JP2004011823A - 電磁緩衝器 - Google Patents

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JP2004011823A JP2002168135A JP2002168135A JP2004011823A JP 2004011823 A JP2004011823 A JP 2004011823A JP 2002168135 A JP2002168135 A JP 2002168135A JP 2002168135 A JP2002168135 A JP 2002168135A JP 2004011823 A JP2004011823 A JP 2004011823A
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Yoshihiro Suda
須田 義大
Takahiro Kondo
近藤 卓宏
Taro Matsumae
松前 太朗
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Abstract

【課題】本発明の目的とするところは、モータの放熱を促し、モータの定格を超える温度上昇に伴う損傷を防止するとともに、電磁緩衝器の耐久性を向上し、さらに、電磁緩衝器の生産性を向上し、電磁緩衝器の生産コストを下げ、併せて、モータが損傷した場合でもその修理費用を安価にすることである。
【解決手段】本発明の電磁緩衝器は、ボール螺子ナット16とボール螺子ナット16内に回転自在に螺合した螺子軸18とを有する電磁緩衝器本体Dと、上記螺子軸18に結合したモータMとを有してなり、ボール螺子ナット16の直線運動を螺子軸18の回転運動に変換し、この回転運動をモータMのシャフト6に伝達して当該モータMに電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記シャフト6の回転に抗するトルクをボール螺子ナット16の直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記電磁緩衝器本体Dに着脱自在に装着されたカバー1を設け、当該カバー1にモータMの固定子及び回転子MAを覆うフレームを兼ねさせていることを特徴とすることにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールナットにボール螺子を回転自在に螺入することによりボール螺子ナットの直線運動をモータの回転運動に変換する機構を有し、上記モータの電磁力を減衰力として利用する電磁緩衝器に関し、特にモータのフレーム及び電磁緩衝器の外筒の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして油圧緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。
【0003】
他方、サスペンションの一部に油圧緩衝器等と併設した電磁緩衝器を組み込み、車体変化時にモータに電流を流して電磁力を発生し、この電磁力を車体変化を抑制する減衰力として利用する車両用のサスペンションも、たとえば、特開平5−44758号公報に開示されているように公知である。
【0004】
しかしながら、上記の油圧緩衝器を利用したサスペンションでは、高減衰力が得られる反面油が必要であり、この油の漏れを防止するシール機構や複雑なバルブ機構を必要とする。
【0005】
同様に電磁緩衝器を使用したサスペンションでは、電源、コントローラ等を必要とし、構造が複雑化し、コスト的にも不利である。
【0006】
そこで、最近油、エアや電源等を必要としない新しい電磁緩衝器が研究され、その論文も公表されている。
【0007】
この電磁緩衝器の基本構造は、たとえば、図2のモデルに示すように、ボール螺子ナット16と、当該ボール螺子ナット16を保持するフランジ34と、アイ型ブラケット38が固着されたフランジ37と、上記各フランジ34、37を連結するガイドロッド36と、ボール螺子ナット16内に回転自在に螺合した螺子軸18と、螺子軸18の上端にカップリング47とシャフト46aを介して結合したモータ46とで構成したものである。
【0008】
ここで、電磁力発生源としてのモータは、様々なモータ、たとえば直流モータや交流モータ、誘導モータ等が使用されうるが、たとえば直流モータを例に取ると、特に図示しないが、直流ブラシ付モータであれば、モータ46は磁界発生用の複数の永久磁石とソレノイドと電機子とヨークと整流子とシャフト等からなる固定子と回転子と、これらの固定子と回転子を覆うフレームとから構成され、シャフトの回転によりソレノイドが上記永久磁石の発生する磁界を横切ることにより誘導起電力を発生するものである。
【0009】
そして、この電磁緩衝器を、たとえば、車体と車軸との間に介在させてサスペンションとして利用する場合、電磁緩衝器の上端をモータ46の上に設けられたフランジ43に固着されたブラケット40を介して車体側に結合し、電磁緩衝器下端を上記アイ型ブラケット38を介して車軸側に結合させる。
【0010】
この場合、モータ46は、下端をフランジ45及び連結ロッド31を介してフランジ32に結合し、上記フランジ32の内周にはボール軸受48を固定し、そのボール軸受48内に螺子軸18の上部を回転自在に挿入させている。
【0011】
さらに、フランジ32は、フランジ35に連結ロッド33により連結され、フランジ35に設けられた孔の中には上記ガイドロッド36が摺動可能に挿入されおり、ボール螺子ナット16の直線運動のみが許容されるようになっている。
【0012】
この電磁緩衝器を利用するサスペンションの構想によれば、たとえば、路面からの振動入力でボール螺子ナット16が矢印a方向に直線運動すると、ボール螺子ナット16内の螺子軸18は、ボール螺子ナット16内のボールと螺子軸18の外周の螺子溝18aに案内されて回転運動に変換される。
【0013】
このため、螺子軸18の回転運動が、螺子軸18の上端に取り付けられたカップリング47を介してシャフト46aの矢印b方向の回転運動として伝達され、これによりモータ46に誘導起電力が発生し、特には図示しないがモータ46の各電極を電源を介さずに短絡するか所望の電磁力を得られるように制御回路に接続しておけば、モータ46内のソレノイドに上記誘導起電力に起因する電流が流れ、モータ46は電磁力を発生する。
【0014】
そして、この時、上記シャフト46aの回転方向とは逆方向に電磁力が発生するようにモータ46の各電極を短絡または制御回路に接続しておけば、この電磁力に起因しシャフト46aの回転に抗するトルクが発生し、モータ46のシャフト46aの回転を抑制することとなる。
【0015】
すると、シャフト46aの回転を抑制することは、上記螺子軸18の回転を抑制することであるから、上記トルクはボール螺子ナット16の直線運動を抑制する減衰力として作用する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
さて、この電磁緩衝器を、実際に車両に適用する際には、緩衝器は通常車両ボディと車軸との間に配在されるが、以下のいろいろな問題点がある。
【0017】
即ち、上記の電磁緩衝器の構成では、モータ46、螺子軸18、ボール螺子ナット16が、剥き出しの状態であるから、車体外からの雨や泥等の侵入に対して、何ら隔離されておらず、たとえば、モータ46内に雨水や泥水が進入して、モータ46が漏電して損傷しモータ46等の機能が損なわれる恐れがある。
【0018】
この為、どうしても、電磁緩衝器本体とモータ46を覆うカバーとしての外筒が必要となる。
【0019】
しかし、電磁緩衝器本体とモータ46とを外筒で覆うこととすれば、車両ボディの下面と車軸との間に電磁緩衝器を配設する場合、車種により車両ボディの下面と車軸との間のスペースには制約もあり、必然的にモータ46が外筒内に収められる空間を広くとることができないことがある。
【0020】
すると、モータ46は、軸螺子15から伝達される回転運動によって、モータ46内にあるソレノイドに電流が流れ、その電流に起因して、熱を発生することとなるが、上述のようにさほど広くない外筒内に独立した部品としてのモータ46が収められているから、上記外筒とモータの固定子及び回転子を覆うフレームとの間の小さい上記空間内で熱がこもり、モータ46の放熱が妨げられ、モータ46自体の温度が上昇することとなる。
【0021】
さらに、モータ46の温度上昇が進み、モータ46の温度定格を超えてしまうと、モータ自身が発する熱によりモータのソレノイドを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧がある。
【0022】
他方、上記のモータの温度上昇に伴う弊害を嫌って、電磁緩衝器の外筒を太くして、モータが電磁緩衝器に配在される空間を広くすると、他のシャシー等の部材と干渉し、上述したように、車両に適用できない場合もあり、また、電磁緩衝器自体の重量がかさむという新たな弊害を生ずる結果となる。
【0023】
さらに、モータ46を独立した部品とすると、モータ46を電磁緩衝器本体に螺設する場合にはボルトやナット、モータ用のブラケットといった部品点数が増えることとなるとともに、電磁緩衝器の加工工程も増えるから、生産性や生産コストが悪化する。
【0024】
また、モータが損傷した時のことを勘案すると、モータ46、螺子軸18、ボール螺子ナット16を保護するための外筒を電磁緩衝器全体に亘り一体として成形した場合、電磁緩衝器本体から、モータ部分を分離できないので、電磁緩衝器全体を交換する必要があるので、修理費用が高価なものとなってしまう。
【0025】
そこで、本発明の目的とするところは、モータの放熱を促し、モータの定格を超える温度上昇に伴う損傷を防止するとともに、電磁緩衝器の耐久性を向上し、さらに、電磁緩衝器の生産性を向上し、電磁緩衝器の生産コストを下げ、併せて、モータが損傷した場合でもその修理費用を安価にすることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明は、ボール螺子ナットとボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸とを有する電磁緩衝器本体と、上記螺子軸に結合したモータとを有してなり、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動をモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記シャフトの回転に抗するトルクをボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記電磁緩衝器本体に着脱自在に装着されたカバーを設け、当該カバーにモータの固定子及び回転子を覆うフレームを兼ねさせていることを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。
【0028】
本発明にかかる電磁緩衝器の基本形態は、中空ロッド19と中空ロッド19の端部に設けたボール螺子ナット16とボール螺子ナット16内に回転自在に螺合した螺子軸18とを有する電磁緩衝器本体Dと、プラネタリギア9a、9bと、上記螺子軸18に結合したモータMとにより構成される。
【0029】
以下、さらに詳細な構造について説明する。
【0030】
モータMは、直流ブラシ付モータであり、磁界発生用の複数の永久磁石4a、4bと、ソレノイド2aと、電機子2と、整流子3と、ブラシ5と、ブラシホルダ7と、シャフト6等の固定子及び回転子MAとそれら部材を覆うカバー1から構成されている。
【0031】
上記、カバー1は、電磁緩衝器本体Dに直接着脱可能に装着されるが、この時、カバー1が図1に示すように、モータMのフレームとしての役割を有すると共に、電磁緩衝器のモータ部分を覆う外筒としての役割を有する。
【0032】
上記シャフト6はその上下端をボール軸受12、22を介してカバー1内に回転自在に挿入されながら、このシャフト6の外周には電機子2を設けて導電線を巻きつけてソレノイド2aを形成し、ソレノイド2aの複数の導電線(付示せず)は、シャフト6の上方に設けられた整流子3に接続され、上記整流子3はその側方に設けられたブラシホルダ7を介してカバー1に結合されたブラシ5に当接しており、さらに、ブラシ5はリード線8に接続されている。
【0033】
そして、カバー1の上端部には、キャップ10が結合されており、カバー1内に、雨や泥水の浸入が防止される。
【0034】
さらに、永久磁石4a、4bは、上記電機子2がカバー1内に収められた位置に符合させてカバー1の内周に結合されており、これにより、上記電機子2に磁界がかけられることとなる。この場合、カバー1は、モータMのフレームとしての機能のほかにヨークとしての機能を有することとなる。
【0035】
なお、永久磁石4a、4bは、対向してカバー1内に取り付けられるが、磁界を発生するように取り付ければ、その数は2個以上でも良い。
【0036】
なお、リード線8は、制御回路等(図示せず)に接続されるか、直接各電極(図示せず)に接続されたリード線8同士をつなぎ閉回路としておき、且つ、電磁力に起因しシャフト6の回転に抗するトルクを発生するようにしておくことにより、モータMに電磁力を発生するようにし、所望の減衰力を得られるよう調整しておく事が必要である。
【0037】
この場合、特に制御回路を設ける必要がなければ、カバー1外にリード線を設ける必要は無く、カバー1内で上記各電極を短絡しても良いので、カバー1に特にリード線8用の孔を設けずとも良い。
【0038】
なお、本実施の形態では、モータMに直流ブラシ付モータを使用した場合を説明したが、直流ブラシレスモータや、交流モータや誘導モータを使用しても良い。
【0039】
また、シャフト6に永久磁石を固定して、カバー1内周にソレノイドを結合しても良い。
【0040】
次に、電磁緩衝器本体Dについて説明する。
【0041】
電磁緩衝器本体Dは、車軸側にアイ型ブラケット29を介して結合される中空ロッド19と中空ロッド19の上端部にボール螺子ナットブラケット17を介して結合されたボール螺子ナット16とボール螺子ナット16内に回転自在に螺合した螺子軸18とで構成されている。
【0042】
そして、上記中空ロッド19は、外筒23の下端に設けたロッドガイド25の内周側ブッシュ24と、ロッドガイド25の下端に設けた電磁緩衝器本体D内に埃や雨水等の浸入を防ぐシールSとを介して上下摺動自在に挿入され、中空ロッド19の下端はアイ型ブラケット19を介して車軸に結合されるようになっている。
【0043】
なお、ロッドガイド25は、無くても使用可能であるが、中空ロッド19の座屈を防止し、スムースに直線運動を案内するために設けたほうが好ましい。
【0044】
ここでは、ボール螺子ナット16の構造は特に図示しないが、たとえば、ボール螺子ナットの内周には、螺子軸の螺旋状の螺子溝に符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナットの内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸を前記ボール螺子ナットに螺入された場合に、螺子軸の螺旋状の螺子溝にボール螺子ナットのボールが嵌合し、螺子軸の回転運動に伴いボール自体も螺子軸の螺子溝との摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能である。
【0045】
上述のように、螺子軸18には、ボール螺子ナット16が螺子溝に沿って回転自在に装着され、ボール螺子ナット16が上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット16のボールが上下方向に移動するが、この時、当該ボールは螺子軸18の螺旋状の螺子溝に沿って移動するから、螺子軸18は強制的に回転駆動される。
【0046】
また、螺子軸18の下端部にはゴム等からなる第1のクッション部材27が挿入され、この第1のクッション部材27は取付部材28で支持されている。
【0047】
したがって、ボール螺子ナット16が螺子軸18の下端たる最大下降位置までストロークした時、第1クッション部材27はボール螺子ナット16に対する急激な衝突による衝撃の発生を防止すると共に、それ以上のボール螺子ナット16の下降ストロークを規制するストッパとして利用される。
【0048】
同様に、外筒23の上方内周にはゴム等からなる第2クッション部材26が挿入されており、ボール螺子ナット16の最大上昇位置までストロークした時、第2クッション部材26はボール螺子ナット16に対する急激な衝突による衝撃の発生を防止すると共に、それ以上のボール螺子ナット16の上昇ストロークを規制するストッパとして利用される。
【0049】
即ち、上記機構によりボール螺子ナット16の直線運動が螺子軸18の回転運動に変換されることになり、上記構成により中空ロッド19の直線運動が螺子軸18の回転運動に変換されることとなる。
【0050】
なお、中空ロッド19の直線運動を回転運動に変換する機構としては上記の機構が好ましいが、同様の効果がある機構であればボール螺子ナット16と螺子軸18の組み合わせによらなくても良い。
【0051】
そして、螺子軸18の上方は、外筒23内に軸受保持部材15を介して取り付けられたボール軸受13の内周に回転自在に挿入され、また、その上端部はプラネタリギア9a、9bを介して上記モータMのシャフト6に連結され、外筒23にモータMのカバー1が着脱自在に結合される。
【0052】
なお、上記プラネタリギア9a、9bを介してシャフト6と螺子軸18とが連結されているので、上記ギア9a、9bのギア比を変化させることにより、所望する減衰力を得られるようにすることができる。
【0053】
したがって、螺子軸18はこのボール軸受11と上記ボール螺子ナット16とで回転自在に支持されているので、螺子軸18は、円滑に回転運動を呈することが可能である。
【0054】
上記機構によりボール螺子ナット16の直線運動が螺子軸18の回転運動に変換されることになり、上記構成により中空ロッド19の直線運動が螺子軸18の回転運動に変換されることとなる。
【0055】
即ち、螺子軸18の回転運動は、モータMのシャフト6に伝達されることとなる。
【0056】
なお、中空ロッド19の直線運動を回転運動に変換する機構としては上記の機構が好ましいが、同様の効果がある機構であればボール螺子ナット16と螺子軸18の組み合わせによらなくても良い
また、螺子軸18の回転運動を、シャフト6に伝達する方法としては、プラネタリギア9a、9b以外にも、他の歯車機構や直接連結やトーションバーを利用しても良い。
【0057】
以上の構成をとることで、モータMの固定子及び回転子MAはカバー1内に収められ、電磁緩衝器本体Dは外筒23内に収められることになり、雨や泥水等が直接モータMやボール螺子ナット16、螺子軸18に侵入することが防止されるので、それらによるモータM等の損傷を防ぐことができる。
【0058】
また、モータMを独立した部品として電磁緩衝器本体Dに取り付ける時に比べ、モータM用の本体Dへの取付用ブラケットや、ボルトや、ナットと言った部品を使用しなくてもカバー1を電磁緩衝器本体Dに直接着脱自在に結合させ、併せて外筒23にも連接できるから、組付け等の作業の手間を省くことができ、生産性の向上が図られ、また、部品点数が少なくなるので、生産コストを低く抑えることができる。
【0059】
さらに、モータMが、損傷した場合にあっても、カバー1は外筒23から、分離可能であるから、カバー1を電磁緩衝器本体Dからはずすことにより、モータM部分のみの交換で、電磁緩衝器としての機能を回復できるので、カバー1と外筒23を一体とした場合に比べて、修理費用が安価になる効果がある。
【0060】
引き続いて、作用について説明する。
【0061】
車両の走行中に路面からの突き上げ入力、振動等の衝撃が中空ロッド19に作用すると、この中空ロッド19が外筒23に沿って伸縮方向に直線運動する。この直線運動はボール螺子ナット16と螺子軸18のボール螺子機構により、螺子軸18の回転運動に変換される。
【0062】
すると、上記螺子軸18の回転運動は、螺子軸18とシャフト6が連結されているので、シャフト6に伝達される。
【0063】
モータMのシャフト6が回転運動を呈すると、シャフト6に取り付けられた電機子2のソレノイドも同時に回転し、上記ソレノイドが永久磁石4a、4bの磁界を横切ることとなり、誘導起電力が発生し、上述の通りモータMの各電極を短絡等しておき、且つ、モータMの電磁力に起因しシャフト6の回転に抗するトルクを発生するようにソレノイドに電流が流れる様にしてあるため、上記逆向きのトルクがシャフト6の回転運動を抑制することとなる。
【0064】
このシャフト6の回転運動を抑制する作用は、シャフト6が螺子軸18に連結されているので、螺子軸18の回転運動を抑制するように働く。
【0065】
すると、上記モータMの電磁力に起因し逆向きのトルクは、螺子軸18の回転運動を抑制するので、中空ロッド19の外筒23に沿う伸縮方向の直線運動を抑制する減衰力として作用し、路面からの衝撃エネルギを吸収緩和し、車両の乗り心地を向上し、操案性を向上させる。
【0066】
以上、一連の動作により、電磁緩衝器としての機能を発揮することができるが、車両走行中には、絶えず路面から突き上げ入力等の荷重が、中空ロッド19に負荷される。
【0067】
そして、この負荷による螺子軸18の回転運動に変換されモータMのシャフト6に伝達されるのは、上述のとおりであるが、モータMのソレノイドには、電流が頻繁に流れるので、モータM自身が熱を発生する。
【0068】
すると、モータM自体の温度が上昇することとなるが、上述の通り、モータMのフレームはカバー1であり、モータM自体に別個に設けられたモータMを覆うフレームが無いので、熱がこもらず、熱はカバー1に伝達され、放熱することができる。
【0069】
ここで、カバー1は、電磁緩衝器を特に車両に適用した場合には、電磁緩衝器が車軸と車両ボディとの間に取り付けられる関係上、車両走行時には、カバー1に風が当り、効果的に放熱することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、モータのフレームがカバーを兼ねているので、以下の効果を奏する。
【0071】
(1)モータ自体に別個のフレームがないから、モータが発生する熱が、モータ内にこもることを防止できる。
【0072】
(2)また、モータが発生する熱は外筒に伝達されるが、当該熱を外筒が効果的に放熱することができる。
【0073】
(3)したがって、モータ自体の温度上昇を防ぐことが可能であるから、モータのソレノイドを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化を防止できる。
【0074】
(4)すると、モータの漏電等を防止できることとなるので、モータ自体の損傷を抑制できる。
【0075】
(5)また、モータを独立した部品としたときに比べて、モータを電磁緩衝器本体に取り付ける為のブラケットやボルトやナット等の部品が不要となるので、部品点数が少なくてすむ。
【0076】
(6)したがって、組み立て、加工が容易となるので、生産性の向上を図ることができる。
【0077】
(7)そしてさらに、部品点数が少なくなり、加工工程を少なくでき、生産性も向上するから、生産コストも低く抑えることができる。
【0078】
(8)モータ部分が電磁緩衝器本体から分離可能であるから、モータが故障した場合にあっても、モータ部分のみの交換で、電磁緩衝器としての機能を回復できるので、カバーと外筒を一体とした場合に比べて、修理費用が安価になる効果がある。
【0079】
(9)モータの固定子及び回転子が外筒に覆われているので、電磁緩衝器としての機能を果たす上で重要な部分、即ち、モータ、動力伝達手段を、雨、泥水等が直接当該部分に当たることを防止されるので、当該部分を保護することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁緩衝器の側面断面図である。
【図2】従来の電磁緩衝器の側面図である。
【符号の説明】
1  カバー
2  電機子
2a ソレノイド
3  整流子
4a、4b  永久磁石
5  ブラシ
6  シャフト
7  ブラシホルダ
8  リード線
16 螺子軸
18 ボール螺子ナット
19 中空ロッド
23 外筒
D  電磁緩衝器本体
M  モータ
MA 固定子および回転子

Claims (1)

  1. ボール螺子ナットとボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸とを有する電磁緩衝器本体と、上記螺子軸に結合したモータとを有してなり、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動をモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記シャフトの回転に抗するトルクをボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記電磁緩衝器本体に着脱自在に装着されたカバーを設け、当該カバーにモータの固定子及び回転子を覆うフレームを兼ねさせていることを特徴とする電磁緩衝器。
JP2002168135A 2002-06-06 2002-06-10 電磁緩衝器 Pending JP2004011823A (ja)

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