JP2004005445A - インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 - Google Patents
インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】データ量課金式ネットワークに属するブラウザ搭載端末に現実的なデータ削減サービスを提供する。
【解決手段】Webコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置でって、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者を会員として会員情報データベースに管理・登録し、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と認証手続きを行って会員のブラウザ搭載端末であることを認証すると、このブラウザ搭載端末の指定に従って取得したインターネット上のWebコンテンツのデータ量削減手段により処理して処理後のWebコンテンツをブラウザ搭載端末に送達するとともに、データ量削減手段によるデータ削減実績を会員情報データベースの会員に対応付けして記録し、会員情報データベースに記録された各会員ごとの削減実績データを適宜に編集して出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】Webコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置でって、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者を会員として会員情報データベースに管理・登録し、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と認証手続きを行って会員のブラウザ搭載端末であることを認証すると、このブラウザ搭載端末の指定に従って取得したインターネット上のWebコンテンツのデータ量削減手段により処理して処理後のWebコンテンツをブラウザ搭載端末に送達するとともに、データ量削減手段によるデータ削減実績を会員情報データベースの会員に対応付けして記録し、会員情報データベースに記録された各会員ごとの削減実績データを適宜に編集して出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置に関し、具体的には、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末を対象としたコンテンツ中継サービス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、インターネット上には膨大な数のWebコンテンツ(Webページ、画像データ、音声データなど)が公開されている。インターネットの主要な仕組みであるWWWの大きな特徴は、Webページ中に設定された「ハイパーリンク」によって、管理者が異なるコンピューターの中にある情報同士を結びつけて扱えるようにすることにある。そして、URLを指定してアクセスしてきたコンピュータに対して、そのURLに相当するデータ格納位置にあるWebコンテンツを返送する機能を備えたコンピュータがWWWサーバーであり、インターネットに接続したコンピュータがWWWの仕組みを利用してWebコンテンツを取り寄せるとともにそのコンテンツのデータ形式に応じて適切な処理を実行するソフトウエアがブラウザである。取り寄せたWebコンテンツがWebページであれば、その文書が閲覧可能に表示される。
【0003】
現在、ブラウザを搭載したコンピュータ(ブラウザ搭載端末)の機器形態も一般的なパーソナルコンピュータ(PC)から携帯電話機まで実に様々である。特に携帯電話機は、常時携帯する機器であり、そのインターネットアクセス機能は、「電波が届くところであれば、どこでもインターネットが利用できる」「PCなどのようにインターネット接続環境を機器にセットアップする手間がない」「携帯電話機側から要求しなくても電子メールが送達される」など、従来のPCを主体としたインターネットアクセス機能とは異なる特徴を有している。そして、これらの特徴が多くの人に受けいられ、現在、ブラウザ搭載型携帯電話(以下、携帯電話機)のユーザは2000万人を超えるまでに至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般のインターネット利用者は、自身が加入するインターネット接続業者(プロバイダ)や移動体通信事業者にデータ通信料金を支払っている。そのデータ通信料金の課金方式には、使用無制限の定額課金式、データ通信をしている時間に応じて課金する時間従量課金式、データ通信によって実際に送受信したデータ量に応じて課金するデータ量課金式とがある。
【0005】
現在、携帯電話機などの移動体ブラウザ搭載端末を対象としたデータ通信サービスのほとんどは、データ量課金式を採用している。したがって、大多数の携帯電話利用者は、データ量課金式に基づいてデータ通信料金を支払っていることになる。最近の携帯電話機は、カラーディスプレイを備えた機種も多く、携帯電話機向けのWebページであってもデータ量の大きなカラー画像を含んでいる場合が多い。また、MP3規格などによる音楽データをダウンロードしてそれを復号する機能を備えた機種もあり、携帯電話機におけるブラウザ機能は一般のPCに近づきつつある。そのため、従来のテキストを主体としたWebページと比較してダウンロードされるデータ量は著しく増加する傾向にある。したがって、大多数の携帯電話機利用者は、携帯電話機の多機能/高性能化とWebコンテンツ自体のデータ量増加とによって、さらに多くのデータ通信料を支払わなければならない。もちろん、通常の携帯電話機をノート型PCに接続した環境でインターネットを利用する場合であっても同様に多額のデータ通信料が掛かるという問題が生じる。
【0006】
確かに、ブラウザ搭載端末が要求するインターネット上のWebコンテンツをその端末に代わって取り寄せ、そのコンテンツのデータ量を削減してブラウザ搭載端末に中継転送する装置やサービスは容易に思いつく。しかし、このコンテンツ中継サービスが全くの奉仕活動として運営されるとは考えにくい。サービスの提供に対して何らかの報酬を得て、事業として採算がとれなければこのようなサービスは出現しないであろう。
【0007】
したがって本発明の目的は、データ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末に対してインターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するサービスをビジネスモデルとして成功させるためのコンテンツ中継サービス装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明は、つぎの事項(1)〜(6)によって特定される。
(1)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(2)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者であり、本装置が管理する会員情報データベースに登録されている会員である。
(3)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、前記会員情報データベースに照らして所定の認証手続きを行うことで、会員のブラウザ搭載端末であることを認証する。
(4)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(5)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを前記会員情報データベースの会員Aに対応付けして記録する。
(6)本装置は、前記会員情報データベースに記録された各会員ごとの前記削減実績データを適宜に編集して出力する。
【0009】
また第2の発明は、つぎの事項(21)〜(25)を充足する。
(21)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(22)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者である。
(23)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、その通信を通じて取得した前記使用者の個人情報に基づいて所定の認証手続きを行うことで、当該使用者を一時的な会員としてこのブラウザ搭載端末を認証する。
(24)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(25)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを適宜に編集して出力する。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記削減実績データをWeb文書形式の削減実績報告書に編集し、前記ブラウザ搭載端末Bからの要求に従って前記会員Aに関する前記削減実績報告書を提示するコンテンツ中継サービス装置としている。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績として、前記データ量課金式ネットワークにおける通信料金に換算した値を算出するコンテンツ中継サービス装置としている。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかに記載のコンテンツ中継サービス装置であって、アクセスしてきた前記ブラウザ搭載端末との通信を通じてこの端末に実装されている機能についての仕様情報を取得する手段と、前記ブラウザ搭載端末から取得した前記仕様情報に基づいて、当該端末を所定の圧縮データ伸長プログラムが実装されたタイプaと前記圧縮データ伸長プログラムが実装されていないタイプbとに区分する端末分別手段とを備え、前記データ量削減手段は、タイプaに属する前記ブラウザ搭載端末に対しては、前記Webコンテンツを所定の圧縮アルゴリズムを含む方式でデータ量削減処理し、タイプbに属する前記ブラウザ搭載端末に対しては、前記Webコンテンツのデータを前記圧縮データ伸長プログラムを必要としない方式でデータ量削減処理することとした。
【0013】
また第5の発明において、アクセスしてきたブラウザ搭載端末に圧縮データ伸長プログラムを送付するプログラム送付手段を備えるとともに、前記端末分別手段は、タイプbに属するブラウザ搭載端末の中でも前記圧縮データ伸長プログラムが実装可能な端末を分別し、その端末に対しては前記プログラム送付手段により前記圧縮データ伸長プログラムをダウンロードするコンテンツ中継サービス装置を第6の発明とした。
【0014】
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれかに記載のコンテンツ中継サービス装置であって、データ量削減処理後の前記WebコンテンツDを一定期間保存しておくためのキャッシュ手段と、認証を経てアクセスしてきたある前記ブラウザ搭載端末が前記WebコンテンツDの生成起源となったWebコンテンツCを指定した場合、前記キャッシュ手段に保存されているWebコンテンツDを送達する手段を備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
===ネットワーク構成===
図1は、本発明の実施例におけるコンテンツ中継サービス装置を含むインターネットの概略構成図を示している。インターネットには、WWWサーバー10bなど多数のホストコンピュータ10や不特定多数のユーザが使用するパーソナルコンピュータなどのユーザ端末20とが有機的に結合されている。
【0016】
携帯電話機20aもユーザ端末の一つとしてインターネットに接続している。すなわち携帯電話機20aは、その電話機が加入している移動体通信事業者の移動体通信網30にエアインターフェースを介して無線基地局31と接続し、さらに、それぞれの事業者が管理・運営するゲートウエイサーバー32を介してインターネットに接続する。
【0017】
この携帯電話機20aが所定のURLを含んだHTTPリクエストを移動体通信網30に送出すると、その携帯電話機20aに固有の端末IDを送信元としたデータパケットがゲートウエイサーバー32に送達される。ゲートウエイサーバー32は、このパケットに含まれる端末IDと、自身が保有するIPアドレスの一つとを対応付けし、この携帯電話機20aにIPアドレスを割り当てる。そして、そのIPアドレスを発信者とした前記HTTPリクエストをインターネットに向けて転送する。もちろん、ゲートウエイサーバー32と専用線接続されたWWWサーバー10cもあり、このWWWサーバー10cに宛てたHTTPリクエストであれば、インターネットを介さず直接HTTPリクエストをこのWWWサーバー10cに宛てて送付する。
【0018】
インターネット、あるいは専用線接続されているWWWサーバー10cから、前記URLによって特定されるWebコンテンツが前記発信者のIPアドレスに宛てたHTTPレスポンスとしてゲートウエイサーバー32に送達されると、ゲートウエイサーバー32は、そのIPアドレスに対応付けされている端末IDに宛ててHTTPレスポンスを移動体通信網30に送出する。それによって、Webコンテンツが携帯電話機20aに送達される。
【0019】
また、ゲートウエイサーバー32は、端末ID毎に自身32を通過したデータ量を取得する。取得した端末IDとデータ量との対応付けは、移動体通信事業者の課金業務用コンピュータに送付される。課金業務用コンピュータは携帯電話機20a毎の通話料金やデータ通信料の課金請求業務を行うコンピュータであり、ゲートウエイサーバー32から受け取った端末ID毎のデータ量を1ヶ月など所定の期間毎に集計して端末利用者毎に請求する課金金額を算出する。移動体通信事業者側は、このように算出した課金金額に基づいて、銀行口座引き落としやクレジットカードによる決済など実際の課金徴収業務を遂行する。
【0020】
以上が携帯電話機20aによる通常のWebコンテンツ取り寄せ経路と、データ量課金式における通信料算出手順についての概略である。つぎに本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aが提供するサービスについて詳説する。
【0021】
===コンテンツ中継サービス装置===
本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aは、携帯電話機向1けのWebページをインターネット上に公開するWWWサーバーとしての基本機能を備えている。そして、複数の移動体通信ネットワークサービスに対応して、C−HTML・HDML・WMLなど、移動体通信事業者毎の携帯電話機20aの規格に適合するマークアップ言語で記述したWebページを用意している。したがって、ある内容のWebページについて、異なる言語で記述されたWebページが異なるURLによって指定されることになる。携帯電話機20aは、このサービス装置10aからWebページを取り寄せる場合、自身が属する通信事業者に応じてURLを適宜に選択することで、その電話機1で閲覧可能なWebページが送達される。
【0022】
しかし、コンテンツ中継サービス装置10aの本質は、WWWサーバー機能ではなく、携帯電話機20aが他のWWWサーバー10bなどからWebコンテンツを取り寄せる流通経路に介在して、携帯電話機20aに代わってWebコンテンツを取り寄せ、そのデータ量を削減した上で、携帯電話機20aに転送する「データ量削減転送機能」にある。本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aは、携帯電話機20aの使用者をサービス対象会員とし、各会員についての氏名・連絡先・認証情報などを会員情報データベースに管理している。そして、URLによって指定される各種CGIを実装し、そのCGIがWWWサーバー機能と連動しながらデータ量削減転送機能を実現している。
【0023】
===サービス形態===
ここで、本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aが提供するサービス形態の一例として、データ量課金式ネットワークサービスに加入している人がブラウザ搭載端末として携帯電話機20aを使用し、その携帯電話機20aのブラウザ機能を用いてインターネット上のあるWWWサーバーに公開されているWebコンテンツを取り寄せようとしているものと想定する。
図2は、上記想定の下、コンテンツ中継サービス装置10a・WWWサーバー10b・携帯電話機20a間の通信手順と、その手順に付随して実行される各種情報処理とを通信手順図によって示している。
【0024】
<認証手続き>
携帯電話機20aが所定のURLを指定してコンテンツ中継サービス装置10aにアクセスすると、コンテンツ中継サービス装置10aは、会員IDやパスワードなどの認証情報の入力フォームを含んだ認証手続用Webページを返送する(s1,s2)。携帯電話機20aにて会員IDやパスワードが所定のフォームに入力され(s3)、このフォームがコンテンツ中継サービス装置10aに返送される(s4)。この返送先にあるCGIは、携帯電話機20aにて記入された認証情報を会員情報データベースに照会し、該当の会員情報を見いだすと、この携帯電話機を会員のものとして認知し、URLの入力フォームを含んだWebページをこの携帯電話機20aに送達する処理を実行する(s5)。
【0025】
<Webコンテンツの取得とデータ量削減処理>
携帯電話機20aにURLの記入フォームを含んだWebページが送達され(s6)、携帯電話機20aにてあるWebコンテンツのURLがフォームに記入される(s7)。コンテンツ中継サービス装置10aにURLが記入されたフォームが返送されると(s8)、そのURLによって特定されるWebコンテンツを該当のWWWサーバー10bより取り寄せる(s9,s10)。そして、そのWebコンテンツのデータ構造を解析・処理し、適宜にそのデータ量を削減する(s11)。
【0026】
本実施例では、主に画像データをデータ量削減対象としている。例えば、圧縮率が低いJPEGデータであれば同じJPEG形式で圧縮率を上げた画像データに再変換したり、JPEG形式の画像データをGIF形式のデータに変換したりして、データ量を削減している。このようにすることで、データ削減後の画像データが携帯電話機の機種に依存することなく表示できるようにしている。
【0027】
また、アクセスしてきた携帯電話機20aがカラーディスプレイを備えていないことを認知して、カラー画像データをモノクロ画像データに変換することも可能である。具体的には、アクセスしてきた携帯電話機20aの機種を特定し、その機種からディスプレイタイプを特定する。周知の通り、携帯電話機20aがデータ通信を行う際には、そのデータパケットのヘッダに自身が所属する移動体通信事業者や機種などを特定するためのデータが付帯している。したがって、コンテンツ中継サービス装置10a側で機種とディスプレイのタイプとを対応付けしたテーブルを管理しておけば、アクセスしてきた携帯電話機20aのディスプレイタイプが判別できる。
【0028】
携帯電話機20aが指定したWebコンテンツが画像データファイル自体であれば、上述した方法によってデータ量を削減した画像データをそのまま中継転送すれば画像データが携帯電話機20aに送達される。WebコンテンツとしてWebページを指定し、そのWebページ中にカラー画像が挿入される場合は、コンテンツ中継サービス装置10aがそのWebページに挿入される全画像データを取り寄せて適宜にデータ変換してデータ量を削減しておき、その変換後の画像データを適宜な記憶位置に格納しておく。そして、携帯電話機20aが指定したWebページ中に当初記載されていた画像のリンク場所をその格納場所を指定するように設定し直して記載すればよい。
【0029】
なお、Webページ本体についても、不要なタグを削除することで僅かではあるがデータ量を削減することができる。また、データ量を削減した画像データの格納位置をWebページ本体の格納位置と同じにすれば、Webページ中でその画像データを指定する際、その記載にWebページ本体の格納位置からの相対的な格納位置(abc/def/ghi.gifなど)をディレクトリ構造に従って記述する必要が無く、直接画像データのファイル名で指定できる。すなわち、ディレクトリ構造を記述するのに要する文字分だけデータ量を少なくすることができる。このようにしてもデータ量は削減できる。
【0030】
<データ削減実績の算出・記録・出力>
コンテンツ中継サービス装置10aは、データ量を削減したWebコンテンツを携帯電話機20aに送達する(s14)ともに、WWWサーバー10bから取り寄せたWebコンテンツのデータ量と、削減されたWebコンテンツのデータ量とを取得し、それらのデータ量をデータ量削減実績として携帯電話機20aの会員情報に対応付けして記録する(s12)。そして、そのデータ量削減実績を適宜に編集し、その編集データを出力する(s13)。本実施例では、データ量削減処理前後でのデータ量の差を算出し、その差を携帯電話機20aに中継転送したWebコンテンツ中に記載して出力することとしている(s13)。それによって、データ量削減実績が利用者に提示され(s14)、サービスの利用価値をアピールしている。なお、データ量の削減実績を別途作成したWebページに記載し、Webコンテンツに、そのWebページへのリンクを設定しておくことでも、利用者にデータ削減実績を示すことができる。
【0031】
なおこの実施例において、コンテンツ中継サービス装置10aは、各移動体通信事業者ごとの課金体系についての情報を管理しており、会員が加入している通信事業者の課金体系に基づいて、データ量削減転送サービス(本サービス)によって削減されたデータ量に相当するデータ通信料金を計算している。そして、本サービスを利用した場合とそうでない場合との差額によってデータ量削減実績を提示している。それによって、サービスの利用効果が一目瞭然となるようにしている。もちろん、削減されたデータ量自体(バイト数など)をデータ量削減実績として提示してもよい。
【0032】
===その他の実施例・変更例===
<データ量削減実績の出力形態>
上記実施例では、データ量削減実績の出力形態として、Webページのように、会員に提示されるデータとして出力される形態を示した。もちろん、コンテンツ中継サービス装置10aの運営者側に対して出力される形態も考えられる。例えば、本サービスの利用に対して所定の料金を会員から徴収するのであれば、サービス利用料金を会員に請求する業務やその利用料金の計算をする業務など、本サービスに拘わる付帯業務に供される情報としてデータ量削減実績が適宜に出力されるであろう。この場合の出力形態としては、付帯業務を「人」が行う場合には表示や印刷などによって出力されるだろうし、このサービスの事業者側にある他のコンピュータ(例えば課金計算用コンピュータなど)が付帯業務に拘わる処理を行うのであれば、このコンピュータに対して適宜なデータ形式で出力されるだろう。
【0033】
<その他のデータ量削減方式>
上記実施例では、Webページに挿入される画像の格納位置を指定する際に、その格納位置に相当するディレクトリ構造の記載部分を省略することでデータ量が削減できることを示した。この考えをさらに進めて、Webページ中に設定されている他のWebサイトなどへのリンク記載部分についても、その記載文字数を減らせる方法がある。その方法を以下に説明する。
【0034】
Webページ中で他のサイトへのリンクを示すURL(URL−Aとする)を、コンテンツ中継サービス装置のある記憶位置のURL(URL−Bとする)に記載し直す。URL−Aは「http://」ではじまる「フルネーム」で記載されるが、URL−Bは先述のディレクトリ構造に従った記載方法となる。ここで、URL−AとURL−Bとを対応づけておく。そしてURL−Bに、この対応付けに基づいてURL−AからWebコンテンツを取り寄せるとともに、そのコンテンツをデータ削減処理を実行するCGIへ受け渡すためのCGIを配置しておく。それによって、Webページ中に設定されている他サイトのWebコンテンツもデータ量が削減されて携帯電話機に送達される。
【0035】
このようにすることで、URLの記載に要した文字数分のデータ量が削減できるばかりではなく、携帯電話機が指定する全てのWebコンテンツがコンテンツ中継サービス装置を中継することにより、「ネットサーフィン」を継続するほど、削減される総データ量は大きくなっていくという極めて大きな効果を奏する。
【0036】
<データ圧縮方式>
上述したデータ削減方式は、全ての携帯電話機に共通して適用できるものである。しかし、JAVA実行環境を備えた携帯電話機も出現し、JAVAプログラムとして圧縮データの伸長ソフトウエアをこのタイプの携帯電話機に組み込んでおけば、既存のデータ圧縮技術をそのまま適用することが可能となる。そこで、携帯電話機の機種に応じてデータ量の削減方式を切り替えるコンテンツ中継サービス装置について以下に例示することにする。
【0037】
前提として、JAVA実行環境を備えた携帯電話機の使用者が本サービスの会員として登録されている場合、圧縮データ伸長処理を実行するJAVAプログラムがその携帯電話機にすでに実装されているものとする。すなわち、会員登録手続きに際して、ダウンロードなど適宜な方法でJAVAプログラムがこの携帯電話機に配布され、実装されているものとする。メモリカードスロットを装備した携帯電話機であれば、伸長プログラムが格納されたメモリカードによってインストールすることもできよう。
【0038】
会員は、携帯電話機を操作して、実装済みの伸長プログラムを起動させる。このプログラムはその起動に応動して、伸長プログラムによるアクセスである旨の情報を付帯してコンテンツ中継サービス装置に接続する。コンテンツ中継サービス装置は、伸長プログラムからのアクセスであることを認知すると、この携帯電話機が指定したWebコンテンツについては、データの一部を削除したり変更したりする「データ削減処理」に代えて、前記伸長プログラムに適合する圧縮方式でデータを圧縮し、その圧縮データを携帯電話機に転送する。なお、このデータ圧縮処理として、先のデータ削減処理によって圧縮前のデータ量を削減した上でデータ圧縮を行えば、さらにデータ量は少なくなる。
【0039】
<圧縮データ伸長プログラムの配布>
例えば、JAVA実行環境がない通常の携帯電話機を持つ会員が、JAVA実行環境を備えた携帯電話機に機種変更したとする。この場合、JAVA実行環境があるにも拘わらず、上述のデータ圧縮による効率的なデータ量削減サービスが利用できない。そこで、アクセスしてきた携帯電話機から取得した機種データに基づいて、その機種が伸長プログラムを実装することが可能なタイプであると判別したとき、この電話機に伸長プログラムをダウンロードできるようにすれば、今後、Webコンテンツをよりデータ量の少ない圧縮データで得ることができる。なお、プログラムがダウンロードされた旨のWebページなどを提示しておけば、会員はダウンロードされた伸長プログラムによって再度コンテンツ中継サービス装置にアクセスを試みるであろう。あるいは、ダウンロードされた伸長プログラムを自動的に起動させることも容易にできよう。
【0040】
<キャッシュ>
同じWebコンテンツが複数の携帯電話機によって指定される可能性は十分想定される。もちろん、同じ携帯電話機が再度同じWebコンテンツを指定することもある。そのような場合、アクセス機会ごとに同じWebコンテンツを取り寄せるのは合理的でない。そこで、一度取り寄せたWebコンテンツについては一定期間データ量を削減した状態で保存しておく。それによって、Webコンテンツの取り寄せやデータ量削減処理に掛かる時間や負荷が軽減され、より軽快なサービス利用環境を会員に提供することができる。なお、Webコンテンツの保存期間については適宜に設定すればよい。あるいは、キャッシュされているWebコンテンツの更新状況を監視し、更新されたものについてはキャッシュしたデータを破棄して次回に同じWebコンテンツが指定されたときに改めて取り寄せるような構成としてもよい。
【0041】
<URLの指定方式>
上記実施例では、Webコンテンツの指定方法としてURLをフォームに記入していた。この方式に代えて、コンテンツ中継サービス装置側で取り寄せ可能なWebコンテンツ一覧をWebページとして用意しておく。一覧中の各Webコンテンツの記載部分には、該当のコンテンツを取り寄せるとともに、そのデータ量を削減した上で転送する処理を実行するCGIへのリンクを設定しておく。それによって、一覧中の任意のWebコンテンツを指示するだけで指定のWebコンテンツが携帯電話機に送達される。
【0042】
また、本サービスの利用会員が増えれば、一覧中に掲載を希望するWebコンテンツ管理者も増えるはずであり、コンテンツ中継サービス装置が展示するWebページがポータルサイトに発展することも考えられる。それによって会員は、多くのWebコンテンツを安いデータ通信料で、しかも簡単な操作環境で入手・利用することができる。
【0043】
<サービス提供形態>
上記実施例では、コンテンツ中継サービス装置が対象とするサービス享受者は、あらかじめ会員登録されていることを前提としていた。このサービス提供形態に限らず、アクセスしてきた携帯電話機の使用者を一時的な会員として本サービスを提供する形態も考えられる。
【0044】
例えば、アクセスしてきた携帯電話機に、その使用者を特定するための個人情報を入力するためのフォームを返送する。そして、携帯電話機にて入力された個人情報を取得し、この使用者を会員として認証する。もちろん、アクセスしてきた携帯電話の電話番号を個人情報として取得することも可能である。サービス利用料金については、取得した個人情報に基づいて請求書を送付するなどして徴収すればよかろう。個人情報としてクレジットカード番号を取得すれば、認証手続きに加え、サービス利用料金の決済もオンラインで行える。
【0045】
なお、コンテンツ中継サービス装置が展示するWebページがポータルサイトに発展するなどして、本サービスが一般に広く認知されれば、このWebサイトに広告を掲載し、その広告収入によって本サービスが運営されることも十分に考えられる。そうなれば、本サービスが無料で提供されることもあり得よう。
【0046】
<ブラウザ搭載端末など>
本発明は、携帯電話機に限らず、ノート型PCに携帯電話機を接続した機器形態など、データ量課金式ネットワークを介してアクセスするブラウザ搭載端末であれば、どのような機器形態にも適用できる。もちろん、上記データ圧縮方式の適用対象としても、JAVA実行環境を備えた携帯電話機に限らず、圧縮データ伸長プログラムを実装可能なブラウザ搭載端末であればこのデータ圧縮形式の適用対象となる。もちろん、データ量課金式ネットワークについても、移動体通信網に限るものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、実際に削減されたデータ量をデータ量削減実績として各会員に対応付けして記録するとともに、適宜に出力している。会員に対して出力すれば、本発明が提供するサービスを利用した場合とそうでない場合との差などを示すことになる。そのため、本発明のコンテンツ中継サービス装置の運営者にとっては、本サービスに対して会員にサービス利用料金を請求する根拠が得られ、本サービスが利用料金を徴収するビジネスモデルであることを一般に広く認識させることができる。会員にとっては、サービス提供料を支払ってなお、本来のデータ通信料金よりも割安であることを認識することができ、このサービスを有料利用する動機付けともなる。そして、サービスの有料利用に会員が価値を見いだせば、自ずと会員数も増加し、本サービスが事業として成立する可能性が高くなる。なお、データ量削減実績に基づいて、実際の通信料金の差額などを提示すれば、サービスの有効性をより強くアピールすることができる。
【0048】
一方、データ量削減実績を運営者側に対して出力すれば、その削減実績データをサービス利用料金の計算や請求業務など、本サービスに付帯するさまざまな業務に活用できる。例えば、データ量削減実績に応じてサービス料金を算出することが可能となり、削減データ量課金式による課金制度を採用することができ、会員にとってはサービスを利用した分だけ確実にデータ通信料金を節約できる。 また、会員毎のデータ量削減実績を記録することで、例えば、その実績に応じてサービス料金を算出する削減データ量課金式によってサービス利用料金を会員に請求することができる。
【0049】
なお、ブラウザ搭載端末がアクセスしてきたときにその使用者に関する個人情報を取得し、この使用者を一時的な会員とするサービス形態とすることもできる。それによって、サービス享受者は、事前の会員登録が不要となる。
【0050】
データ圧縮機能を搭載し、圧縮データ伸長機能を備えたブラウザ端末からのアクセスに対して、指定のWebコンテンツをデータ圧縮して転送すればよりデータ削減効率が上がる。
【0051】
圧縮データ伸長機能が実装可能なブラウザ端末に対して圧縮データ伸長プログラムをダウンロードすることで、会員がブラウザ端末の機種を交換した場合にも柔軟に対応できる。
【0052】
同じWebコンテンツが指定された場合に対応して、Webコンテンツをデータ量を削減した状態でキャッシュしておくこともできる。それにより、同じコンテンツへのアクセス回数やデータ削減処理回数が減り、データ処理に掛かる負荷が軽減される。また、その負荷の軽減により、軽快なサービス利用環境を会員に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるコンテンツ中継サービス装置を含むネットワーク構成図を示している。
【図2】上記実施例・携帯電話機・WWWサーバー間における通信手順図を示してI知る。
【符号の説明】
10a コンテンツ中継サービス装置
10b WWWサーバー
20a 携帯電話機
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置に関し、具体的には、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末を対象としたコンテンツ中継サービス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、インターネット上には膨大な数のWebコンテンツ(Webページ、画像データ、音声データなど)が公開されている。インターネットの主要な仕組みであるWWWの大きな特徴は、Webページ中に設定された「ハイパーリンク」によって、管理者が異なるコンピューターの中にある情報同士を結びつけて扱えるようにすることにある。そして、URLを指定してアクセスしてきたコンピュータに対して、そのURLに相当するデータ格納位置にあるWebコンテンツを返送する機能を備えたコンピュータがWWWサーバーであり、インターネットに接続したコンピュータがWWWの仕組みを利用してWebコンテンツを取り寄せるとともにそのコンテンツのデータ形式に応じて適切な処理を実行するソフトウエアがブラウザである。取り寄せたWebコンテンツがWebページであれば、その文書が閲覧可能に表示される。
【0003】
現在、ブラウザを搭載したコンピュータ(ブラウザ搭載端末)の機器形態も一般的なパーソナルコンピュータ(PC)から携帯電話機まで実に様々である。特に携帯電話機は、常時携帯する機器であり、そのインターネットアクセス機能は、「電波が届くところであれば、どこでもインターネットが利用できる」「PCなどのようにインターネット接続環境を機器にセットアップする手間がない」「携帯電話機側から要求しなくても電子メールが送達される」など、従来のPCを主体としたインターネットアクセス機能とは異なる特徴を有している。そして、これらの特徴が多くの人に受けいられ、現在、ブラウザ搭載型携帯電話(以下、携帯電話機)のユーザは2000万人を超えるまでに至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般のインターネット利用者は、自身が加入するインターネット接続業者(プロバイダ)や移動体通信事業者にデータ通信料金を支払っている。そのデータ通信料金の課金方式には、使用無制限の定額課金式、データ通信をしている時間に応じて課金する時間従量課金式、データ通信によって実際に送受信したデータ量に応じて課金するデータ量課金式とがある。
【0005】
現在、携帯電話機などの移動体ブラウザ搭載端末を対象としたデータ通信サービスのほとんどは、データ量課金式を採用している。したがって、大多数の携帯電話利用者は、データ量課金式に基づいてデータ通信料金を支払っていることになる。最近の携帯電話機は、カラーディスプレイを備えた機種も多く、携帯電話機向けのWebページであってもデータ量の大きなカラー画像を含んでいる場合が多い。また、MP3規格などによる音楽データをダウンロードしてそれを復号する機能を備えた機種もあり、携帯電話機におけるブラウザ機能は一般のPCに近づきつつある。そのため、従来のテキストを主体としたWebページと比較してダウンロードされるデータ量は著しく増加する傾向にある。したがって、大多数の携帯電話機利用者は、携帯電話機の多機能/高性能化とWebコンテンツ自体のデータ量増加とによって、さらに多くのデータ通信料を支払わなければならない。もちろん、通常の携帯電話機をノート型PCに接続した環境でインターネットを利用する場合であっても同様に多額のデータ通信料が掛かるという問題が生じる。
【0006】
確かに、ブラウザ搭載端末が要求するインターネット上のWebコンテンツをその端末に代わって取り寄せ、そのコンテンツのデータ量を削減してブラウザ搭載端末に中継転送する装置やサービスは容易に思いつく。しかし、このコンテンツ中継サービスが全くの奉仕活動として運営されるとは考えにくい。サービスの提供に対して何らかの報酬を得て、事業として採算がとれなければこのようなサービスは出現しないであろう。
【0007】
したがって本発明の目的は、データ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末に対してインターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するサービスをビジネスモデルとして成功させるためのコンテンツ中継サービス装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明は、つぎの事項(1)〜(6)によって特定される。
(1)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(2)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者であり、本装置が管理する会員情報データベースに登録されている会員である。
(3)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、前記会員情報データベースに照らして所定の認証手続きを行うことで、会員のブラウザ搭載端末であることを認証する。
(4)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(5)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを前記会員情報データベースの会員Aに対応付けして記録する。
(6)本装置は、前記会員情報データベースに記録された各会員ごとの前記削減実績データを適宜に編集して出力する。
【0009】
また第2の発明は、つぎの事項(21)〜(25)を充足する。
(21)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(22)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者である。
(23)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、その通信を通じて取得した前記使用者の個人情報に基づいて所定の認証手続きを行うことで、当該使用者を一時的な会員としてこのブラウザ搭載端末を認証する。
(24)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(25)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを適宜に編集して出力する。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記削減実績データをWeb文書形式の削減実績報告書に編集し、前記ブラウザ搭載端末Bからの要求に従って前記会員Aに関する前記削減実績報告書を提示するコンテンツ中継サービス装置としている。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績として、前記データ量課金式ネットワークにおける通信料金に換算した値を算出するコンテンツ中継サービス装置としている。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかに記載のコンテンツ中継サービス装置であって、アクセスしてきた前記ブラウザ搭載端末との通信を通じてこの端末に実装されている機能についての仕様情報を取得する手段と、前記ブラウザ搭載端末から取得した前記仕様情報に基づいて、当該端末を所定の圧縮データ伸長プログラムが実装されたタイプaと前記圧縮データ伸長プログラムが実装されていないタイプbとに区分する端末分別手段とを備え、前記データ量削減手段は、タイプaに属する前記ブラウザ搭載端末に対しては、前記Webコンテンツを所定の圧縮アルゴリズムを含む方式でデータ量削減処理し、タイプbに属する前記ブラウザ搭載端末に対しては、前記Webコンテンツのデータを前記圧縮データ伸長プログラムを必要としない方式でデータ量削減処理することとした。
【0013】
また第5の発明において、アクセスしてきたブラウザ搭載端末に圧縮データ伸長プログラムを送付するプログラム送付手段を備えるとともに、前記端末分別手段は、タイプbに属するブラウザ搭載端末の中でも前記圧縮データ伸長プログラムが実装可能な端末を分別し、その端末に対しては前記プログラム送付手段により前記圧縮データ伸長プログラムをダウンロードするコンテンツ中継サービス装置を第6の発明とした。
【0014】
第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれかに記載のコンテンツ中継サービス装置であって、データ量削減処理後の前記WebコンテンツDを一定期間保存しておくためのキャッシュ手段と、認証を経てアクセスしてきたある前記ブラウザ搭載端末が前記WebコンテンツDの生成起源となったWebコンテンツCを指定した場合、前記キャッシュ手段に保存されているWebコンテンツDを送達する手段を備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
===ネットワーク構成===
図1は、本発明の実施例におけるコンテンツ中継サービス装置を含むインターネットの概略構成図を示している。インターネットには、WWWサーバー10bなど多数のホストコンピュータ10や不特定多数のユーザが使用するパーソナルコンピュータなどのユーザ端末20とが有機的に結合されている。
【0016】
携帯電話機20aもユーザ端末の一つとしてインターネットに接続している。すなわち携帯電話機20aは、その電話機が加入している移動体通信事業者の移動体通信網30にエアインターフェースを介して無線基地局31と接続し、さらに、それぞれの事業者が管理・運営するゲートウエイサーバー32を介してインターネットに接続する。
【0017】
この携帯電話機20aが所定のURLを含んだHTTPリクエストを移動体通信網30に送出すると、その携帯電話機20aに固有の端末IDを送信元としたデータパケットがゲートウエイサーバー32に送達される。ゲートウエイサーバー32は、このパケットに含まれる端末IDと、自身が保有するIPアドレスの一つとを対応付けし、この携帯電話機20aにIPアドレスを割り当てる。そして、そのIPアドレスを発信者とした前記HTTPリクエストをインターネットに向けて転送する。もちろん、ゲートウエイサーバー32と専用線接続されたWWWサーバー10cもあり、このWWWサーバー10cに宛てたHTTPリクエストであれば、インターネットを介さず直接HTTPリクエストをこのWWWサーバー10cに宛てて送付する。
【0018】
インターネット、あるいは専用線接続されているWWWサーバー10cから、前記URLによって特定されるWebコンテンツが前記発信者のIPアドレスに宛てたHTTPレスポンスとしてゲートウエイサーバー32に送達されると、ゲートウエイサーバー32は、そのIPアドレスに対応付けされている端末IDに宛ててHTTPレスポンスを移動体通信網30に送出する。それによって、Webコンテンツが携帯電話機20aに送達される。
【0019】
また、ゲートウエイサーバー32は、端末ID毎に自身32を通過したデータ量を取得する。取得した端末IDとデータ量との対応付けは、移動体通信事業者の課金業務用コンピュータに送付される。課金業務用コンピュータは携帯電話機20a毎の通話料金やデータ通信料の課金請求業務を行うコンピュータであり、ゲートウエイサーバー32から受け取った端末ID毎のデータ量を1ヶ月など所定の期間毎に集計して端末利用者毎に請求する課金金額を算出する。移動体通信事業者側は、このように算出した課金金額に基づいて、銀行口座引き落としやクレジットカードによる決済など実際の課金徴収業務を遂行する。
【0020】
以上が携帯電話機20aによる通常のWebコンテンツ取り寄せ経路と、データ量課金式における通信料算出手順についての概略である。つぎに本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aが提供するサービスについて詳説する。
【0021】
===コンテンツ中継サービス装置===
本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aは、携帯電話機向1けのWebページをインターネット上に公開するWWWサーバーとしての基本機能を備えている。そして、複数の移動体通信ネットワークサービスに対応して、C−HTML・HDML・WMLなど、移動体通信事業者毎の携帯電話機20aの規格に適合するマークアップ言語で記述したWebページを用意している。したがって、ある内容のWebページについて、異なる言語で記述されたWebページが異なるURLによって指定されることになる。携帯電話機20aは、このサービス装置10aからWebページを取り寄せる場合、自身が属する通信事業者に応じてURLを適宜に選択することで、その電話機1で閲覧可能なWebページが送達される。
【0022】
しかし、コンテンツ中継サービス装置10aの本質は、WWWサーバー機能ではなく、携帯電話機20aが他のWWWサーバー10bなどからWebコンテンツを取り寄せる流通経路に介在して、携帯電話機20aに代わってWebコンテンツを取り寄せ、そのデータ量を削減した上で、携帯電話機20aに転送する「データ量削減転送機能」にある。本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aは、携帯電話機20aの使用者をサービス対象会員とし、各会員についての氏名・連絡先・認証情報などを会員情報データベースに管理している。そして、URLによって指定される各種CGIを実装し、そのCGIがWWWサーバー機能と連動しながらデータ量削減転送機能を実現している。
【0023】
===サービス形態===
ここで、本実施例のコンテンツ中継サービス装置10aが提供するサービス形態の一例として、データ量課金式ネットワークサービスに加入している人がブラウザ搭載端末として携帯電話機20aを使用し、その携帯電話機20aのブラウザ機能を用いてインターネット上のあるWWWサーバーに公開されているWebコンテンツを取り寄せようとしているものと想定する。
図2は、上記想定の下、コンテンツ中継サービス装置10a・WWWサーバー10b・携帯電話機20a間の通信手順と、その手順に付随して実行される各種情報処理とを通信手順図によって示している。
【0024】
<認証手続き>
携帯電話機20aが所定のURLを指定してコンテンツ中継サービス装置10aにアクセスすると、コンテンツ中継サービス装置10aは、会員IDやパスワードなどの認証情報の入力フォームを含んだ認証手続用Webページを返送する(s1,s2)。携帯電話機20aにて会員IDやパスワードが所定のフォームに入力され(s3)、このフォームがコンテンツ中継サービス装置10aに返送される(s4)。この返送先にあるCGIは、携帯電話機20aにて記入された認証情報を会員情報データベースに照会し、該当の会員情報を見いだすと、この携帯電話機を会員のものとして認知し、URLの入力フォームを含んだWebページをこの携帯電話機20aに送達する処理を実行する(s5)。
【0025】
<Webコンテンツの取得とデータ量削減処理>
携帯電話機20aにURLの記入フォームを含んだWebページが送達され(s6)、携帯電話機20aにてあるWebコンテンツのURLがフォームに記入される(s7)。コンテンツ中継サービス装置10aにURLが記入されたフォームが返送されると(s8)、そのURLによって特定されるWebコンテンツを該当のWWWサーバー10bより取り寄せる(s9,s10)。そして、そのWebコンテンツのデータ構造を解析・処理し、適宜にそのデータ量を削減する(s11)。
【0026】
本実施例では、主に画像データをデータ量削減対象としている。例えば、圧縮率が低いJPEGデータであれば同じJPEG形式で圧縮率を上げた画像データに再変換したり、JPEG形式の画像データをGIF形式のデータに変換したりして、データ量を削減している。このようにすることで、データ削減後の画像データが携帯電話機の機種に依存することなく表示できるようにしている。
【0027】
また、アクセスしてきた携帯電話機20aがカラーディスプレイを備えていないことを認知して、カラー画像データをモノクロ画像データに変換することも可能である。具体的には、アクセスしてきた携帯電話機20aの機種を特定し、その機種からディスプレイタイプを特定する。周知の通り、携帯電話機20aがデータ通信を行う際には、そのデータパケットのヘッダに自身が所属する移動体通信事業者や機種などを特定するためのデータが付帯している。したがって、コンテンツ中継サービス装置10a側で機種とディスプレイのタイプとを対応付けしたテーブルを管理しておけば、アクセスしてきた携帯電話機20aのディスプレイタイプが判別できる。
【0028】
携帯電話機20aが指定したWebコンテンツが画像データファイル自体であれば、上述した方法によってデータ量を削減した画像データをそのまま中継転送すれば画像データが携帯電話機20aに送達される。WebコンテンツとしてWebページを指定し、そのWebページ中にカラー画像が挿入される場合は、コンテンツ中継サービス装置10aがそのWebページに挿入される全画像データを取り寄せて適宜にデータ変換してデータ量を削減しておき、その変換後の画像データを適宜な記憶位置に格納しておく。そして、携帯電話機20aが指定したWebページ中に当初記載されていた画像のリンク場所をその格納場所を指定するように設定し直して記載すればよい。
【0029】
なお、Webページ本体についても、不要なタグを削除することで僅かではあるがデータ量を削減することができる。また、データ量を削減した画像データの格納位置をWebページ本体の格納位置と同じにすれば、Webページ中でその画像データを指定する際、その記載にWebページ本体の格納位置からの相対的な格納位置(abc/def/ghi.gifなど)をディレクトリ構造に従って記述する必要が無く、直接画像データのファイル名で指定できる。すなわち、ディレクトリ構造を記述するのに要する文字分だけデータ量を少なくすることができる。このようにしてもデータ量は削減できる。
【0030】
<データ削減実績の算出・記録・出力>
コンテンツ中継サービス装置10aは、データ量を削減したWebコンテンツを携帯電話機20aに送達する(s14)ともに、WWWサーバー10bから取り寄せたWebコンテンツのデータ量と、削減されたWebコンテンツのデータ量とを取得し、それらのデータ量をデータ量削減実績として携帯電話機20aの会員情報に対応付けして記録する(s12)。そして、そのデータ量削減実績を適宜に編集し、その編集データを出力する(s13)。本実施例では、データ量削減処理前後でのデータ量の差を算出し、その差を携帯電話機20aに中継転送したWebコンテンツ中に記載して出力することとしている(s13)。それによって、データ量削減実績が利用者に提示され(s14)、サービスの利用価値をアピールしている。なお、データ量の削減実績を別途作成したWebページに記載し、Webコンテンツに、そのWebページへのリンクを設定しておくことでも、利用者にデータ削減実績を示すことができる。
【0031】
なおこの実施例において、コンテンツ中継サービス装置10aは、各移動体通信事業者ごとの課金体系についての情報を管理しており、会員が加入している通信事業者の課金体系に基づいて、データ量削減転送サービス(本サービス)によって削減されたデータ量に相当するデータ通信料金を計算している。そして、本サービスを利用した場合とそうでない場合との差額によってデータ量削減実績を提示している。それによって、サービスの利用効果が一目瞭然となるようにしている。もちろん、削減されたデータ量自体(バイト数など)をデータ量削減実績として提示してもよい。
【0032】
===その他の実施例・変更例===
<データ量削減実績の出力形態>
上記実施例では、データ量削減実績の出力形態として、Webページのように、会員に提示されるデータとして出力される形態を示した。もちろん、コンテンツ中継サービス装置10aの運営者側に対して出力される形態も考えられる。例えば、本サービスの利用に対して所定の料金を会員から徴収するのであれば、サービス利用料金を会員に請求する業務やその利用料金の計算をする業務など、本サービスに拘わる付帯業務に供される情報としてデータ量削減実績が適宜に出力されるであろう。この場合の出力形態としては、付帯業務を「人」が行う場合には表示や印刷などによって出力されるだろうし、このサービスの事業者側にある他のコンピュータ(例えば課金計算用コンピュータなど)が付帯業務に拘わる処理を行うのであれば、このコンピュータに対して適宜なデータ形式で出力されるだろう。
【0033】
<その他のデータ量削減方式>
上記実施例では、Webページに挿入される画像の格納位置を指定する際に、その格納位置に相当するディレクトリ構造の記載部分を省略することでデータ量が削減できることを示した。この考えをさらに進めて、Webページ中に設定されている他のWebサイトなどへのリンク記載部分についても、その記載文字数を減らせる方法がある。その方法を以下に説明する。
【0034】
Webページ中で他のサイトへのリンクを示すURL(URL−Aとする)を、コンテンツ中継サービス装置のある記憶位置のURL(URL−Bとする)に記載し直す。URL−Aは「http://」ではじまる「フルネーム」で記載されるが、URL−Bは先述のディレクトリ構造に従った記載方法となる。ここで、URL−AとURL−Bとを対応づけておく。そしてURL−Bに、この対応付けに基づいてURL−AからWebコンテンツを取り寄せるとともに、そのコンテンツをデータ削減処理を実行するCGIへ受け渡すためのCGIを配置しておく。それによって、Webページ中に設定されている他サイトのWebコンテンツもデータ量が削減されて携帯電話機に送達される。
【0035】
このようにすることで、URLの記載に要した文字数分のデータ量が削減できるばかりではなく、携帯電話機が指定する全てのWebコンテンツがコンテンツ中継サービス装置を中継することにより、「ネットサーフィン」を継続するほど、削減される総データ量は大きくなっていくという極めて大きな効果を奏する。
【0036】
<データ圧縮方式>
上述したデータ削減方式は、全ての携帯電話機に共通して適用できるものである。しかし、JAVA実行環境を備えた携帯電話機も出現し、JAVAプログラムとして圧縮データの伸長ソフトウエアをこのタイプの携帯電話機に組み込んでおけば、既存のデータ圧縮技術をそのまま適用することが可能となる。そこで、携帯電話機の機種に応じてデータ量の削減方式を切り替えるコンテンツ中継サービス装置について以下に例示することにする。
【0037】
前提として、JAVA実行環境を備えた携帯電話機の使用者が本サービスの会員として登録されている場合、圧縮データ伸長処理を実行するJAVAプログラムがその携帯電話機にすでに実装されているものとする。すなわち、会員登録手続きに際して、ダウンロードなど適宜な方法でJAVAプログラムがこの携帯電話機に配布され、実装されているものとする。メモリカードスロットを装備した携帯電話機であれば、伸長プログラムが格納されたメモリカードによってインストールすることもできよう。
【0038】
会員は、携帯電話機を操作して、実装済みの伸長プログラムを起動させる。このプログラムはその起動に応動して、伸長プログラムによるアクセスである旨の情報を付帯してコンテンツ中継サービス装置に接続する。コンテンツ中継サービス装置は、伸長プログラムからのアクセスであることを認知すると、この携帯電話機が指定したWebコンテンツについては、データの一部を削除したり変更したりする「データ削減処理」に代えて、前記伸長プログラムに適合する圧縮方式でデータを圧縮し、その圧縮データを携帯電話機に転送する。なお、このデータ圧縮処理として、先のデータ削減処理によって圧縮前のデータ量を削減した上でデータ圧縮を行えば、さらにデータ量は少なくなる。
【0039】
<圧縮データ伸長プログラムの配布>
例えば、JAVA実行環境がない通常の携帯電話機を持つ会員が、JAVA実行環境を備えた携帯電話機に機種変更したとする。この場合、JAVA実行環境があるにも拘わらず、上述のデータ圧縮による効率的なデータ量削減サービスが利用できない。そこで、アクセスしてきた携帯電話機から取得した機種データに基づいて、その機種が伸長プログラムを実装することが可能なタイプであると判別したとき、この電話機に伸長プログラムをダウンロードできるようにすれば、今後、Webコンテンツをよりデータ量の少ない圧縮データで得ることができる。なお、プログラムがダウンロードされた旨のWebページなどを提示しておけば、会員はダウンロードされた伸長プログラムによって再度コンテンツ中継サービス装置にアクセスを試みるであろう。あるいは、ダウンロードされた伸長プログラムを自動的に起動させることも容易にできよう。
【0040】
<キャッシュ>
同じWebコンテンツが複数の携帯電話機によって指定される可能性は十分想定される。もちろん、同じ携帯電話機が再度同じWebコンテンツを指定することもある。そのような場合、アクセス機会ごとに同じWebコンテンツを取り寄せるのは合理的でない。そこで、一度取り寄せたWebコンテンツについては一定期間データ量を削減した状態で保存しておく。それによって、Webコンテンツの取り寄せやデータ量削減処理に掛かる時間や負荷が軽減され、より軽快なサービス利用環境を会員に提供することができる。なお、Webコンテンツの保存期間については適宜に設定すればよい。あるいは、キャッシュされているWebコンテンツの更新状況を監視し、更新されたものについてはキャッシュしたデータを破棄して次回に同じWebコンテンツが指定されたときに改めて取り寄せるような構成としてもよい。
【0041】
<URLの指定方式>
上記実施例では、Webコンテンツの指定方法としてURLをフォームに記入していた。この方式に代えて、コンテンツ中継サービス装置側で取り寄せ可能なWebコンテンツ一覧をWebページとして用意しておく。一覧中の各Webコンテンツの記載部分には、該当のコンテンツを取り寄せるとともに、そのデータ量を削減した上で転送する処理を実行するCGIへのリンクを設定しておく。それによって、一覧中の任意のWebコンテンツを指示するだけで指定のWebコンテンツが携帯電話機に送達される。
【0042】
また、本サービスの利用会員が増えれば、一覧中に掲載を希望するWebコンテンツ管理者も増えるはずであり、コンテンツ中継サービス装置が展示するWebページがポータルサイトに発展することも考えられる。それによって会員は、多くのWebコンテンツを安いデータ通信料で、しかも簡単な操作環境で入手・利用することができる。
【0043】
<サービス提供形態>
上記実施例では、コンテンツ中継サービス装置が対象とするサービス享受者は、あらかじめ会員登録されていることを前提としていた。このサービス提供形態に限らず、アクセスしてきた携帯電話機の使用者を一時的な会員として本サービスを提供する形態も考えられる。
【0044】
例えば、アクセスしてきた携帯電話機に、その使用者を特定するための個人情報を入力するためのフォームを返送する。そして、携帯電話機にて入力された個人情報を取得し、この使用者を会員として認証する。もちろん、アクセスしてきた携帯電話の電話番号を個人情報として取得することも可能である。サービス利用料金については、取得した個人情報に基づいて請求書を送付するなどして徴収すればよかろう。個人情報としてクレジットカード番号を取得すれば、認証手続きに加え、サービス利用料金の決済もオンラインで行える。
【0045】
なお、コンテンツ中継サービス装置が展示するWebページがポータルサイトに発展するなどして、本サービスが一般に広く認知されれば、このWebサイトに広告を掲載し、その広告収入によって本サービスが運営されることも十分に考えられる。そうなれば、本サービスが無料で提供されることもあり得よう。
【0046】
<ブラウザ搭載端末など>
本発明は、携帯電話機に限らず、ノート型PCに携帯電話機を接続した機器形態など、データ量課金式ネットワークを介してアクセスするブラウザ搭載端末であれば、どのような機器形態にも適用できる。もちろん、上記データ圧縮方式の適用対象としても、JAVA実行環境を備えた携帯電話機に限らず、圧縮データ伸長プログラムを実装可能なブラウザ搭載端末であればこのデータ圧縮形式の適用対象となる。もちろん、データ量課金式ネットワークについても、移動体通信網に限るものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、実際に削減されたデータ量をデータ量削減実績として各会員に対応付けして記録するとともに、適宜に出力している。会員に対して出力すれば、本発明が提供するサービスを利用した場合とそうでない場合との差などを示すことになる。そのため、本発明のコンテンツ中継サービス装置の運営者にとっては、本サービスに対して会員にサービス利用料金を請求する根拠が得られ、本サービスが利用料金を徴収するビジネスモデルであることを一般に広く認識させることができる。会員にとっては、サービス提供料を支払ってなお、本来のデータ通信料金よりも割安であることを認識することができ、このサービスを有料利用する動機付けともなる。そして、サービスの有料利用に会員が価値を見いだせば、自ずと会員数も増加し、本サービスが事業として成立する可能性が高くなる。なお、データ量削減実績に基づいて、実際の通信料金の差額などを提示すれば、サービスの有効性をより強くアピールすることができる。
【0048】
一方、データ量削減実績を運営者側に対して出力すれば、その削減実績データをサービス利用料金の計算や請求業務など、本サービスに付帯するさまざまな業務に活用できる。例えば、データ量削減実績に応じてサービス料金を算出することが可能となり、削減データ量課金式による課金制度を採用することができ、会員にとってはサービスを利用した分だけ確実にデータ通信料金を節約できる。 また、会員毎のデータ量削減実績を記録することで、例えば、その実績に応じてサービス料金を算出する削減データ量課金式によってサービス利用料金を会員に請求することができる。
【0049】
なお、ブラウザ搭載端末がアクセスしてきたときにその使用者に関する個人情報を取得し、この使用者を一時的な会員とするサービス形態とすることもできる。それによって、サービス享受者は、事前の会員登録が不要となる。
【0050】
データ圧縮機能を搭載し、圧縮データ伸長機能を備えたブラウザ端末からのアクセスに対して、指定のWebコンテンツをデータ圧縮して転送すればよりデータ削減効率が上がる。
【0051】
圧縮データ伸長機能が実装可能なブラウザ端末に対して圧縮データ伸長プログラムをダウンロードすることで、会員がブラウザ端末の機種を交換した場合にも柔軟に対応できる。
【0052】
同じWebコンテンツが指定された場合に対応して、Webコンテンツをデータ量を削減した状態でキャッシュしておくこともできる。それにより、同じコンテンツへのアクセス回数やデータ削減処理回数が減り、データ処理に掛かる負荷が軽減される。また、その負荷の軽減により、軽快なサービス利用環境を会員に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるコンテンツ中継サービス装置を含むネットワーク構成図を示している。
【図2】上記実施例・携帯電話機・WWWサーバー間における通信手順図を示してI知る。
【符号の説明】
10a コンテンツ中継サービス装置
10b WWWサーバー
20a 携帯電話機
Claims (2)
- つぎの事項(1)〜(6)によって特定される発明。
(1)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(2)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者であり、本装置が管理する会員情報データベースに登録されている会員である。
(3)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、前記会員情報データベースに照らして所定の認証手続きを行うことで、会員のブラウザ搭載端末であることを認証する。
(4)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(5)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを前記会員情報データベースの会員Aに対応付けして記録する。
(6)本装置は、前記会員情報データベースに記録された各会員ごとの前記削減実績データを適宜に編集して出力する。 - つぎの事項(21)〜(25)によって特定される発明。
(21)インターネットに接続したコンピュータ情報処理システムからなり、インターネット上に公開されているWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置である。
(22)サービス享受者は、インターネットにも連携するデータ量課金式ネットワークの通信サービスに加入しているブラウザ搭載端末の使用者である。
(23)本装置は、アクセスしてきたブラウザ搭載端末と通信し、その通信を通じて取得した前記使用者の個人情報に基づいて所定の認証手続きを行うことで、当該使用者を一時的な会員としてこのブラウザ搭載端末を認証する。
(24)本装置は、前記会員Aのブラウザ搭載端末Bから指定されたWebコンテンツCをインターネット上から取得するとともに、そのWebコンテンツを所定のデータ量削減手段により処理し、その処理後のWebコンテンツDをブラウザ搭載端末Bに送達する。
(25)本装置は、前記データ量削減手段によって前記WebコンテンツCを処理して前記WebコンテンツDにしたときのデータ削減実績を算出するとともに、その削減実績データを適宜に編集して出力する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003047624A JP2004005445A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003047624A JP2004005445A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 |
Related Parent Applications (1)
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JP2000402364A Division JP3416647B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 |
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ID=30437889
Family Applications (1)
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JP2003047624A Pending JP2004005445A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004005445A (ja) |
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2003
- 2003-02-25 JP JP2003047624A patent/JP2004005445A/ja active Pending
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