JP3559094B2 - セルフレベリング性水性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はセルフレベリング性水性組成物に関し、更に詳しくは低温下でも長時間に亘って優れた流動性を示し、また優れた強度及び表面外観の硬化体が得られるセルフレベリング性水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の床施工には、水平な床面を作る上で煩雑なコテ仕上げを要しないセルフレベリング性水性組成物が使用されている。かかるセルフレベリング性水性組成物には、使用する基材の種類によって、石膏系のもの、セメント系のもの、石膏系とセメント系とを併用した混合系のもの等がある。しかし、石膏系のセルフレベリング性水性組成物には得られる硬化体に乾燥収縮によるひび割れが少ないという利点がある反面、該硬化体の耐水性が劣るという欠点がある。またセメント系のセルフレベリング性水性組成物には得られる硬化体の耐水性が優れるという利点がある反面、該硬化体に乾燥収縮によるひび割れが多いという欠点がある。これらに対して、混合系のセルフレベリング性水性組成物には上記のような欠点の相応の改善が認められる。ところで、これら従来のセルフレベリング性水性組成物はいずれも、温度によって流動性が変化し、特に低温下で流動性が低下することが知られている。流動性を改善するため、これら従来のセルフレベリング性水性組成物にも、分散剤として各種の水溶性ビニル共重合体(特公昭59−18338号、特公平5−11057号、特開平4−209613号)が使用されている。そしてこれら公知の水溶性ビニル共重合体は、石膏系やセメント系のセルフレベリング性水性組成物において、相応の効果が認められる。しかし、混合系のセルフレベリング性水性組成物においては、分散剤としてこれら公知の水溶性ビニル共重合体を使用しても、特に低温下での流動性が充分に改善されず、また強度の優れた硬化体が得られないという欠点がある。その上、これら公知の水溶性ビニル共重合体を分散剤として使用した混合系のセルフレベリング性水性組成物で床施工した場合、硬化後の床表面に白華粉が生じやすく、特に冬期に施工した場合にはその程度が著しく、表面外観の優れた床面が得られないという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の混合系のセルフレベリング性水性組成物では、優れた流動性が発現できず、また優れた強度及び表面外観の硬化体が得られず、特にこれらは低温下において問題であるという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、セメントと天然II型無水石膏とを所定比率で混合したものを基材とし、これに特定の水溶性ビニル共重合体から成る分散剤を所定割合で含有して成るセルフレベリング性水性組成物が正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、セメントと天然II型無水石膏とをセメント/天然II型無水石膏=40/60〜80/20(重量比)の比率で混合した基材100重量部に対し、下記の分散剤を0.1〜3重量部の割合で含有して成ることを特徴とするセルフレベリング性水性組成物に係る。
【0006】
分散剤:下記の式1で示される構成単位A、下記の式2で示される構成単位B、下記の式3で示される構成単位C、下記の式4で示される構成単位D、下記の式5で示される構成単位E、下記の式6で示される構成単位F及び下記の式7で示される構成単位Gから成る水溶性ビニル共重合体であって、全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体
【0007】
【式1】
Figure 0003559094
【式2】
Figure 0003559094
【式3】
Figure 0003559094
【式4】
Figure 0003559094
【式5】
Figure 0003559094
【式6】
Figure 0003559094
【式7】
Figure 0003559094
【0008】
(式1〜式7において、
,R,R,R:H又はCH
:C又はCCH
,M,M:アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機アミンから選ばれるカチオン基
p:10〜30の整数
q:7〜50の整数
r:1〜20の整数)
【0009】
本発明で用いるセメントには、1)ポルトランドセメント、2)混合セメントが包含される。かかるポルトランドセメントとしては、普通セメント、早強セメント、中庸熱セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等が挙げられ、また混合セメントとしては、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等が挙げられる。
【0010】
本発明で用いる石膏は天然II型無水石膏である。石膏には、天然II型無水石膏、結晶石膏、可溶性無水石膏、焼石膏、半水石膏等があるが、これらのうちで本発明では、天然II型無水石膏を用いる。
【0011】
本発明では基材としてセメントと天然II型無水石膏との混合物を用いる。この混合物中における双方の比率は、セメント/天然II型無水石膏=40/60〜80/20(重量比)とするが、50/50〜70/30(重量比)とするのが好ましい。
【0012】
本発明では分散剤として水溶性ビニル共重合体を用いる。この水溶性ビニル共重合体は、その構成単位として、前記した式1〜式7で示される構成単位A〜構成単位Gを有するものである。これらの構成単位A〜構成単位Gはそれぞれ相当するビニル単量体を共重合することによって形成される。
【0013】
式1で示される構成単位Aを形成することとなるビニル単量体には、1)メタクリル酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩、2)クロトン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもメタクリル酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩及びクロトン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0014】
式2で示される構成単位Bを形成することとなるビニル単量体には、オキシエチレン単位の繰り返し数が10〜30であるメトキシポリエトキシエチルメタクリレートがある。なかでもオキシエチレン単位の繰り返し数が15〜25のものが好ましい。
【0015】
式3で示される構成単位Cを形成することとなるビニル単量体には、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が7〜50である、1)フェノキシポリエトキシエチルメタクリレート、2)フェニルメトキシポリエトキシエチルメタクリレートがある。なかでもオキシエチレン単位の繰り返し数が10〜40のものが好ましい。
【0016】
式4で示される構成単位Dを形成することとなるビニル単量体には、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもメタリルスルホン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0017】
式5で示される構成単位Eを形成することとなるビニル単量体には、P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び有機アミン塩がある。なかでもP−メタリルオキシベンゼンスルホン酸のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0018】
式6で示される構成単位Fを形成することとなるビニル単量体には、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が1〜20である、1)ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、2)ポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、3)メトキシポリエトキシエチルアリルエーテル、4)メトキシポリエトキシエチルメタリルエーテルがある。なかでも、いずれもオキシエチレン単位の繰り返し数が5〜10である、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル及びポリエチレングリコールモノメタリルエーテルが好ましい。
【0019】
式7で示される構成単位Gを形成することとなるビニル単量体には、メチルアクリレート及びメチルメタクリレートがある。
【0020】
本発明において分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は以上説明したような構成単位A、構成単位B、構成単位C、構成単位D、構成単位E、構成単位F及び構成単位Gから成るものであって、これらの全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、好ましくは30〜40重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、好ましくは30〜45重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであるものである。
【0021】
また本発明において分散剤として用いる水溶性ビニル共重合体は、構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、好ましくは15/85〜35/65(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)、好ましくは70/30〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)、好ましくは40/60〜75/25(重量比)であるものである。
【0022】
水溶性ビニル共重合体の各構成単位のなかでは、構成単位Bと構成単位Cとが類似構造を有し、また構成単位Dと構成単位Eとが類似構造を有する。類似構造を有するこれらの構成単位において、芳香族基を有する構成単位と芳香族基を有しない構成単位との比率が分散剤としての作用効果に大きく影響する。他の条件を充足することを前提として、芳香族基を有する構成単位C/芳香族基を有しない構成単位Bの比率及び芳香族基を有する構成単位E/芳香族基を有しない構成単位Dの比率が前記した範囲内にあれば、そのような水溶性ビニル共重合体を分散剤として用いたセルフレベリング性水性組成物に優れた流動性を与えることができ、また優れた強度及び表面外観の硬化体を得ることができる。
【0023】
本発明は水溶性ビニル共重合体の合成方法を特に制限するものではなく、その合成には公知の方法、例えば特開平6−206750号公報に記載されているような方法が適用できる。例えば、ラジカル開始剤の存在下に、前記した各ビニル単量体を所定の共重合比率となるよう水系溶液でラジカル共重合することにより得られる。かくして得られる水溶性ビニル共重合体は、分散剤としての効果の発現の点で、数平均分子量2000〜20000(GPC法、プルラン換算)のものが好ましい。
【0024】
本発明における分散剤としての水溶性ビニル共重合体の使用量は、前記した基材100重量部に対し、0.1〜3重量部とするが、0.5〜2.0重量部とするのが好ましい。
【0025】
本発明のセルフレベリング性水性組成物は、以上説明したセメント、天然II型無水石膏及び分散剤としての水溶性ビニル共重合体の他に、石膏の凝結促進剤、収縮低減剤、増粘剤、消泡剤、骨材及び水を含有する。
【0026】
石膏の凝結促進剤には、硫酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がある。なかでも硫酸カリウムが好ましい。石膏の凝結促進剤の使用量は、基材100重量部に対し、通常0.05〜1重量部とするが、0.2〜1重量部とするのが好ましい。
【0027】
収縮低減剤には、1)オキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜12であるポリオキシプロピレングリコール、2)オキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜12であって、オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜6であるポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール、3)オキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜12であり、オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜6である、炭素数1〜6のアルコキシポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールがある。なかでもオキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜12であるポリオキシプロピレングリコールが好ましい。収縮低減剤の使用量は、基材100重量部に対し、通常0.2〜6重量部とするが、0.5〜2重量部とするのが好ましい。
【0028】
増粘剤には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースがある。なかでもメチルセルロースが好ましい。かかる増粘剤の使用により硬化体の乾燥収縮に対する抵抗性が向上する。増粘剤の使用量は、基材100重量部に対し、通常0.01〜0.6重量部とするが、0.05〜0.4重量部とするのが好ましい。
【0029】
消泡剤には、シリコーン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤がある。なかでも非イオン系界面活性剤が好ましい。消泡剤の使用量は、基材100重量部に対し、通常0.01〜0.6重量部とするが、0.05〜0.4重量部とするのが好ましい。
【0030】
骨材には、川砂、海砂、陸砂、砕砂、珪砂がある。かかる骨材は単独で又は2種類以上を混合して使用できる。骨材は粒度が5mm以下で、粗粒率(F.M.)が1.5〜3.0のものが好ましい。骨材の使用量は、基材100重量部に対し、通常30〜300重量部とするが、60〜120重量部とするのが好ましい。
【0031】
水は社団法人日本建築学会のJASS15M−103「セルフレベリング材の品質基準」に定められたフロー値が19cm以上となる量使用するが、その使用量は、基材100重量部に対し、通常30〜60重量部とする。
【0032】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は重量部を、また%は空気量を除き重量%を意味する。
【0033】
【実施例】
試験区分1(分散剤としての水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体P−1の合成
メタクリル酸80部(0.930モル)、メトキシポリエトキシエチル(n=23、nはオキシエチレン単位の繰り返し数、以下同じ)メタクリレート40部(0.036モル)、フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート120部(0.115モル)、メタリルスルホン酸ナトリウム30部(0.190モル)、P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム20部(0.080モル)、ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル60部(0.148モル)、メチルアクリレート32部(0.372モル)及びイオン交換水400部を反応容器に仕込み、撹拌しながら溶解した。続いて30%の水酸化ナトリウム水溶液124部を投入してメタクリル酸を中和し、反応系のpHを8.5に調整した。次に反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、反応系内を窒素置換した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウムの20%水溶液40部を投入して重合を開始し、4時間反応した後、更に過硫酸アンモニウムの20%水溶液20部を投入し、3時間反応を継続して重合を完結した。そして酸性分解物を中和するため、30%水酸化ナトリウム水溶液5部を投入し、完全中和して生成物を得た。得られた生成物の未反応モノマーを除くため、生成物の一部をエバポレーターで濃縮し、石油エーテル中に沈殿して濾別した後,真空乾燥して精製した水溶性ビニル共重合体P−1を得た。
【0034】
水溶性ビニル共重合体P−1をUV吸収、NMR、原子吸光、熱分解ガスクロマトグラフィ、元素分析、GPC、滴定等で分析したところ、カルボキシル価163、元素分析によるイオウ含有量2.06%、UV吸光度によるP−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの含有比率5.0%、フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレートの含有比率30%であり、またNMR、熱分解ガスクロマトグラフィ、GPC分析の結果より、メタクリル酸ナトリウム/メトキシポリエトキシエチル(n=23)メタクリレート/フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート/メタリルスルホン酸ナトリウム/P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム/ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル/メチルアクリレート=25/10/30/7/5/15/8(重量比)の比率で構成された水溶性ビニル共重合体であって、数平均分子量4500(GPC法、プルラン換算、以下同じ)であった。
【0035】
・水溶性ビニル共重合体P−2〜P−5及びR−1〜R−8の合成
水溶性ビニル共重合体P−1の合成と同様にして、水溶性ビニル共重合体P−2〜P−5及びR−1〜R−8を得た。各水溶性ビニル共重合体の内容を表1及び表2にまとめて示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003559094
【0037】
【表2】
Figure 0003559094
【0038】
表1及び表2において、
A−1〜G−1:それぞれ前記の式1〜式7で示される構成単位A〜構成単位Gに相当する下記のビニル単量体
A−1:メタクリル酸ナトリウム
A−2:クロトン酸ナトリウム
B−1:メトキシポリエトキシエチル(n=23)メタクリレート
C−1:フェノキシポリエトキシエチル(n=20)メタクリレート
C−2:フェノキシポリエトキシエチル(n=10)メタクリレート
C−3:フェニルメトキシポリエトキシエチル(n=40)メタクリレート
D−1:メタリルスルホン酸ナトリウム
E−1:P−メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
F−1:ポリエチレングリコール(n=8)モノアリルエーテル
F−2:ポリエチレングリコール(n=5)モノアリルエーテル
G−1:メチルアクリレート
構成単位A相当+構成単位B相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位A相当のビニル単量体と構成単位B相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位B相当+構成単位C相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位B相当のビニル単量体と構成単位C相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位D相当+構成単位E相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位D相当のビニル単量体と構成単位E相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位F相当+構成単位G相当:各構成単位に相当するビニル単量体の全量中に占める構成単位F相当のビニル単量体と構成単位G相当のビニル単量体との合計量の割合(%)
構成単位B相当/構成単位A相当:構成単位B相当のビニル単量体/構成単位A相当のビニル単量体の重量比率
構成単位C相当/構成単位B相当:構成単位C相当のビニル単量体/構成単位B相当のビニル単量体の重量比率
構成単位E相当/構成単位D相当:構成単位E相当のビニル単量体/構成単位D相当のビニル単量体の重量比率
【0039】
試験区分2(セルフレベリング性水性組成物の調製及びその評価)
・実施例及び比較例
表3に記載した配合割合で、下記の各材料を、ホバートミキサーを用い、3℃で3分間練り混ぜ、均一状態にして、セルフレベリング性水性組成物を調製した。調製した各セルフレベリング性水性組成物について、以下に示す品質試験を行ない、結果を表4及び表5に示した。
【0040】
・材料
基材:セメント(秩父小野田社製の普通ポルトランドセメント)と天然II型無水石膏(タイ産、ブレーン比表面積3900/g)との混合物
分散剤:試験区分1で合成した水溶性ビニル共重合体
凝結促進剤:硫酸カリウム
収縮低減剤:ポリオキシプロピレングリコール(オキシプロピレンの繰り返し数7)
増粘剤:メチルセルロース(信越化学社製のSEB−04T)
消泡剤:アルコール系非イオン界面活性剤(サンノプコ社製のSNディフォーマー14HP)
骨材:珪砂(山形産、粗粒率2.3)
【0041】
・品質試験
練り上がり時のフロー値:
調製直後の各セルフレベリング性水性組成物について、社団法人日本建築学会のJASS15M−103(セルフレベリング材の品質基準)にしたがい、3℃で測定した。
3時間後及び6時間後のフロー値:
調製した各セルフレベリング性水性組成物を静止の状態で保持し、3時間後及び6時間後に練りさじにて約1分間練り混ぜた後、上記練り上がり時のフロー値の場合と同様に求めた。
練り上がり時のJロート値:
調製直後の各セルフレベリング性水性組成物について、社団法人土木学会のコンシステンシー試験方法(案)17にしたがい、3℃で測定した。但し、Jロートは落ち口の内径が10mmのものを使用した。
3時間後及び6時間後のJロート値:
調製した各セルフレベリング性水性組成物を静止の状態で保持し、3時間後及び6時間後に練りさじにて約1分間練り混ぜた後、上記練り上がり時のJロート値の場合と同様に求めた。
凝結時間:
セメントの物理試験方法(JIS−R−5201)にしたがって測定した。
圧縮強度:
セメントの物理試験方法(JIS−R−5201)にしたがって、材令7日及び28日で測定した。但し、養生は気中養生を行なった(20℃×60%RH)。
表面強度:
社団法人日本建築学会のJASS15M−103(セルフレベリング材の品質基準)にしたがい、建研式引っ張り試験器を用いて材令14日及び28日で測定した。
白華:
コンクリート床に厚さが10mmで30cm×30cm角に各セルフレベリング性水性組成物を打設し、5℃×60%RHにて7日間養生した後、その表面の白華を採取し、単位面積当たりのグラム数で求めた。
【0042】
【表3】
Figure 0003559094
【0043】
表3において、
表中の数値:使用量(重量部)
【0044】
【表4】
Figure 0003559094
【0045】
表4において、
評価1:6時間後のフロー値が205mm以上であり且つJロート値が40秒以下である場合を○、それ以外を×とした
【0046】
【表5】
Figure 0003559094
【0047】
表5において、
評価2:始発が480分以上であり且つ終結が900分以内である場合を○、それ以外を×とした
評価3:材令7日が250kgf/cm以上であり且つ材令28日が300kgf/cm以上である場合を○、それ以外を×とした
評価4:材令28日が15kgf/cm以上である場合を○、それ以外を×とした評価5:白華量が2g/m以下である場合を○、それ以外を×とした
【0048】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、低温下においても長時間に亘り優れた流動性を発現し、また優れた強度及び表面外観の硬化体を得ることができるという効果がある。

Claims (4)

  1. セメントと天然II型無水石膏とをセメント/天然II型無水石膏=40/60〜80/20(重量比)の比率で混合した基材100重量部に対し、下記の分散剤を0.1〜3重量部の割合で含有して成ることを特徴とするセルフレベリング性水性組成物。
    分散剤:下記の式1で示される構成単位A、下記の式2で示される構成単位B、下記の式3で示される構成単位C、下記の式4で示される構成単位D、下記の式5で示される構成単位E、下記の式6で示される構成単位F及び下記の式7で示される構成単位Gから成る水溶性ビニル共重合体であって、全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が25〜45重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が25〜50重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜25重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜40/60(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が64/36〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が25/75〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体
    【式1】
    Figure 0003559094
    【式2】
    Figure 0003559094
    【式3】
    Figure 0003559094
    【式4】
    Figure 0003559094
    【式5】
    Figure 0003559094
    【式6】
    Figure 0003559094
    【式7】
    Figure 0003559094
    (式1〜式7において、
    ,R,R,R:H又はCH
    :C又はCCH
    ,M,M:アルカリ金属、アルカリ土類金属及び有機アミンから選ばれるカチオン基
    p:10〜30の整数
    q:7〜50の整数
    r:1〜20の整数)
  2. セメントと天然II型無水石膏とをセメント/天然II型無水石膏=50/50〜70/30(重量比)の比率で混合した基材100重量部に対し、分散剤を0.5〜2重量部の割合で含有して成る請求項1記載のセルフレベリング性水性組成物。
  3. 分散剤が構成単位A、B、C、D、E、F及びGから成る水溶性ビニル共重合体であって、全構成単位中、構成単位Aと構成単位Bとの合計量が30〜40重量%、構成単位Bと構成単位Cとの合計量が30〜45重量%、構成単位Dと構成単位Eとの合計量が5〜20重量%及び残部が構成単位Fと構成単位Gとであり、且つ構成単位B/構成単位Aの比率が15/85〜35/65(重量比)、構成単位C/構成単位Bの比率が70/30〜85/15(重量比)及び構成単位E/構成単位Dの比率が40/60〜75/25(重量比)である水溶性ビニル共重合体である請求項1又は2記載のセルフレベリング性水性組成物。
  4. 分散剤が数平均分子量2000〜20000の水溶性ビニル共重合体である請求項1、2又は3記載のセルフレベリング性水性組成物。
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