JP2004011595A - 燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デリバリーチューブ内に気体を密封した蛇腹状チューブを配設することなく燃料の脈動を減衰させる。
【解決手段】インジェクタが取り付けられたデリバリーチューブ8に、燃料供給通路7を介して燃料タンク2内の燃料3を供給する燃料供給装置1は、燃料供給通路7内へ燃料タンク2内の気体を送り込むジェットポンプ11を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】インジェクタが取り付けられたデリバリーチューブ8に、燃料供給通路7を介して燃料タンク2内の燃料3を供給する燃料供給装置1は、燃料供給通路7内へ燃料タンク2内の気体を送り込むジェットポンプ11を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンク内の燃料を吸い上げて、インジェクターから適正量の燃料を噴射する車両用の燃料噴射装置においては、インジェクターの開閉動作により、燃料供給系の配管内に燃料の脈動が発生しやすく、この脈動が発生した場合には、脈動に起因した振動が、燃料タンクからエンジンへ燃料を供給する燃料供給通路から車内に伝わり、振動、騒音として乗員に対して不快感を与えるという問題がある。
【0003】
そこで、例えば、特開平2002−31012号公報には、インジェクターが取り付けられるデリバリーチューブ内に、気体を封入した蛇腹状のチューブを収容し、インジェクターの開閉に伴う脈動を、この蛇腹状のチューブの蛇腹を伸縮させることによって減衰させたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開2002−31012号公報に開示された構成においては、蛇腹状のチューブ内の気体が抜けてしまうと、脈動を減衰させるダンパー効果が得られなくなるという問題がある。
【0005】
また、蛇腹状チューブの蛇腹を伸縮させて脈動を減衰させるため、この蛇腹の剛性と脈動吸収(伸縮)とを両立させる設計が必要になるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の燃料供給装置は、インジェクタが取り付けられたデリバリーチューブに燃料供給通路を介して燃料タンク内の燃料を供給すると共に、上記燃料供給通路内へ燃料タンク内の気体を送り込む気体供給手段を有している。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、気体を混入した燃料を燃料供給通路及びデリバリーチューブに供給することによって、インジェクターの開閉動作により燃料の脈動が発生しても、容易にこの脈動を減衰させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、燃料供給装置1の燃料タンク2内に配設される部分を模式的に示している。
【0010】
燃料タンク2内の燃料3は、燃料ポンプ4のサクション側に接続されたストレーナ5を通して燃料タンク2内に位置する燃料ポンプ4によって吸い上げられ、燃料ポンプ4の吐出側に接続されたフィルター6を介し、燃料供給通路7によってデリバリーチューブ8(詳細は後述)に供給されている。
【0011】
また、この燃料供給装置1は、燃料ポンプ4によって吸い上げられた燃料の一部を、燃料供給通路7に接続されたプレッシャーレギュレータ9からリターン通路10を介してストレーナ5内に導き、再び燃料ポンプ4に吸引させる構造となっている。
【0012】
そして、リターン通路10には、リターン通路10内のリターン燃料の流れを利用した気体供給手段としてのジェットポンプ11が設けられ、このジェットポンプ11のサクション側には、ジェットポンプサクション側チューブ12が取り付けられている。
【0013】
ジェットポンプサクション側チューブ12は、燃料無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置して燃料タンク2内の燃料3を吸入する燃料取り入れ口13と、燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置して燃料タンク2内のエア(気体)を吸入する気体取り入れ口14と、を有しいる。
【0014】
詳述すれば、このジェットポンプサクション側チューブ12は、全体として略逆U字形状を呈し、一端側がジェットポンプ11のサクション側に接続され、燃料取り入れ口13となる他端が燃料タンク2内に開口し、かつU字の底となる部分に気体取り入れ口14が形成されている。尚、本実施例においては、燃料取り入れ口13の内径及びジェットポンプサクション側チューブの内径はφ6.3mm、気体取り入れ口14の内径はφ2.0mmとなっている。
【0015】
そして、このジェットポンプ11は、図2に示すように、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量に応じて、燃料取り入れ口13から燃流を吸入し、気体取り入れ口14よりエア(気体)を吸入する。
【0016】
ジェットポンプ11によりリターン通路10内に吸入される燃料は、ジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13から吸入された燃料に、ジェットポンプサクション側チューブ12の気体取り入れ口14から吸入された燃料タンク2内のエア(気体)が混入したものとなる。
【0017】
すなわち、ストレーナ5内に、エア(気体)の混入した燃料が導かれることになり、燃料供給通路7へエア(気体)が混入した燃料が供給されることになる。
【0018】
図3は、燃料供給装置1を構成する前述したデリバリーチューブ8を示している。
【0019】
デリバリーチューブ8は、一端8aに燃料供給通路が接続され、他端8bが閉塞された構造となっている。
【0020】
また、このデリバリーチューブ8には、インジェクター(図示せず)が取り付けられるインジェクター取り付け部20が、図3における下側の面に形成されていると共に、他端側の図2における上側の面にエア溜まり部21が形成されている。換言すれば、このエア溜まり部21は、インジェクター取り付け部20が形成された面に対向するよう形成されている。
【0021】
そして、デリバリーチューブ8内には、多数の小穴が貫通形成された仕切板22が配設されている。この仕切板は、デリバリーチューブ8内を、デリバリーチューブ8の全長に亙って、図3における上下方向に略2分割し、かつ燃料供給通路7から送り込まれた燃料が、仕切板22の小穴を通ってインジェクタ取り付け部20に到達し、インジェクターから噴射されるよう配設されている。すなわち、デリバリーチューブ8の内部は、仕切板22によって2室に仕切られ、エア溜まり部21が形成された一方の室に燃料供給通路7が接続され、他方の室に上記インジェクタ取り付け部20が形成されている。
【0022】
このように構成された燃料供給装置1においては、エア(気体)を混入した燃料を燃料供給経路(燃料供給通路7及びデリバリーチューブ8)に供給することによって、インジェクターの開閉動作により上記燃料供給経路内の燃料に脈動が発生しても、燃料内に混入したエアのダンパー効果により、容易にこの脈動を減衰させることができる。すなわち、脈動が発生しやすいデリバリーチューブ8内に設計の難しい部品を内蔵させることなく、部品点数を増加させることなく脈動を減衰させることができる。
【0023】
また、ジェットポンプ11は、リターン通路10内を流れるリターン燃料のエネルギーを利用して作動するので、別途駆動源を用意する必要がない。
【0024】
そして、ジェットポンプ11により補充されたエア(気体)が上記燃料供給経路内から抜けてしまっても、上記燃料供給経路には、ジェットポンプ11によってエア(気体)が混入された燃料が供給されるので、燃料の脈動を減衰させるダンパー効果を常に奏することができる。
【0025】
従来技術のように、デリバリーチューブ内にエアを内蔵した蛇腹チューブを配設して燃料の脈動を減衰させる場合、蛇腹チューブは外圧によるい半径方向への潰れを考慮した強度設計をする必要があるため、ある程度以上の脈動レベルに達しないと脈動吸収効果(蛇腹状チューブの軸方向に伸縮作用)が得られないが、上述した実施例においては、燃料内に混入させたエア(気体)のダンパー効果により燃料の脈動を減衰させているので、蛇腹状チューブを用いた場合に比べてより広範囲の脈動レベルに対して、燃料の脈動を減衰させることができる。
【0026】
また、ジェットポンプ11は、燃料タンク2内に配置されているので、ジェットポンプ11によって吸い込まれるエア(気体)を燃料タンク2の内外に案内するチューブが不要となり、総じて燃料タンク2に関してシール部位を減らすことができる。
【0027】
また、この燃料供給装置1においては、エンジン回転数が高くなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が少なくなり、エンジン回転数が低くなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が多くなる。
【0028】
すなわち、インジェクターの開閉動作によって上記燃料供給経路内に発生した燃料の脈動に起因した振動が車内に騒音として伝わるという問題が顕在化するエンジンアイドリング時に最もエア混入燃料の搬送能力が最大となるようジェットポンプ11が機能し、上記燃料供給経路内に発生した燃料の脈動を燃料内に混入させたエア(気体)のダンパー効果により効率良く減衰させることができる。
【0029】
そして、この燃料供給装置1においては、エンジン負荷が大きくなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が少なくなり、エンジン負荷が小さくなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が多くなる。
【0030】
すなわち、大きなエンジン出力が必要なときには、少しでもエア(気体)を燃焼室内に噴射しないように、上記燃料供給経路内に供給するエア(気体)を減少させることができる。換言すれば、エア(気体)が不必要な燃料消費量が多くなる運転領域では、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が減少し、ジェットポンプ11によるエア(気体)の吸引効果が低下させることができる。
【0031】
ジェットポンプサクション側チューブ12に設けられた気体取り入れ口14は燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置し、ジェットポンプサクション側チューブ12に設けられた燃料取り入れ口13は燃料無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置しているので、燃料タンク2内の燃料残量に左右されずに、燃料取り入れ口13からは燃料を安定して吸入し、気体取り入れ口14からはエア(気体)を安定して吸入することができる。
【0032】
そして、デリバリーチューブ8に多数の小穴が貫通形成された仕切板22を配設することによって、燃料内に混入したエア(気体)を、デリバリーチューブ8内で効率良く燃料から分離させ、インジェクターから噴射される燃料のエア混入率を低減させることができると共に、燃料から分離したエア(気体)が燃料に再混入しにくくすることができる。
【0033】
また、上述した実施例のように、ジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13の内径及びジェットポンプサクション側チューブ12の内径をそれぞれφ6.3mm、気体取り入れ口14の内径はφ2.0mmとすると、燃料ポンプ4から吐出される燃料は、約2.1%程度のエア混入率となる。このエア混入率が過剰に増大すると、燃料ポンプ自体の吐出能力に影響がでるが2%レベルでは影響しない。さらに、上記燃料供給経路内の燃料のエア混入率が2.1%の場合、最も燃料消費が少ないアイドリング時の燃料消費率を2L/hrとすると、約40cc/hrのエア(気体)が保持されることになり、この条件でその保持エアが消費されたとしても、空燃比への影響は2%程度であるため、O2センサ等でのλ補正で十分補正可能で、異常なリーン空燃比にはならない。また、実質この保持エアが消費されるのは、プレッシャーレギュレータ9からのリターン燃料の流量が減少する高負荷運転領域においてであり、空燃比的には無視出来る量である。
【0034】
すなわち、燃料ポンプ4から吐出される燃料のエア混入率が2.1%程度になるようジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13と、ジェットポンプサクション側チューブ12の気体取り入れ口14との面積比を設定することにより、空燃比に実質的な影響を与えることなく、上記燃料供給経路内に発生する燃料の脈動を効果的に減衰させることができる。
【0035】
尚、ジェットポンプサクション側チューブは、図4に示すように、略直線状に形成することも可能である。このジェットポンプサクション側チューブ30においても、燃料取り入れ口13は無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置し、気体取り入れ口14は燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置するよう形成されている。
【0036】
また、図5に示すように、気泡をデリバリーチューブ8の他端8b側のエア溜まり部21に導くように、小穴が貫通形成されていない仕切板32をデリバリーチューブ8内に配設するようにしてもよい。
【0037】
詳述すれば、仕切板32は、デリバリーチューブ8の一端8a側の端面から突出した燃料供給通路7の端部の下側からデリバリーチューブ8の他端8b側のエア溜まり部21に向かって斜めに配設され、デリバリーチューブ8内を図5における上下方向に略2分割している。
【0038】
この場合、燃料供給通路7からデリバリーチューブ8内に供給された燃料は、仕切板32に沿ってエア溜まり部21に向かって流れ、燃料に混入したエア(気体)の気泡をエア溜まり部21に一層効率よく貯留させることができる。また、インジェクターに対しては、デリバリーチューブ8の一端8a側の端面から突出した燃料供給通路7の端部と仕切板32との隙間Aから押しだされた燃料が供給されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料供給装置の燃料タンク内に配設される部分を模式的に示した説明図。
【図2】本発明に係る燃料供給装置に設けられたジェットポンプの性能を示す説明図。
【図3】本発明に係る燃料供給装置のデリバリーチューブを模式的に示した説明図。
【図4】本発明に係る燃料供給装置の燃料タンク内に配設される部分の他の実施形態をを模式的に示した説明図。
【図5】本発明に係る燃料供給装置のデリバリーチューブの他の実施形態を模式的に示した説明図。
【符号の説明】
1…燃料供給装置
8…デリバリーチューブ
9…プレッシャーレギュレータ
10…リターン通路
11…ジェットポンプ
12…ジェットポンプサクション側チューブ
13…燃料取り入れ口
14…気体取り入れ口
21…エアー溜まり部
22…仕切板
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンク内の燃料を吸い上げて、インジェクターから適正量の燃料を噴射する車両用の燃料噴射装置においては、インジェクターの開閉動作により、燃料供給系の配管内に燃料の脈動が発生しやすく、この脈動が発生した場合には、脈動に起因した振動が、燃料タンクからエンジンへ燃料を供給する燃料供給通路から車内に伝わり、振動、騒音として乗員に対して不快感を与えるという問題がある。
【0003】
そこで、例えば、特開平2002−31012号公報には、インジェクターが取り付けられるデリバリーチューブ内に、気体を封入した蛇腹状のチューブを収容し、インジェクターの開閉に伴う脈動を、この蛇腹状のチューブの蛇腹を伸縮させることによって減衰させたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開2002−31012号公報に開示された構成においては、蛇腹状のチューブ内の気体が抜けてしまうと、脈動を減衰させるダンパー効果が得られなくなるという問題がある。
【0005】
また、蛇腹状チューブの蛇腹を伸縮させて脈動を減衰させるため、この蛇腹の剛性と脈動吸収(伸縮)とを両立させる設計が必要になるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の燃料供給装置は、インジェクタが取り付けられたデリバリーチューブに燃料供給通路を介して燃料タンク内の燃料を供給すると共に、上記燃料供給通路内へ燃料タンク内の気体を送り込む気体供給手段を有している。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、気体を混入した燃料を燃料供給通路及びデリバリーチューブに供給することによって、インジェクターの開閉動作により燃料の脈動が発生しても、容易にこの脈動を減衰させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、燃料供給装置1の燃料タンク2内に配設される部分を模式的に示している。
【0010】
燃料タンク2内の燃料3は、燃料ポンプ4のサクション側に接続されたストレーナ5を通して燃料タンク2内に位置する燃料ポンプ4によって吸い上げられ、燃料ポンプ4の吐出側に接続されたフィルター6を介し、燃料供給通路7によってデリバリーチューブ8(詳細は後述)に供給されている。
【0011】
また、この燃料供給装置1は、燃料ポンプ4によって吸い上げられた燃料の一部を、燃料供給通路7に接続されたプレッシャーレギュレータ9からリターン通路10を介してストレーナ5内に導き、再び燃料ポンプ4に吸引させる構造となっている。
【0012】
そして、リターン通路10には、リターン通路10内のリターン燃料の流れを利用した気体供給手段としてのジェットポンプ11が設けられ、このジェットポンプ11のサクション側には、ジェットポンプサクション側チューブ12が取り付けられている。
【0013】
ジェットポンプサクション側チューブ12は、燃料無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置して燃料タンク2内の燃料3を吸入する燃料取り入れ口13と、燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置して燃料タンク2内のエア(気体)を吸入する気体取り入れ口14と、を有しいる。
【0014】
詳述すれば、このジェットポンプサクション側チューブ12は、全体として略逆U字形状を呈し、一端側がジェットポンプ11のサクション側に接続され、燃料取り入れ口13となる他端が燃料タンク2内に開口し、かつU字の底となる部分に気体取り入れ口14が形成されている。尚、本実施例においては、燃料取り入れ口13の内径及びジェットポンプサクション側チューブの内径はφ6.3mm、気体取り入れ口14の内径はφ2.0mmとなっている。
【0015】
そして、このジェットポンプ11は、図2に示すように、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量に応じて、燃料取り入れ口13から燃流を吸入し、気体取り入れ口14よりエア(気体)を吸入する。
【0016】
ジェットポンプ11によりリターン通路10内に吸入される燃料は、ジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13から吸入された燃料に、ジェットポンプサクション側チューブ12の気体取り入れ口14から吸入された燃料タンク2内のエア(気体)が混入したものとなる。
【0017】
すなわち、ストレーナ5内に、エア(気体)の混入した燃料が導かれることになり、燃料供給通路7へエア(気体)が混入した燃料が供給されることになる。
【0018】
図3は、燃料供給装置1を構成する前述したデリバリーチューブ8を示している。
【0019】
デリバリーチューブ8は、一端8aに燃料供給通路が接続され、他端8bが閉塞された構造となっている。
【0020】
また、このデリバリーチューブ8には、インジェクター(図示せず)が取り付けられるインジェクター取り付け部20が、図3における下側の面に形成されていると共に、他端側の図2における上側の面にエア溜まり部21が形成されている。換言すれば、このエア溜まり部21は、インジェクター取り付け部20が形成された面に対向するよう形成されている。
【0021】
そして、デリバリーチューブ8内には、多数の小穴が貫通形成された仕切板22が配設されている。この仕切板は、デリバリーチューブ8内を、デリバリーチューブ8の全長に亙って、図3における上下方向に略2分割し、かつ燃料供給通路7から送り込まれた燃料が、仕切板22の小穴を通ってインジェクタ取り付け部20に到達し、インジェクターから噴射されるよう配設されている。すなわち、デリバリーチューブ8の内部は、仕切板22によって2室に仕切られ、エア溜まり部21が形成された一方の室に燃料供給通路7が接続され、他方の室に上記インジェクタ取り付け部20が形成されている。
【0022】
このように構成された燃料供給装置1においては、エア(気体)を混入した燃料を燃料供給経路(燃料供給通路7及びデリバリーチューブ8)に供給することによって、インジェクターの開閉動作により上記燃料供給経路内の燃料に脈動が発生しても、燃料内に混入したエアのダンパー効果により、容易にこの脈動を減衰させることができる。すなわち、脈動が発生しやすいデリバリーチューブ8内に設計の難しい部品を内蔵させることなく、部品点数を増加させることなく脈動を減衰させることができる。
【0023】
また、ジェットポンプ11は、リターン通路10内を流れるリターン燃料のエネルギーを利用して作動するので、別途駆動源を用意する必要がない。
【0024】
そして、ジェットポンプ11により補充されたエア(気体)が上記燃料供給経路内から抜けてしまっても、上記燃料供給経路には、ジェットポンプ11によってエア(気体)が混入された燃料が供給されるので、燃料の脈動を減衰させるダンパー効果を常に奏することができる。
【0025】
従来技術のように、デリバリーチューブ内にエアを内蔵した蛇腹チューブを配設して燃料の脈動を減衰させる場合、蛇腹チューブは外圧によるい半径方向への潰れを考慮した強度設計をする必要があるため、ある程度以上の脈動レベルに達しないと脈動吸収効果(蛇腹状チューブの軸方向に伸縮作用)が得られないが、上述した実施例においては、燃料内に混入させたエア(気体)のダンパー効果により燃料の脈動を減衰させているので、蛇腹状チューブを用いた場合に比べてより広範囲の脈動レベルに対して、燃料の脈動を減衰させることができる。
【0026】
また、ジェットポンプ11は、燃料タンク2内に配置されているので、ジェットポンプ11によって吸い込まれるエア(気体)を燃料タンク2の内外に案内するチューブが不要となり、総じて燃料タンク2に関してシール部位を減らすことができる。
【0027】
また、この燃料供給装置1においては、エンジン回転数が高くなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が少なくなり、エンジン回転数が低くなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が多くなる。
【0028】
すなわち、インジェクターの開閉動作によって上記燃料供給経路内に発生した燃料の脈動に起因した振動が車内に騒音として伝わるという問題が顕在化するエンジンアイドリング時に最もエア混入燃料の搬送能力が最大となるようジェットポンプ11が機能し、上記燃料供給経路内に発生した燃料の脈動を燃料内に混入させたエア(気体)のダンパー効果により効率良く減衰させることができる。
【0029】
そして、この燃料供給装置1においては、エンジン負荷が大きくなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が少なくなり、エンジン負荷が小さくなる程、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が多くなる。
【0030】
すなわち、大きなエンジン出力が必要なときには、少しでもエア(気体)を燃焼室内に噴射しないように、上記燃料供給経路内に供給するエア(気体)を減少させることができる。換言すれば、エア(気体)が不必要な燃料消費量が多くなる運転領域では、リターン通路10内を流れるリターン燃料の流量が減少し、ジェットポンプ11によるエア(気体)の吸引効果が低下させることができる。
【0031】
ジェットポンプサクション側チューブ12に設けられた気体取り入れ口14は燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置し、ジェットポンプサクション側チューブ12に設けられた燃料取り入れ口13は燃料無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置しているので、燃料タンク2内の燃料残量に左右されずに、燃料取り入れ口13からは燃料を安定して吸入し、気体取り入れ口14からはエア(気体)を安定して吸入することができる。
【0032】
そして、デリバリーチューブ8に多数の小穴が貫通形成された仕切板22を配設することによって、燃料内に混入したエア(気体)を、デリバリーチューブ8内で効率良く燃料から分離させ、インジェクターから噴射される燃料のエア混入率を低減させることができると共に、燃料から分離したエア(気体)が燃料に再混入しにくくすることができる。
【0033】
また、上述した実施例のように、ジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13の内径及びジェットポンプサクション側チューブ12の内径をそれぞれφ6.3mm、気体取り入れ口14の内径はφ2.0mmとすると、燃料ポンプ4から吐出される燃料は、約2.1%程度のエア混入率となる。このエア混入率が過剰に増大すると、燃料ポンプ自体の吐出能力に影響がでるが2%レベルでは影響しない。さらに、上記燃料供給経路内の燃料のエア混入率が2.1%の場合、最も燃料消費が少ないアイドリング時の燃料消費率を2L/hrとすると、約40cc/hrのエア(気体)が保持されることになり、この条件でその保持エアが消費されたとしても、空燃比への影響は2%程度であるため、O2センサ等でのλ補正で十分補正可能で、異常なリーン空燃比にはならない。また、実質この保持エアが消費されるのは、プレッシャーレギュレータ9からのリターン燃料の流量が減少する高負荷運転領域においてであり、空燃比的には無視出来る量である。
【0034】
すなわち、燃料ポンプ4から吐出される燃料のエア混入率が2.1%程度になるようジェットポンプサクション側チューブ12の燃料取り入れ口13と、ジェットポンプサクション側チューブ12の気体取り入れ口14との面積比を設定することにより、空燃比に実質的な影響を与えることなく、上記燃料供給経路内に発生する燃料の脈動を効果的に減衰させることができる。
【0035】
尚、ジェットポンプサクション側チューブは、図4に示すように、略直線状に形成することも可能である。このジェットポンプサクション側チューブ30においても、燃料取り入れ口13は無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置し、気体取り入れ口14は燃料満タン時の燃料液面レベルよりも上方に位置するよう形成されている。
【0036】
また、図5に示すように、気泡をデリバリーチューブ8の他端8b側のエア溜まり部21に導くように、小穴が貫通形成されていない仕切板32をデリバリーチューブ8内に配設するようにしてもよい。
【0037】
詳述すれば、仕切板32は、デリバリーチューブ8の一端8a側の端面から突出した燃料供給通路7の端部の下側からデリバリーチューブ8の他端8b側のエア溜まり部21に向かって斜めに配設され、デリバリーチューブ8内を図5における上下方向に略2分割している。
【0038】
この場合、燃料供給通路7からデリバリーチューブ8内に供給された燃料は、仕切板32に沿ってエア溜まり部21に向かって流れ、燃料に混入したエア(気体)の気泡をエア溜まり部21に一層効率よく貯留させることができる。また、インジェクターに対しては、デリバリーチューブ8の一端8a側の端面から突出した燃料供給通路7の端部と仕切板32との隙間Aから押しだされた燃料が供給されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料供給装置の燃料タンク内に配設される部分を模式的に示した説明図。
【図2】本発明に係る燃料供給装置に設けられたジェットポンプの性能を示す説明図。
【図3】本発明に係る燃料供給装置のデリバリーチューブを模式的に示した説明図。
【図4】本発明に係る燃料供給装置の燃料タンク内に配設される部分の他の実施形態をを模式的に示した説明図。
【図5】本発明に係る燃料供給装置のデリバリーチューブの他の実施形態を模式的に示した説明図。
【符号の説明】
1…燃料供給装置
8…デリバリーチューブ
9…プレッシャーレギュレータ
10…リターン通路
11…ジェットポンプ
12…ジェットポンプサクション側チューブ
13…燃料取り入れ口
14…気体取り入れ口
21…エアー溜まり部
22…仕切板
Claims (8)
- インジェクタが取り付けられたデリバリーチューブに、燃料供給通路を介して燃料タンク内の燃料を供給する燃料供給装置において、
上記燃料供給通路内へ燃料タンク内の気体を送り込む気体供給手段を有することを特徴とする燃料供給装置。 - 上記気体供給手段による気体供給量は、エンジン負荷またはエンジン回転数の少なくとも一方によって可変設定されることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
- 上記気体供給手段による気体供給量は、エンジン負荷が高い程少なく、エンジン回転数が低い程多くなるよう設定されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給装置。
- 上記気体供給手段は、エンジンからのリターン燃料の流れを利用して燃料タンク内の燃料を燃料タンク内の気体と共に吸入するジェットポンプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料供給装置。
- 上記ジェットポンプは、上記燃料タンク内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料供給装置。
- 上記ジェットポンプのサクション側には、燃料タンク内の燃料と気体を吸入するジェットポンプサクション側チューブが接続され、
上記ジェットポンプサクション側チューブには、無効残量時の燃料液面レベルよりも下方に位置して燃料タンク内の燃料を吸入する燃料取り入れ口と、燃料満タン時の燃料タンク内の燃料液面レベルよりも上方に位置する気体取り入れ口と、が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の燃料供給装置。 - 上記燃料取り入れ口と、上記気体取り入れ口との面積比によって、上記デリバリーチューブに供給される燃料の気体混入率が決定されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
- 上記デリバリーチューブは、上記インジェクタが取り付けられるインジェクター取付口を有し、
上記デリバリーチューブの内部は、仕切板によって2室に仕切られ、一方の室に上記燃料供給通路が接続され、他方の室に上記インジェクタ取付口が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169433A JP2004011595A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 燃料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169433A JP2004011595A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 燃料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011595A true JP2004011595A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30435993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002169433A Pending JP2004011595A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 燃料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004011595A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008274841A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Tokyo Electron Ltd | 処理液供給システム |
KR101209718B1 (ko) | 2006-10-11 | 2012-12-07 | 현대자동차주식회사 | 연료탱크용 제트펌프의 맥동압 제거장치 |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169433A patent/JP2004011595A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101209718B1 (ko) | 2006-10-11 | 2012-12-07 | 현대자동차주식회사 | 연료탱크용 제트펌프의 맥동압 제거장치 |
JP2008274841A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Tokyo Electron Ltd | 処理液供給システム |
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