JP2003535567A - 核酸ハイブリッドの検出 - Google Patents

核酸ハイブリッドの検出

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Abstract

(57)【要約】 所定の内因性核酸の存在を定性的および定量的に分析するための核酸ハイブリッドの脱重合を用いた方法を開示する。これらの方法の適用には、1ヌクレオチド多形の検出、1塩基変化の識別、種形成、ウイルス負荷の測定、遺伝子タイピング、医学的マーカー診断等が包含される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は核酸の検出に関する。より詳細には本発明は核酸標的ハイブリッド中
の標的設定された所定の内因性の核酸配列の検出、および、その検出の種々の用
途に関する。
【0002】 発明の背景 核酸を検出するため、および、目的の特定の核酸を検出するための方法は広範
で急速に成長する分子生物学の分野を構築する基礎となる。代替となる方法およ
び製品の必要性は一定して存在している。ある方法を他の方法から選別して使用
する理由は様々であり、放射性物質を回避すること、方法を使用する免許がない
こと、試薬または装置の費用または入手しやすさ、所要時間または工程数の最小
限化を望むこと、特定の用途に対する精度または感度、分析の容易さ、または、
操作の自動化能が包含される。
【0003】 核酸または特定の核酸の検出はそれ自体が最終目標であるよりはむしろある過
程の一部である場合が多い。当該分野においては核酸の検出には多くの用途があ
り、新しい用途が常時開発されている。核酸を検出し、定量する能力は、微生物
、ウィルスおよび生体分子の検出において有用であり、このため、医療および獣
医学分野、食品加工および環境試験を含む多くの分野に影響する。更にまた、生
物学的試料(例えば組織、喀痰物、尿、血液、精液、唾液)由来の特定の生体分
子の検出および/または定量は犯罪科学における用途、例えば犯罪容疑者の識別
および除外および父子鑑定試験並びに医療診断の用途も有する。
【0004】 核酸を検出するための幾つかの一般的方法は核酸配列の演繹的な知識に依存し
ていない。配列特異的ではないがRNA特異的である核酸検出方法が米国特許4
,735,897号に記載されており、これはホスフェートの存在下にポリヌク
レオチドホスホリラーゼ(PNP)を用いるか、または、リボヌクレアーゼを用
いてRNAを脱重合している。PNPは、リボソームRNA、転移RNA、ウィ
ルスRNAおよびmRNAのメッセージ部分に共通して観察される、場合により
一本鎖RNAの二次構造の形態で二本鎖RNAセグメントに遭遇した時点で脱重
合を停止する。無機リン酸エステルの存在下のmRNAのポリアデニル化末端の
PNP脱重合によりADPが形成する。或いは、リボヌクレアーゼを用いた脱重
合によりAMPを形成する。形成されたAMPはミオキナーゼによりADPに変
換され、そしてADPはピルベートキナーゼまたはクレアチンホスホキナーゼに
よりATPに変換される。ATPまたは有機ホスフェート共反応体(ピルベート
またはクレアチン)由来の副生成物の何れかがmRNAの検出の間接的方法とし
て検出される。
【0005】 米国特許4,735,897号において、ATPはルシフェラーゼ検出系によ
り検出されている。ATPおよび酸素の存在下で、ルシフェラーゼはルシフェリ
ンの酸化を触媒し、発生した光をルミノメーターで定量する。他の反応生成物は
AMP、ピロホスフェートおよびオキシルシフェリンである。
【0006】 重複DNAは臭化エチジウムのような挿入染料を用いて検出することができる
。このような染料はまたハイブリッドの形成を検出するためにも使用される。 核酸を検出するためのハイブリダイゼーション法は核酸配列の知識に依存して
いる。多くの既知の核酸検出法はオリゴヌクレオチドプローブを試料中またはブ
ロット上の核酸にハイブリダイズまたはアニーリングし、ハイブリダイズされた
プローブを検出する特定の核酸ハイブリダイゼーションに依存している。
【0007】 ハイブリダイズされた核酸の検出のための伝統的形式の方法は標識された核酸
プローブを用いて核酸試料にハイブリダイズしている。例えばサザンブロット法
においては、核酸試料を大きさによりアガロースゲル上で分離し、膜に固定し、
変性し、そしてハイブリダイズ条件下で標識された核酸プローブに曝露する。標
識された核酸プローブがブロット上の核酸とハイブリッドを形成する場合、標識
は膜に結合する。サザンブロットに用いるプローブは放射性物質、蛍光染料、ジ
ゴキシゲニン、セイヨウワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよ
びアクリジニウムエステルにより標識されている。
【0008】 ハイブリダイズされた核酸を検出する別のタイプの方法はポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)を利用している。PCR法は当該分野でよく知られている(米国特
許4,683,195、4,683,202および4,800,159)。PC
Rを簡単に説明すると、核酸増幅標的配列の対向する鎖に相補的な核酸プライマ
ーを変性された試料にアニ−リングさせる。DNAポリメラーゼ(典型的には熱
安定性)はハイブリダイズされたプライマーからDNA二本鎖を伸長させる。こ
の過程を反復することにより核酸標的を増幅させる。核酸プライマーが試料にハ
イブリダイズしない場合は、相当する増幅されたPCR産物が存在しないことに
なる。この場合、PCRプライマーはハイブリダイゼーションプローブとして機
能する。PCRに基づく方法は未知の配列の核酸の検出のために限られた用途で
ある。
【0009】 PCR法においては、増幅された核酸産物は多くの方法、例えば標識されたプ
ライマーを用いて増幅された鎖に標識されたヌクレオチドを導入することにより
検出される。PCRに使用されるプライマーは放射性物質、蛍光染料、ジゴキシ
ゲニン、セイヨウワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アクリジ
ニウムエステル、ビオチンおよびタチナタマメウレアーゼで標識されている。未
標識のプライマーを用いて得られたPCR産物は他の方法、例えば電気泳動によ
るゲル分離、ついで染料による可視化により検出される。
【0010】 蛍光法もまた核酸ハイブリッドの検出のための知られた方法である。米国特許
5,691,146号は標的核酸配列にハイブリダイズされない限り蛍光クエン
チングされている蛍光ハイブリダイゼーションプローブの使用を記載している。
米国特許5,723,591号は標的核酸配列にハイブリダイズされるまで、ま
たは、プローブが消化されるまで、蛍光クエンチングされている蛍光ハイブリダ
イゼーションプローブを記載している。このような方法はハイブリダイゼーショ
ンに関する情報を提供し、配列中の一塩基変異の測定のための様々な程度の有用
性を有している。一部の蛍光法は5’→3’方向の核酸ハイブリッドの消化を行
なって蛍光クエンチャー、例えばTaqMan(登録商標)(Perkin E
lmer;米国特許5,691,146および5,876,930)の近傍から
蛍光シグナルを放出する。
【0011】 3’→5’脱重合活性が報告されている鋳型特異的ポリメラーゼ活性を有する
酵素としては、E.coil DNAポリメラーゼ(Deutsucher a
nd Kornberg J.Biol.Chem.,244(11):301
9−28(1969))、T4 DNAポリメラーゼ(Wong et al.
,Biochemistry30:526−37(1991);Tabor a
nd Richardson,J.Biol.Chem.265:8322−2
8(1990)),E.coli RNAポリメラーゼ(Rozovskaya
et al.,Bipchem.J.224:645−50(1994))、
AMVおよびRLV逆転写酵素(Srivastava and Modak,
J.Biol.Chem.255:2000−4(1980))およびHIV逆
転写酵素(Zinnen et al.,J.Biol.Chem.269:2
4195−202(1994))が挙げられる。DNAハイブリッドのミスマッ
チ末端上の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が報告されている鋳型依存性ポリ
メラーゼはファージ29DNAポリメラーゼである(de Vega,M.et
al.EMBO J.,15:1182−1192,1996)。
【0012】 ゲノムDNA中に存在する1ヌクレオチド多型(SNP)の検出のために現在
種々の方法が存在している。SNPは集団において測定可能な頻度で存在するD
NA点突然変異または挿入/欠失である。SNPはゲノムにおける最も一般的な
変異である。SNPはゲノム内の定義された位置において生じ、遺伝子マッピン
グ、集団構造の定義、および機能的試験の実施のために用いることができる。多
くの知られた遺伝病が点突然変異および挿入/欠失により生じることから、SN
Pはマーカーとして有用である。
【0013】 SNPが偶発的制限酵素認識配列を変化させる稀な場合において、切断に対す
る増幅DNAの異なる感受性を用いてSNPを検出する。この方法では、制限エ
ンドヌクレアーゼによる示差的認識のためには適切な配列内に適切な制限酵素部
位が存在するか導入されることが必要となる。増幅後、産物を適切な制限エンド
ヌクレアーゼで切断し、産物をゲル電気泳動およびその後の染色により分析する
。この方法は、SNPを正確に測定することができるまでには試料のプロセシン
グ、ゲル分析および多大なデータ解釈を要することから、分析の処理量が限定さ
れる。
【0014】 一本鎖コンホーメーション多型(SSCP)は増幅されたDNAセグメント内
に存在するSNPを検出することのできる第2の方法である(Hayashi,
K.Genetic Analysis: Techiques and Ap
plications9:73−79,1992)。この方法においては、ニ本
鎖増幅産物を変性し、次に、両鎖を非変性ポリアクリルアミドゲル中の電気泳動
の間にリアニーリングさせる。分離された鎖は分子内塩基対形成に基づいて特異
的に折り曲げられたコンホーメーションを有すると推定される。核鎖の電気泳動
特性は折り曲げられたコンホーメーションに依存している。配列内の1ヌクレオ
チド変化の存在は、野生型の試料と比較した場合に、増幅試料のコンホーメーシ
ョンおよび電気泳動移行の検出可能な変化を起こすことができ、SNPを識別可
能とする。恐らくはゲルに基づいた方法による限定されたスループットに加えて
、SSCP系の実験の設計および解釈は困難である。同じSSCP反応における
複数試料の多重分析は極めて大胆である。突然変異の検出および分析において必
要とされる感度のために殆どの研究者はこの方法のために放射標識PCR産物を
使うようになった。
【0015】 増幅不応突然変異系(ARMS,対立遺伝子特異的PCR、即ちASPCRと
しても知られている)において、2つの増幅反応を用いてDNA試料中にSNP
が存在するかどうか調べている(Newton et al.,Nucl Ac
id Res 17:2503,1989,Wu et al.PNAS86:
2757,1989)。両方の増幅反応は目的とする標的のための共通のプライ
マーを含んでいる。第1の反応は野生型遺伝子が試料中に存在する場合にはPC
R産物を与える野生型産物に特異的な第2のプライマーを含んでいる。第2のP
CR反応はDNAの突然変異型に存在する塩基の変化を示す3’末端或いはその
近傍の1ヌクレオチド変化を有するプライマーを含む。第2のプライマーは共通
のプライマーと共に、ゲノムDNAの突然変異型を含むゲノムDNAが存在する
場合にPCRにおいて機能するのみである。この方法は重複増幅反応を行なって
遺伝子の突然変異型が存在するかどうかを確認するために電気泳動により分析す
ることを必要とする。更に、データはマニュアルで解析しなければならない。
【0016】 1塩基伸長は捕獲されたDNA標的に一本鎖DNAプローブをハイブリダイズ
することによりSNPの検出を可能にする方法である(Nikiforov T
.et al.,Nucl Acids Res 22:4167−4175)
。いったん、ハイブリダイズされると、一本鎖プローブは標識されたジデオキシ
ヌクレオチドを持った1塩基によって伸長される。標識され、伸長された産物は
比色法または蛍光法により検出される。
【0017】 リアルタイム(または動的)PCRに関連する種々の技法がSNP検出の実施
に応用されている。これらの系の多くはプラットホーム系のものであり、特殊な
装置、複雑なプライマー設計、および、高価な補助的材料をSNP検出のために
必要とする。一方、本発明の方法はエンドユーザーの処理量の要求に適した種々
の機材を使用することのできるモジュール的方法として設計されている。更にま
た、ルシフェラーゼ検出感度を標準的なオリゴヌクレオチド化学および十分確立
された酵素学的方法と組み合わせたことによりフレキシブルでオープンなシステ
ムの構築ができた。代替としての分析検出方法、例えば質量スペクトル分析、H
PLCおよび蛍光検出法もまた本発明の方法では使用することができ、これによ
り、更に試験のフレキシビリティーが向上する。
【0018】 リアルタイム増幅を用いるSNP検出は増幅反応中にそのままの状態で核酸の
増幅されたセグメントを検出する能力に依存している。3種の基本的なリアルタ
イムSNP検出方法、即ち、(i)二本鎖DNA特異的染料結合の増大した蛍光
、(ii)増幅中の蛍光の低減されたクエンチング、および、(iii)増幅中
の増大した蛍光エネルギー転移が存在している(Wittwer,C et a
l.Biotecniques 22:130−138,1997)。これらの
方法の全ては非ゲル系であり、各手法を簡単に説明する。
【0019】 種々の染料が結合二本鎖DNAに応答して蛍光の増大を示すことが知られてい
る。この性質を上記した増幅不応突然変異系と組み合わせて用いることによりS
NPの存在を検出する。PCR産物を含む野生型または突然変異の生産は、それ
らが蓄積するPCR産物に結合するにつれて臭化エチジウムまたはSYBER
Greenのような染料の蛍光が増大することにより連続的にモニタリングされ
る。染料の結合はPCR産物の配列に対して選択的ではなく、高い非特異的バッ
クグラウンドはこの方法では誤シグナルを生じる場合があることに留意しなけれ
ばならない。
【0020】 一般的にエキソヌクレアーゼプライマー(TaqMan(登録商標)プローブ
)として知られているリアルタイムPCRのための第2のSNP検出方法は、増
幅反応中に存在する2本標識プローブを切断するためにTaqのような熱安定性
ポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性を利用している(Wittwer,
C et al.Biotecniques 22:130−138,1997
;Holland,P et al.,PNAS 88:7276−7280,
1991)。PCR産物と相補的であるが、この試験で使用するプローブはPC
Rプライマーとは異なっており、蛍光発生可能な分子と蛍光クエンチング可能な
分子の両方で二重標識されている。プローブが未損傷の場合は、DNAプローブ
内の蛍光シグナルの分子内クエンチングによりシグナルの発生は低下する。増幅
中Taqのエキソヌクレアーゼ活性により蛍光分子が遊離する場合は、クエンチ
ングは大幅に減少し、蛍光シグナルが増大する。
【0021】 リアルタイムPCRの別の形態もまた束縛されたクエンチング部分を使用する
ことにより蛍光分子の分子内クエンチングを利用している。分子ビーコン技術は
目的のDNA標的に結合することにより自分の蛍光が再生される内部クエンチン
グ蛍光団を有するヘアピン型の分子を利用している(Kramer,R et
al.,Nat.Biotechnol.14:303−308,1996)。
蓄積するPCR産物に対する分子ビーコンプローブの結合の増大を用いてゲノム
DNA中に存在するSNPを特異的に検出することができる。
【0022】 リアルタイムでSNPを検出するために用いる最終的な全般的蛍光検出法は蛍
光共鳴エネルギー転移(FRET)として知られている方法と共にハイブリダイ
ゼーションプローブとして知られている合成DNAセグメントを利用している(
Wittwer,C et al.Biotecniques 22:130−
138,1997;Bernard,P.et al.,Am.J.Patho
l.153:1055−1061,1998)。この方法は標的配列上の標識さ
れたDNAプローブの独立した結合に依存している。標的配列上の2つのプロー
ブの近接により一方のプローブからもう一方への共鳴エネルギーの転移が増大し
、その結果、独特の蛍光シグナルが生じる。何れかのプローブの結合を妨害する
SNPにより生じたミスマッチを用いてDNA試料中に存在する突然変異配列を
検出することができる。
【0023】 多くの遺伝子レベルの欠陥がヒトの疾患の病因に関わるとされている。これら
の疾患の状態を防止または診断するために上記遺伝子の突然変異を検出する幾つ
かの方法が研究者により使用されている。Van Essen et al [
J.Med.Genet.34:805−12(1997)]によれば、Duc
henne型およびBacker型の筋ジストロフィー患者の65〜70%でサ
ザンブロッティングまたは多重PCRで検出されるジスロトフィン遺伝子内の転
位を観察している。これらの2つの形態の筋ジストロフィーの微小損傷は典型的
には一本鎖コンフォーメーション分析、ヘテロ重複分析および蛋白トランケーシ
ョン試験を用いて検出される。
【0024】 Calvano et al.[Clin.Genet.52:17−22(
1997)]はDuchenne型およびBacker型の筋ジストロフィーの
女性キャリアの検出のために蛍光プローブとして使用されるPCR断片の使用を
報告している。Jongpiputvanich et al.[J.Med.
Assoc.Thai.79(Supp.1):S15−21(1996)]は
Duchenne型筋ジストロフィー家系における診断およびキャリア発見のた
めの多重PCRおよびマイクロサテライトまたはSTR分析の使用を報告してい
る。Pastore et al.[Mol.Cell.Proves 10:
129−37(1996)]はDuchenne型およびBacker型の筋ジ
ストロフィーのマクロデリーションキャリアの発見のために放射標識PCR産物
を使用する定量的PCR分析法を開発している。Katayama et al
.[Fetal Diagn.Ther.9:379−84(1994)]はD
uchenne型筋ジストロフィーの出生前診断のためのPCRの効能を検討し
ている。これらの研究者はPCR−制限断片長多型分析、多重PCRおよびジヌ
クレオチド反復多型分析を用いて、最初の3ヶ月間に罹患雄性胎児を診断しキャ
リア雌性胎児を検出している。
【0025】 ヒトギャップ結合蛋白コネキシン37における多型はアテローム性動脈硬化症
の予後マーカーとして検討されている。Boerma et al.Inter
n.Med 246:211−218(1999)。コネキシン37遺伝子のプ
ロリン変異体における制限断片長多型を用いてこの対立遺伝子がアテローム性動
脈硬化症プラークを有する患者において過剰に発現していることを示している。
Shohet et al.[Arterioscler.Thromb.Va
sc.Biol.19:1975−78(1999)]は冠動脈疾患を有する白
人男性において肝リパーゼの−514T対立遺伝子の出現頻度を報告している。
この集団において、ヘパリン処理後血漿中肝リパーゼ活性は、対照群と比較して
、異型接合において15〜20%低値であり、そして同型接合において30%低
値であった。プレセニリン−1遺伝子における新しいミスセンス突然変異は老年
前親族性アルツハイマー病(FAD)のある親族内に発見されている。Sugi
yama et al.Mutat 14:90(1990)。これらの研究者
の報告によれば、プレセニリン−1遺伝子における50を超えるこのようなミス
センス突然変異がFAD親族内に報告されている。上記したものおよび他の遺伝
子レベルの欠陥の高感度の信頼できる検査法はヒトおよび動物の医療において幾
つかの潜在的な診断および予防の用途を有している。
【0026】 要約すると、核酸ハイブリッドの検出のための代替法が必要とされている。何
らか別の状態で存在するとおもわれる配列とは僅かに異なる核酸配列の存在また
は非存在を測定するための上記したような方法が強く望まれている。試料中の特
定の物質に独特の配列の存在または非存在を測定する方法が強く望まれている。
更にまた既知の方法よりも高い感度を有し、高い再生性および自動化能を有する
方法が強く望まれている。
【0027】 興味深い所定の標的ヌクレオチド配列または対立遺伝子変異体の存在を検出す
るために別の方法が使用できるとすれば好都合である。このような方法がマイク
ログラム〜ピコグラムの規模の試料量で操作できるとすれば更に好都合である。
さらにまた、このような検出方法が単一の試験において複数の分析を可能にする
とすれば好都合である(多重試験)。以下の記載はこのような方法を提供する。 発明の簡単な概要 本発明の方法を用いて核酸試料中の所定の(既知の)内因性核酸標的配列の存
在または非存在を測定する。このような方法は核酸標的配列にハイブリダイズさ
れたオリゴヌクレオチドプローブの3’−末端を脱重合して、後に存在を測定す
ることの可能な識別子(identifier)ヌクレオチド1つ以上を放出す
ることのできる酵素を利用する。
【0028】 本発明の1つの実施態様は核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在また
は非存在を測定するための方法を意図している。即ち、所定の内因性核酸標的配
列の少なくとも1つの存在または非存在を測定しようとするものである。1つよ
り多いこのような所定の内因性核酸標的配列もまた試験すべき試料中に存在する
場合もあり、1つより多い所定の内因性核酸標的配列の存在または非存在を測定
することができる。実施態様は以下の工程を包含する。
【0029】 3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを含有する核酸プローブとハイブリダイ
ズされた所定の内因性核酸標的配列を含むと考えられる処理された試料を準備す
る。処理された試料は、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−末端からヌ
クレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合し、処理され
た反応混合物を形成する。処理された反応混合物は、酵素がハイブリダイズされ
た核酸を脱重合してこれより識別子ヌクレオチドを放出することができるのに十
分な時間、脱重合条件下に維持する。
【0030】 分析出力は放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在を分析すること
により得られる。分析出力は所定の領域のヌクレオチドの存在または非存在を示
すものであり、これにより、第1の核酸標的の存在または非存在を示すものとな
る。分析出力は本明細書に記載する種々の方法で得られる。
【0031】 本発明の方法の分析出力は種々の方法で得ることができる。分析出力は発光ス
ペクトル分析により確認することができる。一部の好ましい実施態様においては
、放出された3’−末端領域のインジケーターヌクレオチドの分析には、ルシフ
ェラーゼ検出系(発光スペクトル分析)またはNADH検出系(吸光度スペクト
ル分析)の何れかによるATPの検出が行なわれる。より高い感度が望まれる特
に好ましい実施態様においては、脱重合工程により生成したヌクレオシドトリホ
スフェートからADPの存在下例えばNDPKのような酵素を用いてホスフェー
ト転移工程によりATP分子を形成する。一部の実施態様においては、ATPを
増幅して複数のATP分子を形成する。ATP検出実施態様においては、典型的
にはヌクレオチドおよび添加したADPをATPに変換するための酵素(NDP
K)が脱重合酵素による脱重合反応において存在し、そしてそれらが同時に存在
する場合は、それらは「1段階」法と称される。
【0032】 別の実施態様において、分析出力は蛍光スペクトル分析により得られる。種々
の蛍光検出法の使用を意図している。意図される1つの方法においては、識別子
ヌクレオチドは蛍光標識を含む。識別子ヌクレオチドは識別子ヌクレオチドの放
出の前または後に蛍光標識されることができる。放出された識別子ヌクレオチド
以外のものが蛍光タグを含むことも意図される。このような実施態様においては
、本発明の方法におけるヌクレオチドの放出は、例えばプローブの5’−末端ま
たは3’−末端領域以外の領域における蛍光タグにより画像化されるキャピラリ
−電気泳動によりポリヌクレオチドプローブの長さの差を測定することにより確
認される。
【0033】 別の実施態様においては、分析出力は質量スペクトルにより得られる。ここで
は識別子ヌクレオチドはヌクレオチド類縁体または標識ヌクレオチドであり、そ
のヌクレオチドの通常の形態の質量とは異なる分子質量を有することが好ましい
が、質量の差は要求されない。蛍光標識識別子ヌクレオチドを用いた場合、分析
出力は質量スペクトル分析により得ることもできる。更にまた、放出されたヌク
レオチドの分析は、本発明の方法の脱重合工程の後にプローブの質量の差を確認
することにより行ってもよい。
【0034】 更に別の実施態様においては、分析出力は吸光度スペクトル分析により得られ
る。このような分析は吸収物質の存在を測定するためにスペクトルの紫外部およ
び可視光線部の光の吸収をモニターする。このような方法の1つの特徴において
、放出されたヌクレオチドはクロマトグラフィー(例えばHPLC、またはGC
)または電気泳動(例えばPAGEまたはキャピラリー電気泳動)によりハイブ
リダイズされた核酸および他のポリヌクレオチドから分離される。放出された識
別子ヌクレオチドまたはプローブの残余の何れかを分析して本発明の方法におけ
る識別子ヌクレオチドの放出を確認することができる。このような方法の別の特
徴において、分析される核酸に標識を導入してもよい。
【0035】 意図される実施態様において、試験対象となる試料は1つ以上の核酸プローブ
とハイブリダイズ条件下にて混合され、ハイブリダイゼーション組成物を形成す
る。核酸プローブの3’−末端領域は、核酸標的配列が試料中に存在する場合に
は、その配列に部分的または全体的な相補性でハイブリダイズする。核酸プロー
ブの3’−末端領域は識別子ヌクレオチドを含んでいる。ハイブリダイゼーショ
ン組成物は核酸プローブとハイブリダイズした上記所定の核酸標的配列を含むと
考えられる処理された試料を形成するのに十分な時間、ハイブリダイズ条件下に
維持される。処理された試料は、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−末
端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合し、
処理された反応混合物を形成する。処理された反応混合物は、酵素がハイブリダ
イズされた核酸を脱重合してそれより識別子ヌクレオチドを放出することができ
るのに十分な時間、脱重合条件下に維持される。放出された識別子ヌクレオチド
の存在を分析して分析出力を得るが、その分析出力は核酸標的配列の存在または
非存在を示すものである。分析出力は上記した種々の方法により得てよい。
【0036】 本発明の1つの方法は測定すべき試料中の核酸標的配列中の特定の塩基の存在
または非存在を調査することを意図しており、以下の工程を包含する。 ハイブリダイゼーション組成物は、ハイブリダイズ条件下、核酸プローブ1つ
以上を試験すべき試料と混合することにより形成する。試験すべき試料は調査す
べき核酸標的配列を含んでいると考えられる。核酸標的は存在または非存在を確
認すべき塩基少なくとも1つを含んでいる。ハイブリダイゼーション組成物は、
核酸標的配列と実質的に相補的であり、調査位置に所定のヌクレオチド少なくと
も1つ、および、3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを有する核酸プローブ少
なくとも1つを含んでいる。
【0037】 処理された試料は、調査位置のプローブヌクレオチドが標的配列中の識別すべ
き塩基と並置される場合に塩基対形成が起こるのに十分な時間、ハイブリダイゼ
ーション組成物をハイブリダイズ条件下に維持することにより形成される。処理
された反応混合物は、処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブの
3’−末端から識別子ヌクレオチド1つ以上を放出してハイブリッドを脱重合す
る活性を有する酵素と混合することにより形成される。処理された反応混合物は
、酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出する
のに十分な時間、脱重合条件下に維持される。
【0038】 分析出力は放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在を分析すること
により得られる。分析出力は識別すべき特定の塩基の存在または非存在を示すも
のである。分析出力は本明細書に記載する種々の方法により得られる。好ましく
は、識別子ヌクレオチドは調査位置にある。
【0039】 本発明の方法の1つの特徴において、核酸標的配列はデオキシリボ核酸および
リボ核酸よりなる群から選択される。 調査位置に存在する特定の塩基を識別する方法は、場合により、第1のプロー
ブ、第2のプローブ、第3のプローブおよび第4のプローブを包含する。第1の
プローブの調査位置はデオキシアデノシンまたはアデノシンの残基である核酸残
基を含んでいる。第2のプローブの調査位置はデオキシチミジンまたはウリジン
の残基である核酸残基を含んでいる。第3のプローブの調査位置はデオキシグア
ノシンまたはグアノシンの残基である核酸残基を含んでいる。第4の核酸プロー
ブの調査位置はデオキシシトシンまたはシトシンの残基である核酸残基を含んで
いる。
【0040】 本発明の別の特徴においては、複数の標的核酸配列を含む試料を、複数の核酸
プローブと混合する。幾つかの分析出力は上記した多重試験から得ることができ
る。第1の実施態様においては、核酸プローブ少なくとも1つが標的核酸配列1
つと部分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力は核酸プローブ全
てがそれらの対応する核酸標的配列と全体的相補性でハイブリダイズする場合の
分析出力より大きい。第2の実施態様においては、核酸プローブ少なくとも1つ
が標的核酸配列1つと部分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力
は核酸プローブ全てがそれらの対応する核酸標的配列と全体的相補性でハイブリ
ダイズする場合の分析出力より小さい。第3の実施態様においては、核酸プロー
ブ少なくとも1つが標的核酸配列1つと全体的相補的にハイブリダイズする場合
に得られる分析出力は核酸プローブ全てがそれらの対応する核酸標的配列と部分
相補性でハイブリダイズする場合の分析出力より大きい。第4の実施態様におい
ては、核酸プローブ少なくとも1つが標的核酸配列1つと全体的相補性でハイブ
リダイズする場合に得られる分析出力は核酸プローブ全てがそれらの対応する核
酸標的配列と部分相補性でハイブリダイズする場合の分析出力より小さい。脱重
合酵素は本明細書に記載するとおりである。
【0041】 本発明の更に別の実施態様は、第1の内因性核酸標的を含むと考えられる、或
いは、実質的に同一の第2の標的を含むと考えられる核酸中の該標的の存在また
は非存在を測定するための方法を意図する。例えば、第2の標的は第1の核酸標
的と比較した場合に塩基の置換、欠失または付加を有している。本実施態様は以
下の工程を包含する。
【0042】 試験すべき試料をハイブリダイズ条件下、核酸プローブ1つ以上と混合してハ
イブリダイゼーション組成物を形成する。第1および第2の核酸標的は各々、標
的間で異なる所定の位置に少なくとも単一のヌクレオチドを除いて配列同一の領
域を含んでいる。核酸プローブは配列同一の核酸標的領域に実質的に相補的であ
り、調査位置に少なくとも1つのヌクレオチドを有する。プローブの調査位置は
、標的とプローブがハイブリダイズされる場合に、標的の所定の位置と並置され
る。プローブはまた3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを含んでいる。
【0043】 ハイブリダイゼーション組成物は、プローブの調査位置のヌクレオチドが標的
の同一領域内の所定の位置のヌクレオチドと並置されている、処理された試料を
形成するのに十分な時間ハイブリダイズ条件下に維持される。
【0044】 処理された反応混合物は、処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プロ
ーブの3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重
合量と混合することにより形成される。反応混合物は、酵素がハイブリダイズさ
れた核酸を脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間、脱重合条
件下に維持される。
【0045】 分析出力は放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在を分析すること
により得られる。分析出力は所定の領域のヌクレオチドの存在または非存在を示
すものであり、これにより、第1の核酸標的の存在または非存在を示す。
【0046】 上記方法の1つの特徴は第1のプローブおよび第2のプローブよりなる。第1
のプローブは所定の位置の第1の核酸標的に相補的な調査位置のヌクレオチドを
有する。第2のプローブは所定の位置の第2の核酸標的に相補的な調査位置のヌ
クレオチドを有する。
【0047】 本発明の方法の1つの特徴において、ヌクレオチドを放出する活性を有する脱
重合酵素は鋳型依存性のポリメラーゼであり、その活性は、その3’−末端ヌク
レオチドがマッチしているハイブリダイズされた核酸を、3’→5’の方向に、
ピロホスフェート存在下で脱重合し、ヌクレオチド1つ以上を放出することであ
る。即ち、酵素の活性はハイブリダイズされた核酸を脱重合し、脱重合条件下に
ヌクレオチドを放出することである。好ましくは、この酵素はプローブの3’−
末端領域内のその塩基が核酸標的の相当する塩基と全体的な相補性をもってマッ
チするハイブリダイズされた核酸を脱重合する。酵素は適切な対となった塩基を
、3’−末端から放出し続け、そしてミスマッチの塩基に酵素が到達した時点で
停止する。
【0048】 操作法(方法)の別の特徴において、ヌクレオチドを放出する活性を有する脱
重合酵素は、ハイブリダイズされたプローブの3’−末端にミスマッチ塩基1つ
以上を有するハイブリダイズされた核酸が脱重合されるような3’→5’エキソ
ヌクレアーゼ活性を示す。即ち、酵素の活性はハイブリダイズされた核酸を脱重
合し、脱重合条件下にヌクレオチドを放出することである。この実施態様におい
ては、ハイブリッドは遊離のプローブから分離された後に酵素処理されてよい。
一部の実施態様においては、過剰量の標的を用いることにより、酵素反応におけ
る遊離のプローブの濃度を極めて低くしてもよい。
【0049】 本発明の方法の更に別の特徴において、脱重合酵素は、ハイブリッドの3’−
末端にマッチ塩基1つ以上を有する二本鎖DNA基質に対して3’〜5’のエキ
ソヌクレアーゼ活性を示す。酵素の活性は、脱重合条件下、ハイブリダイズされ
た核酸を脱重合し、5’ホスフェートを有するヌクレオチドを放出することであ
る。
【0050】 本発明の更に別の実施態様は、1縦列反復(Single Tandem R
epeat(STR))検出に用いられる場合のように、核酸試料中の内因性核
酸標的配列中に存在する既知の配列の反復の数を測定するための方法を意図する
。既知の配列の反復の数を測定するための方法は、以下の工程を包含する。複数
の個別の処理試料が準備される。各々の処理された試料は核酸プローブにハイブ
リダイズされた核酸標的配列を含んでいる。核酸標的配列は複数の既知の配列の
反復および下流の非反復領域を含んでいる。各核酸プローブは異なる数の既知配
列の相補反復、3’−末端領域の識別子ヌクレオチド、および、5’−末端ロッ
カー配列を含んでいる。5’−末端ロッカー配列は標的の下流非反復領域に相補
的であり、1〜約20ヌクレオチド、好ましくは、5〜20ヌクレオチド、最も
好ましくは10〜20ヌクレオチドを含んでいる。種々のプローブが標的核酸の
可能な対立遺伝子に対して相補性となっている。処理された脱重合反応混合物は
、各々の処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−末端か
らヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合すること
により形成される。処理された脱重合反応混合物は、酵素がハイブリダイズされ
た核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間、脱
重合条件下に維持される。放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在に
ついて試料を分析することにより、分析出力が得られる。そのプローブが標的核
酸中に存在するものと同数の配列反復を含んでいる試料の分析出力は、核酸標的
中に存在する配列反復の数を示しており、これを測定したものである。
【0051】 本発明の1つの特徴において、核酸試料は1つの遺伝子座に2つの核酸標的提
示対立遺伝子を含んでおり、そして2つの対立遺伝子の既知配列反復の数に関し
て同型接合である。本発明の別の方法においては核酸試料は遺伝子座の2つの対
立遺伝子に関して異型接合である。本発明の別の方法においては、識別子ヌクレ
オチドは反復配列を含む領域の部分であるヌクレオチドである。本発明の別の方
法においては、プローブ配列の識別子ヌクレオチドは反復既知配列の5’側の標
的核酸内に位置するものと相補的である非反復配列を含む領域の一部である。こ
の後者の特徴の方法の場合、識別子ヌクレオチドは既知配列反復の3’側のプロ
ーブに位置する標的核酸の非反復配列に相補的な1〜約20核酸を含む配列中に
存在する。核酸標的配列中に存在する反復既知配列は典型的には反復当たり約2
〜約24塩基の長さを有する。
【0052】 本発明の別の実施態様は核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列少なくとも1
つの存在または非存在を測定するための脱重合酵素として熱安定性DNAポリメ
ラーゼを使用する方法であり、そして以下の工程を包含する。
【0053】 その3’−末端領域が所定の核酸標的配列に相補的であり3’−末端領域に識
別子ヌクレオチドを含んでいる核酸プローブにハイブリダイズされた所定の内因
性核酸標的配列を含むと思われる処理された試料を準備する。処理された脱重合
反応混合物は、処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−
末端から識別子ヌクレオチドを放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合する
ことにより形成される。好ましい1段階実施態様において、脱重合酵素は熱安定
性であり、より好ましくは、処理された反応混合物もまた(i)アデノシン5’
ジホスフェート、(ii)ピロホスフェート、および、(iii)熱安定性ヌク
レオシドジホスフェートキナーゼ(NDPK)を含有する。
【0054】 処理された試料は、約4℃〜約90℃の温度、より好ましくは約20℃〜約9
0℃の温度、最も好ましくは約25℃〜約80℃の温度で、脱重合酵素がハイブ
リダイズされた核酸プローブを脱重合し、ヌクレオシドトリホスフェートとして
識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間、脱重合条件下に維持する。好ま
しい1段階反応においては、NDPK酵素が放出されたヌクレオシドトリホスフ
ェートから添加したADPにホスフェートを転移させ、これによりATPを形成
するのに十分な時間とする。核酸標的配列の存在または非存在はATPを用いて
得られる分析出力から測定される。本発明の好ましい方法においては、分析出力
は発光スペクトル分析により得る。
【0055】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的試料の存在または非存在を測定するため
の熱安定性酵素1段階法の別の特徴において、処理された試料は以下の追加的工
程により形成する。ハイブリダイゼーション組成物は、試験すべき試料を核酸プ
ローブ1つ以上とハイブリダイズ条件下に混合することにより形成する。核酸プ
ローブの3’−末端領域は(i)核酸標的配列が試料中に存在する場合には該配
列と部分的または全体的な相補性でハイブリダイズし、そして(ii)識別子ヌ
クレオチドを含んでいる。処理された試料は、所定の内因性核酸標的配列が核酸
プローブとハイブリダイズするのに十分な時間、ハイブリダイズ条件下にハイブ
リダイズ組成物を維持することにより形成される。
【0056】 好ましくは、脱重合酵素は、Tne3重突然変異DNAポリメラーゼ、Tne
DNA ポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Ath DNAポリメ
ラーゼ、Tvu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および、
Tth DNAポリメラーゼを包含する好熱性DNAポリメラーゼの群から選択
する。Tne3重突然変異DNAポリメラーゼは好ましい好熱性酵素であり、後
に詳述する。方法の別の特徴において、NDPKは好熱性細菌Pyrococc
us furiosis(Pfu)によりコードされるものである。
【0057】 本発明の更に別の方法は、遺伝子座における2つの対立遺伝子に対して同型接
合または異型接合である遺伝子座から生じる核酸試料中の核酸標的配列の存在ま
たは非存在を測定することを意図している。この方法は以下の工程よりなる。複
数の個別の処理された試料を準備する。各試料は核酸プローブにハイブリダイズ
した核酸標的配列を含むものとする。核酸標的配列は、核酸標的の第1の対立遺
伝子、第2の対立遺伝子、または、第1の対立遺伝子と第2の対立遺伝子の混合
物の何れかよりなる。対立遺伝子は調査位置における配列が異なる。核酸プロー
ブはプローブと標的がハイブリダイズされる場合に、標的配列の調査ヌクレオチ
ド位置に並置される3’−末端領域の識別子ヌクレオチドを含んでいる。
【0058】 処理された反応混合物は各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プ
ローブの3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出させる活性を有する酵素の
脱重合量と混合することにより形成する。処理された反応混合物は、酵素がハイ
ブリダイズされた核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するのに
十分な時間、脱重合条件下に維持する。放出された識別子ヌクレオチドの存在ま
たは非存在について試料を分析することにより、分析出力を得る。分析出力は定
量可能なものであり、これにより、適切な対照群の分析出力と比較した場合に、
試料が同型接合であるか異型接合であるかを測定する。
【0059】 本実施態様の多重版もまた意図され、ここでは2つ以上の対立遺伝子に対する
プローブが1反応において提供され、各プローブは識別可能であるが、好ましく
は各プローブは同じ長さを有する。次に、本発明に従ってハイブリダイゼーショ
ン、脱重合および分析を行った後、種々の識別可能な識別子ヌクレオチドまたは
残存するプローブに対する相対的な分析出力が、試料が同型接合か異型接合か、
そしていずれの対立遺伝子対してそうであるかを示すものとなる。本実施態様の
別の多重版も意図され、ここでは、複数の遺伝子座における対立遺伝子に対する
プローブが与えられる。好ましくは、異なる遺伝子座は実質的に異なる標的配列
を有する。各遺伝子座における種々の対立遺伝子に対するプローブは好ましくは
同じ長さのものである。プローブの各々は放出された識別子ヌクレオチドの分析
により、または、脱重合後に残存するプローブの分析により、識別可能でなけれ
ばならない。
【0060】 本発明の別の実施態様は以下の工程を包含する対立遺伝子の遺伝子座の異型接
合性の損失(LOH)を測定するための方法を意図している。 複数の個別の処理された試料は、各々の試料が核酸プローブにハイブリダイズ
された核酸標的配列を含有するように準備される。核酸標的配列は核酸標的の第
1の対立遺伝子、または第1の対立遺伝子と第2の対立遺伝子の混合物のもので
あり、ここで対立遺伝子は配列が異なっている。核酸プローブはプローブと標的
がハイブリダイズされる場合に標的配列にハイブリダイズする3’−末端領域を
含んでいる。
【0061】 各々の処理された試料は、ハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末端
からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合される
ことにより、処理された反応混合物を形成する。処理された反応混合物は、ハイ
ブリダイズされた核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するのに
十分な時間、脱重合条件下に維持する。次に放出された識別子ヌクレオチドの量
について試料を分析することにより分析出力を得るが、この分析出力は核酸試料
中の核酸標的配列が対立遺伝子の遺伝子座において異型接合性を失っているかど
うかを示すものである。
【0062】 好ましいLOH実施態様において、分析出力は発光スペクトル分析、吸光度ス
ペクトル分析、質量スペクトル分析または蛍光スペクトル分析により得られる。
別の好ましい実施態様においては、放出された識別子ヌクレオチドは蛍光標識を
含んでいる。識別子ヌクレオチドは場合によりハイブリッドから放出された後に
蛍光標識される。
【0063】 上記分析法において、放出された識別子ヌクレオチドまたはプローブの残余の
何れかを評価することにより、識別子ヌクレオチドが上記した通り放出されてい
るかどうかを調べることを意図している。
【0064】 別の好ましいLOH実施態様において、ヌクレオチドを放出する活性を有する
酵素は、その3’−末端領域の塩基が核酸標的の塩基に全体的に相補的であるハ
イブリダイズされた核酸をピロホスフェートイオンの存在下で脱重合する鋳型依
存性ポリメラーゼである。脱重合はプローブの3’−末端ヌクレオチドから始ま
り、相当する標的塩基に対して相補的ではない塩基に到達した時点で停止する。
【0065】 LOH実施態様の1つの特徴において、第1の対立遺伝子に対する放出された
識別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の対照群試料の第1の対立遺伝子に
対する放出された識別子ヌクレオチドの量より実質的に少なく、そして、第2の
対立遺伝子に対する放出された識別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の対
照群試料の第2の対立遺伝子に対する放出された識別子ヌクレオチドの量と実質
的に同じであり、第1の対立遺伝子の遺伝子座における異型接合性の損失を示し
ている。
【0066】 LOH実施態様の別の特徴において、第2の対立遺伝子に対する放出された識
別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の対照群試料の第2の対立遺伝子に対
する放出された識別子ヌクレオチドの量より実質的に少なく、そして、第1の対
立遺伝子に対する放出された識別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の対照
群試料の第1の対立遺伝子に対する放出された識別子ヌクレオチドの量と実質的
に同じであり、第2の対立遺伝子の遺伝子座における異型接合性の損失を示して
いる。既知の異型接合性の対照群は約1:1の比で試料中に対立遺伝子1および
2が存在することを示す、その処理された試料に関する分析出力を有する。異型
接合性の損失のある試料は既知の異型接合の対照群試料の分析出力と比較した場
合に、それぞれ1:0または0:1の比で対立遺伝子1および2が試料中に存在
することを示す、処理された試料に関する分析出力を有する。
【0067】 本発明の更に別の好ましい実施態様は、以下の工程を包含する対立遺伝子のト
リソミーの存在を測定するための方法を意図する。 複数の個別の処理された試料を、各資料が核酸プローブとハイブリダイズされ
た核酸標的配列を含有するように準備する。核酸標的配列は核酸標的の第1の対
立遺伝子、第2の対立遺伝子、または、第1および第2の対立遺伝子の混合物の
ものである。対立遺伝子は調査位置の配列が異なる。核酸プローブはプローブと
標的がハイブリダイズされる場合に調査ヌクレオチド位置を含む核酸標的配列の
領域にハイブリダイズする3’−末端領域を含んでいる。核酸プローブはまた識
別子ヌクレオチドを含んでいる。
【0068】 各々の処理された試料は、ハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末端
からヌクレオチド1つ以上を放出する脱重合条件下の活性を有する酵素の脱重合
量と混合され、これにより、処理された反応混合物を形成する。処理された反応
混合物は、ハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチド
を放出するのに十分な時間、維持される。放出された識別子ヌクレオチドに関し
て試料を分析し、分析出力を得るが、適切な対照試料の分析出力に対する相対的
な分析出力の大きさが、核酸標的配列中にトリソミーが存在するかどうかを示し
ている。
【0069】 トリソミーの分析のためには、好ましくは、分析出力は発光スペクトル分析、
吸光度スペクトル分析、蛍光スペクトル分析または質量スペクトル分析により得
られる。1つの好ましい実施態様においては、放出された識別子ヌクレオチドは
蛍光標識を含んでいる。識別子ヌクレオチドは場合によりハイブリッドから放出
された後に蛍光標識される。
【0070】 トリソミー分析の好ましい実施態様において、ヌクレオチドを放出する活性を
有する酵素は、その3’−末端領域の塩基が上記核酸標的の塩基に全体的に相補
的であるハイブリダイズされた核酸をピロホスフェートの存在下に脱重合する鋳
型依存性のポリメラーゼである。
【0071】 1つの実施態様において、第1の対立遺伝子に対して放出された識別子ヌクレ
オチドの量は、第1の対立遺伝子に対して同型接合の対照試料の放出された識別
子ヌクレオチドの量よりも実質的に多く、核酸標的配列がトリソミーを有してい
ることを示している。好ましくは、放出された識別子ヌクレオチドの量は比で表
す。例えば、正常な異型接合は約1:1の2つの対立遺伝子の分析出力を有する
。トリソミーが何れの対立遺伝子に対しても同型接合である場合は、比は、もう
一方の対立遺伝子を全く有さない正常な異型接合におけるその対立遺伝子の値の
約3倍となる。トリソミーが異型接合である場合は、対照異型接合の分析出力と
比較して、比は一方の対立遺伝子と他方とが約2:1となる。
【0072】 更に別の本発明の実施態様は標的にハイブリダイズされ、その後変性されてヘ
アピン構造を形成することができるようになるプローブを用いて核酸試料中の核
酸標的配列の存在または非存在を測定することを意図する。本実施態様は以下の
工程を包含する。
【0073】 核酸プローブとハイブリダイズされた調査位置を有する核酸標的配列を含むと
思われる核酸試料を含有するように処理された試料を準備する。プローブは少な
くとも2つの区分を有する。第1の区分はプローブの3’−末端の約10〜約3
0ヌクレオチドを含む。これらのヌクレオチドは調査位置の下流約1〜約30ヌ
クレオチドから始まる位置の標的鎖配列と相補的である。プローブの第2の区分
はプローブの5’−末端領域に位置し、標的配列の約10〜約20ヌクレオチド
を含んでいる。この配列は調査位置またはそのすぐ上流(5’)からプローブの
3’−末端ヌクレオチドが標的アニーリングする個所のすぐ上流のヌクレオチド
まで、標的領域を広げている。0〜約50、好ましくは約0〜約20ヌクレオチ
ドの長さであり、第1および第2の何れの区分ともハイブリダイズしない配列を
有するプローブの任意の第3の区分は、プローブの第1の区分と第2の区分の間
に位置する。
【0074】 処理された試料のプローブは、dNTPおよび鋳型依存性ポリメラーゼトの混
合により、少なくとも調査位置を通って鋳型依存的に伸長され、これにより伸長
されたプローブ/標的ハイブリッドを形成する。好ましい実施態様においては、
プローブの伸長の長さは調査位置の上流に存在し、調査位置の3’−エンドに相
補的なヌクレオチドの間には存在しない標的配列のヌクレオチドに相補的なdN
TPの伸長反応からの離脱により制限される。
【0075】 伸長されたプローブ/標的ハイブリッドは如何なる未反応のdNTPからも分
離される。伸長されたプローブ/標的ハイブリッドを変性して鎖を分離する。伸
張したプローブ鎖はヘアピン構造を形成できるようになる。
【0076】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造含有組成物を、伸長されたプローブヘ
アピン構造の3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素
の脱重合量と混合することにより形成される。反応混合物は、脱重合酵素が3’
−末端ヌクレオチドを放出するのに十分な時間、脱重合条件下に維持され、次に
放出された識別子ヌクレオチドの存在について分析される。分析出力は核酸標的
配列の存在または非存在を示すものである。
【0077】 更に別の本発明の実施態様は、REAPER(商標名)と称するものであり、
ヘアピン構造を利用している。この方法は核酸試料中の核酸標的配列または標的
配列内の特定の塩基の存在または非存在を測定することを意図しており、以下の
工程を包含する。処理された試料は、第1の核酸プローブ鎖にハイブリダイズさ
れた核酸標的配列を含むと思われる核酸試料を含有するように準備する。
【0078】 ハイブリッドは第1のハイブリッドと称する。第1のプローブは少なくとも2
つの区分よりなる。第1の区分は、標的調査位置の下流約5〜約30ヌクレオチ
ドから始まる位置の標的核酸配列に相補的なプローブ3’−末端約10〜約30
ヌクレオチドを含んでいる。第1のプローブの第2の区分は、調査位置から調査
位置の下流約10〜約30ヌクレオチドまでの標的配列の反復であり、プローブ
の第1の区分とはハイブリダイズしない、約5〜約30ヌクレオチドを含んでい
る。プローブの任意の第3の区分はプローブの第1の区分と第2の区分の間に位
置し、0〜約50、好ましくは約20ヌクレオチド以下の長さを有し、第1およ
び第2の区分の何れともハイブリダイズしない配列を有する。
【0079】 処理された試料中の第1のハイブリッドは第1のプローブの3’−末端におい
て伸長され、これにより、第1のプローブは調査位置を通過して伸長し、その配
列が調査位置を含む伸長された第1のハイブリッドを形成する。伸長された第1
のハイブリッドは元の標的核酸および伸張された第1のプローブよりなる。次に
伸張された第1のハイブリッドは水性組成物中で変性され、ハイブリダイズされ
た2重体の2つの核酸鎖を分離し、分離された標的核酸および分離された伸長さ
れた第1のプローブを含有する水溶液を形成する。
【0080】 長さが約10〜約2000、好ましくは約10〜約200、最も好ましくは約
10〜約30ヌクレオチドであり、伸長された第1のプローブの調査位置の下流
約5〜約2000、好ましくは約5〜約200ヌクレオチドから始まる位置の伸
長された第1のプローブに相補的である第2のプローブを伸長された第1のプロ
ーブとアニーリングし、これにより、第2のハイブリッドを形成する。第2のハ
イブリッドは、伸長された第1のプローブの5’−エンドに伸長が到達するまで
、第2のプローブの3’−エンドにおいて伸長され、これによりその3’−エン
ド領域が識別子ヌクレオチドを含む第2の伸長されたハイブリッドが形成される
。好ましい実施態様においては、両方の身長のための伸長ポリメラーゼは鋳型中
に相当する相補ヌクレオチドを有さない3’−エンドにはヌクレオチドを付加し
ない。
【0081】 伸長された第2のハイブリッドの水性組成物を変性して2つの核酸鎖を分離す
る。このようにして形成された水性組成物を冷却すると、元の核酸試料中に標的
配列が存在する場合には、分離された伸長された第2のプローブから「ヘアピン
構造」が形成される。
【0082】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造含有組成物を核酸ハイブリッドの3’
−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合
することにより形成される。反応混合物は、3’−末端領域識別子ヌクレオチド
を放出するのに十分な時間、脱重合条件下に維持され、その後、放出された識別
子ヌクレオチドの存在について分析される。分析出力は核酸標的配列の存在また
は非存在を示すものである。
【0083】 本発明は多くの利点と好都合な特徴を有するが、その一部を以下に記載する。 本発明の1つの利点は、一部の実施態様において、核酸ハイブリッドが放射性
物質や電気泳動を必要とすることなく、きわめて高い感度で検出される点である
【0084】 本発明の好都合な特徴は、標的核酸1つ以上の存在または非存在が、高い信頼
性、再現性で、そして高感度で検出できる点である。 本発明の別の利点は、試料中の標的核酸配列の量に関する定量的なデータが得
られる点である。
【0085】 本発明の別の好都合な点は、1ヌクレオチド多形(SNP)のような核酸配列
の極めて僅かな差も検出できる点である。 本発明の更に別の利点は、多くの標的核酸配列の存在または非存在が同じ試験
で測定できる点である。
【0086】 本発明の更に別の好都合な特徴は標的核酸の存在または非存在が小数の試薬お
よび操作で測定できる点である。 本発明の更に別の利点は方法が自動化できる点である。
【0087】 本発明の更に別の利点は、例えば核酸中の突然変異、転移およびSNP(遺伝
病にかかわるものを含む)の検出、ウィルス負荷の測定、種の識別、試料の汚染
および法医学的試料の分析を含む、多くの異なる種類の用途および試験における
、その多用途性である。
【0088】 本発明の更に別の利点および好都合な特徴は以下に記載する明細書の内容およ
び請求項により明らかとなる。定義 本発明をより理解するために、多くの用語を以下の通り定義する。
【0089】 「ヌクレオシド」とは、本明細書においては、ペントースに共有結合したプリ
ン[グアニン(G)グアニンアアデニン(A)]またはピリミジン[チミン(T
)、ウリジン(U)ウリジンまたはシチジン(C)]塩基よりなる化合物を指し
、「ヌクレオチド」とはそのペントースヒドロキシル基の1つにおいてホスホリ
ル化されたヌクレオシドを指すものとする。「XTP」、「XDP」および「X
NP」はリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドに対する遺伝子表示
であり、「TP」とはトリホスフェート、「DP」とはジホスフェート、そして
、「MP」とはモノホスフェートであり、当該分野の標準的使用法と合致してい
る。リボヌクレオチドに関する下位の一般的表示は「NMP」、「NDP」また
は「NTP」 であり、デオキシリボヌクレオチドに関する下位の一般的表示は
「dNMP」、「dNDP」または「dNTP」である。更にまた本明細書にお
いて「ヌクレオシド」に包含されるものは、上記したヌクレオシドの代替として
一般的に使用されている物質、例えば、これらの塩基の修飾型(例えばメチルグ
アニン)または当該分野でよく知られた合成物質、例えばイノシンである。
【0090】 「核酸」という用語は、本明細書においては、ヌクレオチドのペントースの3
’位が次のペントースの5’位にホスホジエステル基により連結されている、そ
して、ヌクレオチド残基(塩基)が特定の配列、即ちヌクレオチドの一次的順序
で連結されている、ヌクレオチドの共有結合的に連結された配列である。「ポリ
ヌクレオチド」とは、本明細書においては、約100ヌクレオチド長より長い配
列を有する核酸である。「オリゴヌクレオチド」とは、本明細書においては、短
いポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの部分である。オリゴヌクレオチド
は典型的には約2〜約100の塩基の配列を含む。「オリゴ」という用語を「オ
リゴヌクレオチド」という用語の代わりに用いる場合もある。
【0091】 塩基の「位置」とは本明細書においては、核酸内の所定の塩基またはヌクレオ
チド残基の位置を指す。 「目的の核酸」とは、本明細書においては、研究対象となる試料中の何れかの
特定の核酸である。
【0092】 「単離された」という用語は、核酸または蛋白に関連して使用される場合は、
識別された核酸配列または蛋白であって、その天然の入手元において通常それと
伴って存在している少なくとも1種の夾雑物(それぞれ核酸または蛋白)から分
離されているものを指すものとする。単離された核酸または蛋白はそれが天然に
存在する場合とは異なる形態または環境で存在する。一方、非単離の核酸または
蛋白はそれらが天然に存在する状態において存在する。
【0093】 本明細書において、「精製された」または「精製すべき」という用語は目的の
成分、例えば蛋白または核酸から何らかの夾雑物を除去する何らかの操作法の結
果を意味する。これにより試料中の精製された成分のパーセントは増大する。
【0094】 「野生型」という用語は、本明細書においては、集団中に最も頻繁に観察され
、このため便宜上「性状」または「野生型」の遺伝子形態とされる遺伝子または
遺伝子産物の特徴を有するそのような遺伝子または遺伝子産物を指す。一方、「
修飾された」または「突然変異」という用語は、本明細書においては、野生型の
遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に配列および/または機能的特性におい
て変化(即ち変化した特徴)を示す遺伝子または遺伝子産物を指す。
【0095】 核酸は種々の突然変異を含むことが知られている。本明細書においては、「点
」突然変異とは、1塩基位置におけるヌクレオチドの配列における変化を指す。
「損傷(lesion)」とは、本明細書においては、核酸配列が野生型の配列
と異なるように欠失または挿入により塩基1つ以上が突然変異している核酸内の
個所を指す。
【0096】 「1ヌクレオチド多形」、即ちSNPとは、本明細書においては、特定の核酸
位置において最も頻繁に存在する塩基からの変化である。 異なる種に由来する相同遺伝子または対立遺伝子もまた配列が変動することが
知られている。異なる種に由来する相同遺伝子または対立遺伝子の領域は本質的
には配列は同一である。このような領域は本明細書においては「同一の領域」と
賞する。本明細書においては、「実質的に同一の領域」は、同一の領域における
同じ位置の塩基が異なるいくつかの「ミスマッチ」を含むことができるものとす
る。この塩基の位置は本明細書では「ミスマッチ位置」と称する。
【0097】 DNA分子は、「5’−末端(terminus)」(5’エンド(end))および「
3’−末端」(3’エンド)を有するとされているが、その理由は、核酸ホスホ
ジエステル結合が置換基モノヌクレオチドのペントース環の5’炭素および3’
炭素で生じるためである。新しい結合が5’炭素に対するものとなるポリヌクレ
オチドのエンドが、その5’末端ヌクレオチドである。新しい結合が3’炭素に
対するものとなるポリヌクレオチドの末端がその3’末端ヌクレオチドである。
末端ヌクレオチドとは、本明細書においては、3’−または5’−末端のエンド
の位置におけるヌクレオチドである。本明細書において、核酸配列は、より大き
いオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの内部である場合であっても、5
’−および3’−エンドを有するということができる。例えば、より大きい染色
体配列内に位置する遺伝子配列もなお5’−および3’−エンドを有するという
ことができる。
【0098】 本明細書においては、核酸プローブの3’−末端領域は3’−末端位置から約
10残基内にあるヌクレオチドを含むプローブの領域を指す。 直鎖状または環状のDNA分子の何れかにおいて、個々の要素は、それらがそ
の要素の5’−エンドに結合しているか、結合されることになる場合、その要素
に対して「上流」または「5’」であるとする。同様に、個々の要素は、それら
がその要素の3’−エンドに結合するかそのようになる場合、その要素に対して
「下流」または「3’」であるとする。転写はDNA鎖に沿って5’から3’に
進行する。このことは、RNAが、成長中の鎖の3’−末端にリボヌクレオチド
−5’−トリホスフェートを順次付加することにより(ピロホスフェートを脱離
させながら)形成されることを意味している。
【0099】 本明細書においては、「標的核酸」または「核酸標的」という用語は目的の特
定の核酸配列を指すものとする。即ち、「標的」は他の核酸分子の存在下、また
は、より大きい核酸分子内に存在することができる。
【0100】 本明細書においては、「核酸プローブ」という用語は、目的の別の核酸にハイ
ブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指す
ものとする。核酸プローブは精製された制限消化物として天然に存在するもので
あるか、または、合成により、組み換えにより、または、PCR増幅により調製
されるものであってよい。本明細書においては、「核酸プローブ」という用語は
本発明の方法で使用するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指すもの
とする。その同じオリゴヌクレオチドを例えば重合用のプライマーとしてPCR
法で使用することもできるが、本明細書においては、そのようなオリゴヌクレオ
チドは「プライマー」と称することとする。ここでオリゴヌクレオチドまたはポ
リヌクレオチドはホスホロチオエート結合を含んでいてよい。
【0101】 本明細書においては、「相補的」または「相補性」とは、AはTと対になり、
CはGと対になるというよく知られた塩基対形成の規則により関連付けられる核
酸(すなわちヌクレオチド配列)に対応して用いられる。例えば、配列5’−A
−G−T−3’は配列3’−T−C−A−5’と相補的である。相補性は「部分
的」であることができ、この場合核酸塩基の一部のみが塩基対形成規則に従って
マッチしている。一方、塩基の全てが塩基対形成規則に従ってマッチしている場
合は、核酸鎖間には「完全な」または「全体的な」相補性があるとする。核酸鎖
間の相補性の程度は当該分野で知られているとおり、核酸鎖間のハイブリダイゼ
ーションの効率と強度に対して大きな影響を有している。このことは、本発明の
場合のように核酸間の結合に依存している検出方法においては特に重要である。
「実質的に相補的」という用語は、後に記載する低いストリンジェンシーの条件
下、または、好ましくは、95℃に加熱され、その後室温に冷却されるポリメラ
ーゼ反応緩衝液(Promega,M195A)中、標的核酸配列の一方または
両方の鎖にハイブリダイズできる何れかのプローブを指すものとする。本明細書
においては、核酸プローブを標的核酸に対して部分的または全体的に相補的であ
ると称する場合は、このことはプローブの3’−末端領域 (即ち、3’−末端
ヌクレオチド位置の約10ヌクレオチド内)を指すものとする。
【0102】 本明細書においては、「ハイブリダイゼーション」という用語は相補核酸鎖の
対形成に対応して用いられる。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼー
ションの強度(即ち核酸鎖間の結合性の強度)は、当該分野でよく知られている
多くの要因、例えば核酸間の相補性の程度、塩の濃度のような条件により影響さ
れる関与する条件のストリンジェンシー、形成されたハイブリッドのTm(融点
)、他の成分の存在(例えばポリエチレングリコールの有無)、ハイブリダイズ
する鎖のモル度、および、核酸鎖のG:C含有量により影響される。
【0103】 本明細書においては、「ストリンジェンシー」という用語は、核酸ハイブリダ
イゼーションを行なう際の温度条件、イオン濃度、および他の成分の存在に対応
して用いられる。「高いストリンジェンシー」条件では、核酸塩基対形成は高い
頻度の相補塩基配列を有する核酸断片の間にのみ起こる。即ち、「弱い」または
「低い」ストリンジェンシーの条件は、お互いに完全には相補的でない核酸同士
をハイブリダイズまたはアニーリングすることが望まれる場合に、しばしば必要
となる。当該分野でよく知られるとおり、多くの等価な条件を用いて低いストリ
ンジェンシーの条件を得ることができる。
【0104】 本明細書においては、「Tm」という用語は「融点」に対応して用いるものと
する。融点とは二本鎖核酸分子の集団の50%が解離して一本鎖になる温度であ
る。核酸のTmを計算するための式は当該分野でよく知られている。ハイブリッ
ド核酸のTmはしばしば、1M塩中のハイブリダイゼーション試験から採用され
、そしてPCRプライマーのTmを計算するために一般的に用いられている式:
[(A+Tの数)x2℃ +(G+Cの数)x4℃]を用いて推定される。C.
R.Newton et al.,PCR,2nd Ed,Springer−
Verlag(New York:1997),p24。この式は、20ヌクレ
オチドより長いプライマーでは不正確であることが解かっている。他のより高度
な計算法が当該分野に存在するが、これは構造と配列の特徴をともに考慮してT
mを計算している。計算されたTmは単なる推定値であり、最適温度は一般的に
は実験的に決定されている。
【0105】 「相同性」という用語は本明細書においては、相補性の程度を指す。部分的相
同性または完全な相同性(即ち同一性)があり得る。標的核酸に完全相補配列が
ハイブリダイズするのを少なくとも部分的に抑制する部分相補配列は「実質的に
相同性の」という機能的用語を用いて指すこととする。
【0106】 cDNAまたはゲノムクローンのような二本鎖核酸配列に対応して使用する場
合は、「実質的に相同性の」という用語は、本明細書においては、低いストリン
ジェンシーの条件下で二本鎖核酸配列の1つの鎖にハイブリダイズできるプロー
ブを指すものとする。
【0107】 一本鎖核酸配列に対応して用いる場合は、「実質的に相同性の」という用語は
、本明細書においては、低いストリンジェンシーの条件下で一本鎖核酸鋳型にハ
イブリダイズできる(即ちこれと相補である)プローブを指すものとする。
【0108】 「調査位置」という用語は、本明細書においては、核酸プローブ内の目的の所
定の塩基の位置を指すものとする。例えば、SNPの分析において、プローブの
「調査位置」は、野生型から変わっていると考えられる標的の単一のヌクレオチ
ドに相補的な位置にある。本発明の方法で得られる分析出力はプローブの調査位
置に相補的な標的核酸の核酸残基に関する情報を与える。調査位置は核酸プロー
ブの実際の3’−末端ヌクレオチドの約10塩基内にあるが、3’−末端ヌクレ
オチド位置にある必要はない。標的核酸配列の調査位置は、標的とプローブ核酸
がハイブリダイズされる場合、プローブの調査位置の逆側となる。
【0109】 「識別子ヌクレオチド」という用語は、本明細書においては、脱重合反応が起
こったことを確認するために本発明の方法においてその存在が検出されるべきヌ
クレオチドを指す。本発明の方法の特定の用途は、どの残基が識別子ヌクレオチ
ドと考えられるかに影響する。分析中、NDPKのような酵素を用いて脱重合で
放出されたヌクレオチド全てをATPに「変換」する、ATP検出(例えばルシ
フェラーゼ/ルシフェリンまたはNADH)を用いる方法の場合は、放出された
全てのヌクレオチドが識別子ヌクレオチドである。同様に、ヌクレオチド間を識
別しない吸光度検出を用いる方法では、全ての放出されたヌクレオチドが識別子
ヌクレオチドである。全ての放出されたヌクレオチドが分析される質量スペクト
ル分析による検出の場合は、全ての放出されたヌクレオチドが識別子ヌクレオチ
ドであり得るが、別法として特定のヌクレオチド(例えば固有の質量を有するヌ
クレオチド類縁体)を検出することもできる。蛍光による検出の場合、蛍光標識
されたヌクレオチドが識別子ヌクレオチドである。ヌクレオチドは核酸から放出
される前または後に標識してよい。ラジオグラフィーによる検出の場合は、放射
標識ヌクレオチドが識別子ヌクレオチドである。場合により、識別子ヌクレオチ
ドの放出は本発明の脱重合の後のプローブの残余を分析することにより推定され
る。このような分析は一般的に残余プローブの大きさまたは質量の測定により行
なわれ、上記した分析方法(例えばキャピラリー電気泳動により分子量をモニタ
リングするためのプローブの5’−末端上の蛍光タグ)によることができる。
【0110】 本明細書においては、「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」という
用語はあるクラスの酵素を指し、そのおのおのは二本鎖DNAを切断する。一部
の制限エンドヌクレアーゼは、例えば二本鎖配列5’GGATCC3’を認識す
るBamH Iと一般的に称される酵素のように、特定のヌクレオチド配列また
はその近傍で二本鎖DNAを切断する。しかしながら、このような酵素の他の代
表例は、DNAエンドヌクレアーゼDNAse Iのように非特異的な態様でD
NAを切断する。
【0111】 「試料」という用語は、本明細書においては、その広範な意味において使用す
る。核酸を含有することが予測される試料は細胞、細胞より単離した染色体(例
えば分裂中期の染色体の群)、ゲノムDNA、RNA、cDNA等を包含する。
【0112】 「検出」という用語は、本明細書においては、試料中のヌクレオチドまたは核
酸を定量的または定性的に識別することを指す。 「脱重合」という用語は、本明細書においては、核酸の3’−末端からのヌク
レオチドの除去を指すものとする。
【0113】 「対立遺伝子」という用語は、本明細書においては、遺伝子の別の形態を指し
、「遺伝子座」という用語は、本明細書においては、核酸分子上の特定の位置を
指すものとする。 発明の詳細な説明 本発明の方法は核酸試料中の所定の(既知の)内因性核酸標的配列少なくとも
1つの存在または非存在を測定するために用いられる。核酸標的は、その標的と
ハイブリダイズするプローブを設計できるようにその配列が知られていなければ
ならないという点において、「所定の(predetermined)」ものである。しかし
ながら、核酸標的配列は、本発明の方法に関して使用する場合は、存在を測定し
たいと考える異なる核酸の存在のシグナルを与えるレポーターとして機能するの
みでよい。このような目的の他の核酸は所定の配列を有する必要はない。更にま
た、多くの実施態様において、本発明の方法は、プローブの3’−末端領域にお
いて部分的な相補性でその標的にハイブリダイズするプローブを設計するのに十
分であるのみの配列が知られているような標的内の塩基の同一性を調べるのに有
用である。
【0114】 このような方法は、核酸標的配列にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプ
ローブの3’−末端を脱重合して、標的配列の存在または非存在を示す分析出力
としてその存在または非存在が後に測定できるような識別子ヌクレオチド1つ以
上を放出することのできる酵素を利用する。
【0115】 核酸標的配列は、核酸プローブがその核酸標的配列に部分的または全体的に相
補的であるように準備される点において、所定(既知)のものである。核酸標的
配列は、その標的配列が試料中に存在する場合に、プローブがハイブリダイズす
る核酸試料中の部分である。
【0116】 核酸標的は、それが試験対象となる試料の天然の部分である場合、「内因性」
とされる。例えば、ヒト身体試料の遺伝的特性を確認するためのその分析(例え
ばトリソミーまたはDuchennes筋ジストロフィー分析)は内因性核酸標
的を有する。一方、ウィルス性病原物質の存在を調べるためのヒト身体試料の分
析は外因性の標的を有する。しかしながら、微生物学的試料の遺伝的特性を測定
するためのその分析(例えば種形成)は内因性標的を有する。
【0117】 方法の第1の工程は、試験すべき試料を核酸プローブ1つ以上と混合すること
である。第1の工程の混合は典型的には低いストリンジェンシーのハイブリダイ
ズ条件下で行ない、これによりハイブリダイゼーション組成物を得る。このよう
なハイブリダイゼーション組成物において、核酸プローブの3’−末端領域は(
i)試料中に存在すると思われる核酸標的配列に部分的または全体的な相補性で
ハイブリダイズし;そして(ii)3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを含む
【0118】 好ましくは、核酸プローブは、標的核酸へのプローブの3’−末端領域のハイ
ブリダイゼーションを妨害するようにそれ自体とハイブリダイズしてヘアピン構
造を形成することのないように設計する。プローブの設計の参考となるパラメー
ターは当該分野でよく知られている。
【0119】 ハイブリダイゼーション組成物は、核酸プローブにハイブリダイズした所定の
核酸標的配列すくなくとも1つを含有すると思われる処理された試料を形成する
のに十分な時間、ハイブリダイズ条件下に維持される。
【0120】 試験すべき試料がプローブのハイブリダイズ相手となる標的配列を含んでいな
い場合は、ハイブリダイゼーションは起こらない。本発明の方法を用いて試験す
べき試料中に特定の標的配列が存在するかしないかを調べる場合は、得られる処
理された試料は本発明の酵素の基質を含有してはならない。その結果、3’−末
端領域の識別子ヌクレオチドは放出されず、分析出力はバックグラウンド値また
はその近傍となる。
【0121】 処理された試料を、核酸標的にハイブリダイズするプローブの3’−末端領域
から識別子ヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合
し、脱重合反応混合物を形成する。方法で使用する酵素の選択により、3’−末
端ヌクレオチドのマッチまたはミスマッチがその3’−末端ヌクレオチドの放出
をもたらすかどうかを決定する。特定の酵素反応条件に関わるその他の情報は後
に詳述する。
【0122】 脱重合反応混合物は、酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合し、それより
識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間脱重合条件下に維持し、これによ
り処理された反応混合物を形成する。
【0123】 放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在をその後測定して分析出力
を得る。分析出力は核酸標的配列少なくとも1つの存在または非存在を示すもの
である。
【0124】 本発明の方法はまた、プローブの3’−末端領域への標的のハイブリダイゼー
ションの程度に関わっている。後に記載する実施例は、1ミスマッチが3’−末
端領域の位置からより上流の位置にあるほど、マッチおよびミスマッチの塩基の
間の相違が顕著でなくなることを示している。1ミスマッチが3’−末端ヌクレ
オチド位置から10〜12残基にある場合にはマッチとミスマッチとの間の差が
際立って小さくなるのに対し、1ミスマッチが3’−末端にある場合は大きな差
が観察される。従って、標的核酸配列にハイブリダイズした核酸プローブの相補
性の程度(部分的または全体的な相補性)をここで識別子ヌクレオチドに関して
使用する場合、これは3’−末端位置から約10残基までの3’−末端領域内を
指すものと理解することとする。
【0125】 ハイブリダイゼーションのための時間の充足度は、種々のハイブリダイゼーシ
ョン条件および核酸プローブ/標的の組み合わせについて、対照試料について実
験的に確認することができる。例示される維持時間および条件は後に記載する特
定の実施例において示され、そして典型的には低いストリンジェンシーのハイブ
リダイゼーション条件を反映している。実際は、所定のセットのプローブについ
て適当なセットのハイブリダイゼーション条件および維持時間がわかった後は、
これらの条件を用いて試験することにより、核酸標的配列が存在する場合には、
正しい結果が得られる。典型的な維持時間早く5〜約60分である。
【0126】 PCRにおけるPCRプライマーの鋳型核酸へのハイブリダイゼーションに関
する条件および検討事項は、本発明の方法における標的配列への核酸プローブの
ハイブリダイゼーションに適用できる。このようなハイブリダイゼーション条件
は当該分野でよく知られており、とりわけ核酸プローブおよび標的核酸の配列[
配列の同一性(相同性)、長さおよびG+C含有量]、存在する核酸のモル量、
緩衝液、塩含有量および二本鎖のTm等を含む要因に応じた日常的な実験の問題
である。
【0127】 本発明の方法は感度が高く、低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーショ
ン条件(例えば温度0〜4℃)で十分であるが、中程度のストリンジェンシーの
条件(即ち40〜60℃の温度)でもハイブリダイゼーションが可能であり、許
容できる結果を与える。このことは全ての本発明の方法に同様に当てはまる。
【0128】 本発明の1つの意図する実施態様において、ハイブリダイズされた核酸を脱重
合してプローブの3’−末端からヌクレオチドを放出する活性を有する酵素は鋳
型依存性のポリメラーゼである。このような実施態様においては、ポリメラーゼ
反応の逆を用いて核酸プローブを脱重合し、核酸プローブの3’−末端ヌクレオ
チドがその核酸標的配列に全体的な相補性でハイブリダイズする場合に、識別子
ヌクレオチドが放出される。本発明の方法により検出されるべき核酸プローブに
十分相補的である配列を有する核酸標的配列の存在がシグナルにより確認される
【0129】 核酸プローブを脱重合するためにクレノーまたはT4 DNAポリメラーゼ(
これらの酵素に限定されるわけではない)のようなポリメラーゼの3’→5’エ
キソヌクレアーゼ活性を利用する実施態様においては、識別子ヌクレオチドは、
核酸プローブの3’−末端残基がミスマッチであり、このためその核酸標的配列
に対して核酸プローブの3’−末端が部分的にのみ相補性を有する場合に、放出
される。本実施態様において、バックグラウンド値を最小限にするためには、ハ
イブリッドは典型的には識別子ヌクレオチドを放出する酵素反応よりも前に、未
アニーリングの核酸から精製される。核酸プローブに全体的には相補的でない核
酸標的配列の存在がシグナルにより確認される。
【0130】 核酸プローブを脱重合するためにエキソヌクレアーゼIIIの3’→5’エキ
ソヌクレアーゼ活性を利用する実施態様においては、識別子ヌクレオチドは、核
酸プローブの3’−末端残基がハイブリッドの標的核酸にマッチする場合に、放
出される。放出された識別子ヌクレオチドにおいてプローブに相補的である核酸
標的の存在がシグナルにより確認される。
【0131】 即ち、ハイブリダイゼーションおよび脱重合により、プローブ:標的ハイブリ
ッドが3’−末端領域においてマッチまたはミスマッチの何れであるかに応じて
、インジケーターヌクレオチドが放出されるか、または、このようなヌクレオチ
ドが僅かのみ或いは全く放出されないという結果になる。これはまた使用する酵
素の種類および脱重合活性のために酵素が必要とするマッチまたはミスマッチの
末端の種類にも応じて変動する。
【0132】 定義された条件下の意図する分析出力の大きさは、放出されたヌクレオチドの
量により異なる。識別子ヌクレオチドが放出される場合は、バックグラウンドよ
り高値の分析出力が与えられる。元の試料中標的配列が存在しないためか、また
は、選択したプローブと脱重合酵素が標的が存在する場合に3’−末端ヌクレオ
チドの放出をもたらさないためかの何れかにより識別子ヌクレオチドが放出され
ない場合、または3’−末端ヌクレオチドのマッチ/ミスマッチの状態が3’−
末端ヌクレオチドオ放出に用いられる酵素に必要とされるものとマッチしなかっ
た場合、分析出力は実質的にバックグラウンド値となる。
【0133】 バックグラウンド値を扱う例において、分析出力の正味の相対的な光の値は典
型的には以下の通り計算する。最初にマッチ試料の結果を平均し、次にマッチお
よびミスマッチの試料の正味の光生成を測定し、マッチ反応の正味の光生成をミ
スマッチ反応で観察されたもので割る。正味の光生成は、生成した全体の光から
反応中に存在するプローブと鋳型に由来する推定された光の寄与度を差し引くこ
とにより求めた。鋳型の反応に由来する光生成は鋳型が特異的に寄与するものと
種々の反応成分由来の夾雑ATPが寄与するものの合計であると考えた。プロー
ブ単独のみの正味の増大分は、プローブの値から平均の「非標的DNA」値を差
し引くことにより計算したが、その理由はこれによりプローブの値から夾雑AT
Pの寄与分を差し引くためである。即ち、反応による正味の光生成の測定のため
に使用した式は以下の通りである。 正味の光=全体の光‐[(標的単独)+(プローブ単独‐非DNA)] 例えば、2つの対立遺伝子のうち何れが存在しているかを測定する試験の場合
、正味の光の値を用い、第2の対立遺伝子のプローブ由来のシグナルで第1位の
対立遺伝子のプローブ由来のシグナルを割ることにより、シグナル比を測定する
【0134】 極めて異なる検出比が2セットのプローブから計算されるが、異なる標的の遺
伝子型に由来するシグナル比は容易に識別可能であることがわかっている。更に
また、ミスマッチの対立遺伝子のプローブは低い濃度のクレノーexo−を用い
た場合に核酸標的の非存在下では比較的低値の光シグナルを与えた。このような
操作を用いない場合、プローブのみによる光シグナルがプローブを含有する試料
の全体的シグナルに大きく寄与することとなり、感度の高い対立遺伝子の判別が
より困難になる。
【0135】 脱重合反応およびこのような反応に使用される酵素を以下に記載する。 脱重合 核酸ポリメラーゼは一般的に核酸鎖の長鎖化を触媒する。反応は各ヌクレオチ
ドが添加される際に放出されるピロホスフェートの切断により駆動される。各ヌ
クレオシド‐5’‐トリホスフェートはリボースまたはデオキシリボース糖の5
位炭素に連結した3個のホスフェート基を有する。ヌクレオチドを成長中の核酸
に添加することにより、ヌクレオシド内ホスホジエステル結合が形成される。こ
の結合はリボースまたはデオキシリボースの3位炭素に対して3’結合を、そし
て、リボースまたはデオキシリボースの5位炭素に対して5’結合を有するとい
う特徴がある。各々のヌクレオチドは新しい3’→5’連結の形成を介して付加
され、これにより核酸鎖は5’から3’の方向に成長する。
【0136】 その最も厳密な意味における脱重合は、現在の意味においては、ヌクレオチド
内ホスホジエステル結合がピロホスフェートおよびポリメラーゼ酵素の存在下に
2つの3’−末端塩基の間で破壊され、1ヌクレオチド分短い核酸とヌクレオシ
ドトリホスフェートが形成されるような重合の逆転を意味している。本発明では
より広い定義を意図するものとする。その定義に従って、3’−末端ヌクレオチ
ドを酵素の触媒する反応において核酸から除去するが、形成されたヌクレオチド
はモノホスフェートであることができ、必ずしもピロホスフェートが求められる
わけではない。
【0137】 前者の反応は本明細書においてはピロホスホロリシス反応と称し、後者の反応
はエキソヌクレアーゼ反応と称する。これらの2種の脱重合について以下に説明
する。
【0138】 本発明で目的とする脱重合反応は核酸プローブの3’−末端領域で起こるその
ような脱重合であるものとする。この脱重合反応により、本明細書に記載する通
り、識別子ヌクレオチドが放出される。 A.ピロホスホロリシス 本発明の一部の実施態様において、方法は、5’オーバーハングを有する二本
鎖DNA上における以下の反応に示すとおり、ピロホスフェートまたはその類縁
体の存在下に末端ヌクレオシド内ホスホジエステル結合を酵素的に切断してXT
Pを形成することにより3’−末端ヌクレオチドにおいて核酸(NA)を脱重合
することを包含する。
【0139】
【表1】 幾つかのポリメラーゼは重合過程の逆を触媒することが知られている。この逆
反応は「ピロホスホロリシス」といわれている。DNAポリメラーゼのこのピロ
ホスホロリシス活性はDeutscher and Kornberg,J.B
iol.Chem.,244:3019−28(1969)に記載されている。
ピロホスホロリシスが可能な他の鋳型依存性核酸ポリメラーゼは、例えばDNA
ポリメラーゼα、DNAポリメラーゼβ、T4 DNAポリメラーゼ、Taqポ
リメラーゼ、Tneポリメラーゼ、Tne 3重突然変異ポリメラーゼ、Tth
ポリメラーゼ、Tvuポリメラーゼ、Athポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ
、E.coil DNAポリメラーゼI、クレノー断片、クレノーエキソマイナ
ス(exo−)、AMV 逆転写酵素、RNAポリメラーゼおよびMMLV逆転
写酵素が挙げられる。しかしながら全てのポリメラーゼがピロホスホロリシス活
性を有していることが解かっているわけではない。例えば、ポリ(A)ポリメラ
ーゼはピロホスホリル化を触媒しないと報告されている(Sippel,Eur
.J.Biochem.37:31−40(1973))。
【0140】 ピロホスホロリシスの機序はRNAポリメラーゼに関して示唆されている。機
序の理解は本発明の使用には必要ではないが、Rozovskaya et a
l.,Biochem.J.224:645−50(1984)に記載されてい
る通り、攻撃するピロホスフェートからRNAのヌクレオシド内ホスホジエステ
ル結合のホスフェートへのMg2+イオンの部分的移行がピロホスフェートの親核
反応性およびジエステルの親電子性を増大させると考えられている。ヌクレオシ
ド内ホスホジエステル結合はピロホスフェートの添加により酵素的に切断されて
ヌクレオシド5’ホスフェートとなり、新しいホスホジエステル結合がピロホス
フェートとヌクレオシドモノホスフェートとの間に形成される。
【0141】 ピロホスホロリシス反応は以下の通りまとめることができる。 反応1:NAn+PPiNAn-1+XTP 式中、NAは核酸、nはヌクレオチド塩基の数、PPiはピロホスフェート、そ
してXTPはdNTP分子またはNTP分子の何れかである。次に反応を反復さ
せることにより少なくとも2つのXTP分子を生成する。ここで反応は同じ核酸
分子に対して、または、複数の異なる核酸分子に対して反復することができるも
のとする。
【0142】 ポリメラーゼ活性の逆転(ピロホスホロリシス)の好ましい実施態様において
、好ましい基質は、3’−末端領域の識別子残基を含む、その3’−末端におい
て全体的な相補性で核酸標的配列にハイブリダイズしたDNAプローブである。
この好ましい実施態様の1つの例において、核酸プローブの3’−末端ヌクレオ
チドにおいて1塩基ミスマッチがあるように核酸標的配列に核酸プローブをハイ
ブリダイズする場合、核酸プローブは逆重合反応を介して非効率的に脱重合され
る。すなわち、このような基質は脱重合のための理想的な基質ではない。
【0143】 重合反応の逆転を介した脱重合のための基質の非理想性は、核酸プローブの3
’−末端から約10残基までは1塩基ミスマッチにより認識される。プローブの
3’−末端から12残基の1塩基ミスマッチでは、脱重合反応は、ミスマッチが
なく核酸プローブが核酸標的配列に全体的に相補的である場合と概ね同様の範囲
まで起こり得る。
【0144】 即ち、脱重合反応の反応性は基質の効率に関連する因子である。部分的に相補
的なハイブリッドは重合反応の逆転のためには全体的に相補的なハイブリッドよ
りも効率の低い脱重合基質である。この反応性の差を用いて特定の位置(例えば
長鎖位置)におけるマッチとミスマッチの間の相違を顕著化使用とするものであ
る。基質ハイブリッドが全体的に相補的である場合は、かなり高い分析出力が得
られる。ミスマッチは基質ハイブリッドを脱安定化するために意図的に導入する
ことができる。このような脱安定化は脱安定化塩基位置とは異なる調査位置にお
いて置換された塩基間の分析出力の差を大きくすることができる。
【0145】 幾つかの化合物がピロホスホロリシス反応におけるピロホスフェートを代替す
るものとして当該分野で知られている。Rozovskaya et al.,
Biochem.J.,224:645−650(1984)。例示される化合
物およびその放出されたヌクレオチド産物をピロホスホロリシスのヌクレオチド
産物(リボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドは「Nuc」と記載す
る)と共に以下の表に示す。
【0146】
【表2】 分析する各核酸ポリメラーゼのための適当な緩衝液を含む、ピロホスホロリシ
スによる脱重合のための好ましい反応混合物は、実施例において詳細に説明する
。典型的には、これらの条件下、十分なNTPまたはdNTPが放出され、きわ
めて少量(例えば約5〜1000ピコグラム)の核酸を正確に検出することがで
きる。分析前にNDPK(ADP存在下)のような酵素によりXTPからの変換
によりATPが生成されるか、または、ATPは分析前に更に増幅されることが
できる。
【0147】 ピロホスホロリシスによる重合および脱重合のための好ましい反応条件は同様
であるものの、これらの反応の速度は大きく変動できる。例えば、AMVおよび
RLV逆転写酵素はSrivastavan and Modak,J.Bio
l.Chem.,225(5):2000−04(1980)において示された
重合よりも約50〜100倍低い速度で最適条件下ピロホスホロリシスを触媒す
る。即ち、ピロホスホロリシス反応の高い効率は予測されなかったものであり、
遥かに多い量のDNAを用いて行なわれる以前のDNAピロホスホロリシス試験
とは対照的に、きわめて低い濃度のDNA基質に関係すると考えられる。
【0148】 理論に制約されるわけではないが、この作用の考えられる説明として、極めて
低いDNA濃度で生成される遊離のデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート
のモル濃度が極めて低いと推定されることが挙げられる。実際、これらの濃度は
酵素のミカエリス定数(Km)よりも遥かに低値であると推定される。すなわち
、放出されたdNTPの再取り込みは極めて少量であると推定される。
【0149】 異なる核酸ポリメラーゼのピロホスホロリシス活性もまた変動する。例えば、
T4ポリメラーゼおよびTne DNAポリメラーゼは、ピロホスホロリシスに
より生成されるATPをルシフェラーゼ活性により測定した場合に、極めて高い
ピロホスホロリシス活性を有している。T4ポリメラーゼを用いたピロホスホロ
リシスはMMLV−RTと比較して光生成が約10倍増大しており、Taqポリ
メラーゼと比較して光生成が4倍増大している。
【0150】 親出願に開示される本発明の開発の間、低いピコグラム水準の一部の核酸の検
出は一般的に核酸を断片化または部分的消化することにより促進できるというこ
とがわかった。好ましくは、断片化は核酸の超音波処理または制限酵素消化によ
り行なうことができ、これにより、複数のより小型の核酸断片を得ることができ
る。本発明を実施するために機序を理解することは必要ないが、この工程は恐ら
くは、ピロホスホロリシス反応が核酸エンドから進行するのみであることから、
検出を促進していると思われる。より多くの核酸エンドを与えることにより、一
回でより多くの反応を起こすことができる。
【0151】 DNA末端は分子内および直鎖状DNA断片のエンドに存在することができる
。例えば、ポリメラーゼはDNAセグメントのギャップまたはニックからピロホ
スホロリシスを触媒することができる。ピロホスホロリシス反応に用いる酵素と
基質の種類が断片化が必要であるかどうかを決定する。
【0152】 制限酵素消化により生じるDNA末端の種類もまた種々の核酸ポリメラーゼの
ピロホスホロリシス活性に影響する。例えば、クレノーexo−、MMLV−R
TおよびTaqポリメラーゼは5’‐オーバーハングを持つ、そして、平滑末端
を持つDNA断片のピロホスホロリシスは触媒するが、3’‐オーバーハングで
はピロホスホロリシス活性は殆どまたは全くない。一方、T4 DNAポリメラ
ーゼは3’‐および5’‐エンドのオーバーハングの両方および平滑末端の媒介
するピロホスホロリシスを触媒する。即ち、T4 DNAポリメラーゼは3’−
オーバーハングを有するハイブリッドのピロホスホロリシスには好ましい酵素で
ある。制限酵素処理DNAのピロホスホロリシスのために他の核酸ポリメラーゼ
を用いる場合は、制限エンドヌクレアーゼにより創製されたエンドの種類にポリ
メラーゼのエンドの特異性をマッチできるように注意しなければならない。この
ような注意は当該分野でよく知られていることである。
【0153】 Tabor and Richardson,J.Biol.Chem.26
5(14):8322−28(1990)は、鎖終止法によるT7 DNAポリ
メラーゼ触媒DNA配列決定により媒介される望ましくないピロホスホロリシス
を報告している。上記研究者等によれば、最も感受性の高い部位においても、望
ましくないピロホスホロリシスの速度は重合速度よりも少なくとも100,00
0倍遅い。
【0154】 定義によれば、DNA配列決定は既知のDNA配列の検出よりはむしろ、未知
のDNA配列を確認することを目的としている。鎖終止法によりDNA配列決定
において、オリゴヌクレオチドプライマーは外因性dNTPおよびジデオキシN
TPを添加されたT7 DNAポリメラーゼにより伸長される。ジデオキシNT
Pが長鎖化されているプライマーに組み込まれる場合、それ以上の重合は起こり
得ない。その後このようなジデオキシ末端断片はDNA配列決定ゲル上で分割さ
れる。しかしながら、特定の場合には、望ましくないピロホスホロリシスにより
長鎖化されたプライマーから3’−末端ジデオキシヌクレオチドが放出され、こ
れによリT7 DNAポリメラーゼが更に重合を触媒できるようになる。この余
計な重合はDNA配列決定ゲル上の特定のジデオキシヌクレオチド末端断片の分
解(損失)をもたらす。言いかえれば、形成されるDNA配列決定ゲルはDNA
配列が測定できない「ホール」またはギャップを示すことになる。
【0155】 上記したTabor and Richardsonによれば、dNTPが高
濃度で存在する場合、これらのピロホスホロリシス部位は数千ヌクレオチド中一
箇所のみ存在する。上記研究者等はdITPがdGTPと置き換わっているピロ
ホスホロリシスに特に感受性の高い正式な配列である5’dIdAdN1ddN2 3’を発見している。この望ましくないT7 DNAポリメラーゼ媒介ピロホス
ホロリシス反応はDNA配列決定反応混合物からPPiを排除するピロホスフェ
ートの添加により回避することができる。ピロホスファターゼはDNA配列決定
ゲル中のギャップを排除し、T7 DNAポリメラーゼ媒介ジデオキシ配列決定
を用いたDNA配列の正確な測定法を可能にすると報告されている。
【0156】 一方本発明は、この逆反応が起こるための条件を最適化することにより、DN
Aポリメラーゼ媒介ピロホスホロリシスを利用しようとするものである。本発明
は、T7 DNAポリメラーゼの重合活性を用いて未知の核酸配列を確認するよ
りはむしろ、標的核酸における既知配列の検出を目的としている。
【0157】 TaborおよびRichardsonにより報告されているピロホスホロリ
シスは特定の核酸配列を検出することはできない。実際、ジデオキシ法によるD
NA配列決定は長鎖化プライマーへのジデオキシヌクレオチドの取りこみに依存
している。上記研究者等の報告したT7 DNAポリメラーゼ媒介ピロホスホロ
リシスは、上記正式な配列を優先しているとされているものの、同様に無作為で
ある。Tabor and Richardsonによれば、ピロホスファター
ゼの非存在下では、DNA配列決定ゲルにおけるギャップを観察するのみであり
、これらのギャップはこれらのギャップにおけるDNA配列に関する如何なる情
報も与えない。従って、報告されたT7 DNAポリメラーゼ媒介ピロホスホロ
リシスによる3’ジデオキシヌクレオチドの放出を確認するための方法は開示さ
れていない。
【0158】 更に、ピロホスホロリシス反応に使用されるポリメラーゼの種類は最良の結果
を得るためには正しい核酸基質とマッチさせることを意図する。一般的に、DN
Aポリメラーゼおよび逆転写酵素はDNAの脱重合に好ましく用いられ、RNA
ポリメラーゼはRNAの脱重合に好ましく用いられる。逆転写酵素または逆転写
酵素活性を有するDNAポリメラーゼはRNA‐DNAハイブリッドの脱重合に
好ましく用いられる。
【0159】 本出願において、ポリ(A)ポリメラーゼはピロホスホロリシスを触媒できる
ことが意外にも判明したが、このような反応はこれまで報告されていない。実際
、ポリ(A)ポリメラーゼはピロホスホロリシスを触媒しないことが広く報告さ
れている(例えばSippel,Eur.J.Biochem.,37:31−
40(1973)およびSano and Feix,Eur.J.Bioch
em.,71:577−83(1976)参照)。本出願に開示した本発明のこ
れらの好ましい実施態様においては、前に報告した緩衝液中に存在する塩化マン
ガンは省略し、塩化ナトリウムの濃度は低下させ、そして、pH値は約8.0か
ら約7.5に低下させている。更にまた、ポリ(A)ポリメラーゼピロホスホロ
リシス反応緩衝液は約50mM Tris−Cl,pH7.5,10mM Mg
Cl2,50mM NaClおよび2mM NaPPi(ピロリン酸ナトリウム)
を含む。
【0160】 脱重合反応は重合反応の逆であることに注意することが重要である。したがっ
て、漸増する遊離のヌクレオシドトリホスフェートが脱重合により生産されるに
従い、理論的には重合と脱重合の反応が均衡する平衡状態に達する。或いは、少
量の核酸が検出される場合は、反応は平衡に達することなく本質的に完了するこ
とができる(即ち、核酸標的は50%より多くその構成成分であるサブユニット
ヌクレオチドにまで脱重合される)。この要因が定量的測定において重要である
理由は、放出されたヌクレオチドの総量が検出試験で発生するシグナルの量と比
例しているためである。
【0161】 核酸の定量的検出に用いる場合は、ヌクレオチドの閾値が得られる限り、反応
が平衡に達したり、または、本質的に完了に至る必要はない。好ましい実施態様
においては、脱重合により生成したヌクレオシドトリホスフェート分子の混合物
を好ましくは以下に記載する通りATPに変換する。定量的または定性的な検出
の何れかにおいて、典型的なルシフェラーゼ試験における光検出のためには、試
料100μL中約1x10-12モルの検出可能な閾値ATP濃度を得るのが好ま
しい。
【0162】 いくつかの好ましい実施態様においては、オリゴヌクレオチドプローブは典型
的には脱重合反応20μL当たり約100ng〜約1μgで使用する。この量は
約200:1〜約1,000:1のプローブの標的に対する重量比を与える。
【0163】 本発明の好ましい実施態様においては、核酸ポリメラーゼおよびピロホスフェ
ート(PPi)またはその類縁体を、標的核酸約100μg未満〜核酸約10p
g未満を含有するハイブリダイズされた試料に添加する。典型的な標的核酸は試
験すべき試料中約1〜約5ng存在し、標的核酸の長さは約30〜約1000b
pが好ましい。
【0164】 次に、ハイブリダイズされた核酸をピロホスホロリシスにより分解(脱重合)
し、遊離のNTPまたはdNTPを放出する。ピロホスホロリシス反応に有用な
酵素は、例えば、以前に挙げた以下のポリメラーゼ、即ち、AMV逆転写酵素、
MMLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼαおよびβ、Taqポリメラーゼ、T
neポリメラーゼ、Athポリメラーゼ、Tvuポリメラーゼ、Tne3重突然
変異ポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、E.coil DNAポリメラ
ーゼI、クレノー断片、クレノーエキソマイナス、Tthポリメラーゼおよびポ
リ(A)ポリメラーゼである。
【0165】 最も好ましくは、5’オーバーハングDNA末端の効率的な利用から、DNA
ピロホスホロリシス反応にはクレノーエキソマイナス(クレノーexo−)また
はTne3重突然変異ポリメラーゼが用いられる。
【0166】 5’オーバーハング基質を利用する酵素を用いる場合は、標的核酸の3’エン
ドは核酸プローブの5’エンドを超えて伸長していることが好ましい。このよう
にすることにより、唯一の5’オーバーハング基質は、標的核酸の5’エンドが
核酸プローブの3’末端領域よりオーバーハングしている個所となる。脱重合を
核酸プローブに限定するための別の方法は、例えば標的核酸の3’−末端におい
てホスホロチオエート結合を形成するなど、試料中の他の核酸の末端の化学修飾
である。
【0167】 脱重合酵素は好ましくはハイブリダイズされた標的:プローブを脱重合するの
に十分な量で存在する。この量は、当該分野でよく知られるとおり、使用する酵
素、脱重合温度、緩衝液等により変化する。20μLの容量中で行なう典型的な
反応の場合は、クレノーexo−のような酵素約0.25〜約1他に(U)を用
いる。より高い温度での脱重合では、熱安定性酵素約1〜約5Uを用いる。
【0168】 好ましいATP検出系の部分であるルシフェラーゼはPPiにより阻害される
。好ましい実施態様においては、高度に阻害量のPPiがATP検出反応に移行
することがないよう注意しなければならない。好ましくは、ATP検出反応に供
されるPPiの量は、約100μMより低いルシフェラーゼ検出反応中のPPi
度をもたらすものとするが、約10μmより低濃度が望ましい。従って、ピロホ
スホロリシス反応中に用いるPPiの量はルシフェラーゼ検出系で用いるために
取られる分量により決定される。分量は使用する試験系により変動するが、ルシ
フェラーゼ検出反応に移行する、または、供されるPPiの量は、PPiの濃度が
少なくとも約100μM未満、好ましくは約10μM未満となるような、上記し
たPPi濃度パラメーターに相当するものとする。
【0169】 本発明の1つの好ましくは実施態様において、脱重合活性を有する酵素は鋳型
依存性ポリメラーゼである。脱重合反応は重合反応の逆行である。意図する実施
態様において、重合反応はピロホスホロリシスと称される反応中ピロホスフェー
トの存在下で逆行される。
【0170】 いくつかの好ましい実施態様において、反応条件は、その標的核酸配列よりも
高濃度の核酸プローブを与えることによりその標的核酸配列とハイブリダイズす
る核酸プローブの脱重合に更に好都合なように調節するのが好ましい。
【0171】 プローブ:標的のハイブリッドの脱重合に好都合な1つの戦略は、2重標的核
酸の変性後にハイブリダイゼーション工程において核酸標的より過剰にプローブ
を存在させることである。
【0172】 プローブ:標的のハイブリッドの脱重合に好都合な別の戦略は、プローブが相
補的である核酸標的の鎖のみを単離することである。この目的を達成するために
用いることのできる幾つかの技法がある。
【0173】 1つの技法においては、標的核酸増幅プライマー配列の5’‐末端において、
例えば、1〜約10個の5’のほとんどの残基において、ホスホロチオエート結
合を用いる。標的のPCR増幅により、プライマーのホスホロチオエート結合は
相補鎖の対の一方として増幅された標的核酸に取りこまれる。二本鎖を与える分
子をT7ポリメラーゼエキソヌクレアーゼ6で処理することにより、非ホスホロ
チオエート含有鎖が除去される。この技法は後に記載する実施例において詳細に
説明する。
【0174】 別の技法においては、鎖の単離は、標識されていない伸長された核酸鎖(本発
明で有用な核酸プローブはこれにハイブリダイズするように設計される)に取り
こまれたPCRプライマーを用いて標的核酸を増幅することにより達成されるが
、相補鎖に対するプライマーは、例えばビオチンで標識される。次に。増幅され
た核酸を変性し、固相支持体に連結されたストレプトアビジンに添加される。有
用な物質はStreptoavidin MagneSphere(登録商標)
常磁性粒子(Promega,Z548A)であり、その際、そのビオチニル化
された相補鎖から所望の標的核酸鎖を分離するために磁石を用いることができる
。 B.エキソヌクレアーゼ消化 本発明の別の実施態様において、方法は5’‐オーバーハングを有する二本鎖
DNAに対する以下の反応により説明されるとおり、末端ヌクレオシド内ホスホ
ジエステル結合を酵素的に切断してXNPを形成することにより3’−末端ヌク
レオチドにおいて核酸を脱重合することを包含する。
【0175】
【表3】 例えば、このような加水分解反応はNTPの存在下または非存在下、クレノー
またはエキソヌクレアーゼIIIにより触媒される。
【0176】 いくつかの実施態様(例えば核酸の定量的試験)においては、検出感度を上げ
るために、脱重合工程は本質的に完了するか平衡となるまで反復して最低3個の
ヌクレオチドの鎖から少なくとも2個のヌクレオチド分子を得る。別の実施態様
(例えばDNAの定性的検出)においては、シグナルを生成するのに十分な核酸
分子が存在すれば脱重合工程を反復する必要はない。
【0177】 本発明の別の実施態様においては、以下の反応に従ってエキソヌクレアーゼ消
化により、末端がミスマッチのハイブリダイズされた核酸プローブをまず脱重合
してNMPまたはdNMPとする。 反応2:NAn+H2O→NAn-1 + XNP 式中、NAnは核酸、XNPはdNMPまたはNMPであり、そしてnは核酸中
のヌクレオチドの数である。
【0178】 この脱重合反応は5’−オーバーハングおよびミスマッチ塩基を3’−末端に
有する二本鎖DNAに対する以下の反応においてより詳しく説明される。
【0179】
【表4】 例えば、このような脱重合反応はNTPの非存在下、バクテリオファージT4
ポリメラーゼにより触媒される。好ましい実施態様においては、放出されたヌク
レオチド、XNPはヌクレアーゼ消化により生成される。
【0180】 ヌクレアーゼ消化は、S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼBAL 31、ヤエナ
リ(mung bean)ヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIIIおよびリボ
ヌクレアーゼHを含む、5’ホスフェートによりヌクレオチドを放出させる種々
のヌクレアーゼにより行なうことができる。ヌクレアーゼ消化条件および緩衝液
は当該分野で知られている。ヌクレアーゼおよびそれを用いるための緩衝液は市
販されている。
【0181】 プリンおよびピリミジンモノヌクレオチドの生合成において、ホスホリボシル
−1−ピロホスフェート(PRPP)は必須のリボース−5’−ホスフェート供
与体である。PRPPそのものはATPからリボース−5’−ホスフェートへの
ピロホスフェートの転移を介してPRPP合成酵素により触媒される反応におい
て形成される。この反応はSabina et al.,Science,22
3:1193−95(1984)に記載されるとおり、可逆であることが解かっ
ている。
【0182】 本発明の一部の実施態様において、ヌクレアーゼ消化により生成されたNMP
またはdNMPは、以下の反応において酵素PRPP合成酵素によりNTPまた
はdNTPに直接変換するのが好ましい。 反応3:XNP+PRPP→XTP+リボース−5’−PO4 式中、XNPはAMPまたはdAMPの何れかであり、そして、XTPはATP
またはdATPの何れかである。好ましくは、個の反応は試料100μL中約1
x10-12Mの閾値ATP濃度を与える。
【0183】 本反応において、PRPPのピロホスフェート基は酵素的にXNP分子に転移
され、XTP分子を形成する。適する反応条件および緩衝液の例は本明細書の何
れかの個所に記載する。
【0184】 本発明の核酸検出系におけるPRPP反応の利用は以前に報告されている方法
よりも好都合である。例えば、AMPまたはdAMPをATPまたはdATPに
変換するためには1工程のみを必要とし、これにより検出系を簡略化できる。更
にまた、以前に報告されている方法と比較して本発明の方法を用いた場合、外因
性のATP、ADPまたはAMPで検出反応が汚染される可能性が低い。
【0185】 脱重合酵素が3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を示す実施態様においては、
基質は3’−ヒドロキシル末端を有する二本鎖または一本鎖の核酸である。本発
明の方法で用いられる3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素にはE.
coil DNAポリメラーゼI,クレノー断片およびバクテリオファージT4
DNAポリメラーゼが包含される。E.coil DNAポリメラーゼIホロ
酵素は、3’−末端におけるハイブリダイゼーションの程度に関わらずプローブ
:標的ハイブリッドを分解する5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を回避するこ
とが望ましい観点から、本発明の方法では好ましくない。バクテリオファージλ
エキソヌクレアーゼは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性のみを有しており、こ
のため、これは意図される酵素ではない。同様に、Taq DNAポリメラーゼ
は極めて低い水準の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有している。エキソヌ
クレアーゼIII(ExoIII)は平滑末端を持つ基質または5’−オーバー
ハングまたはニックを3’−ヒロドキシル基とともに有するものに対して3’エ
キソヌクレアーゼ活性を有し、このため、マッチした3’−末端ヌクレオチドを
有するハイブリッドを脱重合するための本発明の方法において有用である。しか
しながら、ExoIIIは部分的にのみ相補的な3’−末端を有するハイブリッ
ドに限定されず、ニ本鎖末端、即ちマッチした末端ヌクレオチドを必要とする。
【0186】 酵素活性が3’→5’エキソヌクレアーゼ活性である本発明の実施態様におい
て、ハイブリダイズされた核酸プローブはその3’−末端ヌクレオチドから脱重
合される。3’→5’エキソヌクレアーゼ活性のポリメラーゼの場合の本発明の
実施態様において、好ましい基質はその3’−末端領域において部分的な相補性
で核酸標的配列にハイブリダイズされた核酸プローブであり、最も好ましくは、
識別子ヌクレオチドである3’−末端残基においてミスマッチを有するものであ
る。
【0187】 意図する方法は、複数の所定の内因性核酸配列の1つ以上が試料中に存在する
か存在しないかを調べるために複数のプローブを用いる多重試験環境において特
に有用である。このような多重試験のために特に有用な分野は、通常の分析出力
が目標とする遺伝子標的が存在しないことを示すスクリーニング試験である。
【0188】 1つの例示される実施態様において、核酸試料は複数の所定の突然変異遺伝子
の存在についてスクリーニングされる。この実施態様においては、突然変異体は
通常は存在せず、そして、分析出力は例えば、突然変異が存在しない限り、概ね
バックグラウンド値となる。別の実施態様においては、複数の試料について、微
生物特異的な遺伝子の有無を調べる。ここでもまた、健康な個体、動物または恐
らくは滅菌されている食品の集団を試料とする場合、目標とする遺伝子が存在し
ないことは、概ねバックグラウンド値の分析出力を与えるものであり、そして、
バックグラウンド出力より高値が出現するのは稀な場合のみである。
【0189】 上記方法の多重実施態様において、試料は、好ましくは必要に応じて複数の核
酸標的の増幅の後、複数の異なる核酸プローブと混合される。本発明のこの実施
態様においては、プローブの1つによる特定の結果の分析出力は、全てのプロー
ブによる逆の結果から得られる分析出力と識別可能である。
【0190】 好ましい実施態様において、ADP存在下の放出ヌクレオチドのNDPK変換
を介して生成したATPは、ルシフェラーゼ検出系またはNADH検出系により
検出される。更に別の本発明の実施態様において、ピロホスフェート転移工程お
よびホスフェート転移工程は1段階反応において実施される。別の好ましい実施
態様において、より高い感度が必要である場合は、ATP分子を増幅することが
できる。
【0191】 意図する多重実施態様において、複数の内因性核酸標的配列の存在または非存
在に関する情報は、種々の内因性核酸標的のための複数の核酸プローブと試料を
混合することにより、単一の核酸試料に対して本発明の方法を用いることにより
測定される。
【0192】 本発明の第1の多重実施態様において、核酸プローブの少なくとも1つがその
標的核酸配列に部分的相補性でハイブリダイズされる場合に得られる分析出力は
、核酸プローブの全てがそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハイブ
リダイズされる場合の分析出力よりも大きい。好ましくは、このような実施態様
においては、ハイブリダイズされた核酸を脱重合してヌクレオチドを放出する活
性を有する酵素は3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズさ
れたプローブの3’−末端にミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイズさ
れた核酸を脱重合する。
【0193】 本発明の第2の多重実施態様において、上記核酸プローブの少なくとも1つが
その標的核酸配列に部分的相補性でハイブリダイズされる場合に得られる分析出
力は、核酸プローブの全てがそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハ
イブリダイズされる場合の分析出力よりも小さい。好ましくは、このような実施
態様においては、ハイブリダイズされた核酸を脱重合してヌクレオチドを放出す
る活性を有する酵素は鋳型依存性ポリメラーゼである。
【0194】 本発明の第3の多重実施態様において、核酸プローブの少なくとも1つがその
核酸標的配列に全体的相補性でハイブリダイズされる場合に得られる分析出力は
、核酸プローブの全てがそれらの対応する核酸標的配列に部分的相補性でハイブ
リダイズされる場合の分析出力よりも大きい。好ましくは、このような実施態様
においては、ハイブリダイズされた核酸を脱重合してヌクレオチドを放出する活
性を有する酵素は鋳型依存性ポリメラーゼである。
【0195】 本発明の第4の多重実施態様において、上記核酸プローブの少なくとも1つが
その標的核酸配列に全体的相補性でハイブリダイズされる場合に得られる分析出
力は、核酸プローブの全てがそれらの対応する核酸標的配列に部分的相補性でハ
イブリダイズされる場合の分析出力よりも小さい。好ましくは、このような実施
態様においては、ハイブリダイズされた核酸を脱重合してヌクレオチドを放出す
る活性を有する酵素は3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイ
ズされたプローブの3’−末端にミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイ
ズされた核酸を脱重合する。 分析出力 分析出力は放出された識別子産物、即ち放出されたヌクレオチドまたはプロー
ブの残余の何れかを検出ることにより得られる。例示される検出系は、光発光ル
シフェラーゼ検出系、NADH光吸収検出系(NADH検出系)、蛍光発光およ
び質量スペクトル分析を包含する。これらの検出系は後に説明する。
【0196】 ヌクレオチドが放出されたという事実(定性的測定)または放出されたヌクレ
オチドの数(定量的測定)は脱重合後のプローブの検査を通して推定することが
できる。オリゴヌクレオチドの大きさの測定は当該分野でよく知られている。例
えばゲル分離およびクロマトグラフィー分離はよく知られている。蛍光および吸
光度スペクトル分析を利用したゲル画像化法並びにラジオグラフィーによる方法
も挙げられる。オリゴヌクレオチドの質量スペクトル分析もまたより一般的とな
っている。 A.ATPの検出 ルシフェラーゼ検出系はATPの検出のために特に有用である。ATPと酸素
の存在下、ルシフェラーゼはルシフェリンの酸化を触媒して光を発生させ、これ
が後にルミノメーターにより定量される。反応の別の産物はAMP、ピロホスフ
ェートおよびオキシルシフェリンである。
【0197】 特に好ましい実施態様において、L/L試薬(Promega,FF2021
)と称されるATP検出緩衝液を使用する。一部の実施態様においては、ルシフ
ェラーゼアッセイ試薬(LAR)緩衝液(Promega,E152A)をL/
L試薬の代わりに用いる。好ましくは、約5〜10ngのルシフェラーゼが反応
に用いられる。本発明は特定のルシフェラーゼ濃度に限定されるわけではないが
、より多い量のルシフェラーゼを用いると非特異的バックグラウンドが増大する
傾向がある。
【0198】 一部の実施態様においては、ピロホスホロリシスまたはヌクレアーゼ消化によ
り生成したdNTPまたはNTPはXTPに変換され、次にこれが直接ルシフェ
ラーゼの基質として使用され、これにより核酸の検出を可能にすることを意図し
ている。しかしながら、ルシフェラーゼの好ましい基質は、Moyer and
Henderson,Anal.Biochem.,131:187−89(
1983)が明らかにしたとおり、ATPである。DNAが初期基質である場合
は、以下に示す一般的反応により、NDPKを好都合に用いてdNTPからAT
Pへの変換を触媒する。 反応4:dNTP* + ADP→dNDP + ATP* 式中、dNTPはデオキシリボヌクレオシドトリホスフェートの混合物であり、
dNDPは相当するデオキシリオヌクレオシドジホスフェートである。反応4に
おいて、dNTPの末端5’−トリホスフェート(P*)はADPに転移され、
ATPが形成される。
【0199】 この反応を触媒する酵素は一般的にはヌクレオシドジホスフェートキナーゼ(
NDPK)として知られている。NDPKは偏在する比較的非特異的な酵素であ
る。NDPKを検討する際は、Parks and Agarwal,The
Enzymes,Volume 8,P.Boyer Ed.(1973)を参
照できる。
【0200】 NDPKによるNTPまたはdNTPからATPへの変換は好ましくは、ND
PKおよび、ピロホスホロリシスまたはヌクレアーゼ消化により生じると予測さ
れるNTPまたはdNTPの量よりモル過剰量のADPを添加し、その後PRP
P合成酵素によるピロホスホリル化を行なうことにより行なう。ADPの利用に
は添加したADPの量を旨適化することが必要である。ADPの量が多すぎる場
合、高いバックグラウンド値となる。
【0201】 幾つかの生物学的入手元から由来するNDPK(EC2.7.4.6)製剤は
幾つかの供給元から販売されている。例えば、酵母NDPKはSigma Ch
emical Co.,St.Louis,MOから入手でき、ウシNDPKは
ICN Biochemicals,Inc.,Costa Mesa,CAか
ら入手できる。本明細書に記載するほとんどの使用のために選択される特定のN
DPKは典型的には任意に選択される。
【0202】 本発明の更に別の実施態様は、1縦列反復(STR)検出に用いられる場合の
ように、核酸試料中の核酸標的配列中に存在する既知の反復配列の数を測定する
ための方法を意図している。反復される既知の配列の数を測定するための方法は
、以下の工程を包含する。複数の個別に処理された試料を準備する。各試料は、
核酸プローブにハイブリダイズされた複数の既知反復配列および非反復領域を含
む核酸標的配列を含んでいる。各核酸プローブは標的核酸の対立遺伝子の異なる
数の相補的な既知反復配列、3’−末端領域の識別子ヌクレオチド、および、標
的の非反復領域に相補的な5’−末端ロッカー配列を含んでいる。処理された反
応混合物は、各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブの3’
−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合
することにより形成される。処理された反応混合物は酵素がハイブリダイズされ
た核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間維持
される。放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在について試料を分析
し、分析出力を得る。そのプローブが標的核酸に存在する数と同じ数の配列反復
を含むような試料の分析出力は、核酸標的中に存在する配列反復の数を示し、こ
れを測定するものである。
【0203】 本発明の1つの特徴において、標的核酸は2つの対立遺伝子において反復配列
の数に関して、同型接合である。本発明の別の方法において、標的核酸は反復配
列に対して異型接合である。本発明の別の方法においては、識別子ヌクレオチド
は反復配列を含む領域の部分であるヌクレオチドである。本発明の別の方法にお
いて、プローブ配列の識別子ヌクレオチドは反復配列に対して5’側の標的核酸
中に位置するものに相補的な非反復配列を含む領域の部分である。この後者の特
徴の方法においては、識別子ヌクレオチドは、反復配列の3’側のプローブ中に
位置する標的核酸の非反復配列に相補的な1〜約20核酸を含む配列中に存在す
る。核酸標的配列中に存在する反復される既知配列は典型的には反復当たり2〜
約24塩基の長さを有する。ジ−およびトリ−ヌクレオチドの反復は当該分野で
よく知られている。
【0204】 Pfu NDPKのような意図する熱安定性NDPKは本発明のいわゆる1工
程または1段階反応において好都合に用いられる。ここでは、3’−末端領域の
識別子ヌクレオチドを含む核酸プローブにハイブリダイズした所定の核酸標的配
列を含むと考えられる処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブ、
アデノシン5’ジホスフェート(ADP)、ピロホスフェートおよびNDPKか
らヌクレオシドトリホスフェートとして識別子ヌクレオチドを放出するピロホス
フェート存在下の活性を有する酵素の脱重合量と混合し、処理された反応混合物
を形成する。このようにして形成された処理された反応混合物を、酵素がプロー
ブを脱重合し、(反応4に示すとおり)NDPKが存在するXTPをATPに変
換できるのに十分な時間、維持する。形成したATPの量を分析出力の生成によ
り測定するが、その出力は標的核酸配列の存在または非存在を示すものである。
【0205】 これらの反応にはコウボ、ウシまたは他のNDPKを用いることができるが、
Pfu NDPKのような熱安定性のNDPKを、熱安定性脱重合酵素、例えば
Tne 3重突然変異DNAポリメラーゼ(後に記載)、Bst DNAポリメ
ラーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼおよびTv
u DNAポリメラーゼと共に、約50℃〜約90℃の反応温度で用いるのが好
ましい。これらの熱安定性酵素を上記温度で使用することで、方法の感度が高く
なる。
【0206】 Tne 3重突然変異DNAポリメラーゼはWO96/41014に詳述され
ており、その開示内容は参照により本出願に組み込まれ、そしてその610残基
のアミノ酸配列はその記載中に配列番号35として提示されている。この酵素は
Tne M284(D323A,D389A)としてWO96/41014に記
載されている。
【0207】 簡単に言えば、この酵素は好熱性ユーバクテリウムThermotoga n
eapolitana(ATCC 49049)によりコードされるポリメラー
ゼの3重突然変異体である。天然の配列のアミノ末端の283残基は欠失してお
り、天然の配列の323および389位のアスパラギン酸残基はこの組み換え酵
素ではアラニン残基に置き換えられている。即ちこの組み換え酵素は天然の酵素
の欠失および置き換えによる突然変異体である。
【0208】 アミノ末端の配列の欠失により天然の酵素の5’エキソヌクレアーゼ活性がな
くなり、2個のアスパラギン酸残基の置き換えにより、その存在がエキソヌクレ
アーゼ活性を促進するマグネシウム結合部位がなくなっており、そしてこの3重
突然変異体はまた組み換え天然酵素と比較して3’エキソヌクレアーゼ活性を示
さない。この3重突然変異酵素は97.5℃での半減期は66分であるのに対し
、全長の組み換え酵素はその温度で半減期は僅か5分である。
【0209】 NDPKの関与する反応は約0.01〜0.50μMのADP、好ましくは、
約0.05μMのADPを含有する。種々の有用な緩衝液および他の反応成分は
他の個所に記載する。NDPKそのものはADPからATPへの所望の変換を触
媒するのに十分な量で存在する。20μLの脱重合反応から開始する典型的な試
験では、約0.1UのNDPKを使用する。
【0210】 より大量の反応体を使用する場合で、標的およびプローブの濃度がほぼ比例し
て高い場合、NDPKまたは記載した他の酵素の量は、20μLの反応で用いる
量に対して同様の高い比率で使用することができる。実際、20μLの反応は約
2倍縮小したり、約20のファクターで拡大することができる。 B.NADH検出 NADH検出系において、2種の酵素、ホスホグリセレートキナーゼおよびグ
リセルアルデヒドホスフェートデヒドロケナーゼの組み合わせを用いてATPの
存在下NADHからのNADの形成を触媒する。NADHは蛍光を有し、NAD
は有していないため、ATPは蛍光強度の損失として測定される。NADHに基
づくATPの測定の例は米国特許4,735,897、4,595,655、4
,446,231および4,743,561、および英国特許出願2,055,
200に開示されており、これら全ては参照により本明細書に組み込まれる。 C.質量スペクトル分析 本発明の1つの方法において、放出されたヌクレオチドの存在は質量スペクト
ル測定により分析する。質量スペクトル測定を用いる本発明法の1つの実施態様
において、処理された反応混合物は、放出された識別子ヌクレオチドの分子量範
囲における処理された反応混合物の全ての成分が測定されるような方法でイオン
化される。分子量のきわめて小さい差も質量スペクトルによる方法を用いれば検
出できる(同じ原子の異なる同位体を検出できる)ため、識別子ヌクレオチド中
の1原子置換(例えば水素原子の代わりにフッ素、または、重水素原子による水
素原子の置き換え)を含む天然核酸からの如何なる変異も、検出可能な差を与え
る。本発明の方法で用いる核酸類縁体は核酸プローブのハイブリダイゼーション
およびハイブリダイズされたプローブの脱重合の何れも妨害してはならない。
【0211】 更にまた、質量スペクトル測定はここのヌクレオチドまたはヌクレオシドの間
を識別できる。例えば、本発明で用いる3’−識別子ヌクレオチドがGヌクレオ
チドであった場合、質量スペクトル測定を用いて、本発明の方法においてそのG
ヌクレオチドの放出を検出することができる。同様に、質量スペクトル分析は、
A,TまたはCヌクレオチドの放出を、これらの化合物の原子量の差に基づいて
検出することができる。即ち、本発明の多重実施態様において、質量スペクトル
測定を用いてこれらの3’−識別子ヌクレオチド1つ以上の存在を解析すること
ができる。
【0212】 本実施態様の特に有用な特徴において、DIOS(ケイ素上脱着/イオン化)
と称される質量スペクトル法が最近Wei et al.,Nature,39
9:243(1999)において報告されており、これは特殊な多孔質のケイ素
試料ウェルを使用した市販の質量スペクトル分析器を用いてピコグラムまたはア
タグラムの量で単一または複数の試験を正確に行うことができる。それ以前のよ
く知られたMALDI質量スペクトル分析法もまた利用することができる。
【0213】 質量スペクトル測定を用いる多重方法の1つの実施態様において、複数の異な
る識別子ヌクレオチドを種々の核酸プローブにおいて用いることができる。この
ような技法を用いることにより、異なる識別子ヌクレオチドの存在は核酸標的配
列の存在の直接の証拠となる。 D.蛍光スペクトル分析 種々の蛍光検出法をここでは用いることができる。意図される方法の一例では
、識別子ヌクレオチドは蛍光標識を含む。識別子ヌクレオチドは識別子ヌクレオ
チドの放出の前または後に蛍光標識されることができる。ヌクレオチドが蛍光標
識される1つの実施態様において、分析出力は蛍光スペクトル測定により得られ
る。ヌクレオチドを蛍光標識する別の実施態様においては、分析出力は質量スペ
クトル測定により得られる。
【0214】 本発明の好ましい実施態様において、蛍光標識はヌクレオチドの蛍光類縁体の
部分である。蛍光ヌクレオチド類縁体は広範に知られており、幾つかの入手元よ
り購入できる。入手元の例は、NEN(商標名)Life Science P
roducts(Boston,Massachusetts)であり、ここか
らはフルオレセイン、クマリン、テトラメチルローダミン、ナフトフルオレセイ
ン、ピレン、Texas Red(登録商標)およびLissamine(商標
名)で標識されたジデオキシ、デオキシおよびリボヌクレオチド類縁体が得られ
る。他の入手元はAmersham Pharmacia Biotech(U
ppsala,Sweden;Piscataway,New Jersey)
およびMBI Fermentas,Inc.(Amherst,New Yo
rk)である。
【0215】 蛍光標識および蛍光スペクトル分析を用いることの好都合な点は、複数の異な
る標識が存在する点である。このような異なる標識は本発明の多重実施態様にお
いて特に有用である。放出された識別子ヌクレオチドとして特定の蛍光標識ヌク
レオチド類縁体を検出することにより核酸標的が存在するかを推定できるように
、異なる蛍光標識を異なるプローブにおいて使用する。
【0216】 例えば、フルオレセインは488nmの励起波長および520nmの発光波長
を有するが、ローダミン(テトラメチルローダミンの形態)は550nmの励起
波長および575nmの発光波長を有する。蛍光検出器は励起光源と発光検出器
を与える。520nmと575nmの発光波長は蛍光スペクトル測定により容易
に識別できる。
【0217】 1分子単位では、蛍光スペクトル測定は吸光度スペクトル測定より約10倍感
度が高い。単一のチューブ、フローセルおよびマルチウェルプレート用など、蛍
光値を読み取るための極めて多くの種類の蛍光スペクトル測定による検出器が市
販されている。例えば、Labsystems Multiskan型のマイク
ロプレートリーダーは広範に入手でき、スペクトル範囲400〜750nm、フ
ィルターは340,405,414,450,492,540,620および6
90nmを用いることができる(例えばFisher Scientific,
Pittsburgh,Pennsylvaina)。
【0218】 放出された識別子ヌクレオチドは市販の試薬を用いて当該分野でよく知られた
交差結合化学を用いて脱重合の前または後に標識することができることが意図さ
れる。例えばフルオレセインイソチオシアネートおよびローダミンBイソチオシ
アネートは共にAldrich Chemical Company(Milw
aukee,Wisconsin)から入手できる。生物学的分子を標識する際
のフルオレセインイソチオシアネートの使用についての文献はNature,1
93:167(1962),Methods Enzymol.26:28(1
972),Anal.Biochem.,57:227(1974),Proc
.Natl.Acad.Sci.,U.S.,72:459(1975)を含む
【0219】 本発明の多くの実施態様について、放出された蛍光識別子ヌクレオチドをプロ
ーブのようなオリゴヌクレオチドに結合したものと分離することが有用であるこ
とが意図される。即ち、このような実施態様では当該分野でよく知られ上記した
分離技法、例えば蛍光検出器付きHPLC等が有用である。他のスペクトル測定
法と比較して蛍光の感度が高いことにより本発明の検出または定量の方法の感度
を高めることができる。 E.吸光度スペクトル分析 吸光度スペクトル分析工程は分析出力を得るものとして意図されており、これ
により放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在を測定でき、そして、
上記核酸標的配列の存在または非存在を示すことができる。本実施態様は、ハイ
ブリダイズされた核酸の3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を
有する酵素の脱重合量で処理されている反応混合物のクロマトグラフィー的分離
を意図している。
【0220】 例示される実施態様において、試料中の幾つかの異なる核酸標的配列の存在を
調べる多重試験を吸光度スペクトル測定により行う。種々の核酸標的配列に対す
る幾つかの標識されたプローブを核酸試料に添加する。プローブ上の標識は各プ
ローブごとに異なる種々のヌクレオチド類縁体であることができる。クレノーe
xo−のような脱重合酵素を添加し、3’−末端ヌクレオチドがマッチする場合
に標的配列にハイブリダイズされたプローブの3’−末端から標識されたヌクレ
オチドおよび他のヌクレオチドを遊離させる。
【0221】 反応溶液は予め平衡させておいた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カ
ラムに付し、天然のヌクレオチドからヌクレオチド類縁体を分離する条件下に溶
離する。ヌクレオチド、塩基およびヌクレオシドのクロマトグラフィー分離に有
用な媒体は逆相C18カラムまたはODS−80TMまたはODS−120T
TSK−GEL(TosoHaas, Montgomeryville,Pe
nnsylvania)、アニオン交換媒体、例えばDEAE−25SWまたは
SP−25W TSK−GEL(TosoHaas,Montgomeryvi
lle,Pennsylvania)、またはアフィニティー媒体、例えばBo
ronate−5PW TSK−GEL(TosoHaas,Montgome
ryville,Pennsylvania)である。実施例20はHPLCを
用いた本発明の実施態様を説明するものである。
【0222】 HPLCカラムには吸光度検出器を取りつけてカラムの溶出物をモニタリング
する。したがって、この種の分析用の「吸光度スペクトル測定」となる。ヌクレ
オチドのHPLC検出をモニタリングするための典型的な波長は250nm,2
60nmおよび280nmである。このようなヌクレオシドおよびヌクレオチド
の類縁体の分離は当該分野でよく知られている。Revich et al.,
J.Chromatography,317:283−300(1984)、お
よび、Perrone & Brown,J.Chromatography,
317:301−310(1984)はdNTPのHPLC分離の例を示してい
る。
【0223】 分離されたヌクレオチド類縁体の識別は同じ条件下、同じHPLCカラム上で
分離されたヌクレオチド類縁体の標品の保持時間(種々の時間における溶出物の
吸光度によりモニタリングした場合)を比較することにより行なうことができる
。あるいは、異なる画分中に採取されたヌクレオチド類縁体の同一性(カラム溶
出液の吸光度を連続的にモニタリングして測定した場合)は核磁気共鳴または元
素分析(H,C,N)のような他の標準的な分析方法により測定できる。
【0224】 クレノーexo−により脱重合する本例においては、特定のプローブから放出
された識別子ヌクレオチドの存在はそのプローブとハイブリダイズする標的配列
の存在を示している。
【0225】 別の実施態様において、脱重合反応混合物から放出されたヌクレオチドはカラ
ム溶出液のモニタリングのための吸光度検出器の取りつけられたガスクロマトグ
ラフィーにより分離される。 カップリングされた反応 一部の実施態様においては、特定の上記反応は1段階反応として行なうことが
できる。「1段階反応(single pot reaction)」とは触媒
活性を有する酵素少なくとも2種(即ちE1およびE2)が同じ反応混合物中に
存在し、基質1種以上(即ちS1およびS2)に対して作用する反応である。一
部の実施態様において、酵素により触媒される反応は同時に起こり、即ち、E1
がS1に対して作用し、そしてE2がS2に対して作用する。或いは、E1およ
びE2により触媒される反応は段階的またはカップリングされた態様(例えばE
1がS1に作用して中間体S2iを生じ、そして次にE2がS2iに作用する)で
起こり得る。当然ながら、更に別の実施態様においては、このようなカップリン
グされた反応がやはり本質的に同時に起こり得る。
【0226】 1段階反応において本発明の酵素の組み合わせまたは混合物を用いることがで
きるという能力は、本発明を用いて達成される核酸検出の極めて低い濃度に鑑み
た場合、予測できなかったことである。この低濃度の検出は一部の酵素を最適条
件未満で使用した場合でも可能である。前述した通り、ルシフェラーゼの阻害を
最小限にするためにピロホスホロリシス反応において用いるPPiの濃度を最適
化することが必要であることが解かった。従って、NMP−、dNMP−、NT
P−、dNTP−およびATP−生産反応の一部を反応生成物の精製を行なうこ
となくルシフェラーゼ検出のためのL/L試薬に直接添加することができる。ル
シフェラーゼ反応は反応の成分により悪影響を受けたり、その他クエンチングさ
れることはない。この望ましい特徴により、時間と手間を最小限に押さえつつ自
動化と高いスループットの分析が可能となり、そして、全体的な検出スキームの
設計において多大な柔軟性が得られるのである。しかしながら、本発明は如何な
る特定の反応条件、試薬または実施態様にも制限されることを意図しない。
【0227】 一部の好ましい実施態様においては、dNTPを生成するピロホスホロリシス
反応およびNTPまたはdNTPをATPに変換するNDPK触媒反応は上記実
施態様においては核酸ポリメラーゼ緩衝液中の1段階反応において行なわれる。
NDPK活性はポリメラーゼ緩衝液の条件がNDPK活性のためには最適未満で
あった場合でも、dNTPからATPへの変換に十分である。
【0228】 ポリメラーゼ酵素およびNDPKは共に反応において初期より存在することが
できるか、またはNDPKはNTPまたはdNTPの生成のために十分なインキ
ュベーション時間の後に反応に直接添加することができる。或いは、核酸ポリメ
ラーゼおよびNDPKを上記した反応に用いるための同じ容器または混合物中に
準備することもできる。混合物は好ましくは、核酸、ピロホスフェートおよびA
DPの存在下にATPの生成を触媒するのに十分な濃度で核酸ポリメラーゼおよ
びNDPKを含有する。
【0229】 好ましくはポリメラーゼは約0.1〜100U/反応(ここでUとは単位を意
味する)の濃度、最も好ましくは約0.5U/反応の濃度で準備する.好ましく
は、NDPKは0.1〜100U/反応、最も好ましくは約0.1U/反応の濃
度で準備する。更に好ましい実施態様においては、混合物は実質的に夾雑ATP
を含有しない。
【0230】 同様に、PRPP合成酵素およびNDPK反応はPRPP合成酵素緩衝液中1
段階反応で行うことができる。ここでもまた、これらの実施態様において、ND
PK活性はNDPK活性に対する条件が最適未満であっても十分である。
【0231】 遊離のNMPおよびdNMPを含有するヌクレアーゼ消化試料は、PRPP合
成酵素およびNDPKを予め含有している反応混合物に添加するか、または、P
RPP合成酵素反応に添加した後に、NDPK含有反応混合物に添加してもよい
。一例として、特定の好ましい緩衝液および反応成分を実施例に記載する。しか
しながら、本発明は特定の緩衝液または反応成分には限定されないことを意図し
ている。
【0232】 PRPP合成酵素およびNDPKは上記した反応において用いる同じ容器また
は混合物中に準備することができる。混合物は好ましくはPRPPおよびADP
の存在下のATPの生成を触媒するのに十分な濃度でPRPP合成酵素およびN
DPKを含有する。好ましくは、NDPKは0.1〜100U/反応、最も好ま
しくは約0.1U/反応の濃度で準備する。好ましくは、PRPP合成酵素は0
.001〜10U/反応、最も好ましくは約0.01U/反応の濃度で準備する
。増幅が望まれる場合は、PRPP合成酵素反応を熱不活性化することが好まし
く、そのようにしない場合PRPP合成酵素が添加されたAMPをATPに変換
する。
【0233】 ピロホスホロリシス反応および増幅反応もまた1段階反応で行なうことができ
る。この1段階反応においては、ポリ(A)ポリメラーゼまたは何らかの適当な
鋳型依存性のポリメラーゼ、例えばAMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、D
NAポリメラーゼαまたはβ、Taq ポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、T
neポリメラーゼ、Tne3重突然変異ポリメラーゼ、Tvuポリメラーゼ、A
thポリメラーゼ、E.coil DNAポリメラーゼI、T4 DNAポリメ
ラーゼ、クレノー断片、クレノーエキソマイナス、または、ポリ(A)ポリメラ
ーゼを用いることができる。
【0234】 一部の実施態様においては、AMPをADPに変換するための第1の酵素がミ
オキナーゼ(例えばアデニレートキナーゼ)またはNMPKであり、そして別の
実施態様においては、ADPをATPに変換するための第2の酵素がピルベート
キナーゼまたはNDPKであることができる。更にまた、好ましい実施態様にお
いては、反応は供給されたAMPで行う。特に好ましい実施態様においては、ア
ピラーゼ処理AMPを用いて夾雑ADPおよびATPによるバックグラウンドを
低減する。好ましくは、1U/μLアピラーゼ1μLを10mM AMP19μ
Lに添加し、その後、室温で30分間インキュベートし、更に70℃で10分間
インキュベートすることによりアピラーゼを熱不活性化する。
【0235】 高エネルギーホスフェート供与体もまた反応に添加する。好ましい実施態様に
おいては、ピルベートキナーゼを用いる場合は、PEPを添加する。他の好まし
い実施態様においては、NDPKを利用する場合は、dCTPを添加する。好ま
しくは、高エネルギーホスフェート供与体は必須ではないがポリメラーゼを予備
インキュベートした約15分後に添加する。これらの反応は以下の特徴を有する
。 反応5:
【0236】
【表5】 式中NAは核酸、XTPはヌクレオシドトリホスフェート(デオキシヌクレオシ
ドまたはリボヌクレオシドのトリホスフェートの何れか)であり、XDPはヌク
レオシドジホスフェート(デオキシヌクレオシドまたはリオヌクレオシドのジホ
スフェートの何れか)であり、そしてD−Pは高エネルギーホスフェート供与体
である。この反応により、dNTPからルシフェラーゼの好ましい基質であるA
TPが生成することになる。
【0237】 増幅反応は反応5に記載したとおり進行し、試料100μL中約1x10-12
モルの閾値ATP濃度が得られる。好ましくは、ポリメラーゼは約0.1〜10
0U/反応、最も好ましくは約0.5U/反応の濃度で準備する。好ましくは、
NDPKは0.1〜100U/反応、最も好ましくは約0.1U/反応の濃度で
準備する。好ましくは、混合物には夾雑ATPは実質的に存在しない。 プローブ媒介特異的核酸検出 脱重合反応を用いて核酸中の特定の塩基の同一性を調べることができる。例え
ば、核酸中の1塩基点突然変異、欠失または挿入の同一性は以下のとおり測定す
ることができる。
【0238】 1つの実施態様においては、点突然変異を含む、または含むことが疑われる標
的核酸に実質的に相補的な核酸プローブを合成する。ハイブリダイゼーションが
起こる際のストリンジェンシーを変えるために種々のハイブリダイゼーション条
件を用いることができる。すなわち、使用する系に応じて、プローブの相補性を
変化させることができる。プローブの長さ、GC含量、および、ハイブリダイゼ
ーション条件のストリンジェンシーに応じて、プローブは標的核酸と10個まで
、好ましくは5個未満の塩基のミスマッチを有することができる。最も好ましく
は、プローブは標的核酸と1個のみの塩基のミスマッチを有するか、または、標
的核酸に対して完全に相補的である。
【0239】 核酸プローブは一本鎖核酸(例えばDNAまたはRNA)を含有する。プロー
ブは様々な長さのものであることができ、好ましくは約10〜100塩基、最も
好ましくは約10〜30塩基であることができる。特に好ましい実施態様におい
ては、プローブは核酸プローブの調査位置と3’エンドの間の全ての塩基におい
て標的と相補的である。
【0240】 好ましい実施態様において、プローブは調査位置に所定のヌクレオチドを有す
るように設計される。相補的なプローブの塩基が標的核酸に対形成するか、ハイ
ブリダイズする場合、調査位置の塩基は、塩基対形成が起こるような条件下にそ
の同一性を調べる核酸標的における塩基と並置する。調査位置はプローブ内で変
化することができることを意図している。例えば、一部の好ましい実施態様にお
いては、調査位置は好ましくは核酸プローブの3’エンドの10塩基内にある。
更に別の好ましい実施態様においては、調査位置は核酸プローブの3’エンドの
6塩基内にある。特に好ましい実施態様においては、調査位置は、核酸プローブ
の3’−末端の最後から2番目、または、最後の塩基にある。
【0241】 いくつかの好ましい実施態様においては、各々が調査位置において異なるヌク
レオチドを有するような、同じ長さの4種の異なるプローブを合成する。従って
、一部の実施態様においては、1セットのDNAプローブには、調査位置にデオ
キシアデノシン残基を有する第1のプローブ、調査位置にデオキシチミジン残基
を有する第2のプローブ、調査位置にデオキシグアノシン残基を有する第3のプ
ローブ、および、調査位置にデオキシシトシン残基を有する第4のプローブが含
まれることを意図する。同様に、1セットのRNAプローブには、調査位置にア
デノシン残基を有する第1のプローブ、調査位置にウリジン残基を有する第2の
プローブ、調査位置にグアノシン残基を有する第3のプローブ、および、調査位
置にシトシン残基を有する第4のプローブが含まれることも意図する。
【0242】 いくつかの実施態様の次の工程では、プローブを別々の反応において標的核酸
にハイブリダイズすることにより、プローブ核酸−標的核酸複合体を形成する。
ハイブリダイゼーション条件はプローブの長さおよび塩基組成に応じて変化する
ことができる。プローブ−標的核酸複合体において、調査位置のヌクレオチドは
核酸中の識別されるべき特定の塩基と並置される。1セットのプローブを用いる
実施態様においては、異なる反応を各々のプローブを用いて実施する。多重実施
態様においては、そのセットのプローブを同時に用いることができる。プローブ
は調査位置において相違があるため、プローブのうち1つのみが、調査位置に並
置される標的核酸の特定の塩基に対して相補的である。
【0243】 一部の実施態様の次の工程においては、核酸プローブ−標的核酸複合体は、プ
ローブの脱重合が可能な条件下、個別に反応させる。脱重合のための好ましい反
応条件は上記および後の実施例に記載する通りである。その後ヌクレオチドを検
出する。好ましい実施態様においては、反応4および後の実施例に記載するよう
に、反応混合物はXTPからATPへの変換を触媒するために必要な試薬も含有
する。一部の好ましい実施態様においては、脱重合反応により生成したヌクレオ
チドおよび/またはATPをその後ルシフェラーゼまたはNADH検出系の何れ
かで検出する。核酸標的中の相当する塩基に対する核酸プローブの調査位置にお
ける塩基の相補性は脱重合後にATPから生じたシグナルの検出により調べる。
【0244】 特に好ましい実施態様においては、特定の塩基の同一性は各反応において生成
したATPの量を比較することにより調べる。プローブの脱重合はその3’−末
端から進行する。調査位置における塩基が核酸の特定の塩基に相補的でない場合
、生成するATPは極めて少ないか、全くなく、このためシグナルは発生しない
。別の実施態様においては、この方法は1〜4個のプローブを用いて実施するこ
とができる。正のシグナルが発生する(例えば試験した第1のプローブを用いた
場合)場合には複数のプローブ(例えば各々が調査位置に異なる塩基を有するも
の)を利用することが必要でありえることも意図している。
【0245】 更に別の好ましい実施態様においては、本発明のプローブ媒介特異的核酸検出
法を用いて目的の核酸を単純に識別または検出することができる。この方法のた
めには、RNAまたはDNAであることができる標的核酸に実質的に相補的な核
酸プローブ(例えばDNAまたはRNA)を用いる。特に好ましい実施態様にお
いては、核酸プローブは標的核酸に対して完全に相補的である。核酸プローブは
一本鎖核酸(例えばDNAまたはRNA)を含有する。プローブは様々な長さを
有することができ、好ましくは約10〜約1000塩基、最も好ましくは約10
〜約100塩基の長さを有する。検出は前述した通り行なうことができる。核酸
プローブ−核酸標的複合体はXTPの生成をもたらすようなプローブの脱重合を
可能にする条件に曝露する。目的の核酸の検出は生成されたXTPにより発せら
れるシグナルの相違により特性化される。好ましくは、XTPは前述した通りA
TPに変換され、そして、ATPはルシフェラーゼまたはNADH検出系により
検出される。
【0246】 別の実施態様において、標的核酸における損傷の存在または非存在を検出する
ことができる。損傷は野生型標的核酸における挿入突然変異または欠失突然変異
の何れかであってよい。野生型標的核酸は核酸プローブがハイブリダイズできる
相補性の領域を含んでいる。即ち、野生型標的核酸の相補性の領域は、核酸プロ
ーブの5’エンドおよび3’エンドにより定義される。相補性の領域が損傷を含
んでいる場合は、核酸プローブは標的核酸になおハイブリダイズするが、そのハ
イブリダイゼーションは部分的のみである。損傷の大きさおよび性質に応じて、
プローブの5’エンドまたは3’エンドの何れかが標的核酸にハイブリダイズす
るか、または、ループの存在により特徴付けられるハイブリダイゼーション構造
が形成される。これらの場合の各々において、脱重合は回避される。好ましくは
、検出されるべき損傷がプローブの3’エンドから約10塩基未満、好ましくは
約6塩基未満に開始するように核酸プローブを設計する。核酸プローブは一本鎖
核酸(例えばDNAまたはRNA)を有する。プローブは様々な長さを有するこ
とができ、好ましくは約10〜約1000塩基、最も好ましくは約10〜約10
0塩基の長さを有する。
【0247】 損傷を有する核酸の検出は生成されたXTPから発せられるシグナルの相違に
より特徴付けされる。好ましくは、XTPは前述した通りATPに変換され、そ
して、ATPはルシフェラーゼまたはNADH検出系により検出される。
【0248】 本発明のプローブ媒介特異的核酸検出法により生成したシグナル(分析出力)
の増大は新しいサイクル法により具現化されることを意図する。本発明のこの実
施態様において、相互に相補的であり、それらが相互にハイブリダイズする際に
各エンドに3’オーバーハングを有するような2つのプローブを設計する。好ま
しい実施態様において、3’オーバーハングが1塩基オーバーハングであるよう
にプローブを設計する。別の実施態様においては、プローブはまた標的核酸にハ
イブリダイズできる。特に好ましい実施態様においては核酸の3’エンドから作
用し、3’オーバーハングを認識しないポリメラーゼ、例えばクレノーexo−
を用いて脱重合反応を行なう。
【0249】 好ましい実施態様において、反応の第1工程ではポリメラーゼの存在下および
上記した脱重合を可能にする条件下で、プローブのうちの1つの過剰量の標的核
酸へのハイブリダイゼーションを行なう。一部の実施態様においては、3’オー
バーハングが存在せず、脱重合反応はプローブの3’エンドから進行する。一部
の実施態様においては、プローブ−標的核酸複合体を加熱することにより標的核
酸からプローブを分離することにより反応を停止する。平均して、標的核酸に結
合しているプローブからは僅か1個の塩基が除去され、そして短くなったプロー
ブの画分が生じる。
【0250】 第2工程において、過剰量の第2のプローブを反応に添加する。質量作用の法
則により、第1工程で生成した短くなったプローブは新しく添加した相補プロー
ブに結合しようとする傾向を有するのに対し、短くなっていないプローブは標的
核酸に結合する。相補プローブに結合する短くなったプローブは一端で3’オー
バーハングを有さない複合体を生成し、そして脱重合される。このことが脱重合
反応に利用される基質の量を効率的に倍化する。工程1および2は所望の水準の
検出が達成されるまで更に反復することができる。別の好ましい実施態様におい
て、反応は上記した通りNDPKとカップリングされ、ルシフェラーゼによる、
またはNADHによる試験系により検出可能なATP等価物を生成する。
【0251】 核酸中の特定の塩基の同一性を調査できる能力はまた、異なる種、または異な
る対立遺伝子の場合でも、それに由来する核酸間の識別を可能にする。関連また
は無関連の種の核酸間の検出識別能力はまた、所定の核酸含有試料内に含まれる
種の識別を可能にする。例えば、幾つかの関連する細菌のうちどの種が試料(例
えば臨床試料、環境試料または非ヒト動物由来試料)中に含有されているかを調
べるために方法を用いることができる。
【0252】 この方法の好ましい実施態様において、少なくとも2種の種または対立遺伝子
に由来する実質的に同一の配列を有する核酸を検出する。同一性の領域(標的核
酸配列)は少なくとも1箇所の所定の位置内に種間または対立遺伝子間の1ヌク
レオチドミスマッチ少なくとも1つを含み、そして、識別すべき各種に独特の核
酸配列の3’エンドおよび5’エンドまたは識別部を含む。
【0253】 次に、一部の実施態様においては、同一性の領域に実質的に相補的なRNAま
たはDNAプローブを合成する。プローブは様々な長さを有することができ、好
ましくは約10〜約1000塩基、最も好ましくは約10〜約100塩基の長さ
を有する。上記した通り、この相補的プローブは調査位置を含んでいる。
【0254】 調査位置はプローブ内で変化できる。例えば調査位置は好ましくは核酸プロー
ブの3’エンドの10塩基内にある。より好ましくは、調査位置は核酸プローブ
の3’エンドの6塩基内にある。最も好ましくは、調査位置は核酸プローブの3
’エンドの最後から2番目または最後の塩基にある。
【0255】 核酸プローブは、調査位置の塩基が一方の種または対立遺伝子の所定の位置に
おけるヌクレオチドには相補的であるが、他方に対してはミスマッチのためにそ
うではないように設計する。同様に、第2のプローブは、第2の種または対立遺
伝子の所定の位置のヌクレオチドに対して調査位置で相補的であるように合成す
ることができる。
【0256】 この同じ操作法は所定の試料内の複数の種の存在または非存在を確認するため
に用いることができる。これらの実施態様において、必要とされるものは塩基ミ
スマッチを含む種間の実質的に同一の配列の識別、または、識別すべき各種に独
特の核酸配列の識別であるのみである。同様に、本操作法はある試料中の遺伝子
座における対立遺伝子の数の定量的分析のために使用できる。適切な内部または
外部対照群に対する相対値として分析出力の量を比較することにより、遺伝子座
における対立遺伝子の数を測定できる。これらの比較対照量は、ある試料中の一
方の対立遺伝子の他方に対する比vs対照試料中の同じ比の値として表示するこ
とができる。この方法により、異型接合性またはトリソミーの損失のような事象
を検出することができる。
【0257】 例えば、正常な異型接合対照群は異型接合体を形成する2つの対立遺伝子に関
して約1:1の比を有する。すなわち、異型接合体の各対立遺伝子は、核酸プロ
ーブを用いてその対立遺伝子の存在を検出する際に、検出することができる。第
1位および第2の対立遺伝子を検出する際の識別子ヌクレオチドの放出により得
られる分析出力の量を比として表示する場合、第1および第2の対立遺伝子の相
対量はその遺伝子座において異型接合である試料の場合とほぼ同様となる。試料
が異型接合性を失った場合、2つの対立遺伝子のうちの一方が検出されなくなる
。第1の対立遺伝子が失われた場合、第1の対立遺伝子に対する核酸プローブを
用いて試料を試験する場合には、第1の対立遺伝子は試料中に検出されなくなる
。しかしながら、第2の対立遺伝子は既知の異型接合対照試料中に存在するもの
と同様の量で存在し、このため、第2の対立遺伝子に対する核酸プローブを用い
て試料の試験を行なうことで分析出力が得られる。第1の対立遺伝子の異型接合
性の損失を有する試料に関する第1および第2のの対立遺伝子の分析出力の量を
比として表す場合、その比は約0:1となり、第1の対立遺伝子が存在しないこ
とを示している。逆に、第2の対立遺伝子が失われた場合、第1および第2の対
立遺伝子に関する分析出力の量の比は約1:0となり、第2の対立遺伝子が存在
しないことを示している。
【0258】 対立遺伝子のトリソミーの存在は同様の様式で検出される。トリソミーの場合
、第1および第2の対立遺伝子に関して4通りの結果が考えられる。トリソミー
は第1の対立遺伝子に関しては同型接合性であることができ、この場合、第1の
対立遺伝子の3コピーが存在し、第2の対立遺伝子のコピーは存在しない。即ち
、第1および第2の対立遺伝子に関する分析出力の量の比は3:0となる。トリ
ソミーが第2の対立遺伝子に対して同型接合性である場合は、第2の対立遺伝子
の3コピーが存在する。第1および第2の対立遺伝子に関する分析出力の量の比
は0:3となる。2通りの場合の異型接合性トリソミー、即ち、対立遺伝子1の
2コピーおよび対立遺伝子2の1コピー、または、対立遺伝子1の1コピーおよ
び対立遺伝子2の2コピーが可能である。これらの2通りの異型接合性トリソミ
ーの結果は、好ましくは既知の異型接合性の対照試料との比較において、第1お
よび第2の対立遺伝子に関する分析出力の量のの比を測定することにより検知で
きる。比が2:1である場合は、異型接合性トリソミーが第1の対立遺伝子2コ
ピーおよび第2の対立遺伝子1コピーを有する。比が1:2である場合は、異型
接合性トリソミーは第1の対立遺伝子1コピーおよび第2の対立遺伝子2コピー
を有する。
【0259】 適切な対照群、例えば異型接合性対照群を用いることにより、異型接合性また
はトリソミーの損失を有することが疑われる試料の分析から得られる比を適切に
解釈できるようになる。
【0260】 いくつかの実施態様における次の工程において、各プローブを用いて個別の反
応を行なう。プローブを標的核酸にハイブリダイズしてプローブ核酸−標的核酸
複合体を形成する。プローブ核酸−標的核酸複合体において、プローブの調査位
置におけるヌクレオチドは核酸の所定の位置のヌクレオチドと並置され、これに
より塩基対形成が起こる。次にプローブ−標的核酸複合体を、その3’エンドか
らプローブの脱重合が起こるのを可能にする条件下に反応させる。
【0261】 脱重合のための好ましい条件(脱重合条件)は明細書に記載する通りである。
次いでヌクレオチドを検出する。一部の好ましい実施態様においては、反応4お
よび実施例に記載の通りヌクレオチドをATP等価物に変換する。好ましい実施
態様においては、ATPはルシフェラーゼまたはNADH検出系により検出する
【0262】 本発明の上記実施態様は、プローブの調査位置におけるヌクレオチドが種の核
酸の所定の位置におけるヌクレオチドに相補的である場合にのみ脱重合によりN
TPが生成されることから、異なる種または対立遺伝子に由来する核酸間の識別
を可能にする。上記した通り、調査位置における塩基が標的核酸の所定の位置に
おける塩基に相補的である場合にのみ多大な脱重合が進行する。ATP濃度を含
むNTP濃度は、ミスマッチが存在しない場合と比較して、ミスマッチが存在す
る場合に差が生じる。このような差を検出することができる(例えばATPまた
はNADH検出系の何れかによる)。
【0263】 本発明の意図する方法は核酸の試験において広範な用途を有する。一部の特徴
において、内因性核酸は特定の天然または突然変異の配列が存在するかしないか
を調べるために試験する。この種の分析は、核酸試料を採取する元となる対象の
遺伝的特徴を調べることから、場合により遺伝子タイピングと称される。種形成
、生物体の同一性、例えばヒト、イヌ、ニワトリ、ウシ等の識別は種特異的核酸
プローブ、例えばチトクロームBをコードする遺伝子の領域を選択するプローブ
を用いて調べることができる。
【0264】 意図する方法を用いて、例えばヒト患者が、Leiden V突然変異、突然
変異βグロビン遺伝子、デルタ508対立遺伝子の領域における嚢胞性繊維症関
連遺伝子、プロトロンビン遺伝子における突然変異、先天的副腎過形成、abl
遺伝子セグメントとともにbcr遺伝子の領域において生じる転位、THO1対
立遺伝子またはTPOX対立遺伝子に存在するもののような遺伝子における反復
配列の数、並びに、特定の癌において認められる特定の対立遺伝子の遺伝子座に
おける異型接合性の損失および対立遺伝子トリソミー等を有するかどうかを実例
として測定することができる。遺伝子タイピングはまた、コメ、ダイズまたはト
ウモロコシのような植物ゲノム、および、Campylobacter jej
uni,サイトメガロウィルス(CMV)またはヒト免疫不全ウィルス(HIV
)のような微生物ゲノムを試験することにより薬剤耐性株が試料中に存在するか
しないかを調べるためにも用いることができる。
【0265】 本発明の方法の1つの例示される用途において、商業的に意味のある植物のS
NPの検出を行なう。コメにおいて、アミロース含量は一般的にコメの加工およ
び調理時の品質を決定する最も重要な要因と考えられている。コメの澱粉合成酵
素のmRNA前の5’−リーダー配列におけるGT遷移はメッセージの通常のス
プライシングを変化させる。本発明の方法をもちいたコメ澱粉合成酵素SNPの
ような商業的に重要なSNPの信頼性ある経費効率の高い検出法は農業分野でも
重要な手段を与える。
【0266】 本発明の方法で用いるための核酸プローブの設計のために有用な適切な核酸標
的配列の決定は当業者の知るとおりである。遺伝子配列のデータベース、例えば
Genbankを用いて選択された核酸標的の独特性を確認することができる。
PCRプライマーを設計するための市販のソフトウエアを用いて本発明で使用す
るプローブの設計の一助とすることができる。 反復配列の測定 本発明の方法は核酸試料中の反復配列の存在を調べるために有用である。核酸
標的配列中に存在する反復既知配列は典型的には反復当たり2〜約24塩基の長
さを有する。ジ−およびトリヌクレオチドの反復が当該分野でよく知られている
。本方法の用途は1縦列反復(Single Tandem Repeat(S
TR))検出である。典型的には、標的核酸の異なる対立遺伝子は異なる数の反
復配列を有し、このため反復数の測定は遺伝子タイピングに有用である。このよ
うな方法は同一性の試験において法医学における重要な用途を有している。反復
既知配列数を測定するための方法は以下の通りである。
【0267】 既知反復配列複数を含む特殊な核酸プローブを設計して作成する。各プローブ
は核酸標的配列の配列に相補的な反復配列を異なる数だけ含んでいる。各プロー
ブは標的の反復領域の下流にある標的の非反復領域に相補的な5’−末端ロッカ
ー配列を有する。プローブは典型的には3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを
有するが、本明細書に記載したと下り、本発明の脱重合工程の間の3’−末端か
らのヌクレオチドの放出は、残存プローブの大きさにより別途確認することもで
きる。
【0268】 5’−末端ロッカー配列の使用は、反復領域に対して相対的にプローブの5’
−末端を固定する。即ち、例えばプローブが標的より少ない反復を有する場合、
これは反復領域全体に渡りどこにでもハイブリダイズできるわけではなく、反復
の最初のマッチする基にのみ合致する。本実施態様においては、プローブは標的
よりも短いが、標的配列に完全に相補的である。しかしながら、プローブが標的
より多い反復を有する場合は、プローブは隣接する非反復領域にまで伸長し、そ
の3’−末端領域でミスマッチとなる。
【0269】 場合により、既知の反復数(および種々のプローブへの応答のしかた)を有す
る標準核酸試料との比較により反復数を測定することが望ましい。他の例におい
ては、反復の数は、ATPに変換された放出ヌクレオチドの全ての発光スペクト
ル分析における光出力のような、放出されたヌクレオチドの数を示す、その縦(
x−)軸をプローブ中の反復数、そしてその横(y−)軸を分析出力として有す
るグラフの曲線の形により反復数を推定することができる。
【0270】 このようなグラフにおいて、例えば脱重合酵素が鋳型依存性のポリメラーゼま
たはexoIIIである場合、出力は、プローブが標的と同じかこれより少ない
反復を有する場合のほうが、プローブが標的より多い反復を有する場合の出力と
比較して、大きくなる。S−型の曲線はプローブの反復数が標的の反復数を超え
た後に最も急速に変化する。即ち、曲線の微分値はその時点で最大値となる。脱
重合酵素がミスマッチ基質から優先的にヌクレオチドを放出する場合も、プロー
ブが標的と同じか少ない反復を有する場合に出力が低値となること以外は、同様
の結果が得られる。
【0271】 即ち、既知配列の反復数を測定するための方法の好ましい実施態様において、
複数の個別に処理された試料を準備する。各々の試料は複数の既知の反復配列お
よび反復配列に対して標的の下流の非反復領域を含む核酸標的配列を含有する。
試料を上記核酸プローブにハイブリダイズする。
【0272】 処理された反応混合物は、各々の処理された試料を、ハイブリダイズされた核
酸プローブ−の3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵
素の脱重合量と混合することにより形成する。処理された反応混合物は酵素がハ
イブリダイズされた核酸プローブを脱重合し、識別子ヌクレオチドを放出するの
に十分な時間、維持する。
【0273】 試料は放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在に関して分析し、分
析出力を得る。そのプローブが標的核酸に存在するものと同じ数の配列反復を含
むような試料から得られる分析出力は核酸標的中に存在する配列反復数を示し、
これを測定した結果である。分析出力は、本発明の一般的方法に関して本明細書
に記載したとおり、残存プローブの可視化を含む、発光スペクトル測定、質量ス
ペクトル測定、蛍光スペクトル測定または吸光度スペクトル測定により得られる
【0274】 本発明の1つの特徴において、標的核酸は2つの対立遺伝子の反復配列の数に
関して同型接合である。本発明の別の方法においては、標的核酸は反復配列に関
して異型接合である。
【0275】 本発明の1つの実施態様において、識別子ヌクレオチドは反復配列を含む領域
の部分であるヌクレオチドである。本発明の別の方法においては、核酸プローブ
はさらに、プローブの反復配列の下流(3’側)に位置する第2の非反復配列を
有する。この第2の非反復配列はその反復配列の5’側の標的核酸に位置する非
反復配列に相補的である。本実施態様においては、プローブ配列の識別子ヌクレ
オチドが第2の非反復配列を含む領域の部分であることを意図している。即ち、
識別子ヌクレオチドは反復配列の3’側のプローブ中に位置する標的核酸の非反
復配列に相補的な1〜約20核酸を含む配列中に存在する。 ヘアピン構造を用いた試験 プローブはヘアピン構造を有さないように構築することが好ましいが、ヘアピ
ン構造を構築する試験も有用である。本発明の1つの実施態様は、実施例23に
記載するとおり、標的にハイブリダイズされ、その後ヘアピン構造を形成するこ
とができるように修飾されるプローブを用いて核酸試料中の核酸標的配列の存在
または非存在を測定するためのヘアピン構造の使用を意図する。本実施態様は以
下の工程を包含する。
【0276】 調査位置を有する核酸標的配列を含むと思われる核酸試料を含有する処理され
た試料を準備する。標的配列は、核酸試料中に存在する場合は、核酸プローブと
ハイブリダイズする。プローブは少なくとも2つの区分よりなる。第1の区分は
プローブの3’−末端の約10〜約30ヌクレオチドを含んでいる。これらのヌ
クレオチドは調査位置の約1〜約30ヌクレオチド下流から始まる位置の標的鎖
配列と相補的である。プローブの第2の区分はプローブの5’−末端領域に位置
し、そして、標的配列の約10〜約20ヌクレオチドを含んでいる。従ってこの
同じ配列は同じく5’から3’の方向に標的とプローブの両方に存在する。この
配列は、調査位置上またはその直ぐ上流(5’側)のヌクレオチドから、プロー
ブの3’−末端ヌクレオチドが標的にアニーリングする個所の直ぐ上流のヌクレ
オチドまでの、標的中領域に渡っている。0〜約50、好ましくは、0〜約20
個のヌクレオチド長で第1の区分とも第2の区分ともハイブリダイズしない配列
を有するプローブの任意の第3の区分がプローブの第1および第2の区分の間に
位置する。
【0277】 処理された試料中のプローブは、dNTPおよび鋳型依存性のポリメラーゼと
混合することにより、調査位置を少なくとも経由して、鋳型依存的な方法で伸長
され、これにより伸長されたプローブ/標的ハイブリッドを形成する。好ましい
実施態様においては、プローブ伸長の長さは、調査位置の上流に存在し、調査位
置の3’−末端に相補的なヌクレオチドの間には存在しない、標的配列のヌクレ
オチドに相補的なdNTPの伸長反応からの離脱により限定される。
【0278】 伸長されたプローブ/標的ハイブリッドは未反応のdNTPから分離され、即
ち、試料中の調査位置の存在または非存在または調査位置の塩基の同一性を測定
するための伸長されたプローブ鎖の使用のために少なくとも必要な水準まで、精
製される。伸長されたプローブ/標的のハイブリッドを変性して鎖を分離する。
伸長されたプローブ鎖はヘアピン構造を取ることができるようになる。
【0279】 伸長反応に有用なポリメラーゼ酵素は、鋳型非特異的な方法で3’−末端デオ
キシアデノシンを付加する活性の無い鋳型依存性のポリメラーゼであることが好
ましい。即ち、意図する伸長のためにはTaqのようなポリメラーゼ以外を用い
るのが好ましい。
【0280】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造含有組成物を、伸長されたプローブヘ
アピン構造の3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素
の脱重合量と混合することにより形成される。反応混合物は、脱重合酵素が3’
−末端ヌクレオチドを放出するのに十分な時間、脱重合条件下に維持され、その
後、放出された識別子ヌクレオチドの存在について分析される。分析出力は核酸
標的配列の存在または非存在を示す。その分析出力は本明細書に記載する通り測
定することができる。
【0281】 REAPER(商標名)と称され実施例24および図1に示されるもののよう
な、更に別の本発明の実施態様は、核酸試料中の核酸標的配列または標的配列内
の特定の塩基の存在または非存在を測定する際のヘアピン構造の使用を意図し、
以下の工程を包含する。第1の核酸プローブ鎖にハイブリダイズされた核酸標的
配列を含むと思われる核酸試料を含有する処理された試料を準備する(図1A)
【0282】 ハイブリッドは第1のハイブリッドと称する。第1のプローブは少なくとも2
つの区分よりなる。第1の区分は標的調査位置の下流約5〜約30ヌクレオチド
から始まる位置の標的核酸配列に相補的なプローブ3’−末端約10〜約30ヌ
クレオチドを含んでいる。第1のプローブの第2の区分は、調査位置から調査位
置の約10〜約30ヌクレオチド下流まで標的配列の反復である約5〜約30ヌ
クレオチドを含み、そして、プローブの第1の区分にはハイブリダイズしない。
即ち、第2の配列は、調査位置から下流に向かって第1のプローブの3’−末端
ヌクレオチドが標的と並置される位置まで標的配列の領域の反復である。プロー
ブの第1および第2の区分の間に位置するプローブの任意の第3の区分は、0〜
約50、好ましくは約20までのヌクレオチド長であり、第1および第2の何れ
かの区分とハイブリダイズしない配列を有する。
【0283】 処理された試料中の第1のハイブリッドを第1のプローブの3’−末端におい
て伸長することにより第1のプローブを調査位置を超えて伸長し、その配列が調
査位置を含む伸長された第1のハイブリッド(図1B)を形成する。伸長された
第1のハイブリッドは元の標的核酸および伸長された第1のプローブよりなる。
次に伸長された第1のハイブリッドを水性組成物中で変性することにより、ハイ
ブリダイズされた二本鎖の2本の核酸鎖を分離し、分離された標的核酸および分
離された伸長された第1のプローブを含有する水溶液を形成する。
【0284】 約10〜約2000、より好ましくは約10〜約200、最も好ましくは約1
0〜約30ヌクレオチド長であり、伸長された第1のプローブの調査位置の約5
〜約2000、好ましくは約5〜約200ヌクレオチド下流から始まる位置の伸
長された第1のプローブに相補的な第2のプローブを伸長された第1のプローブ
にアニールさせ、これにより第2のハイブリッドを形成する(図1C)。第2の
ハイブリッドは、伸長された第1のプローブの5’−エンドにその伸長が達する
まで、第2のプローブの3’−エンドにおいて伸長され、これにより、その3’
領域が識別子ヌクレオチドを含む第2の伸長されたハイブリッド(図1D)を形
成する。
【0285】 伸長反応に用いられるポリメラーゼ酵素は、鋳型非特異的様式で3’−末端デ
オキシアデノシンを付加する活性の無い鋳型依存性のポリメラーゼであることが
好ましい。即ち、意図する伸長のためにはTaqのようなポリメラーゼ以外を用
いることが好ましい。
【0286】 伸長された第2のハイブリッドの水性組成物を変性して2本の核酸鎖、すなわ
ち、伸長された第2のプローブおよび伸長された第1のプローブを分離する。こ
のようにして形成された水生組成物を冷却することにより、元の核酸試料中に標
的配列が存在する場合は、分離された伸長された第2のプローブ(図1E)から
「ヘアピン構造」が形成される。即ち、標的配列が元の核酸試料中に存在する場
合は、第2の伸長されたハイブリッドの第2の伸長されたプローブの3’−末端
配列は、調査位置および第2の伸長されたプローブの調査位置から下流の配列を
有する領域から、元の(最初に命名された)プローブの3’−末端ヌクレオチド
が元の標的にアニールされたヌクレオチドの位置まで、第2の伸長されたプロー
ブの配列とハイブリダイズする。
【0287】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造含有組成物を、核酸ハイブリッドの3
’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混
合することにより形成される。反応混合物は、3’−末端領域の識別子ヌクレオ
チドを放出するのに十分な時間、脱重合条件下に維持され、その後、放出された
識別子ヌクレオチドの存在について分析される。分析出力は核酸標的配列の存在
または非存在を示す。ここでもまた、分析出力は本明細書に記載するいくつかの
方法の1つにより測定することができる。
【0288】 前述した実施態様の場合と同様、dNTPを伸長反応に用いる。識別子ヌクレ
オチドの分析を容易にするためには脱重合よりも前にdNTPからヘアピン構造
を分離することが好ましい。 キット 本発明の他の実施態様は核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在または
非存在を測定するためのキットを意図する。このようなキットはハイブリダイズ
された核酸プローブの3’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有
する酵素および核酸プローブ少なくとも1つを含んでおり、その核酸プローブは
核酸標的配列に相補的である。キットは場合により更にヌクレオシドジホスフェ
ートキナーゼを包含する。好ましくは、ヌクレオシドジホスフェートキナーゼは
Pyrococcus furiosisによりコードされるものとする。キッ
トは場合により更に脱重合により上記核酸を検出するための取り扱い説明書を包
含する。好ましくは、キットに含まれるヌクレオチド放出活性を有する酵素は、
ピロホスフェートイオンの存在下、その3’−末端領域の塩基が全体的な相補性
でマッチするハイブリダイズされた核酸を脱重合する鋳型依存性のポリメラーゼ
である。或いは、キットに含まれるヌクレオチド放出活性を有する酵素は、3’
から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの
3’−末端においてミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイズされた核酸
を脱重合する。
【0289】 このようなキットは本発明の方法の何れに対しても有用であるものと認識され
るべきである。特定の成分の選択は、実施するためにキットを設計する特定の方
法により異なる。識別子ヌクレオチドの放出により測定されるか、または、脱重
合後に残存するプローブの検出による、分析出力の検出のための別の要素も準備
することができる。例えば、3’−末端領域から識別子ヌクレオチドを放出させ
たプローブを検出するために臭化エチジウムを本発明のキットに供給することが
できる。
【0290】 このようなキットに含まれる取り扱い説明書はユーザーに対し、本発明の種々
の方法を実施するためにどのようにしてキットの要素を使用するかを指示する。
このような取り扱い説明書は、発行スペクトル測定、質量スペクトル測定、蛍光
スペクトル測定および吸光度スペクトル測定による検出を包含する本発明の検出
方法の説明を含むことができる。
【0291】 別の実施態様においては、本発明は、以下の要素:ハイブリダイズされた核酸
プローブからヌクレオシドトリホスフェートとして識別子ヌクレオチドを放出す
るピロホスフェート存在下の活性を有する酵素;アデノシン5’ジホスフェート
;ピロホスフェート;ヌクレオシドジホスフェートキナーゼ;および少なくとも
1つの核酸プローブを包含する核酸試料中の所定の核酸標的配列少なくとも1つ
の存在または非存在を測定するためのキットを意図し、ここで核酸プローブは所
定の核酸標的配列に相補的である。
【0292】 好ましくは、ピロホスフェートの存在下に識別子ヌクレオチドを放出する活性
を有する酵素は、Tne3重突然変異DNAポリメラーゼ、クレノーexo−,
クレノー、T4 DNAポリメラーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Taq
DNAポリメラーゼおよびTvu DNAポリメラーゼよりなる群から選択され
る。好ましくは、ヌクレオシドジホスフェートキナーゼはPyrococcus
furiosisによりコードされるものである。
【0293】 キットは場合により取り扱い説明書を包含する。 別の実施態様においては、本発明は、ハイブリダイズされた核酸プローブの3
’−末端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素および取り扱い
説明書を包含する、核酸試料中の所定の核酸標的配列の存在または非存在を測定
するためのキットを意図する。このようなキットは場合によりヌクレオシドジホ
スフェートキナーゼを包含する。好ましくは、ヌクレオシドジホスフェートキナ
ーゼはPyrococcus furiosisによりコードされるものである
。キットは更に所定の核酸標的配列に相補的な核酸プローブを包含する。
【0294】 本発明の別の実施態様において、核酸検出試験キットは、本発明により意図さ
れる脱重合法、特に脱重合検出法を実施するために提供される。 1つの実施態様においては、キットは、Taqポリメラーゼ、Tneポリメラ
ーゼ、Tne3重突然変異ポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、Tvuポリメラ
ーゼ、Athポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、クレノー断片、クレノ
ーエキソマイナス、E.coil DNAポリメラーゼI、AMV逆転写酵素、
MMLV逆転写酵素またはポリ(A)ポリメラーゼを包含する、ピロホスホロリ
シスを触媒することのできる酵素の入った容器を包含する。別の実施態様におい
ては、キットはS1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼBAL 31、タチナタマメヌ
クレアーゼ、エキソヌクレアーゼIIIおよびリボヌクレアーゼHのようなエキ
ソヌクレアーゼを含有する容器を包含する。
【0295】 上記した酵素の種類の何れも、脱重合有効量で意図する方法中用いられる。即
ち、酵素は、ハイブリダイズされたプローブを脱重合して識別子ヌクレオチドを
放出するような量で用いる。この量は使用する酵素により、そして脱重合を行な
う温度により変動する。キットの酵素は典型的には約0.1〜100U/反応の
量で存在し、特に好ましい実施態様においては、濃度は約0.5U/反応である
。対照試料と共に少なくとも一回の試験を行うために十分な量の酵素を準備する
【0296】 本明細書に記載する通り、識別子ヌクレオチドの存在または非存在を測定する
ための好ましい分析出力はルシフェラーゼの存在下ルシフェリンとのATPの反
応により生じる発光である。発光を用いたDNAの検出に使用するためのピロホ
スホロリル化酵素を含むキットは、好ましくは、NDPKの入った容器およびA
DPの入った容器を包含する。同様に、発光を用いたDNAの検出に使用するた
めのエキソヌクレアーゼ酵素を含むキットは、PRPP合成酵素の入った容器お
よびADPの入った容器を包含する。NDPKまたはPRPPの合成酵素は、約
0.01〜100U/反応、好ましくは約0.1〜約1.0U/反応の濃度で提
供される。
【0297】 好ましくは、上記試薬およびここで記載するキットに用いられる全ての試薬は
夾雑ATPやアデニレートキナーゼを含まない。夾雑物の一部は透析により酵素
から除去することができる。
【0298】 場合により、キットはdNTPまたはNTPからATPへの増幅のための試薬
の入った容器を含む。増幅試薬には、例えば、ピルベートキナーゼ、アデニレー
トキナーゼ、NMPK、NDPK、AMP(例えば増幅酵素および基質として)
およびdCTPまたはAMP−CPP(例えば高エネルギーホスフェート供与体
として)が包含される。特に好ましい実施態様においては、キットは試験方法を
実施するための取り扱い説明書を含む1つの同封物として包装することができる
。一部の実施態様においては、試薬は容器内に準備され、直接の使用または希釈
後の使用に適する強度のものとする。別の好ましい実施態様においては、結果の
定量を可能とするために、標品のセットも提供する。更に別の好ましい実施態様
においては、最適酵素活性のための試験緩衝液も含める。
【0299】 更に別の実施態様において、意図するキットはヌクレアーゼ、PRPP合成酵
素、PRPP、NDPK、およびADPをルシフェラーゼおよびルシフェリンと
共に包含する。好ましい実施態様においては、ヌクレアーゼは約1〜500U/
反応の濃度で提供し、特に好ましい実施態様においては、約20U/反応の濃度
とする。特に好ましい実施態様においては、PRPP合成酵素は約0.01U/
反応〜10U/反応、好ましくは約0.1U/反応の濃度で提供する。一部の好
ましい実施態様においては、キットは、単一の試薬溶液として提供される全ての
上記試薬およびルシフェラーゼおよびルシフェリンを包含する。
【0300】 別の好ましい実施態様において、上記試薬は、例えば、ルシフェラーゼにより
利用されない高エネルギーホスフェート供与体、好ましくはdCTP、およびA
MPをルシフェラーゼおよびルシフェリンと共に包含する。別の好ましい実施態
様においては、キットは同じ溶液中に提供された上記全ての試薬およびルシフェ
ラーゼおよびルシフェリンを包含する。
【0301】 本発明の更に別の実施態様において、上記したキットはプローブ媒介特異的核
酸検出のためのプローブを包含することができる。一部の実施態様においては、
キットは目的の核酸標的に対する核酸プローブ少なくとも1つを包含する。別の
実施態様においては、キットは複数のプローブを有し、その各々は、調査位置に
おいて異なる塩基を含むか、または、異なる標的DNA配列を調査するように設
計されている。
【0302】 実施態様の各々において、キットは、塩基対1つ以上が異なる2つの相同核酸
標的の識別のため、または、核酸標的が欠失または挿入の突然変異を有するかど
うかを調べるために、核酸標的内の特定の塩基の同一性を調査する際に用いるた
めの取り扱い説明書を含む。キットに含まれることのできる核酸プローブの種類
およびその使用は以下により詳細に記載する。 実施例1:RNAの特異的検出:外来性の標的RNA添加および無添加での反応
におけるプローブ配列にマッチするRNA種由来のシグナルの比較 特定の標的配列の検出のためにピロホスホリル化反応を用いるために、系に更
に求められる条件は、プローブが外来性RNAの存在下および非存在下に極めて
同じシグナルを生じるべきことである。本実施例においては、大量のコウボRN
Aの存在下に標的グロビンmRNAを検出するように設計されたプローブのシグ
ナルの強度をコウボRNA無添加に観察されるシグナルと比較する。
【0303】 種々の濃度のコウボRNA、プローブ6(配列番号1)またはプローブ8(配
列番号2)および標的グロビンmRNA(Gibco BRL,18103−0
28)を含有するハイブリダイゼーション溶液は、5μlの500ng/μLの
プローブ6またはプローブ8何れかを、1XTE緩衝液(10mM,Tris,
1mM EDTA)中の5μLの40ng/μL標的グロビンmRNAおよび1
0μLのコウボRNA(Sigma Chemical CO.,R3629)
に添加してコウボRNA総量0,2,20,200,400および800ngを
含有する溶液とすることにより調製した。溶液を15分間50℃に加熱し、次に
15分間室温まで冷やした。
【0304】 以下の主反応混合物を調製した。
【0305】
【表6】 上記した主混合物の一部(18μL)を18本のチューブの各々に添加した。
15分間冷却した後、プローブ6を含有する種々のハイブリダイゼーション溶液
2μLをチューブに添加し、チューブを37℃の加熱ブロックにいれた。
【0306】 反応主混合物と共にハイブリダイゼーション混合物を15分間インキュベート
した後に、溶液20μLをL/L試薬(Promega,F202A)100μ
Lに添加し、得られた反応の光出力をTurner(登録商標)TD−20/2
0ルミノメーターを用いて測定した。
【0307】 プローブ6データを収集した後、同一のセットの反応をプローブ8を含有する
ハイブリダイゼーション溶液を用いて実施した。 以下のデータが得られた。
【0308】
【表7】
【0309】
【表8】 これらのデータによれば、極めて大量のコウボRNAをハイブリダイゼーショ
ン反応に添加した場合、特異的標的RNA種に対するハイブリダイズされたプロ
ーブからのシグナルは大きく低下されない。
【0310】
【表9】 実施例2:V因子のLeiden突然変異の存在の測定 V因子遺伝子の合成の第1の核酸標的をFV1(配列番号3)の32位にGを
含む野生型配列を有するように設計した。相補鎖、FV2(配列番号4)はその
3’−末端に更に4個の塩基を有していた。V因子の第2の合成核酸標的は、L
eiden突然変異、即ちFV3(配列番号5)の32位にA残基を有するよう
に設計した。突然変異相補鎖FV4(配列番号6)もまたその3’−末端に更に
4個の塩基を有していた。核酸標的オリゴヌクレオチド、FV1〜FV4は水中
1mg/mlの濃度で個別に溶解した。
【0311】 核酸プローブFV5(配列番号7)は第1の標的FV1の1本の鎖に全体的に
相補的となるように合成した。プローブは、相補C残基がFV1の32位のGに
相当するプローブFV5の3’−末端ヌクレオチドから2番目の調査位置にある
ように合成した。同様に、合成の核酸プローブは、第2の標的、Leiden突
然変異を有するV因子、FV3の一方の鎖に全体的に相補的な配列FV6(配列
番号8)を有するように調製した。プローブは、FV3の32位のAに相当する
、プローブFV6の3’−末端ヌクレオチドから2番目の調査位置における相補
T残基を位置するように合成した。核酸プローブの保存溶液は水中1mg/ml
の濃度であった。
【0312】 FV1オリゴヌクレオチドをその相補鎖FV2当量と混合し、約15分間95
℃に加熱し、次に室温に冷却し、V因子遺伝子の野生型配列に相当する、第1の
核酸標的を含む二本鎖DNAセグメントを含む第1の試料を調整した。
【0313】 FV3オリゴヌクレオチドをFV4を有するその相補鎖当量と混合し、約15
分間95℃に加熱し、次に室温に冷却し、第2の標的、Leiden突然変異の
領域にV因子遺伝子の配列を含む二本鎖DNA(dsDNA)セグメントを含む
第2の試料を調製した。
【0314】 第1または第2の標的の存在について試験すべきdsDNA試料1μLを、核
酸プローブ1μLおよび水18μLと混合し、個別のハイブリダイゼーション組
成物を形成した。対照試料として1μLのdsDNA試料および19μLの水を
用いた。
【0315】 これらを3分間95℃に加熱して変性し、次に10分間ハイブリダイズ条件下
(37℃インキュベーター中)に維持し、個別の処理された試料を形成した。 主混合物は、10XDNAポリメラーゼ緩衝液(20μL;Promega,
M195)、ピロリン酸ナトリウム(40mM Na427溶液5μL;Pr
omega,C113)、クレノーExo Minus(5μL;5U、Pro
mega,M218)、NDPK(NDPK[Sigma,N0379]の10
U/μL溶液1μL,水中に溶解)、ADP(水中に溶解したADP[Sigm
a,A5285]の10μM溶液2μL)および水(67μL)を含有するよう
に調製した。
【0316】 ハイブリダイズされた、処理された試料(20μL)は各々、主混合物と混合
し、37℃で15分間維持し、脱重合試料を形成した。 脱重合試料を100μLのL/L試薬(Promega,F202A)に添加
し、生成した光の量をTurner(登録商標)TD20/20ルミノメーター
で測定した。合計8試料および2対照試料を分析した。平均した結果を以下に示
す。
【0317】
【表10】 データによれば、光シグナルは、核酸プローブが核酸標的に完全に相補的であ
る場合(試験番号1,2,8および9)のほうが、核酸プローブが3’−末端ヌ
クレオチドから2番目の位置にミスマッチを有する核酸標的に部分的に相補的で
ある場合(試験番号3,4,6および7)よりも約10倍高値であった。また後
者のシグナルは核酸標的にハイブリダイズすべきプローブがない場合(試験番号
5および10)に発せられた光よりも約10倍高値であった。
【0318】
【表11】 実施例3:別の調査プローブによるヒトのV因子Leiden表現型を有するこ
とがわかっている試料中のヌクレオチド配列の存在または非存在の測定 本実施例においては、実施例2で用いられたような逆の鋳型鎖に相補的な別の
対のプローブを用いて野生型V因子遺伝子の遺伝子配列およびこの遺伝子のLe
iden対立遺伝子を検出する。オリゴヌクレオチドFV7(配列番号9)およ
びFV8(配列番号10)を水に1mg/mlの濃度で溶解した。オリゴヌクレ
オチドFV1(配列番号3)、FV2(配列番号4)、FV3(配列番号5)お
よびFV4(配列番号6)を標的として用い、以下の溶液を調製した。
【0319】
【表12】 上記した溶液を3分間95℃に加熱し、次に10分間37℃のインキュベータ
ーにいれた。以下の主混合物を調製した。 10xDNAポリメラーゼ緩衝液(Promega M195)20μL 40mM ピロリン酸ナトリウム(Promega C113) 5μL 10U/μl クレノーExo Minus (Promega M218) 5μL NDPK(Sigma,NO379,水中10U/μL) 1μL ADP(Sigma A5285,水中10 μM) 2μL 水 67μL 100μL 主混合物20μLを、10分間37℃でインキュベートした後加熱したヌクレ
オチド混合物の各々に添加した。得られた反応混合物を37℃で15分間インキ
ュベートし、次に100μLのL/L試薬(Promega,F202A)に添
加し、生成した光を即座にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメー
ターで測定した。
【0320】 以下の結果が得られた。
【0321】
【表13】 これらのデータによれば、プローブFV7は天然のV因子遺伝子に相当する配列
を含むDNAに対しFV8よりも遥かに強いシグナルを与え、従って、試料中の
本DNA配列の検出に用いることができる。プローブFV8はLeiden突然
変異領域内のV因子をコードする配列を含むDNAに対し、FV7よりも遥かに
強いシグナルを与えた。
【0322】
【表14】 実施例4:デルタ508突然変異の領域における嚢胞性繊維症遺伝子中の配列の
検出 本実施例においては、デルタF508対立遺伝子として知られる突然変異を含
む嚢胞性繊維症遺伝子のセグメントをコードする配列を検出するために試験を行
った。
【0323】 オリゴヌクレオチドCF1(配列番号11)およびCF2(配列番号12)を
合成し、50pmol/μLの濃度で水中で再溶解した。これらのプライマーを
用いてPCR増幅によりヒト染色体DNAの増幅されたセグメントを作成した。
PCR反応はヒトゲノムDNA20ng、各プライマー50pmol、1xPr
omega Taq反応緩衝液+1.5mM MgCl2(Promega,M
188A)、200μM dNTPおよび1.25U Taq DNAポリメラ
ーゼ(Promega,M186A)の組成とした。サイクル条件は1x94℃
2分、35x[94℃0.5分、60℃1分、72℃1分]、1x72℃7分、
4℃浸積とした。増幅したDNAはWizard PCR Prep(Prom
ega A7170)を用いて、PCR産物25μLを樹脂1mlと混合し、3
x1mlの80%イソプロパノールで洗浄することにより精製した。このDNA
を用いてデルタF508突然変異を含む嚢胞性繊維症遺伝子をコードする野生型
ヒトDNAを提示した。
【0324】 オリゴヌクレオチドCF6(配列番号16)およびCF7(配列番号17)を
1mg/mlの濃度で水に溶解し、混合し、アニーリングして、上記オリゴヌク
レオチドFV1およびFV2の場合と同様に二本鎖DNAセグメントを形成した
。このDNAを用いてこの遺伝子座においてデルタF508突然変異をコードす
るヒトDNAを提示した。
【0325】 オリゴヌクレオチドプローブCF3(配列番号13)、CF4(配列番号14
)およびCF5(配列番号15)を調製した。プローブCF3の配列は野生型の
嚢胞性繊維症遺伝子と完全に相補的であった。プローブCF4の配列はデルタF
508突然変異に存在するヌクレオチドに相補的な3’−末端ヌクレオチドを除
き、プローブCF3の配列と同一であり、従って、その突然変異配列の一方の鎖
と完全に相補的であった。プローブCF5の配列はそのF508突然変異配列の
第2の鎖に完全に相補的であり、従ってやはり、3’−末端ヌクレオチドにおい
てプローブCF3の全体的相補性とは異なっていた。プローブを個別に水に溶解
し、1mg/mlの濃度とした。以下の溶液を調製した。
【0326】
【表15】 上記した溶液を3分間95℃に加熱し、次に10分間37℃のインキュベータ
ー中に入れた。
【0327】 主混合物を実施例3に記載の通り調製し、この溶液20μLを上記溶液1〜1
4の各々に添加した。これらをさらに15分間37℃でインキュベートした。 溶液を100μLのL/L試薬(Promega F202A)に添加し、反
応により生じた光を即座にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメー
ターで測定した。
【0328】 以下の結果が得られた。
【0329】
【表16】 *正価は二重の試料を平均し、別個のセットで測定された標的のみの値を差し
引くことにより計算した。 これらのデータは、プローブCF3は突然変異の部位にミスマッチヌクレオチド
を有するプローブCF4およびCF5の何れにより生じるシグナルよりも野生型
DNAで遥かに高いシグナルを与えたことを示している。更に、突然変異配列に
完全に相補的なCF4およびCF5の両方のプローブとも、野生型DNAの場合
よりもデルタF508突然変異をコードするDNAの場合に遥かに高いシグナル
を与えた。
【0330】
【表17】 実施例5:正常およびデルタF508の対立遺伝子の両方を含有する試料を含む
デルタ508突然変異の領域における嚢胞性繊維症遺伝子の配列の検出 本実施例はデルタF508対立遺伝子として知られる突然変異を含む嚢胞性繊
維症遺伝子のセグメントをコードする配列を検出する試験を説明するものである
。試験はこの領域のこの遺伝子の野生型ヒト配列を用いて、そして、両方の対立
遺伝子を有する試料を用いて説明する。ここでの結果は、試験が上記対立遺伝子
に対する同型接合体間の識別が可能であり、種々の遺伝病のキャリアの場合等の
ような、両対立遺伝子が共に存在する異型接合試料を検出するために用いること
ができることを示している。
【0331】 オリゴヌクレオチドCF8(配列番号18)およびCF9(配列番号19)、
合成の野生型標的を水に溶解し、実施例2に記載の通りアニーリングした。CF
6(配列番号16)およびCF7(配列番号17)もまた標的として使用した。
CF3(配列番号13)およびCF4(配列番号14)はプローブとして使用し
た.以下の溶液を調製した。
【0332】
【表18】 上記した溶液を3分間95℃に加熱し、次に10分間37℃のインキュベータ
ー中に入れた。
【0333】 主混合物を実施例3に記載の通り調製し、この溶液20μLをチューブ1〜1
5の各々に添加した。チューブをさらに15分間37℃でインキュベートし、次
に溶液を100μLのL/L試薬(Promega F202A)に添加し、反
応により生じた光を即座にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメー
ターで測定した。以下の結果が得られた。
【0334】
【表19】 *この値は2連の反応を平均し、適切な標的のみの対照反応で測定された値を
差し引くことにより計算した。
【0335】 これらのデータもまた、プローブCF3が正常な(野生型、同型接合)DNA
でプローブCF4よりも遥かに強いシグナルを与え、プローブCF4は同型接合
のデルタF508突然変異標的でプローブCF3よりも遥かに強いシグナルを与
えた。更にまた、異型接合体の場合のように試料中に両方の標的が存在した場合
、シグナルは両方のプローブから得られ、異型接合体の存在が示された。即ち、
本方法で得られる分析出力は、核酸試料中の核酸標的配列が同型接合または異型
接合の何れであるか、そして同型接合である場合、どちらの対立遺伝子が存在す
るかを示していた。
【0336】
【表20】 実施例6:1ヌクレオチド多形の領域におけるプロトロンビン遺伝子に相当する
DNA配列の検出 ヒトプロトロンビン遺伝子における突然変異の存在または非存在に関する試験
を本実施例では説明する。このSNPはプロトロンビン遺伝子におけるGからA
への置換を特徴とする。
【0337】 オリゴヌクレオチドPT1(配列番号20)、PT2(配列番号21)、PT
3(配列番号22)およびPT4(配列番号23)を合成し、水に溶解して1m
g/mlの濃度とした。次にPT1およびPT2の試料を以下の溶液において使
用するために水で0.3ngにまで希釈し、以下の溶液を調製した。
【0338】
【表21】 これらの溶液を3分間95℃に加熱し、次に10分間37℃のインキュベータ
ー中に入れた。
【0339】 主混合物を実施例3に記載の通り調製し、この溶液20μLを溶液1〜10の
各々に添加した。全ての溶液をさらに15分間37℃でインキュベートし、次に
溶液を100μLのL/L試薬(Promega F202A)に添加し、溶液
により生じた光を即座にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメータ
ーで測定した。以下の結果が得られた。
【0340】
【表22】 これらのデータによれば、プローブPT3はプローブPT4よりも野生型標的
(PT1)で遥かに高いシグナルを与えたが、プローブPT4はPT3よりも突
然変異鋳型(PT2)で遥かに高いシグナルを与えた。
【0341】
【表23】 実施例7:植物材料から単離されたDNAにおけるSNPの測定 本発明の方法をここでは知られたSNP部位においてコメDNAの遺伝子型を
測定するために使用する。
【0342】 コメゲノムのセグメントの増幅により作成された特定の標的を本実施例では調
査する。この標的は、増幅されたDNA標的の一方の鎖を除去するために何も行
わない場合は高いバックグラウンドシグナル値を生じ、あるコメ株に存在するS
NPを検出するように設計されている2つのプライマー間の相違を示さないこと
が解かった。この実施例はどのようにして増幅されたDNA鎖の一方を意図的に
破壊し、他方の鎖を調査することができるかを示している。特にこの例の場合、
このような操作により標的からのバックグラウンド光シグナルが大きく減少し、
調査シグナルの明瞭な測定が可能となる。
【0343】 プローブRS1(配列番号24)およびRS2(配列番号25)を水中50p
mol/μmの濃度に溶解した。プローブRS1は反応に使用する酵素により切
断されない最初の4つの5’−末端結合にホスホチオエート結合を含んでいた。
DNAをコメより単離し、10μg/mLの濃度とした。
【0344】 5検体の暗号化されたDNA試料および2検体の既知遺伝子型のDNA試料(
「G」対立遺伝子および「T」対立遺伝子)が得られ、これらをプローブRS1
(配列番号24)およびRS2(配列番号25)を用いて増幅した。次にDNA
をT7エキソヌクレアーゼ6で15分間37℃で処理し、精製した。得られた精
製されたDNAを、プローブRS3(配列番号26)、RS4(配列番号27)
を用いて、またはプローブを用いることなくピロホスホリル化反応に付し、反応
生成物をL/L試薬(Promega,F202A)に添加し、光生成を測定し
た。
【0345】 以下の結果が得られた。
【0346】
【表24】 正味光単位、比およびコールされた遺伝子型
【0347】
【表25】 * 正味光単位=総光単位−無プライマー値 ** 比=正味光単位WTプライマー/正味光単位変異体プライマー これらの結果を得た後、DNA試料の同一性を無コード化したが、採用した全
ての遺伝子型はこれらの試料の予め測定された遺伝子型と合致した。これらの結
果から、本実施例に記載した試験を用いて植物DNA中のSNPを測定でき、試
料の一方のDNA鎖を除去することにより鋳型からの高いバックグラウンドシグ
ナルの排除が容易になり、SNPの測定が可能になることがわかる。
【0348】
【表26】 (*指定した塩基間のホスホロチオエート結合の存在を指す)
【0349】
【表27】 実施例8:ピロホスホリル化による試験法を用いた反復DNA配列の識別 本実施例はDNA中の4塩基対配列の反復の数を測定するための試験法を説明
するものである。このような反復配列の識別は法医学的試料の識別のために極め
て有用であることが解かっている。このセットのプローブ、TR1(配列番号3
1)、TR2(配列番号32)およびTR3(配列番号33)は、CATT配列
の6,7および8反復をそれぞれを有するTHO 1遺伝子座の既知対立遺伝子
を厳密にマッチさせるように設計した。
【0350】 プローブTR1〜TR3を水に懸濁して1mg/mlの濃度とした。6,7お
よび8反復を有するTHO 1対立遺伝子と同型接合の標的をGene Pri
nt(商標名)System取り扱い説明書(Promega)のプロトコール
を用いて増幅した。これらの標的は対立遺伝子6(配列番号28)、対立遺伝子
7(配列番号29)および対立遺伝子8(配列番号30)とそれぞれ命名した。
ゲル精製された標的をPCR増幅し、その後更に、Wizard(商標名)PC
R Clean−upシステム(Promega)を用いて精製し、DNA濃度
をDNA Quant(Promega)により測定した。これらの標的は1μ
g/mlの濃度に調節し、脱イオン水を添加することにより3.3μg/mlと
した。水を添加することにより以下のプローブ含有溶液を最終容量20μLとな
るように調製した。
【0351】
【表28】 これらの溶液を3分間95℃で加熱し、次に10分間室温でインキュベートす
ることにより冷却した。
【0352】 以下の主混合物を調製した。 成分 量(μL)/反応 10xDNAポリメラーゼ緩衝液 4 40mM ピロリン酸ナトリウム 0.5 10μM ADP 0.4 クレノーexo−, 10U/μL 0.5 NDPK, 1U/μL 0.2 ナノ精製水 14.4 この溶液を混合し、この溶液20μLを上記溶液1〜24に添加し、得られた
溶液を37℃で15分間インキュベートした。このインキュベートの後、得られ
た溶液の4μLを100μLのL/L試薬(Promega,F202A)に添
加し、生成された光を即座にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメ
ーターで測定した。以下の結果が得られた。
【0353】
【表29】 上記した非プローブ反応の値を種々のプローブ/標的マッチの値から差し引き
、得られた数値を以下の表に示した。
【0354】
【表30】
【0355】
【表31】 反復領域において、プローブが標的と同数以下の反復を含んでいる場合、プロ
ーブの3’−エンドにはミスマッチ塩基が存在しないはずであり、相対的に強力
なシグナルが得られる。TR1プローブは6,7または8反復を含む標的でこの
ようなシグナルを示す。しかしながら、プローブが標的に存在するものよりも多
い反復をこの領域に含む場合は、ミスマッチ塩基は、発生シグナルを大きく減少
させるようなプローブの3’−エンドにあると推定される。推定されるとおり、
TR3プローブは対立遺伝子8標的では強力なシグナルを与えたが、対立遺伝子
7および6標的では遥かに弱いシグナルを与えた。種々のプローブを用いて発生
させるシグナルを用いて反復領域における反復単位の数を測定することができる
ため、この方法は試料中に存在する対立遺伝子を測定するために用いることがで
きる。
【0356】 上記方法を用いると、標的と同じ数かそれより少ない反復配列を含むプローブ
は同様の光出力を与えた。標的よりもプローブにより多い反復が存在する場合は
、低い分析出力が観察された。即ち、標的中の反復の数は、個別に試験した試料
の間の分析出力、ここでは発光における示差的変化により正確に測定することが
できた。
【0357】
【表32】 実施例9:他のクラスのプローブを用いたピロホスホリル化に基づく試験法を用
いた反復DNA配列の識別 本実施例においては、特定のクラスの標的でシグナルを発生するのみであるは
ずのあるクラスのプローブが、別の標的でも本質的に等しいシグナルを与えると
いうことを示す意外な結果が示されている。このような結果は予測された結果と
は合致しないものの、これらはなお試料の対立遺伝子組成を測定するために用い
ることができる。
【0358】 上記実施例におけるプローブはヒトの遺伝子タイピングのために用いられるT
HO 1の対立遺伝子にハイブリダイズするように設計された。それらは3つの
対立遺伝子の標的とプローブTR2について以下に説明するようにハイブリダイ
ズするように設計した。 プローブTR2(上鎖)と対立遺伝子6標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0359】
【表33】 プローブTR2(上鎖)と対立遺伝子7標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0360】
【表34】 プローブTR2(上鎖)と対立遺伝子8標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0361】
【表35】 実施例8に記載したとおり、標的がプローブより少ない反復を有している場合
は、ミスマッチ塩基はプローブの3’−エンドに存在することができ、ピロホス
ホリル化反応のためには極めて不良の基質である二本鎖DNA領域を創生する。
これらの予測を得られた結果に基づいて検証した。
【0362】 本実施例において、新しい形態のプローブを反応に用いる。これらのプローブ
は、反復領域を越えて伸長し、正しい数の反復セグメントを有する対立遺伝子に
ハイブリダイズする際にこのDNAセグメントの後に標的にハイブリダイズする
ように設計する。対立遺伝子6,7および8標的との対立遺伝子7プローブ(T
R6)の予測されるハイブリダイゼーションセグメントを以下に示す。 プローブTR6(上鎖)と対立遺伝子6標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0363】
【表36】 プローブTR6(上鎖)と対立遺伝子7標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0364】
【表37】 プローブTR6(上鎖)と対立遺伝子8標的(下鎖)のハイブリダイゼーション
【0365】
【表38】 上記した通り、プローブTR6は対立遺伝子7とのみと3’−末端ミスマッチ
を有さない産物を形成するよう設計した。即ち、このプローブは対立遺伝子7標
的で強力なシグナルを与えるのみであることが予測された。
【0366】 このようなプローブが種々の標的で与える実際のシグナルを試験するために、
プローブTR4(配列番号34)、TR5(配列番号35)、TR6(配列番号
36)、TR7(配列番号37)およびTR8(配列番号38)を水に溶解し、
1mg/mlの濃度とした。これらのプローブを標的の対立遺伝子6(配列番号
28)、対立遺伝子7(配列番号29)および対立遺伝子8(配列番号30)と
共に用いて、以下の溶液を調製した。これらの溶液の最終容量は水を添加して2
0μLに調節した。プローブは1μg/反応の濃度で使用した。
【0367】
【表39】 これらの溶液を3分間95℃に加熱し、次に10分間室温に冷却した。主混合
物を調製し、前実施例に記載の通り上記溶液に添加した。次に得られた溶液を1
5分間37℃に加熱し、前実施例に記載の通りサンプリングした。試料をL/L
試薬(Promega,F202A)に添加し、前実施例に記載の通り光出力を
即座に測定した。以下の結果が得られた。
【0368】
【表40】
【0369】
【表41】 意外にも、これらのプローブは予測された検出パターンを与えなかった。例え
ば、プローブTR6は対立遺伝子7(A7)を有する標的で強力なシグナルを与
えるのみであることが予測された。プローブは対立遺伝子7よりも対立遺伝子6
(A6)で低いシグナルを示したが(それぞれ90.6vs286.4単位)、
対立遺伝子7および8(A8)でのシグナルの間には僅かのみの差が見とめられ
た(それぞれ286.4vs264.4単位)。一般的に、プローブは全て、プ
ローブの反復単位数以上の数の反復単位を有するいかなる標的とも実質的に等し
い反応性を示した。これらの同じプローブはプローブ中に存在するよりも少ない
反復単位を有する標的ではより低いシグナルを示し、観察されたシグナル強度は
反復単位数の差が大きくなるに従い減少した。即ち、これらのプローブは明らか
に予測されたシグナルパターンを与えなかったが、これらを用いてTHO 1対
立遺伝子の測定を行なうことができる。
【0370】
【表42】 実施例10:THO 1対立遺伝子の検出のための別のプローブ 本実施例では別のプローブを用いて、THO 1対立遺伝子標的およびプロー
ブの間の別のミスマッチの創生により本質的に1つのTHO 1対立遺伝子で強
力なシグナルを与えるプローブ/標的複合物の形成が可能となることを示す。
【0371】 プローブTR9(配列番号39)、TR10(配列番号40)およびTR11
(配列番号41)を1mg/mlで溶解し、THO 1の対立遺伝子6(配列番
号28)、対立遺伝子7(配列番号29)および対立遺伝子8(配列番号30)
を有する3ng/反応の標的を用いるか、何れの標的も用いることなく、上記実
施例に記載の通り反応に付した。これらの溶液を前述の実施例の場合と同様に加
熱し、冷却した。得られた溶液を前述の実施例の場合と同様、主混合物で処理し
、インキュベートし、L/L試薬(Promega,F202A)に添加し、生
成した光を測定した。以下の結果が得られた。
【0372】
【表43】 プローブのみおよび標的のみ反応の値を複合反応の値から差し引き、以下の表
に示した。
【0373】
【表44】 プローブと標的との間のミスマッチ塩基の数を増大させると測定シグナル値は
低下し、そして、多くの場合においてバックグラウンド反応に起因する数値より
も低値まで測定値を減少させる。特に、2塩基対のミスマッチを有するプローブ
TR9、および、プローブの末端から3塩基にAからCへの突然変異を有するT
R10はTHO 1対立遺伝子を検出する能力を示さない。しかしながら、プロ
ーブの末端から3塩基にAからGへの変化を有するプローブTR11は他の標的
で観察されたシグナルよりも大きい測定可能なシグナルを対立遺伝子6標的で生
成した。
【0374】 次にプローブTR12(配列番号42)およびTR13(配列番号43)を上
記の通り用いた。以下の結果を得た。
【0375】
【表45】 プローブの3’−末端から4塩基対で別のミスマッチを有するこれらのプロー
ブは、極めて低値のシグナルを与えたのみであり、THO 1の対立遺伝子間を
識別しなかったことは明らかであった。即ち、これらのデータは、対立遺伝子特
異的なシグナルを与えることのできるプローブは、プローブの3’−エンド近傍
のプローブ配列中に置かれた塩基対ミスマッチを有するプローブを設計すること
により識別できることを示唆している。
【0376】
【表46】 実施例11:ピロホスホリル化に基づく試験法を用いた反復DNA配列の識別−
III 本実施例においては、TPOX4ヌクレオチド短縦列反復の6〜13コピーを
含むPCR標的をピロホスホリル化による試験をもちいて反復数特異的プローブ
により識別した。標的は予めゲル精製したTPOXバンド(Promega,D
C5111)の各々の標準的PCR増幅により調製した。PCRサイクルのパラ
メーターは94℃1分間、(94℃15秒;60℃30秒;72℃60秒)x3
5、68℃10分とした。正しい大きさのPCR産物を4%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により確認した。PCR産物はWizard(登録商標)PCR精
製システム(Promega,A7170)を用いて精製し、水に再懸濁して1
0ng/μLの濃度とした。調査配列プローブはP6(配列番号44)、P7(
配列番号45)、p8(配列番号46)、P9(配列番号47)、p10(配列
番号48)、p11(配列番号49)、p12(配列番号50)およびP13(
配列番号51)とした。
【0377】 6〜13TGAA反復を有する標的を、上記調査プローブの各々を用いて調査
した。使用した標的対立遺伝子はA6(配列番号52)、A7(配列番号53)
、A8(配列番号54)、A9(配列番号55)、A10(配列番号56)、A
11(配列番号57)、A12(配列番号58)およびA13(配列番号59)
とした。プローブは溶液中最終濃度2.5μMとし、反応当たり標的10ngを
使用し、容量は水で20μLに増加させた。溶液を2分間95℃に加熱し、次に
10分かけて室温に冷却した。
【0378】 主混合物20μLを各溶液(水14.7μL、10xDNA重合緩衝液4μL
,40mM NaPPi 5μL、10μMADP 0.4μL、NDPK(1
U/μL)0.2μL、クレノーexo−(10U/μL)0.2μL)に添加
し、更に15分間37℃でインキュベートした。次に溶液4μLをL/L試薬1
00μLに添加し、光出力をTurner(登録商標)TD20/20ルミノメ
ーターで読みとった。得られた相対光単位(rlu)を以下に示す。
【0379】
【表47】 上記した値をバックグラウンド補正し、負数は0とし、以下の表にまとめた。
【0380】
【表48】 データは調査プローブはTPOX遺伝子座の関連する同型接合対立遺伝子の存
在を認識できることを示している。同様に異型接合の標的を同じセットの調査プ
ローブを用いて試験した。各精製PCR標的10ngを各調査反応に含有させた
。反応条件は上記した同型接合標的の場合と同様とした。得られたrlu値を以
下に示す。
【0381】
【表49】 上記した値をバックグラウンド補正し、負数は0とし、以下の表にまとめた。
【0382】
【表50】 上記表中の結果からわかるとおり、プローブP6が原因不明の擬陽性1検体を
識別したものの、本方法は各異型接合標的を正確に識別している。 調査プローブ配列:
【0383】
【表51】 標的対立遺伝子
【0384】
【表52】
【0385】
【表53】 実施例12:異型接合性の損失の調査 一部の癌のような特定の種類の疾患状態において、特定の対立遺伝子の遺伝子
座の異型接合性が変化する。例えば、非癌性細胞は特定の遺伝子座で異型接合で
ある。しかしながら癌細胞では、2つの対立遺伝子の一方が、特定の遺伝子座で
損失または欠失している場合がある。このことを異型接合性の損失と称する。
【0386】 この種の異型接合性損失(LOH)反応を、以下に記載する通りプローブ10
730(配列番号60)およびプローブ10731(配列番号61)を用いて2
種のE.coil標的(W3110,DH5α)25ng(1μL)および50
ng(2μL)をPCR増幅することにより行なった。これらのプローブはDH
5αDNA中には存在するがW3110DNA中には存在しないΔM1593b
pの欠失を含んでいる。PCRサイクル数は、同じ増幅条件下の「同型接合」標
的(2μL W3110または2μLDH5α)の増幅の場合と同様、各バンド
のDNAの量の半分を「異型接合」標的(1μL W3110または1μLDH
5α)の増幅で生成されるように最適化した。
【0387】 目的の遺伝子座を含む以下のPCR標的、即ち、同型接合試料の場合はE.c
oilゲノムDNA、W3110またはDH5αを2μL (50ng);異型
接合試料の場合はW3110およびDH5α各々を1μL;LOH試料の場合は
のW3110またはDH5αを1μLを2連で調製した。 5μl 10xTaq緩衝液+15mM MgClZ(Promega,
M188A) 0.5μL プローブ10730(50pmol) 0.5μL プローブ10731(50pmol) 1μL 10mM dNTP 1μL Taq DNAポリメラーゼ(Promega,M186A) 40μL 水 PCRサイクルのパラメータは96℃1分間、(94℃15秒;60℃30秒
;72℃45秒)x20、72℃45秒分とした。PCR反応の精製はWiza
rd(商標名)PCR精製樹脂(Promega,A7181)500μLを用
いて、製造元による取り扱い説明書に従って行ない、水25μLで溶離した。
【0388】 次に2連のDNA標的(1μL)を、1μg(200pmol)のプローブ1
0732(配列番号62)、w3110とDH5αに共通の配列;1μg(20
0pmol)のプローブ10733(配列番号63)、W3110のDNAにの
み完全にマッチする配列;および1μg(200pmol)のプローブ1073
4(配列番号64)、DH5αのDNAにのみ完全にマッチする配列を用いて2
連で調査した。調査反応液4μLを100μLのL/L試薬(Promega,
F202A)と合わせ、光出力を測定した。
【0389】
【表54】 欠失特異的な調査オリゴヌクレオチド(10739)は高いバックグラウンド
値を与えた。一般的に、これらのデータはLOHの測定のために方法が有用であ
ることを示している。しかしながら、2つの試料、即ち第1のW/W同型接合体
および第1のD LOHは、原因不明の異常データを示している。
【0390】
【表55】 実施例13:異型接合性の損失の調査−CMV 合成サイトメガロウィルス(CMV)標的を用いて異型接合性の損失を測定す
るための調査試験の使用について、本実施例で説明する。
【0391】 CMV標的の選択理由は、調査プローブオリゴヌクレオチド(9211(配列
番号71)および9212(配列番号72)が以前使用されており、十分検索さ
れているためである。オリゴヌクレオチド10800(配列番号65)および1
0801(配列番号66)をアニーリングしてCMVゲノムの断片となる合成標
的「A」を作成した。同様に、オリゴヌクレオチド10803(配列番号67)
および10805(配列番号68)をアニーリングしてCMVゲノムの断片とな
る合成標的「G」を作成した。標的AおよびGはその名称の元となるヌクレオチ
ドを有する1つのヌクレオチド位置を除いて同じである。両者の標的ともSac
Iのオーバーハングを有している。
【0392】 標的をpZERO−2プラスミド(Invitrogen)のSacI制限部
位にクローニングし、TOP10 E.coil細胞(Invitrogen)
に形質転換した。AおよびGクローン中の正しいヌクレオチド配列の存在は配列
決定により確認した。しかしながら、Gクローンは調査プローブにアニーリング
する領域の5’−エンドから3塩基内側のヌクレオチド位置に意図しない突然変
異を含んでいることが解かった。このミスマッチは調査プローブアニーリング配
列の5’−エンドの近傍であったため、調査結果には影響しない。
【0393】 以下の5種の標的溶液をAおよびGクローンを用いて作成した。 1.ヘテロ:A 125pg+G 125pg/μL 2.LOHA:A 125pg+G 0pg/μL 3.LOHG:A 0pg+G 125pg/μL 4.Mix Ag:A 125pg+G 62pg/μL 5.Mix Ga:A 62pg+G 125pg/μL 上記した標的溶液を以下の反応に従ってJH67(配列番号69)および11
077(配列番号70)プローブを用いてPCR増幅した。 2μL 標的溶液 1μL プローブJH67および11077(各々50pmol) 1μL 10mM dNTP 5μL 10xTaq緩衝液 1μL Taq DNAポリメラーゼ 40μL 水 PCRサイクリングパラメータは96℃1分、(94℃15秒、60℃30秒
、72℃45秒)x15,72℃45秒とした。その後全PCR反応物をWiz
ard(商標名)PCR精製樹脂(Promega,A7170)500μLを
用いて、製造元による取り扱い説明書に従って精製した。DNAをTE緩衝液3
0μLを用いて溶離した。反応ごとにクレノーexo−2単位を用いた以外は標
的6μLおよび調査プローブ1μgを用いた標準的な調査反応を行なった。最終
反応混合物4μLをL/L試薬100μLと合わせ、相対光単位を測定した。
【0394】
【表56】 これらのデータは適切な調査プローブとともに本方法を用いることによりLO
Hが測定できることを示している。
【0395】
【表57】 実施例14:先天性副腎過形成(CAH)遺伝子の多重分析 先天的副腎過形成(CAH)は10エクソンを含むステロイド21−ヒドロキ
シラーゼ(CYP21)における広範な突然変異の結果生じる常染色体劣性遺伝
疾患の一群である。機能的遺伝子であるCYP21と非機能的擬似遺伝子である
CYP21Pとの間には高い水準の核酸相同性(エクソンで98%、イントロン
で96%)がある。疾患をもたらすこの遺伝子における多くの種類の突然変異に
は、完全遺伝子欠失、大型遺伝子変換、1点突然変異および小型8bp欠失が含
まれる[White et al.,Hum.Mutat.,3:373−37
8 (1994)参照]。
【0396】 CAH疾患誘発突然変異の大部分は非発現CYP21P擬似遺伝子中に存在す
る配列であり、CYP21PおよびCYP21との間の組み換えを介してCYP
21遺伝子に生じる。即ち、1つの突然変異検出法は典型的にはCYP21遺伝
子を検出し、CYP21P擬似遺伝子は検出しない。集団における疾患保有対立
遺伝子の頻度は約1/50である。
【0397】 CAH標的はクレノーexo−およびコウボNDPKを用いて種々の突然変異
に関して調査し、その結果を、Tne3重突然変異熱安定性DNAポリメラーゼ
および熱安定性Pfu NDPKを用いた同様の分析と比較した。両方の野生型
のCAH PCR産物、突然変異合成標的、および、クローニングされたCYP
21P擬似遺伝子から増幅した擬似遺伝子PCR産物を上記試験における標的と
して用いた。これらを以下に示す。
【0398】 PCR増幅に用いたプライマー対および得られた産物を以下に示す。 プライマー サイズPCRセグメント 増幅されたセグメント 10912+10909 1400bp 5’末端CYP21 11461+11480 918bp 5’末端CYP21 10910+11286 1492bp 3’末端CYP21 11535+11286 1496bp 3’末端CYP21 10912+10911 2680bp 偽遺伝子(CYP21P) 用いた合成の標的および調査オリゴヌクレオチドを以下に示す。
【0399】 PCR反応は標的(反応当たり25ng)として未消化のヒトゲノムDNA(
Promega,G3041)を用いながら4種の異なるプローブのセットでC
AH遺伝子の領域を増幅するように設定した。擬似遺伝子の増幅のためには、フ
ォワードPCRプローブの上流のCYP21遺伝子を特異的に切断する制限酵素
BclIでヒトゲノムDNAを予め消化し、これによりCYP21Pのみを増幅
できるようにした[Krone,Clinical Chem.44(10):
2075−2082(1998)]。
【0400】 2680bpのPCR産物を消化DNA50ngから増幅し、その後、プラス
ミドベクターpGEM−T Easy(Promega,A1380)に製造元
の取り扱い説明書に従ってクローニングした。クローンを選択し、配列決定(U
SBシーケナーゼキット、US70770)することにより、実際に擬似遺伝子
であることを確認した。pGEM−T Easyベクターにおけるクローニング
されたCYP21p遺伝子は、突然変異調査分析のための純粋な擬似遺伝子PC
R産物を得るためのその後の増幅において使用した(PCR反応当たりプラスミ
ド100pg)。
【0401】 CAH遺伝子の調査のための熱安定性酵素の使用はまた1つの反応内で6個ま
での複数の部位の調査を可能にする。本実施例で使用する方法は、通常の結果は
殆ど全ての試料中に予測された遺伝子の存在(または突然変異遺伝子の非存在)
を示し、突然変異遺伝子の存在を示すことはめったにないようなスクリーニング
実験室内で日常的に実施される試験を説明するものである。ここで示す例におい
ては、得られた定性的結果から、その後の試験において、存在する厳密な突然変
異を測定する。
【0402】 即ち、当量のCAH野生型(WT)918bpおよび1496bpのPCR産
物を混合し(これにより全CAH遺伝子を含むようにし)、そして、各突然変異
部位につき個別に、または複合群として調査した。識別比は合わせたPCR産物
の個別反応、並びに、複合反応の双方について良好であった。更に、CAH野生
型PCR産物および6野生型調査オリゴヌクレオチドプローブまたは6突然変異
調査オリゴヌクレオチドプローブのいずれかを用いた多重反応を等モル量の合成
標的(各突然変異部位に対する突然変異合成標的;PCR産物または合成標的の
何れか0.2 pmole)と組み合わせて模擬的な異型接合試料とした。
【0403】
【表58】 CAH遺伝子が大型であり、存在する種々の突然変異が多数であるため、熱安
定性酵素、即ち高ストリンジェンシーな検出法を使用することがこの複合標的の
ためには極めて好都合であることが解かった。クレノーexo−およびコウボN
DPKを用いて37℃で調査が困難であった突然変異部位は、Tne3重突然変
異ポリメラーゼおよびpfu NDPKを高温で用いた場合より良好に調査でき
た。更にまた、熱安定性酵素を使用することにより、同じ調査試験において多く
の野生型または突然変異の調査オリゴヌクレオチドの複合化が可能となり、存在
する突然変異の迅速なスクリーニングが可能となった。
【0404】
【表59】 突然変異部位1に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド6(野生型)
【0405】
【表60】 突然変異部位2に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド2(擬似/突然変異)
【0406】
【表61】 突然変異部位1に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド1(擬似/突然変異)
【0407】
【表62】 突然変異部位3に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド3(擬似/突然変異)
【0408】
【表63】 突然変異部位2に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド7(野生型)
【0409】
【表64】 突然変異部位3に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド8(野生型)
【0410】
【表65】 突然変異部位4に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド4(擬似/突然変異)
【0411】
【表66】 突然変異部位4に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド9(野生型)
【0412】
【表67】 突然変異部位5に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド5(擬似/突然変異)
【0413】
【表68】 突然変異部位5に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド10(野生型)
【0414】
【表69】 突然変異部位6に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド11(野生型)
【0415】
【表70】 突然変異部位6に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド12(擬似/突然変異
【0416】
【表71】 突然変異部位7に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド23(野生型)
【0417】
【表72】 突然変異部位7に対するCAH調査体オリゴヌクレオチド24(擬似/突然変異
) 実施例15:増幅を行なわない染色体DNAの検出:I 理論的には、染色体DNA中の1コピー遺伝子の直接検出は十分なDNAが試
験できるのであれば可能であるはずである。必要とされるヒトゲノムDNAの量
は以下の通り計算できる。 [(1x10-9g DNA)(5x109塩基/ゲノム)]/(1x103塩基特
異的標的) = DNA約5mg しかしながら、調査されるDNAの量が増大するに従い、このDNAからの非特
異的DNAシグナルも増大する。従ってDNA僅か1μg程度の量の染色体DN
Aでもバックグランドがかなり高くなる。
【0418】 このような限界を克服するためには染色体当たりの標的DNAのコピーを増大
させることが1つの方法である。このような配列は多く知られている。種々の種
の反復DNAの絶対的配列はゲノム中の配列のコピー数と同様、変動する。例え
ば、E.coil染色体rep配列として知られる配列の500〜1000コピ
ーが存在すると推定されている。Alu配列は約300,000コピーの量で半
数体のヒト染色体中に存在する。Alu配列を検出するために必要とされるヒト
染色体DNAの推定量は以下の通りである。 [5x10-3g DNA(1コピー遺伝子条件)]/ゲノムあたり3x105
ピー =1.7x10-8グラム(またはDNA約17ng) 本実施例においては、Alu配列の2つの領域(Alu 1オリゴヌクレオチ
ド11597(配列番号87)およびAlu 2オリゴヌクレオチド11598
(配列番号88))のプローブを用いて染色体DNAの直接検出が可能であるこ
とを示した。
【0419】 ゲノムDNA(4.2μg)を、消化断片上に3’オーバーハングを生じさせ
るSphI制限酵素40単位で完全(37℃5時間)に消化した。消化されたゲ
ノムDNAの40ngまたは80ngの何れかを、個別の反応における調査プロ
ーブ11597および11598、および、同じ反応における11597および
11598 1.0μgとアニーリングし、水を添加して最終容量20μLとし
た。調査プローブを有さない負の対照群も同様に調製した。溶液を3分間92℃
に加熱し、15分間室温に冷却した。
【0420】 以下に記載する主混合物20μLを各アニーリング反応物に添加し、チューブ
を更に20分間37℃でインキュベートし、次に氷上に保存した。反応混合物の
うち4μLを100μLのL/L試薬(Promega F120B)に4連で
添加し、相対光単位(rlu)をTurner(登録商標)TD20/20ルミ
ノメーターで測定した。得られたrlu値を以下に示す。 主混合物: 200μL 10xDNAポリメラーゼ緩衝液 25μL 40mM NaPPi 25μL クレノーexo− 10μL NDPK 1U/μL 20μL ADP 10μM 720μL 水
【0421】
【表73】 実施例16:増幅を行なわない染色体DNAの検出:II Alu配列の存在を検出するための別の方法は1プローブ伸長反応を以下
の通り実施する方法である。
【0422】 本実施例は本発明の調査法においてヘアピン構造を形成するために使用するオ
リゴヌクレオチドプローブの異なる種類の使用を説明する。本試験は調査反応へ
の調査部位に特異的なプローブの付加の必要性をなくすための方法を示すもので
ある。
【0423】 ここではオリゴヌクレオチドプローブは標的鎖の調査位置の下流(3’側)の
標的鎖にアニーリングする。オリゴヌクレオチドはその5’−エンドにヌクレオ
チドの未アニーリング領域を有し、それに続き標的鎖上の調査領域に同一の約5
〜約20ヌクレオチドを有する。次にオリゴヌクレオチドのアニーリングした3
’−エンドを標的鎖の調査位置を通過して伸長させ、いわゆる伸長されたプロー
ブを構築する。ハイブリッドを変性し、ヘアピン構造を伸長されたプローブ鎖と
オリゴヌクレオチドプローブの5’−エンドとの間に形成する。次にこの領域を
標準的な調査反応において試験してミスマッチの有無を調べる。
【0424】 伸長されたプローブ鎖がとると思われる種々のヘアピン構造を示すように4つ
のプローブを設計した。これらのプローブを10207(配列番号177)、1
0208(配列番号178)、10209(配列番号179)および10212
(配列番号180)と命名した。
【0425】 これらのプローブは、自己アニーリングさせた場合、以下の自己ハイブリダイ
ズ第2の構造を形成すると推定される。
【0426】
【表74】 プローブは標的のAlu配列に結合し、伸長されるように設計する。伸長後、プ
ローブは「ヘアピン」構造を形成することができ、2重鎖DNAの伸長体を形成
する。次にこのDNAを「プローブレス」のピロホスホリル化反応において検出
する。伸長されたプローブ配列が、ヘアピンの1セグメントを構成するように設
計されたプローブのセグメントを超えて伸びる場合は、産物は3’オーバーハン
グを有するため産物が検出されるとは予測されない。このような状況を回避する
ためには、設計されたプローブを4個のDNA塩基の1つがなくなっている反応
において用いることができる。このようにして反応を行うことにより、プローブ
はハイブリダイゼーションの領域を越えて伸長されない。スキーム1は2つのこ
のようなプローブがどのようにしてAlu配列にハイブリダイズするかを示すも
のである。
【0427】
【表75】 これらのプローブの予測された伸長された産物および伸長された産物が形成で
きるヘアピンの二次構造を以下のスキーム2に示す。
【0428】
【表76】 実施例17:種形成−種々の動物に特異的なミトコンドリアDNAの検出 本実施例においては、チトクロームB遺伝子のセグメントを有するミトコンド
リアDNAのセグメントを、種々の動物種より、PCRプライマー11590(
配列番号95)および11589(配列番号96)を用いて増幅した(PNAS
86:6196−6200)。これらのPCRプライマーを10mMTris、
pH7.5で希釈し、最終濃度0.22μg/μLとした。使用したゲノムDN
Aはウシ(Clontech,6850−1)、ニワトリ(Clontech,
6852−1)、イヌ(Clontech,6950−1)およびヒト(Pro
mega,G1521)であった。
【0429】 PCR反応は5μL 10x緩衝液+15mM MgCl2(Promega
,M188J)、1μL dNTP 10mM(Promega,C144G)
、2μLプライマー11590、2μLプライマー11589、0.5μL T
aqポリメラーゼ5U/μL(Promega,M186E)および38.5μ
L水を含有するように調製した。次に各チューブにゲノムDNA 1μL(10
0ng)を添加した。PCRサイクルのパラメーターは(15秒94℃;15秒
55℃;30秒72℃)x30とした。PCR産物の大きさは、少量を取ってア
ガロースゲルで泳動し、臭化エチジウム(EtBr)染色により可視化して確認
した。次にPCR産物を遊離のヌクレオチドから分離し(Promega、A7
170)、少量をアガロースゲルで泳動した。全試料とも同じ大きさのPCR産
物を生成していた。
【0430】 次に各PCR DNAを試験に用いてこれを種特異的プローブで特異的に識別
できるかどうかを調べた。調査プローブ(1μg/μL)1μLおよび水17μ
Lを適切なPCR産物2μLと混合し、3分間91℃で加熱し、次に15分間室
温に冷却した。主混合物(下記)20μLを各チューブに添加し、各々を更に1
5分間37℃でインキュベートした。次に溶液4μLを100μLのL/L試薬
(Promega F120B)に添加し、相対光出力(rlu)をTurne
r(登録商標)TD20/20ルミノメーターで測定した。2反応から得られた
rluの平均値−DNAバックグラウンド値、並びに標準偏差値を以下に示す。 主混合物 312μL 10xDNA pol緩衝液(Promega M195A) 39μL Nappi 40mM(Promega E350B) 39μL クレノーexo minus(Promega M128B) 15.6μL NDPK 1U/μL 31.2μL ADP 10μM(Sigma) 1123μL 水(Promega AA399)
【0431】
【表77】 データによれば、プライマーはミトコンドリアPCR産物を検出している。ヒ
ト特異的プローブ(11576(配列番号97)および11583(配列番号9
8))の両方ともヒトミトコンドリアDNAに特異的であることが解かった。共
通プローブである11582(配列番号99)は全ての種を検出したが、ニワト
リDNAでは低い効率であった。ニワトリ特異的プローブ11577(配列番号
100)はニワトリミトコンドリアDNAに特異的であったが、他のニワトリ特
異的プローブ11584(配列番号101)はイヌを除く全ての種を検出した。
ウシ特異的プローブ11588(配列番号102)はウシDNAに対してはもっ
とも高い検出シグナルを示したが、他の種も検出した。イヌ特異的プローブ11
586(配列番号103)はイヌおよびウシのDNAでのみ試験したが、ウシD
NAよりもイヌDNAのほうが良好に検出していた。より純粋なPCR産物がバ
ックグラウンドのより少ないDNAを与える。
【0432】
【表78】 実施例18:トリソミーの検出 本実施例では摸倣トリソミー試料の検出を説明する。核酸プローブおよび標的
は実施例13に記載のものを用いた。これらにはCMVプローブ9211(配列
番号71)および9212(配列番号72)、二本鎖合成CMV野生型標的CM
V−Aのp−ゼロ−2クローン(10800(配列番号65)および10801
(配列番号66))および二本鎖合成CMV突然変異標的CMV−Gのp−ゼロ
−2クローン(10803(配列番号67)および10805(配列番号68)
)が含まれる。
【0433】 各p−ゼロ−2プラスミド(1μg)を1時間37℃でPstI制限酵素で完
全に消化した。次に消化物10μLをさらに水20μLで希釈した。 以下の主混合物を調製した。 60μL 10xDNAポリメラーゼ緩衝液(Promega M195A) 7.5μL 40mM NaPPi(Promega C113) 1.5μL 10U/μL クレノーexo−(Promega M128A) 3μL NDPK 6μL 10μM ADP(Promega A5285) 225μL 水 (Promega AA399) 以下の溶液を消化され希釈された鋳型を用いて調製した。
【0434】
【表79】 溶液を3分間95℃に加熱し、次に室温で10分間冷却した。次に主混合物2
0μLを添加し、溶液を更に15分間37℃に加熱した。次に溶液4μLを10
0μLのL/L試薬(Promega F202A)に添加し、相対光出力をT
urner(登録商標)TD20/20ルミノメーターで即座に測定した。rl
u値を以下に示す。
【0435】 rlu値によれば、1:2(A:G)鋳型混合物は1:2のrlu比を示した
のに対し、異型接合の1:1のA:Gのrlu比は1:1に近いものであった。
即ち意図する方法はトリソミーの検出のために有用であることを示している。
【0436】
【表80】 実施例19:植物材料から単離したDNAにおけるSNP異型接合性水準の分析 SNP部位において異なる種々の量の2対立遺伝子を有する8つの異なるコメ
DNA試料を分析して植物試料における異型接合性の程度を検出するピロホスホ
リル化の能力を調べた。DNA遺伝子型(GおよびT)は実施例7に示すとおり
である。
【0437】 8つの暗号化された異型接合コメDNA試料および2つの同型接合コメDNA
試料を入手(Texas A&M,Crop Biotechnology C
enter)し、実施例7に記載の通りプライマーRS1(配列番号24)およ
びRS2(配列番号25)を用いてPCR増幅した。次に得られたPCR産物を
T7エキソヌクレアーゼ6で処理し、実施例7に記載の通り精製した。得られた
DNAの調査は、PCR産物4μLを調査オリゴヌクレオチド150pmolお
よび水と混合して最終容量20μLとすることにより行なった。この溶液を2分
間95℃で、次に10分間37℃でインキュベートした。使用した調査オリゴヌ
クレオチドはRS3(配列番号26)、RS4(配列番号27)、或いは未使用
とした。次に主混合物20μLを添加し、溶液を更に15分間37℃でインキュ
ベートした。次にこれらの溶液を100μLのL/L試薬(Promega F
202A)と合わせ、光出力をBerthold Eg&G microlum
at plusルミノメータで測定した。相対光単位(rlu)を無オリゴヌク
レオチドバックグラウンドについて補正し、以下に示す。
【0438】
【表81】 これらのG:T比は更に以下の検討により確認した。8つの異型接合試料およ
び2つの同型接合試料を前述の通り再度増幅したが、今回はPCR反応には1μ
Lの32PdATPおよび32PdCTPを加えた。次に得られたPCR産物10μ
Lを37℃で1時間PCR緩衝液中2.5mMのMgCl2中で1μLの制限エ
ンドヌクレアーゼAccIで消化した。AccIはG対立遺伝子PCR産物を1
20bpの2重物に切断するが、T対立遺伝子のPCR産物由来の240bp断
片は切断しない。消化物は10%アクリルアミドTBEゲル上で泳動し、65℃
で1時間乾燥し、得られたバンドを1時間Molecular Dynamic
s Fluoroimager screen上で定量した。以下の数値を得た
【0439】
【表82】 試料8はPCR反応が失敗したため数値が得られなかった。2つのデータセッ
トの間の相関係数は0.992036であった。
【0440】
【表83】 実施例20:蛍光標識を使用した調査 本実施例は本発明の方法により目的の標的核酸にハイブリダイズざれたプロー
ブの3’−末端から放出されたヌクレオチドを質量スペクトル測定または蛍光H
PLCにより検出することができ、これにより核酸試料中の標的核酸または標的
の調査位置の特定の塩基の存在または非存在の証拠を得ることができることを示
すものである。
【0441】 調査プローブはヌクレオチドの5’−末端に連結された蛍光標識を有するよう
に設計される。フルオレセインまたはローダミンのような蛍光タグは、プローブ
として使用することになるオリゴヌクレオチドの5’−エンドに存在するホスホ
ロアミダイトヌクレオチドに結合した蛍光分子を用いて合成中にプローブにとり
込まれることができる(Glen Research)。
【0442】 プローブPT5(配列番号104)およびPT6(配列番号105)を用いて
プロトロンビン遺伝子をコードする約500塩基対に渡るヒトゲノムDNAの領
域をPCR増幅する。プローブPT5は5’−エンドの最初の5塩基の間にホス
ホロチオエート結合を有する。
【0443】 PCRサイクルのパラメーターは以下の通り、即ち、94℃2分間;(94℃
30秒;60℃1分;70℃1分)x40;70℃45分とした。T7遺伝子6
エキソヌクレアーゼ(USB Amersham)50単位をPCR反応混合物
25μLに添加し、溶液を37℃で30分間インキュベートした。磁性シリカ(
Promega,A1330)を用いて遊離のヌクレオチドを溶液から除き、残
存DNAを水100μLで溶離した。PCR産物をT7遺伝子6エキソヌクレア
ーゼ(USB Amersham)で処理し、上記した通り遊離ヌクレオチドか
ら精製した。
【0444】 プロトロンビン調査プローブは、突然変異プロトロンビン配列のセグメントに
全体的に相補的な11265(配列番号106)、および、野生型プロトロンビ
ン配列のセグメントに全体的に相補的な11266(配列番号107)とした。
これらのプローブの各々は3’−エンドから8塩基に脱安定化突然変異を有して
いる。これらのプローブの各々は上記した通りプローブの合成の間にとりこまれ
た5’−エンドの標識を有する。
【0445】 精製されたPCR産物は2つの調査プローブ(野生型および突然変異)の各々
を用いて個別の反応において調査する。調査プローブの各々についてプローブ分
子よりもモル過剰量の標的分子とも調査反応は以下の組成: 40μL PCR産物 15pmol 調査オリゴヌクレオチド で行ない、水を最終容量50μLとなるまで添加する。
【0446】 反応混合物を3分間95℃で、ついで15分間37℃でインキュベートする。 次に主混合物50μLを添加する。クレノーexo−を含有する主混合物の組
成はADPおよびNDPKを含有しないほかは実施例1に記載のものと同様であ
る。次に反応を15分間37℃で進行させる。次にハイブリッドの変性を行なう
ために、3分間95℃で反応混合物をインキュベートし、水100μLを添加し
て分離した鎖を希釈し、そして、得られた変性溶液を氷上のチューブに入れる。
【0447】 次に溶液を半分に分け、2通りの異なる方法で分析する。一方の方法では溶液
中の標識されたプローブの大きさをケイ素脱着イオン化質量スペクトル測定によ
り分析する(Wei,J.etal.,Nature,399:243−246
,1999)。本方法はフェムトモルおよびオットモルレベルの分析対象に対し
て感度を有する。試料は上記文献中に記載のスペクトル測定法用に調製する。本
質的には、分析対象を典型的には0.001〜10.0μMの範囲の濃度で脱イ
オン水/メタノール混合物(1:1)に溶解する。溶液のうち少量(少なくとも
0.5〜1.0μL,少なくとも0.5フェムトモル〜100ピコモルの分析対
象に相当)を多孔質の表面に吸着させ、乾燥した後に質量スペクトル分析を行な
う。
【0448】 これらの試験はVoyager DE−STRのタイムオブフライト質量スペ
クトル測定(PerSeptive Biosystems)上、337nmで
操作するパルス窒素レーザー(Laser Science)を用いて行なう。
形成されたイオンは20kVの電圧下、加速されてタイムオブフライトの質量分
析器に入る。他の液体クロマトグラフィー質量スペクトル測定(LC−MS)機
器を用いて分析してもよい(Niessen W.J.Chromatog.A
794:407−435(1998))。
【0449】 第2の方法においては、溶液中の変性された標識プローブ鎖をJain et
al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.200:
1239−1244(1994)またはLevitt,B.et al.,An
al.Biochem.137:93−100(1984)に記載の通り、蛍光
検出器を用いてHPLCにより分析する。変性した標識プローブ鎖の大きさはA
BI377により確認する。
【0450】 変性された溶液中に存在する標識されたプローブ鎖の大きさは、ヌクレオチド
がプローブの3’−末端から放出されたか否かを示しており、従って、マッチま
たはミスマッチの塩基対がプローブ/鋳型ハイブリッドの3’−末端に存在した
かどうかを示している。野生型プローブを含有する変性溶液の場合は、元のプロ
ーブの長さより短い標識されたプローブが観察されることは、元の試料中の少な
くとも1つの対立遺伝子の3’−末端においてマッチ塩基が存在すること、従っ
て、元の試料の少なくとも1つの対立遺伝子は野生型であることを示している。
突然変異プローブを含有する変性溶液の場合、元のプローブの長さより短い標識
されたプローブが観察されることは、元の試料中の少なくとも1つの対立遺伝子
の3’−末端においてマッチ塩基が存在すること、従って、元の試料の少なくと
も1つの対立遺伝子は野生型であることを示している。両方の場合において、分
析出力を定量することによりその遺伝子座において遺伝子型が同型接合である異
型接合であるかを調べることができる。
【0451】
【表84】 実施例21:複合細胞混合物中で検出することができる最小細胞集団の測定 本実施例は、意図する方法を用いて他の細胞のバックグラウンドにおいて小さ
い細胞集団を検出することができることを示すように考案されている。即ち、1
x106NIH−3T3細胞(ATCC CRL 1658)の一定バックグラ
ウンド中漸増量のk562細胞(ATCC CCL 243)を含有する細胞混
合物からRNAを単離した。次にRNAを用いて染色体転位によりk562細胞
に特異的であるbcr/abl転位転写物のRT−PCRを行なった。転位はa
bl遺伝子のセグメントの関与とともにbcr遺伝子の領域において起こる。N
IH−3T3細胞は転位を有さず、このため、bcrおよびablの転写物に関
し野生型である。
【0452】 NIH−3T3細胞をリン酸塩緩衝食塩水で洗浄し、5分間2000Gで遠心
分離し、細胞を沈殿させた。上澄みを除去し、細胞沈殿物をSV RNA溶解緩
衝液(Promega Corp.,#Z3100)に再懸濁し、溶解緩衝液中
1x106個/175μLの最終密度とした。同様にしてK562細胞をリン酸
塩緩衝食塩水で洗浄し、5分間2000Gで遠心分離し、細胞を沈殿させた。上
澄みを除去し、細胞沈殿物をSV RNA溶解緩衝液に再懸濁し、溶解緩衝液中
1x106個/175μLの最終密度とした。細胞溶解物を18ゲージの針を通
すことによりゲノムDNAをせん断させた。
【0453】 細胞溶解物を以下に記載する通り合わせ、SV溶解緩衝液を最終容量350μ
Lとなるように添加した。試料2はK562溶解物の1:1000希釈物を用い
、試料3,4および5はK562溶解物の1:100希釈物を用い、そして試料
6〜10は未希釈の溶解物を用いた。
【0454】
【表85】 次に総RNAを製造元の取り扱い説明書(Promega,Z3100)に従
ってSV総RNA単離システムを用いて上記の合わせた溶解物から単離した。R
NAを各々100μLの水に溶離し、使用時まで−20℃で保存した。
【0455】 得られた各試料のRNA濃度は、水300μLと混合した該当試料10μLを
UVスペクトル測定することにより調べた。セットAにおいては、試料は上記し
たNIH−3T3細胞とK562細胞の複合物とした。セットBにおいては、試
料は上記した数および容量のK562細胞のみとした。スペクトル分析の結果は
以下に示すとおりである。OD260の吸光度はDNAの量を示し、OD280
の吸光度は蛋白の量を示し、そして260/280の比がRNAの純度を決定し
、高純度の試料は約2.0の260/280比を有する。
【0456】
【表86】 *na=低値のため正確な測定が不可能。) 1B〜8Bの値は極めて低値であったため、当該分野でよく知られているとお
り、極めて低い核酸濃度においてはスペクトル分析の感度が無いことを示してい
る。
【0457】 染色体転位のためにK562特異的となっているbcr−abl産物のRT−
PCR反応は、200塩基対のRT−PCR産物を得るために合計5μLのRN
Aおよび増幅プライマー9261および10860(下記)を用いて製造元によ
る取り扱い説明書に従ってRT−PCRシステム(Promega,A1250
)を用いてセットアップした。10860のオリゴヌクレオチドは5’−末端に
3個のホスホロチオエート結合を有している。RT−PCRサイクルパラメータ
ーは48℃45分間、95℃2分間、40x(94℃30秒間、65℃1分間、
68℃1分間)、68℃7分間、4℃浸積とした。
【0458】
【表87】 得られた増幅産物5μLを1.5%アガロースゲル上で泳動した。200bp
のbcr/ablバンドは試料3B〜10Bおよび3A〜10Aで検出可能であ
った。従って、上記した方法を用いたbcr/abl転位は1x106個のNI
H−3T3細胞のバックグラウンドにおいて100個のK562細胞中容易に検
出された。
【0459】 別のセットの反応において、RT−PCR産物(25μL)を37℃で30分
間T7遺伝子6エキソヌクレアーゼ0.5単位で処理した。次に試料をMagn
eSil(商標名)磁性シリカ粒子を用いて精製した。
【0460】 即ち、PCR産物25μLを結合緩衝液(0.4Mチオシアン酸グアニジン+
0.08M酢酸カリウム)150μL中で粒子1.5mgと合わせた。組成物を
室温で2分間インキュベートした。チューブを磁気スタンドに置くことにより粒
子を捕獲し、上澄みを除去した。粒子を70%エタノール150μLで4回洗浄
した。粒子を水50μLに再懸濁し、室温で2分間インキュベートした。次に結
合緩衝液(粒子非含有)150μLを添加し、チューブを室温で2分間インキュ
ベートした。粒子を捕獲し、70%エタノール150μLで3回洗浄した。最終
洗浄液を除去し、粒子を室温で10分間風乾した。次に粒子を水100μLに再
懸濁し、室温で2分間インキュベートした。粒子を捕獲し、精製されたPCR産
物を含有する上澄みを新しいチューブに移した。各精製RT−PCR産物5μL
を調査試験に用いたところ、統計学的データのグラフは、10細胞調査試験の−
4σ値は0細胞対照調査反応の+4σ値と交差しないことから、10のk562
細胞が検出できたことを示していた。即ち、この技法を用いることにより、混合
細胞集団の0.001%が検出される。
【0461】 以下の主混合物を調製した。 10x緩衝液(Promega,M190) 20μL 25mM MgCl2 20μL 水 51μL 40mM NaPPi 5μL 10uM ADP 2μL 5U/μL Tne3重突然変異ポリメラーゼ(1U/反応)1μL 0.5U/μL Pfu NDPK(0.1U/反応) 1μL 試料(5μL)および11065調査オリゴヌクレオチド(1μg)を水中で
合わせ、最終容量20μLとした。これらを3分間95℃に加熱し、次に60℃
で10分間インキュベートした。次に主混合物20μLを添加し、反応混合物を
60℃で15分間インキュベートした。次に100μLのL/L試薬(Prom
ega F202A)に添加し、光出力(平均rlu)をTurner(登録商
標)TD20/20ルミノメーターで測定した。バックグラウンドのRLUを差
し引き、3読み取り値の平均を以下に示す。
【0462】
【表88】 実施例22:調査反応のPCRクリーンアップおよびATP測定工程の自動化 調査反応のPCRクリーンアップとATP測定の工程を自動化できる能力を本
実施例で説明する。ロボットは調査主混合物の添加を自動化し、ルシフェラーゼ
反応の前にインキュベート時間を与えることも可能であるが、それはこの特定の
実施例では説明しない。
【0463】 同じPCR増幅プライマー、同じSNP調査プライマーおよび同じ増幅条件を
用いた実施例7に詳細に記載したPCR操作をここでも用いることにより既知S
NP部位における189のコメゲノムDNAの遺伝子型を調べる。PCR反応終
了後、50μLのPCR反応の各々の25μLをDynex(商標名)V−底9
6穴プレートに移し、Biomek(商標名)2000ロボット(Beckma
n)上に置いた。T7エキソヌクレアーゼ6(1μL)を各ウェルに添加し、プ
レートを30分間37℃でインキュベートした。ロボットをプログラミングし、
以下の工程を完了した。 (1)ロボットが溝中の上下ピペッティング操作によりチオシアン酸グアニジン
溶液中の磁気シリカ粒子を(Promega)を混合した。 (2)粒子180μLを8マイクロピペットチップのセットに採取し、プレート
のカラム1に移した。これと同じセットの8チップで粒子180μLを各プレー
トの各カラムに移した。 (3)個別のチップを用いて上下ピペッティング操作を4回行なうことによりウ
ェルの内容物を混合した。この工程では各ウェル専用のチップを用いた。 (4)ロボットはプレートを磁気ピン列を有するステーションにまで移動させ、
ここで粒子をウェル側部に捕獲し、上澄みを廃棄物として除去し、溝部にいれた
。 (5)ロボットは各ウェルに付き専用の新しいセットのチップを用いて3回70
%エタノール洗浄を行なった。 (6)最後の洗浄溶液を除去した後、ロボットのグリッパーアームでプレートを
磁石から取り外して別のステーションに置き、ここで各ウェルに水50μLを添
加した。 (7)上下ピペッティング操作により水を粒子と混合し、次に150μLの0.
4Mチオシアン酸グアニジン、0.08M酢酸カリウムを各ウェルに添加した。
一列の8チップを用いて溶液を分注し、ここでは各ウェルにつき専用のチップを
用いてウェルの内容物を混合した。 (8)ロボットでプレートを磁気ピン列に戻した。 (9)ウェルの内容物を上下ピペッティング操作により混合し、粒子をウェル壁
上に捕獲し、そして、上澄みを廃棄物溝に除去した。 (10)100μLの70%エタノール洗浄を3回行なった。 (11)最終洗浄液を除去した後、粒子を10分間風乾した。 (12)次にロボットのグリッパーアームでプレートを磁石から取り外し、別の
スタンドに置いた。 (13)100μLの水を各ウェルに添加し、ウェルの内容物を上下ピペッティ
ング操作により各ウェル専用のチップで混合した。 (14)プレートを磁石上に置き、粒子と分離したDNA含有水を新しいプレー
トに移した。
【0464】 この時点で、マルチチャンネルピペッターを用いて手動により各ウェルの内容
物10μLをルミノメーター96穴プレートに移し、調査オリゴヌクレオチド(
10μL中150ピコモル)を各ウェルに添加した。次に、0.6N NaOH
10μLを各ウェルに添加し、プレートを室温で5分間インキュベートし、二本
鎖DNAを変性した。次に0.1M トリスpH7.3を10μL添加して溶液
を中和し、アニーリングが可能な場合は調査オリゴヌクレオチドを鋳型DNAに
アニーリングさせた。
【0465】 プレートをBerthold(商標名)ルミノメーターに移し、5分間37℃
に加温した。次にルミノメーターで自動的にL/L試薬100μLを添加した。
データをExcel(登録商標)スプレッドシートに移して分析した。データを
以下に示す。本方法を使用することにより合計192試料のうち、189試料が
同型接合の野生型か突然変異か、または、異型接合であるかを判別できた。 対象となった総試料 189 WT同型接合体 108 突然変異同型接合体 74 異型接合体 7 対象外 3 %対象試料 97.4 平均WT RLU 289791.96 平均突然変異RLU 294958.30 対照値: 対照WT調査 1100 rlu 対照突然変異調査 1300 rlu
【0466】
【表89】 (*は示された塩基間のホスホロチオエート結合の存在を示す)
【0467】
【表90】
【0468】
【表91】
【0469】
【表92】
【0470】
【表93】
【0471】
【表94】
【0472】
【表95】
【0473】
【表96】
【0474】
【表97】
【0475】
【表98】 実施例23:自己アニーリング調査プローブ 本実施例は本方法の調査技術においてヘアピン構造を形成するために用いる種
々のオリゴヌクレオチドプローブの使用を例示する。本研究は調査反応に調査部
位特異的なプローブを加える必要性をなくすための方法を示す。
【0476】 ここでは、オリゴヌクレオチドプローブは標的配列の調査位置の下流(3’側
)の標的鎖にアニールする。オリゴヌクレオチドはヌクレオチドの未アニーリン
グ領域をその5’エンドに、そしてそれに引き続き、標的鎖の調査領域と同一の
約5〜約20ヌクレオチドを有する。次にオリゴヌクレオチドのアニーリングさ
れた3’−エンドを標的鎖の調査位置を通過して伸長し、いわゆる伸長プローブ
と称される物を構築する。ハイブリッドを変性し伸長されたプローブ鎖とオリゴ
ヌクレオチドプローブの5’−エンドとの間にヘアピン構造を形成する。次にこ
の領域のミスマッチの有無について標準的な調査反応により試験する。
【0477】 伸長されたプローブ鎖がとると思われる異なる種類のヘアピン構造を示すよう
に4つのプローブを設計した。これらのプローブは、10207(配列番号89
)、10208(配列番号90)、10209(配列番号91)および1021
2(配列番号92)である。
【0478】 これらのプローブは自己アニーリングさせた場合には以下の自己ハイブリダイ
ズ二次構造を形成すると推定される。
【0479】
【表99】 4種のプローブの各々5μL(5μg)をナノ精製水で希釈して100μLと
した。次にこれらを1:10で連続希釈して最終希釈ファクター1:100,0
00とした。希釈されたプローブ20μLを3分間95℃で個別のチューブ中で
加熱し、10分間室温に冷却して自己アニーリングさせた。次に実施例1に記載
した主混合物20μLを各チューブに添加し、チューブを15分間37℃でイン
キュベートした。溶液10μLを100μLのL/L試薬(Promega,F
202A)に添加し、相対光単位をTurner(登録商標)TD20/20ル
ミノメーターで即座に測定した。プローブ非存在の対照群は相対光単位57.2
4であり、残存プローブの結果は以下の表に相対光単位(rlu)として報告す
る。
【0480】
【表100】 プローブ10207は期待された通り調査のための効率的な標的として機能し
、プローブ10208は予測されたマイナスの結果を示した。プローブ1021
2は塩基のマッチが僅か3箇所であり、このため伸長できず、低い値をもたらし
た。プローブ10209は3’−エンドから内側の3番目のヌクレオチドにある
ミスマッチのため、ヘアピンが形成してもアニーリングされない3’−末端ヌク
レオチドを有していると考えられる。このような未アニーリングの3’−末端ヌ
クレオチドが低いrluの原因であると考えられる。
【0481】
【表101】 実施例24:自己アニーリングプライマーを用いた調査:II 本実施例および図1は異なる種類のオリゴヌクレオチドプローブである「RE
APER(商標名)」プローブの本発明の方法における使用を説明する。この実
施例は調査反応に調査部位特異的なプローブを加える必要性をなくすための方法
を示している。
【0482】 ここではオリゴヌクレオチドの第1プローブ(配列番号112)はその3’−
エンドにおいて、標的鎖の調査位置の下流(3’側)の標的鎖(配列番号111
)にアニールさせる(図1A)。プローブはその5’−エンドに、調査位置を含
む標的鎖上の領域に同一の約5〜約20ヌクレオチドを含むヌクレオチドの未ア
ニーリング領域を有している。この同一領域は標的とプローブの鎖の双方で同じ
方向に存在する。
【0483】 次にアニールしたプローブの3’−エンドを標的鎖の調査位置を通過して伸長
し、図1Bに示されるとおり、第1の伸長されたプローブおよび伸長された第1
のハイブリッドと称される物を形成する(配列番号113)。伸長された第1の
ハイブリッドを変性し、第2のプローブ(配列番号114)を第1の伸張された
プローブにアニーリングして第2のハイブリッドを形成する。この第2のプロー
ブは第1の伸長されたプローブ鎖上の調査位置の下流の領域の第1の伸張された
プローブ鎖と相補的である(図1C)。
【0484】 次に図1Dに示すとおり、第2のプローブを伸長し、第2の伸長されたハイブ
リッドを形成する。第2の伸長されたハイブリッドは第1の伸長されたプローブ
および第2の伸長されたプローブよりなる(配列番号115)。
【0485】 第2の伸長されたハイブリッドの鎖を変性し、再生させてヘアピン構造を形成
させる。ヘアピンの形成により、第1の伸長されたプローブは3’−オーバーハ
ングを有するヘアピン構造を形成するのに対し、第2の伸長されたプローブは脱
重合の基質となる5’−オーバーハングを含むヘアピン構造を形成する。次に第
2の伸長されたプローブ鎖を脱重合し、分析出力を明細書に記載の通り得る。分
析出力は、本明細書で説明した通り、元の標的鎖、または元の標的鎖中の特定の
塩基の存在または非存在を測定する。
【0486】 配列番号111のオリゴヌクレオチドを水で1mg/mlに希釈する。この溶
液を111と標示する。配列番号112のオリゴヌクレオチドを水で1mg/m
lに希釈して、この溶液を112と標示する。各溶液111および112を1μ
Lづつ水18μLと合わせる。溶液を5分間95℃に加熱し、その後、10分間
室温に冷却して、配列番号111と112のオリゴヌクレオチドをアニーリング
させる。
【0487】 この溶液に、dNTP混合物を各dNTPに付き0.25mMの最終濃度とな
るまで、10xクレノー緩衝液を最終濃度1xとなるまで、そして、5Uのクレ
ノー酵素を添加する。これらの成分の入ったチューブを30分間37℃でインキ
ュベートする。このようにして形成された伸長された第1のハイブリッドDNA
(配列番号113を含む)を精製(Quiagen,Mermaid syst
em)し、水50μL中に溶離する。
【0488】 この精製伸長第1ハイブリッド溶液に、第2のプローブとして配列番号114
のオリゴヌクレオチド1μL(1mg/ml)を添加する。次に溶液を5分間9
5℃に加熱し、室温に冷却して114および113を図1Cに示すとおりアニー
リングさせ、第2のハイブリッドを形成する。この溶液にdNTP混合物を各d
NTPに付き0.25mMの最終濃度となるまで、10xクレノー緩衝液を最終
濃度1xとなるまで、そして、5Uのクレノー酵素を添加する。これらの成分の
入ったチューブを30分間37℃でインキュベートして第2の伸長されたプロー
ブを含有する第2の伸長されたハイブリッドを形成する(オリゴヌクレオチド配
列番号115)。
【0489】 形成された配列番号115/113の第2の伸長されたハイブリッドDNA(
図1D)を精製(Qiqgen,Mermaid system)して未反応の
dNTPから伸長されたハイブリッドを分離し、水50μL中に溶離させる。(
或いは、元の112オリゴヌクレオチドをその5’−末端でビオチニル化し、こ
のビオチンはその後配列番号113の鎖中にも存在する。このビオチニル化鎖1
13を次に鎖115から変性し、製造元の取り扱い説明書(Promega,Z
5481)に従ってストレプトアビジンコーティング常磁性体粒子を用いて溶液
から除去し、115のヘアピン構造を以下の通り形成させる。) このハイブリッド溶液を次に5分間95℃に加熱し、水で希釈して100μL
とし、10分間氷上で冷却してヘアピン構造を形成させる。
【0490】 以下の主混合物を調製して混合する。
【0491】
【表102】 この主混合物20μLを冷却後上記ヘアピン含有溶液20μLに添加し、得ら
れた混合物を15分間37℃に加熱する。このインキュベーションの後、溶液の
4μL試料を2連で採取し、100μLのL/L試薬(Promega,F20
2A)に添加し、反応により生成した光をTurner(登録商標)TD20/
20ルミノメーターを用いて即座に測定する。バックグラウンド値(酵素無添加
)を超える水準の正の分析出力はマッチした塩基がヘアピン構造の3’−末端に
存在することを指しており、このことは、標的鎖の存在を指し、そしてこの特定
の例においては、標的の調査位置にG塩基が存在することも指す。
【0492】
【表103】 実施例25:自己アニーリングプライマーの調査:III 本実施例では、実施例23に記載した方法を用いて試料中のE.coil D
NAの存在を検出する。Reaper(商標名)プローブ(12028)はE.
coil DNAのlac Z遺伝子の20ヌクレオチドにハイブリダイズする
ように設計した。lac Z遺伝子のこの領域は配列番号117と命名する。未
伸長のプライマーは自己アニーリングせず、それ自身伸長してプライマーの2量
体を形成するか、高い水準のバックグラウンドノイズが生じることに留意しなけ
ればならない。プライマーはこの可能性を最低限にする用に設計した。
【0493】
【表104】 以下の反応をセットアップしてオリゴヌクレオチド12028をE.coil
lac Z遺伝子の相補領域にハイブリダイズした。12028オリゴヌクレ
オチドは反応中大モル過剰に存在させ、これにより複数の伸長作業を行なって1
2028オリゴヌクレオチドの全てが確実に伸長して配列番号116が構築され
るようにした。伸長はdCTPの非存在下に行ない、15塩基付加後にポリメラ
ーゼによる伸長を停止した。オリゴヌクレオチド12028をナノ精製水で希釈
し、最終濃度100μg/mlとした。
【0494】
【表105】 溶液を95℃で3分間インキュベートし、DNAを変性した。次に5U/μL
のTaq DNAポリメラーゼ(Promega,M1861)1μLを添加し
、95℃のインキュベーションを更に2分間進め、その後(95℃30秒、55
℃30秒、72℃1分)x35サイクルおよび4℃浸積を行なった。次にチュー
ブを取り外し、溶液20μLを新しいチューブに移した。1U/μL Shri
mpアルカリホスファターゼ(SAP)1μLを各チューブに添加し、次にこれ
らを30分間37℃でインキュベートし、その後15分間65℃でインキュベー
トし、溶液中の残存するヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの5’−エンド
から末端ホスフェートを除去した。チューブを遠心分離機中短時間回転させ、チ
ューブ底部に溶液を収集し、そして3分間95℃で加熱してDNAを変性させた
。次にチューブを10分間室温に冷却し、主幹となるループ構造を形成させた。
【0495】 溶液から遊離のヌクレオチドを除去するため、各チューブの内容物を個々にS
ephadex(登録商標)G−25カラムに適用し、製造元(Pharmac
ia)の取り扱い説明書に従って予備回転し、次に2分間3000rpmで遠心
分離した。溶離した溶液20μLを主混合物(50μL 10xDNAポリメラ
ーゼ緩衝液、6.25μL 40mM Nappi、10μL 10U/μL
クレノーexo minus,2μL 1U/μLNDPK、5μL 10μM
ADPおよび27μL水)5μLに添加し、混合し、37℃で20分間インキ
ュベートした。次に20μLを取り出して100μLのL/L 試薬(Prom
ega Corp)に添加した。光出力を即座にTurner(登録商標)TD
20/20ルミノメーターで測定した。相対光単位(rlu)の結果を以下に示
す。
【0496】
【表106】 溶液3および4(プライマーのみ)のバックグラウンドrlu値は極めて低値
であり、遊離のヌクレオチドが良好に除去されていることが示された。従って溶
液1および2の高値のバックグラウンドはE.coil DNAによるものであ
る。12028オリゴヌクレオチドの伸長の効率は20〜25%の範囲内にある
と思われる。これはより高いヌクレオチドおよび/またはプライマーの濃度を用
いることにより向上できると考えられる。 12028/lacZ(配列番号116/117)ハイブリッド:
【0497】
【表107】 下線を付した伸長により付加されたヌクレオチドを有する伸長した12028/
lacZ(配列番号118/117)ハイブリッド:
【0498】
【表108】 下線を付した伸長により付加されたヌクレオチドを有する伸長した12028(
配列番号118)二次構造:
【0499】
【表109】 実施例26:Campylobacter jejuniのゲノム中のDNA配
列の検出 オリゴヌクレオチド11453(配列番号119)および11454(配列番
号120)は完全に相補的であり、アニーリングしてCampylobacte
r jejuniの70bpのセグメントとなる合成標的を形成することができ
る。これらの2つのオリゴヌクレオチドをナノ精製水で希釈して最終濃度10μ
g/mlとした。次に各々4μLを232μLの10mMトリスpH7.3と混
合し、DNA0.3μg/mlの標的溶液を調製した。オリゴヌクレオチド11
451(配列番号121)および11450(配列番号122)は合成標的に顕
れる細菌ゲノムの対向する鎖に結合するCampylobacter jeju
ni調査プローブである。オリゴヌクレオチド11451はオリゴヌクレオチド
11454にアニーリングする。オリゴヌクレオチド11450はオリゴヌクレ
オチド11453にアニーリングする。
【0500】 以下の溶液を3連で調製しナノ精製水を最終容量20μLとなるまで添加した
【0501】
【表110】 調製した溶液を5分間92℃でインキュベートし、次に10分間室温に冷却し
た。主混合物を10単位のクレノーexo−ポリメラーゼおよび4単位のNDP
Kを用いて実施例1に記載の通り調製した。主混合物20μLを各チューブに添
加し、15分間37℃でインキュベートした。次に各溶液5μLを100μLの
L/L試薬(Promega F202A)と合わせ、光出力を即座にTurn
er(登録商標)TD20/20ルミノメーターで測定した。平均の相対光単位
(rlu)を上記表中に記録する。
【0502】 標的と共に各調査プローブを用いることは強力な正味のシグナルを与えると考
えらえる。しかしながら一番上のプローブ(11451)は恐らくはヘアピンの
形成により極めて強力なシグナルのみを与え、調査にはあまり適さない。一番下
の調査プローブ(11450)が調査にはより適する。
【0503】
【表111】 実施例27:核酸増幅を行なわないE.coil反復配列の検出 本実施例においては、E.coil中の反復配列をピロホスホリル化前の標的
配列の増幅を必要とすることなく検出する。この標的配列は「colirep」
と命名する。
【0504】 オリゴヌクレオチド11707(配列番号123)はcolirep DNA
の配列のセグメントと全体的に相補的である。オリゴヌクレオチド11707溶
液(1mg/ml)12μLを水204μLと混合して、溶液Aを作成した。1
1707(1mg/ml)4μLを水204μLおよび10mMトリスpH8.
0 8μLと混合することにより別の溶液を調製し、溶液Bを作成した。E.c
oilはSigma cat#D4889,E.coil菌株B超純粋である。
【0505】 4ng(2μL)のE.coil DNAを18μLの溶液Aおよび18μL
の溶液Bと個別のチューブ中で混合した。同様にして40ngのE.coil
DNAを18μLの溶液Aおよび18μLの溶液Bと個別のチューブ中で合わせ
た。次にこれらの溶液を3分間92℃でインキュベートし、15分間室温で冷却
した。以下の主混合物を調製した。 10xDNAポリメラーゼ緩衝液 240μL 40mM NaPPi 30μL クレノーexo−(10U/μL) 30μL NDPK(1U/μL) 12μL 10μM ADP(Sigma) 24μL 水 864μL 主混合物20μLを各反応に添加し、次にそれらを15分間37℃でインキュ
ベートした。次にL/L試薬100μLを添加し、相対光出力(rlu)を即座
にTurner(登録商標)TD20/20ルミノメーターで測定した。以下の
rluが得られた。
【0506】
【表112】 データによればオリゴヌクレオチドプローブ11707は本発明の方法により
増幅することなくE.coilのDNAを検出できることがわかる。 調査オリゴヌクレオチド:
【0507】
【表113】 上記から多くの修正や変更が本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく
行なえることは明らかである。記載した特定の例に関する如何なる制限も意図せ
ず、これを行なうものではない。開示内容は添付した請求項により請求項の範囲
内に属する変更を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例89に記載のReaper(商標名)試験を説明するものである
。図1Aは第1のプローブである配列番号112(112)に核酸標的である配
列番号111(111)をアニーリングすることにより形成した第1のハイブリ
ッドを示す。矢印は111における調査位置を指している。 図1Bは111を伸長された112にアニーリングすることにより形成される
第1の伸長されたハイブリッドを示す。伸長された112は第1の伸長されたプ
ローブである配列番号113(113)である。 図1Cは図1Bに示した変性核酸分子由来の113を配列番号114(114
)に示す第2のプローブにアニーリングすることにより形成した第2のハイブリ
ッドである。矢印は113における調査位置を指している。 図1Dは113および配列番号115(115)に示す伸長された114鎖を
アニーリングすることにより形成される伸長された第2のハイブリッドである。 図1Eは図1Dから変性され、ヘアピン構造を形成している115鎖を示す。
矢印はハイブリッドの3’−末端における調査位置を指している。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 33/58 A 33/58 C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 09/383,316 (32)優先日 平成11年8月25日(1999.8.25) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AU,BA,BB,BG, BR,CA,CN,CR,CU,CZ,DM,EE,G D,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MA, MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,S G,SI,SK,TR,TT,UA,UZ,VN,YU ,ZA (72)発明者 ライペ,ドナ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53705, マディソン,シェボイガン・アベニュー 4833,ナンバー 328 (72)発明者 マンドレカー,ミッシェル アメリカ合衆国ウィスコンシン州53575, オレゴン,アシュ・ストリート 525 (72)発明者 ケパート,ダニエル アメリカ合衆国ウィスコンシン州53527, カティッジ・グローヴ,ヴィスタ・ドライ ブ 112 (72)発明者 ローズ,リチャード・ビー アメリカ合衆国ウィスコンシン州53703, マディソン,ウエスト・ウィルソン・スト リート 444,ナンバー207 (72)発明者 アンドリュース,クリスティーン・アン アメリカ合衆国ウィスコンシン州53527, カティッジ・グローヴ,ウィスパリング・ ウェイ 800 (72)発明者 ハートネット,ジェームズ・ロバート アメリカ合衆国ウィスコンシン州53719, マディソン,チェサピーク・ドライブ 2590 (72)発明者 グ,トレント アメリカ合衆国ウィスコンシン州53715, マディソン,ノース・ウィングラ・ドライ ブ 1329 (72)発明者 オルソン,ライアン・ジェイ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53705, マディソン,ノース・アレン・ストリート 340,ナンバー 8 (72)発明者 ウッド,キース・ヴイ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53711― 5399,マディソン,コットケ・ドライブ 902,ナンバー 5 (72)発明者 ウェルチ,ロイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94306, パロ・アルト,マグノリア・ドライブ 3868 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA35 CA25 CB01 CB03 CB07 CB08 CB14 CB20 CB21 CB30 DA12 DA13 DA14 FB02 FB07 FB12 FB13 GC10 GC15 JA20 2G054 AA06 AA10 AB05 CA22 EA01 EA02 EA03 EA04 GB02 JA10 4B024 AA11 CA01 CA09 CA11 HA08 HA13 HA14 4B063 QA01 QA12 QA13 QA19 QQ41 QR07 QR08 QR32 QR50 QR56 QR62 QR66 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (125)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在または非存在
    を測定する方法であって、下記工程: (A)3’−末端領域内に識別子(identifier)ヌクレオチドを含む
    核酸プローブとハイブリダイズされた上記所定の核酸標的配列を含有する標的試
    料を提供すること; (B)処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末端から
    ヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して処理さ
    れた反応混合物を形成すること; (C)酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合してそれより識別子ヌクレオチ
    ドを放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること;および
    、 (D)放出された識別子ヌクレオチドの存在を分析して、上記内因性核酸標的配
    列の存在または非存在を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  2. 【請求項2】 上記識別子ヌクレオチドがヌクレオシドトリホスフェートで
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求項
    4記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出された
    後に蛍光標識される請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出された
    後に蛍光標識される請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請求
    項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記処理された試料を下記操作: (a)試験すべき試料を核酸プローブの1つ以上と混合してハイブリダイゼーシ
    ョン組成物を形成すること、ただし上記核酸プローブの3’−末端領域は(i)
    上記内因性核酸標的配列が試料中に存在する場合に該配列に対して部分的または
    全体的な相補性でハイブリダイズし、そして(ii)識別子ヌクレオチドを含む
    ものとすること; (b)核酸プローブとハイブリダイズした上記1つの所定の核酸標的配列を含有
    する処理された試料を形成するのに十分な時間上記ハイブリダイゼーション組成
    物を維持すること、 により形成する工程を更に含む請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記核酸試料が生物学的試料から得られる請求項1記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在または非存
    在を測定する方法であって、下記工程: (A)試験すべき試料を核酸プローブの1つ以上と混合してハイブリダイゼーシ
    ョン組成物を形成すること、ただし上記核酸プローブの3’−末端領域は(i)
    上記所定の内因性核酸標的配列が試料中に存在する場合に該配列少なくとも1つ
    に対して部分的または全体的な相補性でハイブリダイズし、そして(ii)識別
    子ヌクレオチドを含むものとすること; (B)核酸プローブとハイブリダイズした上記所定の内因性核酸標的配列を含有
    する処理された試料を形成するのに十分な時間上記ハイブリダイゼーション組成
    物を維持すること、 (C)処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末端から
    ヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して処理さ
    れた反応混合物を形成すること; (D)酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合してそれより識別子ヌクレオチ
    ドを放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること;および
    、 (E)放出された識別子ヌクレオチドの存在を分析して、上記内因性核酸標的配
    列少なくとも1つの存在または非存在を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  14. 【請求項14】 上記識別子ヌクレオチドがヌクレオシドトリホスフェート
    である請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項
    13記載の方法。
  16. 【請求項16】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求項
    13記載の方法。
  17. 【請求項17】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求項
    13記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請求
    項13記載の方法。
  23. 【請求項23】 上記試料が複数の所定の内因性核酸標的配列を含む、複数
    の上記核酸プローブと混合される請求項13記載の方法。
  24. 【請求項24】 上記核酸プローブの1つが1つの内因性標的核酸配列に部
    分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全て
    がそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より大きい請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 上記核酸プローブの1つが1つの内因性標的核酸配列に部
    分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全て
    がそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より小さい請求項23記載の方法。
  26. 【請求項26】 上記核酸プローブの1つが1つの内因性核酸標的配列に全
    体的相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全
    てがそれらの対応する核酸標的配列に部分相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より大きい請求項23記載の方法。
  27. 【請求項27】 上記核酸プローブの1つが1つの内因性標的核酸配列に全
    体的相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全
    てがそれらの対応する核酸標的配列に部分相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より小さいい請求項23記載の方法。
  28. 【請求項28】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’−
    末端領域におけるその塩基が全体的相補性でマッチするハイブリダイズされた核
    酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性のポリメラーゼであ
    る請求項13記載の方法。
  29. 【請求項29】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’→
    5’−エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3’−
    末端領域にミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイズされた核酸を脱重合
    する請求項13記載の方法。
  30. 【請求項30】 試験すべき試料中の内因性核酸標的配列中の特定の塩基の
    存在または非存在を測定する方法であって、下記工程: (A)試験すべき試料を核酸プローブの1つ以上と混合して内因性ハイブリダイ
    ゼーション組成物を形成すること、ただし上記核酸プローブ少なくとも1つの3
    ’−末端領域は(i)上記内因性核酸標的配列と実質的に相補的であり、そして
    調査位置において所定のヌクレオチド少なくとも1つを有し、そして、(ii)
    識別子ヌクレオチドを含むものとすることとし、そして、上記核酸標的配列は存
    在および非存在を測定する特定の塩基少なくとも1つを有することとし; (B)処理された試料を形成するのに十分な時間、上記ハイブリダイズされた組
    成物を維持すること、ただしプローブの上記調査位置は、上記内因性標的配列中
    の識別すべき上記特定の塩基が存在する場合はこれと並べられていることにより
    塩基対形成が起こり得るようにしたヌクレオチドであることとし; (C)処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−末端から
    ヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素と混合してハイブリッドを脱
    重合して処理された反応混合物を形成すること; (D)処理された反応混合物を、これより識別子ヌクレオチドが放出されるのに
    十分な時間維持すること;および、 (E)放出された識別子ヌクレオチドの存在または非存在を分析することにより
    上記識別すべき特定の塩基の存在または非存在を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  31. 【請求項31】 識別子ヌクレオチドが調査位置にある請求項30記載の方
    法。
  32. 【請求項32】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求項
    30記載の方法。
  33. 【請求項33】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求項
    30記載の方法。
  35. 【請求項35】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項32記載の方法。
  36. 【請求項36】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項34記載の方法。
  37. 【請求項37】 上記核酸標的配列がデオキシリボ核酸およびリボ核酸より
    なる群から選択される請求項30記載の方法。
  38. 【請求項38】 第1位のプローブ、第2のプローブ、第3のプローブおよ
    び第4のプローブを更に包含する請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 上記第1のプローブの上記調査位置がデオキシアデノシン
    またはアデノシン残基である核酸残基を含有し、上記第2のプローブの上記調査
    位置がデオキシチミジンまたはウリジン残基である核酸残基を含有し、上記第3
    のプローブの上記調査位置がデオキシグアノシンまたはグアノシン残基である核
    酸残基を含有し、そして上記第4の核酸プローブがデオキシシトシンまたはシト
    シン残基である核酸残基を含有する請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 試験すべき上記試料が、複数の特定の塩基の存在または非
    存在を調査する複数の内因性核酸標的配列を含有する請求項30記載の方法。
  41. 【請求項41】 上記外因性核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列に部
    分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全て
    がそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より大きい請求項40記載の方法。
  42. 【請求項42】 上記核酸プローブの1つが1つの標的内因性核酸配列に部
    分相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全て
    がそれらの対応する核酸標的配列に全体的相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より小さい請求項40記載の方法。
  43. 【請求項43】 上記核酸プローブの1つが1つの内因性核酸標的配列に全
    体的相補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全
    てがそれらの対応する核酸標的配列に部分相補性でハイブリダイズする場合の分
    析出力より大きい請求項40記載の方法。
  44. 【請求項44】 上記核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列に全体的相
    補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全てがそ
    れらの対応する核酸標的配列に部分相補性でハイブリダイズする場合の分析出力
    より小さい請求項40記載の方法。
  45. 【請求項45】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、プロー
    ブの3’−末端領域におけるその塩基が全体的相補性でマッチするハイブリダイ
    ズされた核酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性のポリメ
    ラーゼである請求項30記載の方法。
  46. 【請求項46】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’→
    5’−エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3’−
    末端にミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイズされた核酸を脱重合する
    請求項30記載の方法。
  47. 【請求項47】 第1の内因性核酸標的または実質的に同一の第2の標的を
    含有する核酸試料中の該標的の存在または非存在を測定する方法であって、下記
    工程: (A)試験すべき試料を核酸プローブの1つ以上と混合してハイブリダイゼーシ
    ョン組成物を形成すること、ただし上記第1位および第2の内因性核酸標的は内
    因性標的間で異なる所定の位置において単一のヌクレオチド少なくとも1つを除
    き配列同一性の領域を含むこととし、そして上記核酸プローブは(i)配列同一
    性の上記核酸標的領域と実質的に相補的であり、そして調査位置においてヌクレ
    オチド少なくとも1つを包含し、ここでプローブの上記調査位置は標的およびプ
    ローブがハイブリダイズされる場合に標的の上記所定位置に並置され、そして(
    ii)3’−末端領域に識別子ヌクレオチドを含むこととし; (B)処理された試料を形成するのに十分な時間、上記ハイブリダイズされた組
    成物を維持すること、ただし上記プローブの上記調査位置のヌクレオチドは上記
    同一領域における上記標的の上記所定の位置のヌクレオチドと並置されているこ
    ととし; (C)処理された試料を、ハイブリダイズされた核酸プローブの3’−末端から
    ヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して反応混
    合物を形成すること; (D)識別子ヌクレオチドを放出し、上記ハイブリダイズされた核酸プローブを
    脱重合するのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること;および、 (E)放出された識別子ヌクレオチドの存在を分析して分析出力を得ること、た
    だし該分析出力は上記所定領域における上記ヌクレオチドの存在または非存在を
    示し、そしてこれにより第1または第2の核酸標的の存在または非存在を示す分
    析出力であるものとすること; を包含する上記方法。
  48. 【請求項48】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求項
    47記載の方法。
  49. 【請求項49】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項48記載の方法。
  50. 【請求項50】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求項
    47記載の方法。
  51. 【請求項51】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項47記載の方法。
  52. 【請求項52】 上記識別子ヌクレオチドがヌクレオシドトリホスフェート
    である請求項47記載の方法。
  53. 【請求項53】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項
    52記載の方法。
  54. 【請求項54】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請求
    項53記載の方法。
  55. 【請求項55】 上記核酸標的配列がデオキシリボ核酸およびリボ核酸より
    なる群から選択される請求項47記載の方法。
  56. 【請求項56】 第1位のプローブおよび第2のプローブを包含する請求項
    47記載の方法。
  57. 【請求項57】 上記試験すべき試料が複数の第1の核酸標的および第2の
    実質的に同一の核酸標的を有する請求項56記載の方法。
  58. 【請求項58】 上記第1のプローブが上記所定位置における第1の標的核
    酸に相補的な上記調査位置におけるヌクレオチドを有し、そして上記第2のプロ
    ーブが上記所定位置における第2の標的核酸に相補的な調査位置におけるヌクレ
    オチドを有する請求項57記載の方法。
  59. 【請求項59】 上記核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列と部分相補
    性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全てがそれ
    らの対応する核酸標的配列と全体的相補性でハイブリダイズする場合の分析出力
    より大きい請求項57記載の方法。
  60. 【請求項60】 上記核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列と部分相補
    性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全てがそれ
    らの対応する核酸標的配列と全体的相補性でハイブリダイズする場合の分析出力
    より小さい請求項57記載の方法。
  61. 【請求項61】 上記核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列と全体的相
    補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全てがそ
    れらの対応する核酸標的配列と部分相補性でハイブリダイズする場合の分析出力
    より大きい請求項57記載の方法。
  62. 【請求項62】 上記核酸プローブの1つが1つの標的核酸配列と全体的相
    補性でハイブリダイズする場合に得られる分析出力が、核酸プローブの全てがそ
    れらの対応する核酸標的配列と部分相補性でハイブリダイズする場合の分析出力
    より小さい請求項57記載の方法。
  63. 【請求項63】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’−
    末端領域におけるその塩基が全体的相補性でマッチするハイブリダイズされた核
    酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性のポリメラーゼであ
    る請求項47記載の方法。
  64. 【請求項64】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’→
    5’−エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3’−
    末端領域にミスマッチ塩基1つ以上を有するハイブリダイズされた核酸を脱重合
    する請求項47記載の方法。
  65. 【請求項65】 核酸試料中の核酸標的配列中に存在する既知の配列の反復
    の数を測定する方法であって、下記工程: (A)複数の個別の処理された試料を提供すること、ただし、各々の処理された
    試料は核酸プローブとハイブリダイズされた核酸標的配列を含有し、ここで、 (a)核酸標的配列は(i)複数の既知の配列の反復、および、(ii)反復
    の下流の非反復領域を含み、そして、 (b)核酸プローブは複数の異なるプローブの1つであり、ここで上記プロー
    ブはそこに含まれる相補配列反復の数が異なっており、各々の核酸プローブは(
    i)標的核酸の対立遺伝子の既知の配列の反復に相補的な複数の配列反復、(i
    i)プローブの3’−末端領域における識別子ヌクレオチド、および、(iii
    )標的の非反復領域に相補的でありヌクレオチド1〜約20個を有する5’−末
    端ロッカー配列を有する、 ものとすること; (B)各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末
    端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して
    処理された脱重合反応混合物を形成すること; (C)酵素がハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合してそれより識別子ヌ
    クレオチドを放出できるのに十分な時間、処理された脱重合反応混合物を維持す
    ること;および、 (D)放出された識別子ヌクレオチドの存在に関して試料を分析して、上記核酸
    標的配列中に存在する配列反復の数を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  66. 【請求項66】 上記核酸試料が対立遺伝子を示す2つの核酸標的配列を有
    し、そして、2つの対立遺伝子における配列反復の数に関して同型接合である請
    求項65記載の方法。
  67. 【請求項67】 上記核酸試料が対立遺伝子を示す2つの核酸標的配列を有
    し、そして、2つの対立遺伝子における配列反復の数に関して異型接合である請
    求項65記載の方法。
  68. 【請求項68】 上記識別子ヌクレオチドが反復される配列の部分であるヌ
    クレオチドである請求項65記載の方法。
  69. 【請求項69】 プローブ配列の上記識別子ヌクレオチドが標的核酸の反復
    される配列に対して3’−側に位置する非反復配列に対して相補的である請求項
    65記載の方法。
  70. 【請求項70】 標的核酸の反復された配列の3’−側に位置する非反復配
    列に相補的である核酸1〜約20個を含む配列中に上記識別子ヌクレオチドが存
    在する請求項69記載の方法。
  71. 【請求項71】 核酸標的配列中に存在する反復された既知配列が反復当た
    り2〜約24塩基の長さを有する請求項65記載の方法。
  72. 【請求項72】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列少なくとも1つの
    存在または非存在を測定するための1段階法であって、下記工程: (A)その3’−末端領域が上記所定の核酸標的配列に全体的に相補的であり、
    そして識別子ヌクレオチドを含んでいる核酸プローブにハイブリダイズされた上
    記所定の内因性核酸標的配列を含有している処理された試料を(i)ハイブリダ
    イズされた核酸プローブからヌクレオシドトリホスフェートとして識別子ヌクレ
    オチドを放出するピロホスフェート存在下の活性を有する酵素の脱重合量、(i
    i)アデノシン5’ジホスフェート、(iii)ピロホスフェート、および、(
    iv)NDPKと混合して処理された反応混合物を形成すること; (b)酵素がハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合し、ヌクレオシドトリ
    ホスフェートとして3’−末端領域中の識別子ヌクレオチドを放出し、そして上
    記ヌクレオシドトリホスフェートおよび上記アデノシン5’ジホスフェートをア
    デノシン5’トリホスフェートに変換することができるのに十分な時間約25〜
    約80℃の温度に処理された反応混合物を維持すること;および、 (d)アデノシン5’トリホスフェートの存在を分析して上記核酸標的配列少な
    くとも1つの存在または非存在を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  73. 【請求項73】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項
    72記載の方法。
  74. 【請求項74】 上記処理された試料を下記操作: (a)試験すべき試料を核酸プローブの1つ以上と混合してハイブリダイゼーシ
    ョン組成物を形成すること、ただし上記核酸プローブの3’−末端領域は(i)
    核酸標的配列が試料中に存在する場合に該配列に部分的または全体的な相補性で
    ハイブリダイズし、そして(ii)識別子ヌクレオチドを含むものとすること; (b)核酸プローブとハイブリダイズした上記1つの所定の核酸標的配列を含有
    する処理された試料を形成するのに十分な時間上記ハイブリダイゼーション組成
    物を維持すること、 により形成する工程を更に含む請求項72記載の方法。
  75. 【請求項75】 上記脱重合酵素が60〜90℃で活性を維持する請求項7
    2記載の方法。
  76. 【請求項76】 上記脱重合酵素がTne3重突然変異株DNAポリメラー
    ゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Taq DN
    AポリメラーゼおよびTvu DNAポリメラーゼよりなる群から選択される請
    求項72記載の方法。
  77. 【請求項77】 上記NDPKがPyrococcus furiosis
    によりコードされている請求項72記載の方法。
  78. 【請求項78】 核酸試料中の核酸標的配列が同型接合または異型接合のど
    ちらの遺伝子座に由来する対立遺伝子であるかを測定するための方法であって、
    下記工程: (A)複数の個別の処理された試料を提供すること、ただし、各々の処理された
    試料は(b)核酸プローブとハイブリダイズされた(a)核酸標的配列を含有し
    、上記核酸標的配列は上記核酸標的の目的の遺伝子座に由来する第1の対立遺伝
    子、第2の対立遺伝子または第1および第2の対立遺伝子の混合物のものであり
    、該対立遺伝子は調査位置における配列が異なり、上記核酸プローブは上記プロ
    ーブと標的がハイブリダイズされる場合に標的配列の調査ヌクレオチド位置にお
    いて並置されている3’−末端領域の識別子ヌクレオチドを含んでいるものとす
    ること; (B)各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末
    端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して
    処理された反応混合物を形成すること; (C)酵素がハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合してそれより識別子ヌ
    クレオチドを放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること
    ;および、 (D)放出された識別子ヌクレオチドの存在に関して試料を分析して、核酸試料
    中の核酸標的配列が同型接合または異型接合のどちらの遺伝子座に由来する対立
    遺伝子であるかを示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  79. 【請求項79】 上記分析が、放出された識別子ヌクレオチドの量に関して
    試料を分析することにより適切な対照群の分析出力と比較した場合に核酸試料中
    の核酸標的配列が同型接合または異型接合の何れであるかを示す分析出力を得る
    ことを包含する請求項78記載の方法。
  80. 【請求項80】 上記分析出力が核酸試料中の核酸標的配列が目的の遺伝子
    座において同型接合である場合にどの対立遺伝子が存在するかを示す請求項78
    記載の方法。
  81. 【請求項81】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’−
    末端領域におけるその塩基が上記核酸標的の塩基に全体的に相補的であるハイブ
    リダイズされた核酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性の
    ポリメラーゼである請求項78記載の方法。
  82. 【請求項82】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項
    79記載の方法。
  83. 【請求項83】 対立遺伝子の遺伝子座の異型接合性の損失を測定するため
    の方法であって、下記工程: (A)複数の個別の処理された試料を提供すること、ただし、各々の処理された
    試料は(b)核酸プローブとハイブリダイズされた(a)核酸標的配列を含有し
    、上記核酸標的配列は上記核酸標的の第1の対立遺伝子または第1の対立遺伝子
    および第2の対立遺伝子の混合物のものであり、該対立遺伝子は調査位置におけ
    る配列が異なり、上記核酸プローブは上記プローブと標的がハイブリダイズされ
    る場合に上記調査ヌクレオチド位置を含む上記核酸標的配列の領域にハイブリダ
    イズする3’−末端領域および識別子ヌクレオチドを含んでいるものとすること
    ; (B)各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末
    端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して
    処理された反応混合物を形成すること; (C)ハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合してそれより識別子ヌクレオ
    チドを放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること;およ
    び、 (D)放出された識別子ヌクレオチドの量に関して試料を分析して、核酸試料中
    の核酸標的配列が対立遺伝子の遺伝子座において異型接合性を失ったかどうかを
    示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  84. 【請求項84】 上記第1の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌク
    レオチドの量が既知の異型接合性の対照群の上記第1の対立遺伝子に対する上記
    放出された識別子ヌクレオチドの量より実質的に少なく、そして、上記第2の対
    立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の
    対照群の上記第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量
    と実質的に同じであり、上記第1の対立遺伝子の遺伝子座における異型接合性の
    損失を示している請求項83記載の方法。
  85. 【請求項85】 上記第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌク
    レオチドの量が既知の異型接合性の対照群の上記第2の対立遺伝子に対する上記
    放出された識別子ヌクレオチドの量より実質的に少なく、そして、上記第1の対
    立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量が既知の異型接合性の
    対照群の上記第1の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量
    と実質的に同じであり、上記第2の対立遺伝子の遺伝子座における異型接合性の
    損失を示している請求項83記載の方法。
  86. 【請求項86】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求項
    83記載の方法。
  87. 【請求項87】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請求
    項83記載の方法。
  88. 【請求項88】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求項
    83記載の方法。
  89. 【請求項89】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項88記載の方法。
  90. 【請求項90】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項89記載の方法。
  91. 【請求項91】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求項
    83載の方法。
  92. 【請求項92】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請求
    項91記載の方法。
  93. 【請求項93】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出され
    た後に蛍光標識される請求項92記載の方法。
  94. 【請求項94】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’−
    末端領域におけるその塩基が上記核酸標的の塩基に全体的に相補的であるハイブ
    リダイズされた核酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性の
    ポリメラーゼである請求項83記載の方法。
  95. 【請求項95】 上記第1の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌク
    レオチドの量が上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子
    ヌクレオチドの量より実質的に少なく、上記第1の対立遺伝子の遺伝子座におけ
    る異型接合性の損失を示している請求項94記載の方法。
  96. 【請求項96】 上記第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌク
    レオチドの量が上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子
    ヌクレオチドの量より実質的に少なく、上記第2の対立遺伝子の遺伝子座におけ
    る異型接合性の損失を示している請求項94記載の方法。
  97. 【請求項97】 対立遺伝子のトリソミーの存在を測定するための方法であ
    って、下記工程: (A)複数の個別の処理された試料を提供すること、ただし、各々の処理された
    試料は(b)核酸プローブとハイブリダイズされた(a)核酸標的配列を含有し
    、上記核酸標的配列は上記核酸標的の第1の対立遺伝子、第2の対立遺伝子、ま
    たは第1の対立遺伝子および第2の対立遺伝子の混合物のものであり、該対立遺
    伝子は調査位置における配列が異なり、上記核酸プローブは上記プローブと標的
    がハイブリダイズされる場合に上記調査ヌクレオチド位置を含む上記核酸標的配
    列の領域にハイブリダイズする3’−末端領域および識別子ヌクレオチドを含ん
    でいるものとすること; (B)各々の処理された試料をハイブリダイズされた核酸プローブ−の3’−末
    端からヌクレオチド1つ以上を放出する活性を有する酵素の脱重合量と混合して
    処理された反応混合物を形成すること; (C)ハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合してそれより識別子ヌクレオ
    チドを放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持すること;およ
    び、 (D)放出された識別子ヌクレオチドに関して試料を分析して、核酸標的配列中
    にトリソミーが存在するかどうかを示す対照試料の分析出力に対する相対的な量
    の上記分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  98. 【請求項98】 約1:1である既知の異型接合対照群の上記第1および第
    2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量の比と比較して
    、上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチド
    の量の比が約3対0であり、上記第1の対立遺伝子の遺伝子座におけるトリソミ
    ーを示している請求項97記載の方法。
  99. 【請求項99】 約1:1である既知の異型接合対照群の上記第1および第
    2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量の比と比較して
    、上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチド
    の量の比が約0対3であり、上記第2の対立遺伝子の遺伝子座におけるトリソミ
    ーを示している請求項97記載の方法。
  100. 【請求項100】 約1:1である既知の異型接合対照群の上記第1および
    第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量の比と比較し
    て、上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチ
    ドの量の比が約2対1であり、上記第1の対立遺伝子の遺伝子座の2コピーおよ
    び上記第2の対立遺伝子の遺伝子座の1コピーを有するトリソミーを示す請求項
    97記載の方法。
  101. 【請求項101】 約1:1である既知の異型接合対照群の上記第1および
    第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチドの量の比と比較し
    て、上記第1および第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌクレオチ
    ドの量の比が約1対2であり、上記第1の対立遺伝子の遺伝子座の1コピーおよ
    び上記第2の対立遺伝子の遺伝子座の2コピーを有するトリソミーを示す請求項
    97記載の方法。
  102. 【請求項102】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求
    項97記載の方法。
  103. 【請求項103】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請
    求項97記載の方法。
  104. 【請求項104】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求
    項97記載の方法。
  105. 【請求項105】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請
    求項104記載の方法。
  106. 【請求項106】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出さ
    れた後に蛍光標識される請求項105記載の方法。
  107. 【請求項107】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求
    項97記載の方法。
  108. 【請求項108】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請
    求項107記載の方法。
  109. 【請求項109】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出さ
    れた後に蛍光標識される請求項108記載の方法。
  110. 【請求項110】 ヌクレオチドを放出する活性を有する上記酵素が、3’
    −末端領域におけるその塩基が上記核酸標的の塩基に全体的に相補的であるハイ
    ブリダイズされた核酸をピロホスフェートイオン存在下に脱重合する鋳型依存性
    のポリメラーゼである請求項97記載の方法。
  111. 【請求項111】 上記第1の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌ
    クレオチドの量が同型接合性の対照群の上記上記放出された識別子ヌクレオチド
    の量より実質的に多く、上記核酸標的配列がトリソミーを有することを示してい
    る請求項97記載の方法。
  112. 【請求項112】 上記第2の対立遺伝子に対する上記放出された識別子ヌ
    クレオチドの量が同型接合性の対照群の上記上記放出された識別子ヌクレオチド
    の量より実質的に多く、上記核酸標的配列がトリソミーを有することを示してい
    る請求項97記載の方法。
  113. 【請求項113】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在または非
    存在を測定するためのキットであって、下記要素: (A)ハイブリダイズされた核酸プローブの3’末端からヌクレオチド1つ以上
    を放出する活性を有する酵素;および、 (B)上記内因性核酸標的配列に相補的な核酸プローブ少なくとも1つ; を包含する上記キット。
  114. 【請求項114】 核酸試料中の内因性の所定の核酸標的配列少なくとも1
    つの存在または非存在を測定するためのキットであって、下記要素: (A)ハイブリダイズされた核酸プローブからヌクレオシドトリホスフェートと
    して識別対ヌクレオチドを放出するピロホスフェート存在下の活性を有する酵素
    ; (B)アデノシン5’ジホスフェート; (C)ピロホスフェート; (D)ヌクレオシドジホスフェートキナーゼ;および、 (E)上記所定の内因性核酸標的配列に相補的な核酸プローブ少なくとも1つ; を包含する上記キット。
  115. 【請求項115】 核酸試料中の所定の内因性核酸標的配列の存在または非
    存在を測定するためのキットであって、下記要素: (A)ハイブリダイズされた核酸プローブの3’末端からヌクレオチド1つ以上
    を放出する活性を有する酵素;および、 (B)取り扱い説明書; を包含する上記キット。
  116. 【請求項116】 核酸試料中の調査位置を含む核酸標的配列の存在または
    非存在を測定するための方法であって、下記工程: (A)以下の3区分、即ち(i)標的配列の上記調査位置の下流約1〜約30核
    酸から始まる位置の核酸標的配列と相補的なプローブ3’−末端の約10〜約3
    0ヌクレオチドを含む第1の区分、(ii)約10〜200核酸の長さであり上
    記核酸標的配列と同一の配列を有する5’−末端領域、および(iii)上記核
    酸試料に相補的ではない0〜約50核酸を含む任意の第3の区分、よりなる核酸
    プローブとハイブリダイズされた上記核酸標的配列を含む核酸試料を含有する処
    理された試料を提供すること; (B)3’方向に上記核酸プローブを伸長して第2のハイブリッドとして核酸試
    料にハイブリダイズされた第2のプローブを形成すること; (D)上記第2のハイブリッドを変性して上記核酸標的配列から上記第2のプロ
    ーブを分離すること; (E)上記水性組成物を復元して上記第2のプローブからヘアピン構造を形成す
    ること; (F)ヘアピン構造含有組成物を、核酸ハイブリッドの3’−末端からヌクレオ
    チド1つ以上を放出させる活性を有する酵素の脱重合量と混合し、処理された反
    応混合物を形成すること; (G)酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合してその3’−末端よりヌクレ
    オチド1つ以上を放出できるのに十分な時間、処理された反応混合物を維持する
    こと;および、 (H)放出された識別子ヌクレオチドの存在を分析して、上記核酸標的配列の存
    在または非存在を示す分析出力を得ること; を包含する上記方法。
  117. 【請求項117】 核酸試料中の核酸標的配列または標的配列内の特定の塩
    基の存在または非存在を測定するための方法であって、下記工程: (A)第1のハイブリッドとしての第1の核酸プローブとハイブリダイズした核
    酸標的配列を含むと思われる核酸試料を含有する処理された試料を提供すること
    、ただし、上記第1のプローブは少なくとも2つの区分よりなるものであり、第
    1の区分は標的調査位置の下流約5〜約30ヌクレオチドから始まる位置に標的
    核酸配列に相補的なプローブ3’−末端約10〜約30ヌクレオチドを含み、第
    1のプローブの第2の区分はプローブの上記第1の区分にハイブリダイズしない
    調査位置から調査位置の約10〜約30ヌクレオチド下流までの標的配列の反復
    である約5〜約30ヌクレオチドを含んでおり、そして、プローブの任意の第3
    の区分は長さが0〜約50ヌクレオチドでありプローブの第1および第2の区分
    の何れともハイブリダイズしない配列から成るプローブの第1および第2の区分
    の間に位置することとすること; (B)処理された試料中の第1のハイブリッドを第1のプローブの3’−末端に
    おいて伸長することにより、調査位置を超えて第1のプローブを伸長し、そして
    調査位置を含む伸長された第1のハイブリッドを形成すること; (C)伸長された第1のハイブリッドの水性組成物を変性して2個の核酸鎖を分
    離し、分離された標的核酸および分離された伸長された第1のプローブを含む水
    性組成物を形成すること; (D)伸長された第1のプローブをアニーリングすることにより長さ約10〜約
    30ヌクレオチドであり伸長された第1のプローブ中の調査位置の下流約5〜約
    2000ヌクレオチドから始まる位置の伸長された第1のプローブに相補的な第
    2のプローブとし、これにより第2のハイブリッドを形成すること; (E)第2のプローブの3’−末端における第2のハイブリッドを伸長された第
    1のプローブの5’−末端に到達するまで伸長し、これにより3’−領域が識別
    子ヌクレオチドを含む第2の伸長されたプローブを含む第2の伸長されたハイブ
    リッドを形成すること; (F)伸長された第2のハイブリッドの水性組成物を変性して2つの核酸鎖を分
    離し、分離され伸長された第1および第2のプローブを含む水性組成物を形成す
    ること;(G)水性組成物を冷却して分離され伸長された第2のプローブからヘ
    アピン構造を形成してヘアピン構造含有組成物を形成すること; (H)ヘアピン構造含有組成物を、核酸ハイブリッドの3’−末端からヌクレオ
    チド1つ以上を放出させる活性を有する酵素の脱重合量と混合し、処理された反
    応混合物を形成すること; (I)3’−末端領域識別子ヌクレオチドを放出するのに十分な時間反応混合物
    を維持すること;および、 (J)放出された識別子ヌクレオチドの存在を分析して、上記所定の核酸標的配
    列または標的配列内の特定の塩基の存在または非存在を示す分析出力を得ること
    ; を包含する上記方法。
  118. 【請求項118】 上記分析出力が発光スペクトル測定により得られる請求
    項117記載の方法。
  119. 【請求項119】 上記分析出力が蛍光スペクトル測定により得られる請求
    項117記載の方法。
  120. 【請求項120】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請
    求項119記載の方法。
  121. 【請求項121】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出さ
    れた後に蛍光標識される請求項120記載の方法。
  122. 【請求項122】 上記分析出力が質量スペクトル測定により得られる請求
    項117記載の方法。
  123. 【請求項123】 上記放出された識別子ヌクレオチドが蛍光標識を含む請
    求項122記載の方法。
  124. 【請求項124】 上記識別子ヌクレオチドが上記ハイブリッドから放出さ
    れた後に蛍光標識される請求項122記載の方法。
  125. 【請求項125】 上記分析出力が吸光度スペクトル測定により得られる請
    求項117記載の方法。
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