JP2004007303A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影者が歪曲度合いを確認して撮影でき、且つレスポンスの低下を防止することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】予め撮影倍率と被写体像に生じるの歪曲度合い(当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率の最大値)との対応関係を記憶してき、撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中に、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、対応情報に基づいて、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れるか否かを判断し、歪曲率が1.5%以上になる領域が現れる場合には、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像200上((A)参照)に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像としての枠202を重畳表示して((B)参照)、撮影者に歪曲度合いが大きいこと及び歪曲が特に大きくなる領域を報知する。
【選択図】 図6
【解決手段】予め撮影倍率と被写体像に生じるの歪曲度合い(当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率の最大値)との対応関係を記憶してき、撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中に、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、対応情報に基づいて、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れるか否かを判断し、歪曲率が1.5%以上になる領域が現れる場合には、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像200上((A)参照)に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像としての枠202を重畳表示して((B)参照)、撮影者に歪曲度合いが大きいこと及び歪曲が特に大きくなる領域を報知する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に係わり、特に、撮影倍率を変更可能な光学レンズを備え、前記光学レンズを介して被写体像を撮像する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀塩カメラやデジタルカメラなどの光学レンズを通して被写体を撮像して、被写体像を表す画像を取得する撮像装置では、光学レンズの歪曲収差により、取得した画像には周辺部に歪みが生じてしまう。この歪みは、一般に光学歪みと称され、撮像装置に用いられる光学レンズは、この光学歪みを打ち消すように構成されるが、撮影倍率を変更可能な所謂ズーム光学レンズの場合、同一の光学レンズ構成でテレ端及びワイド端を共に補正することは難しく、大きな光学歪みが発生し易い。
【0003】
また、歪曲収差のない理想的な光学レンズを用いたとしても、立体物を撮影した場合には、マージナルディストーションと称される、画像の中心よりも周辺にある被写体が大きく写ったり、曲がったりする歪みが生じ、この歪みは、特に、ワイド端で撮影した場合に問題になる。
【0004】
ところで、銀塩カメラのように取得された画像がフイルムに記録される場合は、上記のような歪みが画像に生じると、この歪みの補正は不可能である。一方、デジタルカメラのようにデジタルデータ(以下、デジタル画像データと称す)で画像が取得されて記録メディアに記録される場合は、記録後でも演算処理によって画像を補正することが可能である。このため、デジタルカメラの分野では、従来より、画像データの歪みを補正する技術が提案されている。
【0005】
例えば、特開2000−125175号公報には、少ない補正データを用いて画像の歪曲収差(光学歪み)を補正するための技術が記載されている。詳しくは、デジタルカメラに、予め、ズーム光学レンズの複数のそれぞれのズーム位置に対応して、被写体距離が無限大及び最至近に対応する撮影光学レンズの歪曲収差情報を記憶しておき、撮影時にズーム光学レンズのズーム位置を検出して、検出したズーム位置に対応する歪曲収差情報を当該撮影により取得されたデジタル画像データに付加して記録媒体に記憶する。このデジタル画像データを歪曲収差情報と共に画像処理装置により読み取って、当該画像処理装置において、読み取った歪曲収差情報に基づいてデジタル画像データの歪曲収差補正を行うものである。
【0006】
また、特開平11−161779号公報には、画像入力装置により、デジタルカメラなどで取得された画像データを読み込んで、読み込んだ画データに対して、画像の中心と周辺の倍率を変える、マージナルディストーションにより大きさがかわってしまった立体物の大きさを補正する技術が記載されている。また、デジタルカメラにおいて、撮影時に、撮像素子から出力されたアナログの画像信号をA/D変換してデジタル画像データに変換したものに対して直接補正を行ってから表示手段に表示したり、記録することも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、歪曲度合いが大きいと、補正量が大きくなるため、歪曲補正によりデジタル画像データが劣化したり、充分に補正できず歪曲が残ってしまったりするが、従来技術では、画像データを補正してみなければその結果を確認することができなかった。このため、撮影者の予想以上の歪曲が生じていた場合は、撮影者が所望の画像データを得ることができないという問題があった。
【0008】
また、デジタルカメラにおいて、撮影時にデジタル画像データに対して直接補正を行う場合は、補正処理には時間がかかるため、撮影により取得した画像データを表示したり記録するまでに時間がかかり、レスポンスが低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、撮影者が歪曲度合いを確認して撮影でき、且つレスポンスの低下を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影倍率を変更可能な光学レンズを備え、前記光学レンズを介して被写体像を撮影する撮像装置であって、前記撮影倍率と前記被写体像に生じる歪曲度合いとの対応関係を示す対応情報が予め記憶された対応情報記憶手段と、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記対応情報に基づいて、前記光学レンズの現在設定されている前記撮影倍率で撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記被写体像に生じる歪曲度合いを報知する報知手段と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、対応情報記憶手段に、撮影倍率と、当該撮影倍率で撮影した場合に被写体像に生じる歪曲度合いの対応関係を示す対応情報が予め記憶されている。判断手段により、この対応情報に基づいて、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いが判断され、報知手段により、この判断結果に応じて、歪曲度合いが報知される。
【0012】
この報知結果により、撮影者は、現在の撮影倍率で撮影を行った場合に被写体像に生じる歪曲度合いを把握できる。また、撮影倍率を変更した場合には、変更後の撮影倍率で撮影した場合の歪曲度合いが報知されるので、撮影者は、例えば、撮影倍率を変更しながら、当該撮影倍率の変更に伴い歪曲度合いの変化も確認して、構図を決定することができる。
【0013】
したがって、撮影者は、歪曲度合いを確認して撮影を行うことができ、またこのために歪曲補正処理を必要しないので、レスポンス低下の恐れもない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記被写体像を表示するための表示手段を更に有し、前記報知手段は、前記表示手段に表示される前記被写体像上に、前記歪曲度合いを示す画像を重畳表示することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、報知手段は、表示手段に表示された被写体像上に、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いを示す画像を重畳表示して、歪曲度合いを報知する。これにより、撮影者は、表示手段の表示から、被写体像の確認だけでなく、歪曲度合いも確認できる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記画像が、前記被写体像上における予め定められた所定の前記歪曲度合いを超える領域を示す画像であることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、当該被写体像における予めさだめられた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像が、報知手段により、表示手段に表示された被写体像上に重畳表示される。すなわち、歪曲度合いと共に、表示手段に表示された被写体像において、歪曲度合いの大きい領域についても報知することができる。
【0018】
なお、上記の撮像装置は、上記の撮像装置は、銀塩カメラでもデジタルカメラでもよい。
【0019】
ただし、デジタルカメラの場合は、撮影した被写体像(デジタル画像データ)を記録した後から、演算により当該被写体像に生じている歪曲を補正するようにしてもよい。
【0020】
例えば、撮影された被写体像を撮影時の撮影倍率を示す撮影倍率情報と共に所定の記録メディアに記録する記録手段と、前記被写体像を表示するための表示手段と、前記記録メディアに記録された前記被写体像を前記表示手段に表示する場合に、当該表示に先立ち、当該被写体像と共に記録された前記撮影倍率情報に基づいて、当該被写体像に対して前記歪曲を補正する補正処理を施す補正手段と、を有するようにすれば、記録メディアに記録された被写体像を表示手段に表示(再生表示)する際に、まず、補正手段により被写体像の歪曲を補正し、この補正後の被写体像を表示手段に表示することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明をデジタルカメラに適用した場合について説明する。
【0022】
図1(A)に示すように、本発明が適用されたデジタルカメラ10の正面には、露光に際して被写体が適正な露光光量が得られない低照度の場合に発光されるストロボ12と、撮影される被写体像と略同等の像を示す光が入射するファインダー窓14と、被写体像を結像させるための光学レンズ16と、が設けられている。また、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られた画像データをデジタルデータとして記憶する可搬型の記憶メディア(本実施の形態では、スマートメディア)18(図2参照、図1では省略)を装着可能なスロット20が設けられている。
【0023】
なお、光学レンズ16は、所謂沈胴式の光学レンズであり、撮影時以外は、当該デジタルカメラ10本体の筐体22内に沈胴されており、撮影時には、光軸方向に伸縮可能な鏡筒16Aが伸長されて、沈胴されていた光学レンズ16が外部に現れるようになっている。
【0024】
また、この光学レンズ16は、鏡筒16A内に、図示しないズーム光学レンズ群及びフォーカス光学レンズが取り付けられて構成されており、ズーム光学レンズ群は、鏡筒16Aの伸縮と共に光軸方向に移動し、所望の撮影倍率になる位置にセットされる(焦点距離可変光学レンズ)。一方、フォーカス光学レンズは、ズーム光学レンズ群の一部の光学レンズを保持する光学レンズ枠に取りつけられたフォーカス光学レンズ枠に取り付けられている。このフォーカス光学レンズ枠は、光軸方向に沿って移動可能とされており、フォーカス光学レンズは、フォーカス光学レンズ枠の移動により、光学レンズを通過した被写体像を示す入射光が後述する撮像素子の受光面上に結像する位置にセットされる(オートフォーカス(AF)機構)。
【0025】
なお、本実施の形態では、ズーム光学レンズ群及びフォーカス光学レンズ(すなわちAF機構及び焦点距離可変光学レンズ)を備えた光学レンズ16を例に説明するが、ズーム光学レンズ群に代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定光学レンズを用いた構成することもできる。
【0026】
一方、デジタルカメラ10の背面には、図1(B)に示すように、表示手段として、撮影によって得られた被写体像、各種メニュー、パラメータ等を表示するための液晶ディスプレイ24と、ファインダー窓14から入射した光が図示しない光学部材を介して案内され、撮影する被写体の構図を決定する際に撮影者によって覗かれるファインダー接眼部26と、撮影倍率をアップ又はダウンしたり、液晶ディスプレイ24に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はパラメータを選択する際に撮影者によって操作される十字ボタン28と、が設けられている。
【0027】
更に、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10の各部への電源電力の供給/供給停止の切り替えを行う電源スイッチ30と、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるシャッタスイッチ(所謂レリーズスイッチ)32と、撮影モードを選択する際に撮影者によって回転操作されるモードダイヤル34と、が設けられている。
【0028】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0029】
同図に示すように、デジタルカメラ10は、光学レンズ16を通過した被写体像を示す入射光に基づき被写体を撮像して被写体像を示すアナログ画像信号を出力する撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)40と、入力された信号に対して所定のアナログ信号処理を施すアナログ信号処理部42と、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という。)44と、入力されたデジタル信号に対して所定のデジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)46と、主として被写体像を示すデジタル信号によって示される情報を記憶するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)48と、各種プログラムや所定データ等の情報が記憶されたフラッシュROM(Flash Read Only Memory)50と、スロット20に装填されたスマートメディア18に対して各種情報を読み書きする記録メディアインタフェース(I/F)52と、光学レンズ16の鏡筒16Aを光軸方向に伸縮させる)モータ(図示省略)、及び光学レンズ16内部のフォーカス光学レンズを光軸方向に移動させたりするモータ(図示省略)を駆動するためのモータドライブ54と、CCD40に対する撮影時のタイミング制御を行うCCD制御部56と、ストロボ12の発光の制御を行うストロボ制御部58と、音声録音及び再生するためのマイク60及びスピーカ62の駆動するためのオーディオI/F64と、備えている。
【0030】
また、デジタルカメラ10は、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央演算処理装置)66を更に備えている。このCPU66は、SDRAM48及びフラッシュROM50と共にメインバスMBに接続されており、SDRAM48及びフラッシュROM50に任意にアクセスすることができる。
【0031】
また、CPU66は、十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34と接続されており、これらの十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34の撮影者による操作状態を常時把握できる。
【0032】
さらに、このCPU66は、液晶ディスプレイ24、DSP46、記録メディアI/F52、モータドライブ54、CCD制御部56、ストロボ制御部58、及びオーディオI/F64と接続されており、撮影者による十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34の操作状態に応じて、これら各部の作動を制御する。
【0033】
詳しくは、CPU66は、撮影モード時には、モータドライブ54にモータを駆動させて、設定された撮影倍率になるようにズーム光学レンズ群を移動させ、且つフォーカス光学レンズを合焦させて、CCD制御部56に所定のタイミングでCCD40に被写体像を撮影させる。これによりCCD40から被写体像を示すアナログ画像信号が出力される。
【0034】
このCCD40の出力端はアナログ信号処理部42の入力端に、アナログ信号処理部42の出力端はA/D変換器44の入力端に、A/D変換器44の出力端はDSP46の入力端に、各々接続されている。また、DSP46及びSDRAM48は共にメインバスMBに接続されており、CCD40から出力された被写体像を示すアナログ画像信号は、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、次いでA/D変換器44によりデジタル画像信号に変換された後、DSP46により所定のデジタル信号処理が施されてデジタル画像データとしてSDRAM48に一旦記憶される。
【0035】
より詳しくは、DSP46では、デジタル画像信号に対して、光源種に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行って所定のデジタル画像データを生成し、更にYC変換処理して、輝度データYとクロマデータCr、Cb(以下「YCデータ」という)を生成し、このYCデータを被写体像を表すデジタル画像データとしてSDRAM48に格納する。
【0036】
また、このDSP46は、記録メディアI/F52及び液晶ディスプレイ24とも接続されており、SDRAM48に記憶されたデジタル画像データは、図示しない圧縮伸長手段により所定の圧縮方式で圧縮された後、DSP46から記録メディアI/F52に転送され、記録メディアI/F52によりスマートメディア18に記憶することができる。また、画像再生時にはスマートメディアに記憶された再生対象とするデジタル画像データが記録メディアI/F52により読み出されてDSP46に転送され、図示しない圧縮伸長手段により伸長されて、液晶ディスプレイ24に表示される。
【0037】
また、本実施の形態では、撮影時の撮影倍率を示す撮影倍率情報をデジタル画像データに付加してスマートメディア18に記憶しておき、再生時に、撮影倍率情報が示す撮影倍率に応じて、当該デジタル画像データに含まれる歪曲を補正して液晶ディスプレイ24に表示するようになっている。このため、DSP46上には、補正手段として、デジタル画像データに付加されている撮影倍率情報を読み出して、当該デジタル画像データに対して、歪曲補正を施す歪曲補正回路70が設けられている。また、前述したようにスマートメディア18への書込みは、記録手段としての記録メディア1/F52により行われる。
【0038】
さらに、DSP46は、CCD40よるによる連続的な撮像によって得られた動画像(デジタル画像データ)を、所謂スルー画像として、液晶ディスプレイに表示することで、液晶ディスプレイ24をファインダとして使用可能としている。
【0039】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、撮影によって得られた被写体像を表す画像(被写体像)上に各種のビットマップ画像を重畳して液晶ディスプレイ24に表示させるOSD(On Screen Display)機能が備えられている。このため、デジタルカメラ10は、DSP46上にOSD回路72を備えている。
【0040】
この被写体像上に重畳表示するための各種のビットマップデータ80は、予めフラッシュROM50に格納されており、重畳表示するビットマップデータ80はCPU66により適宜選択されてフラッシュROM50から読み出され、SDRAM48を介してOSD回路72に提供されるようになっている。
【0041】
また、フラッシュROM50には、予め、撮影倍率(焦点距離でもよい)と被写体像に生じるの歪曲度合いとの対応関係を示す対応情報82が記憶されている。すなわちフラッシュROM50が本発明の対応情報記憶手段に対応している。
【0042】
ここで、光学歪みやマージナルディストーションなどの光学レンズ16を介して撮影することにより被写体像に生じる歪みは、被写体像上の光学中心に対応する位置(画像中心)からの距離に応じて歪み量が変化することが知られており、例えば、画像中心からの理想的な距離に対する歪み量を歪曲率とすると、画像上の同一位置における歪曲率は、図3に示すように、低撮影倍率(ワイド端側)になるほど大きくなり、高撮影倍率(テレ端側)になるほど小さくなるというように、撮影倍率(焦点距離)によって変化することが知られている。
【0043】
したがって、当該デジタルカメラ10の出荷前などに、ワイド端及びテレ端を含む複数の撮影倍率各々について、当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率を計測し、この計測結果に基づいて、各撮影倍率における歪曲度合いを示す情報を作成して、対応情報82としてフラッシュROM50に記憶すればよい。具体的には、本実施の形態では、画像中心からの距離に応じて歪曲率が大きくなることから、歪曲度合いを示す情報として、撮像画像の四隅に生じる歪曲率を用いる。すなわち、対応情報82からは、各撮影倍率で撮影した場合各々について、当該撮影倍率で撮影した被写体像に生じる歪曲率の最大値が歪曲度合いとして確認できるようになっている。
【0044】
また、撮像画像上に生じる歪曲の歪曲率は、画像中心からの距離の多次元関数で近似表現することができることが知られている。本実施の形態では、上記の歪曲率の最大値と共に、この多次元関数を表すパラメータも歪曲度合いを示す情報として用いている。
【0045】
例えば、画像中心からの距離をdとして、歪曲率F(d)を次式(1)のように表すことができる場合には、多次元関数を表すパラメータとして係数α、β、γを用いればよい。
【0046】
F(d)=α×d4+β×d2+γ …(1)
すなわち、対応情報82は、図4に示すように、撮影倍率と、当該撮影倍率に対応する歪曲率(最大値)及びパラメータ(α、β、γ)とで構成されている。なお、このパラメータは、歪曲補正回路70での歪曲補正に用いられる。
【0047】
この対応情報82で歪曲率が対応付けられた複数の撮影倍率各々に対して、当該撮影倍率で撮影した場合に被写体像に生じる歪曲率が所定値以上となる領域を示すビットマップデータ80が、被写体像上に重畳表示するためのビットマップデータとしてフラッシュROM50に記憶されている。この歪曲率が所定値以上となる領域は、前述の歪曲率特性から簡単に求めることができることは言うまでもない。
【0048】
なお、本実施の形態では、具体的に、歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータをフラッシュROM50に記憶している。これは、一般に、歪曲率が1.5%以上になると人間の視覚に歪みが目立つとされているためである。
【0049】
CPU66は、本発明の判断手段として機能し、対応情報82に基づいて歪曲度合いが大きいか否かを判断し、歪曲度合いが大きい場合には、撮影倍率に応じてビットマップデータ80を選択し、OSD回路72に重畳表示を指示する。OSD回路72は、撮影によって得られたデジタル画像データが示す被写体像上に、CPU66により選択されたビットマップデータ80に基づく画像を重畳した状態を示すデジタル画像データを生成し、この生成したデジタル画像データを液晶ディスプレイ24に表示させることで、撮影者に歪曲度合いを報知することができるようになっている。すなわち、本実施の形態では、OSD回路72が本発明の報知手段に対応している。
【0050】
次に、本実施の形態の作用を説明する。なお、以下では、撮影者により液晶ディスプレイ24がファインダとして使用されて撮影が行われる場合を例に説明する。
【0051】
本実施のデジタルカメラ10は、電源スイッチ30の操作により起動され、CPU66により図5に示す制御ルーチンが実行される。なお、図5では、特に本発明に係わる処理のみ示している。
【0052】
撮影者は、被写体の撮影を行うときには、モードダイヤル34を操作して、撮影モードに切換える。撮影モードへ切り換えられると、図5に示すように、CPU66は、ステップ100からステップ102に移行し、モータドライブ54を介してモータ(図示省略)の駆動を制御し、デジタルカメラ10本体内部に沈胴されている光学レンズ16の鏡筒16Aを伸張させて、外部に突出させると共に、所定の撮影倍率となるようにズーム光学レンズ群を移動させた後、ステップ104に進み、デジタルカメラ10は、撮影スタンバイ状態となり、CPU66はCCD40による連続的な撮像を開始し、当該連続的な撮像結果が液晶ディスプレイ24に動画表示される(スルー画像表示)。
【0053】
詳しくは、CCD40による連続的な撮像結果は、順次、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、A/D変換器44によりデジタル画像信号に変換され、DSP46により所定のデジタル信号処理が施された後、デジタル画像データとして、SDRAM48に一旦格納される。この連続的な撮像結果に基づくデジタル画像データをDSP46によりSDRAM48から連続的に読み出して、液晶ディスプレイ24に表示させることで、CCD40による撮影結果、すなわち被写体像が略リアルタイムで液晶ディスプレイ24に動画表示されることになる。
【0054】
撮影者は、この液晶ディスプレイ24の表示を確認しながら、必要に応じて、十字ボタン28を操作して、撮影倍率の変更(アップ又はダウン)を指示することによって、所望の撮影倍率に変更して、被写体の構図を決定したら、シャッタスイッチ32を押圧操作して、撮影を行う。
【0055】
撮影スタンバイ状態に移行後は、CPU66は、撮影倍率の変更が指示される(ステップ106)か撮影が指示される(ステップ120)のを待機しており、撮影者による十字ボタン28の操作により撮影倍率の変更が指示された場合には、次のステップ106からステップ108に移行し、十字ボタン28の押圧時間に応じた時間だけ、モータドライブ54を介してモータ(図示省略)の駆動させ、鏡筒16Aを伸張又は収縮し、ズーム光学レンズ群を移動させる。すなわち、十字ボタン28の押圧時間に応じて撮影倍率がアップ又はダウンされ、これにより、撮影者により指示された撮影倍率となるようになっている。
【0056】
このようにして、撮影倍率が変更されると、次のステップ110では、フラッシュROM50に記憶されている対応情報82から変更後の撮影倍率に対応する歪曲率(最大値)を読み出す。なお、光学レンズの撮影倍率は連続的に変化可能であり、対応情報82に変更後の撮影倍率と一致する撮影倍率が無い場合もあるが、その場合は、予め定められた規則に則って、例えば、変更後の撮影倍率に最も近い撮影倍率、或いは変更後の撮影倍率よりも大きいものから最も近い撮影倍率、或いは変更後の撮影倍率よりも小さいものから最も近い撮影倍率を選択するようにすればよい。
【0057】
そして、読み出した歪曲率が予め定められた所定値以上、具体的には1.5%以上である場合は、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れ、歪曲度合いが大きいとして、次のステップ112からステップ114に進み、歪曲率が1.5%未満の場合は、歪曲度合いは小さいとして、ステップ112からステップ106に戻る。
【0058】
ステップ114では、当該撮影倍率時の歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータ80をフラッシュROM50から読み出し、ステップ116で、このビットマップデータ80に基づく画像を被写体像上に重畳表示するように、DSP46に指示する。
【0059】
なお、本実施の形態では、重畳表示を高速に行うため、予めフラッシュメモリ50にビットマップデータ80を記憶しておく場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU66の演算処理速度が充分に高速であれば、対応情報82に含まれる当該撮影倍率に対応する歪曲率を示す多次元関数のパラメータα、β、γを用いて、歪曲率が1.5%となる領域を示すビットマップデータ80をCPU66により生成して、この生成したビットマップデータを被写体像上に重畳表示させるようにすることもできる。この場合は、フラッシュメモリ50のメモリ容量の削減効果がある。
【0060】
DSP46では、SDRAM48からCCD40による撮影結果に基づくデジタル画像データを読み出して、OSD回路72により、当該デジタル画像データが表す画像(被写体像)上に、ビットマップデータが表す画像が配置された状態を示すデジタル画像データ(以下、「重畳画像データ」と称す)を生成し、CCD40による撮影結果に基づくデジタル画像データを表示するときと同様にして、この重畳画像データを液晶ディスプレイ24に表示させる。
【0061】
具体的に、本実施の形態では、歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータ80として、歪曲率が1.5%以上の領域を黒色などで均一に塗り潰し、その他の領域については完全に透過するものを用いており、これにより、図6(A)に示すような液晶ディスプレイ24に表示されたCCD40の撮影で取得されたデジタル画像データに基づく画像(被写体像)200上に、図6(B)に示すように、歪曲率が所定値以上になる領域のみが塗り潰された枠202が重畳表示され、撮影者に、この状態の撮影では、歪曲が大きくなることを報知することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、ステップ112の判定基準として1.5%を例に用いたが、本発明は、判定基準をこの値に限定するものではないことは言うまでもない。また、許容する歪曲度合いを厳しくするか、緩くするかの許容レベルを、撮影者が十字ボタン28などを操作することによって、複数段階に選択可能とし、選択された許容レベルに応じて、判定基準を変更するようにしてもよい。
【0063】
その後は、撮影者により、シャッタスイッチ32が押圧操作されるまで、次のステップ120からステップ106に戻る。
【0064】
すなわち、撮影者によりシャッタスイッチ32が押圧操作されるまでの撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中は、現在の撮影倍率で撮影を行った場合に、被写体像上に歪曲率が1.5%以上になる領域が現れる場合には、図6(A)から(B)のように、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像200上に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像としての枠202が重畳表示されるので、撮影者に歪曲度合いが大きいこと及び歪曲が特に大きくなる領域(歪曲率が1.5%以上になる領域)を報知することができる。また、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、当該変更後の撮影倍率に応じてビットマップデータ80が変更され、すなわち図6の(B)から(C)のように枠202が変更されて重畳表示されるので、撮影者は、撮影倍率を変更しながら、当該撮影倍率の変更に伴う歪曲度合いの変化を確認して、構図を決定することができる。
【0065】
これにより、撮影者は、液晶ディスプレイ24をファインダとして使用して被写体像の構図を決定する際に、被写体像上のビットマップデータに基づく画像の重畳表示の有無により、歪曲度合いも同時に確認することができるので、歪曲が大きくならないように撮影倍率を調整したり、或いは、歪曲が大きくなる領域(歪曲率が1.5%以上になる領域)に、人物など特にきれいに撮影したい被写体が入らないように撮影位置を調整するなどして、構図を決定することができる。
【0066】
なお、上記では、撮影モード切替直後にセットされる所定の撮影倍率では、歪曲率が1.5%以上にならないことを前提に説明したが、撮影モード切替直後にセットされる所定の撮影倍率で歪曲率が1.5%以上になる場合は、撮影スタンバイ状態に移行直後から被写体像上にビットマップデータ80に基づく画像が重畳表示すればよい。
【0067】
撮影者は、このようにして構図を決定したら、シャッタスイッチ32を押圧して、撮影を指示する。CPU66は、シャッタスイッチ32が押圧されると、ステップ120からステップ122に移行して、撮影処理が行われる。すなわち、所定のシャッタスピード及び絞り量が制御されてCCD40で被写体像が撮影され、この撮影結果は、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、A/D変換器44によりデジタル画像信号に変換され、DSP46により所定のデジタル信号処理が施された後、デジタル画像データとして、SDRAM48に一旦格納される。
【0068】
そして、次のステップ124では、SDRAM48に格納されたデジタル画像データに撮影倍率を示す撮影倍率情報の付加し、ステップ126で、DSP46にSDRAM48からデジタル画像データを読み出して記録メディアI/F52に転送させ、記録メディアI/F52に撮影倍率情報が付加されたデジタル画像データをスマートメディア18に記録させる。
【0069】
なお、デジタル画像データは、図示しない圧縮伸張回路により所定の圧縮方式、例えばJPEG方式で圧縮された後、スマートメディア18に記録されるようになっている。また、撮影倍率情報の付加方法としては、例えば、圧縮後のデジタル画像データにヘッダ情報として付加することが挙げられる。
【0070】
一方、上記のようにして、既に撮影した画像を液晶ディスプレイ24に表示(再生表示)したいときには、撮影者は、モードダイヤル34を操作して再生モードに切換える。これにより、CPU66では、図3のステップ100からステップ130、ステップ132と進み、スマートメディア18に記録されているデジタル画像データのファイル名を一覧表示するなどして、再生したいデジタル画像データの選択を促し、撮影者が十字ボタン28を操作するなどして再生したいデジタル画像データが指定すると、再生対象データが指定されたとして、ステップ132からステップ134に移行する。
【0071】
ステップ134では、記録メディアI/F52に指定されたデジタル画像データをスマートメディア18から読み出させる。この読み出されたデジタル画像データは、一旦SDRAM48に格納される。
【0072】
そして、次のステップ136で、読み出したデジタル画像データに付加されている撮影倍率情報を抽出する。なお、デジタル画像データは、撮影倍率情報の抽出と共に、図示しない圧縮伸長手段により伸長されて、SDRAM48に格納されるようになっている。
【0073】
続いて、ステップ138では、DSP46の歪曲補正回路70に、当該撮影倍率情報が示す撮影倍率に基づいて、当該デジタル画像データに対して歪曲補正処理を実行させる。具体的には、撮影倍率情報が示す撮影倍率に対応するパラメータ(α、β、γ)をフラッシュROM50の対応情報82から読み出して、DSP46の歪曲補正回路70に転送することで、歪曲補正処理の実行を指示する。歪曲補正回路70は、このパラメータを用いて、SDRAM48に格納されているデジタル画像データを読み出して、歪曲補正を行う。この歪曲補正には、パラメータを用いて歪曲率を近似表現して、座標変換演算及び補間演算により、補正後の各画素の値を求める従来公知の補正技術を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
【0074】
そして、次のステップ140で、歪曲補正回路70による補正後の該デジタル画像データに基づく画像を液晶ディスプレイ24に表示させる。これにより、撮影者は、撮影後に画像を再生した場合には、歪曲が補正された画像を確認することができる。
【0075】
このように、本実施の形態では、予め撮影倍率と被写体像に生じるの歪曲度合い(当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率の最大値)との対応関係を示す対応情報82を記憶しておき、撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中は、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、対応情報に基づいて、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れるか否かを判断し、歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れる場合には、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像上に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像(図6の枠202参照)を重畳表示するようになっている。撮影者は、この重畳表示の有無により歪曲度合いを確認して撮影を行うことができる。また、撮影時に歪曲補正処理を施さずとも歪曲度合いを確認できるので、レスポンス低下の恐れもない。
【0076】
なお、上記では、静止画を撮影する場合を例に説明したが、動画を撮影する場合にも適用可能である。ただし、動画を撮影する場合は、撮影スタンバイ状態だけではなく、実際に動画を撮影している期間中も、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像上に、上記と同様に撮影倍率の変更によって、歪曲率が所定値以上になる場合には、ビットマップデータ80を重畳表示して、警告報知するとよい。
【0077】
また、上記では、本発明の「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」の例として、ビットマップデータ80に基づいて、所定の歪曲率(1.5%)以上となる領域を黒色などで均一に塗り潰した枠202が被写体像に重畳表示される場合を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、歪み率は画像の周辺部に近づくほど連続的に大きくなるので、図7(A)に示すように、「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」として、所定の歪み率毎に、濃度、色、又は透明度などを段階的に変えた枠202が被写体像に重畳表示されるようにしてもよい。
【0078】
また、上記では、本発明の「歪曲度合いを示す画像」として、「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」を用いた場合を例に説明したが、「歪曲度合いを示す画像」として、例えば、図7(B)に示すような所定の警告メッセージ204を被写体像上に重畳表示されるようにしても、撮影者に歪み度合いを報知することができる。また、図示は省略するが、予め定められた所定の警告マークでもよい。
【0079】
また、上記では、液晶ディスプレイ24をファインダとして用いる場合を例に説明したが、通常のファインダ、すなわち撮影者がファインダー接眼部26を覗いて構図を決定する場合にも、撮影者によりファインダー接眼部26を覗いて確認されるファインダ内の被写体像上に、枠202や警告メッセージ(警告マーク)204を重畳表示されるようにすればよい。すなわち、ファインダとしての機能させることができれば、本発明の表示手段は、液晶ディスプレイ24に限定されるものではない。
【0080】
また、上記では、OSD回路を本発明の報知手段として用い、表示手段に表示された被写体像上に歪曲度合いを示す画像を重畳表示させることで、歪み度合いを報知する場合の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スピーカ62を本発明の報知手段として用い、スピーカ62から警告音や警告音声メッセージを出力させるようにしてもよい。
【0081】
また、上記ではデジタルカメラに本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、デジタルビデオカメラは勿論のこと、銀塩カメラにも適用可能である。銀塩カメラに適用する場合は、被写体像上に歪曲度合いを示す画像を重畳表示するならば、ファインダ内に上記で説明したような枠202、警告メッセージ204、警告マークなどが表示されるようにすればよい。その他、スピーカから警告音や警告音声メッセージの出力させてもよい。
【0082】
また、上記では、歪曲が大きい場合に警告報知する場合を説明したが、逆に、歪曲が小さい(歪曲率が所定値よりも小さい)場合に、メッセージ又はマークを表示したり、音声メッセージ出力により、良好な撮影が可能であることを報知する(良好報知)ようにしても、歪曲度合いの報知は可能である。また、警告・良好の報知ではなく、例えば歪曲率の最大値を示す数値を被写体像に重畳表示したり、音声出力するようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、撮影者が歪曲度合いを確認して撮影可能であり、且つレスポンスの低下を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラの正面(A)及び背面(B)を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図3】撮影倍率に対する歪曲率特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態に係わる対応情報の構成を説明するための概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わるCPUで行われる制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】(A)は被写体像の例、(B)は(A)の被写体像上にビットマップデータに基づく画像が重畳表示された例、(C)は撮影倍率が変更された場合に、変更後の撮影倍率に応じてビットマップデータが変更されて当該ビットマップデータに基づく画像が被写体像上に表示された例を示す図である。
【図7】(A)、(B)は、歪曲率が所定値以上の場合に、被写体像上に重畳表示されるビットマップデータのその他の例を示す図である。
【符号の説明】
10デジタルカメラ
16光学レンズ
16A 鏡筒
18スマートメディア
24液晶ディスプレイ
28十字ボタン
32シャッタスイッチ
34モードダイヤル
40CCD
46DSP
48SDRAM
50フラッシュROM
54モータドライブ
70歪曲補正回路
72OSD回路
80ビットマップデータ
82対応情報
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に係わり、特に、撮影倍率を変更可能な光学レンズを備え、前記光学レンズを介して被写体像を撮像する撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀塩カメラやデジタルカメラなどの光学レンズを通して被写体を撮像して、被写体像を表す画像を取得する撮像装置では、光学レンズの歪曲収差により、取得した画像には周辺部に歪みが生じてしまう。この歪みは、一般に光学歪みと称され、撮像装置に用いられる光学レンズは、この光学歪みを打ち消すように構成されるが、撮影倍率を変更可能な所謂ズーム光学レンズの場合、同一の光学レンズ構成でテレ端及びワイド端を共に補正することは難しく、大きな光学歪みが発生し易い。
【0003】
また、歪曲収差のない理想的な光学レンズを用いたとしても、立体物を撮影した場合には、マージナルディストーションと称される、画像の中心よりも周辺にある被写体が大きく写ったり、曲がったりする歪みが生じ、この歪みは、特に、ワイド端で撮影した場合に問題になる。
【0004】
ところで、銀塩カメラのように取得された画像がフイルムに記録される場合は、上記のような歪みが画像に生じると、この歪みの補正は不可能である。一方、デジタルカメラのようにデジタルデータ(以下、デジタル画像データと称す)で画像が取得されて記録メディアに記録される場合は、記録後でも演算処理によって画像を補正することが可能である。このため、デジタルカメラの分野では、従来より、画像データの歪みを補正する技術が提案されている。
【0005】
例えば、特開2000−125175号公報には、少ない補正データを用いて画像の歪曲収差(光学歪み)を補正するための技術が記載されている。詳しくは、デジタルカメラに、予め、ズーム光学レンズの複数のそれぞれのズーム位置に対応して、被写体距離が無限大及び最至近に対応する撮影光学レンズの歪曲収差情報を記憶しておき、撮影時にズーム光学レンズのズーム位置を検出して、検出したズーム位置に対応する歪曲収差情報を当該撮影により取得されたデジタル画像データに付加して記録媒体に記憶する。このデジタル画像データを歪曲収差情報と共に画像処理装置により読み取って、当該画像処理装置において、読み取った歪曲収差情報に基づいてデジタル画像データの歪曲収差補正を行うものである。
【0006】
また、特開平11−161779号公報には、画像入力装置により、デジタルカメラなどで取得された画像データを読み込んで、読み込んだ画データに対して、画像の中心と周辺の倍率を変える、マージナルディストーションにより大きさがかわってしまった立体物の大きさを補正する技術が記載されている。また、デジタルカメラにおいて、撮影時に、撮像素子から出力されたアナログの画像信号をA/D変換してデジタル画像データに変換したものに対して直接補正を行ってから表示手段に表示したり、記録することも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、歪曲度合いが大きいと、補正量が大きくなるため、歪曲補正によりデジタル画像データが劣化したり、充分に補正できず歪曲が残ってしまったりするが、従来技術では、画像データを補正してみなければその結果を確認することができなかった。このため、撮影者の予想以上の歪曲が生じていた場合は、撮影者が所望の画像データを得ることができないという問題があった。
【0008】
また、デジタルカメラにおいて、撮影時にデジタル画像データに対して直接補正を行う場合は、補正処理には時間がかかるため、撮影により取得した画像データを表示したり記録するまでに時間がかかり、レスポンスが低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、撮影者が歪曲度合いを確認して撮影でき、且つレスポンスの低下を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影倍率を変更可能な光学レンズを備え、前記光学レンズを介して被写体像を撮影する撮像装置であって、前記撮影倍率と前記被写体像に生じる歪曲度合いとの対応関係を示す対応情報が予め記憶された対応情報記憶手段と、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記対応情報に基づいて、前記光学レンズの現在設定されている前記撮影倍率で撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記被写体像に生じる歪曲度合いを報知する報知手段と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、対応情報記憶手段に、撮影倍率と、当該撮影倍率で撮影した場合に被写体像に生じる歪曲度合いの対応関係を示す対応情報が予め記憶されている。判断手段により、この対応情報に基づいて、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いが判断され、報知手段により、この判断結果に応じて、歪曲度合いが報知される。
【0012】
この報知結果により、撮影者は、現在の撮影倍率で撮影を行った場合に被写体像に生じる歪曲度合いを把握できる。また、撮影倍率を変更した場合には、変更後の撮影倍率で撮影した場合の歪曲度合いが報知されるので、撮影者は、例えば、撮影倍率を変更しながら、当該撮影倍率の変更に伴い歪曲度合いの変化も確認して、構図を決定することができる。
【0013】
したがって、撮影者は、歪曲度合いを確認して撮影を行うことができ、またこのために歪曲補正処理を必要しないので、レスポンス低下の恐れもない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記被写体像を表示するための表示手段を更に有し、前記報知手段は、前記表示手段に表示される前記被写体像上に、前記歪曲度合いを示す画像を重畳表示することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、報知手段は、表示手段に表示された被写体像上に、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いを示す画像を重畳表示して、歪曲度合いを報知する。これにより、撮影者は、表示手段の表示から、被写体像の確認だけでなく、歪曲度合いも確認できる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記画像が、前記被写体像上における予め定められた所定の前記歪曲度合いを超える領域を示す画像であることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、当該被写体像における予めさだめられた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像が、報知手段により、表示手段に表示された被写体像上に重畳表示される。すなわち、歪曲度合いと共に、表示手段に表示された被写体像において、歪曲度合いの大きい領域についても報知することができる。
【0018】
なお、上記の撮像装置は、上記の撮像装置は、銀塩カメラでもデジタルカメラでもよい。
【0019】
ただし、デジタルカメラの場合は、撮影した被写体像(デジタル画像データ)を記録した後から、演算により当該被写体像に生じている歪曲を補正するようにしてもよい。
【0020】
例えば、撮影された被写体像を撮影時の撮影倍率を示す撮影倍率情報と共に所定の記録メディアに記録する記録手段と、前記被写体像を表示するための表示手段と、前記記録メディアに記録された前記被写体像を前記表示手段に表示する場合に、当該表示に先立ち、当該被写体像と共に記録された前記撮影倍率情報に基づいて、当該被写体像に対して前記歪曲を補正する補正処理を施す補正手段と、を有するようにすれば、記録メディアに記録された被写体像を表示手段に表示(再生表示)する際に、まず、補正手段により被写体像の歪曲を補正し、この補正後の被写体像を表示手段に表示することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明をデジタルカメラに適用した場合について説明する。
【0022】
図1(A)に示すように、本発明が適用されたデジタルカメラ10の正面には、露光に際して被写体が適正な露光光量が得られない低照度の場合に発光されるストロボ12と、撮影される被写体像と略同等の像を示す光が入射するファインダー窓14と、被写体像を結像させるための光学レンズ16と、が設けられている。また、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られた画像データをデジタルデータとして記憶する可搬型の記憶メディア(本実施の形態では、スマートメディア)18(図2参照、図1では省略)を装着可能なスロット20が設けられている。
【0023】
なお、光学レンズ16は、所謂沈胴式の光学レンズであり、撮影時以外は、当該デジタルカメラ10本体の筐体22内に沈胴されており、撮影時には、光軸方向に伸縮可能な鏡筒16Aが伸長されて、沈胴されていた光学レンズ16が外部に現れるようになっている。
【0024】
また、この光学レンズ16は、鏡筒16A内に、図示しないズーム光学レンズ群及びフォーカス光学レンズが取り付けられて構成されており、ズーム光学レンズ群は、鏡筒16Aの伸縮と共に光軸方向に移動し、所望の撮影倍率になる位置にセットされる(焦点距離可変光学レンズ)。一方、フォーカス光学レンズは、ズーム光学レンズ群の一部の光学レンズを保持する光学レンズ枠に取りつけられたフォーカス光学レンズ枠に取り付けられている。このフォーカス光学レンズ枠は、光軸方向に沿って移動可能とされており、フォーカス光学レンズは、フォーカス光学レンズ枠の移動により、光学レンズを通過した被写体像を示す入射光が後述する撮像素子の受光面上に結像する位置にセットされる(オートフォーカス(AF)機構)。
【0025】
なお、本実施の形態では、ズーム光学レンズ群及びフォーカス光学レンズ(すなわちAF機構及び焦点距離可変光学レンズ)を備えた光学レンズ16を例に説明するが、ズーム光学レンズ群に代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定光学レンズを用いた構成することもできる。
【0026】
一方、デジタルカメラ10の背面には、図1(B)に示すように、表示手段として、撮影によって得られた被写体像、各種メニュー、パラメータ等を表示するための液晶ディスプレイ24と、ファインダー窓14から入射した光が図示しない光学部材を介して案内され、撮影する被写体の構図を決定する際に撮影者によって覗かれるファインダー接眼部26と、撮影倍率をアップ又はダウンしたり、液晶ディスプレイ24に表示されたメニュー画面から所望のメニュー項目又はパラメータを選択する際に撮影者によって操作される十字ボタン28と、が設けられている。
【0027】
更に、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10の各部への電源電力の供給/供給停止の切り替えを行う電源スイッチ30と、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるシャッタスイッチ(所謂レリーズスイッチ)32と、撮影モードを選択する際に撮影者によって回転操作されるモードダイヤル34と、が設けられている。
【0028】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0029】
同図に示すように、デジタルカメラ10は、光学レンズ16を通過した被写体像を示す入射光に基づき被写体を撮像して被写体像を示すアナログ画像信号を出力する撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)40と、入力された信号に対して所定のアナログ信号処理を施すアナログ信号処理部42と、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という。)44と、入力されたデジタル信号に対して所定のデジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)46と、主として被写体像を示すデジタル信号によって示される情報を記憶するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)48と、各種プログラムや所定データ等の情報が記憶されたフラッシュROM(Flash Read Only Memory)50と、スロット20に装填されたスマートメディア18に対して各種情報を読み書きする記録メディアインタフェース(I/F)52と、光学レンズ16の鏡筒16Aを光軸方向に伸縮させる)モータ(図示省略)、及び光学レンズ16内部のフォーカス光学レンズを光軸方向に移動させたりするモータ(図示省略)を駆動するためのモータドライブ54と、CCD40に対する撮影時のタイミング制御を行うCCD制御部56と、ストロボ12の発光の制御を行うストロボ制御部58と、音声録音及び再生するためのマイク60及びスピーカ62の駆動するためのオーディオI/F64と、備えている。
【0030】
また、デジタルカメラ10は、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央演算処理装置)66を更に備えている。このCPU66は、SDRAM48及びフラッシュROM50と共にメインバスMBに接続されており、SDRAM48及びフラッシュROM50に任意にアクセスすることができる。
【0031】
また、CPU66は、十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34と接続されており、これらの十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34の撮影者による操作状態を常時把握できる。
【0032】
さらに、このCPU66は、液晶ディスプレイ24、DSP46、記録メディアI/F52、モータドライブ54、CCD制御部56、ストロボ制御部58、及びオーディオI/F64と接続されており、撮影者による十字ボタン28、電源スイッチ30、シャッタスイッチ32、及びモードダイヤル34の操作状態に応じて、これら各部の作動を制御する。
【0033】
詳しくは、CPU66は、撮影モード時には、モータドライブ54にモータを駆動させて、設定された撮影倍率になるようにズーム光学レンズ群を移動させ、且つフォーカス光学レンズを合焦させて、CCD制御部56に所定のタイミングでCCD40に被写体像を撮影させる。これによりCCD40から被写体像を示すアナログ画像信号が出力される。
【0034】
このCCD40の出力端はアナログ信号処理部42の入力端に、アナログ信号処理部42の出力端はA/D変換器44の入力端に、A/D変換器44の出力端はDSP46の入力端に、各々接続されている。また、DSP46及びSDRAM48は共にメインバスMBに接続されており、CCD40から出力された被写体像を示すアナログ画像信号は、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、次いでA/D変換器44によりデジタル画像信号に変換された後、DSP46により所定のデジタル信号処理が施されてデジタル画像データとしてSDRAM48に一旦記憶される。
【0035】
より詳しくは、DSP46では、デジタル画像信号に対して、光源種に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行って所定のデジタル画像データを生成し、更にYC変換処理して、輝度データYとクロマデータCr、Cb(以下「YCデータ」という)を生成し、このYCデータを被写体像を表すデジタル画像データとしてSDRAM48に格納する。
【0036】
また、このDSP46は、記録メディアI/F52及び液晶ディスプレイ24とも接続されており、SDRAM48に記憶されたデジタル画像データは、図示しない圧縮伸長手段により所定の圧縮方式で圧縮された後、DSP46から記録メディアI/F52に転送され、記録メディアI/F52によりスマートメディア18に記憶することができる。また、画像再生時にはスマートメディアに記憶された再生対象とするデジタル画像データが記録メディアI/F52により読み出されてDSP46に転送され、図示しない圧縮伸長手段により伸長されて、液晶ディスプレイ24に表示される。
【0037】
また、本実施の形態では、撮影時の撮影倍率を示す撮影倍率情報をデジタル画像データに付加してスマートメディア18に記憶しておき、再生時に、撮影倍率情報が示す撮影倍率に応じて、当該デジタル画像データに含まれる歪曲を補正して液晶ディスプレイ24に表示するようになっている。このため、DSP46上には、補正手段として、デジタル画像データに付加されている撮影倍率情報を読み出して、当該デジタル画像データに対して、歪曲補正を施す歪曲補正回路70が設けられている。また、前述したようにスマートメディア18への書込みは、記録手段としての記録メディア1/F52により行われる。
【0038】
さらに、DSP46は、CCD40よるによる連続的な撮像によって得られた動画像(デジタル画像データ)を、所謂スルー画像として、液晶ディスプレイに表示することで、液晶ディスプレイ24をファインダとして使用可能としている。
【0039】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、撮影によって得られた被写体像を表す画像(被写体像)上に各種のビットマップ画像を重畳して液晶ディスプレイ24に表示させるOSD(On Screen Display)機能が備えられている。このため、デジタルカメラ10は、DSP46上にOSD回路72を備えている。
【0040】
この被写体像上に重畳表示するための各種のビットマップデータ80は、予めフラッシュROM50に格納されており、重畳表示するビットマップデータ80はCPU66により適宜選択されてフラッシュROM50から読み出され、SDRAM48を介してOSD回路72に提供されるようになっている。
【0041】
また、フラッシュROM50には、予め、撮影倍率(焦点距離でもよい)と被写体像に生じるの歪曲度合いとの対応関係を示す対応情報82が記憶されている。すなわちフラッシュROM50が本発明の対応情報記憶手段に対応している。
【0042】
ここで、光学歪みやマージナルディストーションなどの光学レンズ16を介して撮影することにより被写体像に生じる歪みは、被写体像上の光学中心に対応する位置(画像中心)からの距離に応じて歪み量が変化することが知られており、例えば、画像中心からの理想的な距離に対する歪み量を歪曲率とすると、画像上の同一位置における歪曲率は、図3に示すように、低撮影倍率(ワイド端側)になるほど大きくなり、高撮影倍率(テレ端側)になるほど小さくなるというように、撮影倍率(焦点距離)によって変化することが知られている。
【0043】
したがって、当該デジタルカメラ10の出荷前などに、ワイド端及びテレ端を含む複数の撮影倍率各々について、当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率を計測し、この計測結果に基づいて、各撮影倍率における歪曲度合いを示す情報を作成して、対応情報82としてフラッシュROM50に記憶すればよい。具体的には、本実施の形態では、画像中心からの距離に応じて歪曲率が大きくなることから、歪曲度合いを示す情報として、撮像画像の四隅に生じる歪曲率を用いる。すなわち、対応情報82からは、各撮影倍率で撮影した場合各々について、当該撮影倍率で撮影した被写体像に生じる歪曲率の最大値が歪曲度合いとして確認できるようになっている。
【0044】
また、撮像画像上に生じる歪曲の歪曲率は、画像中心からの距離の多次元関数で近似表現することができることが知られている。本実施の形態では、上記の歪曲率の最大値と共に、この多次元関数を表すパラメータも歪曲度合いを示す情報として用いている。
【0045】
例えば、画像中心からの距離をdとして、歪曲率F(d)を次式(1)のように表すことができる場合には、多次元関数を表すパラメータとして係数α、β、γを用いればよい。
【0046】
F(d)=α×d4+β×d2+γ …(1)
すなわち、対応情報82は、図4に示すように、撮影倍率と、当該撮影倍率に対応する歪曲率(最大値)及びパラメータ(α、β、γ)とで構成されている。なお、このパラメータは、歪曲補正回路70での歪曲補正に用いられる。
【0047】
この対応情報82で歪曲率が対応付けられた複数の撮影倍率各々に対して、当該撮影倍率で撮影した場合に被写体像に生じる歪曲率が所定値以上となる領域を示すビットマップデータ80が、被写体像上に重畳表示するためのビットマップデータとしてフラッシュROM50に記憶されている。この歪曲率が所定値以上となる領域は、前述の歪曲率特性から簡単に求めることができることは言うまでもない。
【0048】
なお、本実施の形態では、具体的に、歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータをフラッシュROM50に記憶している。これは、一般に、歪曲率が1.5%以上になると人間の視覚に歪みが目立つとされているためである。
【0049】
CPU66は、本発明の判断手段として機能し、対応情報82に基づいて歪曲度合いが大きいか否かを判断し、歪曲度合いが大きい場合には、撮影倍率に応じてビットマップデータ80を選択し、OSD回路72に重畳表示を指示する。OSD回路72は、撮影によって得られたデジタル画像データが示す被写体像上に、CPU66により選択されたビットマップデータ80に基づく画像を重畳した状態を示すデジタル画像データを生成し、この生成したデジタル画像データを液晶ディスプレイ24に表示させることで、撮影者に歪曲度合いを報知することができるようになっている。すなわち、本実施の形態では、OSD回路72が本発明の報知手段に対応している。
【0050】
次に、本実施の形態の作用を説明する。なお、以下では、撮影者により液晶ディスプレイ24がファインダとして使用されて撮影が行われる場合を例に説明する。
【0051】
本実施のデジタルカメラ10は、電源スイッチ30の操作により起動され、CPU66により図5に示す制御ルーチンが実行される。なお、図5では、特に本発明に係わる処理のみ示している。
【0052】
撮影者は、被写体の撮影を行うときには、モードダイヤル34を操作して、撮影モードに切換える。撮影モードへ切り換えられると、図5に示すように、CPU66は、ステップ100からステップ102に移行し、モータドライブ54を介してモータ(図示省略)の駆動を制御し、デジタルカメラ10本体内部に沈胴されている光学レンズ16の鏡筒16Aを伸張させて、外部に突出させると共に、所定の撮影倍率となるようにズーム光学レンズ群を移動させた後、ステップ104に進み、デジタルカメラ10は、撮影スタンバイ状態となり、CPU66はCCD40による連続的な撮像を開始し、当該連続的な撮像結果が液晶ディスプレイ24に動画表示される(スルー画像表示)。
【0053】
詳しくは、CCD40による連続的な撮像結果は、順次、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、A/D変換器44によりデジタル画像信号に変換され、DSP46により所定のデジタル信号処理が施された後、デジタル画像データとして、SDRAM48に一旦格納される。この連続的な撮像結果に基づくデジタル画像データをDSP46によりSDRAM48から連続的に読み出して、液晶ディスプレイ24に表示させることで、CCD40による撮影結果、すなわち被写体像が略リアルタイムで液晶ディスプレイ24に動画表示されることになる。
【0054】
撮影者は、この液晶ディスプレイ24の表示を確認しながら、必要に応じて、十字ボタン28を操作して、撮影倍率の変更(アップ又はダウン)を指示することによって、所望の撮影倍率に変更して、被写体の構図を決定したら、シャッタスイッチ32を押圧操作して、撮影を行う。
【0055】
撮影スタンバイ状態に移行後は、CPU66は、撮影倍率の変更が指示される(ステップ106)か撮影が指示される(ステップ120)のを待機しており、撮影者による十字ボタン28の操作により撮影倍率の変更が指示された場合には、次のステップ106からステップ108に移行し、十字ボタン28の押圧時間に応じた時間だけ、モータドライブ54を介してモータ(図示省略)の駆動させ、鏡筒16Aを伸張又は収縮し、ズーム光学レンズ群を移動させる。すなわち、十字ボタン28の押圧時間に応じて撮影倍率がアップ又はダウンされ、これにより、撮影者により指示された撮影倍率となるようになっている。
【0056】
このようにして、撮影倍率が変更されると、次のステップ110では、フラッシュROM50に記憶されている対応情報82から変更後の撮影倍率に対応する歪曲率(最大値)を読み出す。なお、光学レンズの撮影倍率は連続的に変化可能であり、対応情報82に変更後の撮影倍率と一致する撮影倍率が無い場合もあるが、その場合は、予め定められた規則に則って、例えば、変更後の撮影倍率に最も近い撮影倍率、或いは変更後の撮影倍率よりも大きいものから最も近い撮影倍率、或いは変更後の撮影倍率よりも小さいものから最も近い撮影倍率を選択するようにすればよい。
【0057】
そして、読み出した歪曲率が予め定められた所定値以上、具体的には1.5%以上である場合は、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れ、歪曲度合いが大きいとして、次のステップ112からステップ114に進み、歪曲率が1.5%未満の場合は、歪曲度合いは小さいとして、ステップ112からステップ106に戻る。
【0058】
ステップ114では、当該撮影倍率時の歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータ80をフラッシュROM50から読み出し、ステップ116で、このビットマップデータ80に基づく画像を被写体像上に重畳表示するように、DSP46に指示する。
【0059】
なお、本実施の形態では、重畳表示を高速に行うため、予めフラッシュメモリ50にビットマップデータ80を記憶しておく場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU66の演算処理速度が充分に高速であれば、対応情報82に含まれる当該撮影倍率に対応する歪曲率を示す多次元関数のパラメータα、β、γを用いて、歪曲率が1.5%となる領域を示すビットマップデータ80をCPU66により生成して、この生成したビットマップデータを被写体像上に重畳表示させるようにすることもできる。この場合は、フラッシュメモリ50のメモリ容量の削減効果がある。
【0060】
DSP46では、SDRAM48からCCD40による撮影結果に基づくデジタル画像データを読み出して、OSD回路72により、当該デジタル画像データが表す画像(被写体像)上に、ビットマップデータが表す画像が配置された状態を示すデジタル画像データ(以下、「重畳画像データ」と称す)を生成し、CCD40による撮影結果に基づくデジタル画像データを表示するときと同様にして、この重畳画像データを液晶ディスプレイ24に表示させる。
【0061】
具体的に、本実施の形態では、歪曲率が1.5%以上になる領域を示すビットマップデータ80として、歪曲率が1.5%以上の領域を黒色などで均一に塗り潰し、その他の領域については完全に透過するものを用いており、これにより、図6(A)に示すような液晶ディスプレイ24に表示されたCCD40の撮影で取得されたデジタル画像データに基づく画像(被写体像)200上に、図6(B)に示すように、歪曲率が所定値以上になる領域のみが塗り潰された枠202が重畳表示され、撮影者に、この状態の撮影では、歪曲が大きくなることを報知することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、ステップ112の判定基準として1.5%を例に用いたが、本発明は、判定基準をこの値に限定するものではないことは言うまでもない。また、許容する歪曲度合いを厳しくするか、緩くするかの許容レベルを、撮影者が十字ボタン28などを操作することによって、複数段階に選択可能とし、選択された許容レベルに応じて、判定基準を変更するようにしてもよい。
【0063】
その後は、撮影者により、シャッタスイッチ32が押圧操作されるまで、次のステップ120からステップ106に戻る。
【0064】
すなわち、撮影者によりシャッタスイッチ32が押圧操作されるまでの撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中は、現在の撮影倍率で撮影を行った場合に、被写体像上に歪曲率が1.5%以上になる領域が現れる場合には、図6(A)から(B)のように、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像200上に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像としての枠202が重畳表示されるので、撮影者に歪曲度合いが大きいこと及び歪曲が特に大きくなる領域(歪曲率が1.5%以上になる領域)を報知することができる。また、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、当該変更後の撮影倍率に応じてビットマップデータ80が変更され、すなわち図6の(B)から(C)のように枠202が変更されて重畳表示されるので、撮影者は、撮影倍率を変更しながら、当該撮影倍率の変更に伴う歪曲度合いの変化を確認して、構図を決定することができる。
【0065】
これにより、撮影者は、液晶ディスプレイ24をファインダとして使用して被写体像の構図を決定する際に、被写体像上のビットマップデータに基づく画像の重畳表示の有無により、歪曲度合いも同時に確認することができるので、歪曲が大きくならないように撮影倍率を調整したり、或いは、歪曲が大きくなる領域(歪曲率が1.5%以上になる領域)に、人物など特にきれいに撮影したい被写体が入らないように撮影位置を調整するなどして、構図を決定することができる。
【0066】
なお、上記では、撮影モード切替直後にセットされる所定の撮影倍率では、歪曲率が1.5%以上にならないことを前提に説明したが、撮影モード切替直後にセットされる所定の撮影倍率で歪曲率が1.5%以上になる場合は、撮影スタンバイ状態に移行直後から被写体像上にビットマップデータ80に基づく画像が重畳表示すればよい。
【0067】
撮影者は、このようにして構図を決定したら、シャッタスイッチ32を押圧して、撮影を指示する。CPU66は、シャッタスイッチ32が押圧されると、ステップ120からステップ122に移行して、撮影処理が行われる。すなわち、所定のシャッタスピード及び絞り量が制御されてCCD40で被写体像が撮影され、この撮影結果は、アナログ信号処理部42により所定のアナログ信号処理が施され、A/D変換器44によりデジタル画像信号に変換され、DSP46により所定のデジタル信号処理が施された後、デジタル画像データとして、SDRAM48に一旦格納される。
【0068】
そして、次のステップ124では、SDRAM48に格納されたデジタル画像データに撮影倍率を示す撮影倍率情報の付加し、ステップ126で、DSP46にSDRAM48からデジタル画像データを読み出して記録メディアI/F52に転送させ、記録メディアI/F52に撮影倍率情報が付加されたデジタル画像データをスマートメディア18に記録させる。
【0069】
なお、デジタル画像データは、図示しない圧縮伸張回路により所定の圧縮方式、例えばJPEG方式で圧縮された後、スマートメディア18に記録されるようになっている。また、撮影倍率情報の付加方法としては、例えば、圧縮後のデジタル画像データにヘッダ情報として付加することが挙げられる。
【0070】
一方、上記のようにして、既に撮影した画像を液晶ディスプレイ24に表示(再生表示)したいときには、撮影者は、モードダイヤル34を操作して再生モードに切換える。これにより、CPU66では、図3のステップ100からステップ130、ステップ132と進み、スマートメディア18に記録されているデジタル画像データのファイル名を一覧表示するなどして、再生したいデジタル画像データの選択を促し、撮影者が十字ボタン28を操作するなどして再生したいデジタル画像データが指定すると、再生対象データが指定されたとして、ステップ132からステップ134に移行する。
【0071】
ステップ134では、記録メディアI/F52に指定されたデジタル画像データをスマートメディア18から読み出させる。この読み出されたデジタル画像データは、一旦SDRAM48に格納される。
【0072】
そして、次のステップ136で、読み出したデジタル画像データに付加されている撮影倍率情報を抽出する。なお、デジタル画像データは、撮影倍率情報の抽出と共に、図示しない圧縮伸長手段により伸長されて、SDRAM48に格納されるようになっている。
【0073】
続いて、ステップ138では、DSP46の歪曲補正回路70に、当該撮影倍率情報が示す撮影倍率に基づいて、当該デジタル画像データに対して歪曲補正処理を実行させる。具体的には、撮影倍率情報が示す撮影倍率に対応するパラメータ(α、β、γ)をフラッシュROM50の対応情報82から読み出して、DSP46の歪曲補正回路70に転送することで、歪曲補正処理の実行を指示する。歪曲補正回路70は、このパラメータを用いて、SDRAM48に格納されているデジタル画像データを読み出して、歪曲補正を行う。この歪曲補正には、パラメータを用いて歪曲率を近似表現して、座標変換演算及び補間演算により、補正後の各画素の値を求める従来公知の補正技術を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
【0074】
そして、次のステップ140で、歪曲補正回路70による補正後の該デジタル画像データに基づく画像を液晶ディスプレイ24に表示させる。これにより、撮影者は、撮影後に画像を再生した場合には、歪曲が補正された画像を確認することができる。
【0075】
このように、本実施の形態では、予め撮影倍率と被写体像に生じるの歪曲度合い(当該撮影倍率で撮影した場合に生じる歪曲率の最大値)との対応関係を示す対応情報82を記憶しておき、撮影者が構図決定を行っている撮影スタンバイ期間中は、撮影者の操作により撮影倍率が変更された場合には、対応情報に基づいて、変更後の撮影倍率で撮影した場合に歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れるか否かを判断し、歪曲率が1.5%以上になる領域が被写体像上に現れる場合には、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像上に、当該領域を示すビットマップデータ80の基づく画像(図6の枠202参照)を重畳表示するようになっている。撮影者は、この重畳表示の有無により歪曲度合いを確認して撮影を行うことができる。また、撮影時に歪曲補正処理を施さずとも歪曲度合いを確認できるので、レスポンス低下の恐れもない。
【0076】
なお、上記では、静止画を撮影する場合を例に説明したが、動画を撮影する場合にも適用可能である。ただし、動画を撮影する場合は、撮影スタンバイ状態だけではなく、実際に動画を撮影している期間中も、液晶ディスプレイ24に動画表示されている被写体像上に、上記と同様に撮影倍率の変更によって、歪曲率が所定値以上になる場合には、ビットマップデータ80を重畳表示して、警告報知するとよい。
【0077】
また、上記では、本発明の「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」の例として、ビットマップデータ80に基づいて、所定の歪曲率(1.5%)以上となる領域を黒色などで均一に塗り潰した枠202が被写体像に重畳表示される場合を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、歪み率は画像の周辺部に近づくほど連続的に大きくなるので、図7(A)に示すように、「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」として、所定の歪み率毎に、濃度、色、又は透明度などを段階的に変えた枠202が被写体像に重畳表示されるようにしてもよい。
【0078】
また、上記では、本発明の「歪曲度合いを示す画像」として、「被写体像上における予め定められた所定の歪曲度合いを超える領域を示す画像」を用いた場合を例に説明したが、「歪曲度合いを示す画像」として、例えば、図7(B)に示すような所定の警告メッセージ204を被写体像上に重畳表示されるようにしても、撮影者に歪み度合いを報知することができる。また、図示は省略するが、予め定められた所定の警告マークでもよい。
【0079】
また、上記では、液晶ディスプレイ24をファインダとして用いる場合を例に説明したが、通常のファインダ、すなわち撮影者がファインダー接眼部26を覗いて構図を決定する場合にも、撮影者によりファインダー接眼部26を覗いて確認されるファインダ内の被写体像上に、枠202や警告メッセージ(警告マーク)204を重畳表示されるようにすればよい。すなわち、ファインダとしての機能させることができれば、本発明の表示手段は、液晶ディスプレイ24に限定されるものではない。
【0080】
また、上記では、OSD回路を本発明の報知手段として用い、表示手段に表示された被写体像上に歪曲度合いを示す画像を重畳表示させることで、歪み度合いを報知する場合の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スピーカ62を本発明の報知手段として用い、スピーカ62から警告音や警告音声メッセージを出力させるようにしてもよい。
【0081】
また、上記ではデジタルカメラに本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、デジタルビデオカメラは勿論のこと、銀塩カメラにも適用可能である。銀塩カメラに適用する場合は、被写体像上に歪曲度合いを示す画像を重畳表示するならば、ファインダ内に上記で説明したような枠202、警告メッセージ204、警告マークなどが表示されるようにすればよい。その他、スピーカから警告音や警告音声メッセージの出力させてもよい。
【0082】
また、上記では、歪曲が大きい場合に警告報知する場合を説明したが、逆に、歪曲が小さい(歪曲率が所定値よりも小さい)場合に、メッセージ又はマークを表示したり、音声メッセージ出力により、良好な撮影が可能であることを報知する(良好報知)ようにしても、歪曲度合いの報知は可能である。また、警告・良好の報知ではなく、例えば歪曲率の最大値を示す数値を被写体像に重畳表示したり、音声出力するようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、撮影者が歪曲度合いを確認して撮影可能であり、且つレスポンスの低下を防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラの正面(A)及び背面(B)を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図3】撮影倍率に対する歪曲率特性の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態に係わる対応情報の構成を説明するための概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わるCPUで行われる制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】(A)は被写体像の例、(B)は(A)の被写体像上にビットマップデータに基づく画像が重畳表示された例、(C)は撮影倍率が変更された場合に、変更後の撮影倍率に応じてビットマップデータが変更されて当該ビットマップデータに基づく画像が被写体像上に表示された例を示す図である。
【図7】(A)、(B)は、歪曲率が所定値以上の場合に、被写体像上に重畳表示されるビットマップデータのその他の例を示す図である。
【符号の説明】
10デジタルカメラ
16光学レンズ
16A 鏡筒
18スマートメディア
24液晶ディスプレイ
28十字ボタン
32シャッタスイッチ
34モードダイヤル
40CCD
46DSP
48SDRAM
50フラッシュROM
54モータドライブ
70歪曲補正回路
72OSD回路
80ビットマップデータ
82対応情報
Claims (3)
- 撮影倍率を変更可能な光学レンズを備え、前記光学レンズを介して被写体像を撮影する撮像装置であって、
前記撮影倍率と前記被写体像に生じる歪曲度合いとの対応関係を示す対応情報が予め記憶された対応情報記憶手段と、
前記対応情報記憶手段に記憶されている前記対応情報に基づいて、現在設定されている前記光学レンズの前記撮影倍率で前記被写体像を撮影した場合に、前記被写体像に生じる歪曲度合いを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に応じて、前記被写体像に生じる歪曲度合いを報知する報知手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記被写体像を表示するための表示手段を更に有し、
前記報知手段は、前記表示手段に表示された前記被写体像上に、前記歪曲度合いを示す画像を重畳表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画像が、前記被写体像上における予め定められた所定の前記歪曲度合いを超える領域を示す画像である、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
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2002
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