JP4223422B2 - 電磁緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、モータが発生する電磁力を螺子軸と螺子ナットとの相対移動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器の改良に関する。
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして油圧緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。この油圧緩衝器は、高減衰力が得られる点で有利であるが反面、油が必要であり、この油の漏れを防止するシール機構や複雑なバルブ機構を必要とする。
そこで、最近油、エアや電源等を必要としない新しい電磁緩衝器が研究され、提案されている(特許文献1参照、非特許文献1参照)。
この電磁緩衝器の基本構造は、ボール螺子ナットに回転自在に螺合した螺子軸と、螺子軸の一端に連結され電極を短絡したモータと、で構成され、螺子軸に対しボール螺子ナットが軸方向に移動すると、螺子軸とモータのシャフトが回転し、このシャフトの回転により発生する誘導起電力によってシャフト及び螺子軸の回転方向と逆向きのトルクを上記ボール螺子ナットの直線運動を抑制する減衰力として利用するものである。
特開2003−227543号公報(段落番号0023,図1) 末松、須田,「自動車における電磁サスペンションの研究」,社団法人自動車技術会,学術講演会前刷集,2000年,No4−00
しかし、上述した従来の電磁緩衝器は、油や電源等を必要としない点で非常に有用であるが、以下の問題点がある。
上述の通り、電磁緩衝器は、減衰力を得るためにモータを使用するが、モータはロータが回転することにより、ロータ側もしくはステータ側に設けたコイル自体が発熱する。
そして、このコイルの発熱によるモータの温度上昇が激しい場合には、モータのコイルを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧がある。
また、上述の通りモータは電磁緩衝器の減衰力を発生する必要不可欠な部品であるから、モータの損傷は、即ち電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なうこととなる。
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、電磁緩衝器のモータが自己発生する熱により損傷することを防止することである。
上記した目的を達成するため、第1の課題解決手段における電磁緩衝器は、螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、螺子軸もしくは螺子ナットの回転運動により回転するロータを有するモータとを備え、当該モータの電磁力で上記螺子軸もしくは螺子ナットの回転運動を抑制することにより螺子ナットと螺子軸の軸方向の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、モータ冷却用のジャケットと、ジャケットへ流体を供給するポンプと、流体を冷却する流体冷却手段と、螺子ナットと螺子軸の軸方向の相対移動で空圧を発生する空圧発生手段と、を設け、空圧発生手段で発生した空圧で上記ポンプを駆動することを特徴とする。
さらに、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、空圧発生手段が、螺子軸側に連繋する第1部材と、螺子ナットに連繋する第2部材とを備え、第1部材と第2部材とで第1部材と第2部材との相対移動により膨縮する空間を隔成し、当該空間の膨縮動作により空圧を発生することを特徴とする。
また、第3の課題解決手段における電磁緩衝器は、第2の課題解決手段において、第1部材が内包された螺子軸に連繋する内筒もしくは外筒の一方であって、第2部材が内包された螺子ナットに連繋する内筒もしくは外筒の他方であって、外筒内に内筒を摺動自在に挿入して上記空間を隔成するとともに、外筒もしくは内筒に、空間からポンプへ空圧を供給する流路と空間内からポンプへ向う気体の流れのみを許容する第1逆止弁と外部から空間内へ向う気体の流れのみを許容する第2逆止弁とを設けたことを特徴とする。
各請求項の発明によれば、電磁緩衝器の収縮によりモータは冷却され、モータの温度上昇を抑制することができる。
また、モータの温度上昇を抑制できるので、モータ内のコイルを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧もない。
したがって、モータの損傷を回避できるので、電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なう事態を防止することが可能となる。
さらに、電磁緩衝器の伸縮動作により空圧を発生しポンプを駆動するので、外部電源を使用してポンプを駆動するのに比較して、経済的である。
請求項3の発明によれば、空圧発生手段が内包された螺子軸に連繋する内筒もしくは外筒の一方と内包された螺子ナットに連繋する内筒もしくは外筒の他方とで構成されているので、空圧を発生するだけでなく、この外筒と内筒で螺子軸と螺子ナットが覆われているので、螺子軸と螺子ナットが外部から干渉を受けることを防止できるとともに、螺子軸と螺子ナットとにそれぞれ上記ポンプ作用を呈する部材を別途設ける場合、たとえば、螺子軸の側方に螺子軸に連繋するシリンダを設け、螺子ナットの側方に螺子ナットに連繋するピストンを設けるような場合に比較して、電磁緩衝器をスリムにすることが可能となり、電磁緩衝器の適用箇所への搭載性が向上する。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。図2は、本発明の第2の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。図3は、本発明の第3の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。
第1の実施の形態における電磁緩衝器は、図1に示すように、有底筒状の第1部材たる外筒2と、外筒2内に摺動自在に挿入される有底筒状の第2部材たる内筒5と、内筒5内に設けた螺子ナットたるボール螺子ナット4と、ボール螺子ナット4内に回転自在に螺合される螺子軸3と、螺子軸3に連結されるモータ1と、モータ1の外周に設けたジャケットJと、ジャケットJに流体を供給するポンプたる流体圧ポンプ21と、流体を冷却するラジエター22と、外筒2と内筒5で隔成される空間Aと、外筒2に設けた第1逆止弁11および第2逆止弁10とで構成され、この電磁緩衝器が伸縮する時のボール螺子ナット4の直線運動を螺子軸3の回転運動に変換し、上記回転運動をモータ1のシャフト1aに伝達して当該モータ1に電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記シャフト1aの回転に抗するトルクを上記螺子軸3の回転運動を抑制することによるボール螺子ナット4の直線運動を抑制する減衰力として利用し、ボール螺子ナット4と螺子軸3との軸方向の相対移動を抑制することが出来るものである。
以下、詳細な構造について説明する。外筒2は、有底筒状であって、その側部には、外筒2内から外筒2外へ向う気体の流れのみを許容する第1逆止弁11と、外筒2外から外筒2内へ向う気体の流れのみを許容する第2逆止弁10とが設けられ、その底部の軸心部、すなわち、図1中上端部の軸心部には、孔2aが設けられ、この孔2aには螺子軸3が挿通され、そして、螺子軸3は、外筒2の図1中上端近傍の内周に設けたボールベアリング8内に嵌合しており、これにより、螺子軸3は外筒2に対して円周方向への回転のみが許容されている。したがって、外筒2は、内包された螺子軸3に連繋されている。
さらに、外筒2の内周には、有底筒状の内筒5が摺動自在に挿入され、同時に外筒2に設けられた螺子軸3は、内筒5の図1中上端部内周に嵌着等されて設けたボール螺子ナット4内に回転自在に螺合される。したがって、内筒5は、内包されたボール螺子ナット4に連繋されている。ここで、螺子軸3とボール螺子ナット4とについて少し説明すると、螺子軸3には、その外周に螺子溝3aが設けられるとともに、図1中下端には、円筒状のクッション部材15が固定されている。他方、ボール螺子ナット4の構造は特に図示しないが、たとえば、ボール螺子ナット4の内周には、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aに符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナット4の内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸3を前記ボール螺子ナット4に螺合された場合に、螺子軸3の螺旋状の螺子溝3aにボール螺子ナット4のボールが嵌合し、螺子軸3の回転運動に伴いボール自体も螺子軸3の螺子溝3aとの摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能である。
上述のように、ボール螺子ナット4には螺子軸3が螺子溝3aに沿って回転自在に螺合され、ボール螺子ナット4が螺子軸3に対し図1中上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット4は内筒5により回転運動が規制されているので、螺子軸3は強制的に回転駆動される。すなわち、上記機構によりボール螺子ナット4の直線運動が螺子軸3の回転運動に変換されることとなる。また、ボール螺子ナット4が図1中下方に移動して電磁緩衝器が最伸びきり状態となったときには、螺子軸3の図1中下端に設けたクッション部材15がボール螺子ナット4の図1中下端に当接して、螺子軸3がボール螺子ナット4から抜けてしまうことが防止されるとともに、最伸びきり時の衝撃を緩和するとともに、最圧縮時には、螺子軸3と内筒5とが干渉することが防止され最圧縮時の衝撃を緩和する。
なお、上記内筒5は外筒2内に摺動自在に挿入されているので、これにより内筒5およびボール螺子ナット4に対する螺子軸3の軸ぶれが防止されており、これにより、ボール螺子ナット4の一部のボール(図示せず)に集中して荷重がかかることを防止でき、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aが損傷する事態を避けることが可能である。また、ボールもしくは螺子軸3の螺子溝3aの損傷を防止できるので、螺子軸3とボール螺子ナット4の回転若しくは電磁緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さを保つことができ、上記各動作の円滑を保てるので、電磁緩衝器として機能も損なわれず、ひいては、電磁緩衝器の故障を防止できる。なお、外筒2と内筒5との間に別途軸受を設けてもよく、この場合には、同様の効果を得られるだけでなく、軸受を設けることにより、外筒2の下端部内周が内筒5の外周面をかじってしまい外筒2と内筒5との間のシール性が劣化してしまう危険を防止できる。
また、外筒2と内筒5とで空間Aが隔成されるとともに、外筒2の図1中下端内周に設けたシール部材Sにより、内筒5と外筒2との間はシールされている。したがって、外筒2に対し内筒5が図1中上下方向に移動すると、空間Aはそれにともなって膨張もしくは収縮する。そして、空間Aが膨張する場合には、第2逆止弁10を介して電磁緩衝器外部から気体が空間A内に取り込まれ、逆に空間Aが収縮する場合には、第1逆止弁11を介して空間Aから電磁緩衝器外部へ気体が排出される。なお、螺子軸3と外筒2との間にシールを設けて空間Aを密封し、第2逆止弁10のみから気体を取り込み第1逆止弁11のみにより気体を外部に排出するようにしてもよい。すなわち、上記外筒2と内筒5との相対移動により空間Aが膨縮して、空間A内に取り込まれた気体が圧縮されることとなる。したがって、本実施の形態においては、空圧発生手段は、外筒2と内筒5とで構成されており、空間Aの膨縮、いわゆるポンプ作用で空圧を発生することとなる。なお、上記第1逆止弁11および第2逆止弁10は外筒2に設けられているが、外筒2と内筒5との軸方向の相対移動の妨げとならない限りにおいて、内筒5側に設けられてもよく、また、第1逆止弁11もしくは第2逆止弁10のいずれか一方を内筒5側に設けるとしてもよい。
さらに、上述の第1逆止弁11は、空圧モータ20に管路30を介して接続されており、上記空間Aから排出される気体は管路30を通過し空圧モータ20に供給されるようになっている。空圧モータ20としては、公知の空圧モータを使用すればよいので、具体的には図示はしないが、たとえば、ベーンモータ、ピストンモータや歯車モータを使用すればよい。
そして、この空圧モータ20は、空圧モータ20の回転によって駆動する流体圧ポンプ21に接続されている。この流体圧ポンプ21も公知の流体圧ポンプを使用すればよいので、具体的には図示はしないが、たとえば、回転ポンプや往復ポンプ等の種々のポンプが使用可能である。
さらに、この流体圧ポンプ21の排出口は、管路31を介して流体冷却手段たるラジエター22に接続され、このラジエター22は管路32を介してモータ1の外周を覆うように設けたジャケットJに接続され、そしてさらにジャケットJは管路33を介して流体圧ポンプ21の吸入口に接続されている。また、管路33の途中には、管路31,32,33内の流体の逆流防止のために逆止弁23が設けられている。したがって、流体圧ポンプ21、ラジエター22およびジャケットJ内に充填される流体は、流体圧ポンプ21の排出口から送り出されると、ラジエター22およびジャケットJを通過し流体圧ポンプ21の吸入口に戻ってくるようになっており、流体は流体圧ポンプ21が駆動されるとラジエター22とジャケットJとを循環できるようになっている。ここで、流体としては、水等を使用すればよく、モータ1を冷却できる限り何を使用しても差し支えない。なお、ラジエター22については、特に図示はしないが公知のものを使用するとすればよい。
つづいて、モータ1について説明する。モータ1は、シャフト1aが螺子軸3の図1中上端に連結されて設けられており、螺子軸3が回転すると、シャフト1aも回転し、このシャフト1aの回転により電磁力を発生できるようになっている。そして、モータ1は、具体的には、ブラシレスモータを例に取ると、中空なフレームと、フレーム内にフレーム内周に嵌合するボールベアリングを介して回転自在に挿入したシャフト1aと、同じくフレーム内周に取付けられるコアに巻装したコイルと、シャフト1aに取付けられる複数の磁石とで構成され、磁石はコイルおよびコアに対向するように設けられている。すなわち、シャフトがフレームに対して回転運動を呈すると、磁石も回転するので、コイルが上記磁石の発生する磁界を横切ることにより誘導起電力を発生する。そして、モータ1の上記各電極は、制御回路等(図示せず)に接続されるか、短絡されて閉回路とされ、電磁力に起因するシャフト1aの回転に抗するトルクを発生するようにしておくことにより、所望の減衰力を得られるよう調整される。さらに、モータ1に電流供給を積極的に電流供給を行う場合には、モータ1の電磁力に起因するトルクを調整することができるとともに、アクチュエータとしても使用可能である。
したがって、上述したところによれば、この場合、モータ1のロータは、シャフト1aおよび磁石により構成され、モータ1のステータは、コアおよびコイルにより構成されているが、コイルをシャフト1aに、磁石をフレーム内に取付けるとしても良い。この場合には、ロータは、シャフト1aとコイルとで構成され、ステータは磁石で構成されることとなる。また、上述したところでは、モータ1をブラシレスモータとした場合を例として説明したが、電磁力発生源として使用可能であれば、様々なモータ、たとえば直流モータや交流モータ、誘導モータ等が使用可能である。
なお、ブラシレスモータの場合には、回転子の位置検出手段としてホール素子、磁気センサや光センサ等が搭載されているが、単に電磁力に起因するトルクを発生させる限りにおいては上記位置検出手段を設ける必要はない。ただし、位置検出手段を設けることにより、回転子の回転運動の状況(回転角や角速度等)を把握することができるのでモータの制御に便利である。たとえば、ホール素子を例に取れば、外部電源から当該素子に通電しておくことが必要であるが、通電する為の電線を当該素子に接続して電流を供給するとすれば良く、また、外部電源を用いずとも、シャフト1aの回転により発電されるので、この誘導起電力によって発生される電流をホール素子に供給するか、一端外部のバッテリに蓄電しておいて、このバッテリから電流を供給するとしてもよい。
さて、以上のように本発明の電磁緩衝器は構成されるが、以下その作用について説明する。電磁緩衝器に伸縮する、すなわち、外筒2に対し内筒5が図1中上方もしくは下方に移動すると、この内筒5に連結されているボール螺子ナット4の下方への直線運動はボール螺子ナット4と螺子軸3のボール螺子機構により、螺子軸3の回転運動に変換される。
すると、上記螺子軸3の回転運動は、モータ1のシャフト1aに伝達される。 そして、モータ1のシャフト1aが回転運動を呈すると、モータ1内のコイルが磁石の磁界を横ぎることとなり、誘導起電力が発生し、上述の通りモータ1の各電極を短絡等してあり、モータ1の電磁力に起因するシャフト1aの回転に抗するトルクを発生するようにコイルに電流が流れるようにしてあるため、上記シャフト1aの回転に抗するトルクがシャフト1aの回転運動を抑制することとなる。
このシャフト1aの回転運動を抑制する作用は、上記螺子軸3の回転運動を抑制することとなり、螺子軸3の回転運動が抑制されるのでボール螺子ナット4の直線運動を抑制するように働く。
したがって、上記モータ1の電磁力に起因する上記シャフト1aに抗するトルクは、ボール螺子ナット4の直線運動を抑制するので、外筒2に対する内筒5の直線運動を抑制する減衰力として作用し、振動エネルギを吸収緩和する。
また、電磁緩衝器の伸長により、外筒2から内筒5が退出するから空間Aは膨張する。すると、空間Aには、第2逆止弁10を介して外部の気体が流入する。逆に、電磁緩衝器に収縮により、外筒2内に内筒5が侵入するから空間Aは収縮し、電磁緩衝器の伸長により空間A内に取り込まれた気体は、空間Aから第1逆止弁11を介して排出される。すると、この排出される圧縮された気体は、空圧モータ20に導かれ、空圧モータ20を駆動する。そして、この空圧モータ20の駆動により流体圧ポンプ21が吸入口から流体を吸入し、排出口から流体を押し出していく。そして、流体圧ポンプ21により押し出された流体は、ラジエター22により冷却されジャケットJ内へ移動し、ジャケットJを通過中にモータ1の発生する熱を奪いつつ、最終的には、流体圧ポンプ21の排出口へ戻り、この流体の循環によりモータ1は冷却される。
したがって、電磁緩衝器の収縮によりモータ1は冷却され、モータ1の温度上昇を抑制することができる。
また、モータ1の温度上昇を抑制できるので、モータ1内のコイルを形成する導線の絶縁被膜の化学変化等により絶縁性が劣化し、その結果漏電等を生じ、モータ自体が損傷する危惧もない。
したがって、モータ1の損傷を回避できるので、電磁緩衝器の緩衝器としての機能を損なう事態を防止することが可能となる。
さらに、上記のように、電磁緩衝器の伸縮動作により空圧を発生し流体圧ポンプを駆動するので、外部電源を使用して流体圧ポンプを駆動するのに比較して、経済的である。
また、空圧発生手段が螺子軸3を回転自在に保持する外筒2とボール螺子ナット4を保持する内筒5とで構成されているので、空圧を発生するだけでなく、この外筒2と内筒5で螺子軸3とボール螺子ナット4が覆われているので、螺子軸3とボール螺子ナット4が外部から干渉を受けることを防止できるとともに、螺子軸3とボール螺子ナット4とにそれぞれ上記ポンプ作用を呈する部材を別途設ける場合、たとえば、螺子軸3の側方に螺子軸3に連繋するシリンダを設け、ボール螺子ナット4の側方にボール螺子ナット4に連繋するピストンを設けるような場合に比較して、電磁緩衝器をスリムにすることが可能となり、電磁緩衝器の適用箇所への搭載性が向上する。
なお、本実施の形態においては、電磁緩衝器の伸縮により発生する空圧を空圧モータ20に導くとしているが、空圧モータ21を廃して、流体圧ポンプをシリンダとピストンとで構成して、空圧をピストンのシリンダに対する軸方向の移動に利用するとしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、モータ1が外筒2の外部に設けてあるが、外筒2内にモータ1を設けるとともに、モータ1が設置される箇所に対応するように外筒2外周にジャケットを設けるか、ジャケットを外筒2の筒部に内設しても、モータ1を冷却することができるので、そのように構成してもよい。
つづいて、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部材については、同一の符号を付するのみとして、その説明を省略することとし、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明することとする。第2の実施の形態における電磁緩衝器と第1の実施の形態における電磁緩衝器との異なる部分は、図2に示すように、第1の実施の形態では螺子軸3側に外筒2が連繋し、ボール螺子ナット4側に内筒5が連繋していたが、第2の実施の形態では螺子軸3側に第1部材たる内筒50が連繋し、ボール螺子ナット4側に外筒51が連繋している点である。
以下、異なる点について、詳しく説明すると、螺子軸3が回転自在に保持される第1部材たる内筒50は、第2部材たる外筒51内に軸受52,53を介して摺動自在に挿入され、また、内筒50には、第1逆止弁11および第2逆止弁10が設けられている。外筒51は、二重筒状に形成され、内側の筒51aの図2中上端にはボール螺子ナット4が取付けられている。そして、外側の筒51bと内側の筒51aとの間に内筒50が挿入されるようになっており、外側の筒51bの内周側には、シール部材Sが設けられ、これにより内筒50と外筒51との間がシールされている。
したがって、第2の実施の形態では、内筒50は螺子軸3に連繋しており、外筒51はボール螺子ナット4に連繋しており、外筒51はボール螺子ナットとともに軸方向に、螺子軸3に連繋する内筒50に対し移動することが可能なようになっている。さらに、外筒51の外周、すなわち、外側の筒51bの外周には、懸架バネ55の下端を支承する下方懸架バネ受け54が設けられている。この第2の実施の形態においては、懸架バネ受け54を設けても、内筒50と外筒51との軸方向の相対移動を妨げることはないので、車両に適用するのに便利となる。したがって、第1の実施の形態における電磁緩衝器に比較して、車両への搭載性が向上することとなる。
そして、第2の実施の形態における電磁緩衝器にあっても、第1の実施の形態と同様に、内筒50と外筒51とで空間Aが隔成されており、電磁緩衝器の伸縮により、空間Aが膨縮するので、これにより、空圧を発生することができ、流体圧ポンプ21を駆動することができ、モータ1を冷却することができる。すなわち、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
最後に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態における電磁緩衝器は、螺子軸3と、ボール螺子ナット4と、螺子軸3に連繋する第1部材たる外筒61と、ボール螺子ナット4に連繋する第2部材たる内筒62と、ボール螺子ナット4をシャフトとして、かつ、内筒62をフレームとして利用したモータ70と、内筒62のモータ70が形成されている筒部に内設されたジャケットJと、ジャケットJに流体を供給するポンプたる流体圧ポンプ21と、流体を冷却するラジエター22と、外筒61と内筒62で隔成される空間Aと、外筒61に設けた第1逆止弁11および第2逆止弁10とで構成され、この電磁緩衝器が伸縮する時の螺子軸3の直線運動をボール螺子ナット4の回転運動に変換し、当該モータ70に電磁力を発生させ、この電磁力に起因し上記ボール螺子ナット4の回転に抗するトルクを上記螺子軸3の直線運動を抑制する減衰力として利用し、ボール螺子ナット4と螺子軸3との軸方向の相対移動を抑制することが出来るものとなっている。
以下、詳しく説明するが、第1の実施の形態と同様の部材については、詳しい説明を省略することとする。外筒61は、有底筒状であって、その底部、すなわち、図3中上端部には、螺子軸3が固定されて連結されており、また、その側部には、第1逆止弁11と第2逆止弁10とが設けられている。他方、内筒62も、有底筒状であって、その図3中上端近傍の内周側には、ボールベアリング63,64を介してボール螺子ナット4が回転自在に嵌着されている。そして、このボール螺子ナット4の外周には、磁石71,71が取付けられているとともに、内筒62内周には、上記磁石71,71に対向するようにコア72およびコア72に巻装されたコイル73が取付けられてモータ70が形成されている。したがって、本実施の形態においては、モータ70のロータは、ボール螺子ナット4および磁石71,71で構成され、モータ70のステータは、コア72およびコイル73で構成され、さらに、モータ70のフレームは、内筒62ということになる。さらに、内筒62の筒部であってコイル73が取付けられている箇所には、ジャケットJを構成する通路68が内設されており、このジャケットJは、管路33を介して流体圧ポンプ21の吸入口へ接続されるとともに、管路32を介して流体圧ポンプ21の排出口へ接続されている。
また、上記内筒62は、外筒61内に摺動自在に挿入されるとともに、螺子軸3は、ボール螺子ナット4内に回転自在に螺合されている。なお、本実施の形態にあっても、内筒62と外筒61との間は、外筒61内周側に設けたシール部材Sによってシールされており、これにより内筒62と外筒61とで隔成される空間Aは、密封状態下に保持されている。
さて、上述のように構成された電磁緩衝器にあっては、外筒61に対して内筒62が図3中上下方向に移動すると、この外筒61に連結された螺子軸3も上下方向の直線運動をする。そして、この螺子軸3の直線運動は、ボール螺子ナット4と螺子軸3のボール螺子機構により、ボール螺子ナット4の回転運動に変換される。
ボール螺子ナット4の回転運動を呈すると、ボール螺子ナット4に取付けられた磁石71,71は、内筒62に取付けられたコイル73に対し回転する。すると、モータ70内のコイル73が磁石71,71の磁界を横ぎることとなり、コイル73には誘導起電力が発生し、モータ70は、上記誘導起電力に起因するボール螺子ナット4の回転に抗するトルクを発生し、このボール螺子ナット4の回転に抗するトルクがボール螺子ナット4の回転運動を抑制することとなる。
このボール螺子ナット4の回転運動を抑制する作用は、螺子軸3の上下方向の直線運動を抑制するように働くので、螺子軸3の直線運動を抑制する減衰力として作用し、振動エネルギを吸収緩和し、一連の動作により、電磁緩衝器としての機能を発揮することができる。
そして、この場合にあっても、外筒61と内筒62とで隔成される空間Aが膨縮するので、これにより、空圧を発生することができ、流体圧ポンプ21を駆動することができ、モータ70を冷却することができる。すなわち、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の第1の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。 本発明の第3の実施の形態における電磁緩衝器の縦断面図である。
符号の説明
1,70 モータ
1a シャフト
2,61 第1部材たる外筒
3 螺子軸
3a 螺子溝
4 螺子ナットたるボール螺子ナット
5,62 第2部材たる内筒
10 第2逆止弁
11 第1逆止弁
20 空圧モータ
21 流体圧ポンプ
22 流体冷却手段たるラジエター
50 第1部材たる内筒
51 第2部材たる外筒
A 空間
G 逆止弁
J ジャケット

Claims (3)

  1. 螺子ナット内に回転自在に螺合される螺子軸と、螺子軸もしくは螺子ナットの回転運動により回転するロータを有するモータとを備え、当該モータの電磁力で螺子ナットと螺子軸の軸方向の相対移動を抑制する電磁緩衝器において、モータ冷却用のジャケットと、ジャケットへ流体を供給するポンプと、流体を冷却する流体冷却手段と、螺子ナットと螺子軸の軸方向の相対移動で空圧を発生する空圧発生手段と、を設け、空圧発生手段で発生した空圧で上記ポンプを駆動することを特徴とする電磁緩衝器。
  2. 空圧発生手段が、螺子軸側に連繋する第1部材と、螺子ナットに連繋する第2部材とを備え、第1部材と第2部材とで第1部材と第2部材との相対移動により膨縮する空間を隔成し、当該空間の膨縮動作により空圧を発生することを特徴とする請求項1に記載の電磁緩衝器。
  3. 第1部材が内包された螺子軸に連繋する内筒もしくは外筒の一方であって、第2部材が内包された螺子ナットに連繋する内筒もしくは外筒の他方であって、外筒内に内筒を摺動自在に挿入して上記空間を隔成するとともに、外筒もしくは内筒に、空間からポンプへ空圧を供給する流路と空間内からポンプへ向う気体の流れのみを許容する第1逆止弁と外部から空間内へ向う気体の流れのみを許容する第2逆止弁とを設けたことを特徴とする請求項2に記載の電磁緩衝器。
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