JP3572434B2 - 車両用燃料タンク - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車等の車両に搭載される車両用燃料タンク、とりわけ、フュエルポンプをタンク本体内に配設した車両用燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
フュエルポンプをタンク本体内に配設した車両用燃料タンクとしては、例えば特開平2−286865号公報、特開平3−50372号公報に示されているように、リターン燃料の噴出流を利用したジェットポンプによりタンク本体内の燃料を吸引して、この燃料を該タンク本体内に配設したサブタンクに供給し、該サブタンク内に配設したフュエルポンプでこのサブタンク内から燃料を吸引してエンジン側の燃料供給装置へ圧送するようにしたものや、特開平3−57873号公報に示されているように、サブタンク内に配設したフュエルポンプによりタンク本体内の底部側から燃料を吸引し、この燃料をエンジン側の燃料供給装置へ圧送すると共に、該フュエルポンプで吸引した燃料の一部をリターン燃料と共にサブタンク内に貯留するようにしたもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記何れの車両用燃料タンクにあっても、フュエルポンプはその底面にベーパ解放孔を開設して、ランナーの回転によって燃料を吸引したときに発生するベーパをこのベーパ解放孔から放出するようにしてあるが、このベーパ解放孔からポンプ吐出圧がサブタンク内又はタンク本体内に噴出することから、このポンプ吐出圧の急激な減圧変化によって生じる膨脹音や、ベーパ解放孔から噴出する液流又は気液混合流がサブタンク底壁又はタンク本体底壁に打ち当って生じる打撃音およびベーパの破裂音等、ベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出に起因して騒音が生じる不具合がある。
【0004】
また、サブタンクの底壁にはフュエルポンプのプライミング確保のため、あるいは、タンク本体内の燃料の低残量時におけるフュエルポンプの燃料吸引性確保のためチェック弁を設ける必要があって、部品点数が嵩んでコスト的に不利となってしまう。
【0005】
そこで、本発明はフュエルポンプ底面のベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出による騒音を回避できると共に、サブタンク底壁のチェック弁を不要とすることができてコスト的に有利に得ることができる車両用燃料タンクを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、タンク本体と、タンク本体内に配設したサブタンクと、サブタンク内に配設されて該サブタンク内の燃料を吸引してエンジン側の燃料供給装置へ圧送するフュエルポンプと、フュエルポンプの底面に開設したベーパ解放孔に接続され該ベーパ解放孔から放出するベーパの噴出流を利用したエゼクタ作用により、タンク本体内の底部側からサブタンク内へ燃料を供給するジェットポンプと、を備え、このジェットポンプは、一端がフュエルポンプ底面のベーパ解放孔に接続され、他端がサブタンクの底壁を貫通してタンク本体内に突出したベーパ導出パイプと、燃料吸込口を有し前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部を囲繞して設けた燃料流入室と、一端が該燃料流入室に開口して前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部と所要の間隔をおいて対峙して配置され、他端開口部がサブタンクを貫通して該サブタンク内に突出配置された燃料導入パイプとを備えていると共に、燃料吸込口に所要の容積に保形されてタンク本体底面に接するフィルタを備えている一方、サブタンクはその底部にトンネル部を凹設してあり、前記フィルタをこのトンネル部に配設して、該フィルタをサブタンクの径外へ突出するように拡張し、かつ、フュエルポンプの燃料吸込口にはトンネル部をまたぐようにフィルタを配設したことを特徴としている。
【0011】
請求項2にあっては、請求項1に記載のジェットポンプのサブタンク内への燃料供給は、サブタンク内の上方にて開放されていることを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】
請求項1によれば、車両組立てのオフライン後にタンク本体内に所要量の燃料を供給してフュエルポンプを作動させるが、この状態ではサブタンクの底部外側に設けたジェットポンプはタンク本体内の燃料中に浸漬するがサブタンク内は空の状態である。
【0013】
従って、フュエルポンプを作動すると該フュエルポンプのランナーは空転するが、該ランナーの周りに微負圧が発生することによりこの微負圧がベーパ解放孔を介してジェットポンプに作用し、ジェットポンプ内に滞留している燃料がフュエルポンプ内に流入してフュエルポンプのプライミングが可能となる。
【0014】
フュエルポンプのプライミングが行われるとベーパ解放孔から吐出圧の高い空気が吐出され、この高圧の噴出空気流がジェットポンプに作用して、該ジェットポンプのエゼクタ作用によりタンク本体内の底部側から該タンク本体内の燃料を吸引してサブタンン内に供給し、該サブタンク内に供給された燃料はフュエルポンプの燃料吸込口から吸引され、圧力が高められてエンジン側の燃料供給装置へ圧送される。
【0015】
フュエルポンプが正常に作動するとベーパ解放孔からベーパ又は気流混合流が高圧で放出され、以後、この噴出流によるエゼクタ作用でジェットポンプによりタンク本体内の燃料がサブタンク内へ供給され、サブタンク内が燃料で満されるようになる。
【0016】
この結果、サブタンク底部にフュエルポンプのプライミング確保の目的で、タンク本体内からサブタンク内への燃料の流入を許容し、サブタンク内からタンク本体内への燃料の流出を阻止するチェック弁を設けなくてもフュエルポンプのプライミングを適正に行わせることができる。
【0017】
また、フュエルポンプの作動によってその底面のベーパ解放孔からはベーパあるいは気流混合流が高圧で放出されるが、この高圧の噴出流を有効利用してジェットポンプのエゼクタ作用によりタンク本体内の底部側からサブタンク内へ燃料の供給を行わせるため、ベーパ解放孔から噴出するポンプ吐出圧の圧力変化が緩やかになることと、高圧の噴出流がタンク本体底壁に打ち当らないためベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出に起因する騒音の発生を回避することができる。
【0018】
更に、ジェットポンプはサブタンクの底部外側に設けてあって、タンク本体内の底部側から該タンク本体内の燃料を吸引してサブタンク内へ供給するようにしてあるため、タンク本体内の燃料残量が少なくなってもサブタンク内への燃料供給を継続できて、タンク本体内の無効燃料残量を少なくすることができる。
しかも、このジェットポンプをベーパ導出パイプ、燃料流入室、および燃料導入パイプ等で構成しているため、これらジェットポンプ構成部材のサブタンクへの組付けの自由度を高めることができ、サブタンクへのジェットポンプのサブアッセンブリを容易に行うことができる。
【0019】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ジェットポンプの燃料吸込口にはタンク本体底面に接する所要の容積のフィルタを備えているため、ジェットポンプがタンク本体内の燃料液面から露出しても、該フィルタ内に燃料が流入、捕捉されている状態の間はジェットポンプによる燃料吸引作用を継続できるため、タンク本体内の無効燃料残量をより一層少なくすることができる。
【0020】
しかも、ジェットポンプの燃料吸込口に設けたフィルタをサブタンク底部のトンネル部に配設してあるため、このトンネル部がフィルタのプロテクタとして機能し、フュエルポンプ、ジェットポンプをサブアッセンブリしたサブタンクをタンク本体内に組込む際に、フィルタがタンク本体と干渉して変形してジェットポンプの燃料吸込み性能に支障を来すのを回避することができる。更に、ジェットポンプの燃料吸込口に設けたフィルタは、サブタンクの径外へ突出するように拡張してあるため、ジェットポンプによるタンク本体底部での燃料吸込面積を拡大でき、従って、タンク本体内の燃料残量が少ない状態での車両の傾斜地走行時や急加速時、あるいはコーナリング時等にタンク本体内の燃料がタンク本体の片側に移動してしまうような場合でも、ジェットポンプによるサブタンク内への燃料供給を持続することができる。一方、サブタンク内の燃料はトンネル部をまたぐように配設されたフィルタにより、燃料の表面張力を利用して、フュエルポンプにより吸引することができる。
【0023】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ジェットポンプの燃料供給はサブタンク上方にて開放されるため、ベーパ又は気流混合となって燃料の気液分離がスムーズに行なわれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0025】
図1において、1はタンク本体でその上壁1aの略中央部には後述するサブタンクアッセンブリを組込むための開口2を形成してある。
【0026】
この開口2はリッド3によってシールリング4を介して気液密的に閉塞するようにしてあり、該リッド3にはその中央部を貫通して図外のフィードパイプを後述するフュエルポンプの燃料吐出パイプに継ぐコネクタパイプ5を固設してある。
【0027】
6は前記タンク本体1の上壁1aの開口2から該タンク本体1内に挿入されて、タンク本体1の底壁1b面上に定置固定した上部開放のサブタンクを示し、その底部中央には一方向に向けてトンネル部7を凹設してある。尚、トンネル部は、三方が開放したひさし状に覆うものも含むものである。
【0028】
トンネル部7の両側部には窪設部8を設けて、後述するジェットポンプから空のサブタンク6のトンネル部上壁7aの部分に燃料が供給されると、この燃料が窪設部8に集流するようにしてある。尚、トンネル部が三方に開放したものの場合は窪設部は一側部のみになる。
【0029】
9はサブタンク6内に上方から挿入配置したフュエルポンプを示し、該フュエルポンプ9の底部に設けた燃料吸込口10にはトンネル部7をまたぐようにしたメッシュのフィルタ11を装着してあり、該フィルタ11を前記窪設部8の底面に当接して収容配置してある。
【0030】
フュエルポンプ9の上面に突出して設けた燃料吐出パイプ12にはリッド13を固設してあり、該リッド13をサブタンク6の上部周縁に嵌合して、該サブタンク6の上部開放部分を閉塞してある。
【0031】
このリッド13にはベーパ抜き孔14を設けてあり、サブタンク6内にベーパが発生すると、このベーパ抜き孔14からタンク本体1の上側空間Sに逃がすようにしてある。
【0032】
このフュエルポンプ9は、既存のフュエルポンプと同様にその底面には、図外のランナーの回転によって燃料を吸引した時に発生するベーパを放出させるためのベーパ解放孔15を設けてある。
【0033】
サブタンク6の底部外側、例えば本実施形態にあってはトンネル部7の上壁7aの下側には、フュエルポンプ9のベーパ解放孔15から放出するベーパの噴出流を利用して、エゼクタ作用によりタンク本体1内の燃料を該タンク本体1の底部側から吸引してサブタンク6内に供給するジェットポンプ16を配設してある。
【0034】
このジェットポンプ16は、一端がフュエルポンプ9の底面のベーパ解放孔15に接続され、他端がサブタンク6のトンネル部7の上壁7aを貫通してトンネル部7内に突出すると共に、ノズル開口部18を略水平方向に曲折成形したL字状のベーパ導出パイプ17と、下向きに突出した燃料吸込口20を有し前記ベーパ導出パイプ17の他端のノズル開口部18を囲繞して設けた燃料流入室19と、一端が該燃料流入室19に開口して前記ベーパ導出パイプ17の他端のノズル開口部18と所要の間隔をおいて対峙して配置され、他端がトンネル部7の上壁7aを貫通してサブタンク6内に直立状態に突出して、該他端の開口部がサブタンク6内の上方に開放された燃料導入パイプ21とを備えている。
【0035】
この実施形態では燃料流入室19と燃料導入パイプ21とを一体成形してあり、また、ベーパ導出パイプ17および該燃料導入パイプ21を一体成形した燃料流入室19は、サブタンク6と同様に適宜の合成樹脂材で形成してある。
【0036】
前記燃料流入室19の燃料吸込口20には、所要の容積に保形されたメッシュのフィルタ22を装着してある。
【0037】
このフィルタ22はサブタンク6の底部のトンネル部7内に配置され、タンク本体1の底壁1b面に当接して配設してある。
【0038】
この実施形態ではフィルタ22はその一側部がサブタンク6の径外へ突出するようにして拡張してあるが、図1の鎖線で示すように該フィルタ22の他側部もサブタンク6の径外へ突出するように大きく拡張するようにしてもよい。
【0039】
フュエルポンプ9の燃料吐出パイプ12と、タンク本体上壁1aの開口2を閉塞するリッド3のコネクタパイプ5とは、予め耐油、耐熱性のゴム、合成樹脂等の弾性材からなる可撓性パイプ23で接続するか、あるいは、サブタンク6のアッセンブリをタンク本体1内に挿入配設した後、リッド3を装着する際に該可撓性パイプ23で接続される。
【0040】
以上の実施形態の構造によれば、車両組立てのオフライン後にタンク本体1内に所要量の燃料を供給してフュエルポンプ9を作動させるが、この状態ではサブタンク6の底部外側に設けたジェットポンプ16はタンク本体1内の燃料中に浸漬するがサブタンク6内は空の状態である。
【0041】
この状態でフュエルポンプ9を作動すると該フュエルポンプ9の図外のランナーは空転するが、該ランナーの周りに微負圧が発生することによってこの微負圧がベーパ解放孔15からジェットポンプ16のベーパ導出パイプ17を経由して燃料流入室19内に作用し、該燃料流入室19内に滞留している燃料が負圧の作用によりフュエルポンプ9内に吸引されて該フュエルポンプ9のプライミングが行われる。
【0042】
フュエルポンプ9のプライミングが継続されると圧縮作用によりベーパ解放孔15から吐出圧の高い燃料混じりの空気が噴出され、この高圧の噴出空気流が前記ベーパ導出パイプ17を通ってその端部のノズル開口部18から燃料流入室19内に噴出され、ここにエゼクタ作用が生じて該燃料流入室19内の燃料が燃料導入パイプ21に圧送されるのと連動して、タンク本体1内の燃料が該燃料流入室19の燃料吸込口20から吸引され、燃料導入パイプ21を通ってサブタンク6内の上方に供給される。
【0043】
燃料導入パイプ21からサブタンク6内に燃料が供給されると、この燃料はフュエルポンプ9の燃料吸込口10から吸引され、圧力が高められて燃料吐出パイプ12,可撓性パイプ23,コネクタパイプ5,および該コネクタパイプ5に接続されるフィードパイプを経由してエンジン側の燃料供給装置(フィードパイプ、燃料供給装置は何れも図示省略)へ圧送される。
【0044】
フュエルポンプ9がこのようにして正常に作動するとベーパ解放孔15からベーパ又は気液混合流が高圧で放出され、以後、この噴出流によるエゼクタ作用でジェットポンプ16によってタンク本体1内の底部側から燃料がサブタンク6内の上方に供給され、そこで気液が分離されサブタンク6内が燃料で満されるようになると共に、該サブタンク6内からフュエルポンプ9によってエンジン側燃料供給装置への燃料供給が継続される。
【0045】
以上のようにサブタンク6内が空の状態であってもフュエルポンプ9のプライミングを適切に行わせることができるため、サブタンク6の底部にフェエルポンプ9のプライミング確保の目的で、タンク本体1内からサブタンク6内への燃料の流入を許容し、サブタンク6内からタンク本体1内への燃料の流出を阻止するチェック弁を設ける必要がなく、従って、部品点数を削減できてコスト的に有利に得ることができる。
【0046】
また、フュエルポンプ9の作動によってその底面のベーパ解放孔15からはベーパあるいは気液混合流が高圧で放出されるが、この高圧の噴出流を有効利用してジェットポンプ16のエゼクタ作用によってタンク本体1内の底部側からサブタンク6内へ燃料の供給を行わせるため、ベーパ解放孔15から噴出するポンプ吐出圧の圧力変化が緩やかになることと、高圧の噴出流がタンク本体1の底壁1bに打ち当らないため、ベーパ解放孔15からのポンプ吐出圧の噴出に起因する騒音の発生を回避することができる。
【0047】
更に、ジェットポンプ16は、タンク本体1内の底部側から該タンク本体1内の燃料を吸引してサブタンク6内へ供給するようにしてあるため、タンク本体1内の燃料残量が少なくなってもサブタンク6内への燃料供給を継続できて、タンク本体1内の無効燃料残量を少なくすることができる。
【0048】
特に、本実施形態ではジェットポンプ16の燃料吸込口20には、タンク本体1の底壁1b面に接する所要の容積のフィルタ22を装着してあるため、ジェットポンプ6がタンク本体1内の燃料液面から露出しても、該フィルタ22内に燃料が流入、捕捉されている状態の間はジェットポンプ6による燃料吸込作用を継続できるため、タンク本体1内の無効燃料残量をより一層少なくすることができる。尚、メッシュのフィルタは、その一部が燃料に接触していれば、表面張力によりフィルタ全面がリキッドシールされることになるので、フィルタの一部が燃料中から空気中に露出していてもポンプは燃料を吸込むことができる。
【0049】
しかも、このフィルタ22はサブタンク6の径外へ突出するように拡張してあるため、ジェットポンプ6によるタンク本体1の底部での燃料吸引面積を拡大でき、従って、タンク本体1内の燃料残量が少ない状態での車両の傾斜地走行時や急加速時、あるいはコーナリング時等にタンク本体1内の燃料がタンク本体1の片側に移動してしまうような場合でも、ジェットポンプ16によるサブタンク6内への燃料供給を持続することができる。
【0050】
また、サブタンク6の底部にはトンネル部7を形成してあって、このトンネル部7に前記フィルタ22を配設してあるため、該トンネル部7がフィルタ22のプロテクタとして機能し、フュエルポンプ9,ジェットポンプ16等をサブアッセンブリしたサブタンク6を、タンク本体1の上壁1aの開口2からタンク本体1内に組込む際に、フィルタ22がタンク本体1と干渉しても、フィルタ22の変形を防止できてジェットポンプ16の燃料吸込み性能に些かも支障を来すことはない。
【0051】
更に、前記トンネル部7の両側部には窪設部8を形成して、該窪設部8内にフュエルポンプ9の底部の燃料吸込口10に設けたフィルタ11を収納配置して、フュエルポンプ9のプライミング時にジェットポンプ16によってトンネル部上壁7aを貫通した燃料導入パイプ21から空のサブタンク6内へ燃料が供給されると、該トンネル部上壁7aから窪設部8に供給燃料が集流して、所要の容積に保形されたフィルタ11内に流入、捕捉されてフュエルポンプ9の燃料吸引作動を速やかに行わせることができるから、該フュエルポンプ9のプライミングからポンプ作動の立上がり性能を高めることができる。
【0052】
一方、このような燃料吸込性能上の効果とは別に、前述のようにジェットポンプ16はベーパ導出パイプ17,燃料流入室19,および燃料導入パイプ21等で構成しているため、これらジェットポンプ構成部材のサブタンク6への組付けの自由度を高めることができ、サブタンク6へのジェットポンプ16のサブアッセンブリを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す略示的断面説明図。
【符号の説明】
1 タンク本体
6 サブタンク
7 トンネル部
8 窪設部
9 フュエルポンプ
10 フュエルポンプの燃料吸込口
15 ベーパ解放孔
16 ジェットポンプ
17 ベーパ導出パイプ
18 ノズル開口部
19 燃料流入室
20 ジェットポンプの燃料吸込口
21 燃料導入パイプ
22 フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車等の車両に搭載される車両用燃料タンク、とりわけ、フュエルポンプをタンク本体内に配設した車両用燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
フュエルポンプをタンク本体内に配設した車両用燃料タンクとしては、例えば特開平2−286865号公報、特開平3−50372号公報に示されているように、リターン燃料の噴出流を利用したジェットポンプによりタンク本体内の燃料を吸引して、この燃料を該タンク本体内に配設したサブタンクに供給し、該サブタンク内に配設したフュエルポンプでこのサブタンク内から燃料を吸引してエンジン側の燃料供給装置へ圧送するようにしたものや、特開平3−57873号公報に示されているように、サブタンク内に配設したフュエルポンプによりタンク本体内の底部側から燃料を吸引し、この燃料をエンジン側の燃料供給装置へ圧送すると共に、該フュエルポンプで吸引した燃料の一部をリターン燃料と共にサブタンク内に貯留するようにしたもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記何れの車両用燃料タンクにあっても、フュエルポンプはその底面にベーパ解放孔を開設して、ランナーの回転によって燃料を吸引したときに発生するベーパをこのベーパ解放孔から放出するようにしてあるが、このベーパ解放孔からポンプ吐出圧がサブタンク内又はタンク本体内に噴出することから、このポンプ吐出圧の急激な減圧変化によって生じる膨脹音や、ベーパ解放孔から噴出する液流又は気液混合流がサブタンク底壁又はタンク本体底壁に打ち当って生じる打撃音およびベーパの破裂音等、ベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出に起因して騒音が生じる不具合がある。
【0004】
また、サブタンクの底壁にはフュエルポンプのプライミング確保のため、あるいは、タンク本体内の燃料の低残量時におけるフュエルポンプの燃料吸引性確保のためチェック弁を設ける必要があって、部品点数が嵩んでコスト的に不利となってしまう。
【0005】
そこで、本発明はフュエルポンプ底面のベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出による騒音を回避できると共に、サブタンク底壁のチェック弁を不要とすることができてコスト的に有利に得ることができる車両用燃料タンクを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、タンク本体と、タンク本体内に配設したサブタンクと、サブタンク内に配設されて該サブタンク内の燃料を吸引してエンジン側の燃料供給装置へ圧送するフュエルポンプと、フュエルポンプの底面に開設したベーパ解放孔に接続され該ベーパ解放孔から放出するベーパの噴出流を利用したエゼクタ作用により、タンク本体内の底部側からサブタンク内へ燃料を供給するジェットポンプと、を備え、このジェットポンプは、一端がフュエルポンプ底面のベーパ解放孔に接続され、他端がサブタンクの底壁を貫通してタンク本体内に突出したベーパ導出パイプと、燃料吸込口を有し前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部を囲繞して設けた燃料流入室と、一端が該燃料流入室に開口して前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部と所要の間隔をおいて対峙して配置され、他端開口部がサブタンクを貫通して該サブタンク内に突出配置された燃料導入パイプとを備えていると共に、燃料吸込口に所要の容積に保形されてタンク本体底面に接するフィルタを備えている一方、サブタンクはその底部にトンネル部を凹設してあり、前記フィルタをこのトンネル部に配設して、該フィルタをサブタンクの径外へ突出するように拡張し、かつ、フュエルポンプの燃料吸込口にはトンネル部をまたぐようにフィルタを配設したことを特徴としている。
【0011】
請求項2にあっては、請求項1に記載のジェットポンプのサブタンク内への燃料供給は、サブタンク内の上方にて開放されていることを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】
請求項1によれば、車両組立てのオフライン後にタンク本体内に所要量の燃料を供給してフュエルポンプを作動させるが、この状態ではサブタンクの底部外側に設けたジェットポンプはタンク本体内の燃料中に浸漬するがサブタンク内は空の状態である。
【0013】
従って、フュエルポンプを作動すると該フュエルポンプのランナーは空転するが、該ランナーの周りに微負圧が発生することによりこの微負圧がベーパ解放孔を介してジェットポンプに作用し、ジェットポンプ内に滞留している燃料がフュエルポンプ内に流入してフュエルポンプのプライミングが可能となる。
【0014】
フュエルポンプのプライミングが行われるとベーパ解放孔から吐出圧の高い空気が吐出され、この高圧の噴出空気流がジェットポンプに作用して、該ジェットポンプのエゼクタ作用によりタンク本体内の底部側から該タンク本体内の燃料を吸引してサブタンン内に供給し、該サブタンク内に供給された燃料はフュエルポンプの燃料吸込口から吸引され、圧力が高められてエンジン側の燃料供給装置へ圧送される。
【0015】
フュエルポンプが正常に作動するとベーパ解放孔からベーパ又は気流混合流が高圧で放出され、以後、この噴出流によるエゼクタ作用でジェットポンプによりタンク本体内の燃料がサブタンク内へ供給され、サブタンク内が燃料で満されるようになる。
【0016】
この結果、サブタンク底部にフュエルポンプのプライミング確保の目的で、タンク本体内からサブタンク内への燃料の流入を許容し、サブタンク内からタンク本体内への燃料の流出を阻止するチェック弁を設けなくてもフュエルポンプのプライミングを適正に行わせることができる。
【0017】
また、フュエルポンプの作動によってその底面のベーパ解放孔からはベーパあるいは気流混合流が高圧で放出されるが、この高圧の噴出流を有効利用してジェットポンプのエゼクタ作用によりタンク本体内の底部側からサブタンク内へ燃料の供給を行わせるため、ベーパ解放孔から噴出するポンプ吐出圧の圧力変化が緩やかになることと、高圧の噴出流がタンク本体底壁に打ち当らないためベーパ解放孔からのポンプ吐出圧の噴出に起因する騒音の発生を回避することができる。
【0018】
更に、ジェットポンプはサブタンクの底部外側に設けてあって、タンク本体内の底部側から該タンク本体内の燃料を吸引してサブタンク内へ供給するようにしてあるため、タンク本体内の燃料残量が少なくなってもサブタンク内への燃料供給を継続できて、タンク本体内の無効燃料残量を少なくすることができる。
しかも、このジェットポンプをベーパ導出パイプ、燃料流入室、および燃料導入パイプ等で構成しているため、これらジェットポンプ構成部材のサブタンクへの組付けの自由度を高めることができ、サブタンクへのジェットポンプのサブアッセンブリを容易に行うことができる。
【0019】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ジェットポンプの燃料吸込口にはタンク本体底面に接する所要の容積のフィルタを備えているため、ジェットポンプがタンク本体内の燃料液面から露出しても、該フィルタ内に燃料が流入、捕捉されている状態の間はジェットポンプによる燃料吸引作用を継続できるため、タンク本体内の無効燃料残量をより一層少なくすることができる。
【0020】
しかも、ジェットポンプの燃料吸込口に設けたフィルタをサブタンク底部のトンネル部に配設してあるため、このトンネル部がフィルタのプロテクタとして機能し、フュエルポンプ、ジェットポンプをサブアッセンブリしたサブタンクをタンク本体内に組込む際に、フィルタがタンク本体と干渉して変形してジェットポンプの燃料吸込み性能に支障を来すのを回避することができる。更に、ジェットポンプの燃料吸込口に設けたフィルタは、サブタンクの径外へ突出するように拡張してあるため、ジェットポンプによるタンク本体底部での燃料吸込面積を拡大でき、従って、タンク本体内の燃料残量が少ない状態での車両の傾斜地走行時や急加速時、あるいはコーナリング時等にタンク本体内の燃料がタンク本体の片側に移動してしまうような場合でも、ジェットポンプによるサブタンク内への燃料供給を持続することができる。一方、サブタンク内の燃料はトンネル部をまたぐように配設されたフィルタにより、燃料の表面張力を利用して、フュエルポンプにより吸引することができる。
【0023】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ジェットポンプの燃料供給はサブタンク上方にて開放されるため、ベーパ又は気流混合となって燃料の気液分離がスムーズに行なわれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0025】
図1において、1はタンク本体でその上壁1aの略中央部には後述するサブタンクアッセンブリを組込むための開口2を形成してある。
【0026】
この開口2はリッド3によってシールリング4を介して気液密的に閉塞するようにしてあり、該リッド3にはその中央部を貫通して図外のフィードパイプを後述するフュエルポンプの燃料吐出パイプに継ぐコネクタパイプ5を固設してある。
【0027】
6は前記タンク本体1の上壁1aの開口2から該タンク本体1内に挿入されて、タンク本体1の底壁1b面上に定置固定した上部開放のサブタンクを示し、その底部中央には一方向に向けてトンネル部7を凹設してある。尚、トンネル部は、三方が開放したひさし状に覆うものも含むものである。
【0028】
トンネル部7の両側部には窪設部8を設けて、後述するジェットポンプから空のサブタンク6のトンネル部上壁7aの部分に燃料が供給されると、この燃料が窪設部8に集流するようにしてある。尚、トンネル部が三方に開放したものの場合は窪設部は一側部のみになる。
【0029】
9はサブタンク6内に上方から挿入配置したフュエルポンプを示し、該フュエルポンプ9の底部に設けた燃料吸込口10にはトンネル部7をまたぐようにしたメッシュのフィルタ11を装着してあり、該フィルタ11を前記窪設部8の底面に当接して収容配置してある。
【0030】
フュエルポンプ9の上面に突出して設けた燃料吐出パイプ12にはリッド13を固設してあり、該リッド13をサブタンク6の上部周縁に嵌合して、該サブタンク6の上部開放部分を閉塞してある。
【0031】
このリッド13にはベーパ抜き孔14を設けてあり、サブタンク6内にベーパが発生すると、このベーパ抜き孔14からタンク本体1の上側空間Sに逃がすようにしてある。
【0032】
このフュエルポンプ9は、既存のフュエルポンプと同様にその底面には、図外のランナーの回転によって燃料を吸引した時に発生するベーパを放出させるためのベーパ解放孔15を設けてある。
【0033】
サブタンク6の底部外側、例えば本実施形態にあってはトンネル部7の上壁7aの下側には、フュエルポンプ9のベーパ解放孔15から放出するベーパの噴出流を利用して、エゼクタ作用によりタンク本体1内の燃料を該タンク本体1の底部側から吸引してサブタンク6内に供給するジェットポンプ16を配設してある。
【0034】
このジェットポンプ16は、一端がフュエルポンプ9の底面のベーパ解放孔15に接続され、他端がサブタンク6のトンネル部7の上壁7aを貫通してトンネル部7内に突出すると共に、ノズル開口部18を略水平方向に曲折成形したL字状のベーパ導出パイプ17と、下向きに突出した燃料吸込口20を有し前記ベーパ導出パイプ17の他端のノズル開口部18を囲繞して設けた燃料流入室19と、一端が該燃料流入室19に開口して前記ベーパ導出パイプ17の他端のノズル開口部18と所要の間隔をおいて対峙して配置され、他端がトンネル部7の上壁7aを貫通してサブタンク6内に直立状態に突出して、該他端の開口部がサブタンク6内の上方に開放された燃料導入パイプ21とを備えている。
【0035】
この実施形態では燃料流入室19と燃料導入パイプ21とを一体成形してあり、また、ベーパ導出パイプ17および該燃料導入パイプ21を一体成形した燃料流入室19は、サブタンク6と同様に適宜の合成樹脂材で形成してある。
【0036】
前記燃料流入室19の燃料吸込口20には、所要の容積に保形されたメッシュのフィルタ22を装着してある。
【0037】
このフィルタ22はサブタンク6の底部のトンネル部7内に配置され、タンク本体1の底壁1b面に当接して配設してある。
【0038】
この実施形態ではフィルタ22はその一側部がサブタンク6の径外へ突出するようにして拡張してあるが、図1の鎖線で示すように該フィルタ22の他側部もサブタンク6の径外へ突出するように大きく拡張するようにしてもよい。
【0039】
フュエルポンプ9の燃料吐出パイプ12と、タンク本体上壁1aの開口2を閉塞するリッド3のコネクタパイプ5とは、予め耐油、耐熱性のゴム、合成樹脂等の弾性材からなる可撓性パイプ23で接続するか、あるいは、サブタンク6のアッセンブリをタンク本体1内に挿入配設した後、リッド3を装着する際に該可撓性パイプ23で接続される。
【0040】
以上の実施形態の構造によれば、車両組立てのオフライン後にタンク本体1内に所要量の燃料を供給してフュエルポンプ9を作動させるが、この状態ではサブタンク6の底部外側に設けたジェットポンプ16はタンク本体1内の燃料中に浸漬するがサブタンク6内は空の状態である。
【0041】
この状態でフュエルポンプ9を作動すると該フュエルポンプ9の図外のランナーは空転するが、該ランナーの周りに微負圧が発生することによってこの微負圧がベーパ解放孔15からジェットポンプ16のベーパ導出パイプ17を経由して燃料流入室19内に作用し、該燃料流入室19内に滞留している燃料が負圧の作用によりフュエルポンプ9内に吸引されて該フュエルポンプ9のプライミングが行われる。
【0042】
フュエルポンプ9のプライミングが継続されると圧縮作用によりベーパ解放孔15から吐出圧の高い燃料混じりの空気が噴出され、この高圧の噴出空気流が前記ベーパ導出パイプ17を通ってその端部のノズル開口部18から燃料流入室19内に噴出され、ここにエゼクタ作用が生じて該燃料流入室19内の燃料が燃料導入パイプ21に圧送されるのと連動して、タンク本体1内の燃料が該燃料流入室19の燃料吸込口20から吸引され、燃料導入パイプ21を通ってサブタンク6内の上方に供給される。
【0043】
燃料導入パイプ21からサブタンク6内に燃料が供給されると、この燃料はフュエルポンプ9の燃料吸込口10から吸引され、圧力が高められて燃料吐出パイプ12,可撓性パイプ23,コネクタパイプ5,および該コネクタパイプ5に接続されるフィードパイプを経由してエンジン側の燃料供給装置(フィードパイプ、燃料供給装置は何れも図示省略)へ圧送される。
【0044】
フュエルポンプ9がこのようにして正常に作動するとベーパ解放孔15からベーパ又は気液混合流が高圧で放出され、以後、この噴出流によるエゼクタ作用でジェットポンプ16によってタンク本体1内の底部側から燃料がサブタンク6内の上方に供給され、そこで気液が分離されサブタンク6内が燃料で満されるようになると共に、該サブタンク6内からフュエルポンプ9によってエンジン側燃料供給装置への燃料供給が継続される。
【0045】
以上のようにサブタンク6内が空の状態であってもフュエルポンプ9のプライミングを適切に行わせることができるため、サブタンク6の底部にフェエルポンプ9のプライミング確保の目的で、タンク本体1内からサブタンク6内への燃料の流入を許容し、サブタンク6内からタンク本体1内への燃料の流出を阻止するチェック弁を設ける必要がなく、従って、部品点数を削減できてコスト的に有利に得ることができる。
【0046】
また、フュエルポンプ9の作動によってその底面のベーパ解放孔15からはベーパあるいは気液混合流が高圧で放出されるが、この高圧の噴出流を有効利用してジェットポンプ16のエゼクタ作用によってタンク本体1内の底部側からサブタンク6内へ燃料の供給を行わせるため、ベーパ解放孔15から噴出するポンプ吐出圧の圧力変化が緩やかになることと、高圧の噴出流がタンク本体1の底壁1bに打ち当らないため、ベーパ解放孔15からのポンプ吐出圧の噴出に起因する騒音の発生を回避することができる。
【0047】
更に、ジェットポンプ16は、タンク本体1内の底部側から該タンク本体1内の燃料を吸引してサブタンク6内へ供給するようにしてあるため、タンク本体1内の燃料残量が少なくなってもサブタンク6内への燃料供給を継続できて、タンク本体1内の無効燃料残量を少なくすることができる。
【0048】
特に、本実施形態ではジェットポンプ16の燃料吸込口20には、タンク本体1の底壁1b面に接する所要の容積のフィルタ22を装着してあるため、ジェットポンプ6がタンク本体1内の燃料液面から露出しても、該フィルタ22内に燃料が流入、捕捉されている状態の間はジェットポンプ6による燃料吸込作用を継続できるため、タンク本体1内の無効燃料残量をより一層少なくすることができる。尚、メッシュのフィルタは、その一部が燃料に接触していれば、表面張力によりフィルタ全面がリキッドシールされることになるので、フィルタの一部が燃料中から空気中に露出していてもポンプは燃料を吸込むことができる。
【0049】
しかも、このフィルタ22はサブタンク6の径外へ突出するように拡張してあるため、ジェットポンプ6によるタンク本体1の底部での燃料吸引面積を拡大でき、従って、タンク本体1内の燃料残量が少ない状態での車両の傾斜地走行時や急加速時、あるいはコーナリング時等にタンク本体1内の燃料がタンク本体1の片側に移動してしまうような場合でも、ジェットポンプ16によるサブタンク6内への燃料供給を持続することができる。
【0050】
また、サブタンク6の底部にはトンネル部7を形成してあって、このトンネル部7に前記フィルタ22を配設してあるため、該トンネル部7がフィルタ22のプロテクタとして機能し、フュエルポンプ9,ジェットポンプ16等をサブアッセンブリしたサブタンク6を、タンク本体1の上壁1aの開口2からタンク本体1内に組込む際に、フィルタ22がタンク本体1と干渉しても、フィルタ22の変形を防止できてジェットポンプ16の燃料吸込み性能に些かも支障を来すことはない。
【0051】
更に、前記トンネル部7の両側部には窪設部8を形成して、該窪設部8内にフュエルポンプ9の底部の燃料吸込口10に設けたフィルタ11を収納配置して、フュエルポンプ9のプライミング時にジェットポンプ16によってトンネル部上壁7aを貫通した燃料導入パイプ21から空のサブタンク6内へ燃料が供給されると、該トンネル部上壁7aから窪設部8に供給燃料が集流して、所要の容積に保形されたフィルタ11内に流入、捕捉されてフュエルポンプ9の燃料吸引作動を速やかに行わせることができるから、該フュエルポンプ9のプライミングからポンプ作動の立上がり性能を高めることができる。
【0052】
一方、このような燃料吸込性能上の効果とは別に、前述のようにジェットポンプ16はベーパ導出パイプ17,燃料流入室19,および燃料導入パイプ21等で構成しているため、これらジェットポンプ構成部材のサブタンク6への組付けの自由度を高めることができ、サブタンク6へのジェットポンプ16のサブアッセンブリを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す略示的断面説明図。
【符号の説明】
1 タンク本体
6 サブタンク
7 トンネル部
8 窪設部
9 フュエルポンプ
10 フュエルポンプの燃料吸込口
15 ベーパ解放孔
16 ジェットポンプ
17 ベーパ導出パイプ
18 ノズル開口部
19 燃料流入室
20 ジェットポンプの燃料吸込口
21 燃料導入パイプ
22 フィルタ
Claims (2)
- タンク本体と、タンク本体内に配設したサブタンクと、サブタンク内に配設されて該サブタンク内の燃料を吸引してエンジン側の燃料供給装置へ圧送するフュエルポンプと、フュエルポンプの底面に開設したベーパ解放孔に接続され該ベーパ解放孔から放出するベーパの噴出流を利用したエゼクタ作用により、タンク本体内の底部側からサブタンク内へ燃料を供給するジェットポンプと、を備え、このジェットポンプは、一端がフュエルポンプ底面のベーパ解放孔に接続され、他端がサブタンクの底壁を貫通してタンク本体内に突出したベーパ導出パイプと、燃料吸込口を有し前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部を囲繞して設けた燃料流入室と、一端が該燃料流入室に開口して前記ベーパ導出パイプの他端のノズル開口部と所要の間隔をおいて対峙して配置され、他端開口部がサブタンクを貫通して該サブタンク内に突出配置された燃料導入パイプとを備えていると共に、燃料吸込口に所要の容積に保形されてタンク本体底面に接するフィルタを備えている一方、サブタンクはその底部にトンネル部を凹設してあり、前記フィルタをこのトンネル部に配設して、該フィルタをサブタンクの径外へ突出するように拡張し、かつ、フュエルポンプの燃料吸込口にはトンネル部をまたぐようにフィルタを配設したことを特徴とする車両用燃料タンク。
- ジェットポンプのサブタンク内への燃料供給は、サブタンク内の上方にて開放されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料タンク。
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