JP2004010990A - 薄膜形成装置 - Google Patents

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JP2004010990A JP2002168063A JP2002168063A JP2004010990A JP 2004010990 A JP2004010990 A JP 2004010990A JP 2002168063 A JP2002168063 A JP 2002168063A JP 2002168063 A JP2002168063 A JP 2002168063A JP 2004010990 A JP2004010990 A JP 2004010990A
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Koji Sasaki
佐々木 浩司
Hironobu Narui
成井 啓修
Katsunori Yanashima
簗嶋 克典
Satohiko Memesawa
目々澤 聡彦
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Sony Corp
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Abstract

【課題】基板表面に均一な膜厚の有機薄膜を形成することが可能な薄膜形成装置を提供する。
【解決手段】真空チャンバ11と、真空チャンバ11内に設けられた基板ホルダー12と、基板ホルダー12の基板装着面12aに向けてガスを供給するガス供給手段とを備えた薄膜形成装置であって、ガス供給手段13は、同一成分のガスが供給される複数のガス供給管23を備えており、複数のガス供給管23はそれぞれ独立したガス流量制御手段を有していることを特徴とする薄膜形成装置である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜形成装置に関するものであって、特に、真空チャンバ内で基板表面にキャリアガスとともに原料ガスを供給することにより有機薄膜を形成する有機気相堆積法に適用される薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ素子、有機半導体レーザーなどの低分子系有機EL発光素子用の有機薄膜は、一般的に真空蒸着法で成膜されている。
図8に示すように、真空蒸着法に用いられる真空蒸着装置は、真空チャンバ51と、真空チャンバ51内の底部に設けられた蒸着源52と、蒸着源52の上方に対向配置された基板ホルダー53とを備えている。
【0003】
このような装置を用いて、基板S表面に有機薄膜を形成するには、基板ホルダー53に表面を下方に向けた状態で基板Sを装着し、基板S表面をマスク(図示せず)で覆って、蒸着源52から有機原料を10−3〜10−4Paの高真空中で真空チャンバ51内に加熱蒸発させ、矢印Dで示すように、真空チャンバ51内に拡散した状態で基板S表面に有機原料を蒸着させる。
【0004】
一方、近年、有機薄膜を形成する装置として、有機気相堆積法(Organic Vapor Phase Deposition(OVPD))による有機気相堆積装置が提案されている(特表2001−523768号公報)。
有機気相堆積装置は、真空チャンバと、真空チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダー側に向けてガスを供給するように対向配置されたガス供給手段とを備えており、減圧雰囲気下の真空チャンバ内でキャリアガスとともに有機原料ガスを基板ホルダーに装着された基板表面に供給することで、有機薄膜を形成する。
【0005】
上述したような真空蒸着装置および有機気相堆積装置を用いて有機薄膜を形成する場合には、有機薄膜の耐熱性が低いので、基板を冷却するため基板ホルダーに冷却機構を設ける必要があった。
さらに、基板を静止させた状態で有機薄膜を形成すると、原料ガスを基板表面に均一に堆積させることができず、形成される有機薄膜の膜厚が不均一となることから、基板ホルダーに冷却機構や回転機構またはスライド機構を設けることで、基板装着面の温度および形成する有機薄膜の膜厚分布を調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、真空蒸着装置では真空チャンバ内で蒸着源から気化させた原料ガスが蒸着源の上方に配置された基板に向かって拡散された状態で供給されるため、基板ホルダーに回転機構やスライド機構が設けられていたとしても、基板の端部よりも中央部の方に原料ガスが供給されやすい傾向があった。
また、有機気相堆積装置では、真空チャンバ内に気相状態で原料ガスが供給されるため、ガス供給口から供給された原料ガスは排気口に向かって最短経路で流動し易い。このため、基板表面に原料ガスを均一に供給するには、原料ガスの流動方向を考慮に入れてガス供給口に対して基板装着面を可動させる必要があったる。
また、上記のような構成の真空蒸着装置および有機気相堆積装置は基板ホルダーに複数の機構が設けられていることから、装置構成が複雑となり、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
したがって、基板ホルダーを固定した状態であっても、基板ホルダーに装着される基板表面に均一な膜厚の有機薄膜の形成を行うことができる薄膜形成装置が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の第1の薄膜形成装置は、真空チャンバと、真空チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段とを備えた薄膜形成装置であって、ガス供給手段は、同一成分のガスが供給される複数のガス供給管を備えており、複数のガス供給管はそれぞれ独立したガス供給手段を有していることを特徴としている。
【0009】
このような薄膜形成装置によれば、ガス供給手段は同一成分のガスが供給される複数のガス供給管を備えていることから、各ガス供給管のガス供給口から基板装着面の各部に向けてガスを分配することで、基板装着面に装着される基板表面に対してガスを均等に供給した成膜が可能である。
さらに複数のガス供給管にそれぞれ独立したガス流量制御手段を有していることから、ガス流量制御手段により各ガス供給口から供給されるガス流量を調整することで、基板表面に供給されるガスの分布をより均一にすることができる。
【0010】
また、本発明の第2の薄膜形成装置は、真空チャンバと、真空チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段とを備えた薄膜形成装置であって、ガス供給手段は、複数のガス供給口が配設された供給端と、この供給端が接続されたガス供給管とを備えており、供給端は、ガスの供給方向に向かって複数のガス供給口に達するように分割された複数のガス流路を備えていることを特徴としている。
【0011】
このような薄膜形成装置によれば、ガス供給手段は、複数のガス供給口が配設された供給端と、この供給端が接続されたガス供給管とを備えており、供給端は、ガスの供給方向に向かって複数のガス供給口に達するように分割された複数のガス流路を備えていることから、各ガス供給口から基板装着面の各部に向けてガスを分配することで、基板装着面に装着される基板表面に対してガスを均等に供給した成膜が可能である。
特に、ガス流路が段階的に分割されている場合には、供給端においてガス供給口に達するまでにガスが複数段階で拡散されるため、より均一な状態でガス供給口からガスを基板表面に供給することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1(a)は本発明の薄膜形成装置である有機気相堆積装置の一実施形態を説明するための概要構成図である。
この図に示す有機気相堆積装置は、減圧雰囲気下に維持した真空チャンバ11内で、基板Sを覆うようにマスク(図示せず)を配置し、このマスクを介して基板S上に所定パターンの有機薄膜の形成を行うものである。
有機気相堆積装置は真空チャンバ11と真空チャンバ11内に設けられた基板ホルダー12と、基板ホルダー12の基板装着面12a側に向けてガスを供給するように配置されたガス供給管23とを備えている。
【0013】
真空チャンバ11は、余分な原料ガスを排気するための排気口14から図示しない真空ポンプによって、その内部環境(例えば、減圧状態)が制御されるとともに、圧力計15によって真空チャンバ11内部の圧力が管理されている。
また、真空チャンバ11の外側には、例えばヒーター(図示せず)が設けられており、真空チャンバ11内で原料ガスが気相状態を維持できるように構成されている。
【0014】
また、真空チャンバ11内に設けられた基板ホルダー12は、基板装着面12aが水平状態に対して略垂直になるような状態で配置されており、基板装着面12aはマスクで覆われた状態の基板Sが装着されるように構成されている。
そして、基板ホルダー12の内部には、装着された基板Sを冷却するための冷却機構16が設けられている。
ここでは基板ホルダー12が固定された状態で用いることとする。
【0015】
次に本実施形態におけるガス供給手段13について説明する。
ガス供給手段13は原料ガス供給源31と原料ガス供給源31に接続されたガス供給管23とを備えている。
【0016】
原料ガス供給源31は、基板S表面に有機薄膜を形成するための有機原料が貯留されており、原料ガス供給源31の外側には、この有機原料を気化するためのヒーター17が設けられている。また、原料ガス供給源31には圧力計15が設けられており、内部の圧力が管理されている。
【0017】
この原料ガス供給源31には、キャリアガス供給源32に接続された配管18が挿入されており、キャリアガス供給源32には例えば不活性ガスからなるキャリアガスが貯留されている。この配管18からキャリアガスが原料ガス供給源31に導入され、原料ガスと混合される。
配管18の周囲はヒーター(図示せず)で覆われており、加熱されたキャリアガスが原料ガス供給源31に供給されるように構成されている。
また、配管18にはガス流量制御手段19が設けられており、キャリアガスの流量を調整することができる。
【0018】
また、原料ガス供給源31には複数のガス供給管23が接続されており、ここでは例えば5本のガス供給管23a〜23eが、原料ガス供給源31にそれぞれ接続されている。
ここでは、複数のガス供給管23a〜23eがガス供給源31にそれぞれ接続されていることとしたが、ガス供給管23a〜23eにそれぞれ対応させて、複数の原料ガス供給源31を設けてもよい。
【0019】
ガス供給管23a〜23eは、その周囲がヒーター(図示せず)で覆われており、原料ガス供給源31からキャリアガスと混合された原料ガスが気相状態を維持したまま、真空チャンバ11内に供給されるように構成されている。
【0020】
そして、ガス供給管23a〜23eのもう一方の端部は真空チャンバ11内に挿入されており、図1(b)に示すようにその吹き出し口であるガス供給口21a〜21eから、キャリアガスとともに原料ガスを供給するように構成されている。
また、ガス供給管23a〜23eにはそれぞれ独立したガス流量制御手段(図示せず)が設けられており、各ガス流量制御手段によって、ガス供給口21a〜21eから供給されるガス流量が調整されるように構成されている。
【0021】
ここでは例えば、真空チャンバ11内に基板S表面に形成される有機薄膜の膜厚分布を測定可能なモニターが配設されており、基板S表面に形成される有機薄膜の膜厚分布によって、ガス流量制御手段により随時ガス流量が調整できることとする。
【0022】
ここで、ガス供給口21a〜21eは基板装着面12aに対して原料ガスが均等に供給されるように配置されることが好ましい。ここでは例えば、基板装着面12aの中心を囲むように5つのガス供給口21a〜21eが均等配置されることとする。
【0023】
また、ガス供給口21a〜21eは基板装着面12aに向けて同一方向にガスが供給されるように配置されており、ここでは、基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されるように配置されていることとする。
なお、ここでは、基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されることとしたが、基板装着面12aに対して斜め方向から原料ガスが供給されるようにガス供給口21a〜21eが配置されていてもよい。
【0024】
このような有機気相堆積装置を用いて基板S表面に有機薄膜を形成する場合には、図1(a)に示すように、まず、固定された基板ホルダー12にマスク(図示せず)で覆われた基板Sを装着する。
【0025】
一方、キャリアガス供給源32に接続された配管18から、原料ガス供給源31にキャリアガスを導入し、ヒーター17によって気化された原料ガスと混合する。
そして、図1(b)に示すように、キャリアガスと混合された原料ガスは、ガス供給管23a〜23eを通って、ガス供給口21a〜21eから、基板装着面12aに装着された基板S表面に向けて矢印Aに示す方向に供給される。そして、ガス流量制御手段を調整することにより、基板S表面に原料ガスが均一に供給され、基板S表面全域に堆積されて、有機薄膜が形成される。
【0026】
なお、本実施形態では基板Sをマスク(図示せず)で覆った例について説明したが、本発明はマスクを装着せずに、基板S表面全域に有機薄膜を形成する場合にも適用可能である。
【0027】
このような有機気相堆積装置によれば、ガス供給手段13は同一成分のガスが供給される複数のガス供給管23a〜23eを備えていることから、各ガス供給管23a〜23eのガス供給口21から基板装着面12aの各部に向けて原料ガスを分配することで、基板装着面12aに装着される基板S表面に対して原料ガスを均等に供給した成膜が可能である。
さらに、本実施形態では各ガス供給管23a〜23eにそれぞれ独立したガス流量制御手段を有していることから、ガス流量制御手段により各ガス供給口21a〜21eから供給されるガス流量を調整することで、基板S表面に供給される原料ガスの分布をよりに均一にすることができる。
【0028】
これにより、基板装着面12aに装着される基板S表面に原料ガスを均一に堆積させることができ、基板S表面に均一な膜厚の有機薄膜の形成を行うことができる。
したがって、基板Sを固定した状態であっても、有機薄膜の膜厚を均一に形成することができるため、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構を設けなくても、低コストで良質な有機薄膜を形成することができ、大画面でも輝度むらのない有機発光素子層を形成することが可能である。
【0029】
また、ガス供給口21a〜21eは基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されるように配置されていることから、マスクを用いて有機薄膜を形成する場合には、シャドー効果を防止できるため、成膜パターンの位置ずれを防止することができる。
なお、ガス供給口21a〜21eが基板装着面12aに対して斜め方向から原料ガスが供給されるように配置されている場合には、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構が設けられていれば、基板装着面12aを駆動させることでシャドー効果を防止できるのでより好ましい。
【0030】
また、本実施形態におけるガス供給手段13は複数設けられていてもよい。
ここで、図2に示すように、2つのガス供給手段13A、13Bが設けられ、各ガス供給手段13A、13Bから異なる原料ガスA、Bが供給される例について説明する。
ここでは例えば、ガス供給手段13Aは原料ガス供給源31Aとこれに接続されたガス供給管23a、23c、23eとを備えており、ガス供給手段13Bは原料ガス供給源31Bとこれに接続されたガス供給管23b、23dとを備えていることとする。
また、原料ガス供給源31A、31Bにはそれぞれ異なる原料A、Bが貯留されていることとする。
【0031】
ここで、ガス供給管23a、23c、23eにおけるガス供給口21a、21c、21eおよびガス供給管23b、23dにおけるガス供給口21b、21dは基板装着面12aに対してそれぞれ原料ガスA、Bが均等に供給されるように配置されていることが好ましい。
このような構成にすることで、ガス供給口21a、21c、21eからは原料ガスAが供給され、ガス供給口21b、21dからは原料ガスBが供給されることから、原料ガスBを例えばドーピング材料とした場合、基板S表面に異種原料がドーピングされた有機薄膜をより均一な膜厚で形成することができる。
またガス流量制御手段により原料ガスを切り換えることで、異なる有機薄膜を積層形成することができ、各層をより均一な膜厚で形成することができる。
【0032】
(第2実施形態)
本実施形態では複数のガス供給口21が配設された供給端22と、この供給端22が接続されたガス供給管23とを備えたガス供給手段13の例について説明する。
ここで、ガス供給管23以外の構成は第1実施形態で説明した有機気相堆積装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、真空チャンバ11(前記図1(a)参照)内に挿入されたガス供給管23に接続された供給端22は、その吹き出し口であるガス供給口21から、基板ホルダー12の基板装着面12aに向けてキャリアガスとともに原料ガスを供給するように構成されている。
【0033】
また、ガス供給管23の他端は第1実施形態と同様に原料ガス供給源31(前記図1(a)参照)に接続されており、ガス供給管23にはガス流量制御手段が設けられていることとする。
【0034】
供給端22はガス供給管23よりも内径が拡大された構造に形成されており、その先端側には、ハニカム形状のヘッド24が設けられている。このヘッド24はガスの供給方向に向かって複数のガス供給口21に達するように分割された複数のガス流路25を有している。
ここで、ガス供給口21は基板装着面12aに対して原料ガスが均等に供給されるように配置されていることとする。
また、ガス供給口21は基板装着面12aに向けて同一方向にガスが供給されるように配置されており、ここでは、基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されるように配置されていることとする。
【0035】
このような構成により、原料ガスはガス供給管23を通って複数のガス流路25に分配され、複数に分割されたガス供給口21から基板装着面12aに対して略垂直方向(矢印A)に原料ガスが供給される。
【0036】
このような有機気相堆積装置によれば、各ガス供給口21から基板装着面12aの各部に向けて原料ガスを分配することで、基板装着面12aに装着される基板S表面に対して原料ガスをより均等に供給することが可能である。
【0037】
したがって、基板Sを固定した状態であっても、有機薄膜の膜厚を均一に形成することができるため、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構を設けなくても、低コストで良質な有機薄膜を形成することができ、大画面でも輝度むらのない有機発光素子層を形成することが可能である。
【0038】
また、本実施形態では供給端22がガスの進行方向に向かって複数のガス供給口21に達するように分割された複数のガス流路25を備えているため、複数のガス供給口21から基板装着面12aに向けて、原料ガスを乱流とせずに、ガス流路25に沿った方向性を保った均一な層流として供給することができる。
これにより、基板S表面に供給される原料ガスの分布を均一に制御することができる。
【0039】
さらに、ガス供給口21は基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されるように配置されていることから、マスクを用いて有機薄膜を形成する場合には、シャドー効果を防止できるため、成膜パターンの位置ずれを防止することができる。
なお、ここでは基板装着面12aに対して略垂直方向から原料ガスが供給されることとしたが、基板装着面12aに対して斜め方向から原料ガスが供給されるように供給端22aが配置されていてもよい。
この場合には、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構が設けられていれば、基板装着面12aを駆動させることでシャドー効果を防止できるのでより好ましい。
【0040】
なお、ここではハニカム形状のガス流路25が配設されたヘッド24が設けられることとしたが、ガス供給口21に格子形状やメッシュが設けられたヘッド24であってもよい。
【0041】
また、ここでは供給端22が真空チャンバ11内に設けられた構成としたが、ガス供給口21が真空チャンバ11内に連通していれば、供給端22は真空チャンバ11外に配設されていてもよい。
この場合には、ガス供給端22の周囲もガス供給管23と同様にヒーターで覆うことで、原料ガスを気相状態で真空チャンバ11内に供給できるようにする。
【0042】
(第3実施形態)
本実施形態では第2実施形態における供給端22がガスの進行方向に向かって段階的に分割された複数のガス供給口21を有する例について説明する。
図4に示すように、本実施形態における供給端22は、ガスの進行方向(矢印A)に向かってガス供給口21に達するように段階的に分割された複数のガス流路25を備えており、ガス流路25はガスを拡散させるための複数の拡散室41を備えている。
【0043】
ここでは、例えばガス供給管23は1段目の拡散室41Aに接続されており、拡散室41Aはガス流路25Aを介してガスの進行方向に隣接された2段目の拡散室41B、41B’にそれぞれ接続される。
さらに、拡散室41B、41B’は、それぞれ2つのガス流路25Bを介して、ガスの進行方向に隣接された3段目(最終段)の拡散室41C、41C’に接続される。
そして、最終段の拡散室41C、41C’はガスの進行方向に例えばその開口形状を円形状としたガス供給口21をそれぞれ3つずつ有しており、これら6つのガス供給口21から原料ガスが基板装着面12aに向けて供給されることとする。
ここで6つのガス供給口21は、基板装着面12aに対して原料ガスが均等に供給されるように配置されている。
【0044】
なお、拡散室41およびガス流路25、ガス供給口21の数は上記に限定されるものではなく、その分割の形状も供給端22の内部で原料ガスが十分に拡散されるように構成されていればよい。
【0045】
このような有機気相堆積装置によれば、複数のガス供給口21が配設された供給端22を備えていることから、各ガス供給口21から基板装着面12aの各部に向けて原料ガスを分配することで、基板装着面12aに装着される基板S表面に対して原料ガスを均等に供給することが可能である。
また、本実施形態では供給端22で原料ガスが複数の拡散室41に強制的に分配されるため、ガス供給管23と同形状のガス供給口21から原料ガスが供給される場合と比較して、より広い範囲にガスを供給できるとともに、原料ガスをより拡散させて均一にした状態で供給することが可能である。
これにより、基板S表面に供給される原料ガスの分布をより均一にすることができる。
【0046】
したがって、基板Sを固定した状態であっても、有機薄膜の膜厚を均一に形成することができるため、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構を設けなくても、低コストで良質な有機薄膜を形成することができ、大画面でも輝度むらのない有機発光素子層を形成することが可能である。
【0047】
なお、図5に示すように図4で説明した供給端22の拡散室41C、41C’の基板装着面12a側に、さらに拡散室41Dを配設し、第2実施形態で図3を用いて説明したハニカム形状のヘッド24を装着すれば、原料ガスをガス供給口21に向けてさらに拡散させて均一にすることができる。
【0048】
ここで、本実施形態の有機気相堆積装置を用いて、基板S表面に異なる原料を混合させた有機薄膜を形成する場合について説明する。
図6(a)に示すように、供給端22は異なる原料ガスが貯留された原料ガス供給源31A、31Bにそれぞれ接続されたガス供給管23f、23gに共有されるように構成されている。
【0049】
具体的には、ガス供給管23f、23gの端部は図6(b)に示すように、供給端22における拡散室41Aに挿入されることとする。
このような構成によれば、各拡散室41内でガス供給管23f、23gから導入された、異なる原料ガスA、Bを反応させて、その反応生成物をガス供給口21から基板S表面に供給して、均一に堆積させることも可能である。
またガス供給管23f、23gに設けられたガス流量制御手段により原料ガスA、Bを切り換えることで、異なる有機薄膜を均一に積層形成することができる。
【0050】
ここでは、図6(a)に示すように、ガス供給管23f、23gは異なる原料ガスA、Bが貯留された原料ガス供給源31A、31Bにそれぞれ接続されることとしたが、各ガス供給管23f、23gがそれぞれ分岐されて複数のガス供給源31A、31Bに接続されていてもよい。このような構成は原料ガスA、Bを大量に用いる場合に有効である。
【0051】
また、ここでは2種類の原料ガスを混合する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されず、多種原料を混合し反応させて供給する場合にも有効であり、この場合には複数のガス供給管23で供給端22を共有するような構成となる。
またガス供給管23に設けられたガス流量制御手段により、多種原料を切り換えて異なる有機薄膜を均一に積層形成することも可能である。
【0052】
(第4実施形態)
本実施形態では供給端22がガス供給管23から段階的に分割(分岐)され、複数のガス供給口21に達する例について説明する。ここでは、図7に示すように、例えば供給端22は図面上上下方向に広がるようにトーナメント状に分割されていることとする。
具体的には、供給端22はガス供給管23から1段階ごとに2分岐され、3段階の分岐により8つのガス供給口21に達するように構成されている。
【0053】
このような有機気相堆積装置であれば、第3実施形態と同様に、ガス供給管23が段階的に分岐されていることにより、原料ガスが強制的に分配されるため、より拡散された均一な状態で、各ガス供給口21から原料ガスを基板装着面12aに向けて供給することができる。
そして、このような形状のガス供給管23が、図面上奥行方向に渡って複数配置されることにより、基板S表面全域にガスを均一に供給することができる。
【0054】
なお本実施形態ではガス供給管23から図面上上下方向に段階的に分岐されるように構成された供給端22が図面上奥行方向に複数配置された構成としたが、本発明はこれに限定されず、供給端22がガス供給管23を中心とした同心円状に均等に分岐されるような構成であってもよい。
このような構成であっても上記と同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、本実施形態ではガス供給口21の開口形状が円形状である例について説明したが、例えば、矩形状や図面上奥行方向に長尺形状となるように形成されていてもよい。この場合、長尺方向の開口幅が基板Sの幅よりも広く形成されていれば、ガス供給管23を複数配置しなくても基板S表面の全域に均一に原料ガスを供給することが可能である。
【0056】
以上、第1実施形態から第4実施形態においては、基板ホルダー12を固定させた状態で用いた例について説明したが、基板ホルダー12に回転機構やスライド機構が設けられていれば、より均一な膜厚の有機薄膜の形成を行うことが可能である。
特に第4実施形態で説明したガス供給管23は、図7に示すように図面上上下方向に渡ってトーナメント状に分岐された供給端22を備えていることから、基板ホルダー12にスライド機構を設けて、図面上奥行方向にスライドさせることで、基板Sの表面全域に原料ガスを供給することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の薄膜形成装置によれば、各ガス供給管のガス供給口から基板装着面の各部に向けてガスを分配することで、基板装着面に装着される基板表面に対してガスを均等に供給した成膜が可能である。
さらに複数のガス供給管にそれぞれ独立したガス流量制御手段を有していることから、ガス流量制御手段により各ガス供給口から供給されるガス流量を調整することで、基板表面に供給される原料ガスの分布をよりに均一にすることができる。
【0058】
また、本発明の第2の薄膜形成装置によれば、各ガス供給口から基板装着面の各部に向けてガスを分配することで、基板装着面に装着される基板表面に対してガスを均等に供給した成膜が可能である。
特に、ガス流路が段階的に分割されている場合には、ガス供給口に達するまでに原料ガスが複数段階で拡散されるため、より均一な状態でガス供給口から原料ガスを基板表面に供給することができる。
これにより、基板表面に原料ガスをより均一に堆積させることができるため、より均一な膜厚の薄膜を形成することが可能である。
したがって、上述したような第1の薄膜形成装置および第2の薄膜形成装置を用いて有機薄膜を形成することにより、基板ホルダーに回転機構やスライド機構を設けなくても、低コストで良質な有機薄膜を形成することができ、大画面でも輝度むらのない有機発光素子層を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における薄膜形成装置の概略構成図(a)であり、ガス供給手段の要部拡大図(b)である。
【図2】第1実施形態における薄膜形成装置の概略構成図である。
【図3】第2実施形態における薄膜形成装置のガス供給手段の要部拡大図である。
【図4】第3実施形態における薄膜形成装置のガス供給手段の要部拡大図である(その1)。
【図5】第3実施形態における薄膜形成装置のガス供給手段の要部拡大図である(その2)。
【図6】第3実施形態における薄膜形成装置の概略構成図(a)であり、ガス供給手段の要部拡大図(b)である。
【図7】第4実施形態における薄膜形成装置のガス供給手段の要部拡大図である。
【図8】従来の技術における真空蒸着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
11…真空チャンバ、12…基板ホルダー、12a…基板装着面、13…ガス供給手段、21…ガス供給口、22…供給端、23…ガス供給管、25…ガス流路、41…拡散室

Claims (8)

  1. 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、前記基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段とを備えた薄膜形成装置であって、
    前記ガス供給手段は、同一成分のガスが供給される複数のガス供給管を備えており、前記複数のガス供給管はそれぞれ独立したガス流量制御手段を有している
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記各ガス供給管のガス供給口は前記基板装着面に対してガスが均等に供給されるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 前記ガス供給手段が複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  4. 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、前記基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段とを備えた薄膜形成装置であって、
    前記ガス供給手段は、複数のガス供給口が配設された供給端と、この供給端が接続されたガス供給管とを備えており、
    前記供給端は、ガスの供給方向に向かって前記複数のガス供給口に達するように分割された複数のガス流路を備えている
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 前記複数のガス流路は段階的に分割されている
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜形成装置。
  6. 前記ガス流路はガスを拡散させるための拡散室を備えている
    ことを特徴とする請求項5記載の薄膜形成装置。
  7. 前記供給端が複数の前記ガス供給管に共有される
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜形成装置。
  8. 前記複数のガス供給管から異なる原料ガスが前記供給端に導入される
    ことを特徴とする請求項7記載の薄膜形成装置。
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