JP2008084129A - 数値制御装置のプログラムの記述方法、数値制御装置、及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のユーザ設定プログラムから制御される軸を示す重複制御軸を制御する2つ目以降のユーザ設定プログラムでは、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸が指定され、重複制御軸を仮想軸に置き換えてプログラムが記述されている。更に、仮想軸を指定したユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量は、仮想軸に置き換える前の重複制御軸の制御量として、対応する軸駆動プログラムに入力される制御量に加算されている。
【選択図】図8
Description
しかし、非真円形のカムを備えたカムシャフトのカム面や、クランクシャフトのクランクピン等、回転角度に応じて被加工部の外周輪郭の位置が変化する場合、ワークを支持したC軸回りの回転角度に応じて、加工工具をX軸方向に進退移動させる、いわゆるプロフィール動作が必要になり、加工方法も複雑化する。以下、「プロフィール動作」とは、仕上げ形状に沿うように、ワークを支持したC軸回りの回転角度に応じて加工工具をX軸方向(C軸に直交する方向)に進退移動させる動作をいう。
また、特許文献2に記載された従来技術では、ワークを支持したC軸回りの回転角度に応じた加工工具とワーク間の距離に関する初期パラメータに基づいてプロフィール動作をさせる場合、クランクピンのピン径やピンストローク長さ、あるいはカムのベース円径等のパラメータ値の修正に対して、初期パラメータ全体を修正することなく、修正するパラメータ値のみを入力するだけでよい工作機械が提案されている。
また、従来では、図5の例に示すような、両端部(図5中の11A、11Cにて示す領域)では外周の径が徐々に大きくなり、中央部(図5中の11Bにて示す領域)では外周の径が一定となる、円弧状の凹部を有する形状のクランクピン11を加工する場合、一般的な加工方法では、加工工具30(この場合、回転砥石)の形状を転写する方法が用いられている。この場合、加工工具30の幅30Wはクランクピン11の軸方向の長さ11Wとほぼ同一であり、加工工具30の領域30A、30B、30Cによる外周輪郭形状は、クランクピン11の加工後の領域11A、11B、11Cの外周輪郭形状(仕上げ形状)として転写される。このように、図5の例に示すような形状のクランクピン11を加工する場合、従来では予め加工工具30の形状を整形した後でワークの加工を行っている。
しかし、特許文献1に記載された従来技術では、切込み時において、比較的短い区間で、ほぼステップ的に切込むため、急激な研削負荷が発生する場合があり、真円度の悪化や、加工面にスジが発生する等、ワークの被加工部の問題が発生する場合がある。また、ステップ的に切込む切込み量が多いと、加工工具への負荷が大きくなり、加工工具の消耗が大きくなる場合がある(加工工具の寿命が短くなる場合がある)。
また、加工工具30の形状を転写する方法では、少量生産や、ワークのサイズが非常に大きい場合、クランクピンの形状及びサイズに合わせた加工工具30の整形と、加工工具30を交換する段取りに手間がかかり、作業効率が低下する。
そこで、本願の発明者は、図6の例に示すように、クランクピン11の長さ11Wよりも小さな幅30Wの加工工具30を用いて、プロフィール動作を行いながら加工工具30をクランクピンの円弧状の形状に沿うようにZ軸方向及びX軸方向に移動させることができれば、加工工具30の形状を転写する必要がなく、種々のクランクピンの形状及びサイズに対応できると考えた。しかし、従来の数値制御装置のプラグラムの記述方法では、C軸回りの回転角度に対応させたX軸方向の移動を行わせるプロフィール動作に伴うX軸方向の移動と、クランクピンの径を目標値になるまで切込んで研削するX軸方向の移動と、クランクピンの形状に合わせたZ軸に沿った移動距離に対応するX軸方向の移動と、の1つの軸(この場合、X軸)に対して複数の移動を指示するプログラムを記述することができなかった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、上記の問題の中から特に、数値制御装置による制御において1つの軸に対して複数の移動を指示するプログラムの記述を可能とし、このプログラムの記述方法を用いることで、少量生産であっても効率の良い、数値制御装置のプログラムの記述方法、当該記述方法を用いたプログラムを備えた数値制御装置、及び当該数値制御装置を備えた加工装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の数値制御装置のプログラムの記述方法は、加工装置に設けられた複数の軸の制御における各軸の動作を指示する数値制御装置のプログラムの記述方法であって、前記プログラムは、指定した軸の制御量を演算するための単数または複数のユーザ設定プログラムで構成されたユーザ設定プログラム群と、前記ユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量が入力されて実際の各軸の駆動装置を駆動するための軸駆動プログラムが軸毎に用意された軸駆動プログラム群と、で構成されており、前記ユーザ設定プログラムが複数の場合、複数のユーザ設定プログラムがそれぞれ独立して並列的に処理が実行され、各ユーザ設定プログラムには、各々のユーザ設定プログラム内で任意に指定した単数または複数の軸の制御量を演算するためのプログラムが記述されており、ユーザ設定プログラム内で指定される各軸は、それぞれ1つのユーザ設定プログラムでのみ指定が可能であり、前記軸駆動プログラムは、入力された制御量に基づいて、当該軸駆動プログラムに対応付けられた軸の駆動装置に駆動信号を出力させる、数値制御装置のプログラムの記述方法において、制御対象の軸における少なくとも1つの軸に対して複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするものである。
複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするために、前記複数のユーザ設定プログラムから制御される軸を示す重複制御軸を制御する2つ目以降のユーザ設定プログラムでは、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸を指定し、前記重複制御軸を前記仮想軸に置き換えてプログラムを記述する。
更に、前記仮想軸を指定したユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量を、前記仮想軸に置き換える前の前記重複制御軸の制御量として、対応する軸駆動プログラムに入力する制御量に加算する。
請求項2に記載の数値制御装置は、加工装置に設けられた複数の軸の制御における各軸の動作を指示するプログラムを備えた数値制御装置であって、前記プログラムは、指定した軸の制御量を演算するための単数または複数のユーザ設定プログラムで構成されたユーザ設定プログラム群と、前記ユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量が入力されて実際の各軸の駆動装置を駆動するための軸駆動プログラムが軸毎に用意された軸駆動プログラム群と、で構成されており、前記ユーザ設定プログラムが複数の場合、複数のユーザ設定プログラムがそれぞれ独立して並列的に処理が実行され、各ユーザ設定プログラムには、各々のユーザ設定プログラム内で任意に指定した単数または複数の軸の制御量を演算するためのプログラムが記述されており、ユーザ設定プログラム内で指定される各軸は、それぞれ1つのユーザ設定プログラムでのみ指定が可能であり、前記軸駆動プログラムは、入力された制御量に基づいて、当該軸駆動プログラムに対応付けられた軸の駆動装置に駆動信号を出力させる、数値制御装置において、制御対象の軸における少なくとも1つの軸に対して複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするものである。
複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするために、前記複数のユーザ設定プログラムから制御される軸を示す重複制御軸を制御する2つ目以降のユーザ設定プログラムでは、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸が指定され、前記重複制御軸を前記仮想軸に置き換えてプログラムが記述されている。
更に、前記仮想軸を指定したユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量は、前記仮想軸に置き換える前の前記重複制御軸の制御量として、対応する軸駆動プログラムに入力される制御量に加算されている。
請求項3に記載の加工装置は、請求項1に記載の数値制御装置のプログラムの記述方法を用いて記述されたプログラムを備えた数値制御装置、または請求項2に記載の数値制御装置と、回転角度に応じて被加工部の外周輪郭の位置が変化するワークが固定され、当該ワークをC軸を中心に回転させるC軸駆動装置と、前記ワークの被加工部の外周輪郭を加工する加工工具と、前記加工工具を前記C軸に直交するX軸の方向に、前記ワークに対して相対的に進退移動させるX軸駆動装置と、前記加工工具を前記C軸に平行なZ軸の方向に、前記ワークに対して相対的に移動させるZ軸駆動装置とを備え、前記数値制御装置にて、前記C軸駆動装置と前記X軸駆動装置と前記Z軸駆動装置の各々の動作を指示する加工装置である。
そして、互いに関連した動作が必要となる、前記C軸回りの前記ワークの回転角度に対して、前記ワークに対する前記加工工具の前記X軸方向の相対的な進退位置を指示するためのCX関連ユーザ設定プログラムと、互いに関連した動作が必要となる、前記ワークに対する前記加工工具の前記Z軸方向の相対的な移動量に対して、前記ワークに対する前記加工工具の前記X軸方向への相対的な移動量を指示するためのXZ関連ユーザ設定プログラムと、の2つのユーザ設定プログラムにて、前記C軸駆動装置と前記X軸駆動装置と前記Z軸駆動装置との制御を可能とするものである。
前記制御を可能とするために、前記2つのユーザ設定プログラムの中のいずれか一方のユーザ設定プログラムでは、前記2つのユーザ設定プログラムから制御される前記重複制御軸に対応するX軸を、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸に置き換えてプログラムが記述されている。
更に、前記X軸に対応する軸駆動プログラムに、前記一方のユーザ設定プログラムに基づいて演算された前記仮想軸の制御量と、前記2つのユーザ設定プログラムの中の残りのユーザ設定プログラムに基づいて演算された前記X軸の制御量とが加算されて入力されている。
請求項4に記載の加工装置は、請求項3に記載の加工装置であって、前記ワークはクランクシャフトであり、前記被加工部はクランクピンであり、前記加工工具は前記C軸に平行な回転軸を有するとともに当該回転軸に平行な方向の幅が前記クランクピンの前記C軸に平行な方向の長さよりも小さい略円柱形状の回転砥石であり、前記クランクピンの形状は円柱状であるとともに両端部では徐々に径が大きくなる円弧状の凹部を有する形状である。
そして、前記CX関連ユーザ設定プログラムには、前記クランクピンと前記回転砥石とが当接するように、前記C軸回りの前記クランクシャフトの回転角度に対して、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記X軸方向の相対的な進退位置を指示するためのプログラムが記述されている。
また、前記XZ関連ユーザ設定プログラムには、前記回転砥石が、前記円弧状の凹部を有する前記クランクピンの輪郭を前記Z軸方向にトレースするように、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記Z軸方向の相対的な移動量に対して、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記X軸方向の相対的な移動量を指示するためのプログラムが記述されている。
そして、仮想軸に置き換えたユーザ設定プログラムにて求めた制御量を、仮想軸に置き換える前の軸(重複制御軸)の軸駆動プログラムへ入力する制御量に加算することで、複数のユーザ設定プログラムから重複して制御される軸であっても、各ユーザ設定プログラムで求めた制御量を合成することができる。
そして、仮想軸に置き換えたユーザ設定プログラムにて求めた制御量を、仮想軸に置き換える前の軸(重複制御軸)の軸駆動プログラムへ入力する制御量に加算することで、各ユーザ設定プログラムで求めた制御量を合成し、合成した制御量にて各軸の制御を行うことができる数値制御装置を実現することができる。
また、例えば、図6に示すようなクランクピン11の形状であっても、クランクピン11の長さ11Wよりも小さな幅30Wの加工工具30を用いて、C軸回りの回転角度に対応させてX軸方向の進退位置を制御するプロフィール動作を行いながら加工工具30をクランクピンの円弧状の凹部の形状に沿うようにZ軸方向及びX軸方向に移動させることができる。
これにより、例えば、図6に示すようなクランクピン11の形状であっても、ワークを回転させながら、加工工具30を適切にクランクピン11の外周輪郭をトレースするように制御することができる。このため、加工工具の形状を転写する方法を用いる必要がなく、少量生産であっても効率の良い加工装置を実現することができる。
第1の実施の形態では、数値制御装置における少なくとも1つの軸の制御において、従来では記述ができなかった複数のユーザ設定プログラムからの、それぞれ独立した動作の指示を行う記述方法と、各指示による制御量を合成する方法について説明する。なお、ユーザ設定プログラムについては後述する。
加工装置1は、ベース2と主軸テーブルTB1と、砥石テーブルTB2と、数値制御装置40とを備えている。
砥石テーブルTB2には、略円柱状の砥石30(加工工具に相当)を備えている。砥石30は、砥石テーブルTB2に載置された砥石回転駆動モータ24により、Z軸に平行な回転軸を中心に回転する。また、砥石30における回転軸に平行な方向の幅30Wは、クランクピン11のZ軸方向の長さ11Wよりも小さい(図6参照)。なお、Z軸は、クランクシャフト10(ワークに相当)を支持して回転させる主軸モータ21によって回転する軸であるC軸に平行な軸であり、後述する送りネジ23BがZ軸である。
また、砥石テーブルTB2は、ベース2に設けられた砥石テーブル駆動モータ22(X軸駆動装置に相当)と送りネジ22B、及び砥石テーブルTB2に設けられたナット(図示省略)により、ベース2に対してX軸方向に移動可能である。なお、X軸は、前記C軸に直交する方向の軸であり、送りネジ22BがX軸である。
主軸テーブルTB1の上には、心押し台21Tが固定され、主軸台21Dが、種々の長さのワークに対応可能とするように、心押し台21Tに近接または離間可能となるように、心押し台21Tに対向する位置に載置されている。主軸台21D及び心押し台21Tには、それぞれ支持部21C、21S(チャック等)が設けられており、これら支持部21C、21Sの間にワークであるクランクシャフト10が保持(支持)される。この支持部21C、21Sを結ぶ軸がC軸である。
また、砥石テーブル駆動モータ22には砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を検出する位置検出器22Eが設けられており、主軸テーブル駆動モータ23には主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を検出する位置検出器23Eが設けられており、主軸モータ21には、クランクシャフト10の回転角度を検出する位置検出器21Eが設けられている。これらの位置検出器としては種々のものを用いることができるが、本実施の形態ではエンコーダを用いている。
CPU41は、入出力装置43から入力されるデータと、記憶装置42に記憶されているプログラムやデータと、インターフェース44を介して入力される外部入力信号に基づいて出力指令値を計算し、インターフェース44を介して出力する。
外部入力信号としては、クランクシャフト10の回転角度を検出する位置検出器21Eからの信号、砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を検出する位置検出器22Eからの信号、主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を検出する位置検出器23Eからの信号等が用いられる。
ドライブユニット51は主軸モータ21を制御し、C軸を回転中心としたクランクシャフト10の回転速度を制御する。ドライブユニット52は砥石テーブル駆動モータ22を制御し、砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を制御する。ドライブユニット53は主軸テーブル駆動モータ23を制御し、主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を制御する。また、ドライブユニット54は砥石回転駆動モータ24を制御し、砥石30の回転速度を制御する。
なお、図1の例では、砥石回転駆動モータ24には検出器を設けていないが、砥石回転駆動モータ24にも速度検出器等を設け、砥石回転駆動モータ24の回転速度をフィードバック制御することも可能である。
なお、図示省略するが、C軸回りに回転する被加工部の動きに追従してリアルタイムに被加工部の径の寸法を検出して検出信号を出力し、被加工部の寸法を連続的に検出可能な定寸装置も備えている。数値制御装置は、当該定寸装置からの検出信号に基づいて、被加工部の径がどれだけであるか、リアルタイムに連続的に認識することができる。
図2の例に示すように、CPU41からインターフェース44を介してドライブユニット51〜54に出力される出力指令値(以下、出力指令値を制御量と記載する)を演算するプログラムは、単数または複数のユーザ設定プログラムで構成されたユーザ設定プログラム群と、このユーザ設定プログラムが演算した制御量が入力されて対応付けられたドライブユニットに制御量を出力する軸駆動プログラムが軸毎に用意された軸駆動プログラム群にて構成されている。
ユーザ設定プログラムは、ユーザが任意に指定した単数または複数の軸の制御量を演算するためのプログラムを記述することが可能であり、ユーザが自由に記述することができる。
軸駆動プログラムは、対応付けられた実際の軸の駆動装置(この場合、駆動モータ)を駆動するためのプログラムであり、ドライブユニットに対して1対1に対応付けられている。なお、軸出力プログラムは、ユーザが自由に記述できるものではない。
各ドライブユニットは、対応付けられた軸駆動プログラムから制御量(出力指令値)が入力されると、対応付けられた位置検出器からの検出信号に基づいた位置あるいは回転角度等と、入力された出力指令値との差を補正するようにフィードバック制御する。
なお、ユーザ設定プログラム内で指定される各軸は、それぞれ1つのユーザ設定プログラムでのみ指定が可能である。例えば、ユーザ設定プログラムPU1、PU2の2つがある場合、ユーザ設定プログラムPU1でX軸とC軸を指定してX軸とC軸の制御量を演算するプログラムを記述した場合、ユーザ設定プログラムPU2ではX軸またはC軸を指定して制御量を演算するプログラムを記述することはできない。
ここで、図4(A)及び(B)を用いて、C軸回りの回転角度に応じてX軸方向に進退移動するプロフィール動作について説明する。
図4(A)に示すように、クランクシャフト10をC軸を中心として回転させると、被加工部であるクランクピン11の外周輪郭の位置(X軸方向の位置)は、回転角度に応じて変化する。
図4(B)に示すように、クランクシャフト10の軸の中心を点J、クランクピン11の軸の中心を点P、砥石30の回転中心を点T、クランクピン11の直径をφp、点Jと点Pを結んだ直線の長さ(ピンストローク)をRw、砥石30の半径をRtとする。なお、点Jと点Tは、X軸に平行な直線上に設定されている。
点Jと点Pを結んだ直線と、点Jと点Tを通る直線とが成す角を回転角度θ(ワークの回転角度)、点Jと点TとのX軸方向の距離をX(ワークの回転角度に対応するX軸方向の進退位置)とすると、距離Xは、回転角度θの関数となる。
次に図3を用いて、従来の記述方法によるユーザ設定プログラムの記述例について説明する。ユーザ設定プログラムは、「G」から始まる各モードを指定するコードと、動作内容を示すコード等が1行ずつ記述されている。
例えば、図3に示す例では、CPU41は、ステップN010を読み込むと、「G51」より、プロフィール動作開始モードの指定であることを認識する(この場合、「G51」がプロフィール動作開始モードであることが予め登録されている)。そして、「S60」より、クランクシャフト10(C軸)を60回転/minで回転させ、「P2345」ファイルに記憶されているC軸回りの回転角度とX軸方向の位置に従ってC軸回りの回転角度に応じたX軸方向の位置となるように、砥石テーブル駆動モータ22を制御する指示であることを認識し、当該指示に基づいたC軸の制御量とX軸の制御量を求める。上記の「P2345」ファイルには、例えば、図4に示す回転角度θに応じた距離Xが、所定回転角度毎に記憶されている。
そして、CPU41は、定寸装置からの検出信号(アドレス98765の信号)が出力されると、次のステップN030を読み込む。
そして、CPU41は、定寸装置からの検出信号(アドレス98764の信号)が出力されると、次のステップN040に進む。
そして、CPU41は、スパークアウト処理を1回転行った後、ステップN050を読み込み、「G50」より、プロフィール動作終了モードの指示であることを認識し(この場合、「G50」がプロフィール動作終了モードであることが予め登録されている)、C軸とX軸のプロフィール動作を停止する。
上記に説明した従来の「砥石形状を転写する加工方法(プロフィール動作を行いながらX軸方向に切込む加工方法)」では、図6に示すような「プロフィール動作を行いながらX軸方向に切込み、且つZ軸方向に移動しながら被加工部の形状に沿ってX軸方向に移動する加工方法」を行うことができない。図3に示すユーザ設定プログラムにて、既にX軸を指定してX軸の制御量を演算するプログラムを記述しているので、他のユーザ設定プログラムでX軸を指定して制御量を演算するプログラムを記述することができないからである。かといって、図3に示したユーザ設定プログラム中に、「被加工部の形状(この場合、円弧状の凹部を有する形状)に沿うようにZ軸方向に移動しながらX軸方向にも移動」する動作をプロフィール動作と同時に行わせるように記述することもできない。
また、P2345ファイル(回転角度θに応じた距離Xが所定回転毎に記憶されているデータ)に、Z軸方向の距離Zを追加する方法も考えられるが、回転角度θに応じてX軸方向の位置及びZ軸方向の位置が固定されることになる。この場合、例えば、Z軸方向の移動距離が長いと、間隔の大きならせんを描き、研削されない部分が発生する可能性があるので好ましくない。
この場合、図7の例のようにユーザ設定プログラムを記述することができる。図7に、ユーザ設定プログラムPU1、PU2、PU3の例を示し、各ステップの記述内容とCPU41の処理について説明する。
CPU41は、ステップN010を読み込み、「G51」より、プロフィール動作モードの指定であることを認識する。そして、「S60」より、クランクシャフト10(C軸)を60回転/minで回転させ、「P2345」ファイルに記憶されているC軸回りの回転角度とX軸方向の位置に従ってC軸回りの回転角度に応じたX軸方向の位置となるように、砥石テーブル駆動モータ22を制御する指示であることを認識し、当該指示に基づいたC軸の制御量とX軸の制御量を求める。これは図3に示した従来のステップN010と同様である。
次に、CPU41は、ステップN021を読み込み、「G04」より、スパークアウトモードであることを認識し、「P100」より、スパークアウト処理をC軸100回転分実施する指示であることを認識する。
そして、CPU41は、スパークアウト処理100回転を行った後、ステップN031を読み込み、「G50」より、プロフィール動作終了モードの指示であることを認識し、C軸とX軸のプロフィール動作を停止する。
CPU41は、ステップN110を読み込み、「G01」及び「G31」より、切込みモード、且つ外部位置決めモードであることを認識する。そして、「G91 Y−0.2 F1.」より、相対位置指令モード(「G91」より)であることを認識し、切込み速度1mm/minにて、Y軸を0.2mm切込む方向に駆動する指示であることを認識し、当該指示に基づいたY軸の制御量を求める。
そして、CPU41は、定寸装置からの検出信号(アドレス98765の信号)が出力されると、次のステップN120を読み込む。なお、近年の定寸装置は、クランクピン11がどのような回転角度であっても、当該クランクピン11の径の寸法を計測可能となるよに、クランクピン11の運動する軌跡に追従可能である。
ステップN120を読み込むと、「G01」及び「G31」より、切込みモード、且つ寸法測定モードであることを認識する。そして、「G91 Y−0.02 F0.5」より、相対位置指令モード(「G91」より)であることを認識し、切込み速度0.5mm/minにて、Y軸を0.02mm切込む方向に駆動する指示であることを認識し、当該指示に基づいたY軸の制御量を求める。
なお、ステップN130における処理も、上記のステップN120における処理と同様であるので説明を省略する。
CPU41は、ステップN210を読み込み、「G03」より、円弧動作モード(凹円弧の動作)であることを認識する(この場合、「G03」が円弧動作モードであることが予め登録されている)。そして、「A−1. Z1. R2.0 F10.0」より、速度(F)10mm/minにて、現在の位置に対してA軸方向に−1mm(図6において上方向に1mm移動した位置)、Z軸方向に1mm(図6において左方向に1mm移動した位置)に、半径(R)2.0mmの円弧に沿った移動であることを認識する。そして当該指示に基づいたA軸の制御量とZ軸の制御量を求める。このA軸方向(実際にはX軸方向)とZ軸方向の円弧移動により、図6におけるクランクピン11の領域11Cの輪郭に沿って砥石30を移動させることができる。
ステップN220の処理が終わると(指示した位置まで到達すると)、CPU41は、ステップN230を読み込み、「G03」より、円弧動作モード(凹円弧の動作)であることを認識する(この場合、「G03」が円弧動作モードであることが予め登録されている)。そして、「A1. Z1. R2.0 F10.0」より、速度(F)10mm/minにて、現在の位置に対してA軸方向に1mm(図6において下方向に1mm移動した位置)、Z軸方向に1mm(図6において左方向に1mm移動した位置)に、半径(R)2.0mmの円弧に沿った移動であることを認識する。そして当該指示に基づいたA軸の制御量とZ軸の制御量を求める。このA軸方向(実際にはX軸方向)とZ軸方向の円弧移動により、図6におけるクランクピン11の領域11Aの輪郭に沿って砥石30を移動させることができる。
図8に示すように、C軸に対応付けられた軸駆動プログラムPJcには、ユーザ設定プログラムPU1にて求めたS軸の制御量を入力する。また、X軸に対応付けられた軸駆動プログラムPJxには、ユーザ設定プログラムPU1にて求めたX軸の制御量と、ユーザ設定プログラムPU2にて求めたY軸の制御量と、ユーザ設定プログラムPU3にて求めたA軸の制御量とを加算して入力する。また、Z軸に対応付けられた軸駆動プログラムPJzには、ユーザ設定プログラムPU3にて求めたZ軸の制御量を入力する。これにより、プロフィール動作をさせながら、図6に示す動作を行わせ、且つクランクピン11の外周輪郭の全域に渡って所定量切込んだ研削を行うことができる。
上記の「特許文献1」に記述した「特開昭63−84845号公報」では、カムの例であるが、C軸とX軸のプロフィール動作をさせながら、C軸の1回転中の一部の短い回転区間において、所定量(ΔX)だけ切込む、というステップ的な切込みを行っていた。この方法では、上記の「発明が解決しようとする課題」に記載した問題が発生する可能性がある。
そこで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態にて説明したプログラムの記述方法を用いて、例えば、クランクピンを研削加工する際、C軸とX軸のプロフィール動作とX軸方向への切込み動作とを異なるユーザ設定プログラムにて指示して、それぞれ独立して行わせ、C軸とX軸のプロフィール動作をさせながら、ワークの回転角度にかかわることなく、クランクピンの全周にわたって連続的に均一に切込んで研削加工できる加工装置について説明する。
従来の「C軸とX軸のプロフィール動作をさせながら、C軸回りの1回転毎の一部の短い回転区間において、所定量(ΔX)だけ切込む」という動作を行わせた場合の砥石30の位置をグラフに示すと図9(B)の例に示すものとなる。当該グラフにおいて、縦軸はJ−T間距離(図4(B)に示す点Jと点Tの間の距離)であり、横軸はC軸回りのクランクシャフト10の回転角度(2π=1回転を示す)である。
なお、切込みを行わずにC軸とX軸のプロフィール動作のみをさせた場合、砥石30の位置は、図9(A)の例に示すようになる。
従来の動作では、図3の例に示すように、1つのユーザ設定プログラムに、C軸とX軸のプロフィール動作と、X軸方向への切込み動作の指示が記述されていた。これにより、図9(B)の例に示すように、C軸の1回転中の一部の短い回転区間(図9(B)中の区間α)において、所定量だけ切込むという動作をC軸の回転毎に繰り返していた。(なお、図9(B)中の区間βでは、切込み量はゼロである。)
なお、従来の定寸装置では、切込み中の被加工部の形状の変化を検出することまではできなかったため、切込み時間を短くして、ワークへの負荷変動の影響を少なくする必要もあった。しかし、この従来の方法では、すでに記載したように、比較的短い区間でステップ的に切込むため、急激な研削負荷が発生する場合があり、切込み量や切込み区間を適切に設定しないと、真円度の悪化や、加工面にスジが発生する等の問題や、加工工具の消耗が大きくなり寿命が短くなるという問題が発生する可能性があった。
近年では、ワークの形状をリアルタイムに検出できる定寸装置(例えば、設定値に達したか否かのみを検出していた従来の定寸装置に対して、どれだけの寸法であるかを検出可能)が利用できるようになり、被加工部の形状が把握できるようになった。この定寸装置と、以下に説明するプログラムを用いることで、連続的な切込みにより、安定した負荷を与えて切込みができる加工装置について説明する。
以下に説明する本実施の形態では、2つのユーザ設定プログラムを用いて、一方のユーザ設定プログラムにはC軸とX軸のプロフィール動作を指示するプログラムを記述し、他方のユーザ設定プログラムには定寸装置の検出信号による被加工部に関する寸法に基づいたX軸方向への切込み動作(例えば第1所定寸法になるまで、第1切込み速度で切り込む)を指示するプログラムを記述する。
例えば、図7に示したユーザ設定プログラムPU1、PU2のように記述する。
この場合、2つのユーザ設定プログラムからX軸の制御が重複しているので、一方のユーザ設定プログラムでは(図7の例では、ユーザ設定プログラムPU2)、X軸(重複制御軸)を仮想軸(この場合、Y軸)に置き換えてプログラムが記述されている。
なお、X軸に対応付けられた軸駆動プログラムPJxに、上記の一方のユーザ設定プログラム(この場合、PU2)に基づいて演算された仮想軸の制御量(この場合、Y軸の制御量)と、残りのユーザ設定プログラム(この場合、PU1)に基づいて演算されたX軸の制御量とが加算されて入力されている。
これにより、クランクシャフト10のC軸回りの回転角度にかかわることなく、定寸装置によって検出される被加工部に関する寸法が第1所定寸法になるまで、第1切込み速度にて連続的に、クランクピン11の全周にわたって均一に、砥石30をX軸方向に切込ませて加工することができる。
次に説明する本実施の形態の動作(2)では、上記の「本実施の形態の動作(1)」に対して、いずれかのユーザ設定プログラム(PU1、またはPU2、あるいは他のユーザ設定プログラム)にて、被加工部に関する寸法が第1所定寸法に達した場合(あるいは第2所定寸法に達した場合)、次の切込み速度で切込む前に、ワーク(被加工部)に対して砥石30を一時的にX軸方向に後退(いわゆる、バックオフ)させてワークと砥石30とを一時的に離す指示が記述されている。
次に説明する本実施の形態の動作(3)では、上記の「本実施の形態の動作(1)」にて説明したユーザ設定プログラムPU2に基づいて演算された制御量にフィルタ処理(平滑化処理)を施した後に、X軸に対応付けられた軸駆動プログラムPJxに入力する制御量に加算する。図3に示す従来のユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量にフィルタ処理を施してしまうと、プロフィール動作にもフィルタ処理がかかってしまい、好ましくない。本実施の形態では、プロフィール動作を指示するユーザ設定プログラムPU1と、切込み動作を指示するユーザ設定プログラムPU2とを別々に構成しているため、切込み動作に対してのみフィルタ処理を施すことができる。
また、以上の説明では、図1の例に示した加工装置1により、ワークに対して砥石30をX軸方向に移動させたが、砥石30に対してワークをX軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、X軸駆動装置は、ワークに対して砥石30を相対的にX軸方向に移動させることができるものである。
同様に、Z軸方向については、砥石30に対してワークをZ軸方向に移動させたが、ワークに対して砥石30をZ軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、Z軸駆動装置は、ワークに対して砥石30を相対的にZ軸方向に移動させることができるものである。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
2 ベース
10 クランクシャフト(ワーク)
11〜14 クランクピン(被加工部)
21 主軸モータ
22 砥石テーブル駆動モータ
23 主軸テーブル駆動モータ
24 砥石回転駆動モータ
21E、22E、23E 位置検出器
TB1 主軸テーブル
TB2 砥石テーブル
22B、23B 送りネジ
30 砥石(加工工具)
40 数値制御装置
41 CPU
42 記憶装置
43 入出力装置
44 インターフェース
51〜54 ドライブユニット
Claims (4)
- 加工装置に設けられた複数の軸の制御における各軸の動作を指示する数値制御装置のプログラムの記述方法であって、
前記プログラムは、指定した軸の制御量を演算するための単数または複数のユーザ設定プログラムで構成されたユーザ設定プログラム群と、前記ユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量が入力されて実際の各軸の駆動装置を駆動するための軸駆動プログラムが軸毎に用意された軸駆動プログラム群と、で構成されており、
前記ユーザ設定プログラムが複数の場合、複数のユーザ設定プログラムがそれぞれ独立して並列的に処理が実行され、
各ユーザ設定プログラムには、各々のユーザ設定プログラム内で任意に指定した単数または複数の軸の制御量を演算するためのプログラムが記述されており、ユーザ設定プログラム内で指定される各軸は、それぞれ1つのユーザ設定プログラムでのみ指定が可能であり、
前記軸駆動プログラムは、入力された制御量に基づいて、当該軸駆動プログラムに対応付けられた軸の駆動装置に駆動信号を出力させる、数値制御装置のプログラムの記述方法において、
制御対象の軸における少なくとも1つの軸に対して複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするために、
前記複数のユーザ設定プログラムから制御される軸を示す重複制御軸を制御する2つ目以降のユーザ設定プログラムでは、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸を指定し、前記重複制御軸を前記仮想軸に置き換えてプログラムを記述し、
前記仮想軸を指定したユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量を、前記仮想軸に置き換える前の前記重複制御軸の制御量として、対応する軸駆動プログラムに入力する制御量に加算する、
ことを特徴とする数値制御装置のプログラムの記述方法。 - 加工装置に設けられた複数の軸の制御における各軸の動作を指示するプログラムを備えた数値制御装置であって、
前記プログラムは、指定した軸の制御量を演算するための単数または複数のユーザ設定プログラムで構成されたユーザ設定プログラム群と、前記ユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量が入力されて実際の各軸の駆動装置を駆動するための軸駆動プログラムが軸毎に用意された軸駆動プログラム群と、で構成されており、
前記ユーザ設定プログラムが複数の場合、複数のユーザ設定プログラムがそれぞれ独立して並列的に処理が実行され、
各ユーザ設定プログラムには、各々のユーザ設定プログラム内で任意に指定した単数または複数の軸の制御量を演算するためのプログラムが記述されており、ユーザ設定プログラム内で指定される各軸は、それぞれ1つのユーザ設定プログラムでのみ指定が可能であり、
前記軸駆動プログラムは、入力された制御量に基づいて、当該軸駆動プログラムに対応付けられた軸の駆動装置に駆動信号を出力させる、数値制御装置において、
制御対象の軸における少なくとも1つの軸に対して複数のユーザ設定プログラムからの制御を可能とするために、
前記複数のユーザ設定プログラムから制御される軸を示す重複制御軸を制御する2つ目以降のユーザ設定プログラムでは、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸が指定され、前記重複制御軸を前記仮想軸に置き換えてプログラムが記述されており、
前記仮想軸を指定したユーザ設定プログラムに基づいて演算された制御量は、前記仮想軸に置き換える前の前記重複制御軸の制御量として、対応する軸駆動プログラムに入力される制御量に加算されている、
ことを特徴とする数値制御装置。 - 請求項1に記載の数値制御装置のプログラムの記述方法を用いて記述されたプログラムを備えた数値制御装置、または請求項2に記載の数値制御装置と、
回転角度に応じて被加工部の外周輪郭の位置が変化するワークが固定され、当該ワークをC軸を中心に回転させるC軸駆動装置と、
前記ワークの被加工部の外周輪郭を加工する加工工具と、
前記加工工具を前記C軸に直交するX軸の方向に、前記ワークに対して相対的に進退移動させるX軸駆動装置と、
前記加工工具を前記C軸に平行なZ軸の方向に、前記ワークに対して相対的に移動させるZ軸駆動装置とを備え、
前記数値制御装置にて、前記C軸駆動装置と前記X軸駆動装置と前記Z軸駆動装置の各々の動作を指示する加工装置であって、
互いに関連した動作が必要となる、前記C軸回りの前記ワークの回転角度に対して、前記ワークに対する前記加工工具の前記X軸方向の相対的な進退位置を指示するためのCX関連ユーザ設定プログラムと、
互いに関連した動作が必要となる、前記ワークに対する前記加工工具の前記Z軸方向の相対的な移動量に対して、前記ワークに対する前記加工工具の前記X軸方向への相対的な移動量を指示するためのXZ関連ユーザ設定プログラムと、
の2つのユーザ設定プログラムにて、前記C軸駆動装置と前記X軸駆動装置と前記Z軸駆動装置との制御を可能とするために、
前記2つのユーザ設定プログラムの中のいずれか一方のユーザ設定プログラムでは、前記2つのユーザ設定プログラムから制御される前記重複制御軸に対応するX軸を、実際には制御対象の軸が存在せずに自身のユーザ設定プログラムのみから仮想的に制御される仮想軸に置き換えてプログラムが記述されており、
前記X軸に対応する軸駆動プログラムに、前記一方のユーザ設定プログラムに基づいて演算された前記仮想軸の制御量と、前記2つのユーザ設定プログラムの中の残りのユーザ設定プログラムに基づいて演算された前記X軸の制御量とが加算されて入力されている、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項3に記載の加工装置であって、
前記ワークはクランクシャフトであり、前記被加工部はクランクピンであり、前記加工工具は前記C軸に平行な回転軸を有するとともに当該回転軸に平行な方向の幅が前記クランクピンの前記C軸に平行な方向の長さよりも小さい略円柱形状の回転砥石であり、
前記クランクピンの形状は円柱状であるとともに両端部では徐々に径が大きくなる円弧状の凹部を有する形状であり、
前記CX関連ユーザ設定プログラムには、前記クランクピンと前記回転砥石とが当接するように、前記C軸回りの前記クランクシャフトの回転角度に対して、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記X軸方向の相対的な進退位置を指示するためのプログラムが記述されており、
前記XZ関連ユーザ設定プログラムには、前記回転砥石が、前記円弧状の凹部を有する前記クランクピンの輪郭を前記Z軸方向にトレースするように、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記Z軸方向の相対的な移動量に対して、前記クランクシャフトに対する前記回転砥石の前記X軸方向の相対的な移動量を指示するためのプログラムが記述されている、
ことを特徴とする加工装置。
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