JP2017214499A - 嫌気硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、光硬化性を有する嫌気硬化性組成物は、エネルギー線を照射すると即座に硬化するために被着体が透明である必要があり、嫌気硬化性が高い時には重合禁止剤等を多く添加しなければ高い保存安定性を保持することが困難であった。エネルギー線照射(光照射)前は高い保存安定性を有すると共に、エネルギー線照射後は高い嫌気硬化性を発現する嫌気硬化性組成物の提供。【解決手段】(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物(B)成分:嫌気硬化性触媒(C)成分:有機過酸化物(D)成分:光酸発生剤【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線を照射することで嫌気硬化性が向上する嫌気硬化性組成物に関するものである。
引用文献1には光硬化性を有する嫌気硬化性組成物の発明が記載されており、当該組成物はエネルギー線の照射によりラジカル種を発生する光開始剤および嫌気触媒を含む組成物であり、エネルギー線の照射によって硬化するか、または、嫌気性雰囲気下で硬化する。引用文献1に記載の組成物にエネル−線を照射ためには、被着体がエネルギー線を透過する透明な材質である必要があり、被着体を選ぶ必要がある。
一方、サッカリン等を必須成分とする嫌気硬化性組成物は、嫌気硬化性を高くし過ぎると、保存安定性(25℃雰囲気下や80℃雰囲気下)が低下して、保存中にゲル化または増粘することがある。そのため、重合禁止剤などを多く添加して嫌気硬化性を抑制すると硬化性を低下させるため、保存安定性と嫌気硬化性はトレードオフの関係にある。
特開昭55−112211号公報
従来、光硬化性を有する嫌気硬化性組成物は、エネルギー線を照射すると即座に硬化するために被着体が透明である必要があり、嫌気硬化性が高い時には重合禁止剤等を多く添加しなければ高い保存安定性を保持することが困難であった。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、嫌気硬化性組成物に関する手法を発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物である。
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
(B)成分:嫌気硬化性触媒
(C)成分:有機過酸化物
(D)成分:光酸発生剤
本発明の第二の実施態様は、前記(B)成分が、サッカリンを含む第一の実施態様に記載の嫌気硬化性組成物である。
本発明の第三の実施態様は、前記(A)成分が、(メタ)アクリルオリゴマーおよび(メタ)アクリルモノマーを含む第一または第二の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物である。
本発明の第四の実施態様は、第三の実施態様に記載の(メタ)アクリルモノマーが分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーおよび/または飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーである第三の実施態様に記載の嫌気硬化性組成物である。
本発明の第五の実施態様は、一方の被着体に第一から第四の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物を塗布した後に、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法である。
本発明の第六の実施態様は、一方の被着体に第一から第四の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物を塗布する前に、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法である。
本発明では、被着体が透明であるか否かに係わらず、嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射することで嫌気硬化性が促進され、その後に貼り合わせや締め付けを行うことで、エネルギー照射を実施しない場合と比較してセットタイムが短縮されるという効果を実現する。つまり、エネルギー線照射(光照射)前は高い保存安定性を有すると共に、エネルギー線照射後は高い嫌気硬化性を発現する嫌気硬化性組成物を可能にする。
本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、(メタ)アクリル基を有する化合物であれば良く、(メタ)アクリルオリゴマー、(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルアミドモノマーなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。(メタ)アクリル基とは、アクリル基またはメタクリル基の総称である。
(メタ)アクリルオリゴマーとしては、エポキシ変性(メタ)アクリルオリゴマー、ウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマーまたは(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体例としては、多価ポリオールに多官能イソシアネートと(メタ)アクリル基と水酸基を有する化合物を合成したいわゆるウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマーが挙げられる。多価ポリオールは様々な骨格を有して良く、エチレンオキサイド骨格、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリブタジエン骨格や水添ポリブタジエン骨格など様々なものを使用することができる。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ変性(メタ)アクリルオリゴマーも挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーの主骨格の形成に用いる(メタ)アクリルモノマーとしては、分子内に(メタ)アクリル基を1つ有する1官能性モノマーが好ましく、その具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、前記(メタ)アクリルモノマーより選択して重合させることができるが、好ましくは炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマーを選択することが好ましい。
(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは5000〜40000である。重量平均分子量が5000未満であると硬化物が有する弾性が発現されにくくなる傾向があり、耐熱試験において硬化物に割れが発生する。一方、重量平均分子量が40000を超えると粘性が高くなりすぎて熱硬化性組成物を塗布する際に糸ひきが発生する。(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーは種々の重合法により得ることができ、その方法は特に限定されないが、モノマーの汎用性及び反応制御の容易性の点からラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。また、主骨格である(メタ)アクリルモノマーの重合体に対して、(メタ)アクリル基の導入法は、(1)末端に水酸基を有するビニル系重合体と、塩素、臭素、または水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、との反応による方法、(2)末端にハロゲン基を有するビニル系重合体とアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン含有(メタ)アクリレート化合物との反応による方法、(3)末端に水酸基を有するビニル系重合体にジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる方法などが挙げられる。これらの方法は既に公知な方法であり、特開昭61−133201号公報、特開平11−80250号公報、特開2000−38404号公報、特開2001−271055号公報、特開2002−69121号公報などに記載されている。また、(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーは100℃雰囲気下などの高温雰囲気や、85℃×85%RHなどの高温高湿雰囲気でも変質せずに柔軟性を失わない特性がある。
本発明では、(A)成分として(メタ)アクリルモノマーを使用することもできる。嫌気硬化性組成物の粘度を低く調整して作業性を向上させる目的で、(メタ)アクリルオリゴマーと(メタ)アクリルモノマーを混合することもできるし、(メタ)アクリルオリゴマーまたは(メタ)アクリルモノマーを単独で使用することもできる。(メタ)アクリルモノマーとは、1官能性モノマーの他に、2官能性モノマー、3官能性モノマーまたは多官能性モノマーなどが挙げられる。特に好ましくは、添加することで粘度を下げる効果がある分子量が1000未満の低分子量の(メタ)アクリルモノマーである。
1官能モノマーの具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート 、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましい1官能モノマーとしては、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーおよび/または飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーである。水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。最も好ましくは、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられるがこれらに限定されるものではない。飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。最も好ましくは、イソボルニル骨格および/またはジシクロペンタニル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーである。
2官能性モノマーの具体例としては、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドサイド(以下POと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジアクリロイルイソシアヌレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
3官能性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多官能モノマーの具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用することができる(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジエチルアクリルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格と入手のし易さを考慮するとジエチルアクリルアミドまたはジメチルアクリルアミドが好ましい。(B)成分の具体例としては、KJケミカル株式会社製のDMAA、ACMO、DEAAなどが知られているが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用することができる(B)成分としては、嫌気硬化性触媒である。酸素と触れていない嫌気状態において、被着体の金属イオンと(B)成分が反応して、後述の(C)成分を分解してフリーラジカルを発生させる。特に、(B)成分としては、式1の様なサッカリンであることが好ましい。
(A)成分100質量部に対して(B)成分は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましく、より好ましい添加量は0.1〜3.0質量部である。(B)成分が0.1質量部以上であると嫌気硬化性を発現し、(B)成分が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。
本発明で使用することができる(C)成分としては、有機過酸化物である。特に好ましくは、ハイドロパーオキサイドである。ハイドロパーオキサイドとは式2の様な構造を有する有機過酸化物であり、ここでRは鎖状脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素又はそれらの誘導体を示す。具体的には、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(C)成分は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜3.0質量部である。(C)成分が0.1質量部以上であると嫌気硬化性を発現し、(C)成分が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。
本発明で使用することができる(D)成分としては、光酸発生剤である。エネルギー線照射により酸が発生する化合物であればよい。具体的な(D)成分としては、カチオン種がヨードニウム系カチオン種やスルホニウム系カチオン種など、アニオン種がリン系アニオン種やホウ素系アニオン種などからなる塩が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ノニオン系光酸開始剤も使用することができる。また、塩以外の(D)成分としては、ジアゾメタン誘導体、トリアジン誘導体、イミジルスルホネート誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ナフタレンなどのハロアルキルトリアジニルアリール、1−メトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1−メトキシ−2−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、スクシンイミジルカンファスルホネート、スクシンイミジルフェニルスルホネート、スクシンイミジルトルイルスルホネート、スクシンイミジルトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミジルトリフルオロスルホネート、ナフタルイミジルカンファスルホネート、ナフタルイミジルメタンスルホネート、ナフタルイミジルトリフルオロメタンスルホネート、ナフタルイミジルトルイルスルホネート、ノルボルネンイミジルトリフルオロメタンスルホネートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
明確な原因は分からないが、本発明の嫌気硬化性組成物にエネルギー線照射すると嫌気硬化性が向上し、セットタイムが短縮される。具体的には、25℃雰囲気下で、「(D)成分を含む組成物のセットタイム」/「(D)成分を含まない組成物のセットタイム」=1/300〜1/5であることが好ましい。
本発明で使用できるスルホニウム塩の一つとして、一般式3が挙げられる。ここで、Rとしてはヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロルアンチモネート、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン、フルオロスルフォン酸イオン等のアニオンが挙げられる。
(D)成分の具体例としては、サンアプロ株式会社製のCPI−100P、CPI−101P、CPI−110B、CPI−200K、CPI−210S、IK−1、IK−2などが、和光純薬工業株式会社製のWPI−113、WPI−116、WPI−169、WPI−170,WPAG−336、WPAG−367、WPAG−370、WPAG−469、WPAG−638などが、ADEKA株式会社製のアデカオプトマーSP−103、SP−150、SP−151、SP−170、SP−171、SP−172などが、サートマー社製のCD−1010、CD−1011、CD−1012、三新化学工業株式会社製のサンエイドSI−60、SI−80、SI−100、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−L145、SI−L150、SI−L160、SI−L110、SI−L147などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(D)成分は0.01〜5.0質量部添加されることが好ましい。(D)成分が0.01質量部以上であると嫌気硬化性を向上させ、(D)成分が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。
本発明では、(B)成分と(C)成分の反応を促進させる化合物として、本発明の嫌気硬化性組成物の保存安定性を損なわない範囲内で硬化促進剤を添加することができる。具体的には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、ジイソプロパノール−P−トルイジン、トリエチルアミン等の3級アミン類としてジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類としてチオ尿素、エチレンチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アセチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素等のチオ尿素類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、硬化促進剤は0.01〜5.0質量部添加されることが好ましい。硬化促進剤が0.01質量部以上であると嫌気硬化性を向上させ、硬化促進剤が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。
本発明では、保存安定性を向上させる目的でキレート剤を添加しても良い。25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーにより25℃で固形のキレート剤を溶解させた組成物、または25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーにより25℃で液状のキレート剤を相溶させた組成物を添加することもできる。溶解または相溶の際には、30〜60℃に加熱しても良い。キレート剤は、組成物中の不純物である金属イオンと配位して、金属をキレート化して不活性にし、嫌気硬化性組成物において反応性を抑制する化合物である。そのため、キレート剤により嫌気硬化性組成物は保存安定性を維持することができる。
25℃で固形のキレート剤の具体例としては、株式会社同人化学研究所製のEDTA・2Na、EDTA・4Naなどが、キレスト株式会社製のEDTA系(エチレンジアミン四酢酸)、NTA系(ニトリロ四酢酸)、DTPA系(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDTA系(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、TTHA系(トリエチレンテトラミン六酢酸)、PDTA系(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、DPTA−OH系(1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸)、HIDA系(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、DHEG系(ジヒドロキシエチルグリシン)、GEDTA系(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、CMGA系(ジアルボキシメチルグルタミン酸)、EDDS系((S,S)−エチレンジアミンジコハク酸)およびEDTMP系(エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、25℃で液状のキレート剤の具体例としては、キレスト株式会社製のMZ−8や、HEDP系(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)、NTMP系(ニトリロトリス(メチレンホスホン酸))およびPBTC系(2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸)の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーの場合、キレート剤は極性があるオリゴマーやモノマーには溶解または相溶するが、(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーのような極性が低いオリゴマーには溶解または相溶しにくいか全くしない。
25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーとしては、25℃で固形のキレート剤を溶解させるものであれば限定されないが、好ましくはリン酸エステル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーである。特に好ましくは、一般式4の(メタ)アクリルモノマーであり、ここでnは1または2であり、Rは水素またはメチル基を、Rは炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。リン酸エステル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーは粘度を低くする能力が低いため、(A)成分の(メタ)アクリルモノマーには含めない。
25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーとしては、25℃で液状のキレート剤と相溶するものであれば限定されないが、好ましくは分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーである。特に好ましくは、一般式5の(メタ)アクリルモノマーであり、ここでRは水素またはメチル基を、Rは炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。
(A)成分中のキレート剤の濃度としては0.01〜5.0質量%であることが好ましく、キレート剤が5.0質量%より多く添加されると嫌気硬化性が低下する。
本発明は経時による粘度変化をさらに抑制するために、重合禁止剤を添加することができる。具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、4−t−ブチルカテコールなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。(A)成分中の重合禁止剤の濃度としては0.01〜5.0質量%であることが好ましく、重合禁止剤が5.0質量%より多く添加されると嫌気硬化性が低下する。
また、目的に応じて酸化防止剤を添加してもよく、具体的にはフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ニトロキシド系酸化防止剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明には、無機充填剤や有機充填剤などの充填剤を適宜添加することができる。充填剤を添加することで、粘性・チクソ性だけでなく硬化性、強靱性を調整することができる。無機充填剤としては、アルミナ、シリカなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一方、有機充填剤としては、スチレンフィラー、アクリルゴムやポリブタジエンゴムなどからなるゴムフィラー、コアシェル構造を有するゴムフィラーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましい無機充填剤は、ヒュームドシリカである。未処理の表面にはシラノールが残留している親水性タイプ、前記シラノールをジメチルジクロロシランなどで処理してシリカ表面を疎水化した疎水性タイプなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。親水性タイプの具体的な商品としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジル90、130、150、200、255、300、380等が挙げられ、疎水性タイプの具体的な商品としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジルR972(ジメチルジクロロシラン処理)、R974(ジメチルジクロロシラン処理)、R104(オクタメチルシクロテトラシロキサン処理)、R106(オクタメチルシクロテトラシロキサン処理)、R202(ポリジメチルシロキサン処理)、R805(オクチルシラン処理)、R812(ヘキサメチルジシラザン処理)、R816(ヘキサデシルシラン処理)、R711(メタクリルシラン処理)などが挙げられる。その他にキャボット株式会社製のヒュームドシリカであるキャボシルシリーズなどが挙げられる。
本発明の組成物の性状や硬化物の物性が損なわれない程度にその特性を調整するために、ラジカル熱硬化剤、感光剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、レベリング剤、老化防止剤、可塑剤、溶剤などの添加剤を配合してもよい。
エネルギー照射の光源としては、高圧水銀灯やLEDを使用することができる。高圧水銀灯を搭載したベルトコンベアー式照射器などを使用でき、積算光量で10〜60kJ/mを必要とする。LEDを光源とするLED照射装置の照度では、一般的に30〜900mW/cmであり、場合によっては20〜300mW/cmである。
本発明の嫌気硬化性組成物の硬化方法としては、一方の被着体に嫌気硬化性組成物を塗布した後、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法や、一方の被着体に嫌気硬化性組成物を塗布する前に、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、被着体としては、鉄などの嫌気硬化性を活性化する金属であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。(以下、嫌気硬化性組成物を単に組成物とも呼ぶ。)
[実施例1〜7、比較例1〜4、参考例1〜3]
組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
・変性エポキシアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=6:4の混合物(DICLITE UE−8071−60BH DIC株式会社製)
・脂環式ウレタン系アクリルオリゴマー(アートレジンUN−004RU 根上工業株式会社製)
・両末端に(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有するオリゴマー(RC−200C 株式会社カネカ製)
・ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート(DCP−M 共栄社化学株式会社製)
・イソボルニルメタクリレート(ライトエステルIB−X 共栄社化学株式会社製)
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステルHO 共栄社化学株式会社製)
(B)成分:嫌気硬化触媒
・サッカリン(試薬)
(C)成分:有機過酸化物
・クメンハイドロパーオキサイド(パークミルH−80 日本油脂株式会社製)
(D)成分:光酸発生剤
・ヨードニウム系カチオン種とリン系アニオン種の塩(IK−1 サンアプロ株式会社製)
・1,8−ナフチルイミジル−(+)−10−カンファスルホネート(アデカオプトマー SP−103 ADEKA株式会社製)
・一般式3においてRがヘキサフルオロホスフェートの塩(固形分50質量%)(CPI−100P サンアプロ株式会社製)
・一般式3においてRがホウ素系アニオン種の塩(CPI−110B サンアプロ株式会社製)
・一般式3においてRがリン系アニオン種の塩(固形分50質量%)(CPI−200K サンアプロ株式会社製)
その他の成分
・2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート(JPA−514 城北化学工業株式会社製)
・エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸二ナトリウム塩二水和物(25℃で固体)(2NA(EDTA・2Na) 株式会社同人化学研究所製)
・ベンゾチアゾール(試薬)
・1−アセチル−2−フェニルヒドラジン(試薬)
・ドデカンチオール(試薬)
[マスターA〜Cの調製]
(A)成分を撹拌釜に秤量して、撹拌機により真空脱泡しながら30分間攪拌した。その後、(B)成分、(C)成分およびその他成分を撹拌釜に秤量して60分間撹拌した。ただし、マスターCの場合、JPA−514にEDTA−2Naを事前に溶解させてから使用する。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。以下、マスターA〜Cを単にマスターと呼ぶ。
[実施例1〜7、比較例1〜4および参考例1〜3の調製]
マスターを撹拌釜に秤量して、さらに(D)成分またはその他成分を秤量して、撹拌機により60分撹拌する。詳細な調製量は表2に従い、数値は全て質量部で表記する。また、表2に硬化させる際にエネルギー線照射を行うか否かについて、「光照射の有無」に記載する。
実施例1〜7、比較例1〜4および参考例1〜3に対して、保存安定性確認(促進)、セットタイム測定、トルク強度測定を実施した。その結果を表3にまとめた。
[保存安定性確認(促進)]
製造直後の組成物を容器に入れて、80℃雰囲気下で3時間放置する。その後、容器を傾けて、組成物が容器から出るか目視して下記の評価基準でゲル化したか否かについて確認して、「保存安定性」とする。当該保存安定性確認は、25℃雰囲気下の保存安定性と相関があり、「○」であることが好ましい。
評価基準
○:ゲル化しない
×:ゲル化した
[セットタイム測定]
鉄製のM10、P1.5×20mmの六角ボルト(JIS B1180)とM10、P1.5の六角ナットを使用する。表2の光照射の有無に従い、高圧水銀灯を搭載したベルトコンベアー型照射機により積算光量で30kJ/mを照射した組成物を用意して、ボルトの雄ねじ部分先端約10mmに組成物を6点塗布した。その後、ナットをボルトに螺合した。1分、3分、10分、1時間、3時間、10時間、30時間でナットが指で回した時にセットされているか確認し、ナットが動かない時間を「セットタイム」とする。25℃雰囲気下で、「(D)成分を含む組成物のセットタイム」/「(D)成分を含まない組成物のセットタイム」=1/300〜1/5であることが好ましい。
[トルク強度測定]
鉄製のM10、P1.5×20mmの六角ボルト(JIS B1180)とM10、P1.5の六角ナットを使用する。表2の光照射の有無に従い、高圧水銀灯を搭載したベルトコンベアー型照射機により積算光量で30kJ/mを照射した組成物を用意して、ボルトの雄ねじ部分先端約10mmに組成物を6点塗布した。そのままの状態で25℃で24時間放置し、組成物を硬化させた。ナットを接着したボルトは、ボルトの頭を万力で固定し、トルクレンチによりナットを緩める方向に回転させ、ナットが初めて動き出す時の強度を「トルク強度(N・m)」とする。ただし、測定下限値を下回る場合は、「測定不可」と表記する。オリゴマーの種類によりトルク強度の強弱が異なるが、被着体を固定するためには5N・m以上発現することが好ましい。
(A)成分としてエポキシ系アクリルオリゴマーとウレタン系アクリルオリゴマーをそれぞれ用いた実施例1〜3と比較例1〜3を比較すると、(D)成分を含む実施例1〜3でセットタイムが大幅に短縮されて、参考例1〜3から光照射の有無により実施例1〜3の嫌気硬化性が向上していることが分かる。実施例3〜7で使用している両末端に(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有するオリゴマーは、分子量が大きいが官能基数が少ないため、硬化物になりにくいオリゴマーである。実施例3〜7と比較例3を比較すると、実施例3〜7では(D)成分の種類にかかわらずセットタイムが短縮され嫌気硬化性が向上していることが分かる。比較例4において、嫌気硬化性の促進を目的にドデカンチオールを添加している。セットタイムは短縮されているものの保存安定性が悪いことが分かる。嫌気硬化性組成物では、嫌気硬化性を向上させるのとトレードオフの関係で、保存安定性が低下する傾向が見られる。本発明は、光照射するまでは保存安定性が良好であるが、光照射をした後は嫌気硬化性が向上することが分かる。
本発明の嫌気硬化性組成物は、エネルギー線を照射する前は保存安定性が良好であるが、エネルギー線を照射することで嫌気硬化性が活性化される。潜在的にプライマー効果を含む嫌気硬化性組成物と言える。事前にエネルギー線を照射するため、被着体は透明である必要は無く、エネルギー線照射後にもう一方の被着体を貼合や螺合すればよい。嫌気硬化性組成物は保存安定性と嫌気硬化性を両立させることが難しいが、本発明は当該問題を克服した取扱性が良好な嫌気硬化性組成物である。

Claims (6)

  1. (A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。
    (A)成分:(メタ)アクリル基を有する化合物
    (B)成分:嫌気硬化性触媒
    (C)成分:有機過酸化物
    (D)成分:光酸発生剤
  2. 前記(B)成分が、サッカリンを含む請求項1に記載の嫌気硬化性組成物。
  3. 前記(A)成分が、(メタ)アクリルオリゴマーおよび(メタ)アクリルモノマーを含む請求項1または2のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物。
  4. 請求項3に記載の(メタ)アクリルモノマーが分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーおよび/または飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーである請求項3に記載の嫌気硬化性組成物。
  5. 一方の被着体に請求項1〜4のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物を塗布した後に、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法。
  6. 一方の被着体に請求項1〜4のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物を塗布する前に、該嫌気硬化性組成物にエネルギー線を照射して、もう一方の被着体を接着する硬化方法。
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