JP2010216990A - 廃棄物の水分率計測装置及び廃棄物の水分率計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物処理炉への廃棄物投入時に、この廃棄物全体についての水分率を容易に計測できる廃棄物の水分率計測装置及び方法を提供することを課題とする。
【解決手段】廃棄物Pを焼却又はガス化する処理炉1へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測装置において、廃棄物Pを処理炉1へ供給するシュート15の対向側壁の内面に設けた電極20Aを有していて該電極20A同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測する静電容量計20と、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定する水分率算定器21とを有することを特徴とする廃棄物の水分率計測装置。
【選択図】図1
【解決手段】廃棄物Pを焼却又はガス化する処理炉1へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測装置において、廃棄物Pを処理炉1へ供給するシュート15の対向側壁の内面に設けた電極20Aを有していて該電極20A同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測する静電容量計20と、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定する水分率算定器21とを有することを特徴とする廃棄物の水分率計測装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、処理炉に投入する廃棄物の性状を推定しその性状に対応して炉内の燃焼又はガス化を安定させるように熱処理制御するために、廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測装置及び計測方法に関する。
近年、廃棄物焼却炉やガス化炉等の処理炉におけるごみの焼却又はガス化処理によって発生する熱エネルギーの回収への関心が高まってきており、この熱エネルギーで駆動するボイラ発電設備が設置された廃棄物の処理炉が増加し、高い効率での熱回収を実現できる燃焼運転が要求されている。一方、廃棄物の処理炉から大気中に放出される環境汚染物質の規制が厳しくなるに従い、ダイオキシン類や窒素酸化物など燃焼由来の有害物質の排出を低減する燃焼運転も必要とされている。
このように、廃棄物の処理炉に高度な燃焼運転制御が望まれているため、自動燃焼制御装置によって上記の要求を満たす運転制御が行われている。自動燃焼制御装置では、処理炉が例えばストーカ式焼却炉の場合、操作量である給塵速度、燃焼火格子送り速度、燃焼空気量、及び冷却空気量などを制御することにより、蒸気発生量を安定化し、かつ排ガス中のダイオキシン類や窒素酸化物濃度を低く抑え、灰中の未燃成分を少なくする目的で、廃棄物を安定して燃焼するように運転されている。しかしながら、このような燃焼制御は、廃棄物の投入の時点で該廃棄物の性状を監視せずに、いずれも燃焼の結果発生する燃焼ガス温度、燃焼ガス中酸素濃度、燃焼ガス中一酸化炭素濃度等を監視する因子として検出して、各操作量の制御値へフィードバックする方法であり、そのため後追い型の制御となり、処理炉に投入する廃棄物の性状が変動した場合に必ずしも安定した運転制御が達成できないことがある。
廃棄物の処理炉の燃焼運転の安定性を乱す大きな要因として、投入される廃棄物の性状が一定しないため廃棄物の発熱量が変動するという点がある。処理炉へ投入される廃棄物の性状は、廃棄物が収集される地域や、収集される時刻、または天候や、季節によって大きく異なることから、廃棄物の発熱量は大きく変動する。そこで、投入される廃棄物の性状を投入前に求めて、求めた廃棄物の性状により燃焼制御を行う廃棄物の処理炉の制御方法が特許文献1で提案されている。特許文献1の技術では、廃棄物焼却炉へごみを供給するコンベアに、コンベア上のごみの重量を計測する重量計測装置と、コンベア上のごみの厚みを計測するレベル計測装置と、コンベア上のごみの水分含有率を計測する赤外線水分計を備え、これらの計測値からごみの性状を推定し、そのごみ性状に応じた燃焼制御を行うことが記載されている。
赤外線水分計は、赤外線を測定対象物に照射しその対象物からの赤外線の反射を検出して水分率を求めている。水分は近赤外線の特定波長を吸収する性質があり、測定対象物に含まれる水分量が多くなれば、吸収される赤外線エネルギーも大きくなり、反射する赤外線エネルギー量が減少する。赤外線水分計はこのような現象を応用して、測定対象物の水分含有率を測定するものである。
特許文献1に記載の技術では、ごみ供給コンベア部でごみの重量とレベル(高さ)と水分率を計測し、ごみ性状を推定している。しかしながら、この技術では、ごみの水分率測定に赤外線水分計を用いてごみ表層部からの赤外線の反射を計測するため、ごみ表層部の水分率しか計測できないという問題がある。また、ごみ供給コンベア部でごみの表面状態が一定でないため、反射する赤外線の検出において、誤差を生じやすいという問題がある。そのため、ごみ全体についての性状の正確な推定を行うことができず、ごみの燃焼の安定的な制御が困難となる問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、廃棄物処理炉に投入する廃棄物の性状を推定しその性状に対応して炉内の燃焼又はガス化を安定させるように熱処理運転を制御することができるように、廃棄物処理炉に投入する廃棄物全体の水分率を計測可能な廃棄物の水分率計測装置及び方法を提供することを課題とする。ここで、廃棄物全体とは表層部と内部との全体という意味である。
本発明によれば、上記課題は、水分率計測装置に関しては、廃棄物を焼却又はガス化する処理炉へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測装置において、廃棄物を処理炉へ供給するシュートの対向側壁の内面に設けた電極を有していて該電極同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測する静電容量計と、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定する水分率算定器とを有することにより解決される。
又、上記課題は、水分率計測方法に関しては、廃棄物を焼却又はガス化する処理炉へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測方法において、廃棄物を処理炉へ供給するシュートの対向側壁の内面に設けた電極同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測し、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定することにより解決される。
本発明では、処理炉に設けた廃棄物の水分率算定器により、シュートの対向側壁の内面に設けられた一対の電極から、該一対の電極に挟まれた領域に滞留している廃棄物に電圧を印加して計測した静電容量の計測値を得る。一方、予め、廃棄物の乾燥前後の重量を計測して算出した水分率の計測値との関係を、数水準の水分率について求めて廃棄物の静電容量と水分率との関係を明らかにしておき、水分率算定器に関係データベースを収納しておく。そして処理炉へ投入する廃棄物の静電容量を計測した静電容量の上記計測値を上記関係データベースに照合して、処理炉へ投入する廃棄物の水分率を算出する。
水分率算定器から処理炉へ投入する廃棄物の水分率の算出値が制御装置へ送信され、制御装置は、予め収納している制御フローに基づき、正確な廃棄物の発熱量を推定し、それに応じて給塵装置の送り出し速度、火格子の送り速度、火格子下から吹き込まれる燃焼用空気の吹込み量を調整するように各操作量を制御する。
様々な種類の多様なものから構成されているが故に本質的に性状のバラツキがある廃棄物が対象であっても、処理炉に供給される直前で廃棄物全体の水分率を正確に知ることができる。その結果、廃棄物の水分率から、より正確な廃棄物の発熱量の推定が可能となり、安定した燃焼状態を得られるように各操作量を適切に制御することができる。
本発明によれば、廃棄物を処理炉へ供給するシュートの対向側壁の内面に設けた電極で、両電極間に位置する廃棄物の静電容量を計測することにより、その計測静電容量から廃棄物の水分率を算定することとしたので、処理炉に投入される廃棄物全体の水分率を正確に把握することができる廃棄物の水分率計測装置及び方法を提供することができる。その結果、廃棄物全体の性状を把握でき、安定的な廃棄物の処理炉の運転制御が可能となる。
図1は、廃棄物処理炉等としての火格子式ごみ焼却炉1の構成を示す。
ごみ焼却炉1は、火格子11の下方に設けられた複数の空気供給口12から燃焼用空気を受け、上記火格子11の上方に形成される燃焼室13で火格子11上のごみ(廃棄物)Pを焼却するようになっている。火格子11は右方に向けた送り速度で上記ごみPを送っている。上記火格子11の左端上方位置には給塵装置14、例えばプッシャーがごみを火格子11上に送り出すように設けられている。該給塵装置14の上方にはシュート15が上方に延びており、その上端にホッパ16が設けられている。ごみ焼却炉1の炉外には、ごみピット17が配置されている。そして、その上方には、ごみクレーン18が設けられていて、ごみピット17からごみPを取り出して上記ホッパ16へ投下するようになっている。
上記空気供給口12での空気吹込み量、火格子11の送り速度、給塵装置14の送り出し速度は可変となっている。
本実施形態では、上記シュート15内のごみPの静電容量を計測する静電容量計20が設けられている。該静電容量計20は、検出要素としての一対の電極20Aを有していて、該一対の電極20Aは上記シュート15の対向側壁の内面に取り付けられている。かくして、静電容量計20は、一対の電極20A間に存在するごみP、すなわち、シュート15内のごみP全体の静電容量を検出する。
上記静電容量計20は、水分率算定器21に接続されている。この水分率算定器21では、予め保有しているごみの静電容量の値と水分率の値との関係から、上記静電容量計20で計測された静電容量の値から対応する水分率の値を引き出せるようになっている。
上記水分率算定器21は制御装置22に接続されており、この制御装置22は、上記シュート15内のごみPについての水分率の値から、予め収納している制御フローに基づき、正確な廃棄物の発熱量を推定し、それに応じて安定的な廃棄物の処理が行われるように、空気供給口12、火格子11、給塵装置14へ指令信号を送り、空気供給口12での空気吹込み量、火格子11の送り速度、給塵装置14の送り出し速度等の各操作量を制御するようになっている。
次に、本実施形態装置における作動を説明する。
ごみピット17内のごみPはホッパ16へごみクレーン18により投入され、シュート15の下部に設置された給塵装置14(プッシャー)により火格子11上に押し出される。火格子11上のごみPは火格子11下の空気供給口12から吹き込まれる燃焼用空気により燃焼される。
ホッパ16から垂下して設けられたシュート15の対向側壁の内面に1対の電極20Aが設けられ、静電容量計20により電極20Aに挟まれた領域に滞留しているごみPに電極から通電してごみP全体についての静電容量を計測する。
水分率算定器21には、ごみの静電容量とごみの水分率との関係を予め計測して明らかにした関係データベースが収納されており、静電容量計20から送られてきたごみの静電容量の計測値を、上記関係データベースにおける静電容量と水分率との関係と照合して計測されたごみの水分率を算定する。
この水分率が制御装置22へ送られ、水分率の値から、予め収納している制御フローに基づき、正確な廃棄物の発熱量を推定し、それに応じて安定的な廃棄物の処理が行われるように、該制御装置22から指令信号が発せられ、この指令信号によって給塵装置14の送り速度、火格子11の送り速度、火格子11の下方の空気供給口12から吹き込まれる燃焼用空気の吹込み量等の操作量が調整される結果、ごみの燃焼状態が制御される。
ここで、廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係について、詳述する。
廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係の一例を図2に示す。予め都市ごみを乾燥し、この乾燥したごみに対し、ごみ中の水分重量率が25%〜55%になるように水分を添加し混合して数種類の水分率に調整した水分調整ごみを準備し、これらの水分調整ごみを、1m×1mの電極板を間隔1mで設けた間に挟み静電容量を測定した。
図2に示すように廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率とが明確な相関関係が存在しており、静電容量を計測してその値から廃棄物の水分率を算出できることを示している。
廃棄物の燃焼を行なう廃棄物処理炉等に利用可能である。
1 処理炉(ごみ焼却炉)
15 シュート
20 静電容量計
20A 電極
21 水分率算定器
P 廃棄物(ごみ)
15 シュート
20 静電容量計
20A 電極
21 水分率算定器
P 廃棄物(ごみ)
Claims (2)
- 廃棄物を焼却又はガス化する処理炉へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測装置において、廃棄物を処理炉へ供給するシュートの対向側壁の内面に設けた電極を有していて該電極同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測する静電容量計と、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定する水分率算定器とを有することを特徴とする廃棄物の水分率計測装置。
- 廃棄物を焼却又はガス化する処理炉へ供給する廃棄物の水分率を計測する廃棄物の水分率計測方法において、廃棄物を処理炉へ供給するシュートの対向側壁の内面に設けた電極同士間に位置する廃棄物の静電容量を計測し、廃棄物の静電容量の計測値を、予め定めた廃棄物の静電容量と廃棄物の水分率との関係と照合して廃棄物の水分率を算定することを特徴とする廃棄物の水分率計測方法。
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2009
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