JP2004001454A - 記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線及び湿度が記録材料の側面及び裏面から透過,浸透するのを防止し、記録層を保護する。
【解決手段】カラー感熱記録紙2は、支持体3上にシアン感熱発色層4a,マゼンタ感熱発色層4b,シアン感熱発色層4cからなる感熱記録層4と、保護層10とが設けられている。支持体3の裏面には、感熱記録層4を定着する紫外線をカットする紫外線カット層5と、感熱記録層4の発色感度を変化させる湿度から感熱記録層4を保護する湿度バリア層6とが設けられている。カラー感熱記録紙2の側面にも紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられており、感熱記録層4が紫外線及び湿度による悪影響を受けることはない。
【選択図】 図1
【解決手段】カラー感熱記録紙2は、支持体3上にシアン感熱発色層4a,マゼンタ感熱発色層4b,シアン感熱発色層4cからなる感熱記録層4と、保護層10とが設けられている。支持体3の裏面には、感熱記録層4を定着する紫外線をカットする紫外線カット層5と、感熱記録層4の発色感度を変化させる湿度から感熱記録層4を保護する湿度バリア層6とが設けられている。カラー感熱記録紙2の側面にも紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられており、感熱記録層4が紫外線及び湿度による悪影響を受けることはない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材料に関し、更に詳しくは、紫外線に対する定着性を有し、湿度によって発色感度が変化する記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラープリントに使用する記録材料として、イエロー,マゼンタ,シアンの各色に発色する複数の感熱発色層が支持体上に積層されたカラー感熱記録紙がある。このカラー感熱記録紙のイエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とには、紫外線に対する定着性が付与されている。そのため、カラー感熱記録紙が光に晒されると感熱発色層が定着され、発色感度が変化してしまう。
【0003】
また、カラー感熱記録紙の各感熱発色層は、含水率によって発色感度が変化してしまう。そのため、湿気を帯びたカラー感熱記録紙では、適正な濃度に仕上げることができないばかりか、グレーバランスが崩れて適正な色に仕上げることができなくなる。また、カラー感熱記録紙が部分的に湿気を帯びている場合には、プリントにムラが生じてしまう。
【0004】
カラー感熱記録紙の感熱発色層の上には、感熱発色層を傷や汚れ等から保護する保護層が設けられている。この保護層には、カラー感熱記録紙に対するサーマルヘッドの滑りをよくしたり、感熱発色層が湿気に直接さらされるのを防止する機能も有している。また、カラー感熱記録紙の支持体を透過した光によって各感熱発色層が定着されないようにするために、支持体の裏面や支持体と感熱発色層との間等に、紫外線吸収剤を含有する光吸収層を設けたカラー感熱記録紙も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−229476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カットされたシート状のカラー感熱記録紙は、記録面が下向きになるように積層されるため、記録面に対する紫外線と湿度の影響は少ない。また、長尺のカラー感熱記録紙をロール状に巻いた記録紙ロールも記録紙が緊密に巻かれているため、記録面への紫外線と湿気の影響は少ない。しかしながら、紫外線と湿度とがカラー感熱記録紙の側面に対して悪影響を及ぼし、端縁において濃度変化が発生したプリントが作成されることがあった。また、支持体を浸透した湿度が感熱記録層に悪影響を及ぼすこともあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、記録材料の側面及び裏面に対する紫外線及び湿度の悪影響を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明の記録材料は、記録材料の側面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方、または両方を設けたものである。これにより、記録材料の側端縁に対する紫外線及び湿度の悪影響を防止することができる。
【0009】
また、支持体と記録層との間、または支持体の裏面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方または両方を設けたものである。これによれば、支持体を透過してきた紫外線及び湿度による記録層への悪影響を防止することができる。
【0010】
更に、支持体の両面に紫外線に対する定着性を有する記録層を設けるとともに、該支持体の厚み方向の中央に紫外線カット層を設けることで、両面プリントを行なえるようにしたものである。これによれば、一方の面の記録層に紫外線を照射して定着する際に、その紫外線は紫外線カット層でカットされるため、他方の記録層に悪影響を及ぼすことはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカラー感熱記録紙の層構造を示す要部断面図である。カラー感熱記録紙2は、支持体3と、この支持体3上に層設された感熱記録層4及び保護層10と、支持体3の裏面に設けられた紫外線カット層5及び湿度バリア層6と、バック層7とから構成されている。カラー感熱記録紙2の側面には、紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられている。支持体3とバック層7とには、従来公知の材料が用いられている。
【0012】
感熱記録層4は、支持体3に近い側から、シアン感熱発色層4a,マゼンタ感熱発色層4b,イエロー感熱発色層4cで構成されている。最上層となるイエロー感熱発色層4cは熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層4aは熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層4cは、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。第2の感熱発色層であるマゼンタ感熱発色層4bは、シアン感熱発色層4aとイエロー感熱発色層4cとの中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。
【0013】
イエロー感熱発色層4cの上に設けられた透明な保護層10は、感熱発色層4を傷や汚れ等から保護する。また、保護層10は、含有された潤滑材等の効果によってサーマルヘッドとの間の滑りをよくし、かつ感熱発色層4が湿気に直接さらされるのを防止する。
【0014】
紫外線カット層5及び8は、紫外線吸収剤とバインダーとを主成分とする紫外線カット液が支持体3に塗布されて形成されている。湿度バリア層6及び9は、湿度バリア剤とバインダーとを主成分とする湿度バリア液が、塗布されて形成されている。紫外線カット層5,8及び湿度バリア層6,9は、紫外線と湿度とが通るのを阻止する。
【0015】
このカラー感熱記録紙2は、サーマルプリンタにセットされ、最初にサーマルヘッドによってイエロー画像が記録され、それからこのイエロー画像が紫外線によって定着される。次に、マゼンタ画像の記録と定着とが行なわれ、最後にシアン画像が記録される。
【0016】
図2において、カット紙12は、カラー感熱記録紙2をカッターやスリッタで切断して作られる。カット紙12は、四方にエッジ12a〜12dを有している。カットされたとき、すべてのエッジ12a〜12dが露出しているため、これに紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられる。カット紙12の記録面12e上には保護層10が設けられているが、熱伝導率を考慮して、その厚みは小さい。そのため、保護層10だけでは、湿気を完全に防ぐことができない。また、室内照明灯の光で露光されないようにするために、プリンタにセットする場合には、複数のカット紙12がカセットに収納される。
【0017】
この際に、カット紙12の記録面12eを下向きにして重ねることで、一番上のカット紙12は、裏面が紫外線カット層5及び湿度バリア層6によって保護されるため、室内照明灯にさらされるのを防止し、かつ保護層10を通って湿気が感熱発色層に入るのを防止することができる。更に、紫外線カット層8と湿度バリア層9によって、エッジ12a〜12dを通って光や湿気が入るのが防止される。なお、この図では、エッジ12a〜12dに形成された紫外線カット層8と湿度バリア層9を分かりやすく示すために、カット紙12の厚みを大きく描いている。
【0018】
カット紙12の4辺への紫外線カット層8と湿度バリア層9との形成は、図3に示すように、積層した複数枚のカット紙12の側面にローラー14で紫外線カット液を塗布して乾燥させ、次に湿度バリア液を塗布及び乾燥させればよい。なお、ローラー14の代わりに、刷毛やスプレーで塗布してもよい。
【0019】
また、図4に示すように、複数枚の積層したカット紙12をロボットハンド16等で挟み込んで保持し、容器17内に貯留された紫外線カット液18又は湿度バリア液に側面を順次浸し、乾燥させてもよい。
【0020】
また、図5に示すように、長尺のカラー感熱記録紙2を巻芯21にロール状に巻いた記録紙ロール20の場合には、記録紙ロール20の両端面20a,20bにのみ紫外線カット層8と湿度バリア層9とを設ければよい。これは、カラー感熱記録紙2は、プリント後に適宜カットされるためである。
【0021】
記録紙ロール20の両端面20a,20bへの紫外線カット層8と湿度バリア層9との形成は、カット紙12の場合と同様に、ローラーや刷毛,スプレー等で紫外線カット液と湿度バリア液とを順次塗布すればよい。また、記録紙ロール20をロボットハンド等で把持し、容器内に貯留された紫外線カット液又は湿度バリア液に両端面を浸してもよい。
【0022】
記録紙ロール20は、幅の広いマスターロールがスリットされてなるカラー感熱記録紙2を巻芯21に巻き取ることで形成されている。そのため、図6に示すように、スリットされたカラー感熱記録紙2を巻芯21に巻き取る際に、ローラー23aを利用してカラー感熱記録紙2の両側面に紫外線カット液と湿度バリア液とを塗布してもよい。また、ローラー23aの下流側にローラー23bを設置して、紫外線カット液と湿度バリア液とを連続して塗布してもよい。
【0023】
また、従来のカラー感熱記録紙は、一方の面の感熱発色層を定着する際に紫外線が支持体を透過して他方の面にまで達するため、両面プリントのできるカラー感熱記録紙は存在していなかった。しかしながら、紫外線カット層を利用することで、両面プリントが可能なカラー感熱記録紙を構成することができる。
【0024】
図7は、紫外線カット層を用いて両面プリントを可能にしたカラー感熱記録紙25の層構造を示す要部断面図である。このカラー感熱記録紙25では、二つの支持体26と27との間に紫外線カット層28を形成し、各支持体26,27の外側に、感熱記録層29,30と、保護層31,32とを設けている。各感熱発色層29,30は、シアン感熱発色層29a,30aと、マゼンタ感熱発色層29b,30bと、イエロー感熱発色層29c,30cとからなる。また、カラー感熱記録紙25の側面には、前述した紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられている。
【0025】
これにより、一方の面の感熱記録層29に紫外線を照射して定着を行なっても、紫外線は紫外線カット層28にカットされるため、他方の面の感熱記録層30が定着されることはない。そのため、両面に熱記録を行なって両面カラープリントを作成することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、紫外線カット層と湿度バリア層とを両方設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。また、紫外線カット層と湿度バリア層とを別々に設けたが、紫外線カット機能と湿度バリア機能とを有する一つの保護層を設けるようにしてもよい。更に、本発明は、紫外線または湿度に影響を受けるものならば、カラー感熱記録紙以外の記録材料にも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の記録材料は、紫外線カット層及び湿度バリア層によって、紫外線及び湿度が記録層にまで達するのを防ぐことができるため、適切な濃度やグレーバランスのプリントを得ることができる。また、紫外線カット層を利用することで、両面プリントが可能な記録材料を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカラー感熱記録紙の層構成を示す要部断面図である。
【図2】カット紙の外形形状を示す斜視図である。
【図3】ローラーによる塗布方法を示す説明図である。
【図4】浸漬による塗布方法を示す説明図である。
【図5】記録紙ロールの外形形状を示す斜視図である。
【図6】記録紙ロールのカラー感熱記録紙への塗布方法を示す説明図である。
【図7】両面プリント用のカラー感熱記録紙の層構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2,25 カラー感熱記録紙
3,26,27 支持体
4,29,30 感熱記録層
5,8,28 紫外線カット層
6,9 湿度バリア層
12 カット紙
20 記録紙ロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材料に関し、更に詳しくは、紫外線に対する定着性を有し、湿度によって発色感度が変化する記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラープリントに使用する記録材料として、イエロー,マゼンタ,シアンの各色に発色する複数の感熱発色層が支持体上に積層されたカラー感熱記録紙がある。このカラー感熱記録紙のイエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とには、紫外線に対する定着性が付与されている。そのため、カラー感熱記録紙が光に晒されると感熱発色層が定着され、発色感度が変化してしまう。
【0003】
また、カラー感熱記録紙の各感熱発色層は、含水率によって発色感度が変化してしまう。そのため、湿気を帯びたカラー感熱記録紙では、適正な濃度に仕上げることができないばかりか、グレーバランスが崩れて適正な色に仕上げることができなくなる。また、カラー感熱記録紙が部分的に湿気を帯びている場合には、プリントにムラが生じてしまう。
【0004】
カラー感熱記録紙の感熱発色層の上には、感熱発色層を傷や汚れ等から保護する保護層が設けられている。この保護層には、カラー感熱記録紙に対するサーマルヘッドの滑りをよくしたり、感熱発色層が湿気に直接さらされるのを防止する機能も有している。また、カラー感熱記録紙の支持体を透過した光によって各感熱発色層が定着されないようにするために、支持体の裏面や支持体と感熱発色層との間等に、紫外線吸収剤を含有する光吸収層を設けたカラー感熱記録紙も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−229476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カットされたシート状のカラー感熱記録紙は、記録面が下向きになるように積層されるため、記録面に対する紫外線と湿度の影響は少ない。また、長尺のカラー感熱記録紙をロール状に巻いた記録紙ロールも記録紙が緊密に巻かれているため、記録面への紫外線と湿気の影響は少ない。しかしながら、紫外線と湿度とがカラー感熱記録紙の側面に対して悪影響を及ぼし、端縁において濃度変化が発生したプリントが作成されることがあった。また、支持体を浸透した湿度が感熱記録層に悪影響を及ぼすこともあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、記録材料の側面及び裏面に対する紫外線及び湿度の悪影響を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明の記録材料は、記録材料の側面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方、または両方を設けたものである。これにより、記録材料の側端縁に対する紫外線及び湿度の悪影響を防止することができる。
【0009】
また、支持体と記録層との間、または支持体の裏面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方または両方を設けたものである。これによれば、支持体を透過してきた紫外線及び湿度による記録層への悪影響を防止することができる。
【0010】
更に、支持体の両面に紫外線に対する定着性を有する記録層を設けるとともに、該支持体の厚み方向の中央に紫外線カット層を設けることで、両面プリントを行なえるようにしたものである。これによれば、一方の面の記録層に紫外線を照射して定着する際に、その紫外線は紫外線カット層でカットされるため、他方の記録層に悪影響を及ぼすことはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカラー感熱記録紙の層構造を示す要部断面図である。カラー感熱記録紙2は、支持体3と、この支持体3上に層設された感熱記録層4及び保護層10と、支持体3の裏面に設けられた紫外線カット層5及び湿度バリア層6と、バック層7とから構成されている。カラー感熱記録紙2の側面には、紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられている。支持体3とバック層7とには、従来公知の材料が用いられている。
【0012】
感熱記録層4は、支持体3に近い側から、シアン感熱発色層4a,マゼンタ感熱発色層4b,イエロー感熱発色層4cで構成されている。最上層となるイエロー感熱発色層4cは熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層4aは熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層4cは、420nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。第2の感熱発色層であるマゼンタ感熱発色層4bは、シアン感熱発色層4aとイエロー感熱発色層4cとの中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。
【0013】
イエロー感熱発色層4cの上に設けられた透明な保護層10は、感熱発色層4を傷や汚れ等から保護する。また、保護層10は、含有された潤滑材等の効果によってサーマルヘッドとの間の滑りをよくし、かつ感熱発色層4が湿気に直接さらされるのを防止する。
【0014】
紫外線カット層5及び8は、紫外線吸収剤とバインダーとを主成分とする紫外線カット液が支持体3に塗布されて形成されている。湿度バリア層6及び9は、湿度バリア剤とバインダーとを主成分とする湿度バリア液が、塗布されて形成されている。紫外線カット層5,8及び湿度バリア層6,9は、紫外線と湿度とが通るのを阻止する。
【0015】
このカラー感熱記録紙2は、サーマルプリンタにセットされ、最初にサーマルヘッドによってイエロー画像が記録され、それからこのイエロー画像が紫外線によって定着される。次に、マゼンタ画像の記録と定着とが行なわれ、最後にシアン画像が記録される。
【0016】
図2において、カット紙12は、カラー感熱記録紙2をカッターやスリッタで切断して作られる。カット紙12は、四方にエッジ12a〜12dを有している。カットされたとき、すべてのエッジ12a〜12dが露出しているため、これに紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられる。カット紙12の記録面12e上には保護層10が設けられているが、熱伝導率を考慮して、その厚みは小さい。そのため、保護層10だけでは、湿気を完全に防ぐことができない。また、室内照明灯の光で露光されないようにするために、プリンタにセットする場合には、複数のカット紙12がカセットに収納される。
【0017】
この際に、カット紙12の記録面12eを下向きにして重ねることで、一番上のカット紙12は、裏面が紫外線カット層5及び湿度バリア層6によって保護されるため、室内照明灯にさらされるのを防止し、かつ保護層10を通って湿気が感熱発色層に入るのを防止することができる。更に、紫外線カット層8と湿度バリア層9によって、エッジ12a〜12dを通って光や湿気が入るのが防止される。なお、この図では、エッジ12a〜12dに形成された紫外線カット層8と湿度バリア層9を分かりやすく示すために、カット紙12の厚みを大きく描いている。
【0018】
カット紙12の4辺への紫外線カット層8と湿度バリア層9との形成は、図3に示すように、積層した複数枚のカット紙12の側面にローラー14で紫外線カット液を塗布して乾燥させ、次に湿度バリア液を塗布及び乾燥させればよい。なお、ローラー14の代わりに、刷毛やスプレーで塗布してもよい。
【0019】
また、図4に示すように、複数枚の積層したカット紙12をロボットハンド16等で挟み込んで保持し、容器17内に貯留された紫外線カット液18又は湿度バリア液に側面を順次浸し、乾燥させてもよい。
【0020】
また、図5に示すように、長尺のカラー感熱記録紙2を巻芯21にロール状に巻いた記録紙ロール20の場合には、記録紙ロール20の両端面20a,20bにのみ紫外線カット層8と湿度バリア層9とを設ければよい。これは、カラー感熱記録紙2は、プリント後に適宜カットされるためである。
【0021】
記録紙ロール20の両端面20a,20bへの紫外線カット層8と湿度バリア層9との形成は、カット紙12の場合と同様に、ローラーや刷毛,スプレー等で紫外線カット液と湿度バリア液とを順次塗布すればよい。また、記録紙ロール20をロボットハンド等で把持し、容器内に貯留された紫外線カット液又は湿度バリア液に両端面を浸してもよい。
【0022】
記録紙ロール20は、幅の広いマスターロールがスリットされてなるカラー感熱記録紙2を巻芯21に巻き取ることで形成されている。そのため、図6に示すように、スリットされたカラー感熱記録紙2を巻芯21に巻き取る際に、ローラー23aを利用してカラー感熱記録紙2の両側面に紫外線カット液と湿度バリア液とを塗布してもよい。また、ローラー23aの下流側にローラー23bを設置して、紫外線カット液と湿度バリア液とを連続して塗布してもよい。
【0023】
また、従来のカラー感熱記録紙は、一方の面の感熱発色層を定着する際に紫外線が支持体を透過して他方の面にまで達するため、両面プリントのできるカラー感熱記録紙は存在していなかった。しかしながら、紫外線カット層を利用することで、両面プリントが可能なカラー感熱記録紙を構成することができる。
【0024】
図7は、紫外線カット層を用いて両面プリントを可能にしたカラー感熱記録紙25の層構造を示す要部断面図である。このカラー感熱記録紙25では、二つの支持体26と27との間に紫外線カット層28を形成し、各支持体26,27の外側に、感熱記録層29,30と、保護層31,32とを設けている。各感熱発色層29,30は、シアン感熱発色層29a,30aと、マゼンタ感熱発色層29b,30bと、イエロー感熱発色層29c,30cとからなる。また、カラー感熱記録紙25の側面には、前述した紫外線カット層8と湿度バリア層9とが設けられている。
【0025】
これにより、一方の面の感熱記録層29に紫外線を照射して定着を行なっても、紫外線は紫外線カット層28にカットされるため、他方の面の感熱記録層30が定着されることはない。そのため、両面に熱記録を行なって両面カラープリントを作成することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、紫外線カット層と湿度バリア層とを両方設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。また、紫外線カット層と湿度バリア層とを別々に設けたが、紫外線カット機能と湿度バリア機能とを有する一つの保護層を設けるようにしてもよい。更に、本発明は、紫外線または湿度に影響を受けるものならば、カラー感熱記録紙以外の記録材料にも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の記録材料は、紫外線カット層及び湿度バリア層によって、紫外線及び湿度が記録層にまで達するのを防ぐことができるため、適切な濃度やグレーバランスのプリントを得ることができる。また、紫外線カット層を利用することで、両面プリントが可能な記録材料を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカラー感熱記録紙の層構成を示す要部断面図である。
【図2】カット紙の外形形状を示す斜視図である。
【図3】ローラーによる塗布方法を示す説明図である。
【図4】浸漬による塗布方法を示す説明図である。
【図5】記録紙ロールの外形形状を示す斜視図である。
【図6】記録紙ロールのカラー感熱記録紙への塗布方法を示す説明図である。
【図7】両面プリント用のカラー感熱記録紙の層構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2,25 カラー感熱記録紙
3,26,27 支持体
4,29,30 感熱記録層
5,8,28 紫外線カット層
6,9 湿度バリア層
12 カット紙
20 記録紙ロール
Claims (3)
- 支持体の少なくとも片方の面に、紫外線に対して定着性を有する記録層が設けられた記録材料において、
前記記録材料の側面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方、または両方を設けたことを特徴とする記録材料。 - 前記支持体と記録層との間、または支持体の裏面に、紫外線カット層と湿度バリア層とのいずれか一方または両方を設けたことを特徴とする請求項1記載の記録材料。
- 支持体の両面に紫外線に対する定着性を有する記録層を設けるとともに、該支持体の厚み方向の中央に紫外線カット層を設けたことを特徴とする請求項1記載の記録材料。
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JP2003088601A JP2004001454A (ja) | 2002-04-01 | 2003-03-27 | 記録材料 |
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JP2002099090 | 2002-04-01 | ||
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003088601A Withdrawn JP2004001454A (ja) | 2002-04-01 | 2003-03-27 | 記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004001454A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009528936A (ja) * | 2006-03-07 | 2009-08-13 | エヌ・シー・アール・コーポレイション | マルチカラー両面感熱印刷 |
WO2021132060A1 (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-01 | ソニーグループ株式会社 | 記録媒体および外装部材 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003088601A patent/JP2004001454A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009528936A (ja) * | 2006-03-07 | 2009-08-13 | エヌ・シー・アール・コーポレイション | マルチカラー両面感熱印刷 |
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