JP2004007561A - テレビ会議システム、それに含まれる端末装置、及びデータ配信方法 - Google Patents
テレビ会議システム、それに含まれる端末装置、及びデータ配信方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話でもスムーズな対話進行を可能にする構造を備えたテレビ会議システム等を提供する。
【解決手段】伝送手段(27)で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信を可能にするテレビ会議システムであって、会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者(3A ̄3C)を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する管理テーブル(250)と、該対話者モードに区分された利用者(3A,3B)間での対話情報のうち選択されたメディアによる対話情報を編集し、該編集された情報を該各観察者モードに区分された利用者(3C)の端末装置へ配信する通信制御手段(200)とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】伝送手段(27)で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信を可能にするテレビ会議システムであって、会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者(3A ̄3C)を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する管理テーブル(250)と、該対話者モードに区分された利用者(3A,3B)間での対話情報のうち選択されたメディアによる対話情報を編集し、該編集された情報を該各観察者モードに区分された利用者(3C)の端末装置へ配信する通信制御手段(200)とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の伝送手段で接続された複数端末装置間で複数種類のメディアによるデータ送受信を行うテレビ会議システム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、英語会話等の外国語学習やカウンセリングなどの伝送手段を介した遠隔地間で、テキストデータや映像データを送受信する遠隔地対話を実現する双方向対話型システムが構築されている。このような遠隔地対話では、単にテキストデータや相手側対話者像のやり取りのみならず、対話者同士が表示される相手側対話者像を介して間接的に視線一致した状態でより親密な対話環境を実現するシステムとして、例えば特許第3074677号には、視線一致した状態での遠隔地対話を可能にする双方向対話型システムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、従来の双方向対話型システムについて検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、従来の遠隔地対話を実現する双方向対話型システムは1対1の双方向対話に適した構成であり、複数の端末装置それぞれを介して多人数の利用者が同時に参加する多点接続型のテレビ会議システムへの適用において、各参加者が一律に対話情報を共有する構成では対話進行がスムーズに行えなかった。具体的に、従来の双方向対話型システムを利用した研修会、遠隔地学習等のテレビ会議では、参加者が例えば10人〜20人と増えると、リアルタイムでの対話者像等の対話情報の配信が、現状の通信インフラでは画像処理能力や伝送能力の制約を超えてしまうため、多点接続型のテレビ会議システムを利用した多人数によるリアルタイムの遠隔地対話を現実するのは困難であった。また、会議参加者の対話に関する情報開示度にも差があることが判明した。なお、ここで言う「対話に関する情報」とは、対話者の音声や画像だけでなく、対話に関連するテキスト、絵図、出席の有無、音響情報(BGM)など、あらゆる出力情報を意味する。
【0004】
この発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、会議参加者への情報開示の選択権付与によるスムーズな対話進行を可能にするための構造を備えたテレビ会議システム、該テレビ会議システムに含まれる端末装置、データ配信方法、該データ配信方法を実行するコンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るテレビ会議システムは、所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して、顔画像、音声、文字、スライド、音響、音楽等の複数種類のメディアによるデータ送受信が行われる多点接続型の双方向対話型システムを含み、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、スムーズな対話進行を可能にする構造を備える。
【0006】
具体的に、この発明に係るテレビ会議システムは、会議参加者の参加モードを管理するための管理テーブルと、各参加者ごとに配信する情報を編集する通信制御手段とを備える。上記管理テーブルは、会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する。上記通信制御手段は、対話者モードに区分された各利用者の端末装置に対して双方向対話に必要な情報をリアルタイムで配信する一方、対話者モードに区分された利用者間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアは、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者が選択してもよい。
【0007】
この発明に係るテレビ会議システムは、多人数による会議では、一般に、会議の進行に合わせて変わる議題ごとに2、3人が直接対話に参加し、他の参加者は対話自体には直接関与していないという多人数会議の特色に着目してなされたものである。時々刻々変化する議題ごとに対話に直接参加する端末利用者と、対話を観察している端末利用者とで、送信負荷の異なるデータを配信することにより(会議参加者ごとに公開情報の選択権が付与されている)、現状の通信インフラの能力を最大限利用して多地点間での遠隔地対話を実現する。
【0008】
なお、上記通信制御手段は、上記管理テーブルで管理されているモード情報を、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求に従って、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分することが可能である。この構成により、時々刻々変化する議題に合わせて直接対話を行う対話者間でのデータ通信を現実の会議進行と同様に実現する。
【0009】
また、上記通信制御手段は、観察者モードに区分された利用者の端末装置から送信されたコメント情報を受信し、対話者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報を配信してもよい。このとき、上記通信制御手段は、対話者モードに区分された利用者によって行われる、観察者モードに区分された利用者からのコメント情報の公開/非公開の指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ該コメント情報を配信する。上記通信制御手段は、利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報、質問要求、対話切替要求を少なくとも含む対話関連情報を配信してもよく、この対話関連情報には、さらに、該コメント情報の送信回数及び対話残存時間を含んでもよい。
【0010】
上述のような構造を備えたテレビ会議システムは、複数の端末装置を含むが、上記通信制御手段は、所定の伝送手段上にデータ配信用として別途用意されたコンピュータを含むサーバであっても、各利用者の端末装置のいずれかが通信制御手段として機能してもよい。特に、この発明に係る端末装置は、豊かな感情伝達や認識のため、少なくとも対話者モードに区分された利用者間における遠隔地対話において視線一致するための構造を備えるのが好ましい。この場合、当該テレビ会議システムに含まれる端末装置のうち少なくともいずれかは、会議参加者のうち少なくとも対話者モードに区分された相手側利用者の映像を表示する表示部と、該表示部前方に位置する利用者を撮像するCCDカメラ等の撮像部とを備えるのが好ましく、該撮像部は、表示部に表示された相手側利用者像を介して該利用者と相手側利用者とが視線一致可能になる位置に配置される(相手側利用者像の一部と重なった状態で表示部の前に配置)。
【0011】
次に、この発明に係るデータ配信方法は、上述のように、所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信が行われる通信システムに適したデータ配信方法である。
【0012】
具体的に、この発明に係るデータ配信方法は、複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理し、対話者モードに区分された利用者間での対話情報のうち選択されたメディアによる対話情報を編集し、該編集された情報を該各観察者モードに区分された利用者の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアの選択は、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者が個別に選択してもよい。なお、会議参加者は予め登録されているのが好ましい。
【0013】
この発明に係るデータ配信方法において、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求が発生した場合は、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該モード切替え要求を行った利用者を対話者モードに再区分してもよい。また、観察者モードに区分された利用者の端末装置から送対話に関連したコメント情報は送信された場合、対話者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報を配信してもよい。このとき、送信されたコメント情報は、対話者モードに区分された利用者によって行われる該コメント情報の公開/非公開の指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ配信される。
【0014】
さらに、この発明に係るデータ配信方法において、利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報を少なくとも含む対話関連情報が配信されてもよい。なお、この対話関連情報は、コメント情報の送信回数及び対話残存時間が含まれてもよい。
【0015】
上述のようなデータ配信方法は、コンピュータ等で実行されるプログラムであってもよく、この場合、当該プログラムは、有線、無線を問わずネットワークを介して配信されてもよく、また、上記サーバや端末装置で管理されるCD、DVD、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るテレビ会議システム、端末装置、データ配信方法等の各実施形態を、図1〜図12を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一部位には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、この発明に係るテレビ会議システムの概略構成を示す図である。
【0018】
通常、多人数で行われる会議における対話状況を観察すると、議題ごとに直接対話を行う参加者が入れ替わり、会議参加者全員が必ずしも全ての議題に関して直接対話を行っていないことが容易に確認できる。また、特殊な実施形態としては、例えば、複数の生徒と教師間での授業のように、時々刻々一対一の対話状況(教師が複数の生徒のうち個別に生徒Aとの間で問答を行う状態)が変化するケースや、カウンセリング実習のように、予めカウンセリング実習生の中から選抜されたカウンセラ役とクライアント役との間で一対一の遠隔地対話が行いながら、他のカウンセリング実習生あるいはスーパーバイザーがその実習風景を観察するケースなど、予め直接対話に参加する人とその対話自体を観察する人とに必然的に区分される会議形態も知られている。他には、カウンセリングのスーパービジョンを他のカウンセラが参加し学習するケースや、遠隔グループカウンセリングにおいて1人のクライアントの悩みをカウンセラがカウンセリングする際、他の同様の悩みを持つクライアントが参加、観察するケース、そして、言語の異なる人々が対話する場合の遠隔通訳、複数の異なる言語間を順次翻訳していく遠隔リレー翻訳など、幅広い用途がある。この発明に係るテレビ会議システムは、このような多人数による会議特有の各参加者の対話状況の違い(参加モードの違い)を利用し、参加モードの違う参加者ごとに最適な情報が提供されるよう配信される情報メディアを変えることにより、通信インフラの負荷を低減し、多人数で行われるテレビ会議においてスムーズな遠隔地対話を実現する。
【0019】
具体的に、この発明に係るテレビ会議システムは、図1に示されたように、所定の伝送手段27で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディア、例えば端末利用者の映像、音声、スライド画像、テキストデータ、あるいはこれらの合成データなどによるデータ送受信が行われる多点接続型の双方向対話型システムを含み、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、スムーズな対話進行を可能にする構造を備える。
【0020】
この発明に係るテレビ会議システムは、上述のように参加者ごとに異なる情報を配信する通信制御手段としてコンピュータを含むサーバ200を備える。このサーバ200は、情報を会議参加者の参加モードを管理するための管理テーブル250と、通信制御を行うプロセッサ251と、この発明に係るデータ配信方法等を実行するコンピュータプログラムが格納された記録媒体252を備える。特に、管理テーブル250は、例えば会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者3A〜3Cを、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する。図1において、3A及び3Bは、直接対話を行う対話者モードに区分された端末利用者であり、3Cは、観察者モードに区分された端末利用者である。
【0021】
上記サーバ200は、通信制御手段として、対話者モードに区分された各利用者3A、3Bの端末装置に対して双方向対話に必要な情報を配信することによりスムーズな遠隔地対話を実現する。一方、サーバ200は、対話者モードに区分された利用者3A、3B間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を観察者モードに区分された各利用者3C(n1、n2、…、ni)の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアは、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者n1、n2、…、niが選択してもよい。
【0022】
このように、当該テレビ会議システムは、多人数による会議では、一般に、会議の進行に合わせて変わる議題ごとに2、3人が直接対話に参加し、他の参加者は対話自体には直接関与していないという多人数会議の特色に着目してなされたものであり、時々刻々変化する議題ごとに対話に直接参加する端末利用者と、対話を観察している端末利用者とで、送信負荷の異なるデータを配信することにより、現状の通信インフラの能力を最大限利用して多地点間での遠隔地対話を実現する。
【0023】
上記サーバ200は、管理テーブル250で管理されているモード情報を、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求に従って、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分する。これにより、時々刻々偏かする議題に合致した利用者間での遠隔地対話を現実の会議進行と同様に可能になる。
【0024】
なお、上述のような構造を備えたテレビ会議システムは会議参加者が利用する複数の端末装置を含むが、上記通信制御手段は、上述のように所定の伝送手段27上にデータ配信用として別途用意されたサーバ200であっても、各利用者の端末装置のいずれかであってもよい。
【0025】
この発明に係るテレビ会議システム及びデータ配信方法は、所定の伝送手段を介して接続された端末装置間での遠隔地対話を実現する、例えば米国特許第6,137,526号や第6,005,604号に記載された双方向対話型システムが適応可能であり、特に、特定利用者間での視線一致を可能にする多点接続型の双方向対話型システムに適している。
【0026】
まず、ここでは、当該テレビ会議システムに適用される双方向対話型システムについて説明する。なお、この双方向対話型システムは、視線一致した状態での一対一を基本とした遠隔地対話を実現するシステムであるが、対話者間で視線一致できない構成であって単にテキストデータや画像データの送受信が可能な双方向対話型システムにも適応可能である。
【0027】
図2は、遠隔地に居る対話者間の視線一致を可能にする双方向対話型システム全体を示す論理構成図である。このシステムは、A地点(第1地点)にいる対話者3A(第1対話者)とB地点(第2地点)にいる対話者3B(第2対話者)との間で双方向対話を実現するシステムである。特に、このシステムは遠隔地にいる対話者間でも親密な信頼関係を確立し綿密なコミュニケーションを実現するカウンセリング・システムや家庭学習を志向したシステムであるので、少なくとも一方の対話者として、教師、医師、心理学者などのカウンセラを想定している。したがって、このシステムはこれらカウンセラがカウンセリングを行うために必要な情報、及び理想的なカウンセリング環境を提供できるよう種々の機能及び構成を備える。また、遠隔グループカウンセリング、遠隔グループスーパービジョン、遠隔通訳、広くは遠隔グループ学習にも適用可能である。
【0028】
具体的には、A地点において、(a)対話者3A(例えはカウンセラ)が座る椅子4A(高さ調節機構40Aを有する)と、(b)対話者3Aが向かうテーブル2Aと、(c)伝送手段27を介して対話者間の視線を一致させるための機構を備えた端末装置20Aとが設置され、対話者3Aはパーティション22Aによって隔離されている。一方、B地点には、(a)対話者3B(例えばカウンセリングを受けるクライアント)が座る椅子4B(高さ調節機構40Bを有する)と、(b)対話者3Bが向かうテーブル2Bと、(c)伝送手段27を介して対話者間の視線を一致させるための機構を備えた端末装置20Bとが設置され、対話者3Bはパーティション22Bにより隔離されている。ここで、伝送手段27は、A地点の端末装置20AとB地点の端末装置20Bとの間で画像情報及び音声情報の送受信を可能にするため、光ファイバ伝送路31(主伝送路)及び衛星通信伝送路32(バックアップ用伝送路)等を含む。なお、この伝送手段27は有線、無線のいずれであってもよい。また、伝送手段は、既に敷設された電話回線網等のネットワークを含み、さらに種々のデータベースを備えた電子掲示板システム(BBS: Bulletin Board System)も含む。
【0029】
A地点において、上述の椅子4Aは対話者3Aの位置を規定するために機能する。この椅子4Aは端末装置20Aの表示部21Aとの距離を一定に保つために固定されるのが好ましい。しかし、該椅子4Aが固定されていない場合であっても、テーブル2Aを対話者3Aと表示部21Aに設置することによりこの椅子4Aと表示部21Aとの距離を一定に保つことが可能になる(テーブル2Aの存在が対話者3Aの心理的な距離の基準となる事実が確認されている)。なお、相手側の対話者3B(例えば、カウンセリングを受ける者等)がいるB地点の端末装置20Bの構成も同様である。
【0030】
A地点において、端末装置20Aは、(1)B地点の端末装置20Bから伝送手段27を介して伝送されてきた画像情報に基づいて対話者3Bの映像などを表示する、テーブル2Aの上に配置された、モニタTV1Aを備えた表示部21Aと、(2)CCDカメラ5Aで撮像された対話者3Aの映像を画像情報として取り込み、B地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための撮像ユニット6Aと、(3)B地点の端末装置20Bから伝送手段27を介して伝送されてきた音声情報に基づいて対話者3Bの音声を出力するための音声出力部23A(スピーカ)と、(4)対話者3Aの音声を音声情報として集音し、B地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための音声入力部24A(マイク)を備える。さらに、このシステムはカウンセリング・システムとしてより綿密なコミュニケーションを実現するため、(5)対話者3Aが文字や図形を入力し、入力された文字や図形を表示部21Aに表示するとともに、文字図形情報としてB地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための文字図形入力部25A(キーボード、ポインティング・デバイス、タッチパネルなどのインターフェース)と、(6)上記各構成要素と伝送手段27との間に設けられ、信号処理、伝送制御及び映像データの編集作業等を行う映像処理装置26A(制御部含む)とを備える。なお、B地点の端末装置20Bも、上述したA地点の端末装置20Aと同様に構成されており、具体的には、表示部21B、CCDカメラ5Bと撮像ユニット6Bからなる撮像装置600B、音声出力部23B、音声入力部24B、文字図形入力部25B、及び映像処理装置26Bを備える。
【0031】
さらに、A地点及びB地点の端末装置20A、20Bにおいて、撮像装置600A、600B(撮像手段)の構成を説明する。なお、説明の都合上、A地点及びB地点の各端末装置20A、20Bに共通する構成要素について言及する場合には、例えば撮像装置600のように、各地点を区別する文字A、Bを省略して説明する。また、特に説明がされていない場合には、原則としてA地点の端末装置20Aについて説明しているものとして、共通する構成を有するB地点の端末装置20Bについては重複する説明は省略する。
【0032】
この撮像装置600は、撮像部である超小型CCDカメラ5(5A)、該CCDカメラ5を支持した状態で所定位置に設置するための支持機構10(図3参照)、及び該CCDカメラ5を制御するための撮像ユニット6(6A)とを備える。モニタTV1(1A)はテーブル2(2A)の上に載置されており、対話者3(3A)はこのモニタTV1から距離L(m)離れて置かれた高さ調整機構40(40A)を備えた椅子4(4A)に座っている。この距離L(LA)は0.5m以上5m以下に設定される。撮影される対話者3及びモニタTV1間には、外径φ20mm以下,長さ約100mmの円筒状の超小型CCDカメラ5が設けられている。また、このCCDカメラ5はその撮像方向が撮影される対話者3に向けられるよう設置されている。そしてカメラ5で撮像された対話者3の映像は、画像情報として撮像ユニット6から他方の対話者側に伝送される(伝送手段27を介してB地点の端末装置20Bに伝送される)。なお、対話者によっては表示部21と該対話者間の間隔が若干ずれる可能性もある。したがって、このような状況にも対処すべく、CCDカメラ5は焦点深度の深いものを選択するのが好ましい。
【0033】
次に、超小型CCDカメラ5の具体的な設置位置を図3を用いて説明する。
【0034】
まず、撮像装置600の撮像ユニット6は伝送されてきた他方の対話者の映像を表示するための表示部21上に設置される。この撮像ユニット6本体にはカメラ5によって撮影された対話者自身の映像(カメラケーブル50を介して撮像ユニット6に取り込まれる)の表示と、伝送されてきた他方の対話者3Bの映像の表示を切り換えるための、切り換えスイッチ6aの他、種々の調節用スイッチ6bが設けられている。なお、スイッチ210はモニタTV1の電源をオン/オフする電源スイッチ等を含む。CCDカメラ5は、伝送されてきた他方の対話者3Bの像9が表示されるモニタ画面8の前方の所定位置に支持機構10(ロボット・アーム)によって設置される。なお、このモニタ画面8は4インチ程度であれば十分に利用できる。
【0035】
具体的には、CCDカメラ5はモニタ画面8から前方w(cm)の位置であって、該モニタ画面8に表示された対話者像9の頭部9a付近に配置される。円筒状CCDカメラ5の中心軸は、点線で示す対話者像9の目の位置の上方h(cm)の部位に位置している。
【0036】
このように超小型のCCDカメラ5は、大型モニタTV1の画面8に表示された対話者像9の目の位置より上の頭部付近に位置しているため、双方向対話に特別な支障は生じない。例えば、CCDカメラ5が画面8に表示された対話者像9の目の位置(図中、点線で示す位置)の上方h=約10(cm)に設けられ、モニタTV1および対話者3間の距離Lが約2.5(m)に設定されているシステム構成の場合、視差角は2.3°で十分検知限界の視差角3°を下回ることが可能である(モニタ画面8とCCDカメラ5の間隔wが10(cm)程度ある場合でも、視差角の変動には特に影響はない)。つまり、視線一致時に相手の目(モニタ画面8に表示された他方の対話者3Bの像の目)がはっきりと見えれば、その頭部辺りに超小型のカメラ5が設けてあっても、モニタTV1の画面8が大型であれば、双方向対話に支障はほとんどないことが確認されている。この画面8の大きさは、実験の結果、横35cm,縦26cm程度以上の大きさがあれば良好な双方向対話が実現できることも確認されている。なお、相互の対話者が知人同志であれば、画面の大きさは小さくとも心理的な障害も少ない傾向を示す結果も得られており、画面サイズに関しては用途に応じて使いわけるとよい。
【0037】
さらに、視差角について、図4を用いて説明する。この明細書において、視差角とは、図4に示されたように、モニタ画面8に表示された対話者像9へ向けられた、撮影される対話者3の視線と、CCDカメラ5へ向けられた、該対話者3の視線とがなす角度θを言う。換言すれば、対話者3の視線に対するCCDカメラ5の設置位置のずれ角を意味している。また、ここでいう視線一致とは、昭和42年電気四学会連合大会(No.1998)で報告されているように、CCDカメラ5の設置位置による不自然さの許容限界以下を意味している。定量的には、視差角として、左右方向4.5°以下(対話者像9の目の中心Aに対し、該像9の両こめかみ側),真上方向12°(像中心Aに対し、像9の頭部9b側),真下方向8°(像中心Aに対し、像9の胴体側)以下を視線一致範囲内としている。もちろん、この視差角は小さい方が良く、左右上下方向3°以下が検知限界とされている。したがって、CCDカメラ5が設置可能な領域は、図5に示された円錐領域である。なお、この円錐領域は、対話者3の目30とモニタ画面8に表示された対話者像9の中心点A(この実施形態では、対話者像9の両目の中心を該対話者像9の中心点Aとして定義している)とを結ぶ該対話者3の視線31に対し、所定距離L(m)離れた時のモニタ画面8上の視線一致領域9b、及び、該対話者3の目30の位置とで規定される。
【0038】
なお、モニタ画面8上に表示される対話者像9のサイズが小さい場合には、必ずしも該CCDカメラ5と対話者像9の頭部が重なっている必要はない。むしろ対話者9の頭部がCCDカメラ5に隠れてしまい見にくくなる。上述のように視線一致の条件は視差角3°の領域内にCCDカメラ5と対話者像9の目が存在することであり、具体的に画面から50cm離れた位置で約3cm程度(図3におけるh)である。したがって、この範囲内であればCCDカメラ5と対話者像9の頭部をずらしても視線一致状態は維持される。この対話者像9とCCDカメラ5をずらすには、例えばモニタ画面8上における画像表示位置を調節したり、CCDカメラ5の支持部を調節してCCDカメラ5自体の位置を変更することにより実現される。
【0039】
図6は、この発明に係る端末装置の概略構成を示す図である。この端末装置は、モニタ等の表示部21(図2に示された双方向対話型システムにおける表示部21A、21Bに相当)と、映像処理部26(図2に示された双方向対話型システムにおける映像処理装置26A、26Bに相当)と、外部記録装置700と、マウス等のポインティングデバイス900と、表示部21の前方に位置する対話者を撮像するCCDカメラ5等の撮像部及び撮像ユニット6からなる撮像装置600、会議参加者の音声を出力するための音源コントローラ920、スピーカー910とを備える。上記映像処理部26は、撮像手段に含まれる撮像ユニット6からの画像情報や他の情報メディアの取り込みや伝送手段27を介して相手側対話者の画像情報の送受信を行うためのデータ入出力部261(図中、I/O)と、制御部263、送受信される画像情報の他、予め対話者自身が用意した文字データ、映像データ等を格納しておくためのデータベース262(図中、D/B)、表示部21へ制御手段263の指示に従って所定のパターンを表示させる描画部264と、マウス等のポインティングデバイス900からの位置情報の取り込みや外部記録装置700とのデータ授受を可能にするデータ入出力部265(図中、I/O)とを備える。なお、外部記録装置700は、例えば磁気テープ、CD、光ディスク、ハードディスク、DVD、フラッシュメモリ等の記録媒体を含む。この記録媒体には、この発明に係るデータ配信方法を実行するコンピュータプログラムが格納されてもよい。
【0040】
なお、当該端末装置がサーバ200として機能する場合、上記制御部263が通信制御手段として機能し、管理テーブル250は、D/B262に格納される。
【0041】
以下、図1に示されたテレビ会議システムによるデータ配信方法の具体例として、遠隔地間で行われるカウンセリングに関する研修会を例に説明する。なお、各参加者の端末装置間の構成は図2に示された双方向対話型システムと同様である。
【0042】
このテレビ会議は、カウンセラ(報告者)が自分のカウンセリング状況をスーパーバイザに語り、該スーパーバイザから指導を受けるケースである。この場合、他のカウンセラ(観察者)も参考のためテレビ会議に参加し、自分の順番がくると、同様に自分のカウンセリング状況を報告し、スーパーバイザからアドバイスを受ける。したがって、このようなテレビ会議では、サーバ200において、報告者となるカウンセラ及びスーパーバイザが対話者モードに区分され、自分の順番を待っている他のカウンセラが観察者モードに区分され、それぞれ管理テーブル250に記録される。
【0043】
まず、報告者とスーパーバイザとの間では、視線一致状況での報告及び指導が、感情、思考の円滑な交流が増大するので好ましい。図7(a)及び図7(b)は、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各会議参加者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【0044】
すなわち、報告者であるカウンセラには、図7(a)に示されたように、スーパーバイザの映像800aがCCDカメラ5に重ねてモニタ画面8上に表示される一方、スーパーバイザにも、図7(b)に示されたように、モニタ画面8上に報告者の映像800bがCCDカメラ5に重なるよう表示されることにより、該報告者とスーパーバイザとの間で視線一致状態が確立される。なお、報告者及びスーパーバイザの各端末装置は、図6の構造と同様の構造を備える。また、図7(a)及び図7(b)に示されたように、各端末装置には、報告者及びスーパーバイザの各音声を出力するためのスピーカー910a、910bが設けられており、各端末装置のモニタ画面8上には、対話中にコメント入力、対話者の切替え、配信情報の公開/非公開を指示するためのボタン・キャラクター850が表示されている。また、対話者モードに区分される会議参加者は3人以上であってもよく、各会議参加者の選択により複数人の映像がモニタ画面8上に表示されてもよい。
【0045】
一方、観察者モードに区分された他のカウンセラの端末装置におけるモニタ画面8上には、カウンセラが報告しているとき、図8(a)に示されたように、報告しているカウンセラ(対話者モード)の映像800cが表示されるとともにスーパーバイザ(対話者モード)の音声がスピーカー910a、910bから出力される。この映像及び音声の異なる情報メディアは、一旦サーバ200において編集されて、観察者モードに区分された各カウンセラの端末に配信される。これにより、カウンセラが報告中にスーパーバイザが質問しても、観察者モードに区分された他のカウンセラがその質問ないようを知ることができ、カウンセラ及びスーパーバイザ間の観察に違和感が生じない。
【0046】
なお、観察モードに区分された他のカウンセラにモニタ表示される情報としては、各カウンセラの選択により、例えば、報告者であるカウンセラ及びスーパーバイザ双方の映像又は静止画像が表示されるとともに、音声が出力されてもよい(図8(b)参照)。また、図8(c)に示されたように、対話中のカウンセラの映像とともに、コメント入力用のウィンドウ810が表示されてもよい。図8(a)〜(c)は、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。なお、各会議参加者の端末装置におけるモニタ画面8上には、自分がどの参加モードであるかを示すパターンを表示するようにしてもよい。
【0047】
続いて、カウンセラからの報告が終了し、スーパーバイザからのアドバイスを受ける状況に対話が進行すると、観察者モードに区分された他のカウンセラに提示されるモニタ画面8上には、報告者であるカウンセラの映像に代えてスーパーバイザの映像が表示される一方、該報告者であるカウンセラの音声がスピーカー910a、910bから出力される。
【0048】
そして、スーパーバイザからの指導が一通り終了した時点で、送信されてきたコメント情報を、該カウンセラ及びスーパーバイザの少なくともいずれかが読み、必要なコメント情報に対して回答コメントを返信する。このとき、送受信されるコメント情報は、匿名での送受信を可能にしても、記名式にしてもよい。匿名の場合、観察者モードに区分された各カウンセラにも公開されるのが対話進行に有効である。また、観察者モードに区分された他のカウンセラの一人が対話に参加割り込みしたいとき、あるいは情報提供したいときは、サーバ200において報告者であるカウンセラあるいはスーパーバイザのいずれかと割り込み要求したカウンセラの参加モードが切替えられることにより、対話者モードに区分される参加者を入れ替えることができる。なお、参加者各自は配信される情報メディアを選択することができるので、割り込み要求したカウンセラが音声のみの情報配信を選択する場合には、各参加者の参加モードを切替えることなく、報告者であるカウンセラとスーパーバイザとの双方向対話に音声のみ参加してもよい。
【0049】
上述のようなテレビ会議において、対話者モードに区分された参加者間での一対一の双方向対話では、対話者間での情報配信の遅れは、0.3秒以下に抑えられるのが好ましいが、観察者モードに区分された参加者への情報配信はサーバ200側で情報編集が行われるため、1〜5秒程度の配信遅れが生じる。しかしながら、この程度の配信遅れが生じても直接対話を行っている対話者モードに区分される参加者への配信ではないので致命的なシステム障害にはならない。質問受付や参加モードの切替えタイミングに若干の支障をきたすが、実用上許容され得る遅延であると考えられる。特に、特定対話者間での遠隔地対話中に送信されるコメント情報の送信サービス(送信されてきたコメント情報に対して返信機能を有する)は、配信遅延を克服する上で、またテレビ会議自体を効率的に進行させる上できわめて有効である。
【0050】
上述のようなテレビ会議システムは、100人〜1000人程度の参加者を相手に対話が可能になるため、質問を一人あたり2件に制限したり、質問設定時間を一人3分に制限することにより、偏った人による質問や対話を予めソフト的にコントロールしてもよい。送信されるコメント情報は、音声メール機能によって送信されてもよく、この場合、キーボード入力やペン入力など対応する入力作業が不要になる。また、送信者側が、送信されたコメント情報の修正や削除が行えれるのが好ましい。さらに、送信される各コメント情報には受け付け番号が付加されて返信されると、会議における匿名性(受け付け番号で指名する場合)が向上するなど好ましい。
【0051】
次に、この発明に係るテレビ会議システムにおける参加モードの切替え動作について説明する。なお、図9(a)は、参加モードの切替え前のデータ配信状況を示す、図9(b)は、参加モード切替え後のデータ配信状況を示す。
【0052】
まず、図9(a)に示されたデータ配信状況は、参加者3Aと参加者3Bとが視線一致した状態で双方向対話を行っている一方、他の参加者3Cがこの「双方対話を観察している状況である。このとき、サーバ200は、各参加者3A、3Bに対して、それぞれ相手側参加者(対話者)の映像及び音声を配信する一方、他の参加者3C(n1、n2、…、ni)に対し、各自が選択した情報メディアによる配信情報を一旦編集し、参加者3Cそれぞれに編集後の情報を配信している。この配信情報は、例えば、音声のみ、文字と音声の組み合わせ、静止画と音声の組み合わせなどに制限できる。なお、サーバ200では、管理テーブルにおいて各参加者の参加モードが管理されている。具体的には、参加者3A、3Bが対話者モードに区分されるとともに、参加者3Cが観察者モードに区分された状態で、管理テーブル250に記録されている。
【0053】
上述のようなデータ配信状況において、観察者モードに区分された参加者niがサーバ20に対してモード切替え要求S1を送信すると(図9(a)参照)、サーバ200は、管理テーブル250の内容を更新する。すなわち、サーバ200は、対話者モードに区分された参加者3Bを観察者モードに変更する一方、観察者モードに区分された参観者niを対話者モードに更新する。サーバ200は、このように更新された管理テーブル250の内容にしたがって、新たに対話者モードに区分された参加者niと参加者3Aに対して、それぞれ相手側参加者(対話者)の映像及び音声を配信する。一方、サーバ00は、新たに観察者モードに区分された参加者3Bとともに他の参加者n1、n2に対し、各自が選択した情報メディアによる配信情報を一旦編集し、編集後の情報をそれぞれ配信する(図9(b)参照)。
【0054】
次に、図1に示されたテレビ会議システムによるデータ配信方法の具体例として、遠隔地間で行われる外国語会話の学習を例に説明する。なお、各参加者の端末装置間の構成は図2に示された双方向対話型システムと同様である。
【0055】
このテレビ会議は、教師が生徒一人一人に質問等を順次行うケースである。この場合、教師と対話していない生徒は自分の順番がくると、同様に教師との間で対話を行う。したがって、このようなテレビ会議では、サーバ200において、教師及び該教師と対話する生徒が対話者モードに区分され、自分の順番を待っている他の生徒が観察者モードに区分され、それぞれ管理テーブル250に記録される。
【0056】
教師及び生徒それぞれの端末装置は、教師及び生徒の一対一の双方向対話において視線一致するよう表示部の前方にCCDカメラが配置されている。図10(a)及び図10(b)は、多人数で行われる外国語会話の学習に適用されたデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。なお、このような外国語会話の遠隔地学習では、教師及び生徒間において、音声メディアは全ての端末装置間において双方向モードで配信される。
【0057】
すなわち、教師Bの端末装置には、図10(a)に示されたように、一対一の双方向対話を行う生徒Aの映像800fがCCDカメラ5に重ねてモニタ画面8上に表示される一方、生徒Aの端末装置にも、図10(b)に示されたように、モニタ画面8上に教師の映像800gがCCDカメラ5に重なるよう表示されることにより、該生徒Aと教師Bとの間で視線一致状態が確立される。なお、生徒及び教師の各端末装置は、図6の構造と同様の構造を備える。また、図10(a)及び図10(b)に示されたように、各端末装置には、教師及び生徒の各音声を出力するためのスピーカー910a、910bが設けられており、各端末装置のモニタ画面8上には、対話中にコメント入力、対話者の切替え、配信情報の公開/非公開を指示するためのボタン・キャラクター850が表示されている。また、対話者モードに区分される端末利用者は教師及び複数の生徒であってもよく、各生徒の選択により複数人の映像がモニタ画面8上に表示されてもよい。なお、教師B(対話者モード)に提示されるモニタ画面8上(図10(a)参照)には、教師Bと視線一致状態で対話する生徒A(対話者モード)の映像ウィンドウ800fが表示される他、教師B自身や他の生徒n1、n2、ni(観察者モード)の映像を表示するウィンドウ820も表示されている。また、これらウィンドウ800f、820内には、同時に音量モニタ821が表示されるのが特に外国語学習においては有効である。音量モニタを見ることにより誰が話しかけているかを確認することができるからである。ウィンドウ820に表示される情報は、各生徒の静止画であってもよく、生徒の名前であってもよい。特に、生徒数が多い場合には、ウィンドウ820に全生徒の名前を表示し、生徒の出欠情報がモニタ画面8上に表示されれば、教師Bが生徒全体の参加状況を把握する上で好ましい。
【0058】
一方、教師B(対話者モード)と対話する生徒A(対話者モード)に提示されるモニタ画面8上には、視線一致した状態の教師Bの映像ウィンドウ800gが表示されるとともに、生徒A自身の他、他の生徒(観察モード)の映像、静止画像、あるいは名前がウィンドウ820内に表示される。なお、この生徒Aに提示されるモニタ画面8に表示されるウィンドウ800g、820内にも教師B及び各生徒A、n1、n2、niそれぞれ発する音声レベルを示すための音量モニタが表示される。なお、教師との間で一対一の遠隔地対話を行う生徒Aに提示されるモニタ画面8上には、教師及び生徒Aの各映像を表示するウィンドウは、生徒A自身に自分が対話者モードである旨通知できるように、モード表示するのが好ましい(図10(b)では、教師Bの映像をウィンドウ800g及び生徒Aの映像ウィンドウ920の外枠が強調表示さている)。
【0059】
観察者モードに区分された他の生徒n1、n2、niの端末装置におけるモニタ画面8上には、教師Bと生徒Aが対話を行っている間、図11に示されたように、生徒A(対話者モード)の映像ウィンドウ820aが表示されるとともに教師B(対話者モード)の映像ウィンドウ820bがともに表示されるとともに音声がスピーカー910a、910bから出力される。この映像及び音声の異なる情報メディアは、一旦サーバ200において編集されて、観察者モードに区分された各生徒n1、n2、niの端末装置に配信される。なお、観察モードに区分された他の生徒n1、n2、niにモニタ表示される情報としては、教師Bの選択あるいは各生徒n1、n2、niの選択により、例えば、教師Bだけの映像や教師B及び生徒A双方の映像又は静止画像が表示されるとともに、音声が出力されてもよい。また、モニタ画面8上には対話中の教師B及び生徒Aの映像とともに、コメント入力用のウィンドウ810が表示されてもよい。また、観察モードに区分された他の生徒n1、n2、niにモニタ表示される情報として、図12に示されたように、観察者モードに区分された利用者からの質問が合った旨、各利用者に通知するよう質問マークを表示してもよい。この場合、質問マークの表示は返答や対話切替をやりやすくするという効果がある。なお、図12において、教師B以外の利用者の表示ウィンドウは静止画像であっても、各利用者の名前のみの表示であってもよい。少なくとも利用者Aの表示ウィンドウがアクティブ表示されていれば、他の利用者は現在教師が誰と話しているかを、容易に確認することができる。
【0060】
そして、教師Bと生徒Aとの対話が一通り終了した時点で、送信されてきたコメント情報を、該教師Bが読み、必要なコメント情報に対して回答コメントを返信する。このとき、送受信されるコメント情報は、匿名での送受信を可能にしても、記名式にしてもよい。匿名の場合、観察者モードに区分された各カウンセラにも公開されるのが対話進行に有効である。また、観察者モードに区分された他の生徒n1、n2、ni一人が対話に参加割り込みしたいとき、あるいは教師Bがこれら生徒n1、n2、niのいずれかと対話を開始したい場合には、サーバ200において対話者モードの生徒Aと割り込み要求したあるいは教師Bが指定した生徒niの参加モードが切替えられることにより、対話者モードに区分される生徒を入れ替えることができる。なお、教師Bが次に対話する生徒niを指定する場合、生徒niが表示されたウィンドウ820あるいは該生徒niの名前をクリックすることにより、サーバ200が自動的に管理テーブル250の海洋を更新してもよい。また、各端末装置間は少なくとも音声メディアに関して双方向モードになっているため、観察モードの生徒であっても参加モードを切替えることなく、教師B及び生徒Aとの双方向対話に音声のみ参加することは可能である。
【0061】
上述のようなテレビ会議において、対話者モードに区分された教師Bと生徒A間での一対一の双方向対話では、対話者間での情報配信の遅れは、0.3秒以下に抑えられるのが好ましいが、観察者モードに区分された参加者への情報配信はサーバ200側で情報編集が行われるため、1〜5秒程度の配信遅れが生じる。しかしながら、この程度の配信遅れが生じても対話している対話者モードに区分される教師B及び生徒A参加者への配信ではないので致命的なシステム障害にはならない。質問受付や参加モードの切替えタイミングに若干の支障をきたすが、実用上許容され得る遅延であると考えられる。特に、特定対話者間での遠隔地対話中に送信されるコメント情報の送信サービス(送信されてきたコメント情報に対して返信機能を有する)は、配信遅延を克服する上で、またテレビ会議自体を効率的に進行させる上できわめて有効である。
【0062】
上述のように外国語学習等に適用されたなテレビ会議システムは、100人〜1000人程度の参加者を相手に対話が可能になるため、質問を一人あたり2件に制限したり、質問設定時間を一人3分に制限することにより、偏った人による質問や対話を予めソフト的にコントロールしてもよい。送信されるコメント情報は、音声メール機能によって送信されてもよく、この場合、キーボード入力やペン入力など対応する入力作業が不要になる。また、送信者側が、送信されたコメント情報の修正や削除が行えれるのが好ましい。さらに、送信される各コメント情報には受け付け番号が付加されて返信されると、会議における匿名性(受け付け番号で指名する場合)が向上するなど好ましい。また、当該テレビ会議システムは遠隔通訳にも適用可能である。日本人が海外のスーパーバイザからスーパービジョンを受けるとき、どうしても言語間の障害があったが、観察者に通訳を配置することにより両者間のコミュニケーションを円滑に連結させることができる。この場合、通訳者の顔の表示は必ずしも必要ではなく、音声データのみが伝送できるようにしておけばよい。また、複数の通訳者で遠隔通訳を行う場合、ドイツ語から英語、さらに英語から日本語へと行われるリレー通訳においては、特定の観察者同士の音声通信又は顔などの画像データを含めた通信ができるようにしておくのも好適である。さらに、当該テレビ会議システムは通訳者養成に適用されてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、会議参加者の参加モードを管理テーブルにより管理し、対話者モードに区分された各利用者の端末装置と観察者モードに区分された各利用者の端末装置とで通信負荷の異なるデータがそれぞれ配信されるので、多人数による遠隔地対話においても、現状の通信インフラの能力を最大限利用して会議参加者の情報開示範囲を尊重した形式でスムーズな対話進行を可能にするという効果がある。特に、当該システムは、遠隔グループカウンセリング、遠隔グループスーパービジョン、遠隔グループ学習、遠隔通訳などに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るテレビ会議システムの概略構成を示す図である。
【図2】遠隔地間において伝送手段を介して視線一致を実現する双方向対話型システムの一構成を示す図である。
【図3】図2に示された撮像装置を示す正面図及び側面図であって、それぞれ視線一致のためのCCDカメラの設置方法を説明するための図である。
【図4】視差角を説明するための図である。
【図5】CCDカメラが設置されるべき領域を示す図である。
【図6】この発明に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図8】この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図9】この発明に係るテレビ会議システムにおける参加モード切替え動作を説明するための図である。
【図10】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図11】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例(その1)を説明するための図である。
【図12】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例(その2)を説明するための図である。
【符号の説明】
8…モニタ画面、21(21A、21B)…表示部、3(3A、3B)…対話者A、B、5(5A、5B)…CCDカメラ、6(6A、6B)…撮像ユニット、600(600A、600B)…撮像装置、26(26A、26B)…映像処理装置、200…サーバ、250…管理テーブル、262…D/B、263…制御部、810、820…マーク(マーキング手段)、900…マウス(ポインティング・デバイス)、910…スピーカ、920…音源コントローラ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の伝送手段で接続された複数端末装置間で複数種類のメディアによるデータ送受信を行うテレビ会議システム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、英語会話等の外国語学習やカウンセリングなどの伝送手段を介した遠隔地間で、テキストデータや映像データを送受信する遠隔地対話を実現する双方向対話型システムが構築されている。このような遠隔地対話では、単にテキストデータや相手側対話者像のやり取りのみならず、対話者同士が表示される相手側対話者像を介して間接的に視線一致した状態でより親密な対話環境を実現するシステムとして、例えば特許第3074677号には、視線一致した状態での遠隔地対話を可能にする双方向対話型システムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、従来の双方向対話型システムについて検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、従来の遠隔地対話を実現する双方向対話型システムは1対1の双方向対話に適した構成であり、複数の端末装置それぞれを介して多人数の利用者が同時に参加する多点接続型のテレビ会議システムへの適用において、各参加者が一律に対話情報を共有する構成では対話進行がスムーズに行えなかった。具体的に、従来の双方向対話型システムを利用した研修会、遠隔地学習等のテレビ会議では、参加者が例えば10人〜20人と増えると、リアルタイムでの対話者像等の対話情報の配信が、現状の通信インフラでは画像処理能力や伝送能力の制約を超えてしまうため、多点接続型のテレビ会議システムを利用した多人数によるリアルタイムの遠隔地対話を現実するのは困難であった。また、会議参加者の対話に関する情報開示度にも差があることが判明した。なお、ここで言う「対話に関する情報」とは、対話者の音声や画像だけでなく、対話に関連するテキスト、絵図、出席の有無、音響情報(BGM)など、あらゆる出力情報を意味する。
【0004】
この発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、会議参加者への情報開示の選択権付与によるスムーズな対話進行を可能にするための構造を備えたテレビ会議システム、該テレビ会議システムに含まれる端末装置、データ配信方法、該データ配信方法を実行するコンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るテレビ会議システムは、所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して、顔画像、音声、文字、スライド、音響、音楽等の複数種類のメディアによるデータ送受信が行われる多点接続型の双方向対話型システムを含み、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、スムーズな対話進行を可能にする構造を備える。
【0006】
具体的に、この発明に係るテレビ会議システムは、会議参加者の参加モードを管理するための管理テーブルと、各参加者ごとに配信する情報を編集する通信制御手段とを備える。上記管理テーブルは、会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する。上記通信制御手段は、対話者モードに区分された各利用者の端末装置に対して双方向対話に必要な情報をリアルタイムで配信する一方、対話者モードに区分された利用者間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアは、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者が選択してもよい。
【0007】
この発明に係るテレビ会議システムは、多人数による会議では、一般に、会議の進行に合わせて変わる議題ごとに2、3人が直接対話に参加し、他の参加者は対話自体には直接関与していないという多人数会議の特色に着目してなされたものである。時々刻々変化する議題ごとに対話に直接参加する端末利用者と、対話を観察している端末利用者とで、送信負荷の異なるデータを配信することにより(会議参加者ごとに公開情報の選択権が付与されている)、現状の通信インフラの能力を最大限利用して多地点間での遠隔地対話を実現する。
【0008】
なお、上記通信制御手段は、上記管理テーブルで管理されているモード情報を、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求に従って、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分することが可能である。この構成により、時々刻々変化する議題に合わせて直接対話を行う対話者間でのデータ通信を現実の会議進行と同様に実現する。
【0009】
また、上記通信制御手段は、観察者モードに区分された利用者の端末装置から送信されたコメント情報を受信し、対話者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報を配信してもよい。このとき、上記通信制御手段は、対話者モードに区分された利用者によって行われる、観察者モードに区分された利用者からのコメント情報の公開/非公開の指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ該コメント情報を配信する。上記通信制御手段は、利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報、質問要求、対話切替要求を少なくとも含む対話関連情報を配信してもよく、この対話関連情報には、さらに、該コメント情報の送信回数及び対話残存時間を含んでもよい。
【0010】
上述のような構造を備えたテレビ会議システムは、複数の端末装置を含むが、上記通信制御手段は、所定の伝送手段上にデータ配信用として別途用意されたコンピュータを含むサーバであっても、各利用者の端末装置のいずれかが通信制御手段として機能してもよい。特に、この発明に係る端末装置は、豊かな感情伝達や認識のため、少なくとも対話者モードに区分された利用者間における遠隔地対話において視線一致するための構造を備えるのが好ましい。この場合、当該テレビ会議システムに含まれる端末装置のうち少なくともいずれかは、会議参加者のうち少なくとも対話者モードに区分された相手側利用者の映像を表示する表示部と、該表示部前方に位置する利用者を撮像するCCDカメラ等の撮像部とを備えるのが好ましく、該撮像部は、表示部に表示された相手側利用者像を介して該利用者と相手側利用者とが視線一致可能になる位置に配置される(相手側利用者像の一部と重なった状態で表示部の前に配置)。
【0011】
次に、この発明に係るデータ配信方法は、上述のように、所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信が行われる通信システムに適したデータ配信方法である。
【0012】
具体的に、この発明に係るデータ配信方法は、複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理し、対話者モードに区分された利用者間での対話情報のうち選択されたメディアによる対話情報を編集し、該編集された情報を該各観察者モードに区分された利用者の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアの選択は、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者が個別に選択してもよい。なお、会議参加者は予め登録されているのが好ましい。
【0013】
この発明に係るデータ配信方法において、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求が発生した場合は、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該モード切替え要求を行った利用者を対話者モードに再区分してもよい。また、観察者モードに区分された利用者の端末装置から送対話に関連したコメント情報は送信された場合、対話者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報を配信してもよい。このとき、送信されたコメント情報は、対話者モードに区分された利用者によって行われる該コメント情報の公開/非公開の指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ配信される。
【0014】
さらに、この発明に係るデータ配信方法において、利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報を少なくとも含む対話関連情報が配信されてもよい。なお、この対話関連情報は、コメント情報の送信回数及び対話残存時間が含まれてもよい。
【0015】
上述のようなデータ配信方法は、コンピュータ等で実行されるプログラムであってもよく、この場合、当該プログラムは、有線、無線を問わずネットワークを介して配信されてもよく、また、上記サーバや端末装置で管理されるCD、DVD、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るテレビ会議システム、端末装置、データ配信方法等の各実施形態を、図1〜図12を用いて詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一部位には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、この発明に係るテレビ会議システムの概略構成を示す図である。
【0018】
通常、多人数で行われる会議における対話状況を観察すると、議題ごとに直接対話を行う参加者が入れ替わり、会議参加者全員が必ずしも全ての議題に関して直接対話を行っていないことが容易に確認できる。また、特殊な実施形態としては、例えば、複数の生徒と教師間での授業のように、時々刻々一対一の対話状況(教師が複数の生徒のうち個別に生徒Aとの間で問答を行う状態)が変化するケースや、カウンセリング実習のように、予めカウンセリング実習生の中から選抜されたカウンセラ役とクライアント役との間で一対一の遠隔地対話が行いながら、他のカウンセリング実習生あるいはスーパーバイザーがその実習風景を観察するケースなど、予め直接対話に参加する人とその対話自体を観察する人とに必然的に区分される会議形態も知られている。他には、カウンセリングのスーパービジョンを他のカウンセラが参加し学習するケースや、遠隔グループカウンセリングにおいて1人のクライアントの悩みをカウンセラがカウンセリングする際、他の同様の悩みを持つクライアントが参加、観察するケース、そして、言語の異なる人々が対話する場合の遠隔通訳、複数の異なる言語間を順次翻訳していく遠隔リレー翻訳など、幅広い用途がある。この発明に係るテレビ会議システムは、このような多人数による会議特有の各参加者の対話状況の違い(参加モードの違い)を利用し、参加モードの違う参加者ごとに最適な情報が提供されるよう配信される情報メディアを変えることにより、通信インフラの負荷を低減し、多人数で行われるテレビ会議においてスムーズな遠隔地対話を実現する。
【0019】
具体的に、この発明に係るテレビ会議システムは、図1に示されたように、所定の伝送手段27で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディア、例えば端末利用者の映像、音声、スライド画像、テキストデータ、あるいはこれらの合成データなどによるデータ送受信が行われる多点接続型の双方向対話型システムを含み、複数の端末装置を介して行われる多人数による遠隔地対話においても、スムーズな対話進行を可能にする構造を備える。
【0020】
この発明に係るテレビ会議システムは、上述のように参加者ごとに異なる情報を配信する通信制御手段としてコンピュータを含むサーバ200を備える。このサーバ200は、情報を会議参加者の参加モードを管理するための管理テーブル250と、通信制御を行うプロセッサ251と、この発明に係るデータ配信方法等を実行するコンピュータプログラムが格納された記録媒体252を備える。特に、管理テーブル250は、例えば会議参加者として予め登録された、複数の端末装置それぞれの利用者3A〜3Cを、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する。図1において、3A及び3Bは、直接対話を行う対話者モードに区分された端末利用者であり、3Cは、観察者モードに区分された端末利用者である。
【0021】
上記サーバ200は、通信制御手段として、対話者モードに区分された各利用者3A、3Bの端末装置に対して双方向対話に必要な情報を配信することによりスムーズな遠隔地対話を実現する。一方、サーバ200は、対話者モードに区分された利用者3A、3B間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を観察者モードに区分された各利用者3C(n1、n2、…、ni)の端末装置へ配信する。なお、編集される情報メディアは、予めあるいは会議進行中に観察者モードに区分された各利用者n1、n2、…、niが選択してもよい。
【0022】
このように、当該テレビ会議システムは、多人数による会議では、一般に、会議の進行に合わせて変わる議題ごとに2、3人が直接対話に参加し、他の参加者は対話自体には直接関与していないという多人数会議の特色に着目してなされたものであり、時々刻々変化する議題ごとに対話に直接参加する端末利用者と、対話を観察している端末利用者とで、送信負荷の異なるデータを配信することにより、現状の通信インフラの能力を最大限利用して多地点間での遠隔地対話を実現する。
【0023】
上記サーバ200は、管理テーブル250で管理されているモード情報を、対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え要求に従って、対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分する。これにより、時々刻々偏かする議題に合致した利用者間での遠隔地対話を現実の会議進行と同様に可能になる。
【0024】
なお、上述のような構造を備えたテレビ会議システムは会議参加者が利用する複数の端末装置を含むが、上記通信制御手段は、上述のように所定の伝送手段27上にデータ配信用として別途用意されたサーバ200であっても、各利用者の端末装置のいずれかであってもよい。
【0025】
この発明に係るテレビ会議システム及びデータ配信方法は、所定の伝送手段を介して接続された端末装置間での遠隔地対話を実現する、例えば米国特許第6,137,526号や第6,005,604号に記載された双方向対話型システムが適応可能であり、特に、特定利用者間での視線一致を可能にする多点接続型の双方向対話型システムに適している。
【0026】
まず、ここでは、当該テレビ会議システムに適用される双方向対話型システムについて説明する。なお、この双方向対話型システムは、視線一致した状態での一対一を基本とした遠隔地対話を実現するシステムであるが、対話者間で視線一致できない構成であって単にテキストデータや画像データの送受信が可能な双方向対話型システムにも適応可能である。
【0027】
図2は、遠隔地に居る対話者間の視線一致を可能にする双方向対話型システム全体を示す論理構成図である。このシステムは、A地点(第1地点)にいる対話者3A(第1対話者)とB地点(第2地点)にいる対話者3B(第2対話者)との間で双方向対話を実現するシステムである。特に、このシステムは遠隔地にいる対話者間でも親密な信頼関係を確立し綿密なコミュニケーションを実現するカウンセリング・システムや家庭学習を志向したシステムであるので、少なくとも一方の対話者として、教師、医師、心理学者などのカウンセラを想定している。したがって、このシステムはこれらカウンセラがカウンセリングを行うために必要な情報、及び理想的なカウンセリング環境を提供できるよう種々の機能及び構成を備える。また、遠隔グループカウンセリング、遠隔グループスーパービジョン、遠隔通訳、広くは遠隔グループ学習にも適用可能である。
【0028】
具体的には、A地点において、(a)対話者3A(例えはカウンセラ)が座る椅子4A(高さ調節機構40Aを有する)と、(b)対話者3Aが向かうテーブル2Aと、(c)伝送手段27を介して対話者間の視線を一致させるための機構を備えた端末装置20Aとが設置され、対話者3Aはパーティション22Aによって隔離されている。一方、B地点には、(a)対話者3B(例えばカウンセリングを受けるクライアント)が座る椅子4B(高さ調節機構40Bを有する)と、(b)対話者3Bが向かうテーブル2Bと、(c)伝送手段27を介して対話者間の視線を一致させるための機構を備えた端末装置20Bとが設置され、対話者3Bはパーティション22Bにより隔離されている。ここで、伝送手段27は、A地点の端末装置20AとB地点の端末装置20Bとの間で画像情報及び音声情報の送受信を可能にするため、光ファイバ伝送路31(主伝送路)及び衛星通信伝送路32(バックアップ用伝送路)等を含む。なお、この伝送手段27は有線、無線のいずれであってもよい。また、伝送手段は、既に敷設された電話回線網等のネットワークを含み、さらに種々のデータベースを備えた電子掲示板システム(BBS: Bulletin Board System)も含む。
【0029】
A地点において、上述の椅子4Aは対話者3Aの位置を規定するために機能する。この椅子4Aは端末装置20Aの表示部21Aとの距離を一定に保つために固定されるのが好ましい。しかし、該椅子4Aが固定されていない場合であっても、テーブル2Aを対話者3Aと表示部21Aに設置することによりこの椅子4Aと表示部21Aとの距離を一定に保つことが可能になる(テーブル2Aの存在が対話者3Aの心理的な距離の基準となる事実が確認されている)。なお、相手側の対話者3B(例えば、カウンセリングを受ける者等)がいるB地点の端末装置20Bの構成も同様である。
【0030】
A地点において、端末装置20Aは、(1)B地点の端末装置20Bから伝送手段27を介して伝送されてきた画像情報に基づいて対話者3Bの映像などを表示する、テーブル2Aの上に配置された、モニタTV1Aを備えた表示部21Aと、(2)CCDカメラ5Aで撮像された対話者3Aの映像を画像情報として取り込み、B地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための撮像ユニット6Aと、(3)B地点の端末装置20Bから伝送手段27を介して伝送されてきた音声情報に基づいて対話者3Bの音声を出力するための音声出力部23A(スピーカ)と、(4)対話者3Aの音声を音声情報として集音し、B地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための音声入力部24A(マイク)を備える。さらに、このシステムはカウンセリング・システムとしてより綿密なコミュニケーションを実現するため、(5)対話者3Aが文字や図形を入力し、入力された文字や図形を表示部21Aに表示するとともに、文字図形情報としてB地点の端末装置20Bへ向けて伝送するための文字図形入力部25A(キーボード、ポインティング・デバイス、タッチパネルなどのインターフェース)と、(6)上記各構成要素と伝送手段27との間に設けられ、信号処理、伝送制御及び映像データの編集作業等を行う映像処理装置26A(制御部含む)とを備える。なお、B地点の端末装置20Bも、上述したA地点の端末装置20Aと同様に構成されており、具体的には、表示部21B、CCDカメラ5Bと撮像ユニット6Bからなる撮像装置600B、音声出力部23B、音声入力部24B、文字図形入力部25B、及び映像処理装置26Bを備える。
【0031】
さらに、A地点及びB地点の端末装置20A、20Bにおいて、撮像装置600A、600B(撮像手段)の構成を説明する。なお、説明の都合上、A地点及びB地点の各端末装置20A、20Bに共通する構成要素について言及する場合には、例えば撮像装置600のように、各地点を区別する文字A、Bを省略して説明する。また、特に説明がされていない場合には、原則としてA地点の端末装置20Aについて説明しているものとして、共通する構成を有するB地点の端末装置20Bについては重複する説明は省略する。
【0032】
この撮像装置600は、撮像部である超小型CCDカメラ5(5A)、該CCDカメラ5を支持した状態で所定位置に設置するための支持機構10(図3参照)、及び該CCDカメラ5を制御するための撮像ユニット6(6A)とを備える。モニタTV1(1A)はテーブル2(2A)の上に載置されており、対話者3(3A)はこのモニタTV1から距離L(m)離れて置かれた高さ調整機構40(40A)を備えた椅子4(4A)に座っている。この距離L(LA)は0.5m以上5m以下に設定される。撮影される対話者3及びモニタTV1間には、外径φ20mm以下,長さ約100mmの円筒状の超小型CCDカメラ5が設けられている。また、このCCDカメラ5はその撮像方向が撮影される対話者3に向けられるよう設置されている。そしてカメラ5で撮像された対話者3の映像は、画像情報として撮像ユニット6から他方の対話者側に伝送される(伝送手段27を介してB地点の端末装置20Bに伝送される)。なお、対話者によっては表示部21と該対話者間の間隔が若干ずれる可能性もある。したがって、このような状況にも対処すべく、CCDカメラ5は焦点深度の深いものを選択するのが好ましい。
【0033】
次に、超小型CCDカメラ5の具体的な設置位置を図3を用いて説明する。
【0034】
まず、撮像装置600の撮像ユニット6は伝送されてきた他方の対話者の映像を表示するための表示部21上に設置される。この撮像ユニット6本体にはカメラ5によって撮影された対話者自身の映像(カメラケーブル50を介して撮像ユニット6に取り込まれる)の表示と、伝送されてきた他方の対話者3Bの映像の表示を切り換えるための、切り換えスイッチ6aの他、種々の調節用スイッチ6bが設けられている。なお、スイッチ210はモニタTV1の電源をオン/オフする電源スイッチ等を含む。CCDカメラ5は、伝送されてきた他方の対話者3Bの像9が表示されるモニタ画面8の前方の所定位置に支持機構10(ロボット・アーム)によって設置される。なお、このモニタ画面8は4インチ程度であれば十分に利用できる。
【0035】
具体的には、CCDカメラ5はモニタ画面8から前方w(cm)の位置であって、該モニタ画面8に表示された対話者像9の頭部9a付近に配置される。円筒状CCDカメラ5の中心軸は、点線で示す対話者像9の目の位置の上方h(cm)の部位に位置している。
【0036】
このように超小型のCCDカメラ5は、大型モニタTV1の画面8に表示された対話者像9の目の位置より上の頭部付近に位置しているため、双方向対話に特別な支障は生じない。例えば、CCDカメラ5が画面8に表示された対話者像9の目の位置(図中、点線で示す位置)の上方h=約10(cm)に設けられ、モニタTV1および対話者3間の距離Lが約2.5(m)に設定されているシステム構成の場合、視差角は2.3°で十分検知限界の視差角3°を下回ることが可能である(モニタ画面8とCCDカメラ5の間隔wが10(cm)程度ある場合でも、視差角の変動には特に影響はない)。つまり、視線一致時に相手の目(モニタ画面8に表示された他方の対話者3Bの像の目)がはっきりと見えれば、その頭部辺りに超小型のカメラ5が設けてあっても、モニタTV1の画面8が大型であれば、双方向対話に支障はほとんどないことが確認されている。この画面8の大きさは、実験の結果、横35cm,縦26cm程度以上の大きさがあれば良好な双方向対話が実現できることも確認されている。なお、相互の対話者が知人同志であれば、画面の大きさは小さくとも心理的な障害も少ない傾向を示す結果も得られており、画面サイズに関しては用途に応じて使いわけるとよい。
【0037】
さらに、視差角について、図4を用いて説明する。この明細書において、視差角とは、図4に示されたように、モニタ画面8に表示された対話者像9へ向けられた、撮影される対話者3の視線と、CCDカメラ5へ向けられた、該対話者3の視線とがなす角度θを言う。換言すれば、対話者3の視線に対するCCDカメラ5の設置位置のずれ角を意味している。また、ここでいう視線一致とは、昭和42年電気四学会連合大会(No.1998)で報告されているように、CCDカメラ5の設置位置による不自然さの許容限界以下を意味している。定量的には、視差角として、左右方向4.5°以下(対話者像9の目の中心Aに対し、該像9の両こめかみ側),真上方向12°(像中心Aに対し、像9の頭部9b側),真下方向8°(像中心Aに対し、像9の胴体側)以下を視線一致範囲内としている。もちろん、この視差角は小さい方が良く、左右上下方向3°以下が検知限界とされている。したがって、CCDカメラ5が設置可能な領域は、図5に示された円錐領域である。なお、この円錐領域は、対話者3の目30とモニタ画面8に表示された対話者像9の中心点A(この実施形態では、対話者像9の両目の中心を該対話者像9の中心点Aとして定義している)とを結ぶ該対話者3の視線31に対し、所定距離L(m)離れた時のモニタ画面8上の視線一致領域9b、及び、該対話者3の目30の位置とで規定される。
【0038】
なお、モニタ画面8上に表示される対話者像9のサイズが小さい場合には、必ずしも該CCDカメラ5と対話者像9の頭部が重なっている必要はない。むしろ対話者9の頭部がCCDカメラ5に隠れてしまい見にくくなる。上述のように視線一致の条件は視差角3°の領域内にCCDカメラ5と対話者像9の目が存在することであり、具体的に画面から50cm離れた位置で約3cm程度(図3におけるh)である。したがって、この範囲内であればCCDカメラ5と対話者像9の頭部をずらしても視線一致状態は維持される。この対話者像9とCCDカメラ5をずらすには、例えばモニタ画面8上における画像表示位置を調節したり、CCDカメラ5の支持部を調節してCCDカメラ5自体の位置を変更することにより実現される。
【0039】
図6は、この発明に係る端末装置の概略構成を示す図である。この端末装置は、モニタ等の表示部21(図2に示された双方向対話型システムにおける表示部21A、21Bに相当)と、映像処理部26(図2に示された双方向対話型システムにおける映像処理装置26A、26Bに相当)と、外部記録装置700と、マウス等のポインティングデバイス900と、表示部21の前方に位置する対話者を撮像するCCDカメラ5等の撮像部及び撮像ユニット6からなる撮像装置600、会議参加者の音声を出力するための音源コントローラ920、スピーカー910とを備える。上記映像処理部26は、撮像手段に含まれる撮像ユニット6からの画像情報や他の情報メディアの取り込みや伝送手段27を介して相手側対話者の画像情報の送受信を行うためのデータ入出力部261(図中、I/O)と、制御部263、送受信される画像情報の他、予め対話者自身が用意した文字データ、映像データ等を格納しておくためのデータベース262(図中、D/B)、表示部21へ制御手段263の指示に従って所定のパターンを表示させる描画部264と、マウス等のポインティングデバイス900からの位置情報の取り込みや外部記録装置700とのデータ授受を可能にするデータ入出力部265(図中、I/O)とを備える。なお、外部記録装置700は、例えば磁気テープ、CD、光ディスク、ハードディスク、DVD、フラッシュメモリ等の記録媒体を含む。この記録媒体には、この発明に係るデータ配信方法を実行するコンピュータプログラムが格納されてもよい。
【0040】
なお、当該端末装置がサーバ200として機能する場合、上記制御部263が通信制御手段として機能し、管理テーブル250は、D/B262に格納される。
【0041】
以下、図1に示されたテレビ会議システムによるデータ配信方法の具体例として、遠隔地間で行われるカウンセリングに関する研修会を例に説明する。なお、各参加者の端末装置間の構成は図2に示された双方向対話型システムと同様である。
【0042】
このテレビ会議は、カウンセラ(報告者)が自分のカウンセリング状況をスーパーバイザに語り、該スーパーバイザから指導を受けるケースである。この場合、他のカウンセラ(観察者)も参考のためテレビ会議に参加し、自分の順番がくると、同様に自分のカウンセリング状況を報告し、スーパーバイザからアドバイスを受ける。したがって、このようなテレビ会議では、サーバ200において、報告者となるカウンセラ及びスーパーバイザが対話者モードに区分され、自分の順番を待っている他のカウンセラが観察者モードに区分され、それぞれ管理テーブル250に記録される。
【0043】
まず、報告者とスーパーバイザとの間では、視線一致状況での報告及び指導が、感情、思考の円滑な交流が増大するので好ましい。図7(a)及び図7(b)は、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各会議参加者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【0044】
すなわち、報告者であるカウンセラには、図7(a)に示されたように、スーパーバイザの映像800aがCCDカメラ5に重ねてモニタ画面8上に表示される一方、スーパーバイザにも、図7(b)に示されたように、モニタ画面8上に報告者の映像800bがCCDカメラ5に重なるよう表示されることにより、該報告者とスーパーバイザとの間で視線一致状態が確立される。なお、報告者及びスーパーバイザの各端末装置は、図6の構造と同様の構造を備える。また、図7(a)及び図7(b)に示されたように、各端末装置には、報告者及びスーパーバイザの各音声を出力するためのスピーカー910a、910bが設けられており、各端末装置のモニタ画面8上には、対話中にコメント入力、対話者の切替え、配信情報の公開/非公開を指示するためのボタン・キャラクター850が表示されている。また、対話者モードに区分される会議参加者は3人以上であってもよく、各会議参加者の選択により複数人の映像がモニタ画面8上に表示されてもよい。
【0045】
一方、観察者モードに区分された他のカウンセラの端末装置におけるモニタ画面8上には、カウンセラが報告しているとき、図8(a)に示されたように、報告しているカウンセラ(対話者モード)の映像800cが表示されるとともにスーパーバイザ(対話者モード)の音声がスピーカー910a、910bから出力される。この映像及び音声の異なる情報メディアは、一旦サーバ200において編集されて、観察者モードに区分された各カウンセラの端末に配信される。これにより、カウンセラが報告中にスーパーバイザが質問しても、観察者モードに区分された他のカウンセラがその質問ないようを知ることができ、カウンセラ及びスーパーバイザ間の観察に違和感が生じない。
【0046】
なお、観察モードに区分された他のカウンセラにモニタ表示される情報としては、各カウンセラの選択により、例えば、報告者であるカウンセラ及びスーパーバイザ双方の映像又は静止画像が表示されるとともに、音声が出力されてもよい(図8(b)参照)。また、図8(c)に示されたように、対話中のカウンセラの映像とともに、コメント入力用のウィンドウ810が表示されてもよい。図8(a)〜(c)は、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。なお、各会議参加者の端末装置におけるモニタ画面8上には、自分がどの参加モードであるかを示すパターンを表示するようにしてもよい。
【0047】
続いて、カウンセラからの報告が終了し、スーパーバイザからのアドバイスを受ける状況に対話が進行すると、観察者モードに区分された他のカウンセラに提示されるモニタ画面8上には、報告者であるカウンセラの映像に代えてスーパーバイザの映像が表示される一方、該報告者であるカウンセラの音声がスピーカー910a、910bから出力される。
【0048】
そして、スーパーバイザからの指導が一通り終了した時点で、送信されてきたコメント情報を、該カウンセラ及びスーパーバイザの少なくともいずれかが読み、必要なコメント情報に対して回答コメントを返信する。このとき、送受信されるコメント情報は、匿名での送受信を可能にしても、記名式にしてもよい。匿名の場合、観察者モードに区分された各カウンセラにも公開されるのが対話進行に有効である。また、観察者モードに区分された他のカウンセラの一人が対話に参加割り込みしたいとき、あるいは情報提供したいときは、サーバ200において報告者であるカウンセラあるいはスーパーバイザのいずれかと割り込み要求したカウンセラの参加モードが切替えられることにより、対話者モードに区分される参加者を入れ替えることができる。なお、参加者各自は配信される情報メディアを選択することができるので、割り込み要求したカウンセラが音声のみの情報配信を選択する場合には、各参加者の参加モードを切替えることなく、報告者であるカウンセラとスーパーバイザとの双方向対話に音声のみ参加してもよい。
【0049】
上述のようなテレビ会議において、対話者モードに区分された参加者間での一対一の双方向対話では、対話者間での情報配信の遅れは、0.3秒以下に抑えられるのが好ましいが、観察者モードに区分された参加者への情報配信はサーバ200側で情報編集が行われるため、1〜5秒程度の配信遅れが生じる。しかしながら、この程度の配信遅れが生じても直接対話を行っている対話者モードに区分される参加者への配信ではないので致命的なシステム障害にはならない。質問受付や参加モードの切替えタイミングに若干の支障をきたすが、実用上許容され得る遅延であると考えられる。特に、特定対話者間での遠隔地対話中に送信されるコメント情報の送信サービス(送信されてきたコメント情報に対して返信機能を有する)は、配信遅延を克服する上で、またテレビ会議自体を効率的に進行させる上できわめて有効である。
【0050】
上述のようなテレビ会議システムは、100人〜1000人程度の参加者を相手に対話が可能になるため、質問を一人あたり2件に制限したり、質問設定時間を一人3分に制限することにより、偏った人による質問や対話を予めソフト的にコントロールしてもよい。送信されるコメント情報は、音声メール機能によって送信されてもよく、この場合、キーボード入力やペン入力など対応する入力作業が不要になる。また、送信者側が、送信されたコメント情報の修正や削除が行えれるのが好ましい。さらに、送信される各コメント情報には受け付け番号が付加されて返信されると、会議における匿名性(受け付け番号で指名する場合)が向上するなど好ましい。
【0051】
次に、この発明に係るテレビ会議システムにおける参加モードの切替え動作について説明する。なお、図9(a)は、参加モードの切替え前のデータ配信状況を示す、図9(b)は、参加モード切替え後のデータ配信状況を示す。
【0052】
まず、図9(a)に示されたデータ配信状況は、参加者3Aと参加者3Bとが視線一致した状態で双方向対話を行っている一方、他の参加者3Cがこの「双方対話を観察している状況である。このとき、サーバ200は、各参加者3A、3Bに対して、それぞれ相手側参加者(対話者)の映像及び音声を配信する一方、他の参加者3C(n1、n2、…、ni)に対し、各自が選択した情報メディアによる配信情報を一旦編集し、参加者3Cそれぞれに編集後の情報を配信している。この配信情報は、例えば、音声のみ、文字と音声の組み合わせ、静止画と音声の組み合わせなどに制限できる。なお、サーバ200では、管理テーブルにおいて各参加者の参加モードが管理されている。具体的には、参加者3A、3Bが対話者モードに区分されるとともに、参加者3Cが観察者モードに区分された状態で、管理テーブル250に記録されている。
【0053】
上述のようなデータ配信状況において、観察者モードに区分された参加者niがサーバ20に対してモード切替え要求S1を送信すると(図9(a)参照)、サーバ200は、管理テーブル250の内容を更新する。すなわち、サーバ200は、対話者モードに区分された参加者3Bを観察者モードに変更する一方、観察者モードに区分された参観者niを対話者モードに更新する。サーバ200は、このように更新された管理テーブル250の内容にしたがって、新たに対話者モードに区分された参加者niと参加者3Aに対して、それぞれ相手側参加者(対話者)の映像及び音声を配信する。一方、サーバ00は、新たに観察者モードに区分された参加者3Bとともに他の参加者n1、n2に対し、各自が選択した情報メディアによる配信情報を一旦編集し、編集後の情報をそれぞれ配信する(図9(b)参照)。
【0054】
次に、図1に示されたテレビ会議システムによるデータ配信方法の具体例として、遠隔地間で行われる外国語会話の学習を例に説明する。なお、各参加者の端末装置間の構成は図2に示された双方向対話型システムと同様である。
【0055】
このテレビ会議は、教師が生徒一人一人に質問等を順次行うケースである。この場合、教師と対話していない生徒は自分の順番がくると、同様に教師との間で対話を行う。したがって、このようなテレビ会議では、サーバ200において、教師及び該教師と対話する生徒が対話者モードに区分され、自分の順番を待っている他の生徒が観察者モードに区分され、それぞれ管理テーブル250に記録される。
【0056】
教師及び生徒それぞれの端末装置は、教師及び生徒の一対一の双方向対話において視線一致するよう表示部の前方にCCDカメラが配置されている。図10(a)及び図10(b)は、多人数で行われる外国語会話の学習に適用されたデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。なお、このような外国語会話の遠隔地学習では、教師及び生徒間において、音声メディアは全ての端末装置間において双方向モードで配信される。
【0057】
すなわち、教師Bの端末装置には、図10(a)に示されたように、一対一の双方向対話を行う生徒Aの映像800fがCCDカメラ5に重ねてモニタ画面8上に表示される一方、生徒Aの端末装置にも、図10(b)に示されたように、モニタ画面8上に教師の映像800gがCCDカメラ5に重なるよう表示されることにより、該生徒Aと教師Bとの間で視線一致状態が確立される。なお、生徒及び教師の各端末装置は、図6の構造と同様の構造を備える。また、図10(a)及び図10(b)に示されたように、各端末装置には、教師及び生徒の各音声を出力するためのスピーカー910a、910bが設けられており、各端末装置のモニタ画面8上には、対話中にコメント入力、対話者の切替え、配信情報の公開/非公開を指示するためのボタン・キャラクター850が表示されている。また、対話者モードに区分される端末利用者は教師及び複数の生徒であってもよく、各生徒の選択により複数人の映像がモニタ画面8上に表示されてもよい。なお、教師B(対話者モード)に提示されるモニタ画面8上(図10(a)参照)には、教師Bと視線一致状態で対話する生徒A(対話者モード)の映像ウィンドウ800fが表示される他、教師B自身や他の生徒n1、n2、ni(観察者モード)の映像を表示するウィンドウ820も表示されている。また、これらウィンドウ800f、820内には、同時に音量モニタ821が表示されるのが特に外国語学習においては有効である。音量モニタを見ることにより誰が話しかけているかを確認することができるからである。ウィンドウ820に表示される情報は、各生徒の静止画であってもよく、生徒の名前であってもよい。特に、生徒数が多い場合には、ウィンドウ820に全生徒の名前を表示し、生徒の出欠情報がモニタ画面8上に表示されれば、教師Bが生徒全体の参加状況を把握する上で好ましい。
【0058】
一方、教師B(対話者モード)と対話する生徒A(対話者モード)に提示されるモニタ画面8上には、視線一致した状態の教師Bの映像ウィンドウ800gが表示されるとともに、生徒A自身の他、他の生徒(観察モード)の映像、静止画像、あるいは名前がウィンドウ820内に表示される。なお、この生徒Aに提示されるモニタ画面8に表示されるウィンドウ800g、820内にも教師B及び各生徒A、n1、n2、niそれぞれ発する音声レベルを示すための音量モニタが表示される。なお、教師との間で一対一の遠隔地対話を行う生徒Aに提示されるモニタ画面8上には、教師及び生徒Aの各映像を表示するウィンドウは、生徒A自身に自分が対話者モードである旨通知できるように、モード表示するのが好ましい(図10(b)では、教師Bの映像をウィンドウ800g及び生徒Aの映像ウィンドウ920の外枠が強調表示さている)。
【0059】
観察者モードに区分された他の生徒n1、n2、niの端末装置におけるモニタ画面8上には、教師Bと生徒Aが対話を行っている間、図11に示されたように、生徒A(対話者モード)の映像ウィンドウ820aが表示されるとともに教師B(対話者モード)の映像ウィンドウ820bがともに表示されるとともに音声がスピーカー910a、910bから出力される。この映像及び音声の異なる情報メディアは、一旦サーバ200において編集されて、観察者モードに区分された各生徒n1、n2、niの端末装置に配信される。なお、観察モードに区分された他の生徒n1、n2、niにモニタ表示される情報としては、教師Bの選択あるいは各生徒n1、n2、niの選択により、例えば、教師Bだけの映像や教師B及び生徒A双方の映像又は静止画像が表示されるとともに、音声が出力されてもよい。また、モニタ画面8上には対話中の教師B及び生徒Aの映像とともに、コメント入力用のウィンドウ810が表示されてもよい。また、観察モードに区分された他の生徒n1、n2、niにモニタ表示される情報として、図12に示されたように、観察者モードに区分された利用者からの質問が合った旨、各利用者に通知するよう質問マークを表示してもよい。この場合、質問マークの表示は返答や対話切替をやりやすくするという効果がある。なお、図12において、教師B以外の利用者の表示ウィンドウは静止画像であっても、各利用者の名前のみの表示であってもよい。少なくとも利用者Aの表示ウィンドウがアクティブ表示されていれば、他の利用者は現在教師が誰と話しているかを、容易に確認することができる。
【0060】
そして、教師Bと生徒Aとの対話が一通り終了した時点で、送信されてきたコメント情報を、該教師Bが読み、必要なコメント情報に対して回答コメントを返信する。このとき、送受信されるコメント情報は、匿名での送受信を可能にしても、記名式にしてもよい。匿名の場合、観察者モードに区分された各カウンセラにも公開されるのが対話進行に有効である。また、観察者モードに区分された他の生徒n1、n2、ni一人が対話に参加割り込みしたいとき、あるいは教師Bがこれら生徒n1、n2、niのいずれかと対話を開始したい場合には、サーバ200において対話者モードの生徒Aと割り込み要求したあるいは教師Bが指定した生徒niの参加モードが切替えられることにより、対話者モードに区分される生徒を入れ替えることができる。なお、教師Bが次に対話する生徒niを指定する場合、生徒niが表示されたウィンドウ820あるいは該生徒niの名前をクリックすることにより、サーバ200が自動的に管理テーブル250の海洋を更新してもよい。また、各端末装置間は少なくとも音声メディアに関して双方向モードになっているため、観察モードの生徒であっても参加モードを切替えることなく、教師B及び生徒Aとの双方向対話に音声のみ参加することは可能である。
【0061】
上述のようなテレビ会議において、対話者モードに区分された教師Bと生徒A間での一対一の双方向対話では、対話者間での情報配信の遅れは、0.3秒以下に抑えられるのが好ましいが、観察者モードに区分された参加者への情報配信はサーバ200側で情報編集が行われるため、1〜5秒程度の配信遅れが生じる。しかしながら、この程度の配信遅れが生じても対話している対話者モードに区分される教師B及び生徒A参加者への配信ではないので致命的なシステム障害にはならない。質問受付や参加モードの切替えタイミングに若干の支障をきたすが、実用上許容され得る遅延であると考えられる。特に、特定対話者間での遠隔地対話中に送信されるコメント情報の送信サービス(送信されてきたコメント情報に対して返信機能を有する)は、配信遅延を克服する上で、またテレビ会議自体を効率的に進行させる上できわめて有効である。
【0062】
上述のように外国語学習等に適用されたなテレビ会議システムは、100人〜1000人程度の参加者を相手に対話が可能になるため、質問を一人あたり2件に制限したり、質問設定時間を一人3分に制限することにより、偏った人による質問や対話を予めソフト的にコントロールしてもよい。送信されるコメント情報は、音声メール機能によって送信されてもよく、この場合、キーボード入力やペン入力など対応する入力作業が不要になる。また、送信者側が、送信されたコメント情報の修正や削除が行えれるのが好ましい。さらに、送信される各コメント情報には受け付け番号が付加されて返信されると、会議における匿名性(受け付け番号で指名する場合)が向上するなど好ましい。また、当該テレビ会議システムは遠隔通訳にも適用可能である。日本人が海外のスーパーバイザからスーパービジョンを受けるとき、どうしても言語間の障害があったが、観察者に通訳を配置することにより両者間のコミュニケーションを円滑に連結させることができる。この場合、通訳者の顔の表示は必ずしも必要ではなく、音声データのみが伝送できるようにしておけばよい。また、複数の通訳者で遠隔通訳を行う場合、ドイツ語から英語、さらに英語から日本語へと行われるリレー通訳においては、特定の観察者同士の音声通信又は顔などの画像データを含めた通信ができるようにしておくのも好適である。さらに、当該テレビ会議システムは通訳者養成に適用されてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、会議参加者の参加モードを管理テーブルにより管理し、対話者モードに区分された各利用者の端末装置と観察者モードに区分された各利用者の端末装置とで通信負荷の異なるデータがそれぞれ配信されるので、多人数による遠隔地対話においても、現状の通信インフラの能力を最大限利用して会議参加者の情報開示範囲を尊重した形式でスムーズな対話進行を可能にするという効果がある。特に、当該システムは、遠隔グループカウンセリング、遠隔グループスーパービジョン、遠隔グループ学習、遠隔通訳などに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るテレビ会議システムの概略構成を示す図である。
【図2】遠隔地間において伝送手段を介して視線一致を実現する双方向対話型システムの一構成を示す図である。
【図3】図2に示された撮像装置を示す正面図及び側面図であって、それぞれ視線一致のためのCCDカメラの設置方法を説明するための図である。
【図4】視差角を説明するための図である。
【図5】CCDカメラが設置されるべき領域を示す図である。
【図6】この発明に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図8】この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図9】この発明に係るテレビ会議システムにおける参加モード切替え動作を説明するための図である。
【図10】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、対話者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例を説明するための図である。
【図11】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例(その1)を説明するための図である。
【図12】多人数で行われる外国語会話の学習に適用された、この発明に係るテレビ会議システムで行われるデータ配信方法(この発明に係るデータ配信方法)として、観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信される情報メディアの一例(その2)を説明するための図である。
【符号の説明】
8…モニタ画面、21(21A、21B)…表示部、3(3A、3B)…対話者A、B、5(5A、5B)…CCDカメラ、6(6A、6B)…撮像ユニット、600(600A、600B)…撮像装置、26(26A、26B)…映像処理装置、200…サーバ、250…管理テーブル、262…D/B、263…制御部、810、820…マーク(マーキング手段)、900…マウス(ポインティング・デバイス)、910…スピーカ、920…音源コントローラ。
Claims (19)
- 所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信が行われるテレビ会議システムであって、
前記複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する管理テーブルと、
前記対話者モードに区分された各利用者の端末装置に対して双方向対話に必要な情報をリアルタイムで配信する一方、前記対話者モードに区分された利用者間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を前記観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信する通信制御手段とを備えたテレビ会議システム。 - 前記通信制御手段は、前記管理テーブルで管理されているモード情報を、前記対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え指示又は要求に従って、前記対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分する一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分することを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システム。
- 前記通信制御手段は、観察者モードに区分された利用者の端末に配信される編集情報を、前記対話者モード又は観察者モードに区分された利用者が選択したメディアによる対話関連情報で構成することを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システム。
- 前記通信制御手段は、前記観察者モードに区分された利用者の端末装置から送信された、信号、文字、音声及び画像の少なくともいずれかを含むコメント情報を受信し、前記対話者モード及び観察者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報を配信することを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システム。
- 前記通信制御手段は、前記対話者モードに区分された利用者によって行われる、前記観察者モードに区分された利用者からのコメント情報の公開指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ該コメント情報を配信することを特徴とする請求項4記載のテレビ会議システム。
- 前記通信制御手段は、利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報を少なくとも含む対話関連情報を配信することを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システム。
- 前記通信制御手段は、会議参加者の各端末装置に対し、コメント情報の送信回数及び対話残存時間を少なくとも含む対話関連情報を配信することを特徴とする請求項4記載のテレビ会議システム。
- 請求項1記載のテレビ会議システムに含まれる端末装置。
- 請求項1記載のテレビ会議システムに適用される端末装置であって、
会議参加者として予め登録された、全端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理する管理テーブルと、
前記対話者モードに区分された各利用者の端末装置に対して双方向対話に必要な情報をリアルタイムで配信する一方、前記対話者モードに区分された利用者間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、該編集された情報を前記観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信する制御部を備えた端末装置。 - 会議参加者のうち少なくとも対話者モードに区分された相手側利用者の映像を表示する表示部と、
前記表示部前方に位置する利用者を撮像する撮像部であって、該表示部に表示された相手側利用者像を介して該利用者と相手側利用者とが視線一致可能になる位置に配置された撮像部をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の端末装置。 - 所定の伝送手段で接続された複数の端末装置を介して複数種類のメディアによるデータ送受信が行われる通信システムにおけるデータ配信方法であって、
前記複数の端末装置それぞれの利用者を、特定議題の進行を中心的に行う対話者モードと該対話者以外の観察者モードに区分した状態で管理し、
前記対話者モードに区分された各利用者の端末装置に対して双方向対話に必要な情報をリアルタイムで配信する一方、前記対話者モードに区分された利用者間での対話に関連する情報のうち選択されたメディアによる情報を配信情報として別途編集し、
前記編集された情報を前記観察者モードに区分された各利用者の端末装置へ配信するデータ配信方法。 - 前記管理テーブルで管理されているモード情報は、前記対話者モードあるいは観察者モードに区分された利用者からのモード切替え指示又は要求に従って、前記対話者モードに区分された利用者のいずれかを観察者モードに再区分される一方、該観察者モードに区分された利用者を対話者モードに再区分されることを特徴とする請求項11記載のデータ配信方法。
- 前記対話者モードに区分された利用者のいずれかは、前記対話者モード又は観察者モードに区分された利用者からのモード切替え指示又は要求に従って観察者モードに再区分される一方、該モード切替え指示又は要求を行った利用者は、対話者モードに再区分されることを特徴とする請求項11記載のデータ配信方法。
- 前記観察者モードに区分された利用者の端末装置から送信された、信号、文字、音声及び画像の少なくともいずれかを含むコメント情報が受信され、前記対話者モード及び観察者モードに区分された利用者のうち送信先である利用者の端末装置に対し、該コメント情報が配信されることを特徴尾鶴請求項11記載のデータ配信方法。
- 前記対話者モードに区分された利用者によって行われる、前記観察者モードに区分された利用者からのコメント情報の公開指示に従って、観察者モードに区分された他の利用者の端末装置へ該コメント情報が配信されることを特徴とする請求項14記載のデータ配信方法。
- 前記利用者の各端末装置に対し、現在の対話者を特定する情報及び観察者の出欠情報が配信されることを特徴とする請求項11記載のデータ配信方法。
- 前記会議参加者の各端末装置に対し、コメント情報の送信回数及び対話残存時間を少なくとも含む対話関連情報が配信されることを特徴とする請求項14記載のデータ配信方法。
- コンピュータにより請求項11記載のデータ配信方法を実行するコンピュータプログラム。
- コンピュータにより請求項11記載のデータ配信方法を実行するコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
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