JP2004017663A - コンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロック装置の小型化を図りフックへの取付けを可能にするとともに、小さな操作力で強固な固縛力を得ることができるコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置を提供する。
【解決手段】起伏シリンダにより荷役アームを前後方向に回動させることで、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようになされたコンテナ荷役車輌において、フック24には、係合ピンC1をフック24に導いてフック24とともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材41と、ロック部材41を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパ46とが設けられ、ストッパ46の回動操作によりフック24と係合ピンC1とがロック部材41を介して係脱自在に構成されている。ストッパ46は遠隔操作手段により回動操作可能に構成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】起伏シリンダにより荷役アームを前後方向に回動させることで、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようになされたコンテナ荷役車輌において、フック24には、係合ピンC1をフック24に導いてフック24とともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材41と、ロック部材41を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパ46とが設けられ、ストッパ46の回動操作によりフック24と係合ピンC1とがロック部材41を介して係脱自在に構成されている。ストッパ46は遠隔操作手段により回動操作可能に構成されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナを車体上と地上との間で積卸すコンテナ荷役車輌に関し、特に荷役アームのフックとコンテナの係合ピンとを係合状態で固縛するための荷役アームのフックロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷役アームの先端に設けたフックをコンテナの係合ピンに係合させ、この係合状態を保持して荷役アームを前後方向に回動させることにより、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようにしたコンテナ荷役装置を備えた車輌が提供されている。
【0003】
具体的には、荷役アームは、車体の後端部に回動自在に支持されたダンプフレームに水平部の後端部が連結されるとともに、先端にコンテナの係合ピンと係脱自在なフックを有する垂直部が上記水平部の前端から立設されて全体として略L字状に形成されている。
【0004】
そして、コンテナを車体上から地上に卸す場合には、コンテナを車体上に積み込んだ状態ではフックと係合ピンとが係合されているので、この係合を保持した状態で荷役アームを後方に回動させることによって行う。
【0005】
また、逆にコンテナを地上から車体上に積込む場合には、フックを係合ピンに係合させ、この係合を保持した状態で荷役アームを上述と逆に回動させることによって行っている。
【0006】
さらに、コンテナに収容した積荷を排出する際には、荷役アーム固縛装置により荷役アームとダンプフレームとを一体的に固縛した後、フックと係合ピンとの係合を保持した状態で、荷役アームをダンプフレームとともに後方に回動させてコンテナを上方に傾動させることによって行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように荷役アームによりコンテナを車体上と地上との間で積卸す場合などにおいては、フックから係合ピンが脱落してコンテナが落下すると大事故に繋がり兼ねないため、フックからの係合ピンの脱落を確実に防止して作業の安全性を確保する必要があった。
【0008】
このようにフックからの係合ピンの脱落を確実に防止するには、フックにロック装置を設け、このロック装置により両者を係合した状態で固縛するようにすればよいが、強固な固縛力を得ようとするとロック装置が大がかりなものになり小型化が困難で、このため狭いスペースしかないフックへの取付けが困難であるという問題があった。特に、コンテナ荷役車輌の規模が小さくなると、上記スペースも小さくなるため、さらに適用が困難になる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ロック装置の小型化を図りフックへの取付けを可能にするとともに、小さな操作力で強固な固縛力を得ることができるコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置は、後端部が車体の後端部側にダンプフレームを介して前後方向に回動自在に支持された水平部と、この水平部の前端から立設されて先端にコンテナの係合ピンに係脱自在なフックを有する垂直部とで全体として略L字状に形成された荷役アームを備えてなり、起伏シリンダにより荷役アームを前後方向に回動させることで、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようになされたコンテナ荷役車輌において、前記フックには、前記係合ピンを当該フックに導いてフックとともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材と、上記ロック部材を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパとが設けられ、ストッパの回動操作によりフックと係合ピンとがロック部材を介して係脱自在に構成されたものである。
【0011】
請求項2に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置は、前記ストッパが、遠隔操作手段により回動操作可能に構成されたものである。
【0012】
請求項3に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置では、前記遠隔操作手段は、ストッパに連結された操作ケーブル又はコントロールロッド等の連結材を備え、当該操作ケーブルによりストッパが回動操作可能に構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、コンテナ荷役車輌を示している。
【0015】
このコンテナ荷役車輌は、例えば軽自動車のような小型車輌であり、その車体1にコンテナCを積卸すためのコンテナ荷役装置を備えている。
【0016】
コンテナ荷役装置は、荷役アーム2と、この荷役アーム2を作動させる起伏シリンダ3(二点鎖線参照)とで構成されている。
【0017】
荷役アーム2は、コンテナCが搭載された状態において水平に配置される水平部21と、同状態において水平部21の先端から垂直に立設された垂直部22とにより全体としてL字状に構成されている。
【0018】
水平部21は、その後端部が図3に二点鎖線で示すダンプフレーム23の先端部に回動自在に支持されるとともに、ダンプフレーム23の後端部は車体1の後端部に回動自在に支持されている。
【0019】
垂直部22は、その先端にコンテナCに設けられた係合ピンC1と係脱自在な荷役フック(フック)24が設けられている。
【0020】
起伏シリンダ3は、前記荷役アーム2の水平部21と車体1との間に連結されている。具体的には、起伏シリンダ3の基端部31が車体1側に連結されるとともに、伸縮ロッド端32が水平部21の途中部に連結されている。
【0021】
また、荷役アーム2には、荷役アーム2をダンプフレーム23とともに一体的に固縛するとともに、この固縛を解除可能な荷役アーム固縛装置(図示省略)が設けられている。
【0022】
前記コンテナCは、例えば図1に示すような上面が開放されるとともに、後壁C2が下端を中心に開閉自在に設けられたものの他、上面も閉じられた密閉式で後壁が積載物を排出可能なように開閉自在なものなどが用いられる。
【0023】
また、コンテナCには、その前壁上部に前記係合ピンC1が設けられるとともに、底面前部に支持脚C3が、底面後部に支持ローラC4が設けられている。
【0024】
さらに、車体1(サブフレーム)の後端部には、コンテナCを当該車体1と地上との間で円滑に積卸すためのローラ11が設けられている。
【0025】
次に、このように構成されたコンテナ荷役車輌によりコンテナCを車体1上と地上との間で積卸す動作について説明する。
【0026】
まず、コンテナCを車体1上から地上に卸す場合には、図1に示すようにコンテナCを搭載した状態で起伏シリンダ3を伸長作動させる。この際、荷役アーム2の荷役フック24はコンテナCの係合ピンC1に係合しており、起伏シリンダ3の伸長作動により荷役アーム2を後方に回動させてコンテナCを図1に二点鎖線で示すように傾動させながら、図2に二点鎖線で示すように地上に卸す。
【0027】
次に、コンテナCを地上から車体1上に積込む場合には、荷役アーム2の作動並びに車輌の後進などにより荷役アーム2の荷役フック24を地上のコンテナCの係合ピンC1に係合させ、この後に起伏シリンダ3を縮退させて荷役アーム2を上述と逆に前方に回動させることで、車体1上に積込むことができる。
【0028】
一方、コンテナCを車体1上でダンプ状態としてコンテナC内の積荷を排出する場合には、図1に示すようにコンテナCを搭載した状態で、荷役アーム固縛装置により荷役アーム2とダンプフレーム23とを一体的に固縛し、この状態で起伏シリンダ3を伸長させて一体化された荷役アーム2とダンプフレーム23を後方に回動させることで、図3に二点鎖線で示すようにコンテナCを車体1上でダンプ状態としてコンテナC内の積荷を当該コンテナCの開放した後壁C2を通じて排出することができる。
【0029】
ところで、上述のようにしてコンテナCを車体1上と地上との間で積卸すとともに、コンテナC内の積荷を排出することのできるコンテナ荷役車輌には、荷役フック24に図4に示すようなフックロック装置4が設けられている。
【0030】
フックロック装置4は、荷役フック24が係合ピンC1に係合した際にこの状態を固縛保持するためのもので、図4に示すようにロック部材としてのロックアーム41と、ストッパ46とを備えている。
【0031】
ロックアーム41は、係合ピンC1を係合する荷役フック24の形状に対応した略U字状に形成されたアーム部材42と、荷役フック24の前側となるアーム部材42の外側湾曲部42aに一体に設けられた当接部材43とから構成されている。
【0032】
アーム部材42は、図5に示すように連結部材44により所定の間隔を隔てて連結された左右一対からなり、これらアーム部材42に上述した当接部材43がそれぞれ設けられている。そして、左右のアーム部材42が荷役フック24を左右から挟む形で内側湾曲部42bの途中部が当該荷役フック24に水平軸25によって前後方向に回動自在に支持されている。
【0033】
このアーム部材42は、荷役フック24に沿って配置されて当該荷役フック24とともに係合ピンC1と係合する係合位置(図4実線参照)と、係合位置から荷役フック24の前方に回動配置される解除位置(図4二点鎖線参照)とを取るようになされている。また、アーム部材42と荷役フック24との間にはアーム部材42を解除位置側に付勢するスプリング45が設けられている。
【0034】
一方、ストッパ46は、上記アーム部材42に対応して荷役フック24を挟んで左右一対設けられており、各基端部46aが荷役フック24に水平軸26により回動自在に支持されている。そして、このストッパ46は、アーム部材42が係合位置に配置された際にその先端部46bが上記当接部材43の下方に配置されて当該係合位置でアーム部材42を固縛する固縛位置(図4実線参照)と、固縛位置から荷役フック24の前方に回動されて当接部材43から離間する解除位置(図4二点鎖線参照)とを取るようになされている。また、ストッパ46と荷役フック24との間にはストッパ46を固縛位置側に付勢するスプリング47が設けられている。
【0035】
さらに、ストッパ46の基端部46aには、連結材としての操作ケーブル48の一端がブラケット49を介して連結されている。操作ケーブル48の他端は荷役アーム2もしくは車体1側の適所に配置された図示しない操作レバー等の操作手段に連結されており、操作レバーにより操作ケーブル48を図4において下方に引っ張ることで、ストッパ46を固縛位置からスプリング47の付勢力に抗して解除位置に配置することができる。つまり、操作ケーブル48及び操作レバーによってストッパ46を固縛位置と解除位置とに回動操作する遠隔操作手段を構成している。
【0036】
なお、スプリング45とスプリング47との付勢力は、図4に二点鎖線で示すように、アーム部材42及びストッパ46を解除位置に配置し、操作ケーブル48によるストッパ46の解除位置への引っ張りを解除した状態では、アーム部材42を解除位置に付勢するスプリング45の付勢力が、ストッパ46を固縛位置に付勢するスプリング47の付勢力に打ち勝つように設定されている。つまり、上述した状態では、アーム部材42は解除位置で保持されるようになっている。
【0037】
このようにフックロック装置4を構成することで、地上のコンテナCを車体1上に積込むために荷役フック24に係合ピンC1を係合させる場合には、操作ケーブル48によるストッパ46の解除位置への引っ張りを解除して上述したようにアーム部材42を解除位置に保持した状態で、荷役アーム2を回動させるとともにコンテナ荷役車輌を後進させることにより、荷役フック24を係合ピンC1に係合させる。
【0038】
詳しくは、まず係合ピンC1が、図4に二点鎖線で示すようにアーム部材42の内側湾曲部42b先端と当接し、当該アーム部材42をスプリング45の付勢力に抗して解除位置から係合位置に回動させる。そして、このアーム部材42の回動に伴ってストッパ46がスプリング47の付勢力により解除位置から固縛位置に配置される。
【0039】
このようにアーム部材42が係合位置にストッパ46が固縛位置に配置されることで、アーム部材42ではその内部に係合ピンC1が配置されて荷役フック24とともに当該係合ピンC1と係合するとともに、アーム部材42が解除位置側に回動しようとしても、当接部材43がストッパ46の先端部46bに当接して阻止される。従って、荷役フック24と係合ピンC1との係合が、ストッパ46により固縛保持されたアーム部材42によって強固に保持され、この状態でコンテナCを車体1上に積込み、また逆にコンテナCを車体1上から地上に卸すことができる。
【0040】
次に、荷役アーム2によりコンテナCを車体1上から地上に卸して、係合ピンC1から荷役フック24を離脱させる場合には、まず、操作レバーにより操作ケーブル48を引っ張ってストッパ46を強制的に固縛位置から解除位置に配置してこの状態を保持しておく。
【0041】
そして、コンテナ荷役車輌を前進させて荷役フック24を係合ピンC1から前方に移動させることで、アーム部材42が荷役フック24の移動とともにスプリング45による付勢力と相まって解除位置に回動して係合ピンC1から離脱する。
【0042】
このようにして荷役フック24を係合ピンC1から離脱させた後に、操作レバーで操作ケーブル48を引っ張っていたことによるストッパ46の解除位置での保持を解除する。これによりストッパ46とアーム部材42とはスプリング45、47による付勢力のバランスにより共に解除位置に配置された状態となり、この状態で荷役フック24を係止ピC1に係合させることで、上述したように荷役フック24と係合ピンC1との係合がストッパ46により固縛保持されたアーム部材42によって自動的に強固に保持されることになる。
【0043】
このようにロックアーム41とストッパ46とにより荷役フック24と係合ピンC1との係合を保持するとともに、この係合を解除することで、簡単な構成によって大きな保持力を得ることができ、高い安全性を確保することができる。また、フックロック装置4の操作はストッパ46を解除位置に配置するだけでよいので小さな操作力で行うことができ、このため細い操作ケーブル48又はコントロールロッド等の連結材を用いての操作が可能になる。従って、装置全体の小型化を図ることができ、荷役フック24への取付けが容易になる。
【0044】
なお、本実施の形態では、遠隔操作手段として操作ケーブルなどを操作レバーにより操作するものについて説明したが、電磁力を利用してストッパを解除位置に操作することなども可能である。
【0045】
また、ロック部材として、アーム部材42を左右一対設けたものについて説明したが、1つのアーム部材42を荷役フック24の片側一方だけに設けてもよく、また荷役フック24を左右一対の2枚にして、その間にアーム部材42を配置してもよく、さらに荷役アーム24の中央部に切欠を設け、この切欠にアーム部材42を出没自在に配置してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置によれば、フックに、係合ピンを当該フックに導いてフックとともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材と、上記ロック部材を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパとを設け、ストッパの回動操作によりフックと係合ピンとを係脱自在に構成したことで、簡単な構成によって大きな保持力を得ることができ、高い安全性を確保することができるとともに、フックロック装置の操作を小さな操作力で行うことができるので、装置全体の小型化を図ることができるとともに、荷役フックへの取付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンテナ荷役車輌の全体構成を示す側面図である。
【図2】コンテナ荷役車輌のコンテナ積卸し動作を示す側面図である。
【図3】コンテナ荷役車輌のコンテナ内積荷排出動作を示す側面図である。
【図4】フックロック装置の構成を示す側面図である。
【図5】ロックアームを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車体
2 荷役アーム
21 水平部
22 垂直部
23 ダンプフレーム
24 荷役フック(フック)
3 起伏シリンダ
4 フックロック装置
41 ロックアーム(ロック部材)
46 ストッパ
48 操作ケーブル
C コンテナ
C1 係合ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナを車体上と地上との間で積卸すコンテナ荷役車輌に関し、特に荷役アームのフックとコンテナの係合ピンとを係合状態で固縛するための荷役アームのフックロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷役アームの先端に設けたフックをコンテナの係合ピンに係合させ、この係合状態を保持して荷役アームを前後方向に回動させることにより、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようにしたコンテナ荷役装置を備えた車輌が提供されている。
【0003】
具体的には、荷役アームは、車体の後端部に回動自在に支持されたダンプフレームに水平部の後端部が連結されるとともに、先端にコンテナの係合ピンと係脱自在なフックを有する垂直部が上記水平部の前端から立設されて全体として略L字状に形成されている。
【0004】
そして、コンテナを車体上から地上に卸す場合には、コンテナを車体上に積み込んだ状態ではフックと係合ピンとが係合されているので、この係合を保持した状態で荷役アームを後方に回動させることによって行う。
【0005】
また、逆にコンテナを地上から車体上に積込む場合には、フックを係合ピンに係合させ、この係合を保持した状態で荷役アームを上述と逆に回動させることによって行っている。
【0006】
さらに、コンテナに収容した積荷を排出する際には、荷役アーム固縛装置により荷役アームとダンプフレームとを一体的に固縛した後、フックと係合ピンとの係合を保持した状態で、荷役アームをダンプフレームとともに後方に回動させてコンテナを上方に傾動させることによって行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように荷役アームによりコンテナを車体上と地上との間で積卸す場合などにおいては、フックから係合ピンが脱落してコンテナが落下すると大事故に繋がり兼ねないため、フックからの係合ピンの脱落を確実に防止して作業の安全性を確保する必要があった。
【0008】
このようにフックからの係合ピンの脱落を確実に防止するには、フックにロック装置を設け、このロック装置により両者を係合した状態で固縛するようにすればよいが、強固な固縛力を得ようとするとロック装置が大がかりなものになり小型化が困難で、このため狭いスペースしかないフックへの取付けが困難であるという問題があった。特に、コンテナ荷役車輌の規模が小さくなると、上記スペースも小さくなるため、さらに適用が困難になる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ロック装置の小型化を図りフックへの取付けを可能にするとともに、小さな操作力で強固な固縛力を得ることができるコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置は、後端部が車体の後端部側にダンプフレームを介して前後方向に回動自在に支持された水平部と、この水平部の前端から立設されて先端にコンテナの係合ピンに係脱自在なフックを有する垂直部とで全体として略L字状に形成された荷役アームを備えてなり、起伏シリンダにより荷役アームを前後方向に回動させることで、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようになされたコンテナ荷役車輌において、前記フックには、前記係合ピンを当該フックに導いてフックとともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材と、上記ロック部材を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパとが設けられ、ストッパの回動操作によりフックと係合ピンとがロック部材を介して係脱自在に構成されたものである。
【0011】
請求項2に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置は、前記ストッパが、遠隔操作手段により回動操作可能に構成されたものである。
【0012】
請求項3に係る発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置では、前記遠隔操作手段は、ストッパに連結された操作ケーブル又はコントロールロッド等の連結材を備え、当該操作ケーブルによりストッパが回動操作可能に構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、コンテナ荷役車輌を示している。
【0015】
このコンテナ荷役車輌は、例えば軽自動車のような小型車輌であり、その車体1にコンテナCを積卸すためのコンテナ荷役装置を備えている。
【0016】
コンテナ荷役装置は、荷役アーム2と、この荷役アーム2を作動させる起伏シリンダ3(二点鎖線参照)とで構成されている。
【0017】
荷役アーム2は、コンテナCが搭載された状態において水平に配置される水平部21と、同状態において水平部21の先端から垂直に立設された垂直部22とにより全体としてL字状に構成されている。
【0018】
水平部21は、その後端部が図3に二点鎖線で示すダンプフレーム23の先端部に回動自在に支持されるとともに、ダンプフレーム23の後端部は車体1の後端部に回動自在に支持されている。
【0019】
垂直部22は、その先端にコンテナCに設けられた係合ピンC1と係脱自在な荷役フック(フック)24が設けられている。
【0020】
起伏シリンダ3は、前記荷役アーム2の水平部21と車体1との間に連結されている。具体的には、起伏シリンダ3の基端部31が車体1側に連結されるとともに、伸縮ロッド端32が水平部21の途中部に連結されている。
【0021】
また、荷役アーム2には、荷役アーム2をダンプフレーム23とともに一体的に固縛するとともに、この固縛を解除可能な荷役アーム固縛装置(図示省略)が設けられている。
【0022】
前記コンテナCは、例えば図1に示すような上面が開放されるとともに、後壁C2が下端を中心に開閉自在に設けられたものの他、上面も閉じられた密閉式で後壁が積載物を排出可能なように開閉自在なものなどが用いられる。
【0023】
また、コンテナCには、その前壁上部に前記係合ピンC1が設けられるとともに、底面前部に支持脚C3が、底面後部に支持ローラC4が設けられている。
【0024】
さらに、車体1(サブフレーム)の後端部には、コンテナCを当該車体1と地上との間で円滑に積卸すためのローラ11が設けられている。
【0025】
次に、このように構成されたコンテナ荷役車輌によりコンテナCを車体1上と地上との間で積卸す動作について説明する。
【0026】
まず、コンテナCを車体1上から地上に卸す場合には、図1に示すようにコンテナCを搭載した状態で起伏シリンダ3を伸長作動させる。この際、荷役アーム2の荷役フック24はコンテナCの係合ピンC1に係合しており、起伏シリンダ3の伸長作動により荷役アーム2を後方に回動させてコンテナCを図1に二点鎖線で示すように傾動させながら、図2に二点鎖線で示すように地上に卸す。
【0027】
次に、コンテナCを地上から車体1上に積込む場合には、荷役アーム2の作動並びに車輌の後進などにより荷役アーム2の荷役フック24を地上のコンテナCの係合ピンC1に係合させ、この後に起伏シリンダ3を縮退させて荷役アーム2を上述と逆に前方に回動させることで、車体1上に積込むことができる。
【0028】
一方、コンテナCを車体1上でダンプ状態としてコンテナC内の積荷を排出する場合には、図1に示すようにコンテナCを搭載した状態で、荷役アーム固縛装置により荷役アーム2とダンプフレーム23とを一体的に固縛し、この状態で起伏シリンダ3を伸長させて一体化された荷役アーム2とダンプフレーム23を後方に回動させることで、図3に二点鎖線で示すようにコンテナCを車体1上でダンプ状態としてコンテナC内の積荷を当該コンテナCの開放した後壁C2を通じて排出することができる。
【0029】
ところで、上述のようにしてコンテナCを車体1上と地上との間で積卸すとともに、コンテナC内の積荷を排出することのできるコンテナ荷役車輌には、荷役フック24に図4に示すようなフックロック装置4が設けられている。
【0030】
フックロック装置4は、荷役フック24が係合ピンC1に係合した際にこの状態を固縛保持するためのもので、図4に示すようにロック部材としてのロックアーム41と、ストッパ46とを備えている。
【0031】
ロックアーム41は、係合ピンC1を係合する荷役フック24の形状に対応した略U字状に形成されたアーム部材42と、荷役フック24の前側となるアーム部材42の外側湾曲部42aに一体に設けられた当接部材43とから構成されている。
【0032】
アーム部材42は、図5に示すように連結部材44により所定の間隔を隔てて連結された左右一対からなり、これらアーム部材42に上述した当接部材43がそれぞれ設けられている。そして、左右のアーム部材42が荷役フック24を左右から挟む形で内側湾曲部42bの途中部が当該荷役フック24に水平軸25によって前後方向に回動自在に支持されている。
【0033】
このアーム部材42は、荷役フック24に沿って配置されて当該荷役フック24とともに係合ピンC1と係合する係合位置(図4実線参照)と、係合位置から荷役フック24の前方に回動配置される解除位置(図4二点鎖線参照)とを取るようになされている。また、アーム部材42と荷役フック24との間にはアーム部材42を解除位置側に付勢するスプリング45が設けられている。
【0034】
一方、ストッパ46は、上記アーム部材42に対応して荷役フック24を挟んで左右一対設けられており、各基端部46aが荷役フック24に水平軸26により回動自在に支持されている。そして、このストッパ46は、アーム部材42が係合位置に配置された際にその先端部46bが上記当接部材43の下方に配置されて当該係合位置でアーム部材42を固縛する固縛位置(図4実線参照)と、固縛位置から荷役フック24の前方に回動されて当接部材43から離間する解除位置(図4二点鎖線参照)とを取るようになされている。また、ストッパ46と荷役フック24との間にはストッパ46を固縛位置側に付勢するスプリング47が設けられている。
【0035】
さらに、ストッパ46の基端部46aには、連結材としての操作ケーブル48の一端がブラケット49を介して連結されている。操作ケーブル48の他端は荷役アーム2もしくは車体1側の適所に配置された図示しない操作レバー等の操作手段に連結されており、操作レバーにより操作ケーブル48を図4において下方に引っ張ることで、ストッパ46を固縛位置からスプリング47の付勢力に抗して解除位置に配置することができる。つまり、操作ケーブル48及び操作レバーによってストッパ46を固縛位置と解除位置とに回動操作する遠隔操作手段を構成している。
【0036】
なお、スプリング45とスプリング47との付勢力は、図4に二点鎖線で示すように、アーム部材42及びストッパ46を解除位置に配置し、操作ケーブル48によるストッパ46の解除位置への引っ張りを解除した状態では、アーム部材42を解除位置に付勢するスプリング45の付勢力が、ストッパ46を固縛位置に付勢するスプリング47の付勢力に打ち勝つように設定されている。つまり、上述した状態では、アーム部材42は解除位置で保持されるようになっている。
【0037】
このようにフックロック装置4を構成することで、地上のコンテナCを車体1上に積込むために荷役フック24に係合ピンC1を係合させる場合には、操作ケーブル48によるストッパ46の解除位置への引っ張りを解除して上述したようにアーム部材42を解除位置に保持した状態で、荷役アーム2を回動させるとともにコンテナ荷役車輌を後進させることにより、荷役フック24を係合ピンC1に係合させる。
【0038】
詳しくは、まず係合ピンC1が、図4に二点鎖線で示すようにアーム部材42の内側湾曲部42b先端と当接し、当該アーム部材42をスプリング45の付勢力に抗して解除位置から係合位置に回動させる。そして、このアーム部材42の回動に伴ってストッパ46がスプリング47の付勢力により解除位置から固縛位置に配置される。
【0039】
このようにアーム部材42が係合位置にストッパ46が固縛位置に配置されることで、アーム部材42ではその内部に係合ピンC1が配置されて荷役フック24とともに当該係合ピンC1と係合するとともに、アーム部材42が解除位置側に回動しようとしても、当接部材43がストッパ46の先端部46bに当接して阻止される。従って、荷役フック24と係合ピンC1との係合が、ストッパ46により固縛保持されたアーム部材42によって強固に保持され、この状態でコンテナCを車体1上に積込み、また逆にコンテナCを車体1上から地上に卸すことができる。
【0040】
次に、荷役アーム2によりコンテナCを車体1上から地上に卸して、係合ピンC1から荷役フック24を離脱させる場合には、まず、操作レバーにより操作ケーブル48を引っ張ってストッパ46を強制的に固縛位置から解除位置に配置してこの状態を保持しておく。
【0041】
そして、コンテナ荷役車輌を前進させて荷役フック24を係合ピンC1から前方に移動させることで、アーム部材42が荷役フック24の移動とともにスプリング45による付勢力と相まって解除位置に回動して係合ピンC1から離脱する。
【0042】
このようにして荷役フック24を係合ピンC1から離脱させた後に、操作レバーで操作ケーブル48を引っ張っていたことによるストッパ46の解除位置での保持を解除する。これによりストッパ46とアーム部材42とはスプリング45、47による付勢力のバランスにより共に解除位置に配置された状態となり、この状態で荷役フック24を係止ピC1に係合させることで、上述したように荷役フック24と係合ピンC1との係合がストッパ46により固縛保持されたアーム部材42によって自動的に強固に保持されることになる。
【0043】
このようにロックアーム41とストッパ46とにより荷役フック24と係合ピンC1との係合を保持するとともに、この係合を解除することで、簡単な構成によって大きな保持力を得ることができ、高い安全性を確保することができる。また、フックロック装置4の操作はストッパ46を解除位置に配置するだけでよいので小さな操作力で行うことができ、このため細い操作ケーブル48又はコントロールロッド等の連結材を用いての操作が可能になる。従って、装置全体の小型化を図ることができ、荷役フック24への取付けが容易になる。
【0044】
なお、本実施の形態では、遠隔操作手段として操作ケーブルなどを操作レバーにより操作するものについて説明したが、電磁力を利用してストッパを解除位置に操作することなども可能である。
【0045】
また、ロック部材として、アーム部材42を左右一対設けたものについて説明したが、1つのアーム部材42を荷役フック24の片側一方だけに設けてもよく、また荷役フック24を左右一対の2枚にして、その間にアーム部材42を配置してもよく、さらに荷役アーム24の中央部に切欠を設け、この切欠にアーム部材42を出没自在に配置してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置によれば、フックに、係合ピンを当該フックに導いてフックとともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材と、上記ロック部材を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパとを設け、ストッパの回動操作によりフックと係合ピンとを係脱自在に構成したことで、簡単な構成によって大きな保持力を得ることができ、高い安全性を確保することができるとともに、フックロック装置の操作を小さな操作力で行うことができるので、装置全体の小型化を図ることができるとともに、荷役フックへの取付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンテナ荷役車輌の全体構成を示す側面図である。
【図2】コンテナ荷役車輌のコンテナ積卸し動作を示す側面図である。
【図3】コンテナ荷役車輌のコンテナ内積荷排出動作を示す側面図である。
【図4】フックロック装置の構成を示す側面図である。
【図5】ロックアームを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車体
2 荷役アーム
21 水平部
22 垂直部
23 ダンプフレーム
24 荷役フック(フック)
3 起伏シリンダ
4 フックロック装置
41 ロックアーム(ロック部材)
46 ストッパ
48 操作ケーブル
C コンテナ
C1 係合ピン
Claims (3)
- 後端部が車体の後端部側にダンプフレームを介して前後方向に回動自在に支持された水平部と、この水平部の前端から立設されて先端にコンテナの係合ピンに係脱自在なフックを有する垂直部とで全体として略L字状に形成された荷役アームを備えてなり、起伏シリンダにより荷役アームを前後方向に回動させることで、コンテナを車体上と地上との間で積卸すようになされたコンテナ荷役車輌において、
前記フックには、前記係合ピンを当該フックに導いてフックとともに係合する係合位置とこの係合を解除する解除位置との間で回動自在なロック部材と、上記ロック部材を係合位置で固縛する固縛位置とこの固縛を解除する解除位置との間で回動自在なストッパとが設けられ、ストッパの回動操作によりフックと係合ピンとがロック部材を介して係脱自在に構成されたことを特徴とするコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置。 - 前記ストッパは、遠隔操作手段により回動操作可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置。
- 前記遠隔操作手段は、ストッパに連結された操作ケーブル又はコントロールロッド等の連結材を備え、当該操作ケーブルによりストッパが回動操作可能に構成されたことを特徴とする請求項2記載のコンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置。
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JP2002170916A JP2004017663A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | コンテナ荷役車輌における荷役アームのフックロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP (1) | JP2004017663A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008247304A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kyokuto Kaihatsu Kogyo Co Ltd | コンテナ荷役車両 |
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2002
- 2002-06-12 JP JP2002170916A patent/JP2004017663A/ja active Pending
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