JP2004008011A - 接ぎ木苗用の切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、接ぎ木苗用の切断装置においては、円弧状の切断軌跡で移動する切断カッタがカミソリ刃等の平面状であるので、切断カッタの面が苗の胚軸をその軸方向へ押しながら切断するおそれがあり、苗の切断時に切断抵抗が生じ、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸が折損したりするおそれがあり、台木苗と穂木苗との接合が不安定になって接ぎ木苗の接合率が低下し、該苗を良好に栽培できなくなるおそれがある。
【解決手段】接ぎ木苗用の切断装置において、所定の軌跡で移動して苗の胚軸を切断する線材の切断カッタ13の両端13aを取り付ける一対の切断カッタ取付部25を設け、該一対の切断カッタ取付部25のうちの少なくとも一方を、一対の切断カッタ取付部25が互いに離れる方向へ移動調節可能に構成した。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、穂木苗と台木苗とをそれぞれの胚軸の切断面で接合して接ぎ木苗を得るときに、穂木苗又は台木苗の胚軸を切断する接ぎ木苗用の切断装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平8−23773号に示されるように、接ぎ木苗用の切断装置において、ロータリーアクチュエータの駆動により円弧状の切断軌跡で移動する切断カッタは、カミソリ刃等の平面状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の切断装置は、切断カッタがカミソリ刃等の平面状であるので、切断カッタの面が苗の胚軸をその軸方向へ押しながら切断するおそれがあり、苗の切断時に切断抵抗が生じ、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸が折損したりするおそれがあり、台木苗と穂木苗との接合が不安定になって接ぎ木苗の接合率が低下し、該苗を良好に栽培できなくなるおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するべく、次の技術的手段を講じた。
すなわち、所定の軌跡で移動して苗の胚軸jを切断する線材の切断カッタ13の両端13aを取り付ける一対の切断カッタ取付部25を設け、該一対の切断カッタ取付部25のうちの少なくとも一方を、一対の切断カッタ取付部25が互いに離れる方向へ移動調節可能に構成したことを特徴とする接ぎ木苗用の切断装置とした。
【0005】
従って、この接ぎ木苗用の切断装置は、切断カッタ13が所定の軌跡で移動して、台木苗又は穂木苗の胚軸jの中途部を切断する。線材の切断カッタ13により、苗の切断時の切断抵抗が小さくなり、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸jが折損したりしない。また、一対の切断カッタ取付部25に切断カッタ13の両端13aを取り付ける構成としたので、切れ味の低下に伴う切断カッタ13の交換を安全に且つ容易に行える。更に、一対の切断カッタ取付部25のうちの少なくとも一方を一対の切断カッタ取付部25が互いに離れる方向へ移動調節可能に構成したので、一対の切断カッタ取付部25が互いに離れる方向へ移動させて切断カッタ13を緊張させることができ、使用頻度等により切断カッタ13の長さが変化したりしても切断カッタ13の張力を適正に調節することができる。
【0006】
【効果】
よって、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸jが折損したりしないので、台木苗と穂木苗との接合を安定して行え、接ぎ木苗の接合率が向上して該苗を良好に栽培することができる。また、一対の切断カッタ取付部25に切断カッタ13の両端を取り付ける構成としたので、切れ味の低下に伴う切断カッタ13の交換を安全に且つ容易に行える。更に、使用頻度等により切断カッタ13の長さが変化したりしても切断カッタ13の張力を適正に調節することができ、苗の切断を適正に行えて台木苗と穂木苗との接合を安定して行える。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、台木用苗及び穂木用苗の胚軸jをそれぞれ切断し、その切断面で両苗を接合して接ぎ木苗を得る構成の接ぎ木機械1を判りやすく示すものである。この接ぎ木機械1は、作業者が台木苗供給部2に台木用苗を供給すると共に別の作業者が穂木苗供給部3に穂木用苗を供給すると、台木搬送装置4の苗搬送ア−ム5の先端部に設けた苗把持ハンド6が前記台木苗供給部2にある台木用苗を把持し、同様に穂木搬送装置7の苗搬送ア−ム8の先端部に設けた苗把持ハンド9が前記穂木苗供給部3にある穂木用苗を把持するようになっている。尚、前記台木搬送装置4及び穂木搬送装置7は、それぞれ苗搬送ア−ム5、8が上下方向の回動軸10、11回りに回動可能で且つ前記回動軸10、11からの前記苗把持ハンド6、9の距離が変更できるように該ア−ム5、8方向に伸縮可能に構成されており、この回動及び伸縮により苗把持ハンド6、9を台木苗供給部2あるいは穂木苗供給部3に移動させてから該苗把持ハンド6、9により苗を把持するようになっている。そして、それぞれの苗把持ハンド6、9が苗を把持すると、それぞれの苗搬送ア−ム5、8が互いに近づく方向に約90度回動して停止し、それぞれの切断装置12により苗の胚軸jの中途部を斜めに切断する。尚、前記切断装置12は、切断カッタ13を備えて構成されている。このとき、台木搬送装置4の苗把持ハンド6は台木用苗の切断位置より根部側のみを把持しており、切断装置12の切断により苗の子葉側は落下して除去され台木苗が得られる構成となっている。また、穂木搬送装置7の苗把持ハンド9は穂木用苗の切断位置より子葉側のみを把持しており、切断装置12の切断により苗の根部側は落下して除去され穂木苗が得られる構成となっている。そして、それぞれの苗が切断されると、それぞれの苗搬送ア−ム5、8が更に互いに近づく方向に約90度回動して停止した後、伸長して互いの苗把持ハンド6、9の位置を合致させて苗を接合するようになっている。その後、クリップ供給装置14の移送終端部にある接ぎ木クリップ15により苗の接合部を挟持して固定し、それぞれの苗把持ハンド6、9が苗の把持を解除して苗から退避し、前記クリップ供給装置14により接ぎ木クリップ15と共に接ぎ木苗を押し出して接ぎ木苗を得るようになっている。そして、次工程の接ぎ木作業を行うべく、台木搬送装置4及び穂木搬送装置7によりそれぞれの苗把持ハンド6、9が台木苗供給部2、穂木苗供給部3の苗を把持して上記の作動を繰り返すようになっている。
【0008】
尚、台木搬送装置4の苗搬送ア−ム5及び穂木搬送装置7の苗搬送ア−ム8は、それぞれ2本設けてこの2本のア−ム5、8が一体で回動する構成としており、該2本のア−ム5、8の回動の位相を180度異ならせて設けている。従って、台木搬送装置4及び穂木搬送装置7のそれぞれの2本の苗搬送ア−ム5、8のうち、一方のア−ム5、8の回動位置が苗供給部2、3の位置すなわち苗供給位置となるとき、他方のア−ム5、8の回動位置がクリップ供給装置14の位置すなわち苗の接合位置となる。そして、約90度回動して、一方のア−ム5、8の回動位置が切断装置12の位置すなわち切断位置となるとき、他方のア−ム5、8の回動位置が苗の接合位置から次行程の苗を保持するべく苗供給位置へ戻る戻り行程となる。従って、苗搬送ア−ム5、8が1回転する間に2本の接ぎ木苗が得られるようにしており、前記2本の苗搬送ア−ム5、8は常に同じ方向に回動して接ぎ木作業を繰り返す構成となっている。尚、苗搬送ア−ム5、8は、台木搬送装置4と穂木搬送装置7とで互いに逆方向に回動するようになっている。従って、台木搬送装置4及び穂木搬送装置7により複数本の苗搬送ア−ム5、8を同時に移動させて苗を搬送するようにしたので、この接ぎ木機械1により同時に複数の苗に対して接ぎ木作業を行うことができ、接ぎ木作業の作業能率が向上する。
【0009】
台木苗供給部2及び穂木苗供給部3は、それぞれ、苗の子葉を載せて苗を供給できる苗載置部分16、17を備え、該載置部分16、17には苗の胚軸jを横方向から挿入する切欠き18、19を設けている。また、それぞれの苗載置部分16、17の下側には供給苗把持ハンド20、21を設け、切欠き18、19に苗の胚軸jが供給されると、その胚軸jを前記供給苗把持ハンド20、21により把持する構成となっている。そして、それぞれの搬送装置4、7の苗把持ハンド6、9が苗を把持すると、供給苗把持ハンド20、21の把持が解除されて苗が搬送装置4、7へ引き継がれる。このとき、前記切欠き18、19をそれぞれ搬送装置4、7の苗搬送方向(苗搬送ア−ム5、8の回動方向)へ向けて設けているので、苗搬送ア−ム5、8の回動により苗が前記切欠き18、19を介して苗供給部2、3から離れて搬送される。
【0010】
ところで、作業者が台木苗供給部2又は穂木苗供給部3へ苗を供給するとき、前記切欠き18、19側からその切欠き18、19内へ胚軸jを挿入して苗を供給するのであるが、台木搬送装置4及び穂木搬送装置7のそれぞれの苗搬送ア−ム5、8は常に同じ方向に回動するので、苗供給部2、3においては前記切欠き18、19の反対側へ移動することはなく所定の方向(切欠き18、19が向く方向)へ移動する。従って、苗供給部2、3から苗が搬送装置4、7に引き継がれた後、作業者が苗供給部2、3へ次行程の苗を前記切欠き18、19を設けた側から供給するとき、苗搬送ア−ム5、8が戻り行程で苗供給部2、3へ戻ってきたとしても切欠き18、19の反対側から苗供給位置へ移動するので、作業者の苗供給域を苗供給位置へ戻る苗搬送ア−ム5、8が通過しないようにでき、作業者の手が苗供給位置へ移動する苗搬送ア−ム5、8と干渉するようなことを抑え、作業者が安全に苗供給作業を行える。
【0011】
従来は、台木搬送装置及び穂木搬送装置の苗搬送ア−ムをそれぞれ1本のみ設け、苗を保持して苗の接合位置まで搬送した苗搬送ア−ムが苗供給位置へ戻る戻り行程で苗の搬送とは逆方向に回動して戻る構成となっており、苗搬送ア−ムが苗供給位置から切断位置を介して接合位置までを往復移動していたので、作業者が切欠き側から台木苗供給部又は穂木苗供給部へ苗を供給するとき、切欠きが向く側で往復移動する苗搬送ア−ムと苗供給作業を行う作業者の手とが干渉するおそれがあり、作業者が負傷する危険性がある。また、その危険性を抑えるために苗供給部付近での苗搬送ア−ムの移動速度を遅くすると、その分接ぎ木作業の作業能率が低下するおそれがあった。また、台木搬送装置及び穂木搬送装置の苗搬送ア−ムがそれぞれ1本のみであるので、接ぎ木作業の作業能率が低下するおそれがある。
【0012】
穂木搬送装置7の苗搬送ア−ム8には、穂木苗の胚軸jに接触して該胚軸jの位置及び姿勢を規制する胚軸ガイド22を設けている。この胚軸ガイド22は、苗把持ハンド9の下側で、苗搬送ア−ム8の回動軸11からの前記苗把持ハンド9の距離を変更するべく苗搬送ア−ム8を伸縮させる伸縮シリンダ(図示せず)の伸縮側(苗把持ハンド9の一方側)に固着されて設けられている。この胚軸ガイド22により、伸縮シリンダの伸縮に拘らず、穂木搬送装置7の穂木苗搬送の全行程にわたって胚軸jの位置及び姿勢を規制する。従って、胚軸ガイドjにより、切断装置12による苗の切断位置(切断高さ)及び胚軸jに対する切断角度の適正化を図って苗の切断の適正化及び安定化を図ると共に、穂木苗搬送の全行程にわたって胚軸jの位置ずれ及び姿勢の不良を防止することができ、台木苗との接合を適正に安定して行えて接ぎ木苗の接合率を向上させることができ、該苗を良好に栽培することができる。尚、穂木搬送装置7の穂木苗供給部3からの穂木苗の引き継ぎ時に、穂木苗供給部3の切欠き19の方向と略垂直に交差する方向から胚軸ガイド22が胚軸jに接触することとなり、前記切欠き19及び胚軸ガイド22により苗の胚軸jの横方向の位置を所定の位置に安定させることができるのである。
【0013】
特に、スイカの苗等、胚軸jの断面形状が楕円形の苗の接ぎ木作業を行うとき、切断装置12による切断行程において苗の胚軸jの切断長さを短くして苗の切断の安定化を図るべく、断面楕円形の胚軸jの短径方向が切断軌跡と同方向に向くように、苗把持ハンド9により胚軸jの長径方向へ該胚軸jを挟持させるのが好ましい。尚、作業者が穂木苗供給部3の切欠き19へ該切欠き19の方向に胚軸jの長径方向が向くように該胚軸jを供給すればよい。このとき、苗把持ハンド9により胚軸jの長径方向へ該胚軸jを挟持させるため、穂木苗供給部3からの穂木苗の引き継ぎ時、苗把持ハンド9の胚軸jの把持において胚軸jが回転したり位置ずれしたりして不安定になりやすいが、胚軸ガイド22が胚軸jの短径方向から接触して胚軸jを規制するので、胚軸jの回転や位置ずれを防止でき、苗の切断の安定化を図ることができる。
【0014】
従来、特開平8−23773号に示されるように、穂木搬送装置の苗搬送ア−ムにおいて、穂木苗の胚軸に接触して該胚軸の位置及び姿勢を規制する胚軸ガイドを苗把持ハンドの下側で且つ伸縮シリンダの固定側(苗搬送ア−ムの回動軸側)に設けたものがあるが、この胚軸ガイドは、苗の胚軸の切断行程にのみ作用するものであるので、穂木苗搬送の全行程にわたって胚軸の位置ずれ及び姿勢の不良を防止することができなかった。
【0015】
切断装置12は、切断カッタ13を回転移動させるロータリーアクチュエータ23を備えている。該ロータリーアクチュエータ23により回転する回転基部24に対してこの回転軸方向へ移動調節可能な一対の切断カッタ取付軸25を設け、この一対の切断カッタ取付軸25に切断カッタ13の両端のリング部13aを通し、一対の切断カッタ取付軸25を互いに離れる方向へ移動させて切断カッタ13を緊張させて固定することにより切断カッタ13を取り付ける。尚、切断カッタ13は、直径0.2乃至0.3mmの鋼線又はピアノ線の線材で構成され、前記回転基部24の回転軸と平行に取り付けられる。
【0016】
従って、ロータリーアクチュエータ23の駆動により、切断カッタ13が円弧状の軌跡で移動して、台木搬送装置4又は穂木搬送装置7の苗搬送ア−ム5、8で把持された苗の胚軸jの中途部を斜めに切断する。線材の切断カッタ13により、円弧状の切断軌跡に対する苗の切断時の切断抵抗が小さくなり、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸jが折損したりせず、台木苗と穂木苗との接合を安定して行え、接ぎ木苗の接合率が向上して該苗を良好に栽培することができる。また、両端のリング部13aを一対の切断カッタ取付軸25に通して切断カッタ13を取り付ける構成としたので、切れ味の低下に伴う切断カッタ13の交換を作業者が手に怪我をせずに安全に且つ容易に行える。更に、一対の切断カッタ取付軸25を互いに移動させて切断カッタ13を緊張させる構成としたので、使用頻度等により切断カッタ13の長さが変化したりしても切断カッタ13の張力を適正に調節することができ、苗の切断を適正に行えて台木苗と穂木苗との接合を安定して行える。
【0017】
従来の切断装置は、ロータリーアクチュエータの駆動により円弧状の切断軌跡で移動する切断カッタがカミソリ刃等の平面状であるので、円弧状の切断軌跡で切断カッタの面が苗の胚軸を少くともその軸方向へ押しながら切断することになり、苗の切断時に切断抵抗が生じ、苗の切断面にクラックが生じたり胚軸が折損したりするおそれがあり、台木苗と穂木苗との接合が不安定になって接ぎ木苗の接合率が低下し、該苗を良好に栽培できなくなるおそれがある。
【0018】
前記クリップ供給装置14は、接ぎ木クリップ15を自動的に一個づつ接ぎ木位置に供給するべく所定の姿勢で一列で通過させるクリップ案内レ−ル26と該レール26へ順次に接ぎ木クリップ15を供給するべく無数の接ぎ木クリップ15を貯留するクリップフィ−ダ−27とを備えて構成され、前記クリップフィ−ダ−27が駆動して振動することにより該クリップフィ−ダ−27内の接ぎ木クリップ15を前記クリップ案内レ−ル26へ送り込み、クリップ案内レ−ル26の振動により該レ−ル26の移送終端部となる接ぎ木位置へクリップ15を移送するようになっている。尚、前記クリップ案内レール26は、中途部からクリップ案内路28を幅狭に構成しており、この中途部で接ぎ木クリップ15の把持部29を開いて該クリップ15の把持部29を開いた状態で接ぎ木クリップ15を移送する構成となっている。
【0019】
幅狭になるクリップ案内路28には該案内路28の側方から発光する発光器30aと該発光器30aからの光を受光する受光器30bとで構成されるクリップセンサ30を設けており、このクリップセンサ30により接ぎ木クリップ15の有無を検出し、接ぎ木作業開始時等にクリップセンサ30が接ぎ木クリップ15を検出しないときはクリップ供給装置14のみを駆動させ、クリップセンサ30が接ぎ木クリップ15を検出すると台木搬送装置4及び穂木搬送装置7の作動を含めた接ぎ木作業の開始を許容し、接ぎ木の連続作業を行うようにしている。前記クリップセンサ30は、光ファイバ−の非常に細い光線により接ぎ木クリップ15を検出する構成となっており、発光器30a及び受光器30bの直径が2mm以下になっている。従って、クリップセンサ30を非常に軽微なもので構成しているので、クリップ案内路28においてクリップセンサ30を設けることにより生じるクリップ案内部分の欠落部31を小さくでき、この欠落部31に移送される接ぎ木クリップ15がひっかかったり欠落部31により接ぎ木クリップ15の姿勢が不適正になったりしてクリップ案内路28において接ぎ木クリップ15の移送が不適正となるのを抑え、クリップ案内路28で円滑に接ぎ木クリップ15を移送することができる。尚、クリップセンサ30が接ぎ木クリップ15を検出すると接ぎ木作業の開始を許容するようにしているので、接ぎ木クリップ15が苗の接合位置へ供給されないことにより台木搬送装置4あるいは穂木搬送装置7又は切断装置12により処理された苗が無駄になるようなことを防止している。
【0020】
また、クリップ案内レール26の移送終端部にはクリップ押出具32を設けており、該クリップ押出具32により苗の接合部に開いた状態の接ぎ木クリップ15の把持部29を確実に1個づつ供給するようになっている。このクリップ押出具32は、弾性変形可能なプレ−トを屈曲させることにより下側に突出する突出部32aを備えて構成されており、押出具作動シリンダ33の作動によりクリップ移送方向へ往復移動する。クリップ押出具32の前記突出部32aがクリップ案内路28にあるクリップ15に上側から係合するようになっており、該突出部32aのクリップ移送方向上手側部分32bをクリップ移送側へいくにつれて下位になる傾斜面に構成し、突出部32aのクリップ移送方向下手側部分32cを略上下方向で鉛直な垂直面に構成している。
【0021】
また、クリップ案内レール26の移送終端部には左右一対のクリップ開閉プレート34を設けており、クリップ開閉アクチュエータ35の作動により前記クリップ開閉プレート34が互いに離れる方向に作動することで苗の接合部に供給された接ぎ木クリップ15の把持部29を閉じさせるようになっている。そして、前記クリップ押出具32により、更に接ぎ木クリップ15と共に接ぎ木苗を押し出すようになっている。
【0022】
接ぎ木クリップ15は、把持部29と開閉部37とを備える回動部38を左右一対備え、把持部29と開閉部37との間に設けた第一接続部39と開閉部37の端部に設けた第二接続部40とにより左右一対の回動部38を接続している。尚、この接ぎ木クリップ15は、ポリエチレンにより一体成型され、左右対称且つ上下対称の形状となっている。左右一対の把持部29の内側の把持面29aには、幅0.5mm以下の突条29bを上下方向に複数設けている。また、左右一対の把持面の間には、平面視で縦長の楕円形状になる空間部29cが構成される。この空間部29cの左右長wは、一対の把持部29を閉じた状態で2mmであり、1.5mm乃至2.5mmの範囲で設定されている。
【0023】
従って、空間部29cの左右長をキュウリ、メロン、スイカ、トマト等の苗の胚軸の径(例えばトマトの苗の胚軸の直径は2mm程度である)と同じ程度に設定しているので、一対の把持部29で苗の胚軸を把持したときに胚軸に接ぎ木クリップ15の把持力が過剰に作用せず、接ぎ木クリップ15の把持力により胚軸を傷めたり穂木苗の胚軸と台木苗の胚軸との互いの位置がずれたりすることを防止し、接ぎ木苗の接合を良好に行える。また、前記空間部29cが一対の把持部29を閉じた状態で楕円形であり、一対の把持部29を開いた状態で左右一対の把持面が互いに平行に近い状態となるが、一対の把持部29の開閉に拘らず、空間部29cの左右長wの最大部が一対の把持部29の回動支点寄りの略同じ位置で、その左右長wが略同じ(2mm程度)になる。従って、一対の把持部29を開いた状態で一対の把持部29間に接ぎ木クリップ15の把持部29側(前側)から苗の胚軸を供給するときに、左右一対の把持面が互いに平行に近い状態であるので、胚軸を把持面にひっかけずに供給できるために穂木苗と台木苗との互いの位置ずれが発生せず、スム−ズに苗を供給できる。更に、一対の把持部29を開いた状態でも該一対の把持部29の回動支点寄りに空間部29cの左右長wの最大部が位置するので、胚軸を供給するべき位置の空間部29cの左右幅wを把持部29の回動支点寄りの位置でありながら広い状態で維持し、胚軸を供給するときに胚軸が把持面に当たって穂木苗と台木苗との互いの位置ずれが発生するのを抑えることができ、接ぎ木苗の接合を良好に行える。
【0024】
把持部29の外側には、その上下方向中央位置に羽根状の突起部41を設けている。開閉部37の外側面には上下方向に延びる突条42aを複数備えて構成される凹凸部42を設けており、クリップ供給装置14のクリップ開閉プレート34を前記凹凸部42に当接させて左右一対の開閉部37を開閉操作したり、あるいは作業者が接ぎ木クリップ15を開閉操作する場合は作業者が凹凸部42に触れて左右一対の開閉部37をつまんで開閉操作したりするようになっており、前記凹凸部42は接ぎ木クリップ15の開閉操作における滑り止めの機能を有する。
【0025】
接ぎ木クリップ15の先端となる把持部29の前端には、外面が円柱状の曲面となる曲面部29dを備えている。この曲面部29dにより、一対の把持部29を開いた状態で一対の把持部29間に接ぎ木クリップ15の把持部29側(前側)から苗の胚軸を供給するときに、胚軸が曲がっていたりしても、胚軸を把持部29の前端にひっかけずに供給できるために胚軸を傷めたり穂木苗と台木苗との互いの位置ずれが発生せず、スム−ズに苗を供給できる。
【0026】
第一接続部39は、把持部と上下方向の幅が同一に構成され、平面視で前側(把持部側)の端面39aがV字状に角を有した構成となっているのに対し、平面視で後側(開閉部側)の端面39bが円弧状の凹形状になっており角を有さない構成となっている。第二接続部40は、開閉部37と上下方向の幅が同一に構成され、通常の状態で左右中央が前側(把持部側)に位置するように平面視で曲線状に構成されている。尚、把持部29の上下方向の幅は、開閉部37の上下方向の幅より大きくなっている。
【0027】
そして、左右一対の開閉部37を挟持操作すると、第一接続部39及び第二接続部40が撓み、左右一対の回動部38が回動中心部となる第一接続部39を中心に相対的に回動して左右一対の把持部29が開く。このとき、第二接続部40は、左右中央が前側(把持部側)に移動して平面視で曲率が大きくなるように撓む。そして、左右一対の把持部29間に穂木苗及び台木苗の胚軸を上下方向に向けた状態で両者の切断面を接続した状態でこの接合部を供給し、開閉部37を放すことにより一対の把持部29を第一接続部39及び第二接続部40の復元力で戻し、該把持部29で穂木苗及び台木苗を共に把持して固定する。
【0028】
よって、接ぎ木クリップ15は、把持部29と該把持部29を開閉するための開閉部37とで構成される一対の回動部38を備え、前記一対の回動部38を複数の接続部39,40により接続して一体で構成されているので、一対の把持部29に充分な開閉量が得られるため穂木苗及び台木苗の固定を容易に行えると共に、一対の把持部29の把持力を得ることができるので、把持部29内で穂木苗及び台木苗の胚軸がずれるようなことが抑えられ、適正な接合状態で接合させることができ、接ぎ木苗の接合を良好に行える。
【0029】
また、第二接続部40を第一接続部39からもっとも距離のある接ぎ木クリップ15の後端部(開閉部37の端部)に配置したので、一対の回動部38の接続の強度を増すことができ、クリップ15の破損を防止することができる。また、一対の把持部29を開くとき、第二接続部40が左右中央が前側(把持部29側)に移動して平面視で元の屈曲方法のまま曲率が大きくなるように撓むので、スム−ズに一対の把持部29を開くことができ、接ぎ木作業の容易化を図ることができる。尚、第二接続部40を平面視で波状に屈曲させてもよく、これにより第二接続部40をスム−ズに撓ませることができ、接ぎ木作業の容易化を図ることができる。
【0030】
また、接ぎ木クリップ15は、ポリエチレンにより成型しているので、軽くなって取扱性が向上するばかりでなく、該クリップ15の自重により胚軸の軟らかい接ぎ木苗が倒れるのを防止できる。従来の接ぎ木クリップは、一般的な樹脂により成型していたため重く、胚軸の軟らかい接ぎ木苗を倒すおそれがある。また、ポリエチレンによる成型であるので、製造コストの低減を図ることができ、また、焼却してもダイオキシンが発生しないので焼却することができる。また、ポリエチレンによる成型であるので、ポリエチレンの素材色である半透明となり、青色や黄色などの害虫が寄りやすい色を避けた色とすることができ、害虫対策となる。
【0031】
尚、ポリエチレン等の樹脂素材へシルバ−フィルム片や銀粉等の光を反射する性質の強い素材を混入して接ぎ木クリップ15を成型すると、接ぎ木クリップ15が光を反射するため、一般的に害虫(アブラムシ等)が嫌う光を利用して防除することができる。尚、接ぎ木クリップ15を青、緑、黄等、単純に色をつけて成型すると、特定の害虫を誘引しやすくなるおそれがある。
【0032】
また、第一接続部39を平面視で前側(把持部29側)の端面39aがV字状に角を有した構成とすることにより、一対の回動部38の回動支点が定まって安定し、一対の把持部29により適正な把持位置及び把持力で接ぎ木苗を把持することができる。しかも、第一接続部39を平面視で後側(開閉部側)の端面39bが円弧状の凹形状になっており角を有さない構成となっているので、一対の把持部29を開閉するときの第一接続部39の一か所への応力集中を避けることができ、接ぎ木クリップ15の破損を防止することができる。従来は、接続部が平面視で後側(開閉部側)の端面が円弧状の凸形状になっていたので、一対の把持部の開閉がスム−ズに行われなく、また応力集中が生じやすくて一体成型の接ぎ木クリップは破損しやすいものであった。
【0033】
また、把持部29の把持面29aに幅0.5mm以下の突条29bを設けているので、把持した接ぎ木苗をしっかりと把持することができて穂木苗及び台木苗がずれにくくなると共に、直径が約0.5mmである胚軸の維管束を潰しにくくなり、この維管束により接ぎ木苗が充分な養水分を吸収して接ぎ木苗の良好な接合及び育苗を図ることができる。尚、前述の突条29bに代えて、球面状の突起としてもよい。従来は、把持部の把持面の突条の幅が比較的大きく、胚軸の維管束を潰すおそれがあった。
【0034】
把持部29の後端の開閉部37との上下方向の段差部は、左右の把持部29共に左右方向に向くように設けられており、クリップ供給装置14のクリップ案内レ−ル26によるクリップ移送方向に対して略垂直に設けられている。更に、前記把持部29の後端の上下端は、他の部分より若干後側(開閉部37)側に突出し、鋭角に構成されている。従って、クリップ供給装置14のクリップ押出具32により把持部29の後端を押して接ぎ木クリップ15を接ぎ木位置へ供給するとき、クリップ押出具32の突出部32aのクリップ移送方向下手側部分32cで構成されるクリップ押出具32の押出面が押出方向に対して略垂直であるため、該押出面の向きと把持部29の後端面の向きとが略同一となり、クリップ押出具32と接ぎ木クリップ15との接触面が広くなり、クリップ押出具32で確実に接ぎ木クリップ15を押し出すことができる。
【0035】
尚、クリップ押出具32の往復移動におけるクリップ移送上手側の移動により、クリップ押出具32の突出部32aが連続して送られる次の接ぎ木クリップ15に当たってクリップ押出具32が上側に撓み、前記突出部32aが前記次の接ぎ木クリップ15の把持部29の後端の後側(クリップ移送上手側)に移動し、クリップ押出具32で前記次の接ぎ木クリップ15を押し出す。この行程を繰り返して、クリップ押出具32で順次接ぎ木クリップ15を押し出すようになっている。クリップ押出具32のクリップ押出位置となるクリップ案内路28の下面には該下面が上側に突出するように受け板43を設け、この受け板43のクリップ移送下手側の端部43aがクリップ押出具32で押し出される次の接ぎ木クリップ15の把持部29の後端の若干後側(クリップ移送上手側)に位置するようになっており、クリップ押出具32がクリップ移送上手側に移動して該クリップ押出具32により前記次の接ぎ木クリップ15がクリップ移送方向上手側に送られようとしても、受け板43のクリップ移送下手側の端部43aが接ぎ木クリップ15の把持部29の後端に当接して接ぎ木クリップ15がクリップ移送方向上手側に送られるのを阻止している。従って、受け板43のクリップ移送下手側の端部43aにより、クリップ押出具32の作動で接ぎ木クリップ15がクリップ移送方向とは逆方向に送られるのを阻止するクリップ受け部を構成している。
【0036】
そして、接ぎ木クリップ15の把持部29の後端の上下端が鋭角に構成されているので、この鋭角の部分がクリップ受け部を構成する受け板43の端部43aに当接するため、接ぎ木クリップ15が逆方向に送られるのを確実に阻止することができる。
【0037】
クリップ供給装置14のクリップフィ−ダ−27は、振動することにより平面視(図6視)で左回りに接ぎ木クリップ15を移送しながら該クリップフィ−ダ−27外周へ移送していき、この外周に接続されるクリップ案内レ−ル26の移送始端部へ接ぎ木クリップ15を順次移送していく。クリップフィ−ダ−27の外周には、接ぎ木クリップ15がクリップフィ−ダ−27から脱落しないように側壁44を平面視(図6視)で略真円形に配置している。尚、図12から判るように、接ぎ木クリップ15の突起部41の左右方向外端部と開閉部37の後端部(左右方向最外端部)とを結ぶ直線より該接ぎ木クリップ15側(左右方向内側)に開閉部37の外側面の凹凸部42が位置しており、突起部41の左右方向外端部と開閉部37の後端部(左右方向最外端部)とが前記側壁44に接触したときに、開閉部37の外側面の凹凸部42は前記側壁44に当接しないように接ぎ木クリップ15が構成されている。従って、接ぎ木クリップ15は、クリップフィ−ダ−27の外周の側壁44に当接した状態でも、突起部41の左右方向外端部と開閉部37の後端部の2点のみが側壁44に当接した状態で前記凹凸部42は側壁44に当接しないので、側壁44から受けるクリップ移送抵抗が小さくなり、クリップフィ−ダ−27の外周で円滑に移送させることができる。
【0038】
クリップフィ−ダ−27のクリップ案内レ−ル26へのクリップ供給口45の手前には、接ぎ木クリップ15の姿勢を変更するための姿勢変更具46を設けている。この姿勢変更具46は、クリップフィ−ダ−27の側壁44から内側へ延びるプレ−トにより構成され、クリップフィ−ダ−27の外周で平面視(図6視)で左回りに移送される接ぎ木クリップ15側の端面がクリップフィ−ダ−27の内側へいくほど該接ぎ木クリップ15の移送方向の下手側に配置されるよう設けられている。
【0039】
そして、図7に示すように、接ぎ木クリップ15の後端となる左右の開閉部37の後端をクリップフィ−ダ−27の側壁44で受けて接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27の内側へ向く姿勢で接ぎ木クリップ15が移送されてきたとき、移送上手側の開閉部37の後端が姿勢変更具46に当たって受け止められ、更にその状態でクリップフィ−ダ−27により接ぎ木クリップ15が移送されようとする。すると、前記移送上手側の開閉部37の後端が姿勢変更具46に受け止められたままで接ぎ木クリップ15が移送されようとするので、姿勢変更具46に受け止められた接ぎ木クリップ15の後端を支点として該クリップ15が回転し、クリップフィ−ダ−27による移送方向に接ぎ木クリップ15の前側が向く姿勢となり、その姿勢のままでクリップ供給口45を介してクリップ案内レ−ル26へ供給され、接ぎ木クリップ15がクリップ案内レ−ル26のクリップ移送方向に向き、接ぎ木クリップ15が所望の姿勢でクリップ案内レ−ル26へ供給される。
【0040】
また、図8に示すように、接ぎ木クリップ15の右側の突起部41と右側の開閉部37の後端とをクリップフィ−ダ−27の側壁44で受けて接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27による接ぎ木クリップ15の移送方向へ向く姿勢で該接ぎ木クリップ15が移送されてきたときは、右側の開閉部37の外面が姿勢変更具46に当たるが、右側の開閉部37の外面が姿勢変更具46の接ぎ木クリップ15側の端面と略同じ方向に向くので、前記姿勢変更具46の端面に沿って右側の開閉部37の外面が滑りながら接ぎ木クリップ15が一時的にクリップフィ−ダ−27の若干内側へ移動して姿勢変更具46を乗り越えるようにして移送される。そして、クリップフィ−ダ−27による移送方向に接ぎ木クリップ15の前側が向く姿勢のままでクリップ供給口45を介してクリップ案内レ−ル26へ供給され、接ぎ木クリップ15がクリップ案内レ−ル26のクリップ移送方向に向き、接ぎ木クリップ15が所望の姿勢でクリップ案内レ−ル26へ供給される。
【0041】
また、図9に示すように、接ぎ木クリップ15の左側の突起部41と左側の開閉部37の後端とをクリップフィ−ダ−27の側壁44で受けて接ぎ木クリップ15の後側がクリップフィ−ダ−27による接ぎ木クリップ15の移送方向へ向く姿勢で該接ぎ木クリップ15が移送されてきたときは、左側の開閉部37の後端が姿勢変更具46に当たって受け止められ、更にその状態でクリップフィ−ダ−27により接ぎ木クリップ15が移送されようとする。すると、前記左側の開閉部37の後端が姿勢変更具46に受け止められたままで接ぎ木クリップ15が移送されようとするので、姿勢変更具46に受け止められた接ぎ木クリップ15の左側後端部を支点として該クリップ15が回転し、クリップフィ−ダ−27による移送方向に接ぎ木クリップ15の右側が向く姿勢となる。接ぎ木クリップ15は、この姿勢のままでクリップ供給口45へ供給され、クリップ案内レ−ル26へ供給されようとするが、クリップ案内レ−ル26の移送始端部に設けたクリップ通過規制ガイド47に当接して規制されることによりクリップ案内レ−ル26へ供給されずに再びクリップフィ−ダ−27側へ戻される。尚、クリップ通過規制ガイド47は、クリップ案内レ−ル26の接ぎ木クリップ15の案内経路の上側に配置され、該案内経路における左右中央部に下側から切欠き溝(図示せず)を接ぎ木クリップ15の左右の把持部29全体の左右幅と同等かそれより若干広い左右幅で設け、接ぎ木クリップ15がクリップ案内レ−ル26のクリップ移送方向に向いた姿勢でないと上下方向に厚みのある把持部29が通過できないようになっている。尚、前記把持部29は、前後方向の幅より左右方向の幅が小さく構成されている。クリップ通過規制ガイド47により再びクリップフィ−ダ−27側へ戻された接ぎ木クリップ15は、クリップフィ−ダ−27の移送方向に右側が向く姿勢で該クリップフィ−ダ−27の外周部で平面視(図6又は図9視)で左回りに移送され、接ぎ木クリップ15の後端となる左右の開閉部37の後端をクリップフィ−ダ−27の側壁44で受けて接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27の内側へ向くそのままの姿勢(前述した図7の姿勢)で姿勢変更具46へ再度供給される傾向が大きく、その姿勢で接ぎ木クリップ15が供給されると前述と同様に姿勢変更具46によりクリップフィ−ダ−27による移送方向に前側が向くように姿勢が変更され、接ぎ木クリップ15が所望の姿勢でクリップ案内レ−ル26へ供給される。
【0042】
従って、姿勢変更具46により、接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27の内側へ向く姿勢(図7の姿勢)でも、接ぎ木クリップ15をクリップ案内レ−ル26のクリップ移送方向に向けて所望の姿勢でクリップ案内レ−ル26へ供給することができるので、クリップ供給口45を介するクリップ案内レ−ル26への接ぎ木クリップ15の供給率(供給個数)が向上し、接ぎ木クリップ15をクリップ案内レ−ル26へ連続的に供給することができて接ぎ木機械1における接ぎ木作業の作業能率の向上を図ることができる。尚、接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27による接ぎ木クリップ15の移送方向へ向く姿勢(図8の姿勢)及び接ぎ木クリップ15の前側がクリップフィ−ダ−27の内側へ向く姿勢(図7の姿勢)で姿勢変更具46へ供給されたとき、姿勢変更具46で接ぎ木クリップ15を所望の姿勢に変更できなかったり姿勢変更具46で接ぎ木クリップ15を所望の姿勢にした後クリップ供給口45へ到達するまでにクリップフィ−ダ−27の振動で接ぎ木クリップ15の姿勢が変化して不適正になることが希にあるが、前述のように接ぎ木クリップ15を所望の姿勢でクリップ案内レ−ル26へ供給する可能性が高くなる。また、接ぎ木クリップ15の後側がクリップフィ−ダ−27による接ぎ木クリップ15の移送方向へ向く姿勢(図9の姿勢)で姿勢変更具46へ供給されたときでも、接ぎ木クリップ15を更にクリップフィ−ダ−27の外周部を1周(1周とは限らない)移送させて接ぎ木クリップ15を姿勢変更具46へ供給することにより、接ぎ木クリップ15をクリップ案内レ−ル26へ供給する所望の姿勢に変更でき、クリップ案内レ−ル26への接ぎ木クリップ15の供給率(供給個数)の向上を図ることができる。尚、接ぎ木クリップ15は、その外形が平面視で正三角形に近い略三角形状であるので、クリップフィ−ダ−27の側壁44に接触しながら概ね前述の3パターンの姿勢(図7乃至図9の姿勢)で姿勢変更具46へ供給されることとなる。
【0043】
従来は、前述のような姿勢変更具を設けておらず、接ぎ木クリップの前側がクリップフィ−ダ−による接ぎ木クリップの移送方向へ向く姿勢でクリップ供給口へ供給されたときのみクリップ案内レ−ルへ接ぎ木クリップを供給でき、図15及び図16のように接ぎ木クリップ15の右側又は後側がクリップフィ−ダ−27による接ぎ木クリップ15の移送方向へ向く姿勢でクリップ供給口45へ供給されたときは、クリップフィ−ダ−27内を再度移送させて振動等により接ぎ木クリップの姿勢が所望の姿勢に変更されるのを期待するしかなかった。従って、クリップ案内レ−ルへの接ぎ木クリップ15の供給率(供給個数)が低く、接ぎ木作業の作業能率に支障を与えるおそれがある。特に、接ぎ木クリップがポリエチレン等の樹脂製で軽量(1g未満)であると、クリップフィ−ダ−内の移送やその振動で接ぎ木クリップの姿勢が変化しにくく、接ぎ木クリップの姿勢が所望の姿勢に変更されるのを期待しにくい。
【0044】
ところで、接ぎ木クリップ15は前側となる把持部29側に羽根状の突起部41及び該クリップ15先端の曲面部29dを設けているので、この突起部41及び曲面部29dにより接ぎ木クリップ15がポリエチレンの樹脂製でありながら適度な重量となり、クリップフィ−ダ−27あるいはクリップ供給レール26において接ぎ木クリップ15を安定して供給することができる。また、接ぎ木クリップ15の前部である把持部29が重くなるので、クリップ供給レール26へ接ぎ木クリップ15が把持部29側から安定して供給される。尚、接ぎ木クリップ15が、ポリエチレンの樹脂製であると、軽くなりすぎてクリップ供給レール26において詰まったりして接ぎ木機械1での供給が不安定になるおそれがある。尚、接ぎ木クリップ15の前側の把持部29と後側の開閉部37との重量比をおよそ3:1となるように、開閉部37の左右両最外端部の上下端37aを曲面状に面取りしている。ところで、前側の把持部29と後側の開閉部37との重量比を種々の条件に設定して接ぎ木クリップ15のクリップフィ−ダ−27からクリップ供給レール26への供給率(クリップフィ−ダ内の接ぎ木クリップの全数(サンプル50個)に対するクリップ供給レール26へ供給された接ぎ木クリップ15の個数の割合)をテストしてみると、前記重量比65:35より前側の把持部29の重量比が小さい状態あるいは重量比4:1より前側の把持部29の重量比が大きい状態では、前記供給率が約6割程度であり、重量比を3:1乃至7:3に設定すると供給率が8割程度に向上することが判った。
【0045】
また、突起部41により接ぎ木クリップ15をクリップ供給レール26に案内させることができ、適正な姿勢で接ぎ木クリップ15を供給でき、クリップ供給レール26での接ぎ木クリップ15の供給を安定して行うことができる。また、接ぎ木クリップ15が一体成型されているので、従来のリング状のスプリング等のひっかかる部分が無く、クリップ供給レール26での接ぎ木クリップ15の供給を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接ぎ木機械の一部を判りやすく示した平面図
【図2】(a)胚軸ガイドを示す平面図、(b)胚軸ガイドを示す側面図
【図3】(a)切断装置を示す平面図、(b)切断装置を示す正面図、(c)切断装置を示す側面図
【図4】切断カッタを示す図
【図5】切断カッタを緊張する状態を示す切断装置の一部の正面図
【図6】クリップフィーダー及びクリップ案内レ−ルの一部を示す平面図
【図7】接ぎ木クリップの前側がクリップフィ−ダ−の内側へ向く姿勢で移送される状態を示す平面図
【図8】接ぎ木クリップの前側がクリップフィ−ダ−による接ぎ木クリップの移送方向へ向く姿勢で移送される状態を示す平面図
【図9】接ぎ木クリップの後側がクリップフィ−ダ−による接ぎ木クリップの移送方向へ向く姿勢で移送される状態を示す平面図
【図10】(a)クリップ案内レ−ルの終端部を示す平面図、(b)クリップ案内レ−ルの終端部を示す断面側面図
【図11】接ぎ木クリップの正面図
【図12】接ぎ木クリップの平面図
【図13】接ぎ木クリップの背面図
【図14】接ぎ木クリップの側面図
【図15】従来の接ぎ木クリップの右側がクリップフィ−ダ−による接ぎ木クリップの移送方向へ向く姿勢で移送される状態を示す平面図
【図16】従来の接ぎ木クリップ後側がクリップフィ−ダ−による接ぎ木クリップの移送方向へ向く姿勢で移送される状態を示す平面図
【符号の説明】
1…接ぎ木機械、12…切断装置、13…切断カッタ、13a…リング部、25…切断カッタ取付軸、j…胚軸

Claims (1)

  1. 所定の軌跡で移動して苗の胚軸jを切断する線材の切断カッタ13の両端13aを取り付ける一対の切断カッタ取付部25を設け、該一対の切断カッタ取付部25のうちの少なくとも一方を、一対の切断カッタ取付部25が互いに離れる方向へ移動調節可能に構成したことを特徴とする接ぎ木苗用の切断装置。
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