JP2004003402A - スクロール型流体機械及びスクロール部材とその部材の製造方法 - Google Patents

スクロール型流体機械及びスクロール部材とその部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スクロール型流体機械、および、そのスクロール部材とスクロール部材の製造方法を提供し、潤滑油が枯渇した場合でも潤滑性能を発揮できる。
【解決手段】アルミニウム合金母材1に陽極酸化皮膜2を形成し、ポア3の表層部に拡大開口部20を形成し、ポア3内にすず5を充填しスクロール部材10を製造する。このスクロール部材10を旋回スクロール又は固定スクロールのいずれか一方に用い、含浸させたすず5の持つ自己潤滑作用により、固定スクロールと旋回スクロールとの間に潤滑油が枯渇した場合でも両スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール型流体機械とした。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金で形成する旋回スクロール部材、および、または固定スクロール部材の表面処理方法、およびその表面処理を施したスクロール部材およびそのスクロール部材を用いたスクロール型流体機械、特にスクロール型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型流体機械、例えば冷媒のスクロールコンプレッサの冷媒圧縮部は、固定および旋回のそれぞれのスクロールによって構成され、それらが噛み合って圧縮機構を形成している。図7は一般的なスクロールコンプレッサの固定または旋回スクロール部材の形状の説明図であり、(a)はスクロール部材の平面図、(b)は(a)中A−A矢視断面図である。
【0003】
図7において、スクロール部材10はラップ11と呼ばれる渦巻き状の歯と、それを保持する端板12によって形作られており、固定スクロールと旋回スクロールの両スクロール部材10の歯(ラップ11)の側面(ラップ面11a)同士の接触部と、端板12と相手側のスクロール部材10の歯先(ラップ頂面11b)との接触部とで囲まれた部屋が、旋回スクロールの旋回運動によって吸入、圧縮を繰り返す構造となっている。このためラップ面11a同士の接触、摺動、ラップ頂面11bと相手側のスクロール部材10の端板12の面(端板面12a)との接触、摺動が発生することになり摩耗対策が必要となっている。
【0004】
一般に、スクロールコンプレッサを自動車エアコン用コンプレッサとして使用する場合、軽量化を要求されることからアルミニウム合金を採用する場合が多い。しかし、スクロールコンプレッサにおいて,お互いに噛み合って設けられ、接触、摺動する固定スクロール、旋回スクロールともにアルミニウム合金を用いた場合、両者ともに裸材ではお互いの摩耗が大きく、また凝着が生じることが多い。
【0005】
スクロールコンプレッサの動作においては、固定スクロールに噛み合った旋回スクロールの旋回運動によって圧縮動作が行われるのであるが、旋回スクロールが旋回運動をする時、相手部材である固定スクロールの端板面12aには旋回スクロールのラップ頂面11bが接触、摺動する。そこで、旋回スクロールのラップ頂面11bには溝11cが設けられ、その溝11cに樹脂で形成されたチップシール13と呼ばれる摺動性の良い部材が取り付けられて、ラップ頂面11bと相手側の端板面12aとが直接接することが無いように配慮されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようなスクロールコンプレッサにおいては、従来から固定スクロールあるいは旋回スクロールのどちらか一方のラップ11および端板12の表面に硬質皮膜を形成する表面処理を行い、裸材と硬質皮膜の摺動として、耐摩耗性を大幅に向上させ、また凝着も生じなくなるようにしているが、チップシール13も旋回スクロールが傾斜せず旋回する場合には効果があるが、傾斜して旋回運動をした場合には固定スクロールの端板面12aとラップ頂面11bとが直接接することとなる。この場合にも、潤滑油が存在すれば問題なく稼動するが、スクロールコンプレッサの停止状況によっては潤滑油が途切れる場合があり、この時の摺動により凝着を生じやすいことが明らかになっている。
【0007】
そこで本発明の出願人は、上記の対策として図6に示すスクロール部材、スクロール部材の製造方法、この部材を用いたスクロール型流体機械を提案し、特許出願も了している。次に、この先行技術の内容を説明する。
【0008】
図6はスクロール部材の表面部断面拡大図であり、前述のように、スクロール型流体機械、例えばスクロールコンプレッサにおいて、アルミニウム合金製の固定スクロールあるいは旋回スクロールのどちらか一方のラップ11および端板12の表面に硬質皮膜を形成する場合、硬質陽極酸化処理が利用されるが、図6に示すように、硬質陽極酸化処理の特徴として、アルミニウム合金母材1の表面に形成された硬質陽極酸化処理皮膜(以下、単に「陽極酸化皮膜」という)2中には、ポア3と呼ばれる微小孔が存在する。この例では、図6に示すように、スクロール部材10のアルミニウム合金母材1の陽極酸化皮膜2のポア3中に潤滑材としてすず5を含浸し、潤滑油が枯渇した場合でも潤滑性能を発揮できる自己潤滑性表面処理皮膜を形成したものである。
【0009】
ポア3の底部(アルミニウム合金母材1側)にバリヤ層6と呼ばれる層が存在する陽極酸化皮膜2の構造から、バリヤ層6の通電可能な性質を利用し、硬質陽極酸化処理されたスクロール部材10を、すずイオンを含む電解液中において陰極にセットし電解することで、バリヤ層6を介して通電が行なわれ、陽極酸化皮膜2のポア3中にすず5が析出し充填される。すず5は軟質の材料で自己潤滑作用を持つ材料の一つである。
【0010】
陽極酸化皮膜2中にすず5の含浸物を形成することで、すず5の持つ自己潤滑作用により、潤滑油が枯渇した場合でも陽極酸化皮膜2表面に潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール部材、スクロールコンプレッサの製品を得ることができる。
【0011】
そこで本発明は上記に説明した先行技術に係るスクロール部材、この部材の製造方法を改良し、更に性能を向上させ、チップすきまを減少させ性能的な問題を解消し、初期なじみ性を向上し、潤滑油が枯渇した場合でも潤滑性能を発揮できる皮膜を有するアルミニウム合金製のスクロールを備えるスクロール型流体機械、および、そのスクロール部材とスクロール部材の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために次の手段を提供する。
【0013】
(1)アルミニウム合金製の一対の固定スクロールと旋回スクロールとを備えるスクロール型流体機械であって、前記固定スクロールまたは旋回スクロールのどちらか一方のスクロールの表面に、硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴とするスクロール型流体機械。
【0014】
(2)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材であって、同スクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴とするスクロール部材。
【0015】
(3)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記硬質陽極酸化処理皮膜中に生じたポア内にすずを析出せしめ、その後前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬して前記ポア開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に前記電解を施して同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴とするスクロール部材の製造方法。
【0016】
(4)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬し同硬質陽極酸化処理皮膜に生じたポアの開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記ポア内にすずを析出せしめ、同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴とするスクロール部材の製造方法。
【0017】
(5)前記エッチングとその後の電解は複数回行うことを特徴とする(3)又は(4)記載のスクロール部材の製造方法。
【0018】
(6)前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って徐々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする(1)記載のスクロール型流体機械。
【0019】
(7)前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って徐々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする(2)記載のスクロール部材。
【0020】
(8)前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って徐々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする(3)から(5)のいずれかに記載のスクロール部材の製造方法。
【0021】
本発明の(1)のスクロール型流体機械においては、ポアの径が表層部で拡大しており、この部分では比較的高度が低くすず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用により、固定スクロールと旋回スクロールとの間に潤滑油が枯渇した場合でも両スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール型流体機械を得ることができる。
【0022】
本発明の(2)のスクロール部材においては、部材におけるポアの径が表層部で拡大しており、すず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用を有するスクロール部材が得られ、このスクロール部材をスクロール機械に用いた場合、潤滑性が枯渇した場合でも固定、旋回スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至ることがない。
【0023】
本発明の(3)製造方法においては、すずのなじみ性と自己潤滑作用を有するスクロール部材が容易に製造できる製造方法が実現でき、硫酸第1すずを含む水溶液中での電解と、水酸化ナトリウム水溶液中の浸漬によるエッチングとの工程により、複雑な工程がなく、スクロール部材の一貫製造ラインでの製造を可能とするものである。
【0024】
本発明の(4)の製造方法においては、硬質陽極酸化処理皮膜の形成した後に、すずを析出する電解を行うことなく水酸化ナトリウムによる表層部のエッチングを行いポア開口部を拡大させ、その後電解を行うので、最初の電解の工程がなく、上記(3)の発明よりも工程を簡略化できる。
【0025】
本発明の(5)の製造方法では、エッチングと電解を行う工程を複数回繰り返して行うので、エッチングによりポア開口の拡大を充分に行うと共に、すずのポア内への充填が表層部まで完全になされ、スクロール部材の品質を一層向上させることができる。
【0026】
本発明の(6),(7),(8)では、水酸化ナトリウムによるエッチングで形成される部材表層部におけるポア開口の拡大部の径が、もともとのポアの径よりも大きく、最大2倍まで拡大され、かつその深さも、ポア全長/深さが5〜5/4の範囲、即ち、全長に対して20%〜80%の範囲で充分に開口しており、このような処理により、比較的高度が低くすず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用により、固定スクロールと旋回スクロールとの間に潤滑油が枯渇した場合でも両スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール型流体機械が得られ、それに使用されるスクロール部材が容易に得られるスクロール部材の製造方法が実現されるものである。なお、拡大開口部は概略漏斗状であれば良いもので、本発明は漏斗状に限らず半球状や、放物線回転体状、等の形状であっても同様の効果があり、本発明の範囲に入ることは言うまでもない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて具体的に説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係るスクロール部材の表面部断面拡大図である。図において、符号1〜3,5,6は図6で示した従来例と同じであるので、そのまま引用して説明する。
【0028】
まず、硬質陽極酸化処理皮膜について説明する。このスクロール部材10について、硬質陽極酸化処理として、硫酸300g/L(Lはリットルであり、以下“L”と表示する)、溶存アルミ5g/Lの液組成の水溶液中で、液温5℃、電流密度2A/dm、20分の電解(被処理物としてスクロール部材10を陽極にセット)を行い、約20μmの陽極酸化皮膜2を形成される。
【0029】
硬質陽極酸化処理の特徴として、アルミニウム合金母材1の表面に形成された硬質陽極酸化処理皮膜2(以下、単に「陽極酸化皮膜」という)中には、ポアと呼ばれる微小孔が存在する。本実施の形態は、図1に示すように、スクロール部材10のアルミニウム合金母材1の陽極酸化皮膜2のポア3の開口部に拡大開口部20を形成し、このポア3中に潤滑材としてすず5を含浸し、潤滑油が枯渇した場合でも潤滑性能を発揮できる自己潤滑性表面処理皮膜を形成したものである。
【0030】
すずの含浸については、図6の先行技術でも説明したように、陽極酸化皮膜のポア底部のバリヤ層6を介して電解することにより、ポア3中にすず5を析出させ充填するものである。ここで表層部の陽極酸化皮膜2をアルカリエッチングすることで皮膜表層部はポーラス状になり、図1の拡大開口部20が形成され、この部分の皮膜の硬度は通常より低くなる。ただしこの時皮膜の中央部より底部にかけては通常の硬度が維持できる。この状態ですずを電解することで表層部にすず濃度を高めた皮膜を得ることができる。すず5は軟質の材料で自己潤滑作用を持つ材料の一つである。
【0031】
陽極酸化皮膜2中にすず5の含浸物を形成することで、すず5の持つ自己潤滑作用により、図6で示した先行技術のものよりも拡大開口部20を有するので、潤滑油が枯渇した場合でも陽極酸化皮膜2表面に、先行技術のものよりもより効果的に潤滑作用を保持し、凝着に至らないスクロール部材、スクロールコンプレッサの製品を得ることができる。
【0032】
次に上記に説明したスクロール部材の製造工程について説明する。まず、スクロール部材10を陽極酸化皮膜2を形成し、最初のすず電解を行う。この時のすず電解液は硫酸第1すずを主として他に硫酸、クレゾールスルホン酸で構成された水溶液で、その中に被処理物であるスクロール部材10を陰極にセットして電解を行った。処理条件は、液温5℃、電流密度100mA/dmで20分実施した。
【0033】
その後陽極酸化皮膜2の表層部をポーラス化するため、水酸化ナトリウムを1g/L含んだ25〜30℃の水溶液中に240〜360秒間浸漬した。その後2回目のすず電解を30分実施(液組成、温度は初回と同じ)、その後上記エッチング処理をし、さらに3回目のすず電解を40分(液組成、温度は初回と同じ)行った。
【0034】
その結果、陽極酸化皮膜2の表層部はポーラス状になり図1の拡大開口部20を有するポアとなり、この部位の硬度は150〜200HV程度となった。また、ポア3中にすず5の含浸物が形成され、特に表層部にすず濃度を高めることができた。なお施工範囲は、ラップ面と端板面全面である。
【0035】
上記によって製造したスクロール部材10をスクロールコンプレッサ実機に組み込み、チップすきまを従来の設定より狭く設定し、潤滑油が枯渇する条件を設定し稼動試験を行った。その結果、従来の硬質陽極酸化処理皮膜と裸材の組み合わせでは短時間で凝着が生じていた状況に比べ、本実施の形態によるスクロール部材10では凝着が無く問題は発生しなかった。
【0036】
これは陽極酸化皮膜2と皮膜中に存在するすず5との効果である。すず5が陽極酸化皮膜2中に存在することで、自己潤滑性表面処理皮膜が形成され、潤滑油が皆無になった場合でもスクロールコンプレッサシステム内の潤滑油が循環し、同部に到達するまで凝着を生じず稼動を続けることができ、さらにチップすきまを従来に比べ狭く設定したが、表層部での陽極酸化皮膜のポーラス部とすず濃度の高い状態によってなじみがよく潤滑性も良いため、このような状況が頻発した場合においても損傷が生じない。
【0037】
次に、上記の工程によって製造したスクロール部材10のポアの形状について図2により説明する。図2は図1における部分拡大図であり、ポア3の全長をa、拡大開口部の直径をb、拡大開口部の深さをcとし、ポア3の径をdとすると、(a対c)=(100対20)〜(100対80)の範囲とし、望ましくは、(a対c)=(100対25)〜(100対50)の範囲とする。また、b>dであって、望ましくは、1.1d≦b≦2d,さらに望ましくは、1.4d≦b≦2d、より望ましくは、b=2dが好ましい。ここで(a対c)=(100対20)〜(100対80)の範囲であれば拡大開口部の効果が充分に得られる。この比が(100対20)を下回ると拡大開口部の効果は得られにくく、逆に(100対80)を上回ると陽極酸化皮膜2の強度が下がってしまう。拡大開口部の効果を発揮しつつ陽極酸化皮膜2の強度低下を実害のない程度に抑えられる範囲は(100対25)から(100対50)である。また、1.1d>bでは開口部拡大の効果が充分に得られないか、あるいは加工精度的に問題があるが、1.1d≦bであればこのような問題はなく、1.4d≦bであれば開口部拡大の効果が大きく得られ、さらにb=2dとすると、さらに効果が大きくなることから、このような範囲が決まるものである。ただし、b>2dとなると、拡大開口部20が大きすぎて陽極酸化皮膜2の強度を不必要に下げるおそれがあるので範囲の極限はb=2dとなる。このことは、図1を見るとわかりやすい。
【0038】
図3は上記のスクロール部材10の処理工程を示すブロック図であり、まず、上記に説明した硬質陽極酸化処理P1を行い、P2において、まずポア3にすず電解を行ってSn含浸処理P2を行う。その後、P3において、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してエッチング処理によりポア開口処理S1を行い、続いてSn含浸処理S2を行う、処理P3を行う。又、必要に応じて、S1,S2による処理P4を繰り返し行い終了する。
【0039】
上記の工程においてはP1,P2,P3,P4により処理を行う方法と、P2をなくし、P1,P3,P4により処理を行う方法があり、後者の方が工程が少くて好ましいが、製造条件により必要に応じて両方法のうち適した方法を選ぶことができる。
【0040】
図4は本発明の実施の形態におけるスクロール部材の製造工程を図示した説明図であり、上記に説明したようにまず、P1において硬質陽極酸化処理を行い、アルミニウム合金母材1に陽極酸化皮膜2を形成する。この陽極酸化皮膜2には前述のように微小孔のポア3が形成されている。 次にP2においてSn含浸処理が行なわれ、ポア3の内部の底面にすず5が電解により徐々に形成されてゆく。次に、P3において、まずS1で水酸化ナトリウムのエッチングによりポア3の表層部に拡大開口部20が形成され、次いてS2において電解によりポア3内にすず5を析出させて充填させ、処理を完了する。このS1,S2を含む処理P3は必要に応じてP4,P5と実施しても良いものである。
【0041】
図5はスクロール部材の各種形態に対する比較を説明する図であり、(A)は本発明のものであり、アルミニウム合金母材に陽極酸化皮膜2を形成し、ポア3に拡大開口部20を形成してすず5を充填したものである。(B)は(A)の形態において拡大開口部20がないもの、(C)はポア3の径を拡大してd’>dとしたもの、(D)はポア3内にすず5を充填しないもので、かつ拡大開口部のないものである。
【0042】
上記の各形態のものを比較すると、潤滑性については、拡大開口部20を有する(A),d’>dとした(C)のものが大であって最も良好であり、被膜硬さについては(A)〜(D)についてあまり大差がない。これらを総合判定すると、本発明の(A)のものが潤滑性も良好で、皮膜の硬さも有しており、これら形態のうち最良のスクロール部材であることがわかる。図5において、記号の二重丸は適、三角は可、斜め十字は不適を示す。本発明の範囲に入るものは二重丸で示すものである。
【0043】
以上説明したように、本発明の実施の形態においては、ポア3に拡大開口部20を設け、すず5を充填したことにより、潤滑油が枯渇した場合でも潤滑性能を発揮でき、また圧縮機の性能を向上できる自己潤滑性表面処理皮膜を有するスクロール部材10を備えたスクロールおよび、そのスクロール部材10とスクロール部材10の製造方法を提供するものであり、又、本発明の範囲内で、上記実施の形態に限定されるものではなくその具体的構成、構造に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0044】
なお、以上説明した実施の形態において、拡大開口部20が漏斗状、すなわち略円錐形である場合についての説明を行ったが、しかし、本発明なこれに限らず、半球形や、放物線回転体状などの形状であっても範囲に入ることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本発明のスクロール型流体機械は、(1)アルミニウム合金製の一対の固定スクロールと旋回スクロールとを備えるスクロール型流体機械であって、前記固定スクロールまたは旋回スクロールのどちらか一方のスクロールの表面に、硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴としている。
【0046】
上記の構成により、ポアの径が表層部で拡大しており、この部分では比較的高度が低くすず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用により、固定スクロールと旋回スクロールとの間に潤滑油が枯渇した場合でも両スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール型流体機械を得ることができる。
【0047】
本発明のスクロール部材は、(2)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材であって、同スクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴としている。
【0048】
上記スクロール部材によれば、ポアの径が表層部で拡大しており、すず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用を有するスクロール部材が得られ、このスクロール部材をスクロール機械に用いた場合、潤滑性が枯渇した場合でも固定、旋回スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至ることがない。
【0049】
本発明のスクロール部材の製造方法は、(3)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記硬質陽極酸化処理皮膜中に生じたポア内にすずを析出せしめ、その後前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬して前記ポア開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に前記電解を施して同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴としている。
【0050】
上記の方法では、すずのなじみ性と自己潤滑作用を有するスクロール部材が容易に製造できる製造方法が実現でき、硫酸第1すずを含む水溶液中での電解と、水酸化ナトリウム水溶液中の浸漬によるエッチングとの工程により、複雑な工程がなく、スクロール部材の一貫製造ラインでの製造を可能とするものである。
【0051】
本発明の更なるスクロール部材の製造方法は、(4)スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬し同硬質陽極酸化処理皮膜に生じたポアの開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記ポア内にすずを析出せしめ、同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴としている。
【0052】
上記の方法によれば、硬質陽極酸化処理皮膜の形成した後に、すずを析出する電解を行うことなく、水酸化ナトリウムによる表層部のエッチングを行いポア開口部を拡大させ、その後電解を行うので、最初の電解の工程がなく、工程が上記(3)の発明よりも工程が簡略化できる。
【0053】
本発明の(5)の製造方法では、エッチングと電解を行う工程を複数回繰り返して行うので、エッチングによりポア開口の拡大を充分に行うと共に、すずのポア内への充填が表層部まで完全になされ、スクロール部材の品質を一層向上させることができる。
【0054】
本発明の(6),(7),(8)では、水酸化ナトリウムによるエッチングで形成される部材表層部におけるポア開口の拡大部の径が、もともとのポアの径よりも大きく、最大2倍まで拡大され、かつその深さも、ポア全長/深さが5〜5/4の範囲、即ち、全長に対して20%〜80%の範囲で充分に開口しており、このような処理により、比較的高度が低くすず濃度の高い皮膜によりなじみ性とすずの持つ自己潤滑作用により、固定スクロールと旋回スクロールとの間に潤滑油が枯渇した場合でも両スクロール間の潤滑作用を保持し凝着に至らないスクロール型流体機械が得られ、それに使用されるスクロール部材が容易に得られるスクロール部材の製造方法が実現されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るスクロール部材の表面部断面拡大図である。
【図2】図1における部分拡大図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係るスクロール部材の処理工程を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る製造工程を示す説明図である。
【図5】本発明を含むスクロール部材の各種形態の比較を示す説明図である。
【図6】本発明の先行技術に係るスクロール部材の表面部断面拡大図である。
【図7】一般的なスクロール部材の形状の説明図であり、(a)はスクロール部材の平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1   アルミニウム合金母材
2   陽極酸化皮膜
3   ポア
5   すず
6   バリア層
10  スクロール部材
11  ラップ
20  拡大開口部

Claims (8)

  1. アルミニウム合金製の一対の固定スクロールと旋回スクロールとを備えるスクロール型流体機械であって、前記固定スクロールまたは旋回スクロールのどちらか一方のスクロールの表面に、硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材であって、同スクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成させ、同形成した皮膜中に生ずるポアの表層部における開口を同ポアの径より拡大させ、同ポア内にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成してなることを特徴とするスクロール部材。
  3. スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記硬質陽極酸化処理皮膜中に生じたポア内にすずを析出せしめ、その後前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬して前記ポア開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に前記電解を施して同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴とすることを特徴とするスクロール部材の製造方法。
  4. スクロール型流体機械のアルミニウム合金製のスクロール部材の表面に硬質陽極酸化処理皮膜を形成し、次いて前記硬質陽極酸化処理皮膜の表層部を水酸化ナトリウム水溶液中に所定時間浸漬し同硬質陽極酸化処理皮膜に生じたポアの開口をエッチングすることにより同ポアの径よりも拡大し、更に同スクロール部材を硫酸第1すずイオンを含む水溶液中で陰極側として電解し、前記ポア内にすずを析出せしめ、同硬質陽極酸化処理皮膜中にすずを含浸させた自己潤滑性表面処理皮膜を形成することを特徴とするスクロール部材の製造方法。
  5. 前記エッチングとその後の電解は複数回行うことを特徴とする請求項3又は4記載のスクロール部材の製造方法。
  6. 前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って徐々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする請求項1記載のスクロール型流体機械。
  7. 前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って除々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする請求項2記載のスクロール部材。
  8. 前記ポアの拡大した径は、同ポアの拡大してない部分の径よりも大きく、最大2倍であって2倍以下の範囲であり、拡大部の形状は底部に向って除々に減少する漏斗状であって、その深さは、ポア全体の深さをポア拡大開口部の深さで除算した値が1.25以上5以下であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のスクロール部材の製造方法。
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