JP2017122027A - 水硬性組成物用分散剤の製造方法 - Google Patents

水硬性組成物用分散剤の製造方法 Download PDF

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洸太 藤本
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Abstract

【課題】本発明は、水硬性組成物用分散剤の製造において、優れた水硬性組成物用分散剤としての性能を有し、且つ製造時における歩留まりの低下を抑えた、水硬性組成物用分散剤の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】下記(A)〜(E)で示される工程を、この順で行うことを特徴とする水硬性組成物用分散剤の製造方法。(A)溶液中で単量体を重合反応させ、水硬性組成物用分散剤を得る反応工程(B)前記反応工程後に、さらに加熱し、未反応の単量体の重合反応を進める熟成工程(C)前記熟成工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の温度を調整する冷却工程(D)前記冷却工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液のpHを中和し調整する中和工程(E)前記中和工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の濃度を調整する希釈工程【選択図】 なし

Description

本発明は、水硬性組成物用分散剤の製造方法に関する。
コンクリートの施工性ならびに耐久性を向上させるためには、コンクリート中の単位水量を減らすことが有効である。しかしながら、単位水量を減少させると、コンクリートの流動性が低下し、作業性を損なうことが知られている。そのため、単位水量を減少した際にも、コンクリートの効率的な作業性を確保するためには、セメント粒子を分散させる働きを持つ様々な分散剤が使用されている。
水硬性組成物用分散剤としては、例えば、特許文献1には特定の不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と特定の不飽和カルボン酸系単量体とを有する共重合体(水硬性組成物用分散剤)が例示されている。
このような水硬性組成物用分散剤としては、通常原料化合物を反応器中で加温し反応させ(反応工程)、反応系を冷却し(冷却工程)、水酸化ナトリウム水溶液などを用いて共重合体中の酸基を中和し(中和工程)、必要に応じてさらに溶媒を添加する(希釈工程)ことも行われる(特許文献2)。
また、同一の反応釜(反応容器)で上記の工程を全て行うと、未反応の単量体等が残存しやすく水硬性組成物用分散剤としての性能が落ちてしまうために、反応工程よりも後の工程の少なくとも一部の工程を、反応工程で使用した反応容器とは異なる反応容器で行う方法が開示されている(特許文献3)。
特開昭56−81320号公報 特開2003−012704号公報 特開2011−213537
しかしながら、同一の反応器を用いた場合に比べ、特許文献3の製造方法では優れた性能を有する水硬性組成物用分散剤を得ることができるものの、歩留まりの低下などの課題があった。
そこで、本発明では水硬性組成物用分散剤の製造において、優れた水硬性組成物用分散剤としての性能を有し、且つ製造時における歩留まりの低下を抑えた、水硬性組成物用分散剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、反応容器中で水硬性組成物用分散剤の反応工程を行い、後工程として熟成工程、冷却工程、中和工程、希釈工程を、この順に実施することによって、上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔3〕である。

〔1〕下記(A)〜(E)で示される工程を、この順で行うことを特徴とする水硬性組成物用分散剤の製造方法。
(A)溶液中で単量体を重合反応させ、水硬性組成物用分散剤を得る反応工程
(B)前記反応工程後に、さらに加熱し、未反応の単量体の重合反応を進める熟成工程
(C)前記熟成工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の温度を調整する冷却工程
(D)前記冷却工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液のpHを中和し調整する中和工程
(E)前記中和工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の濃度を調整する希釈工程
〔2〕前記記載の水硬性組成物用分散剤が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、および下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の構成単位を含有する溶液を重合反応し得られる共重合体であることを特徴とする〔1〕に記載される水硬性組成物用分散剤の製造方法。
Figure 2017122027
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは0〜1の整数を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。R4は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
Figure 2017122027
(式中、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、−CH3または−(CH2rCOOM2を表し、−CH3または−(CH2rCOOM2は互いに他の−COOM1または−(CH2rCOOM2と無水物を形成していてもよい。無水物を形成している場合、それらの基のM1、M2は存在しない。M1およびM2は同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
Figure 2017122027
(式中、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は炭素原子数1〜4のヘテロ原子を含んでよい炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す)
〔3〕前記記載の(A)〜(E)全ての工程を、同一の反応器内で連続して実施することを特徴とする、〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の水硬性組成物用分散剤の製造方法。
本発明によれば、水硬性組成物用分散剤の製造において、高い水硬性組成物用分散剤としての性能を有し、且つ製造時における歩留まりの低下を抑えた、水硬性組成物用分散剤の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態について以下に説明する。これらの実施形態は、本発明の好ましい実施形態の例示であり、本発明ではこれらの実施形態に限定されるものではない。
すなわち本発明は、下記(A)〜(E)で示される工程を、この順で行うことを特徴とする水硬性組成物用分散剤の製造方法である。
(A)溶液中で単量体を重合反応させ、水硬性組成物用分散剤を得る反応工程
(B)前記反応工程後に、さらに加熱し、未反応の単量体の重合反応を進める熟成工程
(C)前記熟成工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の温度を調整する冷却工程
(D)前記冷却工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液のpHを中和し調整する中和工程
(E)前記中和工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の濃度を調整する希釈工程
[反応工程]
本発明において反応工程とは、水硬性組成物用分散剤を構成する単量体を含む溶液を、重合反応により単量体を重合させる反応工程のことをいう。
その様な重合反応としては、例えば水硬性組成物用分散剤を構成する単量体及び開始剤等の添加剤を、加温しながら、溶媒に予め添加し又は滴下によって添加し、水硬性組成物用分散剤を構成する単量体及び開始剤等の添加剤を全て混合した溶液(反応液)を得る工程をいい、反応液が得られた時点を反応工程の完了とする。反応工程における加温(反応温度)は特に制限されないが、例えば、25 〜 120℃ であり、好ましくは30 〜 110 ℃ であり、より好ましくは60 〜 110℃ であり、さらに好ましくは80 〜 100 ℃ である。反応温度が25℃より低いと、反応は充分に進行せず適さない。また反応温度が120℃より高いと、重合開始剤等が早く消費されるため、反応工程を通じて均一な重合反応が起こり難くなるため適さない。また、滴下(反応)時間としては、特に限定されないが、例えば1〜6時間であり、好ましくは2〜5時間である。
本発明の水硬性組成物用分散剤に用いられる単量体としては、水硬性組成物用分散剤として用いることができる、親水性の共重合体を構成する単量体であれば限定はされないが、本発明で製造される水硬性組成物用分散剤として、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、および下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の構成単位を含有する共重合体(A)であることが好ましい。
Figure 2017122027
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは0〜1の整数を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。R4は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
Figure 2017122027
(式中、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、−CH3または−(CH2rCOOM2を表し、−CH3または−(CH2rCOOM2は互いに他の−COOM1または−(CH2rCOOM2と無水物を形成していてもよい。無水物を形成している場合、それらの基のM1、M2は存在しない。M1およびM2は同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
Figure 2017122027
(式中、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は炭素原子数1〜4のヘテロ原子を含んでよい炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す)
(構成単位(I))
構成単位(I)は、一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位である。
Figure 2017122027
一般式(1)中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R3は、水素原子であることが好ましい。炭素原子数1〜3のアルキル基は、置換基を有していてもよい(ただし、置換基の炭素原子数はアルキル基の炭素原子数には含まれない。)。R1は、水素原子であることが好ましい。R2は、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基であることがより好ましい。
一般式(1)中のpは、0〜2の整数を表す。
一般式(1)中のqは、0〜1の整数を表す。
一般式(1)中のA1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基(アルキレングリコール単位)としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられ、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。
上記「同一若しくは異なって」とは、一般式(1)中にA1Oが複数含まれる場合(nが2以上の場合)、それぞれのA1Oが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、互いに異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよい、ことを意味する。一般式(1)中にA1Oが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基およびオキシブチレン基からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様、またはオキシエチレン基とオキシブチレン基とが混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
一般式(1)中のnは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜300の整数を表す。nは、1〜100であることが好ましく、5〜100であることがより好ましく、5〜50であることがさらに好ましく、さらにより好ましくは7〜45である。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中のR4は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。R4は水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であることがさらに好ましく、水素またはメチル基であることが最も好ましい。この範囲であれば、炭素原子数が大きくなりすぎないため、セメント混和剤のセメント分散性が良好に発揮される。
一般式(1)で表される単量体の製造方法としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1〜80モル付加する方法が挙げられる。この方法で製造され得る単量体としては、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテルが例示される。これらの中では、親水性および疎水性のバランスから、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3−メチル−3−ブテニルエーテルが好ましい。
本明細書において、「(ポリ)」は、これに続いて記載される構成要素または原料が、複数個結合している場合および/または1個のみ存在する場合を意味する。「(メタ)アリル」という場合、メタアリルおよび/またはアリルを意味し、「(メタ)アクリレート」という場合、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」という場合、メタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。
また、一般式(1)で表される単量体の他の製造方法としては、(メタ)アクリレート(以下、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタアクリレート」を意味する)などの不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコールとをエステル化する方法が挙げられる。この方法で製造され得る単量体としては、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレートなどの、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが例示される。これらの中では、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明の水硬性組成物用分散剤は、構成単位(I)を1種含んでいてもよいし、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(I)を含んでいてもよい。
(構成単位(II))
構成単位(II)は、一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位である。
Figure 2017122027
一般式(2)中のR5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、−CH3または−(CH2rCOOM2を表し、−CH3または(CH2rCOOM2は、互いに他の−COOM1または−(CH2rCOOM2と無水物を形成していてもよい。
一般式(2)中、M1およびM2は同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基、
一般式(2)中、rは0〜2の整数を表す。
一般式(2)で表される単量体としては例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等およびこれらの一価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等およびこれらの一価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩等、または、それらの無水物が挙げられる。単量体(II)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。
共重合体(A)は、構成単位(II)を1種含んでいてもよいし、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(II)を含んでいてもよい。
(構成単位(III))
構成単位(III)は、一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位である。
Figure 2017122027
一般式(3)中、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基の例は、R1、R2およびR3における例と同様である。
一般式(3)中、R11は炭素原子数1〜4のヘテロ原子を含んでよい炭化水素基を表す。炭素原子数は、1〜3であることが好ましく、2〜3であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子が挙げられ、酸素原子が好ましい。炭素原子数1〜4の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、およびグリセリル基が挙げられる。R11が含むヘテロ原子の数は、1つであってもよいし2つ以上であってもよい。2つ以上のヘテロ原子を含む場合、それぞれのヘテロ原子は同一であってもよいし互いに異なっていてもよい。
11は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましく、酸素原子を含む炭素原子数1〜4の炭化水素基であることがより好ましい。該基としてはたとえば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、およびグリセリル基が挙げられる。
一般式(3)中、sは、0であることが好ましい。
一般式(3)で表される単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸のモノエステル体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸モノエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
共重合体(A)は、構成単位(III)を1種含んでいてもよいし、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(III)を含んでいてもよい。
(構成単位(IV))
本発明の水硬性組成物用分散剤は、構成単位(I)〜(III)とは別に、構成単位(IV)を含んでいてもよい。構成単位(IV)は、一般式(1)〜(3)で表される単量体に共重合可能な単量体に由来する構成単位である。一般式(1)〜(3)で表される単量体に共重合可能な単量体は、一般式(1)〜(3)により表される単量体とは構造上区別される。構成単位(IV)を構成する単量体としては特に限定されないが、例えば、下記の各単量体を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を用いることが可能である。
一般式(IV−1):
Figure 2017122027
で示されるジアリルビスフェノール類、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの3および3’位アリル置換物;
一般式(IV−2):
Figure 2017122027
で示されるモノアリルビスフェノール類、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの3位アリル置換物;
一般式(IV−3):
Figure 2017122027
で示されるアリルフェノール;
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコールまたはアミンに、炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と、炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と、炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜500とのポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;
炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類とのエステル類;
(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)ブチレングリコールモノメタクリレート等の、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの1〜500モル付加物類();
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;
1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類(ただし、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類(ただし、一般式(3)で表される単量体を除く。);
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、等のビニルエーテルあるいはアリルエーテル類(ただし、一般式(1)で表される単量体を除く。);および、
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体(ただし、一般式(3)で表される単量体を除く。)。
水硬性組成物用分散剤は、構成単位(IV)を1種含んでいてもよいし、互いに異なる単量体に由来する2種以上の構成単位(IV)を含んでいてもよい。
(反応工程で用いる溶媒)
本発明の反応工程は、前記単量体を溶媒中で重合反応することによって行われる。その様な溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。原料単量体および得られる共重合体の溶解性の面から、水および低級アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、その中でも水を用いることがより好ましい。
(重合開始剤)
本発明の反応工程で用いる重合開始剤は、特に限定されない。水溶媒中で共重合を行う際に使用し得る重合開始剤としては例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの水溶性過酸化物が挙げられる。この際、L−アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩などの促進剤を併用してもよい。低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類あるいはケトン類等の溶媒中で共重合を行う際に使用し得る重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド;クメンパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリルなどの芳香族アゾ化合物などが挙げられる。この際、アミン化合物などの促進剤を併用してもよい。水−低級アルコール混合溶剤中で共重合を行う場合に使用し得る重合開始剤は、前述の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択すればよい。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等重合条件によって適宜異なるが、通常50〜120℃である。
前記単量体と重合開始剤は、溶媒に溶解した後各々反応容器に連続滴下してもよいし、溶媒に溶解した各単量体の混合物と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体と溶媒の混合物と、重合開始剤溶液を各々反応容器に連続滴下してもよいし、単量体の一部または全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
(連鎖移動剤)
本発明の反応工程においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整することができる。使用される連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、および、2−メルカプトエタンスルホン酸などの既知のチオール系化合物;亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物およびその塩;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。共重合体の分子量調整のためには、一般式(1)〜(3)で表される単量体および構成単位(VI)を構成する単量体以外の、連鎖移動性の高い単量体(V)を用いてもよい。連鎖移動性の高い単量体(V)としては、例えば(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。単量体(V)の配合率は、共重合体において、通常は20重量%以下であり、10重量%以下であることが好ましい。なお、上記配合率は、共重合体を製造する際の、一般式(1)で表される単量体の配合率+一般式(2)で表される単量体由来の配合率+一般式(3)で表される単量体の配合率+構成単位(IV)を構成する単量体の配合率=100重量%としたときの配合率である。
[熟成工程]
本発明の熟成工程は、反応工程後にさらに加熱し、重合反応を完結させるための工程である。本発明において熟成工程は重合反応を行った反応容器のまま、次の工程として実施する。
反応工程後の熟成時間は、通常1〜120分間であり、好ましくは5〜100分間であり、より好ましくは30〜80分である。熟成時間が1分間以上であれば、熟成が十分になされ、原料化合物の残存やこれに伴う不純物の生成・性能低下などが防止されうる。一方、熟成時間が120分間以内であれば共重合体溶液の着色の虞が低減されうる。そのほか、重合反応完結後に徒に熟成時間を延長することは不経済である。
また、熟成工程の開始時の温度は、反応工程での温度が適用される。熟成工程での温度は、溶液をさらに加熱することで未反応の単量体の反応を進めることから、反応工程終了時の溶液の温度よりさらに0〜30℃昇温することが好ましく、0〜20℃昇温が更に好ましく、5〜20℃昇温がより好ましい。反応工程終了時の溶液の温度より低いと、未反応の単量体が溶液中に残り易く、反応工程終了時の溶液の温度より30℃を超えて昇温すると、重合反応が均一に起こりづらくなり、未反応の単量体が残り易くなり適さない。
[冷却工程]
本発明の冷却工程は、共重合体を含む溶液の温度を下げるための工程であり、熟成工程の後反応容器を変えずに行われる。
冷却の方法としては、特に制限はないが、自然冷却や、冷却時間を考慮すると、好ましくは、反応容器のジャケット側に冷水を流す方法が挙げられる。
冷却後の共重合体を含む溶液の温度は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうるが、一例として、冷却工程前の温度120〜99℃程度の溶液を、冷却工程後に好ましくは20〜99℃であり、より好ましくは30〜90℃であり、さらに好ましくは40〜80℃である。このような範囲内の値であれば、共重合体を取り扱いやすいという利点がある。
[中和工程]
本発明の中和工程は、酸性側pH示す共重合体を含む溶液をアルカリ性側にシフトさせ中和するための工程であって、冷却工程の後反応容器を変えずに行われる工程である。
中和工程では、反応工程、熟成工程、冷却工程を経て得られた共重合体を含む溶液を、反応容器内で中和する。反応容器に併設した中和剤タンクに貯蔵された中和剤を、反応容器内へと供給し、共重合体と中和反応させればよい。上述した反応工程では、重合反応は、酸性条件下(好ましくは重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であり、重合中の中和度が1〜25モル%である)で行われるのが通常である。よって、本工程では、反応容器中にある重合体に従来用いられている適当なアルカリ成分を適宜添加することによって、得られる共重合体組成物(水硬性組成物用分散剤)の中和度を所定の範囲に設定する。
共重合体組成物を含む溶液の最終pHは、中性域に調整することができ、さらにその使用用途によって中性域に特に制限されず広範囲に設定可能である。例えば、得られた水硬性組成物用分散剤をセメント混和剤として使用するような場合では、好ましくは3〜12であり、より好ましくは4〜10であり、さらに好ましくは5〜8である。このような範囲内の値とすることで、共重合体の安定性が優れ、製造設備に腐食を与えないという利点が得られる。
中和工程で用いられるアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシグムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジェタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類で代表されるようなものが挙げられる。上記アルカリ成分は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
中和剤の供給形態は、特に制限されないが、局所的に急激に大量の中和熱が発生するのを防止する観点からは適当な溶媒に溶解して中和剤溶液の形態で供給することが好ましい。ただし、中和剤のみの形態(すなわち、無溶媒の形態)で供給してもよい。中和剤溶液として用いる場合の溶液濃度は、使用目的に応じて適宜決定され、特に制限されない。
中和剤を供給して共重合体を含む溶液の中和度の調製を行う間、反応器内の溶液の温度は、適宜最適な温度を決定すればよく、特に制限されない。溶液の温度を決定する際には、発生する中和熱の除熱が十分になされ、溶液の大量の蒸発や溶液への気泡の混入を回避できるように決定すればよい。
[希釈工程]
本発明の希釈工程は、中和工程後に溶質濃度を調整する目的で溶媒を添加する工程である。
希釈工程では、中和工程を行った反応容器中にさらに溶媒を供給して、共重合体を含む溶液と混合することでこれを希釈する。これが達成されるのであればその具体的な形態について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。
希釈工程で用いられる溶媒としては、前記反応工程で用いられる溶媒であれば特に制限はされないが、共重合体の溶解性の面から、水および低級アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、その中でも水を用いることがより好ましい。
希釈工程において添加する水の量について特に制限はなく、最終的に得られる水硬性組成物用分散剤としての所望の濃度を考慮して、適宜決定すればよい。
本発明の水硬性組成物用分散剤の製造方法は、上記の反応工程、熟成工程、冷却工程、中和工程、および希釈工程をこの順番に行うことで、本発明にかかる課題を解決できる水硬性組成物用分散剤を得ることができる。
本発明において、優れた水硬性組成物用分散剤としての性能を有するのは以下のことが推察される。すなわち、反応工程後に、反応を進めるために熟成工程を設け、未反応の単量体を極力少ない状態とすることで、その後の冷却工程、中和工程、及び希釈工程を同一の反応容器で行った場合にも、水硬性組成物用分散剤として優れた性能を有することができると推察される。
[水硬性組成物用分散剤の形態ならびに用途]
この様にして得られた水硬性組成物用分散剤の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上であることが好ましく、6,000以上であることがより好ましく、6,500以上であることが更に好ましい。これにより、水硬性組成物として用いた際に、水硬性組成物用添加剤を添加した際の水硬性組成物の分散性が十分発揮され、リグニンスルホン酸系またはオキシカルボン酸系などのAE減水剤を上回る減水率を得ることができ、流動性または作業性を改善することができる。重量平均分子量の上限は、60,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることが更に好ましい。これにより、水硬性組成物中の粒子の凝集作用が抑制され、作業性を良好にすることができる。重量平均分子量は、5,000〜60,000であることが好ましい。
水硬性組成物用分散剤の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上であることが好ましく、1.20以上であることがより好ましい。上限は、3.0以下であることが好ましく、2.50以下であることがより好ましい。分子量分布は、1.2〜3.0の範囲であることが好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。
GPCの測定条件として特に限定はないが、例として以下の条件を挙げることができる。後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH−pak SB−806HQ、SB−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
本発明の水硬性組成物用分散剤は、水溶液の形態、あるいは乾燥させて粉体化した形態で使用することが可能である。また、セメント粉末、ドライモルタルのような、セメント組成物を構成する水以外の成分に、粉体化した形態の本発明の水硬性組成物用分散剤を予め混合しておいて、左官、床仕上げ、グラウト等の際に水を添加して用いるプレミックス製品として用いることもできる。
本発明の水硬性組成物用分散剤は、セメント等の水硬性材料に添加してセメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等のセメント組成物として利用することができる。
本発明の水硬性組成物は、水硬性組成物用分散剤を含有すればよく、組み合わせる水硬性材料は特に限定されない。水硬性材料としては、例えば、セメント、石膏(半水石膏、二水石膏など)、ドロマイトが例示される。最も一般的な水硬性材料はセメントである。
セメントとしては、特に限定はない。例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられる。セメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体、石膏などが添加されてもよく、以下はこれらを含有できるものとしてセメント組成物と称する。
そのようなセメント組成物は骨材を含んでいてもよい。骨材は、細骨材および粗骨材のいずれであってもよい。骨材としては、例えば、砂、砂利、砕石;水砕スラグ;再生骨材等;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
上記セメント組成物における水硬性組成物用分散剤の配合割合については、特に限定はない。例えば、セメント組成物が、モルタルまたはコンクリートである場合には、水硬性組成物用分散剤の添加量(配合量)は、セメントの全重量に対して、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.02〜2.0重量%、より好ましくは0.05〜1.0重量%である。この添加量とすることにより、得られるセメント組成物には、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記配合割合が0.01重量%未満では、得られるセメント組成物が性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に5.0重量%を超える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。
上記のセメント組成物は、例えば、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等のコンクリートとして有効である。さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルまたはコンクリート、としても有効である。
本発明の水硬性組成物用分散剤は、そのままセメントの分散剤としても使用できる。さらに他のセメント分散剤、水溶性高分子、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤、AE剤、その他の界面活性剤などの公知のコンクリート用添加剤との併用も可能である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を用いてもよい。
また本発明の水硬性組成物用分散剤は、本発明に係る効果を阻害しない範囲で他のセメント分散剤を併用することができる。そのような他のセメント分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩等のスルホン酸系分散剤が挙げられる。スルホン酸系分散剤を併用する場合は、本発明の水硬性組成物用分散剤に対して、0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
水溶性高分子としてはポリアルキレングリコール、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリブチレングリコール等が挙げられる。水溶性高分子は、本発明の水硬性組成物用分散剤に対して、0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
遅延剤としては、グルコン酸( 塩) 、クエン酸( 塩) 等のオキシカルボン酸類、グルコース等の糖類、ソルビトール等の糖アルコール類(G)が挙げられる。糖アルコール類は、本発明の水硬性組成物用分散剤に対して、0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
硬化促進剤としては、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類、チオ硫酸塩、ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩類(K)が挙げられる。硬化促進剤は、本発明の水硬性組成物用分散剤に対して、0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、公知のセルロースナノファイバー、公知のセルロースナノクリスタルが挙げられる。増粘剤は、本発明の水硬性組成物用分散剤に対して、0.01重量%〜50重量%であることが好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中特に断りの無い限り%は重量%を、また、部は重量部を示す。
<実施例1>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水2010kg、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)4000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、アクリル酸(AA)1500kg(79モル%)および水3010kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム120kgおよび水1880kgの攪拌混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下(反応工程)した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応(熟成工程)させた。その後、同じ反応容器内で40℃まで冷却し(冷却工程)、水酸化ナトリウムでpH6に中和(中和工程)し、濃度30%となるよう水を加えて(希釈工程)、水硬性組成物用分散剤(A1−1)を含む水溶液を得た。
<実施例2>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水5,000kg部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(MPEG−MA)(エチレンオキサイドの平均付加モル数15個)5,300kg、メタクリル酸(MA)1,800kg(70モル%)、水1,500kg、および3−メルカプトプロピオン酸76kgを攪拌混合したモノマー水溶液と、過硫酸ナトリウム70kgおよび水1,130kgの攪拌混合液を各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下(反応工程)した。さらに、温度を80℃に保持した状態で1時間反応(熟成工程)させた。その後、同じ反応容器内にて、40℃まで冷却し(冷却工程)、水酸化ナトリウムでpH6に中和(中和工程)した後、濃度40%となるよう水を加えて(希釈工程)、水硬性組成物用分散剤(A1−2)を含む水溶液を得た。
<実施例3>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水3,010kg、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数50個)3,000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した。その後、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)1,050kg(74モル%)および水4,000kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム120kgおよび水1,300kgの攪拌混合液とを、各々2時間で、60℃に保持した反応容器に連続滴下(反応工程)した。さらに、温度を70℃に保持した状態で1時間反応させた(熟成工程)。その後、同じ反応容器にて、40℃まで冷却し(冷却工程)、水酸化ナトリウムでpH5に中和(中和工程)し、濃度30%となるよう水を加えて(希釈工程)、水硬性組成物用分散剤(A2−1)を含む水溶液を得た。
<実施例4>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水4,000kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、アクリル酸(AA)800kg、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)1,350kgおよび水3,010kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム120kgおよび水1,580kgの攪拌混合液とを、各々3時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下(反応工程)した。さらに、温度を80℃に保持した状態で1時間反応させた(熟成工程)。その後、同じ反応容器内にて、45℃まで冷却し(冷却工程)、水酸化ナトリウムでpH4に中和し(中和工程)、濃度40%となるよう水を加えて(希釈工程)、水硬性組成物用分散剤(A3−1)を含む水溶液を得た。
<実施例5>
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたステンレス製反応容器に水4,000kg、および、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数29個、プロピレンオキサイドの平均付加モル数5個、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム付加)2,500kgを仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃に昇温した。その後、メタクリル酸(MA)1,000kg、アクリル酸(AA)200kg、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数22個)1,590kg、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)1,800kg、3−メルカプトプロピオン酸200kg、水5,000kgを混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム90kgおよび水1,110kgの攪拌混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下(反応工程)した。さらに、温度を85℃に保持した状態で1時間反応させた(熟成工程)。その後、同じ反応容器にて、30℃まで冷却した後(冷却工程)、水酸化ナトリウムでpH4に中和し(中和工程)、濃度40%となるよう水を加えて(希釈工程)、水硬性組成物用分散剤(A4−1)を含む水溶液を得た。
<比較例1〜5>
実施例1で得られた水硬性組成物用分散剤(A1−1)の水溶液において、熟成工程、冷却工程、中和工程、希釈工程をそれぞれ反応容器の後段に位置する、反応容器と同サイズの別の製造容器で行った以外は、製造例と同様とした。各々の実施例に対応する製造方法で得られた水硬性組成物用分散剤(A’1−1)を比較例1とした。
Figure 2017122027
実施例及び比較例で得られた水硬性組成物用分散剤を用い、後述する評価を実施した。
<コンクリート試験>
環境温度(20℃)において、表2のように配合した粗骨材、細骨材、セメント、水および表3に示すセメント混和剤としての水硬性組成物用分散剤を投入して強制二軸ミキサによる機械練りにより90秒間練混ぜた(セメント混和剤は水に混合させて投入した)。その後、コンクリートの排出直後にフレッシュコンクリート試験(スランプ試験JISA1101(フレッシュコンクリートの広がりをフロー値として測定)、空気量JISA1128、コンクリート粘性評価)を行った。コンクリートの粘性は、評価者5名による官能評価で、以下の基準により評価した。試験結果を表3に示す。
〔粘性の評価基準〕
◎:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが非常に良好で、スコップからのコンクリートの離れが非常に良好。
○:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが良好で、スコップからのコンクリートの離れが良好。
×:スコップでコンクリートを切り返した際のハンドリングが悪く、スコップからのコンクリートの離れが悪い。
〔コンクリートの混練速度の評価基準〕
細骨材、セメント、水および表2に示すセメント混和剤としての水硬性組成物用分散剤を投入して強制二軸ミキサによる機械練りにより90秒間練混ぜた際に、材料が一体となるまでの時間(秒)により評価した。(材料が一体となるまでの時間(秒)が速い方が、混練速度が速いと評価される。)
結果を表3に示す。
Figure 2017122027
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(株式会社トクヤマ製、比重3.16)
水道水
S1:大分県津久見産石灰砕砂(細骨材、比重2.66)
S2:山口県周南産砕石砕砂(細骨材、比重2.66)
G1、G2山口県岩国産砕石(粗骨材、比重2.73、2.66)
セメント混和剤(固形分換算)
Figure 2017122027
表3中、水硬性組成物用分散剤の「添加量」は、セメントに対する混和剤の固形分添加率を示す。また、SLFはスランプフローをそれぞれ示す。
表3から明らかなように、実施例のコンクリートは、比較例のコンクリートと比較して、フロー残存率および粘性が同等に良好であることがわかる。これらの結果から、本発明に係る水硬性組成物用分散剤の製造方法は、反応釜が1つであっても、反応工程の後工程の順番を固定することで複数の反応容器を用いた比較例と同等の水硬性組成物用分散剤としての性能を示し、そのため追加設備を導入することなく生産が可能となるため、歩留まりの低下等を抑制し生産性を向上させることができる。

Claims (3)

  1. 水硬性組成物用分散剤の製造方法であって、該水硬性組成物用分散剤を反応容器中で、下記(A)〜(E)で示される工程を、記載の順番通りに行うことを特徴とする水硬性組成物用分散剤の製造方法。
    (A)溶液中で単量体を重合反応させ、水硬性組成物用分散剤を得る反応工程
    (B)前記反応工程後に、さらに加熱し、未反応の単量体の重合反応を進める熟成工程
    (C)前記熟成工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の温度を調整する冷却工程
    (D)前記冷却工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液のpHを中和し調整する中和工程
    (E)前記中和工程で得られた、水硬性組成物用分散剤を含む溶液の濃度を調整する希釈工程
  2. 前記記載の水硬性組成物用分散剤が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する構成単位(I)、下記一般式(2)で表される単量体に由来する構成単位(II)、および下記一般式(3)で表される単量体に由来する構成単位(III)からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の構成単位を含有する溶液を重合反応し得られる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載される水硬性組成物用分散剤の製造方法。
    Figure 2017122027
    (式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。pは、0〜2の整数を表し、qは0〜1の整数を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、1〜300の整数を表す。R4は、水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
    Figure 2017122027
    (式中、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立に、水素原子、−CH3または−(CH2rCOOM2を表し、−CH3または−(CH2rCOOM2は互いに他の−COOM1または−(CH2rCOOM2と無水物を形成していてもよい。無水物を形成している場合、それらの基のM1、M2は存在しない。M1およびM2は同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基または置換アルキルアンモニウム基を表す。rは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2017122027
    (式中、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R11は炭素原子数1〜4のヘテロ原子を含んでよい炭化水素基を表す。sは、0〜2の整数を表す)
  3. 前記記載の(A)〜(E)全ての工程を、同一の反応器内で連続して実施することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の水硬性組成物用分散剤の製造方法。
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