JP2004361951A - アジン系電荷輸送物質、それを含む有機感光体及び電子写真画像形成装置、並びにそれを利用した電子写真画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いVacc及び低いVdisのような優秀な静電気的特性を有する新規かつ改良された電荷輸送物質、この電荷輸送物質を含む有機感光体、この有機感光体を含む電子写真画像形成装置及びこの有機感光体を利用する電子写真画像形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の有機感光体は、導電性支持体とこの導電性支持体上の光導電性要素とを含み、光導電性要素は、(a)下記化学式1を有する電荷輸送物質と、(b)電荷発生化合物と、を含む。
【化1】
化学式1で、Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基であり、Xは、少なくともY1及びY2に対してπ電子の非局在化を可能にする共役連結基ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の有機感光体は、導電性支持体とこの導電性支持体上の光導電性要素とを含み、光導電性要素は、(a)下記化学式1を有する電荷輸送物質と、(b)電荷発生化合物と、を含む。
【化1】
化学式1で、Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基であり、Xは、少なくともY1及びY2に対してπ電子の非局在化を可能にする共役連結基ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、2つのフルオレノンアジン基を有する改善された電荷輸送物質、それを含む有機感光体及び電子写真画像形成装置、並びにそれを利用した電子写真画像形成方法に関する。
電子写真法において、導電性支持体上に電気絶縁性の光導電性要素を備えるプレート、ディスク、シート、ベルト、ドラムのような形態の有機感光体は、まず光導電性要素の表面を均一に静電気的に帯電させた後、帯電された表面を光パターンに露出させることによって画像が形成される。露光は、光導電性要素の表面に光が衝突して照射された領域に電荷を選択的に消散させることによって、帯電領域と非帯電領域のパターン、いわゆる潜像を形成する。
次いで、湿式または乾式トナーが潜像の隣接部位に提供され、トナー滴または粒子は、トナーの特性によって帯電領域又は非帯電領域のうち何れか一つに付着して光導電性要素の表面上にトーン画像を形成できる。これにより生成されたトーン画像は、紙のような好適な最終または中間受容体の表面に転写されるか、または光導電性要素が最終画像受容体として機能できる。上記画像形成工程を数回反復して、例えば、別個の色彩成分よりなる画像を重畳させて単一画像を完成するか、または別個の色彩の画像を重畳するように、陰影画像を発生させてフルカラーの最終画像を形成及び/または追加画像を再生する。
有機感光体には、単一層及び多重層の光導電性要素が全て使われてきた。単一層の具現例では、電荷発生化合物、電荷輸送化合物及びこれらの組み合わせよりなる群から選択された電荷輸送物質は、ポリマーバインダーと結合され、次いで、導電性支持体上に付着される。電荷輸送化合物に基づいた多重層具現例では、電荷輸送化合物及び電荷発生化合物は別個の層を形成し、これらそれぞれは選択的にポリマーバインダーと結合されて、導電性支持体上に付着する。これには2つの配列が可能である。一つの配列では(“二重層”配列)、電荷発生層が導電性支持体上に付着され、電荷輸送層が電荷発生層上に付着される。他の配列では(“逆二重層”配列)、電荷輸送層と電荷発生層との順序が逆になる。
電荷発生物質の目的は、単一層及び多重層の光導電性要素いずれでも、露光時に電荷キャリヤ(すなわち、正孔及び/または電子)を発生させることである。電荷輸送物質の目的は、このような電荷キャリヤを受容して光導電性要素の表面電荷を放電するために電荷輸送層を通じてこれら電荷キャリヤを輸送することである。電荷輸送物質は、電荷輸送化合物、電子輸送化合物、または両者の組み合わせでありうる。電荷輸送化合物が使われる場合には、電荷輸送化合物は、正孔キャリヤを受容して電荷輸送化合物が存在する層を通じてこれら正孔キャリヤを輸送する。電子輸送化合物が使われる場合には、電子輸送化合物は、電子キャリヤを受容して電子輸送化合物が存在する層を通じてこれら電子キャリヤを輸送する。
本発明の目的は、高いVacc及び低いVdisのような優秀な静電気的特性を有する新規かつ改良された電荷輸送物質、この電荷輸送物質を含む有機感光体、この有機感光体を含む電子写真画像形成装置及びこの有機感光体を利用する電子写真画像形成方法を提供することにある。
上記本発明の課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、導電性支持体及びこの導電性支持体上の光導電性要素とを含む有機感光体であって、光導電性要素は、(a)下記化学式1を有する電荷輸送物質と、(b)電荷発生化合物と、を含む有機感光体が提供される。
前記化学式1で、Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基であり、Xは、少なくともY1及びY2に対してπ電子の非局在化を可能にする共役連結基である。具体的には、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
有機感光体は、例えば、プレート、軟質ベルト、軟質ディスク、シート、硬質ドラムまたは硬質もしくは軟性ドラムを取り囲むシート状で提供されうる。一具現例において、有機感光体は、(a)電荷輸送物質、電荷発生化合物、選択的に第2電荷輸送物質及び選択的にポリマーバインダーを含む光導電性要素と、(b)導電性支持体とを含んでいてもよい。
上記本発明の他の課題を解決するために、本発明の第2の観点によれば、(a)光画像形成成分と、(b)導電性支持体及びこの導電性支持体上の光導電性要素を含み、上記光画像形成成分から光を受容するように配向された有機感光体とを含む電子写真画像形成装置が提供される。ここで、前記光導電性要素は、(i)下記化学式1を有する電荷輸送物質と(ii)電荷発生化合物とを含んでいてもよい。電子写真画像形成装置は、トナー分配器をさらに含みうる。上述
上記本発明のさらに他の課題を解決するために、本発明の第3の観点によれば、(a)上述導電性支持体及びこの導電性支持体上の光導電性要素を含む有機感光体の表面に電荷を印加する段階であって、上記光導電性要素は、(i)下記化学式1を有する電荷輸送物質及び(ii)電荷発生化合物を含む帯電段階と、(b)上記有機感光体の表面を画像に沿って露光させ、選択された領域に電荷を消散させることにより、有機感光体の表面上に少なくとも相対的に帯電領域及び非帯電領域のパターンを形成する段階と、(c)有機感光体の表面を有機液体中の着色剤粒子の分散物を含む湿式トナーなどのトナーと接触させてトーン画像を形成する段階と、(d)このトーン画像を導電性支持体に転写させる段階と、を含む電子写真画像形成方法が提供される。
上記本発明のさらに他の課題を解決するために、本発明の第4の観点によれば、上述したような化学式1を有する電荷輸送物質が提供される。
本発明によれば、優秀な機械的、静電気的、及び溶解度特性の組み合わせを有する有機感光体に適した電荷輸送物質を提供することができる。したがって、本発明の有機感光体は、湿式及び乾式トナーに有用に使われて高品質の画像を形成することができる。また、このような高品質の画像を形成するためのシステムは、サイクル反復後にも維持されうる。
以下に,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態による有機感光体は、導電性支持体と、電荷発生化合物及び共役連結基を介して連結された2つの9−フルオレノンアジン基を有する電荷輸送物質と、を含む光導電性要素を有する。電荷輸送物質は、電子写真法の有機感光体でその性能が立証されるように望ましい特性を有する。特に、本実施形態の電荷輸送物質は、電荷キャリヤ移動度が高く、多様なバインダー物質との相容性に優れるので、卓越した電子写真画像形成特性を有する。
本実施形態による有機感光体は、高い感光度及び低い残留電位を有し、サイクルテスト、結晶化、有機感光体ベンディング及びストレッチングに対する高い安定性を有する。有機感光体は、特にFAX、複写機、スキャナー及び電子写真法に基づいた他の電子装置はもとより、レーザプリンタに有用に使われうる。電荷輸送物質の用途は、以下に述べるレーザプリンタの用途と関連した部分でさらに詳細に記載されているが、下記の事項から電子写真法で作動される他の装置への応用も一般化しうる。
高品質の画像、特に多数のサイクル後に高品質の画像を形成するために、電荷輸送物質は、ポリマーバインダーと均一の溶液を形成し、電荷輸送物質のサイクリング時、有機感光体物質にほぼ均一に分布されていることが望ましい。また、電荷輸送物質が受容できる電荷量(受容電圧または“Vacc”と知られたパラメータで表示される)を増加させ、放電時に電荷の保存量(放電電圧または“Vdis”と知られたパラメータで表示される)を減少させることが望ましい。
電荷輸送物質は、電荷輸送化合物と電子輸送化合物とに分類されうる。電子写真法に利用可能な当業界で公知の多くの電荷輸送化合物及び電子輸送化合物が存在する。電荷輸送化合物の非制限的な例としては、例えば、ピラゾリン誘導体類、フルオレン誘導体類、オキサジアゾール誘導体類、スチルベン誘導体類、エナミン誘導体類、エナミンスチルベン誘導体類、ヒドラゾン誘導体類、カルバゾールヒドラゾン誘導体類、トリアリールアミン類のような(N,N−二置換された)アリールアミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリアセナフチレン、または多重ヒドラゾン化合物(少なくとも二つのヒドラゾン基、トリフェニルアミンのような(N,N−二置換された)アリールアミン、カルバゾール、ジュロリジン、フェノチアジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ジベンゾ(1,4)ダイオキシン、チアントレン、イミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、インドール、インダゾール、ピロール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チオフェン、チアナフテン、キナゾリンまたはシノリンのような複素環式化合物よりなる群から選択された少なくとも二つの基を含む)がある。
電子輸送化合物の非制限的な例としては、例えば、ブロモアニリン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン及び1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、(2,3−ジフェニル−1−インデニリデン)マロノニトリル、4H−チオピラン−1,1−ジオキシド及び4−ジシアノメチレン−2,6−ジフェニル−4H−チオピラン−1,1−ジオキシド、4−ジシアノメチレン−2,6−ジ−m−トリル−4H−チオピラン−1,1−ジオキシドのような誘導体及び4H−1,1−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−フェニル−4−(ジシアノメチリデン)チオピラン及び4H−1,1−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−(2−チエニル)−4−(ジシアノメチリデン)チオピランのような非対称置換された2,6−ジアリール−4H−チオピラン−1,1−ジオキシド、フォスファ−2,5−シクロヘキサジエンの誘導体類、(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル、(4−フェンエトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル、(4−カルビトキシ−9−フルオレニリデン)マロノニトリル、及びジエチル(4−n−ブトキシカルボニル−2,7−ジニトロ−9−フルオレニリデン)−マロネートのような(アルコキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル誘導体類、11,11,12,12−テトラシアノ−2−アルキルアントラキノジメタン及び11,11−ジシアノ−12,12−ビス(エトキシカルボニル)アントラキノジメタンのようなアントラキノジメタン誘導体類、1−クロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン、1,8−ジクロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン、1,8−ジヒドロキシ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン及び1−シアノ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロンのようなアントロン誘導体類、7−ニトロ−2−アザ−9−フルオレニリデン−マロノニトリル、ジフェノキノン誘導体類、ベンゾキノン誘導体類、ナフトキノン誘導体類、キニン誘導体類、テトラシアノエチレンシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン誘導体類、ジニトロアントラセン誘導体類、ジニトロアクリジン誘導体類、ニトロアントラキノン誘導体類、ジニトロアントラキノン誘導体類、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、ピレン誘導体類、カルバゾール誘導体類、ヒドラゾン誘導体類、N,N−ジアルキルアニリン誘導体類、ジフェニルアミン誘導体類、トリフェニルアミン誘導体類、トリフェニルメタン誘導体類、テトラシアノキノエジメタン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン誘導体類及び2,4,8−トリニトロチオキサントン誘導体類、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載された1,4,5,8−ナフタレンビス−ジカルボキシイミド誘導体及び特許文献4に記載されたフェニルアゾキノリドを含む。関心の対象となるいくつかの具現例において、電子輸送化合物は、(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルのような(アルコキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル誘導体、及び1,4,5,8−ナフタレンビス−ジカルボキシイミド誘導体を含む。
多数の電荷輸送物質が使用可能であるが、特定の電子写真法分野の多様な要求条件を充足させるためには、他の電荷輸送物質は依然として必要である。
電子写真分野において、有機感光体に含まれる電荷発生化合物は、光を吸収して電子−正孔対を形成する。このような電子及び正孔は、強い電場の下で適切な時間帯をかけて輸送されて、電場を発生させている表面電荷を局部的に放電させうる。特定領域での電場の放電は、光によって描かれたパターンと本質的に対応する表面電荷パターンを形成する。
このような電荷パターンは、トナー付着の誘導に使用されうる。上述したような電荷輸送物質は、電荷輸送、特に電荷発生化合物によって形成された電子−正孔対からの正孔輸送に効果的である。いくつかの具現例において、特定電子輸送化合物または電荷輸送化合物はまた、本実施形態の電荷輸送物質と共に使用されうる。
電荷発生化合物及び電荷輸送物質を含む物質層または複数の物質層は、有機感光体に含まれる。有機感光体を利用して2次元画像を印刷するために、有機感光体は、少なくとも画像の一部を形成するための2次元表面を有する。画像形成工程は、以後、完全な画像の形成の完成及び/または後続画像の形成のために有機感光体をサイクリングさせることによって続けられる。
有機感光体は、プレート、軟質ベルト、ディスク、硬質ドラム、または硬質もしくは軟性ドラムを取り囲むシートのような形態で提供されうる。電荷輸送物質は、電荷発生化合物と同じ層に存在するか、及び/または電荷発生化合物と相異なる層に存在できる。付加層も、後述するように、使用されうる。
いくつかの具現例において、有機感光体物質は、例えば、(a)電荷輸送物質及びポリマーバインダーを含む電荷輸送層と、(b)電荷発生化合物及びポリマーバインダーを含む電荷発生層と、(c)導電性支持体と、を含む。電荷輸送層は、電荷発生層と導電性支持体との間に位置できる。一方、電荷発生層は、電荷輸送層と導電性支持体との間に位置できる。他の具現例で、有機感光体物質は、ポリマーバインダー内に電荷輸送物質と電荷発生化合物とを何れも有する単一層を有することがある。
有機感光体は、レーザプリンタのような電子写真画像形成装置に統合されうる。このような装置において、画像は物理的な実体から形成され、有機感光体上にスキャニングされた光画像に転換されることによって、表面潜像が形成される。表面潜像は、有機感光体の表面上にトナーを引き付けるのに使われるが、トーン画像は、有機感光体上に投射された光画像と同一であるか、またはその反転画像である。トナーは、湿式または乾式トナーでありうる。この後、トナーは、有機感光体の表面から紙シートのような受容体表面に連続的に転写される。トナー転写後、表面全体は放電され、電荷輸送物質は再びサイクリングされるように準備される。画像形成装置は、例えば、紙受容媒体の輸送及び/または感光体の移動のための複数の支持ローラ、光画像の形成に適した光学的性質を有する光画像形成成分、レーザのような光源、トナー供給源及びトナー輸送システム及び好適な制御システムをさらに含んでいてもよい。
電子写真画像の形成方法は、一般的に、(a)上述したような有機感光体の表面に電荷を印加する段階と、(b)有機感光体の表面を画像に沿って露光させ、選択された領域に電荷を消散させることによって、有機感光体の表面上に帯電領域及び非帯電領域のパターンを形成する段階と、(c)有機感光体の表面を有機液体中の着色剤粒子の分散物を含む湿式トナーなどのトナーに接触させて、有機感光体の帯電領域または非帯電領域にトナーを引き付けてトーン画像を形成する段階と、(d)トーン画像を導電性支持体に転写させる段階と、を含む。
本実施形態による改善された電荷輸送物質は、少なくとも二つのアジン基を含む。詳細には、改善された電荷輸送物質は、下記化学式1を有する。
化学式1で、Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基である。また、Xは、少なくともY1及びY2に対して化学式1でπ電子の非局在化を可能にする共役連結基であって、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせである。
複素環基は、環にS、O、N、P、Bのような少なくとも一つのヘテロ原子を有する任意の複素環基でありうる。好適な複素環基の非制限的な例としては、エポキシ基、チイラニル基、アジリジニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロピロリル基、ピロリデニル基、ピぺリジニル基、及び下記芳香族複素環基がある。
本実施形態の共役連結基は、少なくともY1及びY2に対して化学式1でπ電子の非局在化を可能にする任意の連結基である。好適な共役連結基の非制限的な例としては、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせを含む。
芳香族基は、4n+2π個の電子を含有する任意の共役系を成すことができる。芳香性を決定するための多くの基準が存在する。芳香性の定量的な分析のために広く採用される尺度は、共鳴エネルギーである。詳細には、芳香族基は、共鳴エネルギーを有する。一部の具現例で、芳香族基の共鳴エネルギーは10KJ/モル以上である。他の具現例で、芳香族基の共鳴エネルギーは0.1KJ/モルより大きい。芳香族基は、4n+2個のπ電子を有する芳香環に一つ以上のヘテロ原子を含む芳香族複素環基、または4n+2個のπ電子を有する芳香環にヘテロ原子を含んでいないアリール基に分類されうる。芳香族基は、芳香族複素環基及びアリール基の組み合わせを含みうる。しかし、芳香族複素環及びアリール基のうち何れも4n+2個のπ電子を有する芳香環に結合された置換基に少なくとも一つのヘテロ原子を有しうる。また、芳香族複素環基及びアリール基のうち何れも単環式または多環式(例えば、二環式、三環式など)の環を含みうる。
芳香族複素環基の非制限的な例としては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、インドリル、カルバゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ぺタジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、アンチリジニル、プリニル、アロキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェノキサチイニル、ジベンゾ(1,4)ジオキシニル、チアントレニル、及びこれらの組み合わせがある。また、芳香族複素環基は、結合(ビカルバゾリルでのように)または連結基(1,6−ジ(10H−10−フェノチアジニル)へキサンでのように)のうち何れか一つによって共に結合された芳香族複素環基の任意の組み合わせを含みうる。連結基は、脂肪族基、芳香族基、複素環基、またはこれらの組み合わせを含みうる。また、連結基内の脂肪族基または芳香族基は、O、S及びNのような少なくとも一つのヘテロ原子を含みうる。アリール基の非制限的な例としては、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、トラニル基、セキシフェニレン、フェナントレニル、アントラセニル、コロネニル及びトラニルフェニルがある。また、アリール基は、結合(ビフェニルでのように)または連結基(スチルベニル、ジフェニルスルホン、アリールアミン基でのように)によって共に結合されたアリール基の任意の組み合わせを含みうる。連結基は、脂肪族基、芳香族基、複素環基、またはこれらの組み合わせを含みうる。さらに、連結基内の脂肪族基または芳香族基は、O、S及びNのような一つ以上のヘテロ原子を含みうる。
当業界で公知のように、化学的置換基について、移動性、感度、溶解度、相容性、安定性のような化合物の特性に多様な物理的な効果を及ぼす置換が自由に許容される。化学的置換基の記述において、用語の使用に反映される当業界に常識的な所定の慣行が存在する。基という用語は、総称された化合物(例えば、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、9−フルオレニリデン基、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基など)が上記基の結合構造と一致する任意の置換基を有しうることを意味する。例えば、「アルキル基」という用語が使われる場合には、この用語は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロへキシル、ドデシルのような非置換された直鎖型、分枝型及び環状アルキル類を含むだけでなく、3−エトキシプロピル、4−(N,N−ジエチルアミノ)ブチル、3−ヒドロキシペンチル、2−チオールヘキシル、1,2,3−トリブロモプロピルのようなヘテロ原子、及びフェニル、ナフチル、カルバゾリル、ピロールのような芳香族基を有する置換基も含む。しかし、上記命名法に一致するように、骨格基の基本的な結合構造を変化させるいかなる置換も上記用語に含まれない。例えば、フェニル基という用語が使われた場合には、2−または4−アミノフェニル、2−または4−(N,N−二置換された)アミノフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,4,6−トリチオフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニルのような置換は、フェニル基という用語に属するものとして許容されるが、1,1,2,2,3,3−ヘキサメチルフェニルの置換は、そのような置換によってフェニル基の環結合構造が非芳香族の形態に変化することが要求されるために許容されない。アルキルモイエティまたはフェニルモイエティのようなモイエティという用語が使われた場合には、この用語は化学的置換基の部分(moiety)が置換されないということを意味する。アルキルモイエティという用語が使われる場合には、この用語は分枝型、直鎖型または環状であるか否かに関係なく、非置換されたアルキル炭化水素基だけを意味する。
電荷輸送物質は、対称または非対称でありうる。したがって、例えば、Y1及びY2は、同一でも相異なっていてもよく、X基自体は、対称または非対称でありうる。また、電荷輸送物質としては、化学式1の化合物の異性体も含まれる。
(有機感光体)
有機感光体は、例えば、プレート、シート、軟質ベルト、ディスク、硬質ドラムまたは硬質または軟性ドラムを取り囲むシート型であり、このうち軟質ベルト及び硬質ドラムが一般的に商業的な具現例として使われている。有機感光体は、例えば、導電性支持体及びこの導電性支持体上に位置し、一つ以上の層状の光導電性要素を含みうる。光導電性要素は、同じ層に存在するか、または異なる層に存在するポリマーバインダー中に、電荷輸送物質及び電荷発生化合物はもとより、幾つかの具現例では、電荷輸送化合物または電子輸送化合物のような第2電荷輸送物質を含みうる。例えば、電荷輸送物質及び電荷発生化合物は同じ層に存在しうる。しかし、他の具現例で、光導電性要素は、電荷発生層及びそれとは別個の電荷輸送層を特徴とする2層構造も含まれる。電荷発生層は、導電性支持体と電荷輸送層との間に位置できる。また、光導電性要素は、電荷輸送層が導電性支持体と電荷発生層との間に位置する構造を有しうる。
有機感光体は、例えば、プレート、シート、軟質ベルト、ディスク、硬質ドラムまたは硬質または軟性ドラムを取り囲むシート型であり、このうち軟質ベルト及び硬質ドラムが一般的に商業的な具現例として使われている。有機感光体は、例えば、導電性支持体及びこの導電性支持体上に位置し、一つ以上の層状の光導電性要素を含みうる。光導電性要素は、同じ層に存在するか、または異なる層に存在するポリマーバインダー中に、電荷輸送物質及び電荷発生化合物はもとより、幾つかの具現例では、電荷輸送化合物または電子輸送化合物のような第2電荷輸送物質を含みうる。例えば、電荷輸送物質及び電荷発生化合物は同じ層に存在しうる。しかし、他の具現例で、光導電性要素は、電荷発生層及びそれとは別個の電荷輸送層を特徴とする2層構造も含まれる。電荷発生層は、導電性支持体と電荷輸送層との間に位置できる。また、光導電性要素は、電荷輸送層が導電性支持体と電荷発生層との間に位置する構造を有しうる。
導電性支持体は、例えば、軟質ウェブまたはベルト状の軟質であるか、または例えば、ドラム状の非軟質でありうる。ドラムは、画像形成工程中にドラムを回転させるドライブにドラムを接触させる中空円筒形構造を有しうる。通常、軟質導電性支持体は、電気絶縁性支持体及び光導電性物質が塗布された導電性物質薄層を含む。
電気絶縁性支持体は、紙またはポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニル樹脂、ポリビニルフルオライド、ポリスチレンのようなフィルム形成ポリマーでありうる。支持体支持用のポリマーの特定例としては、例えば、ポリエーテルスルホン(STABAR(商標)S−100、ICI社製)、ポリビニルフルオライド(TEDLAR(商標),E.I.DuPont de Nemours & Company製)、ポリビスフェノール−Aポリカーボネート(MAKROFOL(商標),Mobay Chemical Company製)、及び非晶質ポリエチレンテレフタレート(MELINAR(商標),ICI Americas,Inc.製)が含まれる。
導電性物質は、黒鉛、分散型カーボンブラック、ヨード化物、ポリピロール類及びCalgon(登録商標)導電性ポリマー261(米国,Pa.,Pittsburgh,Calgon Corporation,Inc.製)のような導電性ポリマー、アルミニウム、チタン、クロム、真ちゅう、金、銅、パラジウム、ニッケルまたはステンレス鋼のような金属または酸化スズまたは酸化インジウムのような金属酸化物でありうる。特に、関心の対象となる具現例において、導電性物質はアルミニウムである。一般的に、光導電支持体は、必要な機械的な安定性を提供できる好適な厚みを有する。例えば、軟質ウェブ支持体は、一般的に約0.01mm〜約1mmの厚みを有し、ドラム支持体は、一般的に約0.5mm〜約2mmの厚みを有する。
電荷発生化合物は、染料または顔料のように、光を吸収して電荷キャリヤを発生できる物質である。好適な電荷発生化合物の非制限的な例としては、例えば、金属−非存在フタロシアニン類(例えば、H.W.Sands,Inc.製のELA 8034金属−非存在フタロシアニンまたは山陽色素株式会社製のCGM−X01)、チタンフタロシアニン、銅フタロシアニン、オキシチタンフタロシアニン(チタニルオキシフタロシアニンという。電荷発生化合物として作用できる結晶相または結晶相混合物を含む)、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニン類、スクアリリウム染料及び顔料、ヒドロキシ−置換されたスクアリリウム顔料、ぺリルイミド類、INDOFAST(登録商標)Double Scarlet,INDOFAST(登録商標) Violet Lake B,INDOFAST(登録商標)Brilliant Scarlet及びINDOFAST(登録商標)Orangeという商標名でAllied Chemical Corporationから入手可能な多核キノン類、MONASTRAL(商標)Red,MONASTRAL(商標) Violet及びMONASTRAL(商標)Red Yという商標名でDuPont社から入手可能なキナクリドン類、ぺリノン類、テトラベンゾポルフィリン類及びテトラナフタロポルフィリン類を含むナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸誘導顔料類、インジゴ−及びチオインジゴ染料類、ベンゾチオキサンテン−誘導体類、ぺリレン3,4,9,10−テトラカルボン酸誘導顔料類、ビスアゾ−、トリスアゾ−及びテトラキスアゾ−顔料を含むポリアゾ−顔料類、ポリメチン染料類、キナゾリン基を含む染料類、3級アミン類、非晶質セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−砒素及びセレン−砒素のようなセレン合金類、カドミウムスルフォセレナイド、セレン化カドミウム、硫化カドミウム及びこれらの混合物を含む。いくつかの具現例で、電荷発生化合物は、オキシチタンフタロシアニン(例えば、この任意の相)、ヒドロキシガリウムフタロシアニンまたはこれらの組み合わせを含む。
本実施形態の光導電層は、電荷輸送化合物、電子輸送化合物またはこれらの組み合わせでありうる第2電荷輸送物質を選択的に含みうる。一般的に、当業界に公知の任意の電荷輸送化合物または電子輸送化合物が第2電荷輸送物質として使用されうる。
電子輸送化合物及び紫外線光安定化剤は、光導電体での望ましい電子フローを提供するように互いに上昇関係を有しうる。紫外線光安定化剤の存在は、電子輸送化合物の電子輸送特性を変化させて複合物の電子輸送特性を改善させる。紫外線光安定化剤は、自由ラジカルを捕獲する紫外線吸収剤または紫外線抑制剤でありうる。
紫外線光吸収剤は、紫外線を吸収してこれを熱に消散させうる。紫外線光抑制剤は、紫外線光によって発生した自由ラジカルを捕獲した後、次いで、エネルギーを消散させつつ活性安定化部分を再生させると考えられる。紫外線安定化剤と電子輸送化合物と間の上昇関係を考慮する時、紫外線安定化剤の特定の利点は、紫外線安定化能力が経時的な有機感光体の分解を減少させるという点でさらに利益がありうるが、これらの紫外線安定化能力であるとは言えない。電子輸送化合物及び紫外線安定化剤をいずれも含む層を有する有機感光体の改善された上昇作用性能は、「Organophotoreceptor With A Light Stabilizer(光安定化剤を有する有機感光体)」という名称で2003年4月28日付に出願されて、本発明の優先権主張の基礎となる出願と共同係留中のZhuの米国特許出願第10/425,333号明細書に記載されており、この内容は全体として引用されて本明細書に統合されている。
好適な光安定化剤の非制限的な例としては、例えば、Tin紫外線in 144及びTin紫外線in 292(米国,NY,Terrytown所在,Ciba Specialty Chemicals社製)のようなヒンダードトリアルキルアミン類、Tin紫外線in 123(Ciba Specialty Chemicals社製)のようなヒンダードアルコキシジアルキルアミン類、Tin紫外線an 328,Tin紫外線in 900及びTin紫外線in 928(Ciba Specialty Chemicals社製)のようなベンゾトリアゾール類、Sand紫外線or 3041(米国,N.C.Charlotte所在,Clariant Corp.製)のようなベンゾフェノン類、Arbestab(英国,Wes(商標)ildlands所在,Robinson Brothers Ltd製)のようなニッケル化合物類、サリシレート類、シアノシンナメート類、マロン酸ベンジリデン、ベンゾエート類、Sand紫外線or VSU(米国,N.C.Charlotte所在,Clariant Corp.製)のようなオキサニリド類、Cyagard 紫外線−1164(米国,N.J.所在,Cytec Industires Inc.製)のようなトリアジン類、Luchem(米国,NY,Buffalo所在,Atochem North America社製)のような立体障害構造を有するポリマーアミン類を含む。幾つかの具現例で、光安定化剤は、次のような化学式を有する立体障害構造を有するトリアルキルアミン類よりなる群から選択される。
上記化学式17および18において、R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R10、R11、R12、R13、及びR15は、独立的に水素、アルキル基またはエステル基またはエーテル基であり、R5、R9及びR14は、独立的にアルキル基である。また、Xは、mが2〜20である−O−CO−(CH2)m−CO−O−よりなる群から選択された連結基である。
バインダーは、一般的に好適な具現例の電荷輸送物質(電荷輸送層または単一層構造である場合)、電荷発生化合物(電荷発生層または単一層構造である場合)及び/または電子輸送化合物を分散または溶解させうる。一般的に、電荷発生層及び電荷輸送層何れにも適したバインダーの例としては、例えば、ポリスチレン−コ−ブタジエン、ポリスチレン−コ−アクリロニトリル、改質されたアクリルポリマー、ポリビニルアセテート、スチレン−アルキド樹脂類、大豆−アルキル樹脂、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート類、ポリアクリル酸、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、スチレンポリマー類、ポリビニルブチラル、アルキド樹脂類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリスルホン類、ポリエーテル類、ポリケトン類、フェノキシ樹脂類、エポキシ樹脂類、シリコン樹脂類、ポリシロキサン類、ポリ(ヒドロキシエーテル)樹脂類、ポリヒドロキシスチレン樹脂類、ノボラック、ポリ(フェニルグリシジルエーテル)−コ−ジシクロペンタジエン、上述したようなポリマーに使われた単量体のコポリマー及びこれらの組み合わせを含む。好適なバインダーとしては、例えば、日本、積水化学社製のBX−1及びBX−5のようなポリビニルブチラルを含む。好適なポリカーボネートの非制限的な例としては、ビスフェノール−A(例えば、三菱工学プラスチックスで購入したIupilon−AまたはGeneral Electricで購入したLexan 145)から誘導されたポリカーボネートAと、シクロヘキシリデンビスフェノール(例えば、White Plain、NewYork、三菱工学プラスチックス社で購入したIupilon−Z)から誘導されたポリカーボネートZと、メチルビスフェノールA(三菱化学社で購入)から誘導されたポリカーボネートCと、を含む。好適なポリエステルバインダーの非制限的な例としては、オルト−ポリエチレンテレフタレート(例えば、日本の山口、カネボウ社で購入したOPET TR−4)を含む。
一つ以上の層に適した選択的な添加剤としては、例えば、酸化防止剤、カップリング剤、分散剤、硬化剤、界面活性剤及びこれらの組み合わせを含む。
一般的な光導電性要素は、通常、約10〜45ミクロンの厚みを有する。個別の電荷発生層及び個別の電荷輸送層を有する二重層の具現例において、電荷発生層は、一般的に、約0.5〜約2ミクロンの厚みを有し、電荷輸送層は、約5〜約35ミクロンの厚みを有する。電荷輸送物質及び電荷発生化合物が同じ層に存在する具現例において、電荷発生化合物と電荷輸送組成物とを含む上記層は、一般的に、約7〜約30ミクロンの厚みを有する。別途の電子輸送層を有する具現例で、電子輸送層は、約0.5〜約10ミクロンの平均厚みを有し、他の具現例では約1〜約3ミクロンの平均厚みを有する。一般的に、電子輸送オーバーコート層は、機械的な耐摩耗性及びキャリヤ液体と大気中の水分とに対する耐性を増加させ、コロナガスによる感光体の劣化を減少させうる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する他の厚みの範囲が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
一般的に、上述したような有機感光体において、電荷発生化合物は、光導電層の重量を基準として、約0.5〜約25重量%の含有量、他の具現例では、約1〜約15重量%の含有量、さらに他の具現例では、約2〜10重量%の含有量で存在できる。電荷輸送物質は、光導電層の重量を基準として、約10〜約80重量%の含有量、他の具現例では約35〜約60重量%の含有量、さらに他の具現例では約45〜約55重量%の含有量で存在できる。選択的な第2電荷輸送物質が存在する場合、第2電荷輸送物質は、光導電層の重量を基準として、約2重量%以上の含有量、他の具現例では約2.5〜約25重量%の含有量、さらに他の具現例では約4〜20重量%の含有量で存在できる。バインダーは、光導電層の重量を基準として、約15〜約80重量%の含有量、他の具現例では約20〜約75重量%の含有量で存在できる。当業者は、上述した具体的な組成比に属する他の組成比の範囲が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
別途の電荷発生層及び電荷輸送層を有する二重層の具現例において、電荷発生層は、一般的に、電荷発生層の重量を基準として、約10〜約90重量%、他の具現例では約15〜約80重量%、さらに他の具現例では約20〜75重量%のバインダーを含むことができる。電荷発生層中に選択的な電荷輸送物質が存在する場合、選択的な電荷輸送物質は、電荷発生層の重量を基準として、約2.5重量%以上の含有量、他の具現例では約4〜約30重量%の含有量、さらに他の具現例では約10〜25重量%の含有量で存在できる。電荷輸送層は、一般的に、約20〜70重量%、他の具現例では約30〜約50重量%のバインダーを含むことができる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する二重層の具現例のバインダーの他の濃度範囲が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
電荷発生化合物と電荷輸送物質とを有する単一層を含む具現例において、光導電層は、一般的に、バインダー、電荷輸送物質及び電荷発生化合物を含む。電荷発生化合物は、光導電層の重量を基準として、約0.05〜約25重量%の含有量、他の具現例では約2〜15重量%の含有量で存在できる。電荷輸送物質は、光導電層の重量を基準として、約10〜約80重量%の含有量、他の具現例では約25〜約65重量%の含有量、さらに他の具現例では約30〜約60重量%の含有量、さらに他の具現例では約35〜約55重量%の含有量で存在できる。また、光導電層の残りは、バインダー及び選択的に任意の通常的な添加剤などを含む。電荷輸送組成物及び電荷発生化合物を含む単一層は、一般的に、約10〜約75重量%、他の具現例では約20〜約60重量%、さらに他の具現例では約25〜約50重量%のバインダーを含むことができる。選択的に電荷発生化合物と電荷輸送物質とを含む層は、第2電荷輸送物質を含みうる。選択的な第2電荷輸送物質が存在する場合、第2電荷輸送物質は、光導電層の重量を基準として、少なくとも約2.5重量%以上の含有量、他の具現例では約4〜約30重量%の含有量、さらに他の具現例では約10〜約25重量%の含有量で存在できる。当業者は、上述した具体的な組成比の範囲に属する他の範囲の組成比が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
一般的に、電子輸送化合物を含む層は、望ましくは、紫外線光安定化剤をさらに含みうる。特に、電子輸送層は、一般的に、電子輸送化合物、バインダー及び選択的な紫外線光安定化剤を含みうる。電子輸送化合物を含むオーバーコート層は、「Organophotorecepter With An Electron Transport Layer(電子輸送層を含む有機感光体)」という表題で本発明の優先権主張の基礎となる出願と共同係留中のZhuらの米国特許出願第10/396,536号明細書に詳細に記載されており、これは引用されて本明細書に統合されている。例えば、上述したような電子輸送化合物は、上述したような光導電体の離形層に使用されうる。電子輸送層の電子輸送化合物は、電子輸送層の重量を基準として、約10〜約50重量%、他の具現例では約20〜約40重量%の含有量で存在できる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する他の範囲の組成比が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
一つ以上の好適な光導電層中に紫外線光安定化剤が存在する場合、紫外線光安定化剤は、一般的に、この紫外線光安定化剤が存在する特定層の重量を基準として、約0.5〜約25重量%の含有量、他の具現例では約1〜約10重量%の含有量で存在できる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する他の範囲の組成比が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
例えば、光導電層は、有機溶媒に一つ以上の電荷発生化合物、本実施形態の電荷輸送物質、電荷輸送化合物または電子輸送化合物のような第2電荷輸送物質、紫外線光安定化剤及びポリマーバインダーのような成分を分散または溶解させた後、各基底層上に上記分散物及び/または溶液をコーティングした後、このコーティングを乾燥させることによって形成されうる。特に、上記成分は、高せん断均一化、ボールミリング、粉砕機ミリング、高エネルギービード(砂)ミリングまたは分散物形成時に粒子サイズを縮小させる公知の粒子サイズ縮小方法または混合手段を利用して分散させうる。
感光体はまた、選択的に一つ以上の付加層を有しうる。この付加層は、例えば、バリヤ層、離形層、保護層または接着層のようなサブ層またはオーバーコート層でありうる。離形層または保護層は、光導電性要素の最上部の層を形成できる。バリヤ層は、離形層と光導電性要素との間に位置するか、または光導電性要素をオーバーコートするのに使用されうる。バリヤ層は、基底層を摩耗から保護する。接着層は、光導電性要素、バリヤ層及び離形層またはこれらの任意の組み合わせとの間に位置して接着状態を向上させることができる。サブ層は、電荷遮断層であり、導電性支持体及び光導電性要素との間に位置する。サブ層は、導電性支持体と光導電性要素との間に位置し、これらの接着を向上させることもできる。
好適なバリヤ層としては、例えば、架橋結合可能なシロキサノール−コロイド性シリカコーティング及びヒドロキシル化されたシルセスキノキサン−コロイド性シリカコーティングのようなコーティング及びポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ゼラチン、澱粉、ポリウレタン類、ポリイミド類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリカーボネート類、ポリビニルブチラル、ポリビニルアセトアセタル、ポリビニルホルマル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート類、ポリビニルカルバゾール類、上述したようなポリマーに使われたモノマーのコポリマー類、ビニルクロライド/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー類、ビニルクロライド/ビニルアセテート/ターポリマーマレイン酸類、エチレン/ビニルアセテートコポリマー類、ビニルクロライド/ビニリデンクロライドコポリマー、セルロースポリマー及びこれらの混合物のような有機バインダー類を含む。上述したバリヤ層ポリマーは、選択的に、ヒュームドシリカ、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、またはこれらの組み合わせのような小さな無機粒子を含みうる。バリヤ層は、「Barrier Layer For Photoconductor Elements Comprising An Organic Polymer And Silica(有機ポリマー及びシリカを含む光導電性要素用バリヤ層)」という名称を有するWooらの特許文献5にさらに詳細に記載されており、この内容は引用されて本明細書に統合されている。離形層の上部コートは、当業界に公知の任意の離形層組成物を含みうる。幾つかの具現例で、離形層は、フルオロ化ポリマー、シロキサンポリマー、フルオロシリコンポリマー、ポリシラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレートまたはこれらの組み合わせでありうる。離形層は、架橋結合されたポリマーを含みうる。
離形層は、当業界に公知の任意の離形層組成物よりなりうる。幾つかの具現例において、離形層は、フルオロ化ポリマー、シロキサンポリマー、フルオロシリコンポリマー、ポリシラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート−コ−メタクリル酸)、ウレタン樹脂類、ウレタン−エポキシ樹脂類、アクリル化−ウレタン樹脂類、ウレタン−アクリル樹脂類、またはこれらの組み合わせを含む。他の具現例で、離形層は架橋結合されたポリマーを含む。
保護層は、化学的及び機械的な劣化から有機感光体を保護できる。保護層は、当業界に公知の任意の保護層組成物を含みうる。幾つかの具現例で、保護層は、フルオロ化ポリマー、シロキサンポリマー、フルオロシリコンポリマー、ポリシラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート−コ−メタクリル酸)、ウレタン樹脂類、ウレタン−エポキシ樹脂類、アクリレイト化ウレタン樹脂類、ウレタン−アクリル樹脂類またはこれらの組み合わせでありうる。特に、関心の対象となる幾つかの具現例において、保護層は架橋結合されたポリマーである。
オーバーコート層は、「Organoreceptor With An Electron Transport Layer(電子輸送層を含む有機感光体)」という表題で2003年3月25日付で出願されて本発明の優先権主張の基礎となる出願と共同係留中のZhuらの米国特許出願第10/396,536号公報にさらに詳細に記載されており、この内容は引用されて本明細書に統合されている。例えば、上述したような電子輸送化合物は、本実施形態のオーバーコート層に使用されうる。オーバーコート層の電子輸送化合物は、オーバーコート層の重量を基準として、約2〜約50重量%、他の具現例では約10〜約40重量%の含有量で存在できる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する他の組成比の範囲が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
一般的に、接着層は、ポリエステル、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)のようなフィルム形成ポリマーを含む。バリアー層及び接着層は、「Organic Photoreceptors for Liquid Electrophotography(湿式電子写真法に使われる有機感光体)」という表題を有するAckleyらの特許文献6に記載されており、この内容は引用されて本明細書に統合されている。
サブ層は、例えば、ポリビニルブチラル、有機シラン類、加水分解性シラン類、エポキシ樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、セルロース類を含みうる。幾つかの具現例で、サブ層は、約20〜約2,000Åの乾燥厚みを有する。金属酸化物導電性粒子を含むサブ層の厚みは、約1〜約25ミクロンでありうる。当業者は、上述した具体的な範囲に属する他の組成比及び厚みの範囲が分かり、これは本発明の開示内容に属するということを認識できる。
上述したような電荷輸送物質及びこれを含む感光体は、乾式または湿式トナーで現像される画像形成工程における使用に適している。例えば、当業界に公知の乾式及び湿式トナーは、本実施形態の方法及び装置に使用されうる。湿式トナーによる現像は、乾式トナーによる現像に比べて高い解像度の画像を提供し、さらに低い画像定着エネルギーで足りるという利点を提供するため望ましい。好適な湿式トナーの例は、当業界で公知である。湿式トナーは、一般的にキャリヤ液体に分散されたトナー粒子を含む。トナー粒子は、着色剤/顔料、樹脂バインダー、及び/または電荷ディレクターを含みうる。幾つかの湿式トナーの具現例で、樹脂対顔料の比は、1:1〜10:1であり、他の具現例では、4:1〜8:1でありうる。湿式トナーは、「Liquid Inks Comprising A Stable Organosol(安定したオルガノゾールを含む湿式インク)」という名称の特許文献7、「Liquid Inks Comprising Treated Colorant Particles(着色剤粒子を含む湿式インク)」という表題の特許文献8、「Phase Change Developer For Liquid Electrophotography(湿式電子写真法用相変化現像剤)」という名称の特許文献9にさらに詳細に記載されており、これらの内容は引用されて本明細書に統合されている。
(電荷輸送物質)
上述したように、有機感光体は、下記化学式1を有する電荷輸送物質を含む。
上述したように、有機感光体は、下記化学式1を有する電荷輸送物質を含む。
化学式1で、Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基であり、Xは、少なくともY1及びY2に対してπ電子の非局在化を可能にする共役連結基であって、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2,5−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,、4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせでありうる。
化学式1のX基は、少なくとも二つのsp2混成の炭素原子を有するが、この炭素原子は、隣接した窒素原子と結合してアジン基を完成する。X基の共役鎖は、直鎖及び/または環状基であり、これは芳香族であっても、芳香族でなくてもよい。
化学式1に関して、置換は自由に可能であるが、特に、X、Y1、及びY2で自由に置換可能である。X、Y1、及びY2で、芳香族基、アルキル基、複素環基、及び環状の置換基(例えば、ベンゾ基)のような置換基の変化は、例えば、特有な改質を付与するために当業界に公知の置換を含み、移動性、感度、溶解度、相容性、安定性、スペクトル吸光度、分散性のような化合物の特性に多様な物理的な影響を与えることができる。
幾つかの具現例で、共役連結基は、(C6R1R2R3R4)n基である。ここで、C6は、置換基R1R2R3R4を有するシクロヘキサジエニリデン基であり、nは、1〜20の整数であり、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部である。他の具現例で、(C6R1R2R3R4)n基のC6R1R2R3R4基は、下記化学式2または3のうちいずれか一つを有する。
幾つかの具現例で、9−フルオレニリデン基は、下記化学式4を有しうる。
化学式4で、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン環構造を維持しうる任意の置換基でありうる。しかも、それぞれの置換基は、9−フルオレニリデン環に追加されるか、または拡張できる環状の置換基の一部でありうる。好適な置換基の非制限的な例としては、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部を含みうる。
詳細には、本実施形態の電荷輸送物質の幾つかの非制限的な例は、下記化学式5〜16よりなる群から選択される。
このような感光体は、湿式トナー及び乾式トナーのようなトナーに有用に使用され、高品質の画像を生成できる。高品質の画像は、反復されたサイクリング後にも維持されうる。
(電荷輸送物質の一般的な合成方法)
本実施形態による電荷輸送物質は、下記多段階合成によって製造されうる。当業者は、本実施形態による合成方法に基づいて、択一的な合成接近法が使用されうるということを認識できる。
本実施形態による電荷輸送物質は、下記多段階合成によって製造されうる。当業者は、本実施形態による合成方法に基づいて、択一的な合成接近法が使用されうるということを認識できる。
対称の電荷輸送物質は、下記方法によって製造できる。第1段階で、9−フルオレノンまたは誘導体化合物は、約1〜6時間の間に約50〜70℃で過量のヒドラジンと反応して9−フルオレノンヒドラゾン化合物またはこれらの誘導体が生成される。次いで、9−フルオレノンヒドラゾン化合物を分離して精製できる。次の段階で、9−フルオレノンヒドラゾン化合物を、OCH−CHO、キノン誘導体、またはジフェノキノン誘導体のような二つのアルデヒド基またはケトン基を有する連結化合物と2:1のモル比(2モルのヒドラジン誘導体と1モルの連結化合物)で反応させる。目的生成物を分離して、再結晶及び/又はカラムクロマトグラフィによって精製できる。
非対称の電荷輸送物質は、6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンのような非対称の連結化合物を使用して製造できる。第1段階で、第1フルオレノンまたはこれらの誘導体を、約1〜6時間の間に約50〜70℃で過量のヒドラジンと反応させて、第1の9−フルオレノンヒドラゾン化合物またはこれらの誘導体を生成する。次いで、第1の9−フルオレノンヒドラゾン化合物を分離して精製できる。連続した段階で、第2の9−フルオレノン誘導体を、約1〜6時間の間に約50〜70℃で過量のヒドラジンと反応させて、第2の9−フルオレノンヒドラゾン誘導体を生成する。次いで、第2の9−フルオレノンヒドラゾン誘導体を分離して精製できる。また他の段階で、第1の9−フルオレノンヒドラゾン誘導体を、OCH−CHO、キノン誘導体、またはジフェノキノン誘導体のような二つのアルデヒド基またはケトン基を有する連結化合物と1:1のモル比で反応させて、一つのアルデヒドまたはケトン基を有する9−フルオレノンアジン化合物を生成できる。その次の段階で、第2の9−フルオレノンヒドラゾン誘導体を、9−フルオレノンアジン化合物と1:1のモル比で反応させて目的生成物を生成する。目的生成物を分離して、再結晶または/及びカラムクロマトグラフィによって精製できる。当業者は、対称副産物の含有量を減少させ、このような対称副産物化合物を精製段階で分離できる。
本発明は、下記実施例によってさらに詳細に説明されるが、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、本発明が下記の実施例に限定されるわけではない。
<実施例1:電荷輸送物質の合成及び特性評価>
本実施例は、化学式5〜16で示される化合物5〜16の合成及び特性評価を例示したものである。特性評価は、上記化合物を利用して形成される物質の化学的特性評価を含む。上記化合物の静電気的特性評価は後述されている。また、参照化合物として、電荷輸送化合物の合成も記載されている。
本実施例は、化学式5〜16で示される化合物5〜16の合成及び特性評価を例示したものである。特性評価は、上記化合物を利用して形成される物質の化学的特性評価を含む。上記化合物の静電気的特性評価は後述されている。また、参照化合物として、電荷輸送化合物の合成も記載されている。
((4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルの製造)
9−フルオレノン−4−カルボン酸(70g、0.312モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、n−ブタノール(480g、6.5モル、米国、IL、Hanover Park、Fisher Scientific Company Inc.製)、トルエン(1000mL)及び濃硫酸(4mL)の混合物を機械的な攪拌器、還流コンデンサ、ディーンスターク(Dean Stark)装置が備わった2Lの丸底フラスコに入れた。この溶液を激しく攪拌しつつ5時間還流させた。5時間の間に約6gの水がディーンスターク(Dean Stark)装置に回収された。次いで、フラスコを室温まで冷却させた。溶媒を蒸発させ、残留物を4Lの3%炭酸水素ナトリウム水溶液に添加しつつ攪拌した。得られた固体を濾過し、洗浄水のpHが中性となるまで水で洗浄し、フードで一晩中乾燥させた。生成物は、n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルであった。収率は70g(80%)であった。n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルの1H−NMRスペクトルを、CDCl3でBruker Instrument社の300MHz NMRから得た結果、次のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.87−1.09(t,3H)、1.42−1.70(m,2H)、1.75−1.88(q,2H)、4.26−4.64(t,2H)、7.29−7.45(m,2H)、7.46−7.58(m,1H)、7.60−7.68(dd,1H)、7.75−7.82(dd,1H)、7.90−8.00(dd,1H)、8.25−8.35(dd,1H)。
9−フルオレノン−4−カルボン酸(70g、0.312モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、n−ブタノール(480g、6.5モル、米国、IL、Hanover Park、Fisher Scientific Company Inc.製)、トルエン(1000mL)及び濃硫酸(4mL)の混合物を機械的な攪拌器、還流コンデンサ、ディーンスターク(Dean Stark)装置が備わった2Lの丸底フラスコに入れた。この溶液を激しく攪拌しつつ5時間還流させた。5時間の間に約6gの水がディーンスターク(Dean Stark)装置に回収された。次いで、フラスコを室温まで冷却させた。溶媒を蒸発させ、残留物を4Lの3%炭酸水素ナトリウム水溶液に添加しつつ攪拌した。得られた固体を濾過し、洗浄水のpHが中性となるまで水で洗浄し、フードで一晩中乾燥させた。生成物は、n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルであった。収率は70g(80%)であった。n−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステルの1H−NMRスペクトルを、CDCl3でBruker Instrument社の300MHz NMRから得た結果、次のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.87−1.09(t,3H)、1.42−1.70(m,2H)、1.75−1.88(q,2H)、4.26−4.64(t,2H)、7.29−7.45(m,2H)、7.46−7.58(m,1H)、7.60−7.68(dd,1H)、7.75−7.82(dd,1H)、7.90−8.00(dd,1H)、8.25−8.35(dd,1H)。
70g(0.25モル)のn−ブチルフルオレノン−4−カルボキシレートエステル、750mLの純粋メタノール、37g(0.55モル)のマロノニトリル(米国、WI、Milwaukee所在、Sigma−Aldrich社製)、及び20滴のピぺリジン(米国、WI、Milwaukee所在、Sigma−Aldrich社製)の混合物を機械的な攪拌器及び還流コンデンサが備わった2Lの3口丸底フラスコに入れた。この溶液を8時間還流させた後、フラスコを室温まで冷却させた。得られたオレンジ色の粗生成物を濾過し、70mLのメタノールで2回、150mLの水で1回洗浄した後、フードで一晩中乾燥させた。このオレンジ色粗生成物を600mLのアセトンと300mLのメタノールとの混合物で活性炭を利用して再結晶させた。その後、フラスコを0℃に16時間放置した。得られた結晶を濾過した後、50℃の真空オーブンで6時間乾燥させて、60gの純粋な(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルを得た。この固体の融点は99℃〜100℃であった。(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルの1H−NMRスペクトルをCDCl3でBruker Instrument社の300MHz NMRから得た結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)により分析した:0.74−1.16(t,3H)、1.38−1.72(m,2H)、1.70−1.90(q,2H)、4.29−4.55(t,2H)、7.31−7.43(m,2H)、7.45−7.58(m,1H)、7.81−7.91(dd,1H)、8.15−8.25(dd,1H)、8.42−8.52(dd,1H)、8.56−8.66(dd,1H)。
(化合物5の合成)
36gの9−フルオレノン(0 2モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、200mLのエタノール、12、82gの無水ヒドラジン(0.4モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)の混合物を機械的攪拌器及び還流コンデンサが備わった500mLの3口丸底フラスコに入れた。その後、このフラスコを5時間74℃で加熱した。加熱が完了した後、この溶液を0℃で一晩中放置した。得られた黄色の固体を濾過し、50mLのエタノールで洗浄し、50℃の真空オーブンで8時間乾燥させた。収率は35g(92%)であった。生成物である9−フルオレノンヒドラゾンの1H−NMRスペクトル(300MHz)は、CDCl3中で、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:6.17−6.25(NH2,幅の広いシングレット)、7.21−7.94(m,8個の芳香族陽子)。
36gの9−フルオレノン(0 2モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、200mLのエタノール、12、82gの無水ヒドラジン(0.4モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)の混合物を機械的攪拌器及び還流コンデンサが備わった500mLの3口丸底フラスコに入れた。その後、このフラスコを5時間74℃で加熱した。加熱が完了した後、この溶液を0℃で一晩中放置した。得られた黄色の固体を濾過し、50mLのエタノールで洗浄し、50℃の真空オーブンで8時間乾燥させた。収率は35g(92%)であった。生成物である9−フルオレノンヒドラゾンの1H−NMRスペクトル(300MHz)は、CDCl3中で、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:6.17−6.25(NH2,幅の広いシングレット)、7.21−7.94(m,8個の芳香族陽子)。
4.85gの9−フルオレノンヒドラゾン(0.025モル、上記段階で製造されたもの)、200mLのエタノール、1.35gの1,4−ベンゾキノン(0.0125モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich chemicals社製)及び7滴の37%塩酸水溶液の混合物を機械的攪拌器及び還流コンデンサが備わった500mLの3口丸底フラスコに入れた。この混合物を5.5時間還流させた。得られた化合物5を濾過し、50℃の真空オーブンで8時間乾燥させた。収率は2.3g(40%)であった。
(化合物6の合成)
9−フルオレノン−4−カルボン酸(70g、0.312モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、エチルアルコール(300g、6.5モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、1Lのトルエン及び4mLの濃硫酸の混合物を機械的攪拌器、還流コンデンサ、及びディーンスターク(Dean Stark)装置が備わった2Lの丸底フラスコに入れた。この溶液を激しく攪拌しつつ5時間還流させた。5時間、水(約6g)をディーンスターク(Dean Stark)装置で回収した。次いで、このフラスコを室温まで冷却させた。溶媒を蒸発させて、残留物を4Lの3重量%の炭酸水素ナトリウム水溶液に添加しつつ攪拌した。得られた固体を濾過した後、洗浄水のpHが中性となるまで水で洗浄し、ヒュームドフードで一晩中乾燥させた。生成物は、エチル9−フルオレノン−4−カルボキシレートエステルであった。収率は65g(83%)であった。この生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)は、CDCl3中で、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.38−1.53(t,3H)、4.40−4.59(q,2H)、7.30−8.33(m,芳香族陽子)。
9−フルオレノン−4−カルボン酸(70g、0.312モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、エチルアルコール(300g、6.5モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)、1Lのトルエン及び4mLの濃硫酸の混合物を機械的攪拌器、還流コンデンサ、及びディーンスターク(Dean Stark)装置が備わった2Lの丸底フラスコに入れた。この溶液を激しく攪拌しつつ5時間還流させた。5時間、水(約6g)をディーンスターク(Dean Stark)装置で回収した。次いで、このフラスコを室温まで冷却させた。溶媒を蒸発させて、残留物を4Lの3重量%の炭酸水素ナトリウム水溶液に添加しつつ攪拌した。得られた固体を濾過した後、洗浄水のpHが中性となるまで水で洗浄し、ヒュームドフードで一晩中乾燥させた。生成物は、エチル9−フルオレノン−4−カルボキシレートエステルであった。収率は65g(83%)であった。この生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)は、CDCl3中で、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.38−1.53(t,3H)、4.40−4.59(q,2H)、7.30−8.33(m,芳香族陽子)。
エチル9−フルオレノン−4−カルボキシレートエステル(50.45g、0.2モル、上記段階で製造されたもの)、200mLのエタノール、及び無水ヒドラジン(12.82g、0.4モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich Chemicals社製)の混合物を機械的攪拌器及び還流コンデンサが備わった500mLの3口丸底フラスコに入れた。このフラスコを74℃で5時間加熱した。加熱が完了した後、この溶液を0℃で一晩中放置した。得られた黄色固体を濾過し、50mLのエタノールで洗浄し、50℃の真空オーブンで8時間乾燥させた。収率は40g(76%)であった。
6.35gのフルオレノンカルボキシレートエステルヒドラジン(0.025モル、上記段階で製造されたもの)、200mLのエタノール、1.35gの1,4−ベンゾキノン(0.0125モル、米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)及び7滴の37%塩酸水溶液の混合物を機械的攪拌器及び還流コンデンサが備わった500mLの3口の丸底フラスコに入れた。この溶液を5.5時間還流させた。得られた粗生成物を分離し、活性炭を使用してテトラヒドロフラン/エタノールから4回再結晶させた。生成物を濾過し、50℃の真空オーブンで8時間乾燥させた。収率は2.9g(40%)であった。
(化合物7の合成)
化合物7を、エタノールの代わりにn−ブタノールを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.95−1.06(t,6H)、1.42−1.59(m,4H)、1.73−1.89(q,4H)、4.38−4.50(t,4H)、7.26−8.40(m,芳香族陽子)。
化合物7を、エタノールの代わりにn−ブタノールを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.95−1.06(t,6H)、1.42−1.59(m,4H)、1.73−1.89(q,4H)、4.38−4.50(t,4H)、7.26−8.40(m,芳香族陽子)。
(化合物8の合成)
化合物8を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
化合物8を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
(化合物9の合成)
化合物9を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.39−1.52(t,6H)、4.40−4.58(q,4H)、7.26−8.42(m,芳香族陽子)。
化合物9を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.39−1.52(t,6H)、4.40−4.58(q,4H)、7.26−8.42(m,芳香族陽子)。
(化合物10の合成)
化合物10を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.92−1.08(t,6H)、1.40−1.62(m,4H)、1.72−1.89(q,4H)、4.36−4.51(t,4H)、7.21−8.46(m,芳香族陽子)。
化合物10を、1,4−ベンゾキノンの代わりに2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.92−1.08(t,6H)、1.40−1.62(m,4H)、1.72−1.89(q,4H)、4.36−4.51(t,4H)、7.21−8.46(m,芳香族陽子)。
(化合物11の合成)
化合物11を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
化合物11を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
(化合物12の合成)
化合物12を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在 Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。
化合物12を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在 Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。
(化合物13の合成)
化合物13を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。
化合物13を、1,4−ベンゾキノンの代わりにジュロキノン(米国、WI、Milwaukee所在、Aldrich社製)を使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。
(化合物14)
化合物14を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。収率は5.0g(34%)であった。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.41−1.52(t,6H)、4.42−4.57(q,4H)、7.27−8.41(m,芳香族陽子)。
化合物14を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物6の方法と同様の方法で製造した。収率は5.0g(34%)であった。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:1.41−1.52(t,6H)、4.42−4.57(q,4H)、7.27−8.41(m,芳香族陽子)。
(化合物15)
化合物15を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.94−1.06(t,6H)、1.40−1.60(m,4H)、1.73−1.89(m,4H)、4.37−4.50(t,4H)、7.27−8.40(m,芳香族陽子)。
化合物15を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物7の方法と同様の方法で製造した。生成物の1H−NMRスペクトル(300MHz)をCDCl3中で測定した結果、下記のような化学シフト(δ,ppm)を示した:0.94−1.06(t,6H)、1.40−1.60(m,4H)、1.73−1.89(m,4H)、4.37−4.50(t,4H)、7.27−8.40(m,芳香族陽子)。
(化合物16)
化合物16を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
化合物16を、1,4−ベンゾキノンの代わりに3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを使用した点を除いては、化合物5の方法と同様の方法で製造した。
<実施例2:有機感光体の製造>
本実施例は、化合物7、9、10、14、15を有する9つの有機感光体及び比較電子輸送化合物、(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルで製造された3つの比較有機感光体の製造について記述している。
本実施例は、化合物7、9、10、14、15を有する9つの有機感光体及び比較電子輸送化合物、(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリルで製造された3つの比較有機感光体の製造について記述している。
(比較サンプルA)
比較サンプルAは、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して、単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含むCGMミルベース0.74gを上記混合物に添加した。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(モデルLMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカ上で上記溶液を約1時間混合した後、単一層コーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは1μm±0.5μmであった。
比較サンプルAは、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して、単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含むCGMミルベース0.74gを上記混合物に添加した。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(モデルLMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカ上で上記溶液を約1時間混合した後、単一層コーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは1μm±0.5μmであった。
(サンプル1の製造)
サンプル1は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物7を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを前記混合物に添加した。前記CGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティング厚みは、10μm±0.5μmであった。
サンプル1は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物7を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを前記混合物に添加した。前記CGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティング厚みは、10μm±0.5μmであった。
(サンプル2の製造)
サンプル2は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物10を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。CGMミルベースは、19重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは、10μm±0.5μmであった。
サンプル2は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物10を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。CGMミルベースは、19重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは、10μm±0.5μmであった。
(サンプル3の製造)
サンプル3は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。1,1,2−トリクロロエタンのうち20重量%の化合物9を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。上記CGMミルベースは、19重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは10μm±0.5μmであった。
サンプル3は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。1,1,2−トリクロロエタンのうち20重量%の化合物9を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、東京、日本三菱製紙から購入)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。上記CGMミルベースは、19重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは10μm±0.5μmであった。
(サンプル4の製造)
サンプル4は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%の化合物7を6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは10μm±0.5μmであった。
サンプル4は、蒸気コーティングされたアルミニウム層(CP Films、Martinsville、VAから購入)を有する、厚みが76.2ミクロン(3mil)であるポリエステル支持体を有する単一層の有機感光体であった。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%の化合物7を6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学から購入)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学から購入)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、Netzsch Incorporated、Exton、PAから購入)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を94ミクロン間隔のナイフコータを使用して上述した支持体上にコーティングし、このコーティングを110℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥コーティングの厚みは10μm±0.5μmであった。
(比較サンプルBの製造)
比較サンプルBは、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含むCGMミルベース0.74gを上記混合物に添加した。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)をミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
比較サンプルBは、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含むCGMミルベース0.74gを上記混合物に添加した。0.8mmのジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)をミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
(比較サンプルCの製造)
比較サンプルCは、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルム厚みを形成したことを除いて、比較サンプルBと同様に製造された。
比較サンプルCは、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルム厚みを形成したことを除いて、比較サンプルBと同様に製造された。
(サンプル5の製造)
サンプル5は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。1,1,2−トリクロロエタンのうち20重量%の化合物14を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
サンプル5は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。1,1,2−トリクロロエタンのうち20重量%の化合物14を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
(サンプル6の製造)
サンプル6は、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルムの厚みを形成したことを除いて、サンプル5と同様に製造された。
サンプル6は、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルムの厚みを形成したことを除いて、サンプル5と同様に製造された。
(サンプル7の製造)
サンプル7は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物15を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
サンプル7は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の化合物15を2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%のMPCT−10(電荷輸送物質、日本、東京、三菱製紙社製)6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは、20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
(サンプル8の製造)
サンプル8は、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルムの厚みを形成したことを除いて、サンプル7と同様に製造された。
サンプル8は、リングコーティング速度を向上させて約20μmの乾燥フィルムの厚みを形成したことを除いて、サンプル7と同様に製造された。
(サンプル9の製造)
サンプル9は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%の化合物15を6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
サンプル9は、直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラム支持体にコーティングされた単一層の有機感光体である。テトラヒドロフランのうち20重量%の(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリデン)マロノニトリル2.4g、テトラヒドロフランのうち25重量%の化合物15を6.66g、テトラヒドロフランのうち12重量%のポリビニルブチラル樹脂(BX−1、日本、積水化学社製)7.65gをあらかじめ混合して単一層の有機感光体用コーティング溶液を製造した。次いで、0.74gのCGMミルベースを上記混合物に添加した。このCGMミルベースは20重量%のチタニルオキシフタロシアニン及びポリビニルブチラル樹脂(BX−5、日本、積水化学社製)を2.3:1の重量比で含んだ。0.8mmジルコニウムビードを含む水平サンドミル(model LMC12 DCMS、米国、PA、Exton、Netzsch Inc.製)で4時間反復モードを利用して651gのメチルエチルケトンのうち49gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)と112.7gのチタニルオキシフタロシアニン(米国、FL、Jupiter、H.W.Sands Corp.製)とをミリングしてCGMミルベースを得た。機械的シェーカで上記溶液を約1時間混合した後、単一層のコーティング溶液を直径30mmの陽極処理されたアルミニウムドラムに約112mm/分の速度でリングコーティングした。コーティングされたドラムを110℃のオーブンで5〜10分間乾燥させた。乾燥光導電体フィルムの厚みは16μm±0.5μmであった。
<実施例3:有機感光体の静電気試験及び特性>
本実施例は、実施例1で記述されたように製造された有機感光体サンプルに対する静電気試験の結果を示したものである。
本実施例は、実施例1で記述されたように製造された有機感光体サンプルに対する静電気試験の結果を示したものである。
本実施形態によるアジン化合物を含む有機感光体の静電気サイクリング性能は、例えば、社内で考案及び開発され、160mmドラムまたは30mmアルミニウムドラムを取り囲むサンプルストリップ(sample strips)を試験できるテストベッドを使用して決定できる。これらサンプルに対する結果は、有機感光体を支持するためのベルト、ドラムのようなその他の支持構造体を使用して得られる結果に対する指標となる。
160mmドラムを使用する試験のために、それぞれ長さ50cm、幅8.8cmの3つのコーティングされたサンプルストリップをアルミニウムドラム(円周50.3cm)の周りに並べて完全に固定する。一部の具現例で、少なくとも一つのストリップは精密ウェブコーティングされ、内部基準点として使われる比較サンプルである。このような静電気サイクリング試験器で、ドラムは8.13cm/秒(3.2ips)の割合で回転し、この試験での各ステーションの位置(サイクル当り距離及び経過時間)は、下記表1の通りである。なお,表1は,8.13cm/秒で160mmドラム周りの静電気テストステーションの結果を示したものである。
イレーズバーは、有機感光体の表面を放電させる720nmの波長を有するレーザ発光ダイオード(LED:Laser Emitting Diode)の配列である。スコロトロン帯電器は、有機感光体の表面に適当量の電荷の移動を許容するワイヤを含む。
上記表1から、第1静電気プローブ(TREK 344(商標) electrostatic meter、Trek Inc.,Medina、NY)は、レーザストライクステーションより0.34秒後に位置し、スコロトロン帯電器より0.78秒後に位置し、第2プローブ(TREK 344(商標) electrostatic meter)は、第1プローブから1.21秒、スコロトロンから1.99秒後に位置する。全ての測定は、周囲温度及び相対湿度を用いて行われた。
フルオラン化合物を有する本実施形態による有機感光体の静電気サイクリング性能を社内考案及び開発されたテストベッドを使用して決定できる。30mmのドラムテストベッドでの静電気評価は、さらに遅いプロセス速度を有するドラムテストベッドと比較して、帯電−放電サイクリング頻度を増加させ、回復時間を短縮させることによって、延長されたサイクリング中に静電気疲労を加速させるように考案された。この試験器で測定した各ステーションの位置(サイクル当り距離及び経過時間)については後述する。
静電気測定は、上記テストステーション上での数回の実行を総合して得た。最初の3つの診断テスト(最初のプロッドテスト、最初のVlogE、最初の暗減衰)を考案して新しいサンプルの静電気的サイクリングを評価した後、残りの3つの同じ診断テスト(最終のプロッドテスト、最終のVlogE、最終の暗減衰)をサンプルサイクリング後に行った。追加的に、テスト中に周期的に測定した(以下、「ロングラン」と記述した。)。レーザは780nmの波長、600dpi、50μmのスポットサイズ、60ナノ秒/ピクセルの露光時間、1,800ライン/秒のスキャン速度、及び100%のデューティーサイクルで作動させた。デューティーサイクルは、ピクセルの露光時間に対する割合(%)であって、レーザは、100%のデューティーサイクルで、ピクセル当り60ナノ秒の間、完全にオン状態である。
(静電気的テストセット)
1)プロッドテスト(PRODTEST):サンプルを3回の完全なドラム回転時にコロナ帯電(イレーズバーは常にオン状態である)させて電化受容電圧Vacc及び放電電圧Vdisを決定し(レーザはオフ状態である)、4回目の回転時に780nm及び600dpiのレーザ(50μmのスポットサイズ、60ナノ秒/ピクセルの露光、1,800ライン/秒のスキャン速度、100%のデューティーサイクル)で放電させ、次の3回の回転のために完全に帯電させ(レーザはオフ状態である)、第8回転時に720nmのイレーズランプだけで放電(コロナ及びレーザは何れもオフ状態である)させて残留電圧Vresを得た後、最終的に最後の3回の回転のために完全に帯電させる(レーザはオフ状態である)。コントラスト電圧VconはVacc及びVdis間の差であり、機能性暗減衰Vddは第1プローブ及び第2プローブで測定された電化受容電位間の差である。
1)プロッドテスト(PRODTEST):サンプルを3回の完全なドラム回転時にコロナ帯電(イレーズバーは常にオン状態である)させて電化受容電圧Vacc及び放電電圧Vdisを決定し(レーザはオフ状態である)、4回目の回転時に780nm及び600dpiのレーザ(50μmのスポットサイズ、60ナノ秒/ピクセルの露光、1,800ライン/秒のスキャン速度、100%のデューティーサイクル)で放電させ、次の3回の回転のために完全に帯電させ(レーザはオフ状態である)、第8回転時に720nmのイレーズランプだけで放電(コロナ及びレーザは何れもオフ状態である)させて残留電圧Vresを得た後、最終的に最後の3回の回転のために完全に帯電させる(レーザはオフ状態である)。コントラスト電圧VconはVacc及びVdis間の差であり、機能性暗減衰Vddは第1プローブ及び第2プローブで測定された電化受容電位間の差である。
2)VLOGE:上記テストは、固定露光時間と一定初期電位とを有するレーザ電源(50ns間に持続的に露光される)の関数でサンプルの放電電圧をモニタリングすることによって多様なレーザ強度レベルに対する光導電体の光誘導放電を測定することである。機能性感光度、S780nm、及び操作電源セッティングは上記診断テストから測定されうる。
3)暗減衰(DARK DECAY):上記テストは90秒間レーザまたはイレーズ照明が存在していない時間中に暗黒の中での電荷受容損失を測定し、i)電荷発生層から電荷輸送層への残留正孔の注入、ii)捕獲された電荷の熱的遊離、及びiii)表面またはアルミニウム基底平面からの電荷注入の表示に使用されうる。
4)ロングラン(LONG RUN):各サンプル−ドラム回転当り下記順序による500回のドラム回転中にサンプルを静電気的にサイクリングさせた。サンプルをコロナ帯電させた後、レーザをオン及びオフ状態に(80〜100゜セクション)サイクリングさせて、サンプルの一部を放電させた後、最終的に全体サンプルをイレーズランプで放電させて次のサイクルを準備した。レーザをサイクリングさせてサンプルの第1セクションは露光されないようにし、第2セクションは常に露光されるようにし、第3セクションは露光されないようにし、第4セクションは常に露光されるようにする。このようなパターンを総500回のドラム回転中に反復し、25サイクルごとに周期的にデータを記録した。
5)ロングランテスト後、プロッドテスト、VLOGE、暗減衰の診断テストを再び行った。
下記の表2は、最初のプロッドテスト及び最終のプロッドテストの診断テストの結果である。電化受容電圧Vacc(3番目のサイクルから得た第1プローブの平均電圧)、放電電圧Vdis(4番目のサイクルから得た第1プローブの平均電圧)を最初のサイクル及び最終のサイクルに対して記録した。なお,表2は,最初及び500サイクル遂行後、乾式静電気的テスト結果を示したものである。また、表中の「NA」とは、結果値を得られていない場合を示している。
上記表2において、感光体を最初の電位の半分まで放電させるために必要なレーザ電源、露光持続時間、及び1/スポットサイズの積の逆数を計算することによって、ゼログラフィ工程の感光度(S780nm、780nmでの感度、m2/J)をVLOGE診断遂行時に得られた情報から測定した。
このように、本実施形態に係る新規な電荷輸送物質及びそれを含む有機感光体は、卓越した耐摩耗性及び電荷輸送性のような優秀な物理的及び静電気的特性を有するため、電子写真画像形成装置及び電子写真が造形性方法と関連した分野で有用に使用されうる。
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、2つのフルオレノンアジン基を有する改善された電荷輸送物質、それを含む有機感光体及び電子写真画像形成装置、並びにそれを利用した電子写真画像形成方法に利用可能である。
Claims (33)
- 前記化学式1で、Xは、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の有機感光体。
- 前記化学式1で、Xは、(C6R1R2R3R4)n基を含み、
C6基は、置換基R1R2R3R4を有するシクロヘキサジエニリデン基であり、
nは、1〜20の整数であり、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部であることを特徴とする、請求項1に記載の有機感光体。 - (a)前記電荷輸送物質及びポリマーバインダーを含む電荷輸送層と;
(b)前記電荷発生化合物及びポリマーバインダーを含む電荷発生層と;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機感光体。 - 前記光導電性要素は、第2電荷輸送物質をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機感光体。
- 前記第2電荷輸送物質は、電子輸送化合物を含むことを特徴とする、請求項8に記載の有機感光体。
- 前記有機感光体は、ドラムまたはベルト状であることを特徴とする、請求項1に記載の有機感光体。
- トナー分配器をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記有機感光体は、第2電荷輸送物質をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記第2電荷輸送物質は、電荷輸送化合物を含むことを特徴とする、請求項13に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記化学式1で、Xは、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項11に記載の電子写真画像形成装置。
- 前記化学式1で、Xは、(C6R1R2R3R4)n基を含み、
C6基は、置換基R1R2R3R4を有するシクロヘキサジエニリデン基であり、
nは、1〜20の整数であり、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部であることを特徴とする、請求項11に記載の電子写真画像形成装置。 - (a)導電性支持体及び前記導電性支持体上の光導電性要素を含む有機感光体の表面に電荷を印加する段階であって、前記光導電性要素は、(i)下記化学式1を有する電荷輸送物質及び(ii)電荷発生化合物を含む帯電段階と;
(b)前記有機感光体の表面を画像に沿って露光させ、選択された領域に電荷を消散させることにより、前記有機感光体の表面上に帯電領域及び非帯電領域のパターンを形成する段階と;
(c)前記有機感光体の表面をトナーと接触させ、トーン画像を形成する段階と;
(d)前記トーン画像を前記導電性支持体に転写させる段階と;
を含む、電子写真画像形成方法。
Y1及びY2は、それぞれ独立的に9−フルオレニリデン基であり、
Xは、少なくともY1及びY2に対してπ電子の非局在化を可能にする共役連結基である。 - 前記有機感光体は、第2電荷輸送物質をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記第2電荷輸送物質は、電荷輸送化合物を含むことを特徴とする、請求項21に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記化学式1で、Xは、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項20に記載の電子写真画像方法。
- 前記化学式1で、Xは、(C6R1R2R3R4)n基を含み、
C6基は、置換基R1R2R3R4を有するシクロヘキサジエニリデン基であり、
nは、1〜20の整数であり、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部であることを特徴とする、請求項23に記載の電子写真画像形成方法。 - 前記化学式1で、Xは、1,2−エタンジイリデン基、1,4−フェニレンジメチリジン基、2,4−シクロヘキサジエニリデン基、2,5−シクロヘキサジエニリデン基、ビシクロヘキシリデン−2,5,2’,5’−テトラエン基、ビシクロヘキシリデン−2,4,2’,4’−テトラエン基、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項28に記載の電荷輸送物質。
- 前記化学式1で、Xは、(C6R1R2R3R4)n基を含み、
C6基は、置換基R1R2R3R4を有するシクロヘキサジエニリデン基であり、
nは、1〜20の整数であり、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、複素環基、芳香族基、またはその他の環状の置換基の一部であることを特徴とする、請求項29に記載の電荷輸送物質。
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