JP2004011721A - 流体軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】焼結金属製の軸受スリーブ8の内周と軸部材2の外周との間でラジアル軸受隙間を形成し、軸部材2の回転時に、このラジアル軸受隙間に形成した油の動圧で軸部材2をラジアル方向で非接触に支持する。ハウジングは、軸受スリーブをインサート部品として樹脂で型成形する。この時の樹脂組成物としては、結晶化度が20%以上の結晶性のものを使用する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受隙間に形成した油膜で回転部材を非接触支持する流体軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器のモータ類、例えばHDD・FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM・DVD−ROM等の光ディスク装置、MD・MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
【0002】
【従来の技術】
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている.これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年ではこの種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受(特にその中でも動圧軸受)の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
【0003】
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組み込まれる動圧軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部とが設けられ、少なくともラジアル軸受部に、軸受面に動圧発生用の溝(動圧溝)を有する動圧軸受が用いられる。ラジアル軸受部の動圧溝は、軸受スリーブの内周面または軸部材の外周面のうち何れか一方に形成される。
【0004】
通常、軸受スリーブはハウジングの内周に圧入や接着等の手段で固定され、また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するために、ハウジングの開口部にシール部材を固定する場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、およびシール部材といった部品で構成されるが、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度をさらに高める必要がある。また、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
【0006】
このような要求に応えるべく、真ちゅう等の金属材で形成していたハウジングを、樹脂製のものに置き換えることが検討されている。このような樹脂製のハウジングの具体例としては、例えば、焼結金属製の軸受スリーブをインサート部品として、ハウジングを樹脂でインサート成形する方法が考えられており、これにより加工精度および組立精度の両面で優れ、かつ低コストな軸受装置の提供が可能となる。
【0007】
しかしながら、ハウジングを樹脂で形成するにしても、現状では、ハウジングに求められる機能を考慮した樹脂材料の選定は特に行われておらず、樹脂製ハウジングの実用化を図るためには、要求機能に適合した樹脂組成を確立することが急務となっている。
【0008】
そこで、本発明は、ハウジングに求められる種々の機能に適合した樹脂組成物の特性を特定することにより、安定した軸受性能を得ると共に、ハウジングの加工精度や組立精度を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成のため、本発明では、支持すべき軸部材の外周との間でラジアル軸受隙間を形成する焼結金属製の軸受スリーブと、内周に軸受スリーブを固定したハウジングとを備え、軸部材と軸受スリーブの相対回転時にラジアル軸受隙間に形成した油膜で軸部材と軸受スリーブとをラジアル方向で非接触に保持する流体軸受装置において、ハウジングを、結晶化度が20%以上の結晶性の樹脂組成物で形成した。
【0010】
20%以上の結晶化度を有する樹脂組成物でハウジングを形成すれば、ハウジングに潤滑流体としての油が吸い込まれにくくなる。従って、ハウジング内に供給された油の量を安定して維持することができ、長期間高い軸受性能を保持することができる。
【0011】
軸受スリーブの素材となる焼結金属は、多孔質の金属で、金属粉末を混合し、成形し、焼結して得られる。このような焼結金属は、内部に多数の気孔(内部組織としての気孔)を備えると共に、これら気孔が外表面に通じて形成される多数の開孔を備えている。上記金属粉末としては、例えば、銅、鉄、及びアルミニウムの中から選択される一種以上の粉末を原料とし、必要に応じて、すず、亜鉛、鉛、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末又はこれらの合金粉末を添加したものが考えられる。この焼結金属製の軸受スリーブは、予め油を含浸させた状態で使用される。
【0012】
上記樹脂組成物の吸水率は、0.5%以下とするのが望ましい。
【0013】
上記樹脂組成物の線膨張係数は、5×10−5/℃以下とするのが望ましい。
【0014】
上記樹脂組成物100重量部に対して、少なくとも補強材10〜80重量部を配合すれば、ハウジングの強度を高め、ハウジングの変形による動圧溝精度の低下等を回避することができる。
【0015】
さらに、軸部材をスラスト方向で支持するため、軸部材をスラスト軸受隙間に形成した油膜によってスラスト方向で非接触支持するか、もしくは、軸部材をハウジングの底部によってスラスト方向で接触支持することもできる。
【0016】
軸部材をハウジングの底部によってスラスト方向で接触支持する場合、接触部での摩擦力を低減させるため、上記結晶性樹脂組成物100重量部に対して、少なくとも固体潤滑剤5〜30重量部を配合するのが望ましい。
【0017】
上述した各ハウジングは、軸受スリーブをインサート部品として型成形することにより成形することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0019】
図1は、この実施形態にかかる流体軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。ステータ4はケーシング6の外周に取付けられ、ロータ5はディスクハブ3の内周に取付けられる。流体軸受装置1のハウジング7は、ケーシング6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータ5との間の励磁力でロータ5が回転し、それによってディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
【0020】
図1は、流体軸受装置の一例として、動圧発生用の溝(動圧溝)により軸受隙間に油の動圧を発生させて軸部材を支持する動圧軸受装置1を示すものである。
【0021】
この動圧軸受装置1は、一端を開口すると共に、他端を閉塞した有底筒状のハウジング7と、円筒状の軸受スリーブ8と、軸部材2とを主要な構成部品として構成される。なお、以下の説明では、ハウジング7の開口側(シール側)を上方とし、そのハウジング7の閉塞側を下方として説明を進める。
【0022】
軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材で形成される。軸部材2の軸端部(図示例では下端)は球面状に形成され、この軸端部2aをハウジングの底部7cで接触支持することにより、ピボット型のスラスト軸受部Tが構成される。図示例では、軸部材2の軸端部2aをハウジング底部7cの内側面7c1に直接接触させているが、ハウジング底部7cに適宜の材料(低摩擦性の材料等)からなるスラストプレートを配置し、これに軸端部2aを摺接させることもできる。
【0023】
軸受スリーブ8は、ハウジング7の内周面、より詳細には側部7bの内周面7b1の所定位置に配設される。この軸受スリーブ8は、例えば焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属で形成される。この焼結金属では、潤滑油や潤滑グリースを含浸させることにより、気孔内に油が保持されている(含油焼結金属)。軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面との間には、第一ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。
【0024】
軸受スリーブ8の内周面8aには、第一ラジアル軸受部R1および第二ラジアル軸受部R2の各ラジアル軸受面となる二つの領域が軸方向に離隔して設けられ、これら二つの領域には、例えばヘリングボーン形状の動圧溝がそれぞれ形成されている。なお、動圧溝の形状として、スパイラル形状や軸方向溝形状等を採用しても良い。軸受スリーブ8の上端面8bには、軸受スリーブ8の方向性を識別するための溝8eが環状に形成されている。
【0025】
ハウジング7は、後述するように、焼結金属からなる軸受スリーブ8をインサート部品として、樹脂を射出成形して形成される。このハウジング7は、円筒状の側部7bと、側部7bの上端から内径側に延びたシール部7aと、側部7bの下端を閉塞する底部7cとを一体に備えている。シール部7aの内周面7a1および側部7bの内周面7b1は、軸方向にストレートに延びており、シール部7aの内周面7a1は軸部材2に形成されたテーパ状の外周面と所定幅のテーパ状シール空間Sを介して対向している。ハウジング7内では、シール部7aの内側面7a2と軸受スリーブ8の上端面8b、側部7bの内周面7b1と軸受スリーブ8の外周面、底部7cの内側面7c1と軸受スリーブ8の下端面8cがそれぞれ密着している。なお、軸受スリーブ8の上端面8b内周に形成された面取り部8dは、樹脂に覆われていない。
【0026】
軸部材2は、軸受スリーブ8の内周面8aに挿入され、球面部2aをハウジングの底部7cの内端面7c1に接触させている。シール部7aで密封されたハウジング7の内部空間には潤滑油が給油され、ラジアル軸受部R1,R2のラジアル軸受隙間がそれぞれ潤滑油で満たされる。
【0027】
軸部材2と軸受スリーブ8が相対回転すると(本実施形態においては軸部材2が回転すると)、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下二箇所の領域)は、それぞれ軸部材2の外周面とラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材の回転に伴い、ラジアル軸受隙間に潤滑油の油膜が形成され、その動圧で軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第一ラジアル軸受部R1と第二ラジアル軸受部R2とが構成される。一方、軸部材2は、スラスト方向でピボット形式のスラスト軸受部Tによって回転自在に支持される。
【0028】
図3は、ハウジング7をインサート成形するための射出成形装置を示すものである。この射出成形装置は、内型10と外型20とを有するもので、何れか一方を可動型(例えば内型10)とし、他方を固定型とする。
【0029】
内型10は、円筒状のシャフト部11を有する。シャフト部11は、軸受スリーブ8の内周に嵌合される嵌合部12とシール部7aの内周面7a1を成形するシール成形部13とを有し、シール成形部13の外径寸法は嵌合部12の外形寸法よりも大きい。嵌合部12とシール成形部13との間には、テーパ状の係合部14が形成される。この係合部14は、軸受スリーブ8の上端面8b内周に形成された面取り部8dと面接触して係合可能であり、両者の係合によって型内で軸受スリーブ8の位置決めがなされる。
【0030】
外型20は、円筒空洞状の成形部21を有するもので、内型10との同軸状態を維持しつつ、その衝合面22を内型の衝合面15と衝合させることにより、軸受スリーブ8の周囲にキャビティ30が形成される。このキャビティ30にゲート31から溶融樹脂を射出してキャビティ30に充填し、その後、樹脂が硬化したところで内型10と外型20を衝合面15,22で分離して型開きすれば、軸受スリーブ8を樹脂でモールドしたハウジング7が得られる。この成形品は、軸受スリーブ8とハウジング7からなる複合部品であり、両部材8,7は別段の固定工程を経ることなく相互に固定される。
【0031】
なお、射出成形時においては、予め軸受スリーブ8を型温(100℃程度)以上の温度(例えば150℃以上)、より好ましくは溶融樹脂の融点以上に加熱しておくのが望ましい。このように射出成形時に軸受スリーブ8を予め加温しておくと、溶融樹脂が軸受スリーブ8の表面に開口した気孔(表面開孔)を通じて内部に入り込み、表面近傍の気孔を埋めるので、硬化した樹脂のアンカー効果によってハウジング7と軸受スリーブ8の密着強度を高め、樹脂剥離を起こすことなく、軸受スリーブ8とハウジング7をより強固に融着することができる。
【0032】
本発明者らは、このようにして成形された樹脂製ハウジング7に求められる特性、およびそのその特性を満たす最適条件について鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。
【0033】
▲1▼低吸油性
ハウジング7を構成する樹脂組成物の特性としては、先ず低吸油性であることが求められる。ハウジング7は、潤滑流体としての油との接触個所を多く持つため、吸油率が大きいとハウジング内の油が不足し、軸受隙間に十分な動圧を発生させることが難しくなるからである。
【0034】
この低吸油性を満足させるため、ハウジング7は、一定以上の結晶化度を有する結晶性の樹脂組成物(分子鎖を規則正しく配列した結晶領域の量の比率が一定以上のものをいう)で形成するのが望ましい。結晶化度が一定以上であれば、樹脂組織が緻密となるため、油が組織内に吸収されにくくなるからである。詳細な検討によれば、20%以上の結晶化度を有する樹脂組成物であれば、ハウジング7に求められる吸油性を満足できることが判明した。ここでの結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)で測定された溶解熱から求められ、その測定条件は、樹脂の融解温度に対して−100℃から+30℃の温度範囲、昇温速度5〜10℃/minである。この測定結果から求めた融解熱ΔHmと、結晶化度100%時の融解熱ΔH0とを次式に代入して上記結晶化度Xc(%)が求められる。
Xc(%)=ΔHm/ΔH0×100
【0035】
ここで、ΔH0としては文献(例えば「高分子ハンドブック・基礎編」高分子学会編,1996,培風館」、あるいは”Thermal Analysis” B.Wunderlich, 1990, Academic Press)に記載された値を用いることができ、例えばナイロン66では46、ナイロン11では41.5、PETでは26.9である(単位は何れも[KJ/mol])。なお、結晶化度は、DSC以外にも比重やX線回折によっても求めることができる。
【0036】
▲2▼低吸水性
次に樹脂組成物の特性としては、低吸水性であることが求められる。吸水率が大きすぎると、寸法安定性を欠き、ハウジングのモータへの組み込みが難しくなったり、トルクが大きくなる等の不具合がある。従って、吸水率はできるだけ小さいのが望ましく、具体的には吸水率0.5%以下、望ましくは0.1%以下である。なお、この吸水率は、JIS K7209またはASTM D570に準ずる試験で、23℃水中で24時間放置した時の吸水率(試験前後の重量変化率)を意味する。
【0037】
▲3▼低線膨張性
次に樹脂組成物の特性としては、線膨張係数が小さいことが求められる。ハウジング7は、軸受運転中に発生した熱により昇温されるが、その際の膨張量が大きいと、軸受スリーブ8の変形を招き、動圧溝の精度が低下するおそれがある。かかる事態を防止するため、ハウジング7は線膨張係数の低い樹脂組成物、具体的には線膨張係数が5×10−5/℃以下の樹脂組成物で形成するのが望ましい。
【0038】
▲4▼高剛性
ハウジング7については、その強度を高めて精度を確保する必要がある。この点から、樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の補強材を配合することが望ましい。強度向上のためには、補強材の量が多いほど望ましいが、多すぎると溶融状態の樹脂の流動性が低下し、樹脂モールド工程における作業性が低下する。また、補強材の配合量によって上記▲3▼で述べた線膨張係数も影響を受けることになる。これらの観点から、補強材は、樹脂組成物100重量部に対して10〜80重量部、望ましくは15〜40重量部を配合するのが望ましい。
【0039】
▲5▼低摺動性
上述のようにハウジング7の底部7cには、軸部材2の軸端2aが直接摺動するため、ハウジング7の特性としては摺動摩擦が低いことが望まれる。この観点から、樹脂組成物には、その100重量部に対して5〜30重量部、望ましくは5〜20重量部の固体潤滑材、例えば黒鉛、PTFE、あるいは二硫化モリブデンを配合するのが望ましい。
【0040】
なお、上記▲1▼〜▲3▼の特性を満たす樹脂組成物としては、例えばナイロン66を挙げることができる。図2に示すハウジング7は、このナイロン66の100重量部に対して、例えばガラス繊維30重量部、およびPTFE10重量部を配合することにより成形することができる。
【0041】
図4は、本発明の他の実施形態を示すもので、軸受スリーブ8をハウジング7でモールディングするのではなく、別途成形された有底筒状の樹脂製ハウジング7の内周に軸受スリーブを接着、圧入等の手段で固定した動圧軸受装置1の断面図である。この場合のハウジング7も上記▲1▼〜▲5▼で述べた特性を有する樹脂組成物で成形することができ、これにより同様の効果が得られる。
【0042】
なお、図4に示す実施形態では、シールをハウジング7とは別体のシール部材10で形成している。これ以外の構成、作用は、図2に示す実施形態と基本的に共通するので、同一の機能・作用を有する部材には共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
【0043】
本発明は、ハウジング7を樹脂組成物で成形した全ての動圧軸受装置に適用できるものであり、ハウジング形状や軸受の構造は図示例のものには限定されない。例えば、スラスト軸受部Tを、スラスト軸受隙間に生じた流体動圧で非接触支持する動圧軸受で構成した装置にも同様に本発明を適用することができる。この場合、軸受の運転中は軸部材2がハウジング7に対して非接触となるので、樹脂組成物には、上記▲5▼で説明した特性(低摺動性)は特に必要とされない(勿論▲5▼の特性を満たしても構わない)。
【0044】
また、上記実施形態では、ラジアル軸受部R1,R2として、動圧発生手段としての動圧溝を有する動圧軸受を使用した場合を例示しているが、これ以外にもラジアル軸受部R1,R2として、動圧溝を有さず、ラジアル軸受面が真円形状である真円軸受を使用する場合にも同様に本発明を適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ハウジングに求められる種々の機能に適合した樹脂組成物の特性を特定しているので、安定した軸受性能が得られ、かつ高い加工精度や組立精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流体軸受装置(動圧軸受)を使用した情報機器用スピンドルモータの断面図である。
【図2】上記動圧軸受装置の断面図である。
【図3】ハウジングのインサート成形工程を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 流体軸受装置(動圧軸受装置)
2 軸部材
2a 球面部
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
8d 基準面(面取り部)
8f 気孔
10 内型
14 係合部
20 外型
30 キャビティ
31 ゲート
R1 ラジアル軸受部
R2 ラジアル軸受部
S スラスト軸受部
Claims (8)
- 支持すべき軸部材の外周との間でラジアル軸受隙間を形成する焼結金属製の軸受スリーブと、内周に軸受スリーブを固定したハウジングとを備え、軸部材と軸受スリーブの相対回転時にラジアル軸受隙間に形成した油膜で軸部材と軸受スリーブとをラジアル方向で非接触に保持する流体軸受装置において、
ハウジングが、結晶化度が20%以上の結晶性の樹脂組成物で形成されていることを特徴とする流体軸受装置。 - 上記樹脂組成物の吸水率が0.5%以下である請求項1記載の流体軸受装置。
- 上記樹脂組成物の線膨張係数が5×10−5/℃以下である請求項1または2記載の流体軸受装置。
- 上記樹脂組成物100重量部に対して、少なくとも補強材10〜80重量部を配合してなる請求項1〜3何れか記載の流体軸受装置。
- さらに、軸部材をスラスト軸受隙間に形成した油膜によってスラスト方向で非接触支持する請求項1〜4何れか記載の流体軸受装置。
- さらに、軸部材をハウジングの底部によってスラスト方向で接触支持する請求項1〜4何れか記載の流体軸受装置。
- 上記結晶性樹脂組成物100重量部に対して、少なくとも固体潤滑剤5〜30重量部を配合してなる請求項6記載の流体軸受装置。
- ハウジングを、軸受スリーブをインサート部品として型成形した請求項1〜7何れか記載の流体軸受装置。
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