JP2005256889A - 電磁緩衝器 - Google Patents

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卓宏 近藤
Tomoo Kubota
友夫 窪田
Yoshihiro Suda
義大 須田
Norimichi Nakamura
倫道 中村
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Abstract

【課題】電磁緩衝器のモータが自己発生する熱により損傷することを防止する。
【解決手段】モータ1が内設される有底筒状の外筒2と、外筒2内に挿入され螺子ナット4を保持する有底筒状の内筒5と、モータ1のシャフト1aに接続されるとともに螺子ナット4内に回転自在に螺合される螺子軸3とで構成され、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する通路を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、螺子ナットに螺子軸を回転自在に螺合することにより、螺子軸を介して螺子ナットの直線運動をモータの回転運動に変換する機構を有し、モータの電磁力で減衰力を発生する電磁緩衝器に関する。
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして油圧緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。この油圧緩衝器は、高減衰力が得られる点で有利であるが反面、油が必要であり、この油の漏れを防止するシール機構や複雑なバルブ機構を必要とする。
そこで、最近油、エアや電源等を必要としない新しい電磁緩衝器が研究され、提案されている(特許文献1参照、非特許文献1参照)。
この電磁緩衝器の基本構造は、ボール螺子ナットに回転自在に螺合した螺子軸と、螺子軸の一端に連結され電極を短絡したモータと、で構成され、螺子軸に対しボール螺子ナットが軸方向に移動すると、螺子軸とモータのシャフトが回転し、このシャフトの回転により発生する誘導起電力によってシャフト及び螺子軸の回転方向と逆向きのトルクを上記ボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用するものである。
特開2003−227543号公報(段落番号0023,図1) 末松、須田,「自動車における電磁サスペンションの研究」,社団法人自動車技術会,学術講演会前刷集,2000年,No4−00
しかし、上述した従来の電磁緩衝器は、油や電源等を必要としない点で非常に有用であるが、以下の問題点がある。
上述の通り、電磁緩衝器は、モータ、ボール螺子ナットや螺子軸といった高価な部品で構成されるので、出来る限りその損傷を防止したい。そこで、特に車両に搭載することや、屋外での使用を考えると、雨や泥、飛び石等から上記各部品を保護するためのカバーが必要となる。
しかしながら、たとえば、車両に適用される場合には、電磁緩衝器には車両走行中に絶えず路面等から振動等が入力され、電磁緩衝器が伸縮を繰り返すことにより、モータのシャフトが回転しモータ自体が発熱するので、モータをカバーで覆ってしまうと、カバー内に熱がこもってしまう。
そして、カバー内に熱がこもりモータの温度上昇が激しい場合には、モータのコイルを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧がある。
また、上述の通りモータは電磁緩衝器の減衰力を発生する必要不可欠な部品であるから、モータの損傷は、即ち電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なうこととなる。
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、電磁緩衝器のモータが自己発生する熱により損傷することを防止することである。
上記した目的を達成するため、第1の課題解決手段における電磁緩衝器は、有底筒状の外筒と、外筒内に挿入される有底筒状の内筒と、内筒内に設けた螺子ナットと、螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、外筒内に設けられ螺子軸に連結されるモータとを備え、モータの電磁力で内筒と外筒の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する通路を設けたことを特徴とする。
さらに、第2の課題解決手段は、有底筒状の外筒と、外筒内に挿入される有底筒状の内筒と、内筒内に設けた螺子ナットと、螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、外筒内に設けられ螺子軸に連結されるモータとを備え、モータの電磁力で内筒と外筒の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する通路を設けるとともに、モータのシャフトもしくは螺子軸にファンを設けたことを特徴とする。
また、第3の課題解決手段における電磁緩衝器は、第1または第2の課題解決手段において、モータが外筒内であって底部近傍に設置されるとともに、上記通路が外筒のモータ設置箇所より底部側に設けられることを特徴とする。
そして、第4の課題解決手段における電磁緩衝器は、第2または第3の課題解決手段において、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する第2通路を設けたことを特徴とする。
各請求項の発明によれば、電磁緩衝器が伸縮を繰り返すことにより、外筒内と内筒内で作られる空間が拡大と縮小を繰り返し、空間内に取り込まれた外気は、絶えず入れ替えられることとなる。すなわち、電磁緩衝器の収縮により上記空間内のモータが発する熱により熱せられた外気は外部に流出し、電磁緩衝器の伸長により新たな外気が空間に流入するから、空間内にモータが発生する熱がこもることによる空間内の温度上昇を抑制することができ、モータの温度上昇を抑制可能である。
また、モータの温度上昇を抑制できるので、モータのコイルを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧もない。
したがって、モータの損傷を回避できるので、電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なう事態を防止することが可能となる。
請求項2の発明によれば、ファンを設けたので、電磁緩衝器が伸縮を繰り返すことにより、空間が拡大と縮小を繰り返すとともに、ファンにより、空間内に取り込まれる外気は、強制的に絶えず入れ替えられることとなる。すなわち、電磁緩衝器の収縮により空間内のモータが発する熱により熱せられた外気は、外部に流出し、電磁緩衝器の伸長により新たな外気が空間に流入するから、空間内にモータが発生する熱がこもることによる空間内の温度上昇を抑制することができ、モータの温度上昇を抑制可能である。また、ファンにより強制的に空間内の外気が入れ替えられるので、空間の拡大縮小、いわゆる、ポンプ作用のみによる外気の入れ替えに比較して、熱せられた外気が空間内に取り残されることがないので、空間内の温度上昇抑制効果が高い。
また、ファンの回転により流速の早められた外気がモータ内を通過することとなるので、モータ自体を強制的に空冷することが可能であるので、モータの冷却効果もより一層高くなる。
請求項3の発明によれば、外気は、モータの内部を通過して空間内に流入および流出するようになっているので、モータ自体の冷却効果も高く、この場合にはより一層モータの温度上昇を抑制可能である。
請求項4の発明によれば、通路の他に第2通路によっても外気の吸引排出が可能であるから、この点でも、熱せられた外気が空間内に取り残されることがなく、効果的にモータを冷却可能である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。図2は、本発明の第2の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における電磁緩衝器は、有底筒状の外筒2と、外筒2内に摺動自在に挿入される有底筒状の内筒5と、内筒5内に設けた螺子ナットたるボール螺子ナット4と、ボール螺子ナット4内に回転自在に螺合される螺子軸3と、外筒2内に設けられ螺子軸3に連結されるモータ1と、外筒2に設けた通路10,10とで構成され、この電磁緩衝器が伸縮する時のボール螺子ナット4の直線運動を螺子軸3の回転運動に変換し、上記回転運動をモータ1のシャフト1aに伝達して当該モータ1に電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記シャフト1aの回転に抗するトルクを上記螺子軸3の回転運動を抑制することによるボール螺子ナット4の直線運動を抑制する減衰力として利用し、外筒2と内筒5との軸方向の相対移動を抑制することが出来るものである。
以下、詳細な構造について説明する。モータ1は、有底筒状の外筒2内に内設され、モータ1のシャフト1aは、外筒2内にボールベアリング8,9を介して回転自在に挿入され、また、モータ1のシャフト1aと螺子軸3とは一体的に形成されている。なお、図示するところでは、螺子軸3とシャフト1aとは一体的に形成されているが、それぞれを別部材として連結するとしてもよい。また、外筒2の図1中上端には、車両へこの電磁緩衝器を取付ける為のブラケット20が設けられるとともに、その底部(図1中上端)には、外筒2内外を連通する通路10,10が設けられている。
モータ1は、基本的には、上記シャフト1aと、シャフト1aの外周に取付けられた磁石11,11と、外筒2の内周であって上記磁石11,11と対向するように取付けたコア12と、コア12に嵌装したコイル13とで構成されるブラシレスモータであって、この場合、外筒2がモータ1のフレームとしての役割を果たしている。そして、モータ1の各電極(図示せず)は、短絡されるか制御回路に接続され、電磁力に起因するシャフト1aの回転に抗するトルクを発生するようにしておくことにより、所望の減衰力を得られるよう調整されるが、積極的にモータ1に通電することにより、モータ1を駆動して緩衝器のみならずアクチュエータとして機能させることが可能である。ちなみに、ブラシレスモータの場合には、回転子の位置検出手段としてホール素子、磁気センサや光センサ等が搭載されており、この位置検出手段が利用できるので、回転子の回転運動の状況(回転角や角速度等)を把握することができるので電磁緩衝器の制御に便利であるとともに、別途、回転子の位置を検出する手段を設ける必要はない。なお、上記位置検出手段については、シャフト1aを回転させることにより電磁力を発生させる限りにおいては、設ける必要はない。また、もともと位置検出手段を有しないモータ、たとえば、直流ブラシ付モータ等を使用する場合には、電磁緩衝器の制御することを前提にするのであれば位置検出手段を設けるとしてもよい。さらに、位置検出手段としてのホール素子を例に取れば、外部電源から当該素子に通電しておくことが必要であるが、ブラケット20側を車両の車体側に取付けるようにし、さらに、このブラケット20を中空としておけば、ブラケット20内を介して上記通電する為の電線を当該素子に接続して電流を供給するとすれば、ブラケット20の図1中上端側から伸びる電線を外方の制御装置、制御回路に接続する際の取り回しも、容易となり、上記電線は車体内に収容されることとなるので、電線の損傷機会も減ずることが可能となる。また、外部電源を用いずとも、ボール螺子ナット4の回転により発電されるので、この誘導起電力によって発生される電流をホール素子に供給するか、一端外部のバッテリに蓄電しておいて、このバッテリから電流を供給するとしてもよい。なお、本実施の形態においては、コイル13を外筒2側に、磁石11,11をシャフト1a側に
取付けているが、コイル13をシャフト1a側に、磁石11,11を外筒2側に取付けるとしても良い。なお、本実施の形態においてはモータ1をブラシレスモータとしているが、電磁力発生源として使用可能であれば、様々なモータ、たとえば直流モータや交流モータ、誘導モータ等が使用可能である。ちなみに、本実施の形態では、モータ1のフレームを外筒2が兼ねるが、外筒2内にフレームを有するモータを嵌着、螺着、圧入等により内設してもよい。
シャフト1aと一体成形された螺子軸3は、その外周に螺子溝3aが設けられており、外筒2内に摺動自在に挿入された有底筒状の内筒5内に挿入され、さらに、この内筒5内に嵌着されたボール螺子ナット4内に回転自在に螺合されている。ここで、ボール螺子ナット4の構造は特に図示しないが、たとえば、ボール螺子ナット4の内周には、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aに符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナット4の内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸3を前記ボール螺子ナット4に螺合された場合に、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aにボール螺子ナット4のボールが嵌合し、螺子軸3の回転運動に伴いボール自体も螺子軸3の螺子溝3aとの摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能である。
上述のように、ボール螺子ナット4には螺子軸3が螺子溝3aに沿って回転自在に螺合され、ボール螺子ナット4が螺子軸3に対し図1中上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット4は、たとえば、車体もしくは車軸側に固定される内筒5により回転運動が規制されているので、螺子軸3は強制的に回転駆動される。すなわち、上記機構によりボール螺子ナット4の直線運動が螺子軸3の回転運動に変換されることとなる。また、ボール螺子ナット4が図1中下方に移動して電磁緩衝器が最伸びきり状態となったときには、螺子軸3の図1中下端に設けたクッション部材15がボール螺子ナット4の図1中下端に当接して、螺子軸3がボール螺子ナット4から抜けてしまうことが防止されるとともに、最伸びきり時の衝撃を緩和する。
なお、外筒2と内筒5との間にはダストシール(図示せず)が設けられ、これにより外筒2および内筒5で作られる空間に塵、埃や雨水等が侵入することが防止されている。ちなみに、外筒2内に内筒5が摺動自在に挿入されているが、外筒2と内筒5との間に環状の軸受を設けるとしてもよい。この場合には、外筒2の下端部内周が内筒5の外周面をかじってしまい外筒2と内筒5との間のシール性が劣化してしまう危険を防止できる。
また、外筒2内に内筒5が摺動自在に挿入されていることにより、内筒5およびボール螺子ナット4に対する螺子軸3の軸ぶれが防止されており、これにより、ボール螺子ナット4の一部のボール(図示せず)に集中して荷重がかかることを防止でき、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aが損傷する事態を避けることが可能である。また、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aの損傷を防止できるので、螺子軸3のボール螺子ナット4に対する回転もしくは電磁緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さを保つことができ、上記各動作の円滑を保てるので、電磁緩衝器として機能も損なわれず、ひいては、電磁緩衝器の故障を防止できる。
また、内筒5の図1中下端にはアイ型ブラケット21が設けられており、このアイ型ブラケット21と上述の外筒2の図1中上端に設けたブラケット20とを利用して、車両の車体と車軸との間に電磁緩衝器を介装することができるようになっている。
さて、以上のように本発明の電磁緩衝器は構成されるが、以下その作用について説明する。電磁緩衝器に伸長する、すなわち、外筒2に対し内筒5が図1中下方に移動すると、この内筒5に連結されているボール螺子ナット4の下方への直線運動はボール螺子ナット4と螺子軸3のボール螺子機構により、螺子軸3の回転運動に変換され、上記螺子軸3と一体的に形成されたモータ1のシャフト1aも回転する。
モータ1のシャフト1aが回転運動を呈すると、モータ1内のコイル13が磁石11,11の磁界を横ぎることとなり、誘導起電力が発生し、上述の通りモータ1の各電極を短絡等してあり、モータ1の電磁力に起因するシャフト1aの回転に抗するトルクを発生するようにコイル13に電流が流れるようにしてあるため、上記シャフト1aの回転に抗するトルクがシャフト1aの回転運動を抑制することとなる。
このシャフト1aの回転運動を抑制する作用は、上記螺子軸3の回転運動を抑制することとなり、螺子軸3の回転運動が抑制されるのでボール螺子ナット4の直線運動を抑制するように働く。
したがって、上記モータ1の電磁力に起因する上記シャフト1aに抗するトルクは、ボール螺子ナット4の直線運動を抑制するので、外筒2に対する内筒5の直線運動を抑制する減衰力として作用し、振動エネルギを吸収緩和する。
また、電磁緩衝器が収縮する場合には、外筒2内に内筒5が侵入するので外筒2内と内筒5内とで作られる空間Aは縮小する。すると、空間A内に取り込まれた外気が、通路10,10を介して電磁緩衝器の外部に流出する。反対に、電磁緩衝器の伸長により、外筒2から内筒5が退出するから外筒2内と内筒5内とで作られる空間Aは拡大する。すると、空間Aには、通路10,10を介して外気が流入する。したがって、この電磁緩衝器が伸縮を繰り返すことにより、空間Aが拡大と縮小を繰り返し、いわゆる、ポンプ作用により、空間A内に取り込まれた外気は、絶えず入れ替えられることとなる。すなわち、電磁緩衝器の収縮により空間A内のモータ1が発する熱により熱せられた外気は外部に流出し、電磁緩衝器の伸長により新たな外気が空間Aに流入するから、空間A内にモータ1が発生する熱がこもることによる空間A内の温度上昇を抑制することができ、モータ1の温度上昇を抑制可能である。また、本実施の形態では、通路10,10が外筒2の底部(図1中上端)に設けられ、外気は、モータ1の内部を通過して空間A内に流入および流出するようになっているので、モータ1自体の冷却効果も高く、この場合にはより一層モータ1の温度上昇を抑制可能である。
また、モータ1の温度上昇を抑制できるので、モータ1のコイル13を形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧もない。
したがって、モータ1の損傷を回避できるので、電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なう事態を防止することが可能となる。
なお、通路10,10については、外気の入れ替えを迅速に行えるように、複数設けているが、1つ設けるとしてもよく、さらに、外筒2と内筒5とで作られる空間内に取り込まれる外気を電磁緩衝器の伸縮によって入れ替える観点からは、通路10,10を内筒側に設けるとしてもよい。ただし、モータ1の冷却効果という点では、本実施の形態のように、外筒2のモータ1設置箇所より底部側に設けられるほうが、上記した理由により好ましい。なお、図示するところでは、通路10,10は、外筒2に穿設した孔で形成されているが、たとえば、外筒2の内周もしくは内筒5の外周に軸方向に沿う溝を設けてこの溝を通路とするとしてもよく、いずれにせよ、通路は、外筒と内筒とで作られる空間A内に取り込まれる外気を電磁緩衝器の伸縮によって入れ替えることが可能に形成されればよい。
つづいて、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における電磁緩衝器は、図2に示すように、有底筒状の外筒2と、外筒2内に摺動自在に挿入される有底筒状の内筒5と、内筒5内に設けたボール螺子ナット4と、ボール螺子ナット4内に回転自在に螺合される螺子軸3と、外筒2内に設けられ螺子軸3に連結されるモータ1と、モータ1のシャフト1aに設けたファンFと、外筒2に設けた通路10,10と、内筒5の側部に設けた第2通路17とで構成されている。そして、第1の実施の形態と異なる部分は、シャフト1aにファンFが設けられている点と、内筒2の側部に第2通路17が設けられている点である。したがって、第1の実施の形態と異なる部分について詳しく説明することとし、第1の実施の形態と同様の部材については第1の実施の形態と同様の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
この第2の実施の形態における電磁緩衝器は、モータ1のシャフト1aのファンFが設けられ、このファンFは、電磁緩衝器が伸長する際には、外筒2内と内筒5内とで作られる空間A内に通路10,10を介して外気を吸引するように、電磁緩衝器が収縮する際には、空間A内から通路10,10を介して外気を流出させるように設定されている。そして、内筒5の側部には、第2通路17が穿設されている。
さて、この電磁緩衝器が伸縮すると、電磁緩衝器は、第1の実施の形態同様にモータ1の発生する電磁力により減衰力を発生するが、電磁緩衝器が収縮する場合には、外筒2内に内筒5が侵入するので外筒2内と内筒5内とで作られる空間Aは縮小するとともに、ファンFがシャフト1aとともに回転する。すると、ファンFの回転により、空間A内に取り込まれている外気は強制的に通路10,10を介して排出させられるとともに、第2通路17を介して空間A内に新たな外気を取り込まれる。反対に、電磁緩衝器の伸長により、外筒2から内筒5が退出するから外筒2内と内筒5内とで作られる空間Aは拡大するとともに、やはりファンFが回転する。すると、ファンFの回転により、空間Aには、通路10,10を介して新たな外気が強制的に吸引されるとともに、第2通路17を介して空間A内に取り込まれていた外気が強制的に排出される。したがって、この電磁緩衝器が伸縮を繰り返すことにより、空間Aが拡大と縮小を繰り返すとともに、ファンFにより、空間A内に取り込まれた外気は、強制的に絶えず入れ替えられることとなる。すなわち、電磁緩衝器の収縮により空間A内のモータ1が発する熱により熱せられた外気は、外部に流出し、電磁緩衝器の伸長により新たな外気が空間Aに流入するから、空間A内にモータ1が発生する熱がこもることによる空間A内の温度上昇を抑制することができ、モータ1の温度上昇を抑制可能である。また、ファンFにより強制的に空間A内の外気が入れ替えられるので、空間Aの拡大縮小、いわゆる、ポンプ作用のみによる外気の入れ替えに比較して、熱せられた外気が空間A内に取り残されることがないので、空間A内の温度上昇抑制効果が高い。
また、ファンFの回転により流速の早められた外気がモータ1内を通過することとなるので、モータ1自体を強制的に空冷することが可能であるので、モータ1の冷却効果もより一層高くなる。
さらに、本実施の形態では、通路10,10の他に第2通路17によっても外気の吸引排出が可能であるから、この点でも、熱せられた外気が空間A内に取り残されることがなく、効果的にモータ1を冷却可能である。なお、第2通路17を設けずとも、ファンFの回転および上記ポンプ作用によって、外気の入れ替えが可能であるが、第2通路17を設けるほうがモータ1の冷却効果は高くなる。
したがって、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態以上にモータ1の温度上昇を抑制できるので、モータ1のコイル13を形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧もなく、モータ1の損傷を回避して、電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なう事態を防止することが可能となる。
なお、ファンFの設ける位置であるが、電磁緩衝器の伸縮動作を妨げない限りにおいては、たとえば、螺子軸3の図2中下端に設けるとしたり、モータ1のシャフト1aの図2中上端に設けるとしてもよく、第2通路17を設ける限りにおいては、ファンFを本実施の形態と逆向きに設けて、すなわち、電磁緩衝器が伸長するときに空間A内から通路10,10を介して外気を流出させ、電磁緩衝器が収縮するときに空間A内に通路10,10を介して外気を吸引するとしてもよい。なお、第2通路17を設けないのであれば、ファンFは本実施の形態ように設定される。
また、上記したところでは、電磁緩衝器を特に車両に適用した場合について説明したが、通常緩衝器が使用される部位にこの電磁緩衝器を使用可能なことは無論である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
第1の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。 第2の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。
符号の説明
1 モータ
1a シャフト
2 外筒
3 螺子軸
3a 螺子溝
4 螺子ナットたるボール螺子ナット
5 内筒
10 通路
17 第2通路
F ファン

Claims (4)

  1. 有底筒状の外筒と、外筒内に挿入される有底筒状の内筒と、内筒内に設けた螺子ナットと、螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、外筒内に設けられ螺子軸に連結されるモータとを備え、モータの電磁力で内筒と外筒の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する通路を設けたことを特徴とする電磁緩衝器。
  2. 有底筒状の外筒と、外筒内に挿入される有底筒状の内筒と、内筒内に設けた螺子ナットと、螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、外筒内に設けられ螺子軸に連結されるモータとを備え、モータの電磁力で内筒と外筒の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する通路を設けるとともに、モータのシャフトもしくは螺子軸にファンを設けたことを特徴とする電磁緩衝器。
  3. モータが外筒内であって底部近傍に設置されるとともに、上記通路が外筒のモータ設置箇所より底部側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁緩衝器。
  4. 内筒内と外筒内で作られる空間と外部とを連通する第2通路を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の電磁緩衝器。
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