JP2004001160A - 研磨布の上定盤への取付方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上定盤7の中心穴30や研磨剤通し穴9の配置を描いた型紙を作製しておき、研磨布8の上に型紙を載せて、型紙に合わせポンチやナイフで研磨布に中心穴33や研磨剤通し穴34を穿孔し、上定盤の研磨剤通し穴に合わせ治具を差し込んでおき、研磨布の研磨剤通し穴を上定盤の合わせ治具38に通し、或いは上定盤面に研磨布を押しつけてから通し穴に合わせ治具を通し、研磨布と上定盤の位置合わせをしてから、研磨布の一部の剥離紙を剥してその部分の研磨布を上定盤面に接着し、剥離紙を少しずつ剥しながら研磨布を上定盤面に接着してゆくようにし、研磨布の大部分が接着した状態になって、合わせ治具を研磨剤通し穴から抜き取る。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハーを研磨する研磨装置において、ウエハーにスクラッチ(傷)が付かないような、研磨布を上定盤に取り付ける方法に関する。研磨というのはウエハーの両面或いは片面を平滑にする工程である。ここで半導体ウエハーというのはGaAsウエハー、InPウエハー、Siウエハーなど大型の単結晶基板が得られる半導体のウエハーのことである。
【0002】
大型の半導体単結晶はチョクラルスキー法(Czochralski)やブリッジマン法(Bridgman)で原料融液を種結晶側から徐々に冷却固化して育成される。GaAsやInPの場合は5族元素の溶融温度での蒸気圧が高いので5族の解離を抑えるため液体カプセル法(LEC:Liquid Encapsulated Czochralski)が用いられたり、5族固体を容器内において蒸気圧を釣り合わせるようにした水平ブリッジマン(HB:Horizontal Bridgman)法が用いられる。あるいは縦型のブリッジマン(VB)法も利用される。原料融液から固体を育成するので方位の定まった直径の大きい長い単結晶が得られる。これを円筒形に研削して円柱形の単結晶の棒を得る。それをインゴット(Ingot)と呼ぶ。X線回折によって結晶方位を決定しオリエンテーションフラット(Orientation Flat)となる面を研削する。
【0003】
反転対称性があるSiの場合は表裏を区別しないからオリエンテーションフラットは一つでよい。GaAsやInPは反転対称性がなく表裏の区別があるのでオリエンテーションフラットは2つ付ける。OFとIF(Identification Flat)というように区別することもある。その長さはSEMIの基準で決まっている。
長く重い単結晶インゴットをワイヤーソーや内周刃スライサーで薄い円板に切り出す。その円板をウエハー(Wafer)という。初めの切り出したばかりのものはアズカットウエハーと呼ぶこともある。最終のミラーウエハー(Mirror Wafer)と区別するためである。
【0004】
アズカットウエハーからミラーウエハーまでの工程は、
1.面取り
2.研削(ラッピング)
3.研磨
を含む。
【0005】
面取りというのはウエハーの周辺部を斜めに砥石で削ることである。それによって周辺部が欠けるのを防止する。周辺部の一部が欠けると屑片によってウエハー面が傷付けられるので望ましくない。
【0006】
研削というのは固定砥粒をもつ回転砥石でウエハーの両面を削り取り厚さを揃える工程をいう。両面同時に削ることもあり片面ずつ削ることもある。削る速度は速くて100μm/分の高速である。遊離砥粒を用いて厚みを減ずることもある。それはラッピングという。ラッピングと研削はまとめて研削と呼ぶ人もいる。研削後のウエハーの表面はまだザラザラである。研削の後にエッチング液に漬けて加工変質層を除去することもある。
【0007】
研磨というのは表面を鏡のように平滑にすることである。ウエハー面にフォトリソグラフィによって微細なデバイスを製作するから平坦平滑でなければならない。片面だけを研磨することもあり両面を研磨することもある。鏡のように綺麗に研磨したものはミラーウエハーと呼ぶ。両面ミラー、片面ミラーといって区別することもある。研磨を一度で行うこともあるが2回に分けて行う場合も多い。その場合、初めの研磨を一次研磨と呼ぶ。硬質研磨布を用いて研磨する。その速度は1〜2μm/分の程度である。後の研磨を二次研磨と呼ぶ。それは軟質の研磨布を用いて行う。その速度は0.1〜0.2μm/分の程度である。
【0008】
研磨には物理研磨と化学研磨がある。物理研磨は砥粒との接触によって結晶表面を物理的に削るものでありコロイダルシリカのような遊離砥粒を含む研磨液を用いる。InPウエハーの場合は主に物理研磨をする。化学研磨は薬品の腐食作用によって結晶表面を削るものである。GaAsウエハーの場合は化学研磨をすることが多い。それは
【0009】
GaAs+4NaOCl→GaAsO4+4NaCl
GaAsO4+4Na2CO3+4H2O→NaGa(OH)4+Na3AsO
4+4NaHCO3
【0010】
という反応を利用するものである。しかしGaAsに於いてコロイダルシリカをもちいることもあり、InPにおいて化学研磨(ブロメタを用いる)することもある。本発明は物理研磨にも化学研磨にも適用できる。
【0011】
半導体ウエハーの研磨には2種類のものがある。一つは今まで説明してきたアズカットウエハーをミラーウエハーにする場合の最終段階の研磨である。その場合ウエハーの上には何もない。均一の結晶だけを削るものである。GaAsウエハー、InPウエハーの研磨というのはそれである。しかし、その分野で新規の工夫というものは少ない。
【0012】
もっと頻繁に工夫が行われる余地のあるのは、Siウエハーの上に何層にもデバイスを作製したあと、さらにデバイスを設けるためデバイス面を平坦化するための平坦化研磨である。これはCMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれ物理作用と化学作用を合わせて利用してSiウエハー上の電極層、酸化物層、結晶層などを削り凹凸をなくすものである。対象となる物質は多様で硬度は不均一であり一筋縄ではゆかない。それは前述のアズカットウエハーからミラーウエハーへいたる工程の研磨とは全く違う。本発明の研磨とCMPを混同してはならない。
【0013】
【従来の技術】
本ウエハーを研磨する研磨装置には大別して両面型のものと片面型のものがある。片面型のものはウエハーを円板型のヘッダ下面に張り付けて、研磨布を張った上向き定盤に押し付けヘッダと定盤を回転させて下向きのウエハーの下面を研磨するものである。ヘッダを自転、研磨定盤を公転させ二重の回転運動によって研磨布によりウエハー下面を擦る。一つのヘッダに複数のウエハーを取り付けることもある。片面研磨でよければそれで終わりである。片面ミラーウエハーができる。両面研磨が必要な場合は面を変えてヘッダに取り付け、もう一つの面を研磨する。
【0014】
両面研磨型の装置は同時にウエハーの両面を研磨するもので、上研磨定盤、下研磨定盤の定盤にウエハーを挟み込んで上下の研磨定盤を反対方向に回転させる。
ウエハーが互いに接触衝突してはいけない。だから、いくつかの穴のあいた薄いプラスチックの円板を用いる。ウエハー保持キャリヤと呼ぶ。その穴の中へウエハーを入れておいてキャリヤを上下の研磨定盤で挟む。キャリヤの方がウエハーより薄いのでウエハーの両面が上下の研磨定盤の研磨布に接触する。研磨定盤が回転するとウエハーの両面が研磨される。たとえば
▲1▼特開平1−153273号「半導体ウエハの研磨方法」には両面研磨の説明が記載されている。
【0015】
キャリヤが滑り落ちないような手段が講じてあれば、それだけでもよいが、キャリヤの運動を規制するため実際にはキャリヤを遊星運動させるようになっている。キャリヤの周辺に歯車を設けておく。研磨定盤と同軸の太陽歯車を中心に設け前記のウエハー保持キャリヤの歯車部分と噛み合うようにする。キャリヤは最外周のインターナルギヤ(外殻内歯歯車)と噛み合うようになっている。ウエハー保持キャリヤは太陽歯車と外殻内歯歯車の間にあって遊星運動をするようになる。1枚のウエハー保持キャリヤがm個の穴をもちm枚のウエハーを保持できるものとする。上下研磨定盤の間にn枚のキャリヤをはさみこむことができるとする。そうすると一時にmn枚のウエハーを両面研磨することができる。太陽歯車の大きさにもよるがnは2〜4枚程度である。キャリヤ、ウエハーの大きさによるがmは3〜6枚程度である。
【0016】
太陽歯車、キャリヤ、外殻内歯歯車の歯車の歯数をそれぞれS、C、Iとする。当然であるが、圧力角、モジュールは全て等しい。歯数の間にはS+2C=Iという関係がある。太陽歯車、キャリヤ、外殻内歯歯車の静止系に対する角速度をs、c、iとする。その間には、sS+iI=(S+I)cという関係がある。上定盤の角速度をuとし下定盤の角速度をwとする。反対方向へ廻すのであればuとwは異符号である。同方向へ廻すのであればuとwは同符号である。
【0017】
もしも外殻内歯歯車が下定盤に固定されているとすればi=wである。もしも太陽歯車が上定盤に固定されているとすればs=uである。太陽歯車も外殻内歯歯車も自由に動きえてモータによって回転するようになっている場合もある。どのような場合でもキャリヤは周転円運動する。キャリヤに保持されたウエハーは遊星運動しながら上下の研磨定盤によって両面を研磨されることになる。両面研磨の場合はそのようにウエハーの内部に含まれる軸を中心とした回転運動が存在しないからウエハー面に接触する研磨布の運動の軌跡は曲率半径の大きい円となる。
【0018】
図15によって両面研磨装置を説明する。これは断面図である。下定盤2は円形の大きい研磨定盤である。寸法は様々であるが例えば直径が1m〜1.3m程度である。平坦な上面一杯に円形の下研磨布3が貼ってある。研磨布は例えば発泡ポリウレタン樹脂である。下研磨布3の上には薄いプラスチック製の有孔円板であるウエハー保持キャリヤ4が複数枚置かれている。キャリヤ4には幾つかの穴5があり穴5にウエハー6が1枚ずつ収容される。同じ大きさの上定盤7の平坦下面には上研磨布8がはりつけてある。
【0019】
下定盤2は下回転軸22によって支持される。上定盤7は上回転軸23によって支持される。両方の回転軸22、23は自由に独立に回転でき昇降できる。 上定盤7の上面には円周状の研磨剤供給溝24が穿たれている。研磨剤供給溝24上方には第1供給管26、第2供給管27が設けられる。第1供給管26からケミカル研磨剤が研磨剤供給溝24に与えられる。第2供給管27からコロインダルシリカが研磨剤供給溝24に与えられる。InPの場合は物理研磨するのでコロイダルシリカを主体として用いる。GaAsの場合は化学研磨するのでケミカル研磨剤を主に用いる。
【0020】
研磨剤供給溝24にそって幾つかの通し穴9が穿たれる。通し穴9によって研磨剤供給溝24へ与えられた研磨液が上定盤7と下定盤2の間の空間へと導かれる。中心で太陽歯車28とキャリヤ4の歯車が噛み合っており、外周部でキャリヤ4と外殻内歯歯車29が噛み合っている。
【0021】
操作を述べる。上定盤7を引き上げる、或いは下定盤2を下げる。上定盤7と下定盤2の間が広く開く。上定盤7に研磨布8を貼付ける。下定盤2に下研磨布3を貼付ける。下定盤2の下研磨布3の上に薄い円板状のウエハー保持キャリヤ4を適数枚、太陽歯車と外殻内歯歯車に噛み合うように放射状に置く。ウエハー保持キャリヤ4の穴5にウエハー6を入れる。上定盤を引き下げる、あるいは下定盤を上げる。上定盤と下定盤がウエハーに接触するようにする。
【0022】
研磨材料を第1供給管26、第2供給管27から研磨剤供給溝24へ供給する。上定盤7、下定盤2を回転させる。太陽歯車、外殻内歯歯車が自由回転できる場合はそれらも適当な速さで回転させる。するとキャリヤ4が上下の研磨定盤7、2の間で遊星運動する。ウエハーは上下研磨布8、3の間で周転円運動する。それによって上下面が均等同時に研磨される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
発明は両面研磨型の研磨装置において研磨布を定盤に貼付ける方法に関する。研磨布は発泡ポリウレタン等の円盤状の部材であり本体の裏面に接着剤が塗布され、その上に剥離紙(シール)がはってある。定盤は平坦な金属面だから剥離紙を剥し接着剤面を押しつけるだけで研磨布が定盤に接着される。接着は1回切りであって何度も貼り直しができない。一度貼って具合が悪いからといって剥し、位置直しして貼付けると接着力が格段に落ちる。二度、三度と修正ができない。だから一度で正確に貼付ける必要がある。
【0024】
上研磨布も下研磨布も、中心に大きい穴を開ける。それは軸を通す部分でありどちらにも共通に穿孔する穴である。それは問題ないのであるが、上研磨布には特別の問題がある。上研磨布は研磨剤を通す穴を穿つ必要がある、ということである。下研磨布にはそのような穴はない。従来は研磨布をはりつけてから、中心穴と研磨剤通し穴をナイフで切り取っていた。するとナイフが定盤の通し穴9廻りの金属壁にあたり刃こぼれする。刃こぼれした屑片が研磨布に付着残留する。そのために屑片によってウエハー面が擦られる。すると、それによってウエハーに傷が付く可能性がある。
【0025】
図1〜図3によって従来の上研磨布の取付方法を説明する。図1は未加工の研磨布である。例えば直径が1m〜1.3m程度である。定盤より少し大きい円形の発泡樹脂で裏面に接着剤層と剥離紙が付いている。研磨布の縁の剥離紙の一部を剥し上定盤7の縁に研磨布の一部を貼付ける。そのとき研磨布と上定盤7の円弧部分がほぼ合致していなければならない。反対下方側に研磨布を引き剥離紙を剥しながら研磨布を上定盤7へ押し付け少しずつ皺にならないよう張りつけてゆく。広い定盤に広い研磨布を張りつけるのだから注意深くしなければならない。剥離紙を全部剥して上定盤に一挙にはりつけてもよいが、その場合も皺にならないようにする。間違っても剥がして貼り直すと接着力が低下するので、それはできない。
【0026】
初めから間違いなく正しい位置へ張りつける必要がある。それは上向きの不安定な姿勢で行うのでやりにくい作業である。しかし平坦面に平坦な研磨布を付けるのだから、それほど困難というわけでもない。図2はその後の状態を示す。カッタナイフ32によって研磨布の中心穴33を切りとる。さらに研磨剤通し穴34の部分もナイフ32で切りとる。予めどの部分が中心穴33、研磨剤通し穴34に当たるか分からないから張りつけてからカッタナイフ32で穴を開けるのである。また研磨布の定盤縁からのはみ出し部分もカッタナイフ32によって切りとるようにする。図3はそのように中心穴33、研磨剤通し穴34を研磨布に穿った状態を示す。
【0027】
下定盤2への下研磨布3の張りつけはもっと簡単である。図1、図2は同様で、図3の段階では中心穴だけをカッタナイフで穿孔する。研磨布の外周のはみ出し部分を切りとる。下定盤2には研磨剤を通す穴がないから研磨剤通し穴を穿孔しなくてよい。
【0028】
そのような研磨装置を用いてウエハーの研磨をしていたのであるが、最終的にウエハー面に傷(スクラッチ)が入ることが多かった。図4のようにミラーウエハーの面に鋭く長い傷(スクラッチ)35がスーと入っていることがある。ミラーウエハーにスクラッチがあると、それは検査不合格である。スクラッチのあるウエハーは出荷できない。スクラッチ発生が多いというのは困ったことである。
【0029】
図14に示すがスクラッチ発生率は月毎の平均が1.45%、2.44%…というように平均で2.2%もあった。どうしてウエハー面にスクラッチが入るのか原因がハッキリしなかった。
【0030】
研磨液に不純物が含まれるとか、研磨砥粒(シリカ粒子)に不純物が含まれるとかウエハーが割れ破片が研磨布についているとか様々の可能性が考えられる。
【0031】
本発明者は、スクラッチ発生の原因の一つは研磨布の通し穴穿孔の際におこるカッタナイフと定盤金属の接触による刃こぼれであるということに気付いた。研磨布自体を切るについてはカッタナイフが刃こぼれする恐れはない。しかし金属製定盤に穿った通し穴と同じ大きさの穴を穿つように研磨布を切るのだから、ナイフが金属と接触し、きしりを生じナイフが刃こぼれすることもある。図16は研磨剤通し穴の部分をカッタナイフで切りとる動作を説明する断面図である。研磨布8の通し穴9に当たる部分へカッタナイフ32の先を差し込み、通し穴9の縁に沿って刃先をまるく引き回す。殆ど面取りしてない通し穴9の縁で刃こぼれ42が生じる。刃こぼれ42によって微細な金属屑片40が飛び散る。ナイフ刃こぼれ屑片40の一部が研磨布8にめり込んで残留する。ナイフ屑片40が研磨布に埋まっており、それがウエハー面を擦るので図4のようなスクラッチ35を作るのである。そのようなことに初めて発明者が気付いた。
【0032】
図2から図3のようにまず研磨布を上定盤に貼付け、ナイフで穴になるべき部分を切りとる方法は、定盤の穴9と研磨布の穴34が合致してうまい方法である。しかしナイフ32をステンレスなどの硬質金属に当てるから刃こぼれ42が起こり得る。よほど熟練の作業者がしても、そのようなことは起こる。図5は研磨布穴開け後のカッタナイフの刃こぼれを示す写真である。花びらのように見えるのが通し穴の部分を切りとった研磨布の一部である。初め、穴の中心に刃物の先端を突き刺し半径にそってナイフを外側へ動かし、穴の縁にカツンと当たったらナイフを縁にそってまるく引き回す。だからV型切れ込みのある丸い研磨布切片が通し穴穿孔ごとに生ずる。
【0033】
研磨布切片をよく見ると黒点が多数存在している。黒点は何か?というとそれはカッタナイフの刃こぼれ屑片なのである。定盤の穴は硬い金属でありナイフは薄い金属板だから刃こぼれは著しい。屑片が多数切片についている。それは切片についており除去されるからよいのであるが、一部は上研磨布に付着残留する。研磨布は凹凸の激しい表面をもつので一旦屑片がつくと簡単にはとれない。また研磨布の内部へ潜り込むこともある。それがウエハーを削るのでウエハーにスクラッチが発生する。スクラッチ発生の有力な原因がそこにあるということを本発明者は突き止めたのである。
【0034】
そうであれば、カッタナイフを定盤に突き立てる事なく研磨剤通し穴を研磨布に穿つようにすれば良いのである。研磨布自体は柔らかいものだからナイフが刃こぼれするというようなことはない。
【0035】
位置ズレがおこらず、しかもナイフによる削り屑が研磨布に付着せずウエハーにスクラッチが入らないようにした研磨布の貼付方法を提案することが本発明の目的である。
【0036】
【課題を解決するための手段】
[手段1]
上定盤の中心穴や研磨剤通し穴の配置を描いた型紙を作製しておき、研磨布の上に型紙を載せて、型紙に合わせポンチやナイフで研磨布に中心穴や研磨剤通し穴を穿孔し、上定盤の研磨剤通し穴に合わせ治具を差し込んでおき、研磨布の研磨剤通し穴を合わせ治具に通し、或いは上定盤面に研磨布を押しつけてから通し穴に合わせ治具を通し、研磨布と上定盤の位置合わせをしてから、一部の剥離紙を剥してその部分の研磨布を上定盤面に接着し、剥離紙を少しずつ剥しながら研磨布を上定盤面に接着してゆくようにし、研磨布の大部分が接着した状態になって、合わせ治具を研磨剤通し穴から抜き取る。研磨布を上定盤面に全部張りつけてから合わせ治具を抜き取っても良い。
【0037】
厚紙などに研磨布を載せ型紙を載せ、型紙の上から鉛筆で穴を描く。型紙を取り外し鉛筆の窪みにしたがってポンチで研磨剤通し穴を穿つ。その場合は同じ型紙を何度も繰り返し使用できる。あるいは型紙を載せ型紙に合わせてポンチで一挙に研磨剤通し穴を穿孔してもよい。その場合は型紙は使い捨てとなるからコピーを何枚も取っておけば良い。ナイフでなくポンチを使うと研磨剤通し穴を一挙に開けることができ能率的である。
【0038】
研磨剤通し穴と同じサイズのポンチがないときは、ポンチを使わず研磨剤通し穴をナイフで丸く切ってもよい。それは上向きの作業でなく床にむかっての下向き作業だからよほど楽である。それにナイフを金属製の上定盤に突き立てないから刃こぼれしない。刃こぼれしないからナイフ屑片が研磨布に付着しない。研磨布が清浄で屑がつかないから研磨によってウエハーにスクラッチが入るという可能性が減少する。
【0039】
型紙上で研磨剤通し穴をあけておくと位置合わせしなければいけない。本発明は合わせ治具を上定盤の研磨剤通し穴に差し込んでおき合わせ治具に研磨布の研磨剤通し穴を通す。それによって相対的な位置が決まる。或いは、上定盤に研磨布を押し当ててから通し穴に合わせ治具を差し込んで位置決めする。
【0040】
位置が決まってから剥離紙を少しずつ剥して研磨布を定盤面に少しずつ接合してゆく。だから位置が狂うという事はなく、貼り直しをしなくて良い。貼り直しせず1度で接着するから接着力が損なわれるということはない。貼付は下向きの定盤を上に見ながらの姿勢の悪い作業となるが、ナイフで穴を穿つ作業よりはよほど楽である。
【0041】
研磨剤通し穴と合わせ治具によって中心付近で研磨布と定盤の位置合わせがなされるから、初めに中心付近の剥離紙を剥して、それから周辺方向へ剥離してゆくというようにもできる。それは剥離紙に切れ目を予め入れておけば造作のないことである。
【0042】
もちろんそうでなくて、中心付近で位置を決めておき周辺部一箇所から剥離紙を剥してゆき、そこから研磨布と定盤を接着してゆく事も可能である。
【0043】
[手段2]
研磨布の縁に目印を付けておき、上定盤の中心穴や研磨剤通し穴の配置を描いた型紙を作製しておき、研磨布の上に型紙を載せて、型紙に合わせポンチやナイフで研磨布に中心穴や研磨剤通し穴を穿孔し、研磨布の剥離紙を全部はがし、上定盤の目印に研磨布の目印を合わせ、研磨布を上定盤の下面に貼り付けるようにする。
【0044】
これは手段1と同様に型紙を使い、型紙を研磨布に重ねてポンチで中心穴と研磨剤通し穴とを穿孔する。その後、手段1は少しずつ剥離紙をはがして少しずつ研磨布を上定盤に貼り付けたが、手段2では全部の剥離紙を剥がしてから、目印を頼りに位置決めして、研磨布を上定盤へ一挙に貼り付ける。
【0045】
手段1と違うのは剥離紙を全部はがして、目印で位置を決めて、研磨布を上定盤へ貼り付けるという点である。合わせ治具を使わないので、研磨剤通し穴とポンチ穴の間の位置精度が少し悪くなる可能性はある。しかし熟練者が目印をきちんと合わせてから手練の技によって貼り合わせれば、それほど重大な位置ずれはおこらない。剥離紙を徐々に剥がしてという面倒なことをしないので、この方がより短時間で研磨布を貼り付けることができる。これもカッターナイフを使わないから切り屑が研磨布に残る可能性は少なく、ウエハーにスクラッチが発生しない、という利点がある。
【0046】
【発明の実施の形態】
[実施形態1(ポンチ穿孔、合わせ治具、継時的貼り付け)]
本発明の第1の実施形態にかかる研磨布の上定盤への貼付方法を図10〜図13によって説明する。初めに上定盤の中心穴30と通し穴9の位置を記した型紙20を作成する。1枚だけ作製して鉛筆で型紙から研磨布を押さえて印を付けるというようにもできる。また同じ型紙20を多数枚作ることもできる。1枚だけ作ればコピーすれば幾らでも同じ型紙20を作ることができる。型紙20は紙だからナイフで簡単に切れる。目印をつけてもよいが別段なくてもよい。
【0047】
図10は未加工の上研磨布8である。単に円板状の研磨布である。研磨布本体、接着剤層、剥離紙よりなる。研磨布の下に柔らかい台紙や板材を敷いておき、図11のように研磨布8に型紙20を載せて型紙20の上からポンチで研磨剤通し穴34を穿ち、中心穴33も型紙20によってナイフで切り取る。ここまでは先述の改善案と同様である。こうして必要な穴34、33を全部穿つ。
【0048】
合わせ治具38、39を使って研磨布と上定盤の位置合わせをする。合わせ治具38、39は木製、プラスチック製の栓のようなものである。合わせ治具によって位置合わせするには二つの方法がある。
【0049】
初めから合わせ治具39を上定盤7の通し穴9に差し込んでおく、という方法が一つである。図12にそれを示す。研磨布8を持ち上げて研磨剤通し穴34が合わせ治具39に下から入り込むようにして研磨布8と上定盤7の位置を合わせる。
【0050】
もう一つは、研磨布8を上定盤7に接触させてから通し穴9と研磨剤通し穴34を大体合わせ下から合わせ治具38を穴34、9に差し込むものである。図12には両方を示す。どちらにしても剥離紙を剥す前に研磨布8と上定盤7を位置合わせする。通し穴9の穴は8〜16程度であって対称性のよい位置にあるから研磨布8と上定盤7を合わせるためにあまり研磨布8を廻さなくても良い。
【0051】
合わせ治具38、39によって位置を合わせてから、研磨布の剥離紙を少しずつ剥し、剥した部分から上定盤の裏面に接着してゆく。中心部から剥しても良いし、周辺部から剥していってもよい。中心部から剥す場合は剥し易いように予め剥離紙に切れ込みを幾つか入れておいても良い。
【0052】
徐々に剥離紙(シール)を剥して、剥離部分を上定盤に付ける作業を続けて研磨布の全体を、上定盤の裏面の全面に接着する。そのようにすると狂いがあって、また剥してつけるという修正が不要である。剥離接着を繰り返すと接着剤の接着力が劣化し研磨布がとれやすくなる。研磨の途中で研磨布がめくれる、はずれる、剥がれるという事故がおこることもあろう。しかし本発明は接着は一度切りで修正をしないから接着力は充分である。
【0053】
[実施形態2(ポンチ穿孔、合わせ治具、一挙貼り付け)]
本発明の第2の実施形態を図6〜図9に示す。これは剥離紙を一挙に剥がしてから上定盤へ取り付けるものである。初めに上定盤の中心穴と研磨剤通し穴の位置を記した型紙を作成する。1枚だけ作ればコピーし幾らでも型紙を作ることができる。型紙は紙だからナイフで簡単に切れる。定盤に目印36をつける。型紙にも目印37をつけておく。
【0054】
図6は未加工の上研磨布である。単に円板状であり、研磨布本体、接着剤層、剥離紙よりなる。研磨布の下に柔らかい台紙や板材を敷いておき、図7のように研磨布8に型紙20を載せて型紙20の上からポンチで研磨剤通し穴34を穿ち、中心穴33も型紙20によってナイフで切りとり目印37を転写した。こうして必要な穴を全部穿ったあとで剥離紙の全体を取り除く。図8のように目印36、37を合わせて位置合わせする。そのあと研磨布の全体を上定盤の裏面に張り合わせる。剥離紙を全部剥がしてから貼り付けるので工程がより単純化される。出来上がりの状態を図9に示す。研磨布と定盤の穴はうまく合致している。ナイフを金属の定盤に突き立てないからナイフ刃こぼれとて起こりようがない。だから研磨布の内部にナイフ屑片40が混ざりこむこともない。ウエハーへスクラッチ35が入る可能性は減少する。
【0055】
【実施例】
本発明は研磨布を定盤に張りつける工程の発明である。上定盤への上研磨布が問題になるのは上定盤に通し穴があり、研磨布に研磨剤通し穴を穿つ必要があるからである。下定盤への下研磨布の取付は中央穴を切りとっておき、そのまま下定盤へ張りつけるようにすればよい。
【0056】
ある年の4月から8月までは図1〜4に示すような従来方法で研磨布を上定盤に取り付けていた。その装置でGaAsウエハーを研磨しミラー面にスクラッチが生じたウエハーの割合を調べた。図14にその結果を示す。横軸は月であり、縦軸はその月のスクラッチ発生率である。ウエハーの全数は月によって変動があるが、数千枚〜数万枚の程度である。従来の方式を採用した4月〜8月では多いときで3.84%の高い率でスクラッチが発生した。低いときでも1.45%のスクラッチ発生率であった。8月の終りに新しい研磨布の貼付方法(実施形態1)を採用し、9月、10月、11月と同じようなスクラッチウエハーの割合を調べた。新方式を採用した後の3月でのスクラッチ発生率の平均値は0.59%であった。月によるばらつきはあるが平均値でも約1/4に減少している。その他の条件は不変であるから研磨布の貼付方法による改善であると判断できる。それによって本発明の効果が顕著であることがよくわかる。
【0057】
実施形態1(図10〜図13)と実施形態2(図6〜図9)はいずれも新規で有効な研磨布の取付方法である。どちらも型紙を使って研磨剤通し穴を予めポンチによって穿孔するようにしている。いずれもカッターを研磨定盤の穴に当てて研磨布の穴を開けるというのでないから切り屑が研磨布に付着しないという共通の新しい利点がある。
【0058】
しかし実施形態1、2の間には、さらになお研磨布の接着力において違いがある、ということが分かった。
実施形態2は剥離紙(シール)を全部剥してから上定盤に下から貼り付ける。剥離紙の周囲と上定盤の周囲に目印を付けておき、目印が合致するように研磨布を上定盤に接着してゆく。これは簡易の方法であり全体を一定の押圧力で上定盤へ押し付けることができる。例えば全体の面を、2kg/cm2の圧力で上定盤に押し付ける。研磨布の上面には接着剤が付いているから押し付けるだけで研磨布が上定盤に固定される。
【0059】
実施形態1は、剥離紙(シール)を一挙に全部剥すのではなくて、研磨剤通し穴に治具を差し込み、研磨布のポンチ穴を治具に差し入れ、位置決めしたあと研磨布の剥離紙を少しずつ剥して研磨布を上定盤へ接合してゆく。部分的に接合してゆくので、研磨剤通し穴の近傍だけに特に強い押圧力を掛けて研磨布を堅固に上定盤へ押しつけるということもできる。全体的な圧力は2kg/cm2であっても、中央部の研磨剤通し穴の部分だけたとえば5kg/cm2以上の強い圧力で押し付けることができる。
【0060】
[実施形態2(目印位置合わせ、剥離紙全部剥離)]
実施形態2の方法で研磨布を貼り付けた研磨定盤でウエハーを研磨して時間とともに研磨済みウエハーの平坦度がどのように変わるかということを調べた。平坦度はここでは表面の最も高い部分(山)の高さHpeakから最も低い部分(谷)の高さHvalleyを引いたもの(Hpeak−Hvalley)として定義する。それはTTV(total thickness variation)と呼ぶ。
【0061】
図17のグラフは、研磨布使用時間とそれによって研磨したウエハーの平坦度測定結果の変化の関係を示す。研磨布使用時間というのは使用開始時刻からの経過時間ではなく実際に研磨をした時間を積算したものである。
【0062】
破線が実施形態2の場合の平坦度経時変化である。横軸は研磨布の使用時間(時間:h)である。ウエハーはGaAsウエハーである。縦軸は平坦度(μm)である。0分から45時間の部分は平坦度を計測しているが図示していない。それは従来の研磨装置においては、研磨布の寿命は45時間と規定されており、45時間で貼り替えるということになっていたからである。
【0063】
本発明はもちろん従来の方法よりも研磨布が長寿命であるということが前提であるから、従来法の研磨布の寿命点から計測結果を示している。使用開始後45時間たった時点でも、それによって研磨したウエハーの表面平坦度は1.2μm程度であり充分である。60時間でも平坦度は1.5μm程度だから合格である。60時間ということは、それだけで従来法よりも15時間寿命が長くなっているということである。
【0064】
さらに同じ研磨布の使用を持続すると63時間で、ウエハー表面の平坦度が1.8μmに増加する。しかし63〜73時間では大体1.8μmより小さい平坦度である。83時間使用した研磨布でウエハーを研磨したとき平坦度が2μmになってしまった。それはもはや研磨布として使用できない。
【0065】
85時間使用してから上定盤を引き上げて研磨布の接着の状態を調べてみた。そうすると研磨剤通し穴の近くの部分で研磨布の一部が上定盤から少し剥離し始めているのがわかった。それは目視観察で看取できるほどであった。その原因は一挙に剥離紙全部を剥してから上定盤へ接合するから中心近くの研磨剤通し穴の部分は接着面積が減り接合力が不足しており長時間の研磨によって研磨剤通し穴の近傍のたるみ剥がれを引き起こしたのであろう、と考えられる。それでも実施形態2の貼付方法によるその試料は寿命が従来例よりも約35時間延長したということである。
【0066】
[実施形態1(治具位置合わせ、剥離紙逐次剥離)]
実施形態1の方法で研磨布を逐次貼り付けた研磨定盤でウエハーを研磨して時間とともに研磨済みウエハーの平坦度がどのように変わるかということを調べた。その結果を図17に示す。実線が実施形態1の場合の平坦度経時変化である。先述のように従来の場合45時間の寿命しかなかったが本発明はそれを越えるのが前提だから45時間までの分は図示していない。
【0067】
使用開始後45時間たった時点でも実施形態1の貼付方法によって貼った研磨布によって研磨したウエハーの表面平坦度は1.2μm程度であり充分である。60時間でも平坦度は1.5μm程度だから合格である。80時間後でもそれによって研磨したウエハーの平坦度は1.3μm程度で合格である。それだけではない。なんと100時間を経過したときでも、それでウエハーを研磨したウエハーは1.3μm程度の平坦度で良品である。
【0068】
さらに経過して170時間後ではウエハーの平坦度が1.1μm程度である。180時間後でも1μm程度の平坦度であった。それは180時間以上使用することができるということである。200時間でもびくともせず剥離しなかった。しかし研磨布の上組織である不織布部分が摩耗してしまったので200時間で交換した。実施形態1は150時間も寿命を延ばすことができたということである。
【0069】
実施形態1は治具で研磨布のポンチ穴と上定盤の通し穴の位置を決めて逐次に研磨布を上定盤へ貼り付けてゆくので接着力に優れる。特に通し穴の部分の接合がしっかりしている。だから研磨を重ねても研磨布が剥離しないで、いつまでも良好な研磨を行うことができる。従来法の研磨布の寿命が一律に45時間であったということを考えてみれば著しい改善である。研磨布の交換頻度を下げることができ研磨布のためのコストが低減する。平坦度に優れたGaAs、InPウエハーをより低コストで製造することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明はあらかじめ上定盤の中心穴、研磨剤通し穴などを描いた型紙を作っておき、研磨布に型紙を載せて型紙に合わせて中心穴、研磨剤通し穴をポンチによって穿孔し、上定盤の研磨剤通し穴には合わせ治具を押し込んでおいて、研磨布の研磨剤通し穴を、上定盤の合わせ治具に通して研磨布と上定盤の位置を合わせておき、剥離紙の一部を剥がして、その部分の研磨布を上定盤に接着し、剥離紙を少しずつ剥がしながら研磨布を上定盤に貼り付け、研磨布の大部分が貼りついてから合わせ治具を穴から抜き取るようにしている。
【0071】
あるいは、上定盤に目印を付けておき、上定盤の中心穴、研磨剤通し穴、目印などを描いた型紙を作っておき、研磨布に型紙を載せて型紙に合わせて中心穴、研磨剤通し穴をポンチによって穿孔し目印を付け、研磨布の剥離紙を全部はがし、上定盤の目印に研磨布の目印を合わせることによって位置決めし、研磨布を上定盤に貼り付けるようにする。
従来法のように、研磨布を貼り付けてからカッタナイフによって研磨剤通し穴や中心穴を開けるというような作業がない。この作業によってナイフの刃こぼれ片が研磨布に付着してウエハーを研磨するとスクラッチを引き起こす原因となったが、本発明はそのようなことはなく、スクラッチのない平坦平滑のミラーウエハーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の上定盤への研磨布の貼付工程において準備された未加工の研磨布を示す平面図。
【図2】従来の上定盤への研磨布の貼付工程において上定盤の全体に研磨布を接着した状態を示す下からの斜視図。
【図3】従来の上定盤への研磨布の貼付工程において上定盤に張り付けた研磨布に中心穴と研磨剤通し穴をカッタナイフで抉って開ける工程を示す下からの斜視図。
【図4】従来の上定盤への研磨布の貼付工程によって上定盤に研磨布を張り付けた場合、その研磨装置でウエハーを研磨するとウエハー表面にスクラッチが発生することがあることを示すウエハーの平面図。
【図5】上定盤に張り付けた研磨布に研磨剤通し穴をカッタナイフで穿孔すると定盤の金属とナイフ歯先が擦れナイフが刃こぼれし屑片が研磨布に散布されてしまう事がある事を示す写真。花びら様のものが研磨剤通し穴を切りとった研磨布の一部で黒点が刃こぼれの屑片である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼り付け工程において準備された未加工の研磨布を示す平面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において予め型紙によって研磨剤通し穴を開けた研磨布の平面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において研磨布に研磨剤通し穴をあけてから剥離紙を全部はがして目印によって研磨布を上定盤に張り付けようとする工程を示す下からの斜視図。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において研磨布に研磨剤通し穴をあけてから剥離紙を全部はがして目印によって研磨布を上定盤に張り付けたあとの状態を示す下からの斜視図。
【図10】本発明の第1の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において準備された未加工の研磨布を示す平面図。
【図11】本発明の第1の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において予め型紙によって研磨剤通し穴を開けた研磨布の平面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において研磨布に研磨剤通し穴をあけてから研磨布を上定盤のすぐ下に接触させ、合わせ治具を研磨布の通し穴から上定盤の通し穴へ通して位置合わせし剥離紙を少しずつ剥しながら研磨布を上定盤へ接着してゆこうとする直前の状態を示す下からの斜視図。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかる上定盤への研磨布の貼付工程において研磨布に研磨剤通し穴をあけてから合わせ治具で位置合わせし剥離紙を少しずつ剥しながら研磨布を少しずつ上定盤に接着し全体を接着した後の状態を示す下からの斜視図。
【図14】従来の上定盤への研磨布取付方法を用いた月の平均のスクラッチ発生率と、本発明の上定盤への研磨布取付方法を用いた月の平均のスクラッチ発生率を示すグラフ。4月〜8月は従来法を採用しており、平均のスクラッチ発生率は5カ月の平均で2.2%であった。9月〜11月は本発明の方法を用いており平均のスクラッチ発生率は3カ月の平均で0.59%であった。スクラッチ発生率が約1/4に減少している。
【図15】上研磨布を付けた上定盤と、下研磨布を付けた下定盤の間に、ウエハー保持キャリヤをおき、ウエハー保持キャリヤの穴にウエハーを収納し、下定盤の上に上定盤を合わせ上下の研磨定盤を回転させキャリヤも回転させてウエハーの上下面を同時に研磨する両面研磨装置の概略を示す縦断面図。
【図16】従来例における上研磨布の上定盤への取付において、一旦研磨布を上定盤面に接着して下方からカッタナイフによって通し穴に当たる部分の研磨布に穴を開ける工程において刃こぼれが生じることを説明する上定盤通し穴の近傍の断面図。
【図17】実施形態1と実施形態2の研磨布貼付方法によって上定盤に研磨布を貼り付けGaAsウエハーを研磨し研磨後のウエハーの表面平坦度を測定した結果を示すグラフ。横軸は研磨布使用時間(使用時間の累積時間)であり、縦軸はそれによって研磨したウエハーの平坦度(μm)である。従来法は45時間が寿命となっていたので、それを越える45時間以後の研磨結果だけを示す。実施形態1は200時間後でも剥離の兆しはなかったが不織布が疲労していたので200時間で交換した。
【符号の説明】
2 下定盤
3 下研磨布
4 ウエハー保持キャリヤ
5 穴
6 ウエハー
7 上定盤
8 上研磨布
9 通し穴
20 型紙
22 下回転軸
23 上回転軸
24 研磨剤供給溝
26 第1供給管
27 第2供給管
28 太陽歯車
29 外殻内歯歯車
30 定盤中心穴
32 カッタナイフ
33 中心穴
34 研磨剤通し穴
35 スクラッチ
36 目印
37 目印
38 合わせ治具
39 合わせ治具
40 屑片
42 刃こぼれ
Claims (3)
- 上定盤の中心穴や研磨剤通し穴の配置を描いた型紙を作製しておき、研磨布の上に型紙を載せて、型紙に合わせポンチやナイフで研磨布に中心穴や研磨剤通し穴を穿孔し、上定盤の研磨剤通し穴に合わせ治具を差し込んでおき、研磨布の研磨剤通し穴を上定盤の合わせ治具に通し、或いは上定盤面に研磨布を押しつけてから通し穴に合わせ治具を通し、研磨布と上定盤の位置合わせをしてから、研磨布の一部の剥離紙を剥してその部分の研磨布を上定盤面に接着し、剥離紙を少しずつ剥しながら研磨布を上定盤面に接着してゆくようにし、研磨布の大部分が接着した状態になって、合わせ治具を研磨剤通し穴から抜き取るようにしたことを特徴とする研磨布の上定盤への取付方法。
- 上定盤に目印をつけておき、上定盤の中心穴や研磨剤通し穴の配置と目印を描いた型紙を作製しておき、研磨布の上に型紙を載せて、型紙に合わせポンチやナイフで研磨布に中心穴や研磨剤通し穴を穿孔し、研磨布の剥離紙を全部はがし、上定盤の目印に研磨布の目印を合わせることによって位置決めし、研磨布を上定盤へ貼り付けるようにしたことを特徴とする研磨布の上定盤への取付方法。
- 研磨布の研磨剤通し穴の近傍では研磨布を5kg/cm2以上の圧力で上定盤へ押し付けることを特徴とする請求項1に記載の研磨布の上定盤への取付方法。
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