JP2003534262A - 紅斑形成および/または皮膚の炎症反応の予防および/または治療のためのアリールオキシム類の使用 - Google Patents

紅斑形成および/または皮膚の炎症反応の予防および/または治療のためのアリールオキシム類の使用

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JP2003534262A JP2001585714A JP2001585714A JP2003534262A JP 2003534262 A JP2003534262 A JP 2003534262A JP 2001585714 A JP2001585714 A JP 2001585714A JP 2001585714 A JP2001585714 A JP 2001585714A JP 2003534262 A JP2003534262 A JP 2003534262A
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ヨアヒム ブュンガー、
ハンスユルゲン ドリラー、
ヴォルフガンク ヴォールラブ、
ミハエル シュヴァルツ、
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、紅斑形成および/または皮膚の炎症反応の予防および/または治療を目的とした式(I)の少なくとも1種のアリールオキシムの使用に関する: 【化1】 式中、Y、Zは、互いに独立して、H、C118アルキル、C218アルケニル、C21 8カルボキシアルキル、C318カルボキシアルケニルまたはC218アルカノイルを表し;Rは、C118アルキル、C218アルケニル、C38シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは縮合系を表し;R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、C112アルキル、C212アルケニル、C112アルコキシ、C38シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシ、ヒドロキシ、塩素、ジアルキルアミンまたはスルホニルを表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、紅斑(erythema)形成および/または皮膚の炎症(inflammation)反応
の予防および/または治療用にアリールオキシムの少なくとも1種の使用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
炎症(inflammation)は、症状(sympton)として多くの疾患に見られ、これらの
炎症は不意に、または病的変化による二次的徴候(manifestation)として発生す
る。さらに、それらは、外部からの化学的または物理的病毒(noxa)により発生す
る。炎症は種々の形態学的および機能的因子の多機能的事象である。ついでなが
ら、これらの因子は、細胞領域において、すなわち、血液循環において、障害、
たとえば、炎症によって引き起こされる浸出(transudation)および分泌(exudati
on)、浸潤(infiltration)および増殖(prolifieration)に関与する。これらの障
害と共にさらなる変化が生じる可能性があり、その結果、中でも海綿状浮腫(spo
ngiosis)、表皮肥厚(acanthosis)あるいは錯角化症(parakeratosis)が生じるこ
ととなる。
【0003】 多くのこれら事象における放出、経過および調節の間に、介在システム(media
ting system)が関与する。つまり、感作T−リンパ球から放出されたリンフォカ
イニン(lymphokinin)類は、多くの生物学的効果を伴った細胞免疫応答に実質的
に関与している(Schoepf, E., Korting, G. W. [Editor] Dermatologie u. Prax
is Vol.1, Thieme: Stuttgart, New York [1980]) 。さらに、これに関連して、
キニン(kinin)類の作用、活性化補体因子(activated complement-factor)、リソ
ソーム酵素 (lysosomal enzyme) 類、環状ヌクレオチド類および種々の表皮性因
子(epidermal factor)が知られている。プロスタグランジン(prostaglandin)類
およびロイコトリエン(leukotriene)類は特有の役割を演じる。プロスタグラン
ジン類の作用の一例として、キニンによる、経時的に血管浸透性を減少させるロ
イコトリエン類に及ぼす化学走化性作用(chemotactic effect)が知られている。
一方、ロイコトリエン類は、顆粒球(granulocyte)に対し化学走化的に作用し、
血管の収縮性(contrability)と浸透性(permeability)に影響を及ぼす。
【0004】 ヒスタミン(histamine)の放出の他に、UV−B紅斑(erythema)は、アラキド
ン酸カスケードに媒介され、これによって亢進したシクロオキシゲナーゼ(cyclo
-oxygenase)を介したプロスタグランジン、特にPGE2およびPGF2の合成が
生じる。5−HPETEおよびLTA4を介したリポキシゲナーゼ(lipoxygenas
e)経路は、炎症組織における細胞湿潤や浮腫形成のような炎症の本質的要素へと
導く(レビュー中: Gallin, J., Goldstein, I. M., Snyderman, R. [Editor], i
nflammation: Basic principles and clinical correlates, New York, Raven P
ress[1988])。
【0005】 炎症治療のための種々の有効剤が知られている。コルチコステロイド(cortico
steroid)は、種々の皮膚病を導く上記の機構の治療に対し最も重要なものである
。弱から中強のコルチコステロイド、主としてヒドロコルチゾン(hydrocortison
e)の非フッ化誘導体が、炎症性(inflammatory)、アレルギー性(allergic)および
痒疹性(pruriginous)皮膚病の治療に主に使用されている。しかし、コルチコス
テロイドによる治療時には、使用した有効剤、治療の形式と期間によって望まし
くない副作用が生じるため、これらの物質を使用する際は、これらの副作用を何
らかの手段で観察し、考慮にしなければならない(レビュー:Symposium in Top
ical Corticosteroids. In: Drugs Vol.36, 5 [1988])。これらの理由により、
非ステロイド抗炎症有効剤の使用が好ましいが、現在知られている物質の治療効
率は非常に限られており、大抵の場合、ヒドロコルチゾンの治療効率を下回る。
これは、サリチル酸、アセチルサリチル酸、ブフェキサマック(bufexamac)、ベ
ンダザック(bendazac)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、オキシフェンブタ
ゾン(oxypghenbutazone)、ジフルミドン(difumidone)、インドメタシン(indomet
hacin)および部分的には抗ヒスタミン剤などの有効剤に関するものである(Gloo
r, M., Pharmakologie dermatologischer Extema. Springer Verlag Berlin Hei
delberg New York [1982])。
【0006】 UV照射は、物理的病毒に属し、ヒトの皮膚および全生命体に対し正の効果な
らびに負の効果を有する。適切な線量において、太陽照射は生物の健康と生殖力
を増加する。ビタミンD合成が刺激され、また照射の結果、望ましい日焼け、す
なわち皮膚の色素形成が進展する。色素形成は、多数の機序に基づいた皮膚の自
己防御の一部である。皮膚の自己防御と合せて、色素形成の他に、特に角質層(h
orny layer)の肥厚(「Lichtschwiele」)、暗回復系(酵素的DNA修復)、ラ
ジカル反応の制御のためのレドックス系およびウロカニン酸合成が重要である(P
. Finkel, 「Lichtschutzmittel」 in W. Umbach, Kosmetik, 2. Edition, 1955,
147-163, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)。
【0007】 日光の過剰照射は、日焼けなどの急性皮膚損傷、また皮膚の老化または皮膚癌
などの慢性的変化(chronic change)の双方の結果となる。日焼け(日光紅斑(ery
thema solare))は、主にUV−B照射を原因として発現する。一方、UV−A
照射は、日焼け形成に対する影響が比較的低い。日焼けは、軽い発赤の形態から
小水泡形成を伴う強度のやけど形成の形態で発生する可能性がある。これらの作
用は、最も速くて照射後4〜6時間で現れるため、対応処置が遅すぎることにな
る。日焼けは、皮膚の慢性的変化に関連すると思われる急性皮膚損傷の徴候であ
る。数回の日焼け、特に幼年期におけるものは、皮膚癌の危険性をかなり増加さ
せる。この原因は、特にヒト皮膚細胞の核酸損傷、細胞核内の損傷デオキシリボ
核酸の不完全な修復ならびに恐らくUV照射の免疫抑制作用、すなわちUV照射
による免疫反応の弱体化による。過剰のUV−AおよびUV−B曝露は、例えば
、結合組織の構造的変化(化学線様弾力線維症(actinic elastosis)による皮膚
の老化または光老化の一因となる。過剰のUV−B曝露は、慢性的な皮膚変化の
本質的な原因である。
【0008】 長期間の日光浴または強力な日光照射のある国々への長距離旅行など、レジャ
ー時間の過ごし方における変化により、皮膚細胞のUV損傷の危険性は、この数
年非常に増大し、そのため皮膚癌の危険性を増大させる結果となった(P. Finkel
, 「Lichtschutzmittel」 in W.Umbach, Kosmetik, 2.Edition, 1955, 147-163, G
eorg Thieme Verlag, Stuttgart)。特に大きな危険性は、冬期に強力な日光照射
のある国々への長距離旅行である。例えば北ヨーロッパ人の冬期の皮膚は、殆ど
色素形成されず、1日当たりの日光が長時間持続する赤道付近の熱帯地方におけ
る強力な日光曝露に対して保護されていない。さらに、皮膚癌の危険性は、人間
の寿命が長くなったため、またオゾン層の減少により生じた地球表面へのUV照
射の増加のため最近特に増大している。
【0009】 従来、サンローションまたはオイルなどの製剤に混合され、商品として入手で
きるUVフィルタ類が、UV照射に対する皮膚保護のために使用される。しかし
ながら、これらの皮膚保護剤の使用が遅すぎたり、使用量が少なすぎた場合、皮
膚の発赤さらに日焼けまで発生する可能性がある。
【0010】 PUVA療法は、特殊なタイプのUV照射である。略語のPUVAは、プソラ
レン(psoralen)プラスUV−Aを表し、乾癬(psoriasis)治療のための光活性
化化学療法を意味する。PUVA療法はまた、白斑(vitiligo)、皮膚T細胞リン
パ腫(cutaneous T-cell lymphoma)、肥満細胞症(mastocytosis)、限局性強皮症(
scleroderma circumscripta)、環状肉芽腫(granuloma annulare)、多型光皮膚病
(polymorphous photo-dermatosis)(予防的に)、痒疹(prurigo)、扁平紅色苔癬
(lichen rubber planus)、日光じんま疹(solar urtikaria)、対宿主性移植片反
応(graftversus-host reaction)および腺房レチクロイド(acinic reticuloid)と
関連して使用される。治療される部位は、UV−A線(320〜400nm)に
より選択的に照射される。UV−A線が効果を発揮する前に、光増感物質、例え
ば8−または5−メトキシプソラレンを局所塗布または経口投与する。DNA鎖
同士を結びつけることによって細胞分裂が妨げられる。
【0011】 PUVA療法の不利な点としては、長期間の処置における高累積線量により皮
膚癌の危険性を増大させることである。したがって、PUVA療法の範囲内で増
大したUV曝露によって、長期間の処置の結果として、皮膚が損傷される危険性
がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、皮膚の紅斑形成および/または炎症反応の予防および/または治
療に好適であり、物理的または化学的病毒および/または外来生物により引き起
こされる皮膚の炎症反応の予防および/または治療に特に有効であり、UV光の
照射期における紅斑形成および皮膚の炎症反応の発現を避けるか、または最小化
する手段を提供し、その結果、特に、PUVA療法中、照射強度の増加が、皮膚
損傷の危険性無しに、またはさらに皮膚癌の危険性を増すことなく達成される方
法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的は、下記式(I)で表されるアリールオキシムの少なくとも1種を紅
斑形成および/または皮膚の炎症反応の予防および/または治療に使用すること
によって達成される:
【0014】
【化2】 式中、 Y、Zは、互いに独立して、H、C118アルキル、C218アルケニル、C21 8 カルボキシアルキル、C318カルボキシアルケニルまたはC218アルカノイ
ルを表し; Rは、C118アルキル、C218アルケニル、C38シクロアルキル、アリール
、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは縮合系を表し; R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、C112アルキル、C212
ルケニル、C112アルコキシ、C38シクロアルコキシ、アリール、アリール
オキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシ、ヒドロ
キシ、塩素、ジアルキルアミンまたはスルホニルを表す。
【0015】 驚くべきことに、式(I)のアリールオキシム類が、紅斑形成、または皮膚の
炎症反応抑制のために、臨床的に皮膚が健康な患者に前もって、および/または
臨床的に症状が現れていない合間に、使用できることが判った。
【0016】 さらに驚くべきことに、式(I)のアリールオキシム類は、物理的または化学
的病毒および/または外来生物により生じる皮膚の損傷をも効果的に抑制し、こ
の有効剤はまた、物理的病毒または化学的病毒および/または外来生物により引
き起こされる皮膚の炎症反応の効果的な防御に寄与するために、皮膚に予防的に
塗布できることも判った。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明により使用されるアリールオキシムは、式(I)表される:
【化3】 式中、 Y、Zは、互いに独立して、H、C118アルキル、C218アルケニル、C21 8 カルボキシアルキル、C318カルボキシアルケニルまたはC218アルカノイ
ルを表し; Rは、C118アルキル、C218アルケニル、C38シクロアルキル、アリール
、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは縮合系を表し; R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、C112アルキル、C212
ルケニル、C112アルコキシ、C38シクロアルコキシ、アリール、アリール
オキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシ、ヒドロ
キシ、塩素、ジアルキルアミンまたはスルホニルを表す。
【0018】 アルキル、アルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、アルカ
ノイル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシおよびアラル
キルは、無置換でも置換していてもよい。これらうちの好適な置換基は、好まし
くは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、アリールオキシ、アラル
キル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキ
シアルキル、ジアルキルアミン、スルホニルおよびそれらの組合せである。
【0019】 アルキルは、それぞれ直鎖または分枝状アルキルであり、したがって、メチル
、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、
トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルおよび
オクタデシルが好ましい。
【0020】 アルケニルとは、明記されたアルキレン部分において1個以上の二重結合が存
在し得ることを意味する。
【0021】 アリールは、芳香族C620炭化水素残基であり、フェニルが好ましい。
【0022】 アラルキルは、アリールで置換されたアルキル基であり、好ましくは、ベンジ
ルまたはフェネチルを意味する。
【0023】 シクロアルキルは、環式アルキル基であり、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルが好ま
しい。
【0024】 ヘテロアリールは、ヘテロ原子を有する芳香族環、好ましくは、ピリジルまた
はピリミジルなどの窒素含有環である。
【0025】 ヘテロアラルキルとは、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を意味し、ピ
リジルメチルおよびピリミジルメチルが好ましい。
【0026】 好適な縮合系は、好ましくはナフチル、ベンゾフリル、キノリニル、インドリ
ルまたはシンノリニル残基である。
【0027】 ジアルキルアミンとは、R5およびR6が同一であっても異なっていてもよく、
112アルキルである、NR56を意味する。
【0028】 ZおよびYは、互いに独立して、水素原子;−OH、−COOH、−SO3
またはNR56から選ばれる少なくとも1個の置換基を有することができるC1
6アルキル基;R7が−OH、−COOHまたは−SO3Hから選ばれる少なく
とも1個の置換基を有することができるC16アルキル基である−C(O)R7
により表されるアルカノイル基;またはR8がC620アリール基であるCONH
8であることが好ましい。ZおよびYは、互いに独立して、水素原子、−(C
216COOH、−CH2CH(OH)CH2OH、−(CH216SO3
、−(CH216NR56またはC(O)(CH216COOHであることが
特に好ましい。
【0029】 置換基Rは、好ましくは、C112アルキル基であり、C15およびC11アル
キル基が特に好ましい。
【0030】 置換基R1は、好ましくは、水素原子または塩素原子である。
【0031】 置換基R2は、好ましくは、水素原子または塩素原子またはC18アルキル基
である。水素原子、塩素原子およびメチル基が特に好ましい。
【0032】 置換基R3は、好ましくは、水素原子またはC16アルキル基、C16アルコ
キシ基、O−シクロヘキシル基またはベンジル基である。
【0033】 置換基R4は、好ましくは、水素原子または塩素原子である。
【0034】 R1、R2、R3およびR4は、可能ならば、例えば水溶性を増すため、−OH、
−COOH、−SO3Hまたは−NR56で置換されていることが好ましい。
【0035】 本発明にしたがって使用されるアリールオキシムの好ましい例としては下記が
含まれる:
【0036】 4−メチル−2−ヒドロキシ−カプロフェノンオキシム、5−メチル−2−ヒド
ロキシ−カプロフェノンオキシム、5−メチル−2−ヒドロキシ−カプロフェノ
ン(N−フェニルカルバモイル)オキシム、5−メチル−2−ヒドロキシ−ラウ
ロフェノンオキシム(2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシム)
、3−クロロ−2−ヒドロキシ−カプロフェノンオキシム、4−ペントキシ−2
−ヒドロキシ−アセトフェノンオキシム、4−デシロキシ−2−ヒドロキシ−ア
セトフェノンオキシム、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−アセトフェノン
オキシム、4−デシロキシ−2−ヒドロキシ−プロピオフェノンオキシム、4−
ブトキシ−5−n−ヘキシル−2−ヒドロキシ−アセトフェノンオキシム、4−
ペントキシ−2−ヒドロキシ−カプロフェノンオキシム、4−デシロキシ−2−
ヒドロキシ−カプロフェノンオキシム、4−オクチルオキシ−2−ヒドロキシ−
ラウロフェノンオキシム、4−シクロヘキシル−オキシ−2−ヒドロキシ−プロ
ピオフェノンオキシム、5−クロロ−2−ヒドロキシ−カプロフェノンオキシム
、3−クロロ−2−ヒドロキシ−ラウロフェノンオキシム、5−クロロ−2−ヒ
ドロキシ−ラウロフェノンオキシム、4−ブトキシ−2−ヒドロキシ−アセトフ
ェノンオキシム、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ−プロピオフェノンオキシ
ム、4−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシ−アセトフェノンオキシム、4−オ
クタデシロキシ−2−ヒドロキシ−アセトフェノンオキシム、4−デシロキシ−
2−ヒドロキシ−ラウロフェノンオキシム、ならびに2−ヒドロキシ−5−メチ
ル−ラウロフェノンオキシムの以下のオキシム誘導体:
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】 ならびにこれらの化合物の混合物。
【0044】 2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムならびに前記のそのオ
キシム誘導体が特に好ましい。
【0045】 式(I)のアリールオキシム類は、物理的または化学的病毒および/または外
来生物により引き起こされる皮膚の炎症反応の予防および/または治療のために
本発明に従って使用される。物理的病毒には、電磁線または機械的刺激が挙げら
れる。化学的病毒の例としては、農薬、薬物、殺虫剤、溶媒および塵灰が挙げら
れる。用語の「外来生物」とは、各種バクテリア、ウィルス、皮膚病原性真菌お
よび寄生虫による皮膚感染が挙げられる。
【0046】 式(I)の少なくとも1種のアリールオキシムは、物理的病毒がUV照射であ
る皮膚の炎症反応の予防および/または治療のために本発明に従って使用される
ことが好ましい。
【0047】 さらに、式(I)の少なくとも1種のアリールオキシムは、特殊なタイプのU
V照射であるPUVA療法において皮膚の炎症反応の予防および/または治療の
ために本発明に従って使用されることが好ましい。
【0048】 式(I)のアリールオキシム類は、典型的には局所用組成物の形態で本発明に
従って使用される。
【0049】 式(I)の少なくとも1種のアリールオキシムは、予防的使用に好適であるた
めの十分な量で、局所用組成物において本発明に従って使用される。典型的には
、式(I)の少なくとも1種の1−(2−ヒドロキシアリール)−アルカン−1
−オンオキシムが、0.005〜5重量%、好ましくは0.02〜2重量%、よ
り好ましくは0.05〜1.5重量%の量で局所用組成物に使用される。
【0050】 局所用組成物の調製は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物を
、必要ならば補助剤および/または賦形剤と共に、好適なタイプの製剤にするこ
とにより達成される。補助剤および賦形剤は、賦形薬剤、防腐剤および他の典型
的な補助剤の群に由来する。
【0051】 本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物に基づいた局所用組成物は
、皮膚または皮膚用付属器(adnexa)に外用として予防的に塗布される。
【0052】 この組成物の使用形態としては、例えば溶液、懸濁液、乳液、パスタ剤(paste
)、軟膏(ointment)、ゲル剤、クリーム、ローション、スティック剤、散剤、せ
っけん類、界面活性剤を含む洗浄剤、油剤およびスプレー剤が挙げられる。本発
明に従って使用される少なくとも1種の化合物に加えて、任意の通常の賦形剤、
補助剤および必要ならさらなる有効剤が組成物に添加される。
【0053】 好ましい補助剤は、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、溶解剤、ビタミン類、着色
剤、香りを改良する試剤の群に由来する。軟膏、パスタ剤、クリームおよびゲル
は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物に加えて、通常の賦形剤
、例えば動植物油類、ワックス類、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロー
ス誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン類、ベントナイト類、シリカ、
滑石および酸化亜鉛、キサンタンガム、グリセリン、カルボキシポリメチレンま
たはこれら化合物の混合物を含むことができる。
【0054】 散剤およびスプレー剤は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物
に加えて、通常の賦形剤、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、
珪酸カルシウムおよびポリアミド粉末またはこれらの化合物の混合物を含むこと
ができる。スプレー剤は、通常の噴射剤、例えばクロロフッ素化炭化水素、プロ
パン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含むことができる。
【0055】 溶液および乳液は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物に加え
て、溶媒、溶解剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭
酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレング
リコール、1,3−ブチルグリコール、オイル類、特に綿実油、ピーナツ油、ト
ウモロコシ油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセリン脂肪酸のエステ
ル類、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、グリセリン、カルボキシポリ
メチレンおよびソルビタン脂肪酸エステル類またはこれら化合物の混合物をなど
の通常の賦形剤含むことができる。
【0056】 懸濁液は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物に加えて、液体
希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁剤、例えばエ
トキシ化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル
類およびポリオキシエチルソルビタンエステル類、微結晶セルロース、アルミニ
ウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天−寒天ガムおよびトラガカント、キ
サンタンガム、グリセリン、カルボキシポリメチレンまたはこれら化合物の混合
物などの通常の賦形剤を含むことができる。
【0057】 せっけん類は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化合物に加えて、
脂肪酸類のアルカリ塩類、脂肪酸セミエステル類の塩類、脂肪酸蛋白質水解物、
イソチオナート類、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物抽出液、グリセ
リン、糖またはこれらの物質の混合物などの通常の賦形剤を含むことができる。
【0058】 界面活性剤を含む洗浄製剤は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化
合物に加えて、脂肪族アルコール硫酸塩類、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩類
、スルホコハク酸セミエステル類、脂肪酸蛋白質水解物、イソチオナート類、イ
ミダゾリニウム誘導体類、タウリン酸メチル類、サルコシナート類、脂肪酸アミ
ドエーテル硫酸塩類、アルキルアミドベタイン類、脂肪族アルコール類、脂肪酸
グリセリド類、脂肪酸ジエタノールアミド類、植物および合成油、ラノリン誘導
体類、エトキシ化グリセリン脂肪酸エステル類またはこれら化合物の混合物など
の通常の賦形剤を含むことができる。
【0059】 顔用および身体用オイル類は、本発明に従って使用される少なくとも1種の化
合物に加えて、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類、シリコーンオイル類な
どの合成油、植物油および油性植物抽出物などの天然油、パラフィン油、ラノリ
ン油またはこれら化合物の混合物などの通常の賦形剤を含むことができる。
【0060】 さらに典型的な化粧品形態はまた、リップスティック、リップケアスティック
、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、ルージュ、粉末形態の、乳液状のお
よびワックス状のメイクアップ、ならびに日焼け止め用、日光浴前用および日光
浴後用の製剤である。
【0061】 本発明に従って使用される1種または複数の化合物の他に、カルボン酸残基が
5〜C16の酸類から誘導され、ヒドロキシル残基が乳酸の1種のモノマー類、
ダイマー類またはトリマー類またはその塩類または、ポリグリセリンの1モル当
たり1〜3モルのカルボン酸が存在する、グリセリン2〜10分子のポリグリセ
リンから誘導される、少なくとも1種のエステルが、乳化剤として、さらに使用
されることが特に好ましい。この乳化剤は、本発明に従って使用される化合物の
改良された安定性を達成するのに役立つ。
【0062】 これらエステル類のカルボン酸残基は、C5〜C16酸、好ましくはC812酸か
ら誘導される。カルボン酸残基の炭素鎖は、飽和または部分的に不飽和であり得
る。カルボン酸残基の好ましい例としては、ヘキサン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、リノレイン酸およびそれらの混合物、例えば、前記脂肪酸の混合物であ
るココナツ脂肪酸(「ココイル」と記されるカルボン酸残基)が挙げられる。
【0063】 エステルのヒドロキシ残基は、乳酸のモノマー類、ダイマー類またはトリマー
類またはその塩類の1種から誘導できる。好ましくは、乳酸のモノマーまたはダ
イマーが使用される。さらに、乳酸は、その塩類の形態、すなわち乳酸塩として
使用されることが好ましい。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が特に好
ましく、中ではナトリウム塩が特にあげられる。さらに、エステルのヒドロキシ
残基はグリセリン2〜10分子のポリグリセリンから誘導できる。この場合、ポ
リグリセリンの1モル当たり1〜3モルのカルボン酸が存在する。特にポリグリ
セリンの1モル当たり2〜3モルのカルボン酸が存在するのが好ましい。
【0064】 この乳化剤の典型例としては、DE−A−19722405の2欄、38〜5
6行ならびに実施例に記載されるような分散補助剤が挙げられる。ポリグリセリ
ン10−トリカプリル酸エステル、ポリグリセリン10−トリラウリン酸エステ
ル、ポリグリセリン2−オレイン酸エステル、ラウリル乳酸ナトリウム、ココイ
ル乳酸ナトリウム、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドおよびそれらの混合
物が好ましい。特にポリグリセリン2−オレイン酸エステルおよびココイル乳酸
ナトリウムが好ましい。
【0065】 典型的には、この乳化剤は、0.5〜30重量%、好ましくは0.5〜20重
量%、より好ましくは1〜10重量%の量で本発明に使用される局所用組成物に
使用される。
【0066】 本発明に使用される局所用組成物およびそれに含まれる式(I)のアリールオ
キシム類の安定性を確実にするために、好ましくはグリセリンおよびソルビタン
エステル誘導体ならびにセテアリルアルコールおよびそのエステル誘導体および
これらの物質の混合物から選ばれる少なくとも1種の共乳化剤が使用される。グ
リセリン、ソルビタンエステルおよびセテアリルエステル誘導体は、典型的には
そのカルボン酸残基が、炭素鎖が飽和または部分的不飽和である、C516酸か
ら誘導されているエステル類である。これらのうち特に好ましいものは、ステア
リン酸グリセリン、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、ジ
イソステアリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビ
タン、ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン
酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン
、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、オクタン酸セテア
リル、パルミチン酸セテアリル、イソノナン酸セテアリルおよびそれらの混合物
である。
【0067】 典型的には、この共乳化剤は、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜15
重量%、より好ましくは1〜10重量%の量で本発明に使用される局所用組成物
に使用される。
【0068】 また、本発明の組成物中で有効剤の溶解性をさらに改良するために、少なくと
も1種の親油性溶媒が存在することが好ましい。局所用製剤に好適な典型的な親
油性溶媒としては、ジメチコン(dimethicone)、シクロメチコン(cyclomethicone
)、鉱油、イソステアリン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、プロピレ
ングリコール/ジカプリン酸エステル/ジカプリル酸エステル、安息香酸C1215 アルキル、オクチルデカノール、セテス(Ceteth)−1、セテス−2、セテス−
3、セテス−4、セテス−5、セテス−6およびセテス−10などのセチルアル
コールのエーテル誘導体、エチルブチルアセチルアミノプロピオン酸エステル、
エタノール、イソプロパノール、ミリスチン酸イソプロピルおよびそれらの混合
物が挙げられる。これらの中で、エチルブチルアセチルアミノプロピオン酸エス
テル、エタノール、イソプロパノール、ミリスチン酸イソプロピルおよびそれら
の混合物が特に好ましい。
【0069】 親油性溶媒は、0.1〜20重量%、より好ましくは0.3〜17重量%の量
で本発明に使用される局所用組成物に典型的に使用される。
【0070】 好ましくは、本発明に従って使用される1種以上の化合物の他に、抗酸化剤が
使用される。この抗酸化剤は、ラジカルにより生じる細胞損傷の防護に役立つ。
【0071】 それぞれの分野における文献で公知の抗酸化剤、例えば、フラボノイド類、ク
マラノン類、アミノ酸類(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプト
ファン)およびその誘導体、イミダゾール類(例えば、ウロカニン酸)およびそ
の誘導体、DL−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの
誘導体(例えば、アンセリン)などのペプチド類、カロチノイド類、カロチン類
(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコペン)およびそれらの誘導体、ク
ロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ
酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例
えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンなら
びにこれらのグルコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、
ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステ
リルおよびグリセリルエステル類)ならびにこれらの塩、ジアウリルチオジプロ
ピオン酸エステル、ジステアリルチオジプロピオン酸エステル、チオジプロピオ
ン酸およびこれらの誘導体(エステル類、エーテル類、ペプチド類、リピド類、
ヌクレオチド類、ヌクレオシド類および塩類)ならびにスルホキシミン化合物(
例えば、ブチオニンスルホキシミン類、ホモシステインスルホキシミン、ブチオ
ニンスルホン類、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、さら
に(金属)キレート化剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィ
チン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リン
ゴ酸)、フミン酸、コール酸、コール酸エキス、ビリルビン、ビリベルジン、E
DTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、
ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシ
ウムアスコルビル、酢酸アスコルビル)ならびに安息香酸樹脂の安息酸コニフェ
リル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフ
リリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブ
チルヒドロキシアニソール、ノルドヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブ
チロフェノン、尿酸およびそれらの誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛
および誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例え
ば、セレンメチオニン)、スチルベン類およびその誘導体(例えば、酸化スチル
ベン、酸化トランス−スチルベン)およびメラトニンが本発明にしたがって使用
できる。
【0072】 抗酸化剤の混合物も、また好適である。公知のそして商品として入手できる混
合物は、例えば有効成分として、レシチン、パルミチン酸L−(+)−アスコル
ビルおよびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)AP)、天然トコフェ
ロール類、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン
酸およびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)K LIQUID)、天
然源からのトコフェロールエキス、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L
−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)
L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−ア
スコルビル、クエン酸およびレシチン(例えば、Oxynex(登録商標)LM
)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸L−(+)−アス
コルビルおよびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)2004)を含有
する混合物である。
【0073】 本発明の好ましい実施形態において、ブチルヒドロキシトルエンが抗酸化剤と
して使用される。
【0074】 他の好ましい実施形態において、フラボノイド類および/またはクマラノン類
から選ばれる1種または複数の化合物が抗酸化剤として使用される。
【0075】 フラボノイド類は、フラバノン類、フラボン類、3−ヒドロキシフラボン類(
=フラバノール類)、オーロン類、イソフラボン類およびロテノイド類のグリコ
シドであることが理解される(Roempp Chemie Lexikon, Vol.9, 1993)。しかしな
がら、本発明の範囲内で、アグリコン類、すなわち無糖成分、およびフラボノイ
ド類およびアグリコン類の誘導体もまた包含する。本発明の範囲内で、クマラノ
ン類はまた、その誘導体も包含する。
【0076】 好ましいフラボノイド類は、フラバノン類、フラボン類、3−ヒドロキシフラ
ボン類、オーロン類およびイソフラボン類、特にフラバノン類、フラボン類、3
−ヒドロキシフラボン類およびオーロン類から誘導される。
【0077】 フラバノン類は、以下の基本構造により特徴付けられる:
【0078】
【化10】
【0079】 フラボン類は、以下の基本構造により特徴付けられる:
【0080】
【化11】
【0081】 3−ヒドロキシフラボン類(フラバノール類)は、以下の基本構造により特徴
付けられる:
【0082】
【化12】
【0083】 イソフラボン類は、以下の基本構造により特徴付けられる:
【0084】
【化13】
【0085】 オーロン類は、以下の基本構造により特徴付けられる:
【0086】
【化14】
【0087】 クマラノン類は、以下の基本構造により特徴付けられる:
【0088】
【化15】
【0089】 好ましくは、フラボノイド類およびクマラノン類は、下記式(1)から選ばれ
る:
【0090】
【化16】 式中、 Z1〜Z4は、各々互いに独立して、H、OH、アルコキシ、ヒドロキシアルコキ
シ、モノ−またはオリゴグリコシド残基であって、アルコキシ基およびヒドロキ
シアルコキシ基は、分枝状でも非分枝状でもよく、1〜18個のC−原子を有し
得て、上記残基のヒドロキシ基にまた、硫酸エステルまたはリン酸エステルが結
合でき、
【0091】 Aは、下記部分構造(1A)、(1B)および(1C)から成る群から選ばれ:
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】
【化19】 5は、H、OHまたはORを表し、 Rは、モノ−またはオリゴグリコシド残基を表し、 Z6〜Z10は、残基Z1〜Z4、と同じであり、および
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】 又は
【0097】
【化22】 を意味する。
【0098】 アルコキシ基は、好ましくは線状であり、1〜12個、好ましくは1〜8個の
C−原子を有する。したがって、これらの基は、式−O−(CH2m−H(mが
1、2、3、4、5、6、7または8、特に1〜5を表す)に相当する。
【0099】 ヒドロキシアルコキシ基は、好ましくは線状であり、2〜12個、好ましくは
2〜8個のC−原子を有する。したがって、これらの基は、式−O−(CH2n −OH(nが2、3、4、5、6、7または8、好ましくは2〜5、特に好まし
くは2を表す)を表す。
【0100】 モノ−およびオリゴグリコシド残基は、好ましくは1〜3個のグリコシド単位
から作られる。好ましくは、これらの単位は、ヘキソシル残基、特にラムノシル
残基およびグリコシル残基の群から選ばれる。しかしながら、他のヘキソシル残
基、例えばアロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マン
ノシルおよびタロシルも、場合によっては有利に使用できる。さらに、ペントシ
ル残基を使用することは、本発明にとり有利である。
【0101】 好ましい実施形態において、置換基は以下を意味する: Z1およびZ3は、Hを意味し、 Z2およびZ4は、Hと異なる意味であり、特にそれらはOH、メトキシ、エトキ
シまたは2−ヒドロキシエトキシを表し、 Z5は、H、OHまたは1〜3個、好ましくは1個または2個のグリコシド単位
から作られたグリコシド残基を意味し、 Z6、Z9およびZ10は、Hを意味し、 Z7およびZ8は、Hと異なる意味であり、特にそれらはOH、メトキシ、エトキ
シまたは2−ヒドロキシエトキシを表す。
【0102】 他の好ましい実施形態において、特にフラボノイド類およびクマラノン類の水
溶性を増大する必要がある場合、硫酸塩基またはリン酸塩基をヒドロキシ基に結
合させる。好適な対イオンは、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイ
オン類であって、これらは、例えばナトリウムまたはカリウムから選ばれる。
【0103】 他の好ましい実施形態において、フラボノイド類は、以下の化合物から選ばれ
る:4,6,3’,4’−テトラヒドロキシオーロン、ケルセチン、ルチン、イ
ソケルセチン、アントシアニジン(シアニジン)、エリオジクチオール、タキシ
フォリン、ルテオリン、トリスヒドロキシエチルケルセチン(トロキセケルセチ
ン)、トリスヒドロキシエチルルチン(トロキセルチン)、トリスヒドロキシエ
チルイソケルセチン(トロキセイソケルセチン)、トリスヒドロキシエチルルテ
オリン(トロキセルテオリン)ならびにその硫酸塩およびリン酸塩。
【0104】 フラボノイド類の中では、ルチンおよびトロキセルチンが特に好ましい。トロ
キセルチンが格別に好ましい。
【0105】 クマラノン類中では、4,6,3’,4’−テトラヒドロキシベンジルクマラ
ノン−3が好ましい。
【0106】 抗酸化剤は、0.001〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の量で
本発明で使用される局所用組成物に典型的に混合される。
【0107】 UV防護として、本発明に従って使用される1種または複数の化合物の他に、
好ましくは少なくとも1種のUVフィルタを使用できる。PUVA療法などのU
V療法においては、もちろんUVフィルタ類は使用されない。本発明に従って、
それぞれの分野の文献公知のUVフィルタ類が使用できる。本発明に従って使用
できるUVフィルタ類の通常の量は、0.05〜30重量%、好ましくは0.1
〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%である。
【0108】 好適な有機UVフィルタは、全て知られたUVAフィルタから選ぶことができ
るが、当業者に知られたUVBフィルタ類からも選ぶことができる。双方のUV
範囲については、専門の文献から知られた信頼すべき物質、例えば下記のような
、がある:
【0109】 下記のようなベンジリデンカンファー誘導体: − 3−(4’−メチルベンジリデン)dl−カンファー(例えば、Eusol
ex(登録商標)6300)、 − 3−ベンジリデンカンファー(例えば、Mexoryl(登録商標)SD)
、 − N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベ
ンジル}アクリルアミドポリマー(例えば、Mexoryl(登録商標)SW)
、 − N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデン−メチル
)アニリニウム メチル硫酸塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SK)、
または − α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン 4−スルホン酸(例え
ば、Mexoryl(登録商標)SL)、
【0110】 下記のようなベンゾイルまたはジベンゾイルメタン類: − 1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン
1,3−ジオン(例えば、Eusolex(登録商標)9020)、または − 4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えば、Eusolex(登録商標
)8020)、
【0111】 下記のようなベンゾフェノン類: − 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えば、Eusolex(
登録商標)4360)、または − 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 5−スルホン酸およびその
ナトリウム塩(例えば、Uvinul(登録商標)MS−40)、
【0112】 下記のようなメトキシケイ皮酸エステル: − p−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル(例えば、Eusole
x(登録商標)2292)、 − p−メトキシケイ皮酸イソペンチルエステル,例えば異性体混合物として(
例えば、Neo Heliopan(登録商標)E 1000)、
【0113】 下記のようなサリチル酸エステル誘導体: − サリチル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OS
)、 − サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えば、Megasol(登録商標
))、または − サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えば、Eusole
x(登録商標)HMS)、
【0114】 下記のような4−アミノ安息香酸およびその誘導体: − 4−アミノ安息香酸、 − 4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシルエステル(例えば、E
usolex(登録商標)6007)、 − エトキシ化4−アミノ安息香酸エチルエステル(例えば、Uvinul(登
録商標)P25)、
【0115】 および、さらに下記のような物質: − 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルエステル(
例えば、Eusolex(登録商標)OCR)、 − 2−フェニルベンズイミダゾール 5−スルホン酸ならびにそのカリウム塩
、ナトリウム塩およびトリエタノールアミン塩(例えば、Eusolex(登録
商標)232)、 − 3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)−ビス−(7,7’−ジメチ
ル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル メタンスルホン酸な
らびにその塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SX)、および − 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1−オ
キシ)1,3,5−トリアジン(例えば、Uvinul(登録商標)T 150
)。
【0116】 これらの有機UVフィルタ類は、0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量
%の量で本発明に使用される局所用組成物中に典型的に混合される。
【0117】 さらに、好適な有機UVフィルタ類としては、例えば下記のものがある: − 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メ
チル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)
ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatrizole(登
録商標))、 − 4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル
)フェニルアミノ]1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジアミノ]ビス
−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(例えば、Uvasorb(登録
商標)HEB)、 − α−(トリメチルシリル)−ω[トリメチルシリル)オキシ]ポリオキシ(
ジメチル][および約6%メチル[2−[p−[2,2−ビス−(エトキシカル
ボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%メチル
[3−[p−[2,2−ビス−(エトキシカルボニル)ビニル)フェノキシ)プ
ロペニル)および0.1〜0.4%(メチルヒドロゲン]シリレン]](n=約
60)(例えば、Parsol(登録商標)SLX)、 − 2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル
)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(例えば、Tin
osorb(登録商標)M)、 − 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−1H−ベンズイミダゾール−4,
6−ジスルホン酸のモノナトリウム塩、 − 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−1H−ベンズイミダゾール−5−
スルホン酸のモノナトリウム塩、 − 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−1H−ベンズイミダゾール−5−
ジスルホン酸のモノカリウム塩、および − 2,4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]
−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(例え
ば、Tinosorb(登録商標)S)。
【0118】 これらの有機フィルタ類は、典型的には0.5〜20重量%、好ましくは1〜
15重量%の量で本発明に使用される局所用組成物に混合される。
【0119】 無機UVフィルタ類は、二酸化チタン、例えば被覆二酸化チタン(例えば、E
usolex(登録商標)T−2000またはEusolex(登録商標)T−
Aqua)、酸化亜鉛(例えば、Sachtotec(登録商標))、酸化鉄ま
たは酸化セリウムの群から選ぶことができる。これらの無機UVフィルタ類は、
典型的には0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の量で本発明に使用
される局所用組成物に混合される。
【0120】 好ましいUVフィルタ類は、酸化亜鉛、二酸化チタン、3−(4’−メチルベ
ンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4
−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイ
ルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−メトキシケイ皮
酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘ
キシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、2−
シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、2−フ
ェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ならびにそれらのカリウム塩、ナ
トリウム塩およびトリエタノールアミン塩である。
【0121】 特に好ましいUVフィルタ類は、酸化亜鉛および二酸化チタンである。
【0122】 二酸化チタンが、本発明に従って使用される場合、二酸化チタンの他に、さら
に3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−t−ブチ
ルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−
イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸3,3,
5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチル
ヘキシルエステル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸−2−エチルヘ
キシルエステル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ならびに
それらのカリウム塩、ナトリウム塩およびトリエタノールアミン塩から選ばれる
1種以上のUVフィルタが使用されることが好ましい。
【0123】 二酸化チタンの他に、加えるに、UVフィルタ類の2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノンおよび/またはメトキシケイ皮酸オクチルエステルが使用さ
れることが特に好ましい。
【0124】 皮膚の保護および皮膚の免疫抑制を改善するために、アリールオキシム類にエ
クトイン(ectoin)およびエクトイン誘導体を配合することが特に効果的である。
【0125】
【実施例】
本発明をさらに以下の実施例により説明する。
【0126】実施例1 予防的効果の分析 材料と方法 2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムの10%無水エタノー
ル溶液を検査物質として使用した。同位体標識は、2−ヒドロキシ−5−メチル
−[1−14C]−ラウロフェノンオキシム、比活性:110MBq/g、で達成
された。その結果、この試験の10%溶液100μlでは活量27.46μCi
であった。
【0127】 分析は乳房切断術後に、手術により調製したヒトの皮膚において実施された。
皮下組織(subcutis)を後手術的に除去し、皮膚を試験に必要な大きさと面積に切
断し、アルミホイルに詰めて、−20℃で短期間保存した。この試験法は、Derm
atol. Mon. schr. 167(1981) p.277-283に従って実施された。
【0128】 分析する皮膚の部分は4cm2の範囲を皮膚にマークした後、合成繊維のふる
い上の隅に引っ張らずにピンで付着させた。有効剤の14C標識液20μlを試験
領域に塗布し、試験領域に均一に広げた。塗布直後、この合成繊維のふるいを生
理的NaCl溶液でガラス容器内に付着させ、磁気攪拌機で連続的に攪拌した生
理的NaCl溶液を皮膚の下部領域と接触させるようにした。全装置をインキュ
ベータ内で組立て、実験の全期間、温度を一定の32℃に維持できるようにした
【0129】 浸透性の測定を2つまたは3つの他の手術調製物についてそれぞれ実施した。
皮膚の後処理は、試験溶液の塗布30分後、300分後および1000分後に行
った。そうするために、まず皮膚の表面を脱脂綿で拭い、合成パッドに付着させ
た。次いでステンシルを試験領域に付着させ、1cm2の領域をステンシル内に
抜き取った。この領域において、粘着フィルムを用い角質層(stratum korneum)
を引裂いて層ごとに剥がし、各々の剥離体を別々にサンプルグラス内に移した。
【0130】 角質層を剥離した後、数枚の皮膚円筒形物を、急速回転パンチ(直径4mm)
を用いて打ち出し、凍結ミクロトーム上で水平切片を作成した。最初に、組織の
200μmの深さまで20μm切片を作成して、簡便化のために、160μmの
皮膚の深さを表皮(epidermis)と見なした。残った組織である真皮(dermis)は、
40μm切片として処理を完了した。角質層の剥離体に関して、各々の切片をサ
ンプルグラス内にそれぞれ移した。シンチレーション測定のために、組織切片の
各々を、可溶化のためにプロトゾール(protosol)(New England N
uclear)0.2mlで12時間培養し、その後メタノール2mlを混合し
た。液体シンチレーション分光光度計における測定のために、全サンプルグラス
にそれぞれにシンチレーション液(4.0gPPO+0.1gPOPOP+10
00mlトルエン)10mlを充填した。それぞれのクエンチ(quench)は外部基
準によって考慮された。cpmをdpmに換算するために、検量線を用いた。さ
らに検量線を用いて、dpmをμCiに換算した。特定の活性を有する物質の塗
布量、皮膚の剥離部分の面積、組織切片の容量(面積と層の厚さ)ならびに個々
の皮膚層に対するそれらの分布を知ることによって、浸透物質の量を、それぞれ
皮膚層中の塗布量の割合、またはモル濃度として算出できた。
【0131】 これらの結果を表1に示す。
【0132】 角質層の剥離体に再度見出された全ての活性体をまとめることによって、各浸
透時間に関して角質層の外面に塗布された有効剤の浸透量の割合を決定すること
が可能である。対応する知見は、表皮に関する160μmの層の深さまでの組織
切片の測定値および真皮に関する残りの測定値の合計により可能である。
【0133】 ヒトの皮膚内に浸透した有効剤の大部分が、角質層に見られることを表1に示
した測定結果から確認できる。角質層内において、角質層内に浸透した有効剤の
分布量を表2に示す。有効剤は比較的急速に表面角質層内へ浸透し、下部角質層
では著しく濃度が低下する。この比率は、浸透時間が増すと徐々に変わって行き
、1000分後には、全角質層にわたって有効剤の量がほぼ均一に分布される。
【0134】 これは、表3に示すように、浸透時間の増加に伴う個々の皮膚層において得ら
れた有効剤の濃度に対応する。この結果、より長い浸透時間の後でのみ、表皮で
の有効剤濃度の増加を見ることができ、その濃度は真皮領域では明らかにより低
い。
【0135】 全体として、これらの結果は、2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノン
オキシムが、炎症前の因子に対して皮膚保護に係る予防的利用、あるいはケアを
可能にする有効剤の貯蔵所を形成することを示す。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】実施例2 UV条件下での皮膚の炎症反応の分析 材料と方法 アルビノモルモットを実験動物として用いた。
【0140】 2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムを含有する溶液を被験
物質として用いた。試験のために、この物質を使用直前に無水エタノール中に溶
解し、自動ピペットを用いて右耳の裏側の表皮に、10%溶液(各50μl)を
均一に塗布した。耳の裏側は、これらの皮膚部分に殆ど毛が無いことから試験領
域として好都合である。対照として同一バッチの無水エタノール50μlを左耳
の同じ領域に塗布した。
【0141】 UV源として、UV−B領域で主に光を放射するHG高圧照射装置UVS 3
75−1を用いた。アルビノモルモットの耳の裏側表皮におけるUV−B紅斑の
群特異的標準化は、Hoefer他の:Zum zeitlichen Verlauf des UV-Erythem
s am Meerschweinchenohr, Vortrag:4, Photodermatologisches Kolloquium mit
internationaler Beteiligung, Wilten 10.-12, 10, 1988に従って実施した。
【0142】 無毛の耳の裏側部分に、0.12mW/cm2±10%の照射力により照射し
た(個々の動物に照射)。動物1匹につき当てられた線量は、同一の耐容線量の
0.108J/cm2であった。定められた紅斑呈示および再呈示に対して決め
られた線量測定は、Hoefer他、Dermatol. Mon. schr. 174(1988) 87-93と
同様に実施した。
【0143】測定法と曝露 炎症度の記録は、互いに独立し、客観的で、それぞれ異なる炎症症状を記録す
る2つの異なる測定法を用いて実施した。
【0144】 測定原理として、体熱測定(皮膚温度)および反射光度測定(皮膚の発赤度)
が用いられた(Gloor, Pharmakologie dermatologischer Extema, Springer Verl
ag Berlin Heidelberg New York,1982,p.134;Gloor他、Dermatol.Mon.schr.125(1
979),665-669;Vane他、Anti-inflammatory Drug 5,Springer Verlag Berlin Heid
elberg New York, 1979, p.44-74およびWalter他、Infrarotmesstechnik, VEB Ve
rlag Technik Berlin, 1.Ed. 1981, p.224)。デジタルハンド体熱測定装置HP
M 15および輝度測定式Rd/Oによるスペコール(spekol)11装置
(VEB Carl Zeiss,Jena)を用いた。
【0145】 2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムの10%溶液50μl
を、UV−B照射5時間前に、動物の右耳の裏側領域に均一に塗布した。左側は
、対照として無水エタノール50μlで処理した。初期値を客観的にするために
、動物をこの処理前に測定した。実験の全期間中、室温は18〜21℃の間であ
った。紅斑の発現は、その日の同一時間の全ての動物における紅斑誘発2時間後
、4時間後、6時間後、7時間後、24時間後、48時間後、72時間後および
96時間後に測定した。
【0146】結果 この結果によると、モルモットの耳におけるUV−B条件での紅斑の発現は、
2−ヒドロキシ−5−メチル−ラウロフェノンオキシムの10%溶液50μlで
300分間浸透した後、抑制される方に影響されうる。この結果は、両方の測定
原理により確かめられた。対照と比較して、紅斑抑制現象は、特に炎症発現の早
期に著しく明瞭である。この結果を表Iと表IIに示す。
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/16 A61P 17/16 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 ブュンガー、 ヨアヒム ドイツ連邦共和国 64823 グロス−ウム シュタット ヴィルヘルム−ロイシュナー −シュトラーセ 181 (72)発明者 ドリラー、 ハンスユルゲン ドイツ連邦共和国 64823 グロッス−ウ ムシュタット ザント−ティルゾ−リンク 71 (72)発明者 ヴォールラブ、 ヴォルフガンク ドイツ連邦共和国 06110 ハーレ ビー ゼナー シュトラーセ 221 ツェー (72)発明者 シュヴァルツ、 ミハエル ドイツ連邦共和国 64331 ヴァイテルシ ュタット リートバーンシュトラーセ 43 ツェー Fターム(参考) 4C083 AC102 AC311 AC312 CC01 CC02 CC19 DD23 DD28 EE03 EE12 EE17 4C206 AA01 AA02 HA08 MA01 MA04 NA14 ZA89 ZB11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紅斑形成および/または皮膚の炎症反応の予防および/また
    は治療のための下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種の使用: 【化1】 式中、 Y、Zは、互いに独立して、H、C118アルキル、C218アルケニル、C21 8 カルボキシアルキル、C318カルボキシアルケニルまたはC218アルカノイ
    ルを表し; Rは、C118アルキル、C218アルケニル、C38シクロアルキル、アリール
    、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたは縮合系を表し; R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、C112アルキル、C212
    ルケニル、C112アルコキシ、C38シクロアルコキシ、アリール、アリール
    オキシ、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシ、ヒドロ
    キシ、塩素、ジアルキルアミンまたはスルホニルを表す。
  2. 【請求項2】 物理的または化学的病毒および/または外来生物により引き
    起こされる皮膚の炎症反応の予防および/または治療のための請求項1に記載の
    使用。
  3. 【請求項3】 UV照射により引き起こされる皮膚の炎症反応の予防および
    /または治療のための請求項1または2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 PUVA療法における請求項3に記載の使用。
  5. 【請求項5】 局所用組成物の形態における請求項1〜4の1項に記載の使
    用。
  6. 【請求項6】 式(I)のアリールオキシムの少なくとも1種が、組成物に
    対し0.02〜2重量%の量で局所用組成物中に存在することを特徴とする請求
    項5に記載の使用。
  7. 【請求項7】 局所用組成物が、さらに少なくとも1種の抗酸化剤および/
    または少なくとも1種のUVフィルタを含むことを特徴とする請求項5または6
    に記載の使用。
  8. 【請求項8】 抗酸化剤が、組成物に対し0.001〜5重量%の量で局所
    用組成物中に存在することを特徴とする請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 UVフィルタが、組成物に対し0.01〜30重量%の量で
    局所用組成物中に存在することを特徴とする請求項7に記載の使用。
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