JP4986595B2 - 気泡含有油脂性菓子 - Google Patents
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そのため、チョコレート生地に、気泡を微細で均一に含有させるための各種の提案がなされてきた。
テンパリング工程を経て製造される気泡含有チョコレートであって、
油分中に、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸、U:炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸、以下同じ)で表されるトリグリセリドを40〜90質量%、及び、USUで表されるトリグリセリドを0.5〜2.3質量%含有し、
上記USUで表されるトリグリセリドの起源として、沃素価が52〜70のパーム分別油90〜100質量%及び10〜20℃で液状の油脂0〜10質量%からなる油脂配合物をランダムエステル交換したものであって、USUで表されるトリグリセリドを7〜15質量%含有するエステル交換油を用いたことを特徴とする気泡含有チョコレートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明の気泡含有油脂性菓子の製造方法によれば、微細な気泡を均一に含有し、あっさりした軽い後口で、口溶けの優れた、良好な食感を呈する気泡含有油脂性菓子を容易に得ることができる。
本発明の気泡含有油脂性菓子の構成成分であるSUSで表されるトリグリセリドは、炭素数16以上の飽和脂肪酸残基がグリセリンの1位と3位に結合しており、炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸残基がグリセリンの2位に結合しているトリグリセリドである。ここでいう炭素数16以上の飽和脂肪酸とは具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられる。また、炭素数16〜20のモノ不飽和脂肪酸としては、パルミトオレイン酸、オレイン酸、カドレン酸等が挙げられる。
また、市販のビターチョコレート、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート等を使用することもできる。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes) 属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、ムコール(Mucor) 属、ペニシリウム(Penicillium) 属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂あるいはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の油脂性菓子中におけるこれらの任意成分の含有量は、好ましくは合計で98%以下、さらに好ましくは合計で60〜98%である。
本発明の気泡含有油脂性菓子の製造方法では、まず、油分中にSUSで表されるトリグリセリドを40〜90%、USUで表されるトリグリセリドを0.5〜2.3%含有するチョコレート生地を製造する。
含起泡の方法としては、とくに限定されず、例えば適度な温度に冷却して結晶量を調節しながらホイッパー等で撹拌する方法、連続ミキサーを用いて強制的に気泡を含ませる方法等が例示できる。
そして、その後定法にしたがい、冷却し、必要に応じ離型、成型する。
また、下記比較例1〜4は、USUで表されるトリグリセリドを0.5〜2.3質量%の範囲で含有していない気泡含有油脂性菓子の製造例を示したものである。
尚、製造例4〜7及び実施例4〜7は参考例である。
ヨウ素価55のパーム軟部油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行なった後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、USUで表されるトリグリセリドを8.8%含有するエステル交換油Aを得た。
ヨウ素価55のパーム軟部油92重量部と、大豆油(0〜20℃で液状)8重量部を溶解、混合した油脂配合物10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、1.3×103Paの減圧下、30分間)、脱臭(250℃、水蒸気吹き込み量;対油3%、1.3×102Paの減圧下、60分間)を行い、USUで表されるトリグリセリドを7.9%含有するエステル交換油Bを得た。
ヨウ素価65のパーム軟部油10kgを原料油脂として、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、1.3×103Paの減圧下、30分間)、脱臭(250℃、水蒸気吹き込み量;対油3%、1.3×102Paの減圧下、60分間)を行い、USUで表されるトリグリセリドを9.1%含有するエステル交換油Cを得た。
ヨウ素価55のパーム軟部油55重量部と大豆油(0〜20℃で液状)45重量部を溶解、混合した油脂配合物にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行なった後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、USUで表されるトリグリセリドを4.3%含有するエステル交換油Dを得た。
ヨウ素価55のパーム軟部油90重量部と、ハイエルシンナタネの極度硬化油10重量部を溶解、混合した油脂配合物10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、1.3×103Paの減圧下、30分間)、脱臭(250℃、水蒸気吹き込み量;対油3%、1.3×102Paの減圧下、60分間)を行い、USUで表されるトリグリセリドを8.0%含有するエステル交換油Eを得た。
ヨウ素価51のパーム油10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、1.3×103Paの減圧下、30分間)、脱臭(250℃、水蒸気吹き込み量;対油3%、1.3×102Paの減圧下、60分間)を行い、USUで表されるトリグリセリドを7.9%含有するエステル交換油Fを得た。
ヨウ素価51のパーム油80重量部と、大豆油(0〜20℃で液状)20重量部を溶解、混合した油脂配合物10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、1.3×103Paの減圧下、30分間)、脱臭(250℃、水蒸気吹き込み量;対油3%、1.3×102Paの減圧下、60分間)を行い、USUで表されるトリグリセリドを6.0%含有するエステル交換油Gを得た。
ココアバター(SUSで表されるトリグリセリド含有量83%、USUで表されるトリグリセリド含有量0%)15質量部、カカオマス(油分含有量55%、SUSで表されるトリグリセリド含有量83%、USUで表されるトリグリセリド含有量0%)20質量部を55℃に加温して溶解し、全脂粉乳(油分含有量25%)16質量部、砂糖43.5質量部、レシチン0.5質量部を、練り合わせてペースト状とし、ロール掛けした。ここで55℃に加温して溶解したエステル交換油A5質量部を加えてコンチングして、チョコレート生地を得た。このチョコレート生地をテンパリングした後、25℃に調温し、卓上ミキサーを使用して、比重が0.8となるまでビーターを使用してホイップし、直径10mmの丸口金をセットした絞り袋を使用して、直径10mm、長さ30mmのストロー状に絞り出し、5℃で1時間冷却・固化させ、本発明の起泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は、油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを1.3%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Bを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は、油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを1.1%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Cを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを1.3%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Dを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを0.6%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Eを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを1.1%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Fを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを1.1%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、エステル交換油Gを使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを63%、USUで表されるトリグリセリドを0.9%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、大豆液状油(USUで表されるトリグリセリド含有量0%)を使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、比較例の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを62%含有し、USUで表されるトリグリセリドを実質的に含有していなかった。
エステル交換油Aに代えて、パーム油(SUSで表されるトリグリセリド含有量32%、USUで表されるトリグリセリド含有量0.7%)を使用した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、比較例の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを65%、USUで表されるトリグリセリドを0.1%含有するものであった。
エステル交換油Aの半分量をイリッペ脂(SUSで表されるトリグリセリド含有量91%、USUで表されるトリグリセリド含有量0%)に代えた以外は実施例1と同様の配合・製法で、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを65%、USUで表されるトリグリセリドを0.6%含有するものであった。
市販のビターチョコレート(油分含量36%、SUSで表されるトリグリセリド含有量85%、USUで表されるトリグリセリド含有量0%)を55℃に加温して溶解し、ここに55℃に加温して溶解したエステル交換油A3質量部を加えて混合して、チョコレート生地を得た。このチョコレート生地をテンパリングした後、約25℃に調温し、卓上ミキサーを使用して、比重が0.8となるまでビーターを使用してホイップし、直径10mmの丸口金をセットした絞り袋を使用して、直径10mm、長さ30mmのストロー状に絞り出し、5℃で1時間冷却・固化させ、本発明の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は、油分中にSUSで表されるトリグリセリドを72%、USUで表されるトリグリセリドを0.7%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、パーム油(USUで表されるトリグリセリド含有量0.7%)を使用した以外は、実施例9と同様の配合・製法で、比較例の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを73%、USUで表されるトリグリセリドを0.1%含有するものであった。
エステル交換油Aに代えて、大豆液状油とハイエルシン菜種極度硬化油を95:5の割合で混合した混合油脂(USUで表されるトリグリセリド含有量0%)を使用した以外は、実施例9と同様の配合・製法で、比較例の気泡含有油脂性菓子を得た。このとき、気泡含有油脂性菓子は油分中にSUSで表されるトリグリセリドを71%含有し、USUを実質的に含有していなかった。
上記実施例1〜9及び比較例1〜4で得られた気泡含有油脂性菓子の内相について、下記評価基準に従って4段階で評価し、結果を表1に記載した。
(内相評価基準)
◎:微細な気泡が均一に存在し、粗い気泡はまったく見られない。
○:微細な気泡が均一に存在しているが、少数の粗い気泡が見られる。
△:やや粗い気泡が均一に存在しており、粗い気泡はまったく見られない。
×:やや粗い気泡が均一に存在しており、少数の粗い気泡が見られる。
上記実施例1〜9及び比較例1〜4で得られた気泡含有油脂性菓子の食感、口溶け、油性感について、下記評価基準に従って4段階で評価し、結果を表1に記載した。
(食感評価基準)
◎ :あっさりとして極めて軽い後口であり極めて良好である。
○ :あっさりとした軽い後口で良好である。
△ :粗く砕けるような食感であり、やや不良である。
× :極端に硬すぎる若しくは極端に軟らかすぎて不良である。
(口溶け評価基準)
◎ :爽快な口溶けを有し、極めて良好である。
○ :良好である。
△:若干もたついた口溶けでやや不良である。
× :もたついた口溶けで、不良である。
(油性感評価基準)
◎ :油性感が全く感じられず、極めて良好である。
○ :良好である。
△ :ワキシー感を感じ、やや不良である。
× :ワキシー感が強く、不良である。
Claims (2)
- テンパリング工程を経て製造される気泡含有チョコレートであって、
油分中に、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸、U:炭素数16以上の一価不飽和脂肪酸、以下同じ)で表されるトリグリセリドを40〜90質量%、及び、USUで表されるトリグリセリドを0.5〜2.3質量%含有し、
上記USUで表されるトリグリセリドの起源として、沃素価が52〜70のパーム分別油90〜100質量%及び10〜20℃で液状の油脂0〜10質量%からなる油脂配合物をランダムエステル交換したものであって、USUで表されるトリグリセリドを7〜15質量%含有するエステル交換油を用いたことを特徴とする気泡含有チョコレート。 - 請求項1記載の気泡含有チョコレートを製造する方法であって、沃素価が52〜70のパーム分別油90〜100質量%及び10〜20℃で液状の油脂0〜10質量%からなる油脂配合物をランダムエステル交換したものであって、USUで表されるトリグリセリドを7〜15質量%含有するエステル交換油を用い、油分中に、SUSで表されるトリグリセリドを40〜90質量%、及び、USUで表されるトリグリセリドを0.5〜2.3質量%含有するチョコレート生地を製造し、溶解し、テンパリングした後に含気させ、冷却することを特徴とする気泡含有チョコレートの製造方法。
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