JP2003534290A - アレルギー治療用の組換えまたは精製ポリクロナール抗体 - Google Patents

アレルギー治療用の組換えまたは精製ポリクロナール抗体

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Abstract

(57)【要約】 アレルギーを治療するための医薬組成物が開示されている。組成物は活性成分としてアレルゲンと反応または結合することができる組換えポリクロナール抗体または異なるモノクロナール抗体の混合物を1以上の医薬品として受容し得る賦形剤と共に含んでいる。組成物は溶液、分散体、粉末としてまたはマイクロスフェアの形で局所的に使用することができる。ポリクロナール抗体は望ましくはファージディスプレー技術により作製される組換えポリクロナール抗体である。元来のポリクロナール免疫応答から保たれているかまたは問題のアレルゲンを使用したパンニングにより選択される特異的な免疫グロブリン可変部軽鎖及び重鎖の組合せは発現ベクターへの対の一括移動により保持されていることが望ましい。アレルゲンは室内塵ダニ、例えば、Dermatophagoides farinaeまたは D. pteronyssimus;ネコ、イヌ、またはウマの落屑;木の花粉、例えば、シラカバBetula alba、ハンノキ、ハシバミ、オーク、ヤナギ、プラタナス、ブナ、ニレ、カエデ、トネリコ、及びシデ;草の花粉、例えば、オオアワガエリPhleum pratense、イチゴツナギPoa pratense、ライグラスLolium perenne、カスガヤDactylis glomerata、ブタクサ例えば、Ambrosia artemisiifolia、スイートバーナルグラスanthoxanthum odoratum及びライムギSecale cereale;または菌(例えば、Alternaria, Aspergillus, Cladosporium, 及び Penicillium)であり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、アレルゲンに反応するかあるいは結合することが出来る組換えポリ
クロナール抗体または異なるモノクロナール抗体の混合物または単離あるいは精
製ポリクロナール抗体を含む組成物、並びにアレルギーの治療のためにアレルゲ
ンと反応あるいは結合することが出来るポリクロナール抗体を使用することに関
するものである。
【0002】 発明の背景 体液性免疫による防御効果は抗体と呼ばれる構造的にグリコプロテインに関連
するファミリーによって仲介されることが知られている。抗体は抗原と結合する
ことによりその生物活性を発現する。抗体の抗原との結合は一つの抗原に対して
特異的であり、そしてその結合は通常高親和性である。抗体はB-リンパ球により
作られる。血液は多数の異なる抗体を含んでおり、それぞれB-細胞のクローンか
ら由来し、そしてそれぞれ異なる構造及び異なる抗原特異性を有する。抗体は血
漿中、組織の間質液中、及び唾液及び粘膜表面上の粘液のような分泌液中のB-リ
ンパ球の表面に存在する。
【0003】 全ての抗体が全体的な構造では類似しており、これが電荷や溶解性のような物
理化学的な特徴の一定の類似性の理由となっている。抗体は全て共通して二本の
同じ軽鎖、それぞれ約24キロダルトン、及びそれぞれ約55-70キロダルトンの二
本の同じ重鎖からなる構造を有しており、一本の軽鎖は一本の重鎖に結合してお
り、二本の重鎖は相互に結合している。軽鎖及び重鎖は共に一連の反復相同単位
を含んでおり、それぞれ免疫グロブリン(Ig)ドメインと呼ばれる共通球状モチ
ーフのなかに別々に含まれている約110アミノ酸残基長である。二本の重鎖の会
合により形成される抗体分子の領域は疎水性である。抗体は物理的又は化学的に
不利な条件に遭遇すると、軽鎖と重鎖が結合しているところで切断することが知
られている。抗体は多数のシステイン残基を含んでいるので、多数のシステイン
-システインジスルフィド結合を有している。全てのIgドメインは3または4本の
逆平行ポリペプチド鎖を持つ2層のベータプリーツシートを含んでいる。
【0004】 全体的には類似しているが、抗体分子はサイズ、電荷及び溶解性のような物理
化学的な特徴、及び抗原との結合性に基づいて異なるクラス及びサブクラスに分
類することができる。ヒトでは、抗体分子のクラスは:IgA, IgD, IgE, IgG及び
IgM。各クラスの構成員は同じアイソタイプであると言われる。IgA及びIgGアイ
ソタイプはさらにIgA1, IgA2及びIgG1, IgG2, IgG3及びIgG4と呼ばれるサブタイ
プに細分類される。あるアイソタイプの全ての抗体分子の重鎖は固有アミノ酸配
列の広い領域を共有するが、他のアイソタイプあるいはサブタイプに属する抗体
とは異なっている。重鎖は抗体分子の全てのアイソタイプに対応するギリシャ語
アルファベットの文字で命名されている。例えば、IgAはαを含み、IgDはδを含
み、IgEはεを含み、IgGはγを含み、IgMはμ重鎖を含んでいる。IgG, IgE及びI
gDはモノマーで循環している。上皮を経て体腔の粘膜の中に分泌されるIgA分子
はホモ二量体だが、一方IgM分子は五量体である。循環しているIgAは主として単
量体として存在する。IgA及びIgMの多量体はいわゆるJ鎖により安定化されてい
る。分泌IgA(S-IgA)は固有板に存在するB細胞により生産され、ポリ-免疫グロ
ブリン受容体(pIgR)により基底外側にある上皮細胞に取り込まれ、上皮細胞に
より運搬され、そして管腔側の粘膜に分泌される。IgA:J鎖:pIgR複合体が放出
された時に、pIgRはタンパク分解酵素により分解され、分泌成分(SC)と呼ばれ
るpIgR分子の一部分が残りIgA:J鎖複合体に結合する。このように、S-IgAはIgA
、J鎖、及びSCからなる複合体であり、後二者はジスルフィド結合によりIgA分子
に共有結合している。S-IgAは上皮性粘膜のタンパク分解性環境、例えば、気管
あるいは腸管に対して、極めて耐性があり、そしてそれらの部位において第一次
特異的免疫系を形成している。S-IgAは免疫調節効果を有し、それが結合する抗
原に対する耐性を誘導し得ることが示されている。
【0005】 各個体には108から1010個の構造的に異なる抗体が存在し、それぞれ固有のア
ミノ酸配列を抗原結合サイトに有している。抗体の配列多様性は主に、一定の定
常(C)部と区別されている可変(V)部と呼ばれる重鎖及び軽鎖のアミノ末端に
ある3つの短い部分に認められる。
【0006】 免疫グロブリンE(IgE)はアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、枯草熱、
アレルギー性(外因性)喘息、ハチ毒アレルギー、及び食物アレルギーのような
よくある病気として発現するいわゆる1型過敏症の原因である。アレルゲン特異
的IgEはIgEが仲介するアレルギーを持つ患者において過剰に生産される。IgEは
血液により全身に循環し、血液、種々の組織、あるいは粘膜表面にある好塩基球
及びマスト細胞上のIgEに対する高親和性Fc受容体に結合する。ほとんどのアレ
ルギー反応では、アレルゲンは吸入、摂取あるいは経皮により患者の体内に入る
。アレルゲンは予め生成され、既にマスト細胞及び好塩基球の表面にある高親和
性FcεRI受容体に結合したIgEに結合し、そしていくつかのIgE分子の交差結合を
生じ、種々のアレルギー症状を引き起こすヒスタミン及びその他の炎症伝達物質
放出の引きがねとなる。
【0007】 局所IgE仲介アレルギー反応がもっとも起こりやすい組織は結膜、鼻腔あるい
は咽頭中央部の粘膜(アレルギー性鼻炎)、気管の粘膜層及び消化管粘膜である
。このように、アレルゲンは吸気により呼吸気管に入り、そして呼吸気管の鼻腔
面あるいは気管支の粘膜表面に捕らえられる。空気中のアレルゲンもまた眼及び
鼻の湿った表面に捕らえられ、粘膜上に止まる。粘膜組織にはマスト細胞が高密
度に存在するので、ここに到達したアレルゲンはIgEに結合してマスト細胞を活
性化する可能性がある。
【0008】 アレルギーを処置するための治療方針及び治療方法は近年本質的に変化してい
ない。免疫活性を抑制するためのステロイドのような免疫抑制剤及び喘息症状を
緩和するための気管支拡張剤が長年にわたりアレルギー性喘息患者の主要な治療
法であった。脱感作免疫療法は重症患者にとっては最も重要な新しい治療法であ
るが、医学的進歩はアレルゲン物質の分類の改良、診断方法の改良、及び免疫療
法用のアレルゲン抽出物の良く管理された多種類のライブラリーを提供するに止
まっている。研究については、アレルゲン物質中のメジャーアレルゲン成分の同
定と単離が進められている。例えば、ブタクサ、室内塵ダニ、及びネコとイヌの
垢と唾液のメジャーアレルギー成分が同定されている。アレルゲン粒子、例えば
オオアワガエリ花粉が気管粘膜に到達した時には、メジャー及びマイナーアレル
ギー成分に分解する。
【0009】 多くの臨床的治療に抗体の使用が勧められている:MedImmune Inc.はヒト化抗
呼吸器シンシチアウイルス(RSV)モノクロナール抗体の使用を検討しており、
またヒトドナー血液から単離したポリクロナール抗RSVヒト免疫グロブリン製品
(RespiGam)を市販し、RSV感染の治療に使用している。MedImmuneはまたCMV感
染の治療用の抗CMV(サイトメガロウイルス)ヒト免疫グロブリン、CytoGamを市
販している。IDECとGenentechは共同して、再発または難治性の低度非ホジキン
リンパ腫を治療するために成熟B細胞及びほとんどの非ホジキンリンパ腫瘍に認
められるCD20を標的にしたキメラマウス-ヒトモノクロナール抗体(Rituximab)
の臨床試験を実施している。GalaGenはClostridium difficile抗生剤による下痢
の治療にウシポリクロナール免疫グロブリン(Diffistat-G)を使用する研究を
行なっている。スミスクラインビーチャム及びシェリング-プラウは臨床試験に
おいて好酸球性炎症及び気道収縮を阻止することが示されている抗IL-5モノクロ
ナール抗体を開発している。ある抗IgEモノクロナール抗体がGenentechによって
アレルギーの「スイッチを切る」ために開発されている。ヒト高親和性IgE受容
体(FcεRI)上の固有抗原決定基に特異的なヒト化キメラIgG1モノクロナール抗
体である抗体Rhu-Mab-E25は、注射による最初の投与後遊離IgE濃度を減少させる
ことが示されている。反復投与後には吸入したアレルゲンに対する初期及び後期
応答ともに弱める。治療に使用されている抗体の例には、RSVに対して鼻孔内に
使用する噴霧IgG(サンド);HNK20(Oravax)、抗RSV IgA;及び抗B群連鎖球菌I
gMモノクロナール抗体である4B9(ブリストルマイヤー-スクイブ)が含まれる。
その他の治療上有用なモノクロナール抗体としてはモノクロナール抗CD4抗体、
抗IL-2抗体及び抗IL-4抗体がある。
【0010】 IgGの微粒子のエアゾルを使用したRSV感染の免疫療法がPiazzaら(J. Infect.
Dis., Vol. 166, pp. 1422-1424, 1992)により開示されている。この研究では
、エアゾル化したIgGの5%溶液に15分間曝露することにより肺のウイルスが50分
の1に減少することが示された。Brown(Aerosol Science and Technology, Vol.
24, pp. 45-56, 1996)は呼吸器炎症疾患またはアレルゲン誘発喘息反応を抑制
するためにサイトカインの阻害剤または拮抗剤として抗体を使用することを開示
している。またウイルスまたは細菌の急性呼吸器感染を治療するために病原特異
的抗体の呼吸器局所投与について言及している。
【0011】 抗体リポソーム、すなわち免疫リポソーム、はMaruyamaら(Biochim. Biophys
. Acta, Vol. 1234, pp. 74-80, 1995)により開示されている。抗体でコーティ
ングしたリポソームは細網内皮系によるリポソームの取り込みを促進する。ヒト
モノクロナール抗体は抗腫瘍剤として有用であることが知られている。腫瘍細胞
の表面に認められるルイスY抗原に特異的なマウス/ヒトモノクロナールIgG抗体
はPaborjiらにより開示されている(Pharmaceutical Research, Vol. 11, No. 5
, pp. 764-771, 1994)。呼吸器感染症に対する受動エアゾル治療用の定量推進
剤エアゾルに抗体を使用することがBrownら(Journal of Immunological Method
s, Vol. 176, pp. 203-212, 1994)により示されている。呼吸気管における免疫
応答は呼吸器系の感染防御及び呼吸器アレルギー及び喘息の関係において非常に
重要である。モノクロナール抗体を含む免疫調節剤を呼吸気管へ効果的に指向さ
せることが呼吸器病原体に対する局所免疫を高めあるいは免疫が原因の呼吸器疾
患を減らすのに有用であることが示されている。吸入免疫共役体、免疫リポソー
ムあるいは免疫マイクロスフェアは癌細胞を死滅させるために(免疫共役体)、
あるいは免疫リポソーム及びマイクロスフェアの場合には種々の治療薬を内包し
て運搬する粒子として肺に適用される。IgM抗B群連鎖球菌モノクロナール抗体は
Gombotzら(Pharmaceutical Research, Vol, 11, pp. 624-632, 1994)により開
示されている。
【0012】 US 5,670,626では、粘膜組織にアレルゲン性分子が入るのを防ぐモノクロナー
ル抗体を使用することにより、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息及びアレル
ギー性結膜炎のようなIgEに仲介されるアレルギー疾患を治療するためにモノク
ロナール抗体の使用を提案している。抗体によるアレルゲン性分子の結合はアレ
ルゲンが粘膜上皮細胞に取り込まれるのを阻害すると考えられる。
【0013】 ある臨床的状況では、モノクロナール抗体の使用は特殊な欠点に関連する。モ
ノクロナール抗体は単一の抗原決定基を指向する。したがって、もしも標的が多
くの異なる抗原決定基を提示する複雑な性質であると、モノクロナール抗体に求
められる機能的能力は低下するかあるいは限界閾値よりも低下し標的が免疫認識
による除去を免れてしまう。
【0014】 また、モノクロナール抗体は単一の抗原決定基を指向するので、例えば抗原を
標的とする抗体の密度がアレルゲンの除去を行なうのに十分でないかもしれない
。補体の有効な活性化には高い標的抗体密度を必要とするが、単一特異性モノク
ロナール抗体では達成できないかもしれない。
【0015】 この様に、アレルゲンの場合には、モノクロナール抗体は単一抗原決定基指向
性であるので最適ではない。アレルゲンの大部分は複合タンパクであり、多くの
タンパク及びペプチド抗原決定基を含み、多くの変異体が存在する。したがって
、単一モノクロナール抗体製剤ではアレルゲン、例えば花粉粒子あるいはネコ垢
にあり得る抗原決定基の一部以上を完全にカバーすることは期待できない。この
ことは、もし抗体の望ましい臨床的効果が利用可能な抗体の抗原決定基の完全な
阻害にあるとするならば、単一のモノクロナール抗体では充分でないことを意味
する。さらに、もし密接に関連するアレルゲン、例えば花粉、からいくつかの相
同的アレルゲンに対するあるいは一つのアレルゲン源、例えば動物垢のいくつか
のタンパクに対する抗体製剤が作られたとすると、単一モノクロナール抗体は要
求される有効性に適合しなくなるであろう。
【0016】 しかしながら、Schwarzeと共同研究者 (Am. J. Resp. Crit. Care Med., Vol.
158, pp. 519-525, 1998)による論文は、ブタクサのメジャー抗原Amb a Iに対
するモノクロナール抗体の治療効果を、Amb a I及び全ブタクサ抽出物の両者で
感作及びチャレンジしたマウス(Balb/c)によるネズミアレルギーモデルにおい
て検討している。アレルゲン曝露以前にモノクロナールIgAを投与するとメタコ
リンチャレンジに対する気道反応性が減少し、そして肺の好酸球数及び血清中の
Amb a I特異的IgE濃度は減少することを示した。さらに、この研究はIgAの投与
が長期間のアレルギー脱感作効果を持つことを暗示する免疫調節効果を有するこ
とを示している。しかし、強調すべきことは、このアレルゲンモデルは単一のア
レルゲン、Amb a I、を使用してアレルギー様症状を誘発することに基づいてい
る。したがって、この研究は大部分のアレルギーが単一のアレルゲン粒子から由
来する多数のアレルゲンタンパク及び抗原決定基に対する反応により生じている
ことを考慮しておらず、これらのことはこの治療法においてポリクロナール抗体
混合物の必要性を主張している。さらに、ヒトのアレルギーは純系マウスに誘発
されたアレルギー様症状よりは全く複雑である(Inhal. Toxicol., Vol 12, pp.
829-622, 2000)。結局、アレルギー防止剤としてモノクロナール抗体の潜在的
有用性は限られたものである。最終的に、モノクロナール抗体は宿主細胞組織の
抗原構造と交差反応を示し潜在的に望ましくない副作用を生じる可能性がある。
これが生じた時には、交差反応は吸着により除くことは出来ない。したがって抗
原特異性及び標的選択性の望ましい組合せを作るためには非常に多数の異なるモ
ノクロナール抗体を生産する必要がある、そしてそれでもなお患者のことを考え
ると内因性自己抗原との交差反応の重要なリスクが残っている。
【0017】 別の問題はヒト抗マウス抗体(HAMA)反応の発生である。通常のネズミモノク
ロナール抗体はヒトレシピエントに対しては外来タンパクであり、したがってHA
MA免疫応答をしばしばレシピエントに引き起こし、治療有効性を減ずるのみなら
ず望ましくない副作用を生じる。この問題を避けるために、ヒト定常部(C)及
びネズミ可変部(V)を有するキメラモノクロナール抗体が開発された。さらに
超可変相補性決定領域(CDR)のみがマウスモノクロナール抗体から誘導された
ヒト化モノクロナール抗体及び最終的に、ヒト免疫グロブリン遺伝子を導入した
マウスにおいて生産したいわゆる完全ヒトモノクロナール抗体がこの問題を除去
するために開発された。しかし、同じV-領域を持つモノクロナール抗体を大量に
注射した時にV-領域特異性を決定するCDRに特異的に応答する抗イディオタイプ
抗体発生の可能性は存在する。
【0018】 以上概説したような理由により、ポリクロナール抗体を使用することが好まし
いことがしばしばある。
【0019】 WO 98/10776にはホスホリパーゼA2(PLA2)は多くの病気の原因に関係してお
り、慢性炎症を促進する炎症伝達物質として働くことが理論化されている。その
ため哺乳動物の新生物の治療に少なくとも一つのホスホリパーゼA2酵素と反応す
る血清を使用することが示唆されている。抗原に結合する抗体の局所投与により
アレルゲンの取り込みを阻止するためにポリクロナール抗体を使用すると言う考
えはまだ無い。
【0020】 US 4,740,371にはアレルゲン免疫療法の改良法が記載されており、それによる
とアレルゲンと抗体の免疫複合体は脱感作処置に使用され、抗体はアレルゲンに
対して過剰モル存在してアナフィラキシー反応を防いでいる。この治療において
抗体を含む目的は脱感作治療に対するアナフィラキシーショックのようなアレル
ギー性副作用のリスクを減らすことにある。抗原に加えられる抗体の比率は抗体
の中和能力により本質的に決まる。組成物が投与された時に実際上アレルゲンに
よるアレルギー反応が誘発されない様に充分の抗体が使用されるべきである。ア
レルゲン組成物へ抗体を添加することは単にアレルゲン曝露による副作用を回避
するための手段であって、治療はやはりアレルゲン免疫療法である。
【0021】 アレルギーの治療に通常のポリクロナール抗体を使用するにはいくつかの欠陥
がある。第一に、過免疫ヒト血清から精製したIgGの形のポリクロナール抗体は
供給が限られており、量的にアレルギー性疾患及びその他のよくある病気には不
十分である。また、ガンマグロブリン製剤は製造費が高価であり、また圧倒的大
部分非特異的ヒト血清免疫グロブリン反応性を含む混合性のために低い有効性を
示す。また、感染性微生物(肝炎ウイルス、HIV,プリオンなど)、または変異原
、サイトカイン及びトキシンを含む伝染性汚染物質のリスクが存在する。最後に
、製品間の変動が大きな問題として残る。供給の問題を解決するために、免疫し
た非ヒト動物の血清を含むポリクロナール抗体の異種資源が検討された。しかし
、そのような組成物は強い抗異種抗体応答を引き起こし、そしてアナフィラキシ
ショックあるいは血清病、並びに異種感染症の伝染のような重篤な副作用の実際
のリスクがある。
【0022】 US 5,789,208には新生物疾患を治療あるいは防止するためにワクチン治療及び
予防に組換えポリクロナール抗体の使用が記述されている。抗体は患者の免疫系
を追加免疫し、抗体が結合しそしてそれによって排除反応が始まる抗原の遅発認
識のために使用される。予防接種は有効になるまで繰り返すべきである。患者が
アレルゲンに曝露される前に、その間に、あるいはその直後の全く異なる時期に
ポリクロナール抗体を投与するアレルギーの治療にアレルゲンに反応するかある
いは結合するポリクロナール抗体を使用するという示唆はない。
【0023】 発明の要約 したがって、本発明は、活性成分としてアレルゲンに反応あるいは結合するこ
とができる組換えポリクロナール抗体または異なるモノクロナール抗体の混合物
または単離または精製ポリクロナール抗体と共に1以上の医薬として受容される
賦形剤を含む医薬組成物に関するものである。
【0024】 ほとんどの態様において、本発明の医薬組成物は組換えポリクロナール抗体ま
たは異なるモノクロナール抗体の混合物または単離または精製ポリクロナール抗
体が結合あるいは反応するアレルゲンを含んでいない。しかし、患者にアレルゲ
ン耐性を導入するいわゆる特異的アレルゲン免疫療法の間の特殊な場合には、耐
性誘導法の効果を可能にするあるいは増強するために、アレルゲン特異的ポリク
ロナール抗体はアレルゲン製剤と一緒に患者に投与される。
【0025】 別の態様では、本発明はアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、枯草熱、喘
息などのようなアレルギーまたはアレルギー状態の予防または治療のための医薬
組成物を製造するために望ましい特異性を有するポリクロナール抗体を使用する
ことに関係する。
【0026】 その他の態様では、本発明は、そのために患者がアレルギー反応を示すアレル
ゲンに反応あるいは結合することが出来るポリクロナール抗体の充分な量をそれ
を必要とする患者に投与することからなるアレルギーの予防または治療の方法に
関係する。
【0027】 ポリクロナール抗体の使用は、問題のアレルゲン標的に対してポリクロナール
抗体の多様な反応性の存在によりモノクロナール抗体の使用に比較して潜在的な
臨床上の利点を有している。複雑なアレルゲン標的上の抗原決定基全てに反応性
を持つポリクロナール抗体を作製し得る。組成物のポリクロナール性のために、
多くの抗原決定基特異性を包含し、ポリクロナール抗体を使用した時には複雑な
アレルゲン抗原上で達成される機能抗体密度はモノクロナール抗体よりも著しく
高い。このためより有効な阻止あるいは標的アレルゲンの除去を生じる。さらに
、組成物のポリクロナール性により、関連したアレルゲンに部分的に共通したい
くつかの抗原決定基との幅広い反応性のために、関連した、相同性アレルゲンア
イソタイプ上の抗原決定基を認識しそして阻害することができ、モノクロナール
抗体では出来ない何かができる。
【0028】 さらに、IgAあるいはIgGアイソタイプのアレルゲン特異的ポリクロナール抗体
はアレルゲンに対する耐性を誘導することにより免疫調節効果を有するであろう
、そしてアレルギーの長期治療効果を有しまたは治療の必要性を減ずることが期
待される。このように、本発明のその他の態様はアレルゲンに対する耐性を誘導
する予防的治療に本発明の医薬組成物を使用することに関係している。アレルギ
ー反応が未だ観察されていないが家族歴または遺伝分析によりあるアレルゲンに
対するアレルギーが発生する可能性がある入院患者に使用し得る。
【0029】 さらに、モノクロナール抗体とは対照的に、ポリクロナール製剤は混合した特
異性を含んでおり、それゆえに単一の個別の交差反応特異性イディオタイプは非
常に低い濃度で供給される、その結果交差反応性による有害な副作用の可能性を
著しく減ずる。言い換えると、望ましくない組織交差反応性による有害な副作用
の可能性はポリクロナール抗体試薬中では稀釈により消失している。さらに、ポ
リクロナール抗体製剤の望ましくない交差反応性は吸着により取り除くことが出
来る。もしモノクロナール抗体が望ましくない交差反応性を生じたら、単一の抗
体に内在しており、勿論製剤の活性を破壊せずに取り除くことはできない。
【0030】 また、交差反応性の可能性を減少させることに関するポリクロナール抗体の性
質と同様に、ポリクロナール抗体は抗イディオタイプ免疫応答の中和を誘導する
ことがモノクロナール抗体よりも少ないであろう、なぜなら投与されたポリクロ
ナール抗体製剤の各単一抗原決定基特異的イディオタイプは非常に低い量または
濃度で存在し、抗イディオタイプ応答を発生させる閾値以下であるから。
【0031】 通常のポリクロナール抗体を過免疫のヒトから精製したIgG(制限された供給
、高い製造費)または正常動物の血清(抗異種抗体応答、アナフィラキシーショ
ック)の形で使用する際のいくつかの欠点は、血清またはヒト免疫クロブリン遺
伝子を導入した動物の生物資源を使用することである。そのような動物はアレル
ゲンで免疫することができ、そして完全にヒト配列のアレルゲン特異的ポリクロ
ナール抗体製品を単離する資源として使用する。
【0032】 粘液分泌物が嚥下された時に鼻孔面上の免疫複合体は除去されるであろう。気
管及び気管支の粘膜表面上にある免疫複合体は口腔に排出され、唾液と混合し、
嚥下され、そして消化管で消化される。粘膜表面上の粘液中からアレルゲン性分
子を吸着し除去し、そして粘膜上皮細胞による複合体アレルゲンの取り込みを阻
止することを効果的に行なうために、アレルゲン特異的抗体をマイクロスフェア
を構成するポリマー骨格あるいはマイクロビーズに結合することができる。
【0033】 本発明の医薬組成物は溶液、分散体、粉末、としてあるいはマイクロスフェア
の形態として製剤化することができる。
【0034】 発明の詳細な説明 用語「抗体分子」は、1以上の可変抗原結合ドメイン及び定常部を含む単一の
抗体タンパク分子またはそのフラグメントのことである。抗体分子は通常単一特
異性であるが、イディオ特異性、ヘテロ特異性、多特異性あるいは望ましくない
特異性ということもある。非免疫化学的結合の意味を除いて非特異的ではありえ
ない。抗体分子は抗原の特異的抗原性決定基すなわちエピトープに特異的に結合
する部位により結合する。
【0035】 まとめると、抗体は、構成員の一部または前部が特異的抗原決定基と反応する
ことができる分子の集団として存在する。したがって、本文脈においては、用語
「抗体」とは抗体分子の組成物/混合物/集団のことであり、例えば、哺乳動物か
ら得た抗血清または免疫血清の機能的組成物として認められ、あるいはヒトまた
は動物資源からまたは形質転換動物及びファージディスプレイ法または通常のハ
イブリドーマ技術を含む組換え技術により調製された類似の機能性を持つモノク
ロナールあるいはポリクロナール抗体組成物のなかに認められる。
【0036】 用語「ポリクロナール抗体」は1以上の抗原決定基と反応する異なる抗体分子
の混合物のことをいう。
【0037】 本申請においては、用語「ポリクロナール抗体」は哺乳動物の血液、分泌物、
またはその他の体液、または卵から単離あるいは精製されたポリクロナール抗体
並びに異なるモノクロナール抗体の混合物を包含し、最終的にポリクロナール抗
体を組換えポリクロナール抗体として作ることができる。
【0038】 用語「組換えポリクロナール抗体」とは組換え技術を使用して作られたポリク
ロナール抗体のことであり、そのようなポリクロナール抗体を以降シンフォボデ
ィーと命名する。したがって、シンフォボディーは異なる抗体分子を高濃度に含
み、その全てまたは大部分は1以上の抗原決定基からなる抗原に対して望ましい
結合活性を示す。
【0039】 シンフォボディーは、イースト、茸、昆虫、植物または哺乳動物の細胞を含む
真核細胞中、または細菌のような原核細胞中での発現による組換えDNA技術によ
り、またはウイルスベクターからの発現として、または遺伝子治療を通して、ま
たは動物において導入遺伝子の発現により、作製することができる。
【0040】 望ましくは、シンフォボディー調製品中の抗体分子の少なくとも85%が標的特
異的であり、より望ましいのは少なくとも90%が標的特異的であり、さらに望ま
しいのは少なくとも95%が標的特異的であり、最も望ましいのはシンフォボディ
ー調製品中の全ての抗体分子が標的特異的である。
【0041】 用語「異なるモノクロナール抗体の混合物」は2以上の異なるモノクロナール
抗体の混合物を意味する。本申請において用語「2以上」は2から100のことであ
り、望ましいのは3から60、より望ましいのは5から40、最も望ましいのは10から
25の異なるモノクロナール抗体である。
【0042】 用語「単離または精製ポリクロナール抗体」は哺乳動物の血液、分泌物、また
はその他の体液、または卵から単離あるいは精製されたポリクロナール抗体を意
味する。
【0043】 表現「抗体、ポリクロナール抗体、組換え抗体、異なるモノクロナール抗体の
混合物及び単離または精製ポリクロナール抗体」はすべて言及した抗体の機能的
フラグメントを包含することは了解されるべきである。
【0044】 組換えポリクロナール抗体を調製するために現在好まれている方法はポリクロ
ナール抗体ライブラリー(PCAL)を作製することによる方法であり、例えばUS 5
,789,208 (to J.Sharon)に開示されており、その全体をここに参考として取り入
れた。
【0045】 さらに詳述すると、医薬組成物に含まれるポリクロナール抗体は動物、多分哺
乳動物、を選択したアレルゲンで免疫し次いで抗体生産Bリンパ球を血液、骨髄
、リンパ節、または脾臓から単離して調製することができる。その他には、抗体
生産細胞を動物から単離し、そして抗体を作製すべきアレルゲンにインビトロで
曝露する。抗体生産細胞は抗体生産細胞の集団を得るために培養するが、必要が
あれば骨髄腫のような不死化細胞系と融合させた後に培養する。
【0046】 より望ましくは、完全なヒトポリクロナール抗体を作るために出発材料として
Bリンパ球をアレルギー患者の組織から単離する。
【0047】 本組成物は、完全なヒトポリクロナール抗体を作製するために出発材料として
ヒト免疫グロブリン遺伝子を導入したマウス、ラット、ブタ(イノシシ)、ヤギ
、ウシなどの動物の適当な組織を使用して作製することができる。
【0048】 特に、ヒト免疫グロブリン遺伝子を導入したマウスまたは他の動物の場合には
(例えば、US 5,939,598に開示されているように)、Bリンパ球の抽出あるいは
ポリクロナール血清の精製により動物からポリクロナール組成物を調製する前に
動物を免疫して特異的抗体のインビボ生成及び抗体生産細胞を刺激することがで
きる。
【0049】 コンビナトリアルライブラリーをクローニングベクター中のVL及びVHを無作為
に会合させることにより免疫したBリンパ球から調製することができる。組換え
ポリクロナール抗体は、つまり可変部軽鎖及び重鎖遺伝子対を一つのベクターか
ら別のベクターへ一括転移させるために免疫グロブリン重鎖可変部及び軽鎖可変
部遺伝子部分を共に無作為に結合する、一方アレルゲンに反応するかあるいは結
合することができる抗体分子をコードする免疫グロブリン可変部軽鎖及び重鎖遺
伝子部分対を親ライブラリーから選択する際にそれらが存在する時の特異的免疫
グロブリン可変部軽鎖及び重鎖遺伝子部分の安定した組合せができるような条件
下に作製される。
【0050】 一細胞中の本来のVL及びVHの組合せを保つように単一細胞PCRを使用できる。
この場合に動物またはヒトから単離された抗体生産Bリンパ球を固定液つまりホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどのような化学物質を含む溶液で固定す
る。
【0051】 細胞は次いで例えばBrij、Tween、ポリソルベート、Triton X-100などのよう
な界面活性剤を含む透過性亢進液で透過性を亢進する。固定及び透過性亢進の操
作により充分な多孔性を与え、細胞構造あるいは核酸の不都合な破壊をせずに酵
素、ヌクレオチド及びその他の試薬を細胞中に入り込めるようになる。加えた酵
素及びヌクレオチドは細胞の中に入り、細胞のVL及びVH mRNAは対応するcDNA
の中に逆転写される。
【0052】 逆転写は、逆転写酵素、重合を開始する逆転写酵素に3'水酸基を提供するmRNA
に結合する充分な量の4つのdNTP及びプライマーを使用して、一段階あるいは必
要に応じてPCR法と共に行われる。mRNAに相補的なプライマーを使用し得るが、
可変部mRNAの選択を促進するためにVH及びVL分子の3'-末端に相補的なプライマ
ーを使用することが望ましい。
【0053】 逆転写の際に、生成したcDNA配列は免疫グロブリン遺伝子、そして特にVH及び
VLの末端領域核酸に特異的なプライマーを使用するPCRにより増幅することがで
きる。PCR手順は例えばUS 4,683,195の記載に従うことが出来る。望ましくは、c
DNAはPCR増幅されそしてcDNAプライマーに加えてVH領域遺伝子の5'末端に対する
1つのプライマー及びVL遺伝子の5'末端に対するもう一つのプライマーを使用
して同じ反応で結合する。これらのプライマーは余分な配列の相補的尾も含んで
おり、VH及びVL遺伝子の自己組み立てをすることが出来る。PCR増幅及び結合の
後、混合生成物、言い換えると混合可変部を得る機会は少ない、なぜなら増幅及
び結合反応は各細胞内で行われているからである。混合のリスクはさらにジゴキ
シゲニン標識ヌクレオチドのような嵩張った試薬を使用することにより減少し、
V領域cDNA対は細胞空間からはなれず混ざり合うことがなく、PCR増幅及び結合の
間細胞内に止まっていることを確実にしている。増幅された配列は相補的末端配
列のハイブリダイゼーションにより結合する。結合の後、配列は細胞から取出す
ことが出来る。例えば、結合の後、細胞をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の溶
液で洗うことが出来る。SDSは氷上でインキュベーションの後細胞を沈殿させ、
そして上清をアガロースまたはアクリルアミドゲル中で電気泳動処理することが
出来る。その他には、SDS処置と組み合わせて、ジゴキシゲニン結合ヌクレオチ
ドのような試薬を使用して、合成されたDNA生成物を細胞内に残し、そして増幅
する。結合生成物を上清の電気泳動により回収する。
【0054】 上清の電気泳動の後、結合生成物に適合する分子量に相当するゲルスライスを
取出し、DNAを例えばシリカビーズ上に単離する。回収したDNAは必要があれば末
端プライマーを使用してPCR増幅することができ、そしてプラスミド、ファージ
、コスミド、ファージミド、ウイルスベクターあるいはそれらの組み合わせであ
るベクターの中にクローン化する。クローニングを促進するために便利な制限酵
素部位をハイブリッド配列の中に組み込む。これらのベクターは後に使用するた
めに結合した可変部のライブラリーとして保存することが出来る。
【0055】 結合したVH及びVL領域遺伝子を末端に結合したプライマーを使用して二回目の
PCR増幅を行なうことができ、結合したVH及びVL遺伝子領域をコードするDNAフラ
グメントの集団を得る。VH及びVL組合せの群分けはこの方法の利点であり、これ
及び全てのクローニング操作の間全てのクローン及び全てのDNAを大量にあるい
は一括して移動することができる。
【0056】 望ましくは、組換えポリクロナール抗体は次のような条件で作製される、すな
わち、ファージからベクターへを含みまた元の細胞からファージまたはベクター
へを含めて一つのベクターから別のベクターへ可変部軽鎖及び重鎖対を一括移動
するために、免疫グロブリン重鎖可変部及び軽鎖可変部遺伝子部分は頭と頭の方
向で結合する、その結果動物またはヒト個体の最初のポリクロナール免疫応答に
おいてみとめられるように、特異的免疫グロブリン可変部軽鎖及び重鎖遺伝子部
分の安定した組合せを生じる。
【0057】 可変部遺伝子配列を変異誘発剤で処理することが望ましい場合がよくある。変
異誘発剤は点変異、ギャップ、欠失、または挿入を遺伝子配列中に創る、そして
それは一般的であるか特異的であるか、または無秩序であるか部位特定的であり
得る。有用な変異誘発剤としては、紫外線、ガンマ照射、臭化エチジュウム、ソ
ラーレン及び核酸誘導体、または制限酵素、転移酵素、リガーゼ及び特異的及び
非特異的ヌクレアーゼ及びポリメラーゼのようなDNA修飾酵素がある。さらに変
異株を使用することも適しているであろう。特に、オリゴヌクレオチド指向突然
変異誘起により無作為突然変異をVH及びVL領域遺伝子のCDRに導入することがで
きる。遺伝子配列に突然変異を導入することは、最終的にライブラリーの複雑さ
及び多様性並びに抗原に対する親和性を増加し、それはさらに治療におけるライ
ブラリーの有用性を増加するであろう。さらに、そのような突然変異誘起は単一
VH及びVL対または新規にライブラリーを作成するそのような対の限定的群に使用
することができるであろう。
【0058】 クローニングは、例えば、cDNA及びベクター配列を制限酵素で切断し、必要が
あればある核酸フラグメントを単離し、平衡塩類溶液中でリガーゼの存在下にフ
ラグメントを一緒に混合し、そしてこの混合物を酵素が働く条件下で一定時間イ
ンキュベートする。cDNAの両末端の異なる酵素認識部位を使用して、クローニン
グ方向を予め定めることができる。
【0059】 ベクターを適当な宿主細胞に導入しそして培養によりライブラリーを含む異な
るベクターの集団を拡大するために増殖する。原核ベクターの宿主細胞はEscher
ichia coliのような培養細菌であり得る。真核ベクターの宿主細胞は組織培養に
適する哺乳動物、昆虫またはイースト細胞系のような真核細胞の培養であり得る
。細菌細胞は塩化カルシウム‐熱ショックまたは電気穿孔によりベクターで形質
転換されるが、その他の多くの形質転換方法も適用し得る。真核細胞はリン酸カ
ルシウム沈殿または電気穿孔により形質転換されるが、その他の多くの形質転換
方法も適用し得る。DNAフラグメントを原核または真核発現ベクターの中にクロ
ーン化することができる。発現ベクターはプラスミド、コスミド、ファージ、ウ
イルスベクター、ファージミド及びそれらの組合せであり得るが、スクリーニン
グ及び選択を容易にするために組換え生成物がファージ表面に発現されるファー
ジディスプレーベクターが望ましい。有用な転写及び翻訳部位は、TATAボックス
部位、CAT部位、エンハンサー、適当なスプライシング部位、必要があればATリ
ッチ末端領域及び転写開始領域のようなRNAポリメラーゼ認識領域を含む発現ベ
クター上に置かれる。翻訳を促進する有用な部位には翻訳開始及び停止部位及び
リボソーム結合部位が含まれる。典型的に、SV40, CMV, HSVまたはバクロウイル
スプロモーター/エンハンサー領域のような有効な真核発現のための有用な部位
の一部はウイルスから導入する。得られた組換え抗体はネズミのクラスIgG1, Ig
G2a, IgG2b, IgM, IgA, IgDまたはIgEであり、ヒトのクラスIgG1, IgG2, IgG3,
IgG4, IgM, IgA1, IgA2, IgDまたはIgE、またはそれらの組合せまたはフラグメ
ントであり得る。望ましくは、キメラ抗体ライブラリーは主にIgG抗体またはFab
抗体フラグメントから構成される。
【0060】 求める特異性を持つ組換えポリクロナール抗体を選択するには例えば関連抗体
特異性を示すファージ粒子を結合するためのアレルゲン‐コーティング表面を使
用する親和性選択(パンニング法)により実施することができる。ファージライ
ブラリー中の大部分のファージは洗浄により除去されそして結合したファージ粒
子は激しい条件(流出)により取出す。選択操作の後、ファージ粒子の選択され
たライブラリー中にあるVL及びVH抗体遺伝子対は、完全な抗体分子またはFabフ
ラグメントのようなフラグメントとして組換えポリクロナール抗体を発現するよ
うに設計した異なるベクターの中に再クローン化することができる。
【0061】 組換えポリクロナール抗体を作製するための組換えDNA技術を使用することは
原価効率の良い抗体作製方法であり、そして求める特異性を持ち性質が明らかな
ポリクロナール抗体調製品により従来のポリクロナール抗体血清及び個別のモノ
クロナール抗体における上記の問題を解決し、アレルギーあるいは喘息のような
アレルギー状態を予防あるいは治療するためにそのような薬物を使用できるであ
ろう。
【0062】 医薬組成物 望ましい態様において、本発明の医薬組成物は粘膜、例えば、咽頭中央部、鼻
腔、気管、消化管、眼例えば結膜粘膜、膣、泌尿生殖器粘膜への局所投与/適用
あるいは皮膚への適用を意図したものである。
【0063】 医薬組成物の特に関心のある使用方法は鼻、気管支または肺の粘膜への適用で
ある。特に、吸入ポリクロナール抗体を使用するアレルギーの局所治療は特にそ
のような薬物の有用な適用方法であろう、そしてこれは安価に製造でき、無害で
毒性が無く、そして人口の大きな割合の人々を苦しめている疾患を目標にした新
規な治療法または予防法の発見及び開発を可能にする。
【0064】 ポリクロナール抗体を特に肺へ最適に供給するために、ホスホグリセリド、例
えば、ホスファチジルコリンのような界面活性剤及び/または陽性あるいは陰性
に荷電した疎水性または親水性の賦形剤及び反対に荷電した荷電抗体を添加する
ことが有用であろう。
【0065】 ポリクロナール抗体を呼吸気管に供給することを目的とする医薬組成物に適し
たその他の賦形剤は、次のグループに含まれる、a) 炭水化物、例えば、フルク
トース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルビオース、等の単糖;
ラクトース、トレハロース、セロビオースなどの二糖;2-ヒドロキシルプロピル
-β-シクロデキストリンのようなシクロデキストリン;ラフィノース、マルトデ
キストリン、デキストラン等の多糖;b)グリシン、アルギニン、アスパラギン酸
、グルタミン酸、システイン、リジンなどのアミノ酸; c)クエン酸ナトリウム
、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸ナトリウム
、塩酸トロメタミン等の有機酸及び塩基から作られる有機塩; d)アスパルテー
ム、ヒト血清アルブミン、ゼラチン、等のペプチド及びタンパク; e)マンニト
ール、キシリトール、等のアルジトール; f)キトサンまたはキトサン塩または
誘導体のようなポリカチオンポリマー。
【0066】 何年もの間ある薬物はヒトの種々の病状を治療するために経口吸入(肺分布)
のための分散薬剤を形成するのに適した組成物で販売されてきた。そのような肺
に薬物を供給する組成物は分散剤中の活性薬物が肺に到達できるような薬物分散
体を患者が吸入することにより供給されるように設計されている。
【0067】 肺への薬物の供給そのもは異なる方法により行なうことができる、例えば、液
体噴霧器、エアゾル定量吸入器(MDI)及び乾燥粉末分散体吸入器。クロロフロ
ロカーボン(CFC)を使用するMDIは環境を汚染すると言う理由で使用されなくな
った。CFCエアゾル技術を使用しない乾燥粉末分散体吸入器は乾燥粉末として容
易に製剤化できるので薬物供給には優れている。多くの不安定な高分子はそれだ
けであるいは適当な担体と組合わせて凍結乾燥またはスプレードライ粉末として
安定に保存できる。
【0068】 抗体を含めて多くの医薬組成物は非常に高価である。したがっで、最少のロス
で乾燥粉末を製剤化し、操作し、包装し、供給できることが重要である。
【0069】 携帯式及びその他の粉末供給装置にとって重要な基準は効率である。総投与量
に達するまでに必要とする吸気回数を減らすために供給される用量は比較的高い
ことが重要である。適当な分散及び少ない分散容量を達成できることが重要な技
術目標であり、粉末組成物の各単位用量が容易にそして信頼性を持って分散し得
ることが要求される。ある肺供給装置、例えばU.S. Pat. No. 5,797,392, U.S.
Pat. No. 5,458,135及び国際特許公報WO 96/09085に開示されているものは乾燥
粉末薬物を肺に供給するために有用である。本組成物のその他の投与形態として
は液体、ゲル、軟膏または眼投与に適した製剤、スプレー、エアゾル、粉末、ま
たは鼻腔中への投与のための組成物、チューインガム、パスタまたは口腔用の組
成物、クリーム、軟膏、ローション、ゲルまたはその他の皮膚に適用するのに適
した組成物、膣剤、ゲルまたはその他の膣または泌尿生殖器粘膜に適用するのに
適した組成物または消化管に投与するためにカプセルまたは錠剤に製剤化される
。皮膚適用のためには、ポリクロナール抗体は1以上の次の賦形剤で製剤化され
るのが適している:溶剤、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、キレート剤、抗酸化剤、安
定剤、乳化剤、懸濁剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、浸透促進剤、香料、及び皮膚保
護剤。
【0070】 溶剤の例としては、例えば、水、アルコール、植物または鉱物油(例えば、ア
ーモンド油、ヒマシ油、カカオバター、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、
亜麻実油、オリーブ油、ヤシ油、落花生油、ケシ実油、アブラナ油、ゴマ油、ダ
イズ油、ヒマワリ油、及び茶実油などの食用油)、鉱物油、脂肪油、液体パラフ
ィン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、液体ポ
リアルキルシロキサン、及びそれらの混合物がある。
【0071】 緩衝剤の例としては、例えば、クエン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、一水素リン酸
、ジエチルアミンなどがある。
【0072】 組成物に使用するための保存剤の適当な例としては、p-ヒドロキシ安息香酸メ
チル、エチル、プロピル、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピル
パラベン、のようなパラベン類、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、安息香酸、
安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ブロノポール、ブロニドックス、MDM
ヒダントイン、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニール、EDTA、塩化ベンザルコ
ニウム及びベンジルアルコールまたは保存剤の混合物、がある。湿潤剤の例はグ
リセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、乳酸、尿素、及びそれらの混
合物である。
【0073】 抗酸化剤の例はブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸及び
その誘導体、トコフェロール及びその誘導体、システイン、及びそれらの混合物
である。乳化剤の例は天然に存在するガム、例えば、アカシアガム、またはトラ
ガカントガム;天然に存在するホスファチド、例えば、ダイズレシチン;ソルビ
タンモノオレイン酸誘導体;羊毛脂;羊毛アルコール;ソルビタンエステル;モ
ノグリセリド;脂肪アルコール;脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸のトリグリセ
リド);及びそれらの混合物である。
【0074】 懸濁剤の例は、例えば、セルロース及びセルロース誘導体、例えば、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラゲナン、アカシアガム、アラ
ビアゴム、トラガカント、及びそれらの混合物である。
【0075】 ゲル基剤、増粘剤または傷からの浸出液を吸収することができる成分の例は:
液体パラフィン、ポリエチレン、脂肪油、コロイド状シリカまたはアルミナ、亜
鉛石鹸、グリセロール、プロピレングリコール、トラガカント、カルボキシビニ
ールポリマー、マグネシウム‐アルミニウムシリカ、CarbopolTM、親水性ポリマ
ー、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びその
他のセルロース誘導体のようなデンプンまたはセルロース誘導体、水膨潤性ヒド
ロコロイド、カラゲナン、ヒアルロン酸塩(例えば、追加して塩化ナトリウムを
含むヒアルロン酸ゲル)、及びプロピレングリコールアルギン酸を含むアルギン
酸塩である。
【0076】 軟膏基剤の例は、例えば、蜜蝋、パラフィン、セタノール、パルミチン酸セチ
ル、植物油、脂肪酸のソルビタンエステル(Span)、ポリエチレングリコール、
及び脂肪酸のソルビタンエステル及びエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、
モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween)である。
【0077】 疎水性あるいは水乳化軟膏基剤の例はパラフィン、植物油、動物脂肪、合成グ
リセリド、ワックス、ラノリン、及び液体ポリアルキルシロキサンである。親水
性軟膏基剤の例は固形マクロゴール(ポリエチレングリコール)である。軟膏基
剤のその他の例はトリエタノールアミン石鹸、脂肪アルコール硫酸エステル及び
ポリソルベートである。
【0078】 その他の賦形剤の例は、ポリマー、例えば、カルメロース、カルメロースナト
リウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ぺクチン、キサンタンガム、イナゴマメガム、
アカシアガム、ゼラチン、カルボマー、ビタミンEのような乳化剤、ステアリン
酸グリセリン、セタングルコシド、コラーゲン、カラゲナン、ヒアルロン酸塩、
及びアルギン酸塩及びキトサンである。
【0079】 ポリクロナール抗体にとって局所効果が得られることが通常は望ましい。消失
及びしたがって活性を、マイクロスフェア、リポソーム、抗体分子の電荷と反対
の陽性または陰性に荷電した賦形剤との複合体により実質的に調節して持続させ
ることができる。
【0080】 ポリクロナール抗体の治療的使用 望ましい態様において、本組成物に含まれるシンフォボディーは、結膜及び鼻
咽頭アレルゲン、並びに呼吸気管またはその他身体に入ったアレルゲンと反応/
結合するものである。よくある吸入アレルゲンに対するポリクロナール抗体、例
えばシンフォボディー、の予防的または治療的吸入はアレルギー感作を起こす前
にアレルギー原因物質を阻止し、中和し、呼吸気管から除去することを助けてア
レルギーの原因を直接取り除くことを目的としている。
【0081】 このように、本発明のこの態様は、IgE分子との結合に使用されるアレルゲン
抗原決定基を阻害することによりアレルゲン吸入の影響をポリクロナール抗体の
吸入により中和する可能性に関するものである。また、ポリクロナール抗体の結
合は、アレルギー応答を誘導すること無くアレルゲンの食作用及び分解を仲介す
ることにより、またIgAまたはIgGとの免疫複合体に捕らえられたアレルゲンは粘
膜粘液と共に呼吸気管から咽頭へ上方に排除されそして最後に消化管に嚥下され
ることにより、アレルゲンの排除効果を生じることが予想される。
【0082】 最後に、アレルゲン特異的ポリクロナール抗体、例えば、アレルゲン特異的Ig
Eの結合に関して阻害するIgGまたはIgAアイソタイプのシンフォボディー、の粘
膜投与は、アレルギー患者においてアレルギーを継続させると考えられているTH 2型優位Tリンパ球のアレルゲンに対する応答を誘導するTリンパ球に対するIgE仲
介抗原提示を阻害すると言う仮説が立てられている。実際に、アレルゲン特異的
ポリクロナール抗体、例えば、シンフォボディーの阻害が存在するとT細胞に対
するIgGまたはIgA仲介抗原提示を生じ、その結果優先的にTH1型Tリンパ球のアレ
ルゲンに対する応答を促進し、それによりアレルギー性炎症反応の悲惨な循環を
中断する。
【0083】 例えば花粉のアレルゲン抗原決定基はいくつかのパンタクに由来するので、単
一の吸入抗体が機能するためには、もし個別のイディオタイプ特異性/抗原反応
性が多くなければ、いくつかの抗体を含む必要があるであろう。この点に関して
は、ポリクロナール抗体はモノクロナール抗体よりもはるかに優れているように
思われる。
【0084】 結局、ポリクロナール抗体組成物は、アレルギー性鼻炎、枯草熱、アレルギー
性結膜炎、及びアレルギー性(外来性)喘息、並びに食物アレルギーを含む全て
のタイプのアレルギーの予防及び治療に使用することができる。特に、これに限
定するものではないが、本発明のポリクロナール抗体は以下のアレルゲンと反応
/結合するものである:室内塵ダニ(例えば、Dermatophagoides farinaeまたは
D. pteronyssimus);ネコ、イヌ、またはウマの垢;シラカバ(Betula alba)、
ハンノキ、ハシバミ、オーク、ヤナギ、プラタナス、ブナ、ニレ、カエデ、トネ
リコ、及びシデの木の花粉;オオアワガエリ(Phleum pratense)、イチゴツナ
ギ(Poa pratense)、ライグラス(Lolium perenne)、カスガヤ(Dactylis glo
merata)、ブタクサ(例えば、Ambrosia artemisiifolia)、スイートバーナル
グラス(anthoxanthum odoratum)及びライムギ(Secale cereale)の草の花粉
;または菌(例えば、Alternaria, Aspergillus, Cladosporium, 及び Penicill
ium)。さらに、アレルゲン特異的ポリクロナール抗体、例えば、シンフォボデ
ィーは食物アレルゲン(例えば、落花生及びその他のナッツ類、貝、卵、ミルク
、トウモロコシ)またはハチ毒アレルゲンのような物質に対するアレルギーの治
療に使用することができる。これらのアレルゲンの多くは特性が明らかにされた
タンパクとして販売業者から購入することができる。
【0085】 ヒトにおいてアレルギーの治療または予防に有効なポリクロナール抗体の用量
は治療すべきアレルギー状態の型及び重篤度、アレルゲンの型、年齢及び患者の
状態などによって異なる。投与するポリクロナール抗体の典型的用量は単位投与
形態当たり1μgから1g、望ましいのは1-1000μg、より望ましいのは2-500、さら
に望ましいのは5-50、最も望ましいのは10-20μgである。
【0086】 実験 本発明を以下の例に詳細に記述するが、これは請求項に示した発明の範囲を限
定することを全く意図していない。
【0087】 シンフォボディーライブラリー作製のためのマウスの免疫 BALB/cマウスの皮下(s.c.)または腹腔内(i.p.)に例えば、フロイント完全
アジュバントに入れた1mgのアレルゲンタンパクを投与して免疫する。免疫は組
換えアレルゲンタンパク(例えば、Der p 1)または天然アレルゲン抽出物を使
用して実施する。追加免疫は2ないし3週間間隔で不完全フロイントアジュバント
を用いて行なう。脾臓及び/または骨髄を最終免疫の3日後に取出し、US 5,789,2
08の記述にしたがってシンフォボディーの調製に使用する。
【0088】 アレルギー患者試料からシンフォボディーライブラリーの作製 シンフォボディーライブラリーは、病歴、皮膚プリックテスト、放射性アレル
ゲン吸着試験(RAST)、またはIgGまたはIgE免疫ブロットによる患者血清とアレ
ルゲン抽出物の反応性または精製組換えアレルゲン(例えば、花粉アレルゲンま
たは動物アレルゲン)に対する反応性によって性格が明らかにされているアレル
ギー患者から採取した血液または骨髄サンプルから調製する。
【0089】 アレルゲンに結合する抗体はELISAにより検出される50から1000 ngの間のアレ
ルゲン、分解したアレルゲン、または組換えアレルゲンをNunc Maxisorp 96ウエ
ルマイクロタイタープレートのウエル上にコーティングする。ゼラチンまたはBS
A並びにTween-20を含むPBS中で洗った後ウエルをゼラチンまたはBSAを使用して3
7℃で1時間ブロックする。次いでウエルを洗いそしてポリクロナール抗体、例え
ば、シンフォボディー、血清または気管支肺胞洗浄(BAL)から由来したネズミ
またはヒトIgE、IgGのいずれかでインキュベートする。繰り返し洗浄した後、結
合した抗体は、二番目にビオチン化抗マウスあるいは抗ヒト免疫グロブリンと、
次いでAPアビジン及びpNPP基質と続けてインキュベートすることにより検出する
。予め調べたアレルゲン特異的モノクロナール抗体を陽性対照として使用し、異
なる、関連の無い特異性を持つモノクロナール及びポリクロナール抗体を陰性対
照として使用する。
【0090】 一部の実験では、競合ELISAにおいてはポリクロナール抗体インキュベーショ
ンの前に性質の明らかなモノクロナール抗体とのインキュベーションを先行させ
た。
【0091】 アレルゲンに対する患者由来IgEの結合のポリクロナール抗体による阻害 アレルゲン抽出物と患者由来IgEの結合をIgEに対する競合ELISA(以下の変更
をした上記プロトコールと同じ)あるいは調製用SDS-PAGE及びウエスタンブロッ
ティングにより検討した。ELISAウエルのコーディングあるいはアレルゲン、分
解アレルゲン、または組換えアレルゲンを使用したアレルゲン電気泳動の後、ア
レルゲンでコーティングした表面をゼラチンまたはBSAでブロックし、次いでア
レルゲン特異的ポリクロナール抗体と4℃で3-4時間インキュベーションする。次
いで、サンプルを1:5に希釈した患者血清またはBAL IgEと4℃で3-4時間インキ
ュベーションし、そして結合したヒトIgE抗体を、例えば、125I標識抗ヒトIgE抗
体(RAST;Pharmacia)で検出し、そしてオートラジオグラフィーにより可視化す
る。マウスIgGの結合は上記のように検出する。
【0092】 電気泳動及びウエスタンブロッティングによるアレルゲン抽出物とのポリクロナ
ール抗体反応性の解析 アレルゲン抽出物はSDS-PAGEにより分離し、そしてニトロセルロースストリッ
プ上に免疫ブロットし、次いで抗体調製品(患者血清、マウス血清、ポリクロナ
ール抗体、例えば、シンフォボディー、または対照モノクロナール抗体)とイン
キュベートする。一部の実験では、1つアレルゲンに対して作製したポリクロナ
ール抗体の交差反応性を同一対応アレルゲンのパネルに対するELISAまたはウエ
スタンブロッティングの試験により調べた。
【0093】 アレルゲンとポリクロナール抗体のプレインキュベーションによるヒト好塩基性
顆粒球からのアレルゲン誘発ヒスタミン放出の抑制 ヘパリン加血液サンプルをアレルギー患者から採取し、顆粒球をデキストラン
沈降により単離する。組換えアレルゲン、分解アレルゲンまたはアレルゲン抽出
物をアレルゲン特異的ポリクロナール抗体、例えば、シンフォボディー、または
対照抗体または緩衝液のみで1時間室温でプレインキュベートし、次いで異なる
濃度(1, 0.1, 0.01, 及び0.001μg/ml)でヒスタミン放出緩衝液(20 mM PIPES
, pH 7.4, 110 mM NaCl, 5 mM KCl, 1 mM CaCl2, 1 g/lグルコース, 0.3 mg/ml
ヒト血清アルブミン)中で顆粒球とインキュベートする。細胞除去上清へのヒス
タミン放出はラジオイムノアッセイにより測定し、細胞分解後の総ヒスタミン放
出に対するパーセントで示した。
【0094】 アレルギーのマウスモデルにおけるアレルギー性炎症のポリクロナール抗体によ
る抑制 マウス、例えばBALB/cマウスにアレルゲン(例えば150μg)及びアルミニュー
ムアジュバントを、例えば0及び4日目に、2回以上i.p.注射してアレルゲン(例
えばブタクサアレルゲン)で感作する。例えば11日目及び2から4週間に麻酔した
マウスに気管内または鼻腔内アレルゲン攻撃誘発を実施し、その後マウスを次の
ように分析する。一部の実験では卵白アルブミン(OVA)感作マウスモデルを使
用する。要するに、BALB/cマウスに、例えば5-100μg OVA(鶏卵アルブミング
レードV、Sigma)を2mg水酸化アルミニュームアジュバント(alum, Pierce)に
入れて1日目及び14日目にi.p.注射する、次いで攻撃誘発をプロトコールの28、2
9及び30日目にPBS中1%OVAを超音波噴霧器(DeVilbiss Somerset, PA, USA)で
エアゾル化して20分間または5-100μg OVAを40μL PBSに入れて麻酔下に気管内
注入した。対照マウスには同量のPBSを投与する。
【0095】 32日目に、抗原攻撃誘発の24時間後、12匹のマウスに気道応答試験を行ないそ
して33日目に殺処理した。対照群には8匹のマウスを使用する。左肺を結紮し、
右肺を200μL PBSで5回繰り返し洗浄してBALを採取する。左肺を固定し、パラフ
ィンに包埋し、肺組織標本とする。血液サンプル(尾血)を各マウスから採取し
、分析を行なうまで‐80℃で保存する。
【0096】 アレルゲン特異的ポリクロナール抗体、例えばシンフォボディー、のアレルギ
ー性炎症を抑制する能力を調べる実験では、アレルゲン特異的ポリクロナール抗
体調製品の用量を1μgから1mgまで変化させて、抗原の攻撃誘発用量投与の前、
間、または後に投与する。
【0097】 異なるまたは関係の無い特異性を持つポリクロナール抗体並びにPBSを陰性対
照として使用し、一部の試験では効果を陽性対照アレルゲン特異的モノクロナー
ル抗体と比較する。
【0098】 ネズミアレルギーモデルにおけるアレルギー応答抑制に関するポリクロナール抗
体の有効性評価 アレルゲン攻撃誘発の完了後、アレルギー反応を安楽死したマウスの気管支洗
浄(BAL)により評価し、そしてBAL液中の好酸球、好中球、リンパ球、及びマク
ロファージを鑑別分類して検査する。
【0099】 左肺の下葉及び上葉を採取し、カルノイ溶液(6×エタノール;3×氷酢酸;1
×クロロフォルム)で20℃〜15時間固定する。パラフィンに包埋後、組織を4-5
μm切片に薄切する。各マウスにつき10気管切片を無作為に並べ、細胞性炎症及
び粘液閉塞の程度を評価する。気管支周囲及び血管周囲の細胞浸潤を白血球(好
酸球、リンパ球)の存在について半定量的に評価し、0.5刻みの0-5の尺度で数値
化する。気管支空間の粘液閉塞は次の尺度でスコアをつける、0,0-10%閉塞;1
,10-30%閉塞;2,30-60%閉塞;3,60-90%閉塞;4,90-100%閉塞。気管上皮
の損傷も同じ尺度で評価する。全ての評価はプロトコール内容を知らない試験者
が行ない、そして結果は写真に記録した。組織切片は細胞染色用ヘマトキシリン
及びエオジンで、粘液染色用過ヨーソ酸‐Schiffで染色する。
【0100】 マウス血液中の全量及びOVA特異的IgE, IgG, IgG1, IgG2a, 及びIgG3は上述の
ようにELISAにより測定する。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年8月16日(2002.8.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 9/16 A61K 9/16 A61P 37/08 A61P 37/08 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 モルク、ウルリク、グレゲルス、ウィンテ ル デンマーク国 フレデリクスベルグ シ ー、サガスヴェイ 2、 2、ティーブイ Fターム(参考) 4C076 AA11 AA22 AA30 AA31 CC03 4C085 AA13 BB03 BB04 DD62

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分としてアレルゲンと反応または結合し得る組換えポ
    リクロナール抗体または個別のモノクロナール抗体の混合物または単離または精
    製ポリクロナール抗体を1以上の医薬品として受容し得る賦形剤と共に含む医薬
    組成物。
  2. 【請求項2】 活性成分が組換えポリクロナール抗体である請求項1に記載
    の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 活性成分が個別のモノクロナール抗体の混合物である請求項
    1に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 活性成分が単離または精製ポリクロナール抗体である請求項
    1に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 組成物が抗体と反応または結合するアレルゲンを含まない請
    求項1-4のいずれかに記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 該組換えポリクロナール抗体または該個別のモノクロナール
    抗体の混合物または該単離または精製ポリクロナール抗体の局所適用を可能にす
    る少なくとも1つの医薬品として受容し得る賦形剤を含む請求項1-5のいずれかに
    記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 咽頭、鼻腔、呼吸気管、消化管、結膜粘膜、膣、泌尿生殖器
    粘膜、への局所投与または皮膚適用を意図している請求項5に記載の医薬組成物
  8. 【請求項8】 呼吸気管が鼻、口、咽頭、気管支または肺胞の粘膜を含む請
    求項7に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 溶液、分散体、粉末としてまたはマイクロスフェアの形態で
    供給される請求項1-8のいずれかに記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 組換えポリクロナール抗体がファージディスプレー技術に
    より作製される請求項2に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 可変部軽鎖及び重鎖遺伝子対がベクターから別のベクター
    へ一括移動できるように免疫グロブリン重鎖可変部及び軽鎖可変部遺伝子部分が
    親ライブラリー中で共に結合しており、しかもアレルゲンと反応または結合する
    ことができる抗体分子をコードする免疫グロブリン可変部軽鎖及び重鎖遺伝子対
    の親ライブラリーから選択する際に存在する特異的免疫グロブリン可変部軽鎖及
    び重鎖遺伝子部分の安定した組合せを可能にするような条件下に組換えポリクロ
    ナール抗体が作製される請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 特異的可変部軽鎖及び重鎖遺伝子対がベクターから別のベ
    クターへ一括移動できるように免疫グロブリン重鎖可変部及び軽鎖可変部遺伝子
    部分が共に結合し、しかも動物またはヒト個体の元来のポリクロナール免疫応答
    において存在するような特異的免疫グロブリン可変部軽鎖及び重鎖遺伝子部分の
    安定した組合せを可能にするような条件下に組換えポリクロナール抗体が作製さ
    れる請求項10に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 アレルゲンが室内塵ダニ、例えば、Dermatophagoides far
    inaeまたはD. pteronyssimus; ネコ、イヌまたはウマの垢;木の花粉、例えば、
    シラカバ(Betula alba)、ハンノキ、ハシバミ、オーク、ヤナギ、プラタナス
    、ブナ、ニレ、カエデ、トネリコ、ヨモギ(Artemisia)及びシデ;草花粉、例
    えば、オオアワガエリ(Phleum pratense)、イチゴツナギ(Poa pratense)、
    ライグラス(Lolium perenne)、カスガヤ(Dactylis glomerata)、ブタクサ(
    Ambrosia artemisifolia)、スイートバーナルグラス(anthoxanthum odoratum
    )及びライムギ(Secale cereale);または菌(例えば、Alternaria, Aspergil
    lus, Cladosporium, 及び Penicillium)のアレルゲンである請求項1-12のいず
    れかに記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 組換えポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体の混
    合物または単離または精製ポリクロナール抗体を単位投与形態当たり1μgから1g
    、望ましいのは1-1000μg、より望ましいのは2-500μg、さらに望ましいのは5-5
    0μg、最も望ましいのは10-20μg含む請求項1-13のいずれかに記載の医薬組成物
  15. 【請求項15】 アレルギーの予防または治療するための医薬組成物を製造
    するためにアレルゲンに反応または結合することができるポリクロナール抗体の
    使用。
  16. 【請求項16】 アレルゲンに対する耐性を予防的または治療的に誘導する
    ための医薬組成物を製造するためにアレルゲンに反応または結合することができ
    るポリクロナール抗体の使用。
  17. 【請求項17】 免疫系を調節するための医薬組成物を製造するためにアレ
    ルゲンに反応または結合することができるポリクロナール抗体の使用。
  18. 【請求項18】 ポリクロナール抗体が組換えポリクロナール抗体である請
    求項15-17のいずれかに記載の使用。
  19. 【請求項19】 ポリクロナール抗体が個別のモノクロナール抗体の混合物
    である請求項15-17のいずれかに記載の使用。
  20. 【請求項20】 ポリクロナール抗体が単離または精製ポリクロナール抗体
    である請求項15-17に記載の使用。
  21. 【請求項21】 組成物を咽頭中央部、鼻腔、呼吸気管、消化管、結膜粘膜
    、膣、泌尿生殖器粘膜へ局所投与又は皮膚へ適用することが意図されている請求
    項15-21のいずれかに記載の使用。
  22. 【請求項22】 ポリクロナール抗体が組成物の中に単位投与形態当たり1
    μgから1gの範囲、望ましいのは1-1000μg、より望ましいのは2-500μg、さらに
    望ましいのは5-50μg、最も望ましいのは10-20μg含む請求項15-21のいずれかに
    記載の使用。
  23. 【請求項23】 患者がアレルギー反応を示したかあるいはアレルギー反応
    を起こしやすいアレルゲンに反応または結合できるポリクロナール抗体の充分な
    量を含む請求項1-14のいずれかに記載の組成物を必要とする患者に投与すること
    からなるアレルギーの予防または治療方法。
  24. 【請求項24】 アレルゲンに反応または結合して患者にアレルゲンに対す
    る耐性を誘導することができるポリクロナール抗体の充分な量を含む請求項1-14
    のいずれかに記載の組成物をアレルゲンに対するアレルギー反応を示しそうな未
    治療の患者に投与することからなるアレルゲンに対する耐性を誘導する方法。
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