JP2004010631A - プロトン伝導性高分子化合物およびプロトン伝導性高分子膜 - Google Patents

プロトン伝導性高分子化合物およびプロトン伝導性高分子膜 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、プロトン伝導性に加え、優れた耐酸化性を有し、固体高分子形燃料電池の電解質として有用なプロトン伝導性高分子膜を提供することである。
【解決手段】ポリエーテルスルホンなどの芳香族高分子化合物と、その一部分に置換されたスルホン酸基を含有するプロトン伝導性置換基(下記式18)からなるプロトン伝導性高分子化合物およびそれからなるプロトン伝導性高分子膜により達成される。
−R13−SOH− (18)
[式中、R13は、エーテル,アルキレン,ハロゲン化アルキレン,アリーレン,ハロゲン化アリーレンからなる群から選択される少なくとも1種の結合単位からなる2価の有機基]
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子形燃料電池の電解質膜として有用なプロトン伝導性高分子化合物およびそれを使用したプロトン伝導性高分子膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロトン伝導性高分子膜は、固体高分子形燃料電池の主要な構成材料である。現在、固体高分子形燃料電池は、将来の新エネルギー技術の柱の一つとして期待されている。高分子化合物からなるプロトン伝導性膜を用いた固体高分子形燃料電池(PEFCまたはPEMFC)は、低温作動、小型軽量等、他の燃料電池(リン酸型、固体酸化物型、溶融炭酸塩型)にない特徴を有することから、自動車などの移動体、民生用エレクトロニクス機器、家庭用電源への適用が検討されている。特に、固体高分子形燃料電池を搭載した燃料電池自動車は究極のエコロジーカーとして社会的な関心が高まっている。
【0003】
高分子化合物からなるプロトン伝導性高分子膜としては、1950年代に開発されたスチレン系の陽イオン交換膜があるが、燃料電池動作環境下における安定性に乏しく、本膜を用いての実用上、充分な寿命を有する燃料電池を製造するには至っていない。実用的安定性を有するプロトン伝導性高分子膜としては、ナフィオン(Nafion,デュポン社の登録商標。以下同様)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜が開発され、固体高分子形燃料電池を始めとし、他の電気化学素子への応用が提案されている。しかしながら、パーフルオロカーボンスルホン酸膜は、モノマーなどの使用原料が高く、その製造方法も煩雑なため、非常に高価であるのが現状である。そこで、膜抵抗の低減や原料の使用量を減らすため、薄膜化が検討されているものの、より安価なプロトン伝導性高分子膜が要求されているのが現状である。
【0004】
安価なプロトン伝導性高分子膜を得るために、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸膜に代わり炭化水素系高分子化合物のプロトン伝導性高分子膜も種々検討・提案されいる。その代表的なものとしては、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6−93114号公報など)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10―45913号公報など)、スルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号公報など)、スルホン化ポリフェニレンサルファイド(特表平11−510198号公報など)やスルホン化ポリイミド(特表2000−510511号公報など)などの耐熱芳香族系高分子化合物のスルホン化物、また、特表平10−503788号公報などには、安価で、機械的、化学的に安定とされるSEBS(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンの略)のスルホン化体からなるものなどが挙げられる。しかしながら、これらの炭化水素系プロトン伝導性高分子膜は、パーフルオロカーボンスルホン酸膜と比較して、プロトン伝導度が不充分であること、耐加水分解性や耐酸化性などの化学的安定性が不充分であり、未だ実用化されていない。
【0005】
耐酸化性を改善する方法として、スルホン酸基の代わりにリン系の官能基を使用する方法も提案されている(特開2000−11755号公報など)。しかしながら、リン系の官能基はスルホン酸基と比較して、プロトンが解離しにくく、充分なプロトン伝導度が発現しないため、燐官能基の導入反応が複雑であり、未だ実用化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、固体高分子形燃料電池の電解質として有用な、高いプロトン伝導性、耐酸化性に代表される化学的安定性を有するプロトン伝導性高分子化合物およびそれを使用したプロトン伝導性高分子膜を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下記一般式(1)〜(7)の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなる芳香族高分子化合物と、該芳香族高分子化合物の芳香族単位の少なくとも一部分に、下記一般式(18)で表されるプロトン伝導性置換基、からなるプロトン伝導性高分子化合物である。
【0008】
【化4】
Figure 2004010631
[式中、Ar〜Arは、それぞれ同一または異なる式(8)〜(17):
【0009】
【化5】
Figure 2004010631
で表される2価の芳香族単位である。
Ar〜Arは、同一または異なる4価の芳香族単位である。
X,Y,Zは、それぞれ同一または異なり、−O−,−CO−,−CONH−,−COO−,−S−,−SO−,SO−の群から選択される2価の有機基である。
〜R12は、それぞれ同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基またはフェニル基である。]
【0010】
【化6】
Figure 2004010631
[式中、R13は、エーテル,アルキレン,ハロゲン化アルキレン,アリーレン,ハロゲン化アリーレンからなる群から選択される少なくとも1種の結合単位からなる2価の有機基]
前記の芳香族高分子化合物は、下記(A)群から選択される少なくとも1種からなるのが好ましい。
(A)群:ポリベンゾオキサゾール(PBO),ポリベンゾチアゾール(PBT),ポリベンゾイミダゾール(PBI),ポリスルホン(PSU),ポリエーテルスルホン(PES),ポリエーテルエーテルスルホン(PEES),ポリアリールエーテルスルホン(PAS),ポリフェニレンスルホン(PPSU),ポリフェニレンオキシド(PPO),ポリフェニレンスルホキシド(PPSO),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO),ポリパラフェニレン(PPP),ポリエーテルケトン(PEK),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケトンケトン(PEKK)
一方、本発明のプロトン伝導性高分子膜は、上記したプロトン伝導性高分子化合物からなるプロトン伝導性高分子膜である。
そして、前記プロトン伝導性高分子膜からなる燃料電池とすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のプロトン伝導性高分子化合物は、下記一般式(1)〜(7)の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなる芳香族高分子化合物と、該芳香族高分子化合物の芳香族単位の少なくとも一部分に、下記一般式(18)で表されるプロトン伝導性置換基、からなるものである。
【0012】
【化7】
Figure 2004010631
[式中、Ar〜Arは、それぞれ同一または異なる式(8)〜(17):
【0013】
【化8】
Figure 2004010631
で表される2価の芳香族単位である。
Ar〜Arは、同一または異なる4価の芳香族単位である。
X,Y,Zは、それぞれ同一または異なり、−O−,−CO−,−CONH−,−COO−,−S−,−SO−,SO−の群から選択される2価の有機基である。
〜R12は、それぞれ同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基またはフェニル基である。]
【0014】
【化9】
Figure 2004010631
[式中、R13は、エーテル,アルキレン,ハロゲン化アルキレン,アリーレン,ハロゲン化アリーレンからなる群から選択される少なくとも1種の結合単位からなる2価の有機基]
また、本発明のプロトン伝導性高分子膜は、該プロトン伝導性高分子化合物からなるものである。
【0015】
前記芳香族高分子化合物の中でも、工業的入手の容易さ、ハンドリング性、得られたプロトン伝導性高分子化合物の特性などを考慮すると、ポリベンゾオキサゾール(PBO),ポリベンゾチアゾール(PBT),ポリベンゾイミダゾール(PBI),ポリスルホン(PSU),ポリエーテルスルホン(PES),ポリエーテルエーテルスルホン(PEES),ポリアリールエーテルスルホン(PAS),ポリフェニレンスルホン(PPSU),ポリフェニレンオキシド(PPO),ポリフェニレンスルホキシド(PPSO),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO),ポリパラフェニレン(PPP),ポリエーテルケトン(PEK),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケトンケトン(PEKK)の群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは単独、あるいは、2種以上の共重合体、あるいは、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
【0016】
プロトン伝導性置換基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基などが例示できるが、固体高分子形燃料電池の電解質膜として有用なプロトン伝導性を発現させるといった点から、スルホン酸基であることが好ましい。本発明においては、前記芳香族高分子化合物の芳香族単位の少なくとも一部分に、下記一般式(18)で表される置換基が置換されていることが好ましい。
【0017】
【化10】
Figure 2004010631
[式中、R13は、エーテル,アルキレン,ハロゲン化アルキレン,アリーレン,ハロゲン化アリーレンからなる群から選択される少なくとも1種の結合単位からなる2価の有機基]
このように電子吸引基であるスルホン酸基を芳香族高分子の主鎖から離した構造とすることによって、耐水性,耐酸化性などに代表される化学的安定性が向上し、好ましい。
【0018】
本発明のプロトン伝導性高分子化合物を得る方法としては、使用する芳香族高分子化合物やプロトン伝導性置換基の種類などを考慮して、適宜設定する必要がある。芳香族高分子化合物としては、工業的入手可能なものがそのまま使用でき、また、プロトン伝導性置換基が導入しやすくなるように、予めフェノール性水酸基などを有するモノマー成分を使用して、芳香族高分子化合物を重合して使用してもよい。プロトン伝導性置換基の導入方法としては、例えば、フリーデル−クラフツ反応により、無水塩化アルミニウムの存在下で、芳香族高分子化合物に2−クロロメチルスルホン酸ナトリウムなどのハロゲン化アルキスルスルホン酸またはその塩を作用させ、所望のプロトン伝導性置換基を置換する方法や、予め芳香族高分子化合物にフェノール性水酸基を導入しておき、フェノール性水酸基に3−プロパンサルトン,1,4−ブタンサルトン,メタンプロパンサルトンなどを開環付加する方法などが例示できる。このとき、芳香族高分子化合物へのフェノール性水酸基の導入方法としては、芳香族化合物で用いられる公知の方法が利用できる。例えば、スルホン酸塩,ハロゲン、ニトロ基などを予め置換した前駆体を調製してから、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質と接触させる方法が例示できる。また、プラズマ処理などの放電処理も条件によっては使用可能である。さらにフェノール性水酸基の水素原子を、水素化リチウムや水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属類との接触により、アルカリ金属原子と置換して、同様の反応を実施しても良い。
【0019】
本発明のプロトン伝導性高分子化合物において、プロトン伝導性置換基に由来するイオン交換容量は、0.5ミリ当量/g以上であることが好ましい。この範囲よりも小さい場合は、固体高分子形燃料電池の電解質膜として必要なプロトン伝導度を発現しない恐れがある。一方、イオン交換容量の上限は、得られたプロトン伝導性高分子化合物の物性や用途により制約される。例えば、固体高分子形燃料電池の電解質膜に使用する場合には、水やメタノールに不溶であり、ハンドリング不可能になるほど膜が膨潤しない値に設定する必要がある。使用する芳香族高分子化合物やプロトン伝導性置換基の種類によって異なるが、概ね3.0ミリ当量/g以下であることが好ましい。
【0020】
本発明のプロトン伝導性高分子膜は、上記のプロトン伝導性高分子化合物からなるものである。その製造方法は、プロトン伝導性高分子化合物の特性に応じて適宜設定するのが好ましい。例えば、プロトン伝導性高分子化合物が溶媒溶解性を有する場合、この高分子化合物の溶液を調製し、ガラスなどの支持体上に流延させたのち、適当な条件で溶媒を除去して乾燥すれば、所望のプロトン伝導性高分子膜を得ることができる。また、プロトン伝導性高分子化合物に溶媒溶解性がない場合には、置換基が脱離,変性しない温度以下で高分子化合物を溶融させ、溶融押し出し法により、膜形状に加工することができる。その他、プロトン伝導性置換基を完全に導入する前の前駆体の状態で膜形状に加工た後、プロトン伝導性置換基を導入してもよい。
【0021】
本発明のプロトン伝導性高分子膜は、固体高分子形燃料電池の電解質膜としての使用を考慮した場合、実用的な機械的強度や燃料・酸化剤の遮断性を有する範囲で、薄い程良い。イオン交換容量やプロトン伝導度が同等であれば、厚みが薄くなるほど、膜としての抵抗値が低くなるため、概ね5〜200μm、さらには20〜150μmの厚さであることが好ましい。
【0022】
本発明のプロトン伝導性高分子膜は、プロトン伝導性、化学的・熱的安定性、機械的特性を備えており、固体高分子形燃料電池の電解質膜として好適に使用可能である。実際に、固体高分子形燃料電池に使用する場合、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜で適用されている公知の方法で、本発明のプロトン伝導性高分子膜と触媒担持ガス拡散電極を接合した膜−電極接合体を製造し、燃料および酸化剤の供給路を備えた1対のセパレータ間に狭持して、固体高分子形燃料電池セルを構成でき、固体高分子形燃料電池の電解質膜として使用可能となる。燃料としては、純水素、メタノール・天然ガス・ガソリンなどの改質ガス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の有機液体燃料等が使用可能である。また、必要な出力を得るため、セルを複数枚積層して、スタックを構成し、使用することもできる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
【0024】
(イオン交換容量の測定方法)
試験体を塩化ナトリウム飽和水溶液に浸漬し、ウォーターバス中で60℃、3時間反応させる。室温まで冷却した後、サンプルをイオン交換水で充分に洗浄し、フェノールフタレイン溶液を指示薬として、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、イオン交換容量を算出した。
【0025】
(プロトン伝導度)
イオン交換水中に保管した試験体(10mm×40mm)を取り出し、試験体表面の水をろ紙で拭き取る。電極間距離30mmで白金電極間に試験体を装着し、2極非密閉系のテフロン(登録商標)製のセルに設置した後、室温下で電圧0.2Vの条件で、交流インピーダンス法(周波数:42Hz〜5MHz)により、試験体の膜抵抗を測定し、プロトン伝導度を算出した。
【0026】
(耐酸化性試験)
3重量%の過酸化水素水に、鉄(II)イオンの濃度が4ppmになるように硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物を添加し、フェントン試薬を調製した。フェントン試薬20mLに、約50mgの膜を添加し、60℃のウォーターバス中で振とうした。所定時間後の膜特性(膜外観の目視観察、重量、イオン交換容量、プロトン伝導度)を評価した。
(合成例)
2Lのセパラブルフラスコにポリエーテルスルホン(住友化学製PES−5200P)100gと濃硫酸500mL入れ、30時間攪拌した。次に窒素気流気下でクロロスルホン酸を約1.5時間かけて徐々に滴下した。この溶液をさらに、室温で6時間攪拌した。攪拌後、3Lのイオン交換水中に反応液を徐々に滴下し、生成した沈殿物を回収した。沈殿物を洗浄水が中性になるまで洗浄し、80℃−20時間減圧乾燥し、下記一般式(19)の構造単位を有するスルホン化ポリエーテルスルホンを得た。
【0027】
【化11】
Figure 2004010631
[式中、nは1〜4の整数]
銅製のビーカーに水酸化ナトリウム15g、水酸化カリウム15gを入れて、窒素気流下で加熱し、溶融した。これにスルホン化ポリエーテルスルホンを40g徐々に添加し、加熱して300℃で2時間保持した。3Lの水に反応物を徐々に滴下し、濃塩酸を使用してpHが中性になるように調製した。沈殿物をさらに水洗し、下記一般式(20)の構造単位を有するフェノール性水酸基を有するポリエーテルスルホンを得た。
【0028】
【化12】
Figure 2004010631
[式中、nは1〜4の整数]
次に0.5Lのセパラブルフラスコに上記方法で得られたフェノール性水酸基を有するポリエーテルスルホンを20g、N−メチル−2−ピロリドンを180g入れ、均一な溶液になるまで攪拌した。1,4−ブタンサルトンを14g添加し、80℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、この反応液を塩酸20gを添加した2Lメタノール溶液に滴下し、沈殿物を中性になるまで洗浄し、80℃−20時間減圧乾燥し、下記一般式(21)の構造単位を有するプロトン伝導性置換基を有するポリエーテルスルホンを得た。
【0029】
【化13】
Figure 2004010631
[式中、nは1〜4の整数]
(比較例1)
下記一般式(19)の構造単位を有するスルホン化ポリエーテルスルホンの20重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し、ガラス上に300μmの厚みで塗布して、150℃で15時間減圧乾燥し、厚さ約50μmのプロトン伝導性高分子膜を得た。この膜の特性評価結果を表1,2に示した。
【0030】
【化14】
Figure 2004010631
[式中、nは1〜4の整数]
(実施例1)
下記一般式(21)の構造単位を有するプロトン伝導性置換基を有するポリエーテルスルホンの20重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し、ガラス上に300μmの厚みで塗布して、150℃で15時間減圧乾燥し、厚さ約50μmのプロトン伝導性高分子膜を得た。この膜の特性評価結果を表1,2に示した。
【0031】
【化15】
Figure 2004010631
[式中、nは1〜4の整数]
【0032】
【表1】
Figure 2004010631
【0033】
【表2】
Figure 2004010631
表1の実施例1と比較例1の比較から、本発明のプロトン伝導性高分子膜のプロトン伝導度は比較例のものと同等であることが明らかとなった。
【0034】
表2の実施例1と比較例1の比較から、比較例1のプロトン伝導性高分子膜は酸化劣化が生じるのに対して、実施例1のものは顕著な劣化が見られなかった。
【0035】
表1,2の結果から、本発明のプロトン伝導性高分子膜は、優れたプロトン伝導度と耐酸化性を発現し、本発明の有効性が示された。
【0036】
【発明の効果】
本発明のプロトン伝導性高分子膜は、高いプロトン伝導度を発現しつつ、優れた耐酸化性を有する。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)〜(7)の群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなる芳香族高分子化合物と、該芳香族高分子化合物の芳香族単位の少なくとも一部分に、下記一般式(18)で表されるプロトン伝導性置換基、からなるプロトン伝導性高分子化合物。
    Figure 2004010631
    [式中、Ar〜Arは、それぞれ同一または異なる式(8)〜(17):
    Figure 2004010631
    で表される2価の芳香族単位である。
    Ar〜Arは、同一または異なる4価の芳香族単位である。
    X,Y,Zは、それぞれ同一または異なり、−O−,−CO−,−CONH−,−COO−,−S−,−SO−,SO−の群から選択される2価の有機基である。
    〜R12は、それぞれ同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基またはフェニル基である。]
    Figure 2004010631
    [式中、R13は、エーテル,アルキレン,ハロゲン化アルキレン,アリーレン,ハロゲン化アリーレンからなる群から選択される少なくとも1種の結合単位からなる2価の有機基]
  2. 芳香族高分子化合物が、下記(A)群から選択される少なくとも1種である請求項1記載のプロトン伝導性高分子化合物。
    (A)群:ポリベンゾオキサゾール(PBO),ポリベンゾチアゾール(PBT),ポリベンゾイミダゾール(PBI),ポリスルホン(PSU),ポリエーテルスルホン(PES),ポリエーテルエーテルスルホン(PEES),ポリアリールエーテルスルホン(PAS),ポリフェニレンスルホン(PPSU),ポリフェニレンオキシド(PPO),ポリフェニレンスルホキシド(PPSO),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO),ポリパラフェニレン(PPP),ポリエーテルケトン(PEK),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケトンケトン(PEKK)
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のプロトン伝導性高分子化合物からなるプロトン伝導性高分子膜。
  4. 請求項3記載のプロトン伝導性高分子膜からなる燃料電池。
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