JP2003535446A - 向上した耐腐食性を有する蓄電池及び電気化学セル用多孔電流コレクタ - Google Patents

向上した耐腐食性を有する蓄電池及び電気化学セル用多孔電流コレクタ

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JP2003535446A
JP2003535446A JP2002500464A JP2002500464A JP2003535446A JP 2003535446 A JP2003535446 A JP 2003535446A JP 2002500464 A JP2002500464 A JP 2002500464A JP 2002500464 A JP2002500464 A JP 2002500464A JP 2003535446 A JP2003535446 A JP 2003535446A
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パルンボ,ギノ
ケイ リン,ピーター
トマントシュガー,クラウス
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インテグラン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 化学的安定性及び耐腐食性を高めるための方法が、鉛蓄電池のような蓄電池を含む、電気化学セルに用いる連続生産プロセスにより作られる多孔電流コレクタについてに記載されている。該方法は、変形処理として、グリッド又はメッシュを形成するための固体金属ストリップに穴を開ける、往復延伸、回転延伸及び打ち抜きの群から選択されるストリップ加工方法を利用することによる。該穴開け変形処理の後、該電流コレクタにおいて再結晶化ミクロ構造を得るための加熱処理、さらに任意にほぼ80℃未満の温度まで急に温度を下げる迅速に続行する。該加工は、粒子間腐食及び割れに対する顕著に改善された耐性を示す、高頻度の特別に低いΣCSL結晶粒界(>50%)から構成される改善されたミクロ構造が得られる。固体鉛合金ストリップからこのプロセスで製造した多孔電流コレクタは、鉛蓄電池の陽極グリッドとして利用される時に優れた伸び及び腐食特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、多孔電流コレクタの粒子間腐食と割れに対する耐性を改善するため
の方法、特に鉛蓄電池の陽極として用いるための鉛合金グリッドの製造に関する
。バルク変形処理を付加する点で、従来の平坦な金属シートに穴を開けグリッド
またはメッシュガタ電流コレクタを作成するのに用いられる方法よりも優れてお
り、この後直ちに加熱処理を施し、任意に預けて急冷することで望ましくない腐
食及び成長に対し顕著に改善された耐性を有する金属中の再結晶化ミクロ構造を
もたらす。
【0002】 (従来技術の記述) 電気化学セル用途、例えば蓄電池に用いるような、グリッド又はメッシュ形状
の電流コレクタの生産において、平坦金属シートは典型的に、連続プロセスを用
いて穴を開けられる。電気化学的活性材料は典型的に、得られた多孔グリッド塗
りこめられ、該ペーストはインライン加熱炉を用いて熱硬化され、次に連続する
ペーストされたグリッド構築物は個々の電池極板に切断される。
【0003】 この従来のプロセスの典型的な用途は、鉛蓄電池の生産である。簡略化の目的
のため、該プロセスは、以下、鉛蓄電池に用いるための鉛合金グリッドの生産を
指すものとして明確に説明される。しかしながら、類似の方法は、他の電気化学
セル及び同様の電池用の金属製電流コレクタの製造において使用される。これら
の幾つかが、以下に記載された先行する特許及び出願に開示されており、それら
は全て金属製電流コレクタの製造に関連するそれらの教示を参照するため本明細
書中に組み込まれている。
【0004】 2工程プロセスが、連続的な手法を用いる多孔電流コレクタを製造するために
しばしば用いられる。第1の工程において、平坦固体シートは各種のストリップ
キャスティング又はスラブキャスティングの後にロール加工することによって製
造される。製造された該平坦固体ストリップは典型的に、コイル状に巻かれてい
る。コイルは典型的に、必要となるまで保管される。
【0005】 第2の工程において、該ストリップコイルは別のプロセスラインに移送され、
穴開け及び通常は活性材料塗りが行われる。このプロセスは一般に、該平坦固体
鉛コイルを解き、穴開け装置に該ストリップを供給するアンコイラーで開始する
。通常用いる穴開け技術は、往復動エキスパンダー、回転エキスパンダー及びグ
リッドパンチングシステムを含む。エキスパンダーの場合、該鉛ストリップは、
連続する延伸したメッシュを形成するように切り込み及び延伸される。パンチン
グが利用される場合、連続する多孔グリッド様シートを形成するため、典型的に
は矩形の切り破片が該ストリップから打ち抜かれる。穴開けプロセスは、ベース
材料を延伸および/または圧縮することによって該鉛箔に機械的応力を与えるが
、全てのケースでストリップの変形は総じて、穴開け前後のストリップ厚みの比
率で表すと、10%未満、典型的には7.5%未満に保たれる。列挙したプロセ
スの中の1つにより製造された多孔ストリップは、プロセスの下流にあるペース
タ、典型的にはその後に熱硬化オーブン、次いでタブブランカー及びプレートデ
バイダーで個々のグリッドに切断される。
【0006】 電気化学セルに用いる非消耗電極、電流コレクタ及び他の金属製部品の寿命を
延ばすため、各種の金属、合金及び複合物が開発されている。それらは鉛、銅、
ニッケル、アルミニウム、鉄、銀、亜鉛、リチウム及びそれらの合金を含む。多
くの用途において、該金属製部品がさらされる環境は高度に腐食性であるため、
研究は、例えば特に該金属製部品が酸化電位及び腐食性電解質にさらされる時、
腐食誘発重量ロス及び経験した成長を減じることによって安定性を高めることに
導かれる。当該の多くの電池が高速度で大量生産されることから、電流コレクタ
の連続的な組み立て及び加工は製造方法の選択になっている。
【0007】 従来技術は連続的な又は半連続的なプロセスを用いて電流コレクタを製造する
ための多数の方法を記載している: 種々の技術が平坦な金属又は合金ストリップを加工するために存在する。それ
らは、ストリップが溶融金属プールから回転ドラムのチルドキャスティング表面
上にキャストされる米国特許第3,926,247号(1975年)においてG
eigerによって及び米国特許第5,462,109号(1995年)におい
てVinczeによって記載されるような水平キャスティングプロセスを含む。
調節可能なギャップを持つ一対のロール配列を用いる垂直キャスティングプロセ
スは、米国特許第6,003,589号(1999年)においてFolderに
よって及び米国特許第5,518,064号(1996年)においてRoman
owskiにより記載される。固体ストリップの製造用に適して付加される装置
は、米国特許第5,131,451号(1992年)においてAshokにより
記載されるようなベルトキャスターを含む。各種の商業プロセスは、スラブ又は
ストリップが連続ローラーによってサイズを減じられる場合に存在する。米国特
許第3,953,244号(1976年)においてPrengamanは、キャ
スティング、該キャスティングの冷間加工によって製造される安定な成形鉛−カ
ルシウム−スズ合金シートを記載し、好ましくはキャスティング後2から3日の
うちに最初の厚さの四分の一にロール加工し、さらに析出したカルシウム相を十
分溶解するためエージングした加工材を加熱することを用いている。
【0008】 好適な電流コレクタを形成するため、そうした連続ストリップに穴を開ける様
様なプロセスが記載されている。それらは、米国特許第3,853,626(1
974年)においてDanielsにより記載されるように往復エキスパンダー
を含む。このプロセスにおいて、鉛の固体リボン又はストリップは、連続的な、
インライン、ギロチン型の二重延伸機に供給されその縦方向端に沿って延伸され
、ここで、2つの網状部分とを形成し中央を未延伸のまま残す。この中央からグ
リッド、ヘッダー及び突起を続いて形成する。該網状部分は、エンボス加工ロー
ル及び対向ロールによって該中央部に対し垂直方向に均一に伸ばされる。最後に
、該網状部分はねじり、さらに骨格部に結合するノードを平坦にするためロール
加工される。
【0009】 米国特許第3,959,016号(1976年)においてTsudaは、多孔
板を得るため鉛合金箔を圧縮−パンチングし、加熱処理を用いて該板を硬化する
、ロール加工した鉛合金金箔の製造を含む、電池用鉛−アンチモン合金グリッド
板の製造方法を記載している。この方法において、鉛合金の硬化は、電池組立を
容易にし、寸法許容誤差と強度を維持すると同時にストリップ厚さの減少を可能
にする増大した強度を得る目的を達成するために、熱間ロール加工を経てロール
加工した鉛合金板を製造するか、または圧縮−パンチング加工の前又は後に加熱
処理を実行することのいずれか一方によって達成される。Tsudaは、典型的
にパンチング加工によって誘発された、残りのグリッドストランドの変形を防ぐ
又は最小限に留めるために非常に努力し、そして多重工程パンチング加工を利用
することによって彼の目的を達成した。そのロール加工した鉛合金板は、30か
ら90分の間210から220℃でファネル炉を通過させ、任意に水で急冷し、
さらに24時間の自然エージングプロセスにより硬化させた。
【0010】 米国特許第4,151,331号(1979年)においてHugは、ストラン
ドの一部分が該グリッドの一方の面から突出しかつオフセットされ、同時にスと
ランドの第二の部分が該グリッドのもう一方の反対面から突出しかつオフセット
される、全体的に接続された鉛ストランドのネットワークを有する鉛蓄電池を開
示している。該多孔構造は、パンチング加工により鉛箔から形成される。Hug
は、鉛蓄電池グリッドが延伸メッシュを形成するための切り込み及び延伸により
鉛シートから形成されることが知られていることを示す。彼は、該延伸プロセス
がグリッドの腐食を導く鉛の相当な冷間加工を含み、かつそれ故に望ましくない
ことを示す。Hugは、更に多孔鉛グリッド、これは実質的に曲げられない厚さ
の平坦鉛シートにメッシュ又はグリッド構造を明確にする隙間を形成するため穴
開け、刻印しロール加工するか又は切り込みをいれたものであるが、このグリッ
ドは、鉛の冷間加工が該形成プロセスではより少ないため、延伸グリッドと比較
して、腐食速度が減少することを示している。Hugは、従って穴開けプロセス
において変形を最小化すると、得られるグリッドの化学安定性が優れたものにな
ることを力説する。
【0011】 本出願の出願人に譲渡された、米国特許出願第09/127,715号(19
98年)においてPalumboは、硫酸溶液から亜鉛、銅、鉛、錫、ニッケル
及びマンガンのような金属を電解採取するための鉛及び鉛合金アノードを記載し
ており、30%から80%の範囲内の冷間変形と180から300℃、10から
30分間の加熱処理を2回以上繰り返すことで電極を加工し、再結晶を誘発し少
なくとも50%の特別な納品粒界を得る。
【0012】 本出願の出願人に譲渡された、米国一部継続出願第08/835,926号(
1999年)においてPalumboは、高められたクリープおよび/または粒
子間腐食耐性をもつ、特に鉛蓄電池用の鉛及び鉛合金を記載する。該鉛合金は、
十分な量、好ましくは10%を超えて厚さを減少させる冷間加工、及びそれにつ
づく特別な結晶粒界分画を実質的に増加させるため再結晶化するのに十分な時間
と温度で鉛合金をアニールすることを含む少なくとも1つの加工サイクルにかけ
る。
【0013】 金属ストリップ穴開け/延伸の間に加わるいずれかの機械的変形が、得られる
多孔電流コレクタ構造の腐食能力に有害な影響を与えることが、電流コレクタの
製造における従来技術の共通の教示である。換言すれば、製造の段階で機械的変
形が最小化又は排除されることが、腐食能力の最大化のための要件であると通常
理解されている。
【0014】 しかしながら、上記2つの共通して譲渡された特許出願は、粒子構造を再結晶
化するため、その後のかなりの機械的変形と特殊用途のための加熱処理手法の使
用を教示している。
【0015】 本発明者らは、融点より低い加熱処理工程を続行する時、室温近傍温度で該ス
トリップに穴を開けるために一般に用いられる穴開け加工により、金属製ストリ
ップに加えられた機械応力及びより限られた変形は、該ストリップを構成する金
属又は金属合金の融点未満で続いて20分未満の加熱処理をうけると作製される
多孔非消耗電極及び電流コレクタの腐食及び成長の耐性に顕著な改善をもたらす
、再結晶化粒子構造の形成及び50%より高い特別な結晶粒界度数の増加を生じ
ることを発見している。本発明の処理の前、該合金中の特別な結晶粒界の度数は
典型的に約15%である。
【0016】 特別な結晶粒界は、腐食及び割れ発生のような粒子間劣化プロセスに高度に耐
性を有し、界面構造について十分に確立された一致サイト格子モデルを基礎とし
て(Σ≦29及びΔθ≦15Σ−1/2であるΣのΔθ内(Brandon,A
cta Metall.,14,1479(1966年)にあると定義される。
(KronbergとWilson,Trans.Met.Soc.,AIME
,185 501(1949))。
【0017】 (発明の要約) 優れた抗腐食特性と寿命を示す、直流電池の電流コレクタとして用いる多孔構
造体の製造を可能にする、経済的な連続プロセスを提供することが、本発明の主
要な目的である。
【0018】 化学特性と腐食能力を高めるために、50%を超える多孔構造のウェブ又はワ
イヤ断片中の特別な結晶粒界度数(Fsp)を顕著に増加することが、本発明の
更なる目的である。
【0019】 これらの目的を達成する観点から、残りの多孔構造の少なくとも局部的な変形
を生じる連続プロセスを用いて、固体の、平坦な金属又は合金製ストリップを打
ち抜きすることを含む、電気化学的又は直流電池に用いる金属製電流コレクタの
製造方法が提供される。該打ち抜きし、形成したストリップは、次いで再結晶化
ミクロ粒子を生成するために該合金の融点より低い温度でアニールされる。前駆
体金属ストリップの打ち抜き、その後のアニーリングと再結晶化において固有の
変形は、最終製品、即ち金属製電流コレクタの動作特性の利益となる、ミクロ構
造における特別な結晶粒界を増加する。最良の特性は、少なくとも50%までミ
クロ構造中の特別な結晶粒界のレベルが上昇するように条件が適用される時に得
られる。
【0020】 (好適な実施形態の記述) 鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、銀、亜鉛、リチウム及びそれらの合金
で作られた金属製電流コレクタは、電気化学セル設計の分野において良く知られ
、各種の加工技術を用いて製造された型、形状及び寸法の各種のものが利用され
る。例えば鉛蓄電池グリッドの製造に用いる多くの連続プロセスは、各種の商業
上利用し得るプロセスを用いて平坦固体ストラップのコイルを加工することによ
る。
【0021】 科学者は、電解質及び各種の電気化学的電位に典型的にさらされる電気化学セ
ルに用いる非消耗電極、電流コレクタ及び他の金属部分の腐食性能及び接着特性
を高める手段の探求を続ける。各種の金属、合金及び組成物が寿命を改善するた
め各種用途に用いられている。新規組成物、表面コーティング及び処理を用いる
ことにより耐腐食性を高める手段もまた記載されている。
【0022】 冶金分野の当業者には周知なように、冷間加工は、結晶化されない、変形した
粒子の構造をもたらす、転移が保持されるのに十分に低い温度での製品の機械的
変形を含む。本発明は、10%以内の、典型的に7.5%より低い及びより典型
的に5.0%より低いストリップ厚さの減少を生じるストリップ延伸又はパンチ
ングプロセスによって製品を冷間加工し、及びその後の上記金属又は合金の融点
より低い好ましいアニーリング処理することによる。
【0023】 該加熱処理は、該試験製品の化学組成に大きく依存する、再結晶化を起こすた
めに十分な時間と温度で実行される。鉛蓄電池の場合、その組成に基づいて、一
般に10秒から20分の間100から300℃が必要とされる。30分を超える
加熱処理時間は、腐食挙動に不利な影響を及ぼす粒子成長がかなり観測され、従
って好ましくない。他の金属及び合金の場合、該加熱処理は、ケルビンで表され
る材料の融点の0.50から0.95の範囲で実行される。
【0024】 もし使用する多孔プロセスが、例えば回転エキスパンションの場合のように2
工程プロセスであるならば、該ストリップは回転ダイを用いる第1工程で打ち抜
きされ、その後該ストリップを別個に横に引き寄せ、アニーリング用オーブンは
切り込みと延伸工程の間に任意に配置できる。本アプローチの効果は、打ち抜き
されたとしても、ストリップが延伸したメッシュよりも狭く、高速でアニーリン
グ用オーブンをより容易に通過させることである。加熱処理後の横への延伸のよ
うな、該加熱炉中の寸法安定性は、アニーリング用加熱炉を通して輸送される前
にその最終寸法に該メッシュが延伸されている場合と比べて決定的に劣る。アニ
ーリングの前に穴を開けたストリップを予備延伸し、その後寸法許容誤差を改善
するため、最終寸法に伸縮することも可能である。
【0025】 加熱処理の後、急冷工程が任意に行われる。この工程は、多孔電流コレクタス
トリップを典型的に80℃より低く冷却し、それによって材料が下流のいずれか
のプロセス、特にペースト塗布操作で曲がらないように十分なレベルまで生成強
度を増加する必要がある。
【0026】 また任意に、前駆体金属製ストリップ又は板の冷間加工及びアニーリングを、
前述した米国特許出願第08/835,926号に記載の通り、打ち抜きの前に
実行できる。平坦な固体ストリップの冷間加工は、ロール加工、延伸、引き抜き
などを含めることができる。
【0027】 鉛蓄電池製造の場合、エキスパンダー/ペースタラインに供給する鉛コイルは
、典型的に15から30分毎に消費される。この点からアンコイラー上の新しい
コイルに交換するため及び前のコイル末端に新しいストリップを接合又は溶接す
るために3から5分間該プロセスを停止する。その後、プロセスは再開される。
エキスパンダーのもつそれの供給よりも早い速度で金属製ストリップをコイルか
ら解すストリップアキュムレーターが各種の供給先、例えばNorth Roy
alton,OhioのKent Corporationから入手される。 その結果ストリップの緩衝が、典型的に次のコイルに現行コイルの末端を接合す
るために必要な時間である別途3から5分間該エキスパンダー/ペースタライン
に供給可能にもたらされる。該アキュムレーターの利用は、停止時間を削除し、
多孔ストリップに施したインライン加熱処理が均一となることを確実にする。
【0028】 次の記載は本発明の好ましい態様を説明する。
【0029】
【実施例】
(実施例1) 鉛ストリップは通常のストリップ形成技術を用いて製造した。該合金の正常な
組成は、0.029%Ca、0.73%Sn、0.062%Ag、残りPbであ
った。該ストリップを重力キャスティングする場合は、0.035”の厚さにキ
ャストした。該ストリップをロール加工する場合、0.080”に重力キャスト
し、次いで0.035”にロール加工した。得られた0.035”厚の鉛合金ス
トリップは、平方インチ当たり約10個の開口をもつメッシュに形成するため、
回転エキスパンダーにその後供給した。得られたメッシュ断片は対照として用い
た。該延伸後、その中央と縁で該ストリップの厚みを計り、全てのケースで0.
035”となるか測べた。メッシュ断片の部分は、続いて10分間、250℃で
加熱処理にさらした。ベアーグリッド(bare grid)試料は、20日間
標準腐食試験にかけた(E.M.Valeriote,J.Sklarchuk
,M.S.Ho,鉛蓄電池の進歩に関するシンポジウムの議事録,Electr
ochem.Society 84−14(1984)224−240)。その
条件は硫酸、比重1.28g/ml、75℃、200mV過剰電位であった。結
果を表1に記す:
【0030】
【表1】 表1において、欄表題の、C,R,Ex及びHtは、それぞれキャスト、ロー
ル加工した、延伸した及び加熱処理したことを表す。従って、例えば表の4のデ
ータは、キャスティング工程の後にロール加工工程が行われ、延伸工程を行い、
最後に加熱処理工程を順次行う、本発明に従うプロセスに関する。
【0031】 (実施例2) 鉛ストリップは通常のストリップ形成技術を用いて製造した。該合金の正常な
組成は、0.036%Ca、0.63%Sn、0.036%Ag、残りPbであ
った。該ストリップは0.080”に重力キャストし、次いで0.040”にロ
ール加工した。該0.040”鉛合金ストリップは、10分間、250℃で全て
加熱処理した。その後該ストリップを室温まで冷却し、実施例1に記載したよう
なメッシュを形成するため回転エキスパンションした。エキスパンダーにおいて
該ストリップに厚さ減少は起こらなかった。該メッシュの部分は10分間、25
0℃で続いて加熱処理した。代表的な試料は、実施例1で記載したのと同じく腐
食試験した。結果を表2に記す:
【0032】
【表2】
【0033】 (実施例3) 鉛ストリップは延伸により作製し、さらに250℃で10分間加熱処理した。
その後該ストリップは0.035”の最終的な厚さにロール加工した。該合金の
正常な組成は、0.09%Ca、1.25%Sn、残りPbであった。該鉛合金
ストリップは、実施例1で記載したように回転エキスパンダーに連続供給した。
メッシュの部分はその後、10分間、250℃で加熱処理にさらした。ベアーグ
リッド試料は、実施例1に記載した通り標準腐食試験にかけた。結果を表3に示
す:
【0034】
【表3】
【0035】 類似の結果が、往復延伸又はパンチングが該ストリップを穴を開けるために用
いられた場合に得られた。30秒から1分間のインライン加熱処理時間は望まれ
る再結晶化構造を得るため殆どのケースで十分になるように決定した。この方法
で加工した好適な材料は、鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、銀、亜鉛、リ
チウムおよびそれらの合金を含む。鉛ストリップの場合、用いられる好適な合金
元素は、Ca,Sr,Ba,Sb,As,Al,Sn,Ag及びBiの群から選
択される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 パルンボ,ギノ カナダ国 エム9アール 1エル8 オン タリオ州 エトビコーク ティラー プレ イス 9 (72)発明者 リン,ピーター ケイ カナダ国 エム9アール 4エイ4 トロ ント オンタリオ州 ダウンパトリック クレセント 10 (72)発明者 トマントシュガー,クラウス カナダ国 エル5エヌ 2イー8 オンタ リオ州 ミシソーガ モンテビデオ ロー ド 6197 Fターム(参考) 5H017 AA01 BB01 BB15 CC05 EE02 EE03 HH08 HH09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)少なくとも局所的に孔の近傍にストリップの変形をも
    たらす連続プロセスを用いて固体の、平坦な金属ストリップに穴を開ける工程、 (ii)その内部に再結晶化ミクロ構造を生じるように、上記金属又は合金の
    融点より低い温度で穴を開けたストリップをアニールする工程、 の工程を含む電気化学的ガルバニ電池に用いる金属製電流コレクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記再結晶化ミクロ構造が最小値50%の特別な結晶粒界を
    含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記連続プロセスが往復延伸のプロセスである請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 上記連続プロセスが回転エキスパンションのプロセスである
    請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記連続プロセスが上記金属ストリップから穴を打ち抜く工
    程を含む請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記金属が鉛又は鉛合金から選択される請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 上記金属が鉛又は鉛合金から選択される請求項2に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 上記鉛合金の合金元素がCa,Sr,Ba,Sb,As,A
    l,Sn,Ag及びBi又はそれらの組み合わせからなる群から選択される請求
    項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記鉛合金の合金元素がCa,Sr,Ba,Sb,As,A
    l,Sn,Ag及びBi又はそれらの組み合わせからなる群から選択される請求
    項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記アニーリング工程が100から300℃の温度間で1
    0秒から20分間行われる請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記アニーリングの工程が100から300℃の温度間で
    10秒から20分間行われる請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記金属製電流コレクタが鉛蓄電池グリッドである請求項
    9又は10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(i)の後に、上記多孔ストリップを急冷する工程を
    さらに含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 工程(ii)の後に、80℃未満の温度で該多孔ストリッ
    プを冷却する工程をさらに含む請求項6又は7に記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記連続プロセスを中断させないため、または中断を減ら
    すためにストリップアキュムレーターが工程(i)で上記固体の、平坦な金属ス
    トリップを穴開け装置に供給するために用いられる請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 上記固体の、平坦な金属ストリップが工程(i)を実行す
    る前に加熱処理される請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1又は2に記載の方法によって製造された金属製電
    流コレクタ。
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