JP2004011067A - ポリエステル複合繊維 - Google Patents

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▲くわ▼山 聡
Satoshi Kuwayama
Yoshitaka Matsumura
松村 由隆
Masayuki Sato
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Abstract

【課題】従来技術の欠点を解決し、天然繊維ライクな膨らみ感、嵩高性とストレッチ性、張り・腰感を兼ね備えたストレッチバック原糸を安定に製糸して提供する。
【解決手段】プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPPTである高収縮ポリエステル成分(A)と、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPETである低収縮ポリエステル成分(B)からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であって、繊維横断面における高粘度ポリエステル成分(A)と低粘度ポリエステル成分(B)の複合接合面状態が異なる2群以上の単糸群で構成されており、且つ全ての単糸の複合比率は同一であることを特徴とするポリエステル複合繊維。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレンテレフタレートである高収縮ポリエステル成分(A)と、ポリエチレンテレフタレートである低収縮ポリエステル成分(B)からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維に関するものであり、天然繊維ライクな膨らみ感やソフト感、嵩高性とストレッチ性、張り・腰感を兼ね備えたポリエステル複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シルク、ウール、綿を代表とする天然繊維は単糸の繊度、形状、捲縮発現性等における物性のバラツキが大きいという特徴があり、このような構造、物性上の特徴からポリエステル繊維を代表とする合成繊維に比べ、膨らみが大きく、風合いが良好であるということが知られている。そのため従来から天然繊維ライクな合成繊維について数々の提案がなされてきた。
【0003】
例えば特開昭58−109639号公報には固有粘度差のある2種のポリマーを用いた複合比率の異なるサイドバイサイド型ポリエステル複合繊維を別々に製造し、加熱流体押し込みノズルにより混繊捲縮加工する方法が開示されている。しかし該方法で得られたポリエステル複合繊維は別々に得られたフィラメントを混繊することによる製造工程の複雑さや煩雑さがあるため製造コスト面で問題があり、また捲縮形態の異なる単糸群の数を増やすことが難しく、天然繊維ライクのものを得ることが困難であった。
【0004】
特開平1−266220号公報には高粘度ポリエステル成分と低粘度ポリエステル成分をサイドバイサイド型に接合させる際に複合比率が単糸間で異なるようにすることでランダム感を付与させ、また高粘度ポリエステル成分、低粘度ポリエステル成分のみの各フィラメントを混在させ、適度な膨らみ感、嵩高性と張り・腰感を付与する方法が開示されている。
【0005】
しかし該方法により得られるポリエステル複合繊維は単糸間で強伸度レベルが異なるため製糸性が不安定であり、その上、糸そのものが捲縮を有さない単糸を含むため、粗硬感が強調されるものとなる。また低粘度ポリエステル成分の単成分フィラメントも同時紡糸されるため、製糸安定化の面から高粘度ポリエステル成分と低粘度ポリエステル成分との極限粘度差を大きくできず、捲縮発現性が乏しい膨らみ感のないフラットな風合いであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の問題を解決し、ポリプロピレンテレフタレートである高収縮ポリエステル成分(A)と、ポリエチレンテレフタレートである低収縮ポリエステル成分(B)からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であって、天然繊維ライクな膨らみ感、嵩高性、ソフト感と共にストレッチ性、張り腰・反発性を兼ね備えたポリエステル複合繊維を製糸性良く、提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリマー特性差による収縮差からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維において、複合接合面状態が異なる2群以上の単糸群で構成することにより天然繊維ライクな膨らみ感・嵩高性と共にストレッチ性、張り腰・反発性を有するポリエステル複合繊維を見い出した。
【0008】
すなわち、本発明はプロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリプロピレンテレフタレートである高粘度ポリエステル成分(A)と、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリプロピレンテレフタレートである低粘度ポリエステル成分(B)からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であって、繊維横断面における高粘度ポリエステル成分(A)と低粘度ポリエステル成分(B)の複合接合面状態が異なる2群以上の単糸群で構成されており、且つ全ての単糸の複合比率は同一であることを特徴とするポリエステル複合繊維である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明のポリエステル複合繊維に用いる高収縮ポリエステル成分(A)は、プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリプロピレンテレフタレート(PPT)である必要がある。プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPPTを用いることで、ポリマー気質の有する天然繊維ライクなソフトな風合いが得られる。
【0011】
同時に本発明のポリエステル複合繊維は、プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPPTの高収縮ポリエステル成分(A)と、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上ポリエチレンテレフタレート(PET)の低収縮ポリエステル成分(B)からなるサイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であることが重要である。サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維の問題視されるニーイング現象を極小化でき、品質・品位が安定した捲縮発現性が良好なポリエステル複合繊維を製糸性良く行えるものである。
【0012】
一方、高収縮ポリエステル成分として高IVのPET、低収縮ポリエステル成分として低IVのPETからなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であると高収縮ポリエステル成分と低収縮ポリエステル成分のIV差から生じる溶融粘度差が過大となり、口金からの吐出時にニーイング現象が大きく働き、製糸性が不安定になる。特にニーイング現象のひどいときには吐出ポリマーが口金面に付着し、糸形状とならず、製糸することができない。
【0013】
本発明のポリエステル複合繊維は異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であって、その複合比率は全ての単糸で同一であり、繊維横断面の複合接合面状態が単糸間で異なる2群以上の単糸群で構成されていることが重要である。2群以上で構成することにより、天然繊維ライクな膨らみ感、表面品位の優れたものを得ることができる。複合接合面状態が単一であると、天然繊維ライクな表面品位が得られないばかりか、適度な膨らみ感を付与することができず、本発明を満足するものでない。本発明における複合接合面が単糸間で2群以上形成せしめる方法として一例を挙げると、図2に示すように、最終吐出孔直上で鞘側に高収縮ポリエステル成分(A)、芯側に低収縮ポリエステル成分(B)を取り回し、吐出孔が異形形状である最終吐出孔において、図3に示すように、吐出孔中心を通る任意直線を基線Xとして、異形吐出孔中心より凸部を通る直線Yの内、基線Xに対する直線Yの最小角度が複数群となるように吐出孔を配列することで、複合接合面が異なる2群以上の単糸群を形成することが出来る。尚、基線Xは全ての吐出孔で口金方向に対し、同一である。
【0014】
本発明のポリエステル複合繊維は、その複合比率は単糸間で同一である必要がある。複合比率が同一であることにより、単糸間の強伸度バラツキを最小限に抑えることができ、安定した製糸を行える。単糸間で複合比率が異なると、単糸間の強伸度バラツキが過大となり、製糸が不安定になるばかりか品質・品位が悪化する。尚、複合比率が同一とは、繊維横断面における繊維重量比率が同一であることを示し、断面写真の面積比率で±3%までを同一とする。
【0015】
本発明のポリエステル複合繊維は異形断面である必要がある。異形断面化することにより単糸間で複合接合面状態を相違せしめることができ、各々の単糸群でそれぞれ異なる曲げ剛性が働き、単糸群で捲縮発現性の異なるものが得られる。また、異形断面特有の膨らみ感や嵩高性といった風合いを得ることが出来る。丸断面である布帛は単糸間での複合接合面は実質的に同一となるため捲縮形態が同一となり、合成繊維独特のつるつるとした風合いとなる。
【0016】
本発明のポリエステル複合繊維は断面異形度が1.2〜5.0の範囲であることが好ましい。断面異形度を1.2〜5.0の範囲内にすることにより、捲縮発現性のランダム感と、機能性を付与することができる。また、製糸安定面を考慮すると、より好ましくは断面異形度は1.5〜3.0である。
【0017】
また本発明のポリエステル複合繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面以外の異型断面化にすることにより、3葉断面化による光沢感や4葉以上の多葉断面化による吸水性や速乾性能、中空断面化によるハリコシ感や保温性、軽量感などの機能性を付与させることが出来る。
【0018】
本発明におけるポリエステル複合繊維の断面形状を図1に例示するが、勿論図示されたものに限定されるものではない。
【0019】
また本発明で定義する断面異形度とは、図4に示すように電子顕微鏡写真による繊維横断面における外接円Aと内接円Bを求め、外接円の直径(μm)を内接円の直径(μm)で除した値であり、値の大きいほど断面異形度が大きい。
【0020】
本発明のポリエステル複合繊維は、単糸間で単糸繊度が異なることが好ましく、単糸繊度の最大繊度Max(dtex)と最小繊度Min(dtex)の関係が1.5≦Max(dtex)/Min(dtex)≦5.0を満足することが好ましい。Max(dtex)/Min(dtex)を5.0以下にすることにより製糸が安定して行える上、品質・品位が良好となり、又高次通過性が向上する。またMax(dtex)/Min(dtex)を1.5以上とすることにより、更に天然繊維ライクな表面品位を付与することができる。更に好ましくは1.5≦Max(dtex)/Min(dtex)≦3.0である。尚、単糸間の単糸繊度比は単孔あたりの口金圧損により調整することが出来、単孔毎のポリマー計量性差が大きいほど、単糸繊度比が大きくなる。
【0021】
本発明のポリエステル複合繊維は高収縮ポリエステル成分(A)と低収縮ポリエステル成分(B)との固有粘度差が0.8〜1.5であることが好ましい。
固有粘度差が0.8〜1.5の範囲にすると更に捲縮性と製糸性を両立することができる。更に好ましくは固有粘度差は0.8〜1.2である。
【0022】
更に、本発明のポリエステル繊維に用いるポリエステル成分には本発明の目的を損なわない限り、必要に応じてイソフタル酸、2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン等の共重合成分や、酸化チタン等の艶消し剤、ヒンダートフェノール系化合物等の酸化防止剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導電性付与剤等を配合されていても良い。
【0023】
次に本発明のポリエステル複合繊維の製造方法について説明する。本発明のポリエステル複合繊維の製造方法は、プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPPTである高収縮ポリエステル成分(A)と、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のPETである低収縮ポリエステル成分(B)を市販の複合紡糸機を用い、所定の複合パックを用い、異形形状である最終吐出孔が各吐出孔中心に単孔毎で角度の異なる異形断面用口金を用いてサイドバイサイド型に貼り合わせて複合紡糸し、一旦未延伸糸を巻き取った後、通常の延伸機で所定の破断伸度となるように延伸する2工程法、または一旦巻き取ることなく引き続き延伸を行う1工程法のいずれかによっても製造することができる。
【0024】
本発明のポリエステル複合繊維はこのまま単独で経糸、緯糸に用いても良く、他の糸と混繊して用いても良い。また仮撚加工を付与しても良く、仮撚混繊しても良い。また撚糸を行っても良く、混繊撚糸しても良く、またこれら任意の組合せでも良く、本発明の複合繊維の特長を発揮させるいかなる方法を用いても何ら差し支えない。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における評価方法は次の通りである。
【0026】
1.固有粘度[η]
25℃オルソクロロフェノール中で測定した値である。
【0027】
2.複合接合面の相違判定
図1に記す繊維横断面において、繊維中心を通る任意直線に対して単糸間で複合接合面が異なる単糸を別の群となした。
【0028】
3.製品風合い
ストレッチバック性、嵩高性、表面品位を主体に、適度な張り・腰・反発感を加味し熟練者5名による官能評価を行い、4段階判定法で評価した。
【0029】
○○:優
○:良
△:可
×:不可
4.製糸性
次の判定方法に従った。
【0030】
○○:糸切れ率が3.0%未満
○:糸切れ率が3.0%以上6.0%未満
△:糸切れ率が6.0%以上10.0%未満
×:糸切れ率が10.0%以上
−:評価不可
実施例1
高収縮ポリエステル成分(A)としてプロピレンテレフタレート繰り返し単位100%のPPT([η]=1.50)と、低収縮ポリエステル成分(B)としてエチレンテレフタレート繰り返し単位100%のPET([η]=0.50)を用い、表1のようにそれぞれ口金孔スペックを変更することで断面形状を変更し、複合比率を50:50として、紡速1800m/minの巻取速度によりサイドバイサイド型に複合紡糸を行い、未延伸糸を得た。この未延伸糸を残留伸度が30.0%となるように延伸熱セットを行い、56dtex−24filの延伸糸を得た。得られた延伸糸に500回/mの撚りを施したものを経糸と緯糸に用い平織物を得た。
【0031】
得られた織物(水準1)は、優れた天然繊維ライクな表面品位とストレッチバック性、嵩高性、張り・腰及び反発感を有し、且つ製糸性も良好であった。
【0032】
水準2は、5葉型断面に紡糸した実験であるが、ストレッチバック性、嵩高度、表面品位が良好であり、製糸性も非常に良好であった。
【0033】
水準3は、丸型断面に紡糸した実験であるが、ストレッチバック性が非常に優れたものであったが複合接合面が全ての単糸で同一なため、ランダムな捲縮が得られず、天然繊維ライクな膨らみを有するものが得られなかった。
【0034】
水準4は、3葉形状である最終吐出孔の単孔毎の角度を変更し、3葉断面の複合接合面状態を全ての単糸で同一となるように紡糸した実験であるが、水準3と同様に全ての単糸が捲縮発現性が同一なため、天然繊維ライクな表面感を有するものではなかった。
【0035】
水準5は、水準1において高収縮ポリエステル成分(A)のPPTをPETに変更した実験であるが、ニーイング現象が過大となり、吐出ポリマーは口金面に付着し、製糸することができなかった。
【0036】
評価結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004011067
実施例2
水準6〜9は、水準1において断面異形度を変更した実験である。
【0038】
水準6は、断面異形度を1.2、水準7は断面異形度を5.0とした実験であるが、ストレッチバック性に優れ、張り腰・反発性を有する天然繊維ライクな織物が得られた。
【0039】
水準8は、断面異形度を1.0とした実験であるが、断面異形度が比較的小さいため、嵩高性が若干劣っていたが製糸性が非常に良好であり、ストレッチバック性の優れた織物が得られた。
【0040】
水準9は、断面異形度を5.5とした実験であるが、断面異形度が比較的大きいため糸切れが若干発生したが、ストレッチバック性、嵩高性があり膨らみ感の富んだ天然繊維ライクな織物が得られた。
【0041】
評価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 2004011067
実施例3
水準10〜13は、水準1において単糸間中の最大繊度Max(dtex)と単糸間中の最小繊度Min(dtex)の関係を変更した実験である。
【0043】
水準10は、Max(dtex)/Min(dtex)の関係を5.0とした実験であるが、ストレッチバック性、張り腰・反発性に優れ、天然繊維ライクな膨らみ、嵩高性を有する織物が得られた。
【0044】
水準11は、Max(dtex)/Min(dtex)の関係を5.5とした実験であるが、単糸間中で繊度差がやや大きいため、製糸性が若干不安定であるものの、ストレッチバック性、膨らみ感の良好な織物が得られた。
【0045】
水準12は、Max(dtex)/Min(dtex)の関係を1.5とした実験であるが、ストレッチバック性、膨らみ感等、全ての面で優れていた。
【0046】
水準13は、Max(dtex)/Min(dtex)の関係を1.2とした実験であるが、ストレッチバック性、張り腰・反発性が良好な織物が得られた。
【0047】
評価結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 2004011067
実施例4
水準14〜17は、水準1において高収縮ポリエステル成分(A)と低収縮ポリエステル成分(B)に使用するポリマーを変更し固有粘度差(ΔIV)を変更した実験である。
【0049】
水準14は、固有粘度差(ΔIV)を0.7とした実験であるが、水準1と対比して高収縮ポリエステル成分(A)と低収縮ポリエステル成分(B)の収縮差が小さく、ストレッチバック性が劣っていたが、製糸性が非常に良好であった。
【0050】
水準15は固有粘度差(ΔIV)を0.8、水準16は固有粘度差(ΔIV)を1.5とした実験であるが、両水準共に製糸性が非常に良好であり、得られた織物は適度なストレッチバック性と、天然繊維ライクな表面品位を有するものであった。
【0051】
水準17は、固有粘度差(ΔIV)を1.7とした実験であるが、溶融粘度差が大きくなり、若干ニーイング現象が大きくなったため糸切れが見られたが、特に問題視する程でなく、また得られた織物は非常に優れたものであった。
【0052】
評価結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
Figure 2004011067
実施例5
水準18は吐出孔スペックを変更し、単糸間の複合比率の差を±5%とした実験であるが、紡糸巻き取りの際に糸落ちが発生し、糸切れが多発した。
【0054】
評価結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
Figure 2004011067
【0056】
【発明の効果】
単糸間で捲縮発現性が異なる天然繊維ライクな膨らみ感、嵩高性とストレッチ性、張り・腰感を兼ね備えたストレッチバック原糸を安定して製糸できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル複合繊維の1例を示す繊維横断面図である。
【図2】本発明のポリエステル複合繊維を紡糸する際のポリマー取り回しの一例を示す口金側面図である。
【図3】本発明のポリエステル複合繊維を紡糸する際の吐出孔配列の一例を示す最終吐出孔の図である。
【図4】本発明のポリエステル複合繊維の異形度を定義する繊維横断面図である。

Claims (4)

  1. プロピレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリプロピレンテレフタレートである高収縮ポリエステル成分(A)と、エチレンテレフタレート繰り返し単位が85モル%以上のポリエチレンテレフタレートである低収縮ポリエステル成分(B)からなる異形断面サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維であって、繊維横断面における高収縮ポリエステル成分(A)と低収縮ポリエステル成分(B)の複合接合面状態が異なる2群以上の単糸群で構成されており、且つ全ての単糸の複合比率は同一であることを特徴とするポリエステル複合繊維。
  2. 断面異形度が1.2〜5.0であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル複合繊維。
  3. 単糸間で単糸繊度が異なり、その関係が以下の式を満足することを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル複合繊維。
    1.5≦Max(dtex)/Min(dtex)≦5.0
    但し、Max(dtex)は単糸間中の最大繊度(dtex)
    Min(dtex)は単糸間中の最小繊度(dtex)
  4. 高収縮ポリエステル成分(A)と低収縮ポリエステル成分(B)との固有粘度差(ΔIV)が0.8〜1.5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル複合繊維。
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