JP2004000056A - 含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート - Google Patents
含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004000056A JP2004000056A JP2002159389A JP2002159389A JP2004000056A JP 2004000056 A JP2004000056 A JP 2004000056A JP 2002159389 A JP2002159389 A JP 2002159389A JP 2002159389 A JP2002159389 A JP 2002159389A JP 2004000056 A JP2004000056 A JP 2004000056A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chocolate
- aerated chocolate
- aerated
- acid ester
- fatty acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Confectionery (AREA)
Abstract
【解決手段】ポリグリセリンセスキ脂肪酸エステルを主成分とするポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする含気チョコレート用起泡剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含気チョコレート用起泡剤に関する。本発明の起泡剤を配合したチョコレートは、比較的高温・低粘度の状態で含気させることが出来るので、次工程での含気チョコレートの加工が容易であり、また、得られる含気チョコレートは、再溶解時の含気保持率が高く、必要に応じて含気チョコレートを再溶解し、簡易に、焼き菓子に被覆したり任意形状に加工することが出来る。
【0002】
【従来の技術】
近年、含気チョコレートへの嗜好が高まり、焼き菓子の被覆用などに広く使用されて来ている。従来、乳化剤の添加により起泡性を付与したチョコレート組成物に含気させて含気チョコレートを製造する方法は公知であり、代表的な乳化剤はトリグリセリンモノ脂肪酸エステルである(英国特許第1297579号(1972年)明細書)。
【0003】
また、より好適な含気チョコレートを得るため、例えば、特定の二置換グリセリンエステル化合物を含む起泡性チョコレート組成物(特開平5−211842号公報)、ポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンを含むテンパリング型チョコレート生地をシード剤によりテンパリングする含気チョコレート(特開2001−61413号公報)、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有するチョコレートに含気させることにより得られる含気チョコレート(特開2001−136911号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、含気後の次工程での加工が容易で、且つ、得られる含気チョコレートの再溶解時の含気保持率が高く、再溶解して簡易に焼き菓子に被覆したり任意形状に加工し得る含気チョコレートを製造することが出来る、含気チョコレート用起泡剤を提供することにある。また、本発明の他の目的は、含気チョコレートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、含気チョコレートの製造・加工時の作業性の向上と、含気チョコレートの再溶解時の含気保持率を高めるべく鋭意検討を重ねた結果、特定の乳化剤を使用することにより、上記目的を達成できるとの知見を得て、本発明の完成に至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1の要旨は、ポリグリセリンセスキ脂肪酸エステルを主成分とするポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする含気チョコレート用起泡剤に存する。そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係る起泡剤を含有することを特徴とする含気チョコレートに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステル中のセスキ脂肪酸エステルの割合は、通常50重量%以上であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は、通常4〜12、好ましくは8〜10である。構成脂肪酸としては、ステアリン酸を主成分とする(構成脂肪酸の50重量%以上、好ましくは60重量%以上がステアリン酸である)飽和脂肪酸が好適に使用される。
【0008】
上記の様なポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、阪本薬品工業社製の「SYグリスター SS−500」(ヘキサグリセリンセスキステアリン酸エステル)等が挙げられる。
【0009】
本発明の起泡剤が使用できるチョコレートとしては、特に限定はなく、チョコレート規約に言うチョコレートや準チョコレートの他、カカオ分を少量あるいは全く含まない非テンパリング型油脂を使用してチョコレートと同様の物性とした油脂加工品も使用することが出来る。非テンパリング型油脂としては、例えば、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油などの植物油脂、魚油、牛脂、豚脂などの動物油脂を挙げることが出来る。また、これらのチョコレートの配合や製造方法も、特に限定はなく、常法によって製造したものでよい。
【0010】
チョコレートに配合するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、通常1〜2重量%、好ましくは1.3〜1.8重量%の範囲である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの量が少ないと、十分な含気保持率が得られず、また、多すぎても、それほど効果が上がらない。
【0011】
本発明の起泡剤は、溶融状態のチョコレートに所定量を添加し、十分に混合し、チョコレート中に均一に混合・融解して使用される。この際、予め油脂の一部に溶融して添加することも出来る。また、チョコレート製造の際に配合される油脂やその他の原料に予め十分に融解・混合しておき、これを使用してチョコレートを製造することも出来る。
【0012】
テンパリングを必要とする場合は、常法によりテンパリング操作を行うことが出来る。また、30〜36℃に温調しておき、これにBOBシード剤(例えば、不二製油社製商品名「ボブスター」)又はテンパリング型チョコレートの微粉砕物などを1〜3重量%程度添加する、所謂、シード法によってテンパリングを行うことも出来る。
【0013】
チョコレートに含気させる方法としては、チョコレートにテンパリング操作を必要に応じて行ない、溶解したチョコレートを高速攪拌し、所望の起泡度(再溶解後に保持される含気率が15〜30重量%の範囲となる程度)迄ホイップして含気させる。高速攪拌する手段は、特に限定されないが、通常、卓上縦型ミキサーや連続式加圧発泡装置を使用する。また、大気を含気させるのが一般的であるが、必要に応じて窒素ガスや炭酸ガスなどを使用することも出来る。
【0014】
含気操作は、チョコレートの結晶化温度より約10℃程度高い、比較的高温の40〜50℃の範囲で行うことが好ましい。この温度範囲では、チョコレートの粘度は20〜400PS(B型粘度計、ローターNo.4使用、6rpm)程度なので低トルクで含気させることが出来、含気率が20〜50重量%で流動性を有する含気チョコレートが得られるので、次工程で、焼き菓子等へ被覆したり、任意形状に成形・冷却して固形の含気チョコレート製品とする等、簡易に含気チョコレートの加工が出来る。
【0015】
また、加熱溶解したチョコレートを冷却し、クリーム状になり結晶化が始まりかけた状態(油脂の結晶化温度より2〜3℃高い温度)で含気させる方法によれば、含気率の高い含気チョコレートを得ることも出来る。本発明の起泡剤を使用して得られる含気チョコレートは、再溶解時の含気保持率が高いことから、適宜の形状で冷却固化して保管し、必要に応じて再溶解し、焼き菓子の被覆や任意形状の成形含気チョコレートの製造に好適に使用することが出来る。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の諸例において、使用したチョコレートを表1に、使用した乳化剤を表2に示す。
【0017】
【表1】
<使用したチョコレート>
(A)非テンパリング型スイートチョコレート(日新化工社コーティングチョコレート;やし油系、レシチン含有)
(B)非テンパリング型スイートチョコレート(日新化工社コーティングチョコレート;パーム油系、レシチン含有)
(C)下記配合組成(重量%)の非テンパリング型チョコレート
カカオマス(日新化工) :20
カカオバター代替油脂(不二製油「AメラノST−S」):32
全脂粉乳(明治乳業) :12
砂糖 :36
【0018】
【表2】
<使用した乳化剤>
(1)「SS500」;ヘキサグリセリンセスキステアリン酸エステル(阪本薬品工業社「SYグリスター SS−500」)
(2)「HS−11」;ヘキサグリセリンステアリン酸エステル(三菱化学フーズ社「リョートーポリグリエステル HS−11」、HLB11)
(3)「TS−8」;テトラグリセリンステアリン酸エステル(三菱化学フーズ社「リョートーポリグリエステル TS−8」、HLB8)
(4)「3−1−S」;トリグリセリンモノステアリン酸エステル(サントン社「サントン 3−1−S XTR」)
【0019】
実施例1
チョコレート(A)400gを、60℃の恒温水槽中で溶解し、50℃に調節した。一方、1.5重量%に相当する乳化剤「SS−500」をサラダ油8gに添加し、70℃の恒温水槽中で溶解し、これに前記のチョコレート(A)を少量混ぜ込んだ後、チョコレート(A)全量を3回に分けて添加し、良く混合した後、チョコレートの比重(50℃、含気前)を測定し、次いで、冷却して46℃恒温とし、ケンミックス(株式会社愛工舎製作所製「アイコープロKM−230」)を使用し、511rpm(メモリ5、約310/2×3.3)で5分間ホイッピングし、得られた含気チョコレートの比重(直後)測定後、冷蔵庫(5℃)で1時間以上保管して固化させた含気チョコレートを得た。
【0020】
上記の固化した含気チョコレートを、60℃の恒温水槽中で溶解し、50℃まで再溶解し、ケンミックス(メモリ<MIN.、約74/2×3.3=122rpm)で3分間攪拌した後、50℃での再溶解後の比重を測定し、次式により、含気直後の含気率(重量%)及び再溶解後の含気保持率(%)を求めた。なお、比重の測定は、220mL容のカップにチョコレートを擦り切り入れた重量の測定により行った。
【0021】
【数1】
【0022】
【数2】
【0023】
実施例2
実施例1において、チョコレート(B)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0024】
参照例1
実施例1において、乳化剤を添加しないサラダ油を使用した以外は、実施例1と同様に行った。
【0025】
比較例1
実施例1において、乳化剤「HS−11」を配合した以外は、実施例1と同様に行った。
【0026】
比較例2
実施例1において、乳化剤「TS−8」を配合した以外は、実施例1と同様に行った。
【0027】
比較例3
乳化剤「3−1−S」を配合した以外は、実施例1と同様に行った。
【0028】
上記の諸例で得られた結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例3
実施例1において、含気開始温度を、クリーム状になり結晶化が始まりかけた状態とし、ホイッピング時間を2分間、再溶解温度を45℃、再溶解時の攪拌時間を2分間とした以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表4に示す
【0031】
実施例4
実施例3において、チョコレート(C)を使用し、再溶解時の攪拌時間を1分間とした以外は、実施例3と同様に行った。評価結果を表4に示す
【0032】
参照例2
実施例3において、乳化剤を添加しないサラダ油を使用した以外は、実施例3と同様に行った。評価結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、比較的高温・低粘度の状態で含気させることにより、作業性の高い低トルクで含気させることが出来、また、再溶解時の含気保持率が高い含気チョコレートが得られるので、作業性に優れ、且つ、含気チョコレートを、必要に応じて再溶解して、簡易に、菓子の被覆や任意形状に成形することが出来、本発明は、製菓分野に寄与するところが大きい。
Claims (4)
- ポリグリセリンセスキ脂肪酸エステルを主成分とするポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする含気チョコレート用起泡剤。
- ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がステアリン酸である請求項1に記載の起泡剤。
- ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成ポリグリセリンの平均重合度が4〜12である請求項1に記載の起泡剤。
- 請求項1〜3の何れかに記載の起泡剤を含有することを特徴とする含気チョコレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002159389A JP2004000056A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002159389A JP2004000056A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004000056A true JP2004000056A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30429182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002159389A Pending JP2004000056A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004000056A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012055744A1 (en) * | 2010-10-25 | 2012-05-03 | Unilever Plc | Aerated chocolate composition and preparation thereof |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002159389A patent/JP2004000056A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012055744A1 (en) * | 2010-10-25 | 2012-05-03 | Unilever Plc | Aerated chocolate composition and preparation thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3661593B2 (ja) | 含気泡チョコレート及びその製造法 | |
KR100514337B1 (ko) | 팽화 초콜릿 함유 중공 과자 및 그 제조 방법 | |
JP6222921B2 (ja) | ホイップして使用されるチョコレート | |
JP5952988B1 (ja) | 耐熱性チョコレート及びその製造方法 | |
JP4986595B2 (ja) | 気泡含有油脂性菓子 | |
JP2001061413A (ja) | 含気チョコレート及びその製造法 | |
EP3262948A1 (en) | Powdered fat composition for chocolate | |
JP3160334B2 (ja) | ガナッシュを用いた菓子の製造法 | |
JPH01144934A (ja) | 気泡入りチョコレートの製造法 | |
JP4284924B2 (ja) | 起泡性油脂組成物 | |
JP2006273925A (ja) | バタークリーム用油脂組成物及びバタークリーム | |
JP3818182B2 (ja) | 含気泡チョコレート被覆菓子及びその製造法 | |
JP2005073610A (ja) | 含気チョコレートおよびその製造方法 | |
JP2009060829A (ja) | 含気泡チョコレート及びその製造法 | |
JP2004000056A (ja) | 含気チョコレート用起泡剤および含気チョコレート | |
JP2004008114A (ja) | 含気チョコレートの製造方法 | |
JP3752143B2 (ja) | チョコレート被覆菓子およびその製造方法 | |
JP2012019766A (ja) | チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物 | |
JP3421285B2 (ja) | 含気チョコレート | |
JP5697133B2 (ja) | チルド流通ホイップドクリーム用起泡性水中油型乳化油脂組成物の製造方法 | |
JP2004267108A (ja) | 含気チョコレート、およびその製造方法 | |
CA3100678A1 (en) | Water-containing foam-containing chocolate | |
JP2005073611A (ja) | 含気チョコレートおよびその製造方法 | |
AU2012209002B2 (en) | Food emulsion | |
JP2017189141A (ja) | 焼成チョコレート菓子及び焼成チョコレート菓子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060719 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060824 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061102 |