以下に、本発明に係る会議中継装置、会議システム及びコンピュータプログラムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の会議システムの構成例を示す模式図である。本発明の会議システム100は、複数の端末装置(通信装置)2,2…と、端末装置2,2…の一部又は全部の間で行なわれる会議通信を中継する会議サーバ(会議中継装置)1とを備える。なお、図1では、会議サーバ1は、破線の閉曲線でそれぞれ囲まれる3つの端末装置2,2,2間でそれぞれ行なわれている会議1と会議2とをそれぞれ独立して中継している。
端末装置2,2…及び会議サーバ1は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等のIP(Internet Protocol)ネットワーク100aを介して相互に接続されている。また、端末装置2,2…及び会議サーバ1は、IPネットワーク100aを介して、例えば、H.323、T.120、SIP(Session Initiation Protocol)、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って、音声信号及び映像信号を含む各種の信号の送受信を行なう。なお、端末装置2,2…及び会議サーバ1は、これらの通信プロトコルを適宜組み合わせて利用してもよい。
本実施形態の会議システム100では、端末装置2,2…及び会議サーバ1は、IPネットワーク100aを介して相互に接続されている。しかし、例えば、端末装置2,2…のそれぞれは接続されておらず、端末装置2,2…のそれぞれが会議サーバ1と1対1通信を行なうように接続されていてもよい。また、1つの端末装置2が会議サーバ1の機能を備え、この端末装置2を親機とし、他の端末装置2(子機)のそれぞれを親機と1対1通信できるように接続してもよい。
なお、本実施形態の会議システム100では、同一の会議通信に参加する端末装置2,2…は全て同一の部屋に設置されているものとする。即ち、例えば、同一の会議に参加する参加者の人数分の端末装置2,2が同一の部屋に用意されており、各参加者はそれぞれ1つの端末装置2,2を用いて会議に参加する。そして、参加者は、自身が使用する端末装置2,2に会議資料を表示させつつ、議長又は発話者の説明を聞き、会議に参加する。なお、端末装置2,2…は必ずしも同一の部屋に設置されている必要はなく、離れた拠点に設置されていてもよい。この場合、本実施形態の会議システム100は、離れた拠点間での遠隔会議に用いることができる。
以下に、本実施形態の会議システム100に用いられる端末装置2について説明する。図2は端末装置2の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の端末装置2は、制御部20、記憶部21、認証要求部22、入力処理部23、通信部24、信号処理部25、入力音声処理部26、出力音声処理部27、表示処理部28等を備える。制御部20、記憶部21、認証要求部22、入力処理部23、通信部24及び信号処理部25は、バスを介して相互に接続されている。また、入力音声処理部26、出力音声処理部27及び表示処理部28はそれぞれ信号処理部25に接続されている。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等であり、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部21に格納されている制御プログラムを適宜実行する。記憶部21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部21は、端末装置2を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部20による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ、自身の端末装置2に割り当てられた端末ID及びIPアドレス等を記憶する。なお、記憶部21は、制御プログラムとして、例えば、会議サーバ1を介したテレビ会議を実行するためのテレビ会議実行処理プログラム、会議サーバ1を含む外部装置で保持されている共有ドキュメントを閲覧するためのドキュメント閲覧処理プログラム等を記憶している。
認証要求部22は、会議システム100が提供する会議通信に端末装置2を用いて参加したい参加者が正当な参加者であるかの認証を会議サーバ1に要求する。具体的には、操作部34を介してユーザID及びパスワードが入力された場合、認証要求部22は、入力されたユーザID及びパスワードを通信部24から会議サーバ1へ送信し、会議サーバ1に認証を要求する。また、認証要求部22は、会議サーバ1からの認証結果を通信部24を介して取得し、取得した認証結果を制御部20へ通知する。
入力処理部23は、操作部34に接続されており、操作部34を介してユーザが入力した各種の情報を取得する。操作部34は、例えば、マウス、キーボード、タブレット等であり、ユーザが端末装置2を操作するために必要な各種のボタンを備える。入力処理部23は、ユーザが操作部34を介して入力した各種の情報を制御部20へ送出し、制御部20は、入力処理部23から取得した情報に応じた処理を実行する。
通信部24は、IPネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、IPネットワーク100aを介して会議サーバ1との間で情報の送受信を行なう。
入力音声処理部26は、マイクロホン31に接続されている。入力音声処理部26は、例えば、A/D(アナログ/デジタル)変換器を備え、マイクロホン31が集音したアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、信号処理部25へ出力する。信号処理部25は、音声信号を符号化する音声符号化部を備え、入力音声処理部26から取得した音声信号を符号化する。なお、信号処理部25によって符号化された音声信号は、例えば、通信部24へ転送され、通信部24を介して会議サーバ1へ送信される。これにより、端末装置2のマイクロホン31によって集音された音声情報は、会議サーバ1へ送信される。なお、音声符号化部は、例えば、G.711、G.722、G.728、G.729、MPEG(Moving Picture Experts Group)−4 AAC(Advanced Audio Coding)等の規格に従った符号化処理を行なう。
信号処理部25は、符号化された音声信号を復号する音声復号部を備える。なお、通信部24は、IPネットワーク100aを介して会議サーバ1から符号化された音声信号を受信しており、信号処理部25は、通信部24から取得した符号化された音声信号を復号する。なお、音声復号部は、音声符号化部が行なう符号化処理の規格と同一の規格に従った復号処理を行なう。信号処理部25は、通信部24から取得して復号した音声信号を出力音声処理部27へ出力する。出力音声処理部27は、スピーカ32に接続されている。出力音声処理部27は、例えば、D/A(デジタル/アナログ)変換器を備え、信号処理部25から取得したデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換し、スピーカ32へ出力する。これにより、会議サーバ1から受信した音声信号に基づく音声がスピーカ32から出力される。
また、信号処理部25は、符号化された映像信号を復号する映像復号部を備える。なお、通信部24は、IPネットワーク100aを介して会議サーバ1から符号化された映像信号を受信しており、信号処理部25は、通信部24から取得した符号化された映像信号を復号する。なお、映像復号部は、例えば、H.261、H.263、H.264等の規格に従った復号処理を行なう。信号処理部25は、通信部24から取得して復号した映像信号を表示処理部28へ出力する。表示処理部28は、ディスプレイ33に接続されており、信号処理部25から取得した映像信号をディスプレイ33へ出力する。これにより、会議サーバ1から受信した映像信号に基づく映像がディスプレイ33に表示される。なお、ディスプレイ33は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置である。
なお、上述したように、マイクロホン31、スピーカ32、ディスプレイ33及び操作部34は、端末装置2の本体とは別体に構成されてもよいし、全てが一体に構成されてもよい。また、ディスプレイ33及び操作部34は、タッチパネル又はタブレットによって構成されてもよい。
また、本実施形態では、会議に参加する参加者は同一の部屋で端末装置2,2を操作する構成であるので、各端末装置2,2を使用する各参加者の顔を撮影して、端末装置2,2間で送受信する必要はない。しかし、会議システム100を遠隔会議に用いる場合、端末装置2,2が離れた拠点に設置されることになる。従って、端末装置2,2にカメラを接続し、端末装置2,2の内部に、カメラによって撮影して得られた映像信号を処理する映像処理部を備えてもよい。なお、映像処理部は、例えば、カメラによって撮影して得られた映像信号を符号化する映像符号化部であり、映像符号化部は、例えば、H.261、H.263、H.264等の規格に従った符号化処理を行なう。
なお、本実施形態では、会議に参加する参加者は同一の部屋で端末装置2,2を操作する構成であるので、全ての参加者が所定範囲内にいるような会議では、発話者が発した音声を直接聞くことが可能である。従って、このような会議に会議システム100を用いる場合、端末装置2,2にマイクロホン31及びスピーカ32を備える必要はない。
以下に、本実施形態の会議システム100に用いられる会議サーバ1について説明する。図3は会議サーバ1の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の会議サーバ1は、制御部10、記憶部11、認証部12、通信部13等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部10は、CPU、MPU等であり、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部11に格納されている制御プログラムを適宜実行する。
記憶部11は、HDD等の大容量の記憶装置である。記憶部11は、会議サーバ1を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶する。また、記憶部11は、IPネットワーク100aを介して共有(公開)されている会議資料データ、図4(a)に示すようなユーザ情報テーブル11a、図4(b)に示すような予約状況管理テーブル11b、図4(c)に示すような端末・ユーザ管理テーブル11c、図5に示すような開催状況管理テーブル11d等を記憶する。
会議資料データは、ドキュメントデータ、画像データ等であり、IPネットワーク100aを介して端末装置2,2…が閲覧可能に公開されている。なお、会議資料データは、特定のユーザにのみ公開されているデータであってもよい。この場合、会議サーバ1は、各会議資料データの閲覧を許可されたユーザのユーザ情報(ユーザID)を保持しておき、IPネットワーク100aを介して閲覧要求してきたユーザが、予めユーザ情報を保持しているユーザであれば閲覧を許可する。なお、記憶部11に記憶されている各テーブルの詳細な構成については後述する。
認証部12は、端末装置2の操作部34を介して入力され、端末装置2の認証要求部22から送信されたユーザID及びパスワードを通信部13を介して取得する。認証部12は、取得したユーザID及びパスワードが、後述のユーザ情報テーブル11aに既に登録されているか否かに基づいて、このユーザ(参加者)が会議システム100の利用を許可された正当な参加者であるかを認証する。認証部12は、取得したユーザID及びパスワードがユーザ情報テーブル11aに登録されていれば、正当な参加者であると判断し、登録されていなければ、正当な参加者ではないと判断する。認証部12は、取得したユーザID及び認証結果を、ユーザID及びパスワードを送信してきた端末装置2へ返信する。
通信部13は、IPネットワーク100aに接続するためのインタフェースであり、IPネットワーク100aを介して会議サーバ1との間で情報の送受信を行なう。
図4は記憶部11に記憶されているテーブルの格納内容を示す模式図である。なお、図4(a)はユーザ情報テーブル11aの格納内容を、図4(b)は予約状況管理テーブル11bの格納内容を、図4(c)は端末・ユーザ管理テーブル11cの格納内容をそれぞれ示す。図5は開催状況管理テーブル11dの格納内容を示す模式図である。
図4(a)に示すように、ユーザ情報テーブル11aには、会議サーバ1によって提供される会議システム100の利用が可能なユーザに関するユーザ情報が格納される。ユーザ情報は、例えば、各ユーザに予め割り当てられたユーザID、各ユーザによって予め登録されたパスワード等を含む。なお、ユーザ情報は、各ユーザを識別し、各ユーザが適正であるか否かを認証するための情報であればよい。また、ユーザ情報は、各ユーザの氏名、所属、役職等を含んでもよい。ユーザ情報テーブル11aの格納内容は、会議システム100の利用が可能なユーザのユーザ情報が追加、変更又は削除される都度、制御部10によって登録、更新又は削除される。なお、ユーザ情報は、会議サーバ1の操作部(図示せず)、会議サーバ1とIPネットワーク100aを介して接続された端末装置2又はその他の通信装置の操作部34を介して会議サーバ1に入力される。このようなユーザ情報テーブル11aによって、会議サーバ1は、会議システム100の利用が可能なユーザを管理できる。
図4(b)に示すように、予約状況管理テーブル11bには、会議システム100によって開催される会議(会議通信)の予約情報が格納される。予約情報は、予約された会議に割り当てられた会議ID、会議の予約を行なったユーザ(登録者)のユーザID(登録者ID)、会議の開催日時、会議に参加するユーザ(参加者)のユーザID(参加者ID)等を含む。予約状況管理テーブル11bの格納内容は、会議システム100の利用が可能なユーザが会議の開催を予約又は予約をキャンセルする都度、制御部10によって登録又は削除される。また、予約状況管理テーブル11bに格納された予約情報は、登録者が予約内容を変更する都度、制御部10によって更新される。なお、予約情報も、会議サーバ1、端末装置2又はその他の通信装置の操作部を介して会議サーバ1に入力される。このような予約状況管理テーブル11bによって、会議サーバ1は、予約された会議の内容を管理できる。
図4(c)に示すように、端末・ユーザ管理テーブル11cには、端末装置2,2に割り当てられた端末IDに対応付けて、各端末装置2,2を使用中のユーザのユーザIDが格納される。端末・ユーザ管理テーブル11cには、会議システム100に利用される端末装置2,2に割り当てられている端末IDが予め格納されている。なお、端末・ユーザ管理テーブル11cの端末IDは、会議システム100に利用される端末装置2,2のうちで起動している端末装置2,2の端末IDであってもよい。また、端末・ユーザ管理テーブル11cのユーザIDは、会議システム100を利用するためにユーザが端末装置2を使用して会議サーバ1にログインした場合に、制御部10によって、端末装置2の端末IDに対応させて格納される。また、端末・ユーザ管理テーブル11cのユーザIDは、会議システム100を利用しているユーザが会議サーバ1からログアウトした場合に、制御部10によって削除される。このような端末・ユーザ管理テーブル11cによって、会議サーバ1は、会議システム100を利用するユーザがいずれの端末装置2を使用しているかを管理できる。
図5に示すように、開催状況管理テーブル11dには、会議システム100によって実際に開催されている会議(会議通信)に割り当てられた会議IDに、会議に参加中のユーザ(参加者)に関する参加者情報が対応付けて格納される。参加者情報は、会議の参加者のユーザID(参加者ID)、各参加者が使用中の端末装置2の端末ID、各参加者が閲覧中の会議資料を示す閲覧情報、密談フラグ、密談グループID等を含む。密談フラグは、各参加者が他の参加者と密談(密談通信)を行なっているか否かを示すフラグであり、1は密談を行なっていることを示し、0は密談を行なっていないことを示す。
なお、本実施形態の会議システム100では、会議サーバ1を介して複数の端末装置2,2…間で会議通信中に、一部の端末装置2,2…間で密談通信(部分会議通信)が可能に構成されている。密談通信は、音声信号は送受信せず、例えば、各参加者が手書き入力した筆跡、テキスト作成ソフトウェアを用いて作成されたテキスト、図形作成ソフトウェアを用いて作成された図形、端末装置2で表示可能な各種のドキュメント等の情報を送受信する。このような密談通信によって、全ての参加者が同一の部屋にいる状況であっても、密談に参加していない者に知られることなく、相談(筆談)を行なうことができる。なお、端末装置2,2…間で行なわれる密談通信も、会議サーバ1によって中継される。
また、本実施形態の会議システム100では、1つの端末装置2(1人の参加者)は1つの密談通信にのみ参加可能であるが、密談を行ないたい複数のグループは各別に密談通信を行なうことができる。従って、開催状況管理テーブル11dの密談グループIDは、密談通信を行なっているグループを示す情報である。図5では、参加者IDがA及びGの参加者が密談を行なっており、参加者IDがD,E及びIの参加者が密談を行なっている状況を示している。
開催状況管理テーブル11dの参加者情報は、予約情報に登録されている登録者及び参加者のいずれかが会議に参加するために会議サーバ1にログインしてきた場合に、制御部10によって、会議IDに対応付けて登録される。また、最初にログインした参加者の参加者情報が開催状況管理テーブル11dに登録された後は、各参加者が会議サーバ1にログインする都度、各参加者の参加者情報が順次追加して格納される。なお、各参加者(登録者も含む)が会議サーバ1にログインしてきた時点では、各参加者の参加者ID及び端末IDのみが開催状況管理テーブル11dに格納される。また、各参加者が会議サーバ1にログインしてきた時点では、各参加者の密談フラグは0に設定され、各参観者の閲覧情報及び密談グループIDには何も格納されない。
開催状況管理テーブル11dの閲覧情報は、会議サーバ1が各参加者(端末装置2)からの要求に応じて会議資料データを提供する都度、制御部10によって更新される。また、開催状況管理テーブル11dの密談フラグ及び密談グループIDは、会議サーバ1が各参加者(端末装置2)から密談通信の開始を要求され、また、要求された密談通信を開始する都度、制御部10によって更新される。このような開催状況管理テーブル11dによって、会議サーバ1は、開催中の会議の状況を管理できる。具体的には、会議サーバ1は、会議の参加者、各参加者が閲覧中の会議資料、いずれの参加者間で密談が行なわれているか等を管理できる。なお、会議IDに対応付けられて最初の参加者情報が開催状況管理テーブル11dに登録されるタイミングは、例えば、会議を予約した登録者が会議サーバ1にログインしてきた時点でもよい。
会議サーバ1は、上述した構成のほかに更に、会議サーバ1を操作するための操作部、会議サーバ1による処理結果を表示するための表示部を備えてもよい。この場合、会議システム100の管理者は、操作部及び表示部を用いて、記憶部11に記憶される会議資料データ、各種のテーブルの記憶内容等を容易に変更できる。
上述した構成の会議システム100において、会議の予約を行ないたいユーザは、端末装置2を用いて会議サーバ1にアクセスする。なお、端末装置2の使用を開始する際に、ユーザID及びパスワードを用いて認証処理を行なうことによって、端末装置2を使用できるユーザを、会議システム100の利用が可能なユーザに制限してもよい。
会議サーバ1は、ウェブサーバの機能を有しており、会議システム100が提供する会議の予約を受け付けるためのウェブページを端末装置2へ提供する。図示しないが、会議の予約を受け付けるためのウェブページは、会議の予約を行なうユーザのユーザID、会議の開催日時、開始の参加者の参加者ID(ユーザID)等の予約情報を入力するための入力欄を有する。会議の予約を行なうユーザは、このようなウェブページを介して、自身のユーザID(登録者ID)、開催日時、参加者ID等の予約情報を入力し、端末装置2の制御部20は、入力された予約情報を会議サーバ1へ送信し、会議の予約を行なう。
会議サーバ1の制御部10は、端末装置2から予約情報を取得した場合、予約する会議に会議IDを割り当て、割り当てた会議IDに取得した予約情報を対応付けて予約状況管理テーブル11bに格納する。これにより、会議の予約が完了する。なお、会議IDは、各会議を識別できる情報であればよく、例えば、予約状況管理テーブル11bに格納された順に1,2,3…の会議IDが割り当てられてもよい。
以下に、上述したように会議の予約情報が会議サーバ1の予約状況管理テーブル11bに格納されている会議システム100において、予約された会議が開催される際に会議サーバ1及び端末装置2,2…が行なう処理について説明する。図6乃至図8は会議サーバ1による会議の開催処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、会議サーバ1の制御部10によって実行されると共に、端末装置2,2の制御部20によって実行される。また、図6乃至図8では、一点鎖線で区切った2つの領域において、左側の領域に端末装置2,2の制御部20による処理を、右側の領域に会議サーバ1の制御部10による処理をそれぞれ示している。
予約されている会議に参加したい参加者(登録者も含む)は、端末装置2を用いて会議サーバ1にアクセスする。会議サーバ1は、予約されている会議又は既に開催されている会議への参加要求を受け付けるためのウェブページを端末装置2へ提供する。図示しないが、会議への参加要求を受け付けるためのウェブページは、例えば、予約されている会議又は既に開催されている会議に関する情報を一覧表示しており、これらの会議から1つの選択を受け付けるように構成されている。
このようなウェブページをディスプレイ33に表示している端末装置2の制御部20は、参加者が操作部34を用いて一覧表示された情報の1つを選択したか否かに基づいて、任意の会議への参加要求を受け付けたか否かを判断している(S1)。任意の会議への参加要求を受け付けていないと判断した場合(S1:NO)、制御部20は、任意の会議への参加要求を受け付けるまで待機する。任意の会議への参加要求を受け付けたと判断した場合(S1:YES)、制御部20は、参加者のユーザID及びパスワードの入力欄を有するログイン画面をディスプレイ33に表示させる(S2)。
端末装置2の制御部20は、ログイン画面を介してユーザID及びパスワード(ユーザ情報)が入力されたか否かを判断しており(S3)、入力されていないと判断した場合(S3:NO)、ステップS2に処理を戻し、ログイン画面の表示を継続する。ユーザ情報が入力されたと判断した場合(S3:YES)、制御部20は、自身の端末装置2の端末IDを記憶部21から読み出し、ステップS1で選択された会議を示す情報(例えば会議ID)と、入力されたユーザ情報と、読み出した端末IDとを通信部24から会議サーバ1へ送信し、会議への参加要求を送信する(S4)。
なお、任意の会議への参加要求を受け付けた場合ではなく、端末装置2の使用を開始する際に、ユーザ情報による認証処理を行なうことによって、会議への参加を要求できるユーザを、会議システム100の利用が可能なユーザに制限してもよい。また、ログイン画面において、ユーザIDの入力欄は、プルダウンメニューによって、予め会議システム100にユーザ登録してあるユーザのユーザIDの一覧を表示してもよい。このような構成とした場合、会議サーバ1にログインしたいユーザは、プルダウンメニューによって表示された一覧から自身のユーザIDを選択すればよく、ユーザIDの入力操作を削減できる。
会議サーバ1の制御部10は、通信部13を介して端末装置2から会議への参加要求を受信した場合、会議への参加を要求してきたユーザが、この会議への参加が許可された正当な参加者であるか否かを認証部12によって認証する(S5)。具体的には、制御部10は、まず、端末装置2から受信したユーザ情報(ユーザID及びパスワード)に基づいて、このユーザが会議システム100の利用を許可されているか否かを認証する。ここでは、制御部10は、受信したユーザ情報がユーザ情報テーブル11aに既に登録されているか否かを判断し、ユーザ情報がユーザ情報テーブル11aに登録されていれば、正当なユーザであると判断し、登録されていなければ、正当なユーザではないと判断する。
次に、制御部10は、会議システム100の利用を許可されていると判断したユーザについて、端末装置2から受信した会議ID及びユーザIDに基づいて、参加要求してきた会議の参加者に登録されているか否かを判断する。ここでは、制御部10は、受信した会議IDの予約情報を予約状況管理テーブル11bから読み出し、読み出した予約情報の登録者ID又は参加者IDに、受信したユーザIDが含まれているか否かを判断する。制御部10は、予約情報の登録者ID又は参加者IDに、受信したユーザIDが含まれていれば、正当な参加者であると判断し、含まれていなければ、正当な参加者ではないと判断する。
会議サーバ1の制御部10は、認証の結果、会議への参加を要求してきたユーザが正当な参加者であるか否かを判断する(S6)。正当な参加者ではないと判断した場合(S6:NO)、制御部10は、認証されなかった旨を示す認証結果(認証不可)を、会議への参加要求を送信してきた端末装置2に通知する(S7)。なお、制御部10が正当な参加者ではないと判断する場合とは、会議への参加を要求してきたユーザが、会議システム100の利用を予め許可されたユーザではない場合、又は参加を要求した会議への参加者として登録されたユーザではない場合である。
端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から認証不可を通知された場合、例えば「ユーザID・パスワードが誤りです」、「御希望の会議には参加できません」等のメッセージをディスプレイ33に表示させ、会議に参加できない旨をユーザに通知する(S8)。そして、制御部20は、ステップS1に処理を戻し、会議への参加要求の再受付、又はユーザ情報の再入力を行なう。
認証の結果、会議への参加を要求してきたユーザが正当な参加者であると判断した場合(S6:YES)、制御部10は、端末装置2から受信した端末ID及びユーザIDを対応付けて端末・ユーザ管理テーブル11cに格納する(S9)。これにより、正当な参加者が会議システム100にアクセスしてきた場合、各参加者がいずれの端末装置2を使用しているかを把握できる。
次に、会議サーバ1の制御部10は、正当な参加者であると認証されたユーザ(参加者)の参加者情報を生成し、端末装置2から受信した会議IDに対応付けて、生成した参加者情報を開催状況管理テーブル11dに格納する(S10)。なお、開催状況管理テーブル11dは、会議の予約を行なった登録者の参加者情報を、各参加者の参加者情報の先頭に格納するようにしてある。従って、正当な参加者であると認証されたユーザが、会議の予約を行なった登録者である場合、制御部10は、生成した参加者情報を、会議IDに対応する参加者情報の格納領域の先頭に格納する。一方、正当な参加者であると認証されたユーザが、会議の予約を行なった登録者ではない場合、制御部10は、生成した参加者情報を、会議IDに対応する参加者情報の格納領域の先頭以外の領域に格納する。
なお、正当な参加者であると認証されたユーザが登録者であるか否かは、端末装置2から受信した会議IDの予約情報に含まれる登録者IDが、正当な参加者であると認証されたユーザのユーザIDであるか否かに基づいて判断できる。また、端末装置2から受信した会議IDが既に開催状況管理テーブル11dに格納されている場合、制御部10は、既に格納されている会議IDに対応する格納領域に、生成した参加者情報を格納する。
会議サーバ1の制御部10は、参加者情報(登録者情報)を開催状況管理テーブル11dに格納した後、会議への参加要求を送信してきた端末装置2に、会議の開始画面情報を送信する(S11)。端末装置2の制御部20は、会議サーバ1から会議の開始画面情報を受信した場合、図9(a)に示すような会議の開始画面をディスプレイ33に表示させる(S12)。図9は端末装置2,2…で表示される表示画面の構成例を示す模式図である。会議の開始画面は、登録者又は参加者(以下、まとめて参加者ということもある)が端末装置2,2…で閲覧する会議資料を選択するための画面であり、図9(a)に示す開始画面は、例えば、資料選択ボタンを表示している。
端末装置2のユーザ(参加者)が、操作部34を介して資料選択ボタンを操作した場合、制御部20は、会議サーバ1の記憶部11に格納されており、IPネットワーク100aを介して公開されている会議資料データの情報(例えばファイル名)を会議サーバ1から取得する。また、図示しないが、制御部20は、取得した会議資料データの情報を一覧表示し、端末装置2の参加者は、一覧表示された情報から1つを選択することにより、所望の会議資料データを要求する。
なお、図9(a)に示す開始画面は、資料選択ボタンのほかに、端末装置2のユーザが、表示された会議資料に対して操作部34を介して各種の操作を行なうための操作ボタンが表示されている。操作ボタンとして、例えば、表示された会議資料に対してメモを付加するためのメモボタン、予め登録された図形を描画するための図形ボタン、会議資料を拡大又は縮小して表示させるためのズームボタン、会議通信の終了を要求するための終了ボタン等がある。なお、会議の開始画面を含む各種の表示画面に表示される各ボタンは、上述したようなボタンに限られず、例えば、既に付加されたメモ又は描画された図形を削除するための消しゴムボタンを備えてもよい。
メモボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、操作部34を介してユーザからの手書き入力、テキストボックスの挿入及び編集等を受け付け、受け付けた各種情報をディスプレイ33に表示させる。図形ボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、操作部34を介してユーザから図形の描画を受け付け、受け付けた情報をディスプレイ33に表示させる。ズームボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、表示中の会議資料を所定の拡大率又は縮小率で拡大又は縮小してディスプレイ33に表示させる。なお、ズームボタンが操作された場合に、拡大率又は縮小率を入力するための入力欄を表示させ、入力欄を介して拡大率又は縮小率の入力を受け付けるようにしてもよい。終了ボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、会議通信を終了し、会議通信の終了を会議サーバ1に通知する。
更に、図9(a)に示す開始画面には、操作ボタンとして、密談ボタン及び同期ボタンが表示されている。本実施形態の会議システム100は、会議サーバ1を介して複数の端末装置2,2…間で会議通信中に、一部の端末装置2,2…間で密談通信が可能に構成されている。従って、密談ボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、会議サーバ1に対して密談通信の実行を要求する。なお、密談通信については後述する。
また、本実施形態の会議システム100は、各端末装置2,2…がそれぞれ任意の会議資料データを会議サーバ1から取得して閲覧できると共に、会議の議長又は発表者が会議の予約を行なう登録者となり、登録者の端末装置2で閲覧中の会議資料と同一の会議資料を各参加者の端末装置2,2…で閲覧できるように構成されている。従って、同期ボタンが操作された場合、端末装置2の制御部20は、会議サーバ1に対して、登録者の端末装置2と同一の会議資料データの提供を要求する。即ち、会議サーバ1は、同期設定されている各参加者の端末装置2,2…に対して、登録者からの要求に応じて適宜変更される会議資料データを登録者の端末装置2へ送信するタイミングに同期させて同一の会議資料データを配信する。
なお、同期ボタンは、同期設定されていない状態で操作された場合、同期設定が行なわれ、同期設定されている状態で操作された場合、同期設定が解除される。また、同期ボタン以外の各ボタンも同様に構成されている。例えば、メモボタンは、メモの入力モードではない状態で操作された場合、メモの入力が可能な入力モードに設定され、メモの入力モードが設定されている状態で操作された場合、メモの入力モードの設定が解除される。
図9(a)に示す画面をディスプレイ33に表示している端末装置2の制御部20は、参加者が操作部34を介して資料選択ボタンを選択し、また、任意の会議資料データが選択されたか否かに基づいて、会議資料データの要求を受け付けたか否かを判断している(S13)。制御部20は、会議資料データの要求を受け付けたと判断した場合(S13:YES)、参加者から要求された会議資料データを、通信部24を介して会議サーバ1に要求する(S14)。
制御部20は、会議資料データの要求を受け付けていないと判断した場合(S13:NO)、図9(a)に示す画面を介して同期ボタンが操作されたか否かを判断する(S15)。同期ボタンが操作されていないと判断した場合(S15:NO)、制御部20は、ステップS16に処理を移行する。同期ボタンが操作されたと判断した場合(S15:YES)、制御部20は、会議サーバ1に対して、同期設定が選択されたことを通知することによって、登録者の端末装置2に提供する会議資料データと同一の会議資料データを要求する(S14)。
会議サーバ1の制御部10は、通信部13を介して端末装置2から会議資料データを要求されたか否かを判断しており(S19)、要求されていないと判断した場合(S19:NO)、ステップS23に処理を移行する。会議資料データを要求されたと判断した場合(S19:YES)、制御部10は、要求された会議資料データの情報(ファイル名及びページ番号)を、会議資料データを要求してきた参加者の参加者IDに対応する閲覧情報として開催状況管理テーブル11dに格納する(S20)。そして、制御部10は、開催状況管理テーブル11dに格納した閲覧情報の会議資料データを記憶部11から読み出し、通信部13から、会議資料データを要求してきた端末装置2へ配信する(S21)。
なお、制御部10は、端末装置2から、登録者の端末装置2に提供する会議資料データと同一の会議資料データを要求された場合、即ち、同期設定が選択されたことを通知された場合、会議資料データを要求してきた参加者の参加者IDに対応する閲覧情報として「同期」を開催状況管理テーブル11dに格納する(S20)。そして、この場合、制御部10は、登録者に対応する閲覧情報に基づいて、登録者が閲覧中の会議資料データと同一の会議資料データを記憶部11から読み出し、会議資料データを要求してきた端末装置2へ配信する(S21)。
更に、会議資料データを要求してきた参加者が登録者である場合、制御部10は、要求された会議資料データを登録者の端末装置2に配信すると共に、同一の会議資料データを、開催状況管理テーブル11dの閲覧情報に「同期」が格納されている端末装置2,2…にも配信する。これにより、端末装置2,2…は、所望の会議資料データを会議サーバ1から取得できるだけでなく、登録者が閲覧中の会議資料データを登録者と共に取得できる。
端末装置2の制御部20は、通信部24を介して、会議サーバ1から会議資料データを受信したか否かを判断している(S16)。制御部20は、会議資料データを受信したと判断した場合(S16:YES)、受信した会議資料データを信号処理部25及び表示処理部28を介してディスプレイ33へ出力し、図9(b)又は図9(c)に示すような表示画面によって会議資料を表示させる(S17)。なお、会議資料データを受信していないと判断した場合(S16:NO)、制御部20は、ステップS17の処理をスキップする。
図9(b)に示す表示画面は、登録者の端末装置2に表示される表示画面、又は登録者の端末装置2との同期設定を行なっていない参加者の端末装置2に表示される表示画面の例である。また、図9(c)に示す表示画面は、登録者の端末装置2との同期設定を行なっている参加者の端末装置2に表示される表示画面の例である。
参加者からの要求に従った会議資料データを会議サーバ1から取得した端末装置2は、図9(b)に示すように、取得した会議資料データを表示すると共に、表示中の会議資料のページを移動させるための前頁ボタン及び次頁ボタンを表示する。また、図9(b)に示す表示画面は、図9(a)に示した開始画面と同様に、参加者が端末装置2,2…で閲覧する会議資料を新たに選択するための資料選択ボタンを表示する。一方、登録者の端末装置2との同期設定がされている端末装置2は、図9(c)に示すように、取得した会議資料データのみを表示する。また、図9(c)に示す表示画面は、同期設定されていることを参加者に通知するために、同期ボタンを他のボタンとは異なる色で表示する。
図9(b),(c)に示すような表示画面がディスプレイ33に表示されている端末装置2,2…において、参加者は、会議を終了したい場合、操作部34を介して終了ボタンを操作する。端末装置2の制御部20は、参加者によって終了ボタンが操作されたか否かを判断しており(S18)、終了ボタンが操作されていないと判断した場合(S18:NO)、ステップS13に処理を移行する。制御部20は、参加者によって終了ボタンが操作されるまで、ステップS13〜S18の処理を繰り返す。
なお、図9(b)に示す表示画面をディスプレイ33に表示している端末装置2において、同期ボタンが操作された場合、制御部20は、登録者の端末装置2との同期設定を行ない、登録者が閲覧中の会議資料と同一の会議資料を会議サーバ1から取得し、図9(c)に示す表示画面に切り替える。また、図9(c)に示す表示画面をディスプレイ33に表示している端末装置2において、同期ボタンが更に操作された場合、制御部20は、登録者の端末装置2との同期設定を解除し、任意の会議資料を会議サーバ1から取得できるように、図9(b)に示す表示画面に切り替える。
図9(b),(c)に示す表示画面において終了ボタンが操作されたと判断した場合(S18:YES)、制御部20は、会議通信を終了する。そして、制御部20は、自身の端末装置2の端末ID又は参加者の参加者IDを通信部24から会議サーバ1へ送信し、会議の終了要求を送信する(S22)。会議サーバ1の制御部10は、通信部13を介して端末装置2から会議の終了要求を受信したか否かを判断しており(S23)、受信していないと判断した場合(S23:NO)、ステップS19に処理を移行する。
会議の終了要求を受信したと判断した場合(S23:YES)、制御部10は、会議の終了を要求してきた参加者が登録者であるか否かを判断する(S24)。具体的には、制御部10は、会議の終了要求を送信してきた端末装置2の端末ID又は参加者の参加者IDを含む参加者情報が、開催状況管理テーブル11dの参加者情報の格納領域の先頭に格納されているか否かに基づいて、登録者であるか否かを判断する。また、制御部10は、会議の開催後も予約状況管理テーブル11bの予約情報が削除されない構成であれば、予約情報に基づいて、会議の終了要求を送信してきた参加者が登録者であるか否かを判断してもよい。
会議の終了を要求してきた参加者が登録者でないと判断した場合(S24:NO)、制御部10は、終了を要求してきた参加者に対してのみ会議を終了する(S25)。具体的には、制御部10は、会議の終了を要求してきた参加者の参加者情報のみを開催状況管理テーブル11dから削除する。なお、会議サーバ1の制御部10は、会議への参加を終了した参加者の端末装置2に、会議への参加要求を受け付けるためのウェブページを再度送信してもよい。会議サーバ1の制御部10は、ステップS19に処理を移行し、その他の参加者からの会議資料データの要求があれば、要求に従って会議資料データを適宜端末装置2,2…へ配信する。
会議の終了を要求してきた参加者が登録者であると判断した場合(S24:YES)、制御部10は、会議全体を終了し(S26)、上述した処理を終了する。具体的には、制御部10は、登録者によって終了が要求された会議の会議IDに対応する全ての参加者情報を開催状況管理テーブル11dから削除する。また、制御部10は、開催状況管理テーブル11dから参加者情報を削除した参加者の端末装置2,2…に、会議の終了を通知する画面、又は会議への参加要求を受け付けるためのウェブページを送信してもよい。この場合、端末装置2,2…の参加者は、会議が終了されたことを把握できる。
上述した処理では、会議サーバ1が、端末装置2,2…からの要求に応じた会議資料データを適宜端末装置2,2…に配信する処理について説明した。しかし、本実施形態の会議サーバ1は、会議資料データを端末装置2,2…に配信しつつ、端末装置2,2…のマイクロホン31で集音した音声情報を集め、それぞれの端末装置2,2…に配信する処理も行なう。なお、本実施形態の会議サーバ1は、音声情報を端末装置2,2…に配信する際に、例えば、最も音量の大きい音声情報を選択して端末装置2,2…に配信するようにしてもよい。また、本実施形態の会議サーバ1は、予め登録された端末装置2(例えば登録者の端末装置2)のマイクロホン31で集音された音声情報を他の端末装置2,2…に配信するようにしてもよい。
以下に、上述したように、複数の端末装置2,2…間で会議通信が行なわれている状態で、一部の端末装置2,2…間で密談通信が行なわれる際に会議サーバ1及び端末装置2,2…が行なう処理について説明する。図10乃至図13は会議サーバ1による密談通信の中継処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、会議サーバ1の制御部10によって実行されると共に、密談要求元の端末装置2及び密談要求先の端末装置2の制御部20によって実行される。
また、図10乃至図13では、一点鎖線で区切った3つの領域において、左側の領域に密談要求元の端末装置2の制御部20による処理を、中央の領域に会議サーバ1の制御部10による処理を、右側の領域に密談要求先の端末装置2の制御部20による処理をそれぞれ示している。更に、以下では、密談要求元の端末装置2は参加者Aが使用中の端末装置2であり、密談要求先の端末装置2は参加者Gが使用中の端末装置2である例について説明する。
図9(b),(c)に示すような表示画面がディスプレイ33に表示させている端末装置2,2…において、参加者は、他の参加者と密談(筆談)したい場合、操作部34を介して密談ボタンを操作する。会議サーバ1が提供する会議通信に参加している端末装置2の制御部20は、参加者によって密談ボタンが操作されたか否かを判断しており(S31)、密談ボタンが操作されていないと判断した場合(S31:NO)、密談ボタンが操作されるまで待機する。
密談ボタンが操作されたと判断した場合(S31:YES)、制御部20は、自身の端末装置2の端末ID又は自身を使用中の参加者の参加者IDを通信部24から会議サーバ1へ送信し、密談の開始要求を送信する(S32)。会議サーバ1の制御部(受付部)10は、通信部13を介して端末装置2(密談要求元の端末装置2)から密談の開始要求を受信した場合、密談要求元の端末装置2(密談を要求してきた参加者、ここでは参加者A)に対応する密談フラグを1に設定し(S33)、開催状況管理テーブル11dを更新する。
会議サーバ1の制御部(配信部)10は、密談要求元の端末装置2が参加している会議通信に参加中の他の参加者のうちで、密談フラグが0である参加者の参加者IDを開催状況管理テーブル11dから読み出し、参加者ID一覧を生成して密談要求元の端末装置2へ送信する(S34)。なお、開催状況管理テーブル11dの参加者情報に参加者の氏名が含まれている場合、参加者IDの代わりに参加者の氏名を用い、参加者の氏名一覧を密談要求元の端末装置2へ送信してもよい。
密談要求元の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して参加者ID一覧を受信した場合、図14(a)に示すような表示画面をディスプレイ33に表示させることにより、会議サーバ1から受信した参加者ID一覧を表示させる(S35)。図14及び図15は密談通信の際に端末装置2,2で表示される表示画面の構成例を示す模式図である。なお、図14及び図15では、破線で区切った2つの領域において、左側の領域に密談要求元の端末装置2で表示される画面例を、右側の領域に密談要求先の端末装置2で表示される画面例をそれぞれ示している。
図14(a)に示す表示画面は、密談要求元の端末装置2が密談通信を行なうことができる端末装置2,2…を使用中の参加者の参加者IDを一覧表示する。なお、密談要求元の端末装置2では、図9(b),(c)に示した表示画面を介して参加者が密談ボタンを操作したので、図14(a)に示す表示画面は、密談ボタンが操作されていることを参加者に通知するために、密談ボタンを他のボタンとは異なる色で表示する。また、図14(a)に示す表示画面は、自身の端末装置2の使用者が参加者Aであることが明確になるように、参加者Aの参加者IDを他の参加者IDとは異なる色で表示する。
密談要求元の端末装置2で表示される参加者ID一覧は、例えば、各参加者の所属又は役職毎に背景色を異ならせて表示されてもよいし、所属又は役職別に一覧表示されてもよい。更に、端末装置2,2…がカメラを備え、端末装置2,2…を使用する参加者を撮影して得られた顔画像を端末装置2,2…間で送受信する構成である場合、会議サーバ1は、参加者IDの代わりに各参加者の顔画像の一覧を密談要求元の端末装置2に表示させてもよい。また、本実施形態では、会議通信で送受信される会議資料データの表示画面と、密談通信で送受信されるデータの表示画面とを切り替える構成である。しかし、例えば、それぞれの表示画面を別ウインドウで表示させてもよいし、密談通信で送受信されるデータを、会議通信で送受信される会議資料データの表示画面の上に表示される小画面で表示してもよい。
密談要求元の端末装置2の参加者(参加者A)は、密談したい相手(参加者G)の参加者IDを操作部34を介して選択することによって密談相手を選択する。密談要求元の端末装置2の制御部20は、表示している参加者ID一覧を介して密談相手が選択されたか否かを判断しており(S36)、密談相手が選択されていないと判断した場合(S36:NO)、選択されるまで参加者ID一覧の表示を継続する。密談相手が選択されたと判断した場合(S36:YES)、制御部20は、選択された密談相手の参加者IDを密談要求先の情報として会議サーバ1に通知する(S37)。なお、参加者ID一覧を介して密談相手が選択された場合、制御部20は、図14(b)に示すように、ユーザによって選択された密談相手に密談要求中であることを示すメッセージをディスプレイ33に表示させておく。なお、図14(b)では、密談相手として参加者Gが選択され、参加者Gに密談要求中であることが通知されている。
会議サーバ1の制御部10は、通信部14を介して密談要求元の端末装置2から密談要求先の情報を受信した場合、受信した情報が示す密談要求相手(密談要求先の端末装置2、ここでは参加者G)に対応する密談フラグを1に設定し(S38)、開催状況管理テーブル11dを更新する。制御部(問い合わせ部)10は、密談要求先の端末装置2に、密談要求元の端末装置2から密談が要求されていることを通知すると共に、密談通信に参加するか否かを問い合わせるための密談要求を送信する(S39)。
密談要求先の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から密談要求を受信した場合、図14(c)に示すようなメッセージをディスプレイ33に表示させることにより、密談が要求されていることを参加者Gに通知する(S40)。図14(c)では、参加者Aから密談を要求されていることが通知されており、図14(c)に示す表示画面は、参加者Gが参加者Aからの密談要求を承諾するか拒否するかを選択するためのYESボタン及びNOボタンを表示する。
密談要求先の端末装置2の制御部20は、図14(c)に示す表示画面において、操作部34を介してユーザ(参加者G)がYESボタン又はNOボタンを操作した場合、密談要求に対する回答(承諾又は拒否)を受け付ける。従って、密談要求先の端末装置2の制御部20は、密談要求に対する回答を受け付けたか否かを判断し(S41)、受け付けていないと判断した場合(S41:NO)、回答を受け付けるまで、図14(c)に示すようなメッセージの表示を継続する。
密談要求に対する回答を受け付けたと判断した場合(S41:YES)、制御部20は、受け付けた回答を通信部24を介して会議サーバ1に返信する(S42)。会議サーバ1の制御部10は、返信されてきた回答に基づいて、要求した密談が承諾されたか否かを判断する(S43)。制御部10は、拒否されたと判断した場合(S43:NO)、密談要求元の端末装置2及び密談要求先の端末装置2(ここでは参加者A,G)に対応する密談フラグを0に設定し(S44)、開催状況管理テーブル11dを更新する。制御部10は、密談要求元の端末装置2に対して、密談要求先の端末装置2に密談を拒否された旨(密談拒否)を送信する(S45)。
密談要求元の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から密談拒否を通知された場合、例えば「密談が拒否されました」、「密談できません」等のメッセージをディスプレイ33に表示させ、密談が拒否されたことを参加者に通知する(S46)。なお、密談が拒否されたことを参加者に通知した後、制御部20は、図9(b),(c)に示すような表示画面の表示に戻し、会議通信を継続する。
一方、密談が承諾されたと判断した場合(S43:YES)、会議サーバ1の制御部10は、密談要求元の端末装置2に、密談相手の確認を要求する確認要求を送信する(S47)。密談要求元の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から密談相手の確認要求を受信した場合、図14(d)に示すようなメッセージをディスプレイ33に表示させることにより、密談相手の確認が要求されていることを参加者Aに通知する(S48)。
図14(d)に示す表示画面は、密談相手が参加者Gで正しいか否かの確認を要求するメッセージを表示しており、密談相手が参加者Gで正しいことを指示するためのYESボタンと、密談相手を参加者G以外の参加者に変更するためのNOボタンを表示する。密談要求元の端末装置2の制御部20は、図14(d)に示す表示画面において、操作部34を介してユーザ(参加者A)がYESボタン又はNOボタンを操作した場合、密談相手の確認に対する回答(正しい又は正しくない)を受け付ける。従って、密談要求元の端末装置2の制御部20は、密談相手の確認に対する回答を受け付けたか否かを判断し(S49)、受け付けていないと判断した場合(S49:NO)、回答を受け付けるまで、図14(d)に示すようなメッセージの表示を継続する。
密談相手の確認に対する回答を受け付けたと判断した場合(S49:YES)、制御部20は、受け付けた回答を通信部24を介して会議サーバ1に返信する(S50)。会議サーバ1の制御部10は、返信されてきた回答に基づいて、密談要求元の端末装置2によって密談相手が正しいと判断されたか否かを判断する(S51)。密談相手が正しくないと判断された場合(S51:NO)、制御部10は、密談要求相手の端末装置2(ここでは参加者G)に対応する密談フラグを0に設定し(S52)、開催状況管理テーブル11dを更新する。
そして、制御部10は、ステップS34に処理を戻し、密談要求元の端末装置2が参加している会議通信に参加中の他の参加者のうちで、密談フラグが0である参加者の参加者IDを開催状況管理テーブル11dから読み出し、参加者ID一覧を生成して密談要求元の端末装置2へ送信する(S34)。これにより、会議サーバ1は、密談要求元の端末装置2から密談相手が誤りであったことを通知された場合、図14(a)に示す表示画面を密談要求元の端末装置2に再度表示させ、密談相手の再選択を受け付ける。なお、密談要求元の端末装置2から密談相手が誤りであったことを通知された場合、会議サーバ1は、密談要求先の端末装置2に対して密談要求が誤りであったことを通知してもよい。これにより、密談要求先の端末装置2の参加者Gは、自身に対する密談要求が誤りであったことを把握できる。
密談相手が正しいと判断された場合(S51:YES)、会議サーバ1の制御部10は、密談グループIDを割り当て、密談要求元の端末装置2(参加者A)及び密談要求先の端末装置2(参加者G)に対応する密談グループIDとして、割り当てた密談グループIDを開催状況管理テーブル11dに格納する(S53)。なお、密談グループIDは、それぞれの会議毎に各密談通信を識別できる情報であればよく、例えば、会議毎に、1,2,3…が割り当てられる。
会議サーバ1の制御部10は、密談要求元及び密談要求先の端末装置2(参加者A,G)間での密談通信を開始し、密談要求元及び密談要求先の端末装置2に、密談通信の開始を通知する(S54)。なお、会議サーバ1の制御部10は、密談通信を開始した場合、この密談通信に用いるコネクションを確保することにより、密談要求元又は密談要求先の端末装置2から送信されてきた情報を確実に密談相手の端末装置2へ送信することができる。密談要求元及び密談要求先の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して密談通信の開始を通知された場合、密談通信で送受信される情報の表示領域を有する表示画面をディスプレイ33に表示させる。
図14(e)は、密談要求先の端末装置2(参加者G)で表示される画面例であり、図14(e)に示す表示画面は、この端末装置2の参加者Gの参加者IDを左上に表示し、その下側に密談相手の端末装置2の参加者Aの参加者IDを表示する。これにより、密談通信中の各参加者は、いずれの参加者と密談中であるのかを容易に把握できる。また、密談要求先の端末装置2の制御部20は、密談通信を開始した場合、表示画面中の密談ボタンを他のボタンとは異なる色で表示させることにより、現在密談中であることを参加者に通知する。なお、図示しないが、密談要求元の端末装置2(参加者A)でも、図14(e)に示すような表示画面が表示される。
密談要求元の端末装置2及び密談要求先の端末装置2の制御部20は、図14(e)に示すような表示画面を表示している場合、密談通信によって送受信される情報(密談情報)が操作部34を介して入力されたか否かを判断している(S55,S60)。図15(a)は、密談要求元の端末装置2(参加者A)において、操作部34を介して密談情報(ここでは「A案でいく?」というメッセージ)が入力された状態を示している。なお、ここでは、商談の席で、同じ会社に属する参加者A,Gが、相手の会社の参加者に対して秘密裏に、A案で取引を進めるのかB案で取引を進めるのかを相談(筆談)する状況を例に説明する。また、このようなメッセージは、操作部34を用いて入力できる情報であればよく、例えば、手書き入力又はテキスト入力される。
密談要求元の端末装置2の制御部20は、密談情報が入力されたと判断した場合(S55:YES)、自身の端末ID又は参加者の参加者IDと共に、入力された密談情報を通信部24を介して会議サーバ1へ送信する(S56)。会議サーバ1の制御部(取得部)10は、密談情報を受信した場合、密談情報と共に受信した端末ID又は参加者IDと、開催状況管理テーブル11dの参加者情報とに基づいて、密談情報を送信してきた端末装置2と密談通信を行なっている端末装置2を検索する。具体的には、制御部10は、受信した端末ID(又は参加者ID)の端末装置2が参加している会議において、この端末ID(又は参加者ID)に対応する密談グループIDと同一の密談グループIDが割り当てられている端末装置2を特定する。そして、制御部(転送部)10は、特定した端末装置2(密談要求先の端末装置2)へ、密談要求元の端末装置2から受信した密談情報を転送する(S57)。なお、密談情報が入力されていないと判断した場合(S55:NO)、密談要求元の端末装置2の制御部20は、ステップS63に処理を移行する。
密談要求先の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から密談情報を受信したか否かを判断しており(S58)、受信していないと判断した場合(S58:NO)、ステップS60に処理を移行する。密談情報を受信したと判断した場合(S58:YES)、密談要求先の端末装置2の制御部20は、受信した密談情報をディスプレイ33へ出力して表示し(S59)、ステップS58に処理を戻す。
密談要求先の端末装置2の制御部20も、密談情報が操作部34を介して入力されたか否かを判断しており(S60)、入力されていないと判断した場合(S60:NO)、ステップS58に処理を戻す。密談情報が入力されたと判断した場合(S60:YES)、密談要求先の端末装置2の制御部20は、自身の端末ID又は参加者の参加者IDと共に、入力された密談情報を通信部24を介して会議サーバ1へ送信する(S61)。図15(b)は、密談要求先の端末装置2(参加者G)において、会議サーバ1を介して密談要求元の端末装置2(参加者A)から受信した密談情報が表示されると共に、操作部34を介して参加者Gによって密談情報(ここでは「A案でいく?」に付加された取り消し線及び「B案でいく」というメッセージ)が入力された状態を示している。
会議サーバ1の制御部10は、密談要求先の端末装置2から密談情報を受信した場合も同様に、密談要求先の端末装置2と密談通信を行なっている端末装置2を検索し、検索した端末装置2(密談要求元の端末装置2)へ、密談要求先の端末装置2から受信した密談情報を転送する(S62)。
密談要求元の端末装置2の制御部20も、通信部24を介して会議サーバ1から密談情報を受信したか否かを判断しており(S63)、受信していないと判断した場合(S63:NO)、ステップS65に処理を移行する。密談情報を受信したと判断した場合(S63:YES)、密談要求元の端末装置2の制御部20は、受信した密談情報をディスプレイ33へ出力して表示する(S64)。
密談要求元の端末装置2及び密談要求先の端末装置2の制御部20は、上述したように密談通信によって密談情報を送受信することにより、密談通信のグループに入っていない参加者には悟られることなく、密談(筆談)を行なうことができる。図15(c)は、密談要求元の端末装置2(参加者A)において、会議サーバ1を介して密談要求先の端末装置2(参加者G)から受信した密談情報が表示されると共に、操作部34を介して参加者Aによって密談情報(ここでは「B案でいく」を囲む楕円)が入力された状態を示している。また、図15(d)は、密談要求先の端末装置2(参加者G)において、会議サーバ1を介して密談要求元の端末装置2(参加者A)から受信した密談情報が表示された状態を示している。
密談要求元の端末装置2及び密談要求先の端末装置2の制御部20は、上述したように密談通信によって密談情報を送受信しつつ、表示画面中の密談ボタンが操作されることにより、密談の終了要求を受け付けたか否かを判断する(S65)。なお、ここでは、密談要求元の端末装置2において、密談ボタンが操作された場合を例に説明するが、密談要求先の端末装置2において密談ボタンが操作された場合であっても会議サーバ1は同様の処理を行なう。密談要求元の端末装置2の制御部20は、密談の終了要求を受け付けていないと判断した場合(S65:NO)、ステップS55に処理を戻し、密談情報が入力されたか否か、密談情報を受信したか否かの判断処理を継続する。
密談要求元の端末装置2の制御部20は、密談の終了要求を受け付けたと判断した場合(S65:YES)、自身の端末ID又は参加者の参加者IDを通信部24から会議サーバ1へ送信し、密談の終了要求を送信する(S66)。なお、端末装置2(密談要求元の端末装置2)の制御部20は、密談の終了要求を送信した後、密談ボタンを他のボタンと同様の色での表示に戻すと共に、図9(b),(c)に示した表示画面に表示を戻す(S67)。また、密談の終了要求を送信した端末装置2は、上述した密談通信を終了し、図6乃至図8に示した会議通信の処理に戻る。
会議サーバ1の制御部10は、通信部13を介して密談要求元の端末装置2から密談の終了要求を受信した場合、密談要求元及び密談要求先の端末装置2(参加者A,G)間での密談通信を終了し、密談要求先の端末装置2に密談通信の終了を通知する(S68)。なお、会議サーバ1の制御部10は、密談通信を終了させた後、終了させた密談通信を行なっていた密談グループに属する端末装置2(参加者A,G)に対応する密談フラグを0に設定すると共に、終了させた密談通信に割り当てられていた密談グループIDを削除し、開催状況管理テーブル11dを更新する(S69)。そして、会議サーバ1の制御部10は、上述した密談通信を終了し、図6乃至図8に示した会議通信の処理に戻る。
一方、密談要求先の端末装置2の制御部20は、通信部24を介して会議サーバ1から密談通信の終了を通知された場合、密談通信を終了し、図9(b),(c)に示した表示画面に表示を戻す(S70)。なお、このとき、制御部20は、密談ボタンを他のボタンと同様の色での表示に戻す。そして、密談要求先の端末装置2の制御部20は、上述した密談通信を終了し、図6乃至図8に示した会議通信の処理に戻る。
上述した処理では、密談要求先の端末装置2は、参加者Gの端末装置2のみとして説明したが、本実施形態の会議システム100では、複数の参加者を密談相手に選択することができる。従って、会議サーバ1は、密談要求先の端末装置2に対する密談要求、密談要求元の端末装置2に対する密談相手の確認、密談情報の転送等を、密談要求先の端末装置2,2…のそれぞれについて行なう。また、本実施形態の会議サーバ1は、異なる密談グループで行なわれる密談通信をそれぞれ各別に中継する。よって、会議サーバ1の制御部10は、密談通信を行なっていない端末装置2から、密談通信を行なっていない他の端末装置2との密談通信の要求を受け付けることができ、要求された密談通信を中継できる。
上述したように、本実施形態の会議システム100では、複数の端末装置2,2…間で会議通信を行なうことができると共に、同一の会議通信を行なっている端末装置2,2…の一部の間で密談通信を行なうことができる。従って、複数の参加者が参加している会議中に、会議の進行に影響を与えずに、一部の参加者が他の参加者に悟られることなく密談することができる。特に、密談通信によって音声以外の情報を送受信する場合、端末装置2,2…が同室内に設けられている状況であっても、他の参加者に悟られることなく密談できる。これにより、例えば、商談の席で、同じ会社に属する参加者間での密談を、相手の会社に属する参加者に悟られることなく行なうことができる。また、説明者(発表者)の説明を他の参加者が聴講するような講義、説明会、講演会等で、発表者と同じチームに属する参加者間での密談を、他の参加者に悟られなく行なうことにより、質疑応答の際等に発表者のフォロー(サポート)が可能となる。
本実施形態では、会議サーバ1は、密談通信を要求された場合に、要求先の端末装置2に、密談通信の開始を許可するか拒否するかを問い合わせていた。これにより、会議通信に参加している各参加者の負担にならない範囲内での密談が可能となる。
本実施形態では、会議通信に参加できる参加者は、予め会議システム100にユーザ情報を登録しておく必要があったが、このような構成に限定されない。例えば、ユーザ登録されていないユーザであっても、端末装置2の使用が許可された場合に、端末装置2の端末IDとこのユーザを識別する情報とを対応付けて端末・ユーザ管理テーブル11c及び開催状況管理テーブル11dに登録することにより、会議への参加を可能としてもよい。これにより、例えば、会議システム100を管理(所有)する会社の社員ではなく、会議システム100にユーザ登録されていないユーザ(例えば来客者)であっても、会議への参加が可能となる。よって、例えば、ユーザ登録されていないユーザが急遽会議への参加を決定した場合であっても、繁雑な登録処理を行なうことなく、会議への参加が可能となる。
本実施形態では、各ユーザを識別するユーザ情報としてユーザID及びパスワードを用いる構成であった。しかし、このような構成に限られず、各ユーザの名刺をスキャナで読み取った情報をユーザ情報として用いてもよい。この場合、各ユーザが、繁雑な入力処理によって自身のユーザ情報を入力する必要がなく、操作性が向上する。特に、会議システム100にユーザ登録されていないユーザ(例えば来客者)が会議に参加する際に要する操作が簡略化される。
本実施形態では、会議に参加する参加者は、同室内に設置された端末装置2,2…を使用する構成である。従って、端末装置2に接続されるディスプレイ33は、視野角が所定範囲内に制限された表示装置を用いることが望ましい。このような表示装置を用いた場合、近傍からの画面の覗き込みを防止できるので、同室内での各参加者の着席位置に拘わらず、各参加者間での密談が可能となる。なお、視野角を制限できる覗き込み防止フィルタが内蔵された表示装置、視野角を制限できる覗き込み防止フィルムが表示面に貼付された表示装置、周囲からの覗き込みを防止するための覗き込み防止板が取り付けられた表示装置等を用いてもよい。
本実施形態では、密談通信で端末装置2のユーザが手書き入力又はテキスト入力した情報が送受信される構成について説明した。このような構成に更に、端末装置2を、密談通信中であれば、マイクロホンによって集音した音声信号を送信しないように構成することにより、密談通信での音声の送受信を確実に禁止できるようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。