JP2003533581A - マグネシウム合金などの不動態基材接合用接着剤組成物 - Google Patents

マグネシウム合金などの不動態基材接合用接着剤組成物

Info

Publication number
JP2003533581A
JP2003533581A JP2001585261A JP2001585261A JP2003533581A JP 2003533581 A JP2003533581 A JP 2003533581A JP 2001585261 A JP2001585261 A JP 2001585261A JP 2001585261 A JP2001585261 A JP 2001585261A JP 2003533581 A JP2003533581 A JP 2003533581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
meth
acrylate
group
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001585261A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョン ウッズ、
スーザン モリル、
リック ダンヘイザー、
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Henkel Loctite Corp
Original Assignee
Henkel Loctite Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Henkel Loctite Corp filed Critical Henkel Loctite Corp
Publication of JP2003533581A publication Critical patent/JP2003533581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F290/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups
    • C08F290/08Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups on to polymers modified by introduction of unsaturated side groups
    • C08F290/14Polymers provided for in subclass C08G
    • C08F290/147Polyurethanes; Polyureas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16
    • C09J4/06Organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond in combination with a macromolecular compound other than an unsaturated polymer of groups C09J159/00 - C09J187/00

Abstract

(57)【要約】 遷移金属および遷移金属イオンを欠くマグネシウム合金などの不動態基材間に閉じ込められ、速くまた完全に硬化する接着剤組成物が開示される。この組成物は、1種または複数のアクリル樹脂、1種または複数の過酸化フリーラジカル開始剤、1種または複数のオニウム塩、ならびに望ましくは組成物の約1.0重量%以下の量で、アセチルフェニルヒドラジンなどの促進剤を含む。これらの組成物は、遷移金属プライマを必要とせずに、このような基材に例外的に優れた接合をもたらす。このような組成物の製造および利用方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は一般にマグネシウム系基材を接合するための組成物に関する。より詳
細には、本発明は、基材に組成物を適用する前にプライマを用いる必要なしに、
マグネシウム系および他の不動態基材に対して優れた接着性能を示す組成物に関
する。これらの組成物は、貯蔵安定性があり、特に嫌気性条件下では、速く完全
に硬化する。
【0002】 (関連技術の背景) 嫌気性組成物は酸素の存在下では安定であり、液体、未重合状態のままである
が、酸素が無いと重合した固体状態へと硬化する。このような組成物は、室温で
遊離基(free radical)反応により硬化し、また基材表面で開始さ
れる反応により硬化しうる1液系(one−part system)であると
して一般に特徴づけられている。このような組成物の成分は多くの場合、モノマ
ー、開始剤、触媒、安定剤/抑制剤、および変性剤(modifier)であり
、これらの成分は通常混合することで一緒にされて、様々な粘度、色、強度、お
よび接着性の配合物を提供する。
【0003】 実質的に酸素が無い雰囲気でそれらが硬化できる結果として、嫌気性組成物は
、嵌合金属部材間などの近接して嵌め合わせられる表面で使用される接着剤、シ
ーラント、ならびに接合材料として大きな有用性のあることが見出されている。
知られている産業上の用途には、ねじファスナのゆるみ止め、ねじ込みパイプ結
合部のシール、シリンダ状機械部品の保持、フランジジョイントのシール、構造
部品の接合、および多孔性金属鋳造品のシールが含まれる。嫌気性接着剤は通常
、酸素透過性の容器、例えばポリエチレン製のものに入れられ、販売され貯蔵さ
れている。
【0004】 嫌気性組成物の硬化は通常、遷移金属(例えば、鉄、銅、およびニッケル)な
どの適切な金属の存在により加速され、このことがこのような金属をこのような
組成物を用いて接合するのによく適したものとしている。しかし、このような金
属は腐蝕しやすく、腐蝕により部品の一体性が危うくなる産業上の用途には、多
くの場合、時勢によりそれらは不向きになっている。
【0005】 対照的に、マグネシウム合金は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛およびマ
ンガンを通常含む合金であり、優れた耐腐蝕性と大きな強度対重量比をもつとし
て特徴づけられている不動態基材である。さらに、それらは成形しやすく、広い
環境条件許容範囲および高温に耐えることができる。これらの性質の結果として
、マグネシウム合金は多くの商業上の応用、例えば自動車への応用において有用
であることが見出されている。
【0006】 マグネシウム合金は従来リベット締めもしくは溶接により取り付けられてきた
。しかし、接着剤を用いてマグネシウム合金を接合することが、重量の節減、疲
労強度、および耐腐蝕性における利点をもたらすので望ましい。耐腐食性は大部
分、最も一般的な合金中に見出される鉄、銅、およびニッケルが非常に低レベル
であることによりもたらされる。合金中に存在するこれらの遷移金属が少量であ
るほど、腐蝕の速度は遅い。しかし、これらの遷移金属が低レベルであることが
、マグネシウム合金を嫌気性硬化に対して特に不感応性にしている。
【0007】 鉄および銅は嫌気性接着剤の硬化を加速することが見出されており、典型的な
嫌気性配合物では一般に、硬化が行われるためには痕跡量のこれらの元素が存在
することが必要である。これらの元素は一般に、嫌気性接着剤が適用される前に
プライマとして基材表面に付着される。このようなプライマを用いる接着剤系は
、2液系として知られている。
【0008】 McArdle他の米国特許第5,411,998号は、厚い接合部をもつ表
面のシールに1および2液系の嫌気性組成物を用いることを開示する。1液系は
硬化系としてサッカリンとオニウム塩の組合せを含む。McArdleの実施例
18はまた2液系を開示し、各液に硬化系があり、第1液はクメンヒドロペルオ
キシド、サッカリンおよびオニウム塩を含み、また第2液はサッカリンおよびア
セチルフェニルヒドラジンを含む。この2液が等量で一緒に混合されたとき硬化
がおこる。
【0009】 プライマが必要であるために接着剤がより高価になり、塗布するのにより多く
の労働が要り、また包装および流通がより困難になるので、プライマで基材表面
を処理する追加のステップは、プライマを必要としない1液系に比べて望ましく
ない。したがって、1液の嫌気性接着剤系を用いてマグネシウム合金基材および
関連する不動態基材を接合する方法が求められている。本発明はこの要求に合致
する解決策を提供する。
【0010】 (発明の概要) 本発明は、マグネシウム系および関連する不動態基材用のシーラント、接合剤
、およびねじのゆるみ止め剤として用いるのに適する組成物を対象とする。より
詳細には、本発明は、マグネシウム合金および関連基材の接合に関連して用いら
れる1液嫌気性接着剤を対象とする。この組成物は1種または複数のモノマー、
1種または複数の過酸化物開始剤、1種または複数のオニウム塩、および有機ヒ
ドラジンを含む。望ましくは、有機ヒドラジンは組成物の約1.0重量%以下の
量で存在する。組成物は、組成物の未硬化および硬化接合特性を変性するために
、サッカリン、フェノール系安定剤、キレート剤および様々な添加剤を任意に含
んでいてもよい。結果として得られる活性化接着剤は、マグネシウム合金および
他の不動態基材間に閉じ込められて速くまた完全に硬化する。
【0011】 本発明の望ましい一態様において、マグネシウムなどの不動態基材に対する接
合性が改良された接着剤組成物が提供される。この組成物は、少なくとも1種の
モノマー、少なくとも1種の過酸化フリーラジカル開始剤、少なくとも1種のオ
ニウム塩、および少なくとも1種の有機ヒドラジンを含む。望ましくは、有機ヒ
ドラジンは、組成物の約1.5重量%までの量で存在する。モノマーは嫌気的に
硬化可能であるか、あるいは湿気硬化機構、熱硬化機構、光開始剤機構、もしく
はこれらの組合せにより硬化可能でありうる。モノマーは通常、ポリウレタン(
メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマーでよく、過酸化フリー
ラジカル開始剤は通常クメンヒドロペルオキシドであってよく、オニウム塩は、
ホスホニウム塩、アンモニウム塩もしくはこれらの組合せでよい。ホスホニウム
塩は、組成物の約0.25から約2.0重量%の量で存在してよい。組成物はさ
らに、サッカリン、ジメチルp−トルイジン、フェノール系安定剤、キレート剤
、およびこれらの組合せを含んでいてもよい。
【0012】 本発明の方法の一態様において、マグネシウムなどの不動態基材に対して強化
された接合をもたらす、以下のステップを含む方法が提供される:(a)少なく
とも1種のモノマー、少なくとも1種の過酸化フリーラジカル開始剤、少なくと
も1種のオニウム塩、および少なくとも1種の有機ヒドラジンを含む組成物を提
供するステップ;(b)2つの基材の間にこの組成物を配置するステップ;およ
び(c)組成物の硬化を実施し、基材に強化された接合を実現するステップ。
【0013】 本発明の別の方法の一態様において、マグネシウムなどの不動態基材に対する
接合性が改良された、以下のステップを含む嫌気性接着剤組成物の製造方法が提
供される:(a)少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の過酸化フリーラ
ジカル開始剤、少なくとも1種のオニウム塩、および少なくとも1種の有機ヒド
ラジンを提供するステップ;および(b)各成分を合わせて混合物を作成するス
テップ。
【0014】 (発明の詳細な説明) 本発明は、マグネシウム系および関連する不動態基材のシール、接合、および
ねじのゆるみ止めが可能な接着剤組成物に関する。望ましくは、本発明は1液嫌
気性接着剤に関する。不動態基材のシールおよび接合に用いられる既知の嫌気性
接着剤は、存在するモノマーの重合触媒となる遷移金属を含むプライマを用いる
ことが必要である。したがって、不動態基材に対する従来の嫌気性組成物は、2
液接合系である。さらに、既知の嫌気性組成物、例えば’998特許に開示され
るものは、望ましい硬化を実施するために、オニウム塩と組み合わせて過酸化物
およびサッカリンを用いることが必要である。この’998特許はまた2液接着
剤系を開示し、第1液は硬化系としてサッカリン、過酸化物およびオニウム塩を
含み、第2液は第2の硬化系としてサッカリンおよびアセチルフェニルヒドラジ
ンを含む。対照的に、本発明が、プライマを必要とせず、サッカリンを必要とせ
ず、またヒドラジン化合物を含めることにより、不動態基材で1液嫌気性組成物
が速く完全に硬化することを可能にすることが見出された。したがって、本発明
は、マグネシウム系および関連する不動態基材を接合するための経済的で効率的
な接着剤を提供する。
【0015】 本発明の1液嫌気性組成物は、オニウム塩、特にホスホニウム塩、ならびに組
成物の1重量%以下の量で存在する有機ヒドラジンの添加の結果として、加速さ
れた硬化および改良された接合性を示す。例えば、望ましくは、これらの組成物
は、メタクリレートエステル樹脂、モノマーおよび架橋剤(望ましくは、50〜
98重量%)、過酸化物もしくはヒドロペルオキシド(望ましくは、0.1〜1
0%)、1種または複数のオニウム塩、および望ましくは組成物の約1.0重量
%以下の量で存在する、アセチルフェニルヒドラジン(APH)などの有機ヒド
ラジンを含む。この組成物は、未硬化および硬化組成物の性質を変性するために
、サッカリン、ジメチルp−トルイジン(DMPT)、フェノール系安定剤、キ
レート剤、および様々な添加剤を含む他の成分を任意に含んでいてもよい。
【0016】 本発明の組成物は、鉄,銅およびニッケルなどの遷移金属および遷移金属イオ
ンを欠くマグネシウム合金および関連する不動態基材の間に閉じ込められて速く
また完全に硬化する。対照的に、従来の嫌気性接着剤はこのような基材では遅く
不完全な硬化を示す。本発明の接着剤は望ましくは、通常雰囲気での保存条件下
で安定な1液製品であるが、マグネシウムおよびマグネシウム合金との接触で急
速に重合する。別法として、本発明の接着剤をプライマと共に用いることもでき
る。表面プライマは硬化を誘発させるのに必要ではないが、さらに硬化速度を上
げるためにあるいは基材に対する接着性をさらに一層強化するためにそれを用い
ることができる。
【0017】 本発明の接着剤は、オルソ−ベンゾイックスルフィミド、DMPT、キレート
剤および安定剤を含む従来の嫌気性接着剤の、様々な硬化剤および添加剤を受け
容れることができ、これらにより既成製品がマグネシウム表面での使用のために
容易に変性されるようになる。さらに、このような添加剤は接着剤の反応性およ
び他の性質を向上させることができる。
【0018】 本発明の接着剤には何らかの適切なモノマーを用いることができる。望ましく
は、本発明で用いられるモノマーは(メタ)アクリレートモノマーである。この
ようなモノマーは、望ましくは、可撓性もしくは剛性のいずれかであるとして特
徴づけられる。当分野の技術者には、モノマーの選択は得られた硬化生成物に望
まれる性質に依存することは明らかであろう。(メタ)アクリレート成分の範囲
内には、H2C=CGCO215により表される様々なモノ(メタ)アクリレート
材料があり、Gは通常水素、ハロゲンもしくは炭素原子1から約4個のアルキル
であり、またR15は炭素原子1から16個のアルキル、シクロアルキル、アルケ
ニル、シクロアルケニル、アルカリール(alkaryl)、アラルキルもしく
はアリール基から選択することができ、これらの何れも、任意にシラン、ケイ素
、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、
ウレタン、カルバメート、アミン、アミド、イオウ、スルホネート、スルホンお
よびこれらの組合せのような置換基で場合により置換されているかあるいは割り
込まれていてもよい。
【0019】 本発明で有用なさらなる嫌気性硬化モノマーには以下の一般式をもつアルキレ
ングリコールジアクリレート:
【0020】
【化4】
【0021】 が含まれ、R6は水素、炭素原子1〜4個の低級アルキル、炭素原子1〜4個の
ヒドロキシアルキル、および
【0022】
【化5】
【0023】 からなる群から選択される基を表し、R4は水素、ハロゲン、および炭素原子1
〜4個の低級アルキルからなる群から選択される基であり;R5は水素、−OH
および
【0024】
【化6】
【0025】 からなる群から選択される基であり、mは少なくとも1に等しい整数、望ましく
は1〜8、より望ましくは1から4であり;nは少なくとも1に等しい整数、望
ましくは1〜20であり;またpは0もしくは1である。
【0026】 これらのモノマーのうちで典型的なものは、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−
およびポリエチレングリコールジメタクリレートならびに対応するジアクリレー
ト;ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート;テトラメチレングリコ
ールジ(クロロアクリレート);ジグリセロールジアクリレート、ジグリセロー
ルテトラメタクリレート;ブチレングリコールジメタクリレート;ネオペンチル
グリコールジアクリレート;およびトリメチロールプロパントリアクリレートで
ある。
【0027】 有用な重合性架橋成分は、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノ
ヒドロキシペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エト
キシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、1,2−ブチレングリコールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルプロポキシ
レートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、
トリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ
)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートおよびこれらの組合
せである。
【0028】 他の有用なモノマーには、ビスフェノールAから誘導されたアクリレート、例
えばビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレ
ート、およびエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが含まれる。
【0029】 ジ−および他のポリアクリレートエステルが特に望ましいことが見出されたが
、前記の1官能性(メタ)アクリレート構造に通常一致する1官能性アクリレー
トエステル(1個のアクリレート基を含むエステル)もまた用いることができる
。1官能性アクリレートエステルを扱う場合、比較的極性のあるアルコール部分
をもつエステルを用いることが望ましい。このような材料は低分子量アルキルエ
ステルより揮発性が低く、より重要なことは、極性基により硬化中もしくは後に
分子間に引力が働く傾向があるため、より望ましい硬化特性、ならびにより望ま
しいシーラントもしくは接着剤をもたらす。特に望ましいのは、不安定な水素、
複素環、ヒドロキシ、アミノ、シアノおよびハロゲン極性基から選択される極性
基である。この範疇の化合物の有用な例には、シクロヘキシルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、シア
ノエチルアクリレート、およびクロロエチルメタクリレートが含まれる。これら
の材料は多くの場合、様々な他の重合性材料と共重合可能な反応性希釈剤として
組み入れられる。
【0030】 本発明で使用するのに特に望ましい一層特定の(メタ)アクリレートモノマー
には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、望ましくはトリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、例えばエトキシ化ビスフェノ
ール−A(メタ)アクリレート(「EBIPA」もしくは「EBIPMA」)、
ならびにテトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレー
ト、シトロネリルアクリレートおよびシトロネリルメタクリレート、ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート(「HDDA」もしくは「HDDMA」)、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラヒドロジシクロペンタジ
エニル(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(「ETTA」)、トリエチレングリコールジアクリレートおよびトリエチ
レングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)が含まれる。
【0031】 例示のみのために、本明細書に列挙されるのは本発明で用いるのに適するウレ
タン−アクリレートモノマーの例である。しかし、ウレタンアクリレートおよび
メタクリレートでないものを含めて、本発明においては如何なるアクリル樹脂で
も用いることもできることが理解されるべきである。望ましくは、本発明で用い
られるモノマーはポリウレタンポリアクリレートモノマーである。このようなモ
ノマーの例はGorman他の米国特許第3,425,988号に記載されてお
り、これを特に参照により本明細書に組み込む。これらのモノマーを以下の一般
式で表すことができる:
【0032】
【化7】
【0033】 Bは、置換および無置換の、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール
、アラルキル、アルカリールおよび複素環基からなる群から選択される多価有機
基であり;Xは−O−および以下の式の基からなる群から選択され;
【0034】
【化8】
【0035】 nは2と6を含む2から6の整数であり;R’は水素、塩素ならびにメチルおよ
びエチル基からなるクラスから選択され;またR”は1から8個の炭素原子を含
む低級アルキレン、フェニレンおよびナフタレン基からなる群から選択される2
価有機基である。
【0036】 さらなるウレタン−アクリレート封鎖(capped)ポリ(アルキレン)エ
ーテルポリオールモノマー、例えば特に参照により本明細書に組み込まれるBa
cceiの米国特許第4,018,851号に記載されるものなどを本発明にお
いて用いることができる。以下の式によりこのようなモノマーを表すことができ
る:
【0037】
【化9】
【0038】 R1は水素、塩素ならびにメチルおよびエチル基からなる群から選択され;R2
炭素原子1〜8個の低級アルキレン、フェニレンおよびナフタレンからなる群か
ら選択される2価有機基であり;Iはポリイソシアネート基であり;Dは芳香族
、複素環もしくは脂環式ポリオールまたはポリアミン基、望ましくはジオール、
またより望ましくは脂環式化合物のジオールであり;Zはポリマーもしくはコポ
リマーグラフト化アルキレンエーテルポリオールまたはアルキレンエーテルポリ
オール基であり;zはZの価数に相当する整数であり;dは1もしくは0であり
;またiは、dが0のとき0であり、他の場合にはDの反応性水素原子数より1
だけ小さいものに等しい。本明細書では、アステリスク(*)はウレタン(−N
−H−COO−)もしくはウレイド(−NH−CO−NH−)結合を表す。
【0039】 さらに、ウレタン−アクリレート−封鎖ブタジエン系モノマー、例えば特に参
照により本明細書に組み込まれるBacceiの米国特許第4,295,909
号に記載されるものなどを本発明において用いることができる。以下の式により
このようなポリマーを一般的に表すことができる:
【0040】
【化10】
【0041】 R”は水素、塩素ならびにメチルおよびエチル基からなる群から選択され;R’
’’は炭素原子1〜8個の低級アルキレン、フェニレンおよびナフタレンからな
る群から選択される2価有機基であり;Iはポリイソシアネート基であり;Dは
芳香族、複素環もしくは脂環式ポリオールまたはポリアミン基、望ましくは脂環
式化合物のジオールであり;Zはポリマー性もしくはコポリマー性のポリオール
またはブタジエンのポリラジカルであり、後者は約5から150の重合度ならび
に少なくとも約70%の1,4−立体配置のポリブタジエン部分をもち;zはZ
の価数に相当する整数であり;dは1もしくは0であり;またiは、dが0のと
き0であり、他の場合にはDの反応性水素原子数より1だけ小さいものに等しい
。本明細書では、アステリスク(*)はウレタン(−N−H−COO−)もしく
はウレイド(−NH−CO−NH−)結合を表す。
【0042】 本発明は嫌気性組成物に特によく適するが、それは決して嫌気性条件下で硬化
する組成物に限定されず、またそれは(メタ)アクリレート系モノマーを使用す
ることに限定されない。例えば、本発明に、遊離基重合反応により硬化すること
が知られているさらなるモノマーを用いることができるであろう。このようなモ
ノマーの例には、それだけには限定されないが、スチレン、チオール−エン、ア
クリルアミド、マレエートエステル、フマレート、メチレンマレエート、および
エポキシドが含まれる。さらに、本発明で用いることができる(メタ)アクリレ
ートモノマーに様々な官能基を加えることにより、本発明の組成物は湿気、室温
、熱および光によるなどの様々な方法で硬化できるようになるであろう。例えば
、本発明の組成物に光開始剤を添加することにより、この組成物は(嫌気性条件
下と光による)2通りの硬化をすることができるであろう。
【0043】 本発明はまたモノマーの重合を実施する適切な開始剤を含む。望ましくは、こ
のような開始剤は、特に参照により本明細書に組み込まれるRichの米国特許
第4,287,330号に記載されるものなどの過酸化フリーラジカル開始剤で
ある。望ましくは、本発明で用いられる過酸化フリーラジカル開始剤は、クメン
ヒドロペルオキシド(CHP)、メチルエチルケトンヒドロペルオキシド、もし
くはt−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシドである。p−
メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、お
よびピネンヒドロペルオキシドなどのさらなるヒドロペルオキシドを用いること
もできる。開始剤はモノマーの重合を開始させるのに十分な量で望ましくは存在
する。前記の開始剤は例示のためにのみ明らかにされており、決して本発明で用
いることができる開始剤を限定しようとするものではない。
【0044】 本発明はまた’330特許に記載されるものなどの、ポリマー組成物の硬化を
触媒する1種または複数の促進剤を含む。本発明は有機ヒドラジンを含む。望ま
しくは、有機ヒドラジンは約1.0%w/w以下の量で存在する。一般に以下の
式:
【0045】
【化11】
【0046】 で有機ヒドラジンを表すことができる。以下の基からR2を選択することができ
る:アルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分岐低級ア
ルキル、より好ましくはメチル、エチルもしくはイソプロピル;約8個までの炭
素原子を含むシクロアルキル;約10個まで、好ましくは2〜5個の炭素原子を
含むアルケニル;10個まで、好ましくは約6個までの炭素原子を含むシクロア
ルケニル;1から約6個の炭素原子を含むハロアルコキシ基を含むアリール。R3 は水素もしくはR2に対して指定された基の何れか1種でよく、さらにアミノも
しくは置換アミノ基、あるいは1から約4個の炭素原子を含む低級アルキルなど
の反応性のない基が結合しているカルボニル基であってもよい。R3はまた以下
の基:
【0047】
【化12】
【0048】 の何れかでよい。R10は1から約10個の炭素原子を含むアルキル基、2から約
10個の炭素原子を含むアルケニル基、および約10個までの炭素原子を含むア
リール基からなる群から選択される。(複数の)促進剤は室温で重合を加速する
のに十分な量で存在しなければならない。
【0049】 本発明で用いられる有機ヒドラジンは、望ましくはアセチルフェニルヒドラジ
ン(APH)である。本発明で有用な、上の一般式による代表的な化合物には、
それだけには限定されないが、1−アセチル−2−フェニルヒドラジン、1−ア
セチル−2(p−トリル)ヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジ
ン、1−(1’,1’,1’−トリフルオロ)アセチル−2−フェニルヒドラジ
ン、1,5−ジフェニルカルボヒドラジン、1−ホルミル−2−フェニルヒドラ
ジン、1−アセチル−2−(p−ブロモフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−
2−(p−ニトロフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(p−メトキシフ
ェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(2’−フェニルエチル)ヒドラジン
、1−アセチル−2−メチルヒドラジン、1−フェニルセミカラバジド、2−フ
ェニル−t−ブチルカルバゼートおよびコハク酸ジ(フェニルヒドラジド)が含
まれる。
【0050】 本発明で用いることができる他の促進剤には、それだけには限定されないが、
第3級アルキルアミン、ローダミン、アルコキシアミン、およびフェロセン化合
物が含まれる。
【0051】 本発明はまたオニウム化合物を含む。このオニウム化合物は還元剤として働く
と考えられている。適切なオニウム化合物の例には、それだけには限定されない
が、参照により本明細書に組み込まれた’998特許に記載されるものなどのホ
スホニウムおよびアンモニウム化合物が含まれる。
【0052】 以下の式:
【0053】
【化13】
【0054】 により本発明において有用なアンモニウム塩を表すことができる。ここで、R7
、R8,R9およびR11は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロカルビル
(hydrocarbyl)、ヒドロカルビルアリール、アリールもしくはこれ
らの置換誘導体であり;XはCl、BrもしくはFあるいは−SbF6、−BF4 もしくはPF6などのソフトアニオン(soft anion)である。
【0055】 望ましくは、オニウム塩はホスホニウム塩であり、以下の式:
【0056】
【化14】
【0057】 でこれを表すことができる。ここで、R12、R13、R14およびR15は、同一であ
っても異なっていてもよく、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアリール、アリー
ルもしくはこれらの置換誘導体であり;XはCl、Br、IもしくはFあるいは
−SbF6、−BF4もしくはPF6などのソフトアニオンである。望ましくは、
2、R3およびR4はそれぞれフェニルもしくはC1〜C5のアルキルである。
【0058】 望ましくは、本発明で用いられるホスホニウム塩は、アリルトリフェニルホス
ホニウムブロミド(ATPB)、2−(エトキシカルボニル)エチル−トリフェ
ニルホスホニウムブロミド、1−エトキシカルボニルエチルトリフェニルホスホ
ニウムブロミド、4−エトキシカルボニルブチルトリフェニルホスホニウムブロ
ミド、カルベトキシメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、もしくはメチル
トリフェニルホスホニウムブロミドから選択される。
【0059】 本発明の一態様において、異なるホスホニウム塩の組合せ、異なるオニウム塩
の組合せならびにホスホニウム塩とオニウム塩の組合せを含む混合物などオニウ
ム塩の混合物を用いることができる。
【0060】 本発明は、それだけには限定されないが、任意にサッカリン、ジメチルp−ト
ルイジン(DMPT)、フェノール系安定剤、およびキレート剤を含めてさらな
る成分を含んでいてもよく、組成物の未硬化および硬化接着特性を変性するため
に働くことができる。
【0061】 しかし、本発明の組成物では、スルフィミド、例えばサッカリンなど通常組み
込まれる促進剤なしに、硬化速度の上昇および完全な硬化を実現できる。
【0062】 本発明の組成物中に存在しうる適切な化合物の例を記載したが、配合され試験
された組成物の具体例をここで以下に詳細に記載する。
【0063】
【表1】
【0064】 2−(エトキシカルボニル)エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(塩1
)の合成: 3−ブロモプロピオ酸エチル(1.81g、0.01モル)を磁気攪拌子、熱
電対および温度コントローラ、冷却器、および加熱マントルを装備した100m
L3口丸底フラスコに入れた。トリフェニルホスフィン(2.62g、0.01
モル)およびトルエン(25ml)を加え、混合物を還流温度まで加熱した。温
度が90℃を超えたとき、混合物はわずかに白濁した。115℃で3時間後、反
応混合物を室温まで冷却し、その間に黄色のワックス状物質が反応フラスコの底
に集まった。液体を除去して、残ったワックス状の固体をジクロロメタン(約1
0ml)に溶解した。ジエチルエーテル(約15ml)をジクロロメタン溶液に
加えて、沈殿を生成させた。沈殿を濾過して集め、減圧下で乾燥して求めるホス
ホニウム塩(0.8グラム;収率18%)を得た。生成物の構造を1H NMR
分析により確認した。
【0065】 実施例1 有機ヒドラジンの有無による嫌気性接着剤の比較 嫌気性接着剤組成物Aを、93.00%w/wのメタクリレートエステルモノ
マー(78.00%のウレタン−メタクリレート−アクリレートモノマー;15
.00%のヒドロキシプロピルメタクリレート)、6.00%のアクリル酸、お
よび1.00%のCHPからなる混合物から調製した。次に、5種類の組成物を
、以下に示されるように組成物Aから調製した:
【0066】
【表2】
【0067】 鋳造マグネシウムのラップ−シェア(lap−shear)ジョイントを、組
成物1〜5を用いて組み立てた。接合間隙を0.254mm(10ミル)に設定
し、室温で24時間かけてジョイントを硬化させた。硬化後、重合度および接着
強度の定性的判定を行った。組成物5以外の全てが接着不良を示した。
【0068】 組成物1は、オニウム塩が添加されておらず、オニウム塩だけの重要性を決定
するためのコントロールとして使用し、また組成物5は、オニウム塩を含んでい
ないが有機ヒドラジンを含んでおり、有機ヒドラジンだけの重要性を決定するた
めのコントロールとして使用した。
【0069】 表2に見られるように、組成物1〜4を用いて組み立てられた接着ジョイント
は組成物5に比べれば接着不良であった。しかし、組成物2〜4はオニウム塩を
含み、硬質で非粘着性の望ましいポリマー膜へと硬化したことが見出されたが、
組成物1はオニウム塩を含まず、柔軟で粘着性があった。このことは、オニウム
塩および有機ヒドラジンを嫌気性接着剤に含めることが、マグネシウム表面での
硬化ポリマーの成長と接着強度の向上にとって重要であることを示す。オニウム
塩を使用することによりポリマーの硬化が促進され、一方、ヒドラジンを用いる
ことによりポリマーの硬化が促進され、また接着強度も向上する。
【0070】 実施例2 どのオニウム塩がマグネシウム表面での嫌気性接着剤の接着強度を向上させる
のに最も有効であるか決定するために、オニウム塩1〜9(表1)を添加した、
嫌気性接着剤組成物Bを配合した。組成物Bは、87.5%w/wのトリエチレ
ングリコールジメタクリレート(TRIEGMA)、10.0%w/wのヒドロ
キシプロピルメタクリレート(HPMA)、1.5%w/wのCHP、および1
.0%w/wの試験されるオニウム塩の混合物からなっていた。さらに、コント
ロールとしてオニウム塩が存在しない1混合物を配合した。
【0071】 10種類の組成物のそれぞれから1グラムを2個のガラスバイアルのそれぞれ
に入れた。1個のバイアルに、合金基材のモデルとして用いられた、0.01グ
ラムのマグネシウムの削りくず(shaving)を加えた。バイアルを室温に
24時間放置して次にゲル化について調べた。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】 マグネシウムの削りくず(turning)の存在下にゲル化した組成物は、
それらがマグネシウム存在下の硬化に関して活性化されているので、マグネシウ
ムに対して感応性(sensitive)である。本発明の目的にとって、この
ような組成物はそれらの安定性を維持するために、マグネシウムが存在しないと
ゲル化しないことが望ましい。このようなものとして、ホスホニウム塩1〜3を
含む組成物が、マグネシウムの存在下ではゲル化したが存在しないとしなかった
ことが見出されており、本発明で使用するのに申し分なく適している。これら組
成物の反応性の差異を、マグネシウム合金接合用嫌気性接着剤に用いるための、
有用な可能性がある化合物もしくは活性化剤のスクリーニングに用いることがで
きる。
【0074】 マグネシウム合金などの不動態基材で、硬化速度、硬化の完全性ならびに望ま
しい最終の硬化強度を達成するために、オニウム塩以外に有機ヒドラジンを存在
させることが重要であることがさらに確認された。例えば、ホスホニウム塩4〜
7を含む組成物および第4級アンモニウム塩8を含む組成物は、全て有機ヒドラ
ジンを含んでおらず、マグネシウムに対する反応性を全く示さなかった。第4級
アンモニウム塩9を含む組成物は、やはり有機ヒドラジンを含んでおらず、マグ
ネシウムが存在してもしなくても接着剤組成物がゲル化するという結果になった
。この組成物はマグネシウムの存在下で硬化するが、ホスホニウム塩4〜7を含
む組成物がそうであるように、マグネシウムがない場合に反応性もしくは選択性
に差異が生じない。このようなスクリーニング試験において、ゲル化は、望まし
い接着剤を得るために十分に硬化する能力の必ずしも正確な目安ではないことに
注意すべきである。しかし、このようなスクリーニングは不動態基材の存在下に
組成物に反応性があるかどうかを示している。
【0075】 これらの試験を、オニウム塩1〜3を含むが、その配合にはCHPは添加され
ていない組成物で繰り返した。3種類の全ての組成物で24時間以内にはゲル化
せず、マグネシウム感応性組成物を提供するためにはヒドロペルオキシドおよび
ホスホニウム塩の両方が必要とされていることを示した。実施例1と合わせて考
慮すると、これらの実験は、1種または複数のモノマーとの組合せでヒドロペル
オキシド、ホスホニウム塩、および有機ヒドラジンを含む配合物が、マグネシウ
ムおよび関連する不動態基材用の接着性および接合性材料として用いるのによく
適していると思われることを示している。このようなものとして、以下に示され
るような、そのような本発明の配合物を用いてさらなる実験を行った。
【0076】 実施例3 マグネシウム合金基材での硬化活性化剤としてのアリルトリフェニルホスホニ
ウムブロミド(ATPB)(表1の塩3)の効果を求めるための基本配合物とし
て、組成物5(ウレタン−アクリレートモノマー、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、アクリル酸、CHP、および1−アセチル−2−フェニルヒドラジンの
混合物)を用いた。必要とされる組成物5のほぼ半分を容器に入れ次にホスホニ
ウム塩および組成物5の残りの部分を入れることにより、低密度ポリエチレン容
器で、0.25、0.5、1.0、および2.0%w/wのATPBを組成物5
に溶解した接着剤配合物を調製した。
【0077】 混合物を約30分間機械的に攪拌して、完全な気泡除去を確実に行うために室
温に1夜放置した。校正された熱電対を装備した温調加熱ブロックで、10×7
5mmのガラスバイアル中、82℃で安定性を実施した。マグネシウム合金のラ
ップ−シェア試料を使用前にアセトンで拭き、風乾した。
【0078】 ラップ−シェア試験を、米国標準試験法(ASTM)D−1002に従って、
1もしくは5KNのロードセルを装備したインストロン引張試験機で、12.7
mm/分の歪みで実施した。間隙「ゼロ」および0.254mm(10ミル)で
試験を実施した。間隙を設定するのに、短いU型スチールワイヤスペーサを用い
た。各試験で5回の測定の平均をとった。雰囲気条件下での硬化時間の関数とし
て接着強度を求めた。比較のために、成分5をコントロール配合物として評価し
た。間隙「ゼロ」で得られた結果が、下の表4と図1および2に与えられており
、0.254mmの間隙で得られた結果が下の表5および図3に与えられている
【0079】
【表4】
【0080】 図1および2は表4に示した結果を図示する。図1に見られるように、間隙「
ゼロ」で、0.25%のATPBを含む組成物は、コントロール組成物5に比べ
て硬化速度が8倍に増加していることを示す。さらに、得られた最終強度はホス
ホニウム塩の存在により増加している。図2に見られるように、0.5%のAT
PBを含む組成物に対して同様の結果が得られた。この場合には、オニウム変性
組成物の硬化速度は、塩を添加されていないコントロール組成物5のそれの10
倍である。この図では、変性組成物の最終強度は2時間未満で得られているが、
変性されていないコントロール組成物5は24時間後でさえこの値に到達してい
なかった。
【0081】 実施例4 ATPBはまた、表5および図3に示されるように、比較的大きな接合間隙0
.254mm(10ミル)で組成物5(コントロール)の硬化を加速することが
見出された。
【0082】
【表5】
【0083】 表5に見られるように、ほぼ1.0%w/wのATPBのレベルで、硬化速度
はほぼ50倍に向上しており、最終強度は最初の4時間以内の硬化で達成されて
いる。対照的に、変性されていない接着剤組成物5は非常に緩慢に硬化するだけ
であり、最終強度の1/3を超えたところに決して達しない。図3に見られるよ
うに、ほぼ0.5%w/wのATPBのレベルで、最終的な硬化は最初の8時間
以内の硬化で達成されておりほぼ15倍に向上していた。これらの結果は大きな
間隙で硬化する、本発明の組成物の能力を明白に例示する。
【0084】 実施例5 望ましくは、基本組成物5は82℃で少なくとも2時間は安定である。1パー
セントのホスホニウム塩ATPBの添加により、この温度での組成物5の安定性
が低下することが観察された。しかし、塩の量を減らすことにより、変性された
組成物5の望ましい接着特性を維持したままで、組成物5だけのものと同様の安
定性を示す製品が得られた。安定性試験を、表6に示されるように、82℃に保
たれた、様々な量のATPBと混合された基本組成物5について実施した。全て
の配合物は、大気中保存で6週間の間良好な安定性を示した。
【0085】
【表6】
【0086】 実施例6 表7に列挙された成分を合わせてブレンドすることにより、嫌気性組成物6〜
8を調製した。樹脂混合物は、嫌気性接着剤配合物に通常用いられる、ウレタン
アクリレートプレポリマー、モノマーおよび重合安定剤のブレンドを含んでいた
【0087】
【表7】
【0088】 0.254mm(10ミル)の誘導された間隙をもつマグネシウム合金のラッ
プ−シェア試験試料を、液体組成物を用いて組み立てた。組み立てられた試料を
室温に5.5時間放置して硬化させ、前記ASTMの手順に従って試験した。結
果を表8に示す。
【0089】
【表8】
【0090】 表8に見られるように、APHを含む本発明の組成物は、サッカリンを含む同
じ組成物に比べて、マグネシウムでは顕著に性能が向上している。平均で、AP
H含有配合物(組成物6および7)は、サッカリンを含む比較材料(組成物8)
の5倍の接着強度を示す。この結果はまた、組成物6および7で、組成物7は組
成物6に存在するAPHの半分の量しか含まないが、組成物6および7の接着強
度に有意な相違が見られないので、1%より低濃度のAPHは、オニウム塩含有
嫌気性接着剤をマグネシウム基材で活性化させるのに有効であることを示す。
【0091】 接着試験の後で基材を調べることにより、組成物6および7は硬質でよく硬化
されているが、組成物8は柔軟で粘着性があり部分的に硬化されているだけであ
ることが示された。硬化度のこれらの相違は、観察された破壊モードに反映され
ている。
【0092】 実施例7 本発明におけるAPHの効果をさらに調べるために、表9に列挙される成分を
合わせてブレンドすることにより、嫌気性組成物9および10を調製した。
【0093】
【表9】
【0094】 4時間の室温硬化の後、前記実施例のようにマグネシウム基材でラップ−シェ
ア試験を実施した。結果が表10に示されている。
【0095】
【表10】
【0096】 表10に見られるように、APHを含む組成物9の接着強度は、同レベルのサ
ッカリンを含む同じ組成物の14倍である。この結果から、オニウム塩含有嫌気
性接着剤のマグネシウム基材での硬化および接着性を増進するのにサッカリンに
対してAPHが優れていることが確認できる。組成物9の接着強度が組成物6お
よび7に比べて少し低下しているのは、一部分はオニウム塩の濃度がより低いた
めであり、また一部分は組成物6および7に比べて組成物9の硬化時間がより短
いためである可能性が高い。
【0097】 実施例8 マグネシウム合金基材での嫌気性接着剤の硬化速度の測定 ホスホニウム塩含有嫌気性接着剤の室温(RT)硬化についての速度論的研究
を、全反射減衰分光法(ATR)による赤外分光分析により実施した。これらの
実験では、液体接着剤の薄膜を、リリース処理したセレン化亜鉛(ZnSe)A
TR結晶とこの結晶と同じ大きさに機械加工されたAZ91Dマグネシウム合金
のパネルとの間に挟み込んだ。次に、嫌気性硬化の進展を、(メタ)アクリレー
ト基の反応性2重結合に関連する吸収帯の消滅を1637cm-1で追跡すること
により、リアルタイムでモニタした。硬化は、基材を液体接着剤膜に当てがい、
空気をジョイントから排除するとすぐに開始される。この方法により、用いられ
た金属基材と直接接触している接着接合部の硬化速度および進展度合いの正確な
測定が可能となる。モノマーの転化分率を、1637cm-1での(メタ)アクリ
レート基の吸収と1710cm-1でのカルボニル基の吸収の正規化された比から
、Roを初期(すなわち、時刻=0での)の比とし、Rtを硬化反応中もしくは後
のある時刻での(すなわち、時刻=tでの)対応する比であるとして、式 1−
t/Ro に従って求めた。
【0098】 嫌気性接着剤の硬化反応性へのオニウム塩の影響を評価するために、表11に
詳細に示した成分を合わせてブレンドすることにより試験組成物を調製した。
【0099】
【表11】
【0100】 オニウム塩なしのこの組成物の硬化を前記の方法により分析することにより、
図4に示すように、組み立てたときから約400分後に硬化度の値は約40%に
達しただけであったことが示された。しかし、試験組成物に0.5%のメチルト
リフェニルホスホニウムブロミドを添加することにより、硬化速度に顕著な加速
効果があり、オニウム塩触媒なしの配合物に比べて結果としてより大きな硬化度
(〜80%)が得られた(図4)。3時間後に、MTPBが添加された組成物の
硬化はほとんど完了しているが(〜80%の転化)、変性されていない物は同じ
時間で〜35%が転化しただけであった。図4の転化プロットから、MTPBの
存在下では初期硬化速度が触媒のない組成物に比べてかなり速く、短い誘導時間
もしくは抑制は見られないこともまた知ることができる。(メタ)アクリレート
基の約70%が転化した後、硬化速度は急速に低下する。これはおそらくゲル化
およびガラス化の結果である。硬化はZnSe/AZ91Dマグネシウム合金接
合部で行なわれた。
【0101】 前記データの分析は、転化速度がモノマー濃度に正比例する1次反応により初
期硬化期間(0〜65分)を都合よく記述することができることを示す。したが
って、硬化時間の関数としての、ln[M]/[Mo]プロットの勾配から、こ
の期間のモノマー消費速度定数を求めることができる。比[M]/[Mo]は、
IR分析により求められる、硬化中の任意の時刻におけるメタクリレート基の正
規化された濃度である。結果を図5に示す。図5は、室温硬化中の、マグネシウ
ム合金AZ91Dでの初期モノマー転化に対する1次プロットである。MTPB
を含む組成物および含まない組成物の対応する速度定数は、それぞれ15.4(
10-3)および3.2(10-3)/分である。このように、0.5%のレベルで
、MTPBはマグネシウム合金での嫌気性試験接着剤の初期硬化速度を約5倍に
加速する。
【0102】 上の配合におけるAPHおよびMTPBの最適レベルを求めるために、同じ技
法を用いた。一定濃度のAPHで、MTPBの最適レベルは0.1と0.5重量
%の間であることが見出された。関連する1組の実験では、MTPBは0.25
%の一定濃度で、APHレベルを0.25と2.0%の間で変えた。これらのデ
ータは、1.5重量%を超えるレベルのAPHは硬化速度にさらなる影響をまっ
たく与えないことを示す。
【0103】 実施例9 テトラブチルアンモニウムブロミドを含む嫌気性接着剤組成物 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート中10%のテトラブチルアンモニウム
ブロミド(TBAB)溶液2.5gと表11に記載された嫌気性接着剤配合物9
7.5gとを合わせてブレンドすることにより、変性された嫌気性接着剤組成物
を調製した。これは、オニウム塩を0.25重量%含む接着剤組成物を与えた。
実施例3に記載したように、マグネシウム合金基材で間隙を0.254mmとし
てラップ−シェア接着性試験を実施した。室温で4時間かけて試料を硬化させた
。比較のために塩が添加されていない接着剤も評価した。結果が表12に示され
ている。
【0104】
【表12】
【0105】 RTで4時間かけて硬化させた後、触媒が添加されてない組成物は非常に弱く
接合されていたので、試験が完了する前に試料が壊れた。このため、ラップ−シ
ェア強度が測定できるように、この試料の硬化を8時間に延長した。TBABな
しの組成物の変動係数により示されるようなデータの大きな分散は、試料ごとに
硬化度に大きな変動があることをさらに示している。これらの結果は実施例2の
結果と共に、APHを含む嫌気性接着剤にTBABを添加することにより、接着
剤のマグネシウム合金基材での硬化が活性化されることを示している。
【0106】 実施例10 様々な不動態基材での、触媒変性嫌気性接着剤の評価 0.25重量%のアリルトリフェニルホスホニウムブロミド(ATPB)を実
施例8の試験接着剤に溶解させることにより、嫌気性接着剤を調製した。嫌気性
接着剤の硬化に対して不動態化することが知られている様々な基材で、ラップ−
シェア接着強度試験を行った。次に、その値を、同じ条件(RTで24時間かけ
て硬化、間隙0.254mm、5試料の平均)で硬化させた変性されていない接
着剤(コントロール試料)と比較した。すべての場合に、ATPB変性接着剤は
、変性されていない材料に比べて大きな強度を示した。結果を表13にまとめて
示す。様々な基材表面への接着剤の感応性が、オニウム塩触媒が添加された組成
物と添加されていない組成物の接着強度の比(A/C)から求められる。
【0107】
【表13】
【0108】 オニウム塩で変性された嫌気性接着剤の活性は、調べられたすべての基材で高
められているが、強度の比増加(A/C比)はマグネシウムで最大であり、この
基材に対する表面感応性の高さを示している。比較すると、陽極処理アルミニウ
ムとステンレス鋼に対する表面感応性(A/C)が比較的低い。重クロム酸亜鉛
でその値は中間であり、オニウム塩含有組成物がこれらの基材の接合にもまた有
用でありうることを示唆している。
【0109】 ATPBを含む本発明の組成物では、マグネシウムでの接着強度の増加パーセ
ンテージはコントロールより400%大きく;ステンレス鋼ではコントロールの
60%増であり;重クロム酸亜鉛鋼ではコントロールの233%増であり;陽極
処理アルミニウムではコントロールの58%増である。
【0110】 実施例11 嫌気性シーラント組成物 マグネシウム基材で嫌気性シーラント組成物の硬化を促進するオニウム塩の有
用性もまた例示された。表14に示される成分を合わせてブレンドすることによ
り、優れたシール性をもつ組成物を調製した。
【0111】
【表14】
【0112】 0.25%のアリルトリフェニルホスホニウムブロミド(ATPB)をさらに
含む類似の組成物も調製した。次に、(実施例3に記載されたように)AZ91
Dマグネシウム合金試料で、2種類の組成物についてラップ−シェア接着強度の
増加状態を比較した。結果を表15に示す。
【0113】
【表15】
【0114】 結果は、触媒を含まない同じシーラント組成物に比べて、ATPBを含むシー
ラント組成物には、接着強度にほぼ3倍の増加があることを示している。このよ
うに、触媒はマグネシウム基材での嫌気性シーラント組成物の硬化および接着強
度の増加を進展させる。
【0115】 前記実施例は本発明を例示する上で役立つが、特許請求の範囲により定められ
るその精神および範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 様々な濃度のホスホニウム塩を添加した場合としない場合の嫌気性組成物に対
する、間隙ゼロのマグネシウム基材でのラップ−シェア試験結果を示すグラフで
ある。
【図2】 様々な濃度のホスホニウム塩を添加した場合としない場合の嫌気性組成物に対
する、間隙ゼロのマグネシウム基材でのラップ−シェア試験結果を示すグラフで
ある。
【図3】 様々な濃度のホスホニウム塩を添加した場合としない場合の嫌気性組成物に対
する、間隙2.54mmのマグネシウム基材でのラップ−シェア試験結果を示す
グラフである。
【図4】 オニウム塩を含まない同一組成物と比較して、本発明の嫌気性接着剤について
、硬化時間の関数として硬化転化分率の赤外分光プロットを示すグラフである。
【図5】 オニウム塩を含まない同一組成物と比較して、本発明の組成物のマグネシウム
での硬化速度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 モリル、 スーザン アメリカ合衆国 06107 コネティカット 州 ウェスト ハートフォード ブルンス ウィック アヴェニュー 66 (72)発明者 ダンヘイザー、 リック アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ州 ウォータータウン クーリッジ ア ヴェニュー 151 Fターム(参考) 4J040 EC001 FA041 FA071 FA101 FA141 FA161 FA181 FA281 FA291 HB36 HB41 HC01 HC07 HC15 HD20 HD21 HD41 JA12 JB02 JB04 JB06 JB08 KA13 KA29

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不動態化基材に強化された接合を提供する1液接着剤組成物
    であって、(a)少なくとも1種のモノマー;(b)少なくとも1種の過酸化フ
    リーラジカル開始剤;(c)少なくとも1種のオニウム塩;および(d)少なく
    とも1種の有機ヒドラジンを含む組成物。
  2. 【請求項2】 前記モノマーが嫌気的に硬化可能である請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記モノマーが、湿気硬化機構、熱硬化機構、光開始剤機構
    およびこれらの組合せにより硬化可能である請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記モノマーが(メタ)アクリレートモノマーである請求項
    1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記モノマーが、スチレン、チオール−エン、アクリルアミ
    ド、マレエートエステル、フマレート、メチレンマレエート、およびエポキシド
    からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記(メタ)アクリレートモノマーが、ジエチレングリコー
    ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレ
    ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジ
    エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
    テトレエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
    ート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレングリ
    コールジ(クロロアクリレート)、ジグリセロールジアクリレート、ジグリセロ
    ールテトラメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチ
    ルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒド
    ロキシプロピルメタクリレートおよびこれらの組合せからなる群から選択される
    請求項4に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記(メタ)アクリレートモノマーが、エトキシ化トリメチ
    ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート
    、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ペンタエリスリ
    トールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート
    、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
    レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,2−ブチレングリコー
    ルジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリ
    レート、グリセリルプロポキシレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチルロ
    ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキ
    シペンタ(メタ)アクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アク
    リレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、
    1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(
    メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレ
    ングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)
    アクリレートおよびこれらの組合せからなる群から選択される請求項4に記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 前記(メタ)アクリレートモノマーがポリウレタン(メタ)
    アクリレートモノマーである請求項4に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ポリウレタン(メタ)アクリレートモノマーが以下の構
    造: 【化1】 をもち、Bが置換および無置換の、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ア
    リール、アラルキル、アルカリールおよび複素環基からなる群から選択される多
    価有機基であり;Xは−O−および 【化2】 基からなる群から選択され;nは2と6を含む2から6の整数であり;R’は、
    水素、塩素ならびにメチルおよびエチル基からなるクラスから選択され;またR
    ”は、炭素原子1から8個の低級アルキレン、フェニレンおよびナフタレン基か
    らなる群から選択される2価の有機基である請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記過酸化フリーラジカル開始剤がクメンヒドロペルオキ
    シドである請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記過酸化フリーラジカル開始剤が、メチルエチルケトン
    ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペル
    オキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキ
    シド、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の組成物
  12. 【請求項12】 前記オニウム塩が、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、お
    よびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記ホスホニウム塩が以下の構造式 【化3】 で表され、R1、R2、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよく、ヒド
    ロカルビル、ヒドロカルビルアリール、アリールまたはこれらの置換誘導体であ
    り;XはCl、Br、もしくはFまたは−SbF6、−BF4もしくはPF6など
    のソフトアニオンである請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ホスホニウム塩が、2−(エトキシカルボニル)エチ
    ルトリフェニルホスホニウムブロミド、1−エトキシカルボニルエチルトリフェ
    ニルホスホニウムブロミド、4−エトキシカルボニルブチルトリフェニルホスホ
    ニウムブロミド、カルベトキシメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、およ
    びこれらの組合せからなる群から選択される請求項12に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記ホスホニウム塩がアリルトリフェニルホスホニウムブ
    ロミドである請求項12に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記オニウム塩が前記組成物の約0.25から約2.0重
    量%の量で存在する請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記有機ヒドラジンが、1−アセチル−2−フェニルヒド
    ラジン、1−アセチル−2(p−トリル)ヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フ
    ェニルヒドラジン、1−(1’,1’,1’−トリフルオロ)アセチル−2−フ
    ェニルヒドラジン、1,5−ジフェニルカルボヒドラジン、1−ホルミル−2−
    フェニルヒドラジン、1−アセチル−2−(p−ブロモフェニル)ヒドラジン、
    1−アセチル−2−(p−ニトロフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(
    p−メトキシフェニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−(2’−フェニルエチ
    ル)ヒドラジン、1−アセチル−2−メチルヒドラジン、1−フェニルセミカラ
    バジド、2−フェニル−t−ブチルカルバゼート、コハク酸ジ(フェニルヒドラ
    ジド)、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】 前記有機ヒドラジンが前記組成物の約1.0重量%以下の
    量で存在する請求項1に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 サッカリン、ジメチルp−トルイジン、フェノール系安定
    剤、キレート剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される成分をさらに
    含む請求項1に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 不動態化基材に対して改良された接着性を有する嫌気性接
    着剤組成物であって、(a)少なくとも1種の(メタ)アクリレートモノマー;
    (b)少なくとも1種の過酸化フリーラジカル開始剤;(c)少なくとも1種の
    ホスホニウム塩;および(d)アセチルフェニルヒドラジンを含む組成物。
  21. 【請求項21】 不動態化基材に対して強化された接着を提供する方法であ
    って、 a)(i)少なくとも1種のモノマー;(ii)少なくとも1種の過酸化フリ
    ーラジカル開始剤;(iii)少なくとも1種のオニウム塩;および(iv)少
    なくとも1種の有機ヒドラジンを含む組成物を提供するステップと; b)2つの基材間に前記組成物を配置するステップと、 c)前記組成物の硬化を実施して、それらに強化された接着を実現するステッ
    プ を含む方法。
  22. 【請求項22】 マグネシウムなどの不動態基材に対して改良された接着性
    を有する嫌気性接着剤組成物の製造方法であって、 a)少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の過酸化フリーラジカル開始
    剤、少なくとも1種のオニウム塩;および少なくとも1種の有機ヒドラジンを供
    用するステップと; b)各前記成分を合わせて混合物を形成するステップと を含む製造方法。
JP2001585261A 2000-05-18 2001-05-18 マグネシウム合金などの不動態基材接合用接着剤組成物 Pending JP2003533581A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US20513500P 2000-05-18 2000-05-18
US60/205,135 2000-05-18
PCT/US2001/016200 WO2001088050A2 (en) 2000-05-18 2001-05-18 Adhesive compositions for bonding passive substrates such as magnesium alloys

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003533581A true JP2003533581A (ja) 2003-11-11

Family

ID=22760939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001585261A Pending JP2003533581A (ja) 2000-05-18 2001-05-18 マグネシウム合金などの不動態基材接合用接着剤組成物

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7115676B2 (ja)
EP (1) EP1285037A2 (ja)
JP (1) JP2003533581A (ja)
AU (1) AU2001261770A1 (ja)
CA (1) CA2409650A1 (ja)
WO (1) WO2001088050A2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002147A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Yazaki Corp 嫌気性接着剤組成物および嫌気性接着剤を使った電線の止水方法
JP2011220427A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Minebea Co Ltd ピボットアッシー軸受
KR20150023325A (ko) * 2012-06-01 2015-03-05 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 술폰아미드기를 지닌 접착 촉진제가 있는 접착제
KR20170134491A (ko) * 2015-04-03 2017-12-06 헨켈 아이피 앤드 홀딩 게엠베하 혐기 경화성 조성물
JP2017214499A (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 株式会社スリーボンド 嫌気硬化性組成物
KR20190046799A (ko) * 2016-09-06 2019-05-07 가부시끼가이샤 쓰리본드 열경화형 도전성 접착제

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7807473B2 (en) * 2005-10-26 2010-10-05 General Electric Company Material compositions for sensors for determination of chemical species at trace concentrations and method of using sensors
CA2660535C (en) * 2006-08-11 2014-05-20 Henkel Corporation Lubricious anaerobic curable compositions
US8865794B2 (en) * 2007-04-02 2014-10-21 Nd Industries, Inc. Anaerobic adhesive compositions having microencapsulated metal ions
US7883898B2 (en) * 2007-05-07 2011-02-08 General Electric Company Method and apparatus for measuring pH of low alkalinity solutions
US8106141B2 (en) * 2008-05-07 2012-01-31 Henkel Corporation Cure accelerators for anaerobic curable compositions
CN102152685B (zh) * 2010-11-05 2013-03-20 汕头市东田转印有限公司 一种转移印刷膜转印后胶粘层的进一步固化方法
MY167220A (en) * 2010-12-28 2018-08-14 Akzo Nobel Coatings Int Bv Radiation curable coating compositions for metal
CN104685129A (zh) * 2012-11-28 2015-06-03 赢创工业集团股份有限公司 用于支持车辆的环境识别的新型道路标记
CN104934550A (zh) * 2015-05-07 2015-09-23 京东方科技集团股份有限公司 Oled器件的封装结构、封装方法以及电子设备
GB2548918B (en) 2016-04-01 2020-07-15 Henkel IP & Holding GmbH Anaerobically curable (meth)acrylate compositions
CN111925756B (zh) * 2019-05-13 2022-10-21 湖州欧美化学有限公司 用于厌氧胶的引发剂组合物、厌氧胶及其制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3425988A (en) 1965-01-27 1969-02-04 Loctite Corp Polyurethane polyacrylate sealant compositions
JPS49120889A (ja) * 1973-03-22 1974-11-19
US4295909A (en) 1975-02-03 1981-10-20 Loctite Corporation Curable polybutadiene-based resins having improved properties
US4018851A (en) 1975-03-12 1977-04-19 Loctite Corporation Curable poly(alkylene) ether polyol-based grafted resins having improved properties
US4287330A (en) * 1975-05-23 1981-09-01 Loctite Corporation Accelerator for curable compositions
US4336363A (en) * 1979-02-12 1982-06-22 General Electric Company Heat curable compositions containing sulfonium salts
US4968383A (en) * 1985-06-18 1990-11-06 The Dow Chemical Company Method for molding over a preform
US5411998A (en) 1992-07-24 1995-05-02 Loctite Limited Curing anaerobic compositions through thick bondlines
IE941002A1 (en) * 1994-12-22 1996-06-26 Loctite Ireland Ltd Air-activatable polymerisable compositions containing¹tetrazoles

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002147A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Yazaki Corp 嫌気性接着剤組成物および嫌気性接着剤を使った電線の止水方法
JP2011220427A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Minebea Co Ltd ピボットアッシー軸受
KR20150023325A (ko) * 2012-06-01 2015-03-05 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 술폰아미드기를 지닌 접착 촉진제가 있는 접착제
JP2015521227A (ja) * 2012-06-01 2015-07-27 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co.KGaA スルホンアミド基を有する接着促進剤を有する接着剤
KR102131466B1 (ko) 2012-06-01 2020-07-07 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 술폰아미드기를 지닌 접착 촉진제가 있는 접착제
KR20170134491A (ko) * 2015-04-03 2017-12-06 헨켈 아이피 앤드 홀딩 게엠베하 혐기 경화성 조성물
JP2018510253A (ja) * 2015-04-03 2018-04-12 ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 嫌気硬化性組成物
KR102456360B1 (ko) 2015-04-03 2022-10-20 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 혐기 경화성 조성물
JP2017214499A (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 株式会社スリーボンド 嫌気硬化性組成物
KR20190046799A (ko) * 2016-09-06 2019-05-07 가부시끼가이샤 쓰리본드 열경화형 도전성 접착제
KR102396869B1 (ko) 2016-09-06 2022-05-10 가부시끼가이샤 쓰리본드 열경화형 도전성 접착제

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001088050A3 (en) 2002-04-04
US20030217808A1 (en) 2003-11-27
CA2409650A1 (en) 2001-11-22
AU2001261770A1 (en) 2001-11-26
US7115676B2 (en) 2006-10-03
WO2001088050A2 (en) 2001-11-22
EP1285037A2 (en) 2003-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003533581A (ja) マグネシウム合金などの不動態基材接合用接着剤組成物
ES2354456T3 (es) Adhesivos para aplicaciones de adhesión de metales.
AU2004284427B2 (en) Adhesive compositions for bonding and filling large assemblies
TWI377239B (en) Acrylate/methacrylate adhesives initiated by chlorosulfonated polymer
CA2243573A1 (en) Free radical polymerizable compositions including para-halogenated aniline derivatives
JPS5812918B2 (ja) ケンキセイカンアツセツチヤクザイストツク
BR112015020062B1 (pt) Formulações de adesivo de duas partes e processo de aplicar um adesivo a um substrato
EP0450081B1 (en) Adhesive composition
JP4745670B2 (ja) 二液主剤型アクリル系接着剤用b剤
JP4759901B2 (ja) 嫌気硬化性組成物
JPH01168777A (ja) 接着剤組成物
JPS638152B2 (ja)
JPH0465877B2 (ja)
CN117377706A (zh) 两部分可固化组合物
JPS5925855A (ja) 接着剤組成物
JPH0232304B2 (ja) Akurireetonokokaseisoseibutsu
JP2000026819A (ja) 嫌気硬化性接着剤組成物を製造する方法
JPH1060381A (ja) 嫌気性アクリル系接着剤用プライマー組成物
US4496694A (en) Process for producing a storage-stable, miscible curing agent for acrylate resin adhesives
WO2019221135A1 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH09125011A (ja) 耐熱性アクリル系接着剤組成物
WO2017018486A1 (ja) 組成物
JPH0987590A (ja) 接着剤組成物
JPH09183950A (ja) 二液型アクリル系接着剤組成物
JPH04249589A (ja) 接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040924