JP2004014037A - 半導体メモリ及び半導体装置並びに半導体メモリの試験方法 - Google Patents

半導体メモリ及び半導体装置並びに半導体メモリの試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メモリブロック間の相互干渉試験を容易にする。
【解決手段】遅延動作モードの場合、MRSレジスタ130のレジスタ値に応じた選択信号が出力され、セレクタ121、123は、外部制御信号を選択し、試験対象のバンク0(111)に出力する。一方、セレクタ122、124は、遅延回路140の出力である遅延制御信号を選択し、非試験対象のバンク1(112)に出力する。自動試験モードの場合、MRSレジスタ130に応じた選択信号が出力され、セレクタ121、123は、外部制御信号を選択し、試験対象のバンク0(111)に出力する。内蔵テスト回路150では、予め設定された動作パターンに応じた内部制御信号を生成されており、セレクタ124は、内蔵テスト回路150の出力する内部制御信号を選択し、バンク1(112)に出力する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体メモリ及び半導体装置並びに半導体メモリの試験方法に関し、特にそれぞれ独立に動作可能な複数のメモリブロックから構成される半導体メモリ及び半導体装置並びに半導体メモリの試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ランダムアクセスが比較的遅い、例えば、同期型DRAM(SDRAM;Synchronous−Dynamic Random Access Memory)のような半導体メモリ素子では、アクセス処理の高速化のため、メモリ領域を複数に分割し、分割した各ブロックが独立して動作できるように構成されている。このブロックは、バンクと呼ばれている。例えば、任意のバンクからのデータの読み出し処理実行時に、並行して他のバンクにデータ準備のための処理を実行させるような制御を行なう。このように、複数のバンクが並行して動作するため、他のバンクの挙動による影響を受けて、任意のバンクへのデータの読み書きが正しく動作しないという、バンク間の相互干渉が発生する可能性がある。そこで、半導体メモリ開発時の検証試験、あるいは製造工程における製品試験時等にバンク相互干渉試験を行なうことが必須となっていた。
【0003】
半導体メモリの試験を行なう半導体メモリ試験装置を用いて行なわれる従来のバンク相互干渉試験では、評価対象となるバンクのための試験用測定パターンを作成するとともに、非対象のバンクのための動作を制御するための試験用測定パターンを用意し、それぞれのバンクが並行して動作するように制御を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の複数バンクを持つ半導体メモリ及び半導体メモリを搭載した半導体装置の試験では、バンク相互干渉試験を行なうためのプログラムが非常に複雑、難解になってしまうという問題がある。
【0005】
上記の説明のように、従来のバンク相互干渉試験においては、評価対象となるバンクのための試験用測定パターンとともに、非対象のバンクのための試験用作成パターンを作成しなければならなかった。この結果、従来の手法でバンク相互干渉試験を行なう場合、複数バンクの制御を半導体メモリ試験装置の測定パターンプログラムに組み込む必要が生じ、このためのプログラミングが非常に複雑・難解となってきていた。
【0006】
また、バンク相互干渉では、対象バンク及び非対象のバンク間における動作パターン、あるいはデータの組み合わせに応じて干渉の度合いが異なり、不具合が発生したりしなかったりという事態が発生する。このため、非対象のバンクの動作を細かく制御しなければならず、そのためのパターンは膨大な数が必要であり、かつ、1つのパターンに関しても非常に長いパターンを作成しなければならなかった。
【0007】
さらに、複数台の半導体メモリ試験装置を用いてバンク相互干渉試験を行なわなければならないため、それぞれのバンクの動作タイミングを合わせることが非常に難しいという問題もある。
【0008】
このように、バンク相互干渉試験のためのプログラムは複雑、難解なものとなってしまっており、これらが開発(設計検証)期間の増大、あるいは検証漏れ等が発生してしまう要因となっていた。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、半導体メモリ及び半導体メモリを搭載した半導体装置におけるメモリブロック間の相互干渉試験を容易にする半導体メモリ及び半導体装置並びに半導体メモリの試験方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、それぞれ独立に動作可能な複数のメモリブロックから構成される半導体メモリにおいて、試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成する内部制御信号生成回路と、試験時に前記内部制御信号及び外部からの外部制御信号を入力し、試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックに前記外部制御信号を供給するとともに、試験開始前に設定される所定の動作モードに応じて前記非試験対象のメモリブロックに前記外部制御信号あるいは前記内部制御信号を選択して供給する選択回路と、を具備したことを特徴とする半導体メモリ、が提供される。
【0011】
このような半導体メモリでは、内部制御信号生成回路は、非試験対象のメモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成し、選択回路へ出力している。試験実行時、選択回路は、試験対象のメモリブロックに対しては、試験開始前に設定される動作モードに関わらず外部からの外部制御信号を選択して供給する。一方、非試験対象のメモリブロックに対しては、試験開始前に設定される動作モードに応じて外部制御信号あるいは内部制御信号を選択して供給する。例えば、相互干渉試験等により試験対象のメモリブロックと並行して非試験対象のメモリブロックを動作させる必要がある場合には、非試験対象のメモリブロックを動かす動作モードが設定され、この動作モードに応じて選択回路は、非試験対象のメモリブロックへ内部制御信号を供給する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、それぞれに独立可能な複数のメモリブロックから構成される記憶部を有する半導体装置において、試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成する内部制御信号生成回路と、試験時に前記内部制御信号及び外部からの外部制御信号を入力して試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックに前記外部制御信号を供給するとともに、試験開始前に設定される所定の動作モードに応じて前記非試験対象のメモリブロックに前記外部制御信号あるいは前記内部制御信号を選択して供給する選択回路と、を具備したことを特徴とする半導体装置、が提供される。
【0013】
このような半導体装置では、内部制御信号生成回路は、半導体装置に内蔵された記憶部の試験を行なう際、記憶部における非試験対象のメモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成し、選択回路へ出力している。選択回路では、試験対象のメモリブロックに対しては、常に外部からの外部制御信号を選択して供給する。また、非試験対象のメモリブロックに対しては、試験開始前に設定される動作モードに応じて外部制御信号あるいは内部制御信号を選択して供給する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、それぞれ独立に動作可能な複数のメモリブロックから構成される半導体メモリの試験方法において、試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックの各アドレスに対して順次テストパターンの書き込みと読み出しを行なうとともに、読み出されたデータと期待値とに基づいて前記半導体メモリの良否を判定する外部の半導体試験装置の生成する試験用の外部制御信号を入力するステップと、試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成するステップと、前記外部制御信号を前記試験対象のメモリブロックに供給して試験処理するとともに、前記非試験対象のメモリブロックに対して前記内部制御信号を供給して前記非試験対象のメモリブロックを動作させるステップと、を有することを特徴とする半導体メモリの試験方法、が提供される。
【0015】
このような手順の半導体メモリの試験方法では、試験時に半導体メモリと半導体メモリの試験を行なう半導体試験装置とを接続し、半導体試験装置からの外部制御信号を入力する。このとき、試験対象とならない非試験対象のメモリブロックを動作させるため、非試験対象のメモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成する。半導体試験装置は、外部制御信号としてアドレス、データ、コマンド等を入力し、試験対象となるメモリブロックの各アドレスに対して順次テストパターンの書き込みと読み出しを行なうとともに、読み出されたデータと期待値とに基づいて半導体メモリの良否を判定する。この試験対象のメモリブロックの試験中、非試験対象のメモリブロックには内部制御信号を供給し、所定の動作パターンで動かしておく。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。ここでは、メモリ領域が複数のブロックから構成されるSDRAMの場合で説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態である半導体メモリの構成図である。本発明に係る半導体メモリ(以下、SDRAMとする)100は、複数ブロックに分割された個々のメモリブロックであるバンク0(111)とバンク1(112)、バンクに供給する制御信号を選択するセレクタ121、122、123、124、動作モードに関する設定が行なわれるMRSレジスタ130、外部制御信号を遅延させて内部制御信号を生成する遅延回路140及び内部制御信号を自動で生成する内蔵テスト回路150から構成される。SDRAM100には、外部からX/Yアドレス信号、データ、コマンド信号等の制御信号が入力し、これらの制御信号に従って動作する。図1では、代表としてXアドレス信号の場合で示したが、Yアドレス、データ、コマンド信号の構成も同様の構成をとる。
【0018】
バンク0(111)及びバンク1(112)は、SDRAM100のメモリ領域を複数ブロックに分割した個々のメモリブロックであり、それぞれ独立に動作することができる。簡単のため、ここでは2つのバンクの場合を示したが、バンクの数は任意である。バンク0(111)及びバンク1(112)は、それぞれの入出力端子であるX/Yのアドレス信号入力端子、データ端子(Data)、及びコマンド入力端子(Command)を介して入力する制御信号に従って動作する。バンク0(111)のX入力端子は、セレクタ123と接続しており、セレクタ121及びセレクタ123を介して、外部から入力する外部制御信号であるXアドレス信号、あるいは内蔵テスト回路150または遅延回路140が生成する内部制御信号であるXアドレス信号のいずれかが入力する。同様に、バンク1(112)のX入力端子は、セレクタ124と接続しており、セレクタ122及びセレクタ124を介して、外部から入力するXアドレス信号、あるいは内蔵テスト回路150または遅延回路140が生成するXアドレス信号のいずれかが入力する。
【0019】
セレクタ121、122、123、124は選択回路を構成しており、MRSレジスタ130の選択信号に従って2つの入力信号のいずれかを選択して出力する。
【0020】
セレクタ121は、入力側は外部入力端子と遅延回路140の出力端子及びMRSレジスタ130の出力端子に接続し、出力側はセレクタ123の入力端子に接続している。外部から入力する外部制御信号(Xアドレス)と遅延回路140の出力信号とを入力し、MRSレジスタ130から出力される選択信号に従っていずれかをセレクタ123に出力する。
【0021】
セレクタ122は、入力側は外部入力端子と遅延回路140の出力端子及びMRSレジスタ130の出力端子に接続し、出力側はセレクタ124の入力端子に接続している。外部から入力する外部制御信号(Xアドレス)と遅延回路140の出力信号とを入力し、MRSレジスタ130から出力される選択信号に従っていずれかをセレクタ124に出力する。
【0022】
セレクタ123は、入力側はセレクタ121の出力端子と内蔵テスト回路150の出力端子及びMRSレジスタ130の出力端子に接続し、出力側はバンク0(111)のX入力端子に接続している。セレクタ121の出力信号と内蔵テスト回路150の出力信号とを入力し、MRSレジスタ130から出力される選択信号に従っていずれかをバンク0(111)に出力する。
【0023】
セレクタ124は、入力側はセレクタ122の出力端子と内蔵テスト回路150の出力端子及びMRSレジスタ130の出力端子に接続し、出力側はバンク1(112)のX入力端子に接続している。セレクタ122の出力信号と内蔵テスト回路150の出力信号とを入力し、MRSレジスタ130から出力される選択信号に従っていずれかをバンク1(112)に出力する。
【0024】
MRSレジスタ130は、出力がセレクタ121、122、123、124の入力端子に接続している。例えば、テストピンの設定等により設定された所定の動作モードを表すレジスタ値が取り込まれて保存されており、レジスタ値によって決定される選択信号をセレクタ121、122、123、124に出力する。ここでは、非試験対象となるバンク0(111)、あるいはバンク1(112)に外部から入力した制御信号を出力するノーマルモード、遅延回路140が遅延させた内部制御信号を出力するクロックディレイモード及び内蔵テスト回路150が発生させた内部制御信号を出力するフルオートモードの3つの動作モードのうち、いずれかが選択されるとする。MRSレジスタ130の詳細については、後述する。
【0025】
遅延回路140は、入力側は外部入力端子に接続しており、出力側は、セレクタ121、122の入力端子に接続している。遅延回路140では、入力する外部制御信号を所定のクロック遅延させて、セレクタ121、122に出力する。遅延するクロック数は、動作モードとともに予め設定される。
【0026】
内蔵テスト回路150は、出力側がセレクタ123、124に接続している。内蔵テスト回路150では、予め組み込まれた動作パターンに従って内部制御信号を発生させ、セレクタ123、124に出力する。
【0027】
このような構成の半導体メモリの動作及び試験方法について説明する。
通常動作モードであるノーマルモードの場合、MRSレジスタ130にノーマルモードを指示するレジスタ値が設定される。ノーマルモードとは、全バンクに外部から入力する制御信号を供給するとともに、全バンクを同期させて動作させるモードである。MRSレジスタ130のレジスタ値に応じた選択信号がセレクタ121、122、123、124に入力し、セレクタ121及びセレクタ122は、外部から入力する外部制御信号を選択し、それぞれセレクタ123、124へ出力する。セレクタ123及びセレクタ124は、それぞれセレクタ121、122から入力した外部制御信号を選択してそれぞれバンク0(111)、バンク1(112)に出力する。
【0028】
遅延動作モードであるクロックディレイモードの場合、MRSレジスタ130にクロックディレイモードを指示するレジスタ値が設定される。クロックディレイモードとは、試験対象となるバンクに対して外部から入力する制御信号を供給し、非試験対象となるバンクに対して遅延回路140によって遅延された制御信号を供給するモードである。MRSレジスタ130には、クロックディレイモードとともに、試験対象として選択されたバンクが設定される。ここでは、バンク0(111)が試験対象として選択されたとする。MRSレジスタ130のレジスタ値に応じた選択信号がセレクタ121、122、123、124に入力する。セレクタ121は、外部制御信号を選択し、セレクタ123に出力する。セレクタ123は、セレクタ121から入力した外部制御信号をバンク0(111)に出力する。一方、セレクタ122は、遅延回路140の出力である所定のクロック数遅延された外部制御信号を選択し、セレクタ124に出力する。セレクタ124は、セレクタ122から入力した遅延された外部制御信号をバンク1(112)に出力する。
【0029】
自動試験モードであるフルオートモードの場合、MRSレジスタ130にフルオートモードを指示するとともに、試験対象として選択されたバンクが設定される。フルオートモードとは、試験対象となるバンクに対しては外部から入力する制御信号を供給し、非試験対象となるバンクに対しては、内蔵テスト回路150によって生成された内部制御信号を供給するモードである。ここでは、バンク0(111)が試験対象として選択されたとする。内蔵テスト回路150では、予め設定された動作パターンに応じた内部制御信号を生成し、セレクタ123、124に出力する。セレクタ121は、外部制御信号を選択し、セレクタ123に出力する。セレクタ123は、セレクタ121から入力した外部制御信号をバンク0(111)に出力する。一方、セレクタ124は、内蔵テスト回路150の出力する内部制御信号を選択し、バンク1(112)に出力する。
【0030】
このように、MRSレジスタ130に設定された動作モード及び試験対象として選択されたバンク等を指示するレジスタ値に応じて、セレクタ121、122、123、124がそれぞれのバンクに外部制御信号、あるいは内部の遅延回路140または内蔵テスト回路150によって生成される内部制御信号のいずれかを選択して出力する。これにより、複数バンクで構成されるSDRAM100において、試験対象として選択したバンクとその他のバンクとで、並行して異なる動作を行なわせることが可能となり、バンク相互干渉試験を容易に行なうことが可能となる。ここでは、非試験対象のバンクに関しては、外部制御信号で動作するノーマルモード、試験対象のバンクと動作シーケンスは同じだが遅延回路140により遅延された動作するクロックディレイモード、内蔵テスト回路150で自動発生された所定の動作パターンで動作するフルオートモードの3つの動作を選択することが可能である。この結果、本発明に係るSDRAM100のテストパターンを作成するプログラマは、試験対象のバンクのテストパターンを作成するだけで、バンク相互干渉試験をフレキシブルに行なうことが可能となる。
【0031】
上記の説明では2バンクとしたが、さらに多くのバンクを有する半導体メモリにも適用することができる。この場合、MRSレジスタ130を共通とすれば、非試験対象のバンクは共通の動作シーケンスで動作することなる。また、複数のMRSレジスタ130を設けて、それぞれの動作シーケンスを設定すれば、さらに複雑な動作シーケンスを容易に実行させることができる。
【0032】
次に、MRSレジスタ130について説明する。図2は、本発明に係る半導体メモリのMRSレジスタのブロック図である。MRSレジスタは、セレクタ131、D−F/F(フリップフロップ回路)132及びデコーダ133から構成される。ここで、試験時の動作モードと動作の設定、及び選択される試験対象のバンク等の設定情報は、予め、テスト用のX/Yアドレスピンで設定しておくとする。
【0033】
セレクタ131は、入力側は、X/Yアドレスピンの読み込み信号(X/Yアドレス)とD−F/F(132)の出力信号、及びMRSコマンドに接続し、出力側はD−F/F(132)の入力端子に接続している。MRSコマンドは、初期リセット動作時に投入される信号であり、セレクタ131はMRSコマンドが投入されるとX/Yアドレスを読み込み、D−F/F(132)へ出力する。以降、MRSコマンドが投入されるまで、読み込んだX/Yアドレスを保持する。
【0034】
D−F/F(132)は、入力側はセレクタ131の出力端子に、出力側はデコーダ133の入力端子に接続しており、セレクタ131の出力を保持してデコーダ133へ出力する。
【0035】
デコーダ133は、入力側は、D―F/F(132)の出力端子に接続しており、X/Yアドレスの値をデコードし、選択信号をセレクタ121、122、123、124に出力する。
【0036】
X/Yアドレスにより決定される試験の設定情報について説明する。図3は、MRSレジスタにおける設定情報の一例である。ここでは、X0からX5までに対応するXアドレスピンを設定することにより試験の設定情報が定義されるとする。また、バンクは2バンクであるとする。
【0037】
X5は、試験動作モードの可否の情報ビットであり、0であれば外部制御信号をバンクに入力するノーマルモードが選択される。1であれば、遅延回路140または内蔵テスト回路150の生成する内部制御信号がバンクに入力するクロックディレイモードあるいはフルオートモードが選択される。
【0038】
X4は、モード選択の情報ビットであり、X5=1かつX4=0の場合、クロックディレイモードが選択される。また、X5=1かつX4=1の場合、フルオートモードが選択される。
【0039】
X3は、バンク選択の情報ビットであり、0の場合バンク0が選択された試験対象のバンクとなる。1であれば、バンク1が選択された試験対象のバンクとなる。
【0040】
X0からX2は、試験時の遅延量の設定であり、000であれば遅延無し、001であれば1クロックのディレイ、010であれば2クロックのディレイというように解釈される。フルオートモードの場合は、MRSコマンドから自動動作を開始するまでの遅延量になる。
【0041】
例えば、X5=1、X4=0、X3=0、X2=0、X1=0、X0=1の場合、1クロックのクロックディレイモードで、試験対象バンクはバンク0が設定されている。
【0042】
このようなMRSレジスタ130の動作について説明する。図4は、MRSレジスタの動作を示すタイミングチャートである。
初期リセット動作にて、MRSコマンドが発行され、X/Yアドレスのデータ‘A’が取り込まれ、モードレジスタに保持されるとともに、予め決定してある動作モードに切り替わる。X5=1、X4=0のクロックディレイモードであれば、外部制御信号をX0、X1、X2で設定される遅延量ディレイさせて、X3で決定される非試験対象のバンクに入力する。また、X5=1、X4=1のフルオートモードであれば、X0、X1、X2で設定される遅延量ディレイした後に内蔵テスト回路150をスタートさせ、生成された内部制御信号をX3で決定される非試験対象のバンクに入力する。図に示したように、ディレイ=0の場合、すぐに処理が開始され、ディレイ1の場合にはこれより1クロック後に処理が開始される。
【0043】
次に、遅延回路140について説明する。遅延回路140は、クロックディレイモードの場合に、非試験対象のバンクに入力するための内部制御信号、すなわち遅延された外部制御信号を生成する回路である。図5は、本発明に係る半導体メモリの遅延回路のブロック図である。
【0044】
遅延回路140は、アドレス、データ及びコマンド等の外部制御信号を入力して1クロック遅延させて出力するD−F/F(141)、D−F/F(141)の出力を1クロック遅延させて出力するD−F/F(142)、D−F/F(142)の出力を1クロック遅延させて出力するD−F/F(143)、及びD−F/F(143)の出力をさらに1クロック遅延させて出力するD−F/F(144)と、D−F/Fが順次接続する構成である。それぞれのD−F/Fにより所望の遅延量ディレイされた外部制御信号が取り出されて使用される。
【0045】
次に、内蔵テスト回路150について説明する。内蔵テスト回路150は、フルオートモードの場合に、非試験対象のバンクに入力するための内部制御信号、すなわち予め作りこまれているテストパターンを動作させる内部制御信号を生成する回路である。予め作りこまれているテストパターンを発生させる回路については、様々な回路構成が知られており、特に言及しない。ここでは、このような内蔵テスト回路150の動作について説明する。図6は、内蔵テスト回路の動作を示すタイミングチャートの一例である。
【0046】
フルオートモード時、リフレッシュ動作等のために設けられた内蔵カウンタ値に沿って、予め作りこまれている動作パターンの内部制御信号が生成され、非試験対象のバンクに印加される。ここでは、非試験対象のバンクに対して、アクティブコマンド(ACT)とともにXアドレスのデータが出力され、3クロック後にリードコマンド(Read)とYアドレスが出力され、続いてライトコマンド(Write)が出力される動作パターンが実行される。一般に、アクティブコマンド実行時には消費電力が大きくなり、他のバンクでの動作に影響を与える可能性が高いと考えられている。本発明によれば、アクティブコマンドを任意のタイミングで発生させることが可能であり、所望の相互干渉パターンを容易に作成することができる。
【0047】
上記の説明のように、MRSレジスタの設定に応じて、予め作りこまれた動作パターンを実行する処理の開始は制御することができる。
このような半導体メモリは、他の機能を実現する半導体装置の記憶部として、半導体装置内に組み込むことができる。図7は、本発明の一実施の形態である半導体装置の構成図である。
【0048】
半導体装置1000は、画像処理を行なう半導体装置であり、画像信号を処理する画像処理回路1200と、画像データ等の情報を保持する記憶部1100から構成される。記憶部1100は、複数バンクから構成されるメモリであり、バンクの他に、上記の説明の半導体メモリ100と同様に、動作モードに応じて外部制御信号あるいは試験用に生成された内部制御信号を非試験対象のバンクに入力するための、セレクタ、MRSレジスタ、及び内部制御信号を生成する遅延回路140や内蔵テスト回路150を有する。セレクタ、MRSレジスタ、遅延回路140及び内蔵テスト回路150は、記憶部1100ばかりでなく、半導体装置1000内の任意の領域に設けることができる。記憶部1100が、画像処理回路1200が生成する制御信号に従って動作する場合、半導体試験装置から入力する外部制御信号は、画像処理回路1200を介して、あるいは直接記憶部1100に出力され、上記の説明の半導体メモリと同様に記憶部1100のバンク相互干渉試験を行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の半導体メモリでは、試験対象のメモリブロックに対する試験が、外部の半導体試験装置からの外部制御信号によって行なわれている間、内部制御信号を生成して非試験対象のメモリブロックに供給し、非試験対象のメモリブロックを動作させておく。このように、試験対象のメモリブロックの試験中に、非試験対象のメモリブロックを自動的に動作させることができるため、メモリブロック間の相互干渉試験を行なう際には、試験対象のメモリブロックに対するテストパターンを作成するのみで試験を行なうことが可能となる。この結果、複雑な相互干渉パターンを作成せずにすむので、開発期間の短縮、プログラムミスの軽減が可能となる。
【0050】
また、本発明の半導体装置では、外部の半導体試験装置による記憶部の試験対象のメモリブロックに対する試験実行中、記憶部を構成する他の非試験対象のメモリブロックを動作させる内部制御信号を生成し、内部制御信号に基づいて非試験対象のメモリブロックを動かしておく。このように、半導体試験装置による試験対象のメモリブロックの試験中、記憶部を構成する他のメモリブロックを自動動作させることができるため、メモリブロック間の相互干渉試験を容易に行なうことが可能となる。
【0051】
また、本発明の半導体メモリの試験方法では、半導体試験装置が試験対象のメモリブロックに順次アクセスしてその良否を判定する際に、非試験対象のメモリブロックには内部制御信号を供給し、所定の動作パターンで動かしておく。このように、半導体試験装置による試験対象のメモリブロックの試験中、非試験対象のメモリブロックを自動的に動作させることができるため、試験用のテストパターンを作成する際に、複数のメモリブロックであることを気にせずにテストパターンを作成することが可能となる。また、内部制御信号をさまざまな動作パターンで発生させれば、現状では作成困難であった高度なバンク相互干渉パターンの試験を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体メモリの構成図である。
【図2】本発明に係る半導体メモリのMRSレジスタのブロック図である。
【図3】MRSレジスタにおける設定情報の一例である。
【図4】MRSレジスタの動作を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明に係る半導体メモリの遅延回路のブロック図である。
【図6】内蔵テスト回路の動作を示すタイミングチャートの一例である。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体装置の構成図である。
【符号の説明】
100・・・半導体メモリ(SDRAM)、111・・・バンク0、112・・・バンク1、121、122、123、124・・・セレクタ、130・・・MRSレジスタ、140・・・遅延回路、150・・・内蔵テスト回路

Claims (5)

  1. それぞれ独立に動作可能な複数のメモリブロックから構成される半導体メモリにおいて、
    試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成する内部制御信号生成回路と、
    試験時に前記内部制御信号及び外部からの外部制御信号を入力し、試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックに前記外部制御信号を供給するとともに、試験開始前に設定される所定の動作モードに応じて前記非試験対象のメモリブロックに前記外部制御信号あるいは前記内部制御信号を選択して供給する選択回路と、
    を具備したことを特徴とする半導体メモリ。
  2. 前記内部制御信号生成回路は、前記外部制御信号を入力して所定のクロック遅延させた後に前記試験用の内部制御信号として出力する遅延回路を有しており、
    前記選択回路は、前記所定の動作モードが通常動作モードの場合に前記非試験対象のメモリブロックに対して前記外部制御信号を選択して供給し、前記所定の動作モードが遅延動作モードの場合に前記非試験対象のメモリブロックに対して前記遅延回路によって前記外部制御信号が所定のクロック遅延された内部制御信号を選択して供給することを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ。
  3. 前記内部制御信号生成回路は、前記非試験対象のメモリブロックを予め設定された所定の動作パターンで動作させる内部制御信号を発生する内部制御信号発生回路を有しており、
    前記選択回路は、通常動作モードの場合に前記非試験対象のメモリブロックに対して前記外部制御信号を選択して供給し、前記所定の動作モードが自動試験モードの場合に前記非試験対象のメモリブロックに対して前記内部制御信号発生回路が発生させた内部制御信号を選択して供給することを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ。
  4. それぞれに独立可能な複数のメモリブロックから構成される記憶部を有する半導体装置において、
    試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成する内部制御信号生成回路と、
    試験時に前記内部制御信号及び外部からの外部制御信号を入力して試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックに前記外部制御信号を供給するとともに、試験開始前に設定される所定の動作モードに応じて前記非試験対象のメモリブロックに前記外部制御信号あるいは前記内部制御信号を選択して供給する選択回路と、
    を具備したことを特徴とする半導体装置。
  5. それぞれ独立に動作可能な複数のメモリブロックから構成される半導体メモリの試験方法において、
    試験の対象となる試験対象の前記メモリブロックの各アドレスに対して順次テストパターンの書き込みと読み出しを行なうとともに、読み出されたデータと期待値とに基づいて前記半導体メモリの良否を判定する外部の半導体試験装置の生成する試験用の外部制御信号を入力するステップと、
    試験の対象とならない非試験対象の前記メモリブロックの動作を制御する試験用の内部制御信号を生成するステップと、
    前記外部制御信号を前記試験対象のメモリブロックに供給して試験処理するとともに、前記非試験対象のメモリブロックに対して前記内部制御信号を供給して前記非試験対象のメモリブロックを動作させるステップと、
    を有することを特徴とする半導体メモリの試験方法。
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