JP2004006828A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板主面側にICチップが搭載され、基板裏面側にチップコンデンサが搭載される配線基板において、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路を短くすることができる配線基板を提供すること。
【解決手段】配線基板101は、IC接続端子141と、コンデンサ接続端子122Fと、これらの間に介在する複数の絶縁層111,112,113とを有する。そして、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路は、第1,第2フィルドビア導体134,138を含み、これらが互いに階段状に重なって接合しIC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びる階段ビア部をなす。
【選択図】 図1
【解決手段】配線基板101は、IC接続端子141と、コンデンサ接続端子122Fと、これらの間に介在する複数の絶縁層111,112,113とを有する。そして、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路は、第1,第2フィルドビア導体134,138を含み、これらが互いに階段状に重なって接合しIC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びる階段ビア部をなす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板に関し、特に、基板主面側にICチップが搭載され、その反対の基板裏面側にチップコンデンサが搭載される配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板が知られている。例えば、図3に簡略化した部分断面図を示す配線基板901が挙げられる。この配線基板901は、図中に破線で示すICチップIC1が搭載される基板主面902と、チップコンデンサCON1が搭載される基板裏面903とを有する略板形状である。配線基板901は、その中心にコア基板911を備える。コア基板911の基板主面902側には、主面側第1絶縁層913、主面側第2絶縁層914及び主面側ソルダーレジスト層915が順に積層されている。また、コア基板911の基板裏面903側には、裏面側第1絶縁層917、裏面側第2絶縁層918及び裏面側ソルダーレジスト層919が順に積層されている。
【0003】
コア基板911には、略筒状のスルーホール導体921が多数形成され、各スルーホール導体921内には、略円柱形状の充填体922が充填されている。
コア基板911と主面側第1絶縁層913との層間には、略ベタ状をなし、一部のスルーホール導体921と接続して電源電位とされる主面側第1導体層923が形成されている。また、主面側第1絶縁層913には、この主面側第1導体層923またはスルーホール導体921と接続する主面側第1ビア導体925が多数形成されている。
主面側第1絶縁層913と主面側第2絶縁層914との層間には、配線やパッド等を有し、主面側第1ビア導体925と接続する主面側第2導体層927が形成されている。また、主面側第2絶縁層914には、この主面側第2導体層927と接続する主面側第2ビア導体929が多数形成されている。
【0004】
主面側第2絶縁層914と主面側ソルダーレジスト層915との層間には、配線やパッドを有し、主面側第2ビア導体929と接続する主面側第3導体層931が形成されている。また、主面側ソルダーレジスト層915には、主面側開口933が多数形成され、各主面側開口933内には、主面側第3導体層931の一部のパッド931Pが、ICチップIC1の端子と接続されるIC接続端子931Pとして配置されている。さらに、このIC接続端子931P上には、ハンダバンプ935がそれぞれ形成されている。
【0005】
一方、コア基板911と裏面側第1絶縁層917との層間には、略ベタ状をなし、一部のスルーホール導体921と接続して接地電位とされる裏面側第1導体層943が形成されている。また、裏面側第1絶縁層917には、この裏面側第1導体層943またはスルーホール導体921と接続する裏面側第1ビア導体945が多数形成されている。
裏面側第1絶縁層917と裏面側第2絶縁層918との層間には、配線やパッド等を有し、裏面側第1ビア導体945と接続する裏面側第2導体層947が形成されている。また、裏面側第2絶縁層918には、この裏面側第2導体層947と接続する裏面側第2ビア導体949が多数形成されている。
【0006】
裏面側第2絶縁層918と裏面側ソルダーレジスト層919との層間には、配線やパッドを有し、裏面側第2ビア導体949と接続する裏面側第3導体層951が形成されている。また、裏面側ソルダーレジスト層919には、裏面側開口953が多数形成され、各裏面側開口953には、裏面側第3導体層951の一部のパッドが配置されている。これらのパッドには、ピンPN1と接続されるピン接続端子951PPと、チップコンデンサCON1の端子と接続されるコンデンサ接続端子951PCがある。そして、ピン接続端子951PPにはハンダを介してピンPN1が接続され、また、コンデンサ接続端子951PCにはハンダを介してチップコンデンサCON1が接続されている。
なお、このような技術に関連する文献として、例えば、特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】
特開2001−36224号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板901では、IC接続端子931Pとコンデンサ接続端子951PCとは、主面側第1,第2ビア導体925,929、主面側第1〜第3導体層923,927,931、スルーホール導体921、裏面側第1,第2ビア導体945,949、及び、裏面側第1〜第3導体層943,947,951を介して接続されている。このため、導通経路が長く、インダクタンスや抵抗が増えるなど電気的特性が不安定になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、基板主面側にICチップが搭載され、基板裏面側にチップコンデンサが搭載される配線基板において、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路を短くすることができる配線基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板であって、上記ICチップの端子と接続されるIC接続端子と、上記チップコンデンサの端子と接続されるコンデンサ接続端子と、これらIC接続端子とコンデンサ接続端子との間に介在する複数の絶縁層と、これらの絶縁層の内部に形成され、上記IC接続端子と上記コンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路であって、上記絶縁層を貫通する複数のフィルドビア導体を含み、これらの少なくとも一群が互いに階段状に重なって接合し上記IC接続端子側から上記コンデンサ接続端子側に向かって延びる階段ビア部をなす導通経路と、を備える配線基板である。
【0010】
本発明によれば、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路には、複数のフィルドビア導体が含まれる。そして、これらのフィルドビア導体の少なくとも一群は、互いに階段状に重なって接続し、IC接続端子側からコンデンサ接続端子側に向かって延びている(階段ビア部)。このため、この階段ビア部においては、水平方向の配線の引き回しを必要としないので、導通経路を短くすることができる。しかも、この階段ビア部では、導体が充填されたフィルドビア導体が互いに接合して導通経路を構成しているので、導通経路の抵抗等を低くすることができる。
従って、このような階段ビア部を有する配線基板では、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路を短くすることができ、インダクタンスや抵抗を低くし電気的特性を向上させることができる。
なお、本発明において、IC接続端子とコンデンサ接続端子との間に介在する複数の絶縁層は、セラミック製でも樹脂製でもよい。即ち、絶縁体は、アルミナ、窒化アルミニウム、ガラスセラミック、低温焼成セラミックなどのセラミックでも、エポキシ樹脂、BT樹脂などの樹脂でも、あるいは、ガラス−エポキシ樹脂複合材料、セラミック−樹脂複合材料などの複合材料などであってもよい。
また、複数の絶縁層は、1種類の絶縁層が積層されたものであっても、複数種類の絶縁層が積層されたものであってもよい。即ち、例えば、同一の樹脂絶縁層を複数積層したものであっても、あるいは、セラミック絶縁層と樹脂絶縁層を複数積層したものであってもよい。
また、本発明において、フィルドビア導体とは、絶縁層に設けられたビアホールに導電性物質が充填されたものをいう。従って、樹脂脂絶縁層に形成されたビアホールをメッキで充填したものに限られない。例えば、セラミック絶縁層に形成されたビアホールに導電性のペーストを充填し、セラミックと同時に焼成することで形成したものでもよい。
【0011】
さらに、上記の配線基板であって、前記導通経路は、平面方向に延びる配線を含まない配線基板とすると良い。
【0012】
従来の技術でも示したように、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路に平面方向に延びる配線があると、導通経路が長くなり、インダクタンスや抵抗が増加する。
これに対し、本発明の配線基板は、この導通経路に平面方向に延びる配線が含まれない。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0013】
さらに、上記の配線基板であって、前記導通経路は、前記複数のフィルドビア導体のみからなる、または、上記複数のフィルドビア導体とスルーホール導体のみからなる配線基板とすると良い。
【0014】
本発明では、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路は、複数のフィルドビア導体のみから構成されているか、あるいは、フィルドビア導体とスルーホール導体のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
なお、本発明において、スルーホール導体とは、コア基板などの絶縁層に設けられたスルーホールのうち、少なくとも内壁面に導電性物質が形成されたものをいう。従って、樹脂脂絶縁層に形成されたスルーホールの内壁面にメッキを施して形成した筒状のものに限られない。例えば、セラミック絶縁層に形成されたスルーホールに導電性のペーストを充填し、セラミックと同時に焼成することで形成したものでもよい。
【0015】
さらに、上記の配線基板であって、前記複数のフィルドビア導体は、いずれも前記階段ビア部を構成する配線基板とすると良い。
【0016】
本発明では、上記の配線基板において、フィルドビア導体がいずれも階段ビア部を形成している。つまり、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路は、階段ビア部のみから構成されているか、あるいは、階段ビア部とスルーホール導体のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0017】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記チップコンデンサが搭載されるコンデンサ搭載領域は、前記ICチップが搭載されるIC搭載領域と対向する領域内に存在する配線基板とすると良い。
【0018】
本発明では、チップコンデンサが搭載されるコンデンサ搭載領域が、ICチップが搭載されるIC搭載領域と対向する領域内に存在する。このため、IC接続端子とコンデンサ接続端子の間の距離が小さくなる。従って、IC接続端子とコンデンサ接続端子との導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0019】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、前記コンデンサ接続端子の配置間隔よりも小さい配線基板とすると良い。
【0020】
仮にIC接続端子とコンデンサ接続端子を同じ間隔で配置できるのであれば、これらの端子をそれぞれ対向するように配置した上で、フィルドビア導体を垂直方向(厚さ方向)に積み重ねることにより、短い導通経路を容易に構成することもできる。
しかし、本発明のように、IC接続端子がコンデンサ接続端子よりも小さい間隔で配置されている場合には、IC接続端子とコンデンサ接続端子をそれぞれ対向させることができないので、単にフィルドビア導体を垂直方向に積み重ねるだけでは、短い導通経路を構成できない。そこで、このような場合に、特に、フィルドビア導体を階段ビア部とすることで、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0021】
さらに、上記の記載の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、50μm以上200μm以下であり、前記コンデンサ接続端子の配置間隔は、400μm以上800μm以下である配線基板とするのが好ましい。
そしてさらに、上記の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、150μm以上200μm以下であり、前記コンデンサ接続端子の配置間隔は、500μm以上800μm以下である配線基板とするのが特に好ましい。
IC接続端子とコンデンサ接続端子がこのような配置間隔である場合に、特に、導通経路に階段ビア部を形成することで、有効に導通経路を短くすることができる。
なお、本明細書において、「配置間隔」とは、隣り合う端子同士の中心間距離のことをいう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板101について、図1に部分断面図を示す。また、図2にIC接続端子141近傍の部分拡大断面図を示す。
この配線基板101は、図1中に破線で示すICチップICが搭載される基板主面102と、入出力端子としてのピンPNが立設された基板裏面103とを有する略矩形の略板形状である。その大きさは、平面視約35mm×約35mm、厚さ約1.2mmである。また、その基板裏面103側の中央部には、チップコンデンサCONを収容するため、平面視約14mm×約14mm、深さ約0.8mmの凹所(キャビティ)105が設けられている。ICチップICは、基板主面102のうち、その略中央のIC搭載領域106に搭載される。一方、チップコンデンサCONは、IC搭載領域106と対向する領域内に存在するコンデンサ搭載領域107に搭載される。
【0023】
配線基板101は、エポキシ樹脂等からなる厚さ約200μmの第1コア基板(絶縁層)111を備える。この第1コア基板111の基板主面102側には、エポキシ樹脂等からなる厚さ約35μmの第1絶縁層112が積層され、その上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約35μmの第2絶縁層113が積層され、さらにその上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約25μmのソルダーレジスト層114が積層されている。一方、第1コア基板111の基板裏面103側には、エポキシ樹脂等からなり、その中央部に貫通孔115Hを有する厚さ約800μmの第2コア基板(絶縁層)115が積層されている。従って、上記凹所105は、その壁面が第2コア基板115の貫通孔115Hによって構成され、その底面が第1コア基板111の裏面によって構成されている。
【0024】
第1コア基板111には、これを貫通する直径約100μmのスルーホール121が基板中央部の所定の位置に多数形成され、その内周面及びその周縁には、Cuからなる第1スルーホール導体122がそれぞれ形成されている。具体的には、各々の第1スルーホール導体122は、スルーホール121内に形成された厚さ約18μmの筒状の筒状部122Tと、その上下に形成された直径約250μm、厚さ約12μmの円盤状の円盤部122E,122Fとからなる。そして、各第1スルーホール導体122内には、エポキシ樹脂等からなる略円柱形状の樹脂充填体123が充填されている。これらの第1スルーホール導体122の基板裏面103側の端部(円盤部122F)は、凹所115内に露出し、図示しないNiメッキ層が被着して、チップコンデンサCONの端子と接続されるコンデンサ接続端子122Fを構成している。コンデンサ接続端子122Fの配置間隔は、約500μmである。これらのコンデンサ接続端子122Fには、ハンダ124を介してチップコンデンサCONの端子CONTがそれぞれ接続されている。
【0025】
また、第1コア基板111及び第2コア基板115にも、これらを貫通する直径約100μmのスルーホール126が基板周縁部の所定の位置に多数形成され、その内周面及びその周縁には、Cuからなる第2スルーホール導体127がそれぞれ形成されている。この第2スルーホール導体127も、スルーホール126内に形成された厚さ約18μmの筒状の筒状部127Tと、その上下に形成された直径約250μm、厚さ約12μmの円盤状の円盤部127E,127Fとからなり、その内部には、エポキシ樹脂等からなる略円柱形状の樹脂充填体128が充填されている。これらの第2スルーホール導体127の基板裏面103側の端部(円盤部127F)は、基板裏面103に露出し、図示しないNiメッキ層が被着して、ピンPNと接続されるピン接続端子127Fを構成している。そして、これらのピン接続端子127Fには、ハンダ129を介してピンPNがそれぞれ接続している。
【0026】
第1コア基板111と第1絶縁層112との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第1導体層131が形成されている。この第1導体層131は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第1導体層131は、主に、第1,第2コア基板111,115を貫通して形成された第2スルーホール導体127(円盤部127E)に接続している。
また、第1絶縁層112には、これを貫通する開口径約65μmの多数のビアホール133が所定の位置に形成され、その内部及びその上には、Cuからなる第1フィルドビア導体134がそれぞれ形成されている。具体的には、各第1フィルドビア導体134は、ビアホール133内に形成された略円錐台状の円錐台部134Cと、その上に形成された直径約150μm、厚さ約15μmの円盤状の円盤部134Dとからなる。これらの第1フィルドビア導体134は、主に、上記第1導体層131または第1スルーホール導体122に接続している。
【0027】
第1絶縁層111と第2絶縁層112との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第2導体層136が形成されている。この第2導体層136は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第2導体層136は、主に、第1導体層131に接続した第1フィルドビア導体134に接続している。
また、第2絶縁層113には、これを貫通する開口径約65μmの多数のビアホール137が所定の位置に形成され、その内部及びその上には、Cuからなる第2フィルドビア導体138がそれぞれ形成されている。具体的には、各第2フィルドビア導体138は、ビアホール137内に形成された略円錐台状の円錐台部138Cと、その上に形成された直径約150μm、厚さ約15μmの円盤状の円盤部138Dとからなる。これらの第2フィルドビア導体138は、上記第2導体層136または第1フィルドビア導体134に接続している。
【0028】
第2絶縁層113とソルダーレジスト層114との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第3導体層140が形成されている。この第3導体層140は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第3導体層140は、主に、第2導体層136に接続した第2フィルドビア導体138に接続している。
ソルダーレジスト層114には、これを貫通する直径約60μmの多数の主面側開口114HがICチップICを搭載するIC搭載領域106に平面視略格子状に形成されている。これら主面側開口114Hの内側には、第3導体層140のパッドの中央部、または、第2フィルドビア導体138の円盤部138Dの中央部が位置している。これらの中央部には、厚さ約7μmのNiメッキ層142が被着して、ICチップICの端子と接続されるIC接続端子141を構成している。IC接続端子141の配置間隔は、約150μmであり、前述したコンデンサ接続端子122Fの配置間隔(約500μm)よりも狭い。さらに、これらのIC接続端子141には、ソルダーレジスト層114の表面(基板主面102)を越えて突出するハンダバンプ143が溶着している。
【0029】
この配線基板101のうち、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路についてみると、この導通経路は、第2フィルドビア導体138、第1フィルドビア導体134、及び、第1スルーホール導体122から構成されている。そして、このうち第2フィルドビア導体138と第1フィルドビア導体134は、互いに階段状に重なって接合し、IC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びている。
【0030】
以上で説明したように、本実施形態の配線基板101は、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に、複数のフィルドビア導体(第1フィルドビア導体134と第2フィルドビア導体138)が含まれる。そして、これらのフィルドビア導体134,138は、互いに階段状に重なって接続し、IC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びている(階段ビア部)。このため、この階段ビア部においては、水平方向の配線の引き回しを必要としないので、導通経路を短くすることができる。しかも、この階段ビア部では、導体が充填されたフィルドビア導体134,138が互いに接合して導通経路を構成しているので、導通経路の抵抗等を低くすることができる。
従って、このような階段ビア部を有する配線基板101では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路を短くすることができ、インダクタンスや抵抗を低くし電気的特性を向上させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に、平面方向に延びる配線を含まない。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路は、第1,第2フィルドビア導体134,138と第1スルーホール導体122のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に含まれるフィルドビア導体134,138がいずれも階段ビア部を形成している。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0032】
また、本実施形態では、チップコンデンサCONが搭載されるコンデンサ搭載領域107が、ICチップICが搭載されるIC搭載領域106と対向する領域内に存在する。このため、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fの間の距離が小さくなる。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141がコンデンサ接続端子122Fよりも小さい間隔で配置されているため、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fの位置をそれぞれ対向させることができないので、単にフィルドビア導体134,138を垂直方向に積み重ねるだけでは、短い導通経路を構成できない。従って、このような場合に、特に、フィルドビア導体134,138を階段ビア部とすることで、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、IC接続端子141の配置間隔(約150μm)は、50μm以上200μm以下、特に、150μm以上200μm以下であり、コンデンサ接続端子122Fの配置間隔(約500μm)は、400μm以上800μm以下、特に、500μm以上800以下μmであるので、特に、これらの導通経路に階段ビア部を形成することにより、有効に導通経路を短くすることができる。
【0033】
次いで、上記配線基板101の製造方法について説明する。この配線基板101は、公知の手法により製造することができる。
即ち、まず、表裏面に銅箔が張られた第1コア基板111を用意する。そして、第1コア基板111の所定の位置にスルーホール121を形成する。次に、このスルーホール121の内壁にPdを含むメッキ触媒を塗布した後に、無電解Cuメッキと電解Cuメッキを順次施し、スルーホール121に第1スルーホール導体122(筒状部122T)を形成する。その後、第1スルーホール導体122内に樹脂ペーストを印刷充填し、樹脂ペーストを熱硬化させて、樹脂充填体123を形成する。そして、この樹脂充填体123の端部を研磨除去し、第1コア基板111の表裏面を面一にする。さらに、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、樹脂充填体123上に蓋メッキ層(円盤部122E,122F)を形成する。その後、第1コア基板111の表裏面の導体層上に、フォトリソグラフィ法により所定パターンのエッチングレジスト層をそれぞれ形成する。そして、エッチングレジスト層から露出する導体層をエッチング除去し、主面側第1導体層131を形成する。
【0034】
次に、第2コア基板115を別途用意し、これに貫通孔115Hを形成する。そして、この第2コア基板115を、フィルム状接着層等を利用して、上記の第1コア基板111の裏面側に貼り付ける。その後、この基板の所定の位置にスルーホール126を形成する。次に、このスルーホール126の内壁にPdを含むメッキ触媒を塗布した後に、無電解Cuメッキと電解Cuメッキを順次施し、スルーホール126に第2スルーホール導体127(筒状部127T)を形成する。その後、第2スルーホール導体127内に樹脂ペーストを印刷充填し、樹脂ペーストを熱硬化させて、樹脂充填体128を形成する。そして、この樹脂充填体128の端部を研磨除去し、基板の表裏面を面一にする。さらに、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、樹脂充填体128上に蓋メッキ層(円盤部127E,127F)を形成する。その後、この基板の表裏面の導体層上に、フォトリソグラフィ法により所定パターンのエッチングレジスト層をそれぞれ形成する。そして、エッチングレジスト層から露出する導体層をエッチング除去する。
【0035】
次に、第1コア基板111の主面上及び第1導体層131上に、公知のフォトリソグラフィ法により、ビアホール133を所定の位置に有する第1絶縁層112を形成する。その後、公知のセミアディティブティブ方により、このビアホール133に第1フィルドビア導体134を形成すると共に、第1絶縁層112上に第2導体層136を形成する。
次に、第1絶縁層112上及び第2導体層136上に、公知のフォトリソグラフィ法により、ビアホール137を所定の位置に有する第2絶縁層113を形成する。その後、公知のセミアディティブティブ方により、このビアホール137に第2フィルドビア導体138を形成すると共に、第2絶縁層113上に第3導体層140を形成する。
【0036】
次に、第2絶縁層113上及び第3導体層140上に、公知のフォトリソグラフィ法により、主面側開口114Hを所定の位置に有するソルダーレジスト層114を形成する。
次に、電解Niメッキを施し、ソルダーレジスト層114の主面側開口114H内に露出するパッドまたは第2フィルドビア導体138上に、Niメッキ層142を被着させる。またこれと共に、基板裏面103側に露出する第1スルーホール導体122の円盤部122Fと第2スルーホール導体127の円盤部127Fにも、Niメッキ層を被着させる。その後、Auメッキを施し、酸化防止のため、これら表裏面のNiメッキ層142等上に、ごく薄いAuメッキ層を形成する。
【0037】
次に、第2スルーホール導体127の円盤部127Fに被着したNiメッキ層にハンダ129を介してピンPNを固着させる。また、第1スルーホール導体122の円盤部122Fに被着したNiメッキ層にハンダ124を介してチップコンデンサCONの端子CONTを固着させる。さらに、主面側開口114H内のNiメッキ層142上にハンダバンプ143形成する。なお、各ハンダ129,124,143を付ける際にAuメッキ層のAuは、そのハンダ内拡散するので、各ハンダ129,124,143は、Niメッキ層142等に溶着する。
以上のようにして、配線基板101が完成する。
【0038】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、2層の絶縁層(第1絶縁層112及び第2絶縁層113)にそれぞれフィルドビア導体(第1フィルドビア導体134及び第2フィルドビア導体138)が形成された配線基板101を示したが、3層以上の絶縁層にそれぞれフィルドビア導体が形成された配線基板に本発明を適用することもできる。フィルドビア導体が多数あっても、その少なくとも一群に階段ビア部が形成されていれば、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路を短くできる効果があるからである。
【0039】
また、上記実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に第1スルーホール導体122が存在するものを例示したが、この導通経路にスルーホール導体が介在しない配線基板にも本発明を適用することができる。スルーホール導体がなくても、フィルドビア導体による階段ビア部を有すれば、上記実施形態と同様な効果が得られるからである。
【0040】
また、上記実施形態では、既にチップコンデンサCONを搭載した状態の配線基板101を例示したが、チップコンデンサCONを搭載する前の状態のものを配線基板とすることもできる。
また、上記実施形態では、ICチップICが未だ搭載されていない配線基板101を示したが、ICチップICを既に搭載した状態のものを配線基板とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、基板裏面103の入出力端子としてピンPNを有する配線基板101を示したが、基板裏面103の入出力端子としてパッドやハンダバンプを有する配線基板であってもよい。
【0041】
なお、上記実施形態では、第1コア基板111、第2コア基板115、第1絶縁層112及び第2絶縁層113が、いずれもエポキシ樹脂等からなる樹脂絶縁層である場合を例示したが、絶縁層の材質はこれに限るものではない。例えば、第1コア基板111及び第2コア基板115をアルミナ等のセラミック基板とし、第1絶縁層112及び第2絶縁層113を上記のように樹脂絶縁層としてもよい。また、第1コア基板111、第2コア基板115、第1絶縁層112及び第2絶縁層113のすべてをセラミック絶縁層とすることもできる。このように絶縁層の材質を変更しても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る配線基板の部分断面図である。
【図2】実施形態に係る配線基板のうちIC接続端子近傍の部分拡大断面図である。
【図3】従来技術に係る配線基板の部分断面図である。
【符号の説明】
101 配線基板
106 IC搭載領域
107 コンデンサ搭載領域
111 第1コア基板(絶縁層)
112 第1絶縁層
113 第2絶縁層
115 第2コア基板(絶縁層)
122 第1スルーホール導体
134 第1フィルドビア導体
138 第2フィルドビア導体
122F コンデンサ接続端子
141 IC接続端子
IC ICチップ
CON チップコンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板に関し、特に、基板主面側にICチップが搭載され、その反対の基板裏面側にチップコンデンサが搭載される配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板が知られている。例えば、図3に簡略化した部分断面図を示す配線基板901が挙げられる。この配線基板901は、図中に破線で示すICチップIC1が搭載される基板主面902と、チップコンデンサCON1が搭載される基板裏面903とを有する略板形状である。配線基板901は、その中心にコア基板911を備える。コア基板911の基板主面902側には、主面側第1絶縁層913、主面側第2絶縁層914及び主面側ソルダーレジスト層915が順に積層されている。また、コア基板911の基板裏面903側には、裏面側第1絶縁層917、裏面側第2絶縁層918及び裏面側ソルダーレジスト層919が順に積層されている。
【0003】
コア基板911には、略筒状のスルーホール導体921が多数形成され、各スルーホール導体921内には、略円柱形状の充填体922が充填されている。
コア基板911と主面側第1絶縁層913との層間には、略ベタ状をなし、一部のスルーホール導体921と接続して電源電位とされる主面側第1導体層923が形成されている。また、主面側第1絶縁層913には、この主面側第1導体層923またはスルーホール導体921と接続する主面側第1ビア導体925が多数形成されている。
主面側第1絶縁層913と主面側第2絶縁層914との層間には、配線やパッド等を有し、主面側第1ビア導体925と接続する主面側第2導体層927が形成されている。また、主面側第2絶縁層914には、この主面側第2導体層927と接続する主面側第2ビア導体929が多数形成されている。
【0004】
主面側第2絶縁層914と主面側ソルダーレジスト層915との層間には、配線やパッドを有し、主面側第2ビア導体929と接続する主面側第3導体層931が形成されている。また、主面側ソルダーレジスト層915には、主面側開口933が多数形成され、各主面側開口933内には、主面側第3導体層931の一部のパッド931Pが、ICチップIC1の端子と接続されるIC接続端子931Pとして配置されている。さらに、このIC接続端子931P上には、ハンダバンプ935がそれぞれ形成されている。
【0005】
一方、コア基板911と裏面側第1絶縁層917との層間には、略ベタ状をなし、一部のスルーホール導体921と接続して接地電位とされる裏面側第1導体層943が形成されている。また、裏面側第1絶縁層917には、この裏面側第1導体層943またはスルーホール導体921と接続する裏面側第1ビア導体945が多数形成されている。
裏面側第1絶縁層917と裏面側第2絶縁層918との層間には、配線やパッド等を有し、裏面側第1ビア導体945と接続する裏面側第2導体層947が形成されている。また、裏面側第2絶縁層918には、この裏面側第2導体層947と接続する裏面側第2ビア導体949が多数形成されている。
【0006】
裏面側第2絶縁層918と裏面側ソルダーレジスト層919との層間には、配線やパッドを有し、裏面側第2ビア導体949と接続する裏面側第3導体層951が形成されている。また、裏面側ソルダーレジスト層919には、裏面側開口953が多数形成され、各裏面側開口953には、裏面側第3導体層951の一部のパッドが配置されている。これらのパッドには、ピンPN1と接続されるピン接続端子951PPと、チップコンデンサCON1の端子と接続されるコンデンサ接続端子951PCがある。そして、ピン接続端子951PPにはハンダを介してピンPN1が接続され、また、コンデンサ接続端子951PCにはハンダを介してチップコンデンサCON1が接続されている。
なお、このような技術に関連する文献として、例えば、特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】
特開2001−36224号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配線基板901では、IC接続端子931Pとコンデンサ接続端子951PCとは、主面側第1,第2ビア導体925,929、主面側第1〜第3導体層923,927,931、スルーホール導体921、裏面側第1,第2ビア導体945,949、及び、裏面側第1〜第3導体層943,947,951を介して接続されている。このため、導通経路が長く、インダクタンスや抵抗が増えるなど電気的特性が不安定になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、基板主面側にICチップが搭載され、基板裏面側にチップコンデンサが搭載される配線基板において、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路を短くすることができる配線基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板であって、上記ICチップの端子と接続されるIC接続端子と、上記チップコンデンサの端子と接続されるコンデンサ接続端子と、これらIC接続端子とコンデンサ接続端子との間に介在する複数の絶縁層と、これらの絶縁層の内部に形成され、上記IC接続端子と上記コンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路であって、上記絶縁層を貫通する複数のフィルドビア導体を含み、これらの少なくとも一群が互いに階段状に重なって接合し上記IC接続端子側から上記コンデンサ接続端子側に向かって延びる階段ビア部をなす導通経路と、を備える配線基板である。
【0010】
本発明によれば、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路には、複数のフィルドビア導体が含まれる。そして、これらのフィルドビア導体の少なくとも一群は、互いに階段状に重なって接続し、IC接続端子側からコンデンサ接続端子側に向かって延びている(階段ビア部)。このため、この階段ビア部においては、水平方向の配線の引き回しを必要としないので、導通経路を短くすることができる。しかも、この階段ビア部では、導体が充填されたフィルドビア導体が互いに接合して導通経路を構成しているので、導通経路の抵抗等を低くすることができる。
従って、このような階段ビア部を有する配線基板では、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路を短くすることができ、インダクタンスや抵抗を低くし電気的特性を向上させることができる。
なお、本発明において、IC接続端子とコンデンサ接続端子との間に介在する複数の絶縁層は、セラミック製でも樹脂製でもよい。即ち、絶縁体は、アルミナ、窒化アルミニウム、ガラスセラミック、低温焼成セラミックなどのセラミックでも、エポキシ樹脂、BT樹脂などの樹脂でも、あるいは、ガラス−エポキシ樹脂複合材料、セラミック−樹脂複合材料などの複合材料などであってもよい。
また、複数の絶縁層は、1種類の絶縁層が積層されたものであっても、複数種類の絶縁層が積層されたものであってもよい。即ち、例えば、同一の樹脂絶縁層を複数積層したものであっても、あるいは、セラミック絶縁層と樹脂絶縁層を複数積層したものであってもよい。
また、本発明において、フィルドビア導体とは、絶縁層に設けられたビアホールに導電性物質が充填されたものをいう。従って、樹脂脂絶縁層に形成されたビアホールをメッキで充填したものに限られない。例えば、セラミック絶縁層に形成されたビアホールに導電性のペーストを充填し、セラミックと同時に焼成することで形成したものでもよい。
【0011】
さらに、上記の配線基板であって、前記導通経路は、平面方向に延びる配線を含まない配線基板とすると良い。
【0012】
従来の技術でも示したように、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路に平面方向に延びる配線があると、導通経路が長くなり、インダクタンスや抵抗が増加する。
これに対し、本発明の配線基板は、この導通経路に平面方向に延びる配線が含まれない。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0013】
さらに、上記の配線基板であって、前記導通経路は、前記複数のフィルドビア導体のみからなる、または、上記複数のフィルドビア導体とスルーホール導体のみからなる配線基板とすると良い。
【0014】
本発明では、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路は、複数のフィルドビア導体のみから構成されているか、あるいは、フィルドビア導体とスルーホール導体のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
なお、本発明において、スルーホール導体とは、コア基板などの絶縁層に設けられたスルーホールのうち、少なくとも内壁面に導電性物質が形成されたものをいう。従って、樹脂脂絶縁層に形成されたスルーホールの内壁面にメッキを施して形成した筒状のものに限られない。例えば、セラミック絶縁層に形成されたスルーホールに導電性のペーストを充填し、セラミックと同時に焼成することで形成したものでもよい。
【0015】
さらに、上記の配線基板であって、前記複数のフィルドビア導体は、いずれも前記階段ビア部を構成する配線基板とすると良い。
【0016】
本発明では、上記の配線基板において、フィルドビア導体がいずれも階段ビア部を形成している。つまり、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路は、階段ビア部のみから構成されているか、あるいは、階段ビア部とスルーホール導体のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0017】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記チップコンデンサが搭載されるコンデンサ搭載領域は、前記ICチップが搭載されるIC搭載領域と対向する領域内に存在する配線基板とすると良い。
【0018】
本発明では、チップコンデンサが搭載されるコンデンサ搭載領域が、ICチップが搭載されるIC搭載領域と対向する領域内に存在する。このため、IC接続端子とコンデンサ接続端子の間の距離が小さくなる。従って、IC接続端子とコンデンサ接続端子との導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0019】
さらに、上記のいずれかに記載の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、前記コンデンサ接続端子の配置間隔よりも小さい配線基板とすると良い。
【0020】
仮にIC接続端子とコンデンサ接続端子を同じ間隔で配置できるのであれば、これらの端子をそれぞれ対向するように配置した上で、フィルドビア導体を垂直方向(厚さ方向)に積み重ねることにより、短い導通経路を容易に構成することもできる。
しかし、本発明のように、IC接続端子がコンデンサ接続端子よりも小さい間隔で配置されている場合には、IC接続端子とコンデンサ接続端子をそれぞれ対向させることができないので、単にフィルドビア導体を垂直方向に積み重ねるだけでは、短い導通経路を構成できない。そこで、このような場合に、特に、フィルドビア導体を階段ビア部とすることで、IC接続端子とコンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0021】
さらに、上記の記載の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、50μm以上200μm以下であり、前記コンデンサ接続端子の配置間隔は、400μm以上800μm以下である配線基板とするのが好ましい。
そしてさらに、上記の配線基板であって、前記IC接続端子の配置間隔は、150μm以上200μm以下であり、前記コンデンサ接続端子の配置間隔は、500μm以上800μm以下である配線基板とするのが特に好ましい。
IC接続端子とコンデンサ接続端子がこのような配置間隔である場合に、特に、導通経路に階段ビア部を形成することで、有効に導通経路を短くすることができる。
なお、本明細書において、「配置間隔」とは、隣り合う端子同士の中心間距離のことをいう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の配線基板101について、図1に部分断面図を示す。また、図2にIC接続端子141近傍の部分拡大断面図を示す。
この配線基板101は、図1中に破線で示すICチップICが搭載される基板主面102と、入出力端子としてのピンPNが立設された基板裏面103とを有する略矩形の略板形状である。その大きさは、平面視約35mm×約35mm、厚さ約1.2mmである。また、その基板裏面103側の中央部には、チップコンデンサCONを収容するため、平面視約14mm×約14mm、深さ約0.8mmの凹所(キャビティ)105が設けられている。ICチップICは、基板主面102のうち、その略中央のIC搭載領域106に搭載される。一方、チップコンデンサCONは、IC搭載領域106と対向する領域内に存在するコンデンサ搭載領域107に搭載される。
【0023】
配線基板101は、エポキシ樹脂等からなる厚さ約200μmの第1コア基板(絶縁層)111を備える。この第1コア基板111の基板主面102側には、エポキシ樹脂等からなる厚さ約35μmの第1絶縁層112が積層され、その上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約35μmの第2絶縁層113が積層され、さらにその上には、同じくエポキシ樹脂等からなる厚さ約25μmのソルダーレジスト層114が積層されている。一方、第1コア基板111の基板裏面103側には、エポキシ樹脂等からなり、その中央部に貫通孔115Hを有する厚さ約800μmの第2コア基板(絶縁層)115が積層されている。従って、上記凹所105は、その壁面が第2コア基板115の貫通孔115Hによって構成され、その底面が第1コア基板111の裏面によって構成されている。
【0024】
第1コア基板111には、これを貫通する直径約100μmのスルーホール121が基板中央部の所定の位置に多数形成され、その内周面及びその周縁には、Cuからなる第1スルーホール導体122がそれぞれ形成されている。具体的には、各々の第1スルーホール導体122は、スルーホール121内に形成された厚さ約18μmの筒状の筒状部122Tと、その上下に形成された直径約250μm、厚さ約12μmの円盤状の円盤部122E,122Fとからなる。そして、各第1スルーホール導体122内には、エポキシ樹脂等からなる略円柱形状の樹脂充填体123が充填されている。これらの第1スルーホール導体122の基板裏面103側の端部(円盤部122F)は、凹所115内に露出し、図示しないNiメッキ層が被着して、チップコンデンサCONの端子と接続されるコンデンサ接続端子122Fを構成している。コンデンサ接続端子122Fの配置間隔は、約500μmである。これらのコンデンサ接続端子122Fには、ハンダ124を介してチップコンデンサCONの端子CONTがそれぞれ接続されている。
【0025】
また、第1コア基板111及び第2コア基板115にも、これらを貫通する直径約100μmのスルーホール126が基板周縁部の所定の位置に多数形成され、その内周面及びその周縁には、Cuからなる第2スルーホール導体127がそれぞれ形成されている。この第2スルーホール導体127も、スルーホール126内に形成された厚さ約18μmの筒状の筒状部127Tと、その上下に形成された直径約250μm、厚さ約12μmの円盤状の円盤部127E,127Fとからなり、その内部には、エポキシ樹脂等からなる略円柱形状の樹脂充填体128が充填されている。これらの第2スルーホール導体127の基板裏面103側の端部(円盤部127F)は、基板裏面103に露出し、図示しないNiメッキ層が被着して、ピンPNと接続されるピン接続端子127Fを構成している。そして、これらのピン接続端子127Fには、ハンダ129を介してピンPNがそれぞれ接続している。
【0026】
第1コア基板111と第1絶縁層112との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第1導体層131が形成されている。この第1導体層131は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第1導体層131は、主に、第1,第2コア基板111,115を貫通して形成された第2スルーホール導体127(円盤部127E)に接続している。
また、第1絶縁層112には、これを貫通する開口径約65μmの多数のビアホール133が所定の位置に形成され、その内部及びその上には、Cuからなる第1フィルドビア導体134がそれぞれ形成されている。具体的には、各第1フィルドビア導体134は、ビアホール133内に形成された略円錐台状の円錐台部134Cと、その上に形成された直径約150μm、厚さ約15μmの円盤状の円盤部134Dとからなる。これらの第1フィルドビア導体134は、主に、上記第1導体層131または第1スルーホール導体122に接続している。
【0027】
第1絶縁層111と第2絶縁層112との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第2導体層136が形成されている。この第2導体層136は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第2導体層136は、主に、第1導体層131に接続した第1フィルドビア導体134に接続している。
また、第2絶縁層113には、これを貫通する開口径約65μmの多数のビアホール137が所定の位置に形成され、その内部及びその上には、Cuからなる第2フィルドビア導体138がそれぞれ形成されている。具体的には、各第2フィルドビア導体138は、ビアホール137内に形成された略円錐台状の円錐台部138Cと、その上に形成された直径約150μm、厚さ約15μmの円盤状の円盤部138Dとからなる。これらの第2フィルドビア導体138は、上記第2導体層136または第1フィルドビア導体134に接続している。
【0028】
第2絶縁層113とソルダーレジスト層114との層間には、Cuからなる厚さ約15μmの第3導体層140が形成されている。この第3導体層140は、配線やパッドを有する所定パターンの配線層である。第3導体層140は、主に、第2導体層136に接続した第2フィルドビア導体138に接続している。
ソルダーレジスト層114には、これを貫通する直径約60μmの多数の主面側開口114HがICチップICを搭載するIC搭載領域106に平面視略格子状に形成されている。これら主面側開口114Hの内側には、第3導体層140のパッドの中央部、または、第2フィルドビア導体138の円盤部138Dの中央部が位置している。これらの中央部には、厚さ約7μmのNiメッキ層142が被着して、ICチップICの端子と接続されるIC接続端子141を構成している。IC接続端子141の配置間隔は、約150μmであり、前述したコンデンサ接続端子122Fの配置間隔(約500μm)よりも狭い。さらに、これらのIC接続端子141には、ソルダーレジスト層114の表面(基板主面102)を越えて突出するハンダバンプ143が溶着している。
【0029】
この配線基板101のうち、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路についてみると、この導通経路は、第2フィルドビア導体138、第1フィルドビア導体134、及び、第1スルーホール導体122から構成されている。そして、このうち第2フィルドビア導体138と第1フィルドビア導体134は、互いに階段状に重なって接合し、IC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びている。
【0030】
以上で説明したように、本実施形態の配線基板101は、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に、複数のフィルドビア導体(第1フィルドビア導体134と第2フィルドビア導体138)が含まれる。そして、これらのフィルドビア導体134,138は、互いに階段状に重なって接続し、IC接続端子141側からコンデンサ接続端子122F側に向かって延びている(階段ビア部)。このため、この階段ビア部においては、水平方向の配線の引き回しを必要としないので、導通経路を短くすることができる。しかも、この階段ビア部では、導体が充填されたフィルドビア導体134,138が互いに接合して導通経路を構成しているので、導通経路の抵抗等を低くすることができる。
従って、このような階段ビア部を有する配線基板101では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路を短くすることができ、インダクタンスや抵抗を低くし電気的特性を向上させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に、平面方向に延びる配線を含まない。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路は、第1,第2フィルドビア導体134,138と第1スルーホール導体122のみから構成されている。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に含まれるフィルドビア導体134,138がいずれも階段ビア部を形成している。従って、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
【0032】
また、本実施形態では、チップコンデンサCONが搭載されるコンデンサ搭載領域107が、ICチップICが搭載されるIC搭載領域106と対向する領域内に存在する。このため、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fの間の距離が小さくなる。従って、この導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、IC接続端子141がコンデンサ接続端子122Fよりも小さい間隔で配置されているため、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fの位置をそれぞれ対向させることができないので、単にフィルドビア導体134,138を垂直方向に積み重ねるだけでは、短い導通経路を構成できない。従って、このような場合に、特に、フィルドビア導体134,138を階段ビア部とすることで、導通経路をより短くすることができ、インダクタンスや抵抗をより低くし電気的特性を向上させることができる。
また、IC接続端子141の配置間隔(約150μm)は、50μm以上200μm以下、特に、150μm以上200μm以下であり、コンデンサ接続端子122Fの配置間隔(約500μm)は、400μm以上800μm以下、特に、500μm以上800以下μmであるので、特に、これらの導通経路に階段ビア部を形成することにより、有効に導通経路を短くすることができる。
【0033】
次いで、上記配線基板101の製造方法について説明する。この配線基板101は、公知の手法により製造することができる。
即ち、まず、表裏面に銅箔が張られた第1コア基板111を用意する。そして、第1コア基板111の所定の位置にスルーホール121を形成する。次に、このスルーホール121の内壁にPdを含むメッキ触媒を塗布した後に、無電解Cuメッキと電解Cuメッキを順次施し、スルーホール121に第1スルーホール導体122(筒状部122T)を形成する。その後、第1スルーホール導体122内に樹脂ペーストを印刷充填し、樹脂ペーストを熱硬化させて、樹脂充填体123を形成する。そして、この樹脂充填体123の端部を研磨除去し、第1コア基板111の表裏面を面一にする。さらに、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、樹脂充填体123上に蓋メッキ層(円盤部122E,122F)を形成する。その後、第1コア基板111の表裏面の導体層上に、フォトリソグラフィ法により所定パターンのエッチングレジスト層をそれぞれ形成する。そして、エッチングレジスト層から露出する導体層をエッチング除去し、主面側第1導体層131を形成する。
【0034】
次に、第2コア基板115を別途用意し、これに貫通孔115Hを形成する。そして、この第2コア基板115を、フィルム状接着層等を利用して、上記の第1コア基板111の裏面側に貼り付ける。その後、この基板の所定の位置にスルーホール126を形成する。次に、このスルーホール126の内壁にPdを含むメッキ触媒を塗布した後に、無電解Cuメッキと電解Cuメッキを順次施し、スルーホール126に第2スルーホール導体127(筒状部127T)を形成する。その後、第2スルーホール導体127内に樹脂ペーストを印刷充填し、樹脂ペーストを熱硬化させて、樹脂充填体128を形成する。そして、この樹脂充填体128の端部を研磨除去し、基板の表裏面を面一にする。さらに、Cu無電解メッキとCu電解メッキを順次施し、樹脂充填体128上に蓋メッキ層(円盤部127E,127F)を形成する。その後、この基板の表裏面の導体層上に、フォトリソグラフィ法により所定パターンのエッチングレジスト層をそれぞれ形成する。そして、エッチングレジスト層から露出する導体層をエッチング除去する。
【0035】
次に、第1コア基板111の主面上及び第1導体層131上に、公知のフォトリソグラフィ法により、ビアホール133を所定の位置に有する第1絶縁層112を形成する。その後、公知のセミアディティブティブ方により、このビアホール133に第1フィルドビア導体134を形成すると共に、第1絶縁層112上に第2導体層136を形成する。
次に、第1絶縁層112上及び第2導体層136上に、公知のフォトリソグラフィ法により、ビアホール137を所定の位置に有する第2絶縁層113を形成する。その後、公知のセミアディティブティブ方により、このビアホール137に第2フィルドビア導体138を形成すると共に、第2絶縁層113上に第3導体層140を形成する。
【0036】
次に、第2絶縁層113上及び第3導体層140上に、公知のフォトリソグラフィ法により、主面側開口114Hを所定の位置に有するソルダーレジスト層114を形成する。
次に、電解Niメッキを施し、ソルダーレジスト層114の主面側開口114H内に露出するパッドまたは第2フィルドビア導体138上に、Niメッキ層142を被着させる。またこれと共に、基板裏面103側に露出する第1スルーホール導体122の円盤部122Fと第2スルーホール導体127の円盤部127Fにも、Niメッキ層を被着させる。その後、Auメッキを施し、酸化防止のため、これら表裏面のNiメッキ層142等上に、ごく薄いAuメッキ層を形成する。
【0037】
次に、第2スルーホール導体127の円盤部127Fに被着したNiメッキ層にハンダ129を介してピンPNを固着させる。また、第1スルーホール導体122の円盤部122Fに被着したNiメッキ層にハンダ124を介してチップコンデンサCONの端子CONTを固着させる。さらに、主面側開口114H内のNiメッキ層142上にハンダバンプ143形成する。なお、各ハンダ129,124,143を付ける際にAuメッキ層のAuは、そのハンダ内拡散するので、各ハンダ129,124,143は、Niメッキ層142等に溶着する。
以上のようにして、配線基板101が完成する。
【0038】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、2層の絶縁層(第1絶縁層112及び第2絶縁層113)にそれぞれフィルドビア導体(第1フィルドビア導体134及び第2フィルドビア導体138)が形成された配線基板101を示したが、3層以上の絶縁層にそれぞれフィルドビア導体が形成された配線基板に本発明を適用することもできる。フィルドビア導体が多数あっても、その少なくとも一群に階段ビア部が形成されていれば、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路を短くできる効果があるからである。
【0039】
また、上記実施形態では、IC接続端子141とコンデンサ接続端子122Fとを結ぶ導通経路に第1スルーホール導体122が存在するものを例示したが、この導通経路にスルーホール導体が介在しない配線基板にも本発明を適用することができる。スルーホール導体がなくても、フィルドビア導体による階段ビア部を有すれば、上記実施形態と同様な効果が得られるからである。
【0040】
また、上記実施形態では、既にチップコンデンサCONを搭載した状態の配線基板101を例示したが、チップコンデンサCONを搭載する前の状態のものを配線基板とすることもできる。
また、上記実施形態では、ICチップICが未だ搭載されていない配線基板101を示したが、ICチップICを既に搭載した状態のものを配線基板とすることもできる。
さらに、上記実施形態では、基板裏面103の入出力端子としてピンPNを有する配線基板101を示したが、基板裏面103の入出力端子としてパッドやハンダバンプを有する配線基板であってもよい。
【0041】
なお、上記実施形態では、第1コア基板111、第2コア基板115、第1絶縁層112及び第2絶縁層113が、いずれもエポキシ樹脂等からなる樹脂絶縁層である場合を例示したが、絶縁層の材質はこれに限るものではない。例えば、第1コア基板111及び第2コア基板115をアルミナ等のセラミック基板とし、第1絶縁層112及び第2絶縁層113を上記のように樹脂絶縁層としてもよい。また、第1コア基板111、第2コア基板115、第1絶縁層112及び第2絶縁層113のすべてをセラミック絶縁層とすることもできる。このように絶縁層の材質を変更しても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る配線基板の部分断面図である。
【図2】実施形態に係る配線基板のうちIC接続端子近傍の部分拡大断面図である。
【図3】従来技術に係る配線基板の部分断面図である。
【符号の説明】
101 配線基板
106 IC搭載領域
107 コンデンサ搭載領域
111 第1コア基板(絶縁層)
112 第1絶縁層
113 第2絶縁層
115 第2コア基板(絶縁層)
122 第1スルーホール導体
134 第1フィルドビア導体
138 第2フィルドビア導体
122F コンデンサ接続端子
141 IC接続端子
IC ICチップ
CON チップコンデンサ
Claims (7)
- ICチップとチップコンデンサが搭載される配線基板であって、
上記ICチップの端子と接続されるIC接続端子と、
上記チップコンデンサの端子と接続されるコンデンサ接続端子と、
これらIC接続端子とコンデンサ接続端子との間に介在する複数の絶縁層と、
これらの絶縁層の内部に形成され、上記IC接続端子と上記コンデンサ接続端子とを結ぶ導通経路であって、
上記絶縁層を貫通する複数のフィルドビア導体を含み、
これらの少なくとも一群が互いに階段状に重なって接合し上記IC接続端子側から上記コンデンサ接続端子側に向かって延びる階段ビア部をなす
導通経路と、
を備える配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板であって、
前記導通経路は、平面方向に延びる配線を含まない
配線基板。 - 請求項2に記載の配線基板であって、
前記導通経路は、前記複数のフィルドビア導体のみからなる、または、上記複数のフィルドビア導体とスルーホール導体のみからなる
配線基板。 - 請求項3に記載の配線基板であって、
前記複数のフィルドビア導体は、いずれも前記階段ビア部を構成する
配線基板。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記チップコンデンサが搭載されるコンデンサ搭載領域は、前記ICチップが搭載されるIC搭載領域と対向する領域内に存在する
配線基板。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記IC接続端子の配置間隔は、前記コンデンサ接続端子の配置間隔よりも小さい
配線基板。 - 請求項6に記載の配線基板であって、
前記IC接続端子の配置間隔は、50μm以上200μm以下であり、前記コンデンサ接続端子の配置間隔は、400μm以上800μm以下である
配線基板。
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