JP2003534450A - 表面処理された高吸水性ポリマー粒子 - Google Patents

表面処理された高吸水性ポリマー粒子

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JP2003534450A
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    • C08J2300/14Water soluble or water swellable polymers, e.g. aqueous gels

Abstract

(57)【要約】 表面架橋された高吸水性ポリマー粒子は、100重量部の高吸水性ポリマー粒子を約0.001〜約10重量部のオキサゾリニウムイオンで処理することによって得られる。オキサゾリニウムイオンは、ヒドロキシアルキルアミドのようなオキサゾリニウムイオン前駆体を用いて処理した高吸水性粒子を加熱することによってインサイチューで形成できる。また安定なオキサゾリニウムイオンをSAP粒子を表面架橋するために用いることもできる。高吸水性ポリマー粒子をオキサゾリニウムイオンで表面架橋すると、液体の吸収速度と高吸水性粒子によって吸収されかつ保持される液体の量とはどちらも増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願との相互参照 本願は、1999年9月7日に提出された係属中の米国特許出願第09/390,462号の一
部継続出願である。
【0002】発明の分野 本発明は、表面架橋された高吸水性ポリマー粒子、およびその表面架橋された
高吸水性粒子を製造する方法に関する。本発明はまた、おむつ、生理用品、およ
び創傷被覆材のような用品において表面架橋された粒子を利用することに関する
。さらに特定すると、本発明は、アクリル酸の中和された架橋型のホモポリマー
またはコポリマーのような高吸水性ポリマー(SAP)粒子を、オキサゾリニウムイ
オンを用いて表面処理することによって、SAP粒子の吸水性および保水性を実質
的に改善することに関する。
【0003】発明の背景 吸水性樹脂は、サニタリー用品、衛生用品、拭き取り用布、水分保持剤、脱水
剤、汚泥凝析剤、使い捨てタオルおよびバスマット、使い捨てドアマット、増粘
剤、ペット用の使い捨てリターマット、凝結抑制剤、および種々の化学物質に対
する制御放出剤で広く用いられている。吸水性樹脂は、デンプンアクリロニトリ
ルグラフトポリマー類、カルボキシメチルセルロース、架橋型ポリアクリレート
類、スルホン化ポリスチレン類、加水分解されたポリアクリルアミド類、ポリビ
ニルアルコール類、ポリエチレンオキシド類、ポリビニルピロリドン類、および
ポリアクリロニトリル類のような置換型と非置換型の天然および合成のポリマー
を含む、種々の化学形態で利用可能である。
【0004】 このような吸水性樹脂は、「高吸水性ポリマー」、即ちSAPと呼ばれ、通常は
わずかに架橋した親水性ポリマーである。SAPは一般に、Goldmanらの米国特許第
5,669,894号および第5,559,335号で論じられており、それらの文献の開示は参照
によりここに組み入れられる。SAPはその化学的素性が異なっていてもよいが、
すべてのSAPは適度な圧力であってもそれら自体の重量に等しい量の水性液体か
ら何倍もの量の水性液体を吸収し、保持する能力がある。例えばSAPはそれら自
体の重量の100倍、またはそれ以上の蒸留水を吸収できる。封圧下で水性液体を
吸収する能力は、おむつのような衛生用品で用いたSAPにとって重要な必須要件
である。
【0005】 ここで、および以下に用いた場合の「SAP粒子」という用語は、乾燥状態で高
吸水性のポリマー粒子のことを言い、即ち、水を全く含まないものから最大でも
粒子の重量よりも少ない量まで含む粒子である。「粒子」という用語は、顆粒状
、繊維状、フレーク状、球状、粉末状、小板状、および他の形状、ならびに高吸
水性ポリマー分野の当業者に既知の形態を意味する。「SAPゲル」および「SAPヒ
ドロゲル」という用語は、含水状態の高吸水性ポリマー、即ち水中で少なくとも
それらの重量を、そして典型的には水中でそれらの重量の数倍を吸収している粒
子のことを言う。「表面処理されたSAP粒子」および「表面架橋されたSAP粒子」
という用語は、粒子の表面に供給した化合物によって架橋された粒子表面付近に
存在している分子鎖を持つSAP粒子のことを指す。「表面架橋性」という用語は
、粒子の表面付近でのSAP粒子の官能基架橋レベルが、その粒子の内部でのSAP粒
子の官能基架橋レベルよりも概ね高いことを意味している。
【0006】 SAP粒子は、製造の容易性と費用、化学的素性、物理的性質、水分吸収の速度
、および水分の吸収と保持の度合いが様々であり、そのため理想的な吸水性樹脂
は設計するのが難しい組成物である。例えばデンプン−アクリロニトリルグラフ
トポリマーの加水分解生成物は比較的高い水分吸収能力を持っているが、製造す
るには厄介な工程が必要であり、そして耐熱性が低いという欠点とともに、デン
プンが含まれていることにより崩壊性、即ち分解性であるという欠点を有してい
る。逆に他の吸水性ポリマーは簡便かつ安価に製造され、分解されることはない
が、デンプン−アクリロニトリルグラフトポリマーと同程度に液体を吸収するこ
とはない。
【0007】 したがって、安定で製造が簡単なSAP粒子の吸水性を、製造が困難な粒子の優
れた吸水性に匹敵するように増加させる方法を提供することは極めて都合がよい
。同様に、すでに優れたSAP粒子の液体吸収性能をさらに増加させることも有利
であろう。
【0008】 さらに従来のSAP粒子はすべて液体吸収速度が綿毛パルプ(fluff pulp)や紙以
下であるという重大な欠点を持っている。例えば従来のSAP粒子を含む使い捨て
のおむつに尿が放出されるとその尿はかなり長い間皮膚と接触して残ったままに
なり、装着者を不快にする可能性がある。これは、おむつが尿を吸収できる速度
が低いことに起因している。
【0009】 SAP粒子の表面積を増加させること、即ち粒子の大きさを小さくすることによ
って液体吸収速度を増加させようとする試みがなされた。しかしながらSAP粒子
の大きさが小さくなると一般に、尿と接触するところに「フィッシュアイ(fish
eye)」が形成され、それが液体の吸収スピードを遅くする。SAP粒子が顆粒形状
である場合、各顆粒は「フィッシュアイ」を構成して液体の吸収スピードを減少
させる。フレーク形状のSAP粒子は液体吸収スピードの適度の増加を示すが、SAP
フレークはかさ高く、輸送や貯蔵が困難である。
【0010】 当初、液体と接触させた場合のSAP粒子の膨潤能力は、自由膨潤能力とも言わ
れており、それがSAP粒子の設計および開発で主要なファクターであった。しか
しながらその後、吸収した液体の量が重要であるだけでなく膨張したゲルの安定
性、即ちゲル強度も重要であることがわかった。一方の面の自由膨張能力と他方
の面のゲル強度は相反する性質である。したがって、とりわけ吸収性の高いSAP
粒子は一般的には小さいゲル強度を示し、その結果、圧力がかかると(例えば体
重の負荷)ゲルが変形し、そしてそれ以上の液体の分散および吸収が抑制される
【0011】 吸収性(ゲルの容積)とゲル強度との間のバランス関係には、適当な液体吸収性
と、液体の移動と、SAP粒子をおむつに用いた場合にはおむつと皮膚の乾燥とが
得られることが望まれる。これに関して、その後で圧力がかかっても液体を保持
できるSAP粒子の能力が重要な性質であるだけでなく、同時に作用する圧力に対
抗して、即ち液体が吸収されている間も液体が吸収できることも重要である。こ
れは、衛生用品の上に子供や大人が座ったり寝たりする場合、また、例えば足の
動きなどの剪断力が衛生用品にかかった場合に実際に起こる状態である。この吸
収性は、負荷下吸収性とも言われる。
【0012】 最近では、美的および環境上の理由(例えば、埋め立てによるゴミ処理におけ
る廃棄物の減少)で衛生用品の大きさと厚みを減少させようとする傾向がある。
このことは、おむつの綿毛パルプや紙の容積の大きさを減少させ、かつSAP粒子
の量を増加させることによって達成される。したがってSAP粒子は、綿毛パルプ
や紙によって以前から達成されており、従来のSAP粒子では満足できるほど達成
できなかった液体の吸収性と移動に関する追加的な機能を達成する必要がある。
【0013】 研究者は、特に負荷をかけた状態でSAP粒子によって吸収され、かつ保持され
る液体の量と、液体が吸収される速度を改善する種々の方法を研究した。SAP粒
子の吸収性と保持性を改善するある好適な方法は、SAP粒子を表面処理すること
である。
【0014】 SAP粒子の表面処理法はよく知られている。例えば米国特許第4,043,952号は、
表面処理用化合物として多価の金属化合物を使用することを開示している。米国
特許第4,051,086号は、SAP粒子の吸収速度を改善するために表面処理剤としてグ
リオキサールを利用することについて開示している。SAP粒子を構成するポリマ
ーに含まれるペンダント型のカルボキシラート基またはその他の基と反応する能
力のある2個以上の官能基を持つ架橋剤を用いてSAP粒子を表面処理することは
種々の特許に開示されている。表面処理を行って吸収性とゲルの強固性を改善す
ることにより、液体の流動能力を改善できるとともにSAP粒子の凝集を抑制し、
同様にゲル強度を改善できる。
【0015】 当技術分野で開示されているように、SAP粒子を任意に少量の水および/または
有機溶媒を用いて表面架橋剤と混合するか、または10重量%〜40重量%の水を含
むSAPヒドロゲルを親水性または疎水性の溶媒に分散し、表面架橋剤と混合する
か、そのいずれかである。
【0016】 従来の表面架橋剤には、ジグリシジルエーテル類、ハロエポキシ化合物、ポリ
オール類、ポリアミン類、ポリイソシアネート類、多官能性のアジリジン化合物
、およびジ−またはトリ−アルキルハライド類がある。表面架橋剤の素性にかか
わらず表面処理のために用いた試薬は少なくとも二つの官能基を有しており、表
面架橋剤をSAP粒子の表面に適用した後にSAP粒子を加熱している。
【0017】 表面架橋されたSAP粒子は一般に、内部架橋を同程度のレベルで持っているが
表面架橋はなされていないSAP粒子よりも高い液体吸収性と保持性能を示す。内
部架橋は、SAP粒子を構成するモノマーの重合化により生じ、ポリマー主鎖に存
在する。表面架橋は変形に対するSAP粒子の抵抗性を増加させ、したがって得ら
れたヒドロゲルが外部圧力により変形した場合に、隣接するSAP粒子の表面間の
接触の度合いを減少させると理論づけられている。吸収と保持の性能が表面架橋
によって高められる度合いは、内部架橋と表面架橋の相対的な量と分布に、さら
に特定の表面架橋剤と表面架橋の方法に関連している。
【0018】 この技術分野で理解されるように、表面架橋されたSAP粒子は内部の架橋レベ
ルよりも表面付近の架橋レベルの方が高い。ここで用いた場合の「表面」とは、
粒子の外部に面した境界を記述している。多孔性のSAP粒子の場合は、露出した
内部表面も表面の定義に含まれる。
【0019】 SAP粒子の表面架橋を行う従来の方法は、例えばObayashiの米国特許第4,541,8
71号、国際公開公報第92/16565号、国際公開公報第93/05080号、Alexanderの米
国特許第4,824,901号、Johnsonの米国特許第4,789,861号、Makitaの米国特許第4
,587,308号、Tsubakimotoの米国特許第4,734,478号、Kimuraらの米国特許第5,16
4,459号、ドイツ国第4,020,789号、および欧州特許出願公開公報第509,708号に
開示されている。SAPの表面架橋は一般的に、F. L. Buchholzら、編、「現代の
高吸水性ポリマー技術」(Modern Superabsorbent Polymer Technology), Wiley-
VCH, New York, NY, pages 97-108 (1998)に記載されている。
【0020】 SAP粒子を表面架橋するために用いられるいくつかの従来の化合物および方法
に包含される問題点は、SAPと表面架橋剤の間で表面架橋を形成するのに必要と
される温度がかなり高いことである。通常は180℃を超える温度が表面架橋を形
成するのに必要とされる。そのような温度ではSAP粒子は、白色またはオフホワ
イト色から褐色または茶色に品質低下する傾向がある。このような色の品質低下
は、消費者にとって美的に受け入れられないSAP粒子を提供する。そのうえ高い
表面架橋温度によってSAP粒子に残留するモノマー含量が増加する可能性があり
、それによって環境と健康に不都合な影響をもたらしたり、また仕様書にうまく
適合することができないためにSAP粒子を廃棄することになったりする可能性が
ある。
【0021】 本発明は、従来の表面架橋剤と関連している高い温度または長期間の加熱を必
要としない、より反応性の高いクラスの架橋剤に向けられる。本発明はまた、従
来の表面架橋剤の使用に関連する欠点および従来の表面架橋されたSAP粒子に関
連する欠点を克服した表面処理されたSAP粒子にも向けられる。
【0022】発明の概要 本発明は、表面処理されたSAP粒子、およびSAP粒子を十分量のオキサゾリニウ
ムイオンで表面処理することによってSAP粒子の吸水性と水分保持性を実質的に
改善する方法に向けられる。特定すると本発明は、ヒドロキシアルキルアミド(H
AA)のようなオキサゾリニウムイオン前駆体をSAP粒子の表面に適用し、次いでそ
の前駆体処理されたSAP粒子を約90℃〜約170℃で、約60分間〜約180分間加熱し
てオキサゾリニウムイオンを生成させ、続いてSAP粒子を表面架橋することによ
り、インサイチュー(in situ)で生成可能なオキサゾリニウムイオンを用いてSAP
粒子を処理することに向けられる。
【0023】 オキサゾリニウムイオンが室温で長い時間存在できるほど満足のゆく安定性を
持っている場合、SAP粒子はそのオキサゾリニウムイオンで処理することができ
、次いで得られた処理済み粒子をSAP粒子の表面架橋のために加熱することがで
きる。この態様での安定なオキサゾリニウムイオンは、約90℃〜約170℃の温度
でSAP粒子を表面架橋できるほど十分な反応性を持っている。
【0024】 本発明によると、SAP粒子は、オキサゾリニウムイオンを用いて表面処理され
た結果、改善された水分吸収性と水分保持性とを備えている。オキサゾリニウム
イオンを用いた処理は、ポリアクリレート塩、加水分解されたポリアクリルアミ
ド、または複数のペンダント型の中和されたカルボキシル基を持つその他のポリ
マーにおいて行った場合にとりわけ効果的である。
【0025】 したがって本発明は、SAP粒子100重量部あたり約0.001〜約10重量部のオキサ
ゾリニウムイオン、またはオキサゾリニウムイオン前駆体をSAP粒子の表面に適
用し、少なくともSAP粒子の表面付近に存在する分子鎖を架橋させた、表面処理
されたSAP粒子に向けられる。
【0026】 本発明の一態様は、このような表面処理されたSAP粒子を提供すること、なら
びにかかる表面処理されたSAP粒子の製造方法であって、十分量のHAAをSAP粒子
表面に適用し、表面処理されたSAP粒子を、HAAがオキサゾリニウムイオンを生成
するのに十分な温度と十分な時間で加熱し、前記イオンとSAP粒子を含むポリマ
ー上のペンダント基とを反応させてSAP粒子上に表面架橋を形成させることを含
む方法を提供することである。
【0027】 本発明のさらに別の態様は、SAP粒子を表面架橋する方法であって、SAP粒子の
表面に十分量のオキサゾリニウムイオンを適用し、その表面処理したSAP粒子を
約90℃〜約170℃にて約60分間〜約180分間加熱することによりオキサゾリニウム
イオンでSAP粒子を表面架橋させることを含む方法を提供することである。
【0028】 本発明のもう一つの態様は、SAP粒子を表面架橋する方法であって、十分量のH
AAを、SAP粒子の存在下、HAAが環化してオキサゾリニウムイオンを生成するのに
十分な温度(例えば、約100℃〜約160℃)で十分な時間(例えば、約90分間〜約150
分間)加熱し、次いでSAP粒子を表面架橋することを含む方法を提供することであ
る。
【0029】 本発明のさらに別の態様は、負荷状態で高い保持能と、高いゲル強度と、高い
吸収性とを示す表面処理されたSAP粒子を提供することである。この態様は、粒
子形状のSAPを約0.001重量%〜約10重量%のオキサゾリニウムイオンに曝露し、
約90℃〜約170℃に加熱することによって達成される。ここで、オキサゾリニウ
ムイオンは、SAP粒子の存在下でHAAを加熱することによりインサイチューで形成
させるか、またはオキサゾリニウムイオンを粒子に適用する。
【0030】 本発明の別の態様は、下記構造:
【化10】 〔式中、Aは、結合、水素、または1個〜60個の炭素原子を含む飽和もしくは不飽
和のアルキル基、アリール、トリ−C1-4アルキレンアミノ、および1個以上のエ
チレン性基(>C=C<)を含む不飽和基からなる群より選択される1価もしくは多価
の有機基であり;R1は、独立して選択され、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1 -5 アルキル、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5ヒドロキシアルキルであり;
R2は、独立して選択され、水素、および直鎖状または分枝鎖状のC1-5アルキルか
らなる群より選択される基であるか、またはR2基が結合して炭素原子と一緒にな
ってシクロアルキル環を形成していてもよく;pおよびp'は独立して1〜4の整数
であり;nは1または2の整数でありかつn'は0〜2の整数であるか、またはn'が0の
場合、Aが不飽和基のときにヒドロキシアルキルアミドからポリマーもしくはコ
ポリマー(即ちnが1より大きく、好ましくは2〜10である)が形成される。〕 で表されるヒドロキシアルキルアミド(HAA)を加熱することにより生成するオキ
サゾリニウムイオンによってもたらされた表面架橋を持つSAP粒子を提供するこ
とにある。
【0031】 本発明の別の態様は、下記構造:
【化11】 〔式中、Bは、
【化12】 であり、A、R1、R2、p、p1、およびnはHAAに関して上記に定義されたとおりであ
る。〕 で表されるオキサゾリニウムによりもたらされた表面架橋を持つSAP粒子を提供
することにある。このようなオキサゾリニウムイオンは室温で安定であり、トシ
ラート、メシラート、またはフッ化物イオンのような対イオンを持っている。オ
キサゾリニウムイオンは約90℃〜約170℃でSAP粒子に表面架橋を形成できるほど
十分に反応性である。
【0032】 本発明のさらに別の態様は、保持能、吸収速度、およびゲル強度のようなSAP
粒子の吸水性と水分保持性能を実質的に改善するとともに、有意な液体吸収の後
にSAP粒子にとって「ドライ感」を維持するのに十分な量のオキサゾリニウムイ
オンを用いて表面架橋されたSAP粒子を提供することにある。
【0033】 本発明のこれらおよび他の態様と利点は、好ましい実施形態についての以下の
詳細な説明から明らかとなろう。
【0034】好ましい実施形態の詳細な説明 本発明によると、SAP粒子はオキサゾリニウムイオンを用いて表面処理するこ
とによって、液体の吸収速度、液体の吸収量、およびそのSAP粒子による液体の
最終的な保持性を実質的に増加させることができる。固体のSAP粒子を形成する
ために重合と十分な乾燥を行った後の任意の時点でSAP粒子を表面処理すること
で、液体吸収性能が改善される。製造の経済性と容易性のためには、最も有利に
は、その表面処理は、SAP粒子を合成し、適当な水分含有量になるまで乾燥し、
粉砕などで大きさを整えた直後に行われる。
【0035】 好適な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるように、SAP粒
子をオキサゾリニウムイオンを用いて表面架橋すると、SAP粒子の吸水性能が実
質的に改善する。ここでSAP粒子は天然で酸性であっても塩基性であってもよい
。ポリマー鎖に沿った複数のペンダント型の中和されたカルボキシル基を含むSA
P粒子が特に有用である。
【0036】 上記に述べたようにSAP粒子の表面処理は周知である。しかしながら多くの表
面架橋剤には欠点がある。いくつかの表面架橋剤は毒性があり、したがってそれ
らは健康または環境に脅威を与えるため衛生に関して敏感な領域では用いること
ができない。例えば、皮膚刺激を起こす危険性があるのに加え、エポキシ、グリ
シジル、イソシアナート、および有機ハロゲン化合物は感作作用を有していて、
しばしば発ガン性や突然変異誘発性の性質を持っている。ポリアミン類は、ニト
ロソアミンを形成する可能性があるため表面架橋剤としては避けられている。い
ずれにせよ、おむつや他のサニタリー用品で用いる場合、残留量の毒物学的に危
険な架橋剤をSAP粒子から除去する必要があり、それには追加の処理工程が必要
であり、SAP粒子のコストが増加する。
【0037】 大部分の一般に用いられている表面架橋剤は、SAP粒子と反応させて表面架橋
を形成するために180℃を超える温度で加熱する必要がある。そのような高温で
加熱すると、表面架橋されたSAP粒子に残留するモノマー含量が増加する可能性
がある。残留モノマー含量が増加すると、毒物学上と環境上の両方の懸念が生じ
、商業的に受け入れることができない。
【0038】 表面架橋を形成するのに必要な高温はまた、SAP粒子の白色またはオフホワイ
トから褐色または茶色への色の劣化を引き起こす。SAP粒子の色が褐色〜茶色で
あることと粗悪な製品であることを同一視する消費者にとっては、SAP粒子の褐
色〜茶色は本質的に受け入れられない。色の劣化と残留モノマーの増加が組み合
わさると、製品仕様に合致しないSAP粒子が得られる可能性があり、そのため購
入者および/または消費者に拒絶される。本発明は、SAP粒子のための表面架橋剤
としてオキサゾリニウムイオンを用いることによって従来の表面架橋剤に関連す
るこれらの欠点を克服する。
【0039】 本発明で用いられるSAP粒子の素性は限定されない。SAP粒子はこの技術分野で
周知の方法、例えば溶液または乳化重合反応によって製造できる。したがってSA
P粒子としては、酸性の吸水性樹脂、塩基性の吸水性樹脂、酸性と塩基性の吸水
性樹脂の混合物、または国際公開公報第99/25393号(その開示内容が参照文献と
してここに組み入れられる)に開示されているような多成分のSAP粒子が挙げられ
る。
【0040】 SAP粒子は例えば、 (1)水性溶液中でアクリレート塩と架橋用モノマーを共重合し、得られたゲル
様含水ポリマーを加熱して乾燥する方法、 (2)アクリル酸および/またはアクリル酸のアルカリ金属塩の水溶液、水溶性ラ
ジカル重合開始剤、ならびに架橋可能なモノマーを、脂環式および/または脂肪
族の炭化水素溶媒に界面活性剤の存在下で分散させ、その混合物を懸濁重合に供
する方法、 (3)ビニルエステルおよびエチレン性不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体
の共重合体をけん化する方法、 (4)デンプンおよび/またはセルロース、カルボキシル基を持つか加水分解して
カルボキシル基を形成することのできるモノマー、ならびに架橋可能なモノマー
を水性媒体中で重合し、必要な場合には得られたポリマーを加水分解する方法、
または (5)アルカリ性物質を、無水マレイン酸とα−オレフィン類およびビニル化合
物から選択される少なくとも一種のモノマーとを含む無水マレイン酸型共重合体
と反応させ、必要であれば反応生成物をポリエポキシ化合物と反応させる方法、
によって製造される。SAPを提供する他の方法およびモノマーもこの技術分野で
知られている。
【0041】 一般に酸性の吸水性樹脂は、ポリマー鎖に沿って導入されたカルボキシラート
基、スルホナート基、スルファート基、および/またはホスフェート基を持って
いる。これらの酸部分を含むポリマーは、1個以上のこれらの酸性官能基で前も
って置換されたモノマーから合成するか、または合成後に酸性官能基をポリマー
に導入することによって合成される。カルボキシル基をポリマーに導入するため
には、多くのエチレン性の不飽和カルボン酸のうちのいずれかを単独重合するか
、あるいは共重合すればよい。カルボキシル基はまた、アクリルアミド、アクリ
ロニトリル、メタクリルアミド、およびアルキルアクリレート類もしくはメタク
リレート類のようなモノマーの単独重合体または共重合体を加水分解することに
よって間接的にポリマー鎖に導入することもできる。
【0042】 SAP粒子に存在する酸性の吸水性樹脂は、強酸性、弱酸性いずれの吸水性樹脂
であってもよい。この酸性の吸水性樹脂は単一の樹脂であってもよいし、樹脂の
混合物であってもよい。酸性樹脂は単独重合体でも共重合体でもよい。
【0043】 酸性の吸水性樹脂は、典型的には、中和され、わずかに架橋されたアクリル系
樹脂、例えば中和され、わずかに架橋されたポリアクリル酸である。このわずか
に架橋された酸性樹脂は通常、例えばアクリル酸のようなアシル部分を含む酸性
モノマー、または酸性基を生成可能な成分、即ちアクリロニトリルを、ラジカル
架橋剤、即ち多官能性有機化合物の存在下で重合することによって製造される。
酸性樹脂は、ポリマーが実質的に、即ち少なくとも10%、好ましくは少なくとも
25%の酸性モノマー単位を有する限り、この技術分野で周知の他の共重合可能な
単位、即ち他のモノエチレン性不飽和コモノマーを含んでいてもよい。発明の十
分な利点を達成するためには、酸性樹脂は少なくとも50%、より好ましくは少な
くとも75%、最大100%の酸性モノマー単位を含む。酸性樹脂は、表面架橋を行
う前に塩基を用いて少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%中和さ
れている。
【0044】 酸性の吸水性樹脂で用いられるエチレン性の不飽和カルボン酸および無水カル
ボン酸モノマー、ならびに塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチル−アクリル酸(
クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソ
ルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p-クロロケイ皮酸
、β−ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタ
コン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、2-メ
チル-2-ブテンジカルボン酸、マレアミド酸(maleamic acid)、N-フェニルマレア
ミド(N-phenyl maleamide)、マレアミド、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、無水メチルイタコン酸、無水
エチルマレイン酸、ジエチルマレアート、メチルマレアート、および無水マレイ
ン酸が挙げられる。
【0045】 スルホナート含有酸性樹脂は、例えばアルケニルスルホン酸化合物およびスル
ホアルキルアクリレート化合物といったスルホン酸形態に加水分解可能な官能基
を含むモノマーから製造できる。エチレン性不飽和スルホン酸モノマーとしては
、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレン
スルホン酸のような脂肪族または芳香族のビニルスルホン酸、スルホエチルアク
リレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、2-ビニ
ル-4-エチルベンゼン、2-アリルベンゼンスルホン酸、1-フェニルエチレンスル
ホン酸、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプ
ロピルスルホン酸、および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のよ
うなアクリルおよびメタクリルスルホン酸が挙げられる。
【0046】 スルファート含有酸性樹脂は、水酸基またはエチレン性不飽和残基を含む単独
重合体または共重合体を硫酸または三酸化硫黄と反応させることによって製造さ
れる。このような処理されたポリマーの例には、硫酸化ポリビニルアルコール、
硫酸化ヒドロキシエチルアクリレート、および硫酸化ヒドロキシプロピルメタク
リレートがある。ホスフェート含有酸性樹脂は、メタクリルオキシエチルホスフ
ェートのようなリン酸部分を含むエチレン性不飽和モノマーを単独重合または共
重合することによって製造される。
【0047】 酸性樹脂、または塩基性樹脂に導入する共重合可能なモノマーとしては、限定
するものではないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、C1〜C4のアルキル
アクリレート類およびメタクリレート類、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、
ならびに下記式:
【化13】 〔式中、Rは、水素またはC1-6のアルキル基であり、フェニル環は、任意に、1個
〜4個のC1-4アルキルまたは水酸基で置換されていてもよい。〕 で表されるスチレン性化合物が挙げられる。
【0048】 好適なC1〜C4アルキルアクリレート類としては、限定するわけでないが、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-プロピル
アクリレート、n-ブチルアクリレートなど、およびそれらの混合物が挙げられる
。好適なC1〜C4アルキルメタクリレート類としては、限定するわけでないが、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-
プロピルメチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレートなど、およびそれらの
混合物またはC1-4アルキルアクリレート類との混合物が挙げられる。好適なスチ
レン性化合物としては、限定するわけでないが、スチレン、α−メチルスチレン
、p-メチルスチレン、t-ブチルスチレンなど、ならびにそれらの混合物またはC1 -4 アルキルアクリレート類および/もしくはメタクリレート類との混合物が挙げ
られる。
【0049】 上記に列挙したように酸性モノマー、および任意の共重合可能なモノマーの重
合は、多官能性有機化合物の存在下、ラジカル反応によって行われることが最も
一般的である。酸性樹脂は、当該ポリマーが水に不溶性であるように十分な量架
橋させる。架橋は酸性樹脂を実質的に水に対して不溶性にし、そして一部は、樹
脂の吸水能力の決定に貢献する。吸水用途に使用する際には、酸性樹脂はわずか
に架橋されており、即ち約20%未満、好ましくは約10%未満、そして最も好まし
くは約0.01%〜約7%という架橋密度を持っている。
【0050】 架橋剤は、モノマーの全重量に基づいて、最も好ましくは約7重量%未満の量
で、通常は約0.1重量%〜約5重量%の量で用いられる。架橋用のポリビニルモノ
マーの例としては、限定するわけではないが、下記式(I)によって示されるポリ
アクリル酸またはポリメタクリル酸のエステル類、および下記式(II)によって示
されるビスアクリルアミド類が挙げられる。
【0051】
【化14】 〔式中、Xはエチレン、プロピレン、トリメチレン、シクロヘキシル、ヘキサメ
チレン、2-ヒドロキシプロピレン、-(CH2CH2O)pCH2CH2-、または
【化15】 であり、pおよびrはそれぞれ整数5〜40であり、そしてkは1または2である。〕
【0052】
【化16】 〔式中、lは2または3である。〕
【0053】 式(I)の化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチル
オールプロパン、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、
ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールのようなポリオール
類を、アクリル酸またはメタクリル酸と反応させることによって製造される。式
(II)の化合物は、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミンのよう
なポリアルキレンポリアミン類を、アクリル酸と反応させることによって得られ
る。
【0054】 特定の架橋モノマーとしては、限定するわけでないが、1,4-ブタンジオールジ
アクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコール
ジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビ
スフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート
、エチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート
、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチルオールプロパント
リアクリレート、トリメチルオールプロパントリメタクリレート、トリス(2-ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリメタクリレート、ポリカルボン酸のジビニルエステル
類、ジアリルエステル類またはポリカルボン酸、トリアリルテレフタレート、ジ
アリルマレアート、ジアリルフマレート、ヘキサメチレンビスマレイミド、トリ
ビニルトリメリテート、ジビニルアジペート、ジアリルスクシネート、エチレン
グリコールのジビニルエーテル、シクロペンタジエンジアクリレート、テトラア
リルアンモニウムハロゲン化物類、またはそれらの混合物が挙げられる。ジビニ
ルベンゼンおよびジビニルエーテルのような化合物も、ポリ(ジアルキルアミノ
アルキルアクリルアミド類)を架橋するために利用できる。特に好ましい架橋剤
は、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、N,N'-メチレンビスメタクリルアミド、
エチレングリコールジメタクリレート、およびトリメチルオールプロパントリア
クリレートである。
【0055】 強酸性または弱酸性のいずれかの酸性樹脂が、その中和形態でSAPとして作用
する樹脂となりうる。酸性樹脂の例としては、限定するわけでないが、ポリアク
リル酸、加水分解型デンプン−アクリルニトリルグラフト共重合体、デンプン−
アクリル酸グラフト共重合体、けん化酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
、加水分解型アクリロニトリル共重合体、加水分解型アクリルアミド共重合体、
エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ
(ビニル硫酸)、スルホン化ポリスチレン、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(乳酸)、
およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい酸性樹脂は、ポリアクリル酸であ
る。
【0056】 最終的な酸性SAP粒子は、約50〜100パーセント中和されたペンダント型カルボ
キシラート塩単位を含む。したがってカルボン酸基を中和する必要があり得る。
カルボン酸基の中和は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸
化アンモニウム、または有機アミンのような有機系または無機系の強塩基を用い
て行われる。
【0057】 酸性樹脂の骨格に結合した所望の酸性官能基を得るために行われる反応(例え
ば、重合、加水分解、および中和)の順序と回数は重要ではない。最終的に、0〜
約90パーセントの共重合可能なモノマー単位と、ペンダント型の酸性基を持つ約
10〜100パーセントのモノマー単位とを有し、かつ少なくとも50モル%が中和さ
れているSAP粒子が得られる回数および手順が適当である。
【0058】 酸性樹脂と同様に、SAP粒子に含まれる塩基性の吸水性樹脂は、強塩基性の吸
水性樹脂であっても弱塩基性の吸水性樹脂であってもよい。塩基性の吸水性樹脂
は単一の樹脂であってもよいし、あるいは樹脂の混合物であってもよい。この塩
基性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよい。塩基性樹脂の素性は
、その塩基性樹脂がオキサゾリニウムイオンと反応する能力がある限り、限定さ
れない。強塩基性樹脂は、典型的には、水酸化物(OH)または炭酸水素塩(HCO3)の
形態で存在する。
【0059】 塩基性の吸水性樹脂は、ポリ(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド)のようなわずかに架橋されたアクリル系樹脂であってもよい。塩基性樹脂は
また、わずかに架橋されたポリエチレンイミン、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ア
リルアミン)、ポリ(アリルグアニジン)、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムヒ
ドロキシド)、
【化17】 のような四級化ポリスチレン誘導体、
【化18】 のようなグアニジン修飾されたポリスチレン、
【化19】 もしくは
【化20】 のような四級化ポリ((メタ)アクリルアミド)またはエステル類似体 〔式中、Meはメチルであり、R4は水素またはメチルであり、nは1〜8の数であり
、qは10〜約100,000の数である。〕、 または一般構造式(III)
【化21】 〔式中、qは10〜約100,000の数であり、R5およびR6は独立して、水素、C1-C4
ルキル、C3-C6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、アルキル置換されたフェ
ニル、ナフチル、ならびに同様の脂肪族および芳香族の基からなる群より選択さ
れる。〕 で表される強塩基性の吸水性樹脂であるポリ(ビニルグアニジン)すなわちポリ
(VG)のようなポリマーであってもよい。このわずかに架橋された塩基性の吸水性
樹脂は他の共重合可能な単位を含んでおり、酸性の吸水性樹脂に関して上記に列
挙したような多官能性化合物を用いて架橋される。
【0060】 本発明のSAP粒子で用いられる塩基性の吸水性樹脂は通常、アミノ基またはグ
アニジン基を含む。したがって水溶性の塩基性樹脂は、水性媒体またはアルコー
ル性媒体に非架橋の塩基性樹脂を懸濁もしくは溶解し、続いてその塩基性樹脂の
アミノ基と反応することでその塩基性樹脂を架橋する能力のある二官能性または
多官能性化合物を添加することによって溶液中で架橋させることができる。この
ような架橋剤としては、例えば、多官能基性のアルデヒド類(例えば、グルタル
アルデヒド)、多官能基性のアクリレート類(例えば、ブタンジオールジアクリレ
ート、TMPTA)、ハロヒドリン類(例えば、エピクロロヒドリン)、二ハロゲン化物
類(例えば、ジブロモプロパン)、ジスルホン酸エステル(例えば、ZS(O2)O-(CH2)n -OF(O)2Z、ここでnは1〜10であり、Zはメチルまたはトシルである)、多官能性
エポキシ化合物(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル)、多官能性
エステル類(例えば、ジメチルアジペート)、多官能性酸ハロゲン化物類(例えば
、オキサリルクロリド)、多官能性カルボン酸類(例えば、コハク酸)、無水カル
ボン酸類(例えば、無水コハク酸)、有機チタネート類(例えば、DuPont提供のTYZ
OR AA)、メラミン樹脂類(例えば、Cytec Industries、Wayne, NJより入手でき
るCYMEL 301、CYMEL 303、CYMEL 370、およびCYMEL 373)、ヒドロキシメチル尿
素類(例えば、N,N'-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロキシエチレン尿素)、およ
び多官能性のイソシアナート類(例えば、トルエンジイソシアナートまたはメチ
レンジイソシアナート)が挙げられる。塩基性樹脂のための架橋剤も、参照文献
としてここに組み入れられるPinschmidt, Jr.らの米国特許第5,085,787号、およ
び欧州特許第450 923号に開示されている。
【0061】 通常、架橋剤は水またはアルコールに可溶性であり、一定の様式で、好ましく
は約25℃〜約150℃の温度で架橋が起こるように塩基性樹脂との十分な反応性を
備えている。好ましい架橋剤は、水溶性ジグリシジルエーテルであるエチレング
リコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、およびアルコール可溶性化合物である
ジブロモアルカンである。
【0062】 したがって塩基性樹脂は、強塩基性か弱塩基性のいずれかであり、その荷電型
でSAPとして機能する樹脂ならばいずれでもよい。塩基性樹脂の例としては、ポ
リ(ビニルアミン)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルグアニジン)、ポリ(アリ
ルアミン)、ポリ(アリルグアニジン)、または下記構造:
【化22】 で表されるモノマーもしくは下記構造:
【化23】 〔式中、R7およびR8は独立して、水素およびメチルからなる群より選択され、Y
は1〜8個の炭素原子を持つ二価の直鎖または分枝した有機基であり、R9は水素
であり、そしてR10は水素または1〜4個の炭素原子を持つアルキル基である。〕
で表されるそのエステル類似体を重合し、わずかに架橋することで製造されるポ
リ(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド)が挙げられる。好ましい塩
基性樹脂としては、ポリ(ビニルアミン)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルグ
アナジン)、ポリ(メチルアミノエチルアクリルアミド)、およびポリ(メチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド)が挙げられる。
【0063】 本発明で用いたSAP粒子の形状には特定の制限はない。SAP粒子は、逆相懸濁重
合によって得られる球形であってもよいし、円筒乾燥によって得られるフレーク
状であってもよいし、または固体ポリマーを粉砕して得られる不規則な形状の粒
子であってもよい。吸収スピードの見地からすると、SAP粒子は小さいのが好ま
しく、一般的にその粒子サイズは約20〜約2000μm、好ましくは約50〜約850μm
である。
【0064】 酸性樹脂、塩基性樹脂、酸性樹脂と塩基性樹脂の混合物、または多成分からな
るSAP粒子を含むSAP粒子は、SAP粒子の表面に表面架橋剤を適用し、続いてその
粒子を加熱することによって表面処理される。表面処理を行うことで、SAP粒子
の表面架橋が得られる。直接オキサゾリニウムイオンで、またはオキサゾリニウ
ムイオン前駆体を介してオキサゾリニウムイオンでSAP粒子を表面処理すると、
負荷をかけた状態で水性媒体を吸収し保持するというSAP粒子の能力が高められ
ることが判明した。
【0065】 一般に表面架橋は、SAP粒子を、SAP粒子の外表面のみを優先的に湿潤させるHA
Aまたは安定なオキサゾリニウムイオンの溶液と接触させることによってなされ
る。続いてSAP粒子の表面架橋を、好ましくはSAP粒子の少なくとも湿潤した表面
を加熱することによって行う。HAAを加熱するとインサイチューでオキサゾリニ
ウムイオンが形成され、それがさらにSAP粒子を表面架橋する。十分な安定性を
備えたオキサゾリニウムイオンの場合は、そのオキサゾリニウムイオンをSAP粒
子の外表面に適用し、続いてSAP粒子を加熱することでそのSAP粒子の露出表面を
表面架橋することができる。
【0066】 本発明で用いた表面架橋剤はオキサゾリニウムイオンである。簡単なオキサゾ
リニウムイオンは、StanssensらのProc. -Int. Conf. Org. Coat. Sci. Technol
., p. 435 (1992)に開示されているように、単離され、特徴づけられている。2-
ヒドロキシアルキルアミド類のエステルを生成するためにオキサゾリニウムイオ
ンをカルボキシラートアニオンと反応させることは、WinsteinらのJ. Am. Chem.
Soc., 72, p. 4669 (1950)、およびMcLaslandらのJ. Am. Chem. Soc., 72, p.
2190 (1950)に開示されている。2-ヒドロキシアルキルアミド類のエステルを生
成するためにオキサゾリニウムイオンをカルボン酸と反応させることは、Wicks
らのJ. Coat. Tech., 57, p. 51 (1985)に開示されている。
【0067】 「安定なオキサゾリニウムイオン」という用語は、本明細書においては、室温
で安定であり、かつ約90℃〜約170℃で酸性部分(例えば、カルボキシル基)およ
び塩基性部分(例えば、アミノ基)と共有結合を形成できるほど十分な反応性を備
えたオキサゾリニウムイオンとして定義される。安定性は、対イオンを慎重に選
択することでオキサゾリニウムイオンに付与される。そのような対イオンとして
は、例えばpKaが約1.5〜約6、好ましくはpKaが約2〜約5、そして最も好ましくは
約2.5〜約4.5である酸の共役塩基が挙げられる。本発明の十分な利点を発揮する
ためには、その対イオンはpKaが約2.5〜約3.5である酸の共役塩基である。対イ
オンの具体的な例としては、限定するわけではないがベンゾアート、ハロアセタ
ート、ホルマート、フッ化物イオン、スルホナート(例えば、トシラートまたは
メシラート)などが挙げられる。
【0068】 安定なオキサゾリニウムイオンの反応性は、十分に極性の溶媒(例えば、プロ
ピレングリコール)にその安定なオキサゾリニウムイオンを接触させることによ
って増加できる。前記溶媒は、溶媒和させたりイオン対交換をさせたりするのに
十分な濃度の酸性度の低い対イオンを任意で含んでもよい。安定なオキサゾリニ
ウムイオンの反応性をSAP粒子の存在下で加熱する前に高めることで、SAP粒子の
露出表面の表面架橋を容易にすることができる。
【0069】 本発明で利用したオキサゾリニウムイオンの表面架橋剤は、ヒドロキシアルキ
ルアミンからインサイチューで生成できる。ヒドロキシアルキルアミド類は、Sw
iftらの米国特許第4,076,917号に開示されている。本発明で有用なHAAは、下記
式で表される:
【化24】 〔式中、Aは、結合、水素、または、1個〜60個の炭素原子を含む飽和もしくは不
飽和のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、エイコシル、トリアコンチル、テ
トラコンチル、ペンタコンチル、ヘキシルコンチルなど)、アリール(例えばフ
ェニル、ナフチルなどの単環式および二環式アリール)、トリ−C1-4アルキレン
アミン(例えばトリメチレンアミノ、トリエチレンアミノなど)、ならびに1個
以上のエチレン性基[>C=C<]を含む不飽和基〔例えば、エテニル、1-メチルエテ
ニル、3-ブテニル-1,3-ジイル、2-プロペニル-1,2-ジイル、カルボキシC1-4アル
ケニル(例えば3-カルボキシ-2-プロペニルなど)、C1-4アルコキシカルボニル
低級アルケニル(例えば3-メトキシカルボニル-2-プロペニルなど)など〕から
なる群より選択される一価もしくは多価の有機基であり;R1は、独立して選択さ
れ、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5アルキル(例えばメチル、エチル、n-
プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチルなど)、または直鎖
状もしくは分枝鎖状のC1-5ヒドロキシアルキル(例えばヒドロキシエチル、3-ヒ
ドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシ
ブチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、5-ヒドロキシペンチル、4-ヒドロキ
シペンチル、3-ヒドロキシペンチル、2-ヒドロキシペンチルなど)、およびペン
チルの異性体であり;R2は、独立して選択され、水素、および直鎖状または分枝
鎖状のC1-5アルキルからなる群より選択されるか、またはR2基は結合して炭素原
子とともにシクロアルキル環、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなどを形
成していてもよく;pおよびp'は独立して1〜4の整数であり;nは1または2の値を
持つ整数であり、かつn'が0〜2の値を持つ整数であるか、またはn'が0の場合、A
が不飽和基のときにβ−ヒドロキシアルキルアミドからポリマーもしくはコポリ
マー(即ちnが1より大きい値、好ましくは2〜10の値である)が形成される。〕
【0070】 好ましいHAAは、R1がHまたはC1-5ヒドロキシアルキルであり、nおよびn'がそ
れぞれ1であり、-A-が-(CH2)m-であり、mが0〜8、好ましくは2〜8であり、α-炭
素上の各R2はHであり、各場合にβ炭素上のR2のうちの一個はH、もう一個はHま
たはC1-5アルキルであり、そしてqおよびq'は独立して、1〜3の整数であるもの
であり、即ち、
【化25】 である。最も好ましいHAAは、下記式:
【化26】 〔式中、R2基は両方ともHであるか、またはR2は両方とも-CH3である。〕 で表される。
【0071】 HAA化合物の特定の例としては限定するわけでないが、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロ
キシエチル)]アジプアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンア
ミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼルアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒド
ロキシプロピル)]アジプアミド、およびビス[N-メチル-N-(β-ヒドロキシエチル
)]オキサミドが挙げられる。市販のβ-HAAは、EMS-CHEMIE、Dornat、スイス国か
ら提供されるPRIMID(商標名)XL-522である。PRIMID(商標名)XL-522は、下記構造
式:
【化27】 で表される。
【0072】 別の市販のHAAは、EMS-CHEMIEから提供されるPRIMED(商標名)QM-1260であって
、下記構造式:
【化28】 で表される。
【0073】 オキサゾリニウムイオンは、十分な温度で十分な時間HAAを加熱することによ
ってインサイチューで形成できる。例えばオキサゾリニウムイオンは下記のよう
にPRIMID(商標名)XL-552から形成される。
【0074】
【化29】 次いで環状オキサゾリニウムイオンがSAPのポリマー鎖上にあるカルボキシル基
またはアミノ基と反応することで共有結合が形成する。続いてPRIMID(商標名)XL
-552分子により、その分子上にある第2のβ−ヒドロキシエチル基から第2のオキ
サゾリニウムイオンが形成される。この第2のオキサゾリニウムイオンは、SAPの
第2のポリマー鎖上にあるカルボキシル基またはアミノ基と反応し、そして第1の
オキサゾリニウムイオンとともに表面架橋を形成する。他のHAA化合物も対応す
るオキサゾリニウムイオンをもたらす。
【0075】 HAA分子からインサイチューで生成される第1および第2のオキサゾリニウムイ
オンは同時に形成されてもよい。さらに安定なオキサゾリニウムイオンをSAPの
表面に直接適用してもよく、続いて加熱しすることでSAPを表面架橋する。
【0076】 一般に、安定であるか、またはインサイチューで生成される、本発明で用られ
るオキサゾリニウムイオンは、下記一般構造式:
【化30】 〔式中、Bは、
【化31】 であり、A、R1、R2、p、p1およびnはHAAに関して上記に定義したとおりである。
〕 で表される。
【0077】 SAP架橋用溶液は、通常、約0.01重量%〜約4重量%のオキサゾリニウムイオン
前駆体(例えば、HAA)または安定なオキサゾリニウムイオンを、好ましくは約0.4
重量%〜約2重量%のオキサゾリニウムイオン前駆体またはオキサゾリニウムイ
オンを、例えば水、アルコール、またはグリコールといった適当な溶媒中に含ん
でいる。利用できる共溶媒の例としては、限定するわけでないが、例えばメタノ
ール、エタノール、およびイソプロパノールといったアルコール類、ならびに例
えばアセトンといったケトン類が挙げられる。この溶液は、SAP粒子とオキサゾ
リニウムイオンまたはオキサゾリニウムイオン前駆体の溶液との重量比約1:0.0
1〜約1:0.5で、自由に飛びかっている(freely tumbling)SAP粒子の表面に微細
なスプレーとして適用することができる。
【0078】 望ましい吸収性能を達成するために、HAAまたはオキサゾリニウムイオンはSAP
粒子表面に均一に分散させる。この目的のために、混合は、適当なミキサー、例
えば流動床式ミキサー、パドルミキサー、回転円盤式ミキサー、リボンミキサー
、スクリューミキサー、ミリングロール、または二軸ウォーム式ミキサー(twin-
worm mixer)で行われる。
【0079】 SAP粒子を表面処理するために用いられるHAAまたはオキサゾリニウムイオンの
量は、SAP粒子の素性により様々である。一般にSAP粒子を表面処理するために用
いられるHAAまたはオキサゾリニウムイオンの量は、SAP粒子約100重量部当たり
、約0.001〜約10重量部である。HAAまたはオキサゾリニウムイオンの量が10重量
部を超えると、SAP粒子はあまりに表面架橋しすぎて、得られるSAP粒子の吸水能
力が減少する。これに対して、SAP粒子を0.001重量部未満のオキサゾリニウムイ
オンで表面架橋すると、観察できるほどの効果がない。
【0080】 SAP粒子を表面架橋するのに用いられるHAAまたはオキサゾリニウムイオンの好
ましい量は、SAP粒子100重量部あたり約0.01〜約5重量部である。本発明の十分
な利点を発揮させるためには、SAP粒子100重量部あたり、表面架橋剤として用い
られるオキサゾリニウムイオンの量は約0.05〜約1重量部である。
【0081】 オキサゾリニウムイオンの表面架橋の形成、および表面処理されたSAP粒子の
乾燥は、表面処理されたSAP粒子を、例えば約90℃〜約170℃、好ましくは約100
℃〜約165℃といった適当な温度で加熱することによって達成される。本発明の
十分な利点を発揮させるためには、表面処理された粒子を約100℃〜約160℃で加
熱する。この温度ならば、SAP粒子の色が劣化することなく、またSAP粒子に残留
するモノマー含有量が増加することなく、SAP粒子はオキサゾリニウムイオンで
表面架橋される。
【0082】 表面処理されたSAP粒子を約60分〜約180分間、好ましくは約60分〜約150分間
加熱することにより表面架橋が生じる。本発明の十分な利点を発揮させるために
はSAP粒子は約75分〜約180分間加熱される。
【0083】 通常の乾燥機または加熱用オーブンを、表面処理されたSAP粒子とオキサゾリ
ニウムイオン前駆体またはオキサゾリニウムイオンとを加熱するために用いるこ
とが可能である。このような加熱装置としては、例えば攪拌トラフ式ドライヤー
、回転式ドライヤー、回転円盤式ドライヤー、混練式ドライヤー、流動床式ドラ
イヤー、気送式ドライヤー、および赤外線ドライヤーが挙げられる。しかしなが
ら、オキサゾリニウムイオンを形成するあらゆるその他の方法またはオキサゾリ
ニウムイオンとSAP粒子のポリマーとを反応させてSAP粒子の表面架橋を形成する
あらゆるその他の方法(例えばマイクロ波エネルギー)が使用可能である。表面
処理工程および表面架橋工程では、ミキサーが加熱可能なタイプのものであれば
、そのミキサーを用いることによってHAAまたはオキサゾリニウムイオンとSAP粒
子との混合と加熱を同時に行うことができる。
【0084】 前述したようにHAAまたはオキサゾリニウムイオンを用いた表面処理工程、お
よび続いて行われるか同時に行われる加熱工程によって、SAP粒子の表面付近に
追加的なポリマー架橋が形成される。SAP粒子の表面から内部への架橋の勾配(gr
adation)、即ち架橋密度の異方性は、深さ(depth)と外形(profile)の両方で異な
ってもよい。したがって、例えば表面架橋の深さは浅くてもよく、高レベルの架
橋から低レベルの架橋へと比較的鋭い変化を示す。あるいは、例えば表面架橋の
深さは、SAP粒子の寸法(dimensions)のかなりの割合を占めてもよく、ブロード
な変化を示す。
【0085】 大きさ、形状、多孔性、ならびに官能性の問題に依存して、表面架橋の程度と
勾配はSAP粒子の所与のタイプで異なり得る。SAP粒子における表面:容積比の違
い(例えば小さい粒子と大きい粒子の間)に依存して、架橋の全体レベルがSAP粒
子のグループで異なることが一般的である(例えば、より小さい粒子のほうがレ
ベルが大きい)。
【0086】 表面架橋は一般に、SAP粒子の最終的な境界が本質的に確立された(例えば粉砕
、押し出し、または発泡による)後で行われる。しかしながら最終的な境界が形
成されるのと同時に表面架橋をもたらすことも可能である。さらに、SAP粒子の
境界における幾分かの更なる変化が、表面架橋が導入された後でも起こりうる。
【0087】 本発明の表面架橋されたSAP粒子は使い捨ておむつ、衛生用ナプキン、および
同様の用品で吸水剤として用いることができるし、また例えば建築材料の結露防
止剤、農業や園芸での保水剤、および乾燥剤といった他の用途でも利用できる。
【0088】 本発明の表面架橋されたSAP粒子は、従来の吸水性粒子を超える利点を持って
いる。本発明の表面架橋されたSAP粒子は、SAP粒子をHAA(または他のオキサゾリ
ニウムイオン前駆体)または安定なオキサゾリニウムイオンと混合する工程、お
よび加熱工程を含む簡単な方法によって低コストで製造できる。得られる表面架
橋されたSAP粒子は従来の吸水性樹脂よりもフィッシュアイ(fish eye)の形成が
起こりにくく、したがって高速の液体吸収を示す。本発明の表面架橋されたSAP
粒子はまた、色が白〜オフホワイトである。
【0089】 以下の実施例は本発明の表面架橋されたSAP粒子を例示している。しかしなが
らこれらの実施例が単なる例示であること、また本発明の範囲がこれらの実施例
で限定されないことは理解されよう。
【0090】 以下の実施例で用いたSAP粒子はわずかに架橋されたポリアクリル酸ポリマー
であり、水酸化ナトリウムで約75%〜約80%が中和されている。このポリアクリ
ル酸ナトリウムはこの技術分野で周知の方法によって調製した。
【0091】実施例1 2重量%〜50重量%のPRIMID(商標名)XL-552の水溶液を、SAP粒子100グラムあ
たり3〜7グラムのHAA溶液の割合でSAP粒子の表面に適用した。続いてその表面処
理されたSAP粒子を約150℃〜約170℃で、約60分〜約150分間加熱することによっ
てそのSAP粒子を表面架橋するオキサゾリニウムイオンを生成した。最良の結果
は、SAP粒子100グラムあたり約7グラムのHAA溶液で適用される10%を超えるPRIM
ID(商標名)XL-552溶液を用いること、続いて約165℃で135分〜150分間加熱処理
することで得られる。性能結果が表1にまとめられている。
【0092】実施例2 1重量%〜5重量%のPRIMID(商標名)XL-552と0%〜37.5重量%のプロピレング
リコールを含む水溶液をSAP粒子の表面に、SAP粒子100グラムあたり約4グラム〜
約10グラムの溶液の割合で適用した。続いてその表面処理されたSAP粒子を、PRI
MID(商標名)XL-552がオキサゾリニウムイオンを生成してSAP粒子を表面架橋する
ように約150℃〜約170℃で、約60分〜約120分間加熱処理した。最良の結果は、S
AP粒子100グラムあたり約7グラムの溶液で適用される3.5%のPRIMID(商標名)XL-
552/25%のプロピレングリコール溶液を用い、続いて約120分間、160℃で加熱
処理して得られた。その性能結果が表1にまとめられている。
【0093】実施例3 1重量%〜5重量%のPRIMID(商標名)XL-552と0%〜25重量%の1,3-ブタンジオ
ールを含む水溶液をSAP粒子の表面に、SAP粒子100グラムあたり約4グラム〜約10
グラムの溶液の割合で適用した。続いてその表面処理されたSAP粒子を、PRIMID(
商標名)XL-552がオキサゾリニウムイオンを生成してSAP粒子を表面架橋するよう
に約150℃〜約170℃で、約60分〜約120分間加熱処理した。最良の結果は、SAP粒
子100グラムあたり約7グラムの溶液で適用される3.5%のPRIMID(商標名)XL-552
/25%の1,3-ブタンジオール溶液を用い、続いて約120分間、約160℃で加熱処理
して得られた。その性能結果が表1にまとめられている。
【0094】実施例4 1重量%〜5重量%のPRIMID(商標名)XL-552と0%〜25重量%の1,4-ブタンジオ
ールを含む水溶液をSAP粒子の表面に、SAP粒子100グラムあたり約4グラム〜約10
グラムの溶液の割合で適用した。続いてその表面処理されたSAP粒子を、PRIMID(
商標名)XL-552がオキサゾリニウムイオンを生成してSAP粒子を表面架橋するよう
に約150℃〜約170℃で、約60分〜約120分間加熱処理した。最良の結果は、SAP粒
子100グラムあたり約7グラムの溶液で適用される3.5%のPRIMID(商標名)XL-552
/25%の1,4-ブタンジオール溶液を用い、続いて約120分間、160℃で加熱処理し
て得られた。その性能結果が表1にまとめられている。
【0095】実施例5 1重量%〜5重量%のPRIMID(商標名)XL-552と0%〜25重量%のエタノールを含
む水溶液をSAP粒子の表面に、SAP粒子100グラムあたり約4グラム〜約10グラムの
溶液の割合で適用した。続いてその表面処理されたSAP粒子を、PRIMID(商標名)X
L-552がオキサゾリニウムイオンを生成してSAP粒子を表面架橋するように150℃
〜約170℃で、約60分〜約120分間加熱処理した。最良の結果は、ポリマー100グ
ラムあたり約7グラムの溶液で適用される3.5%のPRIMID(商標名)XL-552/25%の
エタノール溶液を用い、続いて約120分間、160℃で加熱処理して得られた。その
性能結果が表1にまとめられている。
【0096】実施例6 1,4-ビス(N-メチル-2-オキサゾリニウム)ブタンビストシラートの調製 乾燥した100mlの丸底フラスコ中で乾燥アルゴン雰囲気下、トルエン(40mL)を
ビス(N-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アジプアミド(2g)とp-トルエンスルホン
酸一水和物(2.92g)とともに混合した。得られた混合液を加熱還流し、ディーン
・スターク(Dean-Stark)トラップで共沸蒸留と収集を行って生成した水を除去し
た。トータルの反応時間は6.75時間であった。その後トルエンをロータリーエバ
ポレーターで除去し、残留物を1トール(Torr)で60時間、真空オーブン中でさら
に乾燥した。ビスオキサゾリニウム塩は油状物であり、さらに精製することなく
用いた。ビスオキサゾリニウムイオンの形成は赤外線スペクトル分析法によって
確認した。実施例6のビスオキサゾリニウム塩を用いてポリアクリル酸ナトリウ
ムSAPを表面架橋した。その結果が表3にまとめられている。
【0097】 実施例1〜5は、HAAと組み合わせて用いることのできる共溶媒(例えば、エタノ
ール)および別の表面架橋剤(例えば、ジオール)の範囲が広いことを示している
。共溶媒の例としては、限定するわけでないが、例えばメタノール、エタノール
、およびイソプロパノールといったアルコール類、また例えばアセトンといった
ケトン類が挙げられる。
【0098】 追加の表面架橋剤は、SAP粒子を構成するポリマーのペンダント部分と反応す
るとともに、SAP粒子の膨張(swell)を抑制する任意の化合物であってよく、HAA
とともに用いることができる。追加の表面架橋剤の例としては限定するわけでは
ないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、および1,3-ブタン
ジオールのようなジオール類、トリオール類、ポリオール類、ならびに類似の水
酸基含有化合物が挙げられる。二価および三価の金属塩を膨張抑制剤のように、
追加の表面架橋剤として用いることもできる。HAAはまた、EGDGEのような他の表
面架橋剤や、さらに特定すると160℃未満の温度でSAP粒子を構成するポリマーと
反応できる任意の他の表面架橋用化合物と組み合わせて用いることも可能である
【0099】 次の表1〜3には、実施例1〜6で一般的に開示された特定の表面架橋されたSAP
粒子についての性能結果、および表面架橋されたSAP粒子によって示される吸水
特性がまとめられている。表1〜3に列記した試験結果では、表面処理されたSAP
粒子は、0.7psiで負荷をかけた場合の吸水性(AUL(0.7psi))について試験された
。負荷下での吸水性(AUL)とは、加圧下で液体を吸収するSAPの能力についての尺
度である。AULは、参照文献としてここに組み入れられる米国特許第5,149,335号
に開示されているような以下の方法によって測定した。
【0100】 SAP(0.160g+/−0.001g)を、内径が25mmの中空プレキシグラス(Plexiglas)シ
リンダーの基部に取り付けた140ミクロンの水透過性メッシュ上に注意深く分散
させる。そのサンプルを100gのカバープレートで覆い、シリンダーアセンブリを
秤量する。これによって20g/cm2(0.28psi)の負荷圧力が与えられる。別法ではそ
のサンプルを250gのカバープレートで覆うことによって、51g/cm2(0.7psi)の負
荷圧力が与えられる。シリンダーの覆われた基部を、25ミリリットルの試験溶液
(通常は0.9%の生理食塩水)を含む100mmのペトリ皿内に置き、ポリマーを1時間(
または3時間)吸収されるままにする。シリンダーアセンブリを再秤量することに
よって、AUL(所定の圧力で)を、吸収した液体の重量を液体と接触させる前のポ
リマーの乾燥重量で割ることによって算出する。
【0101】 また表1〜3における試験結果は、試験サンプルの遠心分離保持能力(CRC)も列
挙している。SAPの遠心分離保持能力は、SAPの吸水特性の尺度である。特に、CR
C試験は、ポリマー1グラムあたりの0.9%塩(NaCl)溶液のグラム数でSAPの吸収能
力を測定する方法である。この試験には、0.9%のNaCl溶液中に30分間浸漬し、
続いて3分間の遠心分離を行って「ティーバッグ」にてSAPを膨潤させる工程が含
まれる。乾燥SAPの初期重量に対しての保持されている液体の重量の比が、高吸
水性ポリマーの吸収性能力、即ちCRCである。
【0102】 CRC試験は以下のとおりに行なわれた:機器 電子天秤、精度0.0001グラム プラスチックトレイ、44cm×39cm×10cm ヒートシーラ、T-バールプラスチックモデル ティーバッグ材料(CH DEXTER)、ティーバッグ6.25×8.5cmを作るために切断し
てシールした ペーパーまたはプラスチック製の秤量用船型容器を秤量する タイマー 1400rpmが可能な遠心分離機、直径230mm はさみ
【0103】材料 SAP試験サンプル 蒸留されているか脱イオン化されている水を用いて調製した0.9%NaCl溶液
【0104】サンプル調製 (最大のセットにつき、10個のサンプル 2000mlのNaCl溶液につき、20個のサンプル) a) 約2000mlのNaCl溶液をトレイに注入する。液体を満たした高さは約1/2イン
チにするものとする。 b) ティーバッグのペーパーを折りたたんでヒートシーラを用いて二つの側部を
シールし、片方はポリマーを添加するために開放したままにする。サンプルは2
つ1組(任意で)で行うとよい。 c) 重さを量ったペーパーまたはプラスチック製の秤量用船型容器に、0.2000+
/−0.0050グラムのポリマーを量り入れる。重さとナンバーを記録する。 d) 対応するサンプルナンバーでティーバッグをマークする。ポリマーをティー
バッグに入れ、ヒートシーラで開口端部を密閉する。 e) 空のティーバッグをシールして、それを「ブランク」とマークする。 f) タイマーを30分にセットする。各ティーバッグを水平に保ち、そのバッグ全
体に均一にポリマーを分布させる。充填したティーバッグとブランクをNaCl溶液
の表面に置く。完全に湿潤させるために、へらを用いて各ティーバッグを水中に
沈める。タイマーを開始する。
【0105】 充填ティーバッグはトングで注意深く取り扱う。その際、トングは、そのティ
ーバッグの端だけに接触するようにし、ポリマーが充填されている領域には接触
しないようにした。
【0106】遠心分離 a) 20分間の浸漬時間が経過した後、充填ティーバッグとブランクをNaCl溶液か
ら取り出す。遠心分離機のバスケットの外壁に固着した各バッグを用いて遠心分
離機にそのティーバッグを設置する。 b) 遠心分離機の蓋を閉じる。タイマーを3分間にセットする。遠心分離(素速く
1400rpmにまで立ち上げる)と同時にタイマーを開始する。3分後その遠心分離機
を切る(そして必要であればブレーキをかける)。 c) それぞれの充填ティーバッグとブランクの重さを量る。重量を記録する。
【0107】計算
【数1】
【0108】 表3における試験結果は、試験サンプルの塩水流伝導性(Saline Flow Conduct
ivity)(SFC)をさらに列挙している。SAPのSFCは、液体で膨潤してヒドロゲルの
ゾーン即ち層が形成された場合のSAP粒子の透過性の尺度である。SFCは、塩水を
輸送するSAPの能力、例えば、膨潤したSAPから形成されたヒドロゲル層が体液を
輸送する能力の尺度である。かなり高いSFC値を持つ材料は、木材パルプ繊維か
らなるエアレイド・ウェブ(air-laid web)である。通常、パルプ繊維のエアレイ
ド・ウェブ(例えば、0.15g/ccという密度を持つ)は、約200×10-7cm3秒/gとい
うSFC値を示す。対照的に一般的なヒドロゲル−形成SAPは、1×10-7cm3秒/g以
下のSFC値を示す。SAPが吸収剤構造に高濃度で存在し、その後使用時の圧力でヒ
ドロゲルを形成するように膨潤すると、ヒドロゲルの境界が接触するようになっ
て高濃度のSAP領域にある隙間の空間がヒドロゲルによって全体的に結合するよ
うになる。これが起こった場合のこの領域の透過性、即ち塩水流伝導性は、SAP
単独で形成されたヒドロゲルゾーンの透過性または塩水流伝導性についての一般
的な指標である。これらの膨潤した高濃度の領域の透過性を増加させると、吸収
剤構造に優れた液体取扱適性を与えることができ、したがって、特に液体の負荷
が多くても漏れが起こるのを減少させる。SAP粒子のSFC値を測定するための方法
は、参照文献としてここに組み入れられるGoldmanらの米国特許第5,599,335号に
列挙されている。
【0109】
【表1】
【0110】 表1のデータから、オキサゾリニウムイオンのためのHAA前駆体を用いて表面
架橋すると、ジオールのみを用いて表面架橋されたSAP粒子(サンプル9〜11)に比
較して、大きく改善されたAULを持つ表面処理されたSAP粒子(サンプル1〜8)が得
られることがわかる。さらにオキサゾリニウムイオン表面架橋剤はCRCに悪影響
を与えることなくAULを増加させ、このことは利点であるとともにこの技術分野
では予想外のことである。
【0111】 別の試験において、SAP粒子を、オキサゾリニウムイオン前駆体としてのPRIMI
D(商標名)QM-1260を用いて表面架橋した。この試験結果、および架橋反応と試験
で用いた条件が表2に列記されている。PRIMID(商標名)QM-1260を用いて表面架
橋されたSAPサンプル(即ち、サンプル13)を、等量のPRIMID(商標名)XL-552を用
いて架橋されたSAPサンプル(サンプル12)と比較した。表2は、PRIMID(商標名)Q
M-1260を用いて表面架橋されたSAPが改善された吸収性を有することを示してい
る(サンプル13を比較対照サンプル9〜11と比較)。
【0112】
【表2】
【0113】 SAP粒子を、実施例6の安定なオキサゾリニウム塩を用いて表面架橋した。用
いたオキサゾリニウムイオンの量はSAP粒子の重量に基づいて2000ppmであった。
これらの試験結果、および架橋反応と試験で用いた条件は表3に列記されている
。表3は、安定なオキサゾリニウムイオンを用いて表面架橋したSAPが、改善さ
れた吸収性を有することを示している(サンプル14および15を比較対照サンプル9
〜11と比較)。
【0114】
【表3】
【0115】 本発明の好ましいSAP粒子は、オキサゾリニウムイオンを用いて表面架橋され
、0.7AULが少なくとも15、より好ましくは少なくとも20である。好ましい表面架
橋されたSAP粒子は通常、0.7AULが約15〜約50である。本発明の好ましいSAP粒子
はまた、CRCが32.4以下、より好ましくは31.5以下である。好ましいSAP粒子は通
常、CRCが32.4より小さく25までである。
【0116】 本発明の好適なSAP粒子は、SFC値が少なくとも約15×10-7cm3秒/g、そして好
ましくは少なくとも約20×10-7cm3秒/gである。本発明の十分な利点を発揮させ
るためには、本発明の表面架橋されたSAP粒子のSFC値は少なくとも約25×10-7cm3 秒/gであり、それは60×10-7cm3秒/g以上の範囲であってもよい。
【0117】 このオキサゾリニウムイオンで表面架橋されたSAP粒子によって示される性質
は、オキサゾリニウムイオンをEGDGEのような現在用いられている表面架橋剤と
置換して、そのような架橋剤が関連する欠点、例えば色の劣化といった欠点を克
服できることを示している。
【0118】 明らかであるが、上記に列記したような本発明の多くの修飾および変形がその
精神および範囲から逸脱することなく行うことができるのであって、したがって
、添付した請求の範囲に示されるような限定のみが課されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/19 A61F 13/18 307A C08L 101/14 (72)発明者 トムリン,アンソニー,エス. アメリカ合衆国 60042 イリノイ州,ア イランド レイク,ロンガクル レーン 607 Fターム(参考) 4C003 AA22 4C098 AA09 CC02 DD05 DD23 DD28 4F070 AA03 AA11 AA12 AA13 AA26 AA32 AA34 AA35 AA38 AA47 AB13 AC45 AE08 DB06 GA08 GB09 GC01 4J002 BB09W BB18W BC07X BC10X BC11W BE02W BG01W BG07W BG10W BG13X BH00W BN01W BQ00W CD07X EE016 EF046 EF076 EH106 EP006 EV246 FD14X FD146 GB01 GC00 GD03

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキサゾリニウムイオン約0.001〜約10重量部で表面架橋さ
    れた吸水性樹脂100重量部を含む高吸水性ポリマー粒子であって、前記吸水性樹
    脂の表面にあるポリマー鎖を架橋するように前記オキサゾリニウムイオンが吸水
    性樹脂の表面に存在している、前記高吸水性ポリマー粒子。
  2. 【請求項2】 前記粒子が吸水性樹脂100重量部あたり約0.01〜約4重量部の
    オキサゾリニウムイオンを含む、請求項1に記載の粒子。
  3. 【請求項3】 前記粒子が吸水性樹脂100重量部あたり約0.4〜約2重量部の
    オキサゾリニウムイオンを含む、請求項1に記載の粒子。
  4. 【請求項4】 前記オキサゾリニウムイオンが、下記構造: 【化1】 〔式中、Aは、結合、水素、または1個〜60個の炭素原子を含む飽和もしくは不飽
    和のアルキル基、アリール、トリ−C1-4アルキレンアミン、および1個以上のエ
    チレン性基を含む不飽和基からなる群より選択される1価もしくは多価の有機基
    であり;R1は、独立して選択され、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5アルキ
    ル、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5ヒドロキシアルキルであり;R2は、独
    立して選択され、水素、および直鎖状または分枝鎖状のC1-5アルキルからなる群
    より選択される基であるか、またはR2基が結合して炭素原子と一緒になってシク
    ロアルキル環を形成していてもよく;pおよびp'は独立して1〜4の整数であり;n
    は1または2の整数でありかつn'は0〜2の整数であるか、またはn'が0の場合、Aが
    不飽和基のときにヒドロキシアルキルアミドからポリマーもしくはコポリマー(
    ここでnは1より大きい)が形成される。〕 で表される前駆体ヒドロキシアルキルアミドから誘導される、請求項1に記載の
    粒子。
  5. 【請求項5】 前記ヒドロキシアルキルアミドが下記構造: 【化2】 〔式中、R1はHまたはC1-5ヒドロキシアルキルであり、mは0〜8であり、β炭素
    上のR2基のうち一方はHであって、もう一方はHまたはC1-5アルキルであり、qお
    よびq'は独立して1〜3の整数である。〕 で表される、請求項4に記載の粒子。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロキシアルキルアミドが下記構造: 【化3】 〔式中、R2基は双方ともHであるか、またはR2基は双方とも-CH3である。〕 で表される、請求項4に記載の粒子。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロキシアルキルアミドが、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロ
    キシエチル)]アジプアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンア
    ミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼルアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒド
    ロキシプロピル)]アジプアミド、ビス[N-メチル-N-(β-ヒドロキシエチル)]オキ
    サミド、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の粒
    子。
  8. 【請求項8】 前記ヒドロキシアルキルアミドが下記構造式: 【化4】 で表される、請求項4に記載の粒子。
  9. 【請求項9】 前記ヒドロキシアルキルアミドが下記構造式: 【化5】 で表される、請求項4に記載の粒子。
  10. 【請求項10】 前記オキサゾリニウムイオンが下記構造式: 【化6】 〔式中、Bは、 【化7】 であり、AはL'間の結合、水素、または1個〜60個の炭素原子を含む飽和もしくは
    不飽和のアルキル基、アリール、トリ−C1-4アルキレンアミン、および1個以上
    のエチレン性基を含む不飽和基からなる群より選択される1価もしくは多価の有
    機基であり;R1は、独立して選択され、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5
    ルキル、または直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5ヒドロキシアルキルであり;R2
    、独立して選択され、水素、および直鎖状または分枝鎖状のC1-5アルキルからな
    る群より選択される基であるか、またはR2基が結合して炭素原子と一緒になって
    シクロアルキル環を形成しており;pおよびp'は独立して1〜4の整数であり;nは
    0〜10の整数である。〕 で表される、請求項1に記載の粒子。
  11. 【請求項11】 前記オキサゾリニウムイオンが室温で安定であり、かつ約
    90℃〜約170℃で酸性成分または塩基性成分と反応して共有結合を形成するのに
    十分な反応性を持っている、請求項10に記載の粒子。
  12. 【請求項12】 前記オキサゾリニウムイオンが下記構造: 【化8】 〔式中、Bは、 【化9】 であり、R1はHまたはC1-5ヒドロキシアルキルである。〕 で表される、請求項10に記載の粒子。
  13. 【請求項13】 前記オキサゾリニウムイオンが、pKaが約1.5〜約6の酸の
    共役塩基を含む対イオンを持つ、請求項10に記載の粒子。
  14. 【請求項14】 前記酸のpKaが約2〜約5である、請求項13に記載の粒子
  15. 【請求項15】 前記酸のpKaが約2.5〜約4.5である、請求項13に記載の
    粒子。
  16. 【請求項16】 前記オキサゾリニウムイオンが、トシラート、メシラート
    、ベンゾアート、ハロアセタート、ホルマート、およびそれらの混合物からなる
    群より選択される対イオンを持つ、請求項10に記載の粒子。
  17. 【請求項17】 前記吸水性樹脂が酸性の吸水性樹脂を含む、請求項1に記
    載の粒子。
  18. 【請求項18】 前記酸性の吸水性樹脂が、中和され、わずかに架橋された
    、少なくとも10%の酸性モノマー単位を含むアクリル系樹脂である、請求項17
    に記載の粒子。
  19. 【請求項19】 前記酸性モノマー単位がカルボキシラート、スルホナート
    、スルファート、またはホスフェート基を持つ、請求項18に記載の粒子。
  20. 【請求項20】 前記酸性モノマー単位が、アクリル酸、メタクリル酸、エ
    タクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチル−アク
    リル酸、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシ−プロピオン酸、ソルビ
    ン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p-クロロケイ皮酸、β
    −ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン
    酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、2-メチル
    -2-ブテンジカルボン酸、マレアミド酸、N-フェニルマレアミド、マレアミド、
    無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メサ
    コン酸、無水メチルイタコン酸、無水エチルマレイン酸、ジエチルマレアート、
    メチルマレアート、無水マレイン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビ
    ニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタクリ
    ルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スル
    ホプロピルアクリレート、2-ビニル-4-エチルベンゼン、2-アリルベンゼンスル
    ホン酸、1-フェニルエチレンスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒ
    ドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル
    プロパンスルホン酸、硫酸化ポリビニルアルコール、硫酸化ヒドロキシエチルア
    クリレート、硫酸化ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリルオキシエチ
    ルホスフェート、およびそれらの混合物を含む酸性の吸水性樹脂からなる群より
    選択される、請求項17に記載の粒子。
  21. 【請求項21】 酸性の吸水性樹脂が、デンプン−アクリル酸グラフト共重
    合体、けん化酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、加水分解型アクリロニ
    トリル共重合体、加水分解型アクリルアミド共重合体、エチレン−無水マレイン
    酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(ビニルスルホン酸)
    、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、スルホン
    化ポリスチレン、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(乳酸)、およびそれらの混合物か
    らなる群より選択され、塩基により20〜100モルパーセントが中和されている、
    請求項17に記載の粒子。
  22. 【請求項22】 前記吸水性樹脂が50〜100モルパーセントが中和されてい
    るポリアクリル酸である、請求項1に記載の粒子。
  23. 【請求項23】 前記吸水性樹脂が塩基性の吸水性樹脂を含む、請求項1に
    記載の粒子。
  24. 【請求項24】 前記塩基性の吸水性樹脂が、中和され、わずかに架橋され
    た、少なくとも10%の塩基性モノマー単位を含む樹脂である、請求項23に記載
    の粒子。
  25. 【請求項25】 前記塩基性の吸水性樹脂が、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(
    アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリ(ア
    リルアミン)、ポリ(アリルグアニジン)、ポリ(ジメチルアリルアンモニウムヒド
    ロキシド)、四級化ポリスチレン、グアニジン−修飾ポリスチレン、四級化ポリ(
    メタ)アクリルアミドまたはそれらのエステル類似体、ポリ(ビニルグアニジン)
    、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項23に記載の粒子。
  26. 【請求項26】 前記吸水性樹脂が、酸性の吸水性樹脂と塩基性の吸水性樹
    脂の混合物を含む、請求項1に記載の粒子。
  27. 【請求項27】 前記吸水性樹脂が、多成分の高吸水性ポリマー粒子を含む
    、請求項1に記載の粒子。
  28. 【請求項28】 0.7psiの負荷をかけて1時間後に、0.9%生理食塩水を粒子
    1グラムあたり少なくとも20グラム吸収する吸収性を持つ、請求項1に記載の粒
    子。
  29. 【請求項29】 0.7psiでAULが15以上であり、CRCが32.4以下である、請求
    項1に記載の粒子。
  30. 【請求項30】 0.7psiでAULが20以上である請求項27に記載の粒子。
  31. 【請求項31】 CRCが31.5以下である請求項28に記載の粒子。
  32. 【請求項32】 生理食塩水流の伝導性が少なくとも20×10-7cm3秒/gであ
    る、請求項31に記載の粒子。
  33. 【請求項33】 100重量部の高吸水性ポリマーを約0.001〜約10重量部のヒ
    ドロキシアルキルアミドと混合することで表面処理された高吸水性ポリマー粒子
    を形成し、続いてその表面処理された高吸水性粒子を約90℃〜約170℃で約60分
    間〜約180分間加熱することでヒドロキシアルキルアミドからオキサゾリニウム
    イオンを生成させ、生成したオキサゾリニウムイオンが前記表面処理された高吸
    水性ポリマー粒子に表面架橋を形成することによって得られる、表面架橋された
    高吸水性ポリマー粒子。
  34. 【請求項34】 100重量部の高吸水性ポリマーを約0.001〜約10重量部の安
    定なオキサゾリニウムイオンと混合することで表面処理された高吸水性ポリマー
    粒子を形成し、続いてその表面処理された高吸水性粒子を約90℃〜約170℃で約6
    0分間〜約180分間加熱することで前記表面処理された高吸水性ポリマー粒子に表
    面架橋を形成することによって得られる、表面架橋された高吸水性ポリマー粒子
  35. 【請求項35】 表面架橋された高吸水性ポリマー粒子を製造する方法であ
    って、 (a) 100重量部の高吸水性ポリマー粒子を用意する工程、 (b) 安定なオキサゾリニウムイオン、オキサゾリニウムイオン前駆体、または
    それらの組み合わせからなる群より選択される架橋用化合物を、前記架橋用化合
    物を溶解できる溶媒中に約0.5重量%〜約50重量%含む溶液を作成する工程、 (c) 工程(a)の粒子の表面に工程(b)の溶液を適用することによって、高吸水性
    ポリマー粒子の表面付近にその高吸水性ポリマー粒子100重量部あたり約0.001〜
    約10重量部の架橋用化合物を有する表面処理された高吸水性ポリマー粒子を得る
    工程、および (d) 前記表面処理された高吸水性ポリマー粒子を約90℃〜約170℃で約60分間
    〜約180分間加熱することによって高吸水性ポリマー粒子の表面付近に表面架橋
    を形成する工程 を含む、前記方法。
  36. 【請求項36】 前記工程(c)を工程(d)の前に行う、請求項35に記載の方
    法。
  37. 【請求項37】 前記工程(c)と工程(d)を同時に行う、請求項35に記載の
    方法。
  38. 【請求項38】 工程(b)の前記架橋用組成物が、ジオール、トリオール、
    ポリオール、2価金属、3価金属、ジグリシジルエーテル、ジアミン、ハロヒド
    リン、ポリイソシアネート、ジハロアルカン、多官能性アジリジン化合物、ジア
    ルデヒド、ジスルホン酸エステル、ジエステル、多官能性酸ハロゲン化物、有機
    チタネート、メラミン樹脂、ヒドロキシメチル尿素、およびそれらの混合物から
    なる群より選択される第2の表面架橋剤をさらに含む、請求項35に記載の方法
  39. 【請求項39】 前記第2の表面架橋剤が、エチレングリコール、プロピレ
    ングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール
    ジグリシジルエーテル、およびそれらの混合物を含む、請求項35に記載の方法
  40. 【請求項40】 工程(b)の架橋用組成物が、約90℃〜約160℃の温度で高吸
    水性ポリマー粒子上に表面架橋を形成することのできる第2の表面架橋剤をさら
    に含む、請求項35に記載の方法。
  41. 【請求項41】 表面架橋された高吸水性ポリマー粒子を製造する方法であ
    って、 (a) 酸性基または塩基性基を持つ不飽和の重合可能なモノマー(i)、および多
    官能性架橋剤(ii)を含有する混合物を、水を含む溶媒(iii)に溶解して重合する
    ことで、高吸水性ポリマーのヒドロゲルを形成する工程、 (b) オキサゾリニウムイオン、オキサゾリニウムイオン前駆体、およびそれら
    の組み合わせからなる群より選択される架橋用化合物を、高吸水性ポリマーのヒ
    ドロゲルに、高吸水性ポリマー100重量部あたり約0.001〜約10重量部の架橋用化
    合物を付与するのに十分な量添加する工程、および (c) 工程(b)の生成物を約90℃〜約170℃で加熱することで高吸水性ポリマーヒ
    ドロゲルを乾燥し、高吸水性ポリマー粒子を形成するとともにその高吸水性ポリ
    マー粒子の表面に架橋を形成する工程 を含む、前記方法。
  42. 【請求項42】 請求項41に記載の方法によって製造された表面架橋され
    た高吸水性ポリマー。
  43. 【請求項43】 請求項1に記載の高吸水性粒子を含む用品。
  44. 【請求項44】 おむつおよび生理用品からなる群より選択される、請求項
    43に記載の用品。
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