JP2004006590A - 熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 - Google Patents
熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004006590A JP2004006590A JP2002266342A JP2002266342A JP2004006590A JP 2004006590 A JP2004006590 A JP 2004006590A JP 2002266342 A JP2002266342 A JP 2002266342A JP 2002266342 A JP2002266342 A JP 2002266342A JP 2004006590 A JP2004006590 A JP 2004006590A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoelectric conversion
- coo
- conversion material
- raw material
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
【課題】毒性の強い元素を含まず、特に低温において高い熱電特性を有するn型熱電変換材料を提供すること。
【解決手段】本発明に係る熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型の熱電特性を示す金属を含む第2相とを含む複合体からなる。この場合、第2相は、n型の熱電特性を示す金属として、Coを含むものが好ましい。また、複合体全体に占めるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。このような熱電変換材料は、Co化合物(特に、Co酸化物及び/またはCo複酸化物)を含む成形体を還元雰囲気中において焼成することにより得られる。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明に係る熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型の熱電特性を示す金属を含む第2相とを含む複合体からなる。この場合、第2相は、n型の熱電特性を示す金属として、Coを含むものが好ましい。また、複合体全体に占めるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。このような熱電変換材料は、Co化合物(特に、Co酸化物及び/またはCo複酸化物)を含む成形体を還元雰囲気中において焼成することにより得られる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電効果を用いて冷却・加熱あるいは発電を行う熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電変換材料に電流を通じた際の吸熱・発熱作用であるペルチェ効果を利用した電子冷却は、フロンを使用しない冷却装置を提供する素子として有望である。また、ペルチェ効果とは逆に熱電変換材料に温度差を与えることにより生ずる起電力(ゼーベック効果)を利用して発電することもできる。これらは、温暖化ガスの使用削減や、未利用排熱エネルギーの回収の面から、近年、関心が高まっている。
【0003】
ペルチェ効果やゼーベック効果などの熱電効果の大きさは、数1に示す性能指数Zに密接に関連している。
【0004】
【数1】
Z=σS2/κ
(但し、Z:性能指数、σ:電気伝導度、S:ゼーベック係数、κ:熱伝導度)
【0005】
数1の式より、一般に、熱電変換材料の特性向上には、ゼーベック係数(S)と電気伝導度(σ)が高く、熱伝導度(κ)が低いことが必要である。熱電発電に利用する場合には、高温側と低温側の温度差が大きい方が熱起電力が大きくなり有利であるため、性能指数Zに絶対温度T[K]を乗じたZT(無次元性能指数)が熱電変換材料の特性を評価する指標として用いられることが多い。
【0006】
ペルチェ効果を利用した冷却装置などの場合には、放冷フィンなどを使用することにより熱電変換材料の熱伝導度を補償することも可能である。そのため、性能指数Zから熱伝導度κを除いた値である数2の式に示す出力因子(PF)を特性の指標として用いることも多い。
【0007】
【数2】
PF=σS2
【0008】
こうした熱電変換材料を用いて電子冷却あるいは発電を行う熱電変換素子を構成するためには、少なくとも1つのp型熱電変換材料と、少なくとも1つのn型熱電変換材料を、電気的に直列に、かつ熱的に並列に接続した構造とする必要がある。
【0009】
熱電変換材料のうち、p型熱電変換材料としては、例えば主に低温で高い特性を示すフィルドスクッテルダイト系のCeFe3CoSb12を始めとして、数多くの材料が知られている。
【0010】
これに対し、n型熱電変換材料は限られており、特に低温で高い特性を示すスクッテルダイト系のCoSb3を主成分とする材料(例えば、特許文献1参照)や、ZnOを主成分とする酸化物熱電変換材料(例えば、特許文献2参照)などが知られているに過ぎない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−46020号公報(段落番号「0015」〜「0018」)
【特許文献2】
特開2001−284661号公報(段落番号「0004」〜「0005」)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、熱電変換素子を構成するには、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の両者が不可欠である。当然ながら、両熱電変換材料の特性が優れていることが望まれる。しかしながら、特にn型熱電変換材料については好適な材料がほとんどないのが現状である。
【0013】
例えば、Coは、出力因子PFの大きなn型熱電変換材料である。しかしながら、Coは、熱伝導度κが大きいために、無次元性能指数ZTが小さくなり、実用的なn型熱電変換材料とはなり得ない。また、スクッテルダイト系のCoSb3は、低温で高い熱電特性を示すが、Sbという毒性が極めて高い環境負荷物質を含有している。そのため、その取り扱いや用途に留意しなければならないという難点がある。
【0014】
一方、ZnOを主成分とする酸化物熱電変換材料は、環境負荷物質を必ずしも含まないという利点がある。しかしながら、酸化物熱電変換材料は、高い特性を示す温度領域が限られている。そのため、特に、比較的低温度の排熱を利用した発電などには使用が困難であるのが実状である。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、特に、低温度域において高い熱電特性を示し、しかも環境負荷物質を含まないn型の熱電変換材料、及びこれを用いた熱電変換素子を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような熱電変換材料を容易かつ低コストで製造可能な熱電変換材料の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型の熱電特性を示す金属を含む第2相とを含む複合体からなることを要旨とする。この場合、前記金属は、Coが好ましい。また、熱電変換材料に含まれるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。
【0017】
Coなどの相対的に大きな出力因子PFを示すn型の金属に対してCoOを複合化させると、その熱伝導度κが著しく低下する。そのため、複合体の性能指数Zは、所定のCoO含有量において極大となり、n型金属単体の性能指数Zより高い値を示す。
【0018】
また、本発明に係る熱電変換材料の製造方法は、Co化合物を含む原料を調製する原料調製工程と、前記原料を成形する成形工程と、該成形工程で得られた成形体を還元雰囲気下において焼成する焼成工程とを備えている。
【0019】
所定のCo化合物を含む成形体を還元雰囲気下において焼成すると、Co化合物からCoOが生成すると同時に、Co化合物の一部が還元され、Coが生成する。そのため、CoOとCoの複合体からなる熱電変換材料を容易かつ低コストで製造することができる。
【0020】
また、本発明に係る熱電変換素子は、本発明に係る熱電変換材料をn型熱電変換材料として用いたことを要旨とする。
【0021】
本発明に係る熱電変換材料は、環境負荷物質を含まないことに加えて、低温域において高い性能指数を示すので、これを用いた熱電変換素子もまた、低温域において高い性能指数を示す。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る熱電変換材料は、第1相と、第2相とを備えた複合体からなる。
【0023】
第1相は、CoOを含む相からなる。本発明において、「CoO」には、化学量論組成のものに限られず、酸素欠損又は過剰酸素を含むCoOも含まれる。また、「CoO」には、陽イオン元素としてCoのみを含むものに限られず、Coの一部が他の元素(例えば、遷移金属元素等)に置換されたものも含まれる。さらに、第1相は、CoOのみからなることが望ましいが、出発原料、製造工程等に起因する不可避的な不純物相が含まれていても良い。
【0024】
複合体全体に含まれるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。CoOの含有量が5mol%未満である場合及びCoOの含有量が75mol%を越える場合には、いずれも性能指数Z(又は、無次元性能指数ZT)が低下するので好ましくない。CoOの含有量は、さらに好ましくは、25mol%以上60mol%以下である。
【0025】
第2相は、n型の熱電特性を示す金属(以下、これを「n型金属」という。)を含む相からなる。第2相は、n型金属のみからなることが望ましいが、出発原料、製造工程等に起因する不可避的な不純物相が含まれていても良い。
【0026】
複合体に含まれるn型金属は、相対的に出力因子PFが大きなものが好ましく、必ずしも熱伝導度κが小さいものである必要はない。このようなn型金属としては、具体的には、Co、Ni、Si等が挙げられる。また、複合体には、これらの内、1種類のn型金属が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
【0027】
さらに、高い熱電特性を得るためには、第1相及び第2相は、複合体中に均一に分散していることが望ましい。また、第1相又は第2相のいずれか一方に対して、他方が微細に分散していることが望ましい。
【0028】
Coなどの相対的に大きな出力因子PFを示すn型金属に対してCoOを複合化させると、CoOの含有量が増加するに伴い、複合体の出力因子PFは低下する。一方、CoOの熱伝導度κは、n型金属に比して小さいので、CoOの含有量が増加するに伴い、複合体の熱伝導度κもまた小さくなる。
【0029】
しかしながら、CoOを含む第1相とn型金属を含む第2相とを複合化させる場合において、CoO濃度が所定の範囲にあるときには、出力因子PFの低下率に比して、熱伝導度κの低下率の方が相対的に大きくなる。その結果、複合体の性能指数Zは、所定のCoO含有量において極大となり、n型金属単体の性能指数Zより高い値を示す。
【0030】
本発明に係る熱電変換材料は、低温域において相対的に高い熱電特性を示し、しかも環境負荷物質を含まない。そのため、これをn型熱電変換材料として用いれば、低温域において相対的に高い熱電特性を示し、しかも取り扱いが比較的容易な熱電変換素子が得られる。
【0031】
次に、本発明に係る熱電変換材料の製造方法について説明する。本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換材料の製造方法は、CoOとCoを主成分とする複合体の製造方法に関するものであり、原料調製工程と、成形工程と、焼成工程とを備えている。
【0032】
原料調製工程は、Co化合物を含む原料を調製する工程である。本実施の形態において、「Co化合物」とは、焼成によって少なくともCoOを生成する化合物をいう。このようなCo化合物としては、具体的には、CoO、Co3O4、CoO2等のCo酸化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩などのCo塩、Co(OH)2などのCo水酸化物等が挙げられる。
【0033】
また、Co化合物は、NaxCoO2−δ(コバルト酸ナトリウム)などのCo複酸化物であっても良い。「複酸化物」とは、2種以上のカチオンを含み、かつ2種以上の非等価なサイトを含む酸化物をいう。さらに、これらのCo化合物は、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0034】
また、原料調製工程においては、原料に対し、炭素を含有する化合物からなる還元剤を添加しても良い。原料に対して還元剤を添加し、所定の条件下で焼成すると、Co化合物の一部が還元されてCoとなり、CoOとCoを主成分とする複合体を容易に製造することができる。
【0035】
このような還元剤としては、具体的には、ポリビニルブチラート、熱硬化性樹脂類、カーボンブラック等が挙げられる。原料に対する還元剤の配合比は、出発原料の種類、成形方法、焼成条件、作製しようとする熱電変換材料に要求される特性等に応じて、最適な値を選択する。一般に、還元剤の配合比が小さくなるほど、緻密な熱電変換材料が得られる。
【0036】
出発原料として、2種以上のCo化合物を用いる場合及び/又は原料中に還元剤を添加する場合には、原料調製工程において、これらを均一に混合する。混合は、乾式で行っても良く、あるいは、水、アルコール等の分散媒を用いて、湿式で行っても良い。
【0037】
次に、成形工程について説明する。成形工程は、原料調製工程で得られた原料を所定の形状を有する成形体に成形する工程である。成形方法及び成形体の形状は、特に限定されるものではなく、作製しようとする熱電変換材料の用途に応じて最適なものを選択する。成形方法は、特に限定されないが、所望の形状に成形できる最適な方法を選択すればよい。
【0038】
次に、焼成工程について説明する。焼成工程は、成形工程で得られた成形体を還元雰囲気下において焼成する工程である。Co化合物を含む成形体を還元雰囲気下において焼成すると、Co化合物の一部からCoOが生成すると同時に、Co化合物の他の一部が還元されて、Coが生成する。
【0039】
焼成は、常圧で行っても良く、あるいは、ホットプレス、ホットフォージング、HIP等の加圧下で行っても良い。また、常圧下での焼成と、加圧下での焼成を組み合わせて用いても良い。
【0040】
焼成温度は、出発原料の種類、還元剤の有無、焼成方法、作製しようとする熱電変換材料に要求される特性等に応じて選択する。例えば、コバルト酸ナトリウムと還元剤を含む原料を用いる場合、焼成温度は、850℃以上が好ましい。焼成温度が850℃未満であると、Co化合物の還元速度が遅くなるので好ましくない。また、焼結温度の上限は特になく、Coが溶融することなく、所望の密度、形状が得られる最適な温度を選択すればよい。焼成時間は、目的とする組成を有する熱電変換材料が得られるように、焼成温度、焼成方法等に応じて選択する。
【0041】
また、焼成時に還元雰囲気を形成する方法には、種々の方法がある。第1の方法は、出発原料に相対的に少量の還元剤(例えば、バインダーとして添加するポリビニルブチラートなど)を添加し、大気中においてホットプレスする方法である。ホットプレス治具は、密閉性が比較的高いので、還元剤を含む成形体を大気中でホットプレスすると、還元剤が焼成中に炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気を比較的容易に形成することができる。
【0042】
第2の方法は、出発原料に相対的に多量の還元剤(例えば、レゾール樹脂など)を添加し、樹脂成形体とした後、大気中において常圧で焼成する方法である。成形体を適当なるつぼ内に静置し、これを大気中において焼成すると、還元剤が炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気を比較的容易に形成することができる。
【0043】
第3の方法は、出発原料に還元剤を添加することなく、還元性のガス中で焼成する方法である。還元性のガスとしては、具体的には、CO又はH2を混合した窒素又はアルゴン等が最適である。また、条件によっては、窒素又はアルゴンを単独で使用することもできる。さらに、成形体を真空中で焼成することによっても、同様に、還元雰囲気を作り出すことができる。
【0044】
図1に、製造工程の第1の具体例を示す。第1の具体例は、相対的に少量の還元剤を含む成形体を大気中においてホットプレスする方法に関するものである。まず、コバルト酸ナトリウムからなる板状粉末(原料粉末A)及びコバルト酸ナトリウムからなる微粒状粉末(原料粉末B)を、それぞれ、フラックス法及び固相法により合成する(原料粉末の合成工程)。得られた原料粉末A及びBは、所定の比率(例えば、重量比で1:4)で混合する。
【0045】
次に、原料粉末A及びBの混合粉末をエタノール/トルエン混合溶媒に分散させ、ボールミルで24時間混合する。混合終了後、原料に対してポリビニルブチラート(バインダ)及びフタル酸ジブチル(可塑剤)を添加し、ボールミルでさらに3時間混合する(混合工程)。
【0046】
次に、得られたスラリーをドクターブレード法を用いてテープ状に成形する。次いで、このテープを積層・圧着し、シート状にする(成形工程)。さらに、得られたシートから所定の形状を有する成形体を切り出し、ホットプレス治具にセットした後、250kg/cm2(24.5MPa)の圧力を加えながら、950℃で3時間ホットプレスする。これにより、コバルト酸ナトリウムの分解によってCoOが生成すると同時に、バインダとして添加したポリビニルブチラートが還元剤として作用し、CoOとCoを主成分とする複合体が得られる。また、Naの大半は、溶出して失われるものと現在のところ考えている。
【0047】
図2に、製造工程の第2の具体例を示す。第2の具体例は、相対的に多量の還元剤を含む樹脂成形体を大気中において常圧焼成する方法に関するものである。まず、第1の具体例と同様に、原料粉末A及び原料粉末Bを合成し(原料粉末の合成工程)、これらを所定の比率(例えば、重量比で1:4)で混合する。
【0048】
次に、原料粉末A及びBの混合粉末と、レゾール樹脂とをメタノール中に分散させ、スラリーとする。この場合、混合粉末とレゾール樹脂の重量比は、1:0.2〜2.0が好ましい。また、メタノールは、レゾール樹脂が完全に溶解するのに十分な量を用いるのが好ましい。
【0049】
次に、このスラリーを加温し、メタノールを蒸発させる。次いで、レゾール樹脂が硬化する前に、これを型に流し込み、さらに加温してレゾール樹脂を硬化させる(成形工程)。これにより、混合粉末が分散したペレット状の樹脂成形体が得られる。
【0050】
次に、得られた成形体をアルミナるつぼに静置し、大気中において、950℃で3時間焼成する(焼成工程)。これにより、コバルト酸ナトリウムの分解によってCoOが生成すると同時に、レゾール樹脂が還元剤として作用し、CoOとCoを主成分とする複合体が得られる。また、Naの大半は、溶出して失われるものと現在のところ考えている。
【0051】
このようにして得られた複合体は、その内部にCoO及びCoが均一かつ微細に分散しているので、相対的に高い性能指数Zを示すn型熱電変換材料となる。また、Co化合物を含む成形体を還元雰囲気下で焼成するだけで得られるので、熱電変換材料を容易かつ低コストで製造することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換材料の製造方法について説明する。本実施の形態に係る製造方法は、原料調製工程と、成形工程と、焼成工程とを備えている。
【0053】
本実施の形態において、原料の調製は、Co化合物とn型金属とを、機械的合金化処理することにより行われる。機械的合金化処理は、具体的には、Co化合物及びn型金属を、インペラーを備えた強力なボールミルに入れ、強制撹拌する方法が好適である。これにより、粒子の粉砕と圧着が繰り返され、Co化合物及びn型金属が均一かつ微細に分散した原料粉末が得られる。
【0054】
なお、機械的合金化処理した粉末に対し、必要に応じて、バインダを添加しても良い。また、バインダの添加は、乾式で行っても良く、アルコール等の適当な分散媒を用いて湿式で行っても良い。
【0055】
成形工程は、機械的合金化処理して得られた原料を成形し、所定の形状を有する成形体とする工程である。成形方法は、特に限定されるものではなく、所望の形状に成形できる最適な方法を選択すればよい。
【0056】
焼成工程は、成形工程で得られた成形体を所定の温度で焼成し、焼結させる工程である。この場合、焼成雰囲気は、不活性雰囲気、還元雰囲気及び酸化雰囲気のいずれであっても良い。
【0057】
例えば、不活性雰囲気下において所定の条件下で成形体を焼成すると、配合時の組成がほぼ維持された複合体が得られる。一方、還元雰囲気下において所定の条件下で成形体を焼成すると、Co化合物の一部が還元され、複合体中にCoを新たに生成させることができる。さらに、適度な酸化雰囲気下において成形体を焼成すると、原料中に含まれるn型金属の一部を酸化させることができる。
【0058】
なお、バインダを含む成形体の場合には、焼成の前に脱脂を行っても良い。あるいは、還元雰囲気を形成するために、上述した第1の実施の形態と同様の方法を用いて、脱脂をすることなく直接焼成しても良い。
【0059】
また、焼成方法は、常圧で行っても良く、ホットプレス、ホットフォージング、HIP等の加圧下で行っても良い。あるいは、常圧下での焼成と、加圧下での焼成を組み合わせて用いても良い。さらに、焼成温度、焼成時間等の焼成条件は、要求される組成及び特性を有する熱電変換材料が得られるように、出発原料の種類及び組成、焼成方法等に応じて最適なものを選択すれば良い。
【0060】
本実施の形態に係る製造方法は、Co化合物とn型金属とを出発原料に用いているので、配合時の組成及び焼成条件に応じて、種々の組成を有する熱電変換材料を容易かつ低コストで得ることができる。このような方法により得られた熱電変換材料は、CoOを含む第1相とn型金属を含む第2相との複合体からなるので、相対的に大きな性能指数Zを示す。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
図1は、実施例1の製造工程を示したものである。作製手順は、先ず原料粉末A及びBを合成し、次に得られた粉末とバインダーを混合した後、ドクターブレードにより厚み約100μmのテープ状にする。得られたテープを積層・圧着し、厚み約3mmのシート状にする。最後に、得られたシートを切り出し治具内に静置し、加圧処理しながら焼成を行うという工程である。
【0062】
まず、原料粉末Aの合成は次のようにして行った。Na2CO3粉末、Co3O4粉末、NaCl粉末を、Na:Co:NaClのモル比で1:1:7の割合に混合する。これを、アルミナるつぼに入れ、大気中、1200℃で24時間保持した。900℃まで120時間かけて冷却した後、室温まで徐冷した。得られた反応物からNaCl(フラックス)を除去するために純水で洗浄し、乾燥した後、粒径が300μm以上のものを選別した。得られた原料粉末Aは、コバルト酸ナトリウムからなる板状粉末であった。
【0063】
次に、以下の手順に従い、原料粉末Bを合成した。まず、Na2CO3粉末、Co3O4粉末を、Na:Coのモル比で1:1の割合で混合した。この混合粉を、900℃、大気中で24時間仮焼した後、粉砕する工程を2回繰り返した。さらに、900℃、大気中で24時間アニールした。得られた原料粉末Bは、コバルト酸ナトリウムからなる微粒状粉末であった。
【0064】
以上の原料粉末A及びBを、重量比で1:4で混合した。この混合粉末30gを、エタノール:トルエン=4:6(体積比)の混合溶媒100mlに分散させ、ボールミルで24時間混合した。次に、ポリビニルブチラート(バインダー)4g、フタル酸ジブチル(可塑剤)3mlを添加し、さらにボールミルで3時間混合した。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により、厚み約100μmのテープ状に成形した。このテープを積層し、80℃で圧着することにより、厚み約3mmのシート状にした。
【0065】
このシートを切り出し、ホットプレス治具に入れ、加圧(圧力:250kg/cm2(24.5MPa))しながら、950℃、大気中で3時間焼成した。ここで、大気中での焼成では、ホットプレス治具の密閉性が比較的高く、かつ、シート中のバインダーが焼結中に炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気での焼成となる。
【0066】
(比較例1)
純Coをそのまま実験に供した。
【0067】
図3に、実施例1で得られた焼結体のX線回折パターンを示す。図3より、実施例1で得られた焼結体は、CoOとCoとの複合体であることがわかる。このようなCoOとCoの複合体が得られたのは、還元雰囲気下で焼成することによって、コバルト酸ナトリウムが分解してCoOが生成すると同時に、その一部が還元されたためと考えられる。
【0068】
次に、実施例1で得られた焼結体及び比較例1の純Coから棒状試料を切り出し、100℃におけるゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導度κを測定した。さらに、これらの値を用いて、出力因子PF及び無次元性能指数ZTを算出した。また、各棒状試料について、X線回折パターンを測定し、CoとCoOの最強線のピーク比からCoO濃度を算出した。図4、図5及び図6に、それぞれ、CoO濃度と、出力因子PF、熱伝導度κ及び無次元性能指数ZTとの関係を示す。
【0069】
出力因子PFは、純Coが最大であった。また、CoO濃度が増加するに伴い、出力因子PFは低下した。同様に、熱伝導度κは、純Coが最大であった。また、CoO濃度が増加するに伴い、熱伝導度κは低下した。しかしながら、出力因子PFの低下率に比して熱伝導度κの低下率の方が相対的に大きいために、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coより向上した。図6より、CoO濃度を5mol%以上75mol%以下とすると、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coより高くなり、CoO濃度を25mol%以上60mol%以下とすると、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coの約1.5倍以上になることがわかる。
【0070】
本発明は、上記した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例においてはCo3O4粉末を使用したが、その他のCo化合物を使用することもできる。また、得られた焼結体の主成分がCoO、または、CoO及びCo、あるいは、酸素欠損をしたCoOであれば良く、その他の元素がCo置換した構造を有していても良い。
【0071】
また、上記実施例のように炭素を含有する化合物を還元剤として使用する方法の他に、還元性のガス中で焼成を行うといった方法でも良い。
【0072】
さらに、本発明は、種々の用途に対して適用可能であり、例えば、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電変換素子を構成するn型熱電変換材料として使用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型金属を含む第2相とを含む複合体からなるので、従来のn型熱電変換材料と同等以上の熱電特性が得られる。そして、従来の熱電変換材料に使用されることの多い、Sb、Te、Seといった毒性が極めて高い元素を含んでいないため、取り扱いが容易であり、用途も広範である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱電変換材料の製造工程を説明する図である。
【図2】本発明の他の一実施の形態に係る熱電変換材料の製造工程を説明する図である。
【図3】実施例1で得られた熱電変換材料のX線回折強度の回折パターン(XRD図形)を示した図である。
【図4】CoO濃度と出力因子PFとの関係を示す図である。
【図5】CoO濃度と熱伝導度κとの関係を示す図である。
【図6】CoO濃度と無次元性能指数ZTとの関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電効果を用いて冷却・加熱あるいは発電を行う熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電変換材料に電流を通じた際の吸熱・発熱作用であるペルチェ効果を利用した電子冷却は、フロンを使用しない冷却装置を提供する素子として有望である。また、ペルチェ効果とは逆に熱電変換材料に温度差を与えることにより生ずる起電力(ゼーベック効果)を利用して発電することもできる。これらは、温暖化ガスの使用削減や、未利用排熱エネルギーの回収の面から、近年、関心が高まっている。
【0003】
ペルチェ効果やゼーベック効果などの熱電効果の大きさは、数1に示す性能指数Zに密接に関連している。
【0004】
【数1】
Z=σS2/κ
(但し、Z:性能指数、σ:電気伝導度、S:ゼーベック係数、κ:熱伝導度)
【0005】
数1の式より、一般に、熱電変換材料の特性向上には、ゼーベック係数(S)と電気伝導度(σ)が高く、熱伝導度(κ)が低いことが必要である。熱電発電に利用する場合には、高温側と低温側の温度差が大きい方が熱起電力が大きくなり有利であるため、性能指数Zに絶対温度T[K]を乗じたZT(無次元性能指数)が熱電変換材料の特性を評価する指標として用いられることが多い。
【0006】
ペルチェ効果を利用した冷却装置などの場合には、放冷フィンなどを使用することにより熱電変換材料の熱伝導度を補償することも可能である。そのため、性能指数Zから熱伝導度κを除いた値である数2の式に示す出力因子(PF)を特性の指標として用いることも多い。
【0007】
【数2】
PF=σS2
【0008】
こうした熱電変換材料を用いて電子冷却あるいは発電を行う熱電変換素子を構成するためには、少なくとも1つのp型熱電変換材料と、少なくとも1つのn型熱電変換材料を、電気的に直列に、かつ熱的に並列に接続した構造とする必要がある。
【0009】
熱電変換材料のうち、p型熱電変換材料としては、例えば主に低温で高い特性を示すフィルドスクッテルダイト系のCeFe3CoSb12を始めとして、数多くの材料が知られている。
【0010】
これに対し、n型熱電変換材料は限られており、特に低温で高い特性を示すスクッテルダイト系のCoSb3を主成分とする材料(例えば、特許文献1参照)や、ZnOを主成分とする酸化物熱電変換材料(例えば、特許文献2参照)などが知られているに過ぎない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−46020号公報(段落番号「0015」〜「0018」)
【特許文献2】
特開2001−284661号公報(段落番号「0004」〜「0005」)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、熱電変換素子を構成するには、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の両者が不可欠である。当然ながら、両熱電変換材料の特性が優れていることが望まれる。しかしながら、特にn型熱電変換材料については好適な材料がほとんどないのが現状である。
【0013】
例えば、Coは、出力因子PFの大きなn型熱電変換材料である。しかしながら、Coは、熱伝導度κが大きいために、無次元性能指数ZTが小さくなり、実用的なn型熱電変換材料とはなり得ない。また、スクッテルダイト系のCoSb3は、低温で高い熱電特性を示すが、Sbという毒性が極めて高い環境負荷物質を含有している。そのため、その取り扱いや用途に留意しなければならないという難点がある。
【0014】
一方、ZnOを主成分とする酸化物熱電変換材料は、環境負荷物質を必ずしも含まないという利点がある。しかしながら、酸化物熱電変換材料は、高い特性を示す温度領域が限られている。そのため、特に、比較的低温度の排熱を利用した発電などには使用が困難であるのが実状である。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、特に、低温度域において高い熱電特性を示し、しかも環境負荷物質を含まないn型の熱電変換材料、及びこれを用いた熱電変換素子を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような熱電変換材料を容易かつ低コストで製造可能な熱電変換材料の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型の熱電特性を示す金属を含む第2相とを含む複合体からなることを要旨とする。この場合、前記金属は、Coが好ましい。また、熱電変換材料に含まれるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。
【0017】
Coなどの相対的に大きな出力因子PFを示すn型の金属に対してCoOを複合化させると、その熱伝導度κが著しく低下する。そのため、複合体の性能指数Zは、所定のCoO含有量において極大となり、n型金属単体の性能指数Zより高い値を示す。
【0018】
また、本発明に係る熱電変換材料の製造方法は、Co化合物を含む原料を調製する原料調製工程と、前記原料を成形する成形工程と、該成形工程で得られた成形体を還元雰囲気下において焼成する焼成工程とを備えている。
【0019】
所定のCo化合物を含む成形体を還元雰囲気下において焼成すると、Co化合物からCoOが生成すると同時に、Co化合物の一部が還元され、Coが生成する。そのため、CoOとCoの複合体からなる熱電変換材料を容易かつ低コストで製造することができる。
【0020】
また、本発明に係る熱電変換素子は、本発明に係る熱電変換材料をn型熱電変換材料として用いたことを要旨とする。
【0021】
本発明に係る熱電変換材料は、環境負荷物質を含まないことに加えて、低温域において高い性能指数を示すので、これを用いた熱電変換素子もまた、低温域において高い性能指数を示す。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る熱電変換材料は、第1相と、第2相とを備えた複合体からなる。
【0023】
第1相は、CoOを含む相からなる。本発明において、「CoO」には、化学量論組成のものに限られず、酸素欠損又は過剰酸素を含むCoOも含まれる。また、「CoO」には、陽イオン元素としてCoのみを含むものに限られず、Coの一部が他の元素(例えば、遷移金属元素等)に置換されたものも含まれる。さらに、第1相は、CoOのみからなることが望ましいが、出発原料、製造工程等に起因する不可避的な不純物相が含まれていても良い。
【0024】
複合体全体に含まれるCoOの含有量は、5mol%以上75mol%以下が好ましい。CoOの含有量が5mol%未満である場合及びCoOの含有量が75mol%を越える場合には、いずれも性能指数Z(又は、無次元性能指数ZT)が低下するので好ましくない。CoOの含有量は、さらに好ましくは、25mol%以上60mol%以下である。
【0025】
第2相は、n型の熱電特性を示す金属(以下、これを「n型金属」という。)を含む相からなる。第2相は、n型金属のみからなることが望ましいが、出発原料、製造工程等に起因する不可避的な不純物相が含まれていても良い。
【0026】
複合体に含まれるn型金属は、相対的に出力因子PFが大きなものが好ましく、必ずしも熱伝導度κが小さいものである必要はない。このようなn型金属としては、具体的には、Co、Ni、Si等が挙げられる。また、複合体には、これらの内、1種類のn型金属が含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
【0027】
さらに、高い熱電特性を得るためには、第1相及び第2相は、複合体中に均一に分散していることが望ましい。また、第1相又は第2相のいずれか一方に対して、他方が微細に分散していることが望ましい。
【0028】
Coなどの相対的に大きな出力因子PFを示すn型金属に対してCoOを複合化させると、CoOの含有量が増加するに伴い、複合体の出力因子PFは低下する。一方、CoOの熱伝導度κは、n型金属に比して小さいので、CoOの含有量が増加するに伴い、複合体の熱伝導度κもまた小さくなる。
【0029】
しかしながら、CoOを含む第1相とn型金属を含む第2相とを複合化させる場合において、CoO濃度が所定の範囲にあるときには、出力因子PFの低下率に比して、熱伝導度κの低下率の方が相対的に大きくなる。その結果、複合体の性能指数Zは、所定のCoO含有量において極大となり、n型金属単体の性能指数Zより高い値を示す。
【0030】
本発明に係る熱電変換材料は、低温域において相対的に高い熱電特性を示し、しかも環境負荷物質を含まない。そのため、これをn型熱電変換材料として用いれば、低温域において相対的に高い熱電特性を示し、しかも取り扱いが比較的容易な熱電変換素子が得られる。
【0031】
次に、本発明に係る熱電変換材料の製造方法について説明する。本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換材料の製造方法は、CoOとCoを主成分とする複合体の製造方法に関するものであり、原料調製工程と、成形工程と、焼成工程とを備えている。
【0032】
原料調製工程は、Co化合物を含む原料を調製する工程である。本実施の形態において、「Co化合物」とは、焼成によって少なくともCoOを生成する化合物をいう。このようなCo化合物としては、具体的には、CoO、Co3O4、CoO2等のCo酸化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩などのCo塩、Co(OH)2などのCo水酸化物等が挙げられる。
【0033】
また、Co化合物は、NaxCoO2−δ(コバルト酸ナトリウム)などのCo複酸化物であっても良い。「複酸化物」とは、2種以上のカチオンを含み、かつ2種以上の非等価なサイトを含む酸化物をいう。さらに、これらのCo化合物は、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0034】
また、原料調製工程においては、原料に対し、炭素を含有する化合物からなる還元剤を添加しても良い。原料に対して還元剤を添加し、所定の条件下で焼成すると、Co化合物の一部が還元されてCoとなり、CoOとCoを主成分とする複合体を容易に製造することができる。
【0035】
このような還元剤としては、具体的には、ポリビニルブチラート、熱硬化性樹脂類、カーボンブラック等が挙げられる。原料に対する還元剤の配合比は、出発原料の種類、成形方法、焼成条件、作製しようとする熱電変換材料に要求される特性等に応じて、最適な値を選択する。一般に、還元剤の配合比が小さくなるほど、緻密な熱電変換材料が得られる。
【0036】
出発原料として、2種以上のCo化合物を用いる場合及び/又は原料中に還元剤を添加する場合には、原料調製工程において、これらを均一に混合する。混合は、乾式で行っても良く、あるいは、水、アルコール等の分散媒を用いて、湿式で行っても良い。
【0037】
次に、成形工程について説明する。成形工程は、原料調製工程で得られた原料を所定の形状を有する成形体に成形する工程である。成形方法及び成形体の形状は、特に限定されるものではなく、作製しようとする熱電変換材料の用途に応じて最適なものを選択する。成形方法は、特に限定されないが、所望の形状に成形できる最適な方法を選択すればよい。
【0038】
次に、焼成工程について説明する。焼成工程は、成形工程で得られた成形体を還元雰囲気下において焼成する工程である。Co化合物を含む成形体を還元雰囲気下において焼成すると、Co化合物の一部からCoOが生成すると同時に、Co化合物の他の一部が還元されて、Coが生成する。
【0039】
焼成は、常圧で行っても良く、あるいは、ホットプレス、ホットフォージング、HIP等の加圧下で行っても良い。また、常圧下での焼成と、加圧下での焼成を組み合わせて用いても良い。
【0040】
焼成温度は、出発原料の種類、還元剤の有無、焼成方法、作製しようとする熱電変換材料に要求される特性等に応じて選択する。例えば、コバルト酸ナトリウムと還元剤を含む原料を用いる場合、焼成温度は、850℃以上が好ましい。焼成温度が850℃未満であると、Co化合物の還元速度が遅くなるので好ましくない。また、焼結温度の上限は特になく、Coが溶融することなく、所望の密度、形状が得られる最適な温度を選択すればよい。焼成時間は、目的とする組成を有する熱電変換材料が得られるように、焼成温度、焼成方法等に応じて選択する。
【0041】
また、焼成時に還元雰囲気を形成する方法には、種々の方法がある。第1の方法は、出発原料に相対的に少量の還元剤(例えば、バインダーとして添加するポリビニルブチラートなど)を添加し、大気中においてホットプレスする方法である。ホットプレス治具は、密閉性が比較的高いので、還元剤を含む成形体を大気中でホットプレスすると、還元剤が焼成中に炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気を比較的容易に形成することができる。
【0042】
第2の方法は、出発原料に相対的に多量の還元剤(例えば、レゾール樹脂など)を添加し、樹脂成形体とした後、大気中において常圧で焼成する方法である。成形体を適当なるつぼ内に静置し、これを大気中において焼成すると、還元剤が炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気を比較的容易に形成することができる。
【0043】
第3の方法は、出発原料に還元剤を添加することなく、還元性のガス中で焼成する方法である。還元性のガスとしては、具体的には、CO又はH2を混合した窒素又はアルゴン等が最適である。また、条件によっては、窒素又はアルゴンを単独で使用することもできる。さらに、成形体を真空中で焼成することによっても、同様に、還元雰囲気を作り出すことができる。
【0044】
図1に、製造工程の第1の具体例を示す。第1の具体例は、相対的に少量の還元剤を含む成形体を大気中においてホットプレスする方法に関するものである。まず、コバルト酸ナトリウムからなる板状粉末(原料粉末A)及びコバルト酸ナトリウムからなる微粒状粉末(原料粉末B)を、それぞれ、フラックス法及び固相法により合成する(原料粉末の合成工程)。得られた原料粉末A及びBは、所定の比率(例えば、重量比で1:4)で混合する。
【0045】
次に、原料粉末A及びBの混合粉末をエタノール/トルエン混合溶媒に分散させ、ボールミルで24時間混合する。混合終了後、原料に対してポリビニルブチラート(バインダ)及びフタル酸ジブチル(可塑剤)を添加し、ボールミルでさらに3時間混合する(混合工程)。
【0046】
次に、得られたスラリーをドクターブレード法を用いてテープ状に成形する。次いで、このテープを積層・圧着し、シート状にする(成形工程)。さらに、得られたシートから所定の形状を有する成形体を切り出し、ホットプレス治具にセットした後、250kg/cm2(24.5MPa)の圧力を加えながら、950℃で3時間ホットプレスする。これにより、コバルト酸ナトリウムの分解によってCoOが生成すると同時に、バインダとして添加したポリビニルブチラートが還元剤として作用し、CoOとCoを主成分とする複合体が得られる。また、Naの大半は、溶出して失われるものと現在のところ考えている。
【0047】
図2に、製造工程の第2の具体例を示す。第2の具体例は、相対的に多量の還元剤を含む樹脂成形体を大気中において常圧焼成する方法に関するものである。まず、第1の具体例と同様に、原料粉末A及び原料粉末Bを合成し(原料粉末の合成工程)、これらを所定の比率(例えば、重量比で1:4)で混合する。
【0048】
次に、原料粉末A及びBの混合粉末と、レゾール樹脂とをメタノール中に分散させ、スラリーとする。この場合、混合粉末とレゾール樹脂の重量比は、1:0.2〜2.0が好ましい。また、メタノールは、レゾール樹脂が完全に溶解するのに十分な量を用いるのが好ましい。
【0049】
次に、このスラリーを加温し、メタノールを蒸発させる。次いで、レゾール樹脂が硬化する前に、これを型に流し込み、さらに加温してレゾール樹脂を硬化させる(成形工程)。これにより、混合粉末が分散したペレット状の樹脂成形体が得られる。
【0050】
次に、得られた成形体をアルミナるつぼに静置し、大気中において、950℃で3時間焼成する(焼成工程)。これにより、コバルト酸ナトリウムの分解によってCoOが生成すると同時に、レゾール樹脂が還元剤として作用し、CoOとCoを主成分とする複合体が得られる。また、Naの大半は、溶出して失われるものと現在のところ考えている。
【0051】
このようにして得られた複合体は、その内部にCoO及びCoが均一かつ微細に分散しているので、相対的に高い性能指数Zを示すn型熱電変換材料となる。また、Co化合物を含む成形体を還元雰囲気下で焼成するだけで得られるので、熱電変換材料を容易かつ低コストで製造することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換材料の製造方法について説明する。本実施の形態に係る製造方法は、原料調製工程と、成形工程と、焼成工程とを備えている。
【0053】
本実施の形態において、原料の調製は、Co化合物とn型金属とを、機械的合金化処理することにより行われる。機械的合金化処理は、具体的には、Co化合物及びn型金属を、インペラーを備えた強力なボールミルに入れ、強制撹拌する方法が好適である。これにより、粒子の粉砕と圧着が繰り返され、Co化合物及びn型金属が均一かつ微細に分散した原料粉末が得られる。
【0054】
なお、機械的合金化処理した粉末に対し、必要に応じて、バインダを添加しても良い。また、バインダの添加は、乾式で行っても良く、アルコール等の適当な分散媒を用いて湿式で行っても良い。
【0055】
成形工程は、機械的合金化処理して得られた原料を成形し、所定の形状を有する成形体とする工程である。成形方法は、特に限定されるものではなく、所望の形状に成形できる最適な方法を選択すればよい。
【0056】
焼成工程は、成形工程で得られた成形体を所定の温度で焼成し、焼結させる工程である。この場合、焼成雰囲気は、不活性雰囲気、還元雰囲気及び酸化雰囲気のいずれであっても良い。
【0057】
例えば、不活性雰囲気下において所定の条件下で成形体を焼成すると、配合時の組成がほぼ維持された複合体が得られる。一方、還元雰囲気下において所定の条件下で成形体を焼成すると、Co化合物の一部が還元され、複合体中にCoを新たに生成させることができる。さらに、適度な酸化雰囲気下において成形体を焼成すると、原料中に含まれるn型金属の一部を酸化させることができる。
【0058】
なお、バインダを含む成形体の場合には、焼成の前に脱脂を行っても良い。あるいは、還元雰囲気を形成するために、上述した第1の実施の形態と同様の方法を用いて、脱脂をすることなく直接焼成しても良い。
【0059】
また、焼成方法は、常圧で行っても良く、ホットプレス、ホットフォージング、HIP等の加圧下で行っても良い。あるいは、常圧下での焼成と、加圧下での焼成を組み合わせて用いても良い。さらに、焼成温度、焼成時間等の焼成条件は、要求される組成及び特性を有する熱電変換材料が得られるように、出発原料の種類及び組成、焼成方法等に応じて最適なものを選択すれば良い。
【0060】
本実施の形態に係る製造方法は、Co化合物とn型金属とを出発原料に用いているので、配合時の組成及び焼成条件に応じて、種々の組成を有する熱電変換材料を容易かつ低コストで得ることができる。このような方法により得られた熱電変換材料は、CoOを含む第1相とn型金属を含む第2相との複合体からなるので、相対的に大きな性能指数Zを示す。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
図1は、実施例1の製造工程を示したものである。作製手順は、先ず原料粉末A及びBを合成し、次に得られた粉末とバインダーを混合した後、ドクターブレードにより厚み約100μmのテープ状にする。得られたテープを積層・圧着し、厚み約3mmのシート状にする。最後に、得られたシートを切り出し治具内に静置し、加圧処理しながら焼成を行うという工程である。
【0062】
まず、原料粉末Aの合成は次のようにして行った。Na2CO3粉末、Co3O4粉末、NaCl粉末を、Na:Co:NaClのモル比で1:1:7の割合に混合する。これを、アルミナるつぼに入れ、大気中、1200℃で24時間保持した。900℃まで120時間かけて冷却した後、室温まで徐冷した。得られた反応物からNaCl(フラックス)を除去するために純水で洗浄し、乾燥した後、粒径が300μm以上のものを選別した。得られた原料粉末Aは、コバルト酸ナトリウムからなる板状粉末であった。
【0063】
次に、以下の手順に従い、原料粉末Bを合成した。まず、Na2CO3粉末、Co3O4粉末を、Na:Coのモル比で1:1の割合で混合した。この混合粉を、900℃、大気中で24時間仮焼した後、粉砕する工程を2回繰り返した。さらに、900℃、大気中で24時間アニールした。得られた原料粉末Bは、コバルト酸ナトリウムからなる微粒状粉末であった。
【0064】
以上の原料粉末A及びBを、重量比で1:4で混合した。この混合粉末30gを、エタノール:トルエン=4:6(体積比)の混合溶媒100mlに分散させ、ボールミルで24時間混合した。次に、ポリビニルブチラート(バインダー)4g、フタル酸ジブチル(可塑剤)3mlを添加し、さらにボールミルで3時間混合した。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により、厚み約100μmのテープ状に成形した。このテープを積層し、80℃で圧着することにより、厚み約3mmのシート状にした。
【0065】
このシートを切り出し、ホットプレス治具に入れ、加圧(圧力:250kg/cm2(24.5MPa))しながら、950℃、大気中で3時間焼成した。ここで、大気中での焼成では、ホットプレス治具の密閉性が比較的高く、かつ、シート中のバインダーが焼結中に炭素化合物となった後飛散する。そのため、還元雰囲気での焼成となる。
【0066】
(比較例1)
純Coをそのまま実験に供した。
【0067】
図3に、実施例1で得られた焼結体のX線回折パターンを示す。図3より、実施例1で得られた焼結体は、CoOとCoとの複合体であることがわかる。このようなCoOとCoの複合体が得られたのは、還元雰囲気下で焼成することによって、コバルト酸ナトリウムが分解してCoOが生成すると同時に、その一部が還元されたためと考えられる。
【0068】
次に、実施例1で得られた焼結体及び比較例1の純Coから棒状試料を切り出し、100℃におけるゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導度κを測定した。さらに、これらの値を用いて、出力因子PF及び無次元性能指数ZTを算出した。また、各棒状試料について、X線回折パターンを測定し、CoとCoOの最強線のピーク比からCoO濃度を算出した。図4、図5及び図6に、それぞれ、CoO濃度と、出力因子PF、熱伝導度κ及び無次元性能指数ZTとの関係を示す。
【0069】
出力因子PFは、純Coが最大であった。また、CoO濃度が増加するに伴い、出力因子PFは低下した。同様に、熱伝導度κは、純Coが最大であった。また、CoO濃度が増加するに伴い、熱伝導度κは低下した。しかしながら、出力因子PFの低下率に比して熱伝導度κの低下率の方が相対的に大きいために、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coより向上した。図6より、CoO濃度を5mol%以上75mol%以下とすると、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coより高くなり、CoO濃度を25mol%以上60mol%以下とすると、複合体の無次元性能指数ZTは、純Coの約1.5倍以上になることがわかる。
【0070】
本発明は、上記した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例においてはCo3O4粉末を使用したが、その他のCo化合物を使用することもできる。また、得られた焼結体の主成分がCoO、または、CoO及びCo、あるいは、酸素欠損をしたCoOであれば良く、その他の元素がCo置換した構造を有していても良い。
【0071】
また、上記実施例のように炭素を含有する化合物を還元剤として使用する方法の他に、還元性のガス中で焼成を行うといった方法でも良い。
【0072】
さらに、本発明は、種々の用途に対して適用可能であり、例えば、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電変換素子を構成するn型熱電変換材料として使用することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の熱電変換材料は、CoOを含む第1相と、n型金属を含む第2相とを含む複合体からなるので、従来のn型熱電変換材料と同等以上の熱電特性が得られる。そして、従来の熱電変換材料に使用されることの多い、Sb、Te、Seといった毒性が極めて高い元素を含んでいないため、取り扱いが容易であり、用途も広範である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱電変換材料の製造工程を説明する図である。
【図2】本発明の他の一実施の形態に係る熱電変換材料の製造工程を説明する図である。
【図3】実施例1で得られた熱電変換材料のX線回折強度の回折パターン(XRD図形)を示した図である。
【図4】CoO濃度と出力因子PFとの関係を示す図である。
【図5】CoO濃度と熱伝導度κとの関係を示す図である。
【図6】CoO濃度と無次元性能指数ZTとの関係を示す図である。
Claims (9)
- CoOを含む第1相と、n型の熱電特性を示す金属を含む第2相とを含む複合体からなる熱電変換材料。
- 前記金属は、Coである請求項1に記載の熱電変換材料。
- Co化合物を含む成形体を還元雰囲気下において焼成することにより得られる熱電変換材料。
- 前記Co化合物は、Co酸化物及び/又はCo複酸化物である請求項3に記載の熱電変換材料。
- 前記CoOの含有量が5mol%以上75mol%以下である請求項1から4までのいずれかに記載の熱電変換材料。
- Co化合物を含む原料を調製する原料調製工程と、
前記原料を成形する成形工程と、
該成形工程で得られた成形体を還元雰囲気下において焼成する焼成工程とを備えた熱電変換材料の製造方法。 - 前記Co化合物は、Co酸化物及び/又はCo複酸化物である請求項6に記載の熱電変換材料の製造方法。
- 前記原料調製工程は、前記原料に対し、炭素を含有する化合物からなる還元剤をさらに添加するものである請求項6又は7に記載の熱電変換材料の製造方法。
- 請求項1から5までのいずれかに記載の熱電変換材料を用いた熱電変換素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002266342A JP2004006590A (ja) | 2002-03-26 | 2002-09-12 | 熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002087228 | 2002-03-26 | ||
JP2002266342A JP2004006590A (ja) | 2002-03-26 | 2002-09-12 | 熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004006590A true JP2004006590A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30446059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002266342A Pending JP2004006590A (ja) | 2002-03-26 | 2002-09-12 | 熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004006590A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005093450A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-04-07 | Japan Science & Technology Agency | 酸化物系熱電変換材料 |
JP2015041621A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 株式会社村田製作所 | バルク熱電変換素子材料およびその製造方法 |
JP2015162664A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | 国立大学法人 千葉大学 | 熱電変換材料及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002266342A patent/JP2004006590A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005093450A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-04-07 | Japan Science & Technology Agency | 酸化物系熱電変換材料 |
JP2015041621A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 株式会社村田製作所 | バルク熱電変換素子材料およびその製造方法 |
JP2015162664A (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-07 | 国立大学法人 千葉大学 | 熱電変換材料及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103011838B (zh) | 一种BiCuSeO基热电氧化物粉体的制备方法 | |
KR101624310B1 (ko) | 열전 재료 및 그 제조 방법 | |
CN107394035A (zh) | 一种Sb掺杂BiCuSeO热电材料及其制备方法 | |
CN107994115A (zh) | 一种Pb/Ba双掺杂BiCuSeO热电材料及其制备方法 | |
KR101673315B1 (ko) | 열전 재료 및 그 제조 방법 | |
JP4865531B2 (ja) | Yb−AE−Fe−Co−Sb(AE:Ca、Sr、Ba、Ag)系熱電変換材料 | |
JP3867134B2 (ja) | 複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP4543127B2 (ja) | 酸化物熱電変換材料の構造 | |
JP2004134673A (ja) | n型熱電変換材料およびその製造方法 | |
JP2004006590A (ja) | 熱電変換材料及びその製造方法、並びに熱電変換素子 | |
CN107324291A (zh) | 一步制备BiCuSeO基块体热电材料的方法 | |
JP2009004542A (ja) | 熱電材料及び熱電材料の製造方法 | |
JP2006347861A (ja) | 亜鉛系酸化物の製造方法及びその方法により製造される亜鉛系酸化物 | |
CN106098922A (zh) | 一种Cu掺杂立方相Ca2Si热电材料 | |
JP3896480B2 (ja) | 複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP6865951B2 (ja) | p型熱電半導体、その製造方法及びそれを用いた熱電発電素子 | |
JP3089301B1 (ja) | 熱電変換材料及び複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JPH08186294A (ja) | 熱電材料 | |
CN101118946B (zh) | 一种钡锌锑基p型热电材料及其制备方法 | |
JP2008007825A (ja) | Yb−Fe−Co−Sb系熱電変換材料 | |
JP2004186572A (ja) | 熱電変換材料および熱電変換素子 | |
CN102460753A (zh) | 热电转换材料 | |
KR102134306B1 (ko) | P형 복합체형 열전소재 및 이의 제조방법 | |
JP2010228927A (ja) | コバルト−マンガン系複合酸化物 | |
JPH0964422A (ja) | n型熱電材料およびこれを用いた熱電効果素子 |