JP2004000066A - コンバインの脱穀装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリューロータの周囲を包囲する漏下選別体の面積の拡大と、漏下選別体とは別体の網体を設けることにより、脱穀処理の促進と四番ロスの削減を図る技術を提案する。
【解決手段】ロータカバー43で閉じられた扱ぎ室90内で回転駆動されるスクリューロータ6と、該スクリューロータ6の周面外方を包囲する漏下選別体7にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置29であって、前記スクリューロータ6の上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータ6と穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置し、また、前記漏下選別体7の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ6前端部の下方に延設し、さらに、前記スクリューロータ6の下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体7を延設し、該漏下選別体7の上端を前記ロータカバー43で押圧固定した。
【選択図】 図4
【解決手段】ロータカバー43で閉じられた扱ぎ室90内で回転駆動されるスクリューロータ6と、該スクリューロータ6の周面外方を包囲する漏下選別体7にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置29であって、前記スクリューロータ6の上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータ6と穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置し、また、前記漏下選別体7の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ6前端部の下方に延設し、さらに、前記スクリューロータ6の下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体7を延設し、該漏下選別体7の上端を前記ロータカバー43で押圧固定した。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの脱穀装置の構造に関し、より詳しくは、汎用コンバインのスクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体や受網の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、周面にスクリューを取付けたスクリューロータを前後方向に配置し、フィーダハウスより送り込まれる穀稈を後方に搬送しながら脱穀を行う構成とした脱穀装置を備えるコンバインが知られている。
前記スクリューロータにおいては、下方に漏下選別体または受網(以下両者を漏下選別体と呼ぶ)が配され、該漏下選別体との間にて穀稈を扱ぐことにより、穀粒を脱粒し、さらに下方に配される選別装置にて漏下させるようにしている。一方、スクリューロータの上方は、扱ぎ室の上方を塞ぐロータカバーにより覆われている。
【0003】
前記漏下選別体とスクリューロータの配置関係において、漏下選別体はスクリューロータの下方半周面の外方を包囲するように構成しており、スクリューロータと漏下選別体との間による脱粒は、スクリューロータの下方半周面のみで行なわれるようになっている。
また、前記スクリュー外周には扱ぎ歯が適宜取付けられ、この扱ぎ歯で穀稈を引っ掛けるようにして搬送しているが、スクリューロータの前部に配されるスクリューには、扱ぎ歯は取付けられていない。
また、スクリューロータの前部のスクリューにおいては、フィーダハウスからの取込口に位置させてインペラ部とし、専ら、フィーダハウスより投入される穀稈を取り込むようだけに機能させる設計としており、前提として脱穀処理を行わないようにしていた。このことから、前記漏下選別体は、インペラ部よりも後方の下方半周面のみを包囲するように構成され、インペラ部の下方半周面は包囲されていない構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記漏下選別体においては、スクリューロータとの間で穀稈を扱ぐことにより脱穀処理を行うものであることから、スクリューロータの周囲を広範囲で包囲する、言い換えれば、スクリューロータを覆う面積の拡大や、前後幅の拡張により、脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させるためにも好ましい。
しかし、上述の従来構成では、漏下選別体は、スクリューロータの下半分のみを包囲するに留まり、また、スクリューロータの前部の下方半周面は包囲されない構成となっており、さらなる脱粒促進等を図るためには、漏下選別体の面積の拡大や、前後幅の拡張を図る必要がある。
ここで漏下選別体の面積拡大を図るにあたり、単純に面積を拡大させるのは、ロータカバーを開放した際のスクリューロータ上方の開放面積を減少させ、メンテナンス性を損なうこととなってしまう。
本発明は、以上の問題点に鑑み、スクリューロータの周囲を包囲する漏下選別体の面積の拡大と、漏下選別体とは別体の網体を設けることにより、脱穀処理の促進と四番ロスの削減を図る技術を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの下方外周面を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータと穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置したことである。
【0006】
また、請求項2に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記漏下選別体の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ前端部の下方に延設したことである。
【0007】
また、請求項3に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体を延設し、該漏下選別体の上端を前記ロータカバーで押圧固定したことである。
【0008】
また、請求項4に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータ前部のスクリュー先端を円錐状に形成するとともに、該スクリューロータ前部外周をスクリュー形状に合わせたテーパー面で覆う構成としたことである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用するコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は扱ぎ室の前部の構成を示す側面一部断面図、図4は扱ぎ室の構成を示す後面図、図5はスクリューロータに対する漏下選別体及び上部網体の前後幅の関係を示す側面図、図6は漏下選別体を延設した実施例の扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【0010】
まず、本発明を適用する汎用コンバインの全体構成を説明すると、図1、図2に示すように、汎用コンバインは、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を配置し、この機体フレーム2前部上にキャビン3を配設している。機体フレーム2の右後上にはエンジン8(図2)を載置し、その前方にグレンタンク4を配置し、このグレンタンク4より穀粒を排出するための排出装置5を機体後部から前方にかけて備えている。
【0011】
また、前記機体フレーム2の前方には刈取装置24が配置され、機体フレーム2左側上に脱穀装置26が配され、該刈取装置24の後端と脱穀装置26の前部入口をフィーダハウス12によって連通している。
【0012】
このフィーダハウス12の前部にプラットホーム14を設けており、該プラットホーム14には進行方向と直角に横送りオーガ16が左右方向に配置され、該横送りオーガ16の前下部に刈刃17が横設されている。
【0013】
前記プラットホーム14の左右両側の前端に分草板18・18を設け、プラットホーム14の後部の左右両端にはリール19を横架した支持アーム20・20の後部が枢支され、この支持アーム20・20の左右一側にはリール回転駆動用のベルトやプーリー等からなる動力伝達機構が設けられている。このリール19は、支持アーム20とプラットホーム14との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ21によって昇降される。
【0014】
前記フィーダハウス12内には搬送装置としてフィーダコンベア15を設け、刈り取った穀稈を脱穀装置26へ搬送するようにしている。
【0015】
そして、脱穀装置26内には、前後に渡ってスクリューを周面に取付けたスクリューロータ6が配され、穀稈の脱穀を行うようにしており、また、スクリューロータ6の下方に漏下選別体または受網(以下、漏下選別体)7を介して選別装置29を配し、選別を行うようにしている。
【0016】
この選別装置29は、チャフシーブ10を有する揺動本体25や、該揺動本体の下方で前側から順に配される唐箕9、一番コンベア40、二番コンベア42等からなり、前記漏下選別体7から漏下する穀粒の選別を行うようにしている。
【0017】
また、前記スクリューロータ6の後部下方には、回転軸に複数の切断刃を植設してなるチョッパー22を配し、スクリューロータ6により扱ぎ室後部へ搬送される排稈を細かく切断した後に、機体外部へ排出するようにしている。
【0018】
以上の構成による刈取作業では、分草板18によって分草し、リール19の回転によって穀稈を掻き込み、刈刃17によって穀稈の株元側を刈取り、刈り取られた穀稈を横送りオーガ16の回転によって中央側へ横送りし、中央のフィーダハウス12前端からフィーダコンベア15によって後方へ搬送して脱穀装置26へ供給する。
そして、脱穀装置26内のスクリューロータ6によって穀稈を脱穀し、漏下選別体7より漏下した籾等は選別装置29によって選別され、そのうちの一番物は前記グレンタンク4内に貯溜され、また、二番物は脱穀装置26の前部途中位置に投入され再選別にかけられる。また、脱穀された残りの排稈は、チョッパー22により細かく切断された後、機体外部へ排出される。
【0019】
次に、脱穀装置26の構成について説明する。
図3に示すように、スクリューロータ6の胴部は、フィーダハウス12から扱ぎ室90への取込口(脱穀入口)57に配される円錐台状の取込部6aと、該取込部6aの後部と連続的に形成される円筒状の脱穀部6bから構成されており、これら取込部6a・脱穀部6bの円錐台部・円筒部外周には、それぞれ前スクリュー31・後スクリュー32の螺旋羽根が取付けられ、前スクリュー31先端は、円錐状に形成され、後スクリュー32は円筒状に形成されている。
そして、取込口57に送り込まれた穀稈は、取込部6aの前スクリュー31から脱穀部6bの後スクリュー32へ受継がれ、前記漏下選別体7との間で脱穀されながら搬送される。
【0020】
この穀粒の搬送は、後スクリュー32の半径方向外側に突設させるようにして取付けた扱ぎ歯41・41・・・により、穀稈を引っ掛けることで行われるものである。尚、前スクリュー31においても、扱ぎ歯41・41・・・を着脱自在に構成しており(図3においては、取外した状態を図示している)、この前スクリュー31は、フィーダハウス12からの穀稈を取り込むインペラ部となるため、前スクリュー31に扱ぎ歯41・41・・・を取付けることで、穀稈を確実に引っ掛けて後方に搬送し、取込口57での穀稈の詰まりを防止させることができるようになっている。
そして、この扱ぎ歯41・41・・・は、前スクリュー31・後スクリュー32に着脱可能としているため、摩耗した際には交換可能である。
【0021】
また、図4に示すごとく、以上の脱穀装置26を収容する扱ぎ室90は、回動支点45により開閉自在に支持されるロータカバー43により蓋をされ、閉じられている。そして、該ロータカバー43は、スクリューロータ6の上方を覆うものであり、ロータカバー43の内側面であって、スクリューロータ6の上方には、複数の送塵弁44を前後方向に配設されている。この送塵弁44は、その前後方向の傾き角度を調節自在に構成しており、作物の種類に応じて角度調整を行い、穀稈の搬送速度の設定・変更ができるようになっている。
また、スクリューロータ6の周面外方は、左漏下選別体7a・右漏下選別体7bを下部位置決め部83に当接させて一連の網体を形成する漏下選別体7により包囲されている。
【0022】
以上が脱穀装置26の全体構成であり、次に、ロータカバー43の構成について説明する。
まず、図3に示すごとく、ロータカバー43において、スクリューロータ6前部の取込部6aの上外周を覆う壁面箇所43aでは、後方になるに従いスクリューロータ軸心81からの内径を増加させ、スクリューロータ軸心81を通る垂直平面の切断面での断面視において、前低後高の傾斜を有するテーパー面91、つまり、前スクリュー31の外周形状に合わせた円錐状に構成している。
このテーパー面91の傾斜角は、前記側面視において、前スクリュー31の始端部と周端部の回転軌跡がなす傾斜角と略同一としている。
このように、ロータカバー43の前部をテーパー面で構成することにより、スクリューロータ6の回転による遠心力によりテーパー面91に押し当てられる穀稈には、後方へ向かう分力が発生することになり、取込部6aにおける穀稈の後方への搬送性の向上を図ることができ、また、取込口57における穀稈の詰まりを防ぐことができる。
尚、スクリューロータ6前部の取込部6aの上外周を覆う壁面箇所43aよりも後方の壁面箇所43bにおいては、円筒状に構成するようにしている。
【0023】
また、図4及び図5に示すごとく、スクリューロータ6の上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板となるロータカバー43を配置し、スクリューロータ6とロータカバー43の間に網体となる上部扱網46を着脱自在に配置している。即ち、扱ぎ室側であって、後面視においてスクリューロータ6の左斜め上方で、且つ、スクリューロータ6の前後方向広範囲に渡り、パンチメタル等からなる金属性の網体で構成した上部扱網46を着脱自在に横設した構成としている。図4に示すごとく、該上部扱網46は、後面視におけるスクリューロータ6の左斜め上方に、左端面を低くする傾斜を形成するものであり、その右端面が、ロータカバー43の内側面に固設した固定ステー74によりボルト82で着脱自在に締結固定される一方、その左端面を、略「く」字状に折り曲げて、その底面にて載置脚部71を構成し、該載置脚部71を左漏下選別体7aの上端部外側面に前後方向に付設した支持部72aに載置し、上部扱網46の一側端部を支持するようにしている。
また、左漏下選別体7aの上端部には、支持部72bが前後方向に横架され、該支持部72bの上端面の傾斜面を前記上部扱網46に当接させるようにして、上部扱網46を支持するようにしている。また、上部扱網46において、載置脚部71から支持部72bで支持される範囲においては、網目のない板状の滑り板面46aとする一方、該滑り板面46aよりも上部は網面46bとして、網面46bより外方へ漏下した穀粒は、滑り板面46a上を滑って穀粒回収通路75aに投入するようになっている。
【0024】
また、図4に示すごとく、ロータカバー43の左側内側面は、上記穀粒回収通路75aの一側面を形成するものであり、左漏下選別体7aの左方の左下部穀粒回収板76とともに、一連の穀粒回収通路75aを形成し、下方の選別装置29へ穀粒を案内するようにしている。
【0025】
以上の構成で、図5に示すごとく、スクリューロータ6の前後方向広範囲に渡って、上部扱網46がスクリューロータ6の左斜め上方(図4に示す後面視)を包囲し、該上部扱網46とスクリューロータ6との間にて脱粒が行われ、穀粒を上部扱網46の網面46bから漏下させ、穀粒回収通路75aへ送り込むことが可能となる。
このように、上部扱網46においても脱粒を行うことで、穀稈の脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させることができる。
【0026】
また、上述したごとく、ロータカバー43側に固設された上部扱網46は、ロータカバー43と一体的に開閉されるものであり、ロータカバー43を空けた際には、スクリューロータ6の上方が広く開放されメンテナンスが行いやすく、また、ロータカバー43を閉じてロックすると同時に、上記支持部72a・72bにより確実に支持されるため、上部扱網46をロックする必要もなく、開閉作業を簡単に行うことができる。
【0027】
また、上部扱網46は、ロータカバー43に対し着脱自在とし、作物の種類によって、網面46bの網目の粗さが異なる上部扱網46に交換することを可能としている。
また、網面46bは、パンチングメタルで構成する他、漏下選別体7と同一の網面のクリンプ金網で構成してもよく、特に限定されるものではない。
さらに、網面46bを左漏下選別体7aと同一の曲面で形成し、左漏下選別体7aの上部端をそのまま上方に延長した場合のものと略同一とする構成としてもよい。
【0028】
以上のような上部扱網46の構成に加え、右漏下選別体7bにおける脱粒促進を図るべく以下の構成とすることもできる。
即ち、図6に示すごとく前記スクリューロータ6の下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体7を延設し、該漏下選別体7の上端を前記ロータカバー43で押圧固定する構成としているのである。尚、この構成は、図4に示す構成と組み合わせてもよい。
以下詳述すると、前記スクリューロータ6を包囲する右漏下選別体7bにおいて、ロータカバー43の回動支点45側の周端部78を、後面視において、スクリューロータ軸心81の斜め上方(概ね5度から45度の範囲であって、送塵弁83に重ならない範囲)の位置とするとともに、前記ロータカバー43の扱ぎ室側面に、前記周端部78に当接する押止部84を設けた構成とし、右漏下選別体7bによるスクリューロータ6を覆う面積を拡大させている。
この右漏下選別体7bの構成により、スクリューロータ6を覆う面積が拡大された箇所、即ち、延設部79においても、スクリューロータ6との間で脱粒が行われ、該延設部79を漏下した穀粒が、右下部穀粒回収板77とロータカバー43の内面によって構成される穀粒回収通路75bを通って、下方の選別装置29へ穀粒を案内することができる。また、穀稈の周速度と遠心力を一定に保って、送塵弁83へ穀稈を送り込むことができるので、スクリューロータ6の回転のピークトルクを下げることができる。
また、該右漏下選別体7bは、一側の周端部78が前記押止部84により押さえられる一方、他側の周端部86が下部位置決め部83にて押さえられるようになっており、ロータカバー43を開いた状態では押止部84による押さえが解除されるため、スクリューロータ6回転方向に回転させて引き出すことができ、メンテナンスを容易に行えるようになっている。
【0029】
さらに、漏下選別体7の前後幅について、図3及び図5に示すごとく、前記漏下選別体7の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ6前端部の下方に延設している。
図3に示すごとく、漏下選別体7(左漏下選別体7a・右漏下選別体7b)の前端部は、スクリューロータ6の前端部、即ち、取込部6aの前端面の延長線上に位置させており、スクリューロータの前部の取込部6aにおいても、その周面外方を包囲することで、前スクリュー31と漏下選別体7との間にて脱粒を行うようにしている。
以上の構成により、スクリューロータ6の前部においても脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、この脱粒促進等により、スクリューロータ6の前後長を短く構成した場合においても、十分な穀粒回収率を確保することができる。
【0030】
また、この漏下選別体7の前後幅と対応し、図5に示すごとく、前記上部扱網46についても同様に、その前端部をスクリューロータ6の前端部の側方に位置させており、前スクリュー31と上部扱網46との間にて脱粒を行い、脱粒促進等を図ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの下方外周面を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータと穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置したので、該網体においても脱粒を行うことで、穀稈の脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0032】
また、請求項2に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記漏下選別体の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ前端部の下方に延設したので、スクリューロータの前部においても脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0033】
また、請求項3に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体を延設し、該漏下選別体の上端を前記ロータカバーで押圧固定したので、スクリューロータのラップ角が拡大された箇所においても、脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、穀稈の周速度と遠心力を一定に保って、送塵弁へ穀稈を送り込むことができるので、スクリューロータの回転のピークトルクを下げることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0034】
また、請求項4に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータ前部のスクリュー先端を円錐状に形成するとともに、該スクリューロータ前部外周をスクリュー形状に合わせたテーパー面で覆う構成としたので、スクリューロータの取込部における穀稈の後方への搬送性の向上を図ることができ、また、取込口における穀稈の詰まりを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】扱ぎ室の前部の構成を示す側面一部断面図である。
【図4】扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【図5】スクリューロータに対する漏下選別体及び上部網体の前後幅の関係を示す側面図である。
【図6】漏下選別体を延設した実施例の扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【符号の説明】
6 スクリューロータ
7 漏下選別体
29 脱穀装置
43 ロータカバー
46 上部扱網
78 周端部
81 スクリューロータ軸心
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの脱穀装置の構造に関し、より詳しくは、汎用コンバインのスクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体や受網の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、周面にスクリューを取付けたスクリューロータを前後方向に配置し、フィーダハウスより送り込まれる穀稈を後方に搬送しながら脱穀を行う構成とした脱穀装置を備えるコンバインが知られている。
前記スクリューロータにおいては、下方に漏下選別体または受網(以下両者を漏下選別体と呼ぶ)が配され、該漏下選別体との間にて穀稈を扱ぐことにより、穀粒を脱粒し、さらに下方に配される選別装置にて漏下させるようにしている。一方、スクリューロータの上方は、扱ぎ室の上方を塞ぐロータカバーにより覆われている。
【0003】
前記漏下選別体とスクリューロータの配置関係において、漏下選別体はスクリューロータの下方半周面の外方を包囲するように構成しており、スクリューロータと漏下選別体との間による脱粒は、スクリューロータの下方半周面のみで行なわれるようになっている。
また、前記スクリュー外周には扱ぎ歯が適宜取付けられ、この扱ぎ歯で穀稈を引っ掛けるようにして搬送しているが、スクリューロータの前部に配されるスクリューには、扱ぎ歯は取付けられていない。
また、スクリューロータの前部のスクリューにおいては、フィーダハウスからの取込口に位置させてインペラ部とし、専ら、フィーダハウスより投入される穀稈を取り込むようだけに機能させる設計としており、前提として脱穀処理を行わないようにしていた。このことから、前記漏下選別体は、インペラ部よりも後方の下方半周面のみを包囲するように構成され、インペラ部の下方半周面は包囲されていない構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記漏下選別体においては、スクリューロータとの間で穀稈を扱ぐことにより脱穀処理を行うものであることから、スクリューロータの周囲を広範囲で包囲する、言い換えれば、スクリューロータを覆う面積の拡大や、前後幅の拡張により、脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させるためにも好ましい。
しかし、上述の従来構成では、漏下選別体は、スクリューロータの下半分のみを包囲するに留まり、また、スクリューロータの前部の下方半周面は包囲されない構成となっており、さらなる脱粒促進等を図るためには、漏下選別体の面積の拡大や、前後幅の拡張を図る必要がある。
ここで漏下選別体の面積拡大を図るにあたり、単純に面積を拡大させるのは、ロータカバーを開放した際のスクリューロータ上方の開放面積を減少させ、メンテナンス性を損なうこととなってしまう。
本発明は、以上の問題点に鑑み、スクリューロータの周囲を包囲する漏下選別体の面積の拡大と、漏下選別体とは別体の網体を設けることにより、脱穀処理の促進と四番ロスの削減を図る技術を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの下方外周面を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータと穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置したことである。
【0006】
また、請求項2に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記漏下選別体の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ前端部の下方に延設したことである。
【0007】
また、請求項3に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体を延設し、該漏下選別体の上端を前記ロータカバーで押圧固定したことである。
【0008】
また、請求項4に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータ前部のスクリュー先端を円錐状に形成するとともに、該スクリューロータ前部外周をスクリュー形状に合わせたテーパー面で覆う構成としたことである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用するコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は扱ぎ室の前部の構成を示す側面一部断面図、図4は扱ぎ室の構成を示す後面図、図5はスクリューロータに対する漏下選別体及び上部網体の前後幅の関係を示す側面図、図6は漏下選別体を延設した実施例の扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【0010】
まず、本発明を適用する汎用コンバインの全体構成を説明すると、図1、図2に示すように、汎用コンバインは、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を配置し、この機体フレーム2前部上にキャビン3を配設している。機体フレーム2の右後上にはエンジン8(図2)を載置し、その前方にグレンタンク4を配置し、このグレンタンク4より穀粒を排出するための排出装置5を機体後部から前方にかけて備えている。
【0011】
また、前記機体フレーム2の前方には刈取装置24が配置され、機体フレーム2左側上に脱穀装置26が配され、該刈取装置24の後端と脱穀装置26の前部入口をフィーダハウス12によって連通している。
【0012】
このフィーダハウス12の前部にプラットホーム14を設けており、該プラットホーム14には進行方向と直角に横送りオーガ16が左右方向に配置され、該横送りオーガ16の前下部に刈刃17が横設されている。
【0013】
前記プラットホーム14の左右両側の前端に分草板18・18を設け、プラットホーム14の後部の左右両端にはリール19を横架した支持アーム20・20の後部が枢支され、この支持アーム20・20の左右一側にはリール回転駆動用のベルトやプーリー等からなる動力伝達機構が設けられている。このリール19は、支持アーム20とプラットホーム14との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ21によって昇降される。
【0014】
前記フィーダハウス12内には搬送装置としてフィーダコンベア15を設け、刈り取った穀稈を脱穀装置26へ搬送するようにしている。
【0015】
そして、脱穀装置26内には、前後に渡ってスクリューを周面に取付けたスクリューロータ6が配され、穀稈の脱穀を行うようにしており、また、スクリューロータ6の下方に漏下選別体または受網(以下、漏下選別体)7を介して選別装置29を配し、選別を行うようにしている。
【0016】
この選別装置29は、チャフシーブ10を有する揺動本体25や、該揺動本体の下方で前側から順に配される唐箕9、一番コンベア40、二番コンベア42等からなり、前記漏下選別体7から漏下する穀粒の選別を行うようにしている。
【0017】
また、前記スクリューロータ6の後部下方には、回転軸に複数の切断刃を植設してなるチョッパー22を配し、スクリューロータ6により扱ぎ室後部へ搬送される排稈を細かく切断した後に、機体外部へ排出するようにしている。
【0018】
以上の構成による刈取作業では、分草板18によって分草し、リール19の回転によって穀稈を掻き込み、刈刃17によって穀稈の株元側を刈取り、刈り取られた穀稈を横送りオーガ16の回転によって中央側へ横送りし、中央のフィーダハウス12前端からフィーダコンベア15によって後方へ搬送して脱穀装置26へ供給する。
そして、脱穀装置26内のスクリューロータ6によって穀稈を脱穀し、漏下選別体7より漏下した籾等は選別装置29によって選別され、そのうちの一番物は前記グレンタンク4内に貯溜され、また、二番物は脱穀装置26の前部途中位置に投入され再選別にかけられる。また、脱穀された残りの排稈は、チョッパー22により細かく切断された後、機体外部へ排出される。
【0019】
次に、脱穀装置26の構成について説明する。
図3に示すように、スクリューロータ6の胴部は、フィーダハウス12から扱ぎ室90への取込口(脱穀入口)57に配される円錐台状の取込部6aと、該取込部6aの後部と連続的に形成される円筒状の脱穀部6bから構成されており、これら取込部6a・脱穀部6bの円錐台部・円筒部外周には、それぞれ前スクリュー31・後スクリュー32の螺旋羽根が取付けられ、前スクリュー31先端は、円錐状に形成され、後スクリュー32は円筒状に形成されている。
そして、取込口57に送り込まれた穀稈は、取込部6aの前スクリュー31から脱穀部6bの後スクリュー32へ受継がれ、前記漏下選別体7との間で脱穀されながら搬送される。
【0020】
この穀粒の搬送は、後スクリュー32の半径方向外側に突設させるようにして取付けた扱ぎ歯41・41・・・により、穀稈を引っ掛けることで行われるものである。尚、前スクリュー31においても、扱ぎ歯41・41・・・を着脱自在に構成しており(図3においては、取外した状態を図示している)、この前スクリュー31は、フィーダハウス12からの穀稈を取り込むインペラ部となるため、前スクリュー31に扱ぎ歯41・41・・・を取付けることで、穀稈を確実に引っ掛けて後方に搬送し、取込口57での穀稈の詰まりを防止させることができるようになっている。
そして、この扱ぎ歯41・41・・・は、前スクリュー31・後スクリュー32に着脱可能としているため、摩耗した際には交換可能である。
【0021】
また、図4に示すごとく、以上の脱穀装置26を収容する扱ぎ室90は、回動支点45により開閉自在に支持されるロータカバー43により蓋をされ、閉じられている。そして、該ロータカバー43は、スクリューロータ6の上方を覆うものであり、ロータカバー43の内側面であって、スクリューロータ6の上方には、複数の送塵弁44を前後方向に配設されている。この送塵弁44は、その前後方向の傾き角度を調節自在に構成しており、作物の種類に応じて角度調整を行い、穀稈の搬送速度の設定・変更ができるようになっている。
また、スクリューロータ6の周面外方は、左漏下選別体7a・右漏下選別体7bを下部位置決め部83に当接させて一連の網体を形成する漏下選別体7により包囲されている。
【0022】
以上が脱穀装置26の全体構成であり、次に、ロータカバー43の構成について説明する。
まず、図3に示すごとく、ロータカバー43において、スクリューロータ6前部の取込部6aの上外周を覆う壁面箇所43aでは、後方になるに従いスクリューロータ軸心81からの内径を増加させ、スクリューロータ軸心81を通る垂直平面の切断面での断面視において、前低後高の傾斜を有するテーパー面91、つまり、前スクリュー31の外周形状に合わせた円錐状に構成している。
このテーパー面91の傾斜角は、前記側面視において、前スクリュー31の始端部と周端部の回転軌跡がなす傾斜角と略同一としている。
このように、ロータカバー43の前部をテーパー面で構成することにより、スクリューロータ6の回転による遠心力によりテーパー面91に押し当てられる穀稈には、後方へ向かう分力が発生することになり、取込部6aにおける穀稈の後方への搬送性の向上を図ることができ、また、取込口57における穀稈の詰まりを防ぐことができる。
尚、スクリューロータ6前部の取込部6aの上外周を覆う壁面箇所43aよりも後方の壁面箇所43bにおいては、円筒状に構成するようにしている。
【0023】
また、図4及び図5に示すごとく、スクリューロータ6の上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板となるロータカバー43を配置し、スクリューロータ6とロータカバー43の間に網体となる上部扱網46を着脱自在に配置している。即ち、扱ぎ室側であって、後面視においてスクリューロータ6の左斜め上方で、且つ、スクリューロータ6の前後方向広範囲に渡り、パンチメタル等からなる金属性の網体で構成した上部扱網46を着脱自在に横設した構成としている。図4に示すごとく、該上部扱網46は、後面視におけるスクリューロータ6の左斜め上方に、左端面を低くする傾斜を形成するものであり、その右端面が、ロータカバー43の内側面に固設した固定ステー74によりボルト82で着脱自在に締結固定される一方、その左端面を、略「く」字状に折り曲げて、その底面にて載置脚部71を構成し、該載置脚部71を左漏下選別体7aの上端部外側面に前後方向に付設した支持部72aに載置し、上部扱網46の一側端部を支持するようにしている。
また、左漏下選別体7aの上端部には、支持部72bが前後方向に横架され、該支持部72bの上端面の傾斜面を前記上部扱網46に当接させるようにして、上部扱網46を支持するようにしている。また、上部扱網46において、載置脚部71から支持部72bで支持される範囲においては、網目のない板状の滑り板面46aとする一方、該滑り板面46aよりも上部は網面46bとして、網面46bより外方へ漏下した穀粒は、滑り板面46a上を滑って穀粒回収通路75aに投入するようになっている。
【0024】
また、図4に示すごとく、ロータカバー43の左側内側面は、上記穀粒回収通路75aの一側面を形成するものであり、左漏下選別体7aの左方の左下部穀粒回収板76とともに、一連の穀粒回収通路75aを形成し、下方の選別装置29へ穀粒を案内するようにしている。
【0025】
以上の構成で、図5に示すごとく、スクリューロータ6の前後方向広範囲に渡って、上部扱網46がスクリューロータ6の左斜め上方(図4に示す後面視)を包囲し、該上部扱網46とスクリューロータ6との間にて脱粒が行われ、穀粒を上部扱網46の網面46bから漏下させ、穀粒回収通路75aへ送り込むことが可能となる。
このように、上部扱網46においても脱粒を行うことで、穀稈の脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させることができる。
【0026】
また、上述したごとく、ロータカバー43側に固設された上部扱網46は、ロータカバー43と一体的に開閉されるものであり、ロータカバー43を空けた際には、スクリューロータ6の上方が広く開放されメンテナンスが行いやすく、また、ロータカバー43を閉じてロックすると同時に、上記支持部72a・72bにより確実に支持されるため、上部扱網46をロックする必要もなく、開閉作業を簡単に行うことができる。
【0027】
また、上部扱網46は、ロータカバー43に対し着脱自在とし、作物の種類によって、網面46bの網目の粗さが異なる上部扱網46に交換することを可能としている。
また、網面46bは、パンチングメタルで構成する他、漏下選別体7と同一の網面のクリンプ金網で構成してもよく、特に限定されるものではない。
さらに、網面46bを左漏下選別体7aと同一の曲面で形成し、左漏下選別体7aの上部端をそのまま上方に延長した場合のものと略同一とする構成としてもよい。
【0028】
以上のような上部扱網46の構成に加え、右漏下選別体7bにおける脱粒促進を図るべく以下の構成とすることもできる。
即ち、図6に示すごとく前記スクリューロータ6の下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体7を延設し、該漏下選別体7の上端を前記ロータカバー43で押圧固定する構成としているのである。尚、この構成は、図4に示す構成と組み合わせてもよい。
以下詳述すると、前記スクリューロータ6を包囲する右漏下選別体7bにおいて、ロータカバー43の回動支点45側の周端部78を、後面視において、スクリューロータ軸心81の斜め上方(概ね5度から45度の範囲であって、送塵弁83に重ならない範囲)の位置とするとともに、前記ロータカバー43の扱ぎ室側面に、前記周端部78に当接する押止部84を設けた構成とし、右漏下選別体7bによるスクリューロータ6を覆う面積を拡大させている。
この右漏下選別体7bの構成により、スクリューロータ6を覆う面積が拡大された箇所、即ち、延設部79においても、スクリューロータ6との間で脱粒が行われ、該延設部79を漏下した穀粒が、右下部穀粒回収板77とロータカバー43の内面によって構成される穀粒回収通路75bを通って、下方の選別装置29へ穀粒を案内することができる。また、穀稈の周速度と遠心力を一定に保って、送塵弁83へ穀稈を送り込むことができるので、スクリューロータ6の回転のピークトルクを下げることができる。
また、該右漏下選別体7bは、一側の周端部78が前記押止部84により押さえられる一方、他側の周端部86が下部位置決め部83にて押さえられるようになっており、ロータカバー43を開いた状態では押止部84による押さえが解除されるため、スクリューロータ6回転方向に回転させて引き出すことができ、メンテナンスを容易に行えるようになっている。
【0029】
さらに、漏下選別体7の前後幅について、図3及び図5に示すごとく、前記漏下選別体7の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ6前端部の下方に延設している。
図3に示すごとく、漏下選別体7(左漏下選別体7a・右漏下選別体7b)の前端部は、スクリューロータ6の前端部、即ち、取込部6aの前端面の延長線上に位置させており、スクリューロータの前部の取込部6aにおいても、その周面外方を包囲することで、前スクリュー31と漏下選別体7との間にて脱粒を行うようにしている。
以上の構成により、スクリューロータ6の前部においても脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、この脱粒促進等により、スクリューロータ6の前後長を短く構成した場合においても、十分な穀粒回収率を確保することができる。
【0030】
また、この漏下選別体7の前後幅と対応し、図5に示すごとく、前記上部扱網46についても同様に、その前端部をスクリューロータ6の前端部の側方に位置させており、前スクリュー31と上部扱網46との間にて脱粒を行い、脱粒促進等を図ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの下方外周面を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータと穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置したので、該網体においても脱粒を行うことで、穀稈の脱粒促進が図られ、また四番ロスを低減させることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0032】
また、請求項2に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記漏下選別体の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ前端部の下方に延設したので、スクリューロータの前部においても脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0033】
また、請求項3に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体を延設し、該漏下選別体の上端を前記ロータカバーで押圧固定したので、スクリューロータのラップ角が拡大された箇所においても、脱粒処理が行われ、脱粒促進と四番ロスの低減を図ることができる。また、穀稈の周速度と遠心力を一定に保って、送塵弁へ穀稈を送り込むことができるので、スクリューロータの回転のピークトルクを下げることができる。また、脱穀する面積を増加することができるので、ロータを短く構成することができ、コンバイン全体の全長を短く構成することができる。
【0034】
また、請求項4に記載のごとく、ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータ前部のスクリュー先端を円錐状に形成するとともに、該スクリューロータ前部外周をスクリュー形状に合わせたテーパー面で覆う構成としたので、スクリューロータの取込部における穀稈の後方への搬送性の向上を図ることができ、また、取込口における穀稈の詰まりを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】扱ぎ室の前部の構成を示す側面一部断面図である。
【図4】扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【図5】スクリューロータに対する漏下選別体及び上部網体の前後幅の関係を示す側面図である。
【図6】漏下選別体を延設した実施例の扱ぎ室の構成を示す後面図である。
【符号の説明】
6 スクリューロータ
7 漏下選別体
29 脱穀装置
43 ロータカバー
46 上部扱網
78 周端部
81 スクリューロータ軸心
Claims (4)
- ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの下方外周面を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの上方から下方に回転する部分の側方に穀粒回収板を配置し、スクリューロータと穀粒回収板の間に網体を着脱自在に配置した、ことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
- ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記漏下選別体の前端部を、脱穀入口のスクリューロータ前端部の下方に延設した、ことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
- ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータの下方から上方に回転する部分の周囲に漏下選別体を延設し、該漏下選別体の上端を前記ロータカバーで押圧固定した、ことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
- ロータカバーで閉じられた扱ぎ室内で回転駆動されるスクリューロータと、該スクリューロータの周面外方を包囲する漏下選別体にて脱粒処理を行う構成としたコンバインの脱穀装置であって、前記スクリューロータ前部のスクリュー先端を円錐状に形成するとともに、該スクリューロータ前部外周をスクリュー形状に合わせたテーパー面で覆う構成とした、ことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014014327A (ja) * | 2012-07-10 | 2014-01-30 | Kubota Corp | 普通型コンバインの脱穀装置 |
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2002
- 2002-05-31 JP JP2002159862A patent/JP2004000066A/ja active Pending
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