JP2004003757A - 循環流動床炉 - Google Patents

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Morio Iriyama
入山 守生
Fumikazu Sugiyama
杉山 史一
Shigemasa Tanaka
田中 繁正
Takashi Usui
臼井 高史
Masaru Noji
野地 賢
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Abstract

【課題】シール部のシール機能を保持したまま必要な砂量を確実に砂層(濃厚層)へ移動させる制御機能を有すると共に、ダウンカマーから上昇する空気量を抑えることができ、且つ廃棄物をガス化するガス化方法又は焼却する焼却方法を実施するのに好適な循環流動床炉を提供すること。
【解決手段】砂層1、フリーボード部2、サイクロン3、ダウンカマー10及びシール部4を具備し、流動する濃厚層1に可燃物を投入して燃焼させ、砂層1の砂が該可燃物の燃焼によって生じた灰と燃焼排ガスを伴ってフリーボード部2を上昇してサイクロン3に入り、ダウンカマー10を通ってシール部4に溜まり、該シール部4から砂層1に戻るように構成された循環流動床炉において、ガス圧縮機15及びガスタンク13からなる圧縮ガス源を設け、該圧縮ガス源からシール部4に圧縮ガスを間欠的に吹き込み、該シール部4に溜まった砂を濃厚層1に戻すようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥、食品廃棄物、廃木材などのバイオマス、都市ごみ、RDF、廃プラスチック、ASR(Automobile Shredder Dust)や重金属含有廃棄物等の産業廃棄物等、石炭等をガス化するガス化方法又は燃焼する焼却方法に好適な循環流動床炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水汚泥、都市ごみを焼却する焼却炉には、流動床炉が多く用いられている。ここで、流動床炉は、気泡流動床炉と循環流動床炉とに分類することができる。気泡流動床炉(バブリング流動床炉)は、炉底部から分散板を通して空気を導入して砂等の固体粒子(以下、単に「砂」と記す)を流動化し、浮遊懸濁状態とした流動層(バブリング層)を形成した上で、被焼却原料を供給し、フリーボード部において有機分(未燃ガスやCO)を完全燃焼させるものである。
【0003】
近年の下水汚泥は下水道整備の進展や食生活の変化により有機分が多くなり、固形物が高発熱量であると共に、脱水性の悪化から脱水ケーキの含水率が高い傾向にある。このような含水率の高い脱水ケーキ等の被焼却物を焼却する焼却炉として、上記気泡流動床炉を用いた場合、水分量に略比例した水分を蒸発させるのに必要な蒸発熱が多く必要となるので、流動層温度の低下を招きがちとなり、温度維持のために助燃料の使用量を増やす必要があった。
【0004】
他方、フリーボード部においては、被焼却物から発生(若しくは揮発)した有機分が砂と共に飛び出して燃焼するため(砂は一旦飛び出してフリーボード部において大部分を沈降させてまた流動層に戻す)、余分の助燃料を使用することによってフリーボード部の過熱(異常高温)をもたらし、結果として炉体の損傷を早めたり、運転管理を難しくする傾向があった。
【0005】
そこで、炉内温度差が小さく、且つ流動砂を循環させることにより排ガス量の低減が可能であるというメリットを併せ持つ、循環流動床炉が近年開発されている。この循環流動床炉は、フリーボード部と濃厚層からなる流動層炉本体と、該フリーボード部に吹き上げられた流動砂を出口ダクトを介して捕集するサイクロンと、流動砂を返送するダウンカマーと、炉内の未燃ガスのサイクロンへの吹き抜けを防止するシール部から構成されている。
【0006】
このような循環流動床炉においては、砂の濃厚層への循環が適切になされることが、安定運転に必要なこととなる。そこで未燃ガスの吹き抜けを確実に防止することと、ダウンカマーから落ちてくる砂を適切に濃厚層部に移動させる機能をもったシール部が重要となる。これは砂の炉本体における熱伝達媒体としての機能と、層内温度の安定化のためには、砂の移動量及び移動速度を温度との関係でモニターしながら安定的に行う必要があるためである。さらに、安定運転や砂の系外飛散防止のためには、サイクロンの分級効果を確実に確保する必要があるが、従来の方法では必ずしもこれらを考慮したものとはなっていなかった。
【0007】
上記シール部としては、例えば、特開2002−39519号公報に開示されている流動床焼却炉においては、ホットサイクロンで捕集された流動砂を流動層炉本体に戻すダウンカマーと戻し管の間にシールポットを設け、該シールポット内の滞留砂により、炉内未燃ガスのホットサイクロンへの吹き抜けを防止しているが、この方法では砂の移動量を調整できるような確実な方法が確立されていないという問題があった。
【0008】
また、同様の方式として特開2000−18538号公報に開示されている流動層焼却炉においては、分離器(サイクロン)の下方にシールポットを設け、該分離器で捕集された砂を一旦該シールポットに溜め、下から流動空気を導入して砂を流動させることで、オーバーフローにより砂を濃厚層部に戻している。この方法でも砂の移動量を調整できるような確実な方法が確立されていないという問題があった。
【0009】
また、このシール部に、所謂「バルブ無し」の機構を用いた場合であっても、砂の自重による落下と、連続的なブロワ−空気による砂の移動を行っているため、上記方式と同様に砂の移動の調整ができないため、シールがあまくなる。
【0010】
砂の移動量を調整するために、シール部に流動空気を用いることは、砂の循環量が不確実になると共に、ダウンカマーを上昇した流動空気がサイクロンの分級機能を低下させる。従って、循環させるべき砂を系外に排出させてしまうという問題点があった。また、シール部への流動空気(燃焼に直接寄与しない空気でありながら)が主燃焼室の流動空気に比較し無視できない量となるという問題もある。また、砂の移動量をモニターするためセンサー(温度計、レベル計等)を設置するスペースを十分に確保することができない場合があった。
【0011】
他方、従来、下水汚泥、都市ごみ等の廃棄物をガス化するガス化炉として流動床式ガス化炉が用いられている。なお流動床式ガス化炉のうち循環流動床ガス化炉は、内部循環流動床ガス化炉と、外部循環流動床ガス化炉を含む。
【0012】
ここで、外部循環流動床ガス化炉とは、フリーボード部と流動層からなる流動層炉本体と、該フリーボード部(フリーボード部における2次燃焼は必要でない)に吹き上げられた流動砂を出口ダクトを介して捕集するサイクロンと、砂を返送するダウンカマーと、炉内の未燃ガスのサイクロンへの吹き抜けを防止するシール部とから構成され、炉内が還元雰囲気に維持されるために未燃ガスを生成させて炉外に排出することができる(本願においては、このような外部循環流動床ガス化炉を含め単に循環流動床炉と呼ぶことにする)。
【0013】
この循環流動床炉においても砂循環が適切になされていることが、安定的な運転に必要なことであり、従って濃厚層からサイクロンへの未燃ガスの吹き抜けを確実に防止することと、ダウンカマーから落ちてくる砂を適切に濃厚層部に移動させる機能をもったシール部が重要である。シール部において砂の濃厚層部への移動量を調整するために、流動空気を用いることは、砂の循環量が不確実となると共に、ダウンカマーを上昇した流動空気がサイクロンの分級機能を低下させ、循環させるべき砂を系外に排出させてしまうという問題もあった。更に砂の移動をモニターするためのセンサー(温度計、レベル計等)を設置するためのスペースを十分に確保することができない場合があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、シール部のシール機能を保持したまま必要な砂量を確実に濃厚層へ移動させる制御機能を有すると共に、ダウンカマーから上昇するガス量を抑えることができ、且つ廃棄物をガス化するガス化方法又は焼却する焼却方法を実施するのに好適な循環流動床炉を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、砂層、フリーボード部、サイクロン、ダウンカマー及びシール部を具備し、該砂層に散気管から熱風を吹き込み、砂を流動させ、流動する砂層に可燃物を投入してガス化又は燃焼させ、該砂層の砂が該可燃物のガス化又は燃焼によって生じた灰と燃焼ガスを伴って前記フリーボード部を上昇して前記サイクロンに入り、前記ダウンカマーを通って前記シール部に溜まり、該シール部から前記砂層に戻るように構成された循環流動床炉において、圧縮ガス源を設け、該圧縮ガス源から圧縮ガスを前記シール部に吹き込み、該シール部に溜まった砂を前記砂層に戻すことを特徴とする。なお、シール部に吹込むガスは、例えば、空気、酸素、CO、燃焼排ガス、N、水蒸気又はこれらを含む混合ガスでもよい。
【0016】
シール部は炉本体の未燃焼ガスをショートパスさせないために、砂によるマテリアルシールを行うためのものである。そのため、シール部には常時砂が溜まっていることが必要であると共に、サイクロンで分級されダウンカマーを通って落ちてくる高温の砂を、確実に濃厚層に移動させることが重要になる。移動させる砂の量が減少すると濃厚層への熱量の供給が低下して濃厚層温度が降下し、且つ砂量が少なくなることが投入される可燃物への破砕能力低下や、乾燥・焼却のための熱量不足を招き運転の不安定化につながる。従来シール部の砂移動の方法としては炉本体と同様の流動空気を連続的に吹き込むことが一般的に行われていたが、この空気は上記のようにダウンカマーを上昇し、サイクロンの分級機能を阻害して砂を系外に排出する原因にもなっていた。また、流動空気は圧力がそれ程高くないため、炉内の圧力変動を受け易く、そのため砂の移動が不安定になるという欠点があるが、本循環流動床炉においては、上記のようにガス吹込手段でシール部に吹込むガス量及び/又は吹込むガス圧を調整することにより、該シール部に溜まった砂を安定運転に寄与する一定量以上燃焼室に移動させることが容易となり、循環流動床炉の運転管理が容易となって上記の問題は解決される。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の循環流動床炉において、圧縮ガス源を設け、該圧縮ガス源から圧縮ガスを前記シール部に吹込み、該シール部に溜まった砂を燃焼室に戻すことを特徴とする。なお、ここで圧縮ガスは、圧縮されているガスであればよく、例えば、空気、酸素、CO、燃焼排ガス、N、水蒸気又はこれらを含む混合ガスでもよい。
【0018】
上記のように、流動空気とは別系統の圧縮ガス源から圧縮ガスをシール部に吹き込み、シール部に溜まった砂を少ない流量で濃厚層に戻すので、安定した砂の移動(循環)が確保でき、請求項1に記載の発明と同様、上記の問題は解決される。
【0019】
また、例えば有機分が多く脱水性が悪く、含水率の高い近年の下水汚泥を、砂を循環させない従来の炉に投入して焼却した場合、濃厚層の温度の低下とフリーボード部での異常高温化による運転の困難さが生じていたが、本循環流動床炉では、圧縮ガス源から圧縮ガスをシール部に吹き込み、該シール部に溜まった砂を濃厚層に戻すので、砂が循環し、フリーボード部での異常高温を回避でき、濃厚層の温度低下を防止することができることにより、炉内の温度の均一化が図れ、運転管理がし易いことから、特に下水汚泥のガス化又は焼却処理に有効となる。
【0020】
また、砂を飛ばす必要から必然的に空塔速度を早めるために、炉径の縮小、完全な砂層を持たないこと、即ち濃厚層であることから流動ガス吹込圧力の減少によるブロワ動力を小さくすることが可能となる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の循環流動床炉において、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整する圧縮ガス制御手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
上記のようにシール部に吹き込む圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節する圧縮ガス制御手段を設けたことにより、砂の移動を確実にすることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の循環流動床炉において、ダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設け、圧縮ガス制御手段は温度センサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整することを特徴とする。
【0024】
高温の砂が移動すれば、砂の温度が上昇するから、上記のようにダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設けることにより、この温度センサの出力は砂の移動量を反映することになるから、圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節することによって、砂の適切で確実な移動を実現することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の循環流動床炉において、シール部に溜まった砂のレベルを検出する砂レベルセンサを設け、圧縮ガス制御手段は砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整することを特徴とする。
【0026】
シール部に溜まった砂のレベルはダウンカマーを通ってシール部に落下する砂量、即ち砂の移動量に関係してくるから、圧縮ガス制御手段が該砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節するので、砂の適切で確実な移動を実現することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の循環流動床炉において、ダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設けると共に、シール部に溜まった砂のレベルを検出する砂レベルセンサを設け、圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力及び該砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節することを特徴とする。
【0028】
上記のように圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力及び該砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節するので、より適切で確実な移動を実現することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る循環流動床炉の構成例を示す図である。本循環流動床炉は、濃厚層1、フリーボード部2、サイクロン3、ダウンカマー10及びシール部4を具備する。濃厚層1内には散気管5を配置する。また、6は補助燃料装置、8は下水汚泥等の可燃物を投入する投入機であり、9はライザーである。なお、補助燃料装置6は必要に応じて複数設置する。
【0030】
11はシール部4に圧縮ガスを吹き込むためのガス吹込管であり、該ガス吹込管11に開閉弁12を介してガスタンク13が接続され、該ガスタンク13には圧力調整器14を介してガス圧縮機15が接続されている。16は制御盤であり、該制御盤16は後に詳述するように、開閉弁12の開閉を制御する。また、該制御盤16により圧力調整器14を制御させることもできるが、圧力調整器14は別に調整つまみにより圧力を調整できるようにしてもよい。なお、ガス吹込管11は、端部を切り放しの圧縮ガス吹込管となっており、散気管方式を採用した場合に比べて構造が簡単となり、有利である。
【0031】
補助燃料装置6により熱せられた濃厚層1(運転後は「濃厚層」と呼ぶ)に散気管5から熱風を吹き込んで砂を流動させ、投入機8から投入された可燃物の燃焼熱(熱量不足時には補助燃料装置6で助燃料を補給する)により濃厚層を適温に維持し、投入機8から投入される可燃物を燃焼させる。
【0032】
砂は散気管5からの熱風と投入機8から投入された可燃物の燃焼によって生じた灰と排ガスを伴ってライザー9を吹き上がりフリーボード部2で燃焼熱を吸収した上、サイクロン3に入る。ここで粒径、比重が共に大きい砂は分級され、ダウンカマーを通ってシール部4に落下し、再度濃厚層1に戻ることにより、循環する。
【0033】
有機分が多いために脱水性が悪く、含水率の高い近年の下水汚泥を、砂が循環しない従来の流動床炉で焼却した場合、濃厚層の温度の低下とフリーボード部での異常高温化により運転管理が困難になるという問題があったが、本循環流動床炉では上記のように砂を循環させることによってフリーボード部2での異常高温を回避し、且つ濃厚層の温度低下を防止することができることで炉内温度の均一化が図れ、運転管理が容易となる。特に下水汚泥の焼却処理に好適な炉となる。
【0034】
また、本循環流動床炉では砂を飛ばす必要から必然的に空塔速度を早めるため炉径を縮小でき、完全な砂層を持たないこと、即ち濃厚層であることによる流動空気吹込圧力の減少により、散気管5を通して流動空気を吹き込むブロワ動力が小さくて済む等の利点もある。
【0035】
シール部4は炉本体の未燃焼ガスをショートパスさせないために、砂によるマテリアルシールを行うためのものである。そのため、シール部4には常時砂が溜まっていることが必要であると共に、サイクロン3で分級されダウンカマー10を通って落ちてくる高温の砂を、確実に濃厚層1に移動せることが重要になる。移動させる砂の量が減少すると濃厚層1への熱量の供給が低下して濃厚層1の温度が低下する。また、移動する砂量が少なくなると投入機8から投入される可燃物の破砕能力の低下や、乾燥・焼却のための熱量不足を招き運転の不安定化につながる。
【0036】
本循環流動床炉では、ガス吹込管11を通して、開閉弁12の開閉操作によりガスタンク13から圧縮ガスを間欠的にシール部4に吹き込み、砂を濃厚層1に移動させるので、砂の濃厚層1への移動が確実になる。圧縮ガスの吹込圧力や吹込間隔を制御盤16で管理することにより、砂の移動はより確実なものとなる。
【0037】
また、本循環流動床炉において、砂は高温になってサイクロン3からダウンカマー10を落下してシール部4に溜まるから砂が移動(循環)していなければ温度が低下し、そこで後に詳述するように砂の経路であるダウンカマー10やシール部4の内部に温度センサを挿入し、該温度センサの出力で砂の温度を検出することで砂の移動量を検知(推定)する。また、後に詳述するようにシール部4内の砂レベルを検出する砂レベルセンサを設け、この砂レベルセンサで検出された砂レベルの変化より砂の移動を検知する。
【0038】
制御盤16は後に詳述するように、上記温度センサや砂レベルセンサの出力から、砂の移動量を検出(推定)し、開閉弁12又は開閉弁12及び圧力調整器14を制御し、ガス吹込管11を通して吹き込まれる圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を制御する。シール部4は上記砂を送り込むための機能が円滑に効果を発揮し、且つ必要な温度センサや砂レベルセンサが設置可能とするような寸法とし、その容量は砂の循環量が変動し、シール部4の保有する砂量が減少した場合においてもシール機能が保てる砂容量が残るように決める。
【0039】
シール部4は、これらの効果を備えた屈曲管形状とすることもできるが濃厚層1との接続長が均等に近いほうが砂を均等に戻すにあたってはより好ましいので、箱型形状とすることが望ましい。また、ボイラ−チューブ等の熱回収機構をシール部4に設置する場合には、取付け易さ等の面から箱型形状のシール部とするのが良く、またこのことにより、高カロリー発熱量である被焼却物を処理する場合に、過剰な温度上昇を抑制して、炉全体の温度制御をより適切に行うことが可能となる。
【0040】
図2は本循環流動床炉の炉本体の下部とシール部の構造を示す図である。シール部4にはガス吹込管11が配置され、その先端から炉本体の濃厚層1に向って圧縮ガスAを吹き込むようになっている。ガス吹込管11の本数はシール部4の容量が小さい場合は1本でもよいが、シール部4の容量に合わせて数を増やす。また、圧縮ガスは濃厚層1側に向って吹き出すようにし、濃厚層1とシール部4の連絡通路の上から真中あたり迄の位置で濃厚層1側に向って吹き出すのが望ましい。
【0041】
シール部4及びダウンカマー10内にはそれぞれ砂の温度を検出する温度センサ17、18が配置され、砂の温度を測定できるようになっている。この温度センサ17、18には、例えば熱電対からなる温度センサを用い、シール部4に配置される温度センサ17はシール部4から炉本体の濃厚層1へ移動する砂が必ず通る個所に設置し、ダウンカマー10に配置される温度センサ18は該ダウンカマー10を落下する砂が接触する位置に配置する。温度センサ17はシール部4の寸法に応じて、1本又は複数本を設置する。また、シール部4に溜まる砂レベルを測定する砂レベルセンサ19が設けられている。
【0042】
温度センサ17、18及び砂レベルセンサ19の出力は制御盤16に入力される。制御盤16は、温度センサ17、18の出力、砂レベルセンサ19の出力から、安定運転に寄与する一定以上の砂の移動が良好に行われているか否かを確認し、該砂の移動量が所定の量になるように、開閉弁12を開閉制御してガス吹込管11から吹き込まれる圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧力調整器14を制御し、ガスタンクの圧縮ガスの圧力を制御する。即ち、温度が所定の温度以下となったら、圧縮ガスの吹込間隔を短く又は圧縮ガス圧を大きくして砂の移動量を多くする。また、仮に温度が所定の温度以上となったら、圧縮ガスの吹込間隔を長く又は圧縮ガス圧を小さくして砂の移動量を相対的に少なくするようにすることもできる。また、砂レベルセンサ19の出力の変動から砂の移動量を推定、即ち、例えば砂レベルが上がってくるようであれば、砂の移動量が不足しているとして移動量を増やし、砂レベルが下がってくるようであれば、砂の移動量が多すぎるとして移動量を減らす。
【0043】
図3乃至図5はそれぞれ制御盤16の処理フローを示す図であり、図3は砂温度による処理フローを、図4は砂レベルによる処理フローを、図5は砂温度と砂レベルによる処理フローを示す。
【0044】
図3において、先ずステップST1において循環流動床炉の運転を開始し、シール部4にガス吹込管11から圧縮ガスの吹き込みを開始する。次にステップST2で温度センサ18の出力からダウンカマー10を落下する砂の温度を測定し、その測定温度をTD0とする。また、ステップST3で温度センサ17の出力からシール部4中の砂温度を測定し、その測定温度をTS0とする。
【0045】
続いてステップST4で所定の時間の(例えば20分)経過を待ち、次にステップST5で温度センサ18の出力からダウンカマー10を落下する砂の温度を測定し、その測定温度をTD1とする。また、ステップST6で温度センサ17の出力からシール部4中の砂温度を測定し、その測定温度をTS1とする。続いてステップST7において前回の砂測定温度TD0と今回の砂測定温度TD1の温度差(TD0−TD1)が所定温度(例えば50℃)以下か以上かを判断し、以下であったら前記ステップST2に戻り、ステップST8において前回の測定温度TS0と今回の測定温度TS1の温度差(TS0−TS1)が所定温度(例えば100℃)以下か以上かを判断し、以下であったら前記ステップST3に戻る。
【0046】
前記ステップST7とステップST8において、温度差(TD0−TD1)及び(TS0−TS1)が所定温度以上であったら、ステップST9で開閉弁12の開閉操作により圧縮ガスの吹込間隔を短縮するか又はステップST10で圧力調整器14を制御して圧縮ガス圧力を増加させ、前記ステップST2及びST3に戻り処理を繰返す。
【0047】
図4において、先ずステップST11において循環流動床炉の運転を開始し、シール部4にガス吹込管11を介して圧縮ガスの吹き込みを開始する。次にステップST12で砂レベルセンサ19の出力からシール部4の砂レベルを測定し、その測定レベルをLとする。続いてステップST13で所定の時間(例えば60分)の経過を待ち、ステップST14で砂レベルセンサ19の出力から砂レベルを測定し、その測定砂レベルをLとする。
【0048】
続いてステップST15において前回の砂測定レベルLと今回の砂測定レベルLの砂レベル差(L−L)が所定量(例えば100mm)以下か以上かを判断し、以下であったら前記ステップST12に戻り、以上であったら、ステップST16で開閉弁12の開閉操作により圧縮ガスの吹込間隔を短縮するか又はステップST17で圧力調整器14を制御して圧縮ガス圧力を増加させ、前記ステップST12に戻り処理を繰返す。
【0049】
図5において、先ずステップST21において循環流動床炉の運転を開始し、シール部4にガス吹込管11を介して圧縮ガスの吹き込みを開始する。次いで温度による操作と砂レベルによる操作、即ち図3のステップST2〜ST8の処理と、図4のステップST12〜ST15の処理を行い、両方の条件が揃った時、即ち前回と今回の測定温度差(TD0−TD1)及び(TS0−TS1)が所定温度差以上で且つ測定砂レベル差(L−L)が所定量(例えば100mm)以上であったら、ステップST22で開閉弁12の開閉操作により圧縮ガスの吹込間隔を短縮するか又はステップST23で圧力調整器14を制御して圧縮ガス圧力を増加させる。
【0050】
なお、本発明において、圧縮ガスの圧力としては0.1MPa〜1MPaとするのが良く、更に好ましくは0.2MPa〜0.6MPaとするのが良い。下限圧力値はブロアから吹込まれるガスの圧力値よりも上で、上限圧力値はコンプレッサーの圧力よりも低いように選ぶことができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば、シール部に吹込むガス量及び/又は吹込むガス圧を調整することにより、砂の循環量・循環状態を適切に調整・管理することができるので、フリーボード部での異常高温を回避でき、濃厚層の温度低下を防止することができることにより、炉内の温度の均一化が図れ、運転管理が容易となる。また、砂循環量の変動をシール部にて吸収することができる。
【0052】
また、濃厚層からフリーボード部へと砂を飛散させる必要があるので、空塔速度を従来の流動層炉に比べて速めることが必要であるから、炉径の縮小が可能となり、また明確な界面を持たない濃厚層を形成するので流動空気吹込圧力を減らすことができブロワ動力を小さくすることができる。
【0053】
シール部に圧縮ガスを吹込むことにより、ガス吹込体積量は比較的少ない量であるにも関わらず砂の炉体への送出効果を確保できるから,ダウンカマーをガスが上昇することを抑制することができ、サイクロンの分級効果を阻害することなく、砂を系外に排出することを抑制できる。
【0054】
ダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設けることにより、この温度センサの出力は砂の移動量を反映することになるから、圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節することにより、砂の適切で確実な移動を実現することができる。更に、熱媒体である砂の濃厚層内への移動量を制御することができるので、層温度をより適切に制御することができる。
【0055】
砂レベルセンサを設けることにより、砂レベルセンサの出力変動は砂の移動量を反映することになるから、圧縮ガス制御手段は砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節するので、砂の適切で確実な移動を実現することができる。更に熱媒体である砂の濃厚層内への移動量を制御することができるので、層温度をより適切に制御することができる。
【0056】
圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力及び該砂レベルセンサの出力により、圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節するので、砂のより適切で確実な移動を実現することができる。更に、熱媒体である砂の濃厚層温度をより適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る循環流動床炉の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る循環流動床炉の炉本体下部とシール部の構成例を示す図である。
【図3】本発明に係る循環流動床炉の砂温度による運転処理フローを示す図である。
【図4】本発明に係る循環流動床炉の砂レベルによる運転処理フローを示す図である。
【図5】本発明に係る循環流動床炉の砂温度及び砂レベルによる運転処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1      濃厚層
2      フリーボード部
3      サイクロン
4      シール部
5      散気管
6      補助燃料装置
8      投入機
9      ライザー
10     ダウンカマー
11     ガス吹込管
12     開閉弁
13     ガスタンク
14     圧力調整器
15     ガス圧縮機
16     制御盤
17     温度センサ
18     温度センサ
19     砂レベルセンサ

Claims (6)

  1. 砂層、フリーボード部、サイクロン、ダウンカマー及びシール部を具備し、該砂層に散気管から熱風を吹き込み、砂を流動させ、流動する砂層に可燃物を投入してガス化又は燃焼させ、該砂層の砂が該可燃物のガス化又は燃焼によって生じた灰と燃焼ガスを伴って前記フリーボード部を上昇して前記サイクロンに入り、前記ダウンカマーを通って前記シール部に溜まり、該シール部から前記砂層に戻るように構成された循環流動床炉において、
    圧縮ガス源を設け、該圧縮ガス源から圧縮ガスを前記シール部に吹き込み、該シール部に溜まった砂を前記砂層に戻すことを特徴とする循環流動床炉。
  2. 請求項1に記載の循環流動床炉において、
    前記圧縮ガス源を設け、該圧縮ガス源から圧縮ガスを前記シール部に吹込み、該シール部に溜まった砂を前記燃焼室に戻すことを特徴とする循環流動床炉。
  3. 請求項2に記載の循環流動床炉において、
    前記圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整する圧縮ガス制御手段を設けたことを特徴とする循環流動床炉。
  4. 請求項3に記載の循環流動床炉において、
    前記ダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設け、
    前記圧縮ガス制御手段は前記温度センサの出力により、前記圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整することを特徴とする循環流動床炉。
  5. 請求項3又は4に記載の循環流動床炉において、
    前記シール部に溜まった砂のレベルを検出する砂レベルセンサを設け、
    前記圧縮ガス制御手段は前記砂レベルセンサの出力により、前記圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調整することを特徴とする循環流動床炉。
  6. 請求項3に記載の循環流動床炉において、
    前記ダウンカマー及び/又はシール部に砂の温度を検出する温度センサを設けると共に、前記シール部に溜まった砂のレベルを検出する砂レベルセンサを設け、
    前記圧縮ガス制御手段は該温度センサの出力及び該砂レベルセンサの出力により、前記圧縮ガスの吹込間隔及び/又は圧縮圧力を調節することを特徴とする循環流動床炉。
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