JP3559095B2 - セメント用分散剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はセメント用分散剤に関し、更に詳しくは水/結合材比を極度に抑えたセメント配合物を調製する場合であっても、かかるセメント配合物に充分な流動性を与えることができ、同時に所期の強度を有し且つ乾燥収縮の小さい硬化体を得ることができるセメント用分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメント用分散剤として、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩や水溶性ビニル共重合体等が使用されている。ところが、これら従来のセメント用分散剤を用いてセメント配合物を調製する場合、なかでも高強度の硬化体を得るために水/結合材比を抑えたセメント配合物を調製する場合には特に、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩ではかかるセメント配合物に流動性を与えることができない。また水溶性ビニル共重合体(例えば特公昭59−18338、特開平1−226757、特開平3−93660)ではかかるセメント配合物に充分な流動性を与えることができず、与えた流動性の経時的低下も大きい。水/結合材比を抑えたセメント配合物に充分な流動性を与えることができるセメント分散材として、改良された水溶性ビニル共重合体(特開平6−206750)も提案されているが、このセメント分散剤でも、これを用いて超高強度の硬化体を得るために水/結合材比を極度に抑えたセメント配合物を調製する場合は特に、かかるセメント配合物に充分な流動性を与えることができず、また所期の強度を有し且つ乾燥収縮の小さい硬化体を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のセメント用分散剤では、これらを用いてセメント配合物を調製する場合、なかでも水/結合材比を極度に抑えたセメント配合物を調製する場合は特に、かかるセメント配合物に充分な流動性を与えることができず、また所期の強度を有し且つ乾燥収縮の小さい硬化体を得ることができない点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定のビニル単量体を所定割合で共重合した、したがってそれぞれ所定割合の特定のビニル単量体単位から構成された水溶性ビニル共重合体がセメント分散剤として正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記の式1で示される構成単位A、下記の式2で示される構成単位B、下記の式3で示される構成単位C、下記の式4で示される構成単位D、下記の式5で示される構成単位E、下記の式6で示される構成単位F及び下記の式7で示される構成単位Gから成る水溶性ビニル共重合体であって、全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体から成ることを特徴とするセメント用分散剤に係る。
【0006】
【式1】
【式2】
【式3】
【式4】
【式5】
【式6】
【式7】
【0007】
(式1〜式7において、
R1,R3,R4,R5:H又はCH3
R2:C6H5又はC6H5CH2
M1,M2,M3:アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機アミンから選ばれるカチオン基
p:10〜30の整数
q:7〜50の整数
r:1〜20の整数)
【0008】
本発明のセメント分散剤である水溶性ビニル共重合体は、その構成単位として、前記した式1〜式7で示される構成単位A〜構成単位Gを有するものである。これらの構成単位A〜構成単位Gはそれぞれ相当するビニル単量体を共重合することによって形成される。
【0009】
式1で示される構成単位Aを形成することとなるビニル単量体には、1)メタクリル酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩、2)クロトン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもメタクリル酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩及びクロトン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0010】
式2で示される構成単位Bを形成することとなるビニル単量体には、オキシエチレン単位の繰り返し数が10〜30であるメトキシポリエトキシエチルメタクリレートがある。なかでもオキシエチレン単位の繰り返し数が15〜25のものが好ましい。
【0011】
式3で示される構成単位Cを形成することとなるビニル単量体には、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が7〜50である、1)フェノキシポリエトキシエチルメタクリレート、2)フェニルメトキシポリエトキシエチルメタクリレートがある。なかでもオキシエチレン単位の繰り返し数が10〜40のものが好ましい。
【0012】
式4で示される構成単位Dを形成することとなるビニル単量体には、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもメタリルスルホン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0013】
式5で示される構成単位Eを形成することとなるビニル単量体には、P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもP−メタリルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0014】
式6で示される構成単位Fを形成することとなるビニル単量体には、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が1〜20である、1)ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、2)ポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、3)メトキシポリエトキシエチルアリルエーテル、4)メトキシポリエトキシエチルメタリルエーテルがある。なかでも、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が5〜10である、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル及びポリエチレングリコールモノメタリルエーテルが好ましい。
【0015】
式7で示される構成単位Gを形成することとなるビニル単量体には、メチルアクリレート及びメチルメタクリレートがある。
【0016】
本発明のセメント分散剤である水溶性ビニル共重合体は以上説明したような構成単位A、構成単位B、構成単位C、構成単位D、構成単位E、構成単位F及び構成単位Gから成るものであって、これらの全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、好ましくは30〜40重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、好ましくは30〜45重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであるものである。
【0017】
また本発明のセメント分散剤である水溶性ビニル共重合体は、構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、好ましくは15/85〜35/65(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)、好ましくは70/30〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)、好ましくは40/60〜75/25(重量比)であるものである。
【0018】
水溶性ビニル共重合体の各構成単位のなかでは、構成単位Bと構成単位Cとが類似構造を有し、また構成単位Dと構成単位Eとが類似構造を有する。類似構造を有するこれらの構成単位において、芳香族基を有する構成単位と芳香族基を有しない構成単位との比率が本発明のセメント分散剤の作用効果に大きく影響する。他の条件を充足することを前提として、芳香族基を有する構成単位C/芳香族基を有しない構成単位Bの比率及び芳香族基を有する構成単位E/芳香族基を有しない構成単位Dの比率が前記した範囲内にあれば、超高強度の硬化体を得るために水/結合材比を25%以下に抑えたセメント配合物を調製する場合であっても、かかるセメント配合物に優れた流動性を与えることができ、また所期の超高強度を有し且つ乾燥収縮の小さい硬化体を得ることができる。
【0019】
本発明における水溶性ビニル共重合体は、ラジカル開始剤の存在下に、構成単位A〜構成単位Gを形成することとなる前記したようなビニル単量体を所定の共重合比率となるようにラジカル共重合することにより得られる。共重合方法としては、水又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いた水系溶液重合により行なうことが重要である。より具体的には、先ず、各ビニル単量体を水に溶解し、各ビニル単量体を合計量として10〜45重量%含む水溶液を調製する。次に、窒素ガス雰囲気下において、該水溶液にラジカル開始剤を加え、50〜70℃で5〜8時間ラジカル共重合反応させて、水溶性ビニル共重合体を得ることができる。この際、用いるラジカル開始剤としては、共重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであればその種類は特に制限されないが、水溶性のラジカル開始剤を用いるのが好ましい。かかる水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やL−アスコルビン酸の如き還元性物質更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として用いることもできる。
【0020】
かくして得られる水溶性ビニル共重合体としては、これをセメント分散剤として用いた場合のセメント配合物に与える流動性及び得られる硬化体の強度等その効果の発現の点で、数平均分子量2000〜20000(GPC法、プルラン換算)の範囲のものが好ましく、3000〜15000の範囲のものが更に好ましい。
【0021】
本発明のセメント用分散剤は以上説明したような水溶性ビニル共重合体から成るものであるが、その使用に際しては、合目的的に他の剤を併用することもできる。かかる他の剤としては、空気連行剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防水剤等が挙げられる。またその使用方法は、セメント配合物の調製時に練り混ぜ水と一緒に添加する方法、練り混ぜ後のセメント配合物に後添加する方法等、いずれでも良い。
【0022】
本発明のセメント用分散剤は、セメント又はセメントと微粉末混和材料との組み合わせから成る結合材を用いて調製されるモルタルやコンクリートに使用することができる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、更にはフライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント、各種混合セメント等が使用でき、また微粉末混和材料としてはシリカヒューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等が挙げられる。本発明のセメント用分散剤の使用量は通常、セメントまたはセメントと微粉末混和材料とから成る結合材に対し、固形分換算で0.1〜2.5重量%の範囲で使用される。本発明のセメント用分散剤は、セメント配合物中の結合材成分として特にシリカヒュームを混合して用いる場合に、水/結合材比の小さい超減水領域でも高い流動性を与え、また高い強度の硬化体を得ることができるという特長を有する。
【0023】
本発明のセメント用分散剤を、結合材単位量が600〜900kg/m3、特に700〜850kg/m3であり、且つ水/結合材比(重量比)が12〜25%、特に15〜20%という高度に減水されたセメント配合物に対して適用すると、かかるセメント配合物に高い流動性を与えると共に与えた流動性の経時的低下を小さくすることができ、また圧縮強度が1400kgf/cm2を超えるような超高強度の硬化体を得ることができる。
【0024】
以下、本発明の構成及び効果をより一層具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は重量部を、また%は空気量を除き重量%を意味する。
【0025】
【実施例】
試験区分1(セメント分散剤としての水溶性ビニル共重合体の合成)
・実施例1
メタクリル酸80部(0.930モル)、メトキシポリエトキシエチル(n=23、nはオキシエチレン単位の繰り返し数、以下同じ)メタクリレート40部(0.036モル)、フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート120部(0.115モル)、メタリルスルホン酸ナトリウム30部(0.190モル)、P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム20部(0.080モル)、ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル60部(0.148モル)、メチルアクリレート32部(0.372モル)及びイオン交換水400部を反応容器に仕込み、撹拌しながら溶解した。続いて30%の水酸化ナトリウム水溶液124部を投入してメタクリル酸を中和し、反応系のpHを8.5に調整した。次に反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、反応系内を窒素置換した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウムの20%水溶液40部を投入して重合を開始し、4時間反応した後、更に過硫酸アンモニウムの20%水溶液20部を投入し、3時間反応を継続して重合を完結した。そして酸性分解物を中和するため、30%水酸化ナトリウム水溶液5部を投入し、完全中和して生成物を得た。得られた生成物の未反応モノマーを除くため、生成物の一部をエバポレーターで濃縮し、石油エーテル中に沈殿して濾別した後,真空乾燥して精製した水溶性ビニル共重合体P−1を得た。
【0026】
水溶性ビニル共重合体P−1をUV吸収、NMR、原子吸光、熱分解ガスクロマトグラフィ、元素分析、GPC、滴定等で分析したところ、カルボキシル価163、元素分析によるイオウ含有量2.06%、UV吸光度によるP−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの含有比率5.0%、フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレートの含有比率30%であり、またNMR、熱分解ガスクロマトグラフィ、GPC分析の結果より、メタクリル酸ナトリウム/メトキシポリエトキシエチル(n=23)メタクリレート/フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート/メタリルスルホン酸ナトリウム/P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム/ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル/メチルアクリレート=25/10/30/7/5/15/8(重量比)の比率で構成された水溶性ビニル共重合体であって、数平均分子量4500(GPC法、プルラン換算、以下同じ)であった。
【0027】
・実施例2〜5及び比較例1〜10
実施例1と同様にして、水溶性ビニル共重合体P−2〜P−5及び水溶性ビニル共重合体R−1〜R−10を得た。各水溶性ビニル共重合体の内容を表1及び表2にまとめて示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
表1及び表2において、
A−1〜G−1:それぞれ前記の式1〜式7で示される構成単位A〜構成単位Gに相当する下記のビニル単量体
A−1:メタクリル酸ナトリウム
A−2:クロトン酸ナトリウム
B−1:メトキシポリエトキシエチル(n=23)メタクリレート
C−1:フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート
C−2:フェノキシポリエトキシエチル(n=10)メタクリレート
C−3:フェニルメトキシポリエトキシエチル(n=40)メタクリレート
D−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
E−1:P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
F−1:ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル
F−2:ポリエチレングリコール(n=5)モノアリルエーテル
G−1:メチルアクリレート
構成単位A相当+構成単位B相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位A相当のビニル単量体と構成単位B相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位B相当+構成単位C相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位B相当のビニル単量体と構成単位C相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位D相当+構成単位E相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位D相当のビニル単量体と構成単位E相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位F相当+構成単位G相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位F相当のビニル単量体と構成単位G相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位B相当/構成単位A相当:構成単位B相当のビニル単量体/構成単位A相当のビニル単量体の重量比率
構成単位C相当/構成単位B相当:構成単位C相当のビニル単量体/構成単位B相当のビニル単量体の重量比率
構成単位E相当/構成単位D相当:構成単位E相当のビニル単量体/構成単位D相当のビニル単量体の重量比率
【0031】
試験区分2(コンクリートの調製及び評価)
・コンクリートの調製
表3に記載した3種の調合条件で、50リットルのパン型強制ミキサーに普通ポルトランドセメント、シリカヒューム、細骨材及び粗骨材を順次投入し、目標スランプが25cm、目標空気量が1%となるようにセメント用分散剤として試験区分1で合成した水溶性ビニル共重合体及び消泡剤{ポリオキシエチレン(6モル)/ポリオキシプロピレン(40モル)ブロックオレイルエーテル}を練り混ぜ水と共に投入して、20℃で5分間練り混ぜ、コンクリートを調製した。使用したセメント用分散剤としての水溶性ビニル共重合体の種類及び添加量は表4及び表5に示した。
【0032】
・評価
調製した各コンクリートについて、スランプ、空気量、凝結時間、材齡7日及び材齡28日及び材齡91日後の圧縮強度、材齢91日後の乾燥収縮率を、それぞれJIS−A1101、JIS−A1128、JIS−A6204附属書1、JIS−A1108、JIS−A1129に準拠して測定した。スランプについては、練りまぜ後、静置状態で60分経過したものについても測定した。結果を表4及び表5に示した。
【0033】
【表3】
【0034】
表3において、
結合材:セメント+シリカヒューム
セメント:普通ポルトランドセメント(比重=3.16)
シリカヒューム:エルケム社製のマイクロシリカ940U(比重=2.20)細骨材:大井川砂(比重=2.63、FM=2.71)
粗骨材:段戸産砕石(比重=2.61、FM=6.65)
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
表4及び表5において、
セメント分散剤の添加量:結合材に対する固形分比率(%)
消泡剤の添加量:試験No.21の試験を除き、他の全ての試験No.の各試験で、結合材に対して0.01重量%添加
*1:ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩
*2:スラリー化せず、練り混ぜ不可
【0038】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、セメント配合物に、なかでも水/結合材比を極度に抑えたセメント配合物であってもこれに高い流動性を与え、同時に所期の強度を有し且つ乾燥収縮の小さい硬化体を得ることができるという効果がある。
Claims (4)
- 下記の式1で示される構成単位A、下記の式2で示される構成単位B、下記の式3で示される構成単位C、下記の式4で示される構成単位D、下記の式5で示される構成単位E、下記の式6で示される構成単位F及び下記の式7で示される構成単位Gから成る水溶性ビニル共重合体であって、全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体から成ることを特徴とするセメント用分散剤。
【式1】
【式2】
【式3】
【式4】
【式5】
【式6】
【式7】
(式1〜式7において、
R1,R3,R4,R5:H又はCH3
R2:C6H5又はC6H5CH2
M1,M2,M3:アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機アミンから選ばれるカチオン基
p:10〜30の整数
q:7〜50の整数
r:1〜20の整数) - 全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が30〜40重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が30〜45重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜20重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜35/65(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が70/30〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が40/60〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体から成る請求項1記載のセメント用分散剤。
- 水溶性ビニル共重合体が数平均分子量2000〜20000の範囲のものである請求項1又は2記載のセメント用分散剤。
- セメント又はセメントと微粉末混和材料との混合物から成る結合材の単位量が600〜900kg/m3であり、且つ水/結合材比が12%以上で25%未満のコンクリートに適用される請求項1、2又は3記載のセメント用分散剤。
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