JP2004011825A - 電磁緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロッド部5とボール螺子ナット7とを有する軸力伝達体Jと、ボール螺子ナット7内に回転自在に螺合した螺子軸8と、モータ9と、上記軸力伝達体Jを支持する支持体6とを有してなり、軸力伝達体Jの直線運動をボール螺子ナット7を介して螺子軸8の回転運動に変換し、この回転運動を動力伝達手段を介してモータ9のシャフト9aに伝達して当該モータ9に電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記シャフト9aの回転に抗するトルクを軸力伝達体Jの直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記支持体6に上記軸力伝達体Jのロッド部7に摺接する第1の摺接体2を設け、さらに上記軸力伝達体Jのロッド部7に上記支持体6に摺接する第2の摺接体1を設けた
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール螺子ナットに螺子軸を回転自在に螺入することにより、軸力伝達体の直線運動を螺子軸を介してモータの回転運動に変換する機構を有し、モータのシャフトの回転運動に起因する電磁力で減衰力を発生する電磁緩衝器に関し、特に軸力伝達体の直線運動を軸芯に沿って正確に案内する摺接体を設けた電磁緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両の車体と車軸との間に懸架バネと並列にして油圧緩衝器を介在させたサスペンションが知られており、このサスペンションは車体を懸架するとともに路面からの振動等の入力を減衰して車両の乗り心地と操縦性を向上させ、或いは車体の変位を抑制して車高を一定に保持している。
【0003】
他方、サスペンションの一部に油圧緩衝器等と併設した電磁緩衝器を組み込み、車体変化時にモータに電流を流して電磁力を発生し、この電磁力を車体変化を抑制する減衰力として利用する車両用のサスペンションも、たとえば、特開平5−44758号公報に開示されているように公知である。
【0004】
しかしながら、上記の油圧緩衝器を利用したサスペンションでは、高減衰力が得られる反面油が必要であり、この油の漏れを防止するシール機構や複雑なバルブ機構を必要とする。
【0005】
同様に電磁緩衝器を使用したサスペンションでは、電源、コントローラ等を必要とし、構造が複雑化し、コスト的にも不利である。
【0006】
そこで、最近油、エアや電源等を必要としない新しい電磁緩衝器が研究され、その論文も公表されている。
【0007】
この電磁緩衝器の基本構造は、たとえば、図3のモデルに示すように、ボール螺子ナット7と、当該ボール螺子ナット7を保持するフランジ34と、アイ型ブラケット38が固着されたフランジ37と、上記各フランジ34、37を連結するガイドロッド36と、ボール螺子ナット7内に回転自在に螺合した螺子軸8と、螺子軸8の上端にカップリング43とシャフト9aを介して結合したモータ9とで構成したものである。
【0008】
そして、この電磁緩衝器を、たとえば、車体と車軸との間に介在させてサスペンションとして利用する場合、電磁緩衝器の上端をモータ9の上に設けられたフランジ28に固着されたブラケット40を介して車体側に結合し、電磁緩衝器下端を上記アイ型ブラケット38を介して車軸側に結合させる。
【0009】
この場合、モータ9は、下端をフランジ30及び連結ロッド31を介してフランジ32に結合し、上記フランジ32の内周にはボール軸受14を固定し、そのボール軸受14内に螺子軸8の上部を回転自在に挿入させている。
【0010】
さらに、フランジ32は、フランジ35に連結ロッド33により連結され、フランジ35に設けられた孔の中には上記ガイドロッド36が摺動可能に挿入されおり、ボール螺子ナット7の直線運動のみが許容されるようになっている。
【0011】
この電磁緩衝器を利用するサスペンションの構想によれば、たとえば、路面からの振動入力でボール螺子ナット7が矢印a方向に直線運動すると、ボール螺子ナット7内の螺子軸8は、ボール螺子ナット7内のボールと螺子軸8の外周の螺子溝8aに案内されて回転運動に変換される。
【0012】
このため、螺子軸8の回転運動が、螺子軸8の上端に取り付けられたカップリング41を介してシャフト9aの矢印b方向の回転運動として伝達され、これによりモータ9に誘導起電力が発生し、特には図示しないがモータ9の各電極を電源を介さずに短絡するか所望の電磁力を得られるように制御回路に接続しておけば、モータ9内のソレノイドに上記誘導起電力に起因する電流が流れ、モータ9は電磁力を発生する。
【0013】
そして、この時、上記シャフト9aの回転方向とは逆方向に電磁力が発生するようにモータ9の各電極を短絡又は制御回路に接続しておけば、この電磁力に起因してシャフトの回転に抗するトルクが発生し、モータ9のシャフト9aの回転を抑制することとなる。
【0014】
すると、シャフト9aの回転を抑制することは、上記螺子軸8の回転を抑制することであるから、上記トルクはボール螺子ナット7の直線運動を抑制する減衰力として作用する。
【0015】
すなわち、上記の作用は、ボール螺子ナット7がアイ型ブラケット38に連結されているので、電磁緩衝器の伸縮運動を抑制する減衰力として作用することとなる。
【0016】
ここで、ボール螺子ナット7について着目すると、図3に示すように、ボール螺子ナット7には、小径のボール7aが多数配在されており、このボール7aが螺子軸8の螺旋状の溝8aに符合することにより、一対の螺子を形成しており、螺子軸8はボール螺子ナット7に対して、回転自在に螺入される。
【0017】
このため、ボール螺子ナット7が軸方向に直線運動するとボール7aが溝8aに沿って移動することから螺子軸8に強制的に回転力が付与され、螺子軸8が回転する。
【0018】
したがって、螺子軸8とボール螺子ナット7の上記動作がスムーズであるから、電磁緩衝器に必要な直線運動を回転運動に変換する機構としては、有用なものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
さて、この電磁緩衝器を、実際に車両に適用する際には、電磁緩衝器は通常車両ボディと車両との間に配在されるが、以下のいろいろな問題点がある。
【0020】
すなわち、車両走行時に車両の旋回、路面の凹凸等により電磁緩衝器に働く力は、突き上げ入力や振動等のボール螺子ナットに対する軸方向の力のみではなく、横方向からの力を受ける場合がある。
【0021】
この横方向からの力は、フランジ35が担持するが、このフランジ35とガイドロッド36、フランジ35と螺子軸8との間には加工上どうしても若干の隙間ができ、この隙間に起因する遊びで、上記の横方向の力を完全に支えきれない場合がある。
【0022】
同様に、ボール螺子ナット7と螺子軸8との間にも加工上発生する隙間による遊びがあり、両者の間にガタが発生する場合がある。
【0023】
このため、横方向から大きい力を受けた場合、図5に示すように中空ロッド5が傾いで螺子軸8の中心軸cとボール螺子ナット7の中心軸dがずれる可能性がある。
【0024】
なぜならば、電磁緩衝器にあっては、ボール螺子ナット7はガイドロッド36の上端部に嵌め込まれているから、ガイドロッド36下端部に設けられたアイ38からの横方向の力を受けるとガイドロッド36に連結されているボール螺子ナット7には、ボール螺子ナット7と螺子軸8の組み合わさっている部分を中心として回転モーメントが負荷されることとなり、図4に示すように、必然的に上記中心軸がずれてしまうこととなる。
【0025】
そして、この中心軸のずれは、ボール螺子ナット7が上述のとおり多数のボール7aを介して螺子軸8に取付けられているに過ぎないから、ボール螺子ナット7の一部のボール7b、7cに集中して荷重がかかることとなり、ボール7b、7c若しくは螺子軸8のねじ山が損傷する事態を生じさせることとなる。
【0026】
すると、上述したボール7b、7c若しくは螺子軸8のねじ山が損傷することにより、螺子軸8とボール螺子ナット7の回転若しくは緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さが失われ、電磁緩衝器として機能が損なわれ、ひいては、電磁緩衝器の故障の原因となる危惧がある。
【0027】
そこで、本発明は、上記の不具合を勘案して創案されたものであって、その目的とするところは、電磁緩衝器に負荷される横方向の力による螺子軸及びボール螺子ナットの各中心軸のずれを防止し、螺子軸及びボール螺子ナットの損傷を防ぎ、ひいては電磁緩衝器の故障を防止する事である。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の電磁緩衝器は、複数本のロッド体または中空ロッドからなるロッド部とロッド部の端部に設けたボール螺子ナットとを有する軸力伝達体と、上記ボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸と、上記螺子軸に動力伝達手段を介して結合したモータと、上記軸力伝達体を支持する支持体とを有してなり、軸力伝達体の直線運動をボール螺子ナットを介して螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動を動力伝達手段を介してモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記シャフトの回転に抗するトルクを軸力伝達体の直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記支持体に上記軸力伝達体のロッド部の自由端側に摺接する第1の摺接体を設け、さらに上記軸力伝達体のロッド部に上記支持体の固定端側に摺接する第2の摺接体を設けたことを特徴とする。
【0029】
また、より具体的には、上記軸力伝達体が中空ロッドと中空ロッドの端部に設けたボール螺子ナットとからなり、上記支持体が軸力伝達体を覆う外筒からなることを特徴とする。
【0030】
さらに、第1、第2の摺接体が、中空ロッドと外筒にそれぞれ設けたガイドとロッドガイド、またはこれらのガイドとロッドガイドと、ガイドとロッドガイドに設けたブッシュとで構成されることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。
【0032】
本発明には、図1に示す第1の実施の形態と図3に示す第2の実施の形態がある。
【0033】
本発明にかかる第1の実施の形態における電磁緩衝器の基本形態は、軸力伝達体Jと、螺子軸8と、螺子軸8の上端に結合した動力伝達手段たるカップリング13と、上記カップリング13の他端にモータ9のシャフト9aを結合したモータ9と、モータブラケット11及びケース12と軸力伝達体Jを覆いながら上記ケース12に接合された支持体たる外筒6と、上記軸力伝達体Jと外筒6との間に設けられた第1の摺接体たるブッシュ2と、第2の摺接体たるブッシュ1とで構成されている。
【0034】
以下、さらに詳細な構造について説明する。
【0035】
軸力伝達体Jは、車軸側にアイ型ブラケット21を介して結合される中空ロッド5と中空ロッド5の上端部に結合されたボール螺子ナット7とで構成されている。
【0036】
中空ロッド5の上端外周にピストン型のガイド3が結合され、このガイド3は中空ロッド5の外周であって、後述する第1の摺接体たるブッシュ2より外筒6の固定端側であれば任意の位置に設けてもよい。
【0037】
同じくガイド3はボール螺子ナット7の上端に設けたブラケット4に結合してもよい。
【0038】
さらに、ガイド3の外周にはブッシュ1が設けられている。
【0039】
そして、上記ガイド3は、ブッシュ1を介して外筒6内に上下摺動自在に挿入され、同じく中空ロッド5は外筒6の下端に設けたロッドガイド23の内周に設けられた第1の摺接体たるブッシュ2と、ロッドガイド23の下端に設けた電磁緩衝器内に埃や雨水等の浸入を防ぐシールSを介して上下摺動自在に挿入され、中空ロッド5の下端はアイ型ブラケット21を介して車軸に結合されるようになっている。
【0040】
また、ブッシュ2は、上記ブッシュ1より中空ロッド5の自由端側であれば、任意の位置に設けてもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、上記ブッシュ1、2を第1、第2の摺接体としているが、ブッシュ1、2を設けずとも、上述のガイド3及びロッドガイド23だけでも摺接体としての機能をはたすことができる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、ボール螺子ナット7の取付の容易さ及び交換の容易さからボール螺子ナットブラケット4及びガイド3を介して、ボール螺子ナット7と中空ロッド5に取り付けているが、たとえば、ロールカシメ等の他に慣用されている手段によって、取り付けても良く、その場合には、直接ブッシュ1に直接中空ロッド5の上端部を圧入してもよい。
【0043】
また、ブッシュ1、2は、中空ロッド5と外筒6との摺動性を確保し、且つ、横方向からの力を受けた場合に、変形してボール螺子ナット7のボール(図示せず)に荷重がかかる事の無いような強度を有する材質であって、おおよそ緩衝器に使用される一般的なものでよい。
【0044】
したがって、たとえば、ボール螺子ナット7の保護の観点から、ブッシュ1を三層構造として、外周をフッ化エチレン樹脂層として、中間層に銅と錫の多孔質合金として、内周を鋼若しくは青銅とするものでよい。
【0045】
なお、本実施の形態では、外筒6は、磁力伝達手段J及び螺子軸8のみを覆っているが、モータ9も覆うようにしてもよい。
【0046】
そして、ボール螺子ナット7内には、螺子溝に沿って回転自在に装着され螺子軸8が回転自在に螺合されている。
【0047】
以上の構成より、外筒6を設けているから、路面からの飛び石や、雨水等が直接ボール螺子ナット7や螺子軸8に当たることを防止することができる。
【0048】
また、ここでは、ボール螺子ナット7の構造は特に図示しないが、たとえば、ボール螺子ナットの内周には、螺子軸の螺旋状の螺子溝に符合するように螺旋状のボール保持部が設けられており、前記保持部に多数のボールが配在されてなり、ボール螺子ナットの内部にはボールが循環可能なように前記螺旋状保持部の両端を連通する通路が設けられているものであって、螺子軸を前記ボール螺子ナットに螺入された場合に、螺子軸の螺旋状の螺子溝にボール螺子ナットのボールが嵌合し、螺子軸の回転運動に伴いボール自体も螺子軸の螺子溝との摩擦力により回転するので、ラックアンドピニオン等の機構に比べ滑らかな動作が可能である。
【0049】
上述のように、螺子軸8には、ボール螺子ナット7が螺子溝に沿って回転自在に装着され、ボール螺子ナット7が上下方向の直線運動をすると、ボール螺子ナット7のボールが上下方向に移動するが、この時、当該ボールは螺子軸8の螺旋状の螺子溝に沿って移動するから、螺子軸8は強制的に回転駆動される。
【0050】
すなわち、上記機構によりボール螺子ナット7の直線運動が螺子軸8の回転運動に変換されることになり、上記構成により中空ロッド5の直線運動が螺子軸8の回転運動に変換されることとなる。
【0051】
なお、中空ロッド5の直線運動を回転運動に変換する機構としては上記の機構が好ましいが、同様の効果がある機構であればボール螺子ナット7と螺子軸8の組み合わせによらなくても良い。
【0052】
また、螺子軸8の下端部にはゴム等からなる第1のクッション部材18が挿入され、この第1のクッション部材18はナット20で保持された支持板19で支持されている。
【0053】
したがって、ボール螺子ナット7が螺子軸8の下端たる最大下降位置までストロークした時、第1クッション部材18はボール螺子ナット7に対する急激な衝突による衝撃の発生を防止すると共に、それ以上のボール螺子ナット7の下降ストロークを規制するストッパとして利用される。
【0054】
同様に、外筒6の上方内周にはゴム等からなる第2クッション部材17が挿入されており、ボール螺子ナット7の最大上昇位置までストロークした時、第2クッション部材17はボール螺子ナット7に対する急激な衝突による衝撃の発生を防止すると共に、それ以上のボール螺子ナット7の上昇ストロークを規制するストッパとして利用される。
【0055】
さらに、外筒6の上端には中空のケース12の肉厚な基端部12aが結合されており、上記ケース12は、基端部12aと、基端部12aから起立する中空な本体12bとで構成されている。
【0056】
上記ケース12の基端部12a内には軸受保持部16を介してボール軸受14が挿入されており、このボール軸受14の内周に螺子軸8の上端部が回転自在に挿入され、螺子軸8はこのボール軸受14と上記ボール螺子ナット7とで回転自在に支持されているので、螺子軸8は、円滑に回転運動を呈することが可能である。
【0057】
つぎに、動力伝達手段について説明する。
【0058】
本実施の形態では、動力伝達手段にカップリング13を使用している。
【0059】
カップリング13は、上記ケース12内に回転自在に挿入されており、カップリング13の下端部は螺子軸8の上端に連結されており、螺子軸8と連動して螺子軸8の回転運動がカップリング13に伝達されるようになっている。
【0060】
なお、動力伝達手段は、カップリング13以外の他の慣用手段、たとえば、トーションバーや歯車機構等を使用しても良い。
【0061】
モータ9は、モータブラケット11及びキャップ10を介して電磁緩衝器本体Dに結合されており、さらに、上記カップリング5の他端にはモータ9のシャフト9aが連結されている。
【0062】
したがって、螺子軸8の回転運動は、上記カップリング13を介してモータ9のシャフト9aに伝達されることとなる。
【0063】
ここでは、電磁力発生源としてのモータ9は、特に図示しないが、たとえば直流モータを例に取ると、特に図示しないが、直流ブラシ付モータであれば、モータ9内に磁界発生用の複数の永久磁石とソレノイドと電機子とヨークと整流子とフレームとシャフトとから構成され、シャフトには電機子が設けられており、導電線を巻きつけソレノイドを形成して、シャフトの回転によりソレノイドが上記永久磁石の発生する磁界を横切ることにより誘導起電力を発生するものである。
【0064】
また、モータの種類としては、直流ブラシ付モータの他に、ブラシレスモータ、交流モータ、誘導モータ等のモータも使用可能である。
【0065】
そして、モータ9は、制御回路等(図示せず)に接続されるか、直接モータ9の各電極(図示せず)同士をつなぎ閉回路としておき、且つ、電磁力に起因するシャフト9aの回転に抗するトルクを発生するようにしておくことにより、モータ9に電磁力を発生するようにし、所望の減衰力を得られるよう調整しておく事が必要である。
【0066】
引き続いて、作用について説明する。
【0067】
車両の走行中に路面からの突き上げ入力、振動等の衝撃が中空ロッド5に作用すると、この中空ロッド5がブッシュ1、2を介して外筒6に沿って電磁緩衝器の伸縮方向に直線運動する。この直線運動はボール螺子ナット7と螺子軸8のボール螺子機構により、螺子軸8の回転運動に変換される。
【0068】
すると、上記螺子軸8の回転運動は、カップリング13を介してモータ9のシャフト9aに伝達される。
【0069】
モータ9のシャフト9aが回転運動を呈すると、モータ9内のソレノイドが磁石の磁界を横ぎることとなり、誘導起電力が発生し、上述の通りモータ9の各電極を短絡等しておき、且つ、モータ9の電磁力に起因するシャフト9aの回転に抗するトルクを発生するようにソレノイドに電流が流れる様にしてあるため、上記シャフト9aの回転に抗するトルクがシャフト9aの回転運動を抑制することとなる。
【0070】
このシャフト9aの回転運動を抑制する作用は、シャフト9aがカップリング13を介して螺子軸8に連結されているので、螺子軸8の回転運動を抑制するように働く。
【0071】
すると、上記モータ9の電磁力に起因する上記シャフト9aに抗するトルクは、螺子軸8の回転運動を抑制するので、中空ロッド5の外筒6に沿う電磁緩衝器の伸縮方向の直線運動を抑制する減衰力として作用し、路面からの衝撃エネルギを吸収緩和し、車両の乗り心地を向上し、操案性を向上させる。
【0072】
以上、一連の動作により、電磁緩衝器としての機能を発揮することができる。
【0073】
そして、車両走行時には、車両の旋回、路面の凹凸等により、アイ型ブラケット21を介して電磁緩衝器に軸力以外に電磁緩衝器に対し横方向の力が加わる場合がある。
【0074】
すると、アイ型ブラケット21に連結された中空ロッド5にも上記力が加わる。
【0075】
しかし、電磁緩衝器の螺子軸8はボール螺子ナット7螺入されているだけでなく、ブッシュ1、2が、図1に示すように中空ロッド5と外筒6の間に配在しており、中空ロッド5と外筒6とがブッシュ1、2を介して上下部2点で摺接されているので、中空ロッド5の中心軸と外筒6の中心軸とがずれることが無く、したがって、螺子軸8とボール螺子ナット7の中心軸がずれることがない。
【0076】
つまり、ボール螺子ナット7が偏心することなく軸線に沿う直線運動を達成することができる。
【0077】
あわせて、螺子軸8とボール螺子ナット7の各中心軸がずれないので、ボール螺子ナット7の一部のボールに集中して荷重がかかることを防止でき、ボール7a若しくは螺子軸8のねじ山が損傷する事態を避けることが可能である。
【0078】
すると、上述したボール7a若しくは螺子軸8のねじ山を損傷を防止できるので、螺子軸8とボール螺子ナット7の回転若しくは電磁緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さを保つことができ、電磁緩衝器として機能も損なわれず、ひいては、電磁緩衝器の故障を防止できることとなる。
【0079】
続いて、第2の実施の形態について説明する。図2は、第2の実施の形態における電磁緩衝器の側面断面図である。
【0080】
ここで、説明を簡略化するために、従来の電磁緩衝器と同様な部分は説明を省略し、同じ部材については同様の符合を付すこととする。
【0081】
本実施の形態における軸力伝達体Jは、ガイドロッド36とボール螺子ナット7とにより構成される。
【0082】
ガイドロッド36の上端には、第2に摺接体たるフランジ44が連結され、フランジ44は、ボール螺子ナット7を保持している。
【0083】
フランジ44に設けられた孔44a内には、支持体たる連結ロッド33が摺動自在に挿入されている。
【0084】
他方、ガイドロッド36の下方は、支持体たる連結ロッド33に連結された第1の摺接体たるフランジ35に摺動自在に挿入されている。
【0085】
上記の構成をとることにより、軸力伝達体は、上下方向に直線運動が可能であり、且つ、上記フランジ44と上記連結ロッド33及び上記フランジ35と上記ガイドロッド36の2点で摺接されているから、螺子軸8とボール螺子ナット7の中心軸がずれることがない。
【0086】
つまり、ボール螺子ナット7が偏心することなく軸線に沿う直線運動を達成することができる。
【0087】
すなわち、第1の実施の形態で説明した効果を奏し、かつ、電磁緩衝器として作用することができる。
【0088】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、支持体に軸力伝達体のロッド部に摺接する第1の摺接体を設け、さらに上記軸力伝達体のロッド部に上記支持体に摺接する第2の摺接体を設けたことから、以下の効果を奏する。
【0089】
(1)電磁緩衝器の螺子軸はボール螺子ナットに螺入されているだけでなく、支持体に上下部2点で軸力伝達体が摺接しているから、螺子軸とボール螺子ナットの中心軸のずれを防止できる。
(2)螺子軸とボール螺子ナットの各中心軸がずれないので、ボール螺子ナットの一部のボールに集中して荷重がかかることを防止でき、ボール若しくは螺子軸のねじ山が損傷する事態を避けることが可能である。
【0090】
(3)ボール若しくは螺子軸のねじ山を損傷を防止できるので、螺子軸とボール螺子ナットの回転若しくは電磁緩衝器の伸縮方向への移動の各動作の円滑さを保つことができる。
【0091】
(4)したがって、上記各動作の円滑を保てるので、電磁緩衝器としての機能も損なわれず、ひいては、電磁緩衝器の故障を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電磁緩衝器の側面断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における電磁管初期の側面断面図である。
【図3】従来の電磁緩衝器の側面断面図である。
【図4】ボール螺子ナットに螺子軸が螺入されている状態における側面断面図である。
【図5】軸力伝達体に横方向の力が負荷された状態におけるボール螺子ナットの側面断面図である。
【符号の説明】
1、2 ブッシュ
3 ガイド
4 ボール螺子ナットブラケット
5 中空ロッド
6 外筒
7 ボール螺子ナット
8 螺子軸
13 カップリング
23 ロッドガイド
33 連結ロッド
35、44 フランジ
36 ガイドロッド
J 軸力伝達体
c ボール螺子ナット中心軸
d 螺子軸中心軸
Claims (3)
- 複数本のロッド体または中空ロッドからなるロッド部とロッド部の端部に設けたボール螺子ナットとからなる軸力伝達体と、上記ボール螺子ナット内に回転自在に螺合した螺子軸と、上記螺子軸に動力伝達手段を介して結合したモータと、上記軸力伝達体を支持する支持体とを有してなり、軸力伝達体の直線運動をボール螺子ナットを介して螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動を動力伝達手段を介してモータのシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記シャフトの回転に抗するトルクを軸力伝達体の直線運動を抑制する減衰力として利用する電磁緩衝器において、上記支持体に上記軸力伝達体のロッド部に摺接する第1の摺接体を設け、さらに上記軸力伝達体のロッド部に上記支持体に摺接する第2の摺接体を設けたことを特徴とする電磁緩衝器。
- 上記軸力伝達体が中空ロッドと中空ロッドの端部に設けたボール螺子ナットとからなり、上記支持体が軸力伝達体を覆う外筒からなることを特徴とする請求項1に記載の電磁緩衝器。
- 第1、第2の摺接体が、中空ロッドと外筒にそれぞれ設けたガイドとロッドガイド、またはこれらのガイドとロッドガイドと、ガイドとロッドガイドに設けたブッシュとで構成されている請求項2に記載の電磁緩衝器。
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