JP2004009294A - コンピュータ数値制御式研削盤による研削方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主軸6に形成されたチャック部7の概略回転中心位置にワークwを把持させた後、この把持状態でのワークwの主軸6に対する偏心量hを特定し、次にチャック部7上でのワークwの位置を変更しない状態のまま主軸6を回転させて特定形状の被研削部18を研削するための砥石台位置情報を前記偏心量hに基づいて特定し、この砥石台10位置情報により主軸6の回転に対する砥石台10の位置を同期制御させる。
【選択図】図3
Description
なお、技術水準として特許文献1に示すようなものがある。
本発明はこのような実状に対処せんとするものであり、即ち、チャック部7で把持されるワーク部分が主軸回転中心c1と平行な外周面を有するように予め切削されたワークwをコンピュータ数値制御式研削盤で研削する際、チャック部7上でのワークwの心出し作業を不要となして、その研削能率を向上させることを目的とする。
主軸6に固定されたチャック部に把持されるワークのジャーナル部jをこれの中心coと平行な外周面を有するように予め切削しておき、このジャーナル部jをチャック部の概略回転中心位置に把持させ、この把持によりこのジャーナル部jの中心coと主軸回転中心c1とが平行となり、
この状態の下で、定寸装置15の検出子15aをジャーナル部jの概略頂部に接触させ、次に主軸6を特定方向Rtへ回転させながらこのジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、主軸回転中心c1から前記ジャーナル部jの中心c0までの距離であるジャーナル偏心量hを特定し、
次に、前記定寸装置15の測定した半径が最大となったときのワークの位相角度がθであるとすると、このθの位置にあるジャーナル部jを、前記定寸装置15の検出子15aの位置と研削砥石14の中心c3の位置とに関連して特定される角度δだけ特定方向Rtへ回転させ、この回転後の前記ジャーナル部jの位相角度を0度となし、
次に、この0度の位置を基準として、ワークを特定方向Rtへ主軸6と同体状にC度回転させたときの砥石軸座標値Xを数式1により計算して、主軸回転角度Cに対する砥石台10の位置に関する情報である砥石台10位置情報を作成し、
該砥石台10位置情報をコンピュータ数値制御装置に入力し、この砥石台10位置情報に基づいて主軸6及び砥石台10を自動的に作動させ、ワークの被研削部18を研削するように実施するのである。
主軸6に形成されたチャック7部に把持されるジャーナル部jをこれの中心coと平行な外周面を有するように予め切削しておき、このジャーナル部jを前記チャック7部の概略回転中心位置に把持させ、この把持により、このジャーナル部jの中心coと主軸回転中心c1とが平行になるのであり、このときのジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの位相角度を0度となし、
この状態の下で、定寸装置15の検出子15aをジャーナル部jの概略頂部に接触させ、次に主軸6を特定方向Rtへ回転させてジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、主軸回転中心c1から前記ジャーナル部jの中心c0までの距離であるジャーナル偏心量hと、前記定寸装置15の測定した半径が最大となったときの主軸回転中心c1回りのワークの位相角度であるθ度とを特定し、
次に、ジャーナル部jの概略頂部に位置された定寸装置15の検出子15aを被研削部18の周面部に接触させ、次に主軸6を特定方向Rtへ回転させて被研削部18の主軸回転中心c1回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、前記定寸装置15の測定した半径が最大となったときの主軸回転中心c1回りの前記0度の位相角度の位置を基準としたワークwの位相角度であるβ度を特定し、その後、被研削部の主軸回転中心に対する偏心量である被研削部偏心量Lを数式5から計算し、
次に、主軸回転中心c1回りのワークwの位相角度がβ度であるときのジャーナル部jを、定寸装置15の検出子15aの位置、被研削部18の位置、及び、研削砥石14の中心c3の位置とに関連した角度δ1だけ特定方向Rtへ回転させたとき、この回転後の位置にあるジャーナル部jの位相角度を以後の処理において0度となし、
この0度の位置を基準として、ワークwを特定方向Rtへ主軸6と同体状にC度回転させたときの砥石軸座標値Xを数式6により計算し、前記被研削部18を円形や多角形等の任意な形状の周面に形成するための情報、即ち、主軸回転角度Cに対する砥石台10の位置に関する情報である砥石台10位置情報を作成し、
この後、該砥石台10位置情報をコンピュータ数値制御装置に入力し、この砥石台10位置情報に基づいて、主軸6の回転に対する砥石台10の位置を同期制御させ、ワークの被研削部18の周面を研削するように実施するのである。
即ち、請求項1記載の発明によれば、ワークをチャック部の概略の回転中心位置に把持させた後、このワークの主軸に対する心出し作業を行わないでも、主軸及び砥石台の自動的な作動によりワークの被研削部を予定通りに研削させることができるのである。
これらの図に於いて、1はベッドであり、2はベッド1上に設けられたワーク支持テーブルである。このワーク支持テーブル2はベッド1に固定された支持テーブル用サーボモータ3によりベッド1上の左右方向Zsへ送り移動可能となされている。
この段階では、スクロールチャック7のチャック爪9をチャック本体7aの半径方向外側へ移動させておいて、チャック本体7aの中心箇所に図3及び図4に示すようにワークwを供給し、次に複数のチャック爪9をチャック本体7aの半径方向上でその中心へ向け移動させ、ワークwのジャーナル部jを把持させる。これによりワークwはスクロールチャック7の概略回転中心位置に把持されるものとなる。この把持状態に於いて、チャック爪9で把持されたジャーナル部jの中心(ワークwの中心)c0は図3に示すように主軸回転中心c1と合致してないのが通常である。
この場合にはステップ2a)の処理が行われるのであり、図7はこのステップでの処理を説明するためのものである。
このステップでは、ステップ1)でスクロールチャック7にワークwを取り付けたときのワークwの主軸6に対する位相角度を0度とする。この状態の下で定寸装置15の検出子15aをジャーナル部jの概略頂部に接触させる。そして、主軸6を矢印方向Rtへ回転させながらジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの半径を測定する。
このとき、ジャーナル部jの主軸6に対する偏心量であるワーク(ジャーナル)偏心量h(主軸回転中心c1からジャーナル部jの中心c0までの距離)は、次の式で表される。
即ち、
h=(h1−h2)/2
このステップでは、前後方向Xsの砥石台10の位置、即ち主軸回転中心c1から研削砥石14の回転中心c3までの距離である砥石軸座標値Xを求める。
この場合はさらに被研削部18の前加工を基準にすることなく以後の加工を行う場合と、前記前加工を基準にして以後の加工を実施する場合があり、それぞれの場合によって以後の処理が相違するのであり、各場合に分けて説明する。
ここに、前加工とは仕上げ加工の直前の段階の加工で、ワークwに於ける被研削部18の相対位置を確定させる加工をいう。
この場合はステップ2b)の処理が行われるのであり、図9はこのステップでの処理を説明するためのものである。この処理ではジャーナル部jに位相基準20であるキー溝があるので、スクロールチャック7にワークwを取り付ける際、特定角度位置で停止しているスクロールチャック7に、ワークwを特定の向きとなして把持させるようにする。この際のワークwの向きは例えば図9Aに示すように位相基準20とジャーナル部jの中心c0とを含む線(水平線17a)を水平となす。そして、このときのジャーナル部jの主軸6に対する位相角度を0度とする。
この状態の下でステップ2a)の場合と同様に定寸装置15の検出子15aをジャーナル部jの概略頂部に接触させ、主軸6を矢印方向Rtへ回転させながらジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの半径を測定する。
ここでは、図9Aに示すように、上記測定値が最大となるジャーナル部jの主軸6に対する位相角度、即ちワーク(ジャーナル)位相角度をθ度とし、またこの測定値の最大値をh1とする。そして、図9Bに示すように、上記測定値が最小となるワーク位相角度はθ+180度となり、このときの測定値の最小値はh2とする。
このとき、ジャーナル部jの主軸6に対する偏心量であるワーク(ジャーナル)偏心量h(主軸回転中心c1からジャーナル部jの中心c0までの距離)は、次の式で表される。
即ち、
h=(h1−h2)/2
このステップでは、被研削部18である偏心円の主軸6に対する偏心量である被研削部偏心量Lを数式2により求める。
このステップでは、前後方向Xsの砥石台10の位置、即ち主軸回転中心c1から研削砥石14の中心c3までの距離である砥石軸座標値Xを求める。
この場合にはステップ2c)の処理が行われるのであり、図12はこのステップでの処理を説明するためのものである。
このステップでは、スクロールチャック7にワークwを取り付けたときのジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの主軸6に対する位相角度を0度とする。この状態の下で定寸装置15の検出子15aをジャーナル部jの概略頂部に接触させる。そして、主軸6を矢印方向Rtへ回転させながらジャーナル部jの主軸回転中心c1回りの半径を測定する。
このとき、ジャーナル部jの主軸6に対する偏心量であるワーク(ジャーナル)偏心量hは、次の式で表される。
即ち、
h=(h1−h2)/2
このステップでは、被研削部18である偏心円の主軸回転中心c1に対する偏心量である被研削部偏心量Lを数式5により求める。
このステップでは、前後方向Xsの砥石台10の位置、即ち主軸回転中心c1から研削砥石14の中心c3までの距離である砥石軸座標値Xを求める。
また被研削部18は必ずしも円形の周面である必要はないのであり、例えば楕円形や多角形等を含む任意な形状の周面であっても差し支えないのである。
さらに上記実施例では定寸装置15によりジャーナル部jを測定したが、これに代えて、図3に仮想線で示すようにジャーナル部jと同心の周面を有するものとしたジャーナル同等部位j1を形成し、この同等部位j1を測定するようにしてもよい。
7 チャック(スクロールチャック)
10 砥石台
14 研削砥石
15 定寸装置
15a 検出子
18 被研削部
20 ワークw(ジャーナル部j)の位相基準
C 角度
Rt 特定方向
X 砥石軸座標値
α 被研削部基準角度
β 被研削部位相角度
θ ワークw(ジャーナル部j)位相角度
κ 被研削部位相角度
c1 主軸6の回転中心
c3 研削砥石14の中心
co ジャーナル部jの中心
d1 被研削部18の仕上げ径
h ワークw(ジャーナル部j)偏心量
j ジャーナル部
w ワーク
Claims (2)
- キー溝やピン孔等の位相基準を有しないワークを研削する場合において、
主軸(6)に固定されたチャック部に把持されるワークのジャーナル部(j)をこれの中心(co)と平行な外周面を有するように予め切削しておき、このジャーナル部(j)をチャック部の概略回転中心位置に把持させ、この把持によりこのジャーナル部(j)の中心(co)と主軸回転中心(c1)とが平行となり、
この状態の下で、定寸装置(15)の検出子(15a)をジャーナル部(j)の概略頂部に接触させ、次に主軸(6)を特定方向(Rt)へ回転させながらこのジャーナル部(j)の主軸回転中心(c1)回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、主軸回転中心(c1)から前記ジャーナル部(j)の中心(c0)までの距離であるジャーナル偏心量hを特定し、
次に、前記定寸装置(15)の測定した半径が最大となったときのワークの位相角度がθであるとすると、このθの位置にあるジャーナル部(j)を、前記定寸装置(15)の検出子(15a)の位置と研削砥石(14)の中心(c3)の位置とに関連して特定される角度δだけ特定方向(Rt)へ回転させ、この回転後の前記ジャーナル部(j)の位相角度を0度となし、
次に、この0度の位置を基準として、ワークを特定方向(Rt)へ主軸(6)と同体状にC度回転させたときの砥石軸座標値Xを数式1により計算して、主軸回転角度Cに対する砥石台(10)の位置に関する情報である砥石台(10)位置情報を作成し、
該砥石台(10)位置情報をコンピュータ数値制御装置に入力し、この砥石台(10)位置情報に基づいて主軸(6)及び砥石台(10)を自動的に作動させ、ワークの被研削部(18)を研削するように実施することを特徴とするコンピュータ数値制御式研削盤による研削方法。
- 前加工されている被研削部(18)を有するワーク(w)の被研削部(18)を研削する場合において、
主軸(6)に形成されたチャック(7)部に把持されるジャーナル部(j)をこれの中心(co)と平行な外周面を有するように予め切削しておき、このジャーナル部(j)を前記チャック(7)部の概略回転中心位置に把持させ、この把持により、このジャーナル部(j)の中心(co)と主軸回転中心(c1)とが平行になるのであり、このときのジャーナル部(j)の主軸回転中心(c1)回りの位相角度を0度となし、
この状態の下で、定寸装置(15)の検出子(15a)をジャーナル部(j)の概略頂部に接触させ、次に主軸(6)を特定方向(Rt)へ回転させてジャーナル部(j)の主軸回転中心(c1)回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、主軸回転中心(c1)から前記ジャーナル部(j)の中心(c0)までの距離であるジャーナル偏心量hと、前記定寸装置(15)の測定した半径が最大となったときの主軸回転中心(c1)回りのワークの位相角度であるθ度とを特定し、
次に、ジャーナル部(j)の概略頂部に位置された定寸装置(15)の検出子(15a)を被研削部(18)の周面部に接触させ、次に主軸(6)を特定方向(Rt)へ回転させて被研削部(18)の主軸回転中心(c1)回りの半径を測定し、この半径についての情報に基づいて、前記定寸装置(15)の測定した半径が最大となったときの主軸回転中心(c1)回りの前記0度の位相角度の位置を基準としたワーク(w)の位相角度であるβ度を特定し、その後、被研削部(18)の主軸回転中心(c1)に対する偏心量である被研削部偏心量Lを数式5から計算し、
次に、主軸回転中心(c1)回りのワーク(w)の位相角度がβ度であるときのジャーナル部(j)を、定寸装置(15)の検出子(15a)の位置、被研削部(18)の位置、及び、研削砥石(14)の中心(c3)の位置とに関連した角度δ1だけ特定方向(Rt)へ回転させたとき、この回転後の位置にあるジャーナル部(j)の位相角度を以後の処理において0度となし、
この0度の位置を基準として、ワーク(w)を特定方向(Rt)へ主軸(6)と同体状にC度回転させたときの砥石軸座標値Xを数式6により計算し、前記被研削部(18)を円形や多角形等の任意な形状の周面に形成するための情報、即ち、主軸回転角度Cに対する砥石台(10)の位置に関する情報である砥石台(10)位置情報を作成し、
この後、該砥石台(10)位置情報をコンピュータ数値制御装置に入力し、この砥石台(10)位置情報に基づいて、主軸(6)の回転に対する砥石台(10)の位置を同期制御させ、ワークの被研削部(18)の周面を研削するように実施することを特徴とするコンピュータ数値制御式研削盤による研削方法。
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