JP2004002194A - セメント用分散剤及びセメント配合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】セメント配合物にスランプロスを抑えた高い流動性を与え、同時に高い早期強度を与えることができるセメント用分散剤及びセメント配合物を提供する。
【解決手段】セメント用分散剤として、特定のウレタン(メタ)アクリレート系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ該ウレタン(メタ)アクリレート系単量体/該(メタ)アクリル酸系単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量が5000〜150000であり且つ重量平均分子量/数平均分子量=2〜8である水溶性ビニル共重合体を用いた。
【選択図】 なし
【解決手段】セメント用分散剤として、特定のウレタン(メタ)アクリレート系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ該ウレタン(メタ)アクリレート系単量体/該(メタ)アクリル酸系単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量が5000〜150000であり且つ重量平均分子量/数平均分子量=2〜8である水溶性ビニル共重合体を用いた。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント用分散剤に関する。セメント配合物を用いる作業現場においては、作業の効率化及び省力化を図り、型枠の早期脱型による工期の短縮化を図る上で、セメント配合物に高い流動性を与えること、与えた流動性の経時的低下(スランプロス)を抑えること、硬化初期に充分な早期強度を発現させることが要求される。本発明はかかる要求に応えるセメント用分散剤及びセメント配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメント配合物に流動性を与えるセメント用分散剤として、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、水溶性ビニル共重合体等が使用されている。ところが、セメント分散剤としてナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を用いたセメント配合物はスランプロスが大きいという問題がある。またセメント分散剤として従来提案されている水溶性ビニル共重合体(特公昭58−38380、特開平2−163108、特公昭59−18338、特公平5−11057、特公平5−36377)を用いたセメント配合物は、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を用いた場合に比べてスランプロスは小さくなるが、凝結遅延性が大きくなって早期強度の発現に劣るという問題がある。これらの問題は特に、水/セメント比を抑えた高強度セメント配合物において大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のセメント用分散剤では、スランプロスが大きいか、或は早期強度の発現に劣り、これらの問題は特に水/セメント比を抑えた高強度セメント配合物において大きいという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、セメント用分散剤として、特定のビニル単量体を所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、該水系溶液のpHを所定範囲に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、所定の重量平均分子量及び重量平均分子量と数平均分子量との比を有する水溶性ビニル共重合体が正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記の式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と下記の式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体/式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、該水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量が5000〜150000であり且つ重量平均分子量/数平均分子量=2〜8である水溶性ビニル共重合体から成ることを特徴とするセメント用分散剤に係る。
【0006】
【式1】
【式2】
【0007】
式1、式2において、
R1,R3:水素又はメチル基
R2:炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はベンジル基
A:オキシアルキレン単位の繰り返し数10〜200のポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方から成るものであるポリオキシアルキレン基
M1:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミン
【0008】
また本発明は、セメント、骨材、セメント用分散剤及び水を含有するセメント配合物において、セメント用分散剤として前記のような本発明に係るセメント用分散剤を用いて成ることを特徴とするセメント配合物に係る。
【0009】
先ず、本発明に係るセメント用分散剤について説明する。本発明に係るセメント用分散剤は水溶性ビニル共重合体から成るものである。この水溶性ビニル共重合体は、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体/式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)、好ましくは5/95〜95/5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものである。
【0010】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体は、片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールと2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートとを付加反応させたビニル単量体である。ここで2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートは、2−イソシアネートエチルアクリレートと2−イソシアネートエチルメタクリレートとを意味する。
【0011】
前記の片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ネオペンチルアルコール等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール、フェノール又はベンジルアルコールに、アルキレンオキサイドを付加反応させたものが挙げられるが、なかでもメチルアルコールにアルキレンオキサイドを付加反応させたメトキシポリアルキレングリコールが好ましい。
【0012】
かかる片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールにおいて、オキシアルキレン単位の繰り返し数となるアルキレンオキサイドの付加モル数は10〜200とする。アルキレンオキサイドの付加形態としては、1)エチレンオキサイドの単独付加、2)エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック付加、3)エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム付加が挙げられるが、なかでもエチレンオキサイドの単独付加が好ましい。
【0013】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の合成には、片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールと2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートとを付加反応させる公知の合成方法、例えば特開平4−314715号公報に記載されているような合成方法を適用できる。
【0014】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の具体例としては、分子中にオキシエチレン単位のみから成るポリオキシアルキレン基を有するものとして、1)いずれも片末端が炭素数1〜5のアルキル基で封鎖された、メトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、イソプロポキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、sec−ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、2)片末端がフェニル基で封鎖されたフェニルオキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、3)片末端がベンジル基で封鎖されたベンジルオキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また分子中にオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方から成るポリオキシアルキレン基を有するものとして、4)いずれも片末端が炭素数1〜5のアルキル基で封鎖された、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、イソプロポキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、sec−ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、5)片末端がフェニル基で封鎖されたフェニルオキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、6)片末端がベンジル基で封鎖されたベンジルオキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0015】
式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としては、1)(メタ)アクリル酸、2)(メタ)アクリル酸のリチウム塩、ナトリウリ塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、3)(メタ)アクリル酸のカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、4)(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩、5)(メタ)アクリル酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられるが、なかでも(メタ)アクリル酸のナトリウム塩が好ましい。ここで(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸とを意味する。
【0016】
本発明に係るセメント用分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は、前記したように式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものであるが、この場合、他のビニル単量体をも含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得ることもできる。かかる他のビニル単量体は式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体や式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と共重合可能なビニル単量体であり、これには公知のビニル単量体を使用できるが、かかる他のビニル単量体としては下記の式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が好ましい。
【0017】
【式3】
【0018】
式3において、
R4:水素又はメチル基
M2:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミン
【0019】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としては、1)(メタ)アリルスルホン酸、2)(メタ)アリルスルホン酸のリチウム塩、ナトリウリ塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、3)(メタ)アリルスルホン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、4)(メタ)アリルスルホン酸のアンモニウム塩、5)(メタ)アリルスルホン酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられるが、なかでもメタリルスルホン酸のナトリウム塩が好ましい。ここで(メタ)アリルスルホン酸は、アリルスルホン酸とメタリルスルホン酸とを意味する。
【0020】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体を含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて水溶性ビニル共重合体を得る場合、ビニル単量体群中における式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の含有量は25モル%以下となるようにするが、なかでも、ビニル単量体群中において、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が1〜80モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が10〜98モル%、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が0.5〜25モル%(合計100モル%)の割合となるようにするのが好ましい。かかるビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる水溶性ビニル共重合体は、これをセメント用分散剤として用いると、水/セメント比を抑えた高強度コンクリート、具体的には水/セメント比が15〜45%の高強度コンクリートに優れたスランプロス防止性を与える。
【0021】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体以外の他のビニル単量体としては、1)p−メタリルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、スチレンスルホン酸又はその塩、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド又はその塩、スルホエチル(メタ)アクリレート等の不飽和スルホン酸又はその塩類、2)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその塩類、3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、4)炭素数1〜3のアルコキシ基を有するアルコキシエチル(メタ)アクリレート、6)炭素数1〜3のアルコキシ基を有するアルコキシ(ポリ)エトキシ(エトキシ単位の繰り返し数1〜100)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
本発明に係るセメント用分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は、以上説明したように、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群、更には他のビニル単量体、好ましくは式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体をも含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものであるが、かかるビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にてビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものである。ここで水系溶液としては、水又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いたものが挙げられる。
【0023】
具体的には例えば、先ず各ビニル単量体を合計量として10〜40重量%含有する水溶液を調製し、この水溶液のpHを3.0〜7.0に調整する。次に、窒素ガス雰囲気下において、該水溶液にラジカル開始剤を加え、50〜90℃で5〜8時間ラジカル共重合させて、水溶性ビニル共重合体を得る。この際、用いるラジカル開始剤としては、共重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであればその種類は特に制限されないが、水溶性のラジカル開始剤を用いるのが好ましい。かかる水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やL−アスコルビン酸の如き還元性物質更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として用いることもできる。
【0024】
本発明に係るセメント用分散剤は、かくして得られる水溶性ビニル共重合体から成るもので、重量平均分子量(GPC法、プルラン換算)が5000〜150000であり且つ重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平均分子量/数平均分子量、以下Mw/Mnと略記する)が2〜8の範囲内のものである。得られる水溶性ビニル共重合体の重量平均分子量及びMw/Mnの調節は、それ自体は公知の方法、例えばラジカル共重合に供する水系溶液中の各ビニル単量体の濃度、該水系溶液のpH、該水系溶液への連鎖移動剤の添加、ラジカル共重合時の温度等を適宜組み合わせる方法で行なうことができるが、所望通りの重量平均分子量及びMw/Mnを有する水溶性ビニル共重合体を得るためには、ラジカル共重合に供する水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整しておくのが有利である。ラジカル共重合に供する水系溶液に2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン等の連鎖移動剤を添加することもできるが、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体はそれ自体が連鎖移動剤として作用するので、これを利用することもできる。
【0025】
次に、本発明に係るセメント配合物について説明する。本発明に係るセメント配合物は、セメント、骨材、セメント用分散剤及び水を含有するセメント配合物において、セメント用分散剤として以上説明したような本発明に係るセメント用分散剤を用いて成るものである。セメントとしては、1)普通セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、2)高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカヒュームセメント等の各種混合セメントが挙げられるが、セメントと共に結合材としてシリカヒューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等の微粉末混和材料も併用できる。また骨材としては、1)川砂、山砂、海砂、砕砂等の細骨材、2)川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。本発明に係るセメント用分散剤の使用量は、通常の場合にセメント又はセメントを含む結合材100重量部に対し固形分換算で0.05〜2.5重量部の割合とするが、0.1〜2.0重量部の割合とするのが好ましい。
【0026】
本発明に係るセメント配合物は、セメント、骨材、本発明に係るセメント用分散剤及び水を必須成分として含有するものであるが、合目的的に他の剤を含有することもできる。かかる他の剤としては、空気連行剤、消泡剤、防水剤、硬化促進剤、防腐剤等がある。本発明に係るセメント用分散剤も含めてこれらの使用方法は、セメント配合物の調製時に練り混ぜ水と一緒に添加する方法、練り混ぜ後のセメント配合物に後添加する方法等がある。
【0027】
本発明に係るセメント用分散剤を用いると、水/セメント比が45%を超える通常のセメント配合物に対してだけでなく、水/セメント比が15〜45%のセメント配合物に対してもその効果の発現が高い。すなわち、水/セメント比を15〜45%に抑えた高強度コンクリートに対しても、高い流動性を与え、スランプロスが小さく、しかも凝結遅延を抑えて充分な早期強度を発現させるのである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係るセメント用分散剤の実施形態としては、次の1)〜10)が挙げられる。
1)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン単位の繰り返し数68、以下n=68という)ウレタンエチルメタクリレートを11モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを89モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量49000、Mw/Mn=4.2の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0029】
2)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレートを10モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを80モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを10モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量54000、Mw/Mn=5.1の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0030】
3)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=23)ウレタンエチルメタクリレートを35モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを65モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量49500、Mw/Mn=3.0の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0031】
4)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=10)ウレタンエチルメタクリレートを74モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを21モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを4モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量34000、Mw/Mn=4.6の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0032】
5)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=115)ウレタンエチルメタクリレートを6モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを94モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量67000、Mw/Mn=3.5の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0033】
6)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=180)ウレタンエチルメタクリレートを5モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを74モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを21モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量88500、Mw/Mn=6.7の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0034】
7)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてプロポキシポリエチレングリコール(n=90)ウレタンエチルメタクリレートを8モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸を92モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量52000、Mw/Mn=5.4の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0035】
8)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてフェノキシポリエチレングリコール(n=90)ウレタンエチルメタクリレートを7モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを91モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを2モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量61500、Mw/Mn=4.0の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0036】
9)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレートを14モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを76モル%及び他のビニル単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレートを10モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量43000、Mw/Mn=7.2の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0037】
10)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=23)ウレタンエチルメタクリレートを20モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを59モル%、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを6モル%及び他のビニル単量体としてアクリル酸メチルを15モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量39000、Mw/Mn=4.8の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0038】
また本発明に係るセメント配合物の実施形態としては、次の11)及び12)が挙げられる。
11)セメント500kg/m3、骨材として細骨材742kg/m3及び粗骨材944kg/m3、水165kg/m3、並びに前記1)〜10)のうちでいずれかのセメント用分散剤をセメントに対し固形分換算で0.20〜0.38重量%、以上の割合でセメント、骨材、水及びセメント用分散剤を含有してなるセメント配合物。
【0039】
12)セメント330kg/m3、骨材として細骨材867kg/m3及び粗骨材960kg/m3、水165kg/m3、並びに前記1)〜10)のうちでいずれかのセメント用分散剤をセメントに対し固形分換算で0.17〜0.35重量%、以上の割合でセメント、骨材、水及びセメント用分散剤を含有してなるセメント配合物。
【0040】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、部は重量部を、また%は空気量を除き重量%を意味する。
【0041】
【実施例】
試験区分1(式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の合成)
メトキシポリエチレングリコール(n=68)605g、2−イソシアネートエチルメタクリレート31g及び触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.6gを反応容器に仕込み、撹拌しながら75℃で3時間付加反応させて、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)を得た。同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系単量体(A−2)〜(A−7)を得た。これらの内容を表1にまとめて示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1において、
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体:下記の式4で示されるウレタン(メタ)アクリレート系単量体
【0044】
【式4】
【0045】
試験区分2(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(実施例1)の合成
試験区分1で合成したメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)320部(0.1モル)、メタクリル酸73部(0.85モル)、2−メルカプトプロピオン酸5.5部及び水400部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液57部を投入して反応容器内の水系溶液をpH6に調整した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)の10%水溶液80部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液65部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(実施例1)を得た。この水溶性ビニル共重合体(実施例1)を元素分析、滴定分析、GPC測定等で分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)から形成された構成単位を11モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を89モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が49000で、Mw/Mn=4.2の水溶性ビニル共重合体であった。
【0046】
・水溶性ビニル共重合体(実施例2)の合成
試験区分1で合成したメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)320部(0.1モル)、メタクリル酸70部(0.81モル)、メタリルスルホン酸ナトリウム18部(0.11モル)及び水420部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液65部を投入して反応容器内の水系溶液をpH6に調整した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの10%水溶液60部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液42部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(実施例2)を得た。この水溶性ビニル共重合体(実施例2)を元素分析、滴定分析、GPC測定等で分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)から形成された構成単位を10モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を80モル%、メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位を10モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が54000で、Mw/Mn=5.1の水溶性ビニル共重合体であった。
【0047】
・水溶性ビニル共重合体(実施例3〜10)の合成
水溶性ビニル共重合体(実施例1,2)と同様の方法により、水溶性ビニル共重合体(実施例3〜10)を得た。実施例1,2を含め、合成した各実施例の水溶性ビニル共重合体の内容を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2において、
ビニル単量体A:式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
A−1〜A−7:試験区分1で合成したウレタン(メタ)アクリレート系単量体A−1〜A−7
ビニル単量体B:式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
B−1:メタクリル酸ナトリウム
B−2:アクリル酸ナトリウム
B−3:メタクリル酸
ビニル単量体C:式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
C−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
ビニル単量体D:他のビニル単量体
D−1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
D−2:アクリル酸メチル
これらは以下同じ
【0050】
・水溶性ビニル共重合体(比較例1)の合成
メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)32部(0.01モル)、メタクリル酸386部(4.49モル)、2−メルカプトプロピオン酸17.5部及び水440部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液510部を投入した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの10%水溶液63部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液90部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(比較例1)を得た。この水溶性ビニル共重合体を同様に分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(a−1)から形成された構成単位を0.2モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を99.8モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が75000で、Mw/Mn=9.0の水溶性ビニル共重合体であった。
【0051】
・水溶性ビニル共重合体(比較例2〜7)の合成
水溶性ビニル共重合体(比較例1)と同様の方法により、水溶性ビニル共重合体(比較例2〜7)を得た。比較例1を含め、合成した各比較例の水溶性ビニル共重合体の内容を表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】
表3において、
D−3:メトキシポリエチレングリコール(n=9)メタクリレート
D−4:スチレンスルホン酸ナトリウム
【0054】
試験区分3(コンクリートの調製及び評価)
・コンクリートの調製
表4に記載の調合条件で、各試験例のコンクリートを次のように調製した。50リットルのパン型強制練りミキサーに普通ポルトランドセメント(比重=3.16、ブレーン値3300)、細骨材(大井川水系砂、比重=2.63)及び粗骨材(岡崎産砕石、比重=2.66)を順次投入して15秒間空練りした。次いで各試験例いずれも目標スランプが21±1cmの範囲に入るよう、試験区分2で合成したセメント用分散剤を、セメントに対し固形分換算で0.1〜1.5重量%の範囲で練り混ぜ水とともに添加して2分間練り混ぜた。この際、目標空気量が4.0〜5.0%となるように空気量調整剤を添加した。
【0055】
【表4】
【0056】
・コンクリートの評価
調製した各試験例のコンクリートについて、次のように評価した。結果を表5〜表8にまとめて示した。
スランプ:練り混ぜ直後、更に60分静置後及び90分静置後に、JIS−A1101に準拠して測定した。
スランプ残存率:(90分後のスランプ/直後のスランプ)×100
空気量:JIS−A1128に準拠して測定した。
凝結時間:JIS−A6204に準拠して測定した。
圧縮強度:JIS−A1108に準拠して測定した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
表5〜表8において、
セメント用分散剤の添加量:セメント100部に対する固形分換算の添加量
*:硬化していなかったので測定できなかった
比較例8のセメント用分散剤:ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
比較例9のセメント用分散剤:メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
【0062】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、セメント配合物にスランプロスを抑えた高い流動性を与え、同時に高い早期強度を与えることができるという効果がある。
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント用分散剤に関する。セメント配合物を用いる作業現場においては、作業の効率化及び省力化を図り、型枠の早期脱型による工期の短縮化を図る上で、セメント配合物に高い流動性を与えること、与えた流動性の経時的低下(スランプロス)を抑えること、硬化初期に充分な早期強度を発現させることが要求される。本発明はかかる要求に応えるセメント用分散剤及びセメント配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメント配合物に流動性を与えるセメント用分散剤として、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩、水溶性ビニル共重合体等が使用されている。ところが、セメント分散剤としてナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を用いたセメント配合物はスランプロスが大きいという問題がある。またセメント分散剤として従来提案されている水溶性ビニル共重合体(特公昭58−38380、特開平2−163108、特公昭59−18338、特公平5−11057、特公平5−36377)を用いたセメント配合物は、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩を用いた場合に比べてスランプロスは小さくなるが、凝結遅延性が大きくなって早期強度の発現に劣るという問題がある。これらの問題は特に、水/セメント比を抑えた高強度セメント配合物において大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のセメント用分散剤では、スランプロスが大きいか、或は早期強度の発現に劣り、これらの問題は特に水/セメント比を抑えた高強度セメント配合物において大きいという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、セメント用分散剤として、特定のビニル単量体を所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、該水系溶液のpHを所定範囲に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、所定の重量平均分子量及び重量平均分子量と数平均分子量との比を有する水溶性ビニル共重合体が正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記の式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と下記の式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体/式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、該水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量が5000〜150000であり且つ重量平均分子量/数平均分子量=2〜8である水溶性ビニル共重合体から成ることを特徴とするセメント用分散剤に係る。
【0006】
【式1】
【式2】
【0007】
式1、式2において、
R1,R3:水素又はメチル基
R2:炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はベンジル基
A:オキシアルキレン単位の繰り返し数10〜200のポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方から成るものであるポリオキシアルキレン基
M1:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミン
【0008】
また本発明は、セメント、骨材、セメント用分散剤及び水を含有するセメント配合物において、セメント用分散剤として前記のような本発明に係るセメント用分散剤を用いて成ることを特徴とするセメント配合物に係る。
【0009】
先ず、本発明に係るセメント用分散剤について説明する。本発明に係るセメント用分散剤は水溶性ビニル共重合体から成るものである。この水溶性ビニル共重合体は、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体/式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)、好ましくは5/95〜95/5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものである。
【0010】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体は、片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールと2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートとを付加反応させたビニル単量体である。ここで2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートは、2−イソシアネートエチルアクリレートと2−イソシアネートエチルメタクリレートとを意味する。
【0011】
前記の片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ネオペンチルアルコール等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール、フェノール又はベンジルアルコールに、アルキレンオキサイドを付加反応させたものが挙げられるが、なかでもメチルアルコールにアルキレンオキサイドを付加反応させたメトキシポリアルキレングリコールが好ましい。
【0012】
かかる片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールにおいて、オキシアルキレン単位の繰り返し数となるアルキレンオキサイドの付加モル数は10〜200とする。アルキレンオキサイドの付加形態としては、1)エチレンオキサイドの単独付加、2)エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック付加、3)エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム付加が挙げられるが、なかでもエチレンオキサイドの単独付加が好ましい。
【0013】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の合成には、片末端が炭化水素基で封鎖されたポリオキシアルキレンモノオールと2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートとを付加反応させる公知の合成方法、例えば特開平4−314715号公報に記載されているような合成方法を適用できる。
【0014】
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の具体例としては、分子中にオキシエチレン単位のみから成るポリオキシアルキレン基を有するものとして、1)いずれも片末端が炭素数1〜5のアルキル基で封鎖された、メトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、イソプロポキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、sec−ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、2)片末端がフェニル基で封鎖されたフェニルオキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、3)片末端がベンジル基で封鎖されたベンジルオキシポリエチレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また分子中にオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方から成るポリオキシアルキレン基を有するものとして、4)いずれも片末端が炭素数1〜5のアルキル基で封鎖された、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、イソプロポキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、sec−ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、t−ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、5)片末端がフェニル基で封鎖されたフェニルオキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレート、6)片末端がベンジル基で封鎖されたベンジルオキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールウレタンエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0015】
式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としては、1)(メタ)アクリル酸、2)(メタ)アクリル酸のリチウム塩、ナトリウリ塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、3)(メタ)アクリル酸のカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、4)(メタ)アクリル酸のアンモニウム塩、5)(メタ)アクリル酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられるが、なかでも(メタ)アクリル酸のナトリウム塩が好ましい。ここで(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸とを意味する。
【0016】
本発明に係るセメント用分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は、前記したように式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものであるが、この場合、他のビニル単量体をも含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得ることもできる。かかる他のビニル単量体は式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体や式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と共重合可能なビニル単量体であり、これには公知のビニル単量体を使用できるが、かかる他のビニル単量体としては下記の式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が好ましい。
【0017】
【式3】
【0018】
式3において、
R4:水素又はメチル基
M2:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミン
【0019】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としては、1)(メタ)アリルスルホン酸、2)(メタ)アリルスルホン酸のリチウム塩、ナトリウリ塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、3)(メタ)アリルスルホン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、4)(メタ)アリルスルホン酸のアンモニウム塩、5)(メタ)アリルスルホン酸のジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられるが、なかでもメタリルスルホン酸のナトリウム塩が好ましい。ここで(メタ)アリルスルホン酸は、アリルスルホン酸とメタリルスルホン酸とを意味する。
【0020】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体を含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて水溶性ビニル共重合体を得る場合、ビニル単量体群中における式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の含有量は25モル%以下となるようにするが、なかでも、ビニル単量体群中において、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が1〜80モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が10〜98モル%、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体が0.5〜25モル%(合計100モル%)の割合となるようにするのが好ましい。かかるビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる水溶性ビニル共重合体は、これをセメント用分散剤として用いると、水/セメント比を抑えた高強度コンクリート、具体的には水/セメント比が15〜45%の高強度コンクリートに優れたスランプロス防止性を与える。
【0021】
式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体以外の他のビニル単量体としては、1)p−メタリルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、スチレンスルホン酸又はその塩、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド又はその塩、スルホエチル(メタ)アクリレート等の不飽和スルホン酸又はその塩類、2)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその塩類、3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、4)炭素数1〜3のアルコキシ基を有するアルコキシエチル(メタ)アクリレート、6)炭素数1〜3のアルコキシ基を有するアルコキシ(ポリ)エトキシ(エトキシ単位の繰り返し数1〜100)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
本発明に係るセメント用分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は、以上説明したように、式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを所定量且つ所定割合で含有するビニル単量体群、更には他のビニル単量体、好ましくは式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体をも含有するビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものであるが、かかるビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にてビニル単量体群をラジカル共重合させて得られるものである。ここで水系溶液としては、水又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いたものが挙げられる。
【0023】
具体的には例えば、先ず各ビニル単量体を合計量として10〜40重量%含有する水溶液を調製し、この水溶液のpHを3.0〜7.0に調整する。次に、窒素ガス雰囲気下において、該水溶液にラジカル開始剤を加え、50〜90℃で5〜8時間ラジカル共重合させて、水溶性ビニル共重合体を得る。この際、用いるラジカル開始剤としては、共重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであればその種類は特に制限されないが、水溶性のラジカル開始剤を用いるのが好ましい。かかる水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やL−アスコルビン酸の如き還元性物質更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として用いることもできる。
【0024】
本発明に係るセメント用分散剤は、かくして得られる水溶性ビニル共重合体から成るもので、重量平均分子量(GPC法、プルラン換算)が5000〜150000であり且つ重量平均分子量と数平均分子量との比(重量平均分子量/数平均分子量、以下Mw/Mnと略記する)が2〜8の範囲内のものである。得られる水溶性ビニル共重合体の重量平均分子量及びMw/Mnの調節は、それ自体は公知の方法、例えばラジカル共重合に供する水系溶液中の各ビニル単量体の濃度、該水系溶液のpH、該水系溶液への連鎖移動剤の添加、ラジカル共重合時の温度等を適宜組み合わせる方法で行なうことができるが、所望通りの重量平均分子量及びMw/Mnを有する水溶性ビニル共重合体を得るためには、ラジカル共重合に供する水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整しておくのが有利である。ラジカル共重合に供する水系溶液に2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン等の連鎖移動剤を添加することもできるが、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体はそれ自体が連鎖移動剤として作用するので、これを利用することもできる。
【0025】
次に、本発明に係るセメント配合物について説明する。本発明に係るセメント配合物は、セメント、骨材、セメント用分散剤及び水を含有するセメント配合物において、セメント用分散剤として以上説明したような本発明に係るセメント用分散剤を用いて成るものである。セメントとしては、1)普通セメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、2)高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカヒュームセメント等の各種混合セメントが挙げられるが、セメントと共に結合材としてシリカヒューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等の微粉末混和材料も併用できる。また骨材としては、1)川砂、山砂、海砂、砕砂等の細骨材、2)川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。本発明に係るセメント用分散剤の使用量は、通常の場合にセメント又はセメントを含む結合材100重量部に対し固形分換算で0.05〜2.5重量部の割合とするが、0.1〜2.0重量部の割合とするのが好ましい。
【0026】
本発明に係るセメント配合物は、セメント、骨材、本発明に係るセメント用分散剤及び水を必須成分として含有するものであるが、合目的的に他の剤を含有することもできる。かかる他の剤としては、空気連行剤、消泡剤、防水剤、硬化促進剤、防腐剤等がある。本発明に係るセメント用分散剤も含めてこれらの使用方法は、セメント配合物の調製時に練り混ぜ水と一緒に添加する方法、練り混ぜ後のセメント配合物に後添加する方法等がある。
【0027】
本発明に係るセメント用分散剤を用いると、水/セメント比が45%を超える通常のセメント配合物に対してだけでなく、水/セメント比が15〜45%のセメント配合物に対してもその効果の発現が高い。すなわち、水/セメント比を15〜45%に抑えた高強度コンクリートに対しても、高い流動性を与え、スランプロスが小さく、しかも凝結遅延を抑えて充分な早期強度を発現させるのである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係るセメント用分散剤の実施形態としては、次の1)〜10)が挙げられる。
1)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン単位の繰り返し数68、以下n=68という)ウレタンエチルメタクリレートを11モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを89モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量49000、Mw/Mn=4.2の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0029】
2)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレートを10モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを80モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを10モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量54000、Mw/Mn=5.1の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0030】
3)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=23)ウレタンエチルメタクリレートを35モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを65モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量49500、Mw/Mn=3.0の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0031】
4)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=10)ウレタンエチルメタクリレートを74モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを21モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを4モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量34000、Mw/Mn=4.6の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0032】
5)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=115)ウレタンエチルメタクリレートを6モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを94モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量67000、Mw/Mn=3.5の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0033】
6)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=180)ウレタンエチルメタクリレートを5モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを74モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを21モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量88500、Mw/Mn=6.7の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0034】
7)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてプロポキシポリエチレングリコール(n=90)ウレタンエチルメタクリレートを8モル%及び式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸を92モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量52000、Mw/Mn=5.4の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0035】
8)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてフェノキシポリエチレングリコール(n=90)ウレタンエチルメタクリレートを7モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを91モル%及び式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを2モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量61500、Mw/Mn=4.0の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0036】
9)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレートを14モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを76モル%及び他のビニル単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレートを10モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量43000、Mw/Mn=7.2の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0037】
10)式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメトキシポリエチレングリコール(n=23)ウレタンエチルメタクリレートを20モル%、式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタクリル酸ナトリウムを59モル%、式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体としてメタリルスルホン酸ナトリウムを6モル%及び他のビニル単量体としてアクリル酸メチルを15モル%(合計100モル%)含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、この水系溶液をpH6に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量39000、Mw/Mn=4.8の水溶性ビニル共重合体からなるセメント用分散剤。
【0038】
また本発明に係るセメント配合物の実施形態としては、次の11)及び12)が挙げられる。
11)セメント500kg/m3、骨材として細骨材742kg/m3及び粗骨材944kg/m3、水165kg/m3、並びに前記1)〜10)のうちでいずれかのセメント用分散剤をセメントに対し固形分換算で0.20〜0.38重量%、以上の割合でセメント、骨材、水及びセメント用分散剤を含有してなるセメント配合物。
【0039】
12)セメント330kg/m3、骨材として細骨材867kg/m3及び粗骨材960kg/m3、水165kg/m3、並びに前記1)〜10)のうちでいずれかのセメント用分散剤をセメントに対し固形分換算で0.17〜0.35重量%、以上の割合でセメント、骨材、水及びセメント用分散剤を含有してなるセメント配合物。
【0040】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、部は重量部を、また%は空気量を除き重量%を意味する。
【0041】
【実施例】
試験区分1(式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体の合成)
メトキシポリエチレングリコール(n=68)605g、2−イソシアネートエチルメタクリレート31g及び触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.6gを反応容器に仕込み、撹拌しながら75℃で3時間付加反応させて、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)を得た。同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系単量体(A−2)〜(A−7)を得た。これらの内容を表1にまとめて示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1において、
式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体:下記の式4で示されるウレタン(メタ)アクリレート系単量体
【0044】
【式4】
【0045】
試験区分2(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(実施例1)の合成
試験区分1で合成したメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)320部(0.1モル)、メタクリル酸73部(0.85モル)、2−メルカプトプロピオン酸5.5部及び水400部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液57部を投入して反応容器内の水系溶液をpH6に調整した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)の10%水溶液80部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液65部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(実施例1)を得た。この水溶性ビニル共重合体(実施例1)を元素分析、滴定分析、GPC測定等で分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)から形成された構成単位を11モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を89モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が49000で、Mw/Mn=4.2の水溶性ビニル共重合体であった。
【0046】
・水溶性ビニル共重合体(実施例2)の合成
試験区分1で合成したメトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)320部(0.1モル)、メタクリル酸70部(0.81モル)、メタリルスルホン酸ナトリウム18部(0.11モル)及び水420部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液65部を投入して反応容器内の水系溶液をpH6に調整した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの10%水溶液60部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液42部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(実施例2)を得た。この水溶性ビニル共重合体(実施例2)を元素分析、滴定分析、GPC測定等で分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)から形成された構成単位を10モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を80モル%、メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位を10モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が54000で、Mw/Mn=5.1の水溶性ビニル共重合体であった。
【0047】
・水溶性ビニル共重合体(実施例3〜10)の合成
水溶性ビニル共重合体(実施例1,2)と同様の方法により、水溶性ビニル共重合体(実施例3〜10)を得た。実施例1,2を含め、合成した各実施例の水溶性ビニル共重合体の内容を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
表2において、
ビニル単量体A:式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
A−1〜A−7:試験区分1で合成したウレタン(メタ)アクリレート系単量体A−1〜A−7
ビニル単量体B:式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
B−1:メタクリル酸ナトリウム
B−2:アクリル酸ナトリウム
B−3:メタクリル酸
ビニル単量体C:式3で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体
C−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
ビニル単量体D:他のビニル単量体
D−1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
D−2:アクリル酸メチル
これらは以下同じ
【0050】
・水溶性ビニル共重合体(比較例1)の合成
メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(A−1)32部(0.01モル)、メタクリル酸386部(4.49モル)、2−メルカプトプロピオン酸17.5部及び水440部を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムの30%水溶液510部を投入した後、反応容器内の雰囲気を窒素置換した。次に、反応容器内の水系溶液の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの10%水溶液63部を滴下して3時間ラジカル共重合反応を行なった後、更に2時間ラジカル共重合反応を継続してラジカル共重合反応を完結した。その後、反応容器に30%水酸化ナトリウム水溶液90部を投入して反応物を完全中和し、生成物を得た。得られた生成物の一部をエバポレータで濃縮した後、混合溶媒で精製乾燥し、水溶性ビニル共重合体(比較例1)を得た。この水溶性ビニル共重合体を同様に分析したところ、全構成単位中に、メトキシポリエチレングリコール(n=68)ウレタンエチルメタクリレート(a−1)から形成された構成単位を0.2モル%、メタクリル酸ナトリウムから形成された構成単位を99.8モル%(合計100モル%)の割合で有する、重量平均分子量が75000で、Mw/Mn=9.0の水溶性ビニル共重合体であった。
【0051】
・水溶性ビニル共重合体(比較例2〜7)の合成
水溶性ビニル共重合体(比較例1)と同様の方法により、水溶性ビニル共重合体(比較例2〜7)を得た。比較例1を含め、合成した各比較例の水溶性ビニル共重合体の内容を表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】
表3において、
D−3:メトキシポリエチレングリコール(n=9)メタクリレート
D−4:スチレンスルホン酸ナトリウム
【0054】
試験区分3(コンクリートの調製及び評価)
・コンクリートの調製
表4に記載の調合条件で、各試験例のコンクリートを次のように調製した。50リットルのパン型強制練りミキサーに普通ポルトランドセメント(比重=3.16、ブレーン値3300)、細骨材(大井川水系砂、比重=2.63)及び粗骨材(岡崎産砕石、比重=2.66)を順次投入して15秒間空練りした。次いで各試験例いずれも目標スランプが21±1cmの範囲に入るよう、試験区分2で合成したセメント用分散剤を、セメントに対し固形分換算で0.1〜1.5重量%の範囲で練り混ぜ水とともに添加して2分間練り混ぜた。この際、目標空気量が4.0〜5.0%となるように空気量調整剤を添加した。
【0055】
【表4】
【0056】
・コンクリートの評価
調製した各試験例のコンクリートについて、次のように評価した。結果を表5〜表8にまとめて示した。
スランプ:練り混ぜ直後、更に60分静置後及び90分静置後に、JIS−A1101に準拠して測定した。
スランプ残存率:(90分後のスランプ/直後のスランプ)×100
空気量:JIS−A1128に準拠して測定した。
凝結時間:JIS−A6204に準拠して測定した。
圧縮強度:JIS−A1108に準拠して測定した。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
表5〜表8において、
セメント用分散剤の添加量:セメント100部に対する固形分換算の添加量
*:硬化していなかったので測定できなかった
比較例8のセメント用分散剤:ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
比較例9のセメント用分散剤:メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
【0062】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、セメント配合物にスランプロスを抑えた高い流動性を与え、同時に高い早期強度を与えることができるという効果がある。
Claims (4)
- 下記の式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体と下記の式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体とを合計で75モル%以上含有しており且つ式1で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体/式2で示される構成単位を形成することとなるビニル単量体=0.5/99.5〜99.5/0.5(モル比)の割合で含有するビニル単量体群の水系溶液を調製し、該水系溶液のpHを3.0〜7.0に調整した後、かかる水系溶液中にて該ビニル単量体群をラジカル共重合させて得られる、重量平均分子量が5000〜150000であり且つ重量平均分子量/数平均分子量=2〜8である水溶性ビニル共重合体から成ることを特徴とするセメント用分散剤。
【式1】
【式2】
(式1、式2において、
R1,R3:水素又はメチル基
R2:炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はベンジル基
A:オキシアルキレン単位の繰り返し数10〜200のポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位のみ又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との双方から成るものであるポリオキシアルキレン基
M1:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アミン) - セメント、骨材、セメント用分散剤及び水を含有するセメント配合物において、セメント用分散剤として請求項1又は2記載のセメント用分散剤を用いて成ることを特徴とするセメント配合物。
- 水/セメント比が15〜45%の高強度コンクリートである請求項3記載のセメント配合物。
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