JP2007161871A - 硬化性組成物及びそれを用いる部材の仮固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光部材加工時の仮固定方法とそれに好適な組成物を提供する。
【解決手段】(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)有機過酸化物、(D)前記有機過酸化物の分解促進剤を含む分解促進複合体、を含有することを特徴する硬化性組成物であり、更に好ましくは、(A)及び(B)がいずれも疎水性を有することを特徴とする前記組成物。前記組成物を用いて部材を仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、いろいろな部材を加工する際の当該部材の仮固定方法であり、又それに好適な硬化性組成物と接着剤に関し、より詳細には、加工するに際して部材を極度に加熱することなく仮固定する方法と、加工後の部材の剥離が簡便な硬化性組成物に関する。
光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着剤としては、両面テープやホットメルト系接着剤が使用されており、これらの接着剤にて接合または積層した部材を、所定の形状に切削加工後、接着剤を除去し、加工部材を製造することが行われる。
例えば、半導体実装部品では、これらの部品を両面テープにて基材に固定した後、所望の部品に切削加工を行い、更に両面テープに紫外線を照射することで加工して得られた部品を基材から剥離する。また、ホットメルト系接着剤の場合には、部材を接合後、加熱により部材間或いは部材と治具との間隙に接着剤を浸透させた後、前記部材を所望形状の部品に切削加工を行い、しかる後に有機溶剤中で接着剤の剥離を行う。
しかし、両面テープの場合には、接着部分の厚みの精度を出すのが困難であったり、接着強度が弱いために部品加工時に被加工物にチッピングが発生し易く(「チッピング性が劣る」という。)なったり、100℃以上の熱をかけないと剥離できなかったり、また、紫外線照射により剥離させる場合には、被着体の透過性が乏しい場合には剥離できない問題があった。
ホットメルト系接着剤の場合には、接着時に100℃以上の熱をかけなければ貼ることができず、使用できる部材に制約があった。また、剥離時に有機溶剤を使用する必要があり、アルカリ溶剤やハロゲン系有機溶剤の洗浄処理工程が煩雑である他、作業環境的にも問題となっていた。
これらの欠点を解決するために、水溶性ビニルモノマー等の水溶性化合物を含有する仮固定用の光硬化型又は加熱型接着剤が提案されているが、これらの接着剤組成物では、水中での剥離性は解決されるものの、部品固定時の接着強度が低く、切削加工後の部材の寸法精度に乏しい課題があった。
また、特定の親水性の高い(メタ)アクリレートの使用により接着性を向上させるとともに、膨潤や一部溶解によって剥離性を向上させた仮固定用接着剤も提案されているが、切削加工時には、部品とブレードやダイヤモンドカッター等の切削治具との間で発生する摩擦熱を大量の水で冷却させるために、親水性の高い組成物では、切削時に硬化物が膨潤し柔軟になり、より高い寸法精度が達成できない。また、剥離した部材に一部溶解した硬化物が糊残りするため、外観上問題となっている。
加えて、光硬化型接着剤の場合には、加工の対象とする部材の材質が紫外線等の光を透過させる材料に限定され、セラミック材料、着色系プラスチック材料など光を透過させない材料は適用できないという問題がある。
更に、エポキシ樹脂等の加熱硬化型接着剤は、加熱装置を必要とする場合が多いので、硬化時間が長くなり、さらなる省力化、省エネルギー化および作業時間の短縮の課題がある(特許文献1、2、3参照)。
特開平06−116534号公報 特開平11−071553号公報 特開2001−226641号公報
切削加工後の部材の寸法精度を向上させるために、疎水性で高接着強度であり、かつ水中での剥離性に優れ、また、剥離後部材に糊残りのない、環境的にも作業性に優れる一液熱硬化型の仮固定用接着剤が熱望されている。
本発明者は、これら従来技術の問題点を解決するためにいろいろ検討した結果、特定の(メタ)アクリルモノマーを用いてこれを組み合わせるとともに、有機過酸化物の分解促進剤を含む、特定構造を有する複合体(以下、「分解促進複合体」という。)を添加することにより、一液熱硬化可能で高接着強度を有し、しかも温水中での剥離性を有する硬化性組成物が本目的を達成するものであるとの知見を得て、発明を完成するに至った。
本発明は、以下の要旨を有するものである。
1 (A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)有機過酸化物、(D)前記有機過酸化物の分解促進剤を含む分解促進複合体、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
2 (D)が、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸及びその誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする前記の硬化性組成物。
3 (D)が、融点が30〜300℃のワックス状有機物1〜1000質量部と分解促進剤1〜1000質量部を含有し、平均粒子径が0.01〜1000μmであることを特徴とする前記の硬化性組成物。
4 (D)が、乾式接触摩擦混合して得られたものであることを特徴とする前記の硬化性組成物。
5 (A)及び(B)がいずれも疎水性であること特徴とする前記の硬化性組成物。
6 (A)を1〜50質量部、(B)を5〜95質量部、(C)を0.5〜10質量部、(D)を0.1〜10質量部、含有することを特徴とする前記の硬化性組成物。
7 前記の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
8 一液性であることを特徴とする前記の接着剤。
9 前記の硬化性組成物を用いて、被加工部材を仮固定してなる構造体。
10 前記の硬化性組成物を用いて、部材を仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
11 部材を仮固定する際の温度が60℃〜150℃であることを特徴とする前記の部材の仮固定方法。
本発明の組成物は、その組成故に、その硬化体は、加工時に用いる切削水などに影響されずに高い接着強度を発現できるので、部材の加工時にずれを生じ難く、寸法精度面で優れた部材が容易に得られるという効果が得られ、更に一液熱硬化可能であり、加工時の被加工物の仮固定が作業性高く行うことができる効果も得られる。
更に、当該硬化体は、特に30℃以上の温水に接触することで接着強度を低下させ、部材間の或いは部材と治具との接合力を低下するので、容易に部材の回収ができる特徴があり、従来の接着剤の場合に必要とされていた高価で、発火性の強い、或いは人体に有害なガスを発生する有機溶媒を用いる必要がないという格段の効果が得られる。
更に、特定の好ましい組成範囲の組成物においては、硬化体が30℃以上の温水と接触して膨潤し、フィルム状に部材から回収できるので、作業性に優れるという効果が得られる。
本発明の部材の仮固定方法は、前述した通りに、30℃以上の温水に接触することで接着強度を低下させる組成物を用いているので、温水に接触させるのみで容易に部材の回収ができる特徴があり、従来の接着剤の場合に比べ、高価で、発火性の強い、或いは人体に有害なガスを発生する有機溶媒を用いる必要がないという格段の効果が得られる。尚、本発明に於いて、温水の温度の上限を定めるべき技術的な意味は無いが、作業し易いことから90℃以下であることが望まれる。
本発明で使用する(A)多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマー/ポリマー末端又は側鎖に2個以上(メタ)アクロイル化された多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーや、2個以上の(メタ)アクロイル基を有するモノマーを使用することができる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーとしては、例えば、1,2-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製TE−2000、TEA−1000)、前記水素添加物(例えば、日本曹達社製TEAI−1000)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製BAC−45)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製ビスコート#540、昭和高分子社製ビスコートVR−77)などが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられ、3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられ、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる
(A)多官能(メタ)アクリレートは、疎水性のものがより好ましい。然るに、水溶性の場合には、切削加工時に組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし加工精度が劣る恐れがある。親水性であっても、その組成物の硬化体が水によって大きく膨潤もしくは一部溶解することがなければ、使用しても差し支えない。
(A)多官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部中、1〜50質量部が好ましく、特には5〜30質量部が好ましい。1質量部以上であれば、組成物の硬化体を温水に浸漬した時に被着物より当該硬化体が剥離する性質(以下、単に「剥離性」という)が充分に助長されるし、組成物の硬化体がフィルム状に剥離することが確保できる。また、50質量部以下であれば、初期の接着性が低下する恐れもない。
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレ−ト、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、n−(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。
(B)単官能(メタ)アクリレートは、(A)同様に、疎水性のものがより好ましく、水溶性の場合には、切削加工時に組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし加工精度が劣る恐れがあるため好ましくない。また、親水性であっても、その組成物の硬化体が水によって膨潤もしくは一部溶解することがなければ、使用しても差し支えない。(A)、(B)ともに疎水性の場合には、前記効果が一層確実に達成されるので、好ましい。
(B)単官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部中、5〜95質量部が好ましく、特には、10〜80質量部が好ましい。5質量部以上であれば初期の接着性が低下する恐れもなく、95質量部以下であれば、剥離性が確保でき、組成物の硬化体がフィルム状に剥離する。
また、前記(A)及び(B)の配合組成物に、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジフェニル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルポリエチレングリコールアシッドフォスフェート等のビニル基又は(メタ)アクリル基を有するリン酸エステルを併用することで、金属面への密着性をさらに向上させることができる。
(C)有機過酸化物は、組成物の安定性とラジカル重合開始効率から、ある程度分解しにくいものが好ましい。有機過酸化物の分解しやすさは単独での10時間半減期温度が目安となる。10時間半減期温度とは、温度を変えて過酸化物の分解を測定し、10時間で半分が分解する温度を求めたものである。この場合、温度が高いほど熱分解しにくく、低いほど熱分解しやすいことを示す。本発明において用いられる有機過酸化物は、10時間半減期温度が30℃以上、特に50℃以上であることが好ましい。
この様な有機過酸化物としては、例えばp−メンタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ヘキシルハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシドなどの有機パイドロパーオキシド類、ビス(t−ブチルパーオキシm−イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジt−ブチルパーオキシド、などのジアルキルパーオキシド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどのパーオキシケタール類、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルヘキサン酸、t−ブチルパーオキシラウリル酸、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ酢酸、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタル酸などのパーオキシエステル類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
(C)有機過酸化物の添加量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましい。より好ましくは1〜8質量部が好ましい。0.5質量部以上であれば、硬化性が確実に得られるし、10質量部以下であれば接着性が低下したり保存安定性が著しく低下することなく、また皮膚刺激性が低くなるので好ましい。
本発明に於いては、(D)として、前記有機過酸化物の分解促進剤を含む分解促進複合体を含有する。
ここで、有機化酸化物の分解促進剤としては、有機過酸化物としてハイドロパーオキサイド類やケトンパーオキサイド類のものを使用する場合には、有機酸金属塩、有機金属キレート、例えば、ナフテン酸コバルト、水酸化コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸マンガン、オクテン酸コバルト、オクテン酸銅及びオクテン酸マンガン、銅アセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジニルアセチルアセトネート及びコバルトアセチルアセトネート等を使用することができる。
また、分解促進複合体を構成する、分解促進剤以外の成分としては、分解促進剤と有機過酸化物とが直接的に接触しすぐさま反応することを防止できる成分であれば良く、本発明者の検討に拠れば、例えば、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸とその誘導体、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸、牛脂肪酸、ヒマシ硬化脂肪酸、リノ−ル酸、ベヘニン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニンサンアミド、ステアリルエルカアミドステアリン酸、リノ−ル酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニンサンアミド、ステアリルエルカアミド、N-オレイルパルミトアミド等のワックス状有機物を用いることができるが、これらのうちパラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸及びその誘導体からなる群から選ばれる1種以上をもちいるときに、本発明の効果が確実に得られ、好ましい。
本発明において用いるワックス状有機物について、その融点は30〜300℃、好ましくは40〜250℃、特に好ましくは50〜200℃が選択される。ここで融点が低ければ複合体の製造が困難になるばかりでなく、分解促進複合体中の分解促進剤と有機過酸化物との接触機会が早まり、混合された硬化性組成物の貯蔵安定性が低下する。一方、融点が高ければ前記現象が起こりにくくなり、重合禁止効果が乏しくなる。尚、本発明においてワックス状とは、蝋と類似の変形挙動を表すが、具体的には、融点以下では固体であるが融点以上になると速やかに低粘性液体に変化する熱変化挙動と、固体状でも一定以上の変形力が掛かると流動する塑性変形挙動を示す性質である。
本発明において、混合された硬化性組成物の貯蔵安定性と重合禁止効果の兼ね合いから、ワックス状有機物は分解促進剤1質量部に対して1〜1000質量部、好ましくは2〜500質量部、特に好ましくは3〜100質量使用される。更に、当該配合で得られる分解促進複合体について、その平均粒子径が0.01〜1000μmであることが好ましい。
本発明において、分解促進複合体は、分解促進剤をワックス状有機物で被覆する様に構成されることが望まれ、その製造方法としては公知の方法を適用すれば良いが、乾式接触摩擦混合方法が好ましい。
ここで、乾式接触摩擦混合方法とは、粉体状の分解促進剤とワックス状有機物とを、互いに接触し、摩擦するように激しく混合する方法である。この場合、混合方法としては攪拌羽根による内部攪拌または容器を振とうする外部攪拌などの機械的攪拌が適用される。本発明では、前記機械的攪拌を行う時に、多量の液体を介在させることなく行う乾式混合が好ましく採用される。但し、本発明では、液体を加えて湿った状態で行う混合も可能であり、完全に排除するものでは無く、混合時に実質的に乾いた状態になる程度に少量の液体を添加することも含むものである。
本発明における(D)分解促進複合体の使用量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。より好ましくは0.5〜8質量部が好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化性が確実に得られるし、10質量部以下であれば接着性が低下したり保存安定性が著しく低下することないので好ましい。
本発明において、(D)分解促進複合体を、(A)、(B)及び(C)と共に用いることにより、組成物の硬化後に、硬化体が温水と接触して容易に膨潤して接着強度が低下する現象を確実に発現することができる。
また、本発明に於いて、(A)〜(D)に溶解しない粒状物質を共に用いることにより、硬化後の組成物が一定の厚みを保持できるため、加工精度が向上するとともに、温水と接触して容易に膨潤したりして接着強度が低下する現象を確実に発現することができる。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質としては、材質として、一般的に使用される有機、無機粒子いずれでもかまわない。具体的には、有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリポリプロピレン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子など挙げられ、無機粒子としてはガラス、シリカ、アルミナ、チタンなどセラミック粒子が挙げられる。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質は、加工精度の向上、つまり接着剤の膜厚の制御の観点から球状であることが好ましく、特に粒状物質の長短径比が0.8〜1の範囲の球状のものが好ましい。具体的に、有機粒子としては、メタクリル酸メチルモノマー、スチレンモノマーと架橋性モノマーとの乳化重合法により単分散粒子として得られる架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子等が挙げられ、無機粒子としては球状シリカ等が、粒子の変形が少なく、粒径のバラツキによる硬化後の組成物の膜厚が均一になるため好ましく、その中でもさらに粒子の沈降等の貯蔵安定性や組成物の反応性の観点から、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子がより一層好ましい。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質の粒子サイズに関しては、組成物の硬化物膜厚は部材の種類、形状、大きさ等に応じて当業者が適宜選択できるが、平均粒子径で1〜300μmが好ましく、特に10〜200μmがより好ましい。1μ以上であれば剥離性が確保でき、300μ以下であれば、加工精度が低下しない。また、前記粒子径の分布についてはなるべく狭いことが望ましい。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質の添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。0.1質量部以上であれば硬化後の組成物の膜厚がほぼ一定であり、20質量部以下であれば、初期の接着性が低下する恐れもない。
本発明の組成物は、その貯蔵安定性向上のため少量の重合禁止剤を使用することができる。例えば重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール及び2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
これらの重合禁止剤の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー100質量部に対し、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜2質量部がより好ましい。0.001質量部以上で貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下で良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されているアクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴムなどの各種エラストマー、無機フィラー、溶剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シランカップリング剤及び界面活性剤等の添加剤を使用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、通常、(A)〜(D)を攪拌混合して、接着剤として使用される。使用する際は、オ−ブン等を用いて加温し、急速に硬化、接着する方法等が適用される。本発明の硬化性組成物は、60〜150℃で硬化が××〜××分と半導体等の部材を加工する前工程で基材に接着するのに好適な時間内で硬化する接着特性を有するので好ましいし、更に、一液性のままとすれば、一層作業性に優れる特徴があり、好ましい。また、本発明の硬化性組成物の硬化体は、30℃以上90℃以下の温水と接触して接着強度を低下させる性質を有するので、前記したとおりに、半導体等の被加工部材を仮止めする接着剤として好適である。
本発明は、30℃以上90℃以下の温水と接触して接着強度を低下させる前記の組成物を用いて部材を他の部材や基材に接着し、組成物を硬化して仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を温水に浸漬して、硬化した接着剤を取り外す部材の仮固定方法であり、これにより、有機溶剤を用いることなく、いろいろな部材を加工精度高く加工することができる。
また、本発明の好ましい実施態様によれば、組成物の硬化体を取り外すときに、硬化体が30℃以上90℃以下の温水と接触して膨潤し、フィルム状に部材から回収できるようにすることで、作業性に優れるという効果が得られる。
本発明の仮固定方法において、前記本発明の組成物で部材同士或いは部材を治具等に仮固定した構造体は、前記発明の効果が確実に得られる。
本発明に於いて、適度に加熱した温水、具体的には90℃以下の温水を用いる時、水中での剥離性が短時間に達成でき、生産性の面から好ましい。前記温水の温度に関しては、30℃〜90℃、好ましくは40〜90℃、の温水を用いると短時間で接着剤の硬化物が膨潤するとともに、組成物が硬化した際に生じる残留歪み応力が解放されるために接着強度が低下し、被着体のフィルム状に接着剤硬化体を取り外すことができるので好ましい。尚、硬化体と水との接触の方法については、水中に接合体ごと浸漬する方法が簡便であることから推奨される。
本発明において、仮固定する際に用いられる部材の材質に特に制限はなく、例えば、封止用エポキシ樹脂等に代表されるシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、顔料など無機フィラーが充填された補強プラスチック及びそれを用いた基板材料、ガラス補強プラスチック(FRP)、セラミックス、ステンレス、アルミニウム、フェライトなどの金属及びシリコンなどの不透明な材料はもちろんのこと、水晶部材、ガラス部材、透明プラスチック部材など透明材料なども挙げられる。
仮固定方法において、接着剤の使用方法に関しては、例えば、固定する一方の部材又は支持基板の接着面に接着剤を成分適量塗布し、続いてもう一方の部材を重ね合わせるという方法や、予め仮固定する部材を多数積層しておき、接着剤を隙間に浸透させて塗布させる方法等で接着剤を塗布した後に部材同士を仮固定する方法や一液熱硬化液タイプの接着剤の場合、固定する一方の部材又は支持基板の接着面に(C)有機過酸化物(D)分解促進複合体を含まれる組成物を塗布し加温することで、両者を貼り合わせ仮固定する方法等が例示される。
その後、仮固定された部材を所望の形状に切断、研削、研磨、孔開け等の加工を施した後、該部材を水好ましくは温水に浸漬することにより、接着剤の硬化物を部材から剥離することができる。
以下に実施例及び比較例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(D)分解促進剤を含む分解促進複合体(実験例:複合体微粒子の製造)
水酸化コバルト(和光純薬試薬、平均一次粒子径約5μm/島津製作所粒子径測定器SALD−2000により合成エタノール溶媒で測定した重量平均粒子径)10gとベヘニン酸(日本油脂NAA−222Sビーズ/粒子径約1mm、融点74℃)100gをフードプロセッサー(松下電器産業MK−K58−Wの餅つきモード)で約1時間乾式攪拌混合した。この処理により、当初薄紫色粉体だった水酸化コバルトと白色ビーズ状だったベヘニン酸は均一に複合化され、ビースが消滅すると共に全体が薄桃色の粉体となり、複合体微粒子が得られた。この複合体微粒子を水酸化コバルト原料と同様にして測定したところ、平均一次粒子径は約12μmだった。
(実施例1)
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本曹達社製TE-2000(1,2-ポリブタジエン末端ウレタンメタクリレート以下「TE−2000」と略す)20質量部、ジシクロテンタニルジアクリレート(日本化薬社製KAYARAD R−684、以下「R−684」と略す)15質量部、(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製アロニックスM−140、以下「M−140」と略す)40質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変成アクリレート(東亜合成社製アロニックスM−101A、以下「M−101A」と略す)25質量部合計100質量部、(C)有機過酸化物としてクメンハイドロパーオキサイド(日本油脂社製パークミルH−80、以下「CHP」と略す)1質量部、(A)〜(D)に溶解しない粒状物質として平均粒子径50μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(根上工業社製アートパールGR−200以下「GR−200」と略す)0.2質量部、重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(以下「MDP」と略す)0.15質量部添加して組成物(I)を作成した。
得られた組成物(I)に前記の(D)分解促進複合体を5質量部添加して80℃で硬化させ、硬化性組成物を作成した。得られた硬化性組成物を使用して、以下に示す評価方法にて引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表1に示す。
(評価方法)
硬化時間:硬化性組成物を得た後、温度23℃の条件下、流動性がなくなり、硬化物となるまでの時間を測定した。
引張せん断接着強さ:JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材として鉄試験片(SPCC、100×25×1.6mm)を用いて、接着部位を横25mm×幅12.5mmとして、作成した硬化性組成物にて、2枚のアルミニウム試験片を接着させ、温度23℃条件下で1日間養生し、引張せん断接着強さ試験片を作成した。作成した試験片は、万能試験機を使用して、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。また、被着材として耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(25mm×25mm×厚さ2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmとして、作成した硬化性組成物にて、2枚の耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを貼り合わせ、温度23℃条件下で1日間養生し、引張せん断接着強さ試験片を作成した。鉄試験片と同様に引張せん断接着強さを測定した。
剥離試験:上記耐熱パイレックス(登録商標)ガラスに硬化性組成物を塗布し、支持体として青板ガラス(150mm×150mm×厚さ1.7mm)に貼り合わせたこと以外は上記と同様な条件で作成した硬化性組成物を硬化させ、剥離試験体を作成した。得られた試験体を、温水(80℃)に浸漬し、耐熱パイレックス(登録商標)ガラスが剥離する時間を測定し、また剥離状態も観察した。
Figure 2007161871
(実施例2〜7)表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を作成した。得られた組成物について、実施例1と同様に引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表1に示す。
(使用材料)
NPA:ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学社製ライトアクリレートNP−A)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製KAYARAD TMPTA)
BZ:ベンジルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルBZ)
QM:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム&ハース社製QM−657)
(比較例1〜5)
表2に示す種類の原材料を表2に示す組成で使用したこと以外は実施例1同様にして組成物を作成した。得られた組成物について、実施例1と同様に引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表2に示す。
Figure 2007161871
(使用材料)
2−HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
IBX:イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルIBX)
MTEGMA:メトシキテトラエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学社製NKエステルM−90G)
(実施例8)実施例1で作成した硬化性組成物を用いて、硬化させる雰囲気温度を60℃、80℃、100℃、120℃と変えた以外は実施例1と同様に硬化時間、引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表3に示す。その結果温度に異存なく硬化し、同じく剥離性も示す。
Figure 2007161871
(実施例9)実施例1で作成した硬化性組成物を用いて150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で用いた青板ガラスをダミーガラスとして実施例1と同様に接着硬化させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガラスの脱落は発生せず、良好な加工性を示した。耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみを切断した接着試験体を80℃の温水に浸漬したところ、60分ですべて剥離した。また、その剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(樹脂組成物で仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
Figure 2007161871
(比較例6)UV硬化型PET粘着テープを使用して150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを接着させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。その試験片の粘着テープ部分に紫外線を照射させることにより粘着力を低下させ、その切断試験片を回収した。その切断試験片を実施例25と同様に剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(粘着テープで仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
本発明の組成物は、その組成故に1液熱硬化性を有し、その硬化体は切削水などに影響されずに、高い接着強度を発現できるので、部材の加工時にずれを生じ難く、寸法精度面で優れた部材が容易に得られるという効果が得られるし、更に、温水に接触することで接着強度を低下させ、部材間の或いは部材と治具との接合力を低下するので、容易に部材の回収ができる特徴があるので、セラミック基板、光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着剤として、産業上有用である。
本発明の部材の仮固定方法は、前記特徴ある組成物を用いているので、従来技術に於いて必要であった有機溶媒を用いる必要がなく、またフィルム状に部材から回収できるので作業性に優れるという特徴があるので、産業上非常に有用である。

Claims (11)

  1. (A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)有機過酸化物、(D)前記有機過酸化物の分解促進剤を含む分解促進複合体、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. (D)が、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、長鎖脂肪酸及びその誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. (D)が、融点が30〜300℃のワックス状有機物1〜1000質量部と分解促進剤1〜1000質量部を含有し、平均粒子径が0.01〜1000μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の硬化性組成物。
  4. (D)が、乾式接触摩擦混合して得られたものであることを特徴とする請求項3記載の硬化性組成物。
  5. (A)及び(B)がいずれも疎水性であること特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. (A)を1〜50質量部、(B)を5〜95質量部、(C)を0.5〜10質量部、(D)を0.1〜10質量部、含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
  8. 一液性であることを特徴とする請求項7記載の接着剤。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬化性組成物を用いて、被加工部材を仮固定してなる構造体。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬化性組成物を用いて、部材を仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
  11. 部材を仮固定する際の温度が60℃〜150℃であることを特徴とする請求項10記載の部材の仮固定方法。
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