JP2003534795A - 新規ラッカーゼ酵素およびその酵素をコードする遺伝子 - Google Patents

新規ラッカーゼ酵素およびその酵素をコードする遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Melanocarpus属の株、特にM.albomyces株から単離できる新規ラッカーゼ酵素に関する。酵素の最適pHは5〜8の範囲であり、酵素は30〜80℃の温度で機能する。酵素の等電点は等電点電気泳動で測定して約4.0であり、分子量はSDS−PAGEで規定して約80kDaである。酵素は特にpHおよび温度条件の高い用途に非常に適している。本発明はラッカーゼ酵素をコードする遺伝子、組換え技術で製造されたラッカーゼ酵素にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は新規ラッカーゼ酵素に関する。本発明の対象は、新規ラッカーゼ酵素
、酵素製品、および特に酵素をコードする遺伝子である。本発明の別の対象は、
種々の用途でのラッカーゼの使用である。
【0002】 ラッカーゼ(EC1.10.3.2.)は、青銅オキシダーゼに属する。定義
によれば、ラッカーゼはp−ジフェノールオキシダーゼである。ジフェノールに
加えて、ラッカーゼは多くの他の基質、例えばメトキシ置換されたフェノールお
よびジアミンを酸化する。それらの基質に関して、ラッカーゼは意外にも非特異
性である。すなわちその広い基質特異性、および他方で、フェノール化合物を酸
化するそれらの能力の点から、ラッカーゼは、工業的使用に際して大いに関心が
高まっている。ラッカーゼの利用が見込まれる分野には、例えば林業における脱
リグニンおよびファイバーボードの接着、織物工業における織物の染色および染
色所からの排水の無毒化、ならびに種々のバイオセンサーへの使用が含まれる。
媒介物質、すなわち中間分子の助けにより、ラッカーゼはまた、そうでない場合
には酸化できない基質を酸化する。媒介物質は、ラッカーゼで酸化される低分子
化合物である。次いで、酸化された媒介物質は実際の基質を酸化する。
【0003】 最初に、ラッカーゼは日本のウルシノ木(Rhus vernicifera
)で1883年頃に発見された。ラッカーゼは多くの植物、例えばモモ、トマト
、マンゴ、およびポテトで発見されている;ラッカーゼは数種の昆虫でも発見さ
れた。しかし、多くの公知のラッカーゼは白かび真菌類が源である。以下の属が
例えばラッカーゼを産生する:Agaricus、Aspergillus、C
errena、Curvularia、Fusarium、Lentinius
、Monocillium、Myceliophtora、Neurospor
a、Penicillium、Phanerochaete、Phlebia、
Pleurotus、Podospora、Schizophyllum、Sp
orotrichum、StagonosporaおよびTrametes。自
然状態では、ラッカーゼの機能は、リグノセルロースの分解、細胞壁の生合成、
果実および野菜の褐変、ならびに中でも植物への微生物の攻撃の防止に関する。
【0004】 多くの真菌性ラッカーゼが単離され、それをコードする数種の遺伝子がクロー
ン化されている。例えば、Saloheimo等(1985)は、Phlebi
a radiataのラッカーゼ遺伝子を単離し、特徴付けを行っており、Ko
jima等(1990)が白かび真菌からCoriolus hirsutus
からのラッカーゼ遺伝子を、そしてBerka等(1997)、WO95/33
836がMyceliophtora thermophilaラッカーゼの遺
伝子を単離し特徴付けている。ラッカーゼの天然産生レベルは、多くの場合、非
常に低い。外来産生宿主中にラッカーゼ遺伝子を発現させて生産性を改善する努
力がなされた。例えば、SaloheimoおよびNiku−Paavola(
1991;WO92/01046)は真菌Trichoderma reese
i中でPhlebia radiataラッカーゼを首尾よく生産した。ラッカ
ーゼはまた、Aspergillus oryzae真菌(Yaver等、19
96、Berka等、1997およびWO95/33836)およびPichi
a pastoris酵母(Jonsson等、1997)で、異種的に製造さ
れた。
【0005】 Coprinus属が起源のラッカーゼをAspergillus属の真菌中
で発現させることが、特許明細書WO97/08325に記載されている。同様
に、Polyporus pinsitus種が起源のラッカーゼ、およびAs
pergillus属の真菌のScytalidium属が起源のラッカーゼの
発現が特許明細書US5,770,418およびUS5,843,745にそれ
ぞれ記載されている。
【0006】 種々の有機体から単離されたラッカーゼの温度およびpH特性はそれぞれで異
なっている。これは使用する基質にも左右される。公知のラッカーゼの大部分が
、酸性のpHおよび比較的低い温度で最も良く機能するので、その特性は様々な
用途に適しているわけではない。数種の熱に安定であるかまたは中性のラッカー
ゼが報告されているが、一般的に熱に安定であるかまたは中性のラッカーゼは熱
安定性であるか中性であるかのどちらかで、両方であることはない。例えば、H
einzkill等(1998)は、異常に高い最適pHを有するCoprin
aceae属の真菌に由来するラッカーゼを見出した。しかし、60分の間に、
発見された全てのラッカーゼの活性は、60℃で、最初のレベルから30%を下
回るまでに低下した。特許(WO96/06930)が、これらのラッカーゼの
織物染料の漂白への使用について出願されているが、この出願ではそれらのラッ
カーゼの高温での活性について言及していない。この出願の実施例は、温度30
〜35℃で実施されたものである。特許出願WO95/07988は、真菌Rh
izoctonia solaniからの中性ラッカーゼを記載しているが、こ
の出願はアルカリ条件に加えて高温でのこのラッカーゼの利用性について検討し
ていない。一方、特許出願WO98/55628は、Trametes ver
sicolor TV−1株由来の熱安定性ラッカーゼを記載しているが、該特
許によれば、このラッカーゼ活性はpH2で最良である。Trametes v
ersicolor TV−1ラッカーゼはpH安定性でもなく;60分インキ
ュベートした後のpH6での残留活性は最初の約60%である。特許出願WO9
5/33836は、髪染色にpH7で作用する中性Myceliophtora
thermophilaラッカーゼを記載しているが、この出願の実施例の温
度は30℃であった。Berka等(1997)の刊行物では、Mycelio
phtora thermophilaラッカーゼが60℃で20分その活性を
100%維持し、その最適活性がpH6.5であることが報告されている。
【0007】 特許公報JP8070861およびJP9056378には、Tramete
sラッカーゼが記載され、これは熱安定性であることが報告されており、その最
適pHは5.0であるとされている。さらに、Diamantidis等(20
00)は、Azospirillum lipoferumバクテリアに由来す
るバクテリアラッカーゼを特徴付けている。そのラッカーゼは70℃で10分熱
安定性であり、かつ最適pHが6.0であることが報告されている。
【0008】 刊行物BharathiおよびRamalingam(1993)は、ハマグ
リのフェノールオキシダーゼを記載し、その最大活性はpH6.8であり、その
活性の50%以上が、60℃で10分インキュベートした際に残留する。特許刊
行物EP−A1−0852260は、Myrothecium属の種に由来する
ポリフェノールオキシダーゼを記載しており、その最適pHは8.5〜9であり
、最適温度は60〜70℃である。Myrothecium属の真菌が毒素を生
成することは公知である。
【0009】 種々の酵素に特定の最適温度および最適pH値を比較する際、使用する基質が
値に影響を及ぼすことに留意しなければならない。フェノール性基質、例えばグ
アイアコールおよびシリンガルダジンは、非−フェノール性基質、例えばABT
Sよりも高い値を示す。
【0010】 以下の特許公報は、木材−加工用途でのラッカーゼ使用を提案している:WO
9954545、US5,691,193、DE4137761、EP4088
03およびWO9523232。
【0011】 本発明の目的は、従来技術に関連する欠点を克服し、ラッカーゼ活性を示す全
く新しい種類の酵素製品を提供することである。特に、この酵素製品は高温およ
び高pHの両方に抵抗性でなければならない用途に用いることができる。例えば
木材加工業および他の加工産業にそのような用途がある。
【0012】 本発明は、中性またはアルカリ性pHであり40℃を超える温度を要する用途
において、公知のラッカーゼより優れた温度およびpH特性を有し、特に熱に安
定性である、新規のラッカーゼを提供する。 より詳細には、本発明の対象は、請求項1に特定されるラッカーゼ酵素である
【0013】 本発明のラッカーゼ酵素はMelanocarpus(メカノカルプス)属の
株から単離できる。我々の知る限り、Melanocarpus属の株から単離
されたラッカーゼはこれまでに記載がない。本発明のラッカーゼは、M.alb
omyces(M.アルボマイセス)種の菌株から、特にIMI 255989
株から好適に単離でき、そのサンプルはCABI Bioscience UK
centre CABI GRC株保存機関(Egham)(Bakeham
Lane Egham Surrey DW20 9Ty、UK)から自由に
入手できる。この株はその保存機関に1981年に寄託された。1996年にも
、株をVTT Biotechnologyの微生物株保存機関(Techni
cal Research Centre of Finland VTT、住
所:VTT Biotekniikka、PL1500、02044 VTT、
Espoo、Finland)に寄託し、VTT−D−96490の番号を得た
。この寄託物のサンプルも自由に入手できる。この株は刊行物Ravanko(
1996)に記載され、ここでは種々の温度およびpH値での株の培養液のラッ
カーゼ活性が研究されている。しかし、この刊行物はラッカーゼの単離および精
製について記載していない。
【0014】 本発明のラッカーゼ酵素は、pH3〜9、好ましくは4〜8、より好ましくは
5〜8、さらにより好ましくは6〜8でさえも、最も好ましくは6.5〜7.5
の範囲で働く。ラッカーゼ活性は、pH7〜8の範囲で最も高く、約7.5で最
高になる。したがって、酵素の最適pHはかなり広く、pH5〜7.5の範囲で
あり;好ましくは最適pHは7.5である。酵素活性は30〜80℃、好ましく
は40〜80℃、より好ましくは50〜80℃、さらにより好ましくは60〜8
0℃でさえも、最も好ましくは60〜70℃の範囲で最高となる。酵素の最高活
性は約70℃の温度で現れる。
【0015】 本発明のラッカーゼは、高温でも高い活性を維持している。実施例3に記載さ
れる条件では、60℃で1時間のインキュベート後に、培養液のラッカーゼ活性
の50%以上が維持されている。70℃で15分のインキュベーション後に、酵
素活性の約30%が残留し、70℃で30分のインキュベーション後には約10
%が残留する。80℃では、例3の条件で酵素は約5分間のインキュベーション
に耐える。ある用途、例えば林業では、高温で、短時間でも耐性であることが非
常な利点となる。純粋な酵素の活性についてさらに研究すると、酵素の熱安定性
が並はずれて良く、これまでに記載されたラッカーゼよりも明らかに優れている
ことが発見された。60℃では、例3および図7に示されるように、酵素はその
活性を未変化の状態で2時間保持した。Berka等(1997)によって特徴
付けられたMyceliphtoraラッカーゼの熱安定性は、60℃で20分
しか保持されなかった。
【0016】 さらに、本発明のラッカーゼ酵素のpH安定性は、pHが増加すると改善され
る。pH4で22時間インキュベートした後、残留活性は65%であり、同一条
件でpH5の場合に残留活性は約80%であり、pH6で残留活性は約85%で
あり、pH7で残留活性は約90%であり、pH8で90%を越え、約92%で
ある。最適pHを加味すると、この特性により、本発明の酵素の高いpH値での
利用が有利になる。
【0017】 本発明のラッカーゼの等電点は等電点電気泳動により測定して約4.0であり
、この際、定義の精度は約±0.5である。 SDS−PAGEで測定して、本発明のラッカーゼの分子量は約80kDaで
ある。SDS−PAGE定義の精度は、+/−5kDaのオーダーである。
【0018】 本発明の対象は、精製時に、特に等電点電気泳動で測定して等電点が約4.0
であり、分子量が約80kDaを示すラッカーゼである。精製酵素で測定して、
ラッカーゼの最適pHは約7.5であり、最適温度は約70℃である。ラッカー
ゼをMelanocarpus属の株、好ましくはMelanocarpus
albomyces(メカノカルプス・アルボマイセス)属、最も好ましくはM
.albomyces IMI 25598株から単離することができる。本発
明の別の課題は、単離しかつ精製したラッカーゼ酵素である。
【0019】 本発明のさらなる対象は、本発明のラッカーゼ酵素を含有する酵素製品である
。酵素製品中のラッカーゼ酵素量は、Melanocarpus属、特にMel
anocarpus albomyces種の株の量、特にラッカーゼを産生す
るために最適化されていない増殖条件で培養液中にM.albomyces I
MI 255989株により天然に製造される酵素の量よりも多いのが好ましい
。酵素製品中のラッカーゼの量は、好ましくは10mg/lであり、より好まし
くは≧30mg/lであり、より好ましくは≧300mg/lでさえあり、さら
により好ましくは≧500mg/lであり;最も好ましくは≧1g/lである。
【0020】 前記したように、本発明のラッカーゼをMelanocarpus属の株、特
にMelanocarpus albomyces種の株、特にM.albom
yces IMI 255989株から単離できるが、本発明のラッカーゼをコ
ードする遺伝子を単離し、好適な産生宿主中に移入することによる組換え技術に
より製造することもできる。
【0021】 本発明のラッカーゼは、その天然宿主または産生宿主の培養液中で製造でき、
タンパク質化学の公知の方法を用いることによりそこからラッカーゼを単離精製
できる。培養液が十分に多い量のラッカーゼを含有するが、他の有害なタンパク
質を含有しないのであれば、培養液をそのまま使用する簡単に細胞を分離するこ
とによってできる。培養液は可能であれば濃縮してよい。別の用途では、より多
くのラッカーゼを含有する酵素製品を使用するのが好ましい。大量のラッカーゼ
は、組換え技術により産生宿主の培養液中でラッカーゼ酵素を製造することによ
り製造できる。増量は、ラッカーゼ酵素量に関するものであり、Melanoc
arpus属、特にM.albomyces株、特にIMI 255989株に
より天然で製造されるラッカーゼ酵素の量を超えるラッカーゼ酵素の量を意味す
る。
【0022】 本発明のさらなる対象は、本発明のラッカーゼ酵素の必須量を含有する酵素製
品である。すなわち、他の酵素を無視できない量で含まず、ラッカーゼが酵素製
品の主要活性であることを意味する。本発明の対象はまた、Melanocar
pus属の真菌から単離できるラッカーゼ、および各用途に必要な添加物を含有
する酵素製品である。このような添加物には例えばバッファーおよび安定剤が含
まれる。
【0023】 本発明の対象はまた、ラッカーゼをコードする核酸分子である。核酸分子は、
以下の群から選択される: −SEQ ID NO:1または図15A及びB(図15Bは、図15Aに続
く配列を示す)に示されるヌクレオチド配列のコード領域を含む核酸分子; −SEQ ID NO:2または図15A及びBに示されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチドをコードする核酸分子; −遺伝暗号の縮退により、SEQ ID NO:1または図15A及びBのヌ
クレオチド配列のコード配列と異なるコード配列を含有する核酸分子; −SEQ ID NO:1または図15A及びBのヌクレオチド配列とハイブ
リダイズする核酸分子;および −ラッカーゼ活性を有しかつアミノ酸配列がSEQ ID NO:2または図
15A及びBに示されるアミノ酸配列と少なくとも73%同一であるポリペプチ
ドをコードする核酸分子。
【0024】 本発明はまた、アミノ酸配列がSEQ ID NO:2または図15A及びB
のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一であり、好ましくは少なくとも80%
同一であり、より好ましくは少なくとも85%同一であり、さらにより好ましく
は少なくとも90%同一でさえあり;最も好ましくは少なくとも95%同一であ
るポリペプチドをコードする核酸分子を具現する。本発明のポリペプチドのアミ
ノ酸配列が、ID NO:2または図15A及びBのアミノ酸配列と少なくとも
99%同一である場合が、最も好ましい。相同アミノ酸をもとに類似性を推測す
る場合、本発明は、アミノ酸配列がSEQ ID NO:2または図15A及び
Bのアミノ酸配列と少なくとも83%の相同性、好ましくは少なくとも85%の
相同性、より好ましくは少なくとも90%の相同性、さらにより好ましくは少な
くとも95%の相同性を示し、最も好ましくはSEQ ID NO:2または図
15A及びBのアミノ酸配列と少なくとも99%の相同性を示すポリペプチドを
コードする核酸分子を具現する。
【0025】 本発明はまた、ハイブリダイゼーション溶液が6×SSC、5×Denhad
t’s試薬、0.5%SDS、100μg/ml変性DNAを含有し、ハイブリ
ダイゼーションを50〜60℃で実施するハイブリダイズ条件で、SEQ ID
NO:1とハイブリダイズする核酸分子を具現化する。別の場合には、ハイブ
リダイゼーション溶液が6×SSC、5×Denhadt’s試薬、0.5%S
DS、100μg/ml変性DNA、50%ホルムアミドを含有し、この際ハイ
ブリダイゼーションを25〜35℃で実施する。本発明は特に、厳しい条件でS
EQ ID NO:1とハイブリダイズする核酸分子を具現化し、それによって
、ハイブリダイゼーションを最初の選択肢に沿って実施するかまたは同一条件で
、68℃で実施するか、42℃で第2の選択肢に沿って実施する。50×Den
hadtは、10g/l Ficoll、10g/l ポリビニルピロリドン、
10g/l ウシの血清アルブミンであり、そしてSSCは、0.15M Na
Cl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0である。 核酸分子とは、DNA、RNAまたは例えばcDNAである。
【0026】 本発明はまた、ラッカーゼ活性を有し、前記核酸分子によりコードされるポリ
ペプチドに関する。本発明はさらに前記のように、SEQ ID NO:2また
は図15A及びBのアミノ酸配列と同一かまたは相同のアミノ酸配列を有するポ
リペプチドに関する。
【0027】 本発明はまた、ラッカーゼの製法に関し、該製法は以下のステップを含む: −本発明の核酸分子またはベクターを微生物宿主細胞に移入して核酸分子を発
現させ、場合により核酸分子を宿主から分泌させ;および −ラッカーゼ活性を有するポリペプチドを、細胞または微生物宿主の培養液か
ら回収する。
【0028】 本発明のラッカーゼは、有効なpHおよび温度条件が高い工業用途に非常に好
適である。このような用途には、リグニンまたは(直接または媒介物質による)
抽出物、機械的に破砕したリグニン−含有繊維に由来する繊維製品およびボード
の製造、ペーパー・マシンの稼働性の改善および他の用途に関連性を有する林業
、リグニン、セルロース、および/またはデンプン等のポリマーの(直接または
媒介物質による)酸化、ならびにアルケンまたは着色分子等の他の化学物質の酸
化が含まれる。これらの用途では、温度はしばしば60℃以上、一般的に80℃
程度に高く、pHは中性に近いかまたはわずかに高い。本発明の酵素は、pHお
よび温度が同時にかなり高い条件で非常に良く機能する。 以下に、添付の図および例により本発明を詳細に説明する。
【0029】 本明細書で使用される用語「酵素製品」とは、ラッカーゼ酵素活性を含む任意
の製品を意味する。例えば酵素製品は、ラッカーゼ含有培養液、単離ラッカーゼ
または少なくとも成分の1つがラッカーゼである酵素混合物であってよい。酵素
製品はまた、種々の添加物、例えば安定剤またはバッファーを含有してよい。添
加物は、ラッカーゼ酵素製品の各用途に適するように選択される。酵素製品はま
た、酵素製品の用途に応じて他の酵素活性、例えばペルオキシダーゼ活性を有し
てもよい。
【0030】 ラッカーゼ含有酵素製品は、ラッカーゼの作用を強化するために使用される好
適な媒介物質を含有してもよい。好適な媒介物質には、例えばTempo(=2
,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)、HBT(=1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール)、ABTS=2,2’−アジノビス−3−エチルベ
ンズチアゾール−6−スルホネート、ビオルル酸、NHA(=N−ヒドロキシ−
アセトアニリド)が含まれる。
【0031】 ラッカーゼを産生する微生物のスクリーニング ラッカーゼを産生する微生物は、天然から単離してもよく、または微生物学で
公知のスクリーニング法を使用することにより、すでに単離同定された保存機関
の株からスクリーニングしてもよい。ラッカーゼがフェノールオキシダーゼに属
するので、フェノールオキシダーゼのスクリーニングに好適な方法をスクリーニ
ングに使用する。スクリーニングは、プレート培養の固体培地または液体培地で
の酵素の製造を、酵素活性の測定により調査することで、実施される。
【0032】 公知の大半のラッカーゼのよりも高温および高いpHに抵抗性である新規ラッ
カーゼを探索する際、暖かくかつ/またはアルカリ条件で生息する微生物を環境
から選抜するのが重要である。このような環境は、例えば堆肥、ウッドチップの
パイルまたは熱帯地域で見出される。
【0033】 スクリーニングで見出された陽性の真菌によるフェノールオキシダーゼの製造
は、菌糸体の先にフェノールオキシダーゼの基質を添加することにより、プレー
ト上で調査することができる。これらの滴下試験により、プレート上での陽性反
応がペルオキシダーゼによるものであるのかラッカーゼによるものであるのかを
明確にすることができる。適当な試薬にはABTS、シリンガルダジンおよびグ
アイアコールが含まれ、ペルオキシダーゼの観察には過酸化水素が含まれる。
【0034】 フェノールオキシダーゼを産生するスクリーニングの結果により見出された微
生物を、好適な培地で培養し、培養液中でのフェノールオキシダーゼの生成を、
フェノールオキシダーゼ活性の測定に適した方法で観察する。真菌のための好適
な培地には、例えば麦芽エキスおよびジャガイモデキストロース培地が含まれ、
活性を測定するのに好適な基質にはABTS、グアイアコール、およびシリンガ
ルダジンが含まれる。多くの真菌のために、フェノールオキシダーゼの産生には
インデューサーが必要である。これには例えば、芳香族化合物、リグニン含有物
質、界面活性剤、一定の炭素源、および硫酸銅が含まれる。ラッカーゼ活性は基
質としてABTSを使用することにより測定でき、ラッカーゼはそれを暗緑色に
酸化する。測定はNiku−Paavola等(1988)の方法で実施できる
。ラッカーゼ活性はまた、Paszczynski等(1985)のグアイアコ
ール法を使用して測定できる。
【0035】 目的のラッカーゼが十分量で産生された後、酵素を精製し、その特性を特徴付
ける。温度およびpH挙動ならびに酵素の等電点を決定できる。 ラッカーゼの生産起源も、ラッカーゼ遺伝子配列の相同性により篩い分けでき
る。この場合、ラッカーゼ遺伝子のアミノ末端の保存領域を基礎とするヌクレオ
チドをPCRのプライマーとして使用し、公知のラッカーゼと相同な遺伝子配列
を例えば種々の真菌のゲノム中で探索する。
【0036】 種々の温度でのラッカーゼ活性の測定は、例1に記載されるようなABTS法
により実施できる。ラッカーゼの最適pHを、異なるpH値で、好適なバッファ
ーを用いたグアイアコール法により決定することができる。pHが7以上である
と、活性分析でのABTSの機能は弱化する。
【0037】 熱安定性は、一定のpHで好適なバッファーを用いて、種々の温度で酵素サン
プルをインキュベートすることにより測定できる。各温度での酵素の残留活性は
、例えばABTS法により定義できる。 pH安定性は、好適なバッファーを用いて種々のpHで酵素サンプルをインキ
ュベートすることにより決定できる。残留活性を例えばABTS法により決定で
きる。
【0038】 ラッカーゼの単離精製 酵素化学、例えば塩析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水
性相互作用クロマトグラフィーの常用法を用いて酵素を精製できる。精製は、S
DSポリアクリルアミドゲル電気泳動によりモニターすることができる。精製酵
素の種々の温度およびpH値での酵素活性が測定でき;同様に、分子量および等
電点を決定できる。
【0039】 本発明の実施例では、Melanocarpus albomyces株を肥
沃培地上で培養することにより、ラッカーゼを製造することが記載される。培養
中、ラッカーゼ活性を、ラッカーゼの影響下でのABTSからの暗緑色カチオン
ラジカルの生成をベースとするNiku−Paavola等(1988)のAB
TS法に基づいてモニターする。しかし、本発明はこの培地上で産生されるM.
albomycesラッカーゼのみに限定するものではない。
【0040】 M.albomycesラッカーゼ培養液から精製し、その中から濾過または
遠心分離により細胞を除去した。培養液をさらに限外濾過により濃縮した。陰イ
オン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて
さらに精製した。限外濾過における分子量カットオフ値は約30kDaであった
。陰イオン交換クロマトグラフィーは酢酸バッファー中pH5で実施され、Na SOの増加直線勾配でラッカーゼをカラムから溶離した。陰イオン交換の最
良のフラクションをさらに疎水性相互作用クロマトグラフィーにより、酢酸バッ
ファー中pH5で精製した。サンプルを0.7M NaSO濃度で結合させ
、NaSOの減少直線勾配で溶離した。
【0041】 しかし、他の公知の精製法を使用しても酵素を分離することができる。 精製されたM.albomycesラッカーゼの分子の大きさ、等電点、およ
びpHおよび温度プロファイルを決定した。
【0042】 精製酵素とは、SDS−PAGEおよびクーマシー(Coomassie)染
色で確認されかつ観察できるラッカーゼのバンド以外の別のタンパク質のバンド
を有さない酵素製品を意味する。本明細書において、酵素は、限外濾過、陰イオ
ン交換クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精
製される。得られるラッカーゼの純度は、≧90%で他のタンパク質を実質的に
含有しないというものである。
【0043】 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定された、精製M.albo
mycesラッカーゼの分子の大きさは80kDaであった。Multipho
r II電気泳動装置(Pharmacia LKB)による等電点電気泳動で
は、等電点として4.0が測定された。M.albomycesラッカーゼの活
性は70℃の温度で最も高く、最適pHは7.5であった。60℃で2時間イン
キュベーション後、M.albomycesラッカーゼはその活性の100%を
維持した。さらに、そのpH安定性は高いpHで改善されている。
【0044】 ラッカーゼの製造 本発明のラッカーゼは、その天然宿主または産生宿主の培養液中で製造でき、
そこから、タンパク質化学の公知の方法を用いて単離精製できる。培養液が十分
に多い量のラッカーゼを含有し、他の有害なタンパク質を含有しない場合、簡単
に細胞を分離することによってそのまま使用することができる。もし必要があれ
ば、培養液を濃縮しかつ/または精製してよい。種々の用途において、ラッカー
ゼの増加量を含有する酵素製品を使用するのが好ましい。このような酵素製品は
、遺伝子技術により産生宿主培養液中にラッカーゼ酵素の増加量を生成すること
により、製造することができる。増加量とは、M.albomyces株、特に
IMI 255989株により天然で製造できるラッカーゼ酵素の量を超えるラ
ッカーゼ酵素量を意味する。
【0045】 本発明のラッカーゼは、本発明のラッカーゼをコードする遺伝子を単離し、そ
れを好適な産生宿主に移入することによる組換え技術を用いて、製造することも
できる。ラッカーゼをコードする遺伝子は、以下のいずれかの方法でcDNAラ
イブラリーから単離できる。cDNAライブラリーは、好適なイースト発現ベク
ター中に形成し、例えばSaccharomyces cerevisiaeイ
ーストに形質転換できる。ラッカーゼを産生するクローンを、例えばABTS基
質を含有するプレートを用いて、活性に基づいて同定する。別の可能性は、cD
NAライブラリーをλZAPベクターと連結させ、得られた生成物バンクでEs
cherichia coli細胞に感染させる。ラッカーゼをコードするクロ
ーンを、ポリクローナル抗体またはDNAハイブリダイゼーションにより同定す
る。ポリクローナル抗体を使用する際、例えばウサギで、精製ラッカーゼタンパ
ク質に対して抗体を産生する。ハイブリダイゼーションでは、PCRで得られた
ラッカーゼ遺伝子フラグメントをプローブとして使用する。この場合、PCRプ
ライマーの配列は、ラッカーゼ遺伝子中で一般的に保存された領域(例えば活性
中心のアミノ酸に相当する領域)および/または精製ラッカーゼタンパク質のア
ミノ末端配列または内部ペプチドのアミノ酸末端をベースとしている。さらに、
各メッセンジャーRNAのテール部のポリA領域に結合するオリゴdT領域をP
CRプライマーとして使用することができる。
【0046】 単離したラッカーゼcDNAを配列決定する。単離したcDNAと単離酵素の
間のつながりは、酵素を形成するアミノ酸配列によって確認することができる。
ラッカーゼ遺伝子の染色体コピーは、PCRで単離されるかまたはλベクター中
に形成されたゲノムライブラリーから単離でき、イントロンの位置をシークエン
スにより決定することができる。
【0047】 M.albomycesラッカーゼ遺伝子の単離 メッセンジャーRNAおよびcDNAライブラリーに基づいてM.albom
ycesラッカーゼの遺伝子を単離することはできなかった。典型的なcDNA
ライブラリーの作成は成功しなかった。意外にも問題は、多くの細胞がすでに自
家融解された時に、M.albomycesが末期の培養相でラッカーゼを産生
し、メッセンジャーRNAが部分的に退化するという事実または純粋に単離する
ことが困難であるという事実によって生じた。したがって、cDNAライブラリ
ーの代わりに、遺伝子をゲノム遺伝子ライブラリーから単離しなければならなか
った。遺伝子の単離は、実施例9に詳細に記載される。
【0048】 ラッカーゼ遺伝子の配列を図15A及びBに示し、配列を列挙する(SEQ
ID NO:1)。遺伝子の長さはイントロンを含んで2279bpである。図
15A及びBに示されるように、コード領域の開始する塩基番号は286であり
、イントロンは541〜618位、698〜770位、783〜869位、19
13〜1999位、2069〜2150位である。最後のコード塩基は2561
である。
【0049】 遺伝子は623アミノ酸の長さのポリペプチドをコードする。アミノ酸配列を
、特許出願WO9533836に開示されるMyceliophtoraのアミ
ノ酸配列に関して、Blast法(Altschul等、1990)を用いるこ
とにより比較すると、アミノ酸配列が72%同一であり(同一性450/623
、72%)、82%が相同である(陽性518/623、82%、陽性とは相同
アミノ酸を意味する)(ギャップ=4/623、0%)ことが分かった。
【0050】 相当の比較をPodospora anserinaラッカーゼ(Ferna
ndez−LarreaおよびStahl、1996)で実施すると、配列が6
8%同一であり(同一性427/627、68%)、79%相同である(陽性5
02/627、79%)(ギャップ=12/627、1%)ことが分かった。
【0051】 単離ラッカーゼ遺伝子は、他の有機体中でたんぱく質製造に使用される。この
ような産生宿主には、前記のAspergillus産生系、例えばA.ory
zaeまたはA.niger(US5,843,745、US5,770,41
8、WO9708325およびWO9533386)、真菌Trichoder
maに関して開発した産生系(EP 244 234)、またはFusariu
mの真菌種、例えばF.oxysporumに関して開発した産生系(Mala
rdier等、1989)、Bacillusバクテリア、例えばB.subt
ilisまたはE.coliバクテリア、酵母Saccharomyces、S
hizosaccharomycesまたはPichia pastoris、
またはStreptomyces actinomyceteまたは他の微生物
または哺乳動物細胞に関して開発した産生系が含まれる。
【0052】 ラッカーゼ生成物の最適化 ラッカーゼの生成は、野生または組換え株の培養条件および培地を最適化する
ことにより、改善することもできる。例えば、培地の最適化の際には、窒素源の
質(中でも、有機または無機窒素源)および量がラッカーゼ製造に影響を及ぼす
。必要であれば、より高い収量を達成するために窒素源を制限する。同様に、炭
素源の効果も確立される。酵素製造に最適な炭素源を選択する。必要であれば、
炭素源も制限できる。炭素/窒素割合を最適化して酵素の製造を最良にする。成
育条件を最適化して問題の酵素製造を最良にすることができる。酵素製造に最適
なpHおよび温度で微生物を増殖させる。
【0053】 適当な混合および空気供給により、発酵中に適当なエアレーションを保証する
。発酵中、ラッカーゼ製造のインデューサー、例えばベラトリルアルコール、キ
シリジン、またはリグニンを使用することもできる。インデューサーを添加する
方法および時間、ならびにその濃度を最適化する。
【0054】 種々の用途におけるラッカーゼの使用 一般的に、本発明のラッカーゼはラッカーゼを使用する用途、例えばゲル生成
、繊維の接着、コルクの処理、染料の除去(特に繊維製品の染料)、繊維の染色
、たんぱく質処理、洗剤、抗菌用途、デンプン用途、化学物質の酸化、バイオフ
ィルムの除去、リグニン誘導体の製造、医薬品分析、ウールの縮みの減少、ベー
キング、ビールの保存性の改善、色素の製造、油製品からの酸素の除去、および
ヨウ素の製造に使用するのに非常に適している。所望により、本発明のラッカー
ゼを一定の目的のために固定することもできる。
【0055】 本発明のラッカーゼは、有効なpHおよび温度条件が高い工業用途に非常に適
している。このような用途は、中でも、林業用途、機械的な破砕物からの繊維製
品およびボードの製造、リグニン含有繊維、ペーパー・マシンの作動性の改善お
よび他の用途、ポリマーの酸化および他の化学物質、例えば染料分子の酸化を含
む。これらの用途では、温度はしばしば60℃以上、一般的に80℃程度であり
、pHは中性に近いかまたはわずかにアルカリ性である。
【0056】 全ての用途において、十分な酸素を反応に供給することが必須である。酸素は
ラッカーゼが要する還元基質である。ある場合、特に基質濃度が低い場合には、
反応混合物自体の中に十分な酸素が存在するが、空気または酸素あるいは酸素強
化空気を反応混合物に添加することもできる。 必要であれば、媒介物質を反応の添加物として使用する。
【0057】 本発明のラッカーゼは、例えば着色剤を酸化するのに非常に適している。染料
分子をpH4〜8、例えばpH4.5〜7.5、好ましくはpH6〜8、より好
ましくはpH7〜8で、25〜80℃の範囲の温度、好ましくは40〜80℃、
より好ましくは50〜80℃;最も好ましくは60〜80℃で、ラッカーゼと接
触させる。必要であれば酸素を反応系に添加する。ラッカーゼの量は着色剤1g
に対して、1〜1000nkat、好ましくは10〜500nkat、最も好ま
しくは20〜200nkatである。反応は5分〜24時間、好ましくは30分
〜2時間実施する。
【0058】 本発明のラッカーゼは、重合にも非常に好適である。選択された被重合化合物
を前記したのと同一の条件で、ラッカーゼと接触させる。反応混合物を試験中エ
アレーションすることができる。重合化合物の分子量の増加を、例えばGPC(
ゲル透過クロマトグラフィー)で調べることにより、重合をモニターすることが
できる。
【0059】 本発明のラッカーゼは、ペーパー・マシンの作動性を改善するために使用する
こともできる。ラッカーゼは、リグニンと抽出物とに端を発する化合物を重合し
、ペーパー・マシン中での微生物の有害な増殖を抑制することにより、ペーパー
・マシンの作動性を改善するために使用できる。一般的に、ペーパー・マシンの
状件はpH約5〜7であり、温度60〜80℃である。ラッカーゼをプロセス水
に添加するかまたは実質的にペーパー・マシンに有利な状件を変化させる必要な
しにヘッドボックスまたは循環水系に添加することができる。pHは5〜8の範
囲、温度は50〜80℃の範囲である。ラッカーゼの量は乾燥状態の繊維1gま
たは循環水1lに対して、1〜1000nkat、好ましくは10〜500nk
atである。処理時間は5分〜24時間、好ましくは30分〜2時間である。
【0060】 本発明のラッカーゼは、繊維の酸化にも使用できる。リグニン含有繊維を、5
0〜80℃の温度で、50〜100℃程度の高い温度で、好ましくは60〜80
℃の温度で、pH5〜8、好ましくはpH6〜8で、ラッカーゼと接触させて、
このとき、ラッカーゼ濃度は繊維1gに対して1〜1000nkat、好ましく
は繊維1gに対して10〜500nkatであり、反応時間は2分〜24時間、
好ましくは10分〜2時間である。ラッカーゼ処理によって、例えば繊維ボード
、例えばMDFボードの製造に使用できるかまたは機械的に破砕したリグニン含
有繊維からなる紙あるいはカードボード製品に使用される繊維の強度特性を改善
する。
【0061】 前記した用途例に加えて、本発明のラッカーゼは繊維の脱リグニンに使用する
こともできる。ラッカーゼを、クラフト繊維等の脱リグニンすべき繊維と、カッ
パー値20〜30、好ましくは約25、調度5〜15%、好ましくは約10%で
、好ましくはパルプの1〜5%の量、好ましくはパルプの3%の量の媒介物質の
存在下に、pH5〜8、好ましくは6〜8で、温度50〜80℃、好ましくは6
0〜80℃で接触させることができる。反応時間は5分〜24時間、好ましくは
30分〜2時間である。ラッカーゼの量は、0.5Mpaの酸素圧力で、10〜
1000nkat/g、好ましくは10〜500nkat/gである。 以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明をどのようにも制限す
るものではない。
【0062】 実施例1 M.albomycesラッカーゼの製造 M.albomyces真菌をオートアガープレート(Difco)上に保持
した。接種および製造培地の両方が、以下のものを含有した。 25g/l グルコース(AnalaR) 27.5g/l Bactoイーストエキストラクト(Difco) 0.5mg/ml Indulin AT(Sigma) 0.041/l 以下のものを含有するミネラル溶液: 1.0g/l CaCl・2HO(Riedel−de Haen) 1.0g/l FeSO・7HO(Riedel−de Haen) 0.1g/l ZnSO・7HO(Merck) 0.16g/l CuSO・5HO(Merck) 1.0g/l NaEDTA(Riedel−de Haen)。 グルコース溶液を個々に滅菌した。
【0063】 最初に、オートミールアガー上で良好に増殖した菌糸体から切り出した3〜4
片(約a1cm)を、培地100mlに接種した。培養温度は37℃であり、
攪拌速度は120rpmであった。培養2日後に、菌糸体を均質化し、滅菌培地
900mlに均質化した接種材料100mlを接種した。生成培地の体積は1l
であった;培養温度は37℃であり、攪拌速度は160rpmであった。培養を
14日間継続した。4個の類似した培養物が作成された。
【0064】 酵素活性アッセイ M.albomyces培養液のラッカーゼ活性を、ABTSを使用して測定
した。ラッカーゼはABTSを酸化して暗緑色のカチオンラジカルとする。活性
アッセイをNiku−Paavola等(1988)の開発した方法に沿って実
施した。サンプルを0.025M コハク酸バッファー、pH4.5で希釈した
。ABTS溶液0.350ml(11g/l)を希釈溶液1.15mlに添加し
、Perkin Elmer Lambda20分光光度計により、436nm
の波長で反応を2分実施した。 M.albomyces培養物について測定したラッカーゼ活性を図1に示す
【0065】 実施例2 M.albomycesラッカーゼの精製 タンパク質含量の測定 タンパク質含量を、Bio−Rad社製のDC Protein Assay
Kitを用いて、Lowry等(1951)の開発した方法に基づいて測定し
た。アッセイを、キットの試薬を用いて実施し、生じた着色反応の強度をHit
achi U−2000分光光度計を用いて波長750nmで測定した。また、
測定毎に、ウシ血清アルブミン(BSA、Bio−Rad)0.25〜1.25
g/lを含む溶液を使用して、標準曲線を規定した。
【0066】 精製 濾過により細胞を除去した培養液を、Amicon 8400濾過装置により
、PM30メンブレン(Millipore)を用いて限外濾過した。濾過で溶
液を濃縮し、蒸留水を添加して溶液の伝導度をイオン交換クロマトグラフィーで
要求されるレベルまで低下させることができた。伝導度は、EDV Instr
uments電気伝導測定装置(platinum electrode Me
ttler Toledo)を用いて測定した。
【0067】 限外濾過後、溶液を陰イオン交換クロマトグラフィー(DEAE Sepha
rose Fast Flow、h=10cm、V=20ml、Pharmac
ia)により精製した。樹脂を室温で0.01M 酢酸バッファー、pH5を用
いて平衡化した。0〜0.5M 硫酸ナトリウム(Merck)を使用して、増
加直線食塩勾配でタンパク質を溶離させた。勾配の総体積は90mlであり、流
速は2ml/分であった。勾配をかけている間、4mlフラクションを回収した
。フラクションのタンパク質含量、ラッカーゼ活性、および電気伝導度をアッセ
イした。フラクションのラッカーゼ活性およびタンパク質含量を図2に示す。
【0068】 陰イオン交換の最も状態の良いラッカーゼ・フラクションを合わせ、さらに疎
水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)(Phenyl Sepharos
e Fast Flow、h=9cm、V=18ml、Pharmacia)に
より精製した。実験の前に、塩含量が0.7MとなるようにNaSOをサン
プルに添加して、タンパク質の疎水性を増加させた。樹脂を0.02M クエン
酸バッファー、pH5中の1M NaSOで、室温で平衡化した。クエン酸
バッファー中の0.7〜0M のNaSOを使用して減少直線食塩勾配で、
サンプルをカラムから溶離した。勾配の総体積は90mlであり、流速は2ml
/分であった。勾配をかけた後、樹脂を平衡バッファー、最後に水で洗浄した。
勾配をかけ、次にバッファーと水とで洗浄する間、3.5mlフラクションを回
収し、そのラッカーゼ活性、タンパク質含量および塩含量を測定した(図3)。
【0069】 イオン交換およびHICの両方で最も興味深いフラクションをSDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分析し、Laemmli(
1970)の方法に従ってラッカーゼの精製をモニターした。ゲル電気泳動にお
いて、Bio−Rad(Bio−Rad Ready Gel Cell)の装
置、および用意されたポリアクリルアミドゲル(12% Tris−HCl R
eady Gel)を使用した。ゲルをクーマシーブリリアントブルーR350
(Pharmacia)色素溶液で染色した。Prestained Prot
ein Marker Broad Range #7708S(New En
gland BioLabs)をタンパク質標準として使用した。 SDS PAGEで規定されたM.albomycesラッカーゼの分子量は
80kDaであった。
【0070】 実施例3 M.albomycesラッカーゼの特徴付け 活性の温度依存性 精製したM.albomycesラッカーゼの活性の温度依存性を、25、4
0、50、60、70、80および90℃の温度でABTSによりラッカーゼ活
性を測定することにより規定した。酵素を緩和0.025Mコハク酸バッファー
、pH4.5中で希釈した。酵素添加直後に、緩和ABTS溶液を添加した。サ
ンプルを所望の温度で2分インキュベートし、その後436nmの波長で吸収を
測定した。添加した酵素溶液がバッファーの温度をそれほど低下させないように
するために、バッファーに添加される酵素の体積は、全ての希釈溶液で、総体積
の7%以下であった。M.albomycesラッカーゼの温度に対する依存性
を図4に示す。
【0071】 最適pH 精製したM.albomycesラッカーゼの最適pHを、3、4、5、6,
7および8のpH値でMcIlvaineバッファーにおいてグアイアコール法
に従って、ラッカーゼ活性を測定することにより決定した。pH7以上でABT
Sが機能しないのでグアイアコールを選択した。酵素をバッファー中へ希釈し、
酵素添加直後に、1%グアイアコール25μl溶液を添加した。反応を、465
nmの波長で分光光度計を用いて5分間追跡した。M.albomycesラッ
カーゼ活性のpH依存性を図5に示す。
【0072】 熱安定性 M.albomycesラッカーゼの熱安定性を、0.06M クエン酸バッ
ファー、pH6中で、50、60、70および80℃で酵素をインキュベートす
ることにより測定した。各温度での酵素の残留活性を、15、30、60および
120分のインキュベーション後にABTS法により測定した。熱安定性測定の
結果を図6に示す。
【0073】 精製したM.albomycesの熱安定性を前記した条件で測定した。結果
を図7に示す。結果は、酵素の残留活性が、60℃で2時間程度、実質的に未変
化で維持されることを示している。4時間のインキュベーションの後、まだ60
%の残留活性があり、6時間後では40%であった。
【0074】 pH安定性 M.albomycesラッカーゼのpH安定性を、2、3、4、5、6、7
および8のpH値でMcIlvaineバッファー中室温で酵素をインキュベー
トすることにより測定した。各pHでインキュベートしたサンプル中の酵素の残
留活性を、ABTS法により、1、3、5および22時間のインキュベーション
の後に測定した。pH安定性測定の結果を図8に示す。
【0075】 等電点 M.albomycesラッカーゼの等電点を、等電点電気泳動により測定し
た。0.5mm厚のポリアクリルアミドゲルは、7.5% アクリルアミド(M
erck)、0.225%N,N’−ビス−メチレンアクリルアミド(Merc
k)、6%両性電解質(IEFのためにPharmalyte2.5〜5、Ph
armacia)、0.05%過硫酸アンモニウム(Merck)および0.0
5%N,N,N,N’−テトラメチレンジアミン(Merck)を含有した。等
電点電気泳動を、Multiphor II電気泳動装置(Pharmacia
LKB)を用いて実施した。ゲルを活性染料で染色し、この際、ゲルを希釈A
BTS溶液(1g/l)に約10秒間浸漬した。約15分後、ラッカーゼバンド
が緑色で出現した。ゲルのpH分布を、pH表面電極(Mettler Tol
edo)を用いて測定した。等電点電気泳動法に基づいて、M.albomyc
esラッカーゼの等電点は4.0であった。
【0076】 実施例4 M.albomycesラッカーゼの染料(色素)酸化への使用 好熱性M.albomycesラッカーゼを使用して試験を実施し、Tram
etes hirsuta真菌から単離された公知のラッカーゼにより対照試験
を実施した。常用の基質である2,6−ジメトキシフェノールを基質として使用
した。基質濃度は1mmol/l、pH4.5〜7.5であり、温度は40また
は60℃であった。ラッカーゼの量は15nkat/gであった。試験中、反応
混合物をエアレーションした。試験終了時点で(30分)、ジメトキシフェノー
ル由来の色素の形成を468nmの波長で測定する際に、好熱性M.albom
ycesラッカーゼが高温および高pHでより良好に機能することが見出された
(図9および10)。
【0077】 ラッカーゼは繊維製品色素から色を除くために使用できる。ラッカーゼは多く
の染料(色素)を酸化し、これは色抜きとして観察できる。繊維製品染料の色抜
きは、繊維製品工業で一般的に使用される染料、Diamond Black
PLC、を使用することにより測定された。ラッカーゼ処理を40および60℃
の温度で2時間、pH7.5で実施し、この際、ラッカーゼの量は染料1mgに
対して20nkatであった。最大吸光(560nm)の測定値に基づいて、M
elanocarpusラッカーゼは40℃で色の34%を除き、60℃で16
%を除くが、これに対してTrametesラッカーゼは40℃でわずかに14
%、60℃で1%に過ぎない(図1)。
【0078】 M.albomycesラッカーゼの色抜き能力を、pH5および8で、T.
hirsutaラッカーゼと比較した。色抜き能力を、繊維製品工業で一般的に
使用される染料を用いて研究した。着色溶液(50mg/l)を、50mM コ
ハク酸バッファー(pH5)またはリン酸バッファー(pH8)中の1nkat
/mlラッカーゼ量で、40℃の温度で24時間酸化した。色抜きを視覚的に追
跡した。結果を表1に示す。結果が示すように、両酵素ともpH5で試験染料を
酸化して無色に変化させた。T.hirsutaラッカーゼはpH8で効果が無
く、試験染料を酸化しなかったが、M.albomycesラッカーゼはこれと
異なり、pH8でさえも染料を酸化した。結果は、M.albomycesラッ
カーゼの染料酸化での挙動が、常用のTrametesラッカーゼよりもかなり
広範囲であることを示している。
【0079】 表1 T.hirsutaおよびM.albomycesラッカーゼの、pH
5および8での繊維製品染料の除去(+=溶液から色が除かれる、−=溶液から
色が除かれない)
【0080】 実施例5 M.albomycesラッカーゼの重合への使用 モデル化合物(リグニン、WestvacoまたはIndulin AT、S
igma)の重合を、好熱性ラッカーゼで試験した。リグニンは典型的なラッカ
ーゼの芳香族基質である。対照試験は、Trametes hirsutaから
単離されたラッカーゼを使用して実施した。試験条件は以下の通りであった:基
質濃度1%、pH7.5、および温度40または60℃。ラッカーゼの量は20
0nkat/gであった。反応混合物を試験中にエアレーションした。GPC(
ゲル濾過クロマトグラフィー)により重合したリグニンの分子量の増加を測定し
て、重合を追跡した。反応終了時(30分)、好熱性M.albomycesラ
ッカーゼが高温および高pHで対照ラッカーゼよりも効果的に機能することが見
出された。図12は、状況を説明する図であり、ここでリグニンの重合は40℃
で実施され、図13の場合には同様にして60℃で実施された。Melanoc
arpusラッカーゼは、Trametesラッカーゼよりも明らかに優れ、分
子サイズの平均的な増加を誘導し、低分子の部分を減少させる。
【0081】 実施例6 ペーパー・マシンの稼働性を改善させるためのM.albomycesラッカ
ーゼの使用 ラッカーゼは、リグニンと抽出物とに端を発する化合物を重合し、ペーパー・
マシンの微生物による問題を減少させることにより、ペーパー・マシンの稼働性
を改善するために使用することができる。一般的に、ペーパー・マシンの条件は
:pH5〜7、温度60〜80℃である。処理試験を、リグニンとペーパー・マ
シンから単離された抽出物とに端を発する可溶性化合物を使用して、ペーパー・
マシン条件で、好熱性ラッカーゼおよび常用の対照ラッカーゼを用いて実施した
。基質濃度は0.5%乾燥質量であり、pH7および温度70℃であった。激し
く攪拌することにより、十分な酸素含量が反応中に確保した。反応を、ラッカー
ゼ基質として機能する芳香族および他の化合物の重合として、ゲル濾過(GPC
)を用いてモニターした。好熱性M.albomycesラッカーゼによる反応
が対照ラッカーゼよりも効果的であることが見出された。
【0082】 図14は、MelanocarpusおよびTrametesラッカーゼが、
リグニンと抽出物とに端を発する化合物の70℃での重合において、いかに挙動
するかを示す図である。図14から分かるように、Melanocarpusラ
ッカーゼは低分子の量を明らかに低下させている。
【0083】 実施例7 M.albomycesラッカーゼの繊維酸化への使用 化学的な脱リグニンなしに機械的に破砕したリグニン−含有繊維を好熱性M.
albomycesラッカーゼと処理して、繊維表面のリグニンを活性化し、重
合させた。処理は、以下の条件で実施された:温度50および70℃、pH6、
およびラッカーゼ濃度200nkat/繊維1g。酸素を反応混合物へ吹き込む
ことにより、反応混合物をエアレーションした。対照はTrametes hi
rsuta真菌から単離した常用のラッカーゼであった。処理繊維からハンドシ
ートを製造した。シートの物理的特性を測定した。結果(表2)は、M.alb
omycesラッカーゼで処理した繊維から作られたシートは、対照シートと比
べて明らかに密度が高く、光散乱が少なかった。T.hirsutaラッカーゼ
で処理した繊維から作られたシートでは相当の変化が認められなかった。効果は
特に70℃の高温で明白であり、M.albomycesラッカーゼはその優れ
た熱安定性により、T.hirsuta真菌から単離された対照ラッカーゼより
も有利に作用した。この結果から、使用した条件において、繊維の表面でリグニ
ンを重合するためにM.albomycesラッカーゼを使用できると結論付け
ることができる。
【0084】 表2 M.albomycesおよびT.hirsutaラッカーゼで処理し
た繊維から作られるシートの密度および光散乱
【0085】 実施例8 M.albomycesラッカーゼの繊維の脱リグニンへの使用 ラッカーゼの基質範囲を拡大するために、特に、脱リグニンまたは他の間接的
な重合体の酸化に媒介物質を使用することができる。ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールを媒介物質として選択した。好熱性ラッカーゼを使用して、媒介物質補助酸
化でクラフト繊維のリグニンを分解した。反応条件は以下の通りであった:クラ
フト・パルプ、カッパー値約29、調度4%、媒介物質含量 パルプの1%、p
H7に調節、温度70℃、反応時間2時間、ラッカーゼ量500nkat/g、
酸素圧力(0.5mPa)。Trametesラッカーゼが対照材料であった。
処理後、パルプをアルカリ抽出、キレート化、および一工程での過酸化水素漂白
にかけた。アルカリ抽出後に、280nmの波長における濾液の吸光を測定する
ことにより、リグニンの溶解をモニターした。パルプからハンドシートを製造し
、ISO白色度、およびカッパー値を測定した。結果が示すように(表3)、M
.albomycesラッカーゼは試験条件で対照ラッカーゼよりも効果的に機
能する;M.albomycesラッカーゼは対照ラッカーゼよりも、シートの
カッパー値を低下させ(リグニンの量)、濾液の吸光度(280nm)を上昇さ
せる。
【0086】 表3 LQ−E−Pシークエンスによるクラフト・パルプ(κ29)の漂白能
に関するLM処理の効果
【0087】 実施例9 M.albomycesラッカーゼの遺伝子およびcDNAの単離 全DNAをRaederおよびBroda(1985)に従って細胞から単離
した。ゲノム・ライブラリーを、市販の反応パッケージを用い(SuperCo
s I Cosmid Vector Kit、Stratagene)、製造
者の指示に従って構築した。DNA100μgを、37℃で10分インキュベー
トすることにより、Sau3AI制限酵素(New England Biol
abs)5Uで部分的に切断した。消化したDNAをCIAP(Calf In
testinal Alkaline Phosphatase、Finnzy
mes)20Uで脱ホスホリル化した。異なる長さのDNA分子を、温度20℃
および回転速度22000rpmで22時間超遠心することにより(Beckm
an SW 41 TIローター)、15〜30%スクロース勾配で分離した。
12mlスクロース勾配を300μlフラクションに分割し、各第2フラクショ
ン10μlを0.5%のアガロースゲル上で電気泳動により試験した。ゲル電気
泳動に基づいて20キロベースペア以上の長さのDNAフラグメントを含むフラ
クションを合わせ、DNAを、エタノールを用いてそこから沈澱させた。得られ
たDNA(約2μg)を、XbaI(New England BioLabs
)で消化したSuperCos I コスミドベクター(約1μg)に挿入し、
その後CIAPで脱ホスホリル化し、最後にBamHI(Boehringer
Mannheim)で消化した。T4 DNA リガーゼ(Promega)
を用いて、混合物を4℃で一晩インキュベートすることにより、リゲーション(
結さつまたは連結反応)を行った。リゲーション混合物を、市販の反応パッケー
ジ(Gigapack III Gold packaging extrac
t、Stratagene)を用い、製造者の指示に従ってλ粒子へパックし、
パックされたファージを使用してE.coli宿主細胞に感染させた(XL1−
Blue MR株、Stratagene)。1回のリゲーションで5×10 を上回るクローンが得られ、これは典型的なジーン・バンクと見なすことができ
る。
【0088】 ジーン・バンクのスクリーニングのためのハイブリダイゼーション・プローブ
は、Podospora anserina真菌のlac2遺伝子から得られた
。M.albomycesラッカーゼのN−末端アミノ酸配列および内部ペプチ
ドはP.anserinaラッカーゼのアミノ酸配列と相同であったことから、
この遺伝子をプローブとして選択した。P.anserina真菌を、図1に記
載した基質上で増殖させた。市販の反応パッケージ(Easy DNA Kit
、Invitrogen)を用いて、製造者の指示に従い、増殖3日後に回収し
凍結乾燥させた菌糸体からゲノムDNAを単離した。lac2遺伝子を、lac
2遺伝子の公表配列に基づくプライマー:5’−TGCCACACTGCCGC
CAACCGTGCT−3’(SEQ ID NO:3)(フォワード)および
5’−GTTCTTGATATACCAATCAGGATG−3’(SEQ I
D NO:4)(リバース)を用いて、PCR反応により増幅した。増幅に利用
したPCRプログラムは26サイクルを含み、温度プログラムは以下の通りであ
った:DNAの変性 94℃で45秒、プライマーの挿入 55℃で1分、DN
A鎖のポリメラーゼによる伸長 72℃で2.5分。最後に、鎖を72℃で5分
伸長した。得られた約1.9キロベースペア長さのフラグメントをアガロースゲ
ル電気泳動により精製した。そのプローブとしての挙動をM.albomyce
s真菌のゲノムDNAを用いてサザン・ハイブリダイゼーションにより以下のよ
うに試験した:2種の異なる反応において、DNA40μgをEcoRIおよび
Hind III制限酵素(New England Biolabs)80U
により、37℃で5時間切断した。フラグメントを0.8%アガロースゲル上で
の電気泳動により分離し;DNAを変性し、Hybond N メンブレイン(
Amersham Pharmacia Biotech)(方法はSambr
ook等、1989に記載)上に移動した。P.anserina lac2遺
伝子をα32P−dCTPにより、市販の反応パッケージを使用して(Rand
om primed DNA labelling kit、Boehring
er Mannheim)、製造者の指示に従って標識し、プローブの結合を4
種の異なるハイブリダイゼーション温度で試験した:48、50、55および6
0℃。ハイブリダイゼーション溶液は、6×SSC、1×Denhardt’s
(Sambrook等、1989)、0.5%SDS、および100μg/ml
Herring Sperm DNA(SSCは、0.15M NaClおよ
び0.015Mクエン酸ナトリウムを含有し、pH7.0である)を含有した。
ハイブリダイゼーションは、約5×10cpm/mlの標識プローブを含有し
た。ハイブリダイゼーション後、メンブレインを、0.1%SDSを含有する2
×SSC中で5分間室温で2回、その後、ハイブリダイゼーションと同一温度で
30分間洗浄した。メンブレインを、フィルムを有する露光カセット中に入れる
と、露光されたフィルムは、P.anserina lac2遺伝子が、約4.
5キロベースペアの長さのExoRI酵素で切断されたDNAフラグメントとハ
イブリダイズしたことを示した。
【0089】 得られたゲノム・ジーン・バンクからの約5×10のクローンをアガープレ
ート上に置き、一晩増殖させたクローンをニトロセルロースメンブレインへ移動
した(Protran、Schleicher & Schuell)。コロニ
ーに含まれるDNAを変性し(Sambrook等、1989)、次いで80℃
で2時間加熱してメンブレインに付着させた。DNAの付着後、バクテリアコロ
ニーの残留物を48℃で、洗浄流(Sambrook等、1989)でゴシゴシ
洗浄することにより、メンブレインから洗い流した。メンブレインに結合したD
NAを57℃の温度で、α−32P−dCTPで標識したP.anserina
lac2遺伝子と一晩ハイブリダイズした(ハイブリダイゼーション溶液は、
前記と同様)。得られたハイブリダイゼーション・シグナルに基づいて、幾つか
のコロニーを最初のプレートから採取し、そのコロニーへP.anserina
lac2遺伝子をハイブリダイズさせた。これらのコロニーをさらにP.an
serina lac2遺伝子とハイブリダイズし、放射線シグナルに基づいて
、更なる試験用に6個のコロニーを選択した。コスミド(プラスミド精製プロト
コール、Tip−500、QIAGEN)をそれらから単離した。このコスミド
からラッカーゼ遺伝子を単離することを可能にする制限酵素を、19種の異なる
制限酵素でコスミドを切断することにより探索した。得られたフラグメントを、
P.anserina lac2遺伝子を用いて、前記のように57℃の温度で
サザン・ハイブリダイゼーションにかけた。約4.5キロベースペアの長さのE
coRIフラグメントを再度lac2遺伝子でハイブリダイズした。コスミドを
EcoRIで切断し、フラグメントをアガロースゲル電気泳動により精製した。
得られたフラグメントをプラスミドpBluescriptSK(Strat
agene)に挿入し、プラスミドをエレクトロポレーションによりE.col
i宿主細胞に形質転換した(株DH5α、Gibco BRL)。形質転換から
pLLK1プラスミド中に所望のEcoRIフラグメントを含有するクローンを
得た。ラッカーゼ遺伝子を、合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用して、こ
のプラスミドから配列決定した。配列決定反応は、市販の反応パッケージ(DN
A Sequencing Kit、dRhodamine Terminat
or Cycle Sequencing Ready Reaction、P
E Biosystems)を用い、製造者の指示に従って実施された。
【0090】 M.albomycesラッカーゼ遺伝子に含まれるイントロンを定めるため
に、M.albomycesラッカーゼに対応する相補DNA(cDNA)を、
市販の反応パッケージ(FirstChoice(商標) RLM−RACE
Kit、Ambion Inc.)を用い、製造者の指示に従って、RACE−
PCRによりクローン化した。RNAを、市販の反応パッケージ(TRIZOL
(登録商標)Reagent、Life Technologies)を用い、
製造者の指示に従って、M.albomyces細胞から単離した。RNAを脱
ホスホリル化し、逆転写酵素を用いてDNAに転写し、その後遺伝子の5’およ
び3’末端を別個のPCR反応により、製造者の指示に従って増幅した。両cD
NA末端の増幅を、異なるプライマーを用いて二連のPCR反応により実施した
。最初の反応では、ラッカーゼcDNAの所望の部分を、遺伝子特異的プライマ
ーを用いて増幅し、第2の反応では別の遺伝子特異的プライマーを用いてラッカ
ーゼcDNAの増幅を保証した。各PCR反応において、DNAの増幅に必要な
プライマーの1つはRLM−RACE Kit反応パッケージに由来し、それを
cDNAの末端に連結したアダプター領域に結合した。増幅のために使用される
PCRプログラムは35サイクルを含み、温度プログラムは以下の通りであった
:DNAの変性 94℃で30秒、プライマーの挿入 60〜62℃で30秒、
DNA鎖の伸長 72℃で2分。5’末端を増幅する際のプライマーの挿入温度
は60℃であり、3’末端の場合は62℃であった。最後に、鎖伸長を72℃で
7分実施した。5’末端の増幅に使用する遺伝子特異的プライマーは以下の通り
であった:第1のPCR反応において、5’−GCCGGTGAGGATGTA
GTCGATGAT−3’(SEQ ID NO:5)、および第2反応におい
て、5’−AGGTGACGTTGAACCAGTAGTTGTC−3’(SE
Q ID NO:6)であった。3’末端の増幅のために使用される遺伝子特異
的プライマーは以下の通りであった:第1PCR反応において5’−CTGGT
GCACTTCACGCAGAACAA−3’(SEQ ID NO:7)、お
よび第2反応において、5’−AGAACCACTTCCAGGTGTCGCT
−3’(SEQ ID NO:8)であった。RLM−RACE反応により、1
194ベースペア長さのフラグメントが5’末端から、1322ベースペア長さ
のフラグメントが3’末端から得られた。フラグメントをアガロースゲル電気泳
動により単離し、市販の反応パッケージ(TOPO TA Cloning K
it、Invitrogen)を用いて、製造者の指示に従い、pCR2.1−
TOPO(商標)ベクターにクローン化した。プラスミドをE.coli宿主細
胞(株TOP10F’、Invitrogen)へ、反応パッケージの指示に従
ってエレクトロポレーションにより形質転換した。クローン化フラグメントを配
列決定し、M.albomycesラッカーゼの遺伝子中のイントロンの位置を
、得られたcDNAをゲノム配列と比較することにより決定した。 遺伝子のゲノム配列を、図15A及びBに示す。イントロンには下線が引かれ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 振とうフラスコ培養でのM.albomycesラッカーゼの製造を示す図で
ある。
【図2】 陰イオン交換クロマトグラフィーの種々のフラクションの、ラッカーゼ活性お
よびタンパク質含量を示す図である。
【図3】 疎水性相互作用クロマトグラフィーの種々のフラクションの、ラッカーゼ活性
およびタンパク質含量を示す図である。
【図4】 M.albomycesラッカーゼ活性の温度に対する依存性を示す図である
【図5】 種々のpH値におけるM.albomycesラッカーゼの活性を示す図であ
る。
【図6】 種々の温度におけるM.albomycesラッカーゼの残留活性を示す図で
ある。
【図7】 種々の温度における純粋なM.albomycesラッカーゼの残留活性を示
す図である。
【図8】 22時間のインキュベーションの後の、種々のpH値での、M.albomy
cesラッカーゼの残留活性を示す図である。
【図9】 40℃および種々のpH値で、2,6−ジメトキシフェノールからM.alb
omycesおよびT.hirsutaラッカーゼが色彩を形成する能力を示す
図である。ラッカーゼの量は基質1mmolに対して15nkatであった。
【図10】 60℃および種々のpH値で、2,6−ジメトキシフェノールからM.alb
omycesおよびT.hirsutaラッカーゼが色を生成する能力を示す図
である。ラッカーゼの量は、基質1mmolに対して30nkatであった。
【図11】 MelanocarpusおよびTrametesラッカーゼの影響下での繊
維製品の脱色を示す図である。
【図12】 40℃でのMelanocarpusおよびTrametesの影響下でのリ
グニンモデル基質の重合を示す図である。
【図13】 60℃でのMelanocarpusおよびTrametesの影響下でのリ
グニンモデル基質の重合を示す図である。
【図14】 70℃でのMelanocarpusおよびTrametesラッカーゼの影
響下に、リグニンおよび抽出物中で発生する可溶性化合物の重合を示す図である
【図15A】 Melanocarpus albomycesラッカーゼをコードする遺伝
子、および対応するアミノ酸配列を示す図である。
【図15B】 Melanocarpus albomycesラッカーゼをコードする遺伝
子、および対応するアミノ酸配列を示す図である。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12S 11/00 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レット,マーヤーナ フィンランド,FIN−01690 ヴァンタ ー,スュィラキンクヤ 9 (72)発明者 ヴィイカリ,リイザ フィンランド,FIN−00200 ヘルシン キ,ロッキクヤ 5 F (72)発明者 サロヘイモ,マルック フィンランド,FIN−00390 ヘルシン キ,キュンテイェンティエ 18 b Fターム(参考) 4B024 AA03 BA08 CA04 CA09 CA20 DA06 DA11 DA12 EA04 EA06 GA14 HA03 HA13 HA14 4B050 CC01 CC03 DD03 EE01 FF05E FF09E FF11E HH02 LL05 LL10 4B065 AA26X AA58X AA58Y AA72X AB01 AC14 BA03 BB03 BB15 BB29 BB40 BC03 BC09 BD14 CA28 CA52 CA56 CA60

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メカノカルプス(Melanocarpus)属の株から単
    離でき、酵素の最適pHが5〜8の範囲であり、酵素がpH3〜9かつ温度30
    〜80℃で機能することを特徴とするラッカーゼ酵素。
  2. 【請求項2】 M.アルボマイセス(M.albomyces)株から単離
    できることを特徴とする、請求項1に記載のラッカーゼ酵素。
  3. 【請求項3】 酵素の最適pHが6〜8の範囲であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のラッカーゼ酵素。
  4. 【請求項4】 酵素が温度50〜80℃で最も良く機能することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載のラッカーゼ酵素。
  5. 【請求項5】 酵素の最適pHが約7.5であり、最適温度が約70℃であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のラッカーゼ酵素。
  6. 【請求項6】 酵素の活性が、実質的に60℃で2時間変化せずに維持され
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のラッカーゼ酵素。
  7. 【請求項7】 精製酵素の等電点が等電点電気泳動で測定して約4.0であ
    り、その分子量がSDS−PAGEで測定して約80kDaであることを特徴と
    する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のラッカーゼ酵素。
  8. 【請求項8】 単離しかつ精製したMelanocarpusラッカーゼ酵
    素、好ましくはメカノカルプス・アルボマイセス(Melanocarpus
    albomyces)ラッカーゼ酵素。
  9. 【請求項9】 主活性としてMelanocarpusラッカーゼ、好まし
    くはMelanocarpus albomycesラッカーゼ酵素を含有する
    ことを特徴とする、酵素製品。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のラッカーゼを、M
    elanocarpus属の株がそれらの培養液中に天然に産生するラッカーゼ
    よりも多量に含有することを特徴とする酵素製品。
  11. 【請求項11】 酵素の最適pHが5〜8の範囲であり、酵素がpH3〜9
    かつ温度30〜80℃で機能することを特徴とする請求項9または10に記載の
    製品。
  12. 【請求項12】 酵素の等電点が等電点電気泳動で測定して約4.0であり
    、分子量がSDS−PAGEで測定して約80kDaであることを特徴とする請
    求項9乃至11のいずれか1項に記載の製品。
  13. 【請求項13】 核酸分子が、以下の群: a)SEQ ID NO:1または図15A及びBに示されるヌクレオチド配
    列のコード領域を含む核酸分子; b)SEQ ID NO:2または図15A及びBに示されるアミノ酸配列を
    含むポリペプチドをコードする核酸分子; c)遺伝暗号の縮退によりSEQ ID NO:1または図15A及びBに示
    されるコード配列とは異なるコード配列を含む核酸分子; d)SEQ ID NO:1または図15A及びBに示されるヌクレオチド配
    列とハイブリダイズする核酸分子;および e)ラッカーゼ活性を有しかつそのアミノ酸配列がSEQ ID NO:2ま
    たは図15A及びBに示されるアミノ酸配列と少なくとも73%同一であるポリ
    ペプチドをコードする核酸分子; から選択されることを特徴とするラッカーゼ酵素活性を有するポリペプチドを
    コードする核酸分子。
  14. 【請求項14】 ポリペプチドのアミノ酸配列が、SEQ ID NO:2
    または図15A及びBに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるこ
    とを特徴とするラッカーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子
  15. 【請求項15】 核酸分子が、SEQ ID NO:2または図15A及び
    Bに示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードすることを特徴とする請
    求項13または14に記載の核酸分子。
  16. 【請求項16】 核酸分子が、SEQ ID NO:1または図15A及び
    Bに示されるヌクレオチド配列のコード領域を含むことを特徴とする請求項13
    乃至15のいずれか1項に記載の核酸分子。
  17. 【請求項17】 核酸分子が請求項1乃至8のいずれか1項に記載の酵素を
    コードすることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の核酸分
    子。
  18. 【請求項18】 請求項13乃至17のいずれか1項に記載の核酸分子を含
    むことを特徴とするベクター。
  19. 【請求項19】 請求項13乃至17のいずれか1項に記載の核酸分子また
    は請求項18に記載のベクターが移入されたことを特徴とする微生物宿主。
  20. 【請求項20】 宿主が糸状菌、酵母またはバクテリアであることを特徴と
    する、請求項19に記載の宿主。
  21. 【請求項21】 宿主がアスペルギルス(Aspergillus)、トリ
    コデルマ(Trichoderma)またはフザリウム(Fusarium)属
    に属することを特徴とする、請求項19または20に記載の宿主。
  22. 【請求項22】 請求項13乃至17のいずれか1項に記載の核酸分子また
    は請求項18に記載のベクターを微生物宿主細胞に移入し;核酸分子を発現し、 場合により、宿主からそれを分泌させ;および 微生物宿主の細胞または培養液からラッカーゼ活性を有するポリペプチドを回
    収すること を特徴とするラッカーゼの製法。
  23. 【請求項23】 a)SEQ ID NO:1または図15A及びBに示さ
    れるヌクレオチド配列のコード領域を含む核酸分子; b)SEQ ID NO:2または図15A及びBに示されるアミノ酸配列を
    含むポリペプチドをコードする核酸分子; c)遺伝暗号の縮重によりSEQ ID NO:1または図15A及びBに示
    されるヌクレオチド配列のコード配列とは異なるコード配列を含む核酸分子; d)SEQ ID NO:1または図15A及びBに示されるヌクレオチド配
    列とハイブリダイズする核酸分子;および e)ラッカーゼ活性を有しかつそのアミノ酸配列がSEQ ID NO:2ま
    たは図15A及びBに示されるアミノ酸配列と少なくとも73%同一であるポリ
    ペプチドをコードする核酸分子 からなる群より選択される核酸分子によってコードされることを特徴とするラ
    ッカーゼ活性を有するポリペプチド。
  24. 【請求項24】 ポリペプチドが、SEQ ID NO:2または図15A
    及びBに示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含
    有することを特徴とする、ラッカーゼ活性を有するポリペプチド。
  25. 【請求項25】 主活性として、ラッカーゼ活性を有する請求項23または
    24に記載のポリペプチドを含有することを特徴とする酵素製品。
  26. 【請求項26】 ラッカーゼ活性を有する請求項22または23に記載のポ
    リペプチドを、Melanocarpus属の株がその培養液中に天然に産生す
    るポリペプチドよりも多量に含有することを特徴とする、酵素製品。
  27. 【請求項27】 ラッカーゼを10mg/lより多く、好ましくは≧30m
    g/l含有することを特徴とする請求項9乃至12、25または26のいずれか
    1項に記載の酵素製品。
  28. 【請求項28】 少なくとも1種の添加物、例えば安定剤および/またはバ
    ッファーを含有することを特徴とする請求項9乃至12、25乃至27のいずれ
    か1項に記載の酵素製品。
  29. 【請求項29】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されるラッカーゼの、着色剤を酸化するための使用。
  30. 【請求項30】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されるラッカーゼの、化合物を重合するための使用。
  31. 【請求項31】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されるラッカーゼの、繊維を酸化するための使用。
  32. 【請求項32】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されるラッカーゼの、繊維を脱リグニンするための使用。
  33. 【請求項33】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されるラッカーゼの、ペーパー・マシンの作動性を改善するための使用。
  34. 【請求項34】 十分量の酸素の存在で、着色剤を、請求項1乃至8のいず
    れか1項に記載のラッカーゼ、請求項9乃至12または25乃至28のいずれか
    1項に記載の酵素製品、または請求項23または24に記載のポリペプチド、ま
    たは請求項22に記載の製法により製造されたラッカーゼと、pH4〜8、温度
    40〜80℃、5分〜24時間で、着色剤1gに対して約1〜1000nkat
    のラッカーゼ量で接触させることを特徴とする着色剤の酸化法。
  35. 【請求項35】 十分量の酸素の存在で、重合すべき化合物を、請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求項9乃至12または25乃至28
    のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求項23または24に記載のポリペ
    プチド、または請求項22に記載の製法により製造されたラッカーゼと、pH4
    〜8、温度40〜80℃、5分〜24時間で、重合すべき物質1gに対して約1
    〜1000nkatのラッカーゼ量で接触させることを特徴とする化合物の重合
    法。
  36. 【請求項36】 十分量の酸素の存在で、酸化すべき繊維を、請求項1乃至
    8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求項9乃至12または25乃至28の
    いずれか1項に記載の酵素製品、または請求項23または24に記載のポリペプ
    チド、または請求項22に記載の製法により製造されたラッカーゼと、pH5〜
    8、温度50〜80℃、5分〜24時間で、乾燥状態の繊維1gに対して約1〜
    1000nkatのラッカーゼ量で接触させることを特徴とする繊維の酸化法。
  37. 【請求項37】 十分量の酸素の存在で、脱リグニンすべき繊維を、請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求項9乃至12または25乃至
    28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求項23または24に記載のポ
    リペプチド、または請求項22に記載の製法により製造されたラッカーゼと、p
    H5〜8、温度50〜80℃、5分〜24時間で、乾燥状態の繊維1gに対して
    約1〜1000nkatのラッカーゼ量で接触させることを特徴とする繊維の脱
    リグニン法。
  38. 【請求項38】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラッカーゼ、請求
    項9乃至12または25乃至28のいずれか1項に記載の酵素製品、または請求
    項23または24に記載のポリペプチド、または請求項22に記載の製法により
    製造されたラッカーゼを、プロセス水またはペーパー・マシンのヘッドボックス
    中へ、乾燥状態の繊維1gまたは循環水1リットルに対し1〜1000nkat
    で添加することを特徴とする、ペーパー・マシンの作動性を改善する方法。
  39. 【請求項39】 必要に応じて、媒介物質をその方法に使用することを特徴
    とする請求項34乃至38のいずれか1項に記載の方法。
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