JP2004016013A - 魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法 - Google Patents
魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】魚肉およびその非加熱加工品の早期退色による品質の低下を防止できる魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法を提供すること。
【解決手段】(1)アスコルビン酸類、(2)プロアントシアニジン、および(3)炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上の塩を、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる。
【選択図】 なし
【解決手段】(1)アスコルビン酸類、(2)プロアントシアニジン、および(3)炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上の塩を、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚肉および該魚肉を生のまま加工した非加熱加工品の退色防止用組成物、および該退色防止用組成物を用いた退色防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に赤身魚肉は新鮮時には鮮やかな赤色であるが、冷蔵でこれらを保管すると早急に退色し、例えば褐色または灰色の色調に変化することが知られている。特にわが国では、魚肉を生のまま調理する習慣があり、その色調等に敏感であるため、赤身魚肉の非加熱加工品の評価においてもその色調が重要視される。
上記非加熱加工品としては、マグロ肉をミンチとした後、精製魚油、植物油脂や調味料を練り込み加工した「ネギトロ」、カットしたマグロ肉と精製魚油、調味料を混合した「中落ち」風の加工食品、マグロ肉を醤油や他の調味料を添加した調味液に浸漬した「漬け」と呼ばれる加工品などが挙げられる。
【0003】
これらの非加熱加工品は、製造後、消費されるまでの期間を冷蔵で数日程度と定め、厳密な低温管理のもとで冷凍ないしは冷蔵流通されるが、食用に供し得るに十分な鮮度のものであっても、その食品に含有される赤身魚肉が速やかに退色してしまうために、その食品への嗜好が大幅に低下し品質が低く評価されてしまうことが多く、特にミンチなどの機械的な加工により細かな肉片となったものほどその傾向が強い。これはブルーミング現象により鮮紅色となった赤身魚肉に含まれるオキシミオグロビンが暗赤色のミオグロビンよりも酸化を受けやすく、早期にメト化し褐色のメトミオグロビンに変化するためであると言われている。
【0004】
また、アジ、サバなどを開いたものを塩漬した後乾燥させた干物類は、消費者のグルメ志向や低塩食品志向、冷凍冷蔵技術の普及、発達などにより、より鮮魚に近い「生干し」が主流となっており、その色調に対する嗜好は地域によって異なるが、赤みの強い色調が好まれる場合も多く、店頭において消費者の選択の目安となっている。
このため、従来より魚肉の非加熱加工品の色調を添加剤によって保持しようとする試みがなされている。
【0005】
上記添加剤としては、その還元効果や酸化防止効果を目的として、アスコルビン酸類、シスチン、抽出トコフェロール、カテキン、フェルラ酸などが使用されているが、これらの添加剤はその効果が必ずしも満足できるものではない。
【0006】
また、プロアントシアニジンを、必要であればアスコルビン酸類と併用して食肉に含有せしめる技術(特開平10−4923号)も報告されている。しかしながら、本発明者らがこの技術の赤身魚肉における応用を検討したところ、赤みの保持効果は顕著であったが、プロアントシアニジンを添加した赤身魚肉の色調は添加初期の時点においてやや暗く、鮮やかさが失われており、見た目が不自然であるという難点を見いだした。すなわち、色差計によって測定された数値で表現される赤み〔赤色度(a/b値)〕は数日保存しても高い残存率を示すが、同時に測定した明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕が、添加初期の時点において低下していることを認めたのである。この明度および彩度の低下は、プロアントシアニジン添加後速やかに生じるため、赤身魚肉は数時間で暗色化し鮮やかさを失ってしまう。したがって、この技術の赤身魚肉における実用化においてはなお問題点を残しており、その効果が必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、魚肉およびその非加熱加工品の早期退色による品質の低下を防止できる魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、魚肉の退色防止について鋭意研究を重ねたところ、特定の3成分を併用添加することにより、魚肉の退色を防止し、なおかつ魚肉の色調が添加後数時間で明るさと鮮やかさを失ってしまうことを防止できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記の魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法を提供するものである。
「(1)アスコルビン酸類、(2)プロアントシアニジン、および(3)炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上の塩からなる魚肉の退色防止用組成物。」
「上記の本発明の退色防止用組成物を含有せしめることを特徴とする魚肉の退色防止方法。」
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法について詳しく説明する。
【0010】
まず、本発明の魚肉の退色防止用組成物について説明する。
本発明による退色防止の対象物である魚肉としては、マグロ肉などの所謂赤身魚肉と呼ばれる魚肉が好ましく、この他、ヘモグロビンやミオグロビンといったタンパク色素を多く含み、魚肉全体あるいは血合いなどの魚肉の一部が赤色を呈する、鯨肉を含む魚肉を含み、斯かる魚肉の魚種としては、例えばマグロ、カツオ、カジキ、イワシ、アジ、シマアジ、サンマ、ブリ、ハマチ、カンパチ、サバ、サワラ、ホッケ、エボダイ、キンメダイ、鯨などが挙げられる。
また、上記魚肉としては、生鮮魚肉に限らず、凍結魚肉でもよく、またその形態も、落し身、切り身、ミンチなど、どのような形態のものでもよい。
【0011】
本発明で使用するアスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの中から選ばれた一つ以上が用いられる。
【0012】
本発明で使用するプロアントシアニジン(以下PAと略称する)としては、フラバン−3−オール類あるいはフラバン−3,4−ジオール類のオリゴマーまたはポリマーである縮合型タンニンなどのPAが挙げられる。
本発明で好適に用いられる縮合型タンニンであるPAは、各種植物体、例えばブドウ種子、松の樹皮、りんご果実、小豆などに存在する縮合型タンニンの一種、すなわちフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として縮合もしくは重合により結合した化合物群であって、これらは酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジンなどのアントシアニジンを生成するところから、この名称が与えられているものであり、上記構成単位の2量体、3量体、4量体さらに10量体以上の高分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジンなどのPAおよびそれらの立体異性体などを含むものである。また、PAを含有する市販のブドウ種子抽出物なども採用することができる。
【0013】
本発明で使用する塩としては、炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上が用いられ、これらの中でも、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0014】
本発明の退色防止用組成物における(1)アスコルビン酸類、(2)PA、および(3)塩の3成分の含有割合は、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.7重量部、(3)塩を好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜30重量部、である。
【0015】
斯かる3成分の含有割合は、上記の範囲内において、対象魚肉の形態や魚種に応じて適宜決定するのが好ましい。例えば、対象魚肉が「ネギトロ」などに用いられるミンチ肉である場合には、通常、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.7重量部、(3)塩を好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部とするとよい。また、対象魚肉が「干物」の製造などに用いられる腹開きした形態の魚肉である場合には、通常、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.01〜0.1重量部、より好ましくは0.02〜0.05重量部、(3)塩を好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜10重量部とするとよい。
【0016】
本発明の退色防止用組成物には、上記3成分の他に、例えば、抽出トコフェロール、糖類、デキストリン、硫酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸などの添加物を適宜含有させることもできる。これらの添加物の含有量は、本発明の退色防止用組成物中、50重量%以下とするのが好ましい。
【0017】
本発明の退色防止用組成物は、上記3成分および必要に応じて上記添加物を上記割合で混合することにより得られ、その形態は例えば粉末状でも液状でもよく、対象物の魚肉の形態などに応じて適宜な形態とすることができる。
本発明の退色防止用組成物は、上記魚肉、および該魚肉を生のまま加工した、「ネギトロ」、「中落ち」風の加工食品、「漬け」と呼ばれる加工品、「生干し」などの非加熱加工品に含有させることにより、これらの魚肉およびその非加熱加工品の退色を防止することができる。
また、本発明の退色防止用組成物は、各成分の安定性が増大され、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる際の各成分の分散性が良好である。
【0018】
次に、上述した本発明の退色防止用組成物を用いた本発明の退色防止方法について説明する。
本発明の退色防止用組成物を、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる方法としては、練り込みなどの方法により本発明の退色防止用組成物を魚肉またはその非加熱加工品に直接添加する方法や、本発明の退色防止用組成物を含有する溶液に魚肉またはその非加熱加工品を浸漬する方法など、魚肉またはその非加熱加工品の形態に応じて適宜な方法を採用することができる。
本発明の退色防止用組成物を非加熱加工品に含有させる場合、その時期は、非加熱加工品の原料の魚肉の調製段階で含有させてもよく、あるいは魚肉の塩漬工程または練り込み工程などの非加熱加工品の各製造工程における適宜の段階で含有させてもよい。例えば、「ネギトロ」などでは、ミンチしたマグロ肉に植物油脂や調味料などを練り込む際に、本発明の退色防止用組成物を同時に添加すればよく、また「生干し」などでは、魚肉を塩水漬けする際に、該塩水に本発明の退色防止用組成物を添加すればよい。
【0019】
本発明の退色防止用組成物を魚肉またはその非加熱加工品に直接添加する場合、本発明の退色防止用組成物の添加量は、アスコルビン酸類の添加量が、魚肉またはその非加熱加工品中の魚肉に対して好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.1重量%となる量であり、また本発明の退色防止用組成物の3成分の合計添加量が、魚肉またはその非加熱加工品中の魚肉に対して好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%となる量である。
【0020】
また、本発明の退色防止用組成物を含有する溶液に魚肉またはその非加熱加工品を浸漬する場合、この本発明の退色防止用組成物を含有する溶液としては、アスコルビン酸類の濃度が好ましくは0.03〜0.5重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%となるように、本発明の退色防止用組成物を浸漬用水に添加した溶液を用いるのが好ましい。また、上記溶液としては、本発明の退色防止用組成物の濃度(3成分の合計濃度)が好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%であるものが好ましい。
上記浸漬用水としては、水の他、非加熱加工品の製造に用いられる食塩水や調味液などを用いることができる。
【0021】
上記溶液への魚肉またはその非加熱加工品の浸漬時間は任意であり、浸漬時間の長いほど、本発明の退色防止用組成物の、魚肉内部への移行は進行する。ただし、一般に、浸漬時間の超過は菌数の増加や鮮度の低下を伴うものであるから、浸漬時間は生菌数の有意に増加しない程度に留めるべきである。したがって、浸漬時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは30分〜5時間である。また、浸漬中は水温を0〜10℃に保つべきである。
【0022】
本発明の退色防止用組成物の魚肉またはその非加熱加工品への含有は、各成分を適宜な順序で個別に含有させてもよく、また各成分を同時に含有させてもよいが、あらかじめ各成分を混合し組成物としたものを含有させる方が、良好な結果が得られる。
本発明の退色防止方法により処理された魚肉またはその非加熱加工品は、通常の方法により製造されたもの(未処理品)と比較して、外観の色が均一で良好であり、かつ保存中の退色の少ないものである。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。
【0024】
参考例1
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して0、250、500、1000、2000、5000ppm、および市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して0、1667、3333、5000、6667ppm(PAとして約0、250、500、750、1000ppm)となるように添加混合した。このようにして調製した30種類のミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)およびb(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0025】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、アスコルビン酸ナトリウムおよびPAを添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。
下記〔表1〕に各試験区の赤色度残存率を、下記〔表2〕に各試験区の相対明度を、下記〔表3〕に各試験区の相対彩度を、それぞれ示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
上記〔表1〕から明らかなように、赤色度保持効果において、アスコルビン酸ナトリウムとPAの併用添加は、その相乗効果が認められる。この相乗効果は、アスコルビン酸ナトリウム1重量部に対し、PA 0.05〜4重量部の範囲で確認されたが、より好ましくはアスコルビン酸ナトリウム1重量部に対し、PA約0.13〜3重量部であることが上記〔表1〕から推定される。
また、アスコルビン酸ナトリウムとPAを併用して添加する場合の最適な添加量は、アスコルビン酸ナトリウム1000ppm、PA 500ppmであり、これ以上の濃度で添加しても、赤色度保持効果は却って低下することが上記〔表1〕から推定される。
【0030】
上記〔表2〕および上記〔表3〕から明らかなように、アスコルビン酸ナトリウム単体で添加した場合には明度および彩度の低下は起こらないが、PA添加量の増加に伴い、明度および彩度は共に低下する。
このように赤色保持の指標としてよく採用されるa/b値は、a値とb値の単なる比率であることから、この値のみで魚肉の色調を論じても自ずと限界を生じるのである。明度および彩度を併せて測定することにより、色調をより正確に評価することが可能となる。
【0031】
実施例1
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して1000ppm、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して3333ppm(PAとして約500ppm)、および下記〔表4〕に示す各種の食品添加物(第3成分)を魚肉に対して5000ppmとなるように添加混合した。このようにして調製したミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0032】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、添加物を全く添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表4〕に示す。
下記〔表4〕中の試験区5、14、25、29、30および32が、本発明の実施例である。
【0033】
【表4】
【0034】
上記〔表4〕から明らかなように、第3成分として、クエン酸三ナトリウム(試験区5)、酢酸ナトリウム(試験区14)、DL−リンゴ酸ナトリウム(試験区25)、炭酸ナトリウム(試験区29)、炭酸カリウム(試験区30)、炭酸水素ナトリウム(試験区32)を添加した場合(本発明の実施例)において、明度と彩度の改善効果が認められた。特に、クエン酸三ナトリウムを添加した場合(試験区5)および炭酸水素ナトリウムを添加した場合(試験区32)は、赤色度残存率を維持したままで、明度および彩度の大幅な改善を得ることができる。
【0035】
実施例2
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して1000ppm、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して3333ppm(PAとして約500ppm)、および炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウム(第3成分)を魚肉に対して下記〔表5〕に示す量となるように添加混合した。このようにして調製したミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0036】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、添加物を全く添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表5〕に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
上記〔表5〕から明らかなように、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムの添加量の増加にしたがって、相対明度、相対彩度が改善される。炭酸水素ナトリウムとクエン酸三ナトリウムを併用(試験区11〜14)しても、単体で添加した場合と有意差が無く、特に相対明度および相対彩度に関して相乗作用は認められない。アスコルビン酸ナトリウム1重量部に対して、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウム0.5〜50重量部の範囲で、明度と彩度の改善効果が確認された。
【0039】
実施例3
市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)3kg、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)9kg、および市販の炭酸水素ナトリウム(食品添加物規格適合品)48kgをロッキングミキサー(愛知電機株式会社製)により約30分間混合し、魚肉の退色防止用組成物60kgを製造した。
【0040】
実施例4
市販のエリソルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)3kg、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)9kg、および市販の炭酸水素ナトリウム(食品添加物規格適合品)48kgをロッキングミキサー(愛知電機株式会社製)により約30分間混合し、魚肉の退色防止用組成物60kgを製造した。
【0041】
実施例5
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕したミンチ肉1000g、植物油脂40g、サラダ油40g、塩5gに、何も加えなかったもの(無添加区)、または市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)1gおよび市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)3gを添加混合したもの(VC−PA区)、または実施例3で得た組成物20gを添加混合したもの(本発明区)をそれぞれ調製した。この時、VC−PA区と本発明区では、アスコルビン酸ナトリウムとPAの魚肉に対する含有量はほぼ等しい。
このようにして調製したネギトロを、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのネギトロを5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のネギトロのL、aおよびbの各値を測定した。
【0042】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。残存率として約5%の差があれば肉眼観察で明らかに赤色が強い。
また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、無添加区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表6〕に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
上記〔表6〕から明らかなように、VC−PA区は、無添加区より赤色度残存率が大きく、退色が少ないが、相対明度および相対彩度は低下している。これに対し、本発明区は、赤色度残存率が大きく、退色が少なく、かつ相対明度および相対彩度も低下していない。
また、肉眼観察において、保存前のVC−PA区の色調は無添加区に比べ暗く鮮やかさに欠けていたのに対し、本発明区の色調はVC−PA区に比べ明るく鮮やかであった。
【0045】
実施例6
市販のアジを鰓・内臓除去後腹開き・水洗を行った後、15%食塩水に20分間浸漬(塩水漬け)し、その後庫内を40℃に設定した農業用オーブン(株式会社清水理化学機器製作所製)中で120分間乾燥した。
上記塩水漬けに際し、食塩水のみを使用した試験区(無添加区)、食塩水に対して市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)0.3重量%および市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)0.9重量%(PAとして0.135重量%)を添加した試験区(VC−PA区)、食塩水に対して実施例3で得た組成物6重量%を添加した試験区(本発明区)を設け、各試験区につきアジを5匹ずつ処理した。この時、VC−PA区と本発明区では、アスコルビン酸ナトリウムとPAの食塩水に対する添加量はほぼ等しい。
このようにして製造したアジの開き干しを、5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存した。
【0046】
乾燥終了直後および保存終了後に、各試験区の色調を判定した。判定は、10名のパネラーに「最も赤みがあり、明るく鮮やかである」と思われる試験区を一つ選択させた。このようにして得た判定の結果を下記〔表7〕に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
上記〔表7〕に示したように、乾燥終了時点で90%のパネラーが本発明区を選択した。また、保存終了後においても、80%のパネラーが本発明区を選択した。
【0049】
【発明の効果】
本発明の魚肉の退色防止用組成物は、魚肉またはその非加熱加工品に含有させることにより、該魚肉またはその非加熱加工品の早期退色による品質の低下を防止できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚肉および該魚肉を生のまま加工した非加熱加工品の退色防止用組成物、および該退色防止用組成物を用いた退色防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に赤身魚肉は新鮮時には鮮やかな赤色であるが、冷蔵でこれらを保管すると早急に退色し、例えば褐色または灰色の色調に変化することが知られている。特にわが国では、魚肉を生のまま調理する習慣があり、その色調等に敏感であるため、赤身魚肉の非加熱加工品の評価においてもその色調が重要視される。
上記非加熱加工品としては、マグロ肉をミンチとした後、精製魚油、植物油脂や調味料を練り込み加工した「ネギトロ」、カットしたマグロ肉と精製魚油、調味料を混合した「中落ち」風の加工食品、マグロ肉を醤油や他の調味料を添加した調味液に浸漬した「漬け」と呼ばれる加工品などが挙げられる。
【0003】
これらの非加熱加工品は、製造後、消費されるまでの期間を冷蔵で数日程度と定め、厳密な低温管理のもとで冷凍ないしは冷蔵流通されるが、食用に供し得るに十分な鮮度のものであっても、その食品に含有される赤身魚肉が速やかに退色してしまうために、その食品への嗜好が大幅に低下し品質が低く評価されてしまうことが多く、特にミンチなどの機械的な加工により細かな肉片となったものほどその傾向が強い。これはブルーミング現象により鮮紅色となった赤身魚肉に含まれるオキシミオグロビンが暗赤色のミオグロビンよりも酸化を受けやすく、早期にメト化し褐色のメトミオグロビンに変化するためであると言われている。
【0004】
また、アジ、サバなどを開いたものを塩漬した後乾燥させた干物類は、消費者のグルメ志向や低塩食品志向、冷凍冷蔵技術の普及、発達などにより、より鮮魚に近い「生干し」が主流となっており、その色調に対する嗜好は地域によって異なるが、赤みの強い色調が好まれる場合も多く、店頭において消費者の選択の目安となっている。
このため、従来より魚肉の非加熱加工品の色調を添加剤によって保持しようとする試みがなされている。
【0005】
上記添加剤としては、その還元効果や酸化防止効果を目的として、アスコルビン酸類、シスチン、抽出トコフェロール、カテキン、フェルラ酸などが使用されているが、これらの添加剤はその効果が必ずしも満足できるものではない。
【0006】
また、プロアントシアニジンを、必要であればアスコルビン酸類と併用して食肉に含有せしめる技術(特開平10−4923号)も報告されている。しかしながら、本発明者らがこの技術の赤身魚肉における応用を検討したところ、赤みの保持効果は顕著であったが、プロアントシアニジンを添加した赤身魚肉の色調は添加初期の時点においてやや暗く、鮮やかさが失われており、見た目が不自然であるという難点を見いだした。すなわち、色差計によって測定された数値で表現される赤み〔赤色度(a/b値)〕は数日保存しても高い残存率を示すが、同時に測定した明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕が、添加初期の時点において低下していることを認めたのである。この明度および彩度の低下は、プロアントシアニジン添加後速やかに生じるため、赤身魚肉は数時間で暗色化し鮮やかさを失ってしまう。したがって、この技術の赤身魚肉における実用化においてはなお問題点を残しており、その効果が必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、魚肉およびその非加熱加工品の早期退色による品質の低下を防止できる魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、魚肉の退色防止について鋭意研究を重ねたところ、特定の3成分を併用添加することにより、魚肉の退色を防止し、なおかつ魚肉の色調が添加後数時間で明るさと鮮やかさを失ってしまうことを防止できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記の魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法を提供するものである。
「(1)アスコルビン酸類、(2)プロアントシアニジン、および(3)炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上の塩からなる魚肉の退色防止用組成物。」
「上記の本発明の退色防止用組成物を含有せしめることを特徴とする魚肉の退色防止方法。」
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の魚肉の退色防止用組成物および退色防止方法について詳しく説明する。
【0010】
まず、本発明の魚肉の退色防止用組成物について説明する。
本発明による退色防止の対象物である魚肉としては、マグロ肉などの所謂赤身魚肉と呼ばれる魚肉が好ましく、この他、ヘモグロビンやミオグロビンといったタンパク色素を多く含み、魚肉全体あるいは血合いなどの魚肉の一部が赤色を呈する、鯨肉を含む魚肉を含み、斯かる魚肉の魚種としては、例えばマグロ、カツオ、カジキ、イワシ、アジ、シマアジ、サンマ、ブリ、ハマチ、カンパチ、サバ、サワラ、ホッケ、エボダイ、キンメダイ、鯨などが挙げられる。
また、上記魚肉としては、生鮮魚肉に限らず、凍結魚肉でもよく、またその形態も、落し身、切り身、ミンチなど、どのような形態のものでもよい。
【0011】
本発明で使用するアスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの中から選ばれた一つ以上が用いられる。
【0012】
本発明で使用するプロアントシアニジン(以下PAと略称する)としては、フラバン−3−オール類あるいはフラバン−3,4−ジオール類のオリゴマーまたはポリマーである縮合型タンニンなどのPAが挙げられる。
本発明で好適に用いられる縮合型タンニンであるPAは、各種植物体、例えばブドウ種子、松の樹皮、りんご果実、小豆などに存在する縮合型タンニンの一種、すなわちフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として縮合もしくは重合により結合した化合物群であって、これらは酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジンなどのアントシアニジンを生成するところから、この名称が与えられているものであり、上記構成単位の2量体、3量体、4量体さらに10量体以上の高分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジンなどのPAおよびそれらの立体異性体などを含むものである。また、PAを含有する市販のブドウ種子抽出物なども採用することができる。
【0013】
本発明で使用する塩としては、炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上が用いられ、これらの中でも、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0014】
本発明の退色防止用組成物における(1)アスコルビン酸類、(2)PA、および(3)塩の3成分の含有割合は、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.7重量部、(3)塩を好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜30重量部、である。
【0015】
斯かる3成分の含有割合は、上記の範囲内において、対象魚肉の形態や魚種に応じて適宜決定するのが好ましい。例えば、対象魚肉が「ネギトロ」などに用いられるミンチ肉である場合には、通常、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.3〜0.7重量部、(3)塩を好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部とするとよい。また、対象魚肉が「干物」の製造などに用いられる腹開きした形態の魚肉である場合には、通常、(1)アスコルビン酸類1重量部に対し、(2)PAを好ましくは0.01〜0.1重量部、より好ましくは0.02〜0.05重量部、(3)塩を好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜10重量部とするとよい。
【0016】
本発明の退色防止用組成物には、上記3成分の他に、例えば、抽出トコフェロール、糖類、デキストリン、硫酸ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸などの添加物を適宜含有させることもできる。これらの添加物の含有量は、本発明の退色防止用組成物中、50重量%以下とするのが好ましい。
【0017】
本発明の退色防止用組成物は、上記3成分および必要に応じて上記添加物を上記割合で混合することにより得られ、その形態は例えば粉末状でも液状でもよく、対象物の魚肉の形態などに応じて適宜な形態とすることができる。
本発明の退色防止用組成物は、上記魚肉、および該魚肉を生のまま加工した、「ネギトロ」、「中落ち」風の加工食品、「漬け」と呼ばれる加工品、「生干し」などの非加熱加工品に含有させることにより、これらの魚肉およびその非加熱加工品の退色を防止することができる。
また、本発明の退色防止用組成物は、各成分の安定性が増大され、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる際の各成分の分散性が良好である。
【0018】
次に、上述した本発明の退色防止用組成物を用いた本発明の退色防止方法について説明する。
本発明の退色防止用組成物を、魚肉またはその非加熱加工品に含有させる方法としては、練り込みなどの方法により本発明の退色防止用組成物を魚肉またはその非加熱加工品に直接添加する方法や、本発明の退色防止用組成物を含有する溶液に魚肉またはその非加熱加工品を浸漬する方法など、魚肉またはその非加熱加工品の形態に応じて適宜な方法を採用することができる。
本発明の退色防止用組成物を非加熱加工品に含有させる場合、その時期は、非加熱加工品の原料の魚肉の調製段階で含有させてもよく、あるいは魚肉の塩漬工程または練り込み工程などの非加熱加工品の各製造工程における適宜の段階で含有させてもよい。例えば、「ネギトロ」などでは、ミンチしたマグロ肉に植物油脂や調味料などを練り込む際に、本発明の退色防止用組成物を同時に添加すればよく、また「生干し」などでは、魚肉を塩水漬けする際に、該塩水に本発明の退色防止用組成物を添加すればよい。
【0019】
本発明の退色防止用組成物を魚肉またはその非加熱加工品に直接添加する場合、本発明の退色防止用組成物の添加量は、アスコルビン酸類の添加量が、魚肉またはその非加熱加工品中の魚肉に対して好ましくは0.01〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.1重量%となる量であり、また本発明の退色防止用組成物の3成分の合計添加量が、魚肉またはその非加熱加工品中の魚肉に対して好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%となる量である。
【0020】
また、本発明の退色防止用組成物を含有する溶液に魚肉またはその非加熱加工品を浸漬する場合、この本発明の退色防止用組成物を含有する溶液としては、アスコルビン酸類の濃度が好ましくは0.03〜0.5重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%となるように、本発明の退色防止用組成物を浸漬用水に添加した溶液を用いるのが好ましい。また、上記溶液としては、本発明の退色防止用組成物の濃度(3成分の合計濃度)が好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%であるものが好ましい。
上記浸漬用水としては、水の他、非加熱加工品の製造に用いられる食塩水や調味液などを用いることができる。
【0021】
上記溶液への魚肉またはその非加熱加工品の浸漬時間は任意であり、浸漬時間の長いほど、本発明の退色防止用組成物の、魚肉内部への移行は進行する。ただし、一般に、浸漬時間の超過は菌数の増加や鮮度の低下を伴うものであるから、浸漬時間は生菌数の有意に増加しない程度に留めるべきである。したがって、浸漬時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは30分〜5時間である。また、浸漬中は水温を0〜10℃に保つべきである。
【0022】
本発明の退色防止用組成物の魚肉またはその非加熱加工品への含有は、各成分を適宜な順序で個別に含有させてもよく、また各成分を同時に含有させてもよいが、あらかじめ各成分を混合し組成物としたものを含有させる方が、良好な結果が得られる。
本発明の退色防止方法により処理された魚肉またはその非加熱加工品は、通常の方法により製造されたもの(未処理品)と比較して、外観の色が均一で良好であり、かつ保存中の退色の少ないものである。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。
【0024】
参考例1
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して0、250、500、1000、2000、5000ppm、および市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して0、1667、3333、5000、6667ppm(PAとして約0、250、500、750、1000ppm)となるように添加混合した。このようにして調製した30種類のミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)およびb(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0025】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、アスコルビン酸ナトリウムおよびPAを添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。
下記〔表1〕に各試験区の赤色度残存率を、下記〔表2〕に各試験区の相対明度を、下記〔表3〕に各試験区の相対彩度を、それぞれ示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
上記〔表1〕から明らかなように、赤色度保持効果において、アスコルビン酸ナトリウムとPAの併用添加は、その相乗効果が認められる。この相乗効果は、アスコルビン酸ナトリウム1重量部に対し、PA 0.05〜4重量部の範囲で確認されたが、より好ましくはアスコルビン酸ナトリウム1重量部に対し、PA約0.13〜3重量部であることが上記〔表1〕から推定される。
また、アスコルビン酸ナトリウムとPAを併用して添加する場合の最適な添加量は、アスコルビン酸ナトリウム1000ppm、PA 500ppmであり、これ以上の濃度で添加しても、赤色度保持効果は却って低下することが上記〔表1〕から推定される。
【0030】
上記〔表2〕および上記〔表3〕から明らかなように、アスコルビン酸ナトリウム単体で添加した場合には明度および彩度の低下は起こらないが、PA添加量の増加に伴い、明度および彩度は共に低下する。
このように赤色保持の指標としてよく採用されるa/b値は、a値とb値の単なる比率であることから、この値のみで魚肉の色調を論じても自ずと限界を生じるのである。明度および彩度を併せて測定することにより、色調をより正確に評価することが可能となる。
【0031】
実施例1
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して1000ppm、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して3333ppm(PAとして約500ppm)、および下記〔表4〕に示す各種の食品添加物(第3成分)を魚肉に対して5000ppmとなるように添加混合した。このようにして調製したミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0032】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、添加物を全く添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表4〕に示す。
下記〔表4〕中の試験区5、14、25、29、30および32が、本発明の実施例である。
【0033】
【表4】
【0034】
上記〔表4〕から明らかなように、第3成分として、クエン酸三ナトリウム(試験区5)、酢酸ナトリウム(試験区14)、DL−リンゴ酸ナトリウム(試験区25)、炭酸ナトリウム(試験区29)、炭酸カリウム(試験区30)、炭酸水素ナトリウム(試験区32)を添加した場合(本発明の実施例)において、明度と彩度の改善効果が認められた。特に、クエン酸三ナトリウムを添加した場合(試験区5)および炭酸水素ナトリウムを添加した場合(試験区32)は、赤色度残存率を維持したままで、明度および彩度の大幅な改善を得ることができる。
【0035】
実施例2
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕し、これに市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)を魚肉に対して1000ppm、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)を魚肉に対して3333ppm(PAとして約500ppm)、および炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウム(第3成分)を魚肉に対して下記〔表5〕に示す量となるように添加混合した。このようにして調製したミンチ肉を、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのミンチ肉を5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のミンチ肉のL、aおよびbの各値を測定した。
【0036】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、添加物を全く添加しなかった試験区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表5〕に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
上記〔表5〕から明らかなように、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムの添加量の増加にしたがって、相対明度、相対彩度が改善される。炭酸水素ナトリウムとクエン酸三ナトリウムを併用(試験区11〜14)しても、単体で添加した場合と有意差が無く、特に相対明度および相対彩度に関して相乗作用は認められない。アスコルビン酸ナトリウム1重量部に対して、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウム0.5〜50重量部の範囲で、明度と彩度の改善効果が確認された。
【0039】
実施例3
市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)3kg、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)9kg、および市販の炭酸水素ナトリウム(食品添加物規格適合品)48kgをロッキングミキサー(愛知電機株式会社製)により約30分間混合し、魚肉の退色防止用組成物60kgを製造した。
【0040】
実施例4
市販のエリソルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)3kg、市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)9kg、および市販の炭酸水素ナトリウム(食品添加物規格適合品)48kgをロッキングミキサー(愛知電機株式会社製)により約30分間混合し、魚肉の退色防止用組成物60kgを製造した。
【0041】
実施例5
市販のバチマグロをフードカッターにて粉砕したミンチ肉1000g、植物油脂40g、サラダ油40g、塩5gに、何も加えなかったもの(無添加区)、または市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)1gおよび市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)3gを添加混合したもの(VC−PA区)、または実施例3で得た組成物20gを添加混合したもの(本発明区)をそれぞれ調製した。この時、VC−PA区と本発明区では、アスコルビン酸ナトリウムとPAの魚肉に対する含有量はほぼ等しい。
このようにして調製したネギトロを、調製後2時間経過した時点(保存前)において色差計(日本電色工業株式会社製)で、L(明度)、a(赤味と緑味)、b(黄色味と青味)の各値を測定した。また、これらのネギトロを5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存後、同様の方法で保存後のネギトロのL、aおよびbの各値を測定した。
【0042】
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。残存率として約5%の差があれば肉眼観察で明らかに赤色が強い。
また、保存前における明度〔Lにより表現される〕および彩度〔(a2 +b2 )の平方根により表現される〕を、無添加区の値を100(%)としたときの相対値(それぞれ相対明度、相対彩度)として求めた。このようにして得た各試験区の赤色度残存率、相対明度および相対彩度を、下記〔表6〕に示す。
【0043】
【表6】
【0044】
上記〔表6〕から明らかなように、VC−PA区は、無添加区より赤色度残存率が大きく、退色が少ないが、相対明度および相対彩度は低下している。これに対し、本発明区は、赤色度残存率が大きく、退色が少なく、かつ相対明度および相対彩度も低下していない。
また、肉眼観察において、保存前のVC−PA区の色調は無添加区に比べ暗く鮮やかさに欠けていたのに対し、本発明区の色調はVC−PA区に比べ明るく鮮やかであった。
【0045】
実施例6
市販のアジを鰓・内臓除去後腹開き・水洗を行った後、15%食塩水に20分間浸漬(塩水漬け)し、その後庫内を40℃に設定した農業用オーブン(株式会社清水理化学機器製作所製)中で120分間乾燥した。
上記塩水漬けに際し、食塩水のみを使用した試験区(無添加区)、食塩水に対して市販のアスコルビン酸ナトリウム(食品添加物規格適合品)0.3重量%および市販のブドウ種子抽出物(キッコーマン株式会社製、PA含有量約15重量%)0.9重量%(PAとして0.135重量%)を添加した試験区(VC−PA区)、食塩水に対して実施例3で得た組成物6重量%を添加した試験区(本発明区)を設け、各試験区につきアジを5匹ずつ処理した。この時、VC−PA区と本発明区では、アスコルビン酸ナトリウムとPAの食塩水に対する添加量はほぼ等しい。
このようにして製造したアジの開き干しを、5℃、500ルクスの冷蔵庫中で3日間保存した。
【0046】
乾燥終了直後および保存終了後に、各試験区の色調を判定した。判定は、10名のパネラーに「最も赤みがあり、明るく鮮やかである」と思われる試験区を一つ選択させた。このようにして得た判定の結果を下記〔表7〕に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
上記〔表7〕に示したように、乾燥終了時点で90%のパネラーが本発明区を選択した。また、保存終了後においても、80%のパネラーが本発明区を選択した。
【0049】
【発明の効果】
本発明の魚肉の退色防止用組成物は、魚肉またはその非加熱加工品に含有させることにより、該魚肉またはその非加熱加工品の早期退色による品質の低下を防止できる。
Claims (7)
- (1)アスコルビン酸類、(2)プロアントシアニジン、および(3)炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される一つ以上の塩からなる魚肉の退色防止用組成物。
- 塩が、炭酸水素ナトリウムおよび/またはクエン酸三ナトリウムである請求項1記載の組成物。
- アスコルビン酸類が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸およびエリソルビン酸ナトリウムからなる群から選択される一つ以上からなる請求項1または2記載の組成物。
- アスコルビン酸類1重量部に対し、プロアントシアニジンを0.01〜1重量部、塩を1〜50重量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 魚肉が、ミンチ肉である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- アスコルビン酸類1重量部に対し、プロアントシアニジンを0.1〜1重量部、塩を5〜50重量部含有する請求項5記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を含有せしめることを特徴とする魚肉の退色防止方法。
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