JP2004009938A - 車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温状態とされた車内を早急に冷却して乗員に対するフィーリングの向上、及び運転性能の向上と操作性の容易化を図った車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置を提供することを課題とする。
【解決手段】制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口(24)と、車内下方への送風を行う第2の吹出口(25または26)とから冷却空気を送風する急冷運転を指示する制御装置(50)を車両用空調装置(1)に備える構成とした。また、第2の吹出口として、第1の吹出口(24)の下方にLHB吹出口(25)を新設し、風量低下を抑えて送風を行える構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口(24)と、車内下方への送風を行う第2の吹出口(25または26)とから冷却空気を送風する急冷運転を指示する制御装置(50)を車両用空調装置(1)に備える構成とした。また、第2の吹出口として、第1の吹出口(24)の下方にLHB吹出口(25)を新設し、風量低下を抑えて送風を行える構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車内の空気の調和を図る車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両空調装置は各種機器を複合させてユニット化し、小型に構成することでエンジンルームと車内とを仕切るバルクヘッドの車内側に位置するダッシュボード内に本体部が収容されている。車内は、運転手を含め乗員の居住空間が最優先されるため、車両用空調装置は狭隘な空間とされたダッシュボード内に他の機器と共に収容されており、ダッシュボード内に本体部が収容されることで車内の居住空間が確保されている。
【0003】
車両用空調装置の本体部であるケーシング内には、冷媒と吸入した空気とを熱交換させるエバポレータや、エンジン冷却用の冷却水を取り入れてケーシング内を通過する空気を暖めるヒータコアがある。ヒータコアの近傍には、ここを通過する空気量を制御する温調ダンパが備わり、この温調ダンパを各運転モードに応じて動作させることにより、ヒータコアに空気を通過させて暖房運転を行ったり、通過させないことで冷房運転を行ったりしている。さらに、冷房運転の場合を例に挙げて、車両用空調装置の構成及び作用について説明する。
【0004】
ケーシングの一端には、空気を吸入するための空気吸入口が形成されており、この空気吸入口から車外の空気(以下「外気」という。)または、車内の空気(以下「内気」という。)のどちらかを吸入する。上記どちらかの空気を選択することは、空気吸入口に備わる内外気切替ダンパ(閉塞手段)によって行われ、例えば、空気吸入口の開口部が複数あって、1つの開口部に対して他の開口部を略直角方向に位置させることにより、内外気切替ダンパが90度で回動すると一方の開口部が閉塞されて他方の開口部が開口することになる。従って、このような内外気切替ダンパの回動動作によって、ケーシング内に外気が取り込まれたり、内気が取り込まれたりする。
【0005】
ケーシング内に取り込まれた空気(外気または内気)は、空気の流れにおける下流側に備わる送風ブロアによって吸引されつつエバポレータに送られる。そして、エバポレータを通過することで空気中の熱が冷媒に奪われて空気は冷却され、空調された冷却空気としてケーシング内のさらなる下流側に流れる。
【0006】
エバポレータを通過した冷却空気は、冷房運転であるためにヒータコアを通過しないでヒータコアの下流側の空間である温調チャンバ内に入り、ここから各運転モードに応じた複数の吹出口から車内に送風されることになる。温調チャンバはエバポレータを通過した冷却空気と、ヒータコアを通過した加熱空気とを混合する空間であり、温調とは温度調節を意味するものである。
【0007】
各吹出口をより詳細に説明すると、各吹出口には、ケーシングからダッシュボードの前面に連通して車内の中央及び上方に送風を行うFACE吹出口(第1の吹出口)と、ケーシングからダッシュボードの下方に連通して車内の下方、言い換えると足下に送風を行うFOOT吹出口(第2の吹出口)と、ケーシングからダッシュボードの上方に連通してフロントウインドに送風を行うDEF吹出口とが備えられている。これら各吹出口はケーシングからの距離に応じてダクトが接続されている。
【0008】
そして、これら各吹出口に連通するケーシングの内部には、それぞれの吹出口まで通じる風路を各運転モードに応じて閉塞するFACEダンパ、FOOTダンパ、DEFダンパ(共に「閉塞手段」をいう。)が備えられており、冷房運の場合であれば、FACEダンパを開いてその他のダンパを閉じ、FACE吹出口に限定して冷却空気を車内の中央及び上方に送風する制御が行われている。
【0009】
なお、季節の移り変わりなどでは、バイレベルモードと呼ばれる頭寒足熱方式の送風がなされ、先に説明した温調ダンパを中間位置まで回動させてヒータコアに吸入した空気の一部を通過させ、得られた加熱空気を温調チャンバで調整した後にFOOT吹出口から吹き出す。そして、これとともに、エバポレータを通過した冷却空気をFACE吹出口から送風する制御が行われている。
【0010】
また、暖房運転では、FOOTダンパを開いてその他のダンパを閉じ、FOOT吹出口に限定してヒータコアを通過した加熱空気を車内の下方に送風する制御が行われている。
【0011】
以上説明した冷房運転などの各運転モードの選択は、一般にマニュアルエアコンと呼ばれる手動操作の車両用空調装置であれば、ダッシュボードに取り付けられたインスツルメントパネル上の空調用の操作パネルで行われ、乗員の選択によって変更される。
【0012】
また、車内温度センサ(車内温度検出手段)、外気温度センサ(外気温度検出手段)、日射センサ、各ダンパを駆動する駆動モータ、及び前記各センサからデータを取り込み前記各モータを制御する制御装置を備えた車両用空調装置がある。このような車両用空調装置は、近年採用が増加している車両用オートエアコンを言うものであり、制御装置で各運転モードを決定することにより制御目標となる設定温度に到達させるべく自動運転を行うものである。なお、このような車両用オートエアコンは、先に説明した各運転モードを手動で操作できる手動操作機能を備えていることが一般的である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このように各運転モードに応じた送風を行って車内の空調を行う車両用空調装置の運転方法において、盛夏時に車両が炎天下にさらされると車内温度が50℃〜70℃という高温になることがある。このため、車両用空調装置はこのような状況にて生じた車内の熱気を素早く除去する必要がある。
【0014】
このような状況下において、自動運転を行う車両用オートエアコンであれば、制御装置は制御目標となる設定温度と車内温度との温度差が遥かにかけ離れていることを認識するので、最大能力を用いて冷房運転を行うように指示を促す。つまり、圧縮機等の各機器の稼動を制御してエバポレータにおいて能力的に最も低温な冷却空気を生成するように制御を行い、さらに、得られた冷却空気をFACE吹出口に限定して最大風量で送風することとしている。そしてなお且つ、車内の空気を再び取り込む内気循環モードを選択することが一般的な冷房運転における強冷運転の制御である。
【0015】
しかしながら、このような強冷運転では、FACE吹出口に冷却空気の吹き出しが限定されているため、乗員の足下にとどまる熱気は早急に除去されない問題があった。つまり、このような送風方法であると、熱気がとどまりやすい車内上方の熱気のみが先に除去されることになり、車内下方の熱気は内気循環によるケーシングへの吸入による除去と、車内の中央及び上方を流れる空気の流れによって次第に上昇した時点で徐々に除去されることとなっていた。
【0016】
また、前者に言う内気循環による熱気の除去は、ダッシュボードの左右方向における一方側の下方、言い換えれば助手席側の下方からケーシングに吸入されることに制限されている場合が多く、車内下方の熱気を全て早急に除去することは困難である。
【0017】
また、車内が高温となると、車内の空気はもちろんのこと、車内に備わる座席やフロア等の装備品が高温な状態となるため、これら装備品の冷却を行わないと車内の温度を均一且つ早急に低下させることが困難である。
【0018】
また、手動操作で各運転モードを選択する車両用空調装置、または車両用オートエアコンでの手動操作であれば、乗員はエバポレータにて冷却された空気を用いた送風モード(一般に言う「A/Cモード」)に設定し、さらに吹出温度を最も低く、且つ最大風量、さらには内気循環に操作する必要がある。これら一連の操作は全て乗員の操作に頼る必要があることはもちろんのこと、乗員に強冷運転を行うための操作方法が認識されていることが必要条件となる。このため、車内の早急な冷却を行うための手動操作は複雑且つ困難なものであった。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、高温状態とされた車内を早急に冷却して乗員に対するフィーリングの向上、及び運転性能の向上と操作性の容易化を図った車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用することとした。
請求項1記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、制御目標とされた設定温度と車内温度とを少なくとも比較して前記各運転モードを決定する制御装置とを備えた車両用オートエアコンの制御方法において、制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口と、車内下方への送風を行う第2の吹出口とから冷却空気を送風する急冷運転を前記制御装置が指示することを特徴としている。
【0021】
このような制御方法とすることで、ケーシング内にて空調された冷却空気は、第1の吹出口と第2の吹出口との両方から送風されることになり、外気温度または設定温度よりも遥かに高温状態とされた車内の全域に渡って速やかに行き届くことになる。これによって、車内の中央及び上方にとどまる熱気はもとより、車内下方の足下にとどまる熱気、さらには車内にて高温となった装備品等についても早急に冷却されることになる。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用オートエアコンの制御方法において、吸入した空気を前記ケーシング内に備わるヒータコアを通過させることなく、最大風量で送風する急冷運転であることを特徴としている。
【0023】
このような制御方法とすることで、的確に冷却された冷却空気は、車内の全域に渡って早急且つ無駄なく送風される。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用オートエアコンの制御方法において、前記制御装置に設定された運転制限値に従って前記急冷運転は自動停止することを特徴としている。
【0025】
このような制御方法とすることで、乗員からの操作の有無に拘わらず制御装置に予め設定された運転制限値に従って急冷運転は自動で停止することになる。これにより、車内の過冷却が回避され、また、運転に無駄がなくなる。
なお、運転制限値は、例えば、目標とする車内温度や、運転の経過時間などをいうものであり、これら運転制限値に達した段階で急冷運転は自動停止する。
また、自動停止した後についての運転は特に限定するものではないが、例えば、既に設定された各運転モードに移行することとしてもよいし、運転を完全に停止することとしてもよい。
【0026】
請求項4記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、前記各運転モードを選択する操作パネルとを備えた車両用空調装置において、前記操作パネルに、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させる急冷運転操作部が設けられていることを特徴としている。
【0027】
このような構成により、操作パネルに設けられた急冷運転操作部が操作されると、第1の吹出口と第2の吹出口とに備わる各閉塞手段がこれら吹出口を開口するように動作し、ケーシング内で空調された冷却空気は、開口した第1の吹出口及び第2の吹出口から車内に向かって送風される。これによって、車内の中央及び上方と、下方とに冷却空気が行き届くことになり、車内にとどまる熱気等の不快な空気が除去される。
【0028】
請求項5記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、外気温度を計測する外気温検出手段と、車内温度を計測する車内温度検出手段とを備えた車両用空調装置において、前記外気温度または制御目標となる設定温度と前記車内温度とを比較した温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させて急冷運転を指示する制御装置が備えられていることを特徴としている。
【0029】
このような構成とすることで、制御装置が行う比較演算に応じて各閉塞手段の動作が制御され、車内の中央に送風を行う第1の吹出口と、車内の下方に送風を行う第2の吹出口とから空調された急冷運転用の冷却空気が車内に送風されることになる。
このような運転は、制御装置が外気温度または設定温度と車内温度とを比較し、この温度差が予め設定された所定値を超えた場合に上記制御が行われる。つまり、車内の温度が比較的高温となった場合に急冷運転が自動で開始されることになる。
【0030】
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の車両用空調装置において、前記第1の吹出口が、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、前記第2の吹出口が、前記ダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口とされていることを特徴としている。
【0031】
従って、急冷運転時には、ダッシュボードの前面に設けられたFACE吹出口から従来の冷房運転時と同様に冷却空気が送風されることに加えて、暖房運転時に使用されていたダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口から冷却空気が送風されることになる。なお、後者の冷却空気は、乗員が搭乗している場合であれば、乗員の足下に吹き付けられることになり、その後に座席の下方を通過して熱気等の不快な空気、さらには座席等の装備品の熱を奪って流れることになる。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項4または請求項5記載の車両用空調装置において、前記第1の吹出口が、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、前記第2の吹出口が、前記ダッシュボードの前面にて前記FACE吹出口よりも低く位置して乗員の下半身付近に送風を行う吹出口とされていることを特徴としている。
【0033】
本発明に係る急冷運転時には、ダッシュボードの前面に設けられたFACE吹出口から従来の冷房運転時と同様に冷却空気が送風されることに加えて、FACE吹出口とほぼ同等な経路長を辿った冷却空気が、上述した位置に設けられた第2の吹出口から車内の下方に向かって送風されることになる。つまり、ダッシュボードの前面に上記各吹出口が備えられているため、比較的短い経路を辿って冷却空気が車内の中央、及び下方に送風されることになる。なお、FACE吹出口は、従来よりルーバの調整により車内の上方にも送風は可能である。
【0034】
第2の吹出口から送風された冷却空気は、乗員が搭乗している場合であれば、乗員の下半身付近に吹き付けられることになり、その後に乗員の後ろに回り込んだり、座席の下方を通過したりして車内全体に行き届くことになる。
また、ケーシングから第2の吹出口までの経路長は、ケーシングからFACE吹出口までの経路長とほぼ同等となるため、例えば、ダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口から送風する場合に比較して流通する空気の圧力損失は少ない。従って、圧力損失による風量の減少が最小限に抑えられ、両吹出口から無駄なく冷却空気が送風されることになる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両用空調装置に係る2つの実施形態を例に挙げて、図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する第1の実施形態の車両用空調装置は、各運転モードを自動で変更する自動運転機能を備えた車両用オートエアコンについて説明するものである。また、第2の実施形態は、各運転モードの変更を手動操作で行う車両用空調装置について説明するものとし、第1の実施形態と同様な構成については説明を一部省略して異なる構成及び機能を主として説明するものである。
【0036】
[第1の実施形態]
図1は、車両用空調装置の全体構成を説明する概略構成図である。車両用空調装置1の本体としてのケーシング2は、その内空間が車内へ導入される空気の流路となるもので、後述するように種々の構成機器を収容している。
【0037】
送風ブロア用モータ11aによって回転する送風ブロア11は、外気吸入口21及び内気吸入口22(共に「空気吸入口」を指す。)を通じてケーシング2内に内外気のどちらかを吸入するものである。そして、この吸入された空気は流通方向に従ってエバポレータ13を通過する。
外気吸入口21は車外と連通しており、ここからケーシング2までの間は車外の空気を取り込むための風路として機能している。また、内気吸入口22は車内と連通しており、ここからケーシング2までの間は車内の空気を取り込むための風路として機能している。
【0038】
また、これら各吸入口21,22には、内外気切替ダンパ12(閉塞手段)が共用された状態で備えられており、内外気切替ダンパ12の回動動作に応じて外気吸入口21が閉塞されると内気吸入口22が開口して車内の空気がケーシング2内に取り込まれ、内気吸入口22が閉塞されると外気吸入口21が開口して外気が取り込まれる。
【0039】
空気の流通方向においてエバポレータ13に下流側には、温調ダンパ14(閉塞手段)及びエンジン冷却用の冷却水を取り入れるヒータコア15が設けられている。エバポレータ13にて熱交換を終えた空調空気は、温調ダンパ14の回動動作によってヒータコア15を通過する場合と、ヒータコア15を通過しない場合と、ヒータコア15を通過する空気と通過しない空気とに分配される場合とがある。それぞれの場合における空気は、温調チャンバCに流入することになり、最後に述べた場合であれば温調チャンバC内にて互いの空気が混合されて温度調節が行われることとなる。
【0040】
さらに、温調チャンバCの下流側であるケーシング2の端部には、各運転モードに対応するための複数の吹出口が形成されており、図においてケーシング2の上部にはDEF吹出口23、その隣りにFACE吹出口24(第1の吹出口)、さらにその隣りに本発明に係るLHB吹出口25(第2の吹出口)、そして、FOOT吹出口26(第2の吹出口)が形成されている。なお、LHB吹出口25は、下半身(the Lower Half of the Body)への送風を行うために形成された吹出口であり、LHBとは下半身を意味する英単語の頭文字を用いたものである。
【0041】
各吹出口が車内に連通し開口する位置及び送風方向を図2(a),(b)にて詳細に説明すると、DEF吹出口23はダッシュボード61の上部に連通し開口することでフロントウインド62に向かってデフロストを行うための送風を行う。
FACE吹出口24はダッシュボード61の前面に連通し開口することで車内の中央及び上方に向かって送風を行う。
LHB吹出口25は、ダッシュボード61の前面に連通しFACE吹出口24よりも下方に向かって開口することで車内の下方に向かって送風を行う。
FOOT吹出口26は、ダッシュボード61の下方に連通し開口することで、車内の下方に向かって送風を行う。
【0042】
なお、各吹出口23〜26はダクトを介して車内に通じており、ケーシング2がダッシュボード61の内部中央に設けられている関係上、DEF吹出口23、FACE吹出口24、及びLHB吹出口25には長さの短いダクトが使用されている。また、FOOT吹出口26には、ダッシュボードの下方に導くための比較的長いダクトが使用されている。
【0043】
また、図1に示すように、これら各吹出口23〜26には、各吹出口を単独で閉塞するための各ダンパ16,17,18,19(閉塞手段)がケーシング2の内部にそれぞれ備えられており、これらは図3に示すリンク機構によって連動して回動動作する構成とされている。
【0044】
図1及び図3に示す各ダンパは、DEF吹出口23に備わるDEFダンパ16、FACE吹出口24に備わるFACEダンパ17,LHB吹出口25に備わるLHBダンパ18、FOOT吹出口26に備わるFOOTダンパ19である。
【0045】
次に、図1に示す冷凍サイクル40について説明する。圧縮機41は図示されない駆動源(例えば車両走行用のエンジン等)から駆動力を得て駆動し、気相状態の冷媒を圧縮する。ガスクーラ42は、圧縮機41で圧縮された冷媒を外気との間で熱交換して冷却する。符号の43は、ガスクーラ42の出口側で冷媒を減圧して低温低圧の気液二相流とする絞り装置である。
【0046】
先に説明したエバポレータ13は、車内の冷却手段をなす蒸発器であり、気液二相流の冷媒は蒸発器内で気化(蒸発)する際に、ケーシング2内を流通する車内の空気あるいは車内外の空気から蒸発熱を奪って通過する空気を冷却する。そして、圧縮機41、ガスクーラ42、絞り装置43及びエバポレータ13は、冷媒配管44により直列に接続され、冷媒が状態変化を繰り返して循環する冷凍サイクル40としての閉回路が構成されている。
【0047】
さて、このように構成された車両用空調装置1には、制御装置50が備えられている。この制御装置50は、ダッシュボードのインスツルメントパネル上に設けられた操作パネルからの操作信号を受け取ったり、図示しない車内温度センサ(車内温度検出手段)や、外気温度センサ(外気温検出手段)や、日射センサ等から得られたデータを取り込んでいる。
そして、これら入手したデータに基づいて圧縮機41や送風ブロア11の動作制御、さらには図3に示される後述するリンク機構を介して各ダンパ(14,16〜19)の回動動作を行う吹出変更ダンパ用モータ(図示せず)の動作制御を行っている。
【0048】
次に、図3に示したリンク機構の構成及び動作について説明する。吹出変更ダンパ用モータ(図示せず)は、符号31に示される部材に連結されており、2つのリンク部材からなる第1伝達部31を介してメインリンク部材32を回動させる。これにより、メインリンク部材32はほぼ中央に位置する回転中心32aを中心に回動することになり、FOOTダンパ19を回動させる。また、後述する3つの伝達部を介してDEFダンパ16、FACEダンパ17、及びLHBダンパ18のそれぞれをメインリンク部材32の回動位置に合わせて回動させる。
【0049】
DEFダンパ16につながる第2伝達部33は、この基端部が長孔によってメインリンク部材32に連結されており、摺動可能であるためにメインリンク部材32の回動位置によっては、DEFダンパ16は回動しない構造とされている。また、FACEダンパ17につながる第3伝達部34においても、長孔によってメインリンク部材32に連結されており、摺動可能であるためにメインリンク部材32の回動位置によっては、FACEダンパ17は回動しない構造とされている。
そして、LHBダンパ18につながる第4伝達部35においては、2つの部材による屈曲運動を行える状態でメインリンク部材32に連結された構造とされている。これによって、メインリンク部材32の回動動作に合わせてLHBダンパ18は所定の位置で回動することになり、LHB吹出口25を開口することになる。
【0050】
このように、吹出変更ダンパ用モータの回転動作により、各運転モードに応じた各吹出口の開口状態が変更されることになる。特に、図に示すリンク機構の構造であれば、FACEダンパ17の回動に追従してLHBダンパ18を回動させることが容易な構造とされている。
【0051】
次に、自動運転に関わる制御系統について図4を参照しながら説明する。図に示すように、制御装置50には先に説明した外気温度センサ、車内温度センサ、日射センサなどの各計測機器からデータが取り込まれている。そして、操作パネルにおける設定に従って上記データは制御装置50内で比較演算され、内外気切替ダンパ用モータ12a、吹出変更ダンパ用モータFa、温調ダンパ用モータ14a、送風ブロア用モータ11aへの出力を制御して各運転モードに応じた運転を行うこととしている。
【0052】
上記各運転モードの1つとして備えられた急冷運転モードの実行手順について図5を用いて説明する。図5(a)の流れ図に示すように、外気温度Toと室内温度Trとの差が比較演算されることによってTr<To+20、つまりは車内温度Trが外気温度To+20℃よりも低ければ、急冷運転の必要性がないと判断され、通常の運転が継続または選択される。
【0053】
しかし、Tr≧To+20、つまりは車内温度Trが外気温度To+20℃を超える場合であれば、図に示す「MAX COOL制御」、つまりは急冷運転の実行が決定される。急冷運転の実行形態は、図2に示したFACE吹出口24と、LHB吹出口25とから送風を行うためにこれらに対応する各ダンパが回動し、また、内外気切替ダンパ12(図1参照)が回動して内気循環モードに変更される。また、風量が最大となるように送風ブロア11(図1参照)が駆動させられる。そして、言うまでもなく、ヒータコア15を完全に覆うように温調ダンパ14(共に図1参照)が回動し、該ヒータコア15に空気が通過しないように調整される。
【0054】
上記のような各動作が決定されて急冷運転が行われることになるが、運転が継続されると、制御装置50は車内温度の低下を判断して所定の温度に到達した段階で急冷運転を停止する。
【0055】
また、自動運転を行う車両用オートエアコンである場合でも手動操作が可能な場合については、操作パネルに急冷運転用のスイッチ(急冷運転操作部)を設けておき、該スイッチの操作により図5(b)に示すような急冷運転が実行されることになる。
具体的に説明すると、「MAX COOL SW」が選択されなければ通常の運転モードが実行され、選択された場合には「MAX COOL制御」、つまりは急冷運転が実行される。そして、この急冷運転を終了する条件として、制御装置内に設定された運転継続時間の10分(運転制限値)が経過した段階で通常の運転モードに変更することとしている。
また、その他急冷運転を終了する条件として、「MAX COOL SW」を再度動作させた場合や、操作パネル内にある他のスイッチを操作させた場合なども急冷運転の停止命令となる。
【0056】
このような急冷運転が行われると、図2(a)に示すようにFACE吹出口24とLHB吹出口25とから車内に向かって低温な冷却空気が大量に送風されることになり、矢印に示すように乗員及び車内の全域に渡って冷却空気が到達することになる。これによって、外気温度に比較して著しく高温状態となった車内の熱気や、車内の装備品の熱は速やかに除去されることになる。
【0057】
このことを本実施形態における急冷運転と、一般的な従来の強冷運転とでの車内温度変化を比較した図6のグラフ線図で表すと、本実施形態の急冷運転では一般的な強冷運転と比較して運転開始から早急に車内の平均温度が低下することが読み取れ、急冷効果が向上していることが読み取れる。
【0058】
また、LHB吹出口25を用いて冷却空気を送風することとしているので、FOOT吹出口26での風量低下を抑えて、車内下方である足下への送風を効率的に行うことができる。さらに、乗員の足下を含む下半身に冷却空気が直接吹き付けることになり、高温状態におかれた車内が目標とする温度に今すぐ達しなくても、乗員に対して快適なフィーリングを与えることができる。
さらに、時間制限で急冷運転は自動停止するので、急冷運転における高負荷な運転状態が継続しなくなり、運転における無駄がなくなる。また、車内の温度が極端に低下することがなくなり、乗員が車両から離れていても乗員に適した車内環境を提供することができる。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態の車両用空調装置について図7及び図8を用いて説明する。
本実施形態における車両用空調装置は、先に明記したように自動運転機能を備えていない手動操作にて運転を行うものである。なお、本実施形態にて説明する車両用空調装置において第1の実施形態と同様な構成及び作用については先に用いた図を一部参照して説明を省略するものとする。
【0060】
この車両用空調装置のインスツルメントパネルには、図7に示すような操作パネル70が備わり、送風モードの切替パネル73内のFACE吹出の隣りに位置して符号80に示す「MAX COOL」の選択位置、つまり、本発明に言う急冷運転を行うための急冷運転操作部が設けられている。
【0061】
また、本実施形態の車両用空調装置においても、図8に示すように簡易的な制御装置50’が備えられており、この場合、外気温度センサからのデータを少なくとも取り込みつつ、主として操作パネル70での設定に従って各モータ12a,Fa,14a,11aへの出力を制御している。
つまり、操作パネル70での急冷運転の手動設定に基づいて、制御装置50’は、操作パネル70内の各スイッチ(75,76,71a,72a)の操作を行わずとも、吹出口の切り替え、内気循環モードへの切り替え、風量の最大化、能力的に最も低温とされた空調空気の生成を促す運転に変更するように指示を促すこととなる。
【0062】
乗員からの操作にて「MAX COOL」が選択されると、他のパネル71、72のダイヤル位置に関係なく(OFF位置は除く。)、図5(b)に示したことと同様な制御が設定される。そしてなお且つ、FACE吹出口24とLHB吹出口25とを開口するためにダイヤル73aの裏側に位置するレバーの動作にてケーブル79を引くことで、制御装置50’を介して吹出変更ダンパ用モータの動作を調節する。
これにより、図3に示される第1伝達部31が動作して第1の実施形態と同様にFACEダンパ17とLHBダンパ18とが回動し、それぞれの吹出口を開口させることになる。
【0063】
ダイヤル73aとレバー77との伝達部78は、ラックとピニオンの関係で噛み合わされており、ダイヤルの回転運動がレバー77の円弧を描く運動に変換されてケーブル79が決まった位置で押し引きされ、吹出変更ダンパ用モータの動作調整を行うことになる。もちろん、ケーブル79にて直接第1伝達部31を動作させることとしてもよい。
【0064】
このように形成された車両用空調装置では、車内の熱気を速やかに除去できる急冷運転を第1の実施形態と同様に行えることになり、また、操作パネルにて急冷運転を容易に設定することができる。これによって、乗員へのフィーリング向上を図りつつ、空調装置の操作性の容易化を図ることができる。
【0065】
なお、以上説明した各実施形態において、急冷運転にて内気循環モードを選択することとして説明したが、これに限定されるものではなく、先に外気導入モードを行った後に内気循環に変更することとしてもよい。なぜなら、冷却空気をダッシュボードの下方から送風するため、この空気を内気循環にてすぐに取り込むことは足下への送風量の低下を及ぼしかねず、また、一時的に外気導入とすることで熱気を車内から効率よく排除しやすい利点があるからである。
【0066】
また、第2の吹出口としてLHB吹出口25を用いて車内下方に送風を行うこととして説明したが、これを備えていない車両用空調装置であれば、FOOT吹出口26を用いて送風を行うこととしてももちろんよい。
さらに、送風する能力に余裕がある場合では、LHB吹出口25、FOOT吹出口26及びFACE吹出口24を組み合わせて急冷運転の送風を行うこととしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置によれば以下の効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によれば、制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口と、車内下方への送風を行う第2の吹出口とから冷却空気を送風する急冷運転を制御装置が指示するので、車内の上方を含んで中央、さらには下方の熱気等を早急に除去することができ、車内の温度を素早く下げることができる。また、例えば、盛夏時において車内の温度が著しく高くなっても、運転開始と同時に冷却空気を乗員の上半身に加えて下半身にも吹き付けることができ、乗員に対して快適なフィーリングを与えることができる。また、熱気や輻射によって高温となった車内の装備品の冷却も効率的に行うことができ、車内の快適環境を素早く構築することができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、吸入した空気をケーシング内に備わるヒータコアを通過させることなく最大風量にて車内に送風することにより、車内の全域に渡って円滑に冷却空気が行き届くことになり、熱気等の不快な空気を効率的により素早く除去して車内を冷却することができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、制御装置に設定された運転制限値に従って急冷運転は自動停止するので、急冷運転における高負荷な状態が継続されることがなくなり、運転における無駄がなくなる。また、車内の温度が極端に低下することがなくなり、乗員が車両から離れていても乗員に適した車内環境を提供することができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、車両用空調装置の操作を行う操作パネルに、急冷運転を行うための急冷運転操作部が設けられてので、操作パネルにて多数の手動操作をせずとも、車内の急速冷却に最も適した送風を容易な操作で行うことができ、早急に車内温度を低下させて乗員に対するフィーリングの向上と操作性の向上を図る車両用空調装置を実現することができる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、車両用空調装置の各運転モードを決定するとともに、外気温度または設定温度と車内温度とを比較して所定以上の温度差があると急冷運転を指示する制御装置が備えられているので、急冷運転を必要とする状況を自動的に認識して運転を指示することができ、乗員の操作がなくとも車内温度を早急に低下させて乗員へのフィーリング向上を図ることができる。また、エンジンを始動した段階で急冷運転を開始させることも可能となり、乗員が居ずとも多くの時間を必要としないで車内を冷却することができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、車内の中央に送風する第1の吹出口がFACE吹出口とされ、車内の下方に送風する第2の吹出口が、FOOT吹出口とされているので、既存の構成を用いて車内の上方、中央及び下方の熱気を的確且つ効率的に除去することができる。また、上記説明したような急冷運転を可能とする運転性能の向上がなされた車両用空調装置を低コストで実現することができる。
【0073】
請求項7記載の発明によれば、車内の中央に送風する第1の吹出口がFACE吹出口とされ、車内の下方に送風する第2の吹出口がダッシュボードの前面にてFACE吹出口よりも低く形成されたLHB吹出口とされているので、車内下方への風量の増大を図ることができ、車内の上方、中央及び下方の熱気等の不快な空気を的確且つ効率的に除去することができる。また、冷却空気は乗員の顔から腹部の間に吹き付けることに加えて、下半身にも吹き付けられることにより、車内温度が全体として均一且つ早急に低下せずとも、乗員に対して快適なフィーリングを即座に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態における車両用空調装置の全体構成を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の各実施形態における車両用空調装置の各吹出口の位置及び送風方向を説明する図であって、(a)車両の側面から見た側面図、(b)はダッシュボードを正面から見た正面図である。
【図3】本発明の各実施形態における車両用空調装置の構造を説明する概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における車両用オートエアコンの制御系統を模式的に示した系統図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における車両用空調装置の急冷運転の制御方法を説明する流れ図であって、(a)は自動運転における流れ図、(b)は手動操作における流れ図である。
【図6】本発明の各実施形態における急冷運転と従来例とでの車内温度変化を比較したグラフ図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における操作パネルの構成を説明する図であって、(a)は操作パネルの正面図、(b)は(a)を下方から見た場合の内部構造を説明する断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における車両用空調装置の制御系統を模式的に示した系統図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置、車両用オートエアコン
2 ケーシング
13 エバポレータ
14 温調ダンパ(閉塞手段)
17 FOOTダンパ(閉塞手段)
18 LHBダンパ(閉塞手段)
24 FACE吹出口(第1の吹出口)
25 LHB吹出口(第2の吹出口)
26 FOOT吹出口(第2の吹出口)
50 制御装置
61 ダッシュボード
70 操作パネル
80 MAX COOLの選択位置(急冷運転操作部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車内の空気の調和を図る車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両空調装置は各種機器を複合させてユニット化し、小型に構成することでエンジンルームと車内とを仕切るバルクヘッドの車内側に位置するダッシュボード内に本体部が収容されている。車内は、運転手を含め乗員の居住空間が最優先されるため、車両用空調装置は狭隘な空間とされたダッシュボード内に他の機器と共に収容されており、ダッシュボード内に本体部が収容されることで車内の居住空間が確保されている。
【0003】
車両用空調装置の本体部であるケーシング内には、冷媒と吸入した空気とを熱交換させるエバポレータや、エンジン冷却用の冷却水を取り入れてケーシング内を通過する空気を暖めるヒータコアがある。ヒータコアの近傍には、ここを通過する空気量を制御する温調ダンパが備わり、この温調ダンパを各運転モードに応じて動作させることにより、ヒータコアに空気を通過させて暖房運転を行ったり、通過させないことで冷房運転を行ったりしている。さらに、冷房運転の場合を例に挙げて、車両用空調装置の構成及び作用について説明する。
【0004】
ケーシングの一端には、空気を吸入するための空気吸入口が形成されており、この空気吸入口から車外の空気(以下「外気」という。)または、車内の空気(以下「内気」という。)のどちらかを吸入する。上記どちらかの空気を選択することは、空気吸入口に備わる内外気切替ダンパ(閉塞手段)によって行われ、例えば、空気吸入口の開口部が複数あって、1つの開口部に対して他の開口部を略直角方向に位置させることにより、内外気切替ダンパが90度で回動すると一方の開口部が閉塞されて他方の開口部が開口することになる。従って、このような内外気切替ダンパの回動動作によって、ケーシング内に外気が取り込まれたり、内気が取り込まれたりする。
【0005】
ケーシング内に取り込まれた空気(外気または内気)は、空気の流れにおける下流側に備わる送風ブロアによって吸引されつつエバポレータに送られる。そして、エバポレータを通過することで空気中の熱が冷媒に奪われて空気は冷却され、空調された冷却空気としてケーシング内のさらなる下流側に流れる。
【0006】
エバポレータを通過した冷却空気は、冷房運転であるためにヒータコアを通過しないでヒータコアの下流側の空間である温調チャンバ内に入り、ここから各運転モードに応じた複数の吹出口から車内に送風されることになる。温調チャンバはエバポレータを通過した冷却空気と、ヒータコアを通過した加熱空気とを混合する空間であり、温調とは温度調節を意味するものである。
【0007】
各吹出口をより詳細に説明すると、各吹出口には、ケーシングからダッシュボードの前面に連通して車内の中央及び上方に送風を行うFACE吹出口(第1の吹出口)と、ケーシングからダッシュボードの下方に連通して車内の下方、言い換えると足下に送風を行うFOOT吹出口(第2の吹出口)と、ケーシングからダッシュボードの上方に連通してフロントウインドに送風を行うDEF吹出口とが備えられている。これら各吹出口はケーシングからの距離に応じてダクトが接続されている。
【0008】
そして、これら各吹出口に連通するケーシングの内部には、それぞれの吹出口まで通じる風路を各運転モードに応じて閉塞するFACEダンパ、FOOTダンパ、DEFダンパ(共に「閉塞手段」をいう。)が備えられており、冷房運の場合であれば、FACEダンパを開いてその他のダンパを閉じ、FACE吹出口に限定して冷却空気を車内の中央及び上方に送風する制御が行われている。
【0009】
なお、季節の移り変わりなどでは、バイレベルモードと呼ばれる頭寒足熱方式の送風がなされ、先に説明した温調ダンパを中間位置まで回動させてヒータコアに吸入した空気の一部を通過させ、得られた加熱空気を温調チャンバで調整した後にFOOT吹出口から吹き出す。そして、これとともに、エバポレータを通過した冷却空気をFACE吹出口から送風する制御が行われている。
【0010】
また、暖房運転では、FOOTダンパを開いてその他のダンパを閉じ、FOOT吹出口に限定してヒータコアを通過した加熱空気を車内の下方に送風する制御が行われている。
【0011】
以上説明した冷房運転などの各運転モードの選択は、一般にマニュアルエアコンと呼ばれる手動操作の車両用空調装置であれば、ダッシュボードに取り付けられたインスツルメントパネル上の空調用の操作パネルで行われ、乗員の選択によって変更される。
【0012】
また、車内温度センサ(車内温度検出手段)、外気温度センサ(外気温度検出手段)、日射センサ、各ダンパを駆動する駆動モータ、及び前記各センサからデータを取り込み前記各モータを制御する制御装置を備えた車両用空調装置がある。このような車両用空調装置は、近年採用が増加している車両用オートエアコンを言うものであり、制御装置で各運転モードを決定することにより制御目標となる設定温度に到達させるべく自動運転を行うものである。なお、このような車両用オートエアコンは、先に説明した各運転モードを手動で操作できる手動操作機能を備えていることが一般的である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このように各運転モードに応じた送風を行って車内の空調を行う車両用空調装置の運転方法において、盛夏時に車両が炎天下にさらされると車内温度が50℃〜70℃という高温になることがある。このため、車両用空調装置はこのような状況にて生じた車内の熱気を素早く除去する必要がある。
【0014】
このような状況下において、自動運転を行う車両用オートエアコンであれば、制御装置は制御目標となる設定温度と車内温度との温度差が遥かにかけ離れていることを認識するので、最大能力を用いて冷房運転を行うように指示を促す。つまり、圧縮機等の各機器の稼動を制御してエバポレータにおいて能力的に最も低温な冷却空気を生成するように制御を行い、さらに、得られた冷却空気をFACE吹出口に限定して最大風量で送風することとしている。そしてなお且つ、車内の空気を再び取り込む内気循環モードを選択することが一般的な冷房運転における強冷運転の制御である。
【0015】
しかしながら、このような強冷運転では、FACE吹出口に冷却空気の吹き出しが限定されているため、乗員の足下にとどまる熱気は早急に除去されない問題があった。つまり、このような送風方法であると、熱気がとどまりやすい車内上方の熱気のみが先に除去されることになり、車内下方の熱気は内気循環によるケーシングへの吸入による除去と、車内の中央及び上方を流れる空気の流れによって次第に上昇した時点で徐々に除去されることとなっていた。
【0016】
また、前者に言う内気循環による熱気の除去は、ダッシュボードの左右方向における一方側の下方、言い換えれば助手席側の下方からケーシングに吸入されることに制限されている場合が多く、車内下方の熱気を全て早急に除去することは困難である。
【0017】
また、車内が高温となると、車内の空気はもちろんのこと、車内に備わる座席やフロア等の装備品が高温な状態となるため、これら装備品の冷却を行わないと車内の温度を均一且つ早急に低下させることが困難である。
【0018】
また、手動操作で各運転モードを選択する車両用空調装置、または車両用オートエアコンでの手動操作であれば、乗員はエバポレータにて冷却された空気を用いた送風モード(一般に言う「A/Cモード」)に設定し、さらに吹出温度を最も低く、且つ最大風量、さらには内気循環に操作する必要がある。これら一連の操作は全て乗員の操作に頼る必要があることはもちろんのこと、乗員に強冷運転を行うための操作方法が認識されていることが必要条件となる。このため、車内の早急な冷却を行うための手動操作は複雑且つ困難なものであった。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、高温状態とされた車内を早急に冷却して乗員に対するフィーリングの向上、及び運転性能の向上と操作性の容易化を図った車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用することとした。
請求項1記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、制御目標とされた設定温度と車内温度とを少なくとも比較して前記各運転モードを決定する制御装置とを備えた車両用オートエアコンの制御方法において、制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口と、車内下方への送風を行う第2の吹出口とから冷却空気を送風する急冷運転を前記制御装置が指示することを特徴としている。
【0021】
このような制御方法とすることで、ケーシング内にて空調された冷却空気は、第1の吹出口と第2の吹出口との両方から送風されることになり、外気温度または設定温度よりも遥かに高温状態とされた車内の全域に渡って速やかに行き届くことになる。これによって、車内の中央及び上方にとどまる熱気はもとより、車内下方の足下にとどまる熱気、さらには車内にて高温となった装備品等についても早急に冷却されることになる。
【0022】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用オートエアコンの制御方法において、吸入した空気を前記ケーシング内に備わるヒータコアを通過させることなく、最大風量で送風する急冷運転であることを特徴としている。
【0023】
このような制御方法とすることで、的確に冷却された冷却空気は、車内の全域に渡って早急且つ無駄なく送風される。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用オートエアコンの制御方法において、前記制御装置に設定された運転制限値に従って前記急冷運転は自動停止することを特徴としている。
【0025】
このような制御方法とすることで、乗員からの操作の有無に拘わらず制御装置に予め設定された運転制限値に従って急冷運転は自動で停止することになる。これにより、車内の過冷却が回避され、また、運転に無駄がなくなる。
なお、運転制限値は、例えば、目標とする車内温度や、運転の経過時間などをいうものであり、これら運転制限値に達した段階で急冷運転は自動停止する。
また、自動停止した後についての運転は特に限定するものではないが、例えば、既に設定された各運転モードに移行することとしてもよいし、運転を完全に停止することとしてもよい。
【0026】
請求項4記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、前記各運転モードを選択する操作パネルとを備えた車両用空調装置において、前記操作パネルに、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させる急冷運転操作部が設けられていることを特徴としている。
【0027】
このような構成により、操作パネルに設けられた急冷運転操作部が操作されると、第1の吹出口と第2の吹出口とに備わる各閉塞手段がこれら吹出口を開口するように動作し、ケーシング内で空調された冷却空気は、開口した第1の吹出口及び第2の吹出口から車内に向かって送風される。これによって、車内の中央及び上方と、下方とに冷却空気が行き届くことになり、車内にとどまる熱気等の不快な空気が除去される。
【0028】
請求項5記載の発明は、ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、外気温度を計測する外気温検出手段と、車内温度を計測する車内温度検出手段とを備えた車両用空調装置において、前記外気温度または制御目標となる設定温度と前記車内温度とを比較した温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させて急冷運転を指示する制御装置が備えられていることを特徴としている。
【0029】
このような構成とすることで、制御装置が行う比較演算に応じて各閉塞手段の動作が制御され、車内の中央に送風を行う第1の吹出口と、車内の下方に送風を行う第2の吹出口とから空調された急冷運転用の冷却空気が車内に送風されることになる。
このような運転は、制御装置が外気温度または設定温度と車内温度とを比較し、この温度差が予め設定された所定値を超えた場合に上記制御が行われる。つまり、車内の温度が比較的高温となった場合に急冷運転が自動で開始されることになる。
【0030】
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の車両用空調装置において、前記第1の吹出口が、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、前記第2の吹出口が、前記ダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口とされていることを特徴としている。
【0031】
従って、急冷運転時には、ダッシュボードの前面に設けられたFACE吹出口から従来の冷房運転時と同様に冷却空気が送風されることに加えて、暖房運転時に使用されていたダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口から冷却空気が送風されることになる。なお、後者の冷却空気は、乗員が搭乗している場合であれば、乗員の足下に吹き付けられることになり、その後に座席の下方を通過して熱気等の不快な空気、さらには座席等の装備品の熱を奪って流れることになる。
【0032】
請求項7記載の発明は、請求項4または請求項5記載の車両用空調装置において、前記第1の吹出口が、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、前記第2の吹出口が、前記ダッシュボードの前面にて前記FACE吹出口よりも低く位置して乗員の下半身付近に送風を行う吹出口とされていることを特徴としている。
【0033】
本発明に係る急冷運転時には、ダッシュボードの前面に設けられたFACE吹出口から従来の冷房運転時と同様に冷却空気が送風されることに加えて、FACE吹出口とほぼ同等な経路長を辿った冷却空気が、上述した位置に設けられた第2の吹出口から車内の下方に向かって送風されることになる。つまり、ダッシュボードの前面に上記各吹出口が備えられているため、比較的短い経路を辿って冷却空気が車内の中央、及び下方に送風されることになる。なお、FACE吹出口は、従来よりルーバの調整により車内の上方にも送風は可能である。
【0034】
第2の吹出口から送風された冷却空気は、乗員が搭乗している場合であれば、乗員の下半身付近に吹き付けられることになり、その後に乗員の後ろに回り込んだり、座席の下方を通過したりして車内全体に行き届くことになる。
また、ケーシングから第2の吹出口までの経路長は、ケーシングからFACE吹出口までの経路長とほぼ同等となるため、例えば、ダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口から送風する場合に比較して流通する空気の圧力損失は少ない。従って、圧力損失による風量の減少が最小限に抑えられ、両吹出口から無駄なく冷却空気が送風されることになる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の車両用空調装置に係る2つの実施形態を例に挙げて、図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する第1の実施形態の車両用空調装置は、各運転モードを自動で変更する自動運転機能を備えた車両用オートエアコンについて説明するものである。また、第2の実施形態は、各運転モードの変更を手動操作で行う車両用空調装置について説明するものとし、第1の実施形態と同様な構成については説明を一部省略して異なる構成及び機能を主として説明するものである。
【0036】
[第1の実施形態]
図1は、車両用空調装置の全体構成を説明する概略構成図である。車両用空調装置1の本体としてのケーシング2は、その内空間が車内へ導入される空気の流路となるもので、後述するように種々の構成機器を収容している。
【0037】
送風ブロア用モータ11aによって回転する送風ブロア11は、外気吸入口21及び内気吸入口22(共に「空気吸入口」を指す。)を通じてケーシング2内に内外気のどちらかを吸入するものである。そして、この吸入された空気は流通方向に従ってエバポレータ13を通過する。
外気吸入口21は車外と連通しており、ここからケーシング2までの間は車外の空気を取り込むための風路として機能している。また、内気吸入口22は車内と連通しており、ここからケーシング2までの間は車内の空気を取り込むための風路として機能している。
【0038】
また、これら各吸入口21,22には、内外気切替ダンパ12(閉塞手段)が共用された状態で備えられており、内外気切替ダンパ12の回動動作に応じて外気吸入口21が閉塞されると内気吸入口22が開口して車内の空気がケーシング2内に取り込まれ、内気吸入口22が閉塞されると外気吸入口21が開口して外気が取り込まれる。
【0039】
空気の流通方向においてエバポレータ13に下流側には、温調ダンパ14(閉塞手段)及びエンジン冷却用の冷却水を取り入れるヒータコア15が設けられている。エバポレータ13にて熱交換を終えた空調空気は、温調ダンパ14の回動動作によってヒータコア15を通過する場合と、ヒータコア15を通過しない場合と、ヒータコア15を通過する空気と通過しない空気とに分配される場合とがある。それぞれの場合における空気は、温調チャンバCに流入することになり、最後に述べた場合であれば温調チャンバC内にて互いの空気が混合されて温度調節が行われることとなる。
【0040】
さらに、温調チャンバCの下流側であるケーシング2の端部には、各運転モードに対応するための複数の吹出口が形成されており、図においてケーシング2の上部にはDEF吹出口23、その隣りにFACE吹出口24(第1の吹出口)、さらにその隣りに本発明に係るLHB吹出口25(第2の吹出口)、そして、FOOT吹出口26(第2の吹出口)が形成されている。なお、LHB吹出口25は、下半身(the Lower Half of the Body)への送風を行うために形成された吹出口であり、LHBとは下半身を意味する英単語の頭文字を用いたものである。
【0041】
各吹出口が車内に連通し開口する位置及び送風方向を図2(a),(b)にて詳細に説明すると、DEF吹出口23はダッシュボード61の上部に連通し開口することでフロントウインド62に向かってデフロストを行うための送風を行う。
FACE吹出口24はダッシュボード61の前面に連通し開口することで車内の中央及び上方に向かって送風を行う。
LHB吹出口25は、ダッシュボード61の前面に連通しFACE吹出口24よりも下方に向かって開口することで車内の下方に向かって送風を行う。
FOOT吹出口26は、ダッシュボード61の下方に連通し開口することで、車内の下方に向かって送風を行う。
【0042】
なお、各吹出口23〜26はダクトを介して車内に通じており、ケーシング2がダッシュボード61の内部中央に設けられている関係上、DEF吹出口23、FACE吹出口24、及びLHB吹出口25には長さの短いダクトが使用されている。また、FOOT吹出口26には、ダッシュボードの下方に導くための比較的長いダクトが使用されている。
【0043】
また、図1に示すように、これら各吹出口23〜26には、各吹出口を単独で閉塞するための各ダンパ16,17,18,19(閉塞手段)がケーシング2の内部にそれぞれ備えられており、これらは図3に示すリンク機構によって連動して回動動作する構成とされている。
【0044】
図1及び図3に示す各ダンパは、DEF吹出口23に備わるDEFダンパ16、FACE吹出口24に備わるFACEダンパ17,LHB吹出口25に備わるLHBダンパ18、FOOT吹出口26に備わるFOOTダンパ19である。
【0045】
次に、図1に示す冷凍サイクル40について説明する。圧縮機41は図示されない駆動源(例えば車両走行用のエンジン等)から駆動力を得て駆動し、気相状態の冷媒を圧縮する。ガスクーラ42は、圧縮機41で圧縮された冷媒を外気との間で熱交換して冷却する。符号の43は、ガスクーラ42の出口側で冷媒を減圧して低温低圧の気液二相流とする絞り装置である。
【0046】
先に説明したエバポレータ13は、車内の冷却手段をなす蒸発器であり、気液二相流の冷媒は蒸発器内で気化(蒸発)する際に、ケーシング2内を流通する車内の空気あるいは車内外の空気から蒸発熱を奪って通過する空気を冷却する。そして、圧縮機41、ガスクーラ42、絞り装置43及びエバポレータ13は、冷媒配管44により直列に接続され、冷媒が状態変化を繰り返して循環する冷凍サイクル40としての閉回路が構成されている。
【0047】
さて、このように構成された車両用空調装置1には、制御装置50が備えられている。この制御装置50は、ダッシュボードのインスツルメントパネル上に設けられた操作パネルからの操作信号を受け取ったり、図示しない車内温度センサ(車内温度検出手段)や、外気温度センサ(外気温検出手段)や、日射センサ等から得られたデータを取り込んでいる。
そして、これら入手したデータに基づいて圧縮機41や送風ブロア11の動作制御、さらには図3に示される後述するリンク機構を介して各ダンパ(14,16〜19)の回動動作を行う吹出変更ダンパ用モータ(図示せず)の動作制御を行っている。
【0048】
次に、図3に示したリンク機構の構成及び動作について説明する。吹出変更ダンパ用モータ(図示せず)は、符号31に示される部材に連結されており、2つのリンク部材からなる第1伝達部31を介してメインリンク部材32を回動させる。これにより、メインリンク部材32はほぼ中央に位置する回転中心32aを中心に回動することになり、FOOTダンパ19を回動させる。また、後述する3つの伝達部を介してDEFダンパ16、FACEダンパ17、及びLHBダンパ18のそれぞれをメインリンク部材32の回動位置に合わせて回動させる。
【0049】
DEFダンパ16につながる第2伝達部33は、この基端部が長孔によってメインリンク部材32に連結されており、摺動可能であるためにメインリンク部材32の回動位置によっては、DEFダンパ16は回動しない構造とされている。また、FACEダンパ17につながる第3伝達部34においても、長孔によってメインリンク部材32に連結されており、摺動可能であるためにメインリンク部材32の回動位置によっては、FACEダンパ17は回動しない構造とされている。
そして、LHBダンパ18につながる第4伝達部35においては、2つの部材による屈曲運動を行える状態でメインリンク部材32に連結された構造とされている。これによって、メインリンク部材32の回動動作に合わせてLHBダンパ18は所定の位置で回動することになり、LHB吹出口25を開口することになる。
【0050】
このように、吹出変更ダンパ用モータの回転動作により、各運転モードに応じた各吹出口の開口状態が変更されることになる。特に、図に示すリンク機構の構造であれば、FACEダンパ17の回動に追従してLHBダンパ18を回動させることが容易な構造とされている。
【0051】
次に、自動運転に関わる制御系統について図4を参照しながら説明する。図に示すように、制御装置50には先に説明した外気温度センサ、車内温度センサ、日射センサなどの各計測機器からデータが取り込まれている。そして、操作パネルにおける設定に従って上記データは制御装置50内で比較演算され、内外気切替ダンパ用モータ12a、吹出変更ダンパ用モータFa、温調ダンパ用モータ14a、送風ブロア用モータ11aへの出力を制御して各運転モードに応じた運転を行うこととしている。
【0052】
上記各運転モードの1つとして備えられた急冷運転モードの実行手順について図5を用いて説明する。図5(a)の流れ図に示すように、外気温度Toと室内温度Trとの差が比較演算されることによってTr<To+20、つまりは車内温度Trが外気温度To+20℃よりも低ければ、急冷運転の必要性がないと判断され、通常の運転が継続または選択される。
【0053】
しかし、Tr≧To+20、つまりは車内温度Trが外気温度To+20℃を超える場合であれば、図に示す「MAX COOL制御」、つまりは急冷運転の実行が決定される。急冷運転の実行形態は、図2に示したFACE吹出口24と、LHB吹出口25とから送風を行うためにこれらに対応する各ダンパが回動し、また、内外気切替ダンパ12(図1参照)が回動して内気循環モードに変更される。また、風量が最大となるように送風ブロア11(図1参照)が駆動させられる。そして、言うまでもなく、ヒータコア15を完全に覆うように温調ダンパ14(共に図1参照)が回動し、該ヒータコア15に空気が通過しないように調整される。
【0054】
上記のような各動作が決定されて急冷運転が行われることになるが、運転が継続されると、制御装置50は車内温度の低下を判断して所定の温度に到達した段階で急冷運転を停止する。
【0055】
また、自動運転を行う車両用オートエアコンである場合でも手動操作が可能な場合については、操作パネルに急冷運転用のスイッチ(急冷運転操作部)を設けておき、該スイッチの操作により図5(b)に示すような急冷運転が実行されることになる。
具体的に説明すると、「MAX COOL SW」が選択されなければ通常の運転モードが実行され、選択された場合には「MAX COOL制御」、つまりは急冷運転が実行される。そして、この急冷運転を終了する条件として、制御装置内に設定された運転継続時間の10分(運転制限値)が経過した段階で通常の運転モードに変更することとしている。
また、その他急冷運転を終了する条件として、「MAX COOL SW」を再度動作させた場合や、操作パネル内にある他のスイッチを操作させた場合なども急冷運転の停止命令となる。
【0056】
このような急冷運転が行われると、図2(a)に示すようにFACE吹出口24とLHB吹出口25とから車内に向かって低温な冷却空気が大量に送風されることになり、矢印に示すように乗員及び車内の全域に渡って冷却空気が到達することになる。これによって、外気温度に比較して著しく高温状態となった車内の熱気や、車内の装備品の熱は速やかに除去されることになる。
【0057】
このことを本実施形態における急冷運転と、一般的な従来の強冷運転とでの車内温度変化を比較した図6のグラフ線図で表すと、本実施形態の急冷運転では一般的な強冷運転と比較して運転開始から早急に車内の平均温度が低下することが読み取れ、急冷効果が向上していることが読み取れる。
【0058】
また、LHB吹出口25を用いて冷却空気を送風することとしているので、FOOT吹出口26での風量低下を抑えて、車内下方である足下への送風を効率的に行うことができる。さらに、乗員の足下を含む下半身に冷却空気が直接吹き付けることになり、高温状態におかれた車内が目標とする温度に今すぐ達しなくても、乗員に対して快適なフィーリングを与えることができる。
さらに、時間制限で急冷運転は自動停止するので、急冷運転における高負荷な運転状態が継続しなくなり、運転における無駄がなくなる。また、車内の温度が極端に低下することがなくなり、乗員が車両から離れていても乗員に適した車内環境を提供することができる。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態の車両用空調装置について図7及び図8を用いて説明する。
本実施形態における車両用空調装置は、先に明記したように自動運転機能を備えていない手動操作にて運転を行うものである。なお、本実施形態にて説明する車両用空調装置において第1の実施形態と同様な構成及び作用については先に用いた図を一部参照して説明を省略するものとする。
【0060】
この車両用空調装置のインスツルメントパネルには、図7に示すような操作パネル70が備わり、送風モードの切替パネル73内のFACE吹出の隣りに位置して符号80に示す「MAX COOL」の選択位置、つまり、本発明に言う急冷運転を行うための急冷運転操作部が設けられている。
【0061】
また、本実施形態の車両用空調装置においても、図8に示すように簡易的な制御装置50’が備えられており、この場合、外気温度センサからのデータを少なくとも取り込みつつ、主として操作パネル70での設定に従って各モータ12a,Fa,14a,11aへの出力を制御している。
つまり、操作パネル70での急冷運転の手動設定に基づいて、制御装置50’は、操作パネル70内の各スイッチ(75,76,71a,72a)の操作を行わずとも、吹出口の切り替え、内気循環モードへの切り替え、風量の最大化、能力的に最も低温とされた空調空気の生成を促す運転に変更するように指示を促すこととなる。
【0062】
乗員からの操作にて「MAX COOL」が選択されると、他のパネル71、72のダイヤル位置に関係なく(OFF位置は除く。)、図5(b)に示したことと同様な制御が設定される。そしてなお且つ、FACE吹出口24とLHB吹出口25とを開口するためにダイヤル73aの裏側に位置するレバーの動作にてケーブル79を引くことで、制御装置50’を介して吹出変更ダンパ用モータの動作を調節する。
これにより、図3に示される第1伝達部31が動作して第1の実施形態と同様にFACEダンパ17とLHBダンパ18とが回動し、それぞれの吹出口を開口させることになる。
【0063】
ダイヤル73aとレバー77との伝達部78は、ラックとピニオンの関係で噛み合わされており、ダイヤルの回転運動がレバー77の円弧を描く運動に変換されてケーブル79が決まった位置で押し引きされ、吹出変更ダンパ用モータの動作調整を行うことになる。もちろん、ケーブル79にて直接第1伝達部31を動作させることとしてもよい。
【0064】
このように形成された車両用空調装置では、車内の熱気を速やかに除去できる急冷運転を第1の実施形態と同様に行えることになり、また、操作パネルにて急冷運転を容易に設定することができる。これによって、乗員へのフィーリング向上を図りつつ、空調装置の操作性の容易化を図ることができる。
【0065】
なお、以上説明した各実施形態において、急冷運転にて内気循環モードを選択することとして説明したが、これに限定されるものではなく、先に外気導入モードを行った後に内気循環に変更することとしてもよい。なぜなら、冷却空気をダッシュボードの下方から送風するため、この空気を内気循環にてすぐに取り込むことは足下への送風量の低下を及ぼしかねず、また、一時的に外気導入とすることで熱気を車内から効率よく排除しやすい利点があるからである。
【0066】
また、第2の吹出口としてLHB吹出口25を用いて車内下方に送風を行うこととして説明したが、これを備えていない車両用空調装置であれば、FOOT吹出口26を用いて送風を行うこととしてももちろんよい。
さらに、送風する能力に余裕がある場合では、LHB吹出口25、FOOT吹出口26及びFACE吹出口24を組み合わせて急冷運転の送風を行うこととしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における車両用オートエアコンの制御方法及び車両用空調装置によれば以下の効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によれば、制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口と、車内下方への送風を行う第2の吹出口とから冷却空気を送風する急冷運転を制御装置が指示するので、車内の上方を含んで中央、さらには下方の熱気等を早急に除去することができ、車内の温度を素早く下げることができる。また、例えば、盛夏時において車内の温度が著しく高くなっても、運転開始と同時に冷却空気を乗員の上半身に加えて下半身にも吹き付けることができ、乗員に対して快適なフィーリングを与えることができる。また、熱気や輻射によって高温となった車内の装備品の冷却も効率的に行うことができ、車内の快適環境を素早く構築することができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、吸入した空気をケーシング内に備わるヒータコアを通過させることなく最大風量にて車内に送風することにより、車内の全域に渡って円滑に冷却空気が行き届くことになり、熱気等の不快な空気を効率的により素早く除去して車内を冷却することができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、制御装置に設定された運転制限値に従って急冷運転は自動停止するので、急冷運転における高負荷な状態が継続されることがなくなり、運転における無駄がなくなる。また、車内の温度が極端に低下することがなくなり、乗員が車両から離れていても乗員に適した車内環境を提供することができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、車両用空調装置の操作を行う操作パネルに、急冷運転を行うための急冷運転操作部が設けられてので、操作パネルにて多数の手動操作をせずとも、車内の急速冷却に最も適した送風を容易な操作で行うことができ、早急に車内温度を低下させて乗員に対するフィーリングの向上と操作性の向上を図る車両用空調装置を実現することができる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、車両用空調装置の各運転モードを決定するとともに、外気温度または設定温度と車内温度とを比較して所定以上の温度差があると急冷運転を指示する制御装置が備えられているので、急冷運転を必要とする状況を自動的に認識して運転を指示することができ、乗員の操作がなくとも車内温度を早急に低下させて乗員へのフィーリング向上を図ることができる。また、エンジンを始動した段階で急冷運転を開始させることも可能となり、乗員が居ずとも多くの時間を必要としないで車内を冷却することができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、車内の中央に送風する第1の吹出口がFACE吹出口とされ、車内の下方に送風する第2の吹出口が、FOOT吹出口とされているので、既存の構成を用いて車内の上方、中央及び下方の熱気を的確且つ効率的に除去することができる。また、上記説明したような急冷運転を可能とする運転性能の向上がなされた車両用空調装置を低コストで実現することができる。
【0073】
請求項7記載の発明によれば、車内の中央に送風する第1の吹出口がFACE吹出口とされ、車内の下方に送風する第2の吹出口がダッシュボードの前面にてFACE吹出口よりも低く形成されたLHB吹出口とされているので、車内下方への風量の増大を図ることができ、車内の上方、中央及び下方の熱気等の不快な空気を的確且つ効率的に除去することができる。また、冷却空気は乗員の顔から腹部の間に吹き付けることに加えて、下半身にも吹き付けられることにより、車内温度が全体として均一且つ早急に低下せずとも、乗員に対して快適なフィーリングを即座に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態における車両用空調装置の全体構成を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の各実施形態における車両用空調装置の各吹出口の位置及び送風方向を説明する図であって、(a)車両の側面から見た側面図、(b)はダッシュボードを正面から見た正面図である。
【図3】本発明の各実施形態における車両用空調装置の構造を説明する概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における車両用オートエアコンの制御系統を模式的に示した系統図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における車両用空調装置の急冷運転の制御方法を説明する流れ図であって、(a)は自動運転における流れ図、(b)は手動操作における流れ図である。
【図6】本発明の各実施形態における急冷運転と従来例とでの車内温度変化を比較したグラフ図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における操作パネルの構成を説明する図であって、(a)は操作パネルの正面図、(b)は(a)を下方から見た場合の内部構造を説明する断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における車両用空調装置の制御系統を模式的に示した系統図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置、車両用オートエアコン
2 ケーシング
13 エバポレータ
14 温調ダンパ(閉塞手段)
17 FOOTダンパ(閉塞手段)
18 LHBダンパ(閉塞手段)
24 FACE吹出口(第1の吹出口)
25 LHB吹出口(第2の吹出口)
26 FOOT吹出口(第2の吹出口)
50 制御装置
61 ダッシュボード
70 操作パネル
80 MAX COOLの選択位置(急冷運転操作部)
Claims (7)
- ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じて車内の送風を行う複数の吹出口と、制御目標とされた設定温度と車内温度とを少なくとも比較して前記各運転モードを決定する制御装置とを備えた車両用オートエアコンの制御方法において、
前記制御装置は、制御目標となる設定温度または外気温度と、車内温度との温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口と、車内下方への送風を行う第2の吹出口とから冷却空気を送風する急冷運転を指示することを特徴とする車両用オートエアコンの制御方法。 - 前記急冷運転は、吸入した空気を前記ケーシング内に備わるヒータコアを通過させることなく、最大風量にて送風を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用オートエアコンの制御方法。
- 前記急冷運転は、前記制御装置に設定された運転制限値に従って自動停止することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用オートエアコンの制御方法。
- ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、前記各運転モードを選択する操作パネルとを備えた車両用空調装置において、
前記操作パネルには、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させる急冷運転操作部が設けられていることを特徴とする車両用空調装置。 - ケーシングの一端に空気を吸入するための空気吸入口と、他端に各運転モードに応じた車内への送風を行う複数の吹出口と、前記空気吸入口及び前記各吹出口を閉塞する各閉塞手段と、外気温度を計測する外気温度検出手段と、車内温度を計測する車内温度検出手段とを備えた車両用空調装置において、
前記外気温度または制御目標となる設定温度と前記車内温度とを比較した温度差が所定値を超えた場合に、前記各吹出口の1つをなす車内中央への送風を行う第1の吹出口に備わる閉塞手段と、車内下方への送風を行う第2の吹出口に備わる閉塞手段とを開口側に動作させて急冷運転を指示する制御装置が備えられていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記第1の吹出口は、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、
前記第2の吹出口は、前記ダッシュボードの下方に位置するFOOT吹出口とされていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両用空調装置。 - 前記第1の吹出口は、車内に備わるダッシュボードの前面に位置するFACE吹出口とされ、
前記第2の吹出口は、前記ダッシュボードの前面にて前記FACE吹出口よりも低く位置して乗員の下半身付近に送風を行う吹出口とされていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両用空調装置。
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JP2012030663A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Mitsubishi Motors Corp | 車両用エアコンシステムの制御装置 |
JP2014129067A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | 制御装置 |
CN104442279A (zh) * | 2014-11-12 | 2015-03-25 | 无锡科思电子科技有限公司 | 一种基于路程规划的车载空调控制方法 |
JP2015527254A (ja) * | 2012-09-06 | 2015-09-17 | ジャガー・ランド・ローバー・リミテッドJaguar Land Rover Limited | 温度調節システムを制御するための方法及び装置 |
CN104986011A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-10-21 | 博耐尔汽车电气系统有限公司 | 一种汽车双驱自动空调的温度风门控制系统 |
-
2002
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