JP2004004867A - 有機感光体,電子写真式画像形成装置,電子写真式画像形成方法 - Google Patents

有機感光体,電子写真式画像形成装置,電子写真式画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い許容電圧Vacc及び低い放電電圧Vdisを有し,サイクリングテスト,結晶化,ベンディング及びストレッチングにおいて高い安定性を有する有機感光体等を提供する。
【解決手段】導電性支持体の表面上に光伝導性要素を有する有機感光体であって,光伝導性要素は,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む第1層を含むことを特徴とするものである。これによれば,有機感光体が受容できる電荷量(許容電圧「Vacc」)を増加することができ,放電時電荷保有(放電電圧「Vdis」)を減少させることができる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,電子写真方式による画像形成を行うのに適した有機感光体に係り,さらに詳しくは一つ以上の層内に光安定剤,電荷発生化合物,電荷輸送化合物及び電子輸送化合物を含む有機感光体,電子写真式画像形成装置,電子写真式画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による画像形成を行う場合,導電性支持体上に電気絶縁性の光伝導性要素を備える有機感光体がプレート,ディスク,シート,ベルト,ドラムなどの形態で使用される。
【0003】
このような有機感光体は,まず光伝導性要素の表面を均一に静電気的に帯電し,帯電された表面を光パターンに露出することにより画像形成が行われる。光露出は照射された領域中の電荷を選択的に消散することにより,帯電及び非帯電領域のパターンを形成する。
【0004】
次に,湿式または乾式トナーを,トナーの特性により帯電された領域または非帯電の領域のうちいずれか一つに沈積することにより光伝導性要素の表面上にトーン画像を形成する。結果物のトーン画像は紙のような適当な受容表面に転写される。画像形成工程は単一画像を完成したり,付加的な画像を再現したりするために何回か反復される。
【0005】
上記光伝導性要素としては,単一層及び多重層の光伝導性要素のどちらも使われてきた。単一層の場合には,電荷発生化合物,電荷輸送化合物,電子輸送化合物,それらの組合わせよりなる群から選択された電荷輸送物質がポリマーバインダと結合され,導電性支持体上に沈積される。電荷輸送化合物に基づく多重層の場合には,電荷輸送化合物及び電荷生成化合物が別個の層よりなる形態をなし,それぞれは選択的にポリマーバインダと結合され,導電性支持体上に沈積される。
【0006】
これには2種の配列が可能である。一つの配列(「二重層」配列)では,電荷発生層が導電性支持体上に沈積され,電荷輸送層が前記電荷発生層上に沈積される。他の配列(「逆二重層」配列)では,電荷輸送層と電荷発生層の順序が逆転される。
【0007】
単一及び多重層の光伝導性要素いずれにおいても,電荷発生物質の目的は露光により電荷キャリア(すなわち,正孔及び/または電子)を生じさせることであり,また,電荷キャリアを受容し,光伝導性要素上にて表面電荷を放電するために電荷輸送層を通過してそれらを輸送することである。電荷輸送化合物が使われる場合には,電荷輸送化合物は正孔キャリアを受容し,電荷輸送化合物が位置する層を通過してそれらを輸送する。電子輸送化合物が使われる場合には,電子輸送化合物は電子キャリアを受容し,電子輸送化合物が位置する層を通過してそれらを輸送する。
【0008】
このような有機感光体においては,サイクリングテスト,結晶化,ベンディング及びストレッチングなどの安定性をより向上させて高画質の画像を得ることができるものが望まれる。特に何回かのサイクル後であっても高画質の画像を得るためには,有機感光体の化合物がポリマーバインダと均質な溶液を形成して物質のサイクリング間に有機感光体物質を介してほぼ均質に分布された状態で残っていることが望ましい。さらに,有機感光体が受容できる電荷量(許容電圧「Vacc」)を増やし,放電時電荷保有(放電電圧「Vdis」)を減らすことが望ましい。
【0009】
そこで,本発明の目的は,高いVacc及び低いVdisを有し,サイクリングテスト,結晶化,ベンディング及びストレッチングにおいて高い安定性を有する有機感光体,電子写真式画像形成装置,電子写真式画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,導電性支持体の表面上に光伝導性要素を有する有機感光体であって,前記光伝導性要素は,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む第1層を含むことを特徴とする有機感光体が提供される。また,上記第1層は電荷発生化合物及び/または電荷輸送化合物をさらに含んでもよい。
【0011】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,光画像形成成分と,この光画像形成成分からの光を受容するために配列された有機感光体とを有する電子写真式画像形成装置であって,前記有機感光体は,導電性支持体の表面上に光伝導性要素を含み,前記光伝導性要素は,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含むことを特徴とする電子写真式画像形成装置が提供される。また,上記有機感光体は,例えばドラムの形状であったり,支持ローラ周辺に装着された柔軟性ベルトの形状であってもよい。電子写真式画像形成装置はトナーディスペンサをさらに含んでもよい。
【0012】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,導電性支持体の表面上に光伝導性要素を有する有機感光体を用いる電子写真式画像形成方法であって,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む前記光伝導性要素を有する有機感光体の表面に電気的電荷を印加する(a)段階と,前記有機感光体の表面を露光して,前記有機感光体の表面上の選択された領域に電荷を消散することにより前記表面上に帯電及び非帯電領域のパターンの画像を形成する(b)段階と,前記有機感光体の表面をトナーと接触させてトーン画像を形成する(c)段階と,前記トーン画像を受容支持体に転写する(d)段階とを有することを特徴とする電子写真式画像形成方法が提供される。
【0013】
本発明による改善された有機感光体は少なくとも一つの層内に電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む。また,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む前記層はポリマーバインダ,電荷輸送化合物及び/または電荷発生化合物を含むこともある。
【0014】
一般的に,前記有機感光体は表面上に光伝導性要素を含む導電性支持体を含み,前記光伝導性要素はその構造内に一つまたはそれ以上の層,すなわち副層を含みうる。前記光伝導体の一つまたはそれ以上の層は電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含むこともある。電子輸送化合物及び紫外線光安定剤は光伝導体内で所望の電子フローを提供するための相乗的関係を有する。
【0015】
光安定剤及び電子輸送化合物の組合わせにより,有機感光体は高いVacc及び低いVdisを有し,サイクリングテスト,結晶化,ベンディング及びストレッチングにおいて高い安定性を有する。
【0016】
本発明による有機感光体は,電子写真式画像形成法に基づく複写機,スキャナ及び他の電子装置に適用することができる。特にレーザプリンタなどに適用するのが有用である。このような有機感光体の利用について,その詳細はレーザプリンタに利用される場合を例にとって後述するが,,これに限られることはなく,電子写真式画像形成法により動作する他の装置への応用も可能である。。
【0017】
特に何回かのサイクル後であっても高画質の画像を得るためには,有機感光体の化合物がポリマーバインダと均質な溶液を形成して物質のサイクリング間に有機感光体物質を介してほぼ均質に分布された状態で残っていることが望ましい。さらに,有機感光体が受容できる電荷量(許容電圧「Vacc」)を増やし,放電時電荷保有(放電電圧「Vdis」)を減らすことが望ましい。
【0018】
電子輸送化合物は一般的に正孔,すなわち正電荷を輸送するのに一般的に一層効果的な電荷輸送化合物に比べて電子を輸送するための適当な能力を有する。紫外線光安定剤の存在は複合体の電子輸送特性を向上させるための電子輸送化合物の電子輸送特性を変化させる。紫外線光安定剤は自由ラジカルを捕獲する紫外線吸収剤または紫外線光阻害剤でありうる。
【0019】
電子写真方式を応用するにあたって,有機感光体内の電荷発生化合物は光を吸収して電子−正孔対を形成する。このような電子−正孔対は大きい電場下で適当な時間帯にかけて輸送され,電場を発生させる表面電荷を局所的に放電する。特定領域での前記電場の放電は表面帯電パターンを引き起こし,それは光により描かれたパターンと本質的に一致する。
【0020】
次に,その帯電パターンはトナー沈積をガイドするのに使われる。有機感光体を使用して2次元的な画像を印刷するために,有機感光体は少なくとも画像の一部分を形成する2次元表面を有する。続いて,画像形成工程は全体画像形成の完成及び/またはそれに続く画像のプロセシングのために有機感光体を循環させる。このような有機感光体はプレート,柔軟性ベルト,ディスク,頑丈なドラム,頑丈あるいは柔軟性あるドラム周囲のシートなどの形で提供される。
【0021】
また,電荷輸送化合物及び/または電子輸送化合物は,電荷発生化合物と同一層に存在してもよく,また他の層に存在することもある。例えば電子輸送化合物はオーバコート層に存在してもよい。また有機感光体物質は電荷輸送組成物及び電荷発生化合物のいずれもポリマーバインダ内に有する単一層を含んでもよい。また,電荷発生化合物は電荷発生層とは区別される電荷輸送層中に存在してもよい。上述したような改善されたオーバコートを備える例では,電荷輸送層は一般的に電荷発生層と導電性支持体間の中間層である。一方,電荷発生層は電荷輸送層と導電性支持体間の中間層でもありうる。後述するように付加的な層に使われる場合もある。
【0022】
また,有機感光体はレーザプリンタのような電子写真式画像形成装置内に配設され得る。このような画像形成装置の場合に,画像は物理的具現例から形成され,表面潜像を形成するために有機感光体上にスキャンされる。表面潜像は有機感光体の表面上にトナーを誘導するのに使われる。ここでトナー画像は有機感光体上に投影された光画像と同一であるか,あるいはそのネガティブ像である。上記トナーは湿式トナーであってもよく,また乾式トナーであってもよい。。
【0023】
次に,トナーは有機感光体の表面から例えば1枚の紙のような受容表面に転写される。トナーの転写後に,全体表面が放電され,さらにサイクルさるべく準備される。
【0024】
また,画像形成装置は,例えば媒体を受容する紙の輸送及び/または有機感光体の移動のための複数の支持ローラ,光画像を形成するのに適当な光学的性質を有する光画像形成成分,レーザのような光源,トナー供給源及び伝達システム及び適当な調節システムをさらに含んでもよい。
【0025】
本発明にかかる電子写真式画像形成方法において,画像形成工程は,有機感光体の表面に電気的電荷を印加する(a)段階と,選択された領域にて電荷を消散することにより前記表面上に帯電及び非帯電領域のパターンを形成するために前記有機感光体の表面を画像により露光させる(b)段階と,トナー画像を形成し,前記有機感光体の帯電されたまたは放電された領域にトナーを誘導するために,前記表面を有機液体中に着色剤粒子の分散物を含む湿式トナーのようなトナーに露出する(c)段階と,前記トナー画像を支持体に転写する(d)段階とを含むようにしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
先ず,本発明の実施形態にかかる有機感光体について説明する。明細書中,構造式,基などを説明する場合において,特定用語を化学的に許容可能な命名形式で使用する。例えば明細書中に「基」,「部分」,「誘導体」を使用する場合は以下のような特定の意味を有する。
【0028】
「基」という用語は,基の結合構造と見合う任意の置換基を有する,一般的に引用された化学物質(例えば,アルキル基,フェニル基,フルオレニリデンマロニトリル基,カルバゾールヒドラゾン基など)を示す。例えばアルキル基は,「メチルエチル」,「プロピルイソオクチル」,「ドデシル」のようなアルキル物質を含み,また「クロロメチル」,「ジブロモエチル」,「1,3−ジシアノプロピル」,「1,3,5−トリヒドロキシヘキシル」,「1,3,5−トリフルオロシクロヘキシル」,「1−メトキシ−ドデシル」,「フェニルプロピル」のような置換されたアルキル基をも含む。
【0029】
しかし,「基」という用語は,上記のような命名法に見合うように,骨格基の基本的結合構造を変化させる置換は前記用語に含まない。例えば,フェニル環基が記載された場合には,「1−ヒドロキシフェニル」,「2,4−フルオロフェニル」,「オルソシアノフェニル」,「1,3,5−トリメトキシフェニル」のような置換は前記用語内に許容されるが,「1,1,2,2,3,3−ヘキサメチルフェニル」の置換は,かかる置換によりフェニル基の環結合構造が非芳香族型で変化することが要求されるために,「基」という用語には含まない。
【0030】
「アルキル部分」または「フェニル部分」のような「部分」という用語を用いる場合には,「部分」という用語は化学物質が置換されないということを意味する。
【0031】
「誘導体」という用語を用いる場合にはには,「誘導体」という用語は化合物が他の化合物から誘導され,または他の化合物から得られ,母体物質の必須な要素を含むことを意味する。
【0032】
(有機感光体)
有機感光体は,例えばプレート,柔軟性ベルト,ディスク,頑丈なドラム,頑丈なまたは柔軟性あるドラム周囲のシート状の形で使用される。頑丈なドラムは一般的に商業的用途に使われうる。有機感光体は,例えば一つ以上の層の形で導電性支持体及び光伝導性要素を含むこともある。有機感光体はポリマーバインダ中に電荷輸送化合物及び電荷発生化合物どちらをも含み,それは同一層内に存在していてもよく,また異なる層に存在していてもよい。これと同様に,電子輸送化合物も電荷発生化合物と同一層内に存在していてもよく,また異なる層に存在していてもよい。もし電子輸送化合物が電荷発生化合物と異なる層に存在する場合には,電子輸送化合物はオーバコート,すなわち導電性支持体の反対側にあり,またはアンダーコート,すなわち導電性支持体のように電荷発生層と同じ側にありうる。また,電子輸送化合物を含む層は紫外線光安定剤をさらに含んでもよい。
【0033】
単一層より構成された具体例において電荷発生化合物及び電荷輸送化合物は単一層内に存在する。しかし他の具体例では,光伝導性要素は電荷発生層及び別個の電荷輸送層を含む二重層構造を含んでもよい。電荷発生層は導電性支持体と電荷輸送層間の中間層に位置していてもよい。一方,光伝導性要素は電荷輸送層が導電性支持体と電荷発生層間の中間層に存在する構造にすることも可能である。
【0034】
ここで,電荷発生層及び電荷輸送層の3種類の基本的な構造(例えば図1〜図3)を示す。これら3種類の基本的な構造に基づいて,有機感光体の構造は電子輸送化合物の存在を説明するために一般化することができる。例えば,電子輸送化合物が電荷発生化合物と同一層内に存在する具体例の場合には,図1〜図3に概略的に示された3種の可能な構造がある。
【0035】
図1に示す有機感光体100は,導電性支持体102及び電荷発生化合物,電荷輸送化合物,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む光伝導層104を含む。図2に示す有機感光体110は,導電性支持体112,電荷発生化合物,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む電荷発生層114及び電荷輸送化合物を含む電荷輸送層116を含む。図3に示す有機感光体120は,導電性支持体122,電荷輸送化合物を含む電荷輸送層124及び電荷発生化合物,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む電荷発生層126を含む。
【0036】
また,電子輸送化合物が電荷発生化合物と異なる層に存在する具体例としては,最も関心を集める2種類の構造(例えば図4,図5)がある。図4に示す有機感光体130は,導電性支持体132,電荷輸送化合物を含む電荷輸送層134,電荷発生化合物を含む電荷発生層136及び電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む電子輸送層138を含む。図5に示す有機感光体150は,導電性支持体152,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む電子輸送層154,電荷発生化合物を含む電荷発生層156及び電荷輸送化合物を含む電荷輸送層158を含む。
【0037】
図1〜図5の具体例は,電子輸送化合物を単一層内に含むが,多重層が電子輸送化合物を含んでもよい。特に,電子輸送層及び電荷発生層はいずれも電子輸送化合物を含むようにしてもよい。さらに,図1〜図5に示された有機感光体構造は下記のように付加的なアンダーコート及び/またはオーバコートを含んでもよい。付加的に,異なる層状の有機感光体構造が図1〜図5に示された特定の具体例と異なって形成でき,このような付加的な構造は異なる層順序及び/または異なる組成を有するか,あるいは有さないように記述された類型の多重層を含んでもよい。
【0038】
電気絶縁性支持体のように導電性支持体は,例えば柔軟性ウェブまたはベルト状の柔軟なものであるか,あるいはドラム状の柔軟ではないものであってもよい。。ドラムは画像形成過程中にこのドラムを回転させるドライブにこのドラムを付着させる中空シリンダ型構造を有しいてもよい。一般的に,結合された支持体は電気絶縁性支持体及び導電性支持体であって導電性物質の薄膜を有し,薄膜上に光伝導性物質が加えられる。
【0039】
電気絶縁性支持体としては,紙の他,ポリエチレンテレフタレート,ポリイミド,ポリスルホン,ポリエチレンナフタレート,ポリプロピレン,ナイロン,ポリエステル,ポリカーボネート,ポリビニルフルオライド,ポリスチレン及びその混合物のようなフィルム形成ポリマーが挙げられる。また,支持体を支持するポリマーの特定例としては,例えばポリエーテルスルホン(StarbarTMS−100,ICIから購入可能),ポリビニルフルオライド(TedlarE.I.DuPontdeNemours&Companyから購入可能),ポリビスフェノール−Aポリカーボネート(MakrofolTM,MobayChemicalCompanyから購入可能)及び非結晶ポリエチレンテレフタレート(MelinarTM,ICIAmericas,Inc.から購入可能)が挙げられる。導電性物質としては,例えば黒鉛,分散カーボンブラック,ヨード化物,ポリピロル及びカルゴン導電性ポリマー261(CalgonCorporations,Inc.,Pittsburgh,Pa.から購入可能)のような導電性ポリマー,アルミニウム,チタン,クロム,黄銅,金,銅,パラジウム,ニッケル,またはステンレススチールのような金属,スズ酸化物またはインジウム酸化物のような金属酸化物,またはその組み合わせが挙げられる。特定の具体例として,導電性物質はアルミニウムが好ましい。一般的に,光伝導体支持体は要求される機械的安定性を提供するのに適当な厚さを有する。例えば,柔軟性ウェブ支持体は一般的に約0.01〜約1mmの厚さを有し,ドラム支持体は一般的に約0.5〜約2mmの厚さを有する。
【0040】
電荷発生化合物は染料または顔料のような物質であり,それは電荷キャリアを発生させるために光を吸収できる能力を有する。適当な電荷発生化合物としては,例えば金属−非含有フタロシアニン類(例えば,CGM−X101,SanyoColorWorks,Ltd.から購入可能),チタンフタロシアニン,銅フタロシアニン,オキシチタンフタロシアニン,ヒドロキシカリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニン類,スクアリリウム染料及び顔料,ヒドロキシ−置換されたスクアリリウム顔料,ペリルイミド類,AlliedChemicalCorporationからIndofastDoubleScarlet,IndofastVioletLakeB,IndofastBrilliantScarlet及びIndofastOrangeという商標名で購入可能なポリニュークリアキノン類,DuPontからMonastralTMRed,MonastalTMViolet及びMonastralTMRedYという商標名で購入可能なキナクリドン類,ペリノン類,テトラベンゾポルフィリン類及びテトラナフタロポルピリン類を含むナフタレン1,4,5,8−テトラカルボキシル酸誘導顔料,インジゴ−及びチオインジゴ染料,ベンゾチオキサンテン誘導体,ペリレン3,4,9,10−テトラカルボキシル酸誘導顔料,ビスアゾ−,トリスアゾ−及びテトラキスアゾ−顔料を含むポリアゾ−顔料,ポリメチン染料,キナゾリン基を含む染料,3次アミン類,非結晶セレン,セレン−テルル,セレン−テルル−ヒ素及びセレン−ヒ素のようなセレン合金,カドミウムスルホセレナイド,カドミウムセレナイド,カドミウムスルファイド及びその混合物が挙げられる。また,電荷発生化合物はオキシチタンフタロシアニン,ヒドロキシカリウムフタロシアニンまたはその組合わせであってもよい。
【0041】
任意の適当な電子輸送組成物が適切な層に使われうる。一般的に,電子輸送組成物はポテンシャル電子トラップに比べて大きい電子親和度を有し,ポリマーとの複合体のうち適当な移動度を発揮する。例えば電子輸送組成物はOより小さな還元電位を有してもよい。一般的に,電子輸送組成物は還元されやすくて酸化され難く,一方電荷輸送組成物は一般的に酸化されやすくて還元され難い。例えば,電子輸送化合物は,少なくとも約1×10−13cm/Vsの室温,ゼロフィールド電子移動度を有し,また他の例では少なくとも約1×10−10cm/Vsの室温,ゼロフィールド電子移動度を有する。さらに他の例では少なくとも約1×10−8cm/Vsの室温,ゼロフィールド電子移動度を有し,さらに他の例では少なくとも約1×10−6cm/Vsの室温,ゼロフィールド電子移動度を有する。当業者ならば上記範囲内の他の電子移動度の範囲を考えることができ,それらも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0042】
電子輸送化合物としては,例えば「ブロモアニリン」,「テトラシアノエチレン」,「テトラシアノキノジメタン」,「2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン」,「2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン」,「2,4,5,7−テトラニトロキサントン」,「2,4,8−トリニトロチオキサントン」,「2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン」,「1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド」,「(2,3−ジフェニル−1−インデニリデン)マロノニトリル」,「4−ジシアノメチレン−2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−1,1−ジオキシド」,「4−ジシアノメチレン−2,6−ジ−m−トリル−4H−チオピラン−1,1−ジオキシド」のような4H−チオピラン−1,1−ジオキシド及びその誘導体及び「4H−1,1−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−フェニル−4−(ジシアノメチリデン)チオピラン」及び「4H−1,1−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−(2−チエニル)−4−(ジシアノメチリデン)チオピラン」のような非対称的に置換された2,6−ジアリル−4H−チオピラン−1,1−ジオキシド,フォスファ−2,5−シクロヘキサジエンの誘導体,「(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル」,「(4−フェンエトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル」,「(4−カルビトキシ−9−フルオレニリデン)マロノニトリル」及び「ジエチル(4−n−ブトキシカルボニル−2,7−ジニトロ−9−フルオレニリデン)−マロネート」のような(アルコキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル誘導体,「11,11,12,12−テトラシアノ−2−アルキルアントラキノジメタン」及び「11,11−ジシアノ−12,12−ビス(エトキシカルボニル)アントラキノジメタン」のようなアントラキノジメタン誘導体,「1−クロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン」,「1,8−ジクロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン」,「1,8−ヒドロキシ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン」及び「1−シアノ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン)アントロン」のようなアントロン誘導体,「7−ニトロ−2−アザ−9−フルオレニリデン−マロノニトリル」,「ジフェノキノン誘導体」,「ベンゾキノン誘導体」,「ナフトキノン誘導体」,「キニン誘導体」,「テトラシアノエチレンシアノエチレン」,「2,4,8−トリニトロチオキサントン」,「ジニトロベンゼン誘導体」,「ジニトロアントラセン誘導体」,「ジニトロアクリジン誘導体」,「ニトロアントラキノン誘導体」,「ジニトロアントラキノン誘導体」,「スクシン酸無水物」,「マレイン酸無水物」,「ジブロモマレイン酸無水物」,「ピレン誘導体」,「カルバゾール誘導体」,「ヒドラゾン誘導体」,「N,N−ジアルキルアニリン誘導体」,「ジフェニルアミン誘導体」,「トリフェニルアミン誘導体」,「トリフェニルメタン誘導体」,「テトラシアノキノンジメタン」,「2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン」,「2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン」,「2,4,5,7−テトラニトロキサントン誘導体」,「2,4,8−トリニトロチオキサントン誘導体」及びその組合わせが挙げられる。
【0043】
紫外線光安定剤は紫外線光吸収剤または紫外線光阻害剤であってもよい。紫外線光吸収剤は紫外線輻射を吸収でき,それを熱として消散できる。紫外線光阻害剤は紫外線により生成された自由ラジカルを捕獲し,自由ラジカルを捕獲した後では,それに続くエネルギー消散として活性安定剤部分を復元すると考えられる。紫外線安定剤は電子輸送化合物と相乗関係を有し,使用最中に有機感光体中の電場によりなる経路に沿って電子を伝導することが分かった。
【0044】
従って,このような紫外線安定化能が有機感光体の時間による分解を減らすところにあってより一層有利であるが,紫外線安定剤の特別のメリットはそれらの紫外線安定化能自体ではない。理論により限定されることを意図するのではないが,上記紫外線安定剤により寄与された相乗的関係はその化合物の電子特性と関連もあり,その電子特性は紫外線安定化機能に寄与し,さらに電子輸送化合物と組み合わせらせて電子伝導経路を確立するのに寄与する。特に,改善された有機感光体は後述するように,サイクリング後にも許容電圧Vaccの緩和された減少を示す。
【0045】
適当な光安定剤としては,例えば「Tinuvin144」及び「Tinuvin292(CibaSpecialtyChemicals,TerrytowN,NY)」のような障害トリアルキルアミン類,「Tinuvin123(CibaSpecialtyChemicals)」のような障害アルコキシジアルキルアミン類,「Tinuvin328」,「Tinuvin900」及び「Tinuvin928(CibaSpecialtyChemicals)」のようなベンゾトリアゾル類,「Sanduvor3041(ClaiantCorp.,Charlotte,N.C.)」のようなベンゾフェノン類,「Arbestab(RobinsonbrothersLtd.,WestMidlands,GreatBritain)」のようなニッケル化合物,「サリシレート類」,「シアノシンナメート類」,「ベンジリデンマロネート類」,「ベンゾエート類」,「SanduvorVSU(ClaiantCorp.,Charlotte,N.C.)」のようなオキサニリド類,「CyagardUV−1164(CytecIndustiesInc.,N.J.)」のようなトリアジン類,「Luchem(atochemNorthAmerica,Buffalo,NY)」のような高分子立体障害アミン類が挙げられる。このような上記光安定剤としては,下記化学式1を有する「障害トリアルキルアミン類」よりなる群から選択されたものが好ましい。
【0046】
【化4】
Figure 2004004867
(化学式1)
なお,上記化学式1にてR,R,R,R,R,R,R,R10,R11,R12,R13,R15,R16は独立的に水素,アルキル基,エステルまたはエステル基であり,R,R及びR14は独立的にアルキル基であり,Xは−O(CH−CO−O−よりなる群から選択された連結基であり,ここでmは2〜20である。
【0047】
電子写真方式に利用可能な多種の電荷輸送化合物が存在する。例えば当業界に公知の任意の電荷輸送化合物がここに叙述された有機光伝導体を形成するのに使われる。適当な電荷輸送化合物としては,例えばピラゾリン誘導体類,フルオレン誘導体類,オキサジアゾル誘導体類,スチルベン誘導体類,ヒドラゾン誘導体類,カルバゾールヒドラゾン誘導体類,トリアリルアミン類,ポリビニルカルバゾール,ポリビニルピレン,ポリアセナフチレン,または少なくとも2つのヒドラゾン基と,トリフェニルアミン及びヘテロサイクル類よりなる群から選択された少なくとも2つの基とを含む多重−ヒドラゾン化合物が挙げられる。
【0048】
上記ヘテロサイクルとしては,例えばカルバゾール,ジュロリジン,フェノチアジン,フェナジン,フェノキサジン,フェノキサチン,チアゾル,オキサゾル,イソオキサゾル,ジベンゾ(1,4)ダイオキシン,チアントレン,イミダゾル,ベンゾチアゾル,ベンゾトリアゾル,ベンズオキサゾル,ベンズイミダゾル,キノリン,イソキノリン,キノキサリン,インドール,インダゾル,ピロル,ピュリン,ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,ピラジン,トリアゾル,オキサジアゾル,テトラゾル,チアジアゾル,ベンズイソキサゾル,ベンズイソチアゾル,ジベンゾフラン,ジベンゾチオフェン,チオフェン,チアナフテン,キナゾリン,シノリンまたはその組合わせのようなものが挙げられる。
【0049】
また,電荷輸送化合物としては,例えば三菱製紙(株)のMPCT−10,MPCT−38及びMPCT−46のようなエンアミンスチルベン化合物が挙げられる。
【0050】
有機感光体の任意の特定層に使われるポリマーバインダは一般的に,電子輸送組成物,電荷輸送化合物,電荷発生化合物及び紫外線光安定化合物のような対応する作用化合物を分散または溶解できる。適当なポリマーバインダとしては,例えばポリスチレン−コ−ブタジエン,ポリスチレン−コ−アクリロニトリル,変性されたアクリル系ポリマー,ポリビニルアセテート,スチレン−アルキッド樹脂類,ソヤ−アルキッド樹脂類,ポリビニルクロライド,ポリビニリデンクロライド,ポリアクリロニトリル,ポリカーボネート類,ポリアクリル酸,ポリアクリレート類,ポリメタアクリレート類,スチレンポリマー類,ポリビニルブチラル,アルキッド樹脂類,ポリアミド類,ポリウレタン類,ポリエステル類,ポリスルホン類,ポリエーテル類,ポリケトン類,フェノキシ樹脂類,エポキシ樹脂類,シリコン樹脂類,ポリシロキサン類,ポリ(ヒドロキシエーテル)樹脂類,ポリヒドロキシスチレン樹脂類,ノボラック,ポリ(フェニルグリシジルエーテル)−コ−ジシクロペンタジエン,前記ポリマーに使われたモノマーの共重合体及びその組合わせが挙げられる。
【0051】
また,上記バインダは,例えばポリカーボネート類,ポリビニルブチラル及びその組合わせよりなる群から選択される。適当なポリカーボネートバインダとしては,例えばビスフェノール−Aから誘導されたポリカーボネートA,シクロヘキシリデンビスフェノールから誘導されたポリカーボネートZ,メチルビスフェノルAから誘導されたポリカーボネートC及びポリエステルカーボネート類が挙げられる。適当なポリビニルブチラルとしては,例えば積水化学(株)のBX−1及びBX−5が挙げられる。離型層としては,例えば上記ポリマーが,フルオル化ポリマー,シロキサンポリマー,フルオロシリコンポリマー,ポリシラン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアクリレート,ポリ(メチルメタクリレート−コ−メタクリル酸),ウレタン樹脂類,ウレタン−エポキシ樹脂類,アクリレーティッドウレタン樹脂類,ウレタン−アクリル樹脂類,それらの架橋化ポリマーまたはそれらの組合わせであることが望ましい。
【0052】
任意のいずれか一つまたはそれ以上の層に使われる適当な選択的な添加剤は,例えば酸化防止剤,カップリング剤,分散剤,硬化剤,界面活性剤及びその組合わせを含む。
【0053】
光伝導体要素は全体的に10〜45μmほどの一般的な厚さを有する。個別的な電荷発生層及び個別的な電荷輸送層を有する二重層構造にて,電荷発生層は一般的に0.5〜2μmほどの厚さを有し,電荷輸送層は5〜35μmほどの厚さを有する。電荷輸送化合物及び電荷発生化合物が同一層に存在する具現例では,前記電荷発生化合物及び電荷輸送組成物を含む層は一般的に7〜30μmほどの厚さを有する。電子輸送層を含む具現例では,前記電子輸送層は0.5〜10μmほどの平均厚さを有し,他の具現例では1〜3μmほどの厚さを有する。電子輸送層は一般的に機械的耐摩耗性を高め,キャリア液体及び大気水分に対する耐性を高め,コロナ気体による感光体の劣化を弱める。当業者ならば,上記の範囲内で付加的な範囲の厚さを考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0054】
個別的な電荷発生層及び電荷輸送層を含む二重層構造の場合には,電荷発生層は一般的に,電荷発生層の重量に基づき,10〜90重量%ほどの範囲でバインダを含むことが好ましく。さらに20〜75重量%ほどの範囲でバインダを含むことがより好ましい。電荷発生層内の選択的電子輸送化合物は,もし存在する場合には一般的に電荷発生層の重量に基づき,少なくとも2.5重量%ほどの含量であり,4〜30重量%ほどの含量であることが好ましく,さらに10〜25重量%ほどの含量であることがより好ましい。電荷輸送層は一般的にバインダが30重量%〜70重量%ほどの含量で含んでいる。当業者ならば上記範囲内で二重層の具体例についてのバインダ濃度の付加的な範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】
電荷発生化合物及び電荷輸送化合物を含む単一層を有する具体例の場合には,光伝導層は一般的にバインダ,電荷輸送化合物及び電荷発生化合物を含む。電荷発生化合物は,光伝導層の重量に基づき,0.05〜25重量%ほどの含量で含むことが好ましく,2〜15重量%ほどの含量で含むことがより好ましい。電荷輸送化合物は,光伝導層の重量に基づき,15〜80重量%ほどの含量で含むことが好ましく,25〜65重量%ほどの含量,さらには30〜55重量%ほどの含量で含まれることがより好ましい。なお,光伝導層の残りはバインダ及び選択的に任意の一般的な添加剤のような添加剤を含む。
【0056】
電荷輸送組成物及び電荷発生化合物を含む単一層は,一般的にバインダを10〜75重量%ほどの含量で含むことが好ましく,25〜60重量%ほどの含量で含むことがより好ましい。電荷発生化合物及び電荷輸送化合物を含む層は例えば電子輸送化合物を含んでもよい。電子輸送化合物は,もし存在する場合には光伝導層の重量に基づき,一般的に少なくとも2.5重量%ほどの含量で含まれ,4〜30重量%ほどの含量で含まれることが好ましく,さらに10〜25重量%ほどの含量で含まれることがより好ましい。当業者ならば上記層での明示された範囲内で付加的な組成範囲を考えることができ,また当業者ならばバインダ濃度の付加的な範囲を考えることができ,それらも本発明の技術的範囲内に属するものと了解される。
【0057】
電子輸送層は一般的に電子輸送化合物,紫外線光安定剤及びバインダを含む。電子輸送化合物を含むオーバコート層の詳細は,Zhuによる米国特許出願第10/396,536号「電子輸送層を含む有機感光体」においても記載されている。例えば,上述の電子輸送化合物は本発明の離型層に使用される。電子輸送層中の電子輸送化合物は,電子輸送層の重量に基づき,10〜50重量%ほどの含量であることが好ましく,20〜40重量%ほどの含量であることがより好ましい。当業者ならば上記範囲内で組成物の付加的な範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
光伝導体の一つまたはそれ以上の適当な層それぞれに存在する紫外線光安定剤は,その特定層の重量に基づき,一般的に0.5〜25重量%ほどの含量であることが好ましく,1〜10重量%ほどの含量であることがより好ましい。
【0059】
光伝導性要素は,浸漬コーティング,スプレーコーティング,例えば圧出のような当業界に公知の任意の適当な技術により形成される。当業者ならば上記範囲内で組成及び厚さの付加的な範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
また,感光体は,選択的に付加的な層を含むこともある。この付加的な層は,例えば副層及び/または付加的なオーバコート層であってもよい。副層は電荷遮断層であり,導電性支持体と光伝導性要素間に位置する。また副層は導電性支持体と光伝導性要素との接着を向上させることもできる。
【0061】
オーバコート層は,例えば隔壁層,離型層,保護層及び接着層であってもよい。オーバコート層において,感光体は電子輸送組成物を含む複数のオーバコート層を含んでいてもよい。例えば,離型層または保護層は電子輸送化合物を含んでいもよい。上述された一つまたはそれ以上の電子輸送化合物が離型層または保護層に使用される。
【0062】
離型層または保護層のうちの電子輸送化合物は,離型層または保護層の重量に基づき,一般的に2〜50重量%ほどの含量であることが好ましく,10〜40重量%ほどの含量であることがより好ましい。当業者ならば上記範囲内で付加的な組成範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。オーバコート層が電子輸送組成物を含んでもよく,あるいはオーバコート層が電子輸送組成物を含まなくてよい。各オーバコート層中の電子輸送組成物の存在(他のオーバコート層と同じ組成であることもあり,異なる組成であることもある)は電荷発生層と表面間に導電性の連続性を提供することができ,これにより有機感光体の性能を向上させることができる。
【0063】
離型層または保護層は,光伝導体層の最上層を形成する。離型層は,トナー伝送が静電気力または磁気力により促進されない場合に,有機感光体からベルトまたはドラムのような中間転写媒体,または紙のような受容媒体へのトナー転写を容易にする最上層である。離型層は,有機感光体からトナーが伝送される媒体の表面エネルギーより低い表面エネルギーを有する。隔壁層は離型層と光伝導性要素間に挿入されるか,または光伝導性要素をオーバコーティングするのに使われることもある。隔壁層は摩耗に対する保護手段及び下層に対する耐溶媒性を提供する。一つの層が保護層であり離型層であってもよい。接着層は電荷発生層とオーバコート層との間,または二つのオーバコート層間に位置し,それらの間の接着力を向上させることができる。
【0064】
適当な隔壁層としては,例えば架橋可能なシロキサノール−コロイダルシリカコーティング及びヒドロキシル化シルセスキオキサン−コロイダルシリカコーティングのようなコーティング類及びポリビニルアルコール,メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー,カゼイン,ポリビニルピロリドン,ポリアクリル酸,ゼラチン,澱粉,ポリウレタン類,ポリイミド類,ポリエステル類,ポリアミド類,ポリビニルアセテート,ポリビニルクロライド,ポリビニリデンクロライド,ポリカーボネート類,ポリビニルブチラル,ポリビニルアセトアセタル,ポリビニルホルマル,ポリアクリロニトリル,ポリメチルメタクリレート,ポリアクリレート類,ポリビニルカルバゾール類,上述したポリマーに使われたモノマーのコポリマー類,ビニルクロライド/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー類,ビニルクロライド/ビニルアセテート/マレイン酸ターポリマー類,エチレン/ビニルアセテートコポリマー類,ビニルクロライド/ビニリデンクロライドコポリマー類,セルロースポリマー類及びそれらの混合物のような有機バインダ類が挙げられる。上記隔壁層ポリマー類は選択的にヒュームシリカ,シリカ,チタニア,アルミナ,ジルコニア,またはそれらの組合わせのような小さい無機粒子を含むこともある。なお,隔壁層の詳細は,Wooらによる米国特許第6,001,522号公報「Barrierlayerforphotoconductorelementscomprisinganorganicpolymerandsilica」にも記載されている。
【0065】
離型層上部コートは,例えば当業界に公知の任意の離型層組成物を含んでいてもよい。例えば,離型層はフルオル化ポリマー,シロキサンポリマー,フルオロシリコンポリマー,ポリシラン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアクリレート,ポリ(メチルメタクリルレート−コ−メタクリル酸),ウレタン樹脂類,ウレタン−エポキシ樹脂類,アクリレーティッド−ウレタン樹脂類,ウレタン−アクリル樹脂類またはそれらの組合わせが挙げられる。なお,離型層は架橋化されたポリマー類であってもよい。
【0066】
保護層は,有機感光体を化学的及び機械的劣化から保護するものである。保護層としては,例えば当業界に公知の任意の保護層組成物を含んでもよい。望ましくは,保護層としては例えばフルオル化ポリマー,シロキサンポリマー,フルオロシリコンポリマー,シラン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアクリレート,ポリ(メチルメタクリルレート−コ−メタクリル酸),ウレタン樹脂類,ウレタン−エポキシ樹脂類,アクリレーティッド−ウレタン樹脂類,ウレタン−アクリル樹脂類またはそれらの組合わせが挙げられる。なお,保護層は架橋化されたポリマー類であってもよい。接着層としては例えばポリエステル,ポリビニルブチラル,ポリビニルピロリドン,ポリウレタン,ポリメチルメタクリレート,ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)のようなフィルム形成ポリマーが挙げられる。なお,オーバコート層の詳細は,Ackleyらによる米国特許第6,180,305号公報「Organicphotoreceptorsforliquidelectrophotography」にも記載されている。
【0067】
副層としては,例えばポリビニルブチラル,有機シラン類,加水分解性シラン類,エポキシ樹脂類,ポリエステル類,ポリアミド類,ポリウレタン類,シリコン類などが挙げられる。例えば,副層は20Å〜2,000Åほどの乾燥厚さである。金属酸化物の導電性粒子を含む副層は1〜25μmの厚さであってもよい。当業者ならば上記範囲内で付加的な組成及び厚さ範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
本発明にかかる有機感光体は,例えば当業界に公知の乾式トナー類及び湿式トナー類を含む乾式または湿式トナー現象による画像形成工程に使用するのに適している。湿式トナー現象は,乾式トナー類に比べて高解像度の画像を提供でき,画像を固定するのにさらに少ないエネルギーを必要とするというメリットを提供できる点でより望ましい。適当な湿式トナー類の例は当業界に公示されているものを使用することができる。湿式トナー類は,一般的にキャリア液体に分散されたトナー粒子を含む。トナー粒子は一般的に着色剤/顔料,樹脂バインダ及び/または電荷ディレクタを含む。湿式トナーの具体例としては,樹脂対顔料比が2:1ないし10:1であることが好ましく,4:1ないし8:1であることがより好ましい。なお,湿式トナー類の詳細は,米国公開特許2002/0128349号公報「Liquidinkscomprisingastableorganosol」,同2002/0086916号公報「LiquidInkscomprisingtreatedcolorantparticles」及び同2002/0197552号公報「Phasechangeddeveloperforliquidelectrophotography」にも記載されている。
【0069】
(光安定剤を含む有機感光体の性能特性)
同一層内に紫外線安定剤及び電子輸送化合物を含む有機感光体は,有機感光体の静電気的試験特性にて相乗効果を有する。特に,有機感光体の許容電圧(Vacc)は,何回かのサイクルにわたった有機感光体のサイクリングではるかに少なく減衰することが観察される。有機感光体のサイクリング特性における顕著な改善は明確な商業的メリットを提供できる。
【0070】
具体的には,改善された有機感光体は,実験によれば,1,000回サイクル後の許容電圧の変化が初期許容電圧に比べ,およそ20%以下に過ぎないことがわかった。例えばある例では15%ほど,他の例では10%ほど,さらに他の例では約7%ほど,さらに他の例では2%ほどに過ぎなかった。また,1,000回サイクル後でも実験的な測定誤差範囲内で許容電圧が変化しないことがわかった。実際の電圧値においては,改善された有機感光体は,1,000回サイクル後にも,少なくとも430Vほどの許容電圧を有する。例えばある例ではでは少なくとも445Vほど,他の例では少なくとも460Vほど,さらに他の例では少なくとも470V〜580Vほどの許容電圧を有する。このような数値評価に基づいて,コロナ電荷で表面を帯電させる段階,レーザで表面の一部分を放電する段階及び全体表面を消去ランプで放電する段階によりサイクルを行う。当業者ならば明示された範囲内でサイクリングによる許容電圧及びサイクリングによる許容電圧の差の付加的な範囲を考えることができ,それも本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0071】
(有機感光体の製造法)
一般的に,光伝導性要素は,電荷発生化合物,電荷輸送化合物,光安定剤,電子輸送化合物及び/またはポリマーバインダのような成分を有機溶媒に分散または溶解させる段階,上記分散物をそれぞれの基底層にコーティングする段階及び上記コーティングを乾燥させる段階により形成される。例えば,上記成分は高せん断均質化,ボール粉砕,摩滅粉砕,高エネルギービード(サンド)粉砕,または分散物を形成するにあたって粒子を小さくするための当業界に公知の他のサイズ小型化プロセスまたは混合手段などにより分散される。コーティングは,例えばナイフコーティング,圧出,浸漬コーティングまたは当業界に公知のものを含む他の適当なコーティング方法を使用して行うことができる。例えば,複数層が順次的な上記のコーディング方法によりコーティングされて加えられる。なお,これらの層は後続層を加える前に乾燥される。
【0072】
【実施例1】
実施例1では,電子輸送化合物の合成について説明する。ここでは電子輸送化合物として(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリルの製造について説明する。
【0073】
先ず,濃硫酸460g(4.7モル,分析レベル,Sigma−Aldrich,Milwaukee,WIから購入可能)及び100gのジジフェニック酸(0.41モル,AcrosFisherScientificCompanyInc.,HanoverPark,ILから購入可能)を温度計,機械的撹拌器及び還流凝縮機を装着した1リットル−3口丸底フラスコに加えた。加熱マントルを使用し,上記フラスコを135〜145℃で12分間加熱し,室温に冷却した。室温に冷却した後,溶液を3リットルの水を含む4リットル−アーレンマイヤフラスコに加えた。混合物を機械的に撹拌し,1時間ゆっくり沸騰させた。黄色固体を濾過除去し,洗浄水のpHが中性になるまで熱湯で洗浄して,一晩中空気乾燥させた。黄色固体はフルオレノン−4−カルボキシル酸であった。
【0074】
このフルオレノン−4−カルボキシル酸の収率は75g(80%)であった。この産物の特性を分析すると次に示すようになる。融点(m.p.)は223〜224℃であった。フルオレノン−4−カルボキシル酸のH−NMRスペクトルはBrukerInstrumentからの300MHzNMRでd−DMSO溶媒中から得た。ピークは(ppm)δ=7.39〜7.50(m,2H),δ=7.79〜7.70(q,2H),δ=7.74〜7.85(d,1H),δ=7.88〜8.00(d,1H)及びδ=8.18〜8.30(d,1H)と分かった。ここで,dはダブレットであり,tはトリプレット,mはマルチプレット,ddはダブルダブレット,qはクインテットである。
【0075】
次に,上述の如く得られたフルオレノン−4−カルボキシル酸を70g(0.312モル),n−ブタノール480g(6.5モル)(FisherScientificCompanyInc.,HanoverPark,ILから購入可能),トルエン1,000ミリリットル及び濃硫酸4ミリリットルを,機械的撹拌器及びDeanStark装置を備えた還流凝縮機を装着した2リットル−丸底フラスコに加えた。強く撹拌して還流させつつ溶液を5時間還流させ,その最中でDeanStark装置から6gほどの水を収集した。上記フラスコを室温に冷却した。溶媒を蒸発させ,残留物を撹拌しつつ3%のソジウムバイカーボネート水性溶液4リットルに加えた。固体を濾過除去し,洗浄水のpHが中性になるまで水で洗浄し,フードで一晩中乾燥させた。産物はn−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルであった。
【0076】
n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルの収率は70g(80%)であった。n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルのH−NMRスペクトルはBrukerInstrumentからの300MHzNMRでCDClのうちから得た。ピークは(ppm)δ=0.87〜1.09(t,3H),δ=1.42〜1.70(m,2H),δ=1.75〜1.88(q,2H),δ=4.26〜4.64(t,2H),δ=7.29〜7.45(m,2H),δ=7.46〜7.58(m,1H),δ=7.60〜7.68(dd,1H),δ=7.75〜7.82(dd,1H),δ=7.90〜8.00(dd,H),δ=8.25〜8.35(dd,1H)であることが分かった。
【0077】
続いて,上述の如く得られたn−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステル70g(0.25モル),無水メタノール750ミリリットル,マロノニトリル37g(0.55モル)(Sigma−Aldrich,Milwaukee,WIから購入可能)ピペリジン20滴(Sigma−Aldrich,Milwaukee,WIから購入可能)を機械的撹拌器及び還流凝縮機を装着した2リットル−3口丸底フラスコに加えた。溶液を8時間還流させ,フラスコを室温に冷却した。オレンジ色クルード産物を濾過し,メタノール70ミリリットルで2回洗浄して水150ミリリットルで1回洗浄し,フードで一晩中乾燥させた。オレンジ色クルード産物を活性炭を使用してアセトン600ミリリットル及びメタノール300ミリリットルの混合物から再結晶させた。上記フラスコを0℃にして16時間放置した。結晶を濾過して50℃にて真空オーブンで6時間乾燥させ,純粋(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル60gを得た。
【0078】
(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルの固体の融点(m.p.)は99−100℃と分かった。また(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルのH−NMRスペクトルはBrukerInstrumentからの300MHzNMRでCDCl中から得た。ピークは(ppm)δ=0.74〜1.16(t,3H),δ=1.38〜1.72(m,2H),δ=1.70〜1.90(q,2H),δ=4.29〜4.55(t,2H),δ=7.31〜7.43(m,2H),δ=7.45〜7.58(m,1H),δ=7.81〜7.91(dd,1H),δ=8.15〜8.25(dd,1H),δ=8.42〜8.52(dd,1H),δ=8.56〜8.66(dd,1H)であることが分かった。
【0079】
【実施例2】
次に,実施例2について説明する。ここでは,有機感光体の製造について説明する。本実施例は有機感光体のうち電子輸送化合物と組合わせられた紫外線光安定剤より形成された5種類のサンプル(サンプル1〜5)についての性能パラメータの結果を2種類の比較サンプル(比較サンプルA,B)と共に提示したものである。
【0080】
(比較サンプルAの製造)
ここで,有機感光体についての比較サンプルAの製造について説明する。比較サンプルAは,気相コーティングされたアルミニウム層を備える76.2μm(3mil)厚さのポリエステル支持体を含む単一層有機感光体に関するものである(CPFilms,Martinsville,VAから購入可能)。単一層有機感光体についてのコーティング溶液はテトラヒドロフラン中の20重量%(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g,テトラヒドロフラン中の25重量%のMPCT−10(エンアミン−スチルベン系電荷輸送物質,三菱製紙(株)から購入可能)6.66g及びテトラヒドロフラン中の12重量%ポリビニルブチラル樹脂(BX−1,積水化学(株)から購入可能)7.65gを事前混合することにより製造した。19重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5,積水化学(株)から購入可能)を重量比2.3:1に含むCGMミルベース0.74gを前記混合物に加えた。CGMミルベースは,メチルエチルケトン(MEK)651g中のチタニルオキシフタロシアニン(H.W.SandsCorp.,Jupiter,FL)112.7g及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5)49gを1μmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(モデルLMC12DCMS,NetzIncorporated,Exton,PAから購入可能)上にて再循環モードを使用して4時間粉砕することにより得た。機械的撹拌器上にて1時間混合した後,単一層コーティング溶液を94μmの間隙を有するナイフコーティング器を使用して前記叙述した支持体上にコーティングし,110℃のオーブンで5分間乾燥させた。
【0081】
(サンプル1〜3の製造)
次に,有機感光体についてのサンプル1〜3の製造について説明する。サンプル1〜3は比較サンプルAとほぼ同様の方法で製造した。但し,12重量%ポリビニルブチラル樹脂溶液0.53g部分の代わりに,それぞれテトラヒドロフラン中の12重量%Tivunin124(サンプル1)0.53g,12重量%Tivunin292(サンプル2)0.53gまたは12重量%Tivunin928(サンプル3)0.53g(いずれもCibaSpecialtyChemicalCorp.,Terrytown,NYから購入可能な光安定剤)を使用した点で,比較サンプルAの製造方法と異なる。
【0082】
(比較サンプルBの製造)
有機感光体についての比較サンプルBは,サンプル4及び5と同時に製造してテストした点を除いて,上記比較サンプルAと同様の方法で製造した。
【0083】
(サンプル4の製造)
有機感光体についてのサンプル4は,12重量%ポリビニルブチラル樹脂溶液0.96g部分の代わりに,テトラヒドロフラン中の12重量%Tivunin2920.43g及び12重量%Tivunin9280.53gを使用したは点を除いては,上記比較サンプルAと同様の方法で製造した。
【0084】
(サンプル5の製造)
有機感光体についてのサンプル5は,12重量%ポリビニルブチラル樹脂溶液0.37g部分の代わりに,テトラヒドロフラン中の12重量%Tivunin2920.08g及び12重量%Tivunin9280.29gを使用したは点を除いて,上記比較サンプルAと同様の方法で製造した。
【0085】
【実施例3】
実施例3では,有機感光体の静電テスト及び特性について説明する。本実施例は実施例2に記載したように製造された有機感光体のサンプル1〜5について,静電テストの結果を説明する。
【0086】
ここに記載された有機感光体の静電気サイクリング性能は,例えば160mmドラム周囲に巻かれた手作りコーティングされたサンプルストリップをテストできる本出願人の社内で考案されて開発されたテストベッドを使用して決定されうる。このようなサンプルについての結果は,有機感光体を支持するベルト,ドラムのような他の支持体構造でも得られる結果の指標としても使用することができる。
【0087】
ここでは,160mmドラムを使用してテストした。有機感光体のサンプルはそれぞれ長さが50cmであり,幅が8.8cmである3つのコーティングされたサンプルストリップを互いに並べてアルミニウムドラム(50.3cm円周)を完全に覆い囲むように固定した。例えばストリップ中の少なくとも一つは精密ウェブコーティングされ,内部基準点として使われる比較例である。このような静電サイクリングテスタにおいて,ドラムは8.13cm/秒(3.2ips)の速度で回転し,テスタ内のそれぞれのステーション位置(サイクル当たりの距離及び経過時間)は下記表1に示す。
【0088】
【表1】
Figure 2004004867
イレイズバーは有機感光体の表面を放電させる720nmの波長を有するレーザ発光ダイオード(LED)の配列である。スコロトロン帯電器は所望の正電荷を有機感光体の表面に転写できる電線を含む。
【0089】
上記表1によれば,第1静電プローブ(Trek344静電気メータ,Trek,Inc.Medina,NY)はレーザストライクステーション後0.34秒及びスコロトロン後0.78秒に位置するが,第2静電プローブ(Trek344静電気メートル)は第1プローブから1.21秒及びスコロトロンから1.99秒に位置することが分かる。なお,これら全ての実験は周辺温度及び相対湿度下で行った。
【0090】
上記静電数値は,160mmドラムを有するテストステーション上にて数回作動させた結果を編集して得たものである。最初3回の診断テスト(プロードテスト初期,VlogE初期,暗減衰初期)は,新しいサンプルについての静電気サイクリングを評価するためのものであり,診断テストと同一の最後3回のテスト(プロードテスト最終,VlogE最終,暗減衰最終)はサンプルのサイクリング以後に行われた。付加的に,後述する「ロングラン」のテストに記載したようにテスト最中に周期的に測定した。レーザは780nm波長,600dpi,50μmスポットサイズ,60ns(ナノ秒)/画素露光時間,秒スキャン速度当たり1,800行及び100%デューティサイクルで作動された。デューティサイクルは画素クロック時間の露光百分率を意味し,すなわち上記レーザは100%デューティサイクルで画素当たり60nsずっとオンになっている。
【0091】
(静電テスト)
(1)プロードテスト:電荷許容電圧(Vacc)及び放電電圧(Vdis)はサンプルを3回の完全なドラム回転の間コロナ充電(イレーズバー常にオン)させて(レーザオフ),4回目の回転で780nm&600dpiのレーザで放電し(50μmスポットサイズ,60ns/画素露光,秒当たり1,800行のスキャンスピードで作動,100%デューティサイクル使用),次の3回目の回転の間完全に充電し(レーザオフ),残留電圧(Vres)を得るために8回目の回転で720nmのイレーズランプだけで放電し(コロナ及びレーザオフ),最終的に最後の3回目の回転の間完全に充電(レーザオフ)することにより測定した。対照電圧(Vcon)は,Vacc及びVdis間の差であり,機能的暗減衰(Vdd)はプローブ1と2とにより測定された電荷受容ポテンシャルの差である。
(2)VlogE:本テストは多様なレーザ強度レベルによる光伝導体の光誘導放電を固定された露光時間及び一定の初期ポテンシャルでレーザ出力(50nsの露出持続時間)の関数としてサンプルの放電電圧をモニタリングすることにより測定する。機能的光敏感度,S780nm及び作動出力セッティングはこのような診断テストから決定することができる。
(3)暗減衰:本テストは,90分間レーザまたはイレーズ照射なく,経時的な暗所での電荷受容の損失を測定し,それは(i)電荷発生層から電荷輸送層への残留正孔の注入,(ii)トラッピングされた電荷の熱的放出及び(iii)表面またはアルミニウムグラウンド平面から電荷の注入についての指標として使うことができる。
(4)ロングラン:次の順序によりそれぞれのサンプル−ドラム回転当たり,100〜1,000ドラム回転の間,サンプルを静電的にサイクリングさせた。サンプルはコロナで充電させ,サンプルの一部分を放電するためにレーザをオンオフさせてサイクリングし(80−100゜),最終的に次のサイクルを準備するためにイレーズランプによりサンプル全体を放電させた。サンプルの第1セクションは決して露光されず,第2セクションは常に露光され,第3セクションは決して露光されず,最終セクションは常に露光さるべくレーザをサイクリングさせた。このようなパターンを全て100〜1,000ドラム回転の間反復し,データを100サイクルロングランについては5回目のサイクルごとに,または1,000サイクルロングランについては50回目のサイクルごとに周期的に記録した。
(5)ロングランテスト後にはプロードテスト,VlogE,暗減衰診断テストを再び行った。
【0092】
下記表2,3は,プロードテスト初期及びプロードテスト最終診断テストの結果を示したものである。電荷許容電圧(Vacc,プローブ1平均電圧は3回目サイクルから得られる),放電電圧(Vdis,プローブ1平均電圧は4回目サイクルから得られる)は初期及び最終サイクルについて記録した。
【0093】
【表2】
Figure 2004004867
備考:
1)Vacc−1及びVdis−1はサイクリング開始時の電荷受容及び放電電圧である。
2)Vacc−2及びVdis−2はサイクリングの終了時の電荷受容及び放電電圧である。
3)△Vacc及び△Vdisは1,000サイクル後の電荷受容及び放電電圧の差である。
4)「サンプル1−テスト1」及び「サンプル2−テスト2」について表2に列挙された結果は2つの新しいサンプル1を作動させることにより得たものである。
【0094】
【表3】
Figure 2004004867
備考:
1)Vacc−1及びVdis−1はサイクリングの開始時の電荷受容及び放電電圧である。
2)Vacc−2及びVdis−2はサイクリングの終了時の電荷受容及び放電電圧である。
3)△Vacc及び△Vdisは言及したように,1,000サイクルまたは4,000サイクル後の電荷受容及び放電電圧の差である。
【0095】
表2及び3の結果によれば,本発明にかかる改善された有機感光体のサンプル1〜5を比較サンプルA,Bと比較した時に,許容電圧Vaccが顕著に下がった変化を有していることがわかる。特に,紫外線光安定剤との混合物を含むサンプル4及び5は△Vaccのサイズにおいて特別に低い値を示す。
【0096】
以上,添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0097】
例えば,本発明にかかる有機感光体は,電子写真式による複写機,スキャナ及び他の電子装置の他,レーザプリンタなど広く電子写真式の画像形成装置に適用することができる。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば,高いVacc及び低いVdisを有してサイクリングテスト,結晶化,ベンディング及びストレッチングにおいて高い安定性を有する有機感光体,電子写真式画像形成装置,電子写真式画像形成方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる導電性支持体上の光伝導層を含む有機感光体についての概略的な側面図である。
【図2】同実施形態にかかる導電性支持体上の電荷発生層及び電荷輸送層を順次的に含む有機感光体についての概略的な側面図である。
【図3】同実施形態にかかる導電性支持体上の電荷輸送層及び電荷発生層を順次的に含む有機感光体についての概略的な側面図である。
【図4】同実施形態において電子輸送化合物が電荷発生化合物と異なる層に存在する場合の有機感光体の構成例であって,導電性支持体上の電荷輸送層,電荷発生層及び電子輸送層を順次的に含む有機感光体についての概略的な側面図である。
【図5】同実施形態において電子輸送化合物が電荷発生化合物と異なる層に存在する場合の有機感光体の構成例であって,導電性支持体上の電子輸送層,電荷発生層及び電荷輸送層を順次的に含む有機感光体についての概略的な側面図である。
【符号の説明】
100  有機感光体
102  導電性支持体
104  光導電層
110  有機感光体
112  導電性支持体
114  電荷発生層
116  電荷輸送層
120  有機感光体
122  導電性支持体
124  電荷輸送層
126  電荷発生層
130  有機感光体
132  導電性支持体
134  電荷輸送層
136  電荷発生層
138  電荷輸送層
150  有機感光体
152  導電性支持体
154  電荷輸送層
156  電荷発生層
158  電荷輸送層

Claims (21)

  1. 導電性支持体の表面上に光伝導性要素を有する有機感光体であって,
    前記光伝導性要素は,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む第1層を含むことを特徴とする有機感光体。
  2. 前記有機感光体は,柔軟性ベルトの形態であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記有機感光体は,ドラムの形態であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  4. 前記紫外線光安定剤は,障害トリアルキルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  5. 前記紫外線光安定剤は,下記化学式1(化学式1において,R,R,R,R,R,R,R,R10,R11,R12,R13,R15,R16は独立的に水素,アルキル基,エステルまたはエステル基であり,R,R及びR14は独立的にアルキル基であり,Xは−O(CH−CO−O−よりなる群から選択された連結基であり,ここでmは2〜20である。)を有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
    Figure 2004004867
    (化学式1)
  6. 前記第1層が電荷発生化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  7. 前記光伝導性要素は,前記第1層とは別の層内に存在する電荷発生化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  8. 前記第1層は,電荷輸送化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  9. 前記第1層は,電荷輸送化合物及び電荷発生化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  10. 前記有機感光体は,1,000サイクル以後に,初期許容電圧と比較して20%以下の許容電圧変化を有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  11. 前記有機感光体は,1,000サイクル以後に,430V以上の許容電圧を有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  12. 前記第1層は,10〜50重量%の電子輸送化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  13. 前記第1層は,4〜30重量%の電子輸送化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  14. 前記第1層は,0.5〜25重量%の紫外線光安定剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  15. 光画像形成成分と,この光画像形成成分からの光を受容するために配列された有機感光体とを有する電子写真式画像形成装置であって,
    前記有機感光体は,導電性支持体の表面上に光伝導性要素を含み,
    前記光伝導性要素は,ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含むことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
  16. 前記紫外線光安定剤は,障害トリアルキルアミンであることを特徴とする請求項15に記載の電子写真式画像形成装置。
  17. 前記紫外線光安定剤は,下記化学式1(但し,下記化学式1において,R,R,R,R,R,R,R,R10,R11,R12,R13,R15,R16は独立的に水素,アルキル基,エステルまたはエステル基であり,R,R及びR14は独立的にアルキル基であり,Xは−O(CH−CO−O−よりなる群から選択された連結基であり,ここでmは2〜20である。)を有することを特徴とする請求項15に記載の電子写真式画像形成装置。
    Figure 2004004867
    (化学式1)
  18. 導電性支持体の表面上に光伝導性要素を有する有機感光体を用いる電子写真式画像形成方法であって,
    ポリマーバインダ,電子輸送化合物及び紫外線光安定剤を含む前記光伝導性要素を有する有機感光体の表面に電気的電荷を印加する段階と,
    前記有機感光体の表面を露光して,前記有機感光体の表面上の選択された領域に電荷を消散することにより前記表面上に帯電及び非帯電領域のパターンの画像を形成する段階と,
    前記有機感光体の表面をトナーと接触させてトーン画像を形成する段階と,
    前記トーン画像を受容支持体に転写する段階と,
    を有することを特徴とする電子写真式画像形成方法。
  19. 前記紫外線光安定剤は,障害トリアルキルアミンであることを特徴とする請求項18に記載の電子写真式画像形成方法。
  20. 前記紫外線光安定剤は,下記化学式1(但し,下記化学式1において,R,R,R,R,R,R,R,R10,R11,R12,R13,R15,R16は独立的に水素,アルキル基,エステルまたはエステル基であり,R,R及びR14は独立的にアルキル基であり,Xは−O(CH−CO−O−よりなる群から選択された連結基であり,ここでmは2〜20である。)を有することを特徴とする請求項18に記載の電子写真式画像形成方法。
    Figure 2004004867
    (化学式1)
  21. 前記トナーが有機液体中の着色剤粒子の分散物を含む湿式トナーを含むことを特徴とする請求項18に記載の電子写真式画像形成方法。
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