上下の強化大梁2Hの間のL列とM列との間の空間に上下の強化大梁2Hに連結して設けるが、その実施例として、図2に示すように2本設けて山形に形成するか、図3に示すように斜めに1本設ける方式もある。図2に示す山形のものは作業員の交通や資材の運搬などの邪魔になることが少ない利点がある。図3に示す方式は簡単で強度的にも有利であるが交通などの邪魔になるという欠点がある。
【0027】
図1に示すように、下部左右連結構造10で連結された基幹的な階層に強化大梁2Hと強化筋交い7Hとを設けて強固に結合することによって、この階層が強固な構造体となり、これより上方の階層の柱50、特に、M列及びそれより外側(図の左側)の部分の荷重を負担するM列の柱50Mの軸荷重を、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとで形成された強固な構造の階層でまとめて支持させることができることになり、これより上方の各階層のM列L列間に設ける筋交いが不要となり、他の箇所の筋交い72の数もかなり減らすことができ、作業員の交通や資材の運搬などの問題を解決することができる。また、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとからなる剛性の高い構造体としたことにより、各柱脚60,柱脚基礎ベースの負担荷重,面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0028】
なお、上記のように、上の階層の全荷重を負担させるように、強化大梁2Hと強化筋交い7Hとで形成される階層では、柱50、特に柱50M及び柱50Lも相応な大きな負担がかかるので、それを検討してその負担に耐える相応な強度を有する柱とする必要がある。
【0029】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図3に示すように、下部左右連結構造10の左右端部(右側は図示していない)の下部にその下層の大梁20と柱50との交点に連結する連結構造肘支材15が設けられている。この連結構造肘支材15により下層の大梁20と柱50及びその下の柱脚60も変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66にかかる荷重の変動が防止され、面圧の不均衡を少なくすることができる。
【0030】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図3に示すように、最下層の大梁20とその下方の柱脚60との間に大梁柱脚肘支材25が設けられている。この大梁柱脚肘支材25により柱脚60の変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66にかかる荷重の変動を防止し面圧の不均衡を少なくすることができる。
【0031】
なお、図1乃至図3に示されている大梁柱脚肘支材25や筋交い72は、その配置や数が相違しているが、これらはこのLNG船防熱工事用足場の具体的な実施態様に応じて決定すればよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、テレスコ梁30を伸縮させ、柱脚60の高さを伸縮し微調整して、LNGタンクに防熱体を貼り付ける工事を安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができるが、強化大梁2H及び強化筋交い7Hを設けたことにより、これより上の各階層の荷重をまとめて負担させたので、従来設けていたM列L列間の筋交いが不要となり、他の筋交い72も数を少なくすることができ、足場の組立て分解撤去の手間が省力化され、作業員の交通や資材の運搬などに対する邪魔が少なくなり、作業効率を上げることができる。また、柱脚基礎ベースの面圧の変動が少なくなる。
【0033】
また、柱脚60にロードセル64のような軸力計測手段を設ければ柱脚60にかかる荷重が客観的に示され、工事の信頼性が得られる。
【0034】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、下部左右連結構造10の左右端部の下部にその下層の大梁20と柱50との交点に連結する連結構造肘支材15を設けることによって、下層の大梁20と柱50とその下の柱脚60も変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66の面圧の変動を少なくすることができる。
【0035】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、最下層の大梁20とその下方の柱脚60との間に大梁柱脚肘支材25を設けることによって、柱脚60の変形が防止され、柱脚基礎ベース66の面圧の変動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の一形態を示す全体の半横断面図である。
【図2】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の一形態を示す部分拡大横断面図である。
【図3】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の他の一形態を示す部分拡大横断面図である。
【図4】この発明によるLNG船防熱工事用足場の強化大梁と強化筋交いとの結合部の実施の一形態を示す図である。
【図5】従来例によるLNG船防熱工事用足場の全体の横断面図である。
【図6】従来例によるLNG船防熱工事用足場の部分拡大横断面図である。
【図7】従来例によるLNG船防熱工事用足場の柱脚の伸縮を示す図である。
【図8】従来例によるLNG船防熱工事用足場の柱脚基盤部を示す図である。
【符号の説明】
02:LNGタンク、 062:外層防熱体、 064:内層防熱体、
10:下部左右連結構造、 15:連結構造肘支材、
20:大梁、 2H:強化大梁、 25:大梁肘支材、
30:テレスコ梁、
50:柱、
60:柱脚、 61:柱脚外管、 62:柱脚内管、
63:微調整ねじ、 64:ロードセル、 66:柱脚基礎ベース、
72:左右方向筋交い、
7H:強化筋交い、 7Hb:強化筋交い取付ボルト。
【発明が属する技術分野】
この発明は、インバーメンブレン方式のLNG船の建造にあたって、LNGタンク内の全内周面に防熱体を取り付ける工事を行う作業用の仮設(工事完了後は当然分解撤去される)足場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のLNG船のLNGタンク内面に防熱体を取り付ける工事用の足場には、荷重の負担と足場構造の形状保持のため、各階層の柱,梁,桁等の部材のほかに、各階層に各方向に多数の筋交いが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のLNG船の防熱工事用足場は上記のようであるが、各階層に多数の筋交いを設ける必要があるので、足場の組立て,分解に手間がかかるとか、筋交いの数が多くて作業員の交通や資材運搬の邪魔になり作業効率が悪いというような問題があった。また、従来、多数の筋交いで足場の変形を防止していても、大きな荷重がかかる足場の下部では変形が生じやすく、柱脚基礎ベースが負担する面圧に不均衡や変動が生じやすいというような問題があった。
【0004】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、この工事用足場の組立て分解の手間が少なくなり、足場上で作業員の交通や資材の運搬などの邪魔になる筋交いを不要として廃止又は減数し、もって、作業効率を上げることができ、また、柱脚基礎ベースが負担する面圧の不均衡や変動を少なくすることができるLNG船防熱工事用足場を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によるLNG船防熱工事用足場は、大梁の先端部には水平方向に伸縮可能なテレスコ梁があり、柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能なものであって、下部左右連結構造の上下材に連なる上下の各大梁を強化大梁とし、左右最外側の柱脚に連なる各階層の柱より外側に張り出している各階層の合計全荷重を前記強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたものである。
【0006】
この発明によるLNG船防熱工事用足場のテレスコ梁を任意に伸縮させて防熱体を貼り付ける工事を行えば容易に安全に施工することができ、この足場の柱脚の高さを伸縮して柱脚基礎ベースが接地している各面圧の不均衡が少なくなるように微調整して工事を行えば、安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができ、前記のような強化大梁と強化筋交いとを設けることによって、左右最外側の柱脚の柱より外側にある張り出し部分の全荷重を柱脚のある柱にまとめて移すことができ、この強化大梁より上方の各階層に従来設けていた筋交いが不要となり廃止又は減数することができ、作業員の交通等の障害が少なくなり作業効率が上がる。また、この足場の下部が強化大梁と強化筋交いとにより剛性の大きい構造になるので、柱脚基礎ベースの面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0007】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、前記テレスコ梁を有し、柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能であり、柱脚にロードセルのような軸力計測手段が設けられたものであり、下部左右連結構造の上下材に連なる各大梁を強化大梁とし、前記全荷重をこの強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたものである。
【0008】
この発明によるLNG船防熱工事用足場のテレスコ梁及び高さの伸縮微調整が可能な柱脚により、前記のように、容易に安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができ、柱脚に設けられたロードセルのような軸力計測手段により、各柱脚基礎ベースの面圧の不均衡が少なくなるように前記微調整を確実に容易に行うことができ、上記のような強化大梁と強化筋交いとを設けることによって、左右最外側の柱脚に連なる柱より外側にある張り出し部分の荷重を、この強化大梁と強化筋交いで柱脚のある柱にまとめて移すことができ、この強化大梁より上方の各階層に従来設けていた筋交いが不要となり廃止又は減数することができ、作業員の交通等の障害が少なくなり作業効率が上がる。また、この足場の下部の構造が剛になるので、柱脚基礎ベースの面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0009】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、下部左右連結構造の左右端部の下部にその下層の大梁と柱との交点に連結する連結構造肘支材を設けたものである。この連結構造肘支材によって下層の柱の変位変形が防止され、柱脚から柱脚基礎ベースにかかる荷重の変動を防止することができる。
【0010】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、最下層の大梁とその下方の柱脚との間に大梁柱脚肘支材を設けたものである。この大梁柱脚肘支材により大梁と柱脚との結合が強化され、柱脚の変位変形が防止され、柱脚基礎ベースにかかる荷重の変動を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1乃至図4はこの発明によるLNG船防熱工事用足場の一実施形態を示し、図5乃至図8は従来例を示す。図1はこの発明によるLNG船防熱工事用足場のある箇所における全体の半横断面図である。図2はこの発明による足場の要部を示す拡大横断面図である。図3はこの発明による足場の他の実施例の要部を示す拡大横断面図である。図4はこの発明による足場の強化大梁と強化筋交いとの接続部を示す図である。図5は足場のある箇所における全体の横断面図である。図6は従来例による足場の要部を示す拡大横断面図である。図7はこの足場の柱脚部を示す図である。図8は柱脚基礎ベース部を示す図である。
【0012】
図において、02はLNGタンク、062は外層防熱体、064は内層防熱体、10は下部左右連結構造、15は連結構造肘支材、20は大梁、2Hは強化大梁、25は大梁柱脚肘支材、30はテレスコ梁、50は柱、60は柱脚、63は微調整ねじ、64はロードセル、66は柱脚基礎ベース、72は左右方向筋交い、7Hは強化筋交いである。
【0013】
LNG船防熱工事用足場の横断面形状は、図1及び図5に示すようであり、LNG船のLNGタンク02の前後左右上下の全内周面に防熱体062,064を隙間なく貼り付ける工事を行うために組み立てられ、工事完了後は分解撤去される足場である。LNG(液化天然ガス)を輸送する船のLNGタンク02に貼り付ける防熱体062,064は、外力に対して脆弱であり、極低温に冷却されて液化しているLNGの温度と熱帯を航海する船の環境温度との200度以上の温度差に耐えて断熱する機能を保持し、気密液密となるように施工しなければならないので、その工事用足場もそれなりの注意が必要である。
【0014】
この足場の構成部材としては、柱50,大梁20,図示しない桁又は小梁などの他に、左右方向筋交い72、図示しない水平方向及び前後方向の筋交いなどの部材があり、これらの部材を節合(結合)して組み立てられている。各階の床面には所要の工事用足場板が敷かれ、手摺や工事用の各種金物などがこの足場に取り付けて設けられる。
【0015】
この発明によるLNG船防熱工事用足場は、図1,図5及び図6に示すように、各大梁20の先端には水平方向に伸縮可能で所定の位置に固定可能なテレスコ梁30が設けられている。また、図7及び図8に示すように、柱脚60は4カ所の穴にピンを差し込むことによって4段階に高さを設定することができ、ねじを回すことによって微調整が可能となっている。
【0016】
図2及び図6に示すように、LNGタンク02に貼り付ける防熱体は外層防熱体062と内層防熱体064の2層である。外層防熱体062の作業を行うときはテレスコ梁30を伸出させ、内層防熱体064の作業を行うときはテレスコ梁30を縮退させて行う。LNGタンク02の底面に防熱体062,064を施工するときには、図7及び図8に示すように、当該施工箇所の柱脚60は当然その柱脚60を足上げして行うが、他の柱脚60は、この足場全体の重量を支えるために、LNGタンク02の底面又は外層防熱体062の上面又は内層防熱体064の上面に接地させて支持させなければならない。そのため、柱脚60は高さの伸縮及び微調整をすることができるようになっている。また、柱脚基礎ベース66の下端面は防熱体062,064を傷めないように広い面積で荷重を均一に分散分布させるようになっている。
【0017】
図6に示すように、大梁20は上下に対向する軽量溝型鋼材の側面の間を斜材でトラス状に連結して形成した軽量で丈夫なボックス梁となっている。大梁20及び強化大梁2Hの先端部には軽量角パイプ製のテレスコ梁30が設けられている。テレスコ梁30は、大梁20の上部の軽量溝型鋼材又は強化大梁2Hの上フランジの先端部及びその右側の所定距離をおいた箇所の2カ所に設けられたテレスコ支持材の滑り材又はローラーで支持され、伸縮させた各所定の位置で固定するようにロックが設けられている。
【0018】
図7に示すように、柱脚60は、柱脚外管61と柱脚内管62とからなり、柱脚内管62の軸方向所定の4カ所の位置にあけられている穴62hのいずれかを、柱脚外管61の穴61hにピンで止めることにより、4段階に柱脚60の長さ(高さ)を変え、柱脚基礎ベース66の高さ位置を変えることができる。
【0019】
図8に示すように、柱脚内管62の下端部には微調整用雌ねじが切られた部品が設けられており、この微調整用雌ねじに柱脚基礎ベース66の上端部に回転可能に設けられている微調整用雄ねじ63が螺合している。この微調整用雄ねじ63を回すことにより、柱脚基礎ベース66のの高さ位置を微調整することができる。微調整用雄ねじ63は、下方の柱脚基礎ベース66との間に球面受け座があって回転可能となっている。また、この球面受け座によって、柱脚60の軸心線に傾きがあっても、柱脚基礎ベース66にその傾きを伝達しない。柱脚基礎ベース66の内部の微調整用雄ねじ63を受ける球面受け座の下には、軸力計測手段としてロードセル64が設けられており、当該柱脚60の軸力すなわち負荷重量が計測され表示される。ロードセル64としては、ひずみゲージ式,電気容量式,磁わい式などがある。ロードセル64を設けて軸力を表示,記録させ、手動又は自動で微調整用雄ねじ63で微調整をするようにすれば、工事の遂行について客観的な信頼性が得られる。
【0020】
図8に示すように、柱脚基礎ベース66の最下面は、広い接地面積が得られるように軽量角パイプを並べて形成されている。軽量角パイプは軽量で丈夫であるので、この足場全体の重量を広い接地面積の全面に小さい圧力で均等に分散伝達するので、その下に接触する防熱体を損傷させるおそれがない。
【0021】
図1及び図5に示すように、このLNG船防熱工事用足場の全体の形状を保持する主要な構成部材は、各階層に設けられる左右方向の大梁20と、各階層の各列に設けられる上下方向の柱50と、各階層と各列との節点を前後方向に連結する図示しない前後方向の梁(桁)とであり、これらの構成部材で形成する立体格子構造の角度的形状を保持するためには、各方向に筋交い(筋違い,ブレース)が必要である。しかし、水平方向の筋交い及び前後方向の筋交いは、構造全体の水平方向及び前後方向の形状及び荷重の不均衡が少ないので、全面に設ける必要はなく要所にのみ設ければよい。
【0022】
しかし、この足場の左右方向の構造形状は、LNGタンクの横断面形状が八角形であるので、図1,図2,図3及び図5に示すように、L列から図の左側へM列さらにその左側に張り出している大きな張り出し部分があり、このL列から図の左側へ張り出している張り出し部分の大きな荷重(自己荷重及び変動荷重)を、結局は、L,K,J列の各柱脚60,柱脚基礎ベース66で負担しなければならないという荷重の不均衡が大きいので、左右方向の筋交い72は、従来、この張り出し部分のML列間に各階層で全部に設ける必要があった。
【0023】
しかし、各階層に筋交い72を多数設けるのは、この足場の組み立て撤去の手間が多くかかるばかりでなく、防熱工事を行う作業員の交通や資材の運搬などにこの多数の筋交い72が非常に邪魔になるというような問題があった。
【0024】
そこで、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図4に示すように、下部左右連結構造10の上下材に連なる各上下の大梁を強化大梁2Hとするとともに、この上下の強化大梁2Hの間の左右最外側(L列)の柱脚60Lの柱より外側の空間に強化筋交い7Hを上下の強化大梁2Hに連結して設けたものである。この強化大梁2H及び強化筋交い7Hの強度は、これより上層にある全荷重を、特に、L列より図の左側に張り出している部分の荷重を、十分に負担することができるように決定される。これによって、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとが、連携して、これより上層にある全荷重、特に、L列より図の左側に張り出している部分の荷重をまとめて負担することになり、これより上方の各階層のML列間に従来設けていた筋交い72が不要となり廃止することができ、L列より図の右側に従来設けていた筋交い72も数を減らすことができる。
【0025】
強化大梁2H及び強化筋交い7Hは、前記のように上層の全荷重を負担できるように決定されるが、一実施例として図4に示すように、強化大梁2Hは、例えば、400x200のH形鋼というような曲げ強度や剛性の大きいものを用い、強化筋交い7Hは、例えば、125の角鋼管というような丈夫なものを用い、両端に強固な取付部を形成し、例えば、M30程度のボルトナットによりダブルシヤーで、強化大梁2Hに設けられた強固な取付部に連結するというような構造とするのがよい。
【0026】
強化筋交い7Hは、前記のようにL列より左方に張り出している部分の荷重を負担させるために、上下の強化大梁2Hの間のL列とM列との間の空間に上下の強化大梁2Hに連結して設けるが、その実施例として、図2に示すように2本設けて山形に形成するか、図3に示すように斜めに1本設ける方式もある。図2に示す山形のものは作業員の交通や資材の運搬などの邪魔になることが少ない利点がある。図3に示す方式は簡単で強度的にも有利であるが交通などの邪魔になるという欠点がある。
【0027】
図1に示すように、下部左右連結構造10で連結された基幹的な階層に強化大梁2Hと強化筋交い7Hとを設けて強固に結合することによって、この階層が強固な構造体となり、これより上方の階層の柱50、特に、M列及びそれより外側(図の左側)の部分の荷重を負担するM列の柱50Mの軸荷重を、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとで形成された強固な構造の階層でまとめて支持させることができることになり、これより上方の各階層のM列L列間に設ける筋交いが不要となり、他の箇所の筋交い72の数もかなり減らすことができ、作業員の交通や資材の運搬などの問題を解決することができる。また、この強化大梁2Hと強化筋交い7Hとからなる剛性の高い構造体としたことにより、各柱脚60,柱脚基礎ベースの負担荷重,面圧の不均衡や変動が少なくなる。
【0028】
なお、上記のように、上の階層の全荷重を負担させるように、強化大梁2Hと強化筋交い7Hとで形成される階層では、柱50、特に柱50M及び柱50Lも相応な大きな負担がかかるので、それを検討してその負担に耐える相応な強度を有する柱とする必要がある。
【0029】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図3に示すように、下部左右連結構造10の左右端部(右側は図示していない)の下部にその下層の大梁20と柱50との交点に連結する連結構造肘支材15が設けられている。この連結構造肘支材15により下層の大梁20と柱50及びその下の柱脚60も変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66にかかる荷重の変動が防止され、面圧の不均衡を少なくすることができる。
【0030】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場では、図1乃至図3に示すように、最下層の大梁20とその下方の柱脚60との間に大梁柱脚肘支材25が設けられている。この大梁柱脚肘支材25により柱脚60の変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66にかかる荷重の変動を防止し面圧の不均衡を少なくすることができる。
【0031】
なお、図1乃至図3に示されている大梁柱脚肘支材25や筋交い72は、その配置や数が相違しているが、これらはこのLNG船防熱工事用足場の具体的な実施態様に応じて決定すればよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、テレスコ梁30を伸縮させ、柱脚60の高さを伸縮し微調整して、LNGタンクに防熱体を貼り付ける工事を安全に防熱体を損傷させるおそれなく施工することができるが、強化大梁2H及び強化筋交い7Hを設けたことにより、これより上の各階層の荷重をまとめて負担させたので、従来設けていたM列L列間の筋交いが不要となり、他の筋交い72も数を少なくすることができ、足場の組立て分解撤去の手間が省力化され、作業員の交通や資材の運搬などに対する邪魔が少なくなり、作業効率を上げることができる。また、柱脚基礎ベースの面圧の変動が少なくなる。
【0033】
また、柱脚60にロードセル64のような軸力計測手段を設ければ柱脚60にかかる荷重が客観的に示され、工事の信頼性が得られる。
【0034】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、下部左右連結構造10の左右端部の下部にその下層の大梁20と柱50との交点に連結する連結構造肘支材15を設けることによって、下層の大梁20と柱50とその下の柱脚60も変位変形が防止され、柱脚基礎ベース66の面圧の変動を少なくすることができる。
【0035】
また、この発明によるLNG船防熱工事用足場は、最下層の大梁20とその下方の柱脚60との間に大梁柱脚肘支材25を設けることによって、柱脚60の変形が防止され、柱脚基礎ベース66の面圧の変動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の一形態を示す全体の半横断面図である。
【図2】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の一形態を示す部分拡大横断面図である。
【図3】この発明によるLNG船防熱工事用足場の実施の他の一形態を示す部分拡大横断面図である。
【図4】この発明によるLNG船防熱工事用足場の強化大梁と強化筋交いとの結合部の実施の一形態を示す図である。
【図5】従来例によるLNG船防熱工事用足場の全体の横断面図である。
【図6】従来例によるLNG船防熱工事用足場の部分拡大横断面図である。
【図7】従来例によるLNG船防熱工事用足場の柱脚の伸縮を示す図である。
【図8】従来例によるLNG船防熱工事用足場の柱脚基盤部を示す図である。
【符号の説明】
02:LNGタンク、 062:外層防熱体、 064:内層防熱体、
10:下部左右連結構造、 15:連結構造肘支材、
20:大梁、 2H:強化大梁、 25:大梁肘支材、
30:テレスコ梁、
50:柱、
60:柱脚、 61:柱脚外管、 62:柱脚内管、
63:微調整ねじ、 64:ロードセル、 66:柱脚基礎ベース、
72:左右方向筋交い、
7H:強化筋交い、 7Hb:強化筋交い取付ボルト。
Claims (4)
- メンブレンタイプのLNG船のLNGタンクに防熱体を取り付ける工事用の分解撤去可能な足場であって、この足場の大梁の先端部には水平方向に伸縮可能なテレスコ梁を有し、この足場の柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能であるLNG船防熱工事用足場において、下部左右連結構造の上下材に連なる上下の各大梁を強化大梁とし、左右最外側の柱脚に連なる各階層の柱より外側に張り出している各階層の合計全荷重を前記強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたことを特徴とするLNG船防熱工事用足場。
- メンブレンタイプのLNG船のLNGタンクに防熱体を取り付ける工事用の分解撤去可能な足場であって、この足場の大梁の先端部には水平方向に伸縮可能なテレスコ梁を有し、この足場の柱脚は高さの伸縮及び微調整が可能であり、この柱脚にロードセルのような軸力計測手段が設けられているLNG船防熱工事用足場において、下部左右連結構造の上下材に連なる上下の各大梁を強化大梁とし、左右最外側の柱脚に連なる各階層の柱より外側に張り出している各階層の合計全荷重を前記強化大梁と連携して負担させるように、この上下の強化大梁の間の左右最外側の柱脚に連なる柱より外側の空間に強化筋交いを設けたことを特徴とするLNG船防熱工事用足場。
- 前記下部左右連結構造の左右端部の下部にその下層の大梁と柱との交点に連結する連結構造肘支材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のLNG船防熱工事用足場。
- 最下層の大梁とその下方の柱脚との間に大梁柱脚肘支材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のLNG船防熱工事用足場。
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